説明および図面は、単に本発明の原理を示しているにすぎない。したがって、当業者なら、本発明の原理を実施する様々な構成を考案することができるようになることが理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、主として、本発明者等が当技術を推進することに寄与している本発明の原理、および概念を理解する際に、読者を支援する教育上の目的のためにすぎないように明示的に意図され、またそのような具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。図面の中に示される処理ユニットを通しての処理機能の分割は、重要なものではなく、また当業者によって理解される可能性があるように、処理ユニットの数と、処理機能の数と、処理ユニットに対する処理機能の割付けとは、添付の特許請求の範囲において規定されるように、本発明の実施形態の範囲を逸脱することなしに、変化することができる。本方法(単数または複数)を実行するためのステップの数は、重要ではなく、また当業者によって理解される可能性があるように、ステップの数と、ステップのシーケンスとは、添付の特許請求の範囲において規定されるように、本発明の実施形態の範囲を逸脱することなしに、変化することができる。
図1は、例えば、いわゆる垂直のプリコーディングを適用することにより、いくつかの垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を送信するように適合されている第1の基地局BS1を含む無線アクセス・ネットワークRANを概略的に示すものである。
代わりに、第1の基地局BS1は、いくつかの垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を送信するように適合されていることもあり、また追加して、いわゆるMIMO送信スキーム(MIMO=多入力多出力(Multiple Input Multiple Output))によるいくつかの水平の放射線ビーム(いくつかの水平の放射線ビーム)は、簡単にするために図1においては示されていない。
無線アクセス・ネットワークRANは、単一の垂直の放射線ビームBM−BS2を送信するように適合されており、またいくつかの水平の放射線ビームを送信するように適合されていることもある第2の基地局BS2をさらに含んでおり、これらの水平の放射線ビームは、簡単にするために図1においては示されていない。
無線アクセス・ネットワークRANは、第2の基地局BS2の第2の無線セルC2のセル境界に、また第1の基地局BS1の第1の無線セルC1と、第2の無線セルC2との間のセル・オーバーラップ・エリアCOAの中に、位置している移動局MSをさらに含んでいることさえもある。
無線アクセス・ネットワークRANは、無線通信システムのコア・ネットワークに接続されていることもあり、このコア・ネットワークもまた、簡単にするために示されていない。無線アクセス・ネットワークRANは、例えば、すべて3GPPによって標準化されるGSM/GPRS(GSM=移動通信用グローバル・システム(Global System for Mobile Communication)、GPRS=汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service))、UMTS(UMTS=ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(Universal Mobile Telecommunication Systems))、HSPA(HSPA=高速パケット・アクセス(High Speed Packet Access))、LTE(LTE=ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution))、またはLTE−進化型などのセルラー方式モバイル通信システムの無線アクセス・ネットワークとすることができる。代わりに、無線アクセス・ネットワークRANは、IEEE 802.11規格のうちの1つに基づいていることもあるWLAN(WLAN=ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(Wireless Local Area Network))とすることができる。さらなる代替案においては、無線アクセス・ネットワークRANは、例えば、ケーブルに対する代替案として最後のマイルのワイヤレス・ブロードバンド・アクセスの配信を可能にするためのIEEE 802.16規格のうちの1つに基づいたWiMAXネットワーク(WiMAX=ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access))と、DSL(DSL=デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line))とすることができる。さらにさらなる代替案においては、無線アクセス・ネットワークRAN1は、3GPP2(3GPP2=第3世代パートナーシップ・プロジェクト2(3rd Generation Partnership Project 2))によって標準化されるcdmaOne、CDMA2000、およびCDMA2000 EV−DOを含むCDMAファミリの規格のうちの1つに基づいたものとすることができる。
用語「基地局」は、基地トランシーバ局、アクセス・ポイント基地局、アクセス・ポイント、マクロ基地局、マクロセル、マイクロ基地局、マイクロセル、フェムトセル、ピコセルなどに対する同義語と考えられ、かつ/または基地トランシーバ局、アクセス・ポイント基地局、アクセス・ポイント、マクロ基地局、マクロセル、マイクロ基地局、マイクロセル、フェムトセル、ピコセルなどと称されることもあり、また1つまたは複数の無線リンクを経由して1つまたは複数の移動局に対してワイヤレス接続を提供する機器を説明することができる。第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2とは、例えば、LTEノードB(LTE Node B)、IEEE 802.11のアクセス・ポイント、WiMAX基地局などとすることができる。
用語「マクロ基地局」は、基地局に対する同義語と考えられ、かつ/または基地局のことを意味することもあり、この基地局は、数百メートルから数キロメートルまでのレンジにおけるサイズを有する無線セルを提供する。マクロ基地局は、通常、一般的に、数十ワットの最大出力電力を有している。
用語「マイクロ基地局」は、基地局に対する同義語と考えられ、かつ/または基地局のことを意味することもあり、この基地局は、数十メートルから数百メートルまでのレンジにおけるサイズを有している無線セルを提供する。マイクロ基地局は、通常、一般的に数ワットの最大出力電力を有している。
用語「マクロセル」は、無線セルに対する同義語と考えられ、かつ/または無線セルのことを意味することもあり、この無線セルは、最も広いレンジのすべての無線セルのサイズを提供する。マクロセルは、通常、農村地域において、またはハイウェイに沿って見出され、また通常、数十ワットのレンジにおける送信電力で動作させられる。
用語「マイクロセル」は、低電力のセルラー方式基地局によってサービスされるセルラー方式ネットワークにおける無線セルに対する同義語と考えられ、かつ/または無線セルのことを意味することもあり、モール、ホテル、交通ハブなど、限られたエリア(マクロセルのエリアよりも小さい)を対象として含んでいる。マイクロセルは、無線セルのグループのことを意味しており、この無線セルのグループは、ピコセルと、フェムトセルとを含んでいる。
用語「ピコセル」は、建物の内部(オフィス、ショッピング・モール、列車の駅、証券取引所など)やより最近の航空機内部などのスモール・エリアを一般的に対象として含むスモール・セルラー方式基地局に対する同義語と考えられ、かつ/またはスモール・セルラー方式基地局のことを意味することもある。セルラー方式ネットワークにおいては、ピコセルを一般的に使用して、屋外信号がよく届かない場合の屋内エリアにカバレッジを拡張し、または列車の駅など、非常に高密度の電話使用を伴うエリアにおいてネットワーク容量を追加する。
用語「フェムトセル」は、一般的に家庭または小規模ビジネスにおいて使用するために設計された小規模の、低電力セルラー方式基地局に対する同義語と考えられ、かつ/または小規模の、低電力セルラー方式基地局のことを意味することもある。産業界においてより広く広まっているより広い用語は、サブセットとしてフェムトセルを有している、スモール・セルである。
用語「移動局」は、バス、電車、自動車さえなど、移動する乗り物の中に位置するときに、モバイル・ユニット、モバイル・ユーザ、アクセス端末、ユーザ機器、加入者、ユーザ、リモート局、またはスモール・セル、ピコセルもしくはフェムトセルに対する同義語と考えられることもあり、また以下で時に、モバイル・ユニット、モバイル・ユーザ、アクセス端末、ユーザ機器、加入者、ユーザ、リモート局、またはスモール・セル、ピコセルもしくはフェムトセルと称されることもある。移動局UE1、UE2のうちのそれぞれは、例えば、セルラー方式電話、スマートフォン、ポータブル・コンピュータ、ポケット・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ、携帯型個人情報端末、移動基地局、スマート・ウォッチ、グーグル・グラスなどのヘッドマウント・ディスプレイ、またはリピータまたはリレーなどの車載モバイル・デバイスとすることができる。
用語「無線セル」は、無線セル、セル、無線セクタ、セクタなどに対する同義語と考えられ、かつ/または無線セル、セル、無線セクタ、セクタなどと称されることもある。
第1の基地局BS1は、アンテナ・アレイAA1を含んでいる。アンテナ・アレイAA1の放射表面RSに関する表面法線SNは、垂直の放射線ビームBM1−BS1、BM2−BS1、BM3−BS1、BM4−BS1、BM5−BS1の仰角を定義するために使用され、これらの垂直の放射線ビームは、第1の基地局BS1のアンテナ・アレイAA1によって送信される。
第1の基地局BS1は、第1の仰角ELA1を適用することにより、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1を送信する。第1の仰角ELA1は、表面法線SNと、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1のビーム方向MBD1との間の角度として規定されることもある。第1の基地局BS1は、さらに、第2の仰角を適用することにより、第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1を送信する。表面法線SNと、第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1のビーム方向MBD2とは、図1において例示的に示されるように、同じ方向を有することができるので、第2の仰角ELA2は、ゼロである可能性がある。同じやり方で、第1の基地局BS1は、さらなる3つの垂直の放射線ビームBM3−BS1、BM4−BS1、BM5−BS1についてのさらなる仰角(簡単にするために示されていない)を適用する。第1の基地局BS1は、代わりに、ただ2つの垂直の放射線ビーム、8つの垂直の放射線ビームなど、5つよりも多くの垂直の放射線ビームを送信することもできる。
第1のビーム方向は、第1の仰角の結果として、第1のカバレッジ・エリアCA1を指し示し、第2のビーム方向は、第2の仰角の結果として、第2のカバレッジを指し示すなどである(第4の垂直の放射線ビームBM4−BS1についてのさらなるカバレッジ・エリアCA4だけが、簡単にするために図1の中に示される)。それによって、第1のカバレッジ・エリアCA1と、少なくとも第2のカバレッジ・エリアとは、第1の基地局BS1の第1の無線セルC1の内部の異なる半径位置に位置している。半径位置は、例えば、第1の無線セルC1の中心に対する特定の平均距離を有する位置、またはアンテナ・アレイAA1についてのアンテナ支柱のロケーションに対する特定の平均距離を有する位置を意味する。
第2の基地局BS2は、垂直の放射線ビームBM−BS2を経由して移動局MSにサービスするために、移動局MSに向かって単一の垂直の放射線ビームBM−BS2のビーム方向MBDを調整している可能性がある。
垂直の放射線ビームBM1−BS1、BM2−BS1、BM3−BS1、BM4−BS1、BM5−BS1は、同時に、また互いに独立して適用されることもある。これは、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1が、移動局MSに向けられることもあり、この移動局MSが、第1の無線セルC1と、第2の無線セルC2との間のセル・オーバーラップ・エリアの中に位置しており、また例えば、第4の垂直の放射線ビームBM4−BS1が、さらなる移動局に向けられることもあり、この移動局が、第1の無線セルC1の中心に対してより近くに位置している可能性があることを意味している。さらなる一実施形態においては、移動局は、第1のOFDM周波数サブキャリアなど、第1の周波数リソースの上の1つの垂直の放射線ビームにより、また第2のOFDM周波数サブキャリアなど、第2の周波数リソースの上のさらなる垂直の放射線ビームにより、同時にサービスされる可能性がある。
既に上記で述べられているように、異なる方位角を使用することによる第1の基地局BS1と第2の基地局BS2とのアンテナ・システムのロケーションの周囲のいくつかの半径方向に向かっての、第1の基地局BS1による、また第2の基地局BS2による水平の放射線ビームの送信は、簡単にするために図1の中には示されていない。方位角は、例えば、アンテナ・アレイAA1の放射表面の表面法線と、水平の放射線ビームのビーム方向との間の角度として規定されることもある。
無線アクセス・ネットワークRANのさらなる基地局と、無線アクセス・ネットワークRANに接続されているさらなる移動局とは、簡単にするために示されてはいない。本方法と、第2の基地局BS2の隣接する基地局である第1の基地局BS1に関して以下で説明されるネットワーク・ノードBS1、BS2およびMSとの特徴は、図1の中に示されていない第2の基地局BS2のさらなる隣接する基地局に対して拡張される可能性があり、また簡単にするために以下では、説明されていない。
無線アクセス・ネットワークRANは、3GPPによって規定されるX2インターフェースなど、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2との間の第1のバックホール・リンクBHL1をさらに含んでいる。LTEにおけるX2インターフェースは、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2との間の直接の情報交換のために使用される。それゆえに、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2とは、いわゆるNRT(NRT=近隣関係テーブル(Neighbour Relation Table))を確立する。これは、互いからの基準信号についての無線リソース情報などのパラメータを直接に要求することを可能にする。
代わりに、またオプションとして、無線アクセス・ネットワークRANは、基準信号の無線リソース情報を記憶するための中央データベースCDBをさらに含むことができ、これらの基準信号は、無線アクセス・ネットワークRANの所定のエリアの内部で、または無線アクセス・ネットワークRANの所定の数の基地局によって、垂直の放射線ビームを経由して送信される。第2の基地局BS2は、第2のバックホール・リンクBHL2により、中央データベースCDBに接続されることもある。中央データベースCDBは、O&Mデータベース(O&M=オペレーション・アンド・メインテナンス(Operation and Maintenance))とすることができ、このO&Mデータベースは、通常、無線通信システムを動作させるためのシステム関連パラメータを含んでいる。
用語「基準信号」は、CRS(CRS=共通参照シンボル(common reference symbol))、CSI参照シンボル(CSI=チャネル状態情報(Channel State Information))、共通パイロット、共通パイロット信号、共通パイロット・シンボル、ビーコン、ビーコン信号などに対する同義語と考えられ、かつ/またはCRS(CRS=共通参照シンボル)、CSI参照シンボル(CSI=チャネル状態情報)、共通パイロット、共通パイロット信号、共通パイロット・シンボル、ビーコン、ビーコン信号などと称されることもあり、この信号は、無線セルまたは無線セクタにおけるすべての移動局に対して、マルチキャストまたはブロードキャストの形で送信される。
基本的には、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2と、移動局MSとの間のオペレーションは、以下のようである。
移動局MSが、セル・オーバーラップ・エリアCOAの中の第2の無線セルC2のセル境界に位置しているときに、第2の基地局BS2は、例えば、移動局MSに対して、第1の放射線ビームBM1−BS1を経由した第1の基準信号の送信のための第1の無線リソース情報と、第2の放射線ビームBM2−BS1を経由した少なくとも第2の基準信号の送信のための少なくとも第2の無線リソース情報とを送信することが好ましい。これは、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とが、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のサブグループのために送信され得ることを意味している。代わりに、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちのそれぞれ1つからの基準信号の送信のための無線リソース情報は、第2の基地局BS2から移動局MSへと送信されることもある。移動局MSにおける第1の無線リソース情報と少なくとも第2の無線リソース情報との受信により、移動局MSは、第1の基準信号と、少なくとも第2の基準信号とを受信し、また検出することができるようになる。
第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とは、マッピング・リストとして移動局MSに対して送信されることが好ましい可能性があり、このマッピング・リストは、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1についての識別子と、時間リソース、周波数リソース、時間リソースと周波数リソースとの組、および/またはコード・リソースについての表示など、基準信号についての識別子とを含む。時間リソースは、例えば、LTEにおいて適用されるなど、1msのサブフレームとすることができる。周波数リソースは、例えば、LTEにおいて適用されるなど、OFDM周波数サブキャリアとすることができる。コード・リソースは、例えば、UMTSにおいて適用されるなど、拡散コードとすることができる。時間リソースと周波数リソースとの組は、例えば、LTEにおいて適用されるなど、リソース要素の時間および周波数の位置の組、すなわち、OFDMのフレームおよびサブキャリアの共通部分とすることができる。第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とは、第1の基地局BS1から第2の基地局BSを経由して移動局MSへと、またはブロードキャストを経由して第1の基地局BS1から移動局MSへと直接に送信されることもある。
基準信号は、移動局が垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を区別することができるようなやり方で、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を経由して送信される必要がある。この区別が、例えば、タイム・ドメインにおいて行われる場合に、第1の時間周期において、基準信号は、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの第1の放射線ビームを経由して送信され、第2の時間周期においては、基準信号は、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの第2の放射線ビームを経由して送信されルなどである。
第1の基地局BS1から第1の基地局BS1によってサービスされる移動局へのデータ送信では、垂直の放射線ビームBM1−BS1、BM2−BS1、BM3−BS1、BM4−BS1、BM5−BS1のうちのそれぞれ1つは、水平の放射線ビームのうちのそれぞれ1つによって結合されることもある。基準信号は、垂直方向にプリコーディングされて、所定の数の垂直の放射線ビームを、例えば、時分割多重において、水平方向に形成するが、アンテナ・アレイAA1(図7においてアンテナ・システムANT−SYS−BS1として示される)の水平方向H−DIR(図7参照)における特定の位置において配列されるアンテナ要素のうちのそれぞれ1つは、直交基準信号のそれ自体の組を有する。このようにして、移動局MSは、プリコーディングされた垂直の基準信号についての信号品質に基づいて、最良の垂直の放射線ビームを決定するように適合されている。さらに、移動局MSは、水平のアンテナ要素当たりに受信されている直交基準信号に基づいて、最良の水平の垂直の放射線ビームを算出するように適合されている。
これは、移動局MSが、水平方向H−DIRにおける異なる位置におけるアンテナ要素を区別することができることを意味している。垂直方向におけるプリコーディングに起因して、移動局MSは、アンテナ要素を観察し、または知覚するように適合されており、これらのアンテナ要素は、単一のアンテナ要素として、アンテナ・アレイAA1の垂直方向V−DIR(図7を参照)における異なる位置に配列される。それによって、移動局MSは、水平方向H−DIRに配列されている異なるアンテナ要素を検出することができるが、上記で説明されるように、タイム・ドメインにおける垂直の放射線ビームの区別に、例えば、基づいて、信号品質のジャンピングのようなシーソー(see−saw)を観察する。
同じ原理が、第2の基地局BS2についてもまた、適用されることが好ましい可能性がある。
移動局MSは、受信された第1の基準信号に基づいて、第1の放射線ビームBM1−BS1についての第1の品質情報を決定し、また受信された少なくとも第2の基準信号に基づいて、少なくとも第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1についての少なくとも第2の品質情報を決定する。第1の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とのカバレッジ・エリアはまた、移動局MSの候補セルとして解釈されることもある。
次いで、移動局MSは、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方を第2の基地局BS2に対して送信する。第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方の受信により、第2の基地局BS2は、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2の基地局BS2による移動局MSのさらなるスケジューリングが、より適しているか、または第1の基地局BS1の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの1つに対する移動局MSのハンドオーバが、より適しているかを決定することができるようになる。一実施形態においては、移動局MSは、最良の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1についての品質情報だけを第2の基地局BS2に対して送信することができる。
例えば、第2の基地局BS2が、移動局MSのさらなるスケジューリングについて決定するとき、第1の基地局BS1による第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とのうちの少なくとも1つの使用が、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とのうちの少なくとも1つが少なくとも1つのタイム・スロット中に第1の基地局BS1によって使用されないことになるなど、所定の判断基準を満たすときには、第2の基地局BS2は、少なくとも1つのタイム・スロットにおける第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方に基づいて、アップリンク・データおよび/またはダウンリンク・データについて、移動局MSをスケジュールすることができる。
代わりに、第2の基地局BS2が、第1の基地局BS1に対する移動局MSのハンドオーバについて決定するときには、第2の基地局BS2は、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2の基地局BS2から第1の基地局BS1へのハンドオーバの後に、移動局MSにサービスするために第1の基地局BS1において適用されるべき初期のサービング放射線ビームとして、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とのうちの1つを決定する。そのような場合には、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1に対して、選択された初期のサービング放射線ビームのビーム情報を送信する。ビーム情報を受信するときに、第1の基地局BS1は、移動局MSをスケジュールするために移動局MSにサービスするための選択された初期のサービング放射線ビームを適用する。
移動局MSと、第2の基地局BS2と、第1の基地局BS1とによって適用されている方法についてのさらなる詳細は、以下の図2、3および4に関連して説明される。
技術的説明が、垂直の放射線ビームの好ましい実施形態について、図1に関して上記で与えられ、また図2から7に関して以下で与えられる。代替的な一実施形態においては、垂直の放射線ビームは、水平の放射線ビームにより、または垂直の放射線ビームと水平の放射線ビームとの混合物によって置き換えられることもある。
図2は、無線アクセス・ネットワークRANにおける垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1の処理または管理のために、移動局に関連したプロセス・ステップを実行するための移動局MSのための方法MET−MSの流れ図を概略的に示すものである。
第1のステップS1−MSにおいて、移動局MSは、第1の基準信号についての第1の無線リソース情報と、第2の基準信号についての、また好ましくは、垂直の放射線ビームBM3−BS1、BM4−BS1、BM5−BS1を経由して送信されているさらなる基準信号についての、少なくとも第2の無線リソース情報とを受信する。第1の代替案においては、移動局MSは、例えば、3GPP無線通信システムにおいて適用されるなどのRRCメッセージ(RRC=無線リソース制御(Radio Resource Control))により、第2の基地局BS2から第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを受信することができる。第2の代替案においては、移動局MSは、例えば、ブロードキャスト・チャネルの上のブロードキャスト・メッセージにより、第1の基地局BS1から直接に、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを受信することができる。
第1の実施形態においては、同じタイプの基準信号が、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1との間で、定期的に切り替えられるときに、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とは、垂直のプリコーディングのグループのうちの1つで定期的にプリコーディングされ、これらの垂直のプリコーディングは、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1のために、また少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1のために適用される。そのような場合には、第1の無線リソース情報は、第1の基準信号の好ましくは定期的な送信のための第1の周期的なタイム・スロットについての情報など、第1の時間リソースまたは第1のタイミング情報についての第1の表示を含んでいる。同じやり方で、少なくとも第2の無線リソース情報は、少なくとも第2の基準信号の好ましくは定期的な送信のための第2の周期的タイム・スロットについての情報など、第2の時間リソースまたは第2のタイミング情報についての少なくとも1つの第2の表示を含んでいる。
第2の実施形態においては、同じタイプの基準信号が、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1との間で定期的に切り替えられるときに、第1の無線リソース情報は、例えば、時間リソースと周波数リソースとの第1のグリッドの内部の第1の基準信号の位置についての第1の表示を含んでいる。同じやり方で、少なくとも第2の無線リソース情報は、例えば、時間リソースと周波数リソースとの少なくとも1つの第2のグリッドの内部の少なくとも第2の基準信号の位置についての少なくとも第2の表示を含んでいる。例えば、LTEにおいては、基準信号は、各サブフレームの中に、またサブキャリア位置6、12、18、...におけるそれぞれの第1および第6のOFDMシンボルの中に、またサブキャリア位置3、9、15、...におけるそれぞれの第3および第9のOFDMシンボルの中に位置している。好ましい実施形態においては、第1のサブフレームの基準信号は、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1のために使用され、第2のサブフレームの基準信号は、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1のうちの第2の放射線ビームのために使用されるなどである。代替的な一実施形態においては、基準信号の周波数位置は、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とを通して分散されることもある。
第3の実施形態においては、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちのそれぞれ1つは、異なる拡散コードなど、異なるコード・リソースを有することができる。それによって、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちのいくつかまたはすべてが、移動局MSによって同時に測定されることもある。この場合には、第1の無線リソース情報は、例えば、第1の基準信号の送信のために適用されている第1の拡散コードについての第1の表示を含んでいる。同じやり方で、少なくとも第2の無線リソース情報は、例えば、少なくとも第2の基準信号の送信のために適用されている少なくとも1つの第2の拡散コードについての少なくとも1つの第2の表示を含んでいる。
上記で与えられる第1、第2または第3の実施形態に関して、第1の無線リソース情報は、第1の放射線ビームBM1−BS1についてのさらなる表示を含むことができ、また少なくとも第2の無線リソース情報は、第2の放射線ビームBM2−BS1についての、または第2の放射線ビームBM2−BS1についての、またさらなる放射線ビームBM3−BS1、BM4−BS1、BM5−BS1のうちの少なくとも1つについてのさらなる表示を含むことができる。
移動局MSは、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを使用して、第1の実施形態に関して、移動局MSのレシーバ装置を様々な時分割多重化された基準信号に対して時間において同期させ、もしくは第2の実施形態に関して、移動局MSのレシーバ装置を様々な周波数多重化された基準信号に対して周波数において同期させ、または第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを使用して、基準信号の様々な拡散コードに対してレシーバ装置の復号化を適応させる。
さらなるステップS2−MSにより、移動局MSは、第1の基準信号を受信し、また少なくとも1つのさらなるステップS3−MSを用いて、移動局MSは、少なくとも1つの第2の基準信号を受信する。
ステップS4−MSにおいて、移動局MSは、受信された第1の基準信号の分析に基づいて、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1についての第1の品質情報を決定し、また受信された対応する基準信号に基づいて、少なくとも第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1のうちの1つについての少なくとも第2の品質情報を決定することができ、または基準信号が十分な受信電力で受信される可能性がある垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のそれぞれについて品質情報を決定することができる。第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とは、例えば、受信された第1の基準信号と少なくとも第2の基準信号とについての信号強度値などの受信信号レベル、SINR値(SINR=信号対干渉プラス雑音比(Signal to Interference−plus−Noise Ratio))、またはサポートされた変調および符号化のスキーム(MCS:Modulation and Coding Scheme)とすることができる。ある種の垂直の放射線ビームについての特定の信号強度値、SINR値、またはMCS値は、移動局MSのロケーションにおける垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1の特定の干渉レベルに対応している。信号強度値、SINR値、またはMCS値が、高くなればなるほど、干渉レベルは、より高くなる。
さらなるステップS5−MSにより、移動局MSは、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方を送信し、また第2の基地局BS2に対して、さらなる垂直の放射線ビームBM3−BS1、...、BM5−BS1についての品質情報を送信することもできる。それゆえに、移動局MSは、例えば、3GPP 36.331無線通信規格によって適用されるような、いわゆるA3メッセージなどのハンドオーバ要求メッセージを使用することができる。移動局MSは、様々な変形例において、品質情報を送信することができる。移動局MSは、最大の受信信号レベルなどの最高品質を提供する、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とのうちの1つの品質情報だけを送信することが好ましい。第2の基地局BS2に意思決定におけるより大きな余裕を与えるために、移動局MSは、代わりに、すべての受信された垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの少なくとも2つを有するサブグループについての品質情報を送信することもでき、または受信された垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちのすべてについての品質情報を送信することもできる。
ステップS6−MSにおいて、移動局MSは、ハンドオーバ・コマンド・メッセージが、第2の基地局BS2から移動局MSにおいて受信されている可能性があるかどうかを検証する。そのようなハンドオーバ・コマンド・メッセージが、受信されていないときに、本方法MET−MSは、ステップS2−MSによって継続される可能性がある。他のハンドオーバ・コマンド・メッセージが、受信されているときに、本方法MET−MSは、ステップS7−MSによって継続されることもある。ハンドオーバ・コマンド・メッセージは、例えば、移動局MSが、第2の無線セルC2から分離し、また第1の無線セルC1の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの示された1つに対してアタッチすることができるという情報を含むことができる。
さらなるステップS7−MSを用いて、移動局MSは、第2の無線セルC2から第1の無線セルC1の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの示された1つに対するハンドオーバを実行する。
ステップS7−MSの後のさらなるステップは、この場合にもステップS1−MSとすることができる。さらなる方法では、次に、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2との役割が、交換される。
図3は、無線アクセス・ネットワークRANにおいて垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1の処理または管理のために、サービング基地局の基地局に関連したプロセス・ステップを実行するための、第2の基地局BS2のための方法MET−BS2の流れ図を概略的に示すものである。
第1の代替案によれば、第2の基地局BS2における第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とについての知識は、第2の基地局がインストールされるときに、第2の基地局BS2のすべての隣接する基地局の垂直の放射線ビームを経由して基準信号の送信のために第2の基地局BS2のローカル・データベースの中にあらかじめ構成され、また記憶されることもある。そのような場合には、要求メッセージは、隣接する基地局のうちの1つにおいて垂直の放射線ビームを送信するための構成が、変更されない限り、第2の基地局BS2と、第1の基地局BS1など、隣接する基地局との間で交換される必要はない。そのような事前の構成が、第1のステップS1−BS2において適用されない可能性があるときに、第2の基地局BS2は、第1の基準信号の第1の無線リソース情報と、第2の基準信号の少なくとも第2の無線リソース情報とを要求するためのメッセージを第1の基地局BS1に対して送信することができ、またさらなる垂直の放射線ビームBM3−BS1、...、BM5−BS1のさらなる基準信号とすることもできる。
代わりに、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を経由して送信されている第1の基準信号の第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の基準信号の少なくとも第2の無線リソース情報とを要求するためのメッセージを中央データベースCDBに対して送信することができる。
第1の基地局BS1から、または中央データベースCDBから、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを受信するときに、第2の基地局BS2は、さらなるステップS2−BS2により、第2の基地局BS2のローカル・データベースに第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを記憶することができる。
さらなるステップS3−BS2においては、移動局MSなどの移動局が、第2の無線セルC2の境界に、またセル・オーバーラップ・エリアCOAに到達するときに、第2の基地局BS2は、それ自体のローカル・データベースから垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を経由して送信されている第1の基準信号の第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の基準信号の少なくとも第2の無線リソース情報とについて問い合わせを行うことができ、また移動局MSに対して、第1の無線リソース情報と少なくとも第2の無線リソース情報とを送信する。
次のステップS4−BS2において、第2の基地局BS2は、第1の品質情報および/または少なくとも第2の品質情報のうちの少なくとも1つを受信し、また移動局MSからさらなる垂直の放射線ビームBM3−BS1、...、BM5−BS1についての品質情報を受信することもできる。第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とが、第1の基地局BS1からブロードキャスト・メッセージを経由して、移動局MSへと直接に送信されるときに、ステップS4−BS2は、第1のステップとすることができる。破線矢印は、方法MET−BS2が、ステップS1−BS2、S2−BS2、およびS3−BS2を含まない可能性があるときの代替的な一実施形態を示すものである。
さらなるステップS5−BS2により、第2の基地局BS2は、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2の基地局BS2による移動局MSのさらなるスケジューリングが、より適しているか、または第1の基地局BS1の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの1つに対する移動局MSのハンドオーバまたはセルの再関連付けが、より適しているかを決定する。例えば、垂直の放射線ビームBM1−BS1...BM2−BS1のうちの1つが、移動局MSをスケジュールするための第2の基地局BS2の現在適用されている垂直の放射線ビームBM−BS2に比べて、移動局MSにおいて、より高い受信信号レベル、より高いSINR、またはより高いサポートされたMCSを有するときに、第2の基地局BS2は、ハンドオーバまたはセルの再関連付けについて決定する。
そのような場合には、ステップS9−BS2が、次のステップである。さもなければ、方法MET−BS2は、さらなるステップS6−BS2によって継続される。
ステップS6−BS2により、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1によってサービスされている移動局に対してダウンリンク・データを送信するために、第1の基地局BS1により、第1の放射線ビームBM1−BS1についての、また少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1についての使用に関する、また好ましくは、さらに、第1の基地局BS1に対する移動局によるアップリンク・データの送信に関する、情報を獲得するために、要求を第1の基地局BS1に対して送信することができる。
さらなるステップS7−BS2においては、第2の基地局BS2は、第1の放射線ビームBM1−BS1の、また少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1の使用に関する、また好ましくは第1の基地局BS1から、第1の基地局BS1に対する移動局によるアップリンク・データの送信に関する、情報を受信することができる。第1の基地局BS1が、第1の基地局BS1によってサービスされる移動局をスケジュールするために、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの1つまたはいくつかを使用しなくなるときに、情報は、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの例えば、1つまたはいくつかを示すことができ、またさらに、例えば、10msや20msなど、将来における所定の時間にわたっていくつかのタイム・スロットを含んでいる1つもしくはいくつかのタイム・スロット、またはタイム・フレームを示すことができる。第1の基地局BS1によってサービスされる移動局が、第1の基地局BS1に対してアップリンク・データを送信することになるときに、情報は、例えば、10msや20msなど、将来における所定の時間内における各場合における1つまたはいくつかのさらなるタイム・スロットについてのいくつかのタイム・スロットを含むタイム・フレームの間の、1つまたはいくつかのタイム・スロットについてさらに示すことが好ましい可能性がある。
情報は、第2の基地局BS2から要求を受信した後に、所定の時間にわたって第1の基地局BS1から反復して送信されることもある。
次のステップS8−BS2において、そのようなタイム・スロットまたはタイム・フレーム中に、第2の基地局BS2と、移動局MSとの間の無線送信が、第1の基地局BS1の垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を経由して、データ送信により、また専用のパイロット(いわゆる復調参照シンボルDRS)の送信によって生成される干渉によって、あまり影響を受けないので、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1によって示されるように、タイム・スロットまたはタイム・フレームのうちの一方において、移動局MSをスケジュールすることができる。ステップS8−BS2の後のさらなるステップは、ステップS4−BS2とすることができる。
代わりに、少なくとも1つのタイム・スロットまたは少なくとも1つのさらなるタイム・スロット中に、アップリンク・データが、第1の基地局BS1によってサービスされるべき移動局のうちの少なくとも1つから第1の基地局BS1へと送信されるときに、第2の基地局BS2は、少なくとも1つのタイム・スロット、または少なくとも1つのさらなるタイム・スロットにおいて、アップリンク・データについての移動局MSのスケジューリングを防止することができる。
ステップS9−BS2において、第2の基地局BS2は、移動局MSについてのいわゆるターゲット基地局として、第2の基地局BS2から第1の基地局BS1へのハンドオーバを要求するためのハンドオーバ要求メッセージを第1の基地局BS1に対して送信することができる。ステップS9−BS2の後の次のステップは、ステップS10−BS2またはステップS12−BS2とすることができる。
ステップS10−BS2により、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1から、ハンドオーバが第1の基地局BS1によって拒絶されるハンドオーバ拒絶メッセージを受信することができる。そのような場合には、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1によって示されるように、タイム・スロットまたはタイム・フレームのうちの一方において移動局MSをスケジュールするさらなるステップS11−BS2によって継続することができる。
ステップS12−BS2によって、第2の基地局BS2は、そうでなければ、第1の基地局BS1から、ハンドオーバが第1の基地局BS1によって受け入れられるハンドオーバ受入メッセージを受信することができる。そのような場合には、第2の基地局BS2は、さらなるステップS13−BS2において、移動局MSから受信される品質情報に基づいて、第2の基地局BS2から第1の基地局BS1へのハンドオーバの後に第1の基地局BS1において移動局MSをサービスするための初期のサービング放射線ビームとして、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1のうちの1つを決定する。
次のステップS14−BS2において、第2の基地局BS2は、第1の基地局BS1に対して、選択された初期のサービング放射線ビームのビーム情報を送信する。ビーム情報は、選択された初期のサービング放射線ビームについての少なくとも1つの識別子を含んでおり、また選択された初期のサービング放射線ビームの品質情報を含むことが好ましい可能性もある。品質情報は、例えば、ハンドオーバが実行される前に、移動局MSから第2の基地局BS2において受信されるような品質情報とすることができる。これは、品質情報が、例えば、第2の基地局BS2から第1の基地局BS1への移動局MSのハンドオーバが実行される前に、好ましくは、移動局MSによって最後に測定され、また第2の基地局BS2に対して報告されるようなCQI値または受信信号レベルとすることができることを意味している。
図4は、無線アクセス・ネットワークRANにおいて、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1の処理または管理のために、隣接する基地局の基地局に関連したプロセス・ステップを実行するための、第1の基地局BS1のための方法MET−BS1の流れ図を概略的に示すものである。
第1のステップS1−BS1において、第1の基地局BS1は、第1の垂直の放射線ビームBM1−BS1を経由した第1の基準信号と、第2の垂直の放射線ビームBM2−BS1を経由した第2の基準信号と、さらなる垂直の放射線ビームBM3−BS1、...、BM5−BS1を経由した対応する基準信号とを送信する。
さらなるオプションとしてのステップS2−BS1によって、第1の基地局BS1は、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを要求するためのメッセージを第2の基地局BS2から受信することができる。
次のオプションとしてのステップS3−BS1において、第1の基地局BS1は、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを第2の基地局BS2に対して送信する。
ステップS2−BS1およびS3−BS1に関しての代替的な一実施形態によれば、第1の基地局BS1は、ブロードキャスト・チャネルを経由したブロードキャスト・メッセージにより、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを送信することができる。
さらなるステップS4−BS1において、第1の基地局BS1は、第1の基地局BS1による第1の放射線ビームBM1−BS1の、また少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1の使用に関する情報を提供するための要求を第2の基地局BS2から受信する。
次のステップS5−BS1において、第1の基地局BS1は、第2の基地局BS2に対して、第1の放射線ビームBM1−BS1の、また少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1の使用に関する情報を送信する。
さらなるステップS6−BS1において、第1の基地局BS1は、第2の基地局BS2からハンドオーバ要求メッセージを受信する。
次のステップS7−BS1により、第1の基地局BS1は、第2の基地局BS2から第1の基地局BS1への移動局MSのハンドオーバが、受け入れられるべきか、または拒絶されるべきかを検証する。第1の基地局BS1における意思決定は、例えば、第1の基地局BS1における現在の負荷状況に依存する可能性がある。ハンドオーバが、第1の基地局BS1によって拒絶されるときに、ステップS8a−BS1が、次のステップとすることができる。ハンドオーバが、第1の基地局BS1によって拒絶されないときには、ステップS8b−BS1が、さらなるステップとすることができる。
ステップS8a−BS1により、第1の基地局BS1は、ハンドオーバ拒絶メッセージを第2の基地局BS2に対して送信する。ステップS8a−BS1の後の次のステップは、この場合にもステップS6−BS1とすることができる。
ステップS8b−BS1を使用して、第1の基地局BS1は、ハンドオーバ受入メッセージを第2の基地局BS2に対して送信する。
さらなるステップS9−BS1においては、第1の基地局BS1は、第2の基地局BS2によって選択されるような初期のサービング放射線ビームのビーム情報を第2の基地局BS2から受信する。現在の3GPP規格においては、ターゲット基地局は、ハンドオーバの直後に、また第1のCQI測定値が、ハンドオーバを実行している移動局から受信される前には、チャネル品質とPMI(PMI=プリコーディング行列表示(Precoding Matrix Indication))とについての何の情報も有しておらず、また何の情報も獲得しない。ビーム情報により、第1の基地局BS1は、移動局にサービスするための期間の始めに、適切な垂直の放射線ビームを自動的に選択することができるようになる。
次のステップS10−BS1においては、第1の基地局BS1は、第2の基地局BS2によって選択されるような初期のサービング放射線ビームによるハンドオーバの直後に移動局MSをスケジュールする。
さらなるステップS11−BS1により、第1の基地局BS1は、第2の基地局BS2によって実行されるステップS4−BS2と類似したやり方で、垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1と、垂直の放射線ビームBM−BS2とのうちの少なくとも1つについてのさらなる品質情報を移動局MSから受信することができる。
ステップS12−BS1において、第1の基地局BS1は、受信されたさらなる品質情報に基づいて、移動局MSにサービスするための初期のサービング放射線ビームとしてよりよい代替案が存在するかどうかを検証する。そのような検証のために、第1の基地局BS1は、例えば、受信された信号レベルを比較することができる。よりよい代替案が存在しないときに、ステップS12−BS1の後の次のステップは、この場合にもステップS10−BS1とすることができる。例えば、初期のサービング放射線ビームよりも大きな受信信号レベルを有するその他の別の垂直の放射線ビームが、存在するときには、ステップS12−BS1の後の次のステップは、ステップS13−BS1とすることができる。
ステップS12−BS1により、第1の基地局BS1は、移動局MSのためのビーム切替えを実行することができ、またさらなる垂直の放射線ビームにより、移動局MSをスケジュールすることができる。
図5は、移動局MSの例示のブロック図を概略的に示すものである。移動局MSは、アンテナ・システムANT−SYS−MSを経由して第1の基地局BS1または第2の基地局BS2に向かってアップリンク無線周波数信号を送信するための、および第1の基地局BS1または第2の基地局BS2からダウンリンク無線周波数信号を受信するための、アンテナ・システムANT−SYS−MSとトランシーバMS−TRCとを含む。アンテナ・システムANT−SYS−MSは、例として2つのアンテナ要素を含んでいるが、代わりに、単一のアンテナ要素だけを、または2つよりも多いアンテナ要素を含んでいることもできる。
トランシーバTRC−MSは、トランスミッタ部分TR−MSと、レシーバ部分RC−MSとを含む。代わりに、移動局MSは、トランシーバTRC−MSの代わりに、別個のトランスミッタと、別個のレシーバとを含むことができる。
トランシーバTRC−MSと、アンテナ・システムANT−SYS−MSとは、第2の基地局BS2から、第1の無線リソース情報と少なくとも第2の無線リソース情報とを受信するように、第1の無線リソース情報に基づいて第1の基準信号を受信するように、また少なくとも第2の無線リソース情報に基づいて少なくとも第2の基準信号を受信するように適合されている。トランシーバTRC−MSと、アンテナ・システムANT−SYS−MSとは、さらに、第2の基地局BS2に対して、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方を送信するように適合されている。
移動局MSは、方法MET−MSを実行するためのコマンドを含むコンピュータ・プログラムPROG−MSを記憶するためのメモリMEM−MSをさらに含んでいる。移動局MSは、コンピュータ・プログラムPROG−MSを実行するための処理ユニットPU−MSをさらに含んでいる。処理ユニットPU−MSと、コンピュータ・プログラムPROG−MSとは、例えば、受信された第1の基準信号に基づいた第1の放射線ビームBM1−BS1についての第1の品質情報と、受信された少なくとも第2の基準信号に基づいた少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1についての少なくとも第2の品質情報とを決定するように適合されている。
図6は、第2の基地局BS2の例示のブロック図を概略的に示すものである。第2の基地局BS2は、アンテナ・システムANT−SYS−BS2を経由して移動局MSに向かってダウンリンク無線周波数信号を送信するための、および移動局MSからアップリンク無線周波数信号を受信するための、アンテナ・システムANT−SYS−BS2と第1のトランシーバTRC1−BS2とを含む。第1のトランシーバTRC1−BS2は、トランスミッタ部分TR1−BS2とレシーバ部分RC1−BS2とを含む。代わりに、第2の基地局BS2は、トランシーバTRC1−BS2の代わりに、別個のトランスミッタと、別個のレシーバとを含むこともできる。
アンテナ・システムANT−SYS−BS2は、例えば、1(垂直)×4(水平)構成の形で例示の4つのアンテナ要素を含む線形アンテナ・アレイとすることができる。地球の表面に関して、水平方向H−DIRにおける線形アンテナ・アレイは、第2の無線セルC2の中心から第2の無線セルC2の境界に向かう異なる半径方向に向かっていくつかの水平の放射線ビームを送信することを可能にしている。代わりに、アンテナ・システムANT−SYS−BS1は、1×2構成の形の2つのアンテナ要素など、4つ未満のアンテナ要素、または1×8構成の形の8つのアンテナ要素など、4つよりも多いアンテナ要素を含むことができる。
第1のトランシーバTRC1−BS2と、アンテナ・システムANT−SYS−BS2とは、移動局に対して、第1の基地局BS1によって第1の方向に向かって方向づけられている第1の放射線ビームBM1−BS1を経由した第1の基準信号の送信のための第1の無線リソース情報と、第1の基地局BS1によって少なくとも1つの第2の方向に向かって方向づけられている少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1を経由した少なくとも第2の基準信号の送信のための少なくとも第2の無線リソース情報とを送信するように適合されている。第1のトランシーバTRC1−BS2と、アンテナ・システムANT−SYS−BS2とは、さらに、移動局MS2から、第1の放射線ビームBM1−BS1の第1の品質情報と、少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1の少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方を受信するように適合されている。
第2の基地局BS2は、第1のケーブル接続CC1と、その第1のケーブル接続CC1に接続されている第2のトランシーバTRC2−BS2とをさらに含む。第2のトランシーバTRC2−BS2は、トランスミッタ部分TR2−BS2とレシーバ部分RC2−BS2とを含む。代わりに、第2の基地局BS2は、第2のトランシーバTRC2−BS2の代わりに、さらなる別個のトランスミッタと、さらなる別個のレシーバとを含むこともできる。第2のトランシーバTRC2−BS2は、第1の基地局BS1の対応するトランシーバと通信するように適合されていることもある。
代替的な一実施形態によれば、第1のバックホール接続BHL1は、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2との間のワイヤレス接続によって実現される可能性がある。
第2の基地局BS2は、第2のケーブル接続CC2と、その第2のケーブル接続CC2に接続されている第3のトランシーバTRC3−BS2とをさらに含む可能性さえある。第3のトランシーバTRC3−BS2は、トランスミッタ部分TR3−BS2とレシーバ部分RC3−BS2とを含む。代わりに、第2の基地局BS2は、第3のトランシーバTRC3−BS2の代わりに、さらにさらなる別個のトランスミッタと、さらにさらなる別個のレシーバとを含むことができる。第3のトランシーバTRC3−BS1は、中央データベースCDBと通信するように適合されていることもある。
第2の基地局BS2は、方法MET−BS2を実行するためのコマンドを含むコンピュータ・プログラムPROG−BS2を記憶するためのメモリMEM−BS2をさらに含んでさえいる。メモリMEM−BS2は、さらに、ローカル・データベースLDB−BS2を記憶するように適合されている可能性もある。ローカル・データベースLDB−BS2は、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを記憶することができる。ローカル・データベースLDB−BS2は、さらに、これらの垂直の放射線ビームが、移動局をスケジュールするために使用されないときに、第2の基地局BS2の近傍における基地局の垂直の放射線ビームのタイム・スロットまたはタイム・フレームの情報を記憶することもできる。
第2の基地局BS2は、コンピュータ・プログラムPROG−BS2を実行するための処理ユニットPU−BS2をさらに含んでいる。処理ユニットPU−BS2と、コンピュータ・プログラムPROG−BS2とは、例えば、第1の品質情報と、少なくとも第2の品質情報とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2の基地局BS2による移動局MSのさらなるスケジューリングが、より適しているか、または第1の基地局BS1に向かっての移動局MSについてのハンドオーバが、より適しているかを決定するように適合されている。
図7は、第1の基地局BS1の例示のブロック図を概略的に示すものである。第1の基地局BS1は、アンテナ・システムANT−SYS−BS1を経由して移動局MSに向かってダウンリンク無線周波数信号を送信するための、および移動局MSからアップリンク無線周波数信号を受信するための、アンテナ・システムANT−SYS−BS1と、第1のトランシーバTRC1−BS1とを含む。第1のトランシーバTRC1−BS1は、トランスミッタ部分TR1−BS1と、レシーバ部分RC1−BS1とを含む。代わりに、第1の基地局BS1は、第1のトランシーバTRC1−BS1の代わりに、別個のトランスミッタと、別個のレシーバとを含むことができる。
アンテナ・システムANT−SYS−BS1は、例えば、4(垂直)×4(水平)構成の形の例示の16個のアンテナ要素を含む矩形平面アンテナ・アレイとすることができる。地球の表面に関して垂直の方向V−DIRにおける第1のアンテナ・スタックは、異なる仰角ELA1、ELA2(必ずしもすべてが、簡単にするための図1に示される仰角であるとは限らない)を用いて垂直の放射線ビームBM1−BS1、...、BM5−BS1を送信することを可能にしている。地球の表面に関して水平方向H−DIRにおける第2のアンテナ・スタックは、第1の無線セルC1の中心から第1の無線セルC1の境界に向かう異なる半径方向に向かっていくつかの水平の放射線ビームを送信することを可能にしている。代わりに、アンテナ・システムANT−SYS−BS1は、2×4構成の形の8つのアンテナ要素など、16個未満のアンテナ要素、または4×8構成の形の32個のアンテナ要素など、16個よりも多くのアンテナ要素を含んでいてもよい。
第1のトランシーバTRC1−BS1と、アンテナ・システムANT−SYS−BS1とは、第1の方向に向かって方向づけられる第1の放射線ビームBM1−BS1を経由した第1の基準信号と、少なくとも1つの第2の方向に向かって方向づけられる少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1を経由した少なくとも第2の基準信号とを送信するように適合されている。第1のトランシーバTRC1−BS1と、アンテナ・システムANT−SYS−BS1とは、さらに、第2の基地局BS2から第1の基地局BS1への移動局MSのハンドオーバのために、第1の放射線ビームBM1−BS1と、少なくとも1つの第2の放射線ビームBM2−BS1、...、BM5−BS1とのうちの1つについての品質情報を受信するように適合されている。受信された品質情報は、対応する垂直の放射線ビームが、移動局MSにサービスするための初期のサービング放射線ビームとして第1の基地局BS1によって適用されるべきであることを示す表示として見なされることもある。
第1の基地局BS1は、例えば、ケーブル接続CCと、ケーブル接続CCに接続されている第2のトランシーバTRC2−BS1とをさらに含む。第2のトランシーバTRC2−BS1は、トランスミッタ部分TR2−BS1と、レシーバ部分RC2−BS1とを含む。代わりに、第1の基地局BS1は、第2のトランシーバTRC2−BS1の代わりに、さらなる別個のトランスミッタと、さらなる別個のレシーバとを含むことができる。第2のトランシーバTRC2−BS1は、第2の基地局BS2の第2のトランシーバTRC2−BS2と通信するように適合されていることもある。
代替的な一実施形態によれば、第1のバックホール接続BHL1は、第1の基地局BS1と、第2の基地局BS2との間のワイヤレス接続によって実現されることもある。
第1の基地局BS1は、方法MET−BS1を実行するためのコマンドを含むコンピュータ・プログラムPROG−BS1を記憶するためのメモリMEM−BS1をさらに含んでいることさえもある。メモリMEM−BS1は、さらに、ローカル・データベースLDB−BS1を記憶するように適合されていることもある。ローカル・データベースLDB−BS1は、第1の無線リソース情報と、少なくとも第2の無線リソース情報とを記憶することができる。これらの垂直の放射線ビームが、移動局MSなどの移動局をスケジュールするために使用されないときに、ローカル・データベースLDB−BS1は、さらに、第1の基地局BS1の近傍における基地局の垂直の放射線ビームのタイム・スロットまたはタイム・フレームの情報を記憶することができる。
第1の基地局BS1は、コンピュータ・プログラムPROG−BS1を実行するための処理ユニットPU−BS1をさらに含んでいる。処理ユニットPU−BS1と、コンピュータ・プログラムPROG−BS1と、第1のトランシーバTRC1−BS1とは、例えば、第2の基地局BS2からのハンドオーバ要求が、受け入れられ得るか、または拒絶され得るかを検証し、初期のサービング放射線ビームにより移動局MSをスケジュールするために、第2の基地局BS2からの推奨またはコマンドとして初期のサービング放射線ビームの品質情報の受信を解釈し、また移動局MSから直接に垂直の放射線ビームのさらなる品質情報を受信した後に、代替的な垂直の放射線ビームが、移動局MSのために適用され得るかどうかを検証するように、適合されている。
説明および図面は、単に本発明の原理を示しているにすぎない。したがって、当業者なら、本明細書において明示的に説明されても、または示されてもいないけれど、本発明の原理を実施し、また本発明の精神および範囲の内部に含まれる様々な構成を考案することができるようになることが理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、主として、本発明者(単数または複数)が当技術を推進することに寄与している本発明の原理、および概念を理解するに際して、読者を支援する教育上の目的のためにすぎないように明示的に意図され、またそのような具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態を列挙している本明細書におけるすべての記述、ならびにその特定の例は、その同等物を包含することを意図している。
「ある種の機能を実行するための手段」として示される機能ブロックは、それぞれある種の機能を実行するように適合されている回路を備えている機能ブロックとして理解されるべきである。それゆえに、「何かのための手段」は、同様に、「何かのために適合され、または適している手段」として理解されることもある。ある種の機能を実行するように適合されている手段は、それゆえに、そのような手段が、必ずしも前記機能を(与えられた瞬間に)実行していることを意味しているとは限らない。
任意の機能ブロックを含めて、図面の中に示される様々な要素の機能は、例えば、プロセッサのような専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連して、ソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通して提供されることもある。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一の共用のプロセッサによって、またはそれらのうちのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」または「制御装置」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また限定することなく、DSPハードウェアと、ネットワーク・プロセッサと、ASICと、FPGAと、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)と、不揮発性ストレージとを暗黙のうちに含むことができる。他のハードウェアが、従来品および/またはカスタム品もまた、含められる可能性がある。
本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を実施する実例となる回路の概念図を表すことが、当業者によって理解されるべきである。同様に、任意のフロー・チャートと、流れ図と、状態遷移図と、擬似コードなどとは、コンピュータ読み取り可能媒体の形で実質的に表され、またそのようにしてコンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、実行され得る様々なプロセスを表すことが、理解されるであろう。
さらに、添付の特許請求の範囲は、これによって詳細な説明の中に組み込まれ、ここで、各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体に基づいたものとすることができる。各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体に基づいたものとすることができるが、従属請求項は、それらの請求項において、1つまたは複数の他の請求項との特定の組合せについて言及することができるが、他の実施形態は、それぞれの他の従属請求項の主題とのその従属請求項の組合せを含むこともできることに注意すべきである。そのような組合せは、特定の組合せが意図されていないことが、述べられていない限り、本明細書において提案される。さらに、たとえこの請求項が、独立請求項に直接に従属させられていないとしても、任意の他の独立請求項に対する請求項の特徴もまた含むことが意図されている。
明細書の中に、または特許請求の範囲の中に開示される本方法MET−MS、MET−BS1、MET−BS2は、これらの方法のそれぞれのステップのうちのそれぞれを実行するための手段を有するデバイスによって実施され得ることに、さらに注意すべきである。コンピュータ・プログラム製品が、DSP、ASIC、またはFPGAなどのプログラマブル・ハードウェア・デバイスの上で実行されるときに、コンピュータ・プログラム製品は、方法MET−MS、MET−BS1、MET−BS2を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を含むことができることが好ましい。デジタル・データ・ストレージ・デバイスは、方法MET−MS、MET−BS1、MET−BS2のうちの1つを実行するように命令のマシン実行可能なプログラムを符号化することができることが、好ましい。
さらに、明細書または特許請求の範囲の中に開示される複数のステップまたは機能の開示は、特定の順序の内部にあるように解釈されなくてもよいことを理解すべきである。それゆえに、複数のステップまたは機能の開示は、そのようなステップまたは機能が、技術的な理由のために交換可能でないことがない限り、これらを特定の順序だけに限定することはないであろう。さらに、いくつかの実施形態においては、単一のステップは、複数のサブステップを含むことができ、または複数のサブステップへと分解されることもある。そのようなサブステップは、明示的に除外されない限り、含まれることもあり、またこの単一のステップの開示の一部分とすることもできる。