[0019] 本明細書に説明されることは、ワイヤレス通信ネットワーク内で送信される測位メッセージと関連する電力レベルを管理する(制御する)ためのシステムおよび方法である。測位メッセージは、NBPプロトコルにしたがって送信されることができ、そこで、モバイルデバイスの位置は、ネットワークアクセスポイント(APs)によって収集される測定(例えば、往復時間(round trip time)(RTT)の測定、受信信号強度インジケーション(RSSI)、等)によって提供される。代替として、MBPプロトコルは、使用されることができ、そこで、測定は、それ自身の位置を決定するためにモバイルデバイスによって収集され、使用される。NBPおよびMBPは、「モバイル測位」または単に「測位」と本明細書で集合的に称される。
[0020] 本明細書に説明されるように、(例えば、NBP、またはMBPインプリメンテーションの中で)モバイル測位(mobile positioning)を提供するAPsは、同じネットワーク負荷を使用して測位のためにサポートされるモバイルデバイスの数を増加させるために測位メッセージのための様々な送信電力制御(TPC)メカニズムを利用することができる。電力制御は、以下に説明されるように、個々のAPsによって自律的に、および/または他の方法で、測位サーバでNBPライブラリモジュールのような、中央エンティティ(central entity)によってなされ得る。
[0021] 本明細書に説明される様々なインプリメンテーションがネットワーク要素と称されることができ、および/または1つ以上のネットワーク技術に特有である名称を利用することができる一方、本明細書に説明される技法は、特定の技術に限定されず、現在存在しているか、将来開発されるかに関わらず、任意の適切な技術、またはそれらの組み合わせに適用され得る。さらに、本明細書に説明されるインプリメンテーションのいくつかが、NBPシステムに適用するように、同様の概念もまた、以下に説明されるように、MBPシステムおよび/または他のシステムに適用し得る。
[0022] 本明細書に説明されているシステムおよび方法は、ワイヤレス通信システムの中で動作する1つ以上のモバイルデバイスを介して動作する。図1を参照すると、実例となるワイヤレス通信システム10は、モバイルデバイス12と通信して、基地トランシーバ局BTSおよびワイヤレスアクセスポイント(APs)16を含む。1つのBTS14だけが図1に示されているが、2つ以上のBTS14が使用されることができる。1つのモバイルデバイス12だけが図1に示されており、以下に参照されるが、BTS14およびAPs16は、モバイルデバイスと本明細書で称される、いろいろなワイヤレス通信デバイスのための通信サービスを提供する。BTS14および/またはAP16によってサーブされるワイヤレス通信デバイスは、現在存在しているか、将来開発されるかに関わらず、携帯情報端末(PDAs)、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップまたはタブレットコンピュータのような計算デバイス、自動計算システム、等に限定されないが、それらを含むことができる。
[0023] システム10は、複数のキャリア(異なる周波数の波形信号)上のオペレーションをサポートし得る。マルチキャリア送信機は、複数のキャリア上で同時に変調された信号を送信することができる。各変調された信号は、符号分割多元接続(CDMA)信号、時分割多元接続(TDMA)信号、直交周波数分割多元接続(OFDMA)信号、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)信号、等であり得る。各変調された信号は、異なるキャリア上で送られることができ、パイロット、オーバヘッド情報、データ、等を搬送し得る。
[0024] BTS14およびAPs16は、アンテナを介してシステム10の中のモバイルデバイス12とワイヤレスで通信することができる。BTS14はまた、基地局、ノードB、発展型ノードB(eNB)、等と称され得る。APs16もまた、アクセスノード(ANs)、ホットスポット、等と称され得る。BTS14は、複数のキャリアを介してモバイルデバイス12と通信するように構成される。BTS14は、セルのような、それぞれの地理的エリアに通信カバレッジを提供することができる。BTS14のセルは、基地局アンテナの機能として、複数のセクタに分割されることができる。
[0025] システム10は、マクロ基地局14のみを含むことができ、またはそれは、例えば、マクロ、ピコ、および/またはフェムト基地局、等、異なるタイプの基地局14を有することができる。マクロ基地局は、比較的大きい地理的エリア(例えば、半径数キロメートル)をカバーすることができ、サービスに加入している端末(terminals with service subscription)による無制限アクセスを可能にし得る。ピコ基地局は、比較的小さい地理的エリア(例えば、ピコセル)をカバーすることができ、サービスに加入している端末による無制限アクセスを可能にし得る。フェムトまたはホーム基地局は、比較的小さい地理的エリア(例えば、フェムトセル)をカバーすることができ、フェムトセルとの関連を有する端末(例えば、家の中のユーザのための端末)による制限付きアクセス(restricted access)を可能にし得る。
[0026] BTS14とAPs16の両方がシステム10内に示されているが、ワイヤレス通信環境は、必ずしもBTSs14とAPs16の両方を包含する必要はなく、BTSs14、APs16、あるいはかなりの数または構成でそれら両方を含み得る。一般的に、BTS14は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、ユニバーサルモバイル電気通信システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))および/または第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって開発された他の技術、CDMA2000および/または3GPP2によって開発された他の技術、等のような1つ以上のセルラ無線アクセス技術を介して通信をサポートする。AP16は一般的には、IEEE(米国電気電子技術者協会)802.11仕様(例えば、Wi−Fi)または同様のものに基づいて1つ以上の技術を介して通信をサポートする。しかしながら、BTSs14およびAPs16は、これらの技術に限定されず、追加のまたは代替の機能を用い得る。さらに、単一のデバイスは、BTS14とAP16の両方の、いくつかのまたはすべての機能を含み得る。
[0027] システム10にさらに示されているように、モバイルデバイス12は、ショッピングモール、学校、または他の屋内、または屋外エリアのような場所(エリア、領域)110内に位置決めされる。本明細書で、APs16は、場所110内に位置決めされ、場所110のそれぞれのエリア(部屋、店、等)に通信カバレッジを提供する。システム10の中のAPs16へのアクセスは、オープンであることができ、あるいは代替的にアクセスが、パスワード、暗号化キー、または他の証明情報(credentials)で保護されることができる。
[0028] 図1は、1つのモバイルデバイス12のみを例示するが、システム10は、複数のモバイルデバイスをさらに含むことができ、それは、システム10の全体にわたって分散され得る。モバイルデバイスは、端末、アクセス端末(ATs)、モバイル局、ユーザ機器(UE)、加入者ユニット、等と称され得る。さらに、モバイルデバイスは、上記にリストされたような様々なデバイス、および/または任意の他のデバイスを含むことができる。
[0029] システム10はまた、領域110の中の1つ以上のモバイルデバイス12の測位を促進するためにNBPをインプリメントし得る。いくつかの使用事例(use cases)では、NBPは、デバイス、例えば、MBP機能を有するデバイス、およびMBP機能をインプリメントするための機器および/または処理能力が不足しているデバイス、のより幅広い範囲に測位を提供するためにMBPにわたって望ましくあり得る。代替として、MBPまたは他の技法は、NBPの代わりに使用されることができ、あるいはNBP、MBP、および/または他の測位技法の組み合わせは、システム10で使用されることができる。
[0030] 本明細書で、測位は、測位サーバ120を通して調整される。測位サーバ120は、システム10の中のAPs16との、バックホールリンクと称される、通信リンクを維持する。バックホールリンクは一般的に、ワイヤード通信リンク(例えば、イーサネット(登録商標)、等)であるが、ワイヤレス通信および/または他の通信技術が、使用されることができる。測位サーバ120は、APs16とモバイルデバイス12間で通信される測位関連メッセージに関連しているAPsによって行われる測定の収集を調整する。収集された測定は、同様に、モバイルデバイス12の位置を取得するために使用される。
[0031] 次に図2を参照して、モバイルデバイス12の例は、プロセッサ20、ソフトウェア24を含むメモリ22、トランシーバ26、およびアンテナ28を含むコンピュータシステムを備える。トランシーバ26は、図1に示されているように、1つ以上の関連したワイヤレス通信ネットワークの中の他のエンティティ、本明細書で、セルラネットワークと関連するBTS14、および/またはローカライズされた通信ネットワークと関連するAPs16に双方向の通信機能(bi-directional communication functionality)を、アンテナ28を介して、提供する。いくつかのインプリメンテーションでは、トランシーバ26は、いろいろな通信システムを介して通信をサポートすることができ、アンテナ28のうちの異なるものは、異なる通信システムのために使用され得る。例として、アンテナ28は、BTS14と通信するための第1のアンテナ、およびAPs16と通信するための第2のアンテナを含み得る。他のインプリメンテーションでは、所与の通信システムとの通信のために使用されるアンテナ28は、送信(Tx)アンテナおよび受信(Rx)アンテナに随意にさらに分けられ得る。代替として、アンテナ28のそれぞれのものは、割り当てられたシステム、またはシステムの組み合わせのための送信と受信両方のために使用されることができる。
[0032] プロセッサ20は、例えば、ARM(登録商標)、Intel(登録商標)コーポレーション、またはAMD(登録商標)によって製造されたもののような、中央処理ユニット(CPU)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、等のインテリジェントハードウェアデバイス(intelligent hardware device)であることが好ましい。プロセッサ20は、モバイルデバイス12に分散されることができる複数の個別の物理的なエンティティを備えることができる。メモリ22は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読取専用メモリ(ROM)を含む。メモリ22は、実行されるとき、プロセッサ20に、本明細書に説明された様々な機能(説明は、機能を行うプロセッサ20のみに関し得るが)を行わせるように構成されるプロセッサ可読命令を包含するプロセッサ可読、プロセッサ実行可能なソフトウェアコードであるソフトウェア24を記憶する非一時的なプロセッサ可読記憶媒体である。代替として、ソフトウェア24は、プロセッサ20によって直接的に実行可能でないことがあるが、プロセッサ20に、例えば、コンパイルされ、実行されるとき、機能を行わせるように構成される。メモリ22を補うことができる媒体は、RAM、ROM、FLASH、ディスクドライブ、等に限定されないが、それらを含む。
[0033] 次に図3を参照して、APs16のうちの実例となる1つは、プロセッサ30、ソフトウェア34を含むメモリ32、トランシーバ36、アンテナ38、およびネットワークアダプタ40を含むコンピュータシステムを備える。プロセッサ30およびメモリ32は、図2に示されているモバイルデバイス12のプロセッサ20およびメモリ22と同様に構造化され得る。本明細書で、AP16のプロセッサ30およびメモリ32は、AP16の通信範囲内で、モバイルデバイス12および/または他のデバイスに通信機能を提供するように(例えば、メモリ32上に記憶されたソフトウェア34を介して)構成される。AP16は、アンテナ38を介して、モバイルデバイス12、APs16のうちの他のもの、および/またはシステム10の中の他のエンティティと通信し、それは、1つ以上の通信プロトコルにしたがってトランシーバ36と関連する。モバイルデバイス12のアンテナ28と同様に、AP16のアンテナ38は、TxおよびRxアンテナ、トランシーバ36によってサポートされる複数の通信システムのためのアンテナ、等に分けられ得る。
[0034] AP16のネットワークアダプタ40は、測位サーバ120へのバックホールリンク(例えば、イーサネットリンク、等)を維持し、バックホールリンクを介してAP16と測位サーバ120間の通信を促進する。代替として、AP16は、トランシーバ36およびアンテナ38を介して測位サーバ120とワイヤレス通信リンクを維持することができ、その場合、ネットワークアダプタ40は、トランシーバ36によって省略され得る、および/またはインプリメントされ得る。
[0035] 図4を参照して、測位サーバ120の例は、プロセッサ50、ソフトウェア54を含むメモリ52、およびネットワークアダプタ56を含むコンピュータシステムを備える。プロセッサ50およびメモリ52は、図2に示されているモバイルデバイス12のプロセッサ20およびメモリ22、および/または図3に示されているAP16のプロセッサ30およびメモリ32と同様に構造化され得る。本明細書で、測位サーバ120のプロセッサ50およびメモリ52は、APs16とモバイルデバイス12間で送信される測位関連メッセージ(positioning-related messages)に関係するAPs16における測定のパフォーマンスを調整すること、およびモバイルデバイス12の位置を決定するためにこれらの測定を利用することによってモバイルデバイス12にNBPを提供するように(例えば、メモリ52上に記憶されるソフトウェア54を介して)構成される。上記に説明されたように、測位サーバ120は、ネットワークアダプタ56、ならびに/あるいはトランシーバおよび関連したアンテナ(associated antenna)(示されていない)のような、他の手段によってバックホールリンクを介してAPs16と通信する。
[0036] 図5は、測位インプリメンテーション、本明細書でモバイルデバイス12、APs16のうちの1つ以上、および測位サーバ120を利用するシステム200の中のNBPインプリメンテーション、のハイレベルの概観(high-level overview)を示す。本明細書で、モバイルデバイス12は、APs16のうちの1つ以上の範囲に存在し、ワイヤレスリンク220を介してAPs16のうちの1つ以上と通信するように動作可能である。1つのAP16だけが簡潔さのために図5に示されているが、システム200は、APs16のうちの複数のもの(例えば、3個以上のAPs、等)を好ましくは含む。APs16は、同様に、バックホールリンク222を介して測位サーバ120と通信する。
[0037] 図5に示されているように測位サーバ120は、AP調整モジュール202、測位エンジン204、およびNBPモジュール206を含む。図5に示されているAP16は、モバイル測位モジュール212および測定報告モジュール214を含む。測位サーバ120およびAP16のそれぞれのモジュール202、204、206、212、214の機能は、以下にさらに詳細に説明される。
[0038] NBPモジュール206は、システム200の中のデバイスのためにNBPを管理するように構成されるソフトウェアライブラリ、および/または他のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントを含み得る。NBPモジュール206が測位サーバ120の一部として図5に例示されているが、NBPモジュール206は、いくつかのインプリメンテーションでは、システム200内でAP16および/または1つ以上の他のデバイスにおいてインプリメントされ得る。例として、AP16は、専用の測位サーバが使用されず、AP16(および/またはネットワークの中の他のAPsまたは他のデバイス)が本明細書で説明され、図5に示されているようなNBPモジュール206のそれを含む、測位サーバ120の機能のいくつか、またはすべてを代わりにインプリメントする非集中的なネットワーク環境(decentralized network environment)の中で代替的に動作し得る。他のインプリメンテーションもまた、可能である。
[0039] NBPが(例えば、モバイルデバイス12と関連するアプリケーションまたは他の手段を介して、あるいはユーザ認証(user authorization)を持つAP16および/または測位サーバ120によって)モバイルデバイス12のために要求されると、測位サーバ120のAP調整モジュール202は、モバイルデバイス12との測位交換を開始するためにモバイルデバイス12の範囲内に存在するAPs16のうちの1つ以上を選択する。AP16のモバイル測位モジュール212は、モバイルデバイス12とのこの交換を開始し、交換の間モバイルデバイス12に送信した、およびモバイルデバイス12から受信した信号に基づいて、RTT測定、RSSI測定、またはそれらと同様のもののような、測定を行う。AP16の測定報告モジュール214は、これらの測定をまた測位サーバ120へ報告し、それは、APs16の既知のロケーションおよび報告された測定に基づいて、例えば、三辺測量を使用して、モバイルデバイス12の位置を決定するために測位エンジン(PE)204を利用する。決定された位置は、同様に、測位サーバ120からAPs16および/または(測位サーバ120からモバイルデバイス12に直接的にか、APs16のうちの1つ、またはモバイルデバイス12と通信している別のエンティティを介してモバイルデバイス12に間接的にかのどちらかで)モバイルデバイス12に、送信され得る。
[0040] Wi−Fiネットワークまたは他の同様のネットワークのような、ネットワークリソースへのアクセスを制限するためにキャリア検知多元接続衝突回避(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)(CSMA−CA)を利用するネットワークでは、モバイルデバイス12は、まず媒体を検知し、媒体が使われていない(free)ときにのみ送信を開始するように構成される。加えて、APs16のうちの1つが測定パケット(measurement packet)をモバイルデバイス12に送信するとき、送信は、送信しているAP16のカバレッジエリアの中のすべてのコチャネルのAPs16(co-channel APs 16)によって検知されることとなる。そのような送信はまた、コチャネルのAPs16にもたらされる干渉より少ない程度で、送信しているAP16のカバレッジエリアの中の近接したチャネルAPs16に干渉をもたらし得る。結果として、送信しているAP16によって送られる測定パケットは、送信しているAP16のカバレッジエリアの中の他のAPs16のいくつかまたはすべてのためにネットワーク帯域幅を低減する。このことは、同様に、所与のエリアの中のNBPを介して同時に位置付けされることができるデバイスの数を制限し得る。
[0041] 加えて、モバイルデバイス12が、バッテリ式のデバイスおよび/または低電力で動作するように構成される別のデバイスである場合、モバイルデバイス12によって使用される送信(Tx)電力は、APs16によって使用されるTx電力より非常に低くあり得る。いくつかのインプリメンテーションでは、AP Tx電力は、モバイルTx電力より3−10dB高くあり得る。結果として、APカバレッジエリアは一般的に、対応するモバイルカバレッジエリアより大きい。
[0042] 図6の図形300は、典型的な場所のための実例となるAP展開を例示する。図形300では、第1の領域310は、モバイルデバイス12のために「接続されたAP」312と称される、モバイルデバイス12が通信サービスのために接続されるAP16のカバレッジエリアを示す。第2の領域320は、モバイルデバイス12のカバレッジエリアを示す。本明細書で使用される場合、所与のデバイスのための「カバレッジエリア」は、空間的な領域(例えば、円形の領域)として定義され、それは、デバイスの通信範囲、および(例えば、デバイスの位置で設定される)焦点によって(a focal point)同様に定義される。通信範囲は、最大の範囲か、デバイスの1つ以上のアンテナによって使用される実際のTx電力レベルに基づく範囲かのどちらかであり得る。
[0043] 図形300に示されているように、領域310は、接続されたAP312のための円形のカバレッジ領域(カバレッジエリア)である。領域310は、接続されたAP312の位置で位置付された中心点、および接続されたAP312の最大の範囲314に対応する半径を有する。領域320は、モバイルデバイス12のための円形のカバレッジ領域である。領域320は、モバイルデバイス12の位置で位置付された中心点、およびモバイルデバイス12の最大の範囲322に対応する半径を有する。カバレッジエリアの他の形、定義、または構成もまた、使用されることができる。例として、複数のアンテナを持つ通信デバイスは、アンテナの各々を介して送信される信号のために行われるビームフォーミングまたは他の空間的な処理のため、非円形のカバレッジエリアを有し得る。他の構成もまた、可能である。
[0044] 図形300にさらに示されているように、接続されたAP312によって送信される測定パケットは、接続されたAP312および/または近接のチャネルと同じチャネル上で動作する領域310内に位置付けされる他のAPs16のいくつか、またはすべてに干渉することができ、および/またはそうでなければ影響を及ぼし得る。接続されたAP312のカバレッジエリアがモバイルデバイス12のそれより大きいため、多数のこれらの他のAPs16は影響され得る。
[0045] その近隣APs16への、APs16のうちの1つに通信される、およびAPs16のうちの1つから通信されるNBP関連シグナリングの影響を緩和するために、AP16および/または測位サーバ120は、測位のためにAP16によって使用されるTx電力レベルを制御するための技法をインプリメントすることができる。例として、図5に戻ると、NBPモジュール206ならびに/あるいは測位サーバ120および/またはAP16の他のコンポーネントは、AP16によって利用される測位Tx電力を設定し、推奨し(recommend)、またはそうでなければ変え得る。これらの技法は、以下にさらに詳細に説明される。
[0046] 一般的に、測位シグナリングのためにAPs16のうちの所与の1つによって利用されるTx電力は、AP16のエリアに関連してモバイルデバイス12のおおよその位置に少なくとも部分的に基づいて制御される。これは、従来のAP電力制御と対照的であり、そこで、APはAPが接続されていないモバイルデバイスの位置に関連している知識(knowledge)を有していない。本明細書で、測位サーバ120およびAPs16のうちの1つ以上は、それぞれのAPs16によって使用されるTx電力の最適化を向上させるためにAPs16のすべてのためのTx電力レベルを設定するために調整する。結果として、所与の場所内に位置付けされることができるばらばらのAPカバレッジエリアの数は、増加され、それによって、より多くのAPs16が場所内で位置決めされることを可能にする。さらに、一斉にネットワークによって対処されることができるロケーション要求の数は、増加し得る。本明細書に説明された技法は、単一のチャネルと複数のチャネルの両方のネットワークAP構成で、ならびにNBPとMBPの両方の構成で利用されることができる。他の構成もまた、可能である。続く説明では、特定の構成への言及は、そうでないと記載されていない限りすべての可能な構成に適用する。
[0047] 図5に示されている測位サーバ120のモジュール202、204、206およびAP16のモジュール212、214は、ハードウェア、(例えば、メモリ32、52上に記憶されるソフトウェア34、54を実行するプロセッサ30、50によってインプリメントされる)ソフトウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせで、および/または任意の他の適切な手段によってインプリメントされ得る。
[0048] 図5に示されているシステム200は、本明細書に説明されるようないろいろな技法を使用して関連した通信ネットワーク内で電力最適化測位負荷(power-optimized positioning load)を促進し得る。これらは、測位パケット(positioning packets)(例えば、キープアウェイクパケット(keep awake packets)、測定パケット、等)のTx電力制御、測位電力制御を促進するためのNBPサーバプロトコル(NSP)修正、NBPモジュール206による電力制御、APs16によるTx電力の自律的な微調整(autonomous fine tuning)、等、に限定されないが、それらを含む。一般的に、測位サーバ120および/またはAPs16は、モバイルデバイス12の少なくともカバレッジエリア、およびモバイルデバイス12のTx電力レベルを含むモバイルデバイス12の(1つまたは複数の)動作パラメータを推定すること、ならびにそれらの(1つまたは複数の)動作パラメータの関数としてAP16からモバイルデバイス12への測位メッセージのためのTx電力レベルを設定することによって、APs16のうちの所与の1つのための電力最適化(power optimization)を行う。
[0049] NSP修正を介する電力制御に関して、フィールドまたは他のインジケータは、推奨されるTx電力および/またはそれへの調節を示すために、測位サーバ120によってNSPウェイクアップメッセージおよび/またはNSP測定要求に追加され得る。本明細書で使用される場合、「NSPメッセージ」は、(例えば、NBPモジュール206を介して)APs16および測位サーバ120によって互いに通信するために使用されるメッセージを指す。「測位パケット」、「測位シグナリング」、および/または同様の用語は、APs16とモバイルデバイス12間で通信される測位関連情報を指す。この情報は、例えば、アクティブすなわち「アウェイク」状態にモバイルデバイス12を保つためにAPs16によって送られるキープアウェイクパケット、モバイルデバイス12から測定(例えば、RSSI、RTT、等)を取るためにAPs16によって送られる測定パケット、モバイルデバイス12からAPs16に送られる測定応答パケット(measurement response packets)、または同様のものを含み得る。
[0050] NBPモジュール206によって管理されるAP Tx電力制御のために、NBPモジュール206は、1つ以上の基準に基づいて測位パケットのためにAPs16によって使用されるためのTx電力を計算し得る。これらの基準は、モバイルデバイス12のTx電力、APs16のTx電力および/または検出しきい値、APs16とモバイルデバイス12間の通信リンクと関連する経路損失(path loss)(リンクバジェット(link budget))情報、モバイルデバイス12の検出しきい値、等、に限定されないが、それらを含み得る。本明細書で使用される場合、「検出しきい値」は、デバイスが例えば、許容確率(acceptable probability)または正確度(degree of accuracy)内で成功裡にパケットを受信することができる最小の信号強度を指す。NBPモジュール206がAPs16のためにTx電力レベルを計算した後、Tx電力レベルは、絶対電力レベル(absolute power level)(例えば、割り当てられる、または推奨される電力レベル)、APs16の前のTxレベル(previous Tx level)からの変化を示す相対的な(デルタ)電力レベル(relative (delta) power level)として、および/または他の手段によってAP16に通信され得る。
[0051] NBPモジュール206は、様々な方法でそのネットワーク内のモバイルデバイス12および/またはAPs16に関連している情報を取得し得る。例として、測位サーバ120は、それが通信するAPs16のTx電力および検出しきい値に関連している情報を保持し、APs16のためのTx電力を決定することにこの情報を使用し得る。さらに、図7のシステム400によって示されているように、NBPモジュール206は、モバイル履歴データベース402からモバイルデバイスTx電力に関連している情報を取得することができ、それは、過去の測定に基づいてシステムの中の各デバイスのためのTx電力の推定を保持する。
[0052] 同様に、または代替として、図8のシステム500によって示されているように、NBPモジュール206は、例えば、クラウドソーシングモジュール502を介して、クラウドソーシングを通してモバイルTx電力情報を取得し得る。本明細書で、NBPモジュール206は、クラウドソーシングモジュール502を介して、メディアアクセス制御(MAC)アドレスおよび/またはモバイルデバイス12および/またはネットワークの中の他のデバイスの他の識別子を取得する。クラウドソーシングモジュール502はまた、ハードウェア仕様、モデル識別子、等のような、モバイルデバイス12の動作能力に関連している情報をモバイルデバイス12から取得し得る。代替として、モバイルデバイス12の動作能力は、そのMACアドレスまたは他の識別子から推測、または推定され得る。モバイルデバイス12を含むデバイスについての収集された情報に基づいて、NBPモジュール206は、モバイルデバイス12と関連するTx電力を予測する。
[0053] APs16のうちの所与の1つおよびモバイルデバイス12に関する経路損失情報を取得するために、NBPモジュール206は、前の位置推定および/または関連測定結果を利用し得る。例として、モバイルデバイス12のための最後の位置推定が、(例えば、モバイル履歴データベース402を介して)利用可能であり、しきい値時間期間(threshold time period)より古くないとき、NBPモジュール206は、APs16のうちの異なるものとモバイルデバイス12間の経路損失を予測するために位置推定を使用することができる。このことは、個別にモバイルデバイス12との測位シグナリングに従事するAPs16のうちの複数のもののTx電力を最適化するために使用されることができる。
[0054] モバイルデバイス12のための検出しきい値を取得するために、NBPモジュール206は、(例えば、モバイル履歴データベース402で記憶された)前の位置推定から検出しきい値を推定することができる。本明細書で、NBPモジュール206は、位置推定が与えられるモバイルデバイス12およびモバイルデバイス12が位置推定を取得するために通信したAPsのそれぞれのTx電力レベル、モバイルデバイス12とモバイルデバイス12から測定を取得することができたAPs16のうちの最も遠い1つ間の距離、ならびに/あるいは検出しきい値を推定するための位置推定に関連している他の情報を利用する。例として、モバイルデバイス12のための検出しきい値は、AP Tx電力がモバイルTx電力より大きいことを仮定して、モバイルデバイス12とモバイルデバイス12から測定を取得することができたAPs16のうちの最も遠い1つ間のAP Tx電力プラス経路損失の関数(function of AP Tx power plus the path loss)として与えられることができる。他の技法が、使用されることもできる。
[0055] NBPモジュール206、および/または測位サーバ120の他のコンポーネントは、様々な技法に基づいてAPs16によって送られる測位メッセージのためのTx電力レベルを推奨し得る。例として、NBPモジュール206は、モバイルデバイスカバレッジエリアに基づいてAPs16のうちの所与の1つのためのTx電力レベルを設定し得る。より具体的には、NBPモジュール206は、モバイルデバイス12のカバレッジエリアが所与のAP16のカバレッジエリアのサブセットであるレベルにAP Tx電力を設定する。このAP Tx電力は、モバイルデバイス12のカバレッジエリアが所与のAP16のカバレッジエリアのサブセットである最小のTx電力であり得るが、他の電力レベルが使用されることもできる。さらに、AP Tx電力は、所与のAP16のデフォルトTx電力および/または他のファクタ(factors)による上限(upper limited)であり得る。AP Tx電力を対応するモバイルカバレッジエリアにマッチングした結果としてモバイルデバイスにおける衝突確率(collision probabilities)は、低減されることができ、互いに、および/または他のデバイスにAPs16によってもたらされる干渉も、低減され得る。
[0056] 上記の技法は、図9の図形600によって例示される。本明細書で、モバイルデバイス12のために接続されたAP312のためのTx電力は、(モバイルデバイス12の位置およびモバイルデバイスの通信範囲322によって定義される)モバイルデバイス12のカバレッジエリア320が接続されたAP312のカバレッジエリア310のサブセットであるような最小のTx電力に設定される。モバイルデバイス12のカバレッジエリアと同様に、接続されたAP312のカバレッジエリアは、接続されたAP312の位置および接続されたAPの通信範囲314によって定義される。ゆえに、接続されたAP312の通信範囲がそれのTx電力の関数であるように、接続されたAP312によって利用されるTx電力を修正することは、その通信範囲314および、ひいては、そのカバレッジエリア310を比例して(proportionately)修正する。図形600に示されるように接続されたAP312のTx電力を設定することの結果として、接続されたAP312が干渉をもたらすエリアは、低減される。
[0057] 別の例として、NBPモジュール206は、モバイルデバイスTx電力に基づいてAP Tx電力レベルを設定し得る。この場合では、NBPモジュール206は、モバイルデバイス12のためのTx電力レベル(例えば、それの設定可能なマージン(configurable margin)内)に類似しているAPs16のうちの所与の1つのためのTx電力レベルを推奨する。例として、APs16のそれぞれのもののために推奨されるTx電力レベルは、APs16を取り囲んでいるエリアのための平均モバイルTx電力、代表(representative)(平均、最小、最大、等)モバイル検出しきい値とAP検出しきい値間の差、および設定可能なマージンの合計に基づいて設定され得る。他の技法または公式が、使用されることもできる。
[0058] さらに別の例として、NBPモジュール206は、モバイルデバイス12の検出能力に関してAP Tx電力レベルを設定し得る。この場合では、NBPモジュール206は、少なくとも正確度しきい値(threshold degree of accuracy)でAP16から測位パケットを成功裡に受信するためにモバイルデバイス12に十分なAPs16のうちの所与の1つのためのAP Tx電力レベルを推奨する。この推奨される電力レベルは、モバイルデバイス12における少なくとも受信成功確率しきい値(threshold probability of successful reception)を可能にする最小値に設定され得る。代替として、設定可能な電力マージンは、追加され得る。NBPライブラリモジュールは、AP16とモバイルデバイス12間の経路損失の関数、AP16とモバイルデバイス12間の検出しきい値における差、および(随意的に)設定可能なマージンに基づいてAPs16のそれぞれのもののために推奨されるTx電力を設定し得る。他の公式が、使用されることもできる。
[0059] モバイルデバイス12の検出能力に関するAP Tx電力管理は、図10の図700によって示される。図700は、上記の技法がモバイルデバイス12のために接続されたAP312と、追加のAP702のような、APs16のうちの1つ以上の他のものとの両方のためのTx電力を最適化するために利用されることを例示する。APs312、702のTx電力は、それぞれのAPs312、702の関連範囲314、712が少なくとも成功確率しきい値(threshold probability of success)で、前記モバイルデバイス12が、APs312、702の各々からパケットを受信することをまだ可能にしている間実質的に最小であるように設定される。図700によって示されている電力制御技法の結果として、接続されたAP312のカバレッジエリア310と追加のAP702のカバレッジエリア710の両方は最適化され、それによって、干渉がAPs312、702から検出されることとなるエリアを低減する。
[0060] 上記の技法が特定のモバイルデバイス、本明細書でモバイルデバイス12、に関して行われるように、上記に提供されたそれらと同様の技法は、MBP展開のためのAP Tx電力を最適化するためにモバイルデバイス12によって使用され得る。MBPの場合、モバイルデバイス12は、測位サーバ120および/または1つ以上のそれらのコンポーネント(例えば、NBPモジュール206または同様のモジュール)、クラウドサービス、等のような関連したネットワークの様々な要素から測位パケットのために推奨されるTx電力を取得することができる。推奨されるTx電力は、モバイルデバイス12の最後の既知の位置および/またはモバイルデバイス12に関連している他の情報に基づいて測位サーバ120および/または他のネットワーク要素によって決定される。MBP展開のために、測位サーバ120は、Tx電力推奨を計算することにおいて上記にNBPのために説明されたそれらと同様のアルゴリズムおよび/または技法を利用し得る。モバイルデバイス12および測位サーバ120はさらに、AP16およびリンク220、222を介して間接的にか、モバイルデバイス12と測位サーバ120間の追加の直接通信リンクを介してかのどちらかで、MBP展開の中で互いとの通信のさらなる能力がある。
[0061] 上記に説明されたようなNBPモジュール206を介するAP Tx電力制御に加えて、またはその代わりに、APs16はまた、測位送信のためにそれらのTx電力を自律的に設定および/または調節し得る。この自律的なAP電力調節は、図11のシステム800によって示されている。本明細書で、APs16のうちの例示された1つは、モバイル測位モジュール212がワイヤレスリンク220にわたって測位シグナリング(例えば、測定パケット、キープアウェイクパケット、等)をモバイルデバイス12に提供する電力レベルを調節するための電力同調モジュール(a power tuning module)802を含む。電力同調モジュール802は、NBPモジュール206からの推奨されるTx電力がない場合に使用され得るか、または推奨されるTx電力の補完として使用され得る。
[0062] 電力同調モジュール802は、その関連したAP16のTx電力レベルを調節することにいろいろなパラメータを利用し得る。例として、AP16がモバイルデバイス12のために接続されたAPである場合、電力同調モジュール802は、モバイルデバイス12から受信されるRSSI情報に基づいてTx電力を最適化し得る。別の例として、電力同調モジュール802は、モバイルデバイス12のTx電力および/または検出しきい値に基づいてTx電力を最適化し得る。AP16は、NSPメッセージを介してNSPライブラリモジュール206から、モバイルデバイス12との通信の履歴(例えば、モバイルデバイス12から受信された前のメッセージ)に基づいて、図8に示されているクラウドソーシングモジュール502に関して説明されたのと同様の方法でクラウドソースされたデバイス情報に基づいて、等で、それらを推定することによってこれらのパラメータに関連している情報を取得し得る。電力同調モジュール802はまた、ネットワークの中でモバイルデバイス12から他のデバイスに送られるメッセージを傍受する(sniff)、またはそうでなければ検出することができ、受信されたRSSIに基づいてモバイルデバイス12のTx電力および/または検出しきい値を予測し得る。
[0063] 電力同調モジュール802はまた、モバイルデバイス12から受信される情報に基づいてモバイルデバイス12との測位交換の間電力を適応的に最適化し得る。例として、電力同調モジュール802は、肯定応答(ACK)が受信される場合、例えば、Tx電力を低減すること、または変更しないことによって、あるいは、ACKが受信されていないか、否定ACK(NACK)が受信されるかのどちらかの場合、Tx電力を増加することによって、ACKが所与の測位パケットのためにモバイルデバイス12から受信されるか否かに基づいて関連したAP16のTx電力を調節し得る。適応的なTx電力調節を行うことと組み合わせて、電力同調モジュール802は、測位サーバ120が、それに応じてAP16およびモバイルデバイス12に関する経路損失および検出しきい値パラメータをチューニングする(tune)ことができるように測位サーバ120(例えば、NBPモジュール206)になされる(1つまたは複数の)調節を示し得る。
[0064] 図12を参照して、さらに図1−11に関連して、測位シグナリングのためのAPs16のうちの1つのTx電力を制御するプロセス1000は、示されている段階を含む。プロセス1000は、しかしながら、単に例であり、限定しない。プロセス1000は、例えば、追加され、削除され、再配列され、組み合わされ、および/または同時に行われる段階を有することによって変更されることができる。示されている、および説明されているようなプロセス1000へのさらなる他の変更は、可能である。
[0065] 段階1002において、AP16とモバイルデバイス12間の測位交換の初期化は、例えば、測位サーバ120において、および/またはAP16において、検出される。初期化は、測位交換のための要求を検出することによって段階1002で検出されることができ、それは、モバイルデバイス12および/または別のデバイス、AP16、測位サーバ120、システム内の別のサーバまたは他のエンティティ、等のような、関連した通信システム内で任意の適切なデバイスによって送られ得る。他の初期化方法が、使用されることもできる。さらに、測位交換は、NBP、MBP、および/または他の測位プロトコルにしたがって実施され得る。
[0066] 段階1004において、少なくとも推定されるカバレッジエリアおよび推定されるTx電力レベルを含む、モバイルデバイス12の推定される動作パラメータは、決定される。段階1004において決定されたモバイルデバイス12の推定される動作パラメータは、(例えば、システム400内に示されているような測位サーバ120において記憶されるモバイル履歴データベース402、および/または測位サーバ120および/またはAP16における別の同様のデータ記憶装置を介して)AP16とモバイルデバイス12間での前の通信(prior communication)の履歴、(例えば、システム500に示されているような測位サーバ120のクラウドソーシングモジュール502、またはAP16に存在する同様のモジュールを介して)クラウドソースされたモバイルデバイス情報、ならびに/あるいは上記に説明されたような他の情報に基づいて取得され得る。本明細書で、モバイルデバイス12の「カバレッジエリア」は、モバイルデバイス12の位置およびモバイルデバイス12と関連するそれぞれのアンテナ範囲によって定義される、実質的に円形のまたは楕円形の領域を指し、そこで、モバイルデバイス12は、少なくとも成功確率しきい値でデータを受信するおよび/または送信する能力がある。
[0067] 段階1006において、測位交換の間AP16からモバイルデバイス12への(例えば、測位メッセージの)送信のためのAP Tx電力レベルは、段階1004において決定されたようなモバイルデバイスの推定される動作パラメータの関数として設定される。本明細書で、NBPモジュール206は、上記に説明されたように、モバイルデバイスのカバレッジエリアおよび/またはTx電力の関数として、AP16によって使用されるTx電力レベルを推奨する、設定する、または調節し得る。代替として、AP Tx電力は、図10の図700に関して説明されたように、モバイルデバイス12が少なくとも正確度しきい値でAP16から測位パケットを受信する能力があることを推定されるように設定され得る。別の代替として、図11に関して上記に説明されたように、AP16は、電力同調モジュール802、またはそのTx電力を自律的に調節するための他の手段を利用し得る。
[0068] 次に図13を参照して、さらに図1−11に関連して、測位シグナリングのためのAPs16のうちの1つのTx電力を制御する別のプロセス1100は、示されている段階を含む。プロセス1100は、しかしながら、単に例であり、限定しない。プロセス1100は、例えば、追加され、削除され、再配列され、組み合わされ、および/または同時に行われる段階を有することによって変更されることができる。示されている、および説明されているようなプロセス1100へのさらなる他の変更は、可能である。
[0069] 段階1102において、位置決めされるためのモバイルデバイス、すなわち、モバイルデバイス12、は、識別される。この識別は、モバイルデバイス12のために接続されたAP16、APs16のうちの別の1つ、測位サーバ120、または別の適切なネットワークデバイスによって行われる。
[0070] 段階1104において、AP16は、初期のTx電力でモバイルデバイス12との測位交換を初期化する。測位交換は、NBPインプリメンテーションのための測位サーバ120からの、またはAP16それ自身からのコマンドまたは要求による、MBPインプリメンテーションのためのモバイルデバイス12による、等のような、様々な方法で初期化され得る。さらに、初期のTx電力は、AP16によって独立して決定されることができ、または(例えば、NBPモジュール206を介して)測位サーバ120または他の手段によってAP16に提供され得る。測位交換を初期化すると、図5に示されているように、AP16は、モバイル測位モジュール212によってワイヤレスリンク210を介してモバイルデバイス12で、測位シグナリング、パケット、メッセージ、等を通信するように構成される。
[0071] 段階1106において、段階1104において利用された初期のTx電力は、例えば、モバイルデバイス12の推定される動作パラメータ、または測位交換の間のモバイルデバイス12の動作(behavior)のうちの少なくとも1つに基づいて、電力同調モジュール802および/またはAP16の他のコンポーネントを介して、調節される。上記に説明されたように、段階1106において使用され得るモバイルデバイス12の動作パラメータは、モバイルデバイス12から既に受信されたパケットと関連するRSSIおよび/または他の信号品質メトリック、モバイルデバイス12のTx電力および/または検出しきい値、等を含む。さらに上記に説明されたように、電力同調モジュール802は、AP16からモバイルデバイス12に送信される測位パケットに対応するACKsの有無、および/または測位交換の間のモバイルデバイス12の動作の他の態様に基づいて段階1106においてAP16のTx電力を調節し得る。
[0072] 上記に説明されたプロセス1000、1100は、上記に説明されたように1つ以上のデバイスによってインプリメントされることができ、それは、AP調整モジュール202、測位エンジン204、NBPモジュール206、等のようなコンポーネントを備える測位サーバ120、および/またはモバイル測位モジュール212、測定報告モジュール214、電力同調モジュール802、等のようなコンポーネントを備えるAPs16のうちの1つを含み得る。測位サーバ120および/またはAPs16の例示され、説明されたコンポーネントは、プロセス1000、1100に示されている動作を行うための手段として動作するようにそれぞれ構成され得る。プロセス1000、1100によって示されているような、測位サーバ120、AP16、および/またはそれらの構成するコンポーネント(constituent components)によって行われるオペレーションは、ハードウェアで、(例えば、非一時的なプロセッサ可読媒体であるメモリ32、52のうちの関連した1つの上に記憶されるプロセッサ実行可能なソフトウェアコード34、54を実行するプロセッサ30、50のうちの1つにより)ソフトウェアで、あるいはハードウェアまたはソフトウェアの組み合わせでインプリメントされ得る。さらに、測位サーバ120が単一のエンティティとして示され、説明されたが、上記に説明された測位サーバ120の機能のいくつか、または全ては、複数の計算デバイスの間で分配され得る。同様に、上記に説明されたようにAPs16のうちの個々のものによって行われるアクションは、複数のAPs16にわたって分配され得る。
[0073] 上記に説明された方法、システム、およびデバイスは、例である。様々な代替の構成は、適宜、様々なプロシージャまたはコンポーネントを省略、置換、または追加し得る。例として、代替の方法で、段階は上記の論考とは異なる順序で行われることができ、様々な段階が、追加、省略、または組み合わせられ得る。また、ある特定の構成に関して説明された特徴は、様々な他の構成で組み合わせられ得る。構成の異なる態様および要素は、同様の方法で組み合わせられ得る。また、技術は進化し、それゆえに、要素の多くが例であり、本開示または請求項の範囲を限定しない。
[0074] 実例となる構成(インプリメンテーションを含む)の徹底的な理解を提供するために、説明において具体的な詳細が与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的な詳細なしに実施され得る。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成を曖昧にすることを避けるために不必要な詳細なしに示されてきた。この説明は、実例となる構成のみを提供し、請求項の範囲、適用性、または構成を限定しない。むしろ、構成の先の説明は、説明された技法をインプリメントするための説明を可能にすることを当業者に提供することとなる。本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、要素の機能および配列に様々な変更がなされ得る。
[0075] 構成は、フロー図またはブロック図として描写されるプロセスとして説明され得る。各々は、シーケンシャルなプロセスとしてオペレーションを説明し得るが、オペレーションの多くは、並行してまたは同時に行われることができる。加えて、オペレーションの順序は、再配置され得る。プロセスは、図に含まれない追加のステップを有し得る。さらに、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらのあらゆる組み合わせによってインプリメントされ得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードでインプリメントされるとき、必要なタスクを行うためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体のような非一時的なコンピュータ可読媒体内に記憶され得る。プロセッサは、説明されているタスクを行い得る。
[0076] 特許請求の範囲を含む、本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」で始まる項目のリストで使用されるような「または(or)」は、例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」のリストが、A、またはB、またはC、またはAB、またはAC、またはBC、またはABC(すなわち、AおよびBおよびC)、または2つ以上の特徴(例えば、AA、AAB、ABBC、等)との組み合わせを意味するような、選言的なリスト(disjunctive list)を示す。
[0077] いくつかの実例となる構成が説明されたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替の構成、および等価のものが使用され得る。例えば、上記の要素は、より大きいシステムのコンポーネントであることができ、本明細書で、他のルールが、本発明のアプリケーションよりも優先するか、そうでなければ本発明のアプリケーションを修正し得る。また、いくつかのステップは、上記の要素が考慮される前、その間、またはその後に着手され得る。したがって、上記の説明は、請求項の範囲に境界を付けない。