JP2017512315A - 高エネルギー荷電粒子を磁気カスプ配位に閉じ込める方法及び装置 - Google Patents

高エネルギー荷電粒子を磁気カスプ配位に閉じ込める方法及び装置 Download PDF

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Abstract

プラズマイニシエータ、電子注入器及び磁気コイルカスプ閉じ込め配置を用いて核融合反応を生じさせる装置及び方法。プラズマイニシエータは、反応チャンバ内で高ベータプラズマを生成して電子を反応チャンバ内に閉じ込める。電子注入器は、反応チャンバ内にプラズマポテンシャル井戸を生成して反応チャンバ内にイオンを閉じ込め、核融合関連エネルギーまでイオンを加速させる。【選択図】図4

Description

〔関連出願データ〕
本出願は、2014年3月11日に出願された米国仮特許出願第61/951,387号及び2015年3月11日に出願された米国特許出願第14/645,306号に関し、これらの文献の内容はあらゆる目的で引用により本明細書に組み入れられる。
本発明は、国防総省によって付与された契約番号第N68936−09−0125号の下、政府の支援を受けて行われたものである。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明の実施形態は、高エネルギープラズマを発生させて閉じ込める方法及び装置に関する。高エネルギープラズマは、核融合反応を生じるために使用することができる。
磁場を用いた高温プラズマの閉じ込めは、1950年代より制御熱核融合研究において推進されている主要経路の1つになっている。核融合反応からの正味発電を達成するために、磁気ピンチ型、トカマク型、ヘリカル型、磁気ミラー型などの複数の磁場配位(magnetic field configuration)が高温プラズマの閉じ込めのために研究されている。1997年に欧州トーラス共同研究施設のトカマク型において、高温プラズマの閉じ込めによって23MWの入力電力に比べて16MWの核融合発電を生じた際に実質的な進展が達成された。しかしながら、磁気閉じ込め核融合装置に関する重要な技術的課題の1つは、閉じ込め磁場内におけるプラズマの不安定性である。例えば、プラズマ電流又はプラズマ圧によって引き起こされるキンクなどの磁気流体力学的(MHD)不安定性、及び交換型不安定性は、磁場を引き裂いてプラズマを放出することにより、プラズマの閉じ込めを突然崩壊させることがある。したがって、プラズマの不安定性は、装置内の最大動作プラズマ電流又は圧力を制限し、正味核融合電力を達成するために必要な反応炉サイズを増大させる。さらに、大規模崩壊の際に反応炉の故障を防ぐために大きな工学的安全裕度が必要とされ、したがって工学的複雑性と反応炉コストとが増加する。
磁気カスプ配位(Magnetic Cusp Configuration)
図1Aに示すように、磁気カスプ配位は、中央部の閉じ込めプラズマシステムに向かう凸状の磁場曲率に起因して優れたプラズマ安定性を提供する[1]。図1A及び図1Bにおける点描領域は、プラズマチャンバ内のプラズマの広がりを示す。実験的には、このカスプ場配位は、最大β=1という非常に高いプラズマ圧で動作した。プラズマベータβは、閉じ込め磁場圧に対するプラズマ圧の比率として定められ、β=Pplasma/(B2/2μ0)であり、式中のPplasmaはプラズマ圧であり、μ0は透磁率であり、Bは磁場強度である。本開示では、カスプ内に閉じ込められたプラズマ体積の平均プラズマ圧に等しいプラズマ圧の値と、真空内でのカスプ点における磁場強度Bcuspを用いた磁気圧力値(Bcusp 2/2μ0)とを用いてカスプシステムのベータ値を求める。さらに、プラズマ圧はnκBTで与えられ、式中のnはプラズマ密度であり、κBはボルツマン定数であり、Tはプラズマ温度である。ビーム型プラズマの場合には、平均ビームエネルギーを用いてプラズマ圧を求め、例えば、ビームプラズマ圧=nbeam×Ebeamであり、式中のnbeamはビームプラズマ密度であり、Ebeamは平均ビームエネルギーである。これは、流体力学における静圧と動圧の区別に類似する。
比較すると、正味核融合電力出力を達成するために提案された大規模トカマク型装置である国際熱核融合実験炉(ITER)の設計パラメータは、β〜0.03である。核融合電力出力はβ2として基準化されるので、高ベータ動作は、小型の経済的な核融合炉(fusion reactor)にとって有利である。1950年代には、ロスアラモス国立研究所(LANL)とニューヨーク大学(NYU)の研究グループが、制御熱核融合炉の考えられる配位としてカスプ磁場を利用することについて研究した[1−3]。しかしながら、カスプ配位の開いた磁場構造に関連する不十分なプラズマ閉じ込めが重大な課題を提起した。この結果、NYUのGradらによる理論的研究を除き、カスプ磁場配位の利用を目的とする研究開発努力の大半が中止された。
NYUのGradらは、やはり点描領域がプラズマチャンバ内のプラズマを表す図1Bに示すように、磁場が、一方の側(閉じ込め領域の中心部分)の磁場を含まない高ベータプラズマと、他方の側の磁場を含む真空とを分離する鋭い境界を示す場合、開いたカプス磁場配位のプラズマ閉じ込め特性を大きく改善できることを理論的に予測した[2]。本開示における高ベータとは、0.2以上のベータ値を示す。このベータ値は、トカマク型及び磁気ミラー型などの他の磁気閉じ込め装置における0.03〜0.06の比較的低いベータ値に比べると高い。境界層の内部では、高ベータプラズマの反磁性効果に起因して、磁場が無視できるほど小さい。境界層の外部では、開いた磁場配位における高速荷電粒子の喪失により、プラズマ圧が事実上ゼロである。図1Cに示すように、外向きの荷電粒子の軌跡の大半は鏡面反射して内部領域に戻るので、この薄い境界層を横切るプラズマ損失は大きく低減される。6面体コイル型カスプ磁場における個々の電子の軌跡を示す図1Dに示すように、運動方向がカスプ軸に非常に近い粒子のみが内部領域から離れて失われる。プラズマ損失率を計算するには、カスプ軸付近の「ホール」において損失が生じると考え、「ホール」のサイズが荷電粒子のジャイロ半径に相当すると推測する。
Gradとその同僚らは、この「ホール」のサイズは電子のジャイロ半径に相当し、カスプ配位において鋭い磁場境界を形成できれば正味電力生成反応炉の構築が可能であるかもしれないと理論的に仮定した[2]。方程式1は、図1Bに示すような高βプラズマ状態における鋭い磁場境界の電子損失率を与えるものである。
方程式1:高βプラズマ状態中、電子損失率は、
という電子閉じ込め時間に対応して、
及び
として与えられ、式中のIeは電子損失電流であり、eは電子電荷であり、neは(イオン密度に等しいと仮定される)電子密度であり、veは電子速度であり、re gyroはカスプ点における電子ジャイロ半径であり、meは電子質量、Bcuspはカスプ点における磁場強度であり、Ncuspはシステム内のカスプ点の数であり、Rsystemはカスプ閉じ込めシステムの半径である。なお、本開示における単位及び数式は、広く使用されている米国海軍研究所プラズマ公式集[4]の慣例に従う。上記の式は、電子の質量、密度及びジャイロ半径を対応するイオンのパラメータに置き換えた場合にはイオン損失率に当てはまる。
Gradとその同僚は、方程式1の電子損失率に基づいて、カスプ磁場配位を用いた正味電力生成核融合炉の構築が可能であるかもしれないことを示した。例えば、図2に、6コイル型磁気カスプ配位に基づく半径80cmのプラズマサイズ、すなわちカスプ閉じ込めシステム半径(例えば、カスプ閉じ込め半径Rsystem)を有する小型核融合炉を示す。この核融合炉は、図2の代表点Cによって示すような14個のカスプ点又は開口部(Ncusp=14)を有し、磁気カスプ点における5テスラの磁場で動作する。方程式1に基づけば、プラズマ中の50keVの電子の場合、電子閉じ込め時間は0.13秒である。β=1という条件を用いて閉じ込められたプラズマを特徴付けた場合、対応するプラズマ密度は、5テスラの磁場では1.2×1015cm-3になり、nτe値は1.6×1014s/cm3になる。なお、周知のローソン条件によれば、正味電力生成D−T核融合炉に必要なnτe値は、1.5×1014s/cm3以上である。比較すると、トカマク型の概念に基づく核融合炉では、ローソン条件を満たすためにはるかに大きなサイズが必要になる。
Gradとその同僚は、鋭い境界を形成する手段として衝撃波管型のプラズマ注入器又は時変磁場を使用することをさらに開示した。LANLのMarshallとTuckは、磁気的に加速されたアーク源を用いてカスプ磁場にプラズマジェットを注入する予備実験的研究を開示して実施した[5、6]。また、世界中の複数の研究グループが、Gradが仮定したような改善されたプラズマの閉じ込めを実証しようと試み、その努力がSpalding及びHainesによる総説論文に要約されている[7、8]。しかしながら、Gradが仮定したような改善されたプラズマの閉じ込めを実験的に証明する努力は成功していない。後に、NRLのPechacekらが、固体ペレットのレーザアブレーションを利用して、2次元スピンドル型カスプ配位において高ベータ(すなわち、β=1)プラズマを生成した[9]。彼らの結果は、カスプ場の幾何学的損失「ホール」のサイズが電子ジャイロ半径ではなく、むしろイオンジャイロ半径に近いことを示した。核融合反応に必要なイオンエネルギーは、約10keV〜500keVと非常に高いので、磁気カスプ配位に基づく核融合炉では、対応する幾何学的損失ホールのサイズはかなりのものとなる。ジャイロ半径は、5テスラの磁場強度における50keVの電子の場合には0.01cmであるのに対し、同じ磁場強度における50keVの重水素イオンの場合には0.65cmである。損失「ホール」のサイズがイオンジャイロ半径に相当するのであれば、磁気カスプ配位は、高プラズマ損失率に起因して、実用的な電力生成核融合炉には適していないと思われる。
カスプにおける高ベータプラズマの生成には進展が見られたが、カスププラズマ閉じ込め装置に関するそれまでの研究は、10〜100eVの低温プラズマに限定されていた。Gradは、カスプ配位では低エネルギー粒子に比べて高エネルギー粒子の方がはるかに急速に失われることが1つの固有の特性であると指摘した。このように、それまでの研究では、10〜100eVのプラズマ温度を有する比較的低温のプラズマを利用して、カスプ内に初期高ベータプラズマを生成していた。しかしながら、カスプ内のイオンを10keV〜500keVの核融合に適したエネルギーまでいかに加速できるかという課題は解決されなかった。
慣性静電閉じ込め
一方で、いくつかの研究グループは、Farnsworth、Hirsch、Elmore、Tuck及びWatsonの研究に基づいて、潜在的中性子源、医療用アイソトープの生産及び発電核融合炉のために慣性静電閉じ込め(IEC)システムの実行可能性を研究していた[10−13]。IECシステムの場合、核融合反応のためのイオンの加速と閉じ込めは、負にバイアスされた物理電極(例えば、半透過性グリッド)又は電子ビーム注入によるプラズマ中の過剰電子によって生成されるプラズマ中の電場によってもたらされる。本開示に関連するIECシステムでは、電場が負の静電ポテンシャル井戸を生成する。中心領域の電位値は、外部領域の電位値に比べてさらに負である。したがって、イオンは、中心領域に向かって移動するにつれてエネルギーを獲得し、中心領域における高エネルギーイオンは、核融合反応よりも前に強力な静電反発力に打ち勝つことができる。IEC装置の主な技術的課題は、電極に対するイオン又は電子損失率が高いことによってエネルギー効率が低くなることである。例えば、典型的なビーム電子は、ビーム注入後から電極に衝突するまでシステム内で10〜20回しか振動せず、閉じ込め時間が非常に短くなる。この結果、IECシステムによって生成される総核融合電力量は、これまで入力電力の0.01%未満であり、IECシステムの商業的応用を制限している。
1985年に、Bussardが、図3に示すように磁気カスプ配位とIECの概念とを組み合わせた、後に「ポリウェル」と名付けられた核融合装置を発明した[14]。Bussardは、以下の5つの主な発想を挙げた。1)磁気流体力学的安定性に基づいて磁気カスプ配位を使用すること、2)点カスプに対する電子損失を制限するために多面体形状コイルを使用すること、3)装置内にイオン閉じ込め手段としてのポテンシャル井戸を生成するために、装置内で「仮想カソード」と呼ばれる過剰電子を使用すること、4)10keV〜1MeV超の高エネルギーで電子を注入して、イオンを核融合に適したエネルギーまで加速できる負のポテンシャル井戸を生成すること、及び5)核融合燃料を供給するためにイオンを添加すること。ポリウェル反応炉が従来のIECシステムよりも主に進歩した点は、カスプ磁場の使用によって高エネルギー電子ビーム損失が減少した点である。
ポリウェル反応炉に関する課題の1つは、始動方法である。ポリウェルカスプ配位内でイオン加速のための強電場を生成する初期努力は、始動フェーズ中の電子ビームの不十分な閉じ込めに起因して失敗に終わった。Krall他の文献[16]に記載されているように、電子ビーム注入によって生成された負のポテンシャル井戸は、プラズマ密度が5.0×106cm-3から1.1×109cm-3に増加すると、0.3ms以内で急速に崩壊した。後に、Bussardは、始動中における電子ビームの不十分な閉じ込めを克服するために、「ウィッフルボール(WB)」効果と呼ばれる概念を導入することによって自身の発明を拡張した。WB効果は、カスプ内のプラズマ圧が上昇することによる磁場の膨張とされている。なお、WBの現象論は、Gradらによる磁気カスプ中の高ベータプラズマとは異なるが、WB効果の電子損失率は、方程式1で与えられる損失率に類似すると推測される。Bussardは、WB効果を達成するために、強烈な電子ビーム注入の使用、カスプ磁場に沿ったプラズマ再循環、及びコイル構造の表面において高電圧を用いることによる急速な背景ガスのイオン化を提案した[15]。しかしながら、上述した方法を用いてWB効果を生じさせようとする試みは成功せず、ポリウェル装置における電子ビームの不十分な閉じ込めの課題は解決されていない。
図1Aは、凸状の磁場曲率と低ベータプラズマを有する、先行技術の磁気カスプ配位を示す図であり、図1Bは、磁場のない高ベータプラズマ領域を磁場真空領域から分離する鋭い境界領域を示す、先行技術の磁気カスプ配位を示す図である。 カスプ境界での荷電粒子の鏡面反射を示す、先行技術の磁気カスプ配位を示す図である。 先行技術の六面体コイル型カスプ配位における電子軌跡を示す図である。 6コイル型磁気カスプ配位に基づく、半径80cmのカスプ閉じ込めシステムサイズを有する先行技術の小型核融合炉を示す図である。 磁気カスプ配位とIECシステムとを組み合わせた先行技術のポリウェル反応炉を示す図である。 本発明の実施形態による、カスプ磁場、プラズマ注入器及び電子ビーム注入器を有する装置を示す図である。 図2又は図4の6コイル型カスプ磁気配位の数値計算した電子軌跡を示す図である。 図2のプラズマチャンバ内に残った電子数を時間の関数として示すグラフである。 本発明の実施形態による、始動スキームを確認するように構築して動作させた験的試験システムを示す図である。 本発明の実施形態において使用する同軸プラズマ注入器を示す図である。 本発明の実施形態による複数のプラズマ注入器の使用を示す図である。 プラズマチャンバ内における1又は2以上の高出力レーザを用いたプラズマ形成の開始を示す図である。 プラズマチャンバ内における1又は2以上の高出力レーザを用いたプラズマ形成の開始を示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 プラズマチャンバ内におけるプラズマ形成を開始するために使用するピンチプラズマイニシエータの構成及び動作モードを示す図である。 図6の装置の動作によって得られた実験結果を示す図である。 図6の装置の動作によって得られた実験結果を示す図である。 本発明の実施形態において利用できる磁気カスプ配位を示す図である。 本発明の実施形態において利用できる磁気カスプ配位を示す図である。 本発明の実施形態において利用できる磁気カスプ配位を示す図である。 本発明の実施形態において利用できる磁気カスプ配位を示す図である。 中性ビーム注入器を用いた本発明の別の実施形態を示す図である。 プラズマイニシエータのパルスタイミングを示す図である。 プラズマイニシエータのパルスタイミングを示す図である。 プラズマイニシエータのパルスタイミングを示す図である。
本発明の実施形態に従い、中央閉じ込め領域内で高ベータプラズマを急速に形成することによってカスプ磁場配位における良好な電子ビーム閉じ込めを確立する方法及び装置について説明する。中央閉じ込め領域に高ベータプラズマを形成し、結果的に電子閉じ込めを強化することに続き、電子ビーム注入を利用して中央閉じ込め領域内に負のポテンシャル井戸を形成する。
カスプシステムでは高ベータプラズマがプラズマ閉じ込めを改善するであろうと想定されていたが、高ベータプラズマの維持方法、及び核融合関連エネルギーまでの高ベータプラズマのイオンの加熱方法の問題は解決されていない。本発明の実施形態によれば、プラズマイニシエータによって形成された高ベータプラズマが、カスプシステムに注入された電子ビームからの電子の閉じ込め時間を強化し、始動時にプラズマイニシエータを用いてカスプシステム内の高ベータプラズマが生成されると、この注入電子ビームが、高ベータプラズマを維持してイオンを核融合関連エネルギーまで加速させる手段を提供できることが分かった。注入電子ビームは、電子ビームの閉じ込めが強化された後、そのエネルギーを高ベータプラズマに伝えることによって効率的な加熱を行い、プラズマの自然冷却を補償することによって高ベータプラズマを維持することができる。また、注入電子は、負のポテンシャル井戸を形成して、高ベータプラズマのイオンを核融合関連エネルギーまで加速させることもできる。本発明の実施形態によれば、始動時にプラズマイニシエータを用いずに高ベータプラズマを維持してカスプシステムに十分に深い(例えば、10kVを超える)負のポテンシャル井戸を生成するための電子ビーム出力要件は、始動時にプラズマイニシエータを用いて高ベータプラズマを維持してカスプシステムに十分に深い負のポテンシャル井戸を生成するのに必要な電子ビーム出力に比べてはるかに高い。電子ビーム出力要件を引き下げることは、中性子生成、医療用アイソトープの生産、核廃棄物の核変換及び核融合発電プラントなどの潜在的用途に関する核融合反応にとって望ましい条件を達成する上での実用的な見地からかなり重要である。
初期プラズマ注入器の要件
本発明の実施形態は、従来の内燃機関と同様に、注入電子閉じ込めの強化につながる高ベータプラズマ状態を達成するために特別な始動ステップを利用する。中性子生成、医療用アイソトープの生産、核廃棄物の核変換及び核融合発電プラントにとって有用な核融合炉の実施形態では、電子ビームの閉じ込めが強化されることにより、核融合反応のための負のポテンシャル井戸を形成する電子ビーム出力が大幅に低下する。
図4の装置は、真空容器(反応炉チャンバ(reactor chamber))101と、カスプ磁気閉じ込め領域内にカスプ磁場を生成するコイル102と、高βプラズマ始動のための1又は2以上のプラズマ注入器103と、1又は2以上の電子ビーム注入器104と、イオンを補充するための核融合燃料注入システム105とを含む。装置内の真空状態は、1又は2以上のポンピングポート106、ガス弁システム107及び真空ポンプシステム108によって維持される。各コイルシステム102は、電力供給及び冷却システム110を含む機械的支持構造109によって支持される。明確に示してはいないが、図4の装置は、反応炉内で生じる核融合反応を、中性子生成、医療用アイソトープ生産、核廃棄物の核変換及び核融合発電プラントのために利用する追加システムを含むことができる。なお、図4に示す実施形態は、真空容器101内で電極を利用していない。
本発明の実施形態は、磁場を生成する複数のコイル102を利用する。コイル内の電流は、銅などの金属導体、或いはNb3Sn、NbTi及びMgB2などの超伝導体により、電力供給及び冷却システム110の一部とすることができるフィードスルーシステムを介して運ぶことができる。方程式1に示すような良好な電子ビーム閉じ込めを達成するために、少なくとも1つのプラズマ注入器(又は、より一般的には後述する「イニシエータ」)103を利用して反応炉の操作を開始する。注入パラメータが、以下で詳述する特定の基準を満たす限り、様々なタイプのプラズマ注入器を使用することができる。
磁気カスプ配位におけるプラズマ始動の課題は、プラズマ密度が低い初期段階中における急激なプラズマ損失に由来する。図5Aに、4次ルンゲクッタ粒子運動解決器によって計算された、図2に示すような6コイル型カスプ配位における一群の25個の個々の電子軌跡を示す。各コイルは、10.8MAターンの電流によって励磁され、カスプ点に5.0テスラの磁場を生成する。コイルのサイズは、長径が50cm、短径が9.25cmである。このカスプシステムでは、計算を目的として、電子が、半径15.8cm内の中心コア領域において、50keVの運動エネルギー及びランダムな速度方向でランダムに開始されると仮定する。15.8cmの中心コアサイズは、計算目的で選択したものである。これらのパラメータは、4次計算のために選択した初期条件である。各電子の運動は、「試験粒子」として取り扱い、電子と磁場との相互作用のみを考慮する。4次計算のために、電子電荷及び電流、並びに電子同士の衝突による自己無撞着な電磁場生成などの電子の集団動力学は無視する。この計算は、カスプ内のプラズマ密度が低い初期段階中における無衝突の電子動力学の挙動を近似するものであり、約1015cm-3の高電子密度の場合にも良好な近似である。この理由は、50keVの電子エネルギーでは、1×1015cm-3の高密度プラズマ内で平均して0.4ms当たりに1回しか他の電子及びイオンと衝突せず、したがって「無衝突」と見なすことができるからである。図5Aに示すように、電子は、最初にコイル付近の強磁場によって中央部に向かって跳ね返され、これを「ミラー閉じ込め」と呼ぶことができる。しかしながら、時間と共に、電子の外向きの運動が磁気カスプ軸に揃うと、電子は磁気カスプ軸に沿ってシステムから離れる。計算では、電子は、真空チャンバ壁に達した場合に失われ、もはや閉じ込められていないと見なされる。
平均電子損失率を推定するために、25個の試験粒子に比べて良好な統計データを示すように275個の初期電子数を用いて同じ4次ルンゲクッタ粒子運動解決器を実行した。図5Bのグラフに、t=0における電子が275個の場合の半径80cmのカスプ閉じ込めシステム内の総電子数を時間の関数として示す。この結果、カスプ領域に閉じ込められた電子は、システムから離れる前の〜1μs(閉じ込められた電子のe−folding time)という推定閉じ込め時間で急速に減少し、磁気カスプシステム内における高エネルギー電子の急速な無衝突損失が示された。
電子エネルギー、磁場値及びカスプ閉じ込めシステム半径の様々な初期条件について数多くの粒子運動解決器を実行することにより、図5Bの結果を拡張させた。以下の方程式2に、これらの電子エネルギー、磁場値及びシステムサイズの数値結果のフィッティングから得られた6コイル型カスプ配位のための近似的電子及びイオン閉じ込め時間を用いてこの努力を要約する。
方程式2:低β磁気カスプ装置における電子及びイオン閉じ込め時間(τe及びτi
式中のveは、エネルギーEeの電子速度であり、Bmaxは、カスプ点におけるピーク磁場強度であり、Rsystemは、カスプ閉じ込めシステム半径であり、Eiは、イオンエネルギーであり、mi/meは、陽子と電子の質量比であり、M*は、Bmax/B*minによって定められる有効ミラー率であり、B*minは、磁場勾配スケール長がジャイロ半径に相当する時に電子が磁力線に付着して出発する地点の磁場強度であり、ジャイロ半径は次式によって求められる。
式中のradiabaticは、電子が磁力線に付着した半径方向位置であり、rgyroは、re,i gyro=me,i*ve,i/(eB)によって与えられる電子e又はイオンiの粒子ジャイロ半径であり、Aは、所与の磁場プロファイルを表す3〜6の数値定数である。
方程式2は、磁気カスプシステム内で高ベータプラズマを生成して、電子ビーム注入を用いて方程式1に示すような推測される良好な電子閉じ込めを達成するためのプラズマ始動に関する課題を示している。これらの課題は、核融合炉の高ベータプラズマ密度に近付くために必要な入力電子ビーム出力を検討することによって理解することができる。5Tのカスプ磁場における50keVの電子では、単純化ためにイオン圧力を無視すると、β=1の条件に達するために必要な電子密度は1.2×1015cm-3である。図2のカスプシステムにおける電子ビーム密度が、1×1013cm-3、すなわちβ=1の条件に達するために必要な密度の1%に達したと仮定すると、方程式2によれば、この1×1013cm-3という密度を維持するために必要な電子ビーム出力は、たった1μsの電子閉じ込め時間で約200GWになる。
この計算は、電子ビーム注入を利用する方程式1において示される電子閉じ込めを検証する実験研究が行われてこなかった理由を実証するものである。なお、1995年のKrall他による実験結果は、方程式2における単純な推定と整合性が取れており[16]、6コイル型カスプ配位内の8kVのビームエネルギーにおける80kWの電子注入出力の場合に観察される電子密度は1×109cm-3にしか達しなかった。
上記の計算では、計算目的で、β=1という基準を選択し、以下のプラズマ圧及び磁気圧の値を選択した。プラズマ圧の値は、カスプ内に閉じ込められたプラズマ体積中の平均プラズマ圧である。磁気圧力の値は、真空中のカスプ点における磁場強度をBcuspとする(Bcusp 2/2μ0)である。なお、β=1という基準は絶対条件ではなく、むしろ指標である。良好な電子閉じ込めを生じるために必要なプラズマ状態を生み出すには、1に相当するあらゆる実質的β値が十分となり得る。例えば、βは、0.1〜10.0の範囲内で選択することができ、より好ましくは0.2〜5.0、0.3〜3.0、0.5〜2.0、0.7〜1.5、0.8〜1.2、0.9〜1.1の範囲内で選択することができ、最も好ましくは1にほぼ等しくなるように又は1に等しくなるようにβを設定することができる。なお、以下の方程式3に示すように、npBTという閉じ込めプラズマ圧は、閉じ込め体積
によってプラズマ中に蓄積されるエネルギーWstoredに関連する。
方程式3:半径Rsystem及び磁場Bcuspを有するカスプ閉じ込めシステムに蓄積されるプラズマエネルギー
方程式3を用いて、カスプ磁場Bcusp、カスプ閉じ込め半径Rsystem、及び良好な電子閉じ込めを生じるために必要なβ値の様々な開始条件の場合のプラズマイニシエータの入力エネルギーを推定することができる。ほとんどのプラズマシステムでは、イオン密度と電子密度が等しく、イオン密度又は電子密度のためにプラズマ密度npが使用される。プラズマチャンバ及び磁場生成設備の物理的寸法に基づき、カスプ閉じ込めシステムの半径Rsystem及びBcuspの値を用いて開始することができる。カスプ磁場強度(すなわち、コイルシステムによって生成される磁場)は、カスプ点において0.5〜20テスラとすることができ、より好ましくは1〜15、3〜12、4〜10又は5〜8テスラのうちのいずれかとすることができる。また、βは、0.1〜10.0の範囲内で選択することができ、より好ましくは0.2〜5.0、0.3〜3.0、0.5〜2.0、0.7〜1.5、0.8〜1.2、0.9〜1.1の範囲内で選択することができ、最も好ましくは1にほぼ等しくなるように又は1に等しくなるようにβを設定することができる。この結果、方程式3は、プラズマイニシエータ(例えば、注入器)にとって必要な最小エネルギーを与える。なお、プラズマ注入器の効率は100%未満であり、したがって必要なプラズマイニシエータの入力エネルギーは、方程式3において与えられる最小エネルギーよりも大きくなる可能性がある。実際には、プラズマイニシエータ(例えば、注入器)のエネルギーは、方程式3によって与えられる蓄積エネルギーの値の0.5〜50倍、或いは、より好ましくは0.5〜30倍、1〜30倍、1〜20倍、1〜10倍、5〜30倍、5〜20倍及び5〜10倍を選択することができる。
本発明の実施形態では、始動装置として様々なプラズマ注入器を利用する。方程式2では、高エネルギー電子ビーム注入に比べ、低温プラズマ注入の利点が明らかである。第1に、注入粒子の閉じ込め時間が粒子エネルギーの減少と共に増加する。例えば、図2の装置では、電子エネルギー閉じ込め時間は、50keVの注入エネルギーの場合に1μsであるのに比べ、50eVの注入エネルギーの場合には約0.5msである。したがって、プラズマイニシエータ(例えば、注入器)のプラズマ電子の温度を、5〜1000eVの範囲で、より好ましくは10〜500eV、10〜100eV、20〜250eV、50〜300eV、50〜500eV及び100〜1000eVの範囲で選択することができる。なお、注入器内の温度が低く密度が比較的高い場合には、頻繁な衝突に起因して電子及びイオン温度が比較的急速に釣り合う傾向にある。1Tのカスプ磁場では、100keVのプラズマ注入の場合、β=1の条件がnp=2.5×1016cm-3をもたらし、電子及びイオン温度を釣り合わせる時間はわずか1.3μsである。第2に、本発明の実施形態は、高速で高出力なプラズマ注入を利用する。注入(又はより一般的に言えば初期高密度プラズマ形成)の時間スケールは、ほぼ方程式2の電子閉じ込め時間τe又はこれに相当する。短パルスを持続すると、プラズマの損失が制限され、高ベータプラズマの生成効率が高まる。さらに、プラズマ注入器は、望ましいβ状態に到達できる初期プラズマを生成するほど(方程式3のように)十分に高い入力エネルギーで動作すべきである。
本発明の実施形態のプラズマイニシエータのパルス持続時間の例として、最大有効パルス持続時間は、方程式2の電子閉じ込め時間の倍数とすることができる。例えば、最大パルス持続時間は、方程式2の電子閉じ込め時間の0.1倍〜20倍、より好ましくは、0.3〜3倍、0.5〜5倍、1〜3倍、3〜10倍、5〜20倍とすることができる。最適なパルス持続時間は、プラズマイニシエータの様々なタイプ及び特定のカスプ配位に依存する。方程式2の電子閉じ込め時間の10倍よりも長いパルスを有するプラズマイニシエータを使用することも可能であるが、それに応じてプラズマイニシエータ(例えば、注入器)の効率は減少する。また、本発明の実施形態では、方程式2の電子閉じ込め時間の0.1倍よりも短いパルス持続時間を有するプラズマイニシエータを利用することもできる。例えば、(例えば、50個の個々のピンチを含む)ワイヤピンチ配列で構成されたプラズマイニシエータは、方程式2の閉じ込め時間にほぼ等しい総パルス持続時間で動作できる一方で、個々のワイヤピンチは、はるかに短いパルス持続時間を有することができる。また、別のプラズマ注入器は、短パルス高出力レーザを用いて生成されたプラズマとすることができる。高出力レーザのパルス持続時間は、方程式2の電子閉じ込め時間に比べて非常に短い。
図6に、本発明の実施形態による、始動スキームを確認するように構築して動作させた実験的試験システムを示す。このシステムは、カスプ位置において磁場が0.7kGから2.7kGまで変化する6コイル型カスプシステムで構成される。コイルのサイズは、長径が6.9cm、短径が1.3cmであり、2つの対向するコイル間の直線距離が21.6cmであり、したがってカスプ閉じ込めシステム半径は11cmになる。このシステムでは、2.7kGのカスプ磁場の場合、β=1のプラズマ条件は、半径11cmのプラズマに蓄積されるエネルギーが〜160Jであることを必要とする。10eVの注入エネルギーの場合、方程式2は、7μsの推定電子閉じ込め時間を導く。プラズマ注入器は、7μsのパルス持続時間中に、23MW範囲の入力電力に対応する160Jのエネルギーをカスプ内のプラズマに注入する必要がある。
本発明の実施形態によるプラズマ注入器には、最小電子温度が存在する。この理由は、鋭い磁場境界に寄与する基本的物理過程が電子反磁性であるためである[2、7、8、9]。電子反磁性を利用するために、電子は、所与の磁場において少なくとも1回のジャイロ運動を完了できないほど多く衝突すべきではない。方程式4は、この条件を示す。
方程式4:電子磁化条件
式中のωceは電子ジャイロ周波数であり、eは電子電荷であり、Bは磁場強度であり、meは電子質量であり、cは光の速度であり、Aは磁場配位及びプラズマパラメータに依存する0.25〜5.0の数値定数であり、νeは電子衝突率であり、neはプラズマ注入によって得られるカスプ閉じ込めシステム内の電子密度であり、λはクーロン対数(通常は〜10)であり、Teは電子温度である。
方程式4は、本発明の実施形態に従って使用できる最小電子注入温度を決定するものである。なお、図6に示す2.7kGの磁場を有するシステムでは、10eVの電子温度及び1.8×1016cm-3の電子密度を含むβ=1のプラズマ条件の場合の1.6×1010/sの電子衝突率νeに比べ、電子ジャイロ周波数ωceが4.8×1010rad/sであり、したがって方程式4において与えられる基準を満たす。方程式4を用いて、本発明の実施形態に必要な最小磁場を決定することもできる。磁場が不十分な場合、プラズマは衝突性が高く、電子ビーム閉じ込めに必要とされる鋭い磁場境界を形成するために必要な反磁性効果を生じない。
最後に、非中性単一種注入と比較した中性プラズマ注入の問題がある。Bussardは、電子ビーム注入によってカスプ磁場内に深いポテンシャル井戸を生成することを提案した。通常、電子ビーム又はイオンビームを用いて純粋に単一種のプラズマを注入することにより、高ベータ条件(すなわち、β=1など)を満たすために必要な高プラズマ密度を達成することは困難である。したがって、本発明の実施形態では、ほぼ同数の多くの電子及びイオンを同時に含む中性プラズマ注入器を利用してカスプ場配位内に高ベータプラズマを形成する注入スキームを使用する。
本発明の実施形態に従って与えられる基準を満たすことができるプラズマ注入器の代表的かつ非限定的な例としては、1)同軸又は線形のプラズマ注入器、2)逆転磁場配位(FRC)及びスフェロマックに基づくプラズマ注入器、3)気体、液滴又は固体ターゲットを伴うレーザ生成プラズマを用いた原位置プラズマ形成、及び4)様々な配置の高電流ピンチを用いた原位置プラズマ形成が挙げられる。ピンチシステムの例には、1)単一ワイヤピンチ、2)ワイヤアレイピンチ、3)液滴又は微粒子を用いたピンチ、4)ガス噴射を用いたピンチ、及び5)様々なピンチの組み合わせがある。また、複数のピンチを用いてプラズマ注入器を形成する場合、ピンチシステム全体が、方程式2で与えられる電子閉じ込め時間に等しい総パルス持続時間内に、ピンチ要素毎に単一パルス又は一連のパルスで動作することもできる。プラズマ注入器は、様々な材料の気体ターゲット又は固体ターゲットのいずれかを用いて動作することができる。一般に、プラズマ注入器は、提案する核融合燃料のみを用いたプラズマ形成材料と共に動作することが好ましい。例えば、D−T核融合燃料の場合、好ましいプラズマ形成材料は、重水素又は三重水素、極低温液体又は極低温固体になる。しかしながら、炭化水素や金属などの他の材料を混合物又は化合物として使用することもできる。
図7Aに示すような同軸プラズマ注入器は、現在利用できる最も一般的な高出力小型プラズマ注入器の1つであり、ターゲット材料701、中心カソード702及び外側アノード703で構成される。カソードとアノードとの間の強烈な電流が、ターゲット材料をプラズマ化する。同軸又は線形ジオメトリのプラズマ注入器の主要動作原理は、高密度プラズマを外向きに(図7Aの右方向に)追い出す、プラズマ電流からのj×Bの力であり、この原理は、元々ロスアラモス国立研究所のMarshallによる発明に基づくものである[5]。プラズマ注入器は、様々な材料の気体ターゲット又は固体ターゲットのいずれかと共に動作することができる。本発明の実施形態に従い、図7Aに示すような固体ターゲットを含む同軸プラズマ注入器を構築し、方程式1に示す良好な電子閉じ込めを達成するための始動基準を検証した。例えば、逆転磁場配位(FRC)及びスフェロマックなどの他のプラズマ注入器を使用することもできる。これらの注入器は、1×1014cm-3を超える十分に高いプラズマ密度と50eV以上のプラズマ温度とを伴う高圧プラズマを生じることができる高出力プラズマ注入器である。これらのFRC及びスフェロマックの動作パラメータは、小〜中サイズの磁気カスプ配位を開始するために使用できるという理由で魅力的である。なお、プラズマ注入器(例えば、ガン)、FRC又はスフェロマックでは、高ベータプラズマ始動要件を満たすために1つの注入器103で十分な場合もあれば、或いは図7Bに示すようにカスプ軸の位置又は軸外位置において1又は2以上の追加のプラズマ注入器111を利用することもできる。
レーザプラズマ注入器も、図8A及び図8Bに示す本発明の実施形態で使用できる好適なプラズマシステムである。図8A及び図8Bでは、レーザターゲット送出システム801が、チャンバ内に固体、液体又は加圧気体の小ターゲット802を導入する。その後、このターゲットをイオン化し、図8Aに示すような高出力レーザ803、又は図8Bに示すような複数の高出力レーザ803及び804を用いて十分に高いプラズマ温度まで加熱する。複数レーザの場合、これらのレーザは、等しい波長を有することも、又は異なる波長を有することもできる。1980年に、米国海軍研究所のPechacek及びその共同研究者らは、1.5kGのカスプ磁場内で固体重水素ペレットをイオン化するためにYAGレーザとCO2レーザとの組み合わせを用いて軸対称スピンドル形カスプにおいてβ=1のプラズマ生成に成功した[9]。これらのレーザは、15eVの電子温度及び1〜1.5×1015cm-3の電子密度を有するプラズマを生成した。Lawrence Livermore国立研究所の国立点火施設などの、レーザ駆動慣性閉じ込め核融合の研究に関連する技術進歩に伴い、本発明の実施形態にとって必要な高密度及び十分な温度を有する初期プラズマを生成するために利用できる多くの異なるタイプのレーザが存在する。
本発明で使用できるプラズマイニシエータの別の例に高電流ピンチがある。ピンチは、材料に大電流を流すことによって高圧プラズマを生成する。同じ部品を同じ数字によって示す図9A〜図9Hに、プラズマイニシエータとして使用できるピンチの様々な構成を示す。電気エネルギーは、コンデンサ又はバッテリ901に蓄積される。1又は複数のスイッチ902が作動して(閉じて)、電極904に接するプラズマ形成材料903に電流が流れると、ピンチが形成される。電流のパルス持続時間を調整することにより、本発明の実施形態による全てのプラズマイニシエータ基準を満たす十分に高圧なプラズマを生成することができる。プラズマの安定性はカスプ磁場によって決まるので、ピンチの安定性は無関係である。したがって、複数のピンチ又は軸外のピンチ配置を使用しても、プラズマの始動性能は低下しないはずであるため、1又は2以上のピンチを用いて初期高圧プラズマを生成することができる。
図9Aには、プラズマ形成材料903の固体円柱又はワイヤを利用する単一線形ピンチ配位を示す。図9Bでは、ピンチ動作を改善するようにプラズマ形成材料905を成形することができる。ピンチプラズマ発生器は、電極に隣接する大領域と、反応チャンバ(reaction chamber)の中心の小領域とを有する適応型配位では、反応チャンバと、プラズマ電極904と、プラズマ形成材料905とを有する。ターゲット材料を成形することにより、電流密度が最も大きくターゲット材料の厚みが最も小さなカスプ磁場内部の中心領域においてプラズマが始動することができる。中心プラズマは、始動すると広がり、固体円柱に沿ってさらなるプラズマ形成を加速させる。図9Cでは、ピンチ動作のためにプラズマ形成材料906の複数の円柱(例えば、ワイヤ)をプラズマイニシエータとして使用して高ベータプラズマを生成する。各円柱は、プラズマイニシエータの動作を最適化するために一直線とすることも、又は図9Bの例のように成形することもできる。図9Dでは、カスプシステム内のプラズマ形成材料903及び907を用いて、2又は3組以上の電極904を使用して複数のピンチを形成する。各ピンチは、独自のエネルギー貯蔵部901及び独自の電気スイッチ902を有することができる。これらは、同時に動作することも、又は順に動作することもできる。順に動作する場合、プラズマイニシエータのパルス持続時間は、最初のピンチの開始と最後のピンチの終了との間で判定される。図9Eでは、2又は3組以上の電極にプラズマ形成材料の複数の円柱を使用して、複数のプラズマ形成材料906及び908をプラズマイニシエータとして含む複数のピンチを形成する。図9Fでは、ガス注入器909からの平行ガス噴射910を用いてピンチを形成する。図9Gでは、適当な液体又は粒子注入器911からの液滴又は微小微粒子912を用いてピンチを形成する。図9Hに示すように、異なるピンチシステムの様々な組み合わせをプラズマイニシエータとして使用することもできる。
他の実施形態によれば、異なるタイプのプラズマイニシエータを組み合わせて、プラズマ閉じ込め領域内に所望の高ベータ条件を達成することができる。いくつかの実施形態によれば、説明したピンチイニシエータのいずれか1つを、注入ガン(例えば、同軸プラズマ注入器)、FRC及びレーザのうちの1つ又は2つ以上と組み合わせることもできる。さらに、ガン、FRC及びレーザのうちの1つ又は2つ以上を用いて、カスプ閉じ込め領域に初期エネルギーを供給した後に、説明したピンチイニシエータのいずれか1つを用いて、閉じ込め領域内に生じたエネルギーを所望の必要な高ベータ値まで高めることもできる。
上述した全てのプラズマ注入器は、例えば方程式2において与えられるパルス持続時間中にβ=1の条件を満たす高圧プラズマを生成することができる。なお、上記の基準を満たす限りあらゆるプラズマ注入器を使用できるので、このリストが完全なリストというわけではない。さらに、本明細書では、プラズマを形成する様々なタイプのプラズマ装置を説明するために「注入器」という用語を利用しているが、これらの装置の中には、外部プラズマチャンバ(図4の真空チャンバ101)からチャンバ内に文字通りプラズマを「注入」するのではなく、むしろプラズマを「原位置」で形成するものもある。図8A及び図8Bのレーザ装置は、真空チャンバ内に位置するターゲットに高出力レーザを向け、ターゲットをレーザによってイオン化して、チャンバ内、すなわち原位置でプラズマを形成する例である。図9A〜図9Hの電流ピンチプラズマ装置は、プラズマが真空チャンバの外部で形成されて内部に移送(注入)されるのではなく真空チャンバの内部で形成される原位置プラズマ形成のさらなる例である。本明細書における注入器という用語の使用は、内部生成プラズマと外部生成プラズマの両方を説明するためのものである。しかしながら、添付の特許請求の範囲では、用語を明確にするために、チャンバ内で原位置形成することによって、又は外部で形成されたプラズマをチャンバの中心領域内に移送(注入)することによって真空チャンバ内にプラズマを形成する装置又は方法ステップを示すために「プラズマイニシエータ」(又は方法の請求項の一部として使用する場合には「開始する」)という用語を利用する。
プラズマ始動後の電子ビーム注入
本発明の実施形態による次のステップは、カスプ内の高圧プラズマによって高エネルギー電子の閉じ込めが大きく改善された後に、電子ビーム注入器[104]又は複数の電子注入器を使用して、イオンを加速させて閉じ込めるための深い負のポテンシャル井戸を生成することである。電子ビームは、パルス化することも、又はオフセットに基づいて変調するように(例えば50MWの)DCオフセットを伴ってパルス化することもできる。電子ビームは、連続して(例えば、50MWに維持されて)動作することもできる。いずれにせよ、電子ビームを利用して、イオンを加速させて磁気カスププラズマ領域に閉じ込める負のポテンシャル井戸を形成する。この閉じ込めは、プラズマイニシエータによって形成されたプラズマ、及び核融合燃料注入器によって後から導入されたプラズマの両方に適用することができる。
電子ビーム注入は、それまで中性であったプラズマ装置内で過剰電子を生成することができる。その後、このシステム内の過剰電子が静電ポテンシャル井戸を形成し、クーロン引力を通じてイオンを加速させる。システム内のイオンは、中心に向かって収束するにつれ、ポテンシャル井戸内の電場から運動エネルギーを獲得し、コイル及びカスプ境界に向かって外向きに移動するにつれ、獲得した運動エネルギーを放棄する。ポテンシャル井戸が、約10keV以上の十分に深いものである場合、イオンは、中心付近において有意な比率で核融合反応を発生させるのに十分なエネルギーを有するようになる。より一般的には、電子注入により、10〜1000keV、10〜200keV、25〜150keV、50〜300keV、75〜500keV及び100〜1000keVのうちの1つの範囲の電子ビームエネルギーを有するポテンシャル井戸を生成することができる。同じポテンシャル井戸は、始動中のプラズマイニシエータからの初期電子に異なる形で影響を及ぼす。これらの電子は、中心に向かって収束するにつれ、ポテンシャル井戸内の電場に対してその運動エネルギーを失う。一方で、電子は、コイル及びカスプ境界に向かって外向きに移動するにつれてエネルギーを獲得し、これによって電子が方程式1に基づいて磁気カスプシステムを離れる確率が増加する。実際に、電子ビーム注入の目的は、プラズマ注入器からの初期電子を除去し、時間と共にこれらを高エネルギービーム電子に置き換えることである。この理由は、密度の高い高圧プラズマ内に生成できる最大ポテンシャル井戸は、「デバイ」遮蔽として知られているプラズマ遮蔽効果に起因して、システム内の平均電子エネルギーに相当するからである。核融合炉のための10keVを超える深いポテンシャル井戸を生成するには、通常は5〜1000eVのエネルギーを有する初期プラズマ注入からの初期電子を、10keV以上で動作する高エネルギー電子ビームに置き換えることが必須である。
図4に示すシステムの深いポテンシャル井戸を達成するために必要な電子ビーム出力は、推定することができる。5Tのカスプ磁場内の50keVの電子の場合、β=1の条件を達成するのに必要な電子密度は1.2×1015cm-3である。なお、イオンは、コイル及びカスプ境界に向かって移動するにつれてその運動エネルギーを失うので、イオン圧力は、自動的に極小値に減少する。方程式1において与えられる50keVの電子の閉じ込め時間は0.13秒である。単純な0次元粒子バランスは、半径80cmのプラズマ球(カスプ閉じ込めシステム半径)にわたって1.2×1015cm-3の電子密度を維持するために3300アンペアの電子注入電流をもたらす。この電流は、大きいけれども扱いやすい入力電力である165MWの電子ビーム出力に対応する。なお、深いポテンシャル井戸の存在時には、ポテンシャル井戸内のビーム電子の速度が遅く、したがって電子ビーム出力要件が低くなることにより、方程式1の電子閉じ込め時間を増加させることができる。ポテンシャル井戸は、イオン損失を減少させる役割も果たす。方程式1によれば、イオンの損失は、カスプ配位内に鋭い磁場境界が確立された場合、その大きなジャイロ半径に起因して本質的に電子の損失よりも高くなり、このことは、1980年にPechacekによって実験的に確認されている[9]。本発明の実施形態によれば、ポテンシャル井戸によってこのイオン損失が生じない。イオンは、ポテンシャル井戸から離れてカスプ開口部に向かって移動するにつれ、その運動エネルギーを失う。この結果、イオンのジャイロ半径が小さくなることにより、方程式1に基づいてイオン損失率が低下する。これとは別に、物理的電極を用いるのではなく、1又は2以上の電子ビームを用いてポテンシャル井戸を形成することにより、コイル容器に対する高電圧バイアスの必要性が排除され、コイルの構造的構成が単純になる。
磁場カスプ配位における高βプラズマから得られる強化された電子ビーム閉じ込めの検証
本発明の実施形態は、高出力プラズマ注入器を用いてカスプ内に高βプラズマを形成してプラズマ閉じ込めを改善し、電子ビームを用いてプラズマ内に深いポテンシャル井戸を生成するので、プラズマ内のイオンが電子ビームからエネルギーを得て核融合反応を生じる。
図6に、本発明の実施形態の原理による実験システムを示す。図6の実験的構成は、最初のステップとして強化された電子閉じ込めを実証するために開発したものである。この強化された閉じ込めは、高ベータプラズマと周囲の磁場との間に鋭い境界が形成されることに起因し、本質的に方程式1によって示す高β条件である。
図6のシステムは、カスプ点において2.7kGの磁場を生じる6コイル型カスプ配位を用いて動作する。プラズマ注入器は、各々が4μmの厚みの固体ポリプロピレン薄膜を使用する2つの同軸プラズマ注入器で構成される。これらの固体ポリプロピレン薄膜は、図7のターゲット材料701を形成する。各プラズマ注入器は、高電圧コンデンサによって給電され、60〜160kAのガン電流及び最大500MWの入力電力を用いて5〜10μsにわたって動作する。これらの注入器は、レーザ干渉計のデータに基づいて、CII及びCIII線放出から推定される10eVの電子温度を有する1−2×1016cm-3のプラズマを生成することができる。また、カスプシステムの高βプラズマの反磁性特性を測定するために、コイル位置付近に2つの磁束ループを取り付ける。この電子ビーム注入器は、LaB6熱電子エミッタに基づき、7kVのビームエネルギーで1〜3Aの電子電流を生成する。この電子ビーム注入器は、カスプシステム内の高エネルギー電子閉じ込めをモニタするとともに、方程式1に示す閉じ込めの強化を検証するように構築したものである。しかしながら、この電子注入器は、カスプ内に高ベータ状態を維持し、又はイオン加速のための負のポテンシャル井戸を生成するほど十分に強力なものではなかった。
高エネルギー電子ビームの濃度は、一方がコイル面にあるカスプ開口部を通じて中心プラズマを観察し、他方がコイルの角部にあるカスプ開口部を通じて中心プラズマを観察する2つのX線ダイオードを用いて測定した。ビームからの高エネルギー電子は、注入されたプラズマ内のイオンに近付いた時に制動放射を通じてX線を生じることができる。ビーム注入エネルギーは7kVと十分に高いので、制動放射から生じたX線放射を2kV〜7kV光子の硬X線スペクトルで放出することができる。電子ビーム誘導性の制動放射は、2kV未満の低光子エネルギーで測定することもできるが、図6の実験的構成では、2〜7kVのスペクトル内には電子ビーム誘導性の制動放射以外のX線源が存在しないという理由で2〜7kVの光子エネルギー範囲を選択する。両検出器にコリメータ及び高エネルギーX線フィルタを取り付けて、2kVの光子エネルギーを上回るプラズマからの硬X線放射のみを測定した。また、X線ダイオードからの見通し線内の全ての金属表面をプラスチック材料で被覆して、2kVを上回るX線放射を抑制する。したがって、このX線ダイオード信号は、方程式5に示す周知の制動放射放射率公式(bremsstrahlung emission formula)に基づいて、ビーム電子濃度及びプラズマ注入器からのプラズマイオン濃度に比例した。
方程式5:制動放射放射率公式
式中のPbrは制動放射出力であり、ne beamは電子ビーム密度であり、Ee beamは電子ビームエネルギーであり、Zはイオンの荷電状態であり、ni(Z)は荷電状態Zのイオン密度であり、Z=1、2、3、・・・最大イオン荷電状態にわたって加算が行われる。この実証実験では、最大イオン荷電状態を1に制限することによって方程式5を単純化し、
を、カスプ内の高ベータ状態を生じるプラズマ電子密度であるne plasmaに置き換えることができる。この単純化が可能な理由は、可視分光分析から推定されるプラズマ温度が約10eVと比較的低く、イオンの大半が一価にしかイオン化されていないからである。図6の実験的構成では、レーザ干渉法によってプラズマ電子密度を直接測定しており、図10Aにne plasmaと表記して示す。
バルク電子密度が測定されると、X線信号は、方程式5に基づいてビーム電子密度の測定値を与える。
図10A及び図10Bに、図6の装置の動作によって得られた実験結果を示す。プラズマ注入に先立ち、t=0の40ms前にコイルを励磁し、図10Aに示す時間中、コイル電流を一定値に保つ。また、t=0の30μs前に電子ビームをオンにし、7.2kVにおいて3Aの注入電流で動作させ、t=150μsまで維持し続けた。プラズマ注入に先立ち、t=−5μs〜t=0の間のX線ダイオード信号は、この時間中にはビーム誘導性の制動放射X線放出を生じるプラズマイオンが存在しないので、背景ノイズデータを推定する。X線ダイオード内の実質的にゼロの信号は、X線検出器の空間的コリメーションが良好であることと、疑似X線放出を抑制するために、X線検出器の見通し線内のあらゆる金属表面がプラスチック材料を用いて十分に被覆されていることとを実証する。t=0において、高電圧コンデンサ内の2.6kJ〜5.6kJの蓄積エネルギーを用いて2つの同軸プラズマ注入器が始動し、7μsにわたって370MW〜800MWの平均総入力電力をもたらす。なお、この入力電力は、回路の非効率性及び同軸プラズマガン注入器における固有のプラズマ損失に起因して、予め推定された23MWよりもはるかに高い。この実験的構成は、カスプシステムにおける高ベータプラズマ注入後の強化された電子ビーム閉じ込めの科学的検証を行うように設計されたものであるため、注入効率を改善する有意な試みは行っていない。
様々な実験の実行を「ショット」として識別した。図10Aに示すショット15610の場合、ne plasmaとして表記するプラズマ密度は、注入器からのプラズマが正常に磁気カスプシステムに移送されるにつれ、1.6×1016cm-3まで増加する。同時に、ΔBとして表記する磁束ループデータは、高βプラズマ注入に関連する電子反磁性効果の明らかな兆候を示す。カスプシステムへのプラズマ注入を用いた場合でも、たとえt=9μsにおいてプラズマ密度がそのピーク値1.6×1016cm-3に到達した後であっても、t=8〜13μsの間ではX線信号が低い。一方で、t=12μsにおいて磁束ループデータがピークに達した直後には、X線ダイオードが硬X線放出の著しい増加を示すが、バルクプラズマ密度はほとんど変化しない。このことは、カスプシステムに高βプラズマが注入された後の強化された電子ビーム閉じ込めの開始を表す。なお、図10A及び図10BのX線結果は、コイル面のカスプ開口部を通じて中心プラズマを観察するX線ダイオードからのものである。コイルの角部のカスプ開口部を通じて中心プラズマを観察するX線ダイオードからのX線結果については、コイル面のX線ダイオードに類似するので、単純化のために省略する。X線放出の増加は、4〜5μsにわたって増大し、t=19〜21μsにおいて水平状態に達する。X線放出信号は、t=21μsにおいて1〜1.5μs以内に急速に0に向かって低下するが、この時間中、プラズマ密度及び磁束ループデータは、緩やかな減少しか示さない。この状態は、強化された電子ビーム閉じ込めの終了を示す。強化された電子ビーム閉じ込めフェーズは、図10Aの斜線領域で表している。
この一時的なX線放出信号の挙動は、以下のように説明することができ、Gradが推論したようなカスプ磁場における改善された閉じ込めに対する高βプラズマの因果関係を明確に実証する。最初は、磁気カスプシステムにおけるビーム電子の閉じ込めが不十分であり、したがってX線放出が非常に低い。プラズマ注入後、カスプシステムでは、高βプラズマ及び対応する電子反磁性の存在に起因して、強化された電子閉じ込めを示す遷移が生じる。硬X線放出の増加は、ビーム電子濃度の増加に対応し、高βプラズマが存在する磁気カスプ内におけるビーム電子の閉じ込めがこの時点で良好になったことを示す。しかしながら、この実験的試験構成では、時間と共にプラズマの冷却に起因してカスプ内のプラズマ圧が減少する。なお、この試験構成は、初期プラズマ注入後のプラズマ冷却を補償するプラズマ加熱システムを有しておらず、ビーム電子注入出力が低すぎてカスプ内の高βプラズマを維持することができない。プラズマβの減少は、t=14μsから開始する磁束ループデータΔBの緩やかな減衰によって明確に示されている。この結果、高β状態における強化された電子ビーム閉じ込めフェーズは一時的なものに過ぎず、プラズマβが十分に低下すると、不十分な電子ビーム閉じ込めフェーズに逆戻りする。この遷移(強化された電子ビーム閉じ込めフェーズの終了)が生じると、既に閉じ込められていた全ての高エネルギー電子が急速に磁気カスプから離れ、この結果、t=21μsにおいてX線放出が急激に減少する。この一時的なX線放出信号の挙動(上昇及び急激な減衰)は、図10Bに示すように、プラズマ注入器による十分な注入エネルギーが存在する時にのみ観察される。例えば、図6に示す実験システムは、注入器がコンデンサ内の4kJ(ショット15649)及び5.6kJ(ショット15640)の蓄積エネルギーを利用して、570MW及び800MWの平均入力電力に対応する初期プラズマを生成する場合の強化された電子ビーム閉じ込めを示す。注入器が、2.6kJ(ショット15645)の蓄積エネルギー又は380MWの入力電力しか利用しない場合には、プラズマ注入に伴うX線放出の増加は全く観察されない。
この結果は、高βプラズマの存在によるカスプ磁気システムにおける強化された電子閉じ込めを検証する史上初の実験測定である。
ポテンシャル井戸の形成と核融合反応
本実施形態は、高電子ビーム閉じ込めフェーズ中の強化された電子閉じ込めを実証した後に、電子ビーム注入器を利用してプラズマシステムの中心領域内に深い負のポテンシャル井戸を生成する。また、この電子ビーム注入器は、最初に形成されたプラズマを加熱して、カスプ磁気閉じ込め領域内の高ベータ状態を維持することもできる。半径80cmを有する5Tのカスプ磁場では、100eVのプラズマ注入の場合にβ=1の条件に達するために必要な電子密度が6.2×1017cm-3である。この密度では、50keVで注入された電子ビームから100eVのプラズマへのエネルギー移送時間が0.62μsである。比較すると、方程式1に基づいて予想される電子ビーム閉じ込め時間は0.13sである。したがって、50keVの電子ビームは、そのエネルギーをカスプ磁気閉じ込め領域内の高ベータプラズマに効率的に移送する。ビーム出力が十分に高い場合、電子ビームによるプラズマ加熱は、初期プラズマ開始後の自然プラズマ冷却を補償する。さらに、上述したように、電子注入出力が、カスププラズマ損失を補償するレベルまで増加すると、(プラズマイニシエータから、例えば5〜1000eVの比較的低いエネルギー電子で形成される)カスプ磁気閉じ込め領域内の実質的に全てのプラズマ内電子が、そのビームエネルギーの高エネルギー電子に置き換えられる。半径80cmを有する5Tのカスプシステムに50keVの電子を注入した場合、対応するビーム出力は、方程式1に基づいて165MWである。このレベルのビーム出力は、大きなものではあるが実際に利用することができる。比較すると、プラズマイニシエータを利用しなければ、高ベータプラズマを維持するための電子ビーム出力は、165MWよりもはるかに大きい。例えば、半径80cmの同じ5Tのカスプシステムでは、平均電子エネルギーが50keVのβ=0.01の場合、電子密度は1.2×1013cm-3である。この密度では、カスプ内のプラズマに注入される電子からのエネルギー移送時間が310μsである。比較すると、方程式2に基づいて予想される電子閉じ込め時間は2.1μsである。したがって、50keVの電子ビームは、そのエネルギーを低ベータプラズマに移送する前にカスプシステムから逃げ出す可能性が高い。前に推定したように、カスプ内のβ=0.01のプラズマを維持するために必要な電子ビーム出力は約200GWである。高ベータプラズマが、効率的なビーム加熱を通じたビームエネルギーに等しいエネルギーを有する電子によって高ベータに維持されると、核融合反応に必要な十分に負のポテンシャル井戸を生成することができる。図10Aを参照すると、電子ビームは、高電子ビーム閉じ込めフェーズの少なくとも中期から後期までにオンになることが好ましい。電子ビームは、高電子ビーム閉じ込めフェーズの初期又は開始前にオンにすることもできる。また、電子ビームエネルギーを時間的に変化させて負の井戸の値を制御することもできる。
例えば、電子ビーム注入及びポテンシャル井戸形成の前後、又はこれとほぼ同時に核融合燃料を導入することができる。核融合燃料は、プラズマチャンバへの導入時には中性の燃料であり、液体、気体又は固体として供給することができる。中性の核融合燃料は、プラズマチャンバ内のプラズマによって加熱されると、プラズマ領域の境界でイオン化される。通常、核融合燃料は、mg/secほどのかなり低い割合で定常的に導入される。
中性子発生器
本発明のいくつかの実施形態では、深い負のポテンシャル井戸を形成する必要なく中性子発生器を形成することができる。例えば、上述したようなパルスイニシエータ(例えば、注入器)を利用して高密度プラズマを形成した後に、約50keVの高エネルギーイオンビームを高密度プラズマに注入し、核融合反応(例えば、D−D、D=T)によって中性子を発生させることができる。これと同じ技術を用いて、医療用同位体の生産及び核廃棄物の核変換を行うことができる。
核融合反応のための追加要素
イオンは、効率的な電子ビーム注入によって深い負のポテンシャル井戸が確立されると核融合反応を受ける。最もよく引用される核融合反応は、以下の通りである。



全ての場合において、核融合生成物は、非常に高いエネルギーを有する。本発明の実施形態による核融合炉は、適切な核融合燃料を選択して、これらの核融合生成物のための様々な収集システムを使用することにより、全体的システム効率に依存して、中性子発生器、医療用同位体生産、核廃棄物の核変換及び核融合発電プラントになることができる。核融合燃料は、核融合反応によって消費されるので、反応炉は、図4に示す核融合燃料供給部105を必要とする。核融合燃料供給部は、気体、液滴又はペレットの注入を利用することができる。これらの核融合燃料は、閉じ込めプラズマの境界層に入るとイオン化される。高エネルギープラズマの使用は、これらの全ての核融合燃料が境界付近でイオン化されることを確実にする。イオン化によって生じる電子は、負のポテンシャル井戸に打ち勝つほどに十分なエネルギーを有していないので外向きに押しやられる。一方で、イオンは、ポテンシャル井戸から運動エネルギーを得るので内向きに押され、実質的に核融合反応に関与する。
なお、本発明の実施形態は、図2、図4及び図6に示す6コイルシステムに加えて、様々な磁気カスプ配位にも適用することができる。図11A〜図11Dに、同様に利用可能な磁気カスプ配位の例を示す。これらは、図11Aの軸対称スピンドル型カスプシステム、図11Bの「ピケットフェンス」カスプシステム、図11Cの6コイル型カスプシステム、図11Dの「ドデカヘドロン」配位として知られている12コイル型カスプシステムである。また、20・12面体などの他の多面体形磁気カスプ配位を利用することもできる。
図12に、本発明の別の実施形態を示す。この実施形態は、図4と同じ構成要素を使用するが、ポテンシャル井戸に閉じ込められたイオンのエネルギーを制御するために中性ビーム注入部1201をさらに含む。一般に、IECシステムの副作用の1つは、ポテンシャル井戸の中心領域における低エネルギーイオン濃度の増加である。高エネルギー中性ビーム注入を利用することにより、注入された中性ビームとの荷電交換衝突を通じて、これらの中心領域における低エネルギーイオンを高エネルギーイオンに置き換えることができる。中性ビームは、電荷を有していないので、磁気カスプ構造及び静電ポテンシャル井戸を貫通することができる。中性ビームは、荷電交換衝突すると電荷を獲得し、中性ビーム注入エネルギーがポテンシャル井戸の深さよりも小さいと仮定するとポテンシャル井戸に閉じ込められる。一方、この時点で、低速イオンは、中性ビームから電子を得ることによって中性粒子に変化する。これらのイオンは、中性化すると、もはやポテンシャル井戸に閉じ込められることはなく、システムから離れる。
図13A及び図13Bには、プラズマイニシエータの様々なパルスタイミングを示す。図13Aに示すように、イニシエータ(又は、より一般的には初期高密度プラズマ形成)の時間スケールは、ほぼ方程式2の電子閉じ込め時間τe又はこれに相当する。図13Bに示すように、イニシエータのパルス持続時間も、方程式2の電子閉じ込め時間τeよりもはるかに短くなり得る。複数のプラズマイニシエータを使用する場合、個々のイニシエータは、はるかに短いパルス持続時間を有することができるが、図13Cに示すように、イニシエータの時間スケール全体は、ほぼ方程式2の電子閉じ込め時間τe又はこれに相当し、図中のP1、p2、..Pnは、複数のイニシエータシステム内の個々のイニシエータの短パルス持続時間を表す。
上述したように生じる核融合反応は、核融合発電の他にも、中性子発生器、医療用同位体発生器又は核廃棄物核変換装置などの多くの用途にとって有用なものとなり得る。
本発明の実装は様々である。実装1は、核融合反応発生装置であって、 反応チャンバと、反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるコイルを有するコイルシステムと、反応チャンバ内に高ベータプラズマを発生させるプラズマイニシエータと、電子注入器と、核融合反応によって消費されるイオンを補充する核融合燃料注入器とを備え、プラズマイニシエータが、反応チャンバ内に高ベータプラズマを生成して反応チャンバ内に電子を閉じ込め、電子注入器が、反応チャンバ内にプラズマポテンシャル井戸を生成して反応チャンバ内にイオンを閉じ込め、核融合関連エネルギーまでイオンを加速させる、装置に関する。
実装2は、プラズマイニシエータが、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1〜10倍のパルス持続時間で動作するという特徴を実装1に加える。
実装3は、プラズマイニシエータが、方程式2の電子閉じ込め時間の0.3〜3倍、0.5〜5倍、1〜3倍、3〜10倍、5〜20倍、或いは方程式2の電子閉じ込め時間にほぼ等しい又は等しい最大パルス持続時間で動作するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装4は、プラズマイニシエータが、方程式2の電子閉じ込め時間の0.1倍未満のパルス持続時間で動作するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装5は、プラズマイニシエータによって生じるプラズマの温度が、5〜1000eVの範囲内に存在し、或いは、より好ましくは、10〜500eV、10〜100eV、20〜250eV、50〜300eV、50〜500eV及び100〜1000eVのうちの1つの範囲から選択された範囲内に存在するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装6は、プラズマイニシエータが、5〜1000eV、10〜500eV、10〜100eV、20〜250eV、50〜300eV、50〜500eV及び100〜1000eVのうちの1つの範囲から選択された電子エネルギーで動作するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装7は、コイルシステムによって生じるカスプ点における最大磁場が、0.5〜20テスラの範囲内に存在するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装8は、コイルシステムによって生じるカスプ点における最大磁場が、1〜15テスラ、3〜12テスラ、4〜10テスラ及び5〜8テスラのうちのいずれか1つの範囲内に存在するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装9は、プラズマイニシエータが、0.1〜10のプラズマβを有する高ベータプラズマをカスプ内に生成するのに十分なエネルギーで動作するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装10は、プラズマイニシエータが、0.2〜5.0、0.3〜3.0、0.5〜2.0、0.7〜1.5、0.8〜1.2、0.9〜1.1のプラズマβ、或いはほぼ1に等しい又は1に等しいプラズマβを有する高ベータプラズマをカスプ内に生成するのに十分なエネルギーで動作するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装11は、プラズマイニシエータが、方程式3のエネルギーの0.5〜50倍によって与えられるエネルギーを有するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装12は、プラズマイニシエータが、方程式3のエネルギーの0.5〜30倍、0.5〜10倍、1〜30倍、1〜20倍、1〜10倍、5〜30倍、5〜20倍及び5〜10倍によって与えられるエネルギーを有するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装13は、磁場がカスプ点を有し、コイルシステムによって生じるカスプ点における磁場が0.5〜20テスラの範囲にあり、プラズマイニシエータが、0.1〜10のプラズマβを有する高ベータプラズマをカスプ内に生成するのに十分なエネルギーで動作するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装14は、電子注入器が、10keV以上のプラズマポテンシャル井戸を生成するという特徴を上記の実装のいずれか1つに加える。
実装15は、電子注入器が、少なくとも50keVのプラズマポテンシャル井戸を生成するという特徴を上記の実装のいずれか1つに加える。
実装16は、電子注入器が、10〜1000keV、10〜200keV、25〜150keV、50〜300keV、75〜500keV及び100〜1000keVのうちの1つの範囲のビームエネルギーを有する電子ビームを生成してプラズマポテンシャル井戸を生成するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装17は、プラズマイニシエータが、気体、液滴又は固体材料のうちの少なくとも1つを用いてプラズマを生成する同軸プラズマガンを含むという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装18は、プラズマイニシエータが、逆転磁場配位(FRC)プラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16のうちのいずれか1つに加える。
実装19は、プラズマイニシエータが、フェロマックプラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16のうちのいずれか1つに加える。
実装20は、プラズマイニシエータが、カスプ磁場内におけるレーザアブレーション及び気体、液滴又は固体材料のイオン化のための装置を含むという特徴を実装1〜16のうちのいずれか1つに加える。
実装21は、プラズマイニシエータがピンチプラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16のうちのいずれか1つに加える。
実装22は、プラズマイニシエータが、ワイヤ状に構成された形状のプラズマ形成材料を有するピンチプラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16及び21のうちのいずれか1つに加える。
実装23は、プラズマイニシエータが、反応チャンバと、プラズマ電極と、電極に隣接する大領域及び反応チャンバ中心の小領域を有する適応型構成のプラズマ形成材料とを有するピンチプラズマチャンバを含むという特徴を実装1〜16及び21〜22のうちのいずれか1つに加える。
実装24は、プラズマイニシエータが、各々がワイヤ状構成を有する複数のプラズマ形成材料を有するピンチプラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16及び21〜22のうちのいずれか1つに加える。
実装25は、プラズマイニシエータが、各々がワイヤ状構成を有する第1の複数のプラズマ形成材料と、各々がワイヤ状構成を有する、第1の複数のプラズマ形成材料に対して垂直に配向された第2の複数のプラズマ形成材料とを有するピンチプラズマ発生器を含む、という特徴を実装1〜16及び21〜22のうちのいずれか1つに加える。
実装26は、プラズマイニシエータが、ワイヤ状構成を有する第1のプラズマ形成材料と、ワイヤ状構成を有する、第1のプラズマ形成材料に対して垂直に配向された第2のプラズマ形成材料とを有するピンチプラズマ発生器を含む、という特徴を実装1〜16及び21〜22のうちのいずれか1つに加える。
実装27は、プラズマイニシエータが、ガス噴射を含むプラズマ形成材料を有するピンチプラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16のうちのいずれか1つに加える。
実装28は、プラズマイニシエータが、液滴又はマイクロスケール粒子の一方を含むプラズマ形成材料を有するピンチプラズマ発生器を含むという特徴を実装1〜16のうちのいずれか1つに加える。
実装29は、カスプ磁場が軸対称スピンドル型カスプ磁場を形成するという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装30は、カスプ磁場がピケットフェンス型カスプ配位を含むという特徴を実装1〜28のうちのいずれか1つに加える。
実装31は、カスプ磁場が6コイル型多面体配位で生成されるという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装32は、カスプ磁場が12コイル型多面体配位で生成されるという特徴を実装1〜30のうちのいずれか1つに加える。
実装33は、カスプ磁場が20コイル型多面体配位で生成されるという特徴を実装1〜30のうちのいずれか1つに加える。
実装34は、プラズマイニシエータが1又は2以上のパルス型プラズマイニシエータを含むという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装35は、電子注入器が複数の電子注入器を含むという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装36は、装置が、中性子発生器、医療用同位体発生器又は核廃棄物核変換装置のうちの1つを含むという特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装37は、カスプ磁場から低エネルギーイオンを除去する中性ビーム注入器というさらなる特徴を上記の実装のうちのいずれか1つに加える。
実装38は、核融合発生方法であって、反応チャンバを準備するステップと、反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるステップと、プラズマイニシエータを利用して反応チャンバ内にベータ圧力プラズマを発生させ、反応チャンバに高エネルギー電子を閉じ込めるステップと、反応チャンバに電子を注入し、反応チャンバ内にプラズマポテンシャル井戸を生成して反応チャンバ内にイオンを閉じ込め、核融合関連エネルギーまで加速させるステップと、核融合反応によって消費されるイオンを補充するステップとを含む方法として特徴付けることができる。
実装39は、反応チャンバへの中性ビーム注入を利用することによって反応チャンバに高エネルギーイオンを追加するというさらなる特徴を実装38に加える。
実装40は、プラズマイニシエータを、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1〜10倍のパルス持続時間で動作させるというさらなる特徴を実装38〜39のうちのいずれか1つに加える。
実装41は、プラズマイニシエータを、方程式2の電子閉じ込め時間の0.3〜3倍、0.5〜5倍、1〜3倍、3〜10倍、5〜20倍、或いは方程式2の電子閉じ込め時間にほぼ等しい又は等しい最大パルス持続時間で動作させるというさらなる特徴を実装38又は39に加える。
実装42は、プラズマイニシエータを、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1倍未満のパルス持続時間で動作させるというさらなる特徴を実装38又は39に加える。
実装43は、プラズマイニシエータを、5〜1000eVの範囲、或いは、より好ましくは10〜500eV、10〜100eV、20〜250eV、50〜300eV、50〜500eV及び100〜1000eVのうちの1つから選択された範囲のプラズマ温度を生成するように動作させるというさらなる特徴を実装38〜42のいずれか1つに加える。
実装44は、プラズマイニシエータを、5〜1000eV、10〜500eV、10〜100eV、20〜250eV、50〜300eV、50〜500eV及び100〜1000eVのうちの1つから選択された範囲の電子エネルギーを発生させるように動作させるというさらなる特徴を実装38〜43のうちのいずれか1つに加える。
実装45は、カスプ点における磁場強度が0.5〜20テスラであるカスプ磁場を発生させるというさらなる特徴を実装38〜44のうちのいずれか1つに加える。
実装46は、カスプ点における磁場強度が1〜15、3〜12、4〜10及び5〜8テスラのうちのいずれか1つの範囲内に存在するカスプ磁場を発生させるというさらなる特徴を実装38〜44のうちのいずれか1つに加える。
実装47は、カスプ磁場のカスプ内に0.2〜5.0、0.3〜3.0、0.5〜2.0、0.7〜1.5、0.8〜1.2、0.9〜1.1のプラズマβ、或いはほぼ1に等しい又は1に等しいプラズマβを含む高ベータプラズマを生成するようにプラズマイニシエータを動作させるというさらなる特徴を実装38〜46のうちのいずれか1つに加える。
実装48は、プラズマイニシエータを、方程式3のエネルギーの0.5〜50倍によって与えられるエネルギーを有するように動作させるというさらなる特徴を実装38〜47のうちのいずれか1つに加える。
実装49は、プラズマイニシエータを、方程式3のエネルギーの0.5〜30倍、0.5〜10倍、1〜30倍、1〜20倍、1〜10倍、5〜30倍、5〜20倍及び5〜10倍によって与えられるエネルギーを有するように動作させるというさらなる特徴を実装38−47のうちのいずれか1つに加える。
実装50は、コイルシステムによって生じる磁場が0.5〜20テスラの範囲内に存在し、プラズマイニシエータが、0.1〜10のプラズマβを生成するのに十分なエネルギーで動作するというさらなる特徴を実装38〜49のうちのいずれか1つに加える。
実装51は、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の最大で10倍のパルス持続時間でプラズマイニシエータを動作させるというさらなる特徴を実装50に加える。
実装52は、中性子発生器であって、反応チャンバと、反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるコイルを有するコイルシステムと、反応チャンバ内に高ベータプラズマを発生させるプラズマイニシエータと、電子注入器と、イオン注入器と、核融合反応によって消費されるイオンを補充する核融合燃料注入器とを備え、プラズマイニシエータが、反応チャンバ内に高ベータプラズマを生成して反応チャンバ内に電子を閉じ込め、電子注入器及びイオン注入器が、プラズマを加熱して核融合反応を引き起こして中性子を発生させる、中性子発生器を特徴とする。
実装53は、核融合反応発生装置であって、 反応チャンバと、反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるコイルを有するコイルシステムと、反応チャンバ内に高ベータプラズマを発生させるプラズマイニシエータと、電子注入器と、核融合反応によって消費されるイオンを補充する核融合燃料注入器とを備え、プラズマイニシエータが、反応チャンバ内に高ベータプラズマを生成して反応チャンバ内に電子を閉じ込め、電子注入器が、反応チャンバ内にプラズマポテンシャル井戸を生成して反応チャンバ内にイオンを閉じ込め、核融合関連エネルギーまでイオンを加速させ、プラズマイニシエータが、注入器ガン、FRC及びレーザの群から選択された1又は2以上のプラズマイニシエータを有する1又は2以上のプラズマピンチイニシエータを含む、装置に関する。
実装54は、注入器ガン、FRC及びレーザのうちの1つ又は2つ以上を利用して反応チャンバに初期エネルギーを与えた後に、1又は2以上のピンチイニシエータを用いて反応チャンバ内のエネルギーを高めて高ベータプラズマを生成するという特徴を実装53に加える。
リファレンスリスト
101 真空容器
102 コイル
103 プラズマ注入器
104 電子ビーム注入器
105 核融合燃料注入システム
106 ポンピングポート
107 ガス弁システム
108 真空ポンプシステム
109 機械的支持構造
110 電力供給及び冷却システム
111 プラズマ注入器
701 ターゲット材料
702 中心カソード
703 外側アノード
801 レーザターゲット送出システム801
802 小ターゲット
803、804 高出力レーザ
901 コンデンサ又はバッテリ
902 スイッチ
903、905、906、907、908 プラズマ形成材料
904 電極
909 ガス注入器
910 平行ガス噴射
911 液体又は粒子注入器
912 液滴又は微小微粒子
1201 中性ビーム注入部

Claims (21)

  1. 核融合反応発生装置であって、
    反応チャンバと、
    前記反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるコイルを有するコイルシステムと、
    前記反応チャンバ内に高ベータプラズマを発生させるプラズマイニシエータと、
    電子注入器と、
    核融合反応によって消費されるイオンを補充する核融合燃料注入器と、を備え、
    前記プラズマイニシエータは、前記反応チャンバ内に前記高ベータプラズマを生成して前記反応チャンバ内に電子を閉じ込め、
    前記電子注入器は、前記反応チャンバ内にプラズマポテンシャル井戸を生成して前記反応チャンバ内にイオンを閉じ込め、核融合関連エネルギーまでイオンを加速させる、装置。
  2. 前記プラズマイニシエータは、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1〜10倍のパルス持続時間で動作する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記プラズマイニシエータは、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1倍未満のパルス持続時間で動作する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記コイルシステムによって生じるカスプ点における最大磁場は、0.5〜20テスラである、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記プラズマイニシエータは、プラズマβが0.1〜10の前記高ベータプラズマをカスプ内に生成するのに十分なエネルギーで動作する、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記プラズマイニシエータは、方程式3のエネルギーの0.5〜50倍によって与えられるエネルギーを有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記プラズマイニシエータは、方程式3のエネルギーの0.5〜30倍、0.5〜10倍、1〜30倍、1〜20倍、1〜10倍、5〜30倍、5〜20倍及び5〜10倍によって与えられるエネルギーを有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記プラズマイニシエータは、5〜1000eV、10〜500eV、10〜100eV、20〜250eV、50〜300eV、50〜500eV及び100〜1000eVのうちの1つの範囲から選択された電子エネルギーで動作する、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記電子注入器は、10〜1000keV、10〜200keV、25〜150keV、50〜300keV、75〜500keV及び100〜1000keVのうちの1つの範囲内のビームエネルギーを有する電子ビームを生成して前記プラズマポテンシャル井戸を生成する、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記プラズマイニシエータは、気体、液滴又は固体材料のうちの少なくとも1つを用いてプラズマを生成する同軸プラズマガンを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記プラズマイニシエータは、同軸プラズマガン、FRC及びレーザのうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記プラズマイニシエータは、1又は複数のピンチプラズマ発生器を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記装置は、中性子発生器、医療用同位体発生器、又は核廃棄物核変換装置である、請求項1から12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記カスプ磁場から低エネルギーイオンを除去する中性ビーム注入器を更に備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 核融合発生方法であって、
    反応チャンバを準備するステップと、
    前記反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるステップと、
    プラズマイニシエータを利用して前記反応チャンバ内にベータ圧力プラズマを発生させ、前記反応チャンバに高エネルギー電子を閉じ込めるステップと、
    前記反応チャンバに電子を注入し、前記反応チャンバ内にプラズマポテンシャル井戸を生成して前記反応チャンバ内にイオンを閉じ込め、核融合関連エネルギーまでイオンを加速させるステップと、
    核融合反応によって消費されるイオンを補充するステップと、を含む方法。
  16. 前記反応チャンバ内への中性ビーム注入を利用することによって前記反応チャンバに高エネルギーイオンを追加するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記プラズマイニシエータを、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1〜10倍のパルス持続時間で動作させるステップを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記プラズマイニシエータを、方程式2によって求められる電子閉じ込め時間の0.1倍未満のパルス持続時間で動作させるステップを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
  19. 前記カスプ磁場のカスプ内に0.2〜5.0、0.3〜3.0、0.5〜2.0、0.7〜1.5、0.8〜1.2、0.9〜1.1のプラズマβ、又はほぼ1に等しい若しくは1に等しいプラズマβを含む高ベータプラズマを生成するように前記プラズマイニシエータを動作させるステップを含む、請求項15から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記プラズマイニシエータを、方程式3のエネルギーの0.5〜50倍によって与えられるエネルギーを有するように動作させるステップを更に含む、請求項15から19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 中性子発生器であって、
    反応チャンバと、
    前記反応チャンバ内にカスプ磁場を発生させるコイルを有するコイルシステムと、
    前記反応チャンバ内に高ベータプラズマを発生させるプラズマイニシエータと、
    電子注入器と、
    イオン注入器と、
    核融合反応によって消費されるイオンを補充する核融合燃料注入器と、
    を備え、
    前記プラズマイニシエータは、前記反応チャンバ内に前記高ベータプラズマを生成して前記反応チャンバ内に電子を閉じ込め、
    前記電子注入器及び前記イオン注入器は、前記プラズマを加熱して核融合反応を引き起こして中性子を発生させる、中性子発生器。
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