本発明は、一実施形態によって、現在ブロックの輝度補償遂行いかんに基づいて、現在ブロックのマージ候補リストを効率的に生成する方法を提供する。また、演算複雑度を低下させるインターレイヤビデオ符号化方法及びその装置、並びにインターレイヤビデオ復号化方法を提供する。
前述の技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の第1の側面は、インターレイヤビデオ復号化方法において、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを示す輝度補償情報を獲得する段階、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示すか否かということ、及び前記現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行うか否かということに基づいて、前記候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを決定する段階、前記決定された結果に基づいて、少なくとも1つのマージ候補を含むマージ候補リストを生成する段階、並びに前記少なくとも1つのマージ候補のうち1つの動き情報を利用して、現在ブロックの動き情報を決定する段階を含むインターレイヤビデオ復号化方法を提供する。
また、前記インターレイヤビデオ復号化方法は、前記現在ブロックの輝度補償情報が輝度補償の遂行を示し、前記現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行う場合、前記現在ブロックの候補を除外し、前記マージ候補リストを生成することができる。
また、前記候補は、前記現在ブロックの位置から、前記現在ブロックのディスパリティベクトルが示す対応ブロックの動き情報を基盤とする。
また、前記候補は、前記現在ブロックの位置から、前記現在ブロックのディスパリティベクトルが示す対応ブロックの右側下端ブロックの動き情報を基盤とする。
また、前記インターレイヤビデオ復号化方法は、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示す場合、前記候補の動き情報のうち、モーションベクトル及び参照インデックスと同一であるモーションベクトル及び参照インデックスを有する他の候補のうち一部あるいは全部が、前記マージ候補リストに含まれていないことを特徴とする。
また、前記インターレイヤビデオ復号化方法は、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示す場合、前記候補の動き情報のうち同一の参照インデックスを有する他の候補のうち一部あるいは全部が、前記マージ候補リストに含まれていないことを特徴とする。
また、前記候補は、前記現在ブロックの位置から、前記現在ブロックのディスパリティベクトルに対応するブロックの動き情報に基づいたものであり、前記ビデオ復号化方法は、前記輝度補償情報が輝度補償の非遂行を示す場合、前記ディスパリティベクトルの垂直成分を0に決定する段階をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明の第2の側面は、インターレイヤビデオ符号化方法において、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを決定する段階、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示すか否かということ、及び前記現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行うか否かということに基づいて、前記候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを決定する段階、前記決定された結果に基づいて、少なくとも1つのマージ候補を含むマージ候補リストを生成する段階、並びに前記少なくとも1つのマージ候補のうち1つの動き情報を利用して、現在ブロックの動き情報を決定する段階を含んでもよい。
また、前記インターレイヤビデオ符号化方法は、前記現在ブロックの輝度補償情報が輝度補償の遂行を示し、前記現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行う場合、前記現在ブロックの候補を除外し、前記マージ候補リストを生成することを特徴とする。
また、前記候補は、前記現在ブロックの位置から、前記現在ブロックのディスパリティベクトルが示す対応ブロックの動き情報を基盤とする。
また、前記候補は、前記現在ブロックの位置から、前記現在ブロックのディスパリティベクトルが示す対応ブロックの右側下端ブロックの動き情報を基盤とする。
また、前記インターレイヤビデオ符号化方法は、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示す場合、前記候補の動き情報のうち、モーションベクトル及び参照インデックスと同一であるモーションベクトル及び参照インデックスを有する他の候補のうち一部あるいは全部が、前記マージ候補リストに含まれていないことを特徴とする。
また、前記インターレイヤビデオ符号化方法は、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示す場合、前記候補の動き情報のうち同一の参照インデックスを有する他の候補のうち一部あるいは全部が、前記マージ候補リストに含まれていないことを特徴とする。
また、前記候補は、前記現在ブロックの位置から、前記現在ブロックのディスパリティベクトルに対応するブロックの動き情報に基づいたものであり、前記ビデオ符号化方法は、前記輝度補償情報が輝度補償の非遂行を示す場合、前記ディスパリティベクトルの垂直成分を0に決定する段階をさらに含んでもよい。
また、第3の側面は、インターレイヤビデオ復号化装置において、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを示す輝度補償情報を獲得する輝度補償情報獲得部、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示すか否かということ、及び前記現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行うか否かということに基づいて、前記候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを決定し、前記決定された結果に基づいて、少なくとも1つのマージ候補を含むマージ候補リストを生成するマージ候補リスト生成部、並びに前記少なくとも1つのマージ候補のうち1つの動き情報を利用して、現在ブロックの動き情報を決定する動き情報決定部を含むインターレイヤビデオ復号化装置を提供することができる。
また、第4の側面は、インターレイヤビデオ符号化装置において、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを決定する輝度補償決定部、前記輝度補償情報が輝度補償の遂行を示すか否かということ、及び前記現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行うか否かということに基づいて、前記候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを決定し、前記決定された結果に基づいて、少なくとも1つのマージ候補を含むマージ候補リストを生成するマージ候補リスト生成部、並びに前記少なくとも1つのマージ候補のうち1つの動き情報を利用して、現在ブロックの動き情報を決定する動き情報決定部を含むインターレイヤビデオ符号化装置を提供することができる。
以下、図1Aないし図7を参照し、多様な実施形態によって、輝度補償遂行いかんを利用したインターレイヤビデオ符号化技法、インターレイヤビデオ復号化技法が提案される。また、図8ないし図20を参照し、先立って提案したインターレイヤビデオ符号化技法及び該復号化技法に適用可能な多様な実施形態による、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化技法及びビデオ復号化技法が開示される。また、図21ないし図27を参照し、先立って提案したビデオ符号化方法、ビデオ復号化方法が適用可能な多様な実施形態が開示される。
以下、「映像」は、ビデオの静止映像や動画、すなわち、ビデオそれ自体を示すことができる。
以下、「サンプル」は、映像のサンプリング位置に割り当てられたデータであり、プロセッシング対象になるデータを意味する。例えば、空間領域の映像において、ピクセルがサンプルでもある。
まず、図1Aないし図7を参照し、一実施形態による、インターレイヤビデオ符号化装置及びインターレイヤビデオ符号化方法、並びにインターレイヤビデオ復号化装置及びインターレイヤビデオ復号化方法を開示する。
図1Aは、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10のブロック図を図示している。図1Bは、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化方法のフローチャートを図示している。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、輝度補償決定部12、マージ候補リスト生成部14及び動き情報決定部16を含んでもよい。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、スケーラブルビデオコーディング(scalable video coding)方式と類似するように、多数の映像シーケンスをレイヤ別に分類してそれぞれ符号化し、レイヤ別に符号化されたデータを含む別個のストリームを出力することができる。インターレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤ映像シーケンス及び第2レイヤ映像シーケンスを互いに異なるレイヤに符号化することができる。
例えば、空間的スケーラビリティ(spatial scalability)に基づいたスケーラブルビデオコーディング方式によれば、低解像度映像が、第1レイヤ映像として符号化され、高解像度映像が、第2レイヤ映像として符号化される。第1レイヤ映像の符号化結果が、第1レイヤストリームとして出力され、第2レイヤ映像の符号化結果が、第2レイヤストリームとして出力される。
一実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤストリーム及び第2レイヤストリームをマルチプレクサ(multiplexer)を介して、1つのビットストリームにで表現して符号化することができる。
他の例として、多視点ビデオがスケーラブルビデオコーディング方式によって符号化される。左視点映像は、第1レイヤ映像として符号化され、右視点映像は、第2レイヤ映像として符号化される。または、中央視点映像、左視点映像及び右視点映像がそれぞれ符号化され、そのうち中央視点映像は、第1レイヤ映像として符号化され、左視点映像は、第2レイヤ映像として符号化され、右視点映像は、第3レイヤ映像として符号化される。または、中央視点のカラー映像、中央視点深さ映像、左視点カラー映像、左視点深さ映像、右視点カラー映像、右視点深さ映像は、それぞれ第1レイヤ映像、第2レイヤ映像、第3レイヤ映像、第4レイヤ映像、第5レイヤ映像、第6レイヤ映像として符号化される。さらに他の例として、中央視点カラー映像、中央視点深さ映像、左視点深さ映像、左視点カラー映像、右視点深さ映像、右視点カラー映像が、それぞれ第1レイヤ映像、第2レイヤ映像、第3レイヤ映像、第4レイヤ映像、第5レイヤ映像、第6レイヤ映像として符号化されてもよい。
他の例として、時間的スケーラビリティに基づいた時間階層的予測(temporal hierarchical prediction)によって、スケーラブルビデオコーディング方式が遂行される。基本フレームレートの映像を符号化して生成された符号化情報を含む第1レイヤストリームが出力される。フレームレート別に、時間的階層(temporal level)が分類され、各時間的階層が各レイヤに符号化される。基本フレームレートの映像を参照し、さらに高いフレームレートの映像をさらに符号化し、高いフレームレートの符号化情報を含む第2レイヤストリームが出力される。
また、第1レイヤ、及び多数の拡張レイヤ(第2レイヤ、第3レイヤ、…、第Kレイヤ)に対するスケーラブルビデオコーディングが行われる。拡張レイヤが3以上である場合、第1レイヤ映像とK番目レイヤ映像とが符号化されてもよい。それによって、第1レイヤ映像の符号化結果が第1レイヤストリームとして出力され、最初、2番目、…、K番目のレイヤ映像の符号化結果が、それぞれ最初、2番目、…、K番目のレイヤストリームとして出力される。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、単一レイヤ内の映像を参照し、現在映像を予測するインター予測(inter prediction)を行うことができる。インター予測を介して、現在映像と参照映像との動き情報を示すモーションベクトル(motion vector)、及び現在映像と参照映像とのレジデュアル成分(residual)などを第1レイヤ(基本レイヤ)の対応する領域から予測することができる。
また、インターレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤ映像の予測情報を参照し、第2レイヤ映像の予測情報を予測するインターレイヤ予測(inter-laye rprediction)を遂行することができる。
また、一実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10が、第1レイヤ、第2レイヤ、第3レイヤのように3以上のレイヤを許容する場合には、マルチレイヤ予測構造によって、1つの第1レイヤ映像と第3レイヤ映像とのインターレイヤ予測、第2レイヤ映像と第3レイヤ映像とのインターレイヤ予測を行うこともできる。
インターレイヤ予測において、現在映像と異なるレイヤの参照映像間の視差ベクトル(disparity vector)を誘導し、他のレイヤの参照映像を利用して生成された予測映像と現在映像との差成分であるレジデュアル成分が生成される。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、各レイヤごとに、ビデオのそれぞれの映像のブロック別に符号化する。ブロックのタイプは、正方形または長方形でもあり、任意の幾何学的形態でもある。一定サイズのデータ単位に制限されるものではない。ブロックは、ツリー構造による符号化単位においては、最大符号化単位、符号化単位、予測単位、変換単位などでもある。ツリー構造の符号化単位を含む最大符号化単位は、コーディングツリーユニット(coding tree unit)、コーディングブロックツリー(coding block tree)、ブロックツリー、ルートブロックツリー(root block tree)、コーディングツリー、コーディングルートまたはツリートランク(tree trunk)などと多様に命名されたりする。ツリー構造による、符号化単位に基づいたビデオ符号化/復号化方式は、図8ないし図20を参照して後述する。
インター予測及びインターレイヤ予測は、符号化単位、予測単位または変換単位のデータ単位を基に行われてもよい。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤ映像に対して、インター予測またはイントラ予測を含むソースコーディング動作を遂行し、シンボルデータを生成することができる。該シンボルデータは、各符号化パラメータ値、及びレジデュアルのサンプル値を示す。
例えば、インターレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤ映像のデータ単位のサンプルに対して、インター予測またはイントラ予測、変換、量子化を行い、シンボルデータを生成し、シンボルデータに対してエントロピー符号化を行い、第1レイヤストリームを生成することができる。
また、インターレイヤビデオ符号化装置10は、ツリー構造の符号化単位に基づいて、第2レイヤ映像を符号化することができる。第2レイヤ符号化部は、第2レイヤ映像の符号化単位のサンプルに対して、インター/イントラ予測、変換、量子化を行い、シンボルデータを生成し、シンボルデータに対してエントロピー符号化を行い、第2レイヤストリームを生成することができる。
多様な実施形態による第2レイヤ符号化部は、第1レイヤ映像の予測情報を利用して、第2レイヤ映像を予測するインターレイヤ予測を行うことができる。第2レイヤ符号化部は、インターレイヤ予測構造を介して、第2レイヤ映像シーケンスのうち第2レイヤ原本映像を符号化するために、第1レイヤ復元映像の予測情報を利用して、第2レイヤ現在映像の予測情報を決定し、決定された予測情報に基づいて、第2レイヤ予測映像を生成し、第2レイヤ原本映像と第2レイヤ予測映像との予測誤差を符号化することができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、第2レイヤ映像に対して、符号化単位または予測単位のようなブロック別に、インター予測を行うことができる。すなわち、第2レイヤ映像のブロックが参照する第1レイヤ映像のブロックを決定することができる。例えば、第2レイヤ映像において、現在ブロックの位置に相応して位置する第1レイヤ映像の復元ブロックが決定される。インターレイヤビデオ符号化装置10は、第2レイヤブロックに相応する第1レイヤ復元ブロックを利用して、第2レイヤ予測ブロックを決定することができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、インター予測を行うために、まず、第2レイヤ原本ブロックと相関度が高い予測ブロックを、第1レイヤ及び第2レイヤにおいて復元された復元ブロックにおいて探索する動き推定を行うことができる。そして、探索された予測ブロックの動き情報を、インターレイヤビデオ復号化装置20に伝送することができる。ここで、動き情報には、動き推定の結果による参照ピクチャリスト0と、参照ピクチャーリスト1とを区分する参照方向情報、参照リスト内の参照ピクチャを区分するインデックス、モーションベクトルなどが含まれてもよい。
一方、予測単位別に伝送される動き情報に係わるデータ量を減らすために、インターレイヤビデオ符号化装置10は、空間的(spatial)/時間的(temporal)周辺ブロック、あるいはインターレイヤ方向の対応ブロックの動き情報に基づいて、現在ブロックの動き情報として設定するマージ(merge)モードを利用することができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、動き情報を予測するためのマージ候補リストを、符号化装置及び復号化装置において同一に構成し、リスト内の候補選択情報を復号化装置に伝送することにより、動き関連データの量を効果的に減らすことができる。
マージ候補リストは、空間的周辺ブロックの動き情報を基にした空間的候補、時間的周辺ブロックの動き情報を基にした時間的候補、及びインターレイヤ方向の対応ブロックの動き情報を基にしたインターレイヤ候補を基に生成した候補を含んでもよい。インターレイヤビデオ符号化装置10は、空間的候補、時間的候補及びインターレイヤ候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを決定することができる。また、インターレイヤビデオ符号化装置10は、既設定の順序によって、空間的候補、時間的候補、インターレイヤ候補、及び前述の候補を基にして生成した候補をマージ候補リストに含めるか否かということを決定することができる。
インターレイヤ候補ブロックは、現在ブロックが含まれた映像のレイヤと異なるレイヤの映像に含まれた候補ブロックを意味する。例えば、インターレイヤ候補は、第1レイヤ復元映像内において、第2レイヤ現在ブロックの位置から、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す第1レイヤ対応ブロックと、第1レイヤ対応ブロックの右側下端ブロックと、を含んでもよい。
インターレイヤ候補は、現在ブロックのインター予測で利用されるマージ候補として、現在ブロックの対応ブロックがイントラコーディングを行ったか、あるいは対応ブロックの動き情報が、現在ブロックが参照することができる同一時間の参照ピクチャではない場合、インターレイヤ候補ブロックは、マージ候補リストに含まれない。
一実施形態において、インターレイヤ候補は、時間方向の動き情報のみを許容することができ、その場合、インターレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックのインター予測の方向がレイヤ方向であると判断し、インターレイヤ候補のマージ候補可能情報を誘導しない。マージ候補可能情報とは、候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを示す情報を意味する。
例えば、現在ブロックに輝度補償が行われる場合、該輝度補償は、常にインターレイヤ方向の予測にだけ使用されるために、インターレイヤビデオ符号化装置10は、時間方向の動き情報だけ許容するインターレイヤ候補のマージ候補可能情報を誘導しない。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックに輝度補償が行われる場合、インターレイヤ候補ブロックのマージ候補可能情報を誘導しないことにより、ビデオコーディング効率を高めることができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤ復元映像を利用して、第2レイヤ予測ブロックのサンプル値と、第2レイヤ原本ブロックのサンプル値との誤差、すなわち、インターレイヤ予測によるレジデュアル成分を変換及び量子化してエントロピー符号化することができる。
前述のように、インターレイヤビデオ符号化装置10は、インターレイヤ予測構造を介して、第1レイヤ復元映像を参照し、現在レイヤ映像シーケンスを符号化することもできる。ただし、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10が、異なるレイヤサンプルを参照せず、単一レイヤ予測構造によって、第2レイヤ映像シーケンスを符号化することもできる。従って、インターレイヤビデオ符号化装置10が第2レイヤ映像シーケンスを符号化するために、インターレイヤ予測構造のインター予測のみを行うと制限的に解釈しないように留意しなければならない。
一方、前述のインターレイヤビデオ符号化装置10が多視点ビデオを符号化する場合、符号化される第1レイヤ映像は、第1視点ビデオであり、第2レイヤ映像は、第2視点ビデオでもある。各視点別ビデオは、互いに異なるカメラによって撮影されるか、あるいは互いに異なるレンズを介して獲得される。あるいは、三次元(3D:3−dimensional)graphics映像の場合、互いに異なるprojection viewをcaptureすることよって獲得されてもよい。
以下、向上されたインター予測候補リストを決定するインターレイヤビデオ符号化装置10の詳細な動作について、図1Bを参照して詳細に説明する。
図1Bは、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化方法のフローチャートを図示している。
段階11において、輝度補償決定部12は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを決定することができる。
例えば、輝度補償決定部12は、現在ブロックの予測モードに基づいて、現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを決定することができる。
また、輝度補償決定部12は、輝度補償情報を生成することができる。輝度補償情報は、現在ブロックの輝度補償遂行いかんを示す情報を意味する。例えば、輝度補償情報は、「ic_flag」を含んでもよい。また、輝度補償決定部12は、輝度補償情報の値を設定することができる。
例えば、輝度補償決定部12は、現在ブロックが輝度補償を行う場合、「ic_flag」の値を1に設定することができる。また、輝度補償決定部12は、現在ブロックが輝度補償を行わない場合、「ic_flag」の値を0に設定することができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、生成された輝度補償情報を符号化することができる。例えば、インターレイヤビデオ符号化装置10は、生成された「ic_flag」を符号化してビートストリームに含めることができる。
段階13において、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックが輝度補償を行うか否かということ、及び現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行うか否かということに基づいて、前記候補が、現在ブロックのマージ候補として利用可能であるか否かということを決定することができる。
本発明の一実施形態によれば、現在ブロックのマージ候補は、時間的候補、空間的候補及びインターレイヤ候補を含んでもよい。
本発明の一実施形態によれば、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックの候補を決定することができる。例えば、マージ候補リスト生成部14は、第2レイヤ現在ブロックの位置から、ディスパリティベクトルに対応する第1レイヤのブロックを、現在ブロックの候補として決定することができる。
また、マージ候補リスト生成部14は、第2レイヤ現在ブロックの位置から、ディスパリティベクトルが示す第1レイヤブロックの右側下端ブロックを、現在ブロックの候補として決定することができる。
マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックのインターレイヤ候補を決定するためのディスパリティベクトルを、多様な方式によって決定することができる。
例えば、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロックから誘導することができる。
他の例として、マージ候補リスト生成部14は、第2レイヤの現在ブロックの周辺ブロックから誘導したディスパリティベクトルを使用し、第1レイヤの現在ブロックに対応するデプスブロックを検出し、当該デプスブロック値のうち一つを選択し、選択した値を、カメラパラメータを使用してディスパリティベクトルに変換することにより、ディスパリティベクトルを誘導することもできる。
また、現在ブロックに対して輝度補償が行われない場合、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックのディスパリティベクトル自体を動き情報にするマージ候補のディスパリティベクトルの垂直成分を「0」に設定することができる。
また、現在ブロックに対して輝度補償が行われる場合、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックのディスパリティベクトル自体を動き情報にするマージ候補のディスパリティベクトルの垂直成分を「0」に設定せず、誘導した値を使用することができる。
本発明の多様な実施形態によれば、現在ブロックのインターレイヤ対応ブロックがイントラコーディングを行った場合、インターレイヤ候補ブロックは、マージ候補リストに含まれない。
また、現在ブロックのインターレイヤ対応ブロックの動き情報が、現在ブロックが参照することができる時間と同一である時間の参照ピクチャではない場合、インターレイヤ候補ブロックは、マージ候補リストに含まれない。
本発明の多様な実施形態によれば、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックの特定候補がインター予測を行うか否かということに基づいて、現在ブロックの特定候補のマージ候補可能情報を決定することができる。
例えば、現在ブロックが輝度補償を行わず、現在ブロックの候補が時間方向のインター予測を行った場合、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックの候補のマージ候補可能情報の値を1に決定することができる。
また、現在ブロックが輝度補償を行わず、現在ブロックに対応する第1レイヤ候補が時間方向のインター予測を行わない場合、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックの候補のマージ候補可能情報の値を0に決定することができる。
マージ候補可能情報は、現在ブロックの候補が、マージ候補として利用可能であるか否かということを示す情報として、「availableFlagIvMC(現在ブロックのディスパリティベクトルに対応するブロックの右側下端ブロックの動き情報を基にした候補のマージ候補として利用可能であるか否かということを示す情報)」及び/または“availableFlagIvMCShift(現在ブロックのディスパリティベクトルに対応するブロックの右側下端ブロックの動き情報を基にした候補が利用可能であるか否かということを示す情報)」を含んでもよい。
本発明の多様な実施形態によれば、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックに輝度補償が行われる場合、時間方向予測を行う候補をマージ候補として利用しない。
例えば、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補を、マージ候補として利用が可能ではないと決定することができる。
また、マージ候補リスト生成部14は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補可能情報を決定しない。
例えば、マージ候補リスト生成部14は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補可能情報を決定せず、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補可能情報を既設定の値に維持することができる。
候補のマージ候補可能情報の既設定の価格は0でもある。例えば、「availableFlagIvMC」及び「availableFlagIvMCShift」の既設定の値は、それぞれ0でもある。
マージ候補リスト生成部14は、候補のマージ候補可能情報を決定しないことにより、ビデオコーディング効率を高めることができる。
また、マージ候補リスト生成部14は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補の誘導過程自体を遂行せず、マージ候補リストに含めない。
例えば、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補の動きベクトルを利用して、時間方向インター予測を行う候補のマージ可能情報を誘導する過程を省略することができる。
段階15において、マージ候補リスト生成部14は、決定された結果に基づいて、現在ブロックの候補を含むマージ候補リストを生成することができる。
マージ候補リスト生成部14は、決定された結果に基づいて、少なくとも1つのマージ候補を含むマージ候補リストを生成することができる。例えば、マージ候補リスト生成部14は、マージ候補可能情報の値に基づいて、現在ブロックの候補を現在ブロックのマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。
例えば、マージ候補リスト生成部14は、候補のマージ候補可能情報値が1である場合、現在ブロックの候補を第2レイヤ現在ブロックのマージ候補リストに追加することができる。
また、マージ候補リスト生成部14は、候補のマージ候補可能情報値が0である場合、現在ブロックの候補を第2レイヤ現在ブロックのマージ候補リストに追加しない。
また、マージ候補リスト生成部14は、マージ候補リストに追加された他の候補のモーションベクトルと、現在候補のモーションベクトルとが同一であるか否かということをさらに考慮し、マージ候補リストを生成することができる。
例えば、マージ候補リスト生成部14は、現在候補のマージ候補可能情報の値が1である場合でも、マージ候補リストに追加された他の候補のモーションベクトルと、現在候補の時間方向モーションベクトルとが同一であるならば、マージ候補リストに現在候補を追加しない。
段階17において、動き情報決定部16は、マージ候補リストに含まれた少なくとも1つのマージ候補のうち1つの動き情報を利用して、現在ブロックの動き情報を決定することができる。
動き情報決定部16は、マージ候補リストに含まれたマージ候補のうち一つを選択することができる。また、動き情報決定部16は、選択されたマージ候補の動き情報を現在ブロックの動き情報として設定することができる。
例えば、動き情報決定部16は、マージ候補リストに含まれたマージ候補それぞれの動き情報を利用して、第2レイヤ現在ブロックに対してインター予測を行うことにより、マージ候補それぞれに対する第2レイヤ予測映像を生成することができる。また、動き情報決定部16は、第2レイヤ現在原本映像と第2レイヤ予測映像との誤差を獲得し、獲得した誤差が最小である場合のマージ候補を選択することができる。動き情報決定部16は、選択されたマージ候補の動き情報を現在ブロックの動き情報として設定することができる。
また、インターレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックに設定された動き情報に基づいて、第2レイヤ現在ブロックに対してインター予測を行うことにより、第2レイヤ予測映像を生成し、第2レイヤ現在原本映像と第2レイヤ予測映像との誤差を符号化することができる。また、インターレイヤビデオ符号化装置10は、選択されたマージ候補を示すマージインデックスを符号化することができる。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10は、輝度補償決定部12、マージ候補リスト生成部14及び動き情報決定部16を総括的に制御する中央プロセッサ(図示せず)を含んでもよい。または、輝度補償決定部12、マージ候補リスト生成部14及び動き情報決定部16がそれぞれの自体プロセッサ(図示せず)によって作動し、プロセッサ(図示せず)が相互有機的に作動することにより、インターレイヤビデオ符号化装置10が全体的に作動することもできる。または、インターレイヤビデオ符号化装置10の外部プロセッサ(図示せず)の制御によって、輝度補償決定部12、マージ候補リスト生成部14及び動き情報決定部16が制御されてもよい。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、輝度補償決定部12、マージ候補リスト生成部14及び動き情報決定部16の入出力データが保存される1以上のデータ保存部(図示せず)を含んでもよい。インターレイヤビデオ符号化装置10は、データ保存部(図示せず)のデータ入出力を管轄するメモリ制御部(図示せず)を含んでもよい。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、ビデオ符号化結果を出力するために、内部に搭載されたビデオエンコーディングプロセッサまたは外部ビデオエンコーディングプロセッサと連繋して作動することにより、変換を含んだビデオ符号化動作を遂行することができる。インターレイヤビデオ符号化装置10の内部ビデオエンコーディングプロセッサは、別個のプロセッサとして、ビデオ符号化動作を具現することができる。また、インターレイヤビデオ符号化装置10、または中央演算装置、グラフィック演算装置がビデオエンコーディングプロセッシングモジュールを含むことにより、基本的なビデオ符号化動作を具現する場合も可能である。
図2Aは、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置のブロック図を図示している。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20は、輝度補償情報獲得部22、マージ候補リスト生成部24、及び動き情報決定部26を含んでもよい。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20は、スケーラブル符号化方式によって、レイヤ別にビットストリームを受信することができる。インターレイヤビデオ復号化装置20が受信するビットストリームのレイヤの個数が限定されるものではない。しかし、説明の便宜のために、以下、インターレイヤビデオ復号化装置20が第1レイヤストリームを受信して復号化し、また第2レイヤストリームを受信して復号化する実施形態について詳細に説明する。
例えば、空間的スケーラビリティに基づいたインターレイヤビデオ復号化装置20は、互いに異なる解像度の映像シーケンスが、互いに異なるレイヤに符号化されたストリームを受信することができる。第1レイヤストリームを復号化し、低解像度映像シーケンスが復元され、第2レイヤストリームを復号化し、高解像度映像シーケンスが復元される。
他の例として、多視点ビデオが、スケーラブルビデオコーディング方式によって復号化される。ステレオスコピックビデオストリームが多数レイヤに受信された場合、第1レイヤストリームを復号化し、左視点映像が復元される。第1レイヤストリームに第2レイヤストリームをさらに復号化し、右視点映像が復元される。
または、多視点ビデオストリームが多数レイヤに受信された場合、第1レイヤストリームを復号化し、中央視点映像が復元される。第1レイヤストリームに第2レイヤストリームをさらに復号化し、左視点映像が復元される。第1レイヤストリームに第3レイヤストリームをさらに復号化し、右視点映像が復元される。
他の例として、時間的スケーラビリティに基づいたスケーラブルビデオコーディング方式が遂行される。第1レイヤストリームを復号化し、基本フレームレートの映像が復元される。第1レイヤストリームに第2レイヤストリームをさらに復号化し、高速フレームレートの映像が復元される。
また、第2レイヤが3以上である場合、第1レイヤストリームから第1レイヤ映像が復元され、第1レイヤ復元映像を参照し、第2レイヤストリームをさらに復号化すれば、第2レイヤ映像がさらに復元される。第2レイヤ復元映像を参照し、K番目レイヤストリームをさらに復号化すれば、K番目レイヤ映像がさらに復元される。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、第1レイヤストリーム及び第2レイヤストリームから、第1レイヤ映像及び第2レイヤ映像の符号化されたデータを獲得し、さらにインター予測によって生成されたモーションベクトル、及びインターレイヤ予測によって生成された予測情報をさらに獲得することができる。
例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、各レイヤ別にインター予測されたデータを復号化し、多数レイヤ間において、インターレイヤ予測されたデータを復号化することができる。符号化単位または予測単位を基に、動き補償(motion compensation)及びインターレイヤ復号化を介した復元が行われる。
各レイヤストリームについては、同一レイヤのインター予測を介して予測された復元映像を参照し、現在映像のための動き補償を行うことにより、映像を復元することができる。動き補償は、現在映像のモーションベクトルを利用して決定された参照映像と、現在映像のレジデュアル成分とを合成し、現在映像の復元映像を再構成する動作を意味する。
また、インターレイヤビデオ復号化装置20は、インターレイヤ予測を介して予測された第2レイヤ映像を復号化するために、第1レイヤ映像の予測情報を参照し、インターレイヤ復号化を行うこともできる。インターレイヤ復号化は、現在映像の予測情報を決定するために、他のレイヤの参照ブロックの予測情報を利用して、現在映像の予測情報を再構成する動作を含む。
一実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20は、第2レイヤ映像を参照して予測された第3レイヤ映像を復元するためのインターレイヤ復号化を行うこともできる。
ただし、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20が、第1レイヤ映像シーケンスを参照せずにも、第2レイヤストリームを復号化することもできる。従って、インターレイヤビデオ復号化装置20が第2レイヤ映像シーケンスを復号化するために、インターレイヤ予測を行うと制限的に解釈しないように留意しなければならない。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、ビデオのそれぞれの映像のブロック別に復号化する。ブロックは、ツリー構造による符号化単位のうちでは、最大符号化単位、符号化単位、予測単位、変換単位などでもある。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、パッシングされた第1レイヤ映像の符号化シンボルを利用して、第1レイヤ映像を復号化することができる。インターレイヤビデオ復号化装置20が、ツリー構造の符号化単位を基に符号化されたストリームを受信するならば、第1レイヤストリームの最大符号化単位ごとに、ツリー構造の符号化単位を基に復号化を行うことができる。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、最大符号化単位ごとにエントロピー復号化を行い、符号化情報と符号化されたデータを獲得することができる。第インターレイヤビデオ復号化装置20は、ストリームから獲得した符号化されたデータに対して逆量子化、逆変換を行い、レジデュアル成分を復元することができる。他の実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20は、量子化された変換係数のビットストリームを直接受信することもできる。量子化された変換係数に対して逆量子化、逆変換を行った結果、映像のレジデュアル成分が復元される。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、同一レイヤ映像間において、動き補償を介して、予測映像とレジデュアル成分とを結合し、第1レイヤ映像を復元することができる。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、インターレイヤ予測構造によれば、第1レイヤ復元映像のサンプルを利用して、第2レイヤ予測映像を生成することができる。インターレイヤビデオ復号化装置20は、第2レイヤストリームを復号化し、インターレイヤ予測による予測誤差を獲得することができる。インターレイヤビデオ復号化装置20は、第2レイヤ予測映像に予測誤差を結合することにより、第2レイヤ復元映像を生成することができる。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、復号化された第1レイヤ復元映像を利用して、第2レイヤ予測映像を決定することができる。インターレイヤビデオ復号化装置20は、インターレイヤ予測構造によって、第2レイヤ映像の符号化単位または予測単位のようなブロック別にインター予測を行うことができる。すなわち、第2レイヤ映像のブロックが参照する第1レイヤ映像のブロックを決定することができる。例えば、第2レイヤ映像において、現在ブロックの位置に相応して位置する第1レイヤ映像の復元ブロックが決定される。インターレイヤビデオ復号化装置20は、第2レイヤブロックに相応する第1レイヤ復元ブロックを利用して、第2レイヤ予測ブロックを決定することができる。
一方、予測単位別に伝送される動き情報に係わるデータ量を減らすために、インターレイヤビデオ符号化装置20は、空間的(spatial)/時間的(temporal)周辺ブロック、あるいはインターレイヤ方向の対応ブロックの動き情報に基づいて、現在ブロックの動き情報として設定するマージモードを利用することができる。
インターレイヤビデオ符号化装置20は、動き情報を予測するためのマージ候補リストを、符号化装置及び復号化装置において同一に構成し、リスト内の候補選択情報を復号化装置に伝送することにより、動き関連データの量を効果的に減らすことができる。
マージ候補リストは、空間的周辺ブロックの動き情報を基にした空間的候補、時間的周辺ブロックの動き情報を基にした時間的候補、及びインターレイヤ方向の対応ブロックの動き情報を基にしたインターレイヤ候補を基に生成した候補を含んでもよい。インターレイヤビデオ符号化装置20は、空間的候補、時間的候補、及びインターレイヤ候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを決定することができる。また、インターレイヤビデオ符号化装置20は、既設定の順序によって、空間的候補、時間的候補、インターレイヤ候補、及び前述の候補を基にして生成した候補を、マージ候補リストに含めるか否かということを決定することができる。
インターレイヤ候補ブロックは、現在ブロックが含まれた映像のレイヤと異なるレイヤの映像に含まれた候補ブロックを意味する。例えば、インターレイヤ候補は、第1レイヤ復元映像内において、第2レイヤ現在ブロックの位置から、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す第1レイヤ対応ブロックと、第1レイヤ対応ブロックの右側下端ブロックとを含んでもよい。
インターレイヤ候補は、現在ブロックのインター予測で利用されるマージ候補として、現在ブロックの対応ブロックがイントラコーディングを行ったか、あるいは対応ブロックの動き情報が、現在ブロックが参照することができる同一時間の参照ピクチャではない場合、インターレイヤ候補ブロックは、マージ候補リストに含まれない。
一実施形態において、インターレイヤ候補は、時間方向の動き情報のみを許容することができ、その場合、インターレイヤビデオ符号化装置20は、現在ブロックのインター予測の方向がレイヤ方向であると判断し、インターレイヤ候補のマージ候補可能情報を誘導しない。マージ候補可能情報とは、候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを示す情報を意味する。
例えば、現在ブロックに輝度補償が行われる場合、輝度補償は、常にインターレイヤ方向の予測にのみ使用されるために、インターレイヤビデオ符号化装置10は、時間方向の動き情報だけ許容するインターレイヤ候補のマージ候補可能情報を誘導しない。
インターレイヤビデオ復号化装置20、インター予測によって、第1レイヤ復元ブロックを利用して決定された第2レイヤ予測ブロックを、第2レイヤ原本ブロックのインターレイヤ予測のための参照映像として利用することもできる。インターレイヤビデオ復号化装置20は、第1レイヤ復元映像を利用して決定された第2レイヤ予測ブロックのサンプル値と、インターレイヤ予測によるレジデュアル成分とを合成することにより、第2レイヤブロックを復元することができる。
空間的スケーラブルビデオコーディング方式によれば、インターレイヤビデオ復号化装置20が、第2レイヤ映像と異なる解像度の第1レイヤ映像を復元した場合、第1レイヤ復元映像を、第2レイヤ原本映像と同一である解像度にサイズ調節するために補間することができる。補間された第1レイヤ復元映像を、インターレイヤ予測のための第2レイヤ予測映像として決定する。
従って、インターレイヤビデオ復号化装置20は、第1レイヤストリームを復号化して第1レイヤ映像シーケンスを復元し、また第2レイヤストリームを復号化して第2レイヤ映像シーケンスを復元することができる。
一方、前述のインターレイヤビデオ復号化装置20が多視点ビデオを復号化する場合、復号化される第1レイヤ映像は、第1視点ビデオであり、第2レイヤ映像は、第2視点ビデオでもある。各視点別ビデオは、互いに異なるカメラによって撮影されるか、あるいは互いに異なるレンズを介して獲得される。
図2Bは、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化方法のフローチャートを図示している。
段階21において、輝度補償情報獲得部22は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行うか否かということを示す輝度補償情報を獲得することができる。
例えば、輝度補償情報獲得部22は、ビットストリームから輝度補償情報を獲得することができる。例えば、輝度補償情報獲得部22は、ビートストリームから、「ic_flag」を獲得することができる。
段階23において、マージ候補リスト生成部24は、輝度補償情報が輝度補償の遂行を示すか否かということ、及び現在ブロックの候補が時間方向インター予測を行うか否かということに基づいて、前記候補が現在ブロックのマージ候補として利用可能であるか否かということを決定することができる
本発明の一実施形態によれば、現在ブロックのマージ候補は、時間的候補、空間的候補及びインターレイヤ候補を含んでもよい。
本発明の一実施形態によれば、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックの候補を決定することができる。例えば、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤ現在ブロックの位置からディスパリティベクトルに対応する第1レイヤのブロックを現在ブロックの候補として決定することができる。
また、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤ現在ブロックの位置からデ、ィスパリティベクトルが示す第1レイヤブロックの右側下端ブロックを、現在ブロックの候補として決定することができる。
マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックのインターレイヤ候補を決定するためのディスパリティベクトルを、多様な方式によって決定することができる。
例えば、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロックから誘導することができる。
他の例として、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤの現在ブロックの周辺ブロックから誘導したディスパリティベクトルを使用し、第1レイヤの現在ブロックに対応するデプスブロックを検出し、当該デプスブロック値のうち一つを選択し、選択した値を、カメラパラメータを使用してディスパリティベクトルに変換することにより、ディスパリティベクトルを誘導することもできる。
また、現在ブロックに対して輝度補償が行われない場合、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックのディスパリティベクトル自体を動き情報にするマージ候補のディスパリティベクトルの垂直成分を「0」に設定することができる。
また、現在ブロックに対して輝度補償が行われる場合、マージ候補リスト生成部14は、現在ブロックのディスパリティベクトル自体を動き情報にするマージ候補のディスパリティベクトルの垂直成分を「0」に設定せず、誘導した値を使用することができる。
本発明の多様な実施形態によれば、現在ブロックのインターレイヤ対応ブロックがイントラコーディングを行った場合、インターレイヤ候補ブロックは、マージ候補リストに含まれない。
また、現在ブロックのインターレイヤ対応ブロックの動き情報が、現在ブロックが参照することができる時間と同一である時間の参照ピクチャではない場合、インターレイヤ候補ブロックは、マージ候補リストに含まれない。
本発明の多様な実施形態によれば、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックの特定候補がインター予測を行うか否かということに基づいて、現在ブロックの特定候補のマージ候補可能情報を決定することができる。
例えば、現在ブロックが輝度補償を行わず、現在ブロックの候補が時間方向のインター予測を行った場合、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックの候補のマージ候補可能情報の値を1に決定することができる。
また、現在ブロックが輝度補償を行わず、現在ブロックに対応する第1レイヤ候補が時間方向のインター予測を行わない場合、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックの候補のマージ候補可能情報の値を0に決定することができる。
マージ候補可能情報は、現在ブロックの候補がマージ候補として利用可能であるか否かということを示す情報として、「availableFlagIvMC(現在ブロックのディスパリティベクトルに対応するブロックの右側下端ブロックの動き情報を基にした候補のマージ候補として利用可能であるか否かということを示す情報)」及び/または「availableFlagIvMCShift(現在ブロックのディスパリティベクトルに対応するブロックの右側下端ブロックの動き情報を基にした候補が利用可能であるか否かということを示す情報)」を含んでもよい。
本発明の多様な実施形態によれば、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックに輝度補償が行われる場合、時間方向予測を行う候補をマージ候補として利用しない。
例えば、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補を、マージ候補として利用が可能ではないと決定することができる。
また、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補可能情報を決定しない。
例えば、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補可能情報を決定せず、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補可能情報を既設定の値に維持することができる。
候補のマージ候補可能情報の既設定の値は0でもある。例えば、「availableFlagIvMC」及び「availableFlagIvMCShift」の既設定の値は、それぞれ0でもある。
マージ候補リスト生成部24は、候補のマージ候補可能情報を決定しないことにより、ビデオコーディング効率を高めることができる。
また、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤ現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補のマージ候補の誘導過程自体を遂行せず、マージ候補リストに含めない。
例えば、マージ候補リスト生成部24は、現在ブロックが輝度補償を行う場合、現在ブロックの候補のうち時間方向インター予測を行う候補の動きベクトルを利用して、時間方向インター予測を行う候補のマージ可能情報を誘導する過程を省略することができる。
段階25において、マージ候補リスト生成部24は、決定された結果に基づいて、現在ブロックの候補を含むマージ候補リストを生成することができる。
マージ候補リスト生成部24は、決定された結果に基づいて、少なくとも1つのマージ候補を含むマージ候補リストを生成することができる。例えば、マージ候補リスト生成部24は、マージ候補可能情報の値に基づいて、現在ブロックの候補を現在ブロックのマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。
例えば、マージ候補リスト生成部24は、候補のマージ候補可能情報値が1である場合、現在ブロックの候補を第2レイヤ現在ブロックのマージ候補リストに追加することができる。
また、マージ候補リスト生成部24は、候補のマージ候補可能情報値が0である場合、現在ブロックの候補を第2レイヤ現在ブロックのマージ候補リストに追加しない。
また、マージ候補リスト生成部24は、マージ候補リストに追加された他の候補のモーションベクトルと、現在候補のモーションベクトルとが同一であるか否かということをさらに考慮し、マージ候補リストを生成することができる。
例えば、マージ候補リスト生成部24は、現在候補のマージ候補可能情報の値が1である場合でも、マージ候補リストに追加された他の候補のモーションベクトルと、現在候補の時間方向モーションベクトルとが同一であるならば、マージ候補リストに現在候補を追加しない。
段階27において、動き情報決定部26は、マージ候補リストに含まれた少なくとも1つのマージ候補のうち1つの動き情報を利用して、現在ブロックの動き情報を決定することができる。
動き情報決定部26は、マージ候補リストに含まれたマージ候補のうち一つを選択することができる。また、動き情報決定部26は、選択されたマージ候補の動き情報を現在ブロックの動き情報として設定することができる。
例えば、動き情報決定部26は、マージ候補リストに含まれたマージ候補それぞれの動き情報を利用して、第2レイヤ現在ブロックに対してインター予測を行うことにより、マージ候補それぞれに対する第2レイヤ予測映像を生成することができる。また、動き情報決定部16は、第2レイヤ現在原本映像と第2レイヤ予測映像との誤差を獲得し、獲得した誤差が最小である場合のマージ候補を選択することができる。動き情報決定部26は、選択されたマージ候補の動き情報を現在ブロックの動き情報として設定することができる。
また、インターレイヤビデオ復号化装置20は、現在ブロックに設定された動き情報に基づいて、第2レイヤ現在ブロックに対してインター予測を行うことにより、第2レイヤ予測映像を生成し、ビットストリームから獲得したレジデュアルデータと、予測映像のサンプル値とを合成することにより、現在ブロックを復元することができる。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20は、輝度補償情報獲得部22、マージ候補リスト生成部24及び動き情報決定部26の入出力データが保存される1以上のデータ保存部(図示せず)を含んでもよい。インターレイヤビデオ復号化装置20は、データ保存部(図示せず)のデータ入出力を管轄するメモリ制御部(図示せず)を含んでもよい。
多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20は、ビデオ復号化を介してビデオを復元するために、内部に搭載されたビデオデコーディングプロセッサまたは外部ビデオデコーディングプロセッサと連繋して作動することにより、逆変換を含んだビデオ復号化動作を遂行することができる。多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20の内部ビデオデコーディングプロセッサは、別個のプロセッサだけではなく、インターレイヤビデオ復号化装置20、または中央演算装置、グラフィック演算装置がビデオデコーディングプロセッシングモジュールを含むことにより、基本的なビデオ復号化動作を具現する場合も含んでもよい。
図3は、多様な実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20が、現在ブロックが輝度補償を行うか否かということに基づいて、マージ候補可能情報を決定する方法について説明するための図面である。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、現在ブロックのインターレイヤ候補のマージ候補可能情報を0に設定することができる。インターレイヤ候補は、現在ブロックが含まれた映像のレイヤと異なるレイヤの映像に含まれた候補を意味する。例えば、インターレイヤ候補は、第1レイヤ映像内において、第2レイヤ現在ブロックの位置から、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す第1レイヤブロックと、第1レイヤブロックの右側下端ブロックとを含んでもよい。
段階31において、インターレイヤビデオ復号化装置20は、「availableFlagIvMC」値を0に設定することができる。「availableFlagIvMC」は、第2レイヤ現在ブロックの位置から、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す第1レイヤ候補のマージ候補可能情報を示す。
段階32において、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得した輝度補償情報の値が0であるか否かということを決定することができる。例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得した「ic_flag」の値が0であるか否かということを決定することができる。
段階33において、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得した輝度補償情報の値が0である場合、「availableFlagIvMC」の値を誘導することができる。インターレイヤビデオ復号化装置20は、第2レイヤ現在ブロックの位置から、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す第1レイヤ候補が時間方向予測を行ったか否かということに基づいて、「availableFlagIvMC」の値を誘導することができる。また、誘導された値を「availableFlagIvMC」の値に決定することができる。
例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、第2レイヤ現在ブロックの位置から、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す第1レイヤブロックが時間方向予測を行った場合、「availableFlagIvMC」値を1に誘導することができる。また、誘導された値を「availableFlagIvMC」の値に決定することができる。
段階34を参照するとき、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得した輝度補償情報の値が0ではない場合、「availableFlagIvMC」の値を誘導しない。例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、「ic_flag」の値が1である場合、「availableFlagIvMC」の値を誘導せず、「availableFlagIvMC」値を既設定の0に維持することができる。
また、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得した「ic_flag」の値が1である場合、現在ブロックに対応する第1レイヤ候補の時間方向の動き情報を考慮し、多種の候補をマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。
例えば、第2レイヤ現在ブロックの空間的候補のモーションベクトルと、第2レイヤ現在ブロックに対応する第1レイヤ候補のモーションベクトルとが同一であるならば、マージ候補リスト生成部24は、空間的候補をマージ候補リストに追加しない。
また、第2レイヤ現在ブロックの空間的候補の参照インデックスと、第2レイヤ現在ブロックに対応する第1レイヤ候補の参照インデックスとが同一であるならば、マージ候補リスト生成部24は、空間的候補のモーションベクトルと、第1レイヤ候補の時間方向モーションベクトルとが同一であるか否かということに係わりなく、空間的候補をマージ候補リストに追加しない。
段階31から34までのプロセスは、第1レイヤ映像内において、第2レイヤ現在ブロックの位置から、ディスパリティベクトルが示す第1レイヤ候補の右側下端に位置した候補に同一に適用される。その場合、第1レイヤ候補の右側下端に位置した候補のマージ候補可能情報は、「availableFlagIvMCShift」と示すことができる。
図4は、多様な実施形態による、第2レイヤ現在ブロックに対応する第1レイヤ候補ブロックの一例について説明するための図面である。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、周辺ブロックと現在ブロックとの動き情報の相関度を利用するマージモードを利用することができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10がマージモードを利用する場合、インターレイヤビデオ符号化装置10は、動き情報を誘導するためのマージ候補リストを、符号化装置及び復号化装置で同一に構成し、リスト内の候補選択情報を復号化装置に伝送することにより、動き関連データの量を効果的に減らすことができる。
インターレイヤビデオ符号化装置10は、インターレイヤ候補ブロックを、インター予測のためのマージ候補リストに含めることができる。インターレイヤ候補ブロックは、現在ブロックが含まれた映像のレイヤと異なるレイヤの映像に含まれた候補ブロックを意味する。
図4を参照するとき、インターレイヤ候補ブロックは、第2レイヤピクチャ41内に含まれた現在ブロック42の位置から、現在ブロックのディスパリティベクトル43が示すブロック45を含んでもよい。
また、インターレイヤ候補ブロックは、第2レイヤピクチャ41内に含まれた現在ブロック42の位置から、現在ブロックのディスパリティベクトル43が示すブロック45の右側下端ブロック46を含んでもよい。
前述のインターレイヤ候補は、本発明の一実施形態に過ぎない。インターレイヤ候補ブロックは、前述のブロック以外にも、現在ブロックが含まれた映像のレイヤと異なるレイヤの映像に含まれた多様なブロックを含んでもよい。
図5は、多様な実施形態による現在ブロックの空間的候補ブロックを示す。図5を参照すれば、現在ピクチャ50において、現在ブロック51の動き情報を予測するために参照する候補ブロックは、現在ブロック51に空間的に隣接する予測単位でもある。
例えば、現在ブロック51の左側下端サンプルの左側下端外部に位置する周辺ブロックA052、現在ブロック51の左側下端サンプルの左側外部に位置する周辺ブロックA153、現在ブロック51の右側上端サンプルの右側上端外部に位置する周辺ブロックB054、現在ブロック51の右側上端サンプルの上端外部に隣接する周辺ブロックB155、現在ブロック51の左側上端サンプルの左側上端外部に位置する周辺ブロックB256が、現在ブロック51の空間的候補ブロックにもなる。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、空間的候補ブロックをマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、現在ブロック51の輝度補償遂行いかん、及び現在ブロック51に対応する第1レイヤ候補ブロックの時間方向の動き情報を考慮し、空間的候補ブロックをマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。
例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20が、第2レイヤ現在ブロック51に輝度補償が行われると決定した場合、第2レイヤ現在ブロック51の空間的候補ブロックのうち一つであるA052の時間方向モーションベクトルと、第2レイヤ現在ブロック51に対応する第1レイヤ候補ブロックの時間方向モーションベクトルとが同一であるならば、マージ候補リスト生成部24は、A052をマージ候補リストに追加しない。
また、インターレイヤビデオ復号化装置20が、第2レイヤ現在ブロック51に輝度補償が行われると決定した場合、第2レイヤ現在ブロック51の空間的候補ブロックのうち一つであるA052の参照インデックスと、第2レイヤ現在ブロック51に対応する第1レイヤ候補ブロックの参照インデックスとが同一であるならば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、A052のモーションベクトルと、第1レイヤ候補ブロックの時間方向モーションベクトルとが同一であるか否かということに係わりなく、A052をマージ候補リストに追加しない。
図6は、一実施形態によるインター予測モードで利用される時間的予測候補を示す。図6を参照すれば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、現在ピクチャ50に含まれた現在ブロック51のインター予測のために、参照ピクチャ57に含まれ、現在ブロック51、コロケーテッドブロック(co-locatedblock)58、及び前記同一位置のブロック59周辺のブロックのうち少なくとも一つが時間的予測候補に含まれてもよい。例えば、同一位置のブロック58の右側下端ブロック59が時間的予測候補に含まれてもよい。一方、時間的予測候補決定に利用されるブロックは、符号化単位または予測単位でもある。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、時間的候補ブロックをマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、現在ブロック51の輝度補償遂行いかん、及び現在ブロック51に対応する第1レイヤ候補ブロックの時間方向の動き情報を考慮し、時間的候補ブロックをマージ候補リストに追加するか否かということを決定することができる。
例えば、インターレイヤビデオ復号化装置20が、第2レイヤ現在ブロック51に輝度補償が行われると決定した場合、第2レイヤ現在ブロック51の時間的候補ブロックのうち一つであるコロケーテッドブロックの時間方向モーションベクトルと、第2レイヤ現在ブロック51に対応する第1レイヤ候補ブロックの時間方向モーションベクトルとが同一であるならば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、コロケーテッドブロックをマージ候補リストに追加しない。
また、インターレイヤビデオ復号化装置20が、第2レイヤ現在ブロック51に輝度補償が行われると決定した場合、第2レイヤ現在ブロック51の時間的候補ブロックのうち一つであるコロケーテッドブロックの参照インデックスと、第2レイヤ現在ブロック51に対応する第1レイヤ候補ブロックの参照インデックスとが同一であるならば、インターレイヤビデオ復号化装置20は、コロケーテッドブロックのモーションベクトルと、第1レイヤ候補ブロックの時間方向モーションベクトルとが同一であるか否かということに係わりなく、コロケーテッドブロックをマージ候補リストに追加しない。
図7は、多様な実施形態による、現在ブロックの輝度補償遂行いかんに基づいて、ディスパリティベクトルの垂直成分を0に設定しない方法について説明するための図面である。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、インターレイヤ候補ブロックを決定することができる。例えば、マージ候補リスト生成部24は、第2レイヤ現在ブロックの位置から、ディスパリティベクトルが示す第1レイヤのブロックを現在ブロックに対応するインターレイヤ候補ブロックに決定することができる。
インターレイヤビデオ復号化装置20は、インターレイヤ候補ブロックを決定するために必要なディスパリティベクトルを、現在ブロックの輝度補償遂行いかんに基づいて、決定することができる。
例えば、図7の71を参照するとき、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得したic_flagが0である場合、現在ブロックのディスパリティベクトルの垂直成分を0に設定することができる。
また、図7の72を参照するとき、インターレイヤビデオ復号化装置20は、獲得したic_flagが0である場合、現在ブロックのディスパリティベクトルの垂直成分を0に設定しない。一方、図3ないし図7で説明された動作は、インターレイヤビデオ復号化装置20が遂行することを前提に説明したが、インターレイヤビデオ符号化装置10でも、同一動作が遂行されるということは、本実施形態が属する技術分野の通常の技術者であるならば、容易に理解することができるであろう。
一実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10、及び一実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20において、ビデオデータが分割されるブロックがツリー構造の符号化単位に分割され、符号化単位に対するインターレイヤ予測またはインター予測のために、符号化単位、予測単位、変換単位が利用される場合があるということは、前述の通りである。以下、図8ないし図20を参照し、一実施形態による、ツリー構造の符号化単位及び変換単位に基づいたビデオ符号化方法及びその装置、ビデオ復号化方法及びその装置が開示される。
原則的に、マルチレイヤビデオのための符号化/復号化過程において、第1レイヤ映像のための符号化/復号化過程と、第2レイヤ映像のための符号化/復号化過程とが別途に遂行される。すなわち、マルチレイヤビデオのうちインターレイヤ予測が発生する場合には、シングルレイヤビデオの符号化/復号化結果が相互参照されるが、シングルレイヤビデオごとに別途の符号化/復号化過程が発生する。
従って、説明の便宜のために、図8ないし図20を参照して説明するツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化過程及びビデオ復号化過程は、シングルレイヤビデオに係わるビデオ符号化過程及びビデオ復号化過程であるので、インター予測及び動き補償について説明する。しかし、図1Aないし図7を参照して説明したように、ビデオストリーム符号化/復号化のために、基本視点映像と第2レイヤ映像とのインターレイヤ予測及び補償が行われる。
従って、一実施形態によるインターレイヤビデオ符号化装置10の符号化部が、ツリー構造の符号化単位に基づいて、マルチレイヤビデオを符号化するためには、それぞれのシングルレイヤビデオごとにビデオ符号化を行うために、図8のビデオ符号化装置100を、マルチレイヤビデオのレイヤ個数ほど含み、各ビデオ符号化装置100ごとに割り当てられたシングルレイヤビデオの符号化を行うように制御することができる。また、インターレイヤビデオ符号化装置10は、各ビデオ符号化装置100の別個単一視点の符号化結果を利用して、視点間予測を行うことができる。それによって、インターレイヤビデオ符号化装置10の符号化部は、レイヤ別に符号化結果を収録した基本視点ビデオストリームと第2レイヤビデオストリームとを生成することができる。
それと類似して、一実施形態によるインターレイヤビデオ復号化装置20の復号化部が、ツリー構造の符号化単位に基づいて、マルチレイヤビデオを復号化するためには、受信した第1レイヤビデオストリーム及び第2レイヤビデオストリームに対して、レイヤ別にビデオ復号化を行うために、図9のビデオ復号化装置200をマルチレイヤビデオのレイヤ個数ほど含み、各ビデオ復号化装置200ごとに割り当てられたシングルレイヤビデオの復号化を行うように制御することができる。そして、インターレイヤビデオ復号化装置20が、各ビデオ復号化装置200の別個シングルレイヤの復号化結果を利用して、インターレイヤ補償を行うことができる。それによって、インターレイヤビデオ復号化装置20の復号化部は、レイヤ別に復元された第1レイヤ映像及び第2レイヤ映像を生成することができる。
図8は、本発明の一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ符号化装置100のブロック図を図示している。
一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ符号化装置100は、符号化単位決定部120及び出力部130を含む。以下、説明の便宜のために、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ符号化装置100は、「ビデオ符号化装置100」と縮約して称する。
符号化単位決定部120は、映像の現在ピクチャのための最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャを区画することができる。現在ピクチャが最大符号化単位より大きければ、現在ピクチャの映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。一実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256のようなデータ単位であり、縦横サイズが2の累乗である正方形のデータ単位でもある。
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び最大深度で特徴づけられる。深度とは、最大符号化単位から符号化単位が空間的に分割された回数を示し、深度が深くなるほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割される。最大符号化単位の深度が最上位深度と定義され、最小符号化単位が最下位符号化単位と定義される。最大符号化単位は、深度が深くなるにつれ、深度別符号化単位の大きさは、小さくなるので、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含んでもよい。
前述のように、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。一実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが、深度によって階層的に分類される。
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる総回数を制限する最大深度及び符号化単位の最大サイズ、があらかじめ設定されている。
符号化単位決定部120は、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に、最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、符号化単位決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位で映像データを符号化し、最小の符号化誤差が発生する深度を選択して最終深度に決定する。決定された最終深度及び最大符号化単位別の映像データは、出力部130に出力される。
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最小である深度が選択される。それぞれの最大化符号化単位ごとに、少なくとも1つの最終深度が決定される。
最大符号化単位の大きさは、深度が深くなるにつれ、符号化単位が階層的に分割されて分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同一深度の符号化単位であるとしても、それぞれのデータに対する符号化誤差を測定し、下位深度への分割いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであるとしても、位置によって深度別符号化誤差が異なるので、位置によって最終深度が異なって決定される。従って、1つの最大符号化単位に対して、最終深度が1以上設定され、最大符号化単位のデータは、1以上の最終深度の符号化単位によって区画される。
従って、一実施形態による符号化単位決定部120では、現在最大符号化単位に含まれる、ツリー構造による符号化単位が決定される。一実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれる全ての深度別符号化単位のうち、最終深度として決定された深度の符号化単位を含む。最終深度の符号化単位は、最大符号化単位内において、同一領域では深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定される。同様に、現在領域に係わる最終深度は、他の領域に係わる最終深度と独立して決定される。
一実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数に係わる指標である。一実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示すことができる。一実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの総個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度は、2に設定される。その場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の深度レベルが存在するので、第1最大深度は、4に設定され、第2最大深度は、5に設定される。
最大符号化単位の予測符号化及び変換が行われる。予測符号化及び変換も、同様に、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに深度別符号化単位を基に行われる。
最大符号化単位が深度別に分割されるたびに、深度別符号化単位の個数が増加するので、深度が深くなるにつれて生成される全ての深度別符号化単位に対して、予測符号化及び変換を含んだ符号化が行われなければならない。以下、説明の便宜のために、少なくとも1つの最大符号化単位のうち現在深度の符号化単位を基に、予測符号化及び変換について説明する。
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のためのデータ単位の大きさまたは形態を多様に選択することができる。映像データの符号化のためには、予測符号化、変換、エントロピー符号化などの段階を経るが、全ての段階にわたって同一データ単位が使用され、段階別にデータ単位が変更される。
例えば、ビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけでなく、符号化単位の映像データの予測符号化を行うために、符号化単位と異なるデータ単位を選択することができる。
最大符号化単位の予測符号化のためには、一実施形態による最終深度の符号化単位、すなわち、それ以上分割されない符号化単位を基に予測符号化が行われる。以下、予測符号化の基になる、それ以上分割されない符号化単位を「予測単位」と称する。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位、並びに予測単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが分割されたデータ単位を含んでもよい。パーティションは、符号化単位の予測単位が分割された形態のデータ単位であり、予測単位は、符号化単位と同一サイズのパーティションでもある。
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは、正の整数)の符号化単位がそれ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になり、パーティションの大きさは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNなどでもある。一実施形態によるパーティションモードは、予測単位の高さまたは幅が対称的な比率に分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように、非対称的な比率に分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含んでもよい。
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つでもある。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションに対して遂行される。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションに対してのみ遂行される。符号化単位以内の1つの予測単位ごとに独立して符号化が行われ、符号化誤差が最小である予測モードが選択される。
また、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけでなく、符号化単位と異なるデータ単位を基に、符号化単位の映像データの変換を行うことができる。符号化単位の変換のためには、符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサイズの変換単位を基に変換が行われる。例えば、変換単位は、イントラモードのためのデータ単位、及びインターモードのための変換単位を含んでもよい。
一実施形態による、ツリー構造による符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も、再帰的にさらに小サイズの変換単位に分割されながら、符号化単位のレジデュアルデータが、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって区画される。
一実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定される。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位の大きさが2Nx2Nであるならば、変換深度0に設定され、変換単位の大きさがNxNであるならば、変換深度1に設定され、変換単位の大きさがN/2xN/2であるならば、変換深度2に設定される。すなわち、変換単位についても、変換深度によって、ツリー構造による変換単位が設定される。
深度別分割情報は、深度だけではなく、予測関連情報及び変換関連情報が必要である。従って、符号化単位決定部120は、最小符号化誤差を発生させた深度だけでなく、予測単位をパーティションに分割したパーティションモード、予測単位別予測モード、変換のための変換単位の大きさなどを決定することができる。
一実施形態による、最大符号化単位のツリー構造による符号化単位及び予測単位/パーティション、並びに変換単位の決定方式については、図17ないし図19を参照して詳細に後述する。
符号化単位決定部120は、深度別符号化単位の符号化誤差をラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率・歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用して、測定することができる。
出力部130は、符号化単位決定部120で決定された少なくとも1つの深度に基づいて、符号化された最大符号化単位の映像データ及び深度別分割情報をビットストリーム形態に出力する。
符号化された映像データは、映像のレジデュアルデータの符号化結果でもある。
深度別分割情報は、深度情報、予測単位のパーティションモード情報、予測モード情報、変換単位の分割情報などを含んでもよい。
最終深度情報は、現在深度で符号化せず、下位深度の符号化単位で符号化するか否かということを示す深度別分割情報を利用して定義される。現在符号化単位の現在深度が深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位で符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上下位深度に分割されないように定義される。反対に、現在符号化単位の現在深度ではないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みなければならないので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位に分割されるように定義される。
現在深度ではないならば、下位深度の符号化単位に分割された符号化単位に対して符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に下位深度の符号化単位が1以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに反復的に符号化が行われ、同一深度の符号化単位ごとに、再帰的(recursive)符号化が行われる。
1つの最大符号化単位内でツリー構造の符号化単位が決定され、深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの分割情報が決定されなければならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの分割情報が決定される。また、最大符号化単位のデータは、深度によって階層的に区画され、位置別に深度が異なるので、データについて深度及び分割情報が設定される。
従って、一実施形態による出力部130は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して、当該深度及び符号化モードに係わる符号化情報を割り当てられる。
一実施形態による最小単位は、最下位深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位である。一実施形態による最小単位は、最大符号化単位に含まれる全ての符号化単位、予測単位、パーティション単位及び変換単位内に含まれる最大サイズの正方形データ単位でもある。
例えば、出力部130を介して、出力される符号化情報は、深度別符号化単位別符号化情報と、予測単位別符号化情報とに分類される。深度別符号化単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向に係わる情報、インターモードの参照映像インデックスに係わる情報、モーションベクトルに係わる情報、イントラモードのクロマ成分に係わる情報、イントラモードの補間方式に係わる情報などを含んでもよい。
ピクチャ別、スライス別またはGOP(group of picture)別に定義される符号化単位の最大サイズに係わる情報、及び最大深度に係わる情報は、ビットストリームのヘッダ、シーケンスパラメータセット(SPS)またはピクチャパラメータセット(PPS)などに挿入される。
また、現在ビデオに対して許容される変換単位の最大サイズに係わる情報、及び変換単位の最小サイズに係わる情報も、ビットストリームのヘッダ、シーケンスパラメータセットまたはピクチャパラメータセットなどを介して出力される。出力部130は、予測に係わる参照情報、予測情報、スライスタイプ情報などを符号化して出力することができる。
ビデオ符号化装置100の最も簡単な形態の実施形態によれば、深度別符号化単位は、1階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にした大きさの符号化単位である。すなわち、現在深度の符号化単位の大きさが2Nx2Nであるならば、下位深度の符号化単位の大きさは、NxNである。また、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を最大4個含んでもよい。
従って、ビデオ符号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位の大きさ及び最大深度を基に、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及び大きさの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、変換方式などによって符号化することができるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮し、最適の符号化モードが決定される。
従って、映像の解像度が非常に高いか、あるいはデータ量が非常に多い映像を、既存マクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。それにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下する傾向がある。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置は、映像の大きさを考慮して符号化単位の最大サイズを増大させながら、映像特性を考慮して符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が上昇する。
図1Aを参照して説明したインターレイヤビデオ符号化装置10は、マルチレイヤビデオのレイヤごとに、シングルレイヤ映像の符号化のために、レイヤ個数ほどのビデオ符号化装置100を含んでもよい。例えば、第1レイヤ符号化部が1つのビデオ符号化装置100を含み、第2レイヤ符号化部が第2レイヤの個数ほどのビデオ符号化装置100を含んでもよい。
ビデオ符号化装置100が第1レイヤ映像を符号化する場合、符号化単位決定部120は、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位別に映像間予測のための予測単位を決定し、予測単位ごとに映像間予測を行うことができる。
ビデオ符号化装置100が第2レイヤ映像を符号化する場合にも、符号化単位決定部120は、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位及び予測単位を決定し、予測単位ごとにインター予測を行うことができる。
ビデオ符号化装置100は、第1レイヤ映像と第2レイヤ映像との輝度差を補償するために、輝度差を符号化することができる。ただし、符号化単位の符号化モードによって輝度遂行いかんが決定される。例えば、サイズ2Nx2Nの予測単位に対してのみ輝度補償が行われる。
図9は、多様な実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ復号化装置200のブロック図を図示している。
一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ復号化装置200は、受信部210、映像データ及び符号化情報抽出部220及び映像データ復号化部230を含む。以下、説明の便宜のために、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ復号化装置200は、「ビデオ復号化装置200」と縮約して称する。
一実施形態によるビデオ復号化装置200の復号化動作のための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種分割情報など各種用語の定義は、図8及びビデオ符号化装置100を参照して説明したところと同一である。
受信部210は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする。映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位によって、符号化単位ごとに符号化された映像データを抽出し、映像データ復号化部230に出力する。映像データ及び符号化情報抽出部220は、現在ピクチャに係わるヘッダ、シーケンスパラメータセットまたはピクチャパラメータセットから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズに係わる情報を抽出することができる。
また、映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる、最終深度及び分割情報を抽出する。抽出された最終深度及び分割情報は、映像データ復号化部230に出力される。すなわち、ビット列の映像データを最大符号化単位に分割し、映像データ復号化部230が、最大符号化単位ごとに映像データを復号化する。
最大符号化単位別深度及び分割情報は、1以上の深度情報について設定され、深度別分割情報は、当該符号化単位のパーティションモード情報、予測モード情報及び変換単位の分割情報などを含んでもよい。また、深度情報として、深度別分割情報が抽出される。
映像データ及び符号化情報抽出部220が抽出した最大符号化単位別深度及び分割情報は、一実施形態によるビデオ符号化装置100のように、符号化端で、最大符号化単位別深度別符号化単位ごとに反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させると決定された深度及び分割情報である。従って、ビデオ復号化装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によってデータを復号化し、映像を復元することができる。
一実施形態による、深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位に対して割り当てられているので、映像データ及び符号化情報抽出部220は、所定データ単位別に、深度及び分割情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の深度及び分割情報が記録されているならば、同一深度及び分割情報を有している所定データ単位は、同一最大符号化単位に含まれるデータ単位と類推される。
映像データ復号化部230は、最大符号化単位別深度及び分割情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを復元する。すなわち、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれる、ツリー構造による符号化単位においてそれぞれの符号化単位ごとに、判読されたパーティションモード、予測モード、変換単位に基づいて、符号化された映像データを復号化することができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む予測過程、及び逆変換過程を含んでもよい。
映像データ復号化部230は、深度別符号化単位の予測単位のパーティションモード情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとに、それぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行うことができる。
また、映像データ復号化部230は、最大符号化単位別逆変換のために、符号化単位別に、ツリー構造による変換単位情報を判読し、符号化単位ごとに、変換単位に基づいた逆変換を行うことができる。逆変換を介して、符号化単位の空間領域の画素値が復元される。
映像データ復号化部230は、深度別分割情報を利用して、現在最大符号化単位の深度を決定することができる。もし分割情報が現在深度において、それ以上分割されないということを示しているならば、現在深度である。従って、映像データ復号化部230は、現在最大符号化単位の映像データに対して、現在深度の符号化単位を、予測単位のパーティションモード、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して復号化することができる。
すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位に対して設定されている符号化情報を観察し、同一分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、映像データ復号化部230によって、同一符号化モードで復号化する1つのデータ単位と見なされる。かように決定された符号化単位ごとに、符号化モードに係わる情報を獲得し、現在符号化単位の復号化が行われる。
図2Aを参照して説明したインターレイヤビデオ復号化装置20は、受信された第1レイヤ映像ストリーム及び第2レイヤ映像ストリームを復号化し、第1レイヤ映像及び第2レイヤ映像を復元するために、ビデオ復号化装置200を視点数ほど含んでもよい。
第1レイヤ映像ストリームが受信された場合には、ビデオ復号化装置200の映像データ復号化部230は、抽出部220によって、第1レイヤ映像ストリームから抽出された第1レイヤ映像のサンプルを、最大符号化単位のツリー構造による符号化単位に分けることができる。映像データ復号化部230は、第1レイヤ映像のサンプルのツリー構造による符号化単位ごとに、映像間予測のための予測単位別に動き補償を行い、第1レイヤ映像を復元することができる。
第2レイヤ映像ストリームが受信された場合には、ビデオ復号化装置200の映像データ復号化部230は、抽出部220によって、第2レイヤ映像ストリームから抽出された第2レイヤ映像のサンプルを、最大符号化単位のツリー構造による符号化単位に分けることができる。映像データ復号化部230は、第2レイヤ映像のサンプルの符号化単位ごとに、映像間予測のための予測単位別に動き補償を行い、第2レイヤ映像を復元することができる。
抽出部220は、第1レイヤ映像と第2レイヤ映像との輝度差を補償するために、輝度誤差に係わる情報をビットストリームから獲得することができる。ただし、符号化単位の符号化モードによって輝度遂行いかんが決定される。例えば、サイズ2Nx2Nの予測単位に対してのみ輝度補償が行われる。
結局、ビデオ復号化装置200は、符号化過程において、最大符号化単位ごとに再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位に係わる情報を獲得し、現在ピクチャに対する復号化に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに、最適符号化単位と決定されたツリー構造による符号化単位の符号化された映像データの復号化が可能になる。
従って、高い解像度の映像、またはデータ量が過度に多い映像でも、符号化端から伝送された最適分割情報を利用して、映像の特性に適応的に決定された符号化単位の大きさ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号化して復元することができる。
図10は、多様な実施形態による符号化単位の概念を図示している。
符号化単位の例は、符号化単位の大きさは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、サイズ32x32,16x16,8x8を含んでもよい。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに分割され、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに分割され、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割される。
ビデオデータ310については、解像度が1920x1080に設定され、符号化単位の最大サイズが64に設定され、最大深度が2に設定されている。ビデオデータ320については、解像度が1920x1080に設定され、符号化単位の最大サイズが64に設定され、最大深度が3に設定されている。ビデオデータ330については、解像度が352x288に設定され、符号化単位の最大サイズが16に設定され、最大深度が1に設定されている。図10に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示す。
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、符号化効率の向上だけではなく、映像特性を正確に反映させるために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、ビデオデータ330に比べ、解像度が高いビデオデータ310,320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択される。
ビデオデータ310の最大深度が2であるので、ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割されて深度が2階層深くなり、長軸サイズが32,16である符号化単位まで含んでもよい。一方、ビデオデータ330の最大深度が1であるので、ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割されて深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
ビデオデータ320の最大深度が3であるので、ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、3回分割されて深度が3階層深くなり、長軸サイズが32,16,8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、細部情報の表現能が向上する。
図11は、多様な実施形態による、符号化単位に基づいた映像符号化部400のブロック図を図示している。
一実施形態による映像符号化部400は、ビデオ符号化装置100のピクチャ符号化部120において、映像データ符号化に経る作業を遂行する。すなわち、イントラ予測部420は、現在映像405において、イントラモードの符号化単位に対して、予測単位別にイントラ予測を行い、インター予測部415は、インターモードの符号化単位に対して、予測単位別に、現在映像405、及び復元ピクチャバッファ410で獲得された参照映像を利用してインター予測を行う。現在映像405は、最大符号化単位に分割された後、順次にエンコーディングが行われる。そのとき、最大符号化単位がツリー構造に分割される符号化単位に対してエンコーディングを行う。
イントラ予測部420またはインター予測部415から出力された各モードの符号化単位に係わる予測データを、現在映像405のエンコーディングされる符号化単位に係わるデータから取り除くことによって残留データを生成し、残留データは、変換部425及び量子化部430を経て、変換単位別に量子化された変換係数として出力される。量子化された変換係数は、逆量子化部445、逆変換部450を介して、空間領域の残留データに復元される。復元された空間領域の残留データは、イントラ予測部420またはインター予測部415から出力された各モードの符号化単位に係わる予測データと加えられることにより、現在映像405の符号化単位に係わる空間領域のデータに復元される。復元された空間領域のデータは、デブロッキング部455及びSAO遂行部460を経て、復元映像に生成される。生成された復元映像は、復元ピクチャバッファ410に保存される。復元ピクチャバッファ410に保存された復元映像は、他の映像のインター予測のための参照映像に利用される。変換部425及び量子化部430で量子化された変換係数は、エントロピー符号化部435を経て、ビットストリーム440として出力される。
一実施形態による映像符号化部400がビデオ符号化装置100に適用されるために、映像符号化部400の構成要素である、インター予測部415、イントラ予測部420、変換部425、量子化部430、エントロピー符号化部435、逆量子化部445、逆変換部450、デブロッキング部455及びSAO遂行部460が、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位に基づいた作業を遂行することができる。
特に、イントラ予測部420及びインター予測部415は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位のパーティションモード及び予測モードを決定し、変換部425は、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位内のクアッドツリーによる変換単位の分割いかんを決定することができる。
図12は、多様な実施形態による、符号化単位に基づいた映像復号化部500のブロック図を図示している。
エントロピー復号化部515は、ビットストリーム505から、復号化対象である符号化された映像データ、及び復号化のために必要な符号化情報をパージングする。符号化された映像データは、量子化された変換係数であり、逆量子化部520及び逆変換部525は、量子化された変換係数から残留データを復元する。
イントラ予測部540は、イントラモードの符号化単位に対して、予測単位別にイントラ予測を行う。インター予測部535は、現在映像のうち、インターモードの符号化単位に対して、予測単位別に、復元ピクチャバッファ530で獲得された参照映像を利用してインター予測を行う。
イントラ予測部540またはインター予測部535を経た各モードの符号化単位に係わる予測データと、残留データとが加えられることにより、現在映像405の符号化単位に係わる空間領域のデータが復元され、復元された空間領域のデータは、デブロッキング部545及びSAO遂行部550を経て、復元映像560として出力される。また、復元ピクチャバッファ530に保存された復元映像は、参照映像として出力される。
ビデオ復号化装置200のピクチャ復号化部230で映像データを復号化するために、一実施形態による映像復号化部500のエントロピー復号化部515以後の段階別作業が遂行される。
映像復号化部500が、一実施形態によるビデオ復号化装置200に適用されるために、映像復号化部500の構成要素である、エントロピー復号化部515、逆量子化部520、逆変換部525、イントラ予測部540、インター予測部535、デブロッキング部545及びSAO遂行部550が、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位に基づいて作業を遂行することができる。
特に、イントラ予測部540及びインター予測部535は、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位ごとに、パーティションモード及び予測モードを決定し、逆変換部525は、符号化単位ごとに、クアッドツリー構造による変換単位の分割いかんを決定することができる。
図11の符号化動作、及び図12の復号化動作は、それぞれ単一レイヤでのビデオストリーム符号化動作及び復号化動作について説明したものである。従って、図1Aの符号化部が、2以上のレイヤのビデオストリームを符号化するならば、レイヤ別に、映像符号化部400を含んでもよい。類似して、図2Aの復号化部が2以上のレイヤのビデオストリームを復号化するならば、レイヤ別に、映像復号化部500を含んでもよい。
図13は、多様な実施形態による、深度別符号化単位及びパーティションを図示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を使用する。符号化単位の最大高及び最大幅、最大深度は、映像の特性によって適応的に決定されもし、ユーザの要求によって多様に設定されもする。あらかじめ設定された符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位の大きさが決定されてもよい。
一実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高及び最大幅が64であり、最大深度が3である場合を図示している。そのとき、最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示す。一実施形態による、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測符号化の基になる予測単位及びパーティションが図示されている。
すなわち、符号化単位610は、符号化単位の階層構造600において最大符号化単位であって深度が0であり、符号化単位の大きさ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の符号化単位620、サイズ16x16である深度2の符号化単位630、サイズ8x8である深度3の符号化単位640が存在する。サイズ8x8である深度3の符号化単位640は、最小符号化単位である。
それぞれの深度別に横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の符号化単位610が予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の符号化単位610に含まれる、サイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割される。
同様に、深度1のサイズ32x32の符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割される。
同様に、深度2のサイズ16x16の符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の符号化単位630に含まれる、サイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割される。
同様に、深度3のサイズ8x8の符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の符号化単位640に含まれる、サイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割される。
一実施形態によるビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120は、最大符号化単位610の深度を決定するために、最大符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに符号化を行わなければならない。
同一範囲及び同一サイズのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も増加する。例えば、深度1の符号化単位一つを含むデータに対して、深度2の符号化単位は、四つが必要である。従って、同一データの符号化結果を深度別に比較するために、1つの深度1の符号化単位、及び4つの深度2の符号化単位を利用して、それぞれ符号化されなければならない。
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で最小の符号化誤差である代表符号化誤差が選択される。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610において、最小符号化誤差が発生する深度及びパーティションが、最大符号化単位610の深度及びパーティションモードに選択される。
図14は、多様な実施形態による、符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じサイズの符号化単位で映像を符号化したり復号化したりする。符号化過程において、変換のための変換単位の大きさは、それぞれの符号化単位ほど大きくないデータ単位を基に選択される。
例えば、一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200において、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して変換が行われる。
また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位でそれぞれ変換を行って符号化した後、原本との誤差が最小である変換単位が選択される。
図15は、多様な実施形態による符号化情報を図示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、分割情報として、それぞれの深度の符号化単位ごとに、パーティションモードに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を符号化して伝送することができる。
パーティションモードに係わる情報800は、現在符号化単位の予測符号化のためのデータ単位であり、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態に係わる情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうちいずれか1つのタイプに分割されて利用される。その場合、現在符号化単位のパーティションモードに係わる情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうち一つを示すように設定される。
予測モードに係わる情報810は、それぞれのパーティションの予測モードを示す。例えば、予測モードに係わる情報810を介して、パーティションモードに係わる情報800が示すパーティションが、イントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち一つで予測符号化が行われるかということが設定される。
また、変換単位サイズに係わる情報820は、現在符号化単位をいかなる変換単位を基に変換を行うかということを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2インター変換単位サイズ828のうち一つである。
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティションモードに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を抽出して復号化に利用することができる。
図16は、多様な実施形態による深度別符号化単位を図示している。
深度変化を示すために、分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かということを示す。
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティションモード912、2N_0xN_0サイズのパーティションモード914、N_0x2N_0サイズのパーティションモード916、N_0xN_0サイズのパーティションモード918を含んでもよい。予測単位が対称的な比率に分割されたパーティション912,914,916,918だけが例示されているが、前述のように、パーティションモードは、それらに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
パーティションモードごとに、1つの2N_0x2N_0サイズのパーティション、2つの2N_0xN_0サイズのパーティション、2つのN_0x2N_0サイズのパーティション、4つのN_0xN_0サイズのパーティションごとに反復的に予測符号化が行われなければならない。サイズ2N_0x2N_0、サイズN_0x2N_0、サイズ2N_0xN_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターモードで予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションについてのみ予測符号化が行われる。
サイズ2N_0x2N_0,2N_0xN_0及びN_0x2N_0のパーティションモード912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最小であるならば、それ以上下位深度に分割する必要ない。
サイズN_0xN_0のパーティションモード918による符号化誤差が最小であるならば、深度0を1に変更しながら分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティションモードの符号化単位930に対して反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を検索していく。
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティションモード942、サイズ2N_1xN_1のパーティションモード944、サイズN_1x2N_1のパーティションモード946、サイズN_1xN_1のパーティションモード948を含んでもよい。
また、サイズN_1xN_1のパーティションモード948による符号化誤差が最小であるならば、深度1を深度2に変更しながら分割し(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960に対して反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を検索していく。
最大深度がdである場合、深度別符号化単位は、深度d−1になるまで設定され、分割情報は、深度d−2まで設定される。すなわち、深度d−2から分割され(970)、深度d−1まで符号化が行われる場合、深度d−1及びサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションモード992、サイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティションモード994、サイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションモード996、サイズN_(d−1)xN_(d−1)の パーティションモード998を含んでもよい。
パーティションモードにおいて、1つのサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、2つのサイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション、2つのサイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、4つのサイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションごとに、反復的に予測符号化を介した符号化が行われ、最小符号化誤差が発生するパーティションモードが検索される。
サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションモード998による符号化誤差が最小であるとしても、最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位CU_(d−1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる深度が深度d−1に決定され、パーティションモードは、N_(d−1)xN_(d−1)に決定される。また、最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位980に対して、分割情報が設定されない。
データ単位999は、現在最大符号化単位に係わる「最小単位」と称される。一実施形態による最小単位は、最下位深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位でもある。そのような反復的符号化過程を介して、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が発生する深度を選択して深度を決定し、当該パーティションモード及び予測モードが深度の符号化モードに設定される。
かように、深度0,1,…,d−1,dの全ての深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最小である深度が選択されて深度として決定される。深度、並びに予測単位のパーティションモード及び予測モードは、分割情報として符号化されて伝送される。また、深度0から深度に至るまで符号化単位が分割されなければならないので、深度の分割情報だけが「0」に設定され、深度を除いた深度別分割情報は、「1」に設定されなければならない。
一実施形態による、ビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる深度、及び予測単位に係わる情報を抽出し、符号化単位912の復号化に利用することができる。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、深度別分割情報を利用して、分割情報が「0」である深度を深度として把握し、当該深度に係わる分割情報を利用して、復号化に利用することができる。
図17、図18及び図19は、多様な実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
符号化単位1010は、最大符号化単位に対して、一実施形態によるビデオ符号化装置100が決定した深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010において、それぞれの深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの深度別符号化単位の変換単位である。
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位の深度が0であるとすれば、符号化単位1012,1054は、深度が1であり、符号化単位1014,1016,1018、1028,1050,1052は、深度が2であり、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1048は、深度が3であり、符号化単位1040,1042,1044,1046は、深度が4である。
予測単位1060において、一部パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティションモードであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティションモードであり、パーティション1032は、NxNのパーティションモードである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じである。
変換単位1070における一部変換単位1052の映像データについては、符号化単位に比べて小サイズのデータ単位に変換されたり逆変換されたりする。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060において、当該予測単位及びパーティションと比較すれば、互いに異なる大きさまたは形態のデータ単位である。すなわち、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態に他のビデオ復号化装置200は、同一符号化単位に係わるイントラ予測/動き推定/動き補償作業、及び変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基に遂行することができる。
それにより、最大符号化単位ごとに、領域別に階層的な構造の符号化単位ごとに再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることにより、再帰的ツリー構造による符号化単位が構成される。符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティションモード情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。下記表1は、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200において設定することができる一例を示す。
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、一実施形態によるビデオ復号化装置200の符号化情報抽出部220は、受信されたビットストリームから、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
分割情報は、現在符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かということを示す。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が下位符号化単位にそれ以上分割されない深度が深度であるので、深度に対して、パーティションモード情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割されなければならない場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに独立して符号化が行われなければならない。
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、全てのパーティションモードで定義され、スキップモードは、パーティションモード2Nx2Nでのみ定義される。
パーティションモード情報は、予測単位の高さまたは幅が対称的な比率に分割された対称的パーティションモード2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的な比率に分割された非対称的パーティションモード2NxnU,2NxnD,nLx2N,nRx2Nとを示すことができる。非対称的パーティションモード2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:3及び3:1に分割された形態であり、非対称的パーティションモードnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:3及び3:1に分割された形態を示す。
変換単位サイズは、イントラモードで二種の大きさに設定され、インターモードで二種の大きさに設定される。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位の大きさが、現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割された大きさの変換単位が設定される。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティションモードが、対称形パーティションモードであるならば、変換単位の大きさは、NxNに設定され、非対称形パーティションモードであるならば、N/2xN/2に設定される。
一実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、深度の符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して割り当てられる。深度の符号化単位は、同一符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を1以上含んでもよい。
従って、隣接したデータ単位同士それぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同一深度の符号化単位に含まれるか否かということが確認される。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の深度の分布が類推される。
従って、その場合、現在符号化単位が周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用される。
他の実施形態において、現在符号化単位が周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用して、深度別符号化単位内において、現在符号化単位に隣接するデータが検索されることにより、周辺符号化単位が参照される。
図20は、表1の符号化モード情報による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
最大符号化単位1300は、深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。そののうち1つの符号化単位1318は、深度の符号化単位であるので、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティションモード情報は、パーティションモード2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326,NxN 1328,2NxnU 1332,2NxnD 1334,NLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定される。
変換単位分割情報TU Size flagは、変換インデックスの一種であり、変換インデックスに対応する変換単位の大きさは、符号化単位の予測単位タイプまたはパーティションモードによって変更される。
例えば、パーティションモード情報が、対称形パーティションモード2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
パーティションモード情報が、非対称形パーティションモード2NxnU 1332,2NxnD 1334,NLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、変換単位分割情報TU Size flagが0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
図20を参照して説明した変換単位分割情報TU Size flagは、0または1の値を有するフラグであるが、一実施形態による変換単位分割情報は、1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって、0、1、2、3、…のように増加して変換単位が階層的に分割されてもよい。変換単位分割情報は、変換インデックスの一実施形態として利用される。
その場合、一実施形態による変換単位分割情報を、変換単位の最大サイズ、変換単位の最小サイズと共に利用すれば、実際に利用された変換単位の大きさが表現される。一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を符号化することができる。符号化された最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報は、SPSに挿入される。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を利用して、ビデオ復号化に利用することができる。
例えば、(a)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位サイズが32x32であるならば、(a−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさは、32x32に設定され、(a−2)変換単位分割情報が1であるとき、変換単位の大きさは、16x16に設定され、(a−3)変換単位分割情報が2であるとき、変換単位の大きさは、8x8に設定される。
他の例として、(b)現在符号化単位がサイズ32x32であり、最小変換単位サイズが32x32であるならば、(b−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさは、32x32に設定され、変換単位の大きさが32x32より小さいことがないので、それ以上の変換単位分割情報が設定されることがない。
さらに他の例として、(c)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位分割情報が1であるならば、変換単位分割情報は、0または1であり、他の変換単位分割情報が設定されることがない。
従って、最大変換単位分割情報を「MaxTransformSizeIndex」と定義し、最小変換単位サイズを「MinTransformSize」と定義し、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズを「RootTuSize」と定義するとき、現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」は、下記数式(1)のように定義される。
CurrMinTuSize
=max(MinTransformSize,RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)) (1)
現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」と比較し、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、システム上採択可能な最大変換単位サイズを示すことができる。すなわち、数式(1)によれば、「RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)」は、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」を最大変換単位分割情報に相応する回数ほど分割した変換単位サイズであり、「MinTransformSize」は、最小変換単位サイズであるので、それらのうち小さい値が現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」でもある。
一実施形態による最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、予測モードによって異なる。
例えば、現在予測モードがインターモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(2)によって決定される。数式(2)において、「MaxTransformSize」は、最大変換単位サイズを示し、「PUSize」は、現在予測単位サイズを示す。
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PUSize) (2)
すなわち、現在予測モードがインターモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在予測単位サイズのうち小さい値に設定される。
現在パーティション単位の予測モードがイントラモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(3)によって決定される。「PartitionSize」は、現在パーティション単位の大きさを示す。
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PartitionSize) (3)
すなわち、現在予測モードがイントラモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在パーティション単位サイズのうち小さい値に設定される。
ただし、パーティション単位の予測モードによって変動する一実施形態による現在最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、一実施形態であるのみ、現在最大変換単位サイズを決定する要因がそれに限定されるものではないということを留意しなければならない。
図8ないし図20を参照して説明したツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化技法によって、ツリー構造の符号化単位ごとに、空間領域の映像データが符号化され、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ復号化技法によって、最大符号化単位ごとに復号化が行われながら、空間領域の映像データが復元され、ピクチャ及びピクチャシーケンスであるビデオが復元される。復元されたビデオは、再生装置によって再生されるか、記録媒体に保存されるか、あるいはネットワークを介して伝送される。
一方、前述の本発明の実施形態は、コンピュータで実行されるプログラムに作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD(compact disc)−ROM、DVD(digital versatile disc))のような記録媒体を含んでもよい。
説明の便宜のために、先の図1Aないし図20を参照して説明したインターレイヤビデオ符号化方法及び/またはビデオ符号化方法は、「本発明のビデオ符号化方法」とする。また、先の図1Aないし図20を参照して説明したインターレイヤビデオ復号化方法及び/またはビデオ復号化方法は、「本発明のビデオ復号化方法」とする。
また、先の図1Aないし図20を参照して説明したインターレイヤビデオ符号化装置10、ビデオ符号化装置100または映像符号化部400で構成されたビデオ符号化装置は、「本発明のビデオ符号化装置」とする。また、先の図1Aないし図20を参照して説明したインターレイヤビデオ復号化装置20、ビデオ復号化装置200、または映像復号化部500で構成されたビデオ復号化装置は、「本発明のビデオ復号化装置」とする。
一実施形態による、プログラムが保存されるコンピュータで判読可能な記録媒体がディスク26000である実施形態について、以下、詳細に説明する。
図21は、多様な実施形態による、プログラムが保存されたディスク26000の物理的構造を例示している。記録媒体として説明するディスク26000は、ハードドライブ、CD−ROMディスク、ブルーレイ(登録商標(Blu-ray))ディスク、DVDディスクでもある。ディスク26000は、多数の同心円トラックTrから構成され、該トラックは、円周方向に沿って、所定個数のセクタSeに分割される。前述の一実施形態によるプログラムを保存するディスク26000における特定領域に、前述の量子化パラメータ決定方法、ビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法を具現するためのプログラムが割り当てられて保存される。
前述のビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法を具現するためのプログラムを保存する記録媒体を利用して達成されたコンピュータシステムについて、図22を参照して説明する。
図22は、ディスク26000を利用して、プログラムを記録して判読するためのディスクドライブ26800を図示している。コンピュータシステム26700は、ディスクドライブ26800を利用して、本発明のビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法のうち少なくとも一つを具現するためのプログラムを、ディスク26000に保存することができる。ディスク26000に保存されたプログラムをコンピュータシステム26700上で実行するために、ディスクドライブ26800によって、ディスク26000からプログラムが判読され、プログラムがコンピュータシステム26700に伝送される。
図21及び図22で例示されたディスク26000だけではなく、メモリカード、ROMカセット、SSD(solid state drive)にも、本発明のビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法のうち少なくとも一つを具現するためのプログラムが保存される。
前述の実施形態によるビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法が適用されたシステムについて説明する。
図23は、コンテンツ流通サービス(content distribution service)を提供するためのコンテンツ供給システム(content supply system)11000の全体的構造を図示している。通信システムのサービス領域は、所定サイズのセルに分割され、各セルに、ベースステーションになる無線基地局11700,11800,11900,12000が設置される。
コンテンツ供給システム11000は、多数の独立デバイスを含む。例えば、コンピュータ12100、PDA(personal digital assistant)12200、ビデオカメラ12300及び携帯電話12500のような独立デバイスが、インターネットサービス・プロバイダ11200、通信網11400及び無線基地局11700,11800,11900,12000を経て、インターネット11100に連結される。
しかし、コンテンツ供給システム11000は、図24に図示された構造にのみ限定されるのもではなく、デバイスが選択的にも連結される。独立デバイスは、無線基地局11700,11800,11900,12000を経ず、通信網11400に直接連結されもする。
ビデオカメラ12300は、デジタルビデオカメラのように、ビデオ映像を撮影することができる撮像デバイスである。携帯電話12500は、PDC(personal digital communications)方式、CDMA(code division multiple access)方式、W−CDMA(wideband code division multiple access)方式、GSM(登録商標(global system for mobile communications))方式及びPHS(personal handyphone system)方式のような多様なプロトコルのうち少なくとも1つの通信方式を採択することができる。
ビデオカメラ12300は、無線基地局11900及び通信網11400を経て、ストリーミングサーバ11300に連結される。ストリーミングサーバ11300は、ユーザが、ビデオカメラ12300を使用して伝送したコンテンツを、リアルタイム放送でストリーミング伝送することができる。ビデオカメラ12300から受信されたコンテンツは、ビデオカメラ12300またはストリーミングサーバ11300によって符号化される。ビデオカメラ12300に撮影されたビデオデータは、コンピュータ12100を経て、ストリーミングサーバ11300に伝送される。
カメラ12600によって撮影されたビデオデータも、コンピュータ12100を経て、ストリーミングサーバ11300に伝送される。カメラ12600は、デジタルカメラのように、静止映像とビデオ映像とをいずれも撮影することができる撮像装置である。カメラ12600から受信されたビデオデータは、カメラ12600またはコンピュータ12100によって符号化される。ビデオ符号化及びビデオ復号化のためのソフトウェアは、コンピュータ12100がアクセスすることができるCD−ROMディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、SSD、メモリカードのようなコンピュータで判読可能な記録媒体に保存される。
また、携帯電話12500に搭載されたカメラによってビデオが撮影された場合、ビデオデータが携帯電話12500から受信される。
ビデオデータは、ビデオカメラ12300、携帯電話12500またはカメラ12600に搭載されたLSI(large scale integrated circuit)システムによって符号化される。
一実施形態によるコンテンツ供給システム11000において、例えば、コンサートの現場録画コンテンツのように、ユーザがビデオカメラ12300、カメラ12600、携帯電話12500、または他の撮像デバイスを利用して録画されたコンテンツが符号化され、ストリーミングサーバ11300に伝送される。ストリーミングサーバ11300は、コンテンツデータを要請した他のクライアントに、コンテンツデータをストリーミング伝送することができる。
該クライアントは、符号化されたコンテンツデータを復号化することができるデバイスであり、例えば、コンピュータ12100、PDA 12200、ビデオカメラ12300または携帯電話12500でもある。従って、コンテンツ供給システム11000は、クライアントが、符号化されたコンテンツデータを受信して再生することができる。また、コンテンツ供給システム11000は、クライアントが、符号化されたコンテンツデータを受信してリアルタイムで復号化して再生することができ、個人放送(personal broadcasting)を可能にする。
コンテンツ供給システム11000に含まれた独立デバイスの符号化動作及び復号化動作に、本発明のビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置が適用される。
図24及び図25を参照し、コンテンツ供給システム11000において、携帯電話12500の一実施形態について詳細に説明する。
図24は、多様な実施形態による、本発明のビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法が適用される携帯電話12500の外部構造を図示している。携帯電話12500は、機能が制限されておらず、応用プログラムを介して、相当部分の機能を変更したり拡張したりすることができるスマートフォンでもある。
携帯電話12500は、無線基地局12000とRF(radio frequency)信号を交換するための内蔵アンテナ12510を含み、カメラ12530によって撮影された映像、またはアンテナ12510によって受信されて復号化された映像をディスプレイするためのLCD(liquid crystal display)画面、OLED(organic light emitting diode)画面のようなディスプレイ画面12520を含む。スマートフォン12510は、制御ボタン、タッチパネルを含む動作パネル12540を含む。ディスプレイ画面12520がタッチスクリーンである場合、動作パネル12540は、ディスプレイ画面12520のタッチ感知パネルをさらに含む。スマートフォン12510は、音声、音響を出力するためのスピーカ12580、または他の形態の音響出力部と、音声、音響が入力されるマイクロフォン12550、または他の形態の音響入力部とを含む。スマートフォン12510は、ビデオ及び静止映像を撮影するためのCCDカメラのようなカメラ12530をさらに含む。また、スマートフォン12510は、カメラ12530によって撮影されたり、電子メール(E−mail)で受信されたり、他の形態で獲得されたりするビデオや静止映像と共に、符号化されたり復号化されたりするデータを保存するための記録媒体12570;及び記録媒体12570を携帯電話12500に装着するためのスロット12560;を含んでもよい。記録媒体12570は、SDカードまたはプラスチックケースに内蔵されたEEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)のような他の形態のフラッシュメモリでもある。
図25は、携帯電話12500の内部構造を図示している。ディスプレイ画面12520及び動作パネル12540で構成された携帯電話12500の各パートを組織的に制御するために、電力供給回路12700、動作入力制御部12640、映像符号化部12720、カメラ・インターフェース12630、LCD制御部12620、映像復号化部12690、マルチプレクサ/デマルチプレクサ(MUX/DEMUX:multiplexer/demultiplexer)12680、記録/判読部12670、変調/復調(modulation/demodulation)部12660及び音響処理部12650が、同期化バス12730を介して、中央制御部12710に連結される。
ユーザが電源ボタンを動作し、「電源オフ」状態から「電源オン」状態に設定すれば、電力供給回路12700は、バッテリパックから携帯電話12500の各パートに電力を供給することにより、携帯電話12500が動作モードにセッティングされる。
中央制御部12710は、CPU(central processing unit)、ROM及びRAM(random access memory)を含む。
携帯電話12500が、外部に通信データを送信する過程においては、中央制御部12710の制御によって、携帯電話12500でデジタル信号が生成される、例えば、音響処理部12650では、デジタル音響信号が生成され、映像符号化部12720では、デジタル映像信号が生成され、動作パネル12540及び動作入力制御部12640を介して、メッセージのテキストデータが生成される。中央制御部12710の制御によって、デジタル信号が変調/復調部12660に伝達されれば、変調/復調部12660は、デジタル信号の周波数帯域を変調し、通信回路12610は、帯域変調されたデジタル音響信号に対して、D/A変換(digital-analog conversion)処理及び周波数変換(frequency conversion)処理を行う。通信回路12610から出力された送信信号は、アンテナ12510を介して、音声通信基地局または無線基地局12000に送出される。
例えば、携帯電話12500が通話モードであるとき、マイクロフォン12550によって獲得された音響信号は、中央制御部12710の制御によって、音響処理部12650においてデジタル音響信号に変換される。生成されたデジタル音響信号は、変調/復調部12660及び通信回路12610を経て送信信号に変換され、アンテナ12510を介して送出される。
データ通信モードにおいて、電子メールのようなテキストメッセージが伝送される場合、動作パネル12540を利用して、メッセージのテキストデータが入力され、テキストデータが、動作入力制御部12640を介して、中央制御部12610に伝送される。中央制御部12610の制御によって、テキストデータは、変調/復調部12660及び通信回路12610を介して、送信信号に変換され、アンテナ12510を介して、無線基地局12000に送出される。
データ通信モードで映像データを伝送するために、カメラ12530によって撮影された映像データが、カメラ・インターフェース12630を介して、映像符号化部12720に提供される。カメラ12530によって撮影された映像データは、カメラ・インターフェース12630及びLCD制御部12620を介して、ディスプレイ画面12520に直ちにディスプレイされる。
映像符号化部12720の構造は、前述の本発明のビデオ符号化装置の構造と相応する。映像符号化部12720は、カメラ12530から提供された映像データを、前述の本発明のビデオ符号化方式によって符号化し、圧縮符号化された映像データに変換し、符号化された映像データを多重化/逆多重化部12680に出力することができる。カメラ12530の録画中、携帯電話12500のマイクロフォン12550によって獲得された音響信号も、音響処理部12650を経て、デジタル音響データに変換され、デジタル音響データは、多重化/逆多重化部12680に伝達される。
多重化/逆多重化部12680は、音響処理部12650から提供された音響データと共に、映像符号化部12720から提供された符号化された映像データを多重化する。多重化されたデータは、変調/復調部12660及び通信回路12610を介して、送信信号に変換され、アンテナ12510を介して送出される。
携帯電話12500が外部から通信データを受信する過程では、アンテナ12510を介して受信された信号を周波数復元(frequency recovery)処理及びA/D変換(analog-digital conversion)処理を介して、デジタル信号を変換する。変調/復調部12660は、デジタル信号の周波数帯域を復調する。帯域復調されたデジタル信号は、種類によって、ビデオ復号化部12690、音響処理部12650またはLCD制御部12620に伝達される。
携帯電話12500は、通話モードであるとき、アンテナ12510を介して、受信された信号を増幅し、周波数変換及びA/D変換(analog-digital conversion)処理を介して、デジタル音響信号を生成する。受信されたデジタル音響信号は、中央制御部12710の制御によって、変調/復調部12660及び音響処理部12650を経て、アナログ音響信号に変換され、アナログ音響信号が、スピーカ12580を介して出力される。
データ通信モードにおいて、インターネットのウェブサイトからアクセスされたビデオファイルのデータが受信される場合、アンテナ12510を介して、無線基地局12000から受信された信号は、変調/復調部12660の処理結果、多重化されたデータを出力し、多重化されたデータは、多重化/逆多重化部12680に伝達される。
アンテナ12510を介して受信した多重化されたデータを復号化するために、多重化/逆多重化部12680は、多重化されたデータを逆多重化して符号化されたビデオデータストリームと、符号化されたオーディオデータストリームとを分離する。同期化バス12730によって、符号化されたビデオデータストリームは、ビデオ復号化部12690に提供され、符号化されたオーディオデータストリームは、音響処理部12650に提供される。
映像復号化部12690の構造は、前述の本発明のビデオ復号化装置の構造と相応する。映像復号化部12690は、前述の本発明のビデオ復号化方法を利用して、符号化されたビデオデータを復号化して復元されたビデオデータを生成し、復元されたビデオデータを、LCD制御部1262を経て、ディスプレイ画面1252に、復元されたビデオデータを提供することができる。
それにより、インターネットのウェブサイトからアクセスされたビデオファイルのビデオデータが、ディスプレイ画面1252でディスプレイされる。それと同時に、音響処理部12650も、オーディオデータをアナログ音響信号に変換し、アナログ音響信号をスピーカ12580に提供することができる。それにより、インターネットのウェブサイトからアクセスされたビデオファイルに含まれたオーディオデータも、スピーカ12580で再生される。
携帯電話12500、または他の形態の通信端末機は、本発明のビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置をいずれも含む送受信端末機であるか、前述の本発明のビデオ符号化装置のみを含む送信端末機であるか、あるいは本発明のビデオ復号化装置のみを含む受信端末機でもある。
本発明の通信システムは、図24を参照して説明した構造に限定されるものではない。例えば、図26は、多様な実施形態による通信システムが適用されたデジタル放送システムを図示している。図26の一実施形態によるデジタル放送システムは、本発明のビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置を利用して、衛星ネットワークまたは地上波ネットワークを介して伝送されるデジタル放送を受信することができる。
具体的に見れば、放送局12890は、電波を介して、ビデオデータストリームを通信衛星または放送衛星12900に伝送する。放送衛星12900は、放送信号を伝送し、放送信号は、家庭にあるアンテナ12860によって衛星放送受信機に受信される。各家庭において、符号化されたビデオストリームは、TV(television)受信機12810、セットトップボックス(set-top box)12870または他のデバイスによって復号化されて再生される。
再生装置12830において、本発明のビデオ復号化装置が具現されることにより、再生装置12830が、ディスク及びメモリカードのような記録媒体12820に記録された符号化されたビデオストリームを判読して復号化することができる。それによって、復元されたビデオ信号は、例えば、モニター12840で再生される。
衛星/地上波放送のためのアンテナ12860、またはケーブルTV受信のためのケーブルアンテナ12850に連結されたセットトップボックス12870にも、本発明のビデオ復号化装置が搭載される。セットトップボックス12870の出力データも、TVモニタ12880で再生される。
他の例として、セットトップボックス12870の代わりに、TV受信機12810自体に本発明のビデオ復号化装置が搭載される。
適切なアンテナ12910を具備した自動車12920が、衛星12800または無線基地局11700から送出される信号を受信することもできる。自動車12920に搭載された自動車ナビゲーションシステム12930のディスプレイ画面に復号化されたビデオが再生される。
ビデオ信号は、本発明のビデオ符号化装置によって符号化されて記録媒体に記録されて保存される。具体的に見れば、DVDレコーダによって、映像信号がDVDディスク12960に保存されるか、あるいはハードディスクレコーダ12950によって、ハードディスクに映像信号が保存される。他の例として、ビデオ信号は、SDカード12970に保存される。ハードディスクレコーダ12950が、一実施形態による本発明のビデオ復号化装置を具備すれば、DVDディスク12960、SDカード12970、または他の形態の記録媒体に記録されたビデオ信号が、モニタ12880で再生される。
自動車ナビゲーションシステム12930は、図25のカメラ12530、カメラ・インターフェース12630及び映像符号化部12720を含まないこともある。例えば、コンピュータ12100及びTV受信機12810も、図25のカメラ12530、カメラ・インターフェース12630及び映像符号化部12720を含まないこともある。
図27は、多様な実施形態による、ビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置を利用するクラウドコンピューティングシステムのネットワーク構造を図示している。
本発明のクラウドコンピューティングシステムは、クラウドコンピューティングサーバ14000、ユーザDB(database)14100、コンピューティング資源14200及びユーザ端末機を含んでなる。
クラウドコンピューティングシステムは、ユーザ端末機の要請によって、インターネットのような情報通信網を介して、コンピューティング資源のオンデマンドアウトソーシングサービスを提供する。クラウドコンピュータ環境において、サービスプロバイダは、互いに異なる物理的な位置に存在するデータセンターのコンピューティング資源を仮想化技術で統合し、ユーザが必要とするサービスを提供する。サービスユーザは、アプリケーション(application)、ストレージ(storage)、運用体制(OS)、保安(security)のようなコンピューティング資源を、各ユーザ所有の端末にインストールして使用するのではなく、仮想化技術を介して、生成された仮想空間上のサービスを所望時点に所望するほど選んで使用することができる。
特定サービスユーザのユーザ端末機は、インターネット及び移動通信網を含む情報通信網を介して、クラウドコンピューティングサーバ14000に接続する。ユーザ端末機は、クラウドコンピューティングサーバ14000から、クラウドコンピューティングサービス、特に、動画再生サービスを提供される。ユーザ端末機は、デストトップPC(personal computer)14300、スマートTV 14400、スマートフォン14500、ノート型パソコン14600、PMP(portable multimedia player)14700、テブレットPC 14800のようなインターネット接続が可能な全ての電子機器にもなる。
クラウドコンピューティングサーバ14000は、クラウド網に分散している多数のコンピューティング資源14200を統合し、ユーザ端末機に提供することができる。多数のコンピューティング資源14200は、さまざまなデータサービスを含み、ユーザ端末機からアップロードされたデータを含んでもよい。かように、クラウドコンピューティングサーバ14000は、多くのところに分散している動画データベースを仮想化技術で統合し、ユーザ端末機が要求するサービスを提供する。
ユーザDB 14100には クラウドコンピューティングサービスに加入しているユーザ情報が保存される。ここで、ユーザ情報は、ログイン情報と、住所、氏名などの個人信用情報とを含んでもよい。また、ユーザ情報は、動画のインデックス(index)を含んでもよい。ここで、該インデックスは、再生を完了した動画リスト、再生中の動画リスト、再生中の動画の停止時点などを含んでもよい。
ユーザDB 14100に保存された動画に係わる情報は、ユーザデバイス間に共有される。従って、例えば、ノート型パソコン14600から再生要請され、ノート型パソコン14600に所定動画サービスを提供した場合、ユーザDB 14100に、所定動画サービスの再生ヒストリーが保存される。スマートフォン14500から、同一動画サービスの再生要請が受信される場合、クラウドコンピューティングサーバ14000は、ユーザDB 14100を参照し、所定動画サービスを探して再生する。スマートフォン14500が、クラウドコンピューティングサーバ14000を介して、動画データストリームを受信する場合、動画データストリームを復号化してビデオを再生する動作は、先の図24を参照して説明した携帯電話12500の動作と類似している。
クラウドコンピューティングサーバ14000は、ユーザDB 14100に保存された所定動画サービスの再生ヒストリーを参照することもできる。例えば、クラウドコンピューティングサーバ14000は、ユーザ端末機から、ユーザDB 14100に保存された動画に対する再生要請を受信する。該動画が、それ以前に再生中であったならば、クラウドコンピューティングサーバ14000は、ユーザ端末機への選択によって、始めから再生するか、あるいは以前の停止時点から再生するかということにより、ストリーミング方法が異なる。例えば、ユーザ端末機が最初から再生するように要請した場合には、クラウドコンピューティングサーバ14000が、ユーザ端末機に、当該動画を初フレームからストリーミング伝送する。一方、端末機が、以前停止時点から続けて再生するように要請した場合には、クラウドコンピューティングサーバ14000は、ユーザ端末機に、当該動画を、停止時点のフレームからストリーミング伝送する。
そのとき、ユーザ端末機は、図1Aないし図20を参照して説明した本発明のビデオ復号化装置を含んでもよい。他の例として、ユーザ端末機は、図1Aないし図20を参照して説明した本発明のビデオ符号化装置を含んでもよい。また、ユーザ端末機は、図1Aないし図20を参照して説明した本発明のビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置をいずれも含んでもよい。
図1Aないし図20を参照して説明した、ビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法、ビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置が活用される多様な実施形態について、図21ないし図27で説明した。しかし、図1Aないし図20を参照して説明した、ビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法が記録媒体に保存されるか、あるいはビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置がデバイスで具現される多様な実施形態は、図21ないし図27の実施形態に限定されるものではない。
以上で開示された多様な実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、本明細書で開示された実施形態の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本明細書の開示範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本明細書の開示範囲に含まれたものであると解釈されなければならないのである。