特定の医療介入処置において、医師が縫合器具を使用し、縫合糸を切断部若しくは欠損部を有する組織領域に通して組織を接近させて欠損部を修復することがある。いくつかのそのような処置では、使用の時点で縫合糸を外科縫合器具上に装填する必要があり得る。しかし、従来の装填機構を使用しての縫合糸の装填は困難である場合がある。というのは、従来の装填機構は、ユーザがいくつかのステップを実施する必要があり、ユーザの器用さ、集中力及び特定の動作順序を必要とする場合があり、特定の順序動作は、異なる順序で行われると、デバイスの故障を引き起こすおそれがあり、時間のかかる場合があるためである。したがって、当技術分野には、使用時点で縫合糸を縫合器具上に装填するために、使いやすさを実現し、縫合糸を効率的な方法で装填可能にするカートリッジを提供する必要性がある。
本発明者等は、使用時点で縫合糸を縫合器具上に装填することを容易にする新規な装置及び方法のいくつかの実施形態を発見し、これを実行するに至った。一般に、本発明の実施形態によれば、縫合器具を少なくとも部分的にカートリッジに通して軸方向若しくは直線方向に移動することにより、縫合糸を縫合器具上に装填可能にするカートリッジが提供される。カートリッジは、器具上での縫合糸の位置合わせ及び移送を容易にする1つ若しくは複数の特徴部を更に備えることができる。
より具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、縫合糸をデバイスから個別に供給する状況において、使用時点で外科縫合器具等の医療デバイス上に縫合糸を装填するのに使用可能である縫合糸カートリッジを提供する。本発明のいくつかのそのような実施形態では、医師が、軸方向若しくは先取り(front end)装填機構の使用により、外科処置の前に外科縫合器具上に縫合糸を装填可能であるカートリッジが提供される。カートリッジは、縫合糸の一部分を保持する座を画定し、カートリッジの少なくとも一部分を通して長手方向に延在する開口を画定し、開口は、外科縫合器具の一部分を開口を通して軸方向に受け入れることを可能にし、座内に保持される縫合糸の一部分と外科縫合器具とを位置合わせする。このことは、座内に保持される縫合糸の一部分のカートリッジから外科縫合器具上への直接的な移送を可能にし、縫合糸を独立して移送可能にし、縫合糸を用いて縫合する外科縫合器具を可能にする。
本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジは、縫合糸のデバイス上への移送若しくは装填を容易にする1つ若しくは複数の特徴部を更に備えることができる。
いくつかの実施形態では、カートリッジは、事前結節結び目を縫合器具上に組み付ける手段、カートリッジへの挿入時、縫合器具の位置を固着する抑制部、及び縫合糸と、移動可能な座等の縫合器具とを位置合わせする位置合わせ特徴部のうち1つ若しくは複数を更に備える。いくつかのそのような実施形態では、組織受入れ間隙を画定する縫合器具と共に使用可能なカートリッジが提供され、カートリッジは、座を組織受入れ間隙内に配置するように構成され、座内に保持される縫合糸部分と、縫合器具の縫合糸通し部材との位置合わせを容易にする。
本発明のいくつかの実施形態は、それにより、縫合糸と縫合器具とを効率的に位置合わせすることによって、例えば使用時点で縫合糸を縫合器具上に装填する縫合糸カートリッジを提供する。いくつかの実施形態では、カートリッジは、事前結節結び目を縫合器具上に装填する手段、及び縫合糸を縫合器具上に移送する手段のうち1つ若しくは複数を更に備える。
更に、縫合糸を縫合器具上に装填する方法のいくつかの新規な実施形態を本明細書の以下で説明する。更に、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを含む、椎間板の組織を縫合する方法も同様に説明する。
次に、特定の図面を詳細に参照するが、図示する事項は、本発明の特定の実施形態の例としてであり、例示的な説明の目的にすぎないことを強調する。本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明若しくは図面に示す構成要素の詳細な構造及び構成の適用例に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、又は様々な様式で実践若しくは実行することができる。また、本明細書で用いる言い回し及び用語は、説明の目的であり、限定と見なすべきではないことを理解されたい。
例1A
本発明の一実施形態によれば、使用時点で縫合糸通し器等の外科縫合器具を装填する、縫合糸保持カートリッジが提供される(縫合器具が、事前結節結び目を必要とし、縫合糸通し部材を備える場合、並びに装填が、縫合糸の縫合糸通し部材上への装填、及び事前結節結び目の外科縫合器具上への装填を伴う場合)。縫合糸保持カートリッジ(カートリッジに固着した事前結節結び目を有する)は、縫合糸通し器に結合され、縫合糸を移動可能にすることによって縫合糸の縫合糸通し部材への結合を可能にし、縫合糸が縫合糸通し部材と位置合わせされるようにする。
図1Aは、本発明の一実施形態によるカートリッジ100を更に示す。縫合糸500の長さ部を外科縫合器具上に装填するカートリッジ100が提供され、これには、縫合糸ループを備える事前結節結び目502を縫合器具上に装填することを含む(いくつかの実施形態では、縫合糸ループは、縫合糸500から形成される及び/若しくは縫合糸500に取り付けられる)。図示の例示的実施形態では、縫合糸500は、(結び目504’等の縫合糸の)端部分504(即ち縫合糸端部504)を画定し、外科縫合器具900を装填することができる。図1Bに示すように、事前結節結び目502から出ている縫合糸500は、2本の縫合撚糸、即ち、縫合糸端部に接続されるタグ・ループ507で終端するサービス・ループ501、及びロッカー503、で終端する。いくつかの実施形態では、外科縫合器具は、縫合糸通し部材を画定する種類のものであり、縫合糸通し部材は、カートリッジ100から縫合糸500の端部分504を受け入れる縫合糸受取り通路を中に画定する。
図1C及び図1Dに示す一例では、外科縫合器具若しくは縫合器具900は、器具近位部分(若しくはシャフト)910、及び首部分940を介して器具近位部分910に結合される器具遠位部分920を有する種類のものであり、器具近位部分910と器具遠位部分920との間に組織受入れ間隙942を画定する。器具遠位部分920は、代替的に、遠位端若しくは遠位先端部920と呼ぶことができる。図1Eの断面図に示すように、縫合器具900は、器具近位部分910の内側に収容される中空針930’等の縫合糸通し部材930を備え、縫合糸通し部材930は、縫合糸の端部分504を受け入れる縫合糸受入れ通路932を画定する。いくつかの実施形態では、縫合糸通し部材930は、例えばデバイス近位部分910とデバイス遠位部分920との間を往復移動することができる。いくつかの実施形態では、縫合糸通し部材930の移動は、カートリッジ100から縫合器具900への縫合糸端部分504の移送を支援することができる。特定の例では、縫合器具900は、PCT出願第PCT/IB2012/054204号に示し、記載する種類のものであり、当該出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1Aに示す例示的実施形態を再度参照すると、縫合糸500を外科縫合器具900上に装填するカートリッジ100が示される。本発明の一般的な実施形態によれば、カートリッジ100は、外科縫合器具900を受け入れる室10を画定する筐体10’を備える。カートリッジは、室10に結合される基部120を更に備える。
図1Aに示す特定の例では、室10は、事前結節結び目502を室10の周りに固着若しくは組み付ける手段を備える。図示の実施形態では、事前結節結び目502を固着する手段は、事前結節結び目502を室10周りに保持する組付け部12を備える。より具体的には、組付け部12は、筐体10’の一部を形成することができる。更に、室10は、事前結節結び目502に通して縫合器具900の一部分を受け入れ可能にするチャンネルを画定し、事前結節結び目502を室10上で展開可能にする。
図1Aに示す例示的実施形態では、基部120は、縫合糸500の端部504等、縫合糸500の一部分を解放可能に保持する座122を画定する。図示の特定の例では、座122は、縫合糸端部504を保持する座チャンネル(凹部若しくは通路)124を画定する。より具体的には、カートリッジ100は、座122を、縫合糸500の端部504を「直接保持する」ように指定し、そのような縫合糸500自体は、座122によって直接保持される。
本発明の広範な実施形態によれば、カートリッジ100は、座122が、縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932と位置合わせ可能である、及び一部の例では、隣接するように構成される。いくつかの実施形態では、図1Fに関して本明細書の以下で説明するように、座122は、(基部120と共に)室10及び筐体10’に対して移動可能であり、縫合糸端部504を縫合糸受入れ通路932と位置合わせさせる。
図1Aに示す本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジ100は、位置合わせ特徴部を含み、位置合わせ特徴部は、カートリッジに対する縫合器具900の位置を抑制若しくは固定/係止し、座122と、針930’等の縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを助ける。より具体的には、カートリッジ基部120は、縫合器具900の一部分を配置する抑制部25(抑制手段)を備え、縫合器具900は、座122に対して室10に通して受け入れられ、座122を縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932と位置合わせする。いくつかの実施形態では、抑制部は、係止特徴部等の、カートリッジ100を縫合器具上に係止若しくはスナップ留めする手段として機能することができる。図1Aに示す実施形態では、抑制部25は、係止凹部125として機能する凹部を備え、外科縫合器具900の一部分を受け入れる。図1Fに示すように、係止凹部125は、縫合器具900を受け入れ、カートリッジ100の基部120を縫合器具900上にラッチ留め可能にする。言い換えれば、基部120内の係止凹部125は、外科縫合器具900の一部分(首部分940、並びに近位部分910及び遠位部分920の区分)を受け入れ、基部120が、縫合器具900の一部分の周囲を圧入し、外科縫合器具900の位置を基部120に対して係止するようにする。
図1Aに示すように、カートリッジ100は、座122に隣接して位置する位置合わせ凹部130の形態の位置合わせ特徴部を更に備える。特定の例では、図1Fに示すように、位置合わせ凹部130は、縫合糸通し部材930を位置合わせ凹部130の中に前進可能にするようにサイズ決定され、縫合糸受入れ通路932を座122と位置合わせ可能にする。図1Fに示すように、位置合わせ凹部130は、針930’の傾斜面934と一致する傾斜面134を更に備え、針930’と座122との位置合わせを更に支援する。したがって、例示的実施形態では、位置合わせ凹部130は、針930’等の縫合糸通し部材930の一部分を、遠位に前進させる際に受け入れ、縫合糸受入れ通路932を座122内に保持した縫合糸端部504と一列に配置可能にする。このことは、例えばタグ・ループ507(縫合糸500の端部分504に接続される)を引っ張り、縫合糸端部504をカートリッジ100から縫合糸受入れ通路932内に移送可能にすることによって、縫合糸500を縫合器具900上に装着可能にする。位置合わせ凹部130は、座122を縫合糸受入れ通路932に隣接させ且つこれと連通させることを可能にし、縫合糸端部504を縫合糸通し部材930の管腔内に移送可能にする。
カートリッジは、縫合糸500を送ることを支援する特徴部を更に備えることができ、縫合糸500の操作を容易にし、縫合糸500をカートリッジ100から外科縫合器具900に移送するようにする。次に、図1B及び図1Eを参照すると、いくつかの実施形態では、カートリッジ100の基部120は、縫合糸500を送る座122と連通する基部チャンネル若しくは基部スロット128を更に画定し、縫合糸500の操作を容易にし、縫合糸500を縫合糸通し部材930上/内に装着するようにする。いくつかの実施形態では、カートリッジ100を縫合器具900上に装着後、基部スロット128は、縫合器具900内(例えば器具近位部分910内)で長手方向開口928と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、縫合糸通し部材930は、基部スロット128と一列に並ぶことができるスリット938も備えることができ、スリット938が基部スロット128と連通するようにする。このことは、縫合糸500がカートリッジ100から出るための空間を可能にすることによって、縫合糸500の縫合糸受入れ通路932内への装着を可能にし、縫合糸500は、例えば縫合糸500上で強く引くことによって操作することができ、座122から縫合糸通し部材930内に縫合糸500を移送可能にする。
いくつかの実施形態では、カートリッジ100は、室10若しくは筐体10’と一体に形成した基部120を備えることができる。他の実施形態では、基部120は、図1Aに示すように、着脱可能結合部50を介して筐体10’に着脱可能に結合することができる。このことは、カートリッジ100を使用して縫合糸端部504を縫合器具内に装着した後、基部120を筐体10’から分離することを可能にする。次に、筐体10’は、近位に前進若しくは摺動させ、器具近位部分に沿って筐体10’及びその上の事前結節結び目502を配置することができ、縫合器具を使用して縫合糸を組織領域(椎間板等)に当てた後、事前結節結び目502を展開可能にし、縫合糸500を組織領域内に固着するのを助ける。
次に、いくつかの実施形態では、図1A及び図1Bを参照すると、基部120は、可撓性管若しくは係留部152等の可撓性結合部150を通じて筐体10’に間接的に結合される。いくつかの例では、可撓性管152の第1の端部は、基部120及び筐体10’の一方に永続的に固定することができる一方で、可撓性管152の第2の端部は、基部120及び筐体10’のもう一方に取り外し可能に取り付けることができる。図示の例では、可撓性管152の一端は、基部スロット128内で基部120に永続的に固着され、可撓性管152の第2の端部は、筐体10’内の溝16内に受け入れられ、筐体10’に取り外し可能に取り付けられる。代替的に、可撓性管152の両端は、基部120及び筐体10’のそれぞれに永続的に固定することができ、可撓性管152は、力を加えると、破断線で可撓性管152を2つの部分に分離可能であるように設計することができ、基部120を筐体10’から引き離すことを可能にする。別の例では、可撓性結合部150は、可撓性若しくは軟質のヒンジを備えることができる。代替的に、基部120は、筐体10’に直接結合することができる。
いくつかの実施形態では、カートリッジ100は、図1Bに示す縫合糸格納部60等、縫合糸500の長さ部を格納する手段を更に備えることができる。縫合糸格納部60は、1つ若しくは複数の糸巻き160を備えることができ、糸巻き160は、カートリッジ100内に保持され、縫合糸500の長さ部を格納する。より具体的には、1つ若しくは複数の糸巻き160は、筐体10’内に保持され、縫合糸500のサービス・ループ501及びロッカー503を格納することができる。1つ若しくは複数の糸巻き160は、縫合器具900の装着中及び/若しくは縫合器具900の使用中に、縫合糸500が絡まないようにするのを助けることができる。代替的に、縫合糸500は、縫合糸繰り出し管内に保持することができる。
例1B
図1Bを再度参照すると、いくつかの実施形態では、カートリッジ100は、縫合糸500の一部分を保持する縫合糸保持ピン165等の縫合糸保持構成要素65を備え、縫合糸500のタグ・ループ507を引っ張る(縫合糸端部504を縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932内に移送する)ことを可能にする一方で、サービス・ループ501に加えられる力を最小にするか若しくは防止する。このことは、サービス・ループ501が縫合糸格納部60から早期に引き抜されないようにするのに役立ち得る。図示の実施形態では、縫合糸保持ピン165は、解放可能であり、このことは、筐体10’(及びしたがって室10)を基部120から、外科縫合器具900の近位部分910に沿って個別に近位に前進可能にし、適所に筐体10’を配置して筐体10’内に保持される事前結節結び目502を展開するようにする。
例2
図2A〜図2Cに示す本発明の代替実施形態では、カートリッジ400が開示される。カートリッジ300と同様に、カートリッジ400は、室10(筐体10’)に対して移動可能である座422を備える。更に、カートリッジ400は、自動的に移動可能である座422を組み込む。
次に図2Aを参照すると、カートリッジ基部420を備えるカートリッジ400が開示され、カートリッジ基部420は、筐体、例えば本明細書の上記で既に説明した種類の筐体10’に結合される。一例では、基部420は、筐体10’(室10)に着脱可能に結合することができる。基部420は、縫合糸端部504を解放可能に保つ若しくは保持する座422を画定するマガジン421を備える。より具体的には、マガジン421は、座422を画定する突出部430を備える。特定の例では、座422は、座チャンネル424を備え、縫合糸端部504は、座チャンネル内に圧入される。
図2A〜図2Cに示すいくつかの実施形態では、カートリッジ400は、抑制部25の形態の位置合わせ特徴部を備え、抑制部25は、縫合器具900を基部420内に配置することを可能にする器具受入れ凹部若しくは係止凹部425’を備え、座422を縫合糸受入れ通路932と位置合わせ可能にする。更に、位置合わせ部は、移動可能な座422を備える。マガジン421は、ばね付勢連動部421’を形成するばね426上に組み付けられ、ばね付勢連動部421’は、外科縫合器具900を基部420の器具受入れ凹部425’内に前進させると自動的に移動可能である。連動部421’の動きは、座422を画定する突出部430の動きに変換される。したがって、座422は、縫合器具900を前進させると移動可能であり、縫合糸を縫合糸受入れ通路932と位置合わせさせる。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、マガジン421はばね付勢移動機構を備える。
より具体的には、図4Bを参照すると、ばね付勢連動部421’は、その初期位置421Aで示される。図2Cに示すように、縫合器具900を縫合糸受入れ通路425’内に前進させると、連動部421’は、その最初若しくは初期位置421Aから、第2の位置421Bまで移動可能である。連動部421’のその第2の位置421Bへの移動若しくは降下により、座422を縫合糸通し部材930及び縫合糸受入れ通路932と位置合わせ可能にする。より具体的には、連動部421’は、ランプ423(図2A、図2Bに示す)を備え、ランプ423は、縫合器具900が前進して自動的に連動部421’を動かす際、器具900の遠位先端部920によって係合される。例えば、ランプ423は、遠位先端部920の先細表面によって係合される。その結果、(突出部430によって画定する)座422が自動的に移動可能であり、下向きに進行し、組織受入れ間隙942内に入り、座422(及びしたがって座422が保持する縫合糸端部504)を外科縫合器具900の縫合糸受入れ通路932と位置合わせさせる。言い換えれば、(マガジン421)及びしたがって座422は、カートリッジ基部420と外科縫合器具900との間の相対移動の際、自動的に移動可能である。
いくつかの実施形態では、更なる位置合わせ特徴部を設け、座422の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを更に支援する。既に述べたように、カートリッジ基部420は、座422を画定する突出部430を備える。突出部430は、器具受入れ凹部425’内に延在し、位置合わせ特徴部を画定する。突出部430は、縫合糸通し部材930と係合する際、針930’等の縫合糸通し部材930と当接/対合することができる。図2Cに示す本実施形態では、外科縫合器具900を前進させるにつれて、マガジン421は下方に移動し、組織受入れ間隙内に入る。マガジン421、したがって突出部430及び突出部430を画定する座422は全て、縫合器具900に対して近位に移動し、それにより、突出部430は、針930’に当接し、座422を縫合糸受入れ通路932と位置合わせする。より具体的には、突出部930は、針930’と当接し、針930’と協働して係合、位置合わせし、座422を縫合糸受入れ通路932と位置合わせさせる。座422は、縫合糸受入れ通路932と連通する。図2B〜図2Cに示す1つの特定の例では、突出部430は、針930’を合体させる針930’の傾斜面934と係合する傾斜面434を画定し、針930’を座222と位置合わせし、例えばタグ・ループ507上で引っ張ることによって縫合糸端部504の座222から針930’の縫合糸受入れ通路932内への移送を可能にする。代替的に、いくつかの実施形態では、縫合糸端部504は、例えばピストンを用いて座422から縫合糸受入れ通路932内に自動的に移送することができる。
1つの特定の実施形態では、カートリッジ400は、縫合器具900及び/若しくは筐体10’からのカートリッジ基部の自動分離を可能にする機構を備えることができる。図示の実施形態では、縫合器具900をカートリッジ基部420から引き抜いた後、ばね付勢連動部421’は、その第2の位置421B(図2Cに示す)からその元の位置421A(図2Aに示す)に自動的に復帰することができ、基部420を縫合器具900及び/若しくは筐体10’(室10)から分離可能にする。
例3
図3A〜図3Iに示す本発明の代替実施形態では、縫合糸を外科縫合器具、例えば図1Eを参照して本明細書の上記で既に説明した縫合器具900上に装填するカートリッジ1000が開示される。カートリッジ1000は、縫合糸を中に保持し、縫合器具900をカートリッジ1000内に挿入し、軸方向に前進させると縫合糸を縫合器具900と位置合わせするように機能して、縫合糸を外科縫合器具900上への移送を可能にする。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジ1000は、縫合糸を縫合器具900上に移送するように更に機能する。
図3A及び図3Bに示す1つの特定の例では、縫合糸を保持するように機能し、外科縫合器具900上に装填するカートリッジ1000が設けられる。カートリッジは、外科縫合器具900を軸方向に受け入れる室を画定する筐体1010’を備える。更に、室1010は、縫合器具900を受け入れる室1010の一部である凹部若しくはチャンネルを含む。したがって、本明細書で説明するいくつかの実施形態では、このチャンネルは、チャンネル若しくは凹部と呼ぶことができる。本明細書で説明する特定の例では、室1010は、縫合器具を受け入れるチャンネルを画定する。カートリッジは、筐体1010’に着脱可能に結合される基部1020を更に備え、基部1020は、縫合糸を中に解放可能に保持する座を画定し、縫合糸を縫合器具900の縫合糸通し部材930と位置合わせすることを可能にする。筐体1010’は、縫合糸の一部分を縫合糸通し部材930に固着する手段を更に備え、縫合糸移送構成要素として機能するために基部1020から着脱可能であり、縫合糸をカートリッジから縫合器具900上に移送する。したがって、いくつかの実施形態では、図3Bに示すように、基部1020及び筐体1010’は、カートリッジ1000の個別の構成要素を備え、個別の構成要素は、縫合糸の装填を支援するために互いに結合され、縫合糸の移送を支援するために互いから着脱可能とすることができる。他の実施形態では、筐体1010’は、基部1020と一体に形成することができる。いくつかの例では、基部1020は、2つの半部1020a及び1020bから形成することができ、筐体も同様に2つの半部1010’a及び1010’bから形成することができる。筐体1010’及び基部1020は、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填したときに縫合糸の位置合わせを支援する位置合わせ特徴部を集合的に実現し、縫合糸移送構成要素の使用により、カートリッジ1000から縫合器具900上への縫合糸の移送を容易にする。縫合糸を位置合わせし、移送する際の基部1020及び筐体1010’の詳細な機構及び動作は、本明細書の以下で更に説明する。
次に、図3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、カートリッジの筐体1010’は、室1010を画定し、室1010は、縫合器具を中に受け入れるチャンネル1014を備える。いくつかの例では、チャンネル1014は、近位開口1016を備え、近位開口1016は、傾斜内縁部1016’によって画定するカートリッジ筐体1010’の内部に向かって狭くなる。傾斜内縁部1016’は、縫合器具900をチャンネル1014内に案内する引き込み部として機能する。チャンネル1014は、筐体1010’を通り長手方向に延在し、凹部1025と連通し、凹部1025は、基部1020内に形成される器具受入れ凹部若しくは係止凹部を画定する。いくつかの実施形態では、チャンネル1014は、カートリッジ基部1020内に凹部1025と連続して形成することができる。チャンネル1014は、開口を画定し、この開口を通じて縫合器具900を筐体1010’を通して基部1020内に前進させることができる。チャンネル1014及び凹部1025はそれぞれ、抑制部25として機能し、抑制部25は、縫合器具900がカートリッジ1000内で側方及び横に移動するのを抑制若しくは制限する一方で、縫合器具900がカートリッジ1000内で摺動係合して真直ぐ若しくは軸方向に前進するのを可能にし、縫合器具900が前進する際の長手方向軸に沿った縫合器具900の位置を維持する。したがって、抑制部25は、縫合器具900の横及び側方への移動、並びに抑制部25によって画定した長手方向経路に沿った移動を抑制若しくは制限する。したがって、抑制部25は、縫合器具900と縫合糸500の一部分との位置合わせを容易にし、縫合糸500の一部分は、基部1020によって画定した座1022内に保持される。より詳細には、チャンネル1014及び凹部1025は、縫合器具900を摺動係合して中に前進可能にし、縫合器具900がカートリッジ1000に沿って前進する際に、直線経路内で縫合器具900を抑制するように更に機能し、座1022を縫合糸通し部材の縫合糸受入れ通路932と位置合わせすることを可能にする。
したがって、カートリッジ1000は、抑制部25の形態の位置合わせ特徴部を備え、抑制部25は、チャンネル1014及び凹部1025によって画定される器具受入れ凹部を備え、器具受入れ凹部は、縫合器具900を基部1020内に配置することを可能にし、縫合糸の一部分を保持する座1022を縫合器具900の縫合糸通し部材930と位置合わせ可能にする。
更に、図3C、図3D及び図3Eに示すいくつかの実施形態では、基部内の凹部1025は、図3Fに示すように、基部受入れ凹部を画定する器具受入れ溝1025a、及び縫合糸受入れ凹部を画定する縫合糸受入れ溝1025bである、2つの溝から形成される。器具受入れ溝1025a及び縫合糸受入れ溝1025bはそれぞれ、基部1020の対向する半部1020a及び1020b内に形成される(図3Bにも図示)。再度図3Dを参照すると、器具受入れ溝1025aは、縫合器具900を中に前進可能にする抑制部25として機能する軌道をもたらす一方で、縫合糸溝1025bは、縫合糸500を中に維持/送ることによって、座内に保持される縫合糸の一部分を縫合器具900の縫合糸通し部材930内に案内する軌道をもたらし、縫合糸500が、縫合器具900のシャフト若しくは近位部分910に隣接し、一列であるようにし、縫合器具900のシャフト若しくは近位部分910は、図3Eで更に示すように、器具受入れ溝1025a内に受け入れ可能である。より具体的には、縫合糸受入れ溝1025bは、縫合糸を送ることを可能にし、縫合器具を器具受入れ溝1025b内に受け入れる際に、縫合糸500が、シャフト若しくは器具近位部分910内で溝928に隣接し、且つ針930’等の縫合糸通し部材930内で溝938に隣接して保持されるようにする(図1Eに図示)。更に、溝1025bは、図3D及び図4Aに示すように、揺動器凹部1027内により幅広の開口を設けることによって、過剰な張力を縫合糸にかけることなく縫合糸を送る隙間をもたらす。したがって、溝1025bは、縫合糸が揺動器凹部1027に入る際、揺動器1041の最終位置1041B及び最初の位置1041Aの両方で適応する(本明細書の以下で更に説明する)。したがって、縫合糸受入れ溝1025bは、カートリッジ1000の使用中、縫合糸500を縫合器具900が前進する道から外して維持可能にする。更に、凹部溝1025bは、縫合器具900内で溝928、938と一列であり、基部1020内の座1022から針930’内への縫合糸の移送を更に容易にする。図示の実施形態では、器具受入れ溝及び縫合糸受入れ溝の両方は、揺動器凹部1027内に出る。
次に、図3Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジ1000は、移動可能な座1022を備える位置合わせ特徴部を更に実現する。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジ1000は、基部1020によって画定されるマガジン1021を備え、基部1020は、縫合糸と、カートリッジ1000内に受け入れ可能である外科縫合器具900の一部分とを位置合わせするように機能する。マガジン1021は、縫合糸500の一部分を解放可能に保つ若しくは保持する座1022を画定する。より具体的には、座1022は、図示のように、縫合糸500の端部分504を保持するように構成される。マガジン1021は、カートリッジ1000に対して移動可能であり、したがって、中に保持した縫合糸端部504と、カートリッジ1000内に受け入れた外科縫合器具900の一部分とを位置合わせするように移動可能な座1022を画定する。より詳細には、図3Cに示すように、座1022は、基部1020に対して移動可能である(代替的に、いくつかの実施形態、例えば、基部1020を、単体カートリッジ1000を形成する筐体1010’と一体に形成できる実施形態では、座1022は、筐体1010’によって画定した室1010に対して移動可能である)。
本発明のいくつかの実施形態では、特に図3Cを参照すると、座1022は、縫合器具900をカートリッジ1000内に挿入すると自動的に移動可能である。特定の例では、マガジン1021は、枢動部1042周りに回転可能である揺動器1041を備え、基部1020は、揺動器1041の中での枢動移動を可能にする揺動器凹部1027を画定する。図示の実施形態では、枢動部1042は、揺動器1041の側方延在ピン1043によって形成され(図3Gにも示す)、側方延在ピン1043は、基部1020の枢動支持開口1023内に保持され、中で自由に移動可能である。揺動器1041は、その最初の位置1041A(図3Cに示す)からその第2の位置(図4C(i)に示す)まで枢動部1042周りに移動可能であり、座1022と、カートリッジ1000内に挿入した縫合器具900の前進経路で中に保持される縫合糸端部504とを位置合わせするようにする。
いくつかの実施形態では、揺動器1041は、摩擦係合により揺動器凹部1027内でその最初の位置1041Aで保持される。例えば、揺動器1041は、基部1020内に形成される隆起タブ若しくは戻止め(図示せず)等の係合特徴部によってその最初の位置1041Aで保つことができ、係合特徴部は、揺動器凹部1027内に延在若しくは突出することができる。タブは、揺動器1041の一部分と係合可能であり、出荷中及び使用前、揺動器をその最初の位置1041Aで保持することができる。他の実施形態では、揺動器1041は、ばねベースの機構を介して摩擦係合によりその最初の位置1041Aに保持することができる。摩擦力は、カートリッジが空であるときに揺動器1041をその最初の位置1041Aに保つのに十分なものであればよいが、縫合器具900との接触時に打ち勝つことができるものである。したがって、揺動器1041は、カートリッジ1000内で縫合器具900を前進させると基部1020との係合から解放することができ、揺動器1041をその第2の位置1041Bに移動させ、中で保持された縫合糸の一部分と、縫合器具900の一部分とを位置合わせ可能にする。揺動器1041は、その第2の位置1041Bでは、揺動器凹部1027によって画定した空洞内に移動する。より具体的には、本明細書で定義するように、揺動器1041は、揺動器凹部1027の揺動器空洞1027’内に移動可能であり、座1022を縫合器具900と位置合わせする。揺動器空洞1027’は、揺動器凹部1027の一部分として画定され、この一部分は、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填する際、縫合器具900の組織受入れ間隙942と対応する[図3C]。
いくつかの実施形態では、カートリッジは、シャフト若しくは器具近位部分又はシャフト910内に保持される縫合糸通し部材930として、座1022と縫合器具900の一部分との位置合わせを支援する更なる特徴部を備えることができる。そのような一例では、再度図3Cを参照すると、揺動器1041は、器具受入れ部若しくは係止凹部を更に画定し、器具受入れ部若しくは係止凹部は、縫合器具900を遠位に前進させる際に縫合器具900を受け入れるように設計した溝1044によって画定される。溝1044は、座1022に対して縫合器具900を所望の位置に配置する抑制部として機能し、座1022と縫合糸通し器具900との位置合わせを支援する。溝1044は、揺動器1041を枢動させ、その第2の位置1041B内に下げることを可能にする一方で、縫合器具900をカートリッジ1000内に前進可能にし、縫合糸を縫合器具900内に装填可能にする。[溝1044の動作は、デバイスの動作を示す図4A〜図4Dを参照して本明細書の以下で更に説明する]。図3H及び図3Iで更に示すように、溝1044は、縫合器具900の器具近位部分若しくはシャフト910を受け入れる溝近位部分1046を備え、器具遠位部分若しくは先端部920を受け入れる溝遠位部分1048を更に備える。
更に、揺動器1041は、溝1044によって画定した中央部1047を備える。溝近位部分1048及び溝遠位部分1048は、中央部1047によって分離され、中央部1047は、座1022を保持若しくは画定するように機能し、座を組織受入れ間隙942内に下げることを可能にする。中央部1047は、座1022を保持し、座1022と、縫合器具900の針930’等の縫合糸通し部材とを位置合わせすることにより、位置合わせ特徴部として機能する。したがって、中央部1047は、座を保持するように機能し、縫合器具をカートリッジ内に受け入れると、座1022を組織受入れ間隙に対応する空洞1027’内に下げることを可能にする。
また更に、溝1044は、内部傾斜面1043の形態の更なる位置合わせ特徴部を画定し、内部傾斜面1043は、その遠位端部に沿って、揺動器1041の溝遠位部分1048によって画定される。傾斜部1043は、縫合器具の遠位部分920が揺動器1041を枢動させ、その最初の位置1041Aからその位置合わせ位置若しくは第2の位置1041Bに至らせることを可能にし、座1022及び座1022の中に保持された縫合糸と、縫合器具の縫合糸通し部材930とを位置合わせ可能にする。
いくつかの実施形態では、揺動器1041は、溝1044内でスロット1049(図3J及び図3Lに示すように)の形態の別の位置合わせ特徴部を更に画定し、縫合糸端部504を縫合糸通し部材930と位置合わせし、縫合糸通し部材930内へ移送することを支援する。スロット1049は、揺動器1044の壁1044’内に形成されたスリット若しくはチャンネル1049aを備え、壁1044’の基部に沿って横方向に延在し、縫合糸が座1022を出ると、スリット若しくはチャンネル1049aの中を通して縫合糸を送る。スリット若しくはチャンネル1049aは、縫合糸500が揺動器1041内で座1022を出ると、縫合糸500をその中に保持するように機能し、縫合糸500を基部1020の縫合糸受入れ溝1025b(図3D)内に送り、縫合糸とシャフト内の縫合糸受入れスロット928とを位置合わせするのを支援する。スリット若しくはチャンネル1049は、揺動器1041の外壁内に画定した切欠き部分内に存在する。切欠きは、側方スロット1049bを画定し、側方スロット1049bは、縫合糸500を側方スロット1049bを通して送り、基部1020の縫合糸受入れ溝1025b内に案内されることを可能にする空間を画定する。スリット若しくはチャンネル1049aは、揺動器の側方スロット1049bと連通し、縫合糸を基部の縫合糸受入れ溝1025b内の側部に保持する。このことは、縫合器具をカートリッジ基部1020内に前進させる間、縫合糸を縫合器具900の側部に保持することを可能にする。
図3J及び図3Kに示す1つの特定の例では、座1022は、マガジン1021内、具体的には揺動器1044内に収容される突出部1030によって画定される。1つの特定の実施形態では、中央部1047は、軸方向に延在するチャンネル若しくは開口を中に備え、座1022を画定する突出部1030を受け入れ、保持する。いくつかの実施形態では、突出部は、チャンネル若しくは開口内に圧入することができる。他の実施形態では、突出部は、接着剤を使用して中央部に結合させることができる。他の実施形態では、座1022を画定する突出部1030は、揺動器の一部として一体に形成することができる。突出部1030は、座チャンネル1024を形成する中空内部を画定し、縫合糸端部504は、座チャンネル1024内に圧入され、その中に保持される。したがって、突出部1030は、位置合わせ特徴部を形成し、座1022と、シャフト910内の針930’等の縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ溝932との位置合わせを更に支援する。図3M及び図4Dに示すように、突出部1030は、溝1044によって画定した器具受入れ凹部内に延在する。より詳細には、突出部1030は、縫合糸通し部材930と係合する際、縫合糸通し部材930(針930’等)と当接/対合することができる。1つの特定の例では、突出部1030は、針930’を合体させる針930’の傾斜面934と係合する傾斜面1034を画定し、座1022と針930’とを位置合わせし、縫合糸端部504を座1022から針930’の縫合糸受入れ通路932内への移送を可能にする。1つの特定の例では、突出部1030は、器具近位部分若しくはシャフト910内に受け入れ可能であり、座1022と針930’との位置合わせを容易にする。
いくつかのそのような実施形態では、図3Kに示すように、揺動器1041は、更なる位置合わせ特徴部を備え、座1022の位置合わせを支援する。そのような一例では、突出部1030は、突出部1030の外部上に、隆起したこぶ1045aの形態の干渉特徴部を備え、こぶは、突出部1030がシャフト910内に受け入れられると器具近位部分若しくはシャフト910の内部を針930’と摩擦係合するように構成される。更なる実施形態では、揺動器1041も、図3K及び図3Mに示すように、カートリッジ1000は、縫合糸溝若しくはスロットを画定し、縫合糸が座1022から出るのを可能にする。いくつかのそのような実施形態では、揺動器1041は、座1022と連通する縫合糸スロットを画定し、縫合糸が座1022から出るのを可能にする。図示する特定の例では、突出部1030は、近位溝部分1046の内部に沿って更なる隆起こぶ1045bを備え、縫合糸が近位溝部分1046内に受け入れられると器具近位部分若しくはシャフト910の外部を摩擦係合し、座1022と針930’とを位置合わせするようにする。このことは、針930’は、縫合器具900を装填する間、シャフト910の内部に留まるために、カートリッジ1000のニードルイン(needle−in)構成と呼ぶことができる。
いくつかの実施形態では、突出部1030は、縫合糸スロット1038を中に画定し、縫合糸500が縫合糸スロット1038から出るのを可能にし、縫合糸端部504と、針930’内の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを可能にする。より詳細には、縫合糸スロット1038は、縫合糸が座1022を出る際、縫合糸を縫合糸スロット1038に通して送ることを可能にし、縫合糸が、針スロット928及びシャフト・スロット938と位置合わせされるようにする。このことは、カートリッジ1000の縫合糸移送構成要素を使用して、縫合糸端部を縫合糸受入れ通路932内へ移送することを容易にする。縫合糸が縫合糸スロット1038を出ると、縫合糸は、揺動器1041のスロット1049に通して送られ、縫合糸を揺動器の側部に保持可能にし、縫合糸をカートリッジ1000内に前進させる際、縫合糸が縫合器具900の経路の側から外れるようにする。
本発明の代替実施形態では、図3L及び図3Nに示すように、マガジン、例えば揺動器1041は、座に隣接して位置する位置合わせ凹部1030’を備え、縫合糸をその中に保持する。いくつかのそのような実施形態では、揺動器1041は、座1022’を形成する開口/空間若しくは座凹部若しくは座チャンネルを画定し、縫合糸端部504をその中に摩擦係合して保持する。位置合わせ凹部1030’は、座1022’に隣接して配置され、縫合糸通し部材930と一列である。位置合わせ凹部1030’は、縫合糸通し部材930(針930’等)を中に受け入れるように構成され、縫合糸端部504を座1022’から縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932に移送可能にする。カートリッジ1000の本構成は、針930’は、図3Nに示すように、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填する間、部分的に延在した位置で維持されるため、ニードルアウト(needle−out)構成と呼ぶことができる。言い換えれば、針930の遠位部分は、カートリッジ1000を縫合器具上に装填する際、縫合器具のシャフト910の外側に遠位に延在する。例えば、針930’等の縫合糸通し部材930は、部分的に延在した位置で保持することができ、針930’を位置合わせ凹部1030’内に受け入れ可能にし、縫合糸を位置合わせ凹部1030’内に装填する。いくつかの実施形態では、針係止部を設け、この針係止部は、縫合器具900の器具近位部分若しくはシャフト910に沿って組み付けられ、針930’内のアパーチャ935とその係止位置で係合可能であり、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填する間、針930’を部分的に延在する位置で維持する。針係止部は、その後、解除することができ、縫合器具900の使用前に針930’をその通常位置に後退可能にする。
1つの特定の例では、図3oに示すように、針係止部は、カム筐体939’内にカム939を備えるカム係止部937を備える。カムは、図示のようなその係止位置937Aにおいて、針930’のアパーチャ935と係合し、針930’が器具近位部分若しくはシャフト910内に後退しないようにする。したがって、カム939は、針930’をその部分的に延在する位置に留めることを可能にし、針930’をカートリッジ1000の位置合わせ凹部1030’内に受け入れ可能にし、縫合糸端部の位置合わせ及び縫合糸端部の座1022’から針930’への移送を容易にする。次に、カム939は、針アパーチャ935から解除され、その後、カム係止部937をその係止解除位置に移動させ、この係止解除位置では、針930’は、シャフト若しくは器具近位部分910内まで後退される。いくつかの例では、カートリッジ1000の構成要素、例えば、カートリッジ筐体1010’の構成要素は、シャフト910の器具近位部分に沿って近位に移動可能であってもよく、カム係止部を解除し、カムをその係止解除位置に移動させ、針をその非作動/通常位置に移動させることを可能にする。
いくつかのそのような実施形態では、図3Lに示すように、揺動器1041は、更なる位置合わせ特徴部を備え、座1022’の位置合わせを支援する。そのような一例では、座1022’に隣接する位置合わせ凹部1030’は、干渉特徴部を備え、針930’を位置合わせ凹部1030’内に前進させると、縫合器具900の針930’の外部を摩擦係合する。より具体的には、カートリッジ1000は、位置合わせ凹部1030’を画定する壁の内側表面上に、隆起したこぶ1045aの形態の干渉特徴部を備える。隆起こぶ1045aは、位置合わせ凹部1030’の壁の内側表面に沿って近位に延在し、針930’を位置合わせ凹部1030’内に受け入れると針930’の外部を摩擦係合する。図3kに示す実施形態のために本明細書の上記で既に概説したように、図3Lに示す揺動器1041は、近位溝部分1046の内部に沿って更なる隆起こぶ1045bも備え、縫合糸が近位溝部分1046内に受け入れられると器具近位部分若しくはシャフト910の外部を摩擦係合し、座1022と針930’とを位置合わせするようにする。このことは、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填する間、針930’がシャフト910の遠位端の外側に部分的に延在したままであるため、カートリッジ1000のニードルアウト構成と呼ぶことができる。
いくつかの実施形態では、図3Lに示すように、カートリッジ1000は、縫合糸溝若しくはスロットを画定し、縫合糸が座1022から出るのを可能にする。いくつかのそのような実施形態では、揺動器1041は、座1022と連通する縫合糸スロットを画定し、縫合糸が座1022から出るのを可能にする。図3Lに示す特定の例では、位置合わせ凹部1030’は、縫合糸スロット1038’を中に画定し、縫合糸500が縫合糸スロット1038’から出るのを可能にし、縫合糸端部504と、針930’内の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを可能にする。より詳細には、縫合糸スロット1038’は、縫合糸が座1022を出る際、縫合糸を縫合糸スロット1038’に通して送ることを可能にし、縫合糸が、針スロット928及びシャフト・スロット938と位置合わせされるようにする。このことは、カートリッジ1000の縫合糸移送構成要素を使用して、縫合糸端部を針930の縫合糸受入れ通路932内へ移送することを容易にする。縫合糸が縫合糸スロット1038’を出ると、縫合糸は、揺動器1041のスロット1049を通して送られ、縫合糸を揺動器の側部に保持可能にし、縫合糸をカートリッジ1000内に前進させる際、縫合糸が縫合器具900の経路の側に向かうようにする。
本発明のいくつかの実施形態では、揺動器1041は、干渉タブ1048x(図9Mに示すように)を更に備え、縫合器具900と係合し、干渉タブ1048xは、揺動器1041が過度に回転するのを可能にし、揺動器1041と、縫合器具900の器具近位部分若しくはシャフト910との位置合わせを保証し、揺動器1041をシャフト910に沿って前進可能にする。言い換えれば、干渉タブ1048xは、揺動器1041が十分に回転することを可能にし、シャフト910が揺動器溝近位部分1046内に受け入れられることを保証することによって座1022を縫合器具900に隣接して配置することを可能にする。例えば、座1022が突出部1030によって画定される場合、干渉タブは、揺動器1041を十分に回転可能にし、突出部1030を器具シャフト910内に受け入れることを可能にする。その一方で、座1022が、位置合わせ凹部に隣接して配置される場合(図3Nを参照して前述したように)、干渉タブは、揺動器1041を十分に回転可能にし、位置合わせ凹部及び位置合わせ凹部に隣接する座1022の両方が、針930’と位置合わせされるようにする。
図3A〜図3Cを参照して本明細書で既に概説したように、本発明のいくつかの実施形態は、筐体1010’に着脱可能に結合される基部1020を画定し、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填する際、基部1020及び筐体1010’を単一ユニットとして動作可能にし、基部1020及び筐体1010’の両方は、縫合糸端部504等の縫合糸500の一部分と、縫合糸通し部材930との位置合わせを支援する特徴部を実現する。いくつかのそのような実施形態では、筐体1010’は、縫合糸の一部分を摩擦係合する手段を更に備え、縫合糸部分と縫合糸通し部材930とを位置合わせし、縫合糸部分を縫合糸通し部材内に移送した後、基部1020から着脱可能である。そのような一例では、本明細書で更に説明するように、縫合糸の一部分を摩擦係合する手段は、縫合糸係止部を備える。
したがって、カートリッジ筐体1010’は、縫合糸端部を縫合糸通し部材930内に移送する縫合糸移送構成要素1011を画定する。本明細書で図示し、説明する一実施形態では、縫合糸移送構成要素1011は、縫合糸部分を引っ張るように動作可能であり、縫合糸部分は、摩擦係合して保持され、座1022内に保持される縫合糸端部504等の縫合糸部分を縫合器具900上に移送するようにする。したがって、カートリッジ1000は、縫合糸移送構成要素1011を備え、縫合糸移送構成要素1011は、本明細書の以下で概説する方法において更に説明するような引張り機構を形成若しくは画定する。引張り機構は、縫合糸端部等の縫合糸部分に引張り力を及ぼす若しくは加え、縫合糸部分を座から縫合器具内に移送可能にするカートリッジ機構として定義される。いくつかの実施形態では、筐体1010’は、部分的に事前結節結び目を形成する縫合糸ループを更に備えることができ、この結び目は、筐体1010’の周りに組み付けられる。更に、いくつかの実施形態では、筐体1010’は、余分な縫合糸を収容する手段を提供することができる。一例では、余分な縫合糸は、筐体1010’によって保持される糸巻き上に設けることができる。
図3B、図3C及び図3Gに示す本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジ基部1020は、連動部を介してカートリッジ筐体1010’に着脱可能に結合される。図示の具体的な例では、縫合糸移送構成要素1011を画定するカートリッジ筐体1010’は、連動部1050を備える。連動部1050は、基部1020を筐体1010’(及びしたがって縫合糸移送構成要素)に固着し、カートリッジ1000を縫合器具900上に装填すると、座1022が縫合糸通し部材930と位置合わせされるまで、カートリッジ1000を単一機能ユニットとして動作可能にする。次に、連動部1050は、解除され、縫合糸移送構成要素1011を画定する筐体1010’を、縫合器具900に沿って個別に移動し、縫合糸端部504を座1022から縫合器具900の縫合糸通し部材930内に移送可能にする。図5A〜図5Cは、連動部1050をその最初の係止位置1050Aで示し、連動部1050の連動アーム1056は、基部の係止アーム1026と軸方向で位置合わせされる。連動アーム1056は、筐体1010’が基部1020に対して移動するのを防止し、基部1020の係止アーム1026の長手方向の移動を遮断(したがって基部1020の長手方向の移動を遮断)することによってカートリッジ・ユニット1000を形成する。連動部1050の機能は、図5A〜図6Bに関する本明細書の以下で更に説明する。連動部1050は、筐体1010’を基部1020から分離可能にするその係止解除位置1050B内に移動可能である。いくつかの実施形態では、連動部1050は、手動連動部を備え、手動連動部は、座1022を縫合糸通し部材930と位置合わせしたときに筐体1010’(及びしたがって筐体1010’によって画定される縫合糸移送構成要素1011)を基部1020から手動で分離する係止解除位置1050B内に移動可能である。
また更に、筐体1010’によって画定される縫合糸移送構成要素は、縫合糸500の一部分を筐体1010’と摩擦係合して保持する手段を備え、筐体1010’が縫合糸500を筐体1010’と共に移動することを可能にし、筐体1010’が、基部の座1022内に保持する縫合糸端部504を縫合糸通し部材930に移送することを可能にする。図3C及び図3Gに示す実施形態では、縫合糸の一部分は、縫合糸係止部1060と摩擦係合して保持され、縫合糸500を縫合糸係止部1060に固着し、座1022から縫合糸通し部材930内に縫合糸(例えば、縫合糸係止部を介して筐体と摩擦係合で保持される縫合糸の一区分)に張力を加えることによって筐体が縫合糸端部504を引っ張ることを可能にする。
より具体的には、図示の実施形態では、縫合糸500は、カートリッジ1000内に保持され、座スロット1038を出る際に縫合糸500を縫合糸端部504から座1022内に送るようにし、これにより、縫合糸500は、揺動器スロット1049に入り、揺動器スロット1049を通って送られる。より詳細には、いくつかの例では、縫合糸は、スリット若しくはチャンネル1049を通り、この中に挟まれ、縫合糸がスリット若しくはチャンネル1049の中に強制嵌合係合して保持されるようにする。次に、縫合糸500は、揺動器1041の外部面上の側方スロット1049bに入る[図3J及び図3L]。縫合糸500は、揺動器1041を出て、揺動器凹部1027に入り、凹部溝1025bを通して基部1020内に送られ、これにより、縫合器具900の経路に隣接し且つ縫合器具900の経路から外れた凹部溝1025b内に縫合糸500を保持し、凹部溝1025aを通って挿入することを可能にする[図3D]。次に、縫合糸は、開口1051を通して連動部内に送られ、縫合糸チャンネル1061内に案内され、縫合糸係止部1060と係合する。図7A〜図7Eに示す1つの特定の実施形態では、縫合糸係止部1060は、突出部若しくは歯1064を備え、突出部若しくは歯1064は、突出部若しくは歯1064の形態の対応する特徴部を筐体1010’の縫合糸係止構成要素1062内で係合するように構成される起伏若しくは山と谷を画定する。縫合糸500は、筐体1010’の縫合糸係止係合構成要素1062を通して送られ、縫合糸係止部1060は、圧入されて縫合糸係止係合構成要素1062と係合し、縫合糸係止係合構成要素1062と縫合糸係止部1060との間に縫合糸を押圧し、こうして筐体1010’に縫合糸を結合する。図7B及び図7Eは、最初の係止構成1060Aにおける係止部を示す。係止部1060は、縫合糸端部等の縫合糸部分が縫合器具900内に装填されるまで、その係止構成のままである。係止部1060は、その後、図7C及び図7Dに示し、更に図7Fに示す、その第2の係止解除構成内に移動することができ、縫合糸500を筐体1010’から分離可能にする。
いくつかの実施形態では、例3において本明細書の上記で説明したように、縫合器具900の移動は、カートリッジ1000に対する相対移動とすることができる。言い換えれば、縫合器具をユーザが保持する間に、ユーザは、カートリッジ1000を縫合器具900上で、近位方向で軸方向に移動させることができ、縫合器具900のカートリッジ1000に対する相対的な前進をもたらすようにし、縫合糸を縫合器具900上に装填するようにする。このことは、ポンプ動作を用いる縫合糸の装填と呼ぶことができる。したがって、縫合糸の装填機構は、上記したもののままであるが、移動は、カートリッジの縫合器具上の近位移動、若しくは縫合器具のカートリッジ内での遠位移動によるいずれかによってもたらすことができる。
本明細書で説明する本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジは、縫合器具に対するカートリッジの単一の直線運動により縫合糸を位置合わせし、これを移送するように構成される。いくつかのそのような実施形態では、連動部1050は、座内で縫合糸通し部材と縫合糸端部を位置合わせする際に、自動的に分離させることができ、筐体1010’を引き続き近位に引っ張るため、縫合糸端部504の縫合糸通し部材内への自動的な移送を可能にする。更に、縫合糸係止部1060は、その後、縫合糸端部を座1022から縫合糸通し部材930内に移送する際、自動的に分離させることができ、これにより、縫合器具に、縫合糸を用いて縫合するために縫合糸を通すことを可能にする。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジは、単一の直線運動により縫合器具900上に装填される。いくつかのそのような実施形態では、単一のポンプ動作を使用し、このポンプ動作には、カートリッジの縫合器具上での単一の直線相対運動、及び基部1020の取外し[例えば装填方向とは反対方向の直線運動を介して]、その後、筐体を縫合器具に結合したままにする、例えば筐体内に保持した事前結節結び目を縫合器具上に組み付けることを伴う。
例4
図8A〜図8Cに示す本発明の代替実施形態では、縫合糸を外科縫合器具、例えば図1D及び図1Eを参照して本明細書の上記で既に説明した縫合器具900上に装填するカートリッジ2000が開示される。本明細書の上記で既に説明した実施形態と同様に、カートリッジ2000は、縫合糸を中に保持し、例えば使用時点で縫合糸を外科縫合器具900上に装填することを可能にする。カートリッジ2000は、縫合器具900をカートリッジ2000内に挿入し相対的に軸方向に前進させると縫合糸を縫合器具900と位置合わせするように機能し、更に、縫合糸を外科縫合器具900上に移送するように機能する。いくつかのそのような実施形態では、縫合器具900をカートリッジ2000内で遠位に前進させることができるか、若しくはカートリッジ2000を縫合器具上で近位に引っ張ることができるかのいずれかである。本明細書で説明するように、これらの技法のいずれかを利用して、カートリッジ2000と縫合器具900との間に相対軸方向移動をもたらし縫合糸を縫合器具900上に装填する本明細書に記載の機能を実現することができる。このことは、例3において本明細書の上記で説明した実施形態にも適用可能である。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジ2000は、事前結節結び目を更にもたらし、事前結節結び目を縫合器具900上に装填可能にする。いくつかの実施形態では、事前結節結び目は、事前結節結び目を実質的に形成するループを備えることができる。言い換えれば、事前結節結び目は、一部事前結節結び目を備えることができる。いくつかのそのような実施形態では、一部事前結節結び目は、縫合器具から展開するように構成され、縫合後、結び目を形成して縫合糸を固着させる。
次に、図8B及び図8Cを参照すると、カートリッジは、外科縫合器具900を軸方向に受け入れる室2010を画定する筐体2010’を備える。カートリッジ2000は、筐体2010’に着脱可能に結合される基部2020を更に備え、基部2020は、縫合糸を中に開放可能に保持する座2022を画定する[図8E(ii)に示すように]。基部2020は、基部内に保持した座縫合糸と縫合器具900の縫合糸通し部材930との位置合わせを可能にする。筐体2010’は、基部2020から外科縫合器具900上に縫合糸を移送する縫合糸移送構成要素を更に備える。したがって、いくつかの実施形態では、図8Bに示すように、基部2020及び筐体2010’は、カートリッジ2000の個別の構成要素を備え、個別の構成要素は、縫合糸の装填を支援するために互いに結合され、縫合糸の移送を支援するために互いから着脱可能とすることができる。筐体2010’は、中に室2010、及び事前結節結び目502を室2010周りに固着若しくは組み付ける手段を更に備え、事前結節結び目を縫合器具900上に組み付けることを可能にする。筐体2010’及び基部2020は、カートリッジ2000を縫合器具900上に装填したときに縫合糸の位置合わせを支援する位置合わせ特徴部を集合的に実現し、縫合糸移送構成要素の使用により、カートリッジ1000から縫合器具900上への縫合糸の移送を容易にする。いくつかの実施形態では、筐体2010’は、室2010を画定する結び目摺動器2030を備え、結び目摺動器2030は、結び目摺動器2030に結合される縫合糸ループを含み、縫合糸ループは、結び目摺動器2030から縫合糸ループを展開する際に結び目を形成するように構成され、縫合器具900は、縫合糸ループを縫合器具上に組み付ける室2010内に受け入れ可能である。
いくつかのそのような実施形態では、縫合糸通し部材930を備える縫合器具900、及び縫合糸端部を解放可能に保持し、一部事前結節結び目を周りに結合する室2010を画定するカートリッジ(カートリッジ2000等)を備える縫合システムが提供され、室2010は、縫合器具900を室2010に通して受け入れるように構成される。カートリッジ2000は、縫合糸端部504を縫合糸通し部材930内に移送し、一部事前結節結び目(例えば502)を縫合器具上に移送するように構成される。いくつかのそのような例では、縫合糸通し部材930は、縫合糸通し部材の最初の作動において、縫合糸端部504を組織の近位側から組織の遠位側に通すように構成される。
更なる実施形態では、縫合糸を縫合器具900上に装填するカートリッジ(カートリッジ2000等)が提供され、縫合器具が事前結節結び目を形成することを可能にし、縫合器具900を受け入れるカートリッジは、室2010であって、室2010は、室2010に結合した縫合糸ループ(図8Bに示すループ502等)を支持し、縫合器具を室2010内に前進させると縫合器具900上に縫合糸ループを移送し、縫合糸ループ502’は、縫合器具からの展開時に事前結節結び目を形成するように構成される、室2010;及び縫合糸の一部分を解放可能に保持し縫合糸部分504を縫合器具上に移送可能にする座1022を備え、縫合糸部分は、ループを縫合器具から展開する際、事前結節結び目のポストを画定するように構成された縫合糸端部を備える。
1つの特定の実施形態では、カートリッジ2010’は、基部2020に着脱可能に結合され、外科縫合器具900を中に通して受け入れる室2010を画定する。いくつかのそのような実施形態では、室2010は、事前結節結び目を室の周りで保管する手段を更に備える。いくつかの実施形態では、筐体2010’は、上に組み付けた事前結節結び目を有する室2010を画定する結び目摺動器2030を更に備え、外科縫合器具は、室2010内に受け入れることができ、事前結節結び目を外科縫合器具900上に組み付ける。1つの特定の例では、カートリッジ筐体2010’は、外側筐体スリーブ2011’を備え、外側筐体スリーブ2011’は、結び目摺動器2030を中に保持する中空内部を画定する。結び目摺動器2030は、筐体スリーブ2011’に着脱可能に結合され、筐体2010’の一部を形成する。図8Bに示す特定の例では、結び目摺動器2030は、事前結節結び目を室2010周りに保持する基部2020を介して筐体2010’に着脱可能に結合される。
更に、室2010は、縫合器具を受け入れる室の一部である凹部若しくはチャンネル2014を含む。本明細書で説明する特定の例では、室2010は、結び目摺動器2030の背面図を示す図8Dに示すチャンネル2014を画定し、縫合器具900の一部分をチャンネル2014に通して受け入れることを可能にする。したがって、チャンネル2014は、縫合器具900を受け入れる器具受入れ凹部を画定し、チャンネル2014は、縫合器具900がカートリッジ2000を通って前進する際に縫合器具900の一部分を維持する抑制部として更に機能する。本明細書の上記で既に説明した例3と同様に、いくつかの例では、チャンネル2014は、近位開口2016を備え、近位開口2016は、傾斜内縁部2016’によって画定する結び目摺動器2030の内部に向かって狭くなる。傾斜内縁部2016’は、縫合器具900をチャンネル2014内に案内する引き込み部として機能する。
チャンネル2014は、筐体2010’の結び目摺動器2030を通って長手方向に延在し、基部2020内で基部凹部2025と連通する。図8A〜図8Cに示すように、基部2020は、筐体2010’に着脱可能に結合される。より具体的には、基部2020は、筐体スリーブ2011’内に保持される。いくつかの例では、チャンネル2014は、カートリッジ基部2020内に基部凹部2025と連続して形成することができる。この一例は、本明細書の以下で更に説明する。チャンネル1014及び基部凹部1025の両方は、抑制部25(図8E(i))として機能し、抑制部25は、縫合器具900がカートリッジ2000内で側方及び横に移動するのを抑制若しくは制限する一方で、縫合器具900がカートリッジ2000内で摺動係合して真直ぐ若しくは軸方向に前進するのを可能にし、縫合器具900が前進する際の長手方向軸に沿った縫合器具900の位置を維持する。したがって、抑制部25は、縫合器具900の横及び側方への移動、並びに抑制部25によって画定した長手方向経路に沿った移動を抑制若しくは制限する。したがって、抑制部25は、縫合器具900と縫合糸500の一部分との位置合わせを容易にし、縫合糸500の一部分は、基部2020によって画定した座1022内に保持される。より詳細には、チャンネル1014及び凹部1025は、縫合器具900を摺動係合して中に前進可能にし、縫合器具900がカートリッジ2000に沿って前進する際に直線経路内で縫合器具900を抑制するように更に機能し、座1022を縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932と位置合わせすることを可能にする。
更に、本明細書の上記で例3に対して既に説明した実施形態と同様に、基部内の凹部2025は、図8E(i)及び図8E(ii)に示す基部受入れ凹部を画定する器具受入れ溝2025a、及び図8F(i)及び図8F(ii)に示す縫合糸受入れ凹部を画定する縫合糸受入れ溝1025bである、2つの溝から形成される。器具受入れ溝2025a及び縫合糸受入れ溝2025bはそれぞれ、基部2020の対向する半部2020a及び2020b内に形成される(図8E(i)〜図8F(ii)にも図示)。
再度図8E(i)、(ii)を参照すると、器具受入れ溝2025aは、縫合器具900を中に前進可能にする抑制部25として機能する軌道をもたらすことによって器具受入れ凹部を画定する一方で、縫合糸溝2025b(図8F(i))は、縫合糸500を中に維持/送ることによって、座内に保持される縫合糸の一部分を縫合器具900の縫合糸通し部材930内に案内する軌道をもたらし、縫合糸500が、縫合器具900のシャフト若しくは近位部分910に隣接し、一列であるようにし、縫合器具900のシャフト若しくは近位部分910は、図8F(ii)及び図8Gで更に示すように、器具受入れ溝2025a内に受け入れ可能である。より具体的には、縫合糸受入れ溝2025bは、縫合糸を送ることを可能にし、縫合器具を器具受入れ溝2025b内に受け入れる際に、縫合糸500が、シャフト若しくは器具近位部分910内で溝928に隣接し、且つ針930’等の縫合糸通し部材930内で溝938に隣接して保持されるようにする(図1Eに図示)。更に、溝2025bは、図8F(ii)に示すように、揺動器凹部2027内により幅広の開口を設けることによって、過剰な張力を縫合糸にかけることなく縫合糸を送る隙間をもたらす。したがって、溝2025bは、縫合糸が揺動器凹部2027に入る際、揺動器1041の最終位置1041B及び最初の位置1041Aの両方で縫合糸を収容する(本明細書の以下で更に説明する)。したがって、縫合糸受入れ溝2025bは、カートリッジ2000の使用中、縫合糸500を縫合器具900が前進する通り道から外して維持可能にする。更に、凹部溝2025bは、縫合器具900内で溝928、938と一列であり、例えば基部2020内の揺動器1041内の座2022から針930’内への縫合糸の移送を更に容易にする。図示の実施形態では、器具受入れ溝及び縫合糸受入れ溝の両方は、揺動器凹部2027内に出る。
本明細書で提供するいくつかの実施形態では、カートリッジ2000は、事前結節結び目及び事前結節結び目を縫合器具900上に装填する手段を更に備える。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジは、室2010、及び事前結節結び目を室2010の周りに組み付ける若しくは保持する手段を画定する。本明細書で説明するそのような一例では、図8Cを参照すると、事前結節結び目を上に組み付けることを可能にする結び目摺動器2030が設けられ、事前結節結び目が室2010の周りに保持され、室2010を囲繞若しくは取り囲む。このことは、縫合器具900をチャンネル2014に通して室2010内に受け入れることを可能にし、室2010が事前結節結び目を通し、事前結節結び目を室2010上に組み付けられることを可能にする。1つの特定の例では、結び目摺動器は、図8B及び図8Cに示すように、事前結節結び目502を室2010の周りに保持する組付け部2012’’を形成する。事前結節結び目502は、図1Aにおいて本明細書で既に説明した種類のものとすることができる。いくつかの実施形態では、結び目摺動器2030は、カートリッジ2000の器具組付け構成要素を形成する。
更に、本発明のいくつかの実施形態は、結び目摺動器2030をカートリッジ2000内に保持する手段を提供し、縫合器具900をカートリッジ2000内に挿入するまで結び目摺動器2030をカートリッジ2000内で保持可能にし、結び目摺動器2030をカートリッジ2000の残りから取り外し、その後、縫合器具900に結合可能にする。いくつかのそのような実施形態では、結び目摺動器2030は、外側スリーブ2011’内の結び目摺動器凹部2018(図8B及び図8C)内に保持され、基部2020を介して外側スリーブ2011’に着脱可能に結合される。1つの特定の例では、結び目摺動器2030は、結び目摺動器解放連動部2033を介して基部2020に着脱可能に結合され、結び目摺動器解放連動部2033は、例えば、図8H(i)に示すスナップ嵌合構成を備える。図8E(i)及び図8F(i)に更に示すように、基部は、結び目摺動器2030内に形成された溝内に受け入れ可能で、この溝と係合可能であるスナップ・アーム2042を備え、この溝は、結び目摺動器2030を基部内に結合するスナップ溝2032と呼ぶことができ、結び目摺動器解放連動部2033を形成する。結び目摺動器2030と基部2020との間の結合を容易にするために、基部2020は、中に結び目摺動器2040を更に備え、結び目摺動器2040は、結び目摺動器2030の一部分を中に受け入れるように構成される。
図示の実施形態では、結び目摺動器2030は、基部から着脱可能であり、結び目摺動器2030の装填を可能にし、したがって、結び目摺動器解放連動部2033を分離すると、事前結節結び目502を縫合器具900上に装填することを可能にする。1つの特定の実施形態では、結び目摺動器2030は、基部2020を筐体2010’に対して相対移動させると基部2020から着脱可能である。そのような一例では、結び目摺動器2030は、基部2020を筐体スリーブ2011’内で遠位に移動させると、筐体スリーブ2011’内で結び目摺動器凹部2018に沿って遠位に移動可能である。しかし、結び目摺動器凹部2018の先細内側壁2019[図8B]に隣接する筐体スリーブ1011’の壁2019’は、停止部として機能し、結び目摺動器2030の更なる遠位移動を防止し、基部2020のスナップ・アーム2042を結び目摺動器2030のスナップ溝から分離し、したがって、結び目摺動器解放連動部2033を分離する。
本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジ2000は、本明細書の上記で図3Cを参照して既に説明した移動可能な座1022を画定し、この座1022は、縫合器具900をカートリッジ2000内に挿入すると自動的に移動可能である。特定の例では、カートリッジ2000は、枢動部1042周りに回転可能である揺動器1041を備えるマガジン1021を備え、基部2020は、揺動器1041の中での枢動移動を可能にする揺動器凹部2027を画定する。図3C及び図4C(i)で示す実施形態と同様に、揺動器1041は、その最初の位置1041A(図9A(i)、(ii)に示す)からその第2の位置1041B(図Fig.9B(i)、(ii)に示す)まで枢動部1042周りに移動可能であり、座1022及び縫合糸端部504を位置合わせするようにし、縫合糸端部504は、中で保持され、縫合器具900前進経路は、カートリッジ2000内に挿入される。例3で既に概説したように、本明細書で定義する揺動器1041は、揺動器凹部2027内を移動可能である。揺動器1041は、図9B(ii)に示すように、その第1の位置1041Aから揺動器空洞2027’のその第2の位置1041Bに移動可能である。揺動器空洞2027’は、揺動器凹部2027の一部分として画定され、この一部分は、カートリッジ2000を縫合器具上に装填する際、縫合器具900をカートリッジ2000の基部2020内に配置すると、縫合器具900の組織受入れ間隙942と対応する。
いくつかの実施形態では、揺動器1041は、摩擦係合により揺動器凹部2027内でその最初の位置1041Aで保持される。例えば、揺動器1041は、図8C及び図8F(i)に示す隆起タブ若しくは戻止め2029等の係合特徴部によってその最初の位置1041Aで保つことができ、係合特徴部は、揺動器1041を係合する。タブ若しくは戻止め2029は、基部2020内に形成され、揺動器凹部2027内に延在若しくは突出することができる。タブ2029は、揺動器1041の一部分(例えば図8F(ii)に示す揺動器1041の鼻部分1081)と係合可能であり、出荷中及び使用前、揺動器をその最初の位置1041Aで保持する。
例えば例4で示すいくつかの実施形態では、カートリッジは2000、縫合糸通し部材930をシャフト若しくは器具近位部分又はシャフト910内に保持する際、座1022と縫合器具900の一部分との位置合わせを支援する更なる特徴部を備えることができる。以前の図3Cを参照するそのような一例では、揺動器1041は、器具受入れ部若しくは係止凹部を更に画定し、器具受入れ部若しくは係止凹部は、縫合器具900を遠位に前進させたときに縫合器具900を受け入れるように設計した溝1044によって画定される。溝1044は、座1022に対して縫合器具900を所望の位置に配置する抑制部として機能し、座1022と縫合糸通し器具900との位置合わせを支援する。図3H及び図3Iで既に説明したように、溝1044は、縫合器具900の器具近位部分若しくはシャフト910を受け入れる溝近位部分1046を備え、器具遠位部分若しくは先端部920を受け入れる溝遠位部分1048を更に備える。
例3に対して前に説明したように、例4の揺動器1041は、中央部1047(図9A(i))を更に備え、中央部1047は、溝1044によって画定され、溝1044は、座1022を保持し、縫合器具900の針930’等の縫合糸通し部材と位置合わせすることによって位置合わせ特徴部として機能する。
また更に、溝1044は、遠位溝部分1048内に内部傾斜面1043(図9A(i))の形態の更なる位置合わせ特徴部を画定し、縫合器具の遠位部分920が揺動器1041を枢動させ、その最初の位置1041Aからその位置合わせ位置若しくは第2の位置1041Bに至らせることを可能にし、座1022及び座1022の中に保持された縫合糸と、縫合器具の縫合糸通し部材930とを位置合わせ可能にする。
いくつかの実施形態では、カートリッジ2000において、揺動器1041は、溝1044内で(図3J、図3Lで前に示したような)揺動器スロット1049の形態の別の位置合わせ特徴部を更に画定し、縫合糸端部504を縫合糸通し部材930と位置合わせし、縫合糸通し部材930内へ移送することを支援する。スロット1049は、スリット若しくはチャンネル1049a(図9A(i)にも示す)を備え、スリット若しくはチャンネル1049aは、縫合糸500が揺動器1041内で側方スロット1049bを出る際、縫合糸500をその中に保持するように機能し、縫合糸500を基部2020の縫合糸受入れ溝2025b(図8F(ii))内に送り、縫合糸とシャフト内の縫合糸受入れスロット928とを位置合わせするのを支援する。このことは、縫合器具をカートリッジ基部2020内に前進させる間、縫合糸を、縫合器具を前進させる経路から外して縫合器具900の側部に保持することを可能にする。したがって、揺動器1041は、縫合糸500を通して送る揺動器スロット1049を画定し、縫合器具900を中でカートリッジの中で前進させる際、縫合糸500を縫合器具900の経路から外して保持することを可能にする。例えば、器具近位部分910の一部分が揺動器溝1044の溝近位部分1046内に受け入れられる場合。
図3J及び図3Kに示す1つの特定の例では、座1022は、マガジン1021内、具体的には揺動器1041内に収容される突出部1030によって画定される。図3M及び図4Dに示すように、突出部1030は、溝1044(特に溝近位部分1046)によって画定される器具受入れ凹部内に延在する。より具体的には、中央部は、突出部1030を揺動器の溝近位部分1046内に保持するように機能する。いくつかの実施形態では、座1022を画定する突出部1030は、揺動器の一部として一体に形成することができる。突出部1030は、針930’を合体させる針930’の傾斜面934と係合する傾斜面1034を更に画定し、座1022と針930’とを位置合わせし、縫合糸端部504を座1022から針930’の縫合糸受入れ通路932内への移送を可能にする。1つの特定の例では、突出部1030は、器具近位部分若しくはシャフト910内に受け入れ可能であり、座1022と針930’との位置合わせを容易にする。
代替的に、揺動器は、座凹部若しくは座チャンネル、及び座1022に隣接して位置する位置合わせ凹部1030’を画定することができる。図示のように、また本明細書で図3L及び図3Nを参照して更に説明するように、位置合わせ凹部1030’は、そのニードルアウト構成において、針930’等の縫合糸通し部材930を受け入れるように構成され、座を縫合糸通し部材と位置合わせする。
いくつかのそのような実施形態では、図3Kに示すように、揺動器1041は、突出部1030の外部上に、隆起こぶ1045aの形態の干渉特徴部等の更なる位置合わせ特徴部を備え、こぶは、突出部1030がシャフト910内に受け入れられる際、器具近位部分若しくはシャフト910の内部を針930’と摩擦係合するように構成される。揺動器1041は、近位溝部分1046の内部に沿って更なる隆起こぶ1045bを更に備え、縫合糸が近位溝部分1046内に受け入れられる際、器具近位部分若しくはシャフト910の外部を摩擦係合する。隆起こぶ1045a、1045bは、座1022と針930’との位置合わせを助ける。
いくつかの実施形態では、突出部1030は、縫合糸スロット1038を中に画定し、縫合糸500が縫合糸スロット1038から出るのを可能にし、縫合糸端部504と、針930’内の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを可能にする。
本発明のいくつかの実施形態では、揺動器1041は、(図3Mを参照して以前に説明したように、図Fig.9A(iii)及び図9B(i)に示すように)干渉タブ1048xを更に備え、縫合器具900と係合し、干渉タブ1048xは、揺動器1041が過度に回転するのを可能にし、揺動器1041と、縫合器具900の器具近位部分若しくはシャフト910との位置合わせを保証し、揺動器1041をシャフト910に沿って前進可能にする。言い換えれば、干渉タブ1048xは、揺動器1041が十分に回転することを可能にし、シャフト910が揺動器溝近位部分1046内に受け入れられることを保証することによって座1022を縫合器具900に隣接して配置することを可能にする。例えば、座1022が突出部1030によって画定される場合、干渉タブは、揺動器1041を十分に回転可能にし、突出部1030を器具シャフト910内に受け入れることを可能にする。その一方で、座1022が、(図3Nを参照して前述したように)位置合わせ凹部に隣接して配置される場合、干渉タブは、揺動器1041を十分に回転可能にし、位置合わせ凹部及び位置合わせ凹部に隣接する座1022の両方が、針930’と位置合わせされるようにする。
本明細書で既に概説したように、図8A〜図8Cを参照すると、本発明のいくつかの実施形態は、基部2020に着脱可能に結合される筐体スリーブ2011’を提供し、カートリッジ2000を縫合器具900上に装填する際に基部2020に結合したままとなり、単一ユニットとして動作する。筐体スリーブ2011’は、座1022を縫合器具900の縫合糸通し部材930と位置合わせするまで基部2020に結合したままである。カートリッジ・スリーブ2011’は、その後、基部2020から着脱可能であり、縫合糸を基部2020から縫合器具900内に移送する。したがって、カートリッジ筐体2010’は、縫合糸移送構成要素2011を画定する。
本発明のいくつかの実施形態では、図8Bに示すように、カートリッジ基部2020は、連動部2050を介して筐体2010’の縫合糸移送構成要素2011に着脱可能に結合される。連動部2050は、その最初の位置2050Aで基部2020を筐体2010’に固着し、次に、分離してその第2の位置2050B[図9D[i]、[ii]で後に示す)内に移動させることができ、縫合糸移送構成要素2011を備える筐体スリーブ2011’を基部2020に対して独立して移動可能にし、縫合糸端部504を座1022から縫合器具900の縫合糸通し部材930内に移送する。図9B[i]、[ii]及び図9C[i]、[ii]は、その最初の係止位置2050Aにおける連動部2050を示し、連動アーム2056は、基部2020と軸方向に位置合わせされ、基部2020に対し遠位の位置であり、基部2020が筐体2010’に対して長手方向に移動しないようにする。連動部2050は、その係止解除位置2050B(図9D[i]、[ii])に移動可能であり、移送構成要素を基部から分離し、座を縫合器具の縫合糸通し部材と位置合わせする際に、移送構成要素と基部との間の相対移動を可能にする。連動部2050の機能は、図9C[i]〜図9D[ii]に関して、本明細書の以下で更に説明する。いくつかの実施形態では、連動部2050は、手動連動部を備え、手動連動部は、座1022を縫合糸通し部材930と位置合わせしたときに縫合糸移送構成要素2011を基部2020から手動で分離する係止解除位置2050B内に移動可能である。
いくつかの実施形態では、連動部2050は、自動連動部(図9A[i])を備え、自動連動部は、座1022を縫合糸通し部材930と位置合わせしたときに縫合糸移送構成要素2011を基部2020から自動的に分離するように機能する。いくつかのそのような実施形態では、連動部2050の動作は、部分的に自動であり、連動部2050は、(図9A[i]に示すような)連動タブ2054を備え、連動タブ2054は、座1022を縫合糸通し部材930と位置合わせする際に、自動的に分離し、連動部2050を手動でその係止解除位置2050B(図9E[i])内に移動することを可能にする。このことは、基部2020を縫合糸移送構成要素2011から分離可能にする。より詳細には、揺動器1041は、揺動器棒2055を備え、揺動器棒2055は、座1022の位置合わせ時に移動可能であり、連動タブ2054を分離する。このことは、図9A[i]〜図9B[ii]を参照して本明細書の以下で更に説明する。
いくつかの実施形態では、図9A[i]に示すように、縫合糸移送構成要素2011は、プッシュ・ロッド2058を備え、縫合糸移送構成要素2011は、基部2020に対して移動可能であり、基部2020の中での移動を可能にし、プッシュ・ロッド2058を係合して座1022内に保持された縫合糸端部504を押し、縫合糸端部504を外科縫合器具900に移送する。いくつかのそのような実施形態では、プッシュ・ロッド2058は、プッシュ・ロッド空洞2057’内で移動するように構成されるプッシュ・ロッド・ハブ2057を備える。いくつかのそのような実施形態では、縫合糸移送構成要素2011は、スリーブ・プッシュ・ハブ2012を備え、スリーブ・プッシュ・ハブ2012と係合するとプッシュ・ロッド・ハブ2057を推進する。いくつかの実施形態では、プッシュ・スリーブ・ハブ2012は、スリーブ空洞2012’内を移動可能であり、基部2020の方に付勢する。1つの特定の例では、プッシュ・スリーブ・ハブ2012は、ばね機構を介して付勢させる。この例の特定の例では、ばね機構は、2つのばね2013を備える。プッシュ・スリーブ・ハブ2012は、縫合糸移送構成要素2011を基部2020に対して移動する際、プッシュ・ロッド・ハブ2057を推進するように構成される。したがって、縫合糸移送構成要素2011は、スリーブ・プッシュ・ハブ等のハブを備え、ハブは、基部2020の方に付勢し、基部2020を筐体スリーブ2011’内に移動させる際にプッシュ・ロッド2058と係合すると、プッシュ・ロッド2058を推進する。1つの例では、スリーブ・プッシュ・ハブ2012は、ばね機構を介して付勢させる。
1つの特定の例では、プッシュ・ロッド2058は、プッシュ・ロッド・ハブ2057に結合される、長手方向に延在するワイヤ2053’を備え、プッシュ・ロッド・ハブ2057は、ワイヤ2053’を中に受け入れる座1022と連通するワイヤ・チャンネル2053内で移動可能であり、座1022内に保持される縫合糸端部504を縫合器具900の縫合糸受入れ通路932内に推進する。したがって、カートリッジ2000は、縫合糸移送構成要素2011を備え、縫合糸移送構成要素2011は、本明細書の上記で説明した推進機構を画定する。推進機構は、縫合糸端部等の縫合糸部分に推進力を加え、座から縫合器具内に移送可能にするカートリッジ機構として定義される。そのような一例では、推進機構は、上記のようなプッシュ・ロッド2058を備える。
いくつかの実施形態では、カートリッジ200は、縫合器具900に対するカートリッジ2000の単一の直線運動により縫合糸端部504を位置合わせし、これを移送するように構成される。上記で概説したように、いくつかのそのような実施形態では、外科縫合器具900は、縫合糸受入れ通路932を画定する縫合糸通し部材930を備え、縫合糸移送構成要素2011は、縫合糸500の端部を基部2020内の座1022から縫合器具900の縫合糸受入れ通路932内に移送するように動作可能である。
図8Cに示す本発明のいくつかの実施形態では、結び目摺動器2030は、縫合器具900に結合される。そのような一例では、結び目摺動器2030は、外科縫合器具の一部分と摺動可能に係合されるように構成され、結び目摺動器2030を外科縫合器具上に組み付けることを可能にする。1つの特定の例では、結び目摺動器2030は、結び目摺動器2030を縫合器具に沿って配置する縫合器具900の一部分と摺動接触して係合可能であり、事前結節結び目502を結び目摺動器2030から展開することを容易にする。1つの特定の例では、結び目摺動器2030は、アーム2034を介して縫合器具と摺動接触して係合可能であり、アーム2034は、器具近位部分910の側部に沿って開口/窓若しくは溝965[図1C]内に受け入れ可能である。結び目摺動器アーム2034は、組織受入れ間隙942に沿った縫合器具の配置を可能にし、使用中、事前結節結び目を縫合器具900から展開することを容易にする。更に、いくつかの実施形態では、結び目摺動器アーム2034は、摺動器溝2036内に収容され、結び目摺動器アーム2034を摺動器溝2036内に収容される内側位置2034A[図8D、図11A]を備える。結び目摺動器アーム2034は、更に、結び目摺動器アーム2034が摺動器溝2036[図11B]から近位に(少なくとも部分的に)延在する外側位置2034Bを備え、結び目摺動器2030が組織受入れ間隙942上に位置決めされることを可能にする。
いくつかの実施形態では、縫合糸は、結び目摺動器2030内部上に組み付けた管内に収容される。カートリッジ2000は、結び目摺動器2030内、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管内部に縫合糸脚部を保管し、縫合糸脚部は、内部ポスト2037の周りに巻かれて組み付けられ、内部結び目摺動器2030xは、縫合糸が図11Dに示すように外部結び目摺動器2030yの内部で圧入されると内部ポストの周りに通路2037’を画定する。PTFE管は、縫合糸を一定のわずかな力で解放することを可能にする。他の実施形態では、縫合糸繰り出し力は、一定ではなくてもよい。いくつかの実施形態では、シリコーンOリングにより、縫合糸を解放する際に緩衝効果をもたらし、解放に対しより滑らかで、より一定の力を達成し、手順全体を通して縫合糸に緊縮性を保持する。
いくつかの実施形態では、例3で本明細書の上記で説明したように、縫合器具900の移動は、カートリッジ2000に対する相対移動とすることができ、次に、例4を参照する。言い換えれば、縫合器具をユーザが保持する間に、ユーザは、カートリッジ2000を縫合器具900上にて近位方向で軸方向に移動させることができ、縫合器具900のカートリッジ2000に対する相対的な前進をもたらすようにし、縫合糸を縫合器具900上に装填するようにする。このことは、ポンプ動作を用いる縫合糸の装填と呼ぶことができる。したがって、縫合糸の装填機構は、上記したもののままであるが、移動は、カートリッジの縫合器具上の近位移動、若しくは縫合器具のカートリッジ内での遠位移動によるいずれかによってもたらすことができる。
本明細書で説明する本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジは、縫合器具に対するカートリッジの単一の直線運動により縫合糸を位置合わせし、これを移送するように構成される。いくつかのそのような実施形態では、連動部2050は、座内の縫合糸端部と縫合糸通し部材とを位置合わせする際に自動的に分離でき、筐体1010’は引き続き近位に引っ張られるため、(基部の前進及びプッシュ・ロッドの作動/係合のために)縫合糸端部504の縫合糸通し部材内への自動的な移送を可能にする。更に、カートリッジは、カートリッジの同じ直線運動の間、事前結節結び目を縫合器具上に組み付け可能にする。提供される機構は、結び目摺動器2030に関して本明細書で説明する機構と同様のものとすることができる。したがって、本発明の実施形態は、縫合糸端部504等の縫合糸部分を座1022から縫合糸通し部材930内に移送するように動作可能であるカートリッジを備えることができ、このことにより、縫合糸で縫合するために縫合器具に縫合糸を通すことができ、事前結節結び目を縫合器具上に組み付け可能にする。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジは、単一の直線運動により縫合器具900上に装填される。いくつかのそのような実施形態では、単一のポンプ動作を使用し、このポンプ動作には、カートリッジの縫合器具上記での単一の直線相対運動(事前結節結び目を組み付けた縫合糸端部を移送するための)、及びカートリッジ2000の直線運動[装填方向とは反対方向で]、その後、結び目摺動器2030を縫合器具900に結合したままにする、例えば筐体内に保持した事前結節結び目を縫合器具上に組み付けることを伴う。したがって、結び目摺動器2030以外のカートリッジ2000の残りが取り外される。
側部装填位置合わせ機構1100’’の更なる例を図12A〜図12Fに示す。マガジン1121は、その最初の位置1121A[図12A、図12E]で示すボタン1123を画定し、ボタン1123は、側部装填摺動座1122’[図12B]を備える。基部1120は、マガジン空洞1127’を画定するマガジン凹部1127を画定し、マガジン1121は、マガジン凹部内で移動可能である。最初に、器具は、抑制部として機能する基部凹部1025内に前進可能であり、縫合器具900を基部1120内で遠位に前進させる際、縫合器具900の位置を維持する。カートリッジを縫合器具上に装填する際、マガジン[図12C]空洞1127’は、組織受入れ間隙942に対応する。言い換えれば、縫合器具900を基部1120内に前進させると、縫合器具900の組織受入れ間隙942は、マガジン空洞1127’内に配置される[図12Cに示すように]。次に、マガジン1121は、マガジン空洞1127’内で横向きに移動可能であり、座1122’を縫合器具900に対して位置合わせする。図12Dは、ボタンがその押下位置若しくは第2の位置1121Aにある、基部1120の側面図を示し、図12Eは、基部1120の端面図を示す。
したがって、例3及び例4を参照して本明細書の上記で概説したように、本発明のいくつかの実施形態によれば、位置合わせ及び挿入の両方を実現する機構が提供され、この機構は、必要とするユーザ・ステップの数、ユーザの器用さ及び集中力に対する要件を低減することによって、使いやすさを促進することができ、いくつかの実施形態では、ユーザ・ステップを実施する唯一の可能な順序をもたらすことによって、使用を更に容易にする。
縫合糸を外科縫合器具若しくは縫合糸通し器内に装填するために、本発明のいくつかの実施形態によれば、例3及び例4にて本明細書の下記で概説したように、2つの事象若しくは機能が行われる:(1)カートリッジ内に保持した縫合糸部分と外科縫合器具若しくは縫合糸通し器内の縫合糸受入れ特徴部との位置合わせ、及び(2)縫合糸部分の縫合器具若しくは縫合糸通し器内の縫合糸受入れ特徴部への挿入。
例5
図13A〜図13Gに示すこの例の特徴は、例えば例3及び例4に関して前に説明したものと同様である。更に、例5は、上記した特徴部及び/若しくはこれまで述べていない更なる特徴部に対する様々な代替形態を含み、これらには、限定はしないが、マガジン、例えば揺動器の移動、座及び/若しくは揺動器の位置合わせ、縫合糸が装填されていないときの逆戻り防止特徴部、揺動器のプッシュ・ロッド・ハブへの結合、縫合糸の縫合器具上への装填若しくは移送を表示する表示器、縫合器具が適合しない向きで挿入されるのを防止する連動部、及び結び目摺動器に関連する特徴部を含む。これらの特徴部のそれぞれは、添付の図面を参照して間もなくより詳細に説明することになる。
図13Aを最初に参照すると、縫合糸の一部分を本明細書の上記で既に説明した縫合器具900等の縫合器具上に装填するのに使用可能であるカートリッジ4000を示す。例4で説明した実施形態と同様に、カートリッジ4000は、筐体4010’を備え、筐体4010’は、筐体スリーブ4011’、及び結び目摺動器4030等の結び目展開機構を備え、筐体4010’は、外科縫合器具900を中に軸方向で受け入れる室4010、及び事前結節結び目502(図13B)を室4010の周りに固着若しくは組み付ける手段を画定する。いくつかの実施形態では、結び目展開機構若しくは結び目摺動器4030は、図示のような結び目解放機構4060を備える結合機構によってカートリッジ筐体スリーブ4011’に着脱可能に結合される。
図13Bに示すカートリッジ4000は、縫合器具900をカートリッジ4000内に挿入する経路を画定し、縫合器具900をカートリッジ4000から取り出すのを容易にする。そのような一例では、経路は、直線経路を含み、室4010によって部分的に画定することができる。カートリッジ4000は、縫合糸の一部分を解放可能に保持する座4022を画定するマガジン4021を更に備える。マガジン4021は、図13Bに示す揺動器4041を備える。揺動器4041は、例4に示した揺動器1041と同様である。しかし、重要なことには、本明細書の上記で既に説明した実施形態とは異なり、図33Bに示すカートリッジの実施形態は、基部がなく、揺動器4041は、カートリッジ筐体4010’内に直接保持され、筐体4010’に直接結合される。更に、カートリッジ4000は、揺動器4041及び座4022を制御し、制限した様式で移動させる移動機構4085を含む。本開示の文脈において、移動機構とは、限定はしないが、直線若しくは回転移動を含む移動を可能にする特徴部若しくは構成要素である。移動機構4085は、縫合器具900の経路から外して座4022を移動させて縫合器具900をカートリッジ4000から引き抜くことを可能にする。更に、移動機構4085は、縫合器具900をカートリッジ4000内で前進させる際、揺動器4041が座4022を移動し、縫合器具900と位置合わせすることを可能にする。縫合器具900は、図1C〜図1Eを参照して本明細書の上記で既に説明した種類のものとすることができ、器具は、近位部分910、及び近位部分910に結合した遠位部分920を備え、組織受入れ間隙942は、近位部分910と遠位部分920との間に画定され、縫合すべき組織を受け入れる。移動機構4085は、そのような縫合器具と共に使用すると、座4022を移動させて組織受入れ間隙942に入れ、そこから出すことを可能にし、座の縫合器具の位置合わせ及び縫合器具の引き抜きのそれぞれを可能にする。
図示の特定の例では、図13C〜図13Fに更に示すように、移動機構4085は、回転機構を備える。代替的に、他の実施形態では、例えば図4A〜図4Cで既に示したように、移動機構は、直線移動のために動作可能なばね付勢機構を備えることができる。回転移動機構の一例では、回転移動機構は、カートリッジ筐体4010’によって画定される弓形軌道4080、及び揺動器4041によって画定される1つ若しくは複数の側方に延在するピン4082を含み、揺動器4041は、軌道4080内に受け入れ可能である。より具体的には、そのような実施形態では、カートリッジ筐体4010’の筐体スリーブ4011’は、リブ4081によって形成される溝もしくは軌道4080を含み、リブ4081は、湾曲経路、即ち少なくとも1つの部分が湾曲する経路を画定する。組立て時、軌道4080は、揺動器ピン4046’を受け入れ、揺動器4041を枢動回転可能にするように機能する一方で、筐体4010’内で軌道4080によって拘束されたままにする。そのような実施形態では、回転移動機構4045は、揺動器4041を、図13B及び図18Fに示す、縫合器具の経路から外して座4022を配置する第1の位置4041Aと、図18C(i)及び図18D(ii)に示す、座4022を器具近位部分910等の縫合器具900の一部分と位置合わせして配置する第2の位置4041Bとの間を移動可能にする。より具体的には、揺動器4041は、図18Ai)、18Aii)に示す、座4022が縫合器具900の経路から外して位置決めされる、その第1の位置4041Aから、図18Ci)、18Cii)に示す、座が縫合器具900と位置合わせされ組織受入れ間隙942内に位置決めされる、その第2の位置4041Bまで移動可能である。図18Bi)及び18Bii)は、揺動器4041がその第1の位置4041Aからその第2の位置4041Bに向かって移動するときの揺動器4041の位置をその中間位置で表示する。図18Aii)及び図18Bii)及び図18Cii)は、更に明確にするためにカートリッジ4000の残りから隔離した、揺動器4041及び縫合器具900の位置を示す。揺動器4041は、縫合糸部分を縫合器具900から移送した後、縫合器具900の経路から外して座4022を移動することを更に可能にする。より具体的には、揺動器4041は、その第2の位置4041Bからその第1の位置4041Aに枢動可能であり、縫合器具900の組織受入れ間隙942から外して座4022が移動することを可能にし、図18E及び図18Fに示すように、縫合器具900の後退を可能にする。次に、図13C〜図13Eを参照すると、図示の実施形態では、揺動器4041は、弾性部材若しくは可撓性アーム4031を含み、弾性部材若しくは可撓性アーム4031は、カートリッジ筐体4010’、例えば筐体スリーブ4011’内の係止リブ4031’と係合するように動作可能である。したがって、弾性部材4031は、係止リブ4031’と協働して、揺動器4041を所望の最初若しくは第1の位置4041Aで維持するように機能し、このことは、縫合器具900を妨害なく前進することを促進する。揺動器4041の動作は、それ以外は図9A[i]〜9B[ii]に関して本明細書で説明した揺動器1041の動作と同様である。
図13Gは、揺動器4041の、揺動器の長手方向軸に沿った部分切欠き図を示し、揺動器4041の左側部分が見えている。揺動器4041は、揺動器溝4044の内部に向かって面する第1の若しくは遠位傾斜面4043を画定し、より詳細には、図9A(i)を参照して本明細書の上記で既に説明した傾斜面1043と同様である溝遠位部分4048の遠位壁を画定する。いくつかの実施形態では、縫合器具900の遠位部分は、縫合器具900をカートリッジ4000内に前進させる際、図18Ai)、図18Aii)に示すように第1の傾斜面4043と相互作用するように構成され、図18Ai)、図18Aii)は、揺動器4041を示す部分破断図で揺動器4041を示す。このことにより、揺動器4041の、図18Ai)、図18Aii)に示すその最初の位置4041Aから、図18Ci)、図18Cii)に示すその第2の位置4041B内への枢動をもたらし、したがって、座4022の組織受入れ間隙942内への移動がもたらされ、座4022と縫合器具900の近位部分910とを位置合わせする。更に、揺動器4041は、図10Bに示す実施形態で示す傾斜面1043’と同様の第2の若しくは近位傾斜面を画定し、近位傾斜面は、揺動器溝4044の内部に向かって面し、より具体的には、溝遠位部分4048の近位壁を画定する。第2の傾斜面は、揺動器4041の右側部分内に形成される[図13Gでは見えない]。いくつかの実施形態では、縫合器具900の遠位部分920は、縫合器具900をカートリッジ4000から後退させる際、第2の傾斜面と相互作用するように構成される。このことにより、揺動器4041が枢動し、その結果、組織受入れ間隙942から外して座4022が移動し、その第1の位置4041Aに戻り、それにより、座は、図18E及び図18Fに示すように縫合器具900の経路から外して移動する。
次に、図13B〜図13Gを参照すると、一般的な位置合わせ概念が示される。というのは、これらは、揺動器4041の位置合わせ、したがって座4022の縫合器具900に対する位置合わせに関連するためである。カートリッジ4000は、いくつかの位置合わせ特徴部を備え、座4022の縫合器具900の一部分との位置合わせを容易にし、座4022内に保持される縫合部分の縫合器具900上への移送を可能にする。1つの特定の例では、位置合わせ特徴部は、カートリッジ4000内に縫合器具を案内する器具案内特徴部を備える。いくつかの実施形態では、器具案内特徴部は、揺動器4041等のマガジン4021によって画定される。そのような一例では、器具案内特徴部は、マガジン4021から延在する1つ若しくは複数の弾性部材4035を備える。1つの特定の例では、1つ若しくは複数の弾性部材4035は、縫合器具を座4022と水平に位置合わせする1つ若しくは複数の水平位置合わせ側部アーム4037を備える。側部アーム4037は、縫合器具900のシャフト若しくは器具近位部分910を座4022まで案内し、座4022によって画定される座空洞若しくは凹部4022’が器具近位部分910と水平若しくは側方に位置合わせされるようにする。図13Gに示す特定の例では、水平に配置する側部アーム4037は、揺動器4041から延在し、縫合器具900をカートリッジ4000内に挿入する際、側部アーム4037がその側部に沿って縫合器具900を跨ぐようにする。更に、いくつかの実施形態では、例えば図13H〜図13Jに示すように、揺動器4041は、1つ若しくは複数の弾性部材4035を備えることができ、1つ若しくは複数の弾性部材4035は、1つ若しくは複数の垂直に位置合わせする側部アーム4039を備え、縫合器具を座と垂直に位置合わせする。そのような一例では、1つ若しくは複数の側部アーム4039は、縫合器具900の上側表面を係合する下方延在可撓性アームを備える。したがって、図13Bに示すように、水平位置合わせ側部アーム4037及び垂直位置合わせ側部アーム4039の両方は、針930’等の縫合糸通し部材、及び縫合糸通し部材によって画定される縫合糸受入れ凹部932と、縫合器具900の組織受入れ間隙942内へ移動可能な座空洞若しくは凹部4022’との位置合わせを可能にする。
図13Hから図13Jに示す代替実施形態では、1つ若しくは複数の水平位置合わせ側部アーム4037は、代替構成を含むことができる。そのような一例では、揺動器4041の上側表面若しくは上部分4041tから延在する側部アーム4037Aが示される。そのような一例では、側部アーム4037Aは、縫合糸を揺動器4041の側部に送り、案内するスロットsを画定する。別の例では、図13Iに示すように、揺動器4041の前側若しくは近位面4041pから延在する側部アーム4037Bが設けられる。代替的に、いくつかの実施形態では、図13Jに示すように、1つ若しくは複数の側部アーム4037Cは、揺動器4041の中間部分4041iから近位に延在することができ、中間部分4041iは、揺動器4041の近位面404lpに対し遠位に配置される。更に、図13H〜図13Jに示すように、いくつかの実施形態では、1つ若しくは複数の側部アーム4037A、4037B及び4037Cは、空間若しくは間隙4041g内に延在する。
他の実施形態では、器具案内特徴部は、カートリッジ筐体4010’によって画定される。1つの特定の例では、図13B及び図13Fに示すように、器具案内特徴部は、は、カートリッジ筐体4010’の筐体スリーブ4011’内に案内リブ4036を備える。縫合器具900は、リブによってカートリッジ筐体4010’内に案内され、この中で拘束される。案内リブ4036は、案内リブ4036が様々な表面平坦さをもつ縫合器具900を収容するように設けることができ、更に縫合糸の結合を防止するのに役立ち得る。案内リブ4036は、縫合器具900を案内し揺動器4041と位置合わせさせるように機能する。いくつかの実施形態では、カートリッジ4000は、縫合糸案内若しくは送り特徴部を更に備え、縫合糸をカートリッジ4000内に送ることを可能にする。そのような一例では、縫合糸案内特徴部は、案内リブ4036によっても確定される。案内リブ4036は、縫合糸(いくつかの実施形態では縫合糸上に組み付けた事前結節結び目)が結び目摺動器4030から揺動器4041まで延びる隙間をもたらす。
他の実施形態では、図13Dに示すように、更なる器具案内特徴部がマガジン4021/揺動器4041によって画定される。例えば、揺動器4041は、縫合器具900の一部分を圧入係合して受け入れる係止凹部4044を画定し、座を縫合器具の一部分と位置合わせする。係止凹部4044は、縁部4044’によって画定される。図3Hから図3Kを参照して本明細書の上記で既に説明した実施形態と同様に、マガジン4021は、図13Gに示すように、座4022を画定する突出部4030’を備える。そのような一例では、突出部4030’は、縫合器具900の一部分の内部と係合する1つ若しくは複数の基準特徴部4045aを備え、座4022を縫合器具900の一部分と位置合わせする。
器具案内特徴部を備えることに加えて、図13Gを再度参照すると、揺動器4041は、座4022と連通するチャンネル4053を更に画定し、プッシュ・ロッド4053’がチャンネル4053を通って移動することを可能にし、縫合糸端部を座4022から縫合器具900内に前進させる。更に、図13K及び図13Lに示すいくつかの実施形態では、揺動器4041は、互いに協働係合して揺動器4041を形成するように構成した側方半部4041hl、4041h2を備える。図示のいくつかのそのような実施形態では、側方半部4041hl、4041h2は、スナップ嵌合若しくは圧入機構4050を介して互いに係合する。図示のように、スナップ嵌合機構4050は、開口4051内に受け入れて開口4051と係合可能であるタブ4052を備える。
揺動器4041の代替実施形態は、図14A〜図14Gに示す。図14Aに示す1つの特定の実施形態では、座4022は、揺動器4041によって画定される座空洞若しくは座凹部4022’を備え、座空洞若しくは座凹部4022’は、ワイヤ・チャンネル4053と連通し、ワイヤ・チャンネル4053から延在する。一代替実施形態では、座4022は、図14Bに示す管状部材4022aによって画定され、管状部材4022aは、ワイヤ・チャンネル4053と連通するアパーチャ4022a’を画定する。図14Cは、更なる代替実施形態を示し、管状部材4022aは、スリーブ4022bを備え、スリーブ4022bは、揺動器4041内に挿入して座4022を形成することができる。スリーブ4022bは、ひずみ緩和をもたらす開口4023を画定し、スリーブ4022bが、管内径部を圧縮することなく屈曲することを可能にし、したがって、スリーブ4022bは、可撓性を管状部材内にもたらし、座4022と揺動器4041との挿入及び組立てを容易にする。
いくつかの実施形態では、例えば図13Gに示すように、揺動器4041は、座4022を画定する揺動器本体4041b及び挿入体4041nを備える。図18C(i)に示すように、挿入体4041nは、壁若しくは中央部4047を画定し、壁若しくは中央部4047は、縫合器具の一部分を壁若しくは中央部4047に接して載置可能にして位置合わせを容易にし、器具遠位部分920は、遠位溝部分4048内に受け入れられ、近位部分910は、近位溝部分4046内に受け入れられ、座4022は、組織受入れ間隙942内に位置決めされる。代替実施形態では、例えば図14Dに示すように、挿入体4041nは、揺動器凹部4024を画定し、揺動器本体4041bの一部分4024’を揺動器凹部4024の中に受け入れ、挿入体4041nを揺動器本体4041b内に固着する。いくつかのそのような実施形態では、座挿入体4041nは、揺動器4041内に受け入れ可能な単一ユニットを備える。他の実施形態では、挿入体4041nは、結合機構を使用して、座4022を画定する管状部材に結合されるハブ4025を更に備える。図14E及び図14Fに示すそのような一例では、管状部材は、図14Bに示す実施形態と同様の管状部材4022aを備えることができる。図14Gに示す他の実施形態では、管状部材は、図14Cに示す種類のスリーブ4022bを備えることができ、スリーブ4022bは、ハブ4025に結合され、スリーブ4022bは、切欠き若しくは切込み4023を備え、接着剤をスリーブ4022bに接着する特徴部を実現する一方で、チャンネル4053内に開口するスリーブ4022b内の開口は、プッシュ・ロッドがスリーブ4022bに入るための隙間をもたらす。
いくつかの実施形態では、座4022及びハブ4025はそれぞれ、ポリマーを含む。1つの特定の例では、ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む。いくつかのそのような実施形態では、ハブ及び管状部材を結合する結合機構は、ポリマー溶接部を含む。代替的に、例えば図14Fに示すように、座4022及びハブ4025はそれぞれ、ステンレス鋼等の金属を含むことができ、結合機構は、レーザー溶接部等の金属溶接部を含むことができる。他の実施形態では、図14E及び図14Gに示すように、結合機構は、接着剤等の接着剤4028を含むことができる。いくつかの実施形態、例えば図14A〜図14Gに示す実施形態のうちいずれかでは、ワイヤ・チャンネル4053(全図面で表示せず)は、座空洞4022’と共に、実質的にS字形状構成を構成する。
本発明の更なる実施形態では、カートリッジ4000内に、縫合糸の縫合器具900上への装填を容易にする更なる特徴部が設けられる。例えば、図15Ai)から図15Ciii)に示すように、カートリッジ4000は、器具保持機構4070を更に備え、器具保持機構4070は、縫合器具900のカートリッジ4000内への前進を可能にし、縫合糸部分が縫合器具900上に装填されるまでに縫合器具900がカートリッジ4000から早期に後退若しくは引き抜かれるのを防止するように構成される。いくつかの実施形態では、器具保持機構4070は、付勢係止要素4072’等の係止部を備え、係止部は、縫合器具900の前進経路から離れて若しくは前進経路から外れて移動可能であり、実質的に妨害せずに縫合器具900をカートリッジ4000内に前進可能にする。図15Ai)から図15Aiii)は、器具をカートリッジ内に前進させる前の係止要素4072’をその最初の位置で示す。図15Bi)から図15Biii)は、器具を前進させる際、器具の経路から外して移動した係止要素4072’を示す。そのような一例では、付勢係止要素4072’は、弾性部材を備え、弾性部材は、撓み、屈曲するか、そうでなければ縫合器具900が前進する通り道から外れて移動し、縫合器具900の遠位部分920が付勢係止要素4072’を越えて前進することを可能にする。例えば図15Ci)から図15Ciii)に示すいくつかの実施形態では、遠位先端920及び組織受入れ間隙942が付勢係止要素4072’を越えて前進すると、付勢係止要素4072’は、縫合器具900の近位部分910、具体的には縫合器具900の窓若しくは溝955を係合するように構成され、それにより、縫合糸を縫合器具900上に装填する前に縫合器具900が後退するのを実質的に防止、遮蔽若しくは制限する。
いくつかのそのような実施形態では、係止解放機構が係止部を解放するために設けられる。例えば、付勢係止要素4072’を窓若しくは溝955から分離するように手動で動作可能な係止解放機構が設けられる。他の実施形態では、縫合糸部分を縫合器具900上に移送若しくは装填すると、係止部を自動的に分離するように構成された係止解放機構が設けられる。例えば図15Ai)に示すいくつかのそのような実施形態では、係止解放機構は、変位機構4090に係合される解放アーム4076等のばね付勢構成要素を備える。付勢機構4090は、縫合部分を移送する際、解放アーム4076を移動させるように動作可能であり、係止要素4072’を縫合器具900から分離する。
図16A〜図16Dに示す1つの特定の例では、回転係止機構4074を備える付勢係止要素が設けられ、回転係止機構4074は、回転可能揺動アーム4075を備え、タブ4075tで終端する。そのような一例では、回転可能揺動アーム4075は、ねじりばねを介して付勢される。図示の実施形態では、揺動アーム4075は、縫合器具900の通り道若しくは経路(図16Bで破線で示す)から外れて移動可能であり、縫合器具900のカートリッジ内での前進を可能にするようにする。いくつかのそのような実施形態では、タブ4075tは、傾斜表面を画定する。使用時、縫合器具900の遠位部分及び組織受入れ間隙がタブ4075tの遠位に位置決めされると、揺動アーム4075が縫合器具900の経路内に移動し、タブ4075tが窓若しくは溝955と係合するようにする。解放アーム4076は、揺動アーム4075に隣接して移動可能であり、揺動アーム4075の回転を防止し、タブを溝若しくは窓955内に維持する。したがって、揺動アーム4075は、縫合器具900をカートリッジ内で係止するように機能し、縫合糸を縫合器具900上に装填する前に縫合器具900が後退若しくは引き抜かれないようにする。図16Cに示すように、次に、解放アーム4076は、揺動アーム4075から離れて移動可能若しくは移動可能であり、揺動アーム4075の回転を可能にし、タブを縫合器具900から分離可能にし、縫合器具900をカートリッジから後退させ、取り外すことを可能にする。代替的に、係止部は、縫合器具900との係合のために付勢する弾性部材を備えることができ、解放アームは、弾性部材を縫合器具から分離するように動作可能であってもよい。
図17A〜図17C(ii)に示す更なる代替形態では、係止部は、弾性アーム等の弾性部材4079を備え、縫合器具900、例えば縫合器具900の窓若しくは溝955と係合する。更に、係止解放機構4077は、縫合部分を縫合器具900上に移送すると、部材4079を分離するように設けられる。係止解放機構4077は、ばね付勢遮断部4079’を備え、ばね付勢遮断部4079’は、その最初の位置4079’A(図17A)では、弾性部材4079を支持し、弾性部材4079の近位方向での移動を防止する。器具900はカートリッジを通して遠位に前進するにつれて、弾性部材4079が撓み、図17Aに示すように縫合器具900の遠位部分920を前進可能にし、図17B(i)、図17B(ii)に示すように、弾性部材4079は、その後、縫合器具900の窓955と係合可能であり、縫合器具900の後退を防止する。遮断部4079’は、弾性部材4079に実質的に隣接するその最初の位置若しくは係止位置4079’Aに留まり、弾性部材4079が近位方向に屈曲しないようにし、縫合糸を縫合器具900上に装填する前に縫合器具900が後退しないようにする。縫合糸部分が縫合器具900上に装填されると、係止解放機構4077を形成するばね付勢遮断部4079’は、図17C(i)、図17c(ii)に示すように、その第2の位置若しくは係止解除位置4079’B内に移動し、ばね付勢遮断部4079’は、弾性部材4079の移動をもはや邪魔せず、弾性部材4079が近位に撓むことを可能にし、それにより縫合器具900の後退を可能にする。
本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジは、揺動器によって画定される座が縫合器具900と位置合わせされるまで縫合糸のカートリッジから縫合器具上への移送を遅延させる遅延機構を含む。より詳細には、遅延機構は、座と、縫合器具の近位部分内に保持される縫合糸通し部材とを位置合わせする前に、縫合糸を座から器具に移送する縫合糸挿入機構が作動するのを防止する。
本明細書の上記で既に概説したように、本発明のいくつかの実施形態では、例えば図18Ai)、図18Aii)に示すように、縫合器具900の遠位部分920は、縫合器具900をカートリッジ4000内に前進させる際、揺動器4041の第1の傾斜面4043等の揺動器の傾斜面と相互作用するように構成される。図188Ai)〜図18Bii)の揺動器4041は、揺動器4041の前半部を取り除いた部分破断図で示される。このことにより、揺動器4041の、図18Ai)、図18Aii)に示すその最初の位置4041Aから、図18Ci)、図18Cii)に示すその第2の位置4041B内への枢動をもたらし、その結果、座4022の組織受入れ間隙942内への移動がもたらされ、座4022と縫合器具900の近位部分910(具体的には針930’等の縫合糸通し部材)とを位置合わせする。揺動器4041を第1の位置4041Aからその第2の位置4041Bに向けて移動する間の揺動器4041の中間位置を図18Bi)、図18Bii)に示す。
座4022を組織受入れ間隙942内に移動すると、縫合器具900は遠位に前進し、針900’を座4022に隣接して、例えば図18Cii)に示すように座4022と当接接触して位置決め若しくは合体可能にする。したがって、図18Ci)に示すカートリッジ4000と図18Cii)に示すカートリッジ4000との差は、図18Ci)では、針930’及び座4022が位置合わせされているがまだ合体していない点にある一方で、図18Cii)では、縫合器具900が更に前進し、針930’を座4022と合体可能にしていることである。いくつかの実施形態では、縫合糸移送若しくは挿入機構は、そのような位置合わせが生じるまで遅延させ、次に、縫合糸部分を座4022から縫合器具900上に移送若しくは装填するように作動可能である。いくつかのそのような実施形態では、縫合糸挿入機構の作動を遅延させる遅延機構は、縫合糸挿入機構上に組み付けられた遅延連動部4095を備え、遅延連動部4095は、図示の例では、図13C及び図13Dに示すように、プッシュ・ロッド4053に結合したプッシュ・ロッド・ハブ4057’を備える。1つの特定の実施形態では、遅延連動部4095は、プッシュ・ロッド・ハブ4057’に結合するか若しくはこれと一体である弾性部材4096を備え、弾性部材4096(プッシュ・ロッド・ハブ可撓性アーム等)は、揺動器4041に結合された突出部4097を協働係合するように構成される(図13C及び図18C(ii)にも示すように、それにより、突出部4097は、座4022に間接的に結合されることは理解されよう)。図18Cii)に示すように、弾性部材4096は、縫合糸挿入機構の第1の状態若しくは非作動状態では、突出部4097に対し遠位に配置される。図18D(i)に示すように座4022を針930’と位置合わせし、針930’と当接接触した後、縫合器具900は、カートリッジ4000内で遠位に前進させることができ、器具900を更に前進させることによりプッシュ・ロッド・ハブ4057’がばねハブ4100と接触し、それにより、力をハブ4100(及びしたがってばね4103)に加えることになる。図18D(ii)に示すように、十分な力がプッシュ・ロッド・ハブ4057’によって加えられると、ばねハブ4100は、遠位に推進され、突出部4097は、弾性部材4096を越えて前進し、弾性部材4096を突出部4097に近接して配置するようにする。縫合挿入機構は、ここでその第2の状態若しくは作動状態にあり、図13Gに示すように、ばね4103のハブ4100に対する付勢力によりプッシュ・ロッド・ハブ4057’をプッシュ・ロッド・ハブ空洞4057内に移動させる。次に、プッシュ・ロッド・ハブ4057’の移動により、プッシュ・ロッド・ハブ4057’に結合されたプッシュ・ロッド4053’の移動がもたらされ、圧縮された縫合糸を含む縫合糸端部502等の縫合糸部分を座4022から針930’内若しくはその上に前進させる。したがって、そのような実施形態では、縫合糸挿入機構の作動及びその結果の縫合糸の移送は、遅延連動部が適切に位置決めされるまで遅延され、この移送は、座と針930’との位置合わせの後に行われる。
本発明のいくつかの実施形態は、ユーザに縫合糸端部502等の縫合糸部分[例えば図13Gに示す]が座4022から縫合器具900上に移送されたという表示を与える1つ若しくは複数の特徴部を更に備える。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジ4000は、縫合糸の縫合器具900上への移送を表示する表示器を備える。表示器は、触覚表示器、視覚表示器若しくは聴覚表示器のうち1つ若しくは複数を備えることができる。そのような一例では、表示器は、図18D(i)及び図18D(ii)に示す力解放機構4200を備える触覚表示器を備える。図示の実施形態では、力解放機構4200は、ばねハブ4100によって画定されるばね付勢機構を備え、ばねハブ4100自体は、外側に延在するハブ可撓性アーム4102及びばね4103を備える。力解放機構4200は、本明細書の上記で説明した縫合糸挿入機構の非作動状態と縫合糸挿入機構の作動状態との間で、ユーザが感じることのできる力の変化といった表示を与える。より具体的には、力解放機構4200は、プッシュ・ロッド・ハブ4057’が図18D(i)に示すその最初の非作動位置から図18D(ii)に示すその作動位置に向かって移動し縫合糸部分を座4022から針930’内に移送すると、ユーザが力の変化を感じることができるように構成される。
いくつかの実施形態では、縫合糸部分の縫合器具への移送後、縫合器具900は、遠位に前進するように動作可能である。図18D(i)及び図18D(ii)に示すように、更なる前進により、ばねハブ4100の外側に延在するハブ可撓性アーム4102を、カートリッジ筐体4010’によって画定される突起若しくはリブ4102’を越えて前進させ、ばね4103を圧縮する。ハブ可撓性アーム4102の突起4102’を越えた移動は、ばね4103の同時の圧縮と相まって、器具900を取り扱うユーザが感じられる力の差をもたらす。というのは、縫合器具900を更に前進させると抵抗力が低減するためである。力解放機構によってもたらされるこの力の低減は、ユーザに触知できる感触をもたらし、この感触は、縫合糸部分が縫合器具900上に移送されたことを表示する。更に、いくつかの例では、力解放機構4200は、ハブ可撓性アーム4102が突起4102’を越えて乗り上げたときに聴覚表示を更に提供し、これにより、力解放機構は、更にスナップ解放機構を画定する。図示の実施形態では、触覚及び/若しくは聴覚表示器は、縫合糸部分の移送直後に作動されない。そうではなく、表示は器具がカートリッジ内に更に前進されるまで遅延される。そのような実施形態では、カートリッジ4000は、前記カートリッジから縫合器具900上に縫合糸の一部分を装填した後、表示器を(例えば所定時間の間)遅延起動させる遅延機構を備える。このことにより、縫合糸部分の移送を示す表示がユーザに与えられる前に縫合糸が装填されていることを保証するという点で、安全で確実な特徴がもたらされる。言い換えれば、表示は、寸法及び力の変動を配慮する安全要素をもたらす。
更なる本発明の実施形態では、ばね付勢機構4106’を含むボタン4106を備える視覚表示器が提供される。図示の実施形態では、ばね付勢機構は、ボタン4106を解放するように構成され、これにより、縫合糸部分を縫合器具900上に移送するとボタン4106はその最初の位置4106A[18C(ii)]からその第2の位置4106B[図18D(ii)]に移動し、これにより縫合糸移送の視覚表示がもたらされる。いくつかの実施形態では、視覚表示器4106は、力解放機構4200と協働し、それにより力解放機構4200の移動後、視覚表示器4106はその第2の位置4106B内で解放される。例えば、図18D(i)及び図18D(ii)に示すように、力解放機構4200の遠位移動は、ばねハブ4100に結合された水平棒4107’及び4107を長手方向に移動させ、それによりボタン4106に結合された棒4108を解放し、ボタン4106を自由にしてその第2の位置4106Bまで上方に移動させる。したがって、図示の実施形態では、表示器は、縫合糸部分をカートリッジから縫合器具上へ装填すると自動的に起動する。そのような一例では、表示器ボタン4106は、棒4108が水平棒4107’との係合から解放されると、ユーザへの聴覚表示を更にもたらす。いくつかのそのような実施形態では、表示器ボタン4106は、聴覚表示をもたらす主要機構を形成することができる。
表示器を起動させた後、次に、縫合器具は、図18E及び図18Fに示すようにカートリッジ筐体から取り外すことができる。本明細書の上記で既に説明したように、揺動器4041は、縫合器具900の邪魔にならないように枢動することによって、縫合器具を妨害せずに後退することを可能に、その最初の位置4041Aに戻る。座4022は、縫合器具900の組織受入れ間隙942の邪魔にならないように移動可能である。
図18E及び図18Fに開示される実施形態をまた参照すると、例えば、結び目展開機構若しくは結び目摺動器4030の縫合器具900上への装填、組付け若しくは移送を可能にすることによって、事前結節結び目を縫合器具900上に装填することを更に可能にするカートリッジ4000が提供される。いくつかのそのような実施形態では、縫合糸部分を縫合器具900上に装填後、縫合器具900がカートリッジ4000から後退すると、カートリッジは、結び目展開機構若しくは結び目摺動器4030(例えば、周りに組み付けた事前結節結び目を有する)を縫合器具900上に組み付け、結び目展開機構若しくは結び目摺動器4030を縫合器具900と共に後退可能にする。図13Bに示すそのような一例では、結び目展開機構若しくは結び目摺動器4030は、結び目摺動器解放機構4060によってカートリッジ筐体スリーブ4011’に着脱可能に結合される。そのような一例では、結び目摺動器解放機構は、弾性部材、例えば図示のスナップ・アーム4062を備え、弾性部材は、縫合器具900をカートリッジ筐体4010’に通して挿入した後、結び目摺動器4030をカートリッジ筐体4010’の筐体スリーブ4011’から解放するように構成される。そのような一例では、結び目摺動器4030及びカートリッジ筐体スリーブ4011’は、カートリッジ筐体4010’を一緒に形成する。スナップ・アーム4062は、可撓性をもたらし、縫合器具900を開口若しくは室に通して結び目摺動器4030内に前進させる際、結び目摺動器4030を上下に枢動させ、左右に屈曲可能にし、カートリッジ筐体スリーブ4011’によって画定されるリブ内に案内し、揺動器4041内に案内する。そのような一例では、結び目摺動器4030は、縫合器具900をカートリッジ内に前進させるとスナップ・アーム4062から解放可能である。例えば、図18C(i)に示すように、結び目摺動器4030は、座4022を縫合器具900の組織受入れ間隙942内で位置合わせするとスナップ・アーム4062から解放可能である。したがって、結び目摺動器4030は、筐体スリーブ4011’から分離されるが、縫合器具上に依然として組み付けられており、結び目摺動器4030を縫合器具900と共に後退することを可能にする。
例えば図19Aから図19Bに示す本発明のいくつかの実施形態では、結び目展開機構若しくは結び目摺動器4030は、ユーザが縫合器具900を上下反対若しくは反転させた構成で挿入する危険性を低減する特徴部を更に備える。いくつかのそのような実施形態では、結び目摺動器4030は、アーム4020を備える連動部4020’等の器具妨害特徴部を備え、アーム4020は、閉鎖構成4020A及び開放構成4020Bを有する。連動アーム4020は、最初に、反転した縫合器具900がカートリッジ[本明細書の上記で開示したカートリッジ4000等]内に前進しないようにする閉鎖構成4020Aにあるように構成される。図19Cに示すように、縫合器具900がその反転した構成で結び目摺動器4030を通してカートリッジ4000内に前進した場合、連動アーム4020等の連動部4020’は、依然としてその閉鎖構成4020Aにあり、縫合器具900がカートリッジ4000内に更に前進するのを防止する。より具体的には、連動部4020’は、縫合器具900の平坦面921と係合するように構成される。縫合器具の平坦面921は、連動アーム4020をその第2の位置若しくは開放位置4020B内に移動可能にするように連動アーム4020と協働しない。したがって、連動アーム4020は、依然としてその閉鎖構成4020Aにあり、反転した縫合器具900の前進を妨げる。更に、連動アーム4020等の連動部4020’は、図19Aに示すように、縫合器具900が右側を上にした構成で配置された状態である、縫合器具900の通常若しくは正常な構成で前進する場合、縫合器具900の前進を可能にするように動作可能である。図19Bに示すように、縫合器具900を結び目摺動器4030に通して更に前進させると、縫合器具900の遠位部分910は、連動アーム4020と係合し、これにより、連動アームをその開放構成4020Bに移動させ、縫合器具900のカートリッジ4000内での更なる前進を可能にする。より具体的には、連動アーム4020は、縫合器具900の傾斜面923と係合するように構成され、連動アーム4020を開放構成4020B内に移動させる。いくつかの実施形態では、連動部4020’等の妨害特徴部は、結び目摺動器4030によって画定される。代替実施形態では、連動部4020’が、結び目摺動器4030ではなく、カートリッジ筐体スリーブ4011’によって画定され、カートリッジ筐体スリーブ4011’の一部を形成するカートリッジ4000が提供される[例えば図21C及び図21Dに示すように]。図21Cに示すそのような一例では、連動アーム4020’は、筐体スリーブ4011’と一体に形成される。代替的に、連動アーム4020’は、例えば図21Dに示すように筐体スリーブ4011’との圧入係合を介して筐体スリーブ4011’に着脱可能に結合することができる。例えば図19A〜図19Cに示す本発明のいくつかの実施形態では、連動アーム4020は、枢動アームを形成する枢動接続部を備える。いくつかのそのような実施形態では、枢動アームは、カートリッジ筐体4010’の外部結び目摺動器4010y等の結び目摺動器4030の一部分と摩擦係合して保持される。枢動アームは、例えば図21Eに示す構成要素5000によって閉鎖構成4020Aを維持するように動作可能である。いくつかの例では、この構成要素は、Oリング等のエラストマ・ガスケットを備えることができる。
図21A(i)〜図21B(ii)に示す他の実施形態では、妨害特徴部は、妨害特徴部弾性部材、即ち連動アーム4020に対する代替実施形態、を画定する。図21A(i)及び図21A(ii)は、代替連動アームをその最初の閉鎖位置4020Aで示す一方で、図21B(i)、図21B(ii)は、代替連動アームをその第2の位置若しくは開放位置4020Bで示す。図示の実施形態では、連動アーム4020等の連動部4020’は、カートリッジ4000内で係止部4040と協働するように構成され、カートリッジ4000は、連動アーム4020をその開放構成4020Bで保持し、連動アーム4020が依然としてその開放構成4020Bにあることを可能にする。このことは、処置中に結び目摺動器4030を縫合器具900に沿って摺動させる際、縫合器具900に接して押圧する連動アーム4020から生じ得る摩擦を低減することができる。いくつかのそのような実施形態では、係止部4040は、弾性摩擦タブ4040’を備える摩擦嵌合機構を備える。弾性タブ4040’を備える係止部4040は、ボタン4020’’を備える連動部4020’を示す図20A及び図20Bに更に示される。ボタン4020’’は、縫合器具900をその正式な構成若しくは右を上にした構成でカートリッジ内に前進させると、図20Aに示すその最初の閉鎖構成4020’’Aから図20Bに示すその第2の開放構成4020’’Bまで移動可能である。次に、ボタン4020’’は、弾性タブ4040’によってその第2の開放位置4020’’Bで保持される。いくつかの実施形態では、ボタン4020’’はばね付勢することができる。
いくつかの実施形態では、結び目摺動器4030は、縫合器具900上に組み付けると、縫合器具のハンドルに解放可能に結合するように動作可能である。結び目摺動器4030は、ハンドルから更に解放可能であり、使用中、器具近位部分910に沿って遠位に摺動し、結び目摺動器4030の周りに組み付けた事前結節結び目を結び目摺動器4030から展開可能にする。いくつかの実施形態では、結び目摺動器4030は、縫合器具900と摺動可能に係合する取付け機構を備える。1つの特定の例では、図22Aに示すように、取付け機構は、尾部フック若しくは結び目摺動器アーム4034を備え、尾部フック若しくは結び目摺動器アーム4034は、縫合器具900の窓965等の縫合器具900の一部分に沿って摺動可能である。そのような一例では、結び目摺動器アーム4034は、(外側摺動器4030y内に保持される)内側摺動器4030x内の溝内に受け入れられ、この溝内で摺動可能であり、溝から延在可能である。結び目摺動器アーム4034は、最初に、図22Aに示すように、その後退構成4034Aにあり、結び目摺動器アーム4034は、結び目摺動器4030内で保持される。結び目摺動器アーム4034は、その延在位置4034B内に移動するように摺動可能であり、図22Cに示すように結び目摺動器4030から出て延在し、窓965の遠位壁965’と係合し、結び目摺動器4030を停止し、結び目摺動器4030が組織受入れ間隙942を越えて位置決めされるようにする。いくつかのそのような実施形態では、図22Dに示すように、結び目摺動器4030は、カバー・アーム4038を備え、摺動可能結び目摺動器アーム4034は、遠位壁965’を係合し、カバー・アーム4038を組織受入れ間隙942を越えて位置決め可能にし、カバー・アーム4038が内側に撓み、縫合器具900の遠位にある事前結節結び目を展開可能にする。図22Eに示すいくつかの例では、尾部フックの遠位部分4034dは、結び目摺動器アーム4034の近位部分4034pよりも比較的薄く、縫合器具900を結び目摺動器4030内に前進させる際、結び目摺動器アーム4034が縫合器具900を邪魔する危険性を最小にするようにする。いくつかのそのような実施形態では、近位部分4034pは、遠位部分4034dよりも広く、結び目摺動器アーム4034と縫合器具900との係合を容易にする。図22Bのいくつかのそのような実施形態では、結び目摺動器4030の内側摺動器は、縫合糸を保管する縫合糸筐体4067’を備える。そのような一例では、縫合糸筐体は、摺動器中心ポスト4067等の結び目摺動器の一部分の周りに巻かれた管を備える。中心ポスト4067は、縫合糸管を保持する溝4067’を画定する。いくつかのそのような実施形態では、管は、TEFLON(登録商標)等のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含む。
図22Fに示すいくつかのそのような実施形態では、本明細書の上記で既に概説したように、結び目摺動器4030は、縫合器具900を中に受け入れるチャンネル4014を画定する。いくつかのそのような実施形態では、結び目摺動器4030の内側摺動器4030xは、チャンネル4014の周りに組み付けた、周方向Oリング等の懸架ばねを備え、結び目摺動器4030の縫合器具900に沿った移動を容易にする。特定の例では、Oリングはシリコーンを含む。Oリングは、縫合器具900の上部及び底部に沿って衝撃吸収をもたらし、縫合器具900をOリングと摺動接触可能にすることで全体摺動力を低減することによって、結び目摺動器4030の摺動を容易にする。したがって、Oリングは、より容易な展開力を可能にし、摺動力を低減し、結び目摺動器4030が、こぶに対しより耐性があって、こぶにそれほど影響を受けないように移動することを更に可能にする。
したがって、例5は、上記した特徴部及び/若しくはこれまで述べていない更なる特徴部に対する様々な代替形態を含み、これらには、限定はしないが、マガジン、例えば揺動器の移動、座及び/若しくは揺動器の位置合わせ、縫合糸が装填されていないときの逆戻り防止特徴部、揺動器のプッシュ・ロッド・ハブへの結合、縫合糸の縫合器具上への装填若しくは移送を表示する表示器、縫合器具が適合しない向きで挿入されるのを防止する連動部、及び結び目摺動器に関連する特徴部を含む。
例6
本発明の更なる実施形態では、例えば図23Aに示すように、縫合糸を縫合器具900上に装填する筐体6010’を有するカートリッジ6000が設けられ、筐体6010’は、例えばデバイス近位部分910内に保持される針等の縫合糸通し部材を備える。カートリッジ6000は、縫合糸端部を保持する座6022を画定するマガジン6041を備える。座6022は、縫合糸端部を越えて針等の縫合糸通し部材を前進させ、縫合糸端部を捕捉可能にするように構造化、構成される。図23B(i)及び図23B(ii)に示すいくつかの実施形態では、マガジン6041は、図23C(i)及び図23C(ii)に示すように第1の位置6041Aからその第2の位置6041Bに移動可能であり、座6022を縫合器具900の組織受入れ間隙942内に位置合わせするようにする。座6022は、移動されデバイス近位部分910内に保持される縫合糸通し部材と位置合わせ可能にする。図示の特定の例では、座6022は、側方に移動可能であり、マガジン6041は、座6022を移動させて縫合糸通し部材と位置合わせするように枢動可能である。したがって、マガジン6041は、カートリッジ6000内に縫合器具を挿入した後、座6022と縫合糸通し部材とを位置合わせする位置合わせ特徴部を画定する。図示の特定の例では、縫合器具がカートリッジ6000内に前進するにつれて、縫合器具900の遠位先端920は、座連動部6044を移動させ、座連動部6044は、例えば、縫合器具900をカートリッジ6000内に挿入前に座6022の移動を防止するピンを備える[図23B(i)、図23B(ii)]。より詳細には、縫合器具900が前進するにつれて、縫合器具の遠位部分920は、座連動部6044を遠位に移動し、これによりマガジン6041を解放し、マガジン6041をその第2の位置6041B内に枢動させる[図23C(i)、図23C(ii)]。したがって、座連動部6044は、縫合器具900をカートリッジ6000内に前進させると自動的に分離するように構成され、座連動部6044が分離すると、座6022が自動的に縫合糸通し部材と位置合わせすることを可能にする。図23Dに示すいくつかのそのような実施形態では、座6022は、座遮断部6024を備え、座遮断部6024は、図23Dに示すように、縫合糸端部502を摩擦係合で中に保持する座空洞6022’を画定する。座は、縫合器具をカートリッジ内に前進させる際に縫合糸端部502を保持する、座空洞6022’に隣接する座ポスト6026を備える。座遮断部6024は、図23Eに示すように、例えば縫合器具900のトリガの部分作動により、針930’が前進する際、針930’等の縫合糸通し部材から離して移動するように動作可能であり、針930’による縫合糸端部の捕捉を可能にする。座ポスト6026は、図23Eに示すように、座遮断部6024が移動する際、縫合糸端部502が遠位に移動しないようにすることによって、縫合糸端部502を適所で保持するように機能する。
いくつかのそのような実施形態では、図23Dに示すように、座6022は、座空洞6022’に隣接する、縫合糸通し部材930’を受け入れる凹部6028を画定する。いくつかのそのような例では、凹部6028は、針930’等の縫合糸通し部材の傾斜面と当接するように構成した傾斜面を画定する。次に、針930’が後退すると、針の中に保持する縫合糸端部502は針930’と共にデバイス近位部分910内に移動する。図23Gに示すように、次に、縫合器具900が後退し、縫合器具900の遠位部分920は、マガジンの傾斜部6045と相互作用し、マガジンをその第1の位置6041A内に移動させ、縫合器具900を後退可能にする。いくつかのそのような実施形態では、カートリッジは、図12A〜図12Fで説明した位置合わせ機構を備えることができる。
いくつかの実施形態では、座6022及びカートリッジ筐体のうち1つ若しくは複数は、ABS等の医療グレードのポリマーを含む。代替的に、カートリッジは、医療グレードの金属を含む。一例では、座6022は、ステンレス鋼等の金属を含む。
図24A(i)、図24A(ii)に示す本発明の代替実施形態では、カートリッジ700oは、2つのアーム7041、7042を備える枢動マガジン7021を備え、アームの一方7042は、座7022を画定する。図24A(i)に示すように、器具をカートリッジ7000内に挿入すると、器具は、揺動アーム7042の邪魔にならないようにアーム7041を縫合器具900の組織受入れ間隙内に推進し、図24A(ii)に示すように、座7022と縫合器具900とを位置合わせする。同様に、図24B(i)、図24B(ii)は、枢動マガジン7021を有するカートリッジ7000を示す。図24B(iii)を参照すると、カートリッジ7000は、遠位に移動可能である外側スリーブ7000’を更に備え、傾斜部7001は、座7022を推進して組織受入れ間隙942内で座7022を枢動させる。外側スリーブ7000’を近位に引っ張ると、傾斜部7002は、アーム7041を係合し、マガジン7021を枢動させ、組織受入れ間隙942の邪魔にならないように座7022を移動する。図24C(i)、(ii)示す更なる実施形態では、座8022を組織受入れ間隙942内に移動するように移動可能であるカム8041を備えるカートリッジが提供される。
したがって、例6は、上記で説明した特徴部及び/若しくはこれまで述べていない更なる特徴部に対する様々な代替形態を含み、これらには、限定はしないが、マガジンの移動、座及び/若しくはマガジンの位置合わせ、具体的には座と縫合器具の組織受入れ間隙とを位置合わせするマガジンの移動を可能にする機構、及び縫合器具の縫合糸通し部材が縫合糸端部を捕捉可能にするように構成されるカートリッジの更なる1つ若しくは複数の実施形態を含む。
縫合糸を外科縫合器具若しくは縫合糸通し器内に装填する本発明のいくつかの実施形態によれば、例3及び例4に関して本明細書の上記で概説したように、2つの事象若しくは機能が典型的には生じる:(1)カートリッジ内に保持した縫合糸部分と外科縫合器具若しくは縫合糸通し器内の縫合糸受入れ特徴部との位置合わせ、及び(2)縫合糸部分の縫合器具若しくは縫合糸通し器内の縫合糸受入れ特徴部への挿入若しくは移送。
本発明のいくつかの実施形態では、完全に自動化されたカートリッジ構成が提供され、このカートリッジ構成は、単一の「ポンプ動作」ユーザ・ステップを必要とする一方で、縫合糸を縫合器具上に装填する全ての機械的事象を完了する。そのような一例では、縫合糸を装填するための縫合糸通し器トリガを作動させるユーザ・ステップを必要としないことがある。
更に、縫合糸カートリッジ・デバイスは、事前結節結び目、及び縫合糸脚部を保管する統合された特徴部を含み、これにより、縫合糸の取り扱いに必要なユーザの注意を低減することができ、既存のデバイスで必要とする複雑な結び目結節ステップをなくすのに役立ち得る。いくつかのそのような実施形態では、事前結節結び目及び縫合糸の保管部を含む着脱可能結び目摺動器を収容するカートリッジ構成が提供される。
いくつかの実施形態では、カートリッジは、縫合糸通し器シャフトをカートリッジ内に挿入する際、縫合糸通し器シャフトから外して縫合糸を固着する側部スロットを有する。
いくつかのそのような実施形態では、カートリッジは、カートリッジ基部、座、縫合糸係止部、連動部及び他の機械的構成要素のために、ABS等の医療グレードのプラスチック/金属構成要素から構造化することができる。いくつかの実施形態では、座にはステンレス鋼を、縫合糸を保持するOリングにはシリコーンを利用することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ内に収容される縫合糸は、ポリエチレンを含むことができる。
更に、本明細書で概説する本発明の実施形態は、以下の度合いで縫合糸端部を位置決め若しくは拘束することを可能にし、位置合わせを生じさせ、縫合糸を縫合器具上に装填可能にする。縫合糸部分は、縫合糸の位置がX軸(横方向)、Y軸(垂直又は上下方向)、Z軸(直線また長手方向)並びにY回転軸及びZ回転軸に沿って維持されるように位置決めされる。更に、位置合わせ機構の詳細を本明細書の以下で提供する。
本発明のいくつかの実施形態では、縫合糸と縫合糸通し器の縫合糸受入れ特徴部(縫合糸通し部材内の縫合糸受入れ通路等)とを位置合わせするために、座を画定するマガジンを設け、このマガジンは、縫合糸通し器と機械的に連動するように動作可能であり、縫合糸カートリッジが縫合糸通し器を越えて挿入され押圧されると、マガジン、したがって座は、下に回転するように構成され、座内の縫合糸部分を縫合糸通し器と位置合わせする。いくつかのそのような実施形態では、座を画定するマガジンは、縫合糸通し器上に捕らえられ、縫合糸部分をX軸及びY軸で位置合わせし、縫合糸のX回転及びY回転を拘束する。更に、座は、縫合糸通し器と対合し、縫合糸通し器まで推進され、縫合糸をZ軸で位置合わせする。
いくつかの実施形態では、例3及び例4で概説したように、マガジンは、縫合糸を側部に保持/係止し縫合糸と縫合糸スロットとを縫合糸通し器シャフト内で位置合わせする特徴部を備える。例3及び例4にて上記で概説したいくつかの実施形態では、カートリッジ基部連動部は、ユーザが押すボタンの形態で設けられ、カートリッジ基部の移動を可能にする。更に、いくつかの実施形態は、縫合糸係止部を提供し、縫合糸係止部を使用して、縫合糸は、特定の時間でユーザが手動で係止解除する。
例3及び例4を参照しながら本明細書の上記で説明したいくつかの実施形態では、本発明の実施形態は、座を画定するマガジンを備える位置合わせ機構を提供し、マガジンは、上部から所定の場所に自動的に枢動し、縫合糸と縫合糸通し器とを位置合わせする。マガジンは、縫合糸通し器と機械的に連動され、座を画定するマガジンを収容するカートリッジが縫合糸通し器上に挿入されると、縫合糸通し器の形状部がマガジン上の傾斜部を押圧し、マガジン、したがってマガジンによって画定される座を所定の場所に枢動させる。そのような一例では、座は、例3及び例4にて本明細書の上記で更に詳述したように揺動器の一部である。
いくつかの実施形態では、縫合糸を装填する(そうでない場合には縫合糸を単なる直線である座の位置合わせを制限する)部位の周囲に縫合糸通し器が複雑な特徴部を有する場合、枢動揺動器を使用する座の位置合わせが有利である。同様に、自動機構が所望される(座の位置合わせにユーザの相互作用を所望しない)場合、揺動器は有利である。このことは、一般に、軸に沿った所望の変位による摺動部よりも、弓部上での所望の変位による枢動部の移動が容易であり得るためである(このことは、摩擦/結合の低減、及び枢動システムで得られる機械的利点の増大による)。
いくつかの実施形態では、座は、座が管状部材によって画定される(座は、部材若しくは突出部を画定する)ように構成され、管状部材は、揺動器等のマガジン本体から外に延在し、縫合糸通し器上の穴内に受け入れ可能であり、縫合糸を中に装填する縫合糸通し器の特徴部(針等の縫合糸通し部材等)に突き当たる。縫合糸通し器の穴内に延在する突出部は、穴の内側壁との締り嵌め部有し、縫合糸を受け入れる縫合糸通し器の特徴部に対し繰り返し可能な公差区域内で座/縫合糸を位置合わせする。この締り嵌め部があると、公差の積重ねによる位置合わせ不良を低減することができる。
いくつかの実施形態では、マガジンは、マガジン、したがってマガジンによって画定される座が、縫合糸通し器の対応する特徴部と完全に位置合わせするように構成され、形状が閉塞を起こり得なくするために機構が決して閉塞することがないようにする。
いくつかの実施形態では、マガジンは、マガジンが基準特徴部と共に縫合糸通し器上に締り嵌め部を有するように構成され、部材若しくは突出部を画定する座を、繰り返し可能な公差範囲内で、縫合糸通し器上の針等の縫合糸通し部材を収容する穴に対して確実に位置合わせする。この締り嵌め部があると、公差の積重ねによる位置合わせ不良を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、代替座が提供され、この座は、針の外径との締り嵌め部を有する空洞を含む。前述のように、次に、出荷の間、針は「アウト」位置で保持され、針を掛けるカム係止部等の係止部、若しくはトリガをわずかに押下して保持するトリガ係止部を有する。手動バージョンでは、ユーザは、縫合糸を引っ張る前にトリガを押圧し、針を外に出して座空洞内に入れる必要がある。いくつかのそのような実施形態では、「ニードルアウト」構成を有すると、「ニードルイン」構成と比較して公差の積重ねによる位置合わせ不良を低減することができる。
本発明の更なる実施形態では、上部枢動マガジンの代替として、本発明のいくつかの実施形態は、側部から内側に枢動する座を提供する。代替的に、側部(複数可)若しくは上部から摺動する座を提供することができる。更に、自動位置合わせ座ではなく、特定の時間でユーザによって所定位置に推進され、座を所定位置に推進するマガジンを提供することができる。更に、マガジンが上記した揺動器を備えるいくつかの実施形態では、ボタンを押圧して揺動器を回転可能にすることができる。
本発明のいくつかの実施形態では、位置合わせ特徴部は、上記で概説した移動可能な座を備える。いくつかのそのような実施形態では、座は基部に対して移動可能である。他の実施形態では、座は、カートリッジの筐体によって画定される室に対して移動可能である。そのような実施形態では、座は、(縫合器具をカートリッジ内に前進させる際に)自動的に移動可能であってもよい。
代替実施形態では、縫合糸を位置合わせし、移送する完全自動機構が提供される。他の実施形態では、より単純化した機械的設計を提供することができ、縫合糸の装填のためにユーザが実施する必要のあるステップの数を低減する。いくつかの実施形態では、機械的設計は、縫合糸の装填のためにユーザが実施する必要のある1つ若しくは複数のステップを提供する。
例4を参照する代替実施形態では、ボタンの形態のプッシュ・ロッド連動部を提供することができ、ボタンは、ユーザが押圧し、プッシュ・ロッドを移動させ縫合糸端部を縫合器具内に推進可能にする。
例4を参照しながら本明細書で説明したいくつかの実施形態では、実施形態は、結び目摺動器の自動分離を実現する。代替実施形態では、結び目摺動器は、特定の時間でユーザがカートリッジ基部から手動で分離することができる。いくつかのそのような実施形態では、視覚表示器窓を設けることができ、視覚表示器窓は、縫合糸が装填されたとき、及び縫合糸結び目摺動器が解放できるときをユーザに示す。いくつかの実施形態では、次に例3を参照して、視覚表示器窓の形態の同様の機構を設けることができ、視覚表示器窓は、縫合糸が装填されたとき、及び縫合糸結び目摺動器が解放できるときをユーザに示す。
本発明のいくつかの実施形態では、縫合糸が縫合糸通し部材内に装填されたときに関する表示を与える、更なる手段をもたらすカートリッジが提供される。いくつかのそのような実施形態では、座内の連動部、即ち座連動部を提供することができ、座連動部は、縫合糸が座を離れたときを感知する。代替的に、カートリッジは、透明で内部が見える構成要素を提供することができ、ユーザが、縫合糸が装填されたときを物理的に見ることができるようにする。更に、また更なる代替形態では、縫合糸が装填されたときを検出する光学センサを提供することができる。
例4を参照するまたいくつかの更なる実施形態では、結び目摺動器上の摺動尾部フックではなく、固定尾部フックを設けることができる。
限定はしないが例2、例3及び例4を含む本明細書の上記で提供した様々な例を再度参照すると、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合器具をカートリッジに挿入しカートリッジから引き抜くための経路を画定し、カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持する座;及びカートリッジに挿入した縫合器具の経路から外して座を移動させる移動機構を備え、カートリッジから縫合器具を引き抜くことを可能にする。したがって、そのような実施形態は、縫合糸の装填後、縫合器具の通り道から外して座を移動させるように動作可能であるカートリッジを提供し、縫合器具を引き抜くことができるようにする。いくつかのそのような実施形態では、座は、縫合器具の一部分と位置合わせするように移動可能であり、縫合糸の装填を可能にし、座は、座が縫合器具の経路を遮らない第1の状態と、座を移動させ、上記した組織受入れ間隙等の縫合器具の一部分と位置合わせさせ、縫合糸部分を縫合器具上に装填可能にする第2の状態と、座を縫合器具の経路から外して移動させ、実質的に遮らずに縫合器具をカートリッジから引き抜くことを可能にする第3の状態との間を移動可能である。
本明細書の上記で説明したように、カートリッジのいくつかの実施形態は、座を備えるマガジンを含む。いくつかのそのような実施形態では、様々な状態の間のマガジン、したがって座の移動は、回転機構(マガジンが揺動器を備える例9及び例10等における)により達成することができるか、若しくは移動は、例えば例2にて上記で説明したばね付勢機構等の直線機構により達成することができる。
本発明の広範な実施形態によれば、縫合糸を外科縫合器具上に装填する方法が提供され、縫合糸は、縫合糸ループを備え、縫合糸端部で終端する。方法は、縫合糸ループを外科縫合器具上に組み付け、縫合器具を縫合糸ループに通して配置することを伴う。縫合糸端部は、縫合糸通し部材の縫合糸受入れ通路と位置合わせされ、縫合糸端部は、縫合糸通し部材の縫合糸受入れ通路に移送される。縫合糸を位置合わせするステップは、縫合器具を縫合糸端部に対して拘束することを伴うことができる。縫合糸端部は、縫合糸端部を縫合糸通し部材に対して移動することによって位置合わせすることができる。いくつかの例では、縫合糸端部を位置合わせするステップは、縫合糸通し部材を縫合糸端部に対して移動させることを伴うことができる。いくつかの実施形態では、縫合糸を縫合器具上に装填する方法は、カートリッジ等の縫合糸装填装置を使用して実施される。カートリッジは、縫合糸ループを外科器具上に組み付け、縫合糸端部と縫合糸通し部材の縫合糸受入れ通路とを位置合わせするために使用することができる。
本発明の一般的な実施形態では、椎間板内を縫合する方法が提供される。方法は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジの使用、次に、縫合糸を椎間板内に送達する外科縫合器具の使用を伴う。いくつかの実施形態では、カートリッジは、例えば医師によって、縫合器具を患者体内に使用する直前に、使用時点で縫合糸を装填するために使用される。方法の特定の例では、縫合器具は、縫合糸を使用して、椎間板内で欠損を囲繞し欠損に接近する組織領域内に縫合糸を通す若しくは挿入するために使用される。本例の例では、欠損への接近は、欠損への360度の接近を実現するために、縫合糸の使用による、欠損周囲でのループの形成を伴う。縫合糸を使用して欠損に接近した後、結び目等の縫合糸を椎間板内に固着する手段を提供する。いくつかの実施形態では、結び目は、事前結節結び目を備え、欠損に接近するステップの後、展開される。特定の例では、カートリッジは、事前結節結び目を備える。
いくつかの実施形態では、縫合糸を縫合器具上に装填する方法は、カートリッジ等の縫合糸装填装置を使用して実施される。より具体的には、次に図1A〜図1Fを参照する、縫合糸500を縫合器具900上に装填するカートリッジ100が提供される。縫合糸500は、サービス・ループ501内に開口する縫合糸ループ若しくは事前結節結び目502を備え、サービス・ループ501は、座122内に保持される縫合糸端部504で終端するタグ・ループ507を備える。次に図1Fを参照すると、縫合器具900の遠位先端920が、室10内のチャンネル14を通して筐体10’に挿入され、遠位先端920が、筐体10’上に組み付けた縫合糸ループ若しくは事前結節結び目502を通して配置されるようにする。次に、縫合器具900の遠位先端920は、チャンネル14に通して、チャンネル14を越えて遠位に前進し、筐体10’が次に縫合器具の近位部分若しくはシャフト910上に組み付けられるようにする。基部120は可撓性管152を介して筐体10’に柔軟に結合されるため、カートリッジ基部120を側部に、通り道から外して(縫合器具900の長手方向軸から離して)配置可能にし、縫合器具900を前進可能にする。可撓性管152は、屈曲し、外科縫合器具900が筐体10’を通して前進する際、カートリッジ基部120を外科縫合器具900の経路の側部から離しておくことを可能にする。縫合器具900は、遠位先端920及び首部分940並びに組織受入れ間隙942が筐体10’に対し遠位に配置されるように配置される。
次に、カートリッジ基部120は、縫合器具900の長手方向軸に向かって戻り、外科縫合器具900内に衝突する。図1A〜図1Fに示す例では、抑制部25は、縫合器具900の形状と対応する係止凹部125を備える。具体的には、係止凹部125は、首部分940、並びに縫合器具900の近位部分910及び遠位部分920の一区分を収容するように成形した凹部である。図1Fを再度参照すると、次に、カートリッジ基部120は、縫合器具900にスナップ留めされる。縫合器具900は、係止凹部125内に受け入れられ、基部120が係止凹部125の周りに圧入されるようにする。係止凹部125は、縫合器具を抑制するように機能し、座122、したがって座122内に保持される縫合糸端部504と、縫合器具900の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを助ける。
既に概説したように、カートリッジ基部120は、座122に隣接する位置合わせ凹部130を更に備え、座122と縫合器具900の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを更に支援する。位置合わせ凹部130は、針930’等の縫合糸通し部材930を受け入れるように寸法決定される。係止凹部125によって縫合器具900の移動を抑制若しくは制限した後、針930’は、(例えばトリガの作動により)位置合わせ凹部130内に前進し、針930’が座122に隣接して位置決めされるようにする。
前述のように、縫合糸は、図1Bに示すように、座122と連通する基部スロット128を通して送られる。縫合器具900を(図1Fに示す位置で)係止凹部125内に挿入した後、基部スロット128は、器具近位部分910内の長手方向開口928、及び針930’内のスリット938と位置合わせされる。次に、カートリッジ100を出た縫合糸タグ・ループ507は、タグ・ループ507を強く引くことによって(近位に)引っ張られ、縫合糸端部504を座122から引き込み、縫合糸通し部材930の縫合糸受入れ通路932と位置合わせされ、縫合糸端部504を縫合糸受入れ通路932内に配置する。タグ・ループ507が引っ張られると、縫合糸保持ピン165は、タグ・ループ507の一部分を保持し、サービス・ループ501が縫合糸糸巻き160から引き抜かれないようにする。次に、縫合糸保持構成要素165を取り外すことができ、縫合糸500を解放する。トリガを作動させて針930’を凹部内に前進させる1つの特定の例では、トリガは、この時点で解放することができる。縫合糸端部504が縫合器具900に装填されると、カートリッジ筐体10’は、器具近位部分若しくはシャフト910に沿って、例えば縫合器具900のハンドルがシャフト910に結合するまで近位に前進する。筐体10’を近位に前進させると、可撓性管152は、筐体10’から外れ、基部120を筐体10’から分離する。カートリッジ基部120は、外科縫合器具900からカートリッジ基部120のスナップを外すことによって縫合器具から取り外すことができる。より具体的には、縫合器具900は、基部120の係止凹部125から分離される。
次に、縫合器具900を使用して縫合糸500を組織領域、例えば患者体内の椎間板内に通し、縫合糸をこの組織領域に当てて、例えば椎間板内の欠損部を閉鎖する。縫合糸500を椎間板に通すと、次に、縫合器具900は、縫合糸糸巻き160等の縫合糸保管部内に保持された縫合糸500が繰り出されるように引っ張られる。次に、縫合糸500内の張力が筐体10’を器具近位部分若しくはシャフト910から分離させ、筐体10’を縫合器具900に沿って遠位に摺動させ、事前結節結び目502を椎間板内で展開可能にし、椎間板を通る縫合糸500を固着する。
カートリッジ基部220は、外科器具から取外し、廃棄することができる。
本発明の代替実施形態によれば、図2A〜図2Cに示すように、カートリッジ400の使用により、縫合糸500を縫合器具900上に装填する方法が提供される。カートリッジは、基部420に着脱可能に結合される筐体10’(例えば既に説明した種類のもの)を備える。カートリッジは、器具900を筐体10’に通し、次にカートリッジ基部420内の器具受入れ凹部425’に通して前進させることによって、縫合器具900上に装填され、ばねを組み付けたマガジン421(若しくは連動部42)は、図4Bに示すように、最初に、その第1の位置若しくは最初の位置421Aに位置決めされる。いくつかの実施形態では、カートリッジ400は、基部に対して縫合器具900の一部分を軸方向に受け入れ(言い換えれば、軸方向の前進を可能にする)、縫合糸を縫合器具900上に装填するようにする。言い換えれば、カートリッジ400は、外科器具900をカートリッジ400に通して軸方向に受け入れ可能にすることによって、縫合糸の外科器具900上への装填を可能にする。例えば、縫合器具900をカートリッジ400内で遠位に前進させることができるか、若しくはカートリッジ400を縫合器具に沿って近位に移動させることができる。一例では、カートリッジ400を使用して、縫合器具900’を先取り装填する方法を提供する。
特定の例では、図2Cに示すように、器具900をカートリッジ基部420に通して前進させると、遠位先端920の先細区分が、連動部421’のランプ若しくは傾き部923を係合し、自動的にマガジン421(したがって座422)を下方に移動させ、縫合器具900の組織受入れ間隙942内に入れ、座422(及び座422内に保持される縫合糸端部504)と縫合糸受入れ通路932とを位置合わせする。ばねを組み付けたマガジン421(若しくは連動部421’)は、ここでその第2の位置421Bに位置決めされる。マガジン421の組織受入れ間隙942内への移動、及び縫合器具900の遠位へのマガジン421を通る前進は、縫合器具900をカートリッジ400に対して係止若しくは拘束する拘束特徴部として更に機能する。いくつかの実施形態では、縫合器具900は、縫合器具900が停止するまでカートリッジ400内に摺動される。
更に、縫合器具900の遠位への前進の間にマガジン421が下方に移動すると、突出部430は、シャフト910内に移動し、突出部430の傾斜部434が針傾斜部934と当接するようにする。このことは、座422(及び座チャンネル424内に解放可能に保持される縫合糸端部504)と縫合器具900の縫合糸受入れ通路932との位置合わせを助ける。したがって、マガジン321(図2C)は、カートリッジ基部420と器具900との間で相対的に移動すると、その第2の位置内に自動的に移動し、座422と縫合糸通し部材930とを位置合わせする。いくつかの実施形態では、筐体10’は、筐体10’が器具ハンドルに当接するまでシャフト910に沿って近位に前進することができ、基部420を筐体910’から分離させる。次に、基部420を縫合器具900から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、基部420は、器具900を近位に引き抜き、マガジン421がその最初の位置421A内に移動すると、自動的に外すことができる。筐体10’上の事前結節結び目502は、カートリッジ実施形態100、200で既に説明したように展開することができる。
本明細書の上記で概説した本発明の一般的な実施形態は、例えば図3A〜図3Oを参照して本明細書で既に説明した種類の縫合器具900の軸方向の装填を可能にするカートリッジ1000を提供する。縫合器具900は、特に、器具900が器具遠位部分920を画定し、器具近位部分910が組織受入れ間隙942を間に画定し、縫合糸と共に装填される縫合糸通し部材930が器具近位部分910内に保持される場合、困難をもたらす。
したがって、縫合器具900の軸方向の装填を可能にするために、カートリッジ1000は、縫合糸を縫合器具900を前進させる通り道から外して留めることを可能にすることによって、縫合糸と縫合糸通し部材930とを位置合わせする手段を備え、妨害なく器具遠位部分920を前進することを可能にする。したがって、縫合糸は、器具遠位部分920が縫合糸を越えて前進されるまで、縫合器具900の通り道から外して保持され、次に、縫合糸を組織受入れ間隙942内に移動可能にし、その後、縫合糸とを位置合わせし、縫合糸を縫合糸通し部材930内に移送する。
本発明の一実施形態によれば、次に図4Aを参照すると、例えば使用時点で、縫合糸500の外科縫合器具900上への装填を容易にするカートリッジ1000の使用方法が開示される。いくつかの実施形態では、揺動器1041によって画定されるもの等の枢動座1022は、組織受入れ間隙942が揺動器空洞1027’内に位置決めされるまで、揺動器1041を縫合器具900の前進する経路から外して留めることを可能にすることによって、軸方向の装填を容易にする。縫合器具900が所定の位置にあると、カートリッジ1000は、揺動器1041を下に枢動可能にして組織受入れ間隙942に入れ、座1022が針930’等の縫合糸通し部材930に隣接し、これと位置合わせされるようにする。
図4Aに示すように、縫合器具900をカートリッジ1000内に最初に配置する方法を提供する。次に、縫合器具900は、カートリッジ1000を通して軸方向に通され、縫合器具900の先取り装填を可能にする。より具体的には、図4A及び図3Cを参照すると、縫合器具900は、筐体1010’内の開口1016に挿入され、傾斜内部縁部1016’によってカートリッジ筐体1010’のチャンネル1014内に案内され、遠位に前進する。上記で概説したように、チャンネル1014は、筐体1010’を通して長手方向に延在し、基部1020内に形成された基部凹部1025と連通し、抑制部25を形成する。したがって、縫合器具900をカートリッジ1000に通して前進させると、縫合器具900は、チャンネル1014から凹部1025の器具受入れ溝1025a内に延在し、器具受入れ溝1025aは、チャンネル1014と連通する。抑制部25は、縫合器具900の横方向(即ち上下)及び側部方向並びに抑制部25によって画定した長手方向経路に沿った移動を抑制若しくは制限する。抑制部25は、縫合器具900が中で摺動係合して前進するのを可能にし、座1022の最終位置と一列である経路に沿った縫合器具900の位置を維持し、座1022との位置合わせを容易にし、縫合糸の縫合器具の一部分内への移送を可能にする。次に、縫合器具900は、縫合器具900の遠位部分若しくは端部920が基部1020の凹部1025aを出るように更に前進する。より具体的には、図4Aに示す図示の実施形態では、縫合器具900が前進すると、縫合糸は、縫合糸が揺動器1041の遠位溝部分1048内に受け入れられるまで、基部1020の器具受入れ溝1025aを通り[図3Eに示す]基部1020の揺動器凹部1027に入る。したがって、縫合器具900は、縫合糸溝1025b内に保持される縫合糸500に隣接して位置決めされる[図3Dにも示す]。既に概説したように、縫合糸500は、カートリッジ1000内で保持され、縫合糸端部504が座1022内で保持されるようにし、縫合糸500は、座1022から出て枢動凹部若しくは空洞1027に入り、基部凹部1025の縫合糸溝1025bに沿って送られる。
図4Aを再度参照すると、縫合器具900の遠位部分920は、揺動器溝1044の遠位溝部分1048内に最初に受け入れられ、揺動器1041は、その最初の位置若しくは第1の位置1041Aにある。図4Bに示すように、縫合器具900を前進させると、次に、遠位先端920の遠位表面は、遠位溝部分1048の後壁に沿って溝1044の傾斜表面1043と接触、係合する。器具遠位先端は、図4C(i)、図4C(ii)及び図4C(iii)に示すように、傾斜面1043を係合し、揺動器1041をその第1の位置からその第2の位置1041Bに移動可能にする力を傾斜面1043に対して及ぼす。より具体的には、縫合器具900の遠位部分920は、揺動器1041が揺動器凹部1027内の場所から分離可能にするのに十分な力により前進し、揺動器凹部1027では、揺動器1041は、図4Aに示すように、例えば摩擦係合若しくはタブによってその最初の位置1041Aで適所に保持される。
図4C(i)、図4C(ii)、図4C(iii)を参照すると、揺動器1041を係合から解放すると、揺動器1041は下に枢動し始める。揺動器1041が適所で枢動すると、縫合器具900の近位部分910は、近位溝部分1046内に受け入れられる。揺動器1041の枢動移動は、揺動器1041が下に枢動して組織受入れ間隙942に入る前に、遠位端部920が揺動器1041の座1022を越えて前進可能であることによって、縫合器具900を軸方向に装填可能にし、ここで、座1022が縫合器具900の組織受入れ間隙942内に配置されるようにする。図4Dに示すように、次に、外科縫合器具900は、針930’等の縫合糸通し部材930が座1022と当接接触するまで、引き続き基部1020内に前進する。針930’が突出部1030に当接すると、突出部1030は、カートリッジ1000に対する、カートリッジ1000内での縫合器具900の移動を休止する。より詳細には、図4Dに示し、上記で図3Mを参照したように、針930’の傾斜面934は、座1022を画定する突出部1030の傾斜面1034と当接接触し、針スロット938及びシャフト・スロット928[針930’、及び座1022を形成する突出部1030の背後]は、座スロット1028と一列であり、座スロット1028に隣接する。シャフト・スロット928及び針スロット938は、既に説明した図1D及び図1Eで見える。
本発明のいくつかの実施形態では、縫合糸404と縫合器具900の縫合糸受入れ特徴部(縫合糸通し部材930内の縫合糸受入れ通路932等)とを位置合わせするために、揺動器1041の形態のマガジンを設け、このマガジンは、縫合器具と機械的に連動するように動作可能であり、縫合糸カートリッジが縫合器具を越えて挿入され押圧されると、揺動器1041は、下に回転するように構成され、縫合糸端部504と縫合器具とを位置合わせする。いくつかのそのような実施形態では、揺動器1041は、縫合器具900上に捕らえられ、縫合糸端部504をX軸(側方)及びY軸(横方向/垂直若しくは上下方向)で位置合わせし、縫合糸端部の回転をX及びY回転方向で拘束する。更に、揺動器1041は、縫合器具900と対合し、縫合器具900まで近位に推進され、縫合糸をZ軸(直線若しくは長手方向)で位置合わせする。
既に概説したように、この時点まで、連動部1050はその最初の係止位置1050Aに留まり、係止位置1050Aは、図5A及び図5Cに示すように、基部1020が筐体1010’に結合されたままであることを保証する。図5Bに更に示すように、この位置では、連動アーム1056は、基部の係止アーム1026に隣接して軸方向に位置決めされ、基部1020の筐体1010’に対する移動を防止する。したがって、基部1020の係止アーム1026は、連動アーム1056と係合状態である。しかし、座1022、したがって縫合糸端部504が針930’と位置合わせされると、カートリッジ1000は、筐体1010’の使用により、縫合糸端部504を針930’内へ直接移送することを可能にする。言い換えれば、座1022は、針930’の傾斜面934と位置合わせし、傾斜面934に隣接し、次に、座1022内部に強制嵌合して保持される縫合糸端部は、針930’内に移送することができる(図3M及び図4D)。図6A及び図6Bに示すように、次に、連動部1050は、その係止位置1050Aからその係止解除位置1050Bに移動し、筐体1010’[筐体1010’は、本明細書で既に説明した縫合糸移送構成要素1011を画定する]を基部から分離し、縫合糸を縫合器具900上に移送する。より具体的には、図7Aに示すように、筐体1010’及びしたがって筐体1010’によって画定される縫合糸移送構成要素1011は、基部1020から切り離され、筐体1010’を引き戻すことを可能にし、縫合糸端部504は、針930’内に移送されるようにする。切り離した基部1020は、図示のようにその後、取り外すことができる。したがって、本実施形態のカートリッジ1000は、カートリッジ1000から縫合糸通し器具900内に縫合糸を独立して移送することを可能にする。一部事前結節結び目を形成する縫合糸ループを筐体1010’の周りに組み付けることができる更なる実施形態では、筐体1010’は、一部事前結節結び目の縫合器具900上への装填を更に実現する。
いくつかの実施形態では、縫合糸端部504が針内に装填されると、次に、筐体1010’を取り外すことができる。筐体が一部事前結節結び目を備える及び/若しくは余分な縫合糸を筐体内、例えば糸巻き内に保持する他の実施形態では、筐体1010’は、器具近位部分910上に組み付けたままにし、一部事前結節結び目若しくは余分な縫合糸を縫合器具900上に保持することができる。図7A〜図7Eに示す実施形態では、縫合糸係止部1060を分離し、縫合糸端部504を縫合器具900上に装填した後、筐体1010’、したがって筐体1010’により画定される縫合糸移送構成要素1011を縫合器具900と共に分離可能にすることができる。図7A〜図7B、図7Eは、係止部をその最初の係止構成1060Aで示す。本明細書の上記で説明したように、最初の係止構成1060Aでは、縫合糸500は、筐体1010’の縫合糸係止係合構成要素1062を通して送られ、縫合糸係止部1060は、縫合糸係止係合構成要素1062内に圧入され、それにより、縫合糸500は、縫合糸係止部1060の歯1064と縫合糸係止係合構成要素1062の対応する歯1064’との間で押圧され、したがって、縫合糸500は、筐体1010’に結合される。係止部1060を解放するためには、係止部は、図7D及び図7Fに示すようにその第2の位置1060Bに移動し、互いの係合を外して歯1064、1064’を移動させ、中に保持する縫合糸を解放する。次に、筐体1010’及びしたがって縫合糸移送構成要素1011を縫合器具900から取り外すことができる。
したがって、本発明の実施形態は、縫合糸を本明細書で説明する種類の縫合糸通し器具(縫合器具900等)内に装填する手段を備えるカートリッジ1000を提供し、縫合糸通し器具は、組織受入れ間隙942を間に画定する器具近位部分910及び器具遠位端部920を有する。現在の実施形態は、縫合糸500をカートリッジ1000内に前進させ、器具遠位端部920との係合後、揺動器1041を組織受入れ間隙内で枢動可能にすることによって、縫合糸500(例えば縫合糸500の端部504)の自動位置合わせを更に容易にする。
したがって、例3にて本明細書の上記で説明した一般的な概要の観点では、カートリッジ内で保持される縫合糸部分の挿入を容易にするために、縫合糸部分の位置合わせを行わなければならず、3つの基本的な機械的事象、(i)縫合糸通し器に対し一方向で[例えば近位に]縫合糸上に加えられる力、(ii)縫合糸と縫合糸通し器との間の同じ方向における相対移動、(iii)縫合糸と座との間の反対方向での相対移動、が生じるように構成される。
いくつかのそのような実施形態では、縫合糸端部に力を及ぼし、縫合糸端部を外科縫合器具若しくは縫合糸通し器内に装填する縫合糸カートリッジが提供される。縫合糸カートリッジ・デバイスによって達成される全ての機械的事象は、ユーザが実施する単一の「ポンプ」動作で得られ、いくつかの実施形態では、縫合糸通し器(縫合器具)トリガの作動は必要でなくてもよい。いくつかのそのような実施形態では、単一「ポンプ」動作は、ショットガン装填動作の「ポンプ」動作に見立てることができる。
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、本明細書の上記の例3で概説したように、縫合糸端部上への引張り力を使用して縫合糸を縫合糸通し器に装填する縫合糸カートリッジが提供される。いくつかの実施形態では、引張り方法は、縫合糸を縫合糸通し器に挿入するために使用することができ、縫合糸通し器は、装填方向で縫合糸を全体的に直線で引っ張るための空間を可能にすると思われる。いくつかの状況では、引張り方法は、縫合糸を装填手順全体の間に取り扱う/張力を張ったままにすることが必要である場合に使用できる。
いくつかの実施形態では、座は脚部上に係止する。縫合糸を挿入する機械的事象は、以下の方法で行う:(1)縫合糸端部力を加える。縫合撚糸は、縫合糸係止部と共に撚糸把持手段により中間で引っ張られる。(2)縫合糸と縫合糸通し器との間の相対移動を達成する。縫合糸通し器は、縫合糸に対して固定され、適用する引張り力を縫合糸上に及ぼすと、縫合糸通し器は、静止したままであり、縫合糸は縫合糸通し器に向かって移動し縫合糸通し器に入るようにする。(3)縫合糸と(縫合糸カートリッジ内の)座との間の相対移動を達成する。座も、縫合糸に対して固定され、適用する引張り力を縫合糸上に及ぼすと、座は、静止したままであり、縫合糸は座に向かって移動し座に入るようにする。
いくつかの実施形態では、縫合糸係止部を有する引張り挿入機構が設けられ、縫合糸係止部は、カートリッジ基部及び縫合糸通し器から独立して移動することができる部品であり、縫合糸通し器は、縫合糸を座に対して近位に保持し、座から離して移動させ、したがって縫合糸を引っ張り、必要な力及び相対移動をもたらす。
いくつかの実施形態では、縫合糸係止部は、座が縫合糸(縫合糸部分)と縫合糸通し器とを完全に位置合わせすると、カートリッジ基部から自動的に分離する。このことは、完全位置合わせステップが生じるまで縫合糸係止部がカートリッジ基部に対して移動しないようにする(即ち、縫合糸が完全に位置合わせされるまで縫合糸が引っ張られないようにする)連動部により行われる。
いくつかの実施形態では、引張り挿入機構は、縫合糸(例えば縫合糸端部)が縫合糸通し器内に首尾よく装填されると、縫合糸から自動的に係止解除される縫合糸係止部を備える。したがって、縫合糸の係止解除により、次に、縫合糸通し器が縫合糸を自由に通すことを可能にする。いくつかの例では、係止解除は、縫合糸を縫合糸通し器内に首尾よく装填する時点まで、係止解除の発生を防止する連動部により実施される。そのような一例では、縫合糸係止連動部は、ばねの使用による力/変位に基づくものとすることができ、所与の量の力を縫合糸上に及ぼし、縫合糸係止部の所与の変位を得ることを保証する。いくつかの実施形態では、力は、縫合糸を首尾よく装填するのに必要な理論/経験により得られた最大の力よりもかなり大きいように較正することができる。この力が達成されると、一定の変位も達成することができ、連動部が縫合糸を係止解除する。
いくつかのそのような実施形態では、結び目摺動器上に事前結節結び目がもたらされ、結び目摺動器は、縫合糸係止部と一体であり、縫合撚糸を収容する。結び目摺動器は、縫合糸カートリッジを作動して縫合糸を縫合糸通し器内に装填した後、縫合糸通し器上に留まり、縫合糸通し器を使用する際、縫合糸結び目を外科部位で解放するように機能する。
本発明の一実施形態によれば、次に図9A[i]〜図10D[ii]を参照すると、例えば使用時点で、縫合糸500を外科縫合器具900上に装填することを容易にするカートリッジ2000の使用方法が開示される。いくつかの実施形態では、揺動器1041によって画定されるもの等の枢動座1022は、組織受入れ間隙942が揺動器空洞1027’内に実質的に配置されるまで、揺動器1041を縫合器具900の前進する経路から外して留めることを可能にすることによって、軸方向の装填を容易にする。縫合器具900が所定の位置にあると、カートリッジ1000は、揺動器1041を下に枢動可能にして組織受入れ間隙942に入れ、座1022が針930’等の縫合糸通し部材930に隣接し、これと位置合わせされるようにする。カートリッジ2000は、縫合糸端部504を座1022から縫合器具900の縫合糸受入れ凹部932内に移送する縫合糸移送構成要素2011を更に備える。カートリッジ2000は、事前結節結び目502を縫合器具900上に装填可能にする結び目摺動器2030を更に備える。
いくつかの実施形態では、縫合器具900をカートリッジ2000内に最初に配置する方法を提供する。縫合器具900のカートリッジ2000内への前進に関して方法を説明する。しかし、いくつかのそのような実施形態では、カートリッジ2000は、縫合器具900を越えるカートリッジ2000の近位移動を介して縫合器具900上に装填される。したがって、縫合器具900及びカートリッジ2000は互いに対して移動可能である。
次に図9A[i]を参照すると、カートリッジ300は、縫合器具900を越えて近位に装填され、縫合器具900は、カートリッジ3000を通して軸方向に通され、縫合器具900の先取り装填を可能にする。より具体的には、縫合器具900は、結び目摺動器2030によって画定される筐体1010’の室1010を通して挿入される。縫合器具は、開口2016の傾斜内部縁部2016’によって結び目摺動器のチャンネル2014内に案内され(図8D及び図9A[iii])、したがって、結び目摺動器2030を組み付け、事前結節結び目は、縫合器具上に組み付けられる。縫合器具900が更に前進すると、縫合器具900は、基部2020内の基部凹部2025の器具受入れ溝2025a内に受け入れられる。基部凹部2025及びチャンネル1014は、抑制部25として機能し、縫合器具900の横(即ち上下)及び側方への移動、並びに抑制部25によって画定した長手方向経路に沿った移動を抑制若しくは制限する。抑制部25は、縫合器具900が中で摺動係合して前進するのを可能にし、座1022の最終位置と一列である経路に沿った縫合器具900の位置を維持し、座1022との位置合わせを容易にし、縫合糸の縫合器具の一部分内への移送を可能にする。器具受入れ溝2025aは、縫合器具を揺動器凹部1027内に案内する。既に概説したように、縫合糸500は、カートリッジ2000内で保持され、縫合糸端部504が座1022内で保持されるようにし、縫合糸500は、座1022から出て枢動凹部若しくは空洞1027に入り、基部凹部500の縫合糸溝1025bに沿って送られる。したがって、縫合器具900は、縫合糸溝1025b内に保持される縫合糸500に隣接して位置決めされる[図8F[i]、図8F[ii]にも示す]。
図9A[i]、[ii]を再度参照すると、縫合器具900の遠位部分920は、揺動器溝1044の遠位溝部分1048内に最初に受け入れられ、揺動器1041は、その最初の位置若しくは第1の位置1041Aにある。図9B[i]、[ii]に示すように、前進すると、器具遠位先端920は、遠位溝部分1048の後壁に沿って傾斜表面1043に接触係合し、力を後壁に対して及ぼし、揺動器1041をその第1の位置1041Aからその第2の位置1041B内に移動させる。より具体的には、縫合器具900の遠位部分920は、揺動器1041が揺動器凹部1027内の摩擦タブ2029から分離可能にするのに十分な力により前進し、揺動器凹部1027では、揺動器1041は、図9A[i]に示すように、その最初の位置1041Aで適所に保持される。
再度図9B[i]、図9B[ii]を参照すると、揺動器1041が揺動器凹部1027内の係合から解放されると、揺動器1041は、下に枢動し始め揺動器空洞1027’内に入る。揺動器1041が適所内に枢動すると、縫合器具900の近位部分910は、近位溝部分1046内に受け入れられる。揺動器1041の枢動移動は、揺動器1041が下に枢動して組織受入れ間隙942に対応する揺動器空洞1027’に入る前に、遠位端部920が揺動器1041の座1022を越えて前進可能であることによって、縫合器具900を軸方向に装填可能にし、ここで、座1022が縫合器具900の組織受入れ間隙942内に位置決めされるようにする。
本発明のいくつかの実施形態では、縫合糸504と縫合器具900の縫合糸受入れ特徴部(縫合糸通し部材930内の縫合糸受入れ通路932等)とを位置合わせするために、揺動器1041の形態のマガジンを設けており、このマガジンは、縫合器具と機械的に連動するように動作可能であり、縫合糸カートリッジが縫合器具を越えて挿入され押圧されると、揺動器1041は、下に回転するように構成され、縫合糸端部504と縫合器具とを位置合わせする。いくつかのそのような実施形態では、揺動器1041は、縫合器具900上に捕らえられ、縫合糸端部504をX軸(側方)及びY軸(横方向/垂直若しくは上下方向)で位置合わせし、縫合糸端部の回転をX及びY回転方向で拘束する。更に、揺動器1041は、縫合器具900と対合し、縫合器具900まで近位に推進され、縫合糸をZ軸(直線若しくは長手方向)で位置合わせする。
図9B[i]、[ii]に示すように、次に、外科縫合器具900は、針930’等の縫合糸通し部材930が座1022と当接接触するまで、引き続き基部2020内に前進する。針930’が突出部1030に当接すると、突出部1030は、カートリッジ1000に対する、カートリッジ1000内での縫合器具900の移動を休止する。より詳細には、図4Dに示し、上記で図3Mを参照したように、針930’の傾斜面934は、座1022を画定する突出部1030の傾斜面1034と当接接触し、針スロット938及びシャフト・スロット928[針930’、及び座1022を形成する突出部1030の背後]は、座スロット1028と一列であり、座スロット1028に隣接する。シャフト・スロット928及び針スロット938は、既に説明した図1D及び図1Eで見える。
既に概説したように、この時点まで、連動部2050は、その最初の係止位置1050Aに留まり、係止位置1050Aは、図9A[i]、図9A[ii]に示すように、基部1020が筐体1010’に結合されたままであることを保証する。図9C[i]、図9C[ii]に更に示すように、この位置では、連動アーム2056は、基部2020に隣接して、基部2020に遠位に軸方向に位置決めされる。連動アームは、筐体2010’に対する基部2020の移動を防止する。しかし、座1022が揺動器凹部1027の揺動器空洞1027’内に移動する(したがって縫合糸端部504が針930’と位置合わせされている)と、揺動器棒2055は、基部壁2054’に隣接する連動タブ2054を移動させ、連動部2050の通り道から外れて配置される。図9D[i]、図9D[ii]に示すように、次に、連動部1050は、その係止位置2050Aからその係止解除位置2050Bに移動し、筐体1010’[筐体1010’は、本明細書で既に説明した縫合糸移送構成要素1011を画定する]を分離する。このことは、筐体スリーブ1011’を近位に引っ張ると、基部2020及び基部2020に取り付けた結び目摺動器2030を遠位に摺動可能にする(図9E[i]、図9E[ii])。図示の例では、連動部2050はユーザによって移動される。
縫合糸移送構成要素1011を基部2020に対して近位に相対移動させると、基部2020は、遠位に移動し、プッシュ・スリーブ・ハブ2012を押圧し、プッシュ・スリーブ・ハブ2012は、スリーブ空洞2012’内で遠位に移動する。プッシュ・スリーブ・ハブ2012がばね機構[ばね機構は2つのばね2013を備える]を介して基部2020に向かって付勢されると、プッシュ・スリーブ・ハブ2012は、縫合糸移送構成要素2011を基部2020に対して移動させる際、プッシュ・ロッド・ハブ2057を推進するように機能する。プッシュ・ロッド・ハブ2057は、プッシュ・ロッド空洞2057’内で近位に移動し(図9Bii、図9E[ii])、長手方向に延在するワイヤ2053’を座1022と連通するワイヤ・チャンネル2053内で近位に移動させ、座1022内に保持される縫合糸端部504を縫合器具900の縫合糸受入れ通路932内に推進する。
基部2020が遠位に推進すると、結び目摺動器2030は、基部2020と共に移動可能であり、結び目摺動器2030は、基部2020を筐体スリーブ2011’内で遠位に移動させると、筐体スリーブ2011’内で結び目摺動器凹部2018に沿って遠位に移動可能である。しかし、結び目摺動器凹部2018の先細内側壁2019[図8B]に隣接する筐体スリーブ1011’の壁は、停止部として機能し、図9Fに示すように、結び目摺動器2030の更なる遠位移動を防止し、基部2020のスナップ・アーム2042を結び目摺動器2030のスナップ溝から分離する。したがって、結び目摺動器解放連動部2033は、結び目摺動器2030を分離解放する。一部事前結節結び目を形成する縫合糸ループを筐体1010’の周りに組み付けることができる更なる実施形態では、筐体1010’は、一部事前結節結び目の縫合器具900上への装填を更に実現する。
いくつかの実施形態では、縫合糸は、管内[例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管の内部]に収容され、管は、結び目摺動器2030の内部上に組み付けられ[図11D]、結び目摺動器2030内の縫合糸脚部を一部事前結節結び目と共に縫合器具900上に装填若しくは組み付けるカートリッジが更に提供される。
いくつかの実施形態では、縫合糸端部504が針内に装填されると、次に、筐体1010’カートリッジ2000を取り外し、近位に引っ張ることができる。したがって、いくつかの実施形態では、カートリッジ2000は縫合器具900上に装填され、その後ポンプ動作の使用により取り外される。カートリッジ2000に対する縫合器具の相対移動は、近位方向である。縫合器具900を近位に引っ張ると、結び目摺動器2030は、縫合器具900の上に組み付けられたままとなり、縫合器具900と共に取り外される(図10Aに示すように)。縫合器具900が後退すると遠位頭部920は、揺動器1041の傾斜面1043’と相互作用する(図10B)。このことは、図10Cに示すように、揺動器1041が組織受入れ間隙942から出て移動することを可能にし、妨害なく縫合器具900を取外し可能にする。
結び目摺動器2034は、前記内側位置2034Aにおいて器具窓若しくは溝965に沿って摺動可能である。器具を器具近位部分若しくはシャフト910に沿って近位に摺動すると、結び目摺動器アーム2034は、その最初の位置2034Aに留まり、例えば器具900のハンドル部分960と取り付けられる[図11Aに示す]。器具900を縫合糸を組織に通すために使用した後、その後、器具900を使用して事前結節結び目502を展開することができる。器具900は、縫合結び目摺動器2030を縫合器具のハンドル部分から分離した後、近位に引き戻され、縫合器具900のシャフト近位部分に沿って遠位に摺動する。図11Bに示すように、結び目摺動器をシャフト910に沿って遠位に摺動させると、結び目摺動器は、シャフト溝965の前壁965’と係合し、結び目摺動器アーム2034を摺動器溝2036から移動させ、前記外部位置2034Bに入れ、前記結び目摺動器2030を組織受入れ間隙942[図11C]を越えて位置決め可能にし、結び目摺動器のカバー・アーム2038は、組織受入れ間隙942を越えて配置されるようにする。このことは、結び目摺動器2030から事前結節結び目502の展開を可能にする一方で、結び目摺動器2030と縫合器具の900との係合を維持し、したがって、事前結節結び目が組織受入れ間隙942内に落ちる若しくは捕えられないようにする。
したがって、本発明の実施形態は、縫合糸を本明細書で説明する種類の縫合糸通し器具900内に装填する手段を備えるカートリッジ2000を更に提供し、縫合糸通し器具は、間に組織受入れ間隙942を画定する器具近位部分910及び器具遠位端部920を有する。現在の実施形態は、縫合糸500をカートリッジ1000内に前進させ、器具遠位端部920との係合後、揺動器1041を組織受入れ間隙内で枢動可能にすることによって、縫合糸500(例えば縫合糸500の端部504)の自動位置合わせを更に容易にする。更に、カートリッジ2000は、縫合糸を縫合糸通し部材内に移送する縫合糸移送構成要素2011を備え、事前結節結び目502を縫合器具900上に組み付ける結び目摺動器2030を更に備える。
したがって、例4にて本明細書の上記で説明した一般的概要の観点では、カートリッジ内で保持される縫合糸部分の挿入を容易にするために、縫合糸部分の位置合わせを行わなければならず、3つの基本的な機械的事象(i)縫合糸通し器に対し一方向で[例えば近位に]縫合糸上に加えられる力、(ii)縫合糸と縫合糸通し器との間の同じ方向における相対移動、(iii)縫合糸と座との間の反対方向での相対移動、が生じるように構成される。
いくつかのそのような実施形態では、縫合糸端部に力を及ぼし、縫合糸端部を外科縫合器具若しくは縫合糸通し器内に装填する縫合糸カートリッジが提供される。縫合糸カートリッジ・デバイスによって達成される全ての機械的事象は、ユーザが実施する単一の「ポンプ」動作で得られ、いくつかの実施形態では、縫合糸通し器(縫合器具)トリガの作動は必要でなくてもよい。いくつかのそのような実施形態では、単一「ポンプ」動作は、ショットガン装填動作の「ポンプ」動作に見立てることができる。
いくつかのそのような実施形態では、本明細書の上記の例4にて概説したように、縫合糸の端部上への推進力を使用して縫合糸を縫合糸通し器に装填する縫合糸カートリッジが提供される。そのような一例では、カートリッジは、直接推進力を縫合糸に加え、縫合糸を縫合糸通し器上に装填する。
いくつかの実施形態では、カートリッジは、座及び縫合糸通し器とは別個の、カートリッジの一部であるプッシュ・ロッドを備える。プッシュ・ロッドは、座の内部に存在する部品であり、作動時、縫合糸端部を押圧し、縫合糸端部を座内に前に推進させる。
いくつかの実施形態では、縫合糸を挿入する機械的事象は、以下の方法で行う:(i)縫合糸端部に力を加える。可撓性で移動可能なプッシュ・ロッドは、座内に存在するS字形状管腔で存在する。プッシュ・ロッドは、縫合糸と接触する先端を有する。(ii)縫合糸と縫合糸通し器との間の相対移動を達成する。縫合糸通し器は、縫合糸に対して固定され、適用する引張り力を縫合糸上に及ぼすと、縫合糸通し器は、静止したままであり、縫合糸は縫合糸通し器に向かって移動し縫合糸通し器に入るようにする。(iii)縫合糸と(縫合糸カートリッジ内の)座との間の相対移動を達成する。座も、縫合糸に対して固定され、適用する引張り力を縫合糸上に及ぼすと、座は、静止したままであり、縫合糸は座に向かって移動し座に入るようにする。
いくつかの実施形態では、縫合糸の挿入を達成した後、縫合糸脚部を収容するカートリッジの一部(結び目摺動器)は、カートリッジから切り離され、縫合糸通し器に取り付けられたままである。いくつかの実施形態では、推進方法は、高い装填力を必要とする場合に使用できる。
いくつかの実施形態では、カートリッジ機構は、カートリッジ基部、座及び縫合糸通し器から独立して移動することができる部品であるプッシュ・ロッドを備え、プッシュ・ロッドは、座の内部に存在する部品であり、作動後、縫合糸端部を押圧し、縫合糸端部を座内で前に推進する。
いくつかの実施形態では、推進挿入機構は、座が完全に縫合糸と縫合糸通し器とを位置合わせした後プッシュ・ロッドが縫合糸を推進するように構成される。このことは、完全位置合わせステップが生じるまでプッシュ・ロッドが座に対して移動しないようにする(即ち、縫合糸が完全に位置合わせされるまで縫合糸が引っ張られないようにする)一連の連動部により行われる。連動部1:シャフトが挿入されるまで揺動器が移動しないようにする揺動器連動部[図8Cのタブ若しくは戻止め2029]2:揺動器形状部:揺動器形状部は、座部材が揺動器の回転中、シャフトと接触しないようにするようなものである(例えば、揺動器の図9A[i]の傾斜部1043及び座に関する傾斜部1043の場所及び構成は、器具を前進させる際、座がシャフトと接触しないことを保証する)。3:プッシュ・ロッド連動部:座が針と位置合わせされる前に、プッシュ・ロッドが移動しないようにする。5:推進ばね:いくつかの実施形態では、プッシュ・ロッドは、ばね(例4にて上記で概説した)により作動され、所与の量の力を縫合糸に及ぼし、プッシュ・ロッドの所与の変位が得られた。この力は、縫合糸を首尾よく装填するのに必要な理論/経験により得られた最大の力よりもかなり大きいように較正することになる。この力が達成されると、一定の変位も達成することができ、連動部が縫合糸を係止解除することになる。
いくつかの実施形態では、本明細書の上記で既に概説したように、カートリッジは、結び目摺動器上に事前結節結び目を収容するように構成され、結び目摺動器は、縫合撚糸も収容する。結び目摺動器[例えば上記の2030]は、縫合糸カートリッジを作動した後、カートリッジ基部から自動的に切り離され、縫合糸通し器上に留まる。結び目摺動器は、縫合糸通し器を使用した後、縫合糸結び目を外科部位に解放するように機能する。
いくつかの実施形態では、連動部を設けることができる。例えば、結び目摺動器連動部(例えば上記した結び目摺動器解放連動部2033)は、縫合糸が針内に装填されるまで結び目摺動器が解放されないようにする。いくつかの実施形態では、シャフトがカートリッジから取り外されるまで縫合糸脚部が移動しないようにする更なる縫合糸保持連動部があってもよい。
縫合糸保管部:図11Dを参照して既に概説したように、いくつかの実施形態では、カートリッジは、縫合糸脚部を結び目摺動器内、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管の内部に保管する。更に、例4で概説したように、カートリッジは、結び目摺動器保持特徴部をシャフト上に備える。いくつかの実施形態では、カートリッジは、尾部フックを収容する結び目摺動器を有し、尾部フックは、処置の終了時に結び目摺動器を縫合糸通し器シャフト上に保持する。既に概説したように、尾部フックは、結び目摺動器内に封入され、結び目摺動器がシャフトの端部に摺動すると、尾部フックは、結び目摺動器から出て摺動し、シャフト上に掛かる。
したがって、本明細書で上記したように、カートリッジの様々な実施形態及びその使用方法が開示されている。これらの実施形態は、縫合糸を使用時点で縫合糸通し器具若しくは縫合糸通し器等の外科縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、縫合器具は、縫合糸通し部材を含み、縫合糸通し部材の上/中に縫合糸が装填され、適用には事前結節結び目を必要とし、事前結節結び目から利益が得られる。いくつかの実施形態では、縫合糸装填カートリッジは、事前結節結び目を固着する特徴部を備え、(例えば縫合器具を室の周りに結節した結び目を有するカートリッジの室に通すことによって)事前結節結び目を縫合糸通し器上で展開させることができ、更に、第2の特徴部を備え、縫合糸端部を縫合糸通し器の縫合糸通し部材と位置合わせし、縫合糸の縫合糸通し部材上/内への装填を容易にする。いくつかの実施形態では、縫合糸を位置合わせする第2の特徴部は、第1の特徴部に対して移動可能である(これにより、縫合糸通し器は、事前結節結び目を通してカートリッジに挿入することができ、その後、カートリッジ内に装填された縫合糸端部は、縫合糸通し部材と位置合わせすることができる)。
1つの広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合器具をカートリッジに挿入しカートリッジから引き抜くための経路を画定し、カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持する座;及びカートリッジに挿入した縫合器具の経路から外して座を移動させる移動機構を備え、カートリッジから縫合器具を引き抜くことを可能にする。
別の広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持する座;及び座と縫合器具との位置合わせを容易にする位置合わせ特徴部を備え、縫合糸部分を座から縫合器具上に移送可能にする。
また更なる広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合糸の一部分を保持する座;及びカートリッジ内への縫合器具の前進を可能にし、カートリッジからの早期の後退を防止するように構成される器具保持機構を備える。
更なる広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持し縫合糸を縫合器具上に移送可能にする座;及び縫合糸部分の縫合器具上への移送を表示する表示器を備える。
また更なる実施形態では、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持する座;及び閉鎖構成及び開放構成を有する遮断特徴部を備え、遮断特徴部は、最初に、反転した縫合器具のカートリッジ内への前進を防止する閉鎖構成にあり、縫合器具を正式な向きでカートリッジに挿入すると開放構成に移動可能であるように構成される。
また別の広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持する座;座と縫合器具の一部分とを位置合わせする位置合わせ特徴部;座から縫合器具上に縫合糸の一部分を挿入するように作動可能な縫合糸挿入機構;及び座と縫合器具の一部分とを位置合わせする前の縫合糸挿入機構の作動を防止する遅延連動部を備える。
また更なる広範な態様では、本発明の実施形態は、事前結節結び目を縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、カートリッジ筐体;事前結節結び目をカートリッジ筐体の周りに保持する結び目摺動器;及び結び目摺動器をカートリッジ筐体に着脱可能に結合する結び目摺動器解放機構を備える。
更なる広範な態様では、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合糸通し部材を備える縫合器具上に装填するカートリッジを提供し、カートリッジは、縫合糸端部を保持する座を備え、座は、前記縫合糸端部上に縫合糸通し部材を前進させ、縫合糸端部を捕捉可能にするように構造化、構成される。
上記の本発明の実施形態は、例示のみを目的とする。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する。
明確にするために個別の実施形態の状況で説明した本発明の特定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせても提供できることは了解されよう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の状況で説明した本発明の特定の様々な特徴は、個別若しくはあらゆる適切な下位の組合せで提供することもできる。
本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲内にある全てのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することを意図する。本明細書で述べた全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許若しくは特許出願が具体的且つ個別に示され、参照により本明細書に組み込まれるのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、本出願におけるあらゆる参照の引用若しくは特定は、そのような参照が本発明に対する従来技術として利用可能であることの承認として解釈しないものとする。