以下、図1Aないし図9を参照し、一実施形態による、デプスブロックを利用したマルチレイヤビデオ符号化技法及びマルチレイヤビデオ復号技法が提案される。
また、図10ないし図22を参照し、先立って提案したインターレイヤビデオ符号化技法及びその復号技法に適用可能な一実施形態による、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化技法及びビデオ復号技法が開示される。
また、図23ないし図29を参照し、先立って提案した、ビデオ符号化方法、ビデオ復号方法が適用可能な一実施形態が開示される。
以下、「映像」は、ビデオの静止映像や動画、すなわち、ビデオそれ自体を示す。
以下、「サンプル」は、映像のサンプリング位置に割り当てられたデータであって、プロセッシング対象になるデータを意味する。例えば、空間領域の映像における、ピクセル値またはブロックのレジデュアルがサンプルでもある。
以下、「現在ブロック(current block)」は、符号化したり復号したりする映像のブロックを意味する。
以下、「周辺ブロック(neighboring block)候補(candidate)」は、現在ブロックに隣接する符号化されたか、あるいは復号された少なくとも1つのブロックを示す。例えば、周辺ブロック候補は、現在ブロックの上端、現在ブロックの右側上端、現在ブロックの左側、または現在ブロックの左側上端に位置することができる。また、空間的に隣接するブロックだけではなく、時間的に隣接するブロックも含んでもよい。例えば、時間的に隣接する周辺ブロック候補は、参照ピクチャの現在ブロックと同一位置(co-located)ブロック、あるいは同一位置ブロックの周辺ブロックを含んでもよい。
以下、「レイヤ(layer)映像」は、特定視点または同一類型の映像を示す。多視点ビデオにおいて、1つのレイヤ映像は、特定視点に入力されたテクスチャ映像またはデプス映像を示す。例えば、三次元ビデオにおいて、左視点テクスチャ映像、右視点テクスチャ映像及びデプス映像は、それぞれ1つのレイヤ映像を構成する。左視点テクスチャ映像は、第1レイヤ映像を構成し、右視点テクスチャ映像は、第2レイヤ映像を構成し、デプス映像は、第3レイヤ映像を構成することができる。
図1Aは、一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置のブロック図である。図1Aを参照すれば、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、符号化部12及びビットストリーム生成部14を含んでもよい。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10は、スケーラブルビデオコーディング(scalable video coding)方式によって、多数の映像シーケンスをレイヤ別に分類してそれぞれ符号化し、レイヤ別に符号化されたデータを含む別個のストリームを出力することができる。ビデオ符号化装置10は、第1レイヤ映像シーケンス及び第2レイヤ映像シーケンスを互いに異なるレイヤに符号化することができる。
例えば、符号化部12は、第1レイヤ映像を符号化し、第1レイヤ映像の符号化データを含む第1レイヤストリームを出力することができる。また、符号化部12は、第2レイヤ映像を符号化し、第2レイヤ映像の符号化データを含む第2レイヤストリームを出力することができる。
また、例えば、空間的スケーラビリティ(spatial scalability)に基づいたスケーラブルビデオコーディング方式によれば、低解像度映像が第1レイヤ映像として符号化され、高解像度映像が第2レイヤ映像として符号化される。第1レイヤ映像の符号化結果が第1レイヤストリームとして出力され、第2レイヤ映像の符号化結果が第2レイヤストリームとして出力される。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10は、第1レイヤストリーム及び第2レイヤストリームを、マルチプレクサ(multiplexer)を介して、1つのビットストリームとして表現して符号化することができる。
他の例として、多視点ビデオがスケーラブルビデオコーディング方式によって符号化される。左視点映像は、第1レイヤ映像として符号化され、右視点映像は、第2レイヤ映像として符号化される。または、中央視点映像、左視点映像及び右視点映像がそれぞれ符号化され、このうち中央視点映像は、第1レイヤ映像として符号化され、左視点映像は、第2レイヤ映像として符号化され、右視点映像は、第3レイヤ映像として符号化される。または、中央視点のテクスチャ映像、中央視点デプス映像、左視点テクスチャ映像、左視点デプス映像、右視点テクスチャ映像、右視点デプス映像は、それぞれ第1レイヤ映像、第2レイヤ映像、第3レイヤ映像、第4レイヤ映像、第5レイヤ映像、第6レイヤ映像として符号化される。
さらに他の例として、中央視点テクスチャ映像、中央視点デプス映像、左視点デプス映像、左視点テクスチャ映像、右視点デプス映像、右視点テクスチャ映像がそれぞれ第1レイヤ映像、第2レイヤ映像、第3レイヤ映像、第4レイヤ映像、第5レイヤ映像、第6レイヤ映像として符号化されもする。
他の例として、時間的スケーラビリティに基づいた時間階層的予測(temporal hierarchical prediction)によって、スケーラブルビデオコーディング方式が遂行される。基本フレームレートの映像を符号化して生成された符号化情報を含む第1レイヤストリームが出力される。フレームレート別に時間的階層(temporal level)が分類され、各時間的階層が各レイヤに符号化される。基本フレームレートの映像を参照し、さらに高いフレームレートの映像をさらに符号化し、高いフレームレートの符号化情報を含む第2レイヤストリームが出力される。
また、第1レイヤと、多数の拡張レイヤ(第2レイヤ、第3レイヤ、…、第Kレイヤ)に対するスケーラブルビデオコーディングが行われる。拡張レイヤが3以上である場合、第1レイヤ映像とK番目レイヤ映像とが符号化される。これにより、第1レイヤ映像の符号化結果が、第1レイヤストリームとして出力され、最初、2番目、…、K番目のレイヤ映像の符号化結果が、それぞれ最初、2番目、…、K番目のレイヤストリームとして出力される。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10は、単一レイヤ内の映像を参照して現在映像を予測するインター予測(inter prediction)を行うことができる。インター予測を介して、現在映像と参照映像との動きベクトル(motion vector)を誘導し、参照映像を利用して生成された予測映像と現在映像との差成分であるレジデュアル成分を生成することができる。
また、一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10が、第1レイヤ、第2レイヤ、第3レイヤなど3以上のレイヤを許容する場合には、マルチレイヤ予測構造によって、1つの第1レイヤ映像と第3レイヤ映像とのインターレイヤ予測、第2レイヤ映像と第3レイヤ映像とのインターレイヤ予測を行うこともできる。
インターレイヤ予測において、現在映像のレイヤと参照映像のレイヤとが視点が異なる場合、現在映像と異なるレイヤの参照映像間のディスパリティベクトル(disparity vector)を誘導し、他のレイヤの参照映像を利用して生成された予測映像と、現在映像との差成分であるレジデュアル成分が生成される。ここで、ディスパリティベクトルは、視差ベクトルとされる。
インターレイヤ予測構造は、追って図3Aを参照して詳細に説明する。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10は、各レイヤごとに、ビデオのそれぞれの映像のブロック別に符号化する。ブロックのタイプは、正方形または長方形でもあり、任意の幾何学的形態でもある。決定された大きさのデータ単位に制限されるものではない。ブロックは、ツリー構造による符号化単位においては、最大符号化単位、符号化単位、予測単位、変換単位などでもある。ツリー構造の符号化単位を含む最大符号化単位は、コーディングツリーユニット(coding tree unit)、コーディングブロックツリー(coding block tree)、ブロックツリー、ルートブロックツリー(root block tree)、コーディングツリー、コーディングルートまたはツリートランク(tree trunk)など多様に命名される。ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ符号化/復号方式は、図10ないし図22を参照して後述する。
インター予測及びインターレイヤ予測は、符号化単位、予測単位または変換単位のデータ単位を基にも行われる。
一実施形態による符号化部12は、第1レイヤ映像に対して、インター予測またはイントラ予測を含むソースコーディング動作を遂行し、シンボルデータを生成することができる。該シンボルデータは、各符号化パラメータの値、及びレジデュアルのサンプル値を含んでもよい。
例えば、符号化部12は、第1レイヤ映像のデータ単位のサンプルに対して、インター予測またはイントラ予測、変換、量子化を行ってシンボルデータを生成し、シンボルデータに対してエントロピー符号化を行い、第1レイヤストリームを生成することができる。
符号化部12は、ツリー構造の符号化単位に基づいて、第2レイヤ映像を符号化することができる。符号化部12は、第2レイヤ映像の符号化単位のサンプルに対して、インター/イントラ予測、変換、量子化を行ってシンボルデータを生成し、シンボルデータに対してエントロピー符号化を行い、第2レイヤストリームを生成することができる。
一実施形態による符号化部12は、第1レイヤ映像の予測情報を利用して、第2レイヤ映像を予測するインターレイヤ予測を行うことができる。符号化部12は、インターレイヤ予測構造を介して、第2レイヤ映像シーケンスのうち第2レイヤ原本映像を符号化するために、第1レイヤ復元映像の動き情報を利用して、第2レイヤ現在映像の動き情報を決定し、決定された動き情報に基づいて、第2レイヤ予測映像を生成し、第2レイヤ原本映像と第2レイヤ予測映像との予測誤差を符号化することができる。
一方、符号化部12は、第2レイヤ映像に対して、符号化単位または予測単位別に、インターレイヤ予測を行い、第2レイヤ映像のブロックが参照する第1レイヤ映像のブロックを決定することができる。例えば、第2レイヤ映像において、現在ブロックの位置に相応して位置する第1レイヤ映像の復元ブロックが決定される。符号化部12は、第2レイヤブロックに相応する第1レイヤ復元ブロックを、第2レイヤの予測ブロックとして利用することができる。このとき、符号化部12は、第2レイヤブロックに対応する地点に位置する第1レイヤ復元ブロックを利用して、第2レイヤ予測ブロックを決定することができる。
符号化部12は、インターレイヤ予測構造によって、第1レイヤ復元ブロックを利用して決定された第2レイヤ予測ブロックを、第2レイヤ原本ブロックのインターレイヤ予測のための参照映像として利用することができる。符号化部12は、第1レイヤ復元映像を利用して、第2レイヤ予測ブロックのサンプル値と第2レイヤ原本ブロックのサンプル値との誤差、すなわち、インターレイヤ予測によるレジデュアル成分を変換及び量子化し、量子化された変換係数をエントロピー符号化することができる。
前述の符号化部12は、現在ブロックのディスパリティベクトルを決定することができる。
現在ブロックのディスパリティベクトルは、周辺ブロック候補またはデプス値を基に決定されもする。ディスパリティベクトルとしては、NBDV(neighboring block disparity vector)及びDoNBDV(depth oriented NBDV)がある。ここで、NBDVは、現在ブロックの周辺ブロック候補のうち獲得されたディスパリティベクトルを利用して予測された現在ブロックのディスパリティベクトルを意味する。
また、他のレイヤ映像において復号されたデプス映像が存在する場合、前述のNBDVを利用して、現在ブロックに対応するデプスブロックが決定される。このとき、決定されたデプスブロックに含まれたデプス値のうち代表デプス値に、カメラパラメータ(例えば、カメラの位置を考慮したスケール(scaling)値またはオフセット(offset)値など)が適用され、ディスパリティベクトルに変換される。その場合、DoNBDVは、変換されたディスパリティベクトルを利用して予測された現在ブロックのディスパリティベクトルを意味する。
符号化部12は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVと同一に決定することができる。
または、符号化部12は、周辺ブロック候補のディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックのディスパリティベクトルを誘導することができる。例えば、符号化部12は、周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVにカメラパラメータを適用し、現在ブロックのディスパリティベクトルであるDoNBDVを誘導することができる。
符号化部12は、現在ブロックのディスパリティベクトルが決定されれば、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックに対応するデプスブロックを決定し、決定されたデプスブロックに基づいて、現在ブロックを分割するDBBP(depth based block partiton)機能を遂行することができる。DBBPによれば、現在ブロックに対応するデプスブロックに基づいて、現在ブロックが背景(background)セグメントと客体(foreground)セグメントとに分割され、各セグメント別に予測が行われる。
符号化部12は、現在ブロックサイズを獲得し、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、DBBP機能を適用することができる。すなわち、符号化部12は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、DBBP機能の遂行を省略することができる。例えば、符号化部12は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、DBBP機能を遂行することができる。
または、符号化部12は、現在ブロックサイズが、4x4、16x16、32x32または64x64のうち1つより大きい場合、DBBP機能を遂行することができる。
符号化部12は、DBBP機能を遂行するために、現在ブロックのディスパリティベクトルが示すデプスブロックを、現在ブロックに対応するデプスブロックであると決定することができる。
符号化部12は、決定されたデプスブロックを複数の領域に分割することができる。例えば、符号化部12は、デプスブロックを、臨界値を超えたサンプル値を有するサンプルの領域である第1領域と、臨界値以下のサンプル値を有するサンプルの領域である第2領域とに分割することができる。
符号化部12は、現在ブロックを、現在ブロックに対応するデプスブロックの分割された形態に基づいて、複数の領域に分割することができる。例えば、現在ブロックに対応するデプスブロックが、第1領域と第2領域よに分割されたとき、符号化部12は、第1領域及び第2領域を現在ブロックに対応させることにより、現在ブロックを2つの領域に分割することができる。
符号化部12は、分割された複数の領域を利用して、現在ブロックに対して動き予測(または、ディスパリティ予測)を行うことができる。
例えば、符号化部12は、現在ブロックの分割された2つの領域それぞれに対して、動きベクトル(または、ディスパリティベクトル)を決定することができる。符号化部12は、2つの領域それぞれの参照ブロックを示す動きベクトル(または、ディスパリティベクトル)を決定し、参照ブロックを利用して、現在ブロックの2つの領域それぞれに対して、動き補償(または、ディスパリティ補償)を行うことができる。
また、符号化部12は、現在ブロックのディスパリティベクトルが決定されれば、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックのレジデュアル予測(residual prediction)を行うことができる。
該レジデュアル予測は、現在ブロックの異なる視点、または異なる時間の映像において、現在ブロックに対応する参照ブロックのレジデュアル成分から、現在ブロックのレジデュアル成分を予測する技術である。
例えば、符号化部12は、時間方向の予測を行う場合には、現在ブロックの異なる視点の参照ブロックが示すブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル予測を行うことができる。または、符号化部12は、ビュー方向(inter-view)の予測を行う場合には、現在ブロックと同一視点の参照ブロックが示すブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル成分を予測することができる。
このとき、符号化部12は、現在ブロックサイズが既決定のブロックサイズより大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。すなわち、符号化部12は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、レジデュアル予測の遂行を省略することができる。例えば、符号化部12は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
または、符号化部12は、現在ブロックサイズが4x4、16x16、32x32または64x64のうち1つより大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
ビットストリーム生成部14は、符号化部12において、動き予測及びレジデュアル予測のうち少なくとも一つが行われた結果として生成されたデータを、ビットストリームとして生成することができる。
以下、マルチレイヤビデオ符号化装置10の動作について、図1Bないし図1Dを参照して詳細に説明する。
図1Bは、一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化方法のフローチャートである。
段階S11において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックに隣接するブロックのうち参照可能な周辺ブロック候補を決定することができる。1以上の周辺ブロック候補のうち予測に利用される1つの周辺ブロック候補が決定される。
段階S12において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、決定された周辺ブロックのディスパリティベクトルを獲得することができる。
マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックの周辺ブロック候補として、現在ブロックの空間的周辺ブロック候補、または時間的周辺ブロック候補を利用することができる。周辺ブロック候補のうち予測に利用される周辺ブロック候補から、ディスパリティベクトルを獲得することができる。マルチレイヤビデオ符号化装置10がディスパリティベクトルを獲得する詳細な方法については、マルチレイヤビデオ復号装置20を対象に、図4Aないし図4Dにおいて、詳細に説明することとする。
段階S13において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、獲得された周辺ブロック候補のディスパリティベクトルを、現在ブロックのディスパリティベクトルとして決定することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVと同一に決定することができる。
段階S14において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックに対応するデプスブロックを決定することができる。例えば、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、ディスパリティベクトルが示すデプスピクチャの参照ブロックを、現在ブロックに対応するデプスブロックとして決定することができる。
段階S14で決定されたデプスブロックの領域分割形態に基づいて、現在ブロックが複数の領域に分割される。図1Cは、他の一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化方法のフローチャートである。
段階S21において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックのディスパリティベクトルを獲得することができる。
段階S22において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、ディスパリティベクトルが示すデプスブロックに基づいて、現在ブロックを複数の領域に分割することができる。例えば、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、DBBP機能を適用することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、DBBP機能の遂行を省略することができる。ここで、既決定のブロックサイズは、8x8でもある。
または、既決定のブロックサイズは、4x4、16x16、32x32または64x64のうち一つでもある。
マルチレイヤビデオ符号化装置10が、ディスパリティベクトルが示すデプスブロックに基づいて、現在ブロックを複数の領域に分割する詳細な方法については、マルチレイヤビデオ復号装置20を対象に、図5ないし図7Bで詳細に説明することにする。
図1Dは、さらに他の一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化方法のフローチャートである。
段階S31において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックのディスパリティベクトルを獲得することができる。
段階S32において、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックのディスパリティベクトルが示す参照ブロックのレジデュアル成分を獲得することができる。マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、参照ブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル成分を予測することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、レジデュアル予測の遂行を省略することができる。例えば、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
または、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが4x4、16x16、32x32または64x64のうち1つより大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
マルチレイヤビデオ符号化装置10が、参照ブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル成分を予測する詳細な方法については、マルチレイヤビデオ復号装置20を対象に、図8Aないし図9で詳細に説明することにする。
マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックのレジデュアル成分に対して、前記参照ブロックのレジデュアル成分を予測し、前記現在ブロックのレジデュアル成分と前記参照ブロックのレジデュアル成分との誤差を符号化することができる。
図2Aは、一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号装置のブロック図である。図2Aを参照すれば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、獲得部22及び復号部24を含んでもよい。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号装置20において、1つのビットストリームから、レイヤ別にシンボルがパージングされる。
空間的スケーラビリティに基づいたマルチレイヤビデオ復号装置20は、互いに異なる解像度の映像シーケンスが、互いに異なるレイヤに符号化されたストリームを受信することができる。第1レイヤストリームを復号し、低解像度映像シーケンスが復元され、第2レイヤストリームを復号し、高解像度映像シーケンスが復元される。
他の例として、多視点ビデオがスケーラブルビデオコーディング方式によって復号される。ステレオスコピックビデオストリームが多数レイヤに復号される場合、第1レイヤストリームを復号し、左視点映像が復元される。第1レイヤストリームに、第2レイヤストリームをさらに復号し、右視点映像が復元される。
または、多視点ビデオストリームが多数レイヤで復号される場合、第1レイヤストリームを復号し、中央視点映像が復元される。第1レイヤストリームに、第2レイヤストリームをさらに復号し、左視点映像が復元される。第1レイヤストリームに、第3レイヤストリームをさらに復号し、右視点映像が復元される。
他の例として、時間的スケーラビリティに基づいたスケーラブルビデオコーディング方式が遂行される。第1レイヤストリームを復号し、基本フレームレートの映像が復元される。第1レイヤストリームに、第2レイヤストリームをさらに復号し、高速フレームレートの映像が復元される。
また、第2レイヤが3以上である場合、第1レイヤストリームから第1レイヤ映像が復元され、第1レイヤ復元映像を参照し、第2レイヤストリームをさらに復号すれば、第2レイヤ映像がさらに復元される。第2レイヤ復元映像を参照し、K番目レイヤストリームをさらに復号すれば、K番目レイヤ映像がさらに復元される。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、第1レイヤストリーム及び第2レイヤストリームから、第1レイヤ映像及び第2レイヤ映像の符号化されたデータを獲得し、加えてインター予測によって生成された動きベクトル、及びインターレイヤ予測によって生成された予測情報をさらに獲得することができる。
例えば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、各レイヤ別に、インター予測されたデータを復号し、多数レイヤ間でインターレイヤ予測されたデータを復号することができる。符号化単位または予測単位を基に、動き補償(motion compensation)及びインターレイヤビデオ復号を介した復元が行われる。
各レイヤストリームについては、同一レイヤのインター予測を介して予測された復元映像を参照し、現在映像のための動き補償を行うことにより、映像を復元することができる。動き補償は、現在映像の動きベクトルを利用して決定された参照映像と、現在映像のレジデュアル成分と、を合成し、現在映像の復元映像を再構成する動作を意味する。
また、マルチレイヤビデオ復号装置20は、インターレイヤ予測を介して予測された第2レイヤ映像を復号するために、第1レイヤ映像の予測情報を参照し、インターレイヤビデオ復号を行うこともできる。インターレイヤビデオ復号は、現在映像の動き情報を決定するために、他のレイヤの参照ブロックの予測情報を利用して、現在映像の動き情報を再構成する動作を意味する。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号装置20は、第2レイヤ映像を利用して予測された第3レイヤ映像を復元するためのインターレイヤビデオ復号を行うこともできる。インターレイヤ予測構造は、追って図3Aを参照して詳細に説明する。
ただし、一実施形態による復号部24が、第1レイヤ映像シーケンスを参照せずにも、第2レイヤストリームを復号することもできる。従って、復号部24が第2レイヤ映像シーケンスを復号するために、インターレイヤ予測を行うと制限的に解釈しないように留意しなければならない。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、ビデオのそれぞれの映像のブロック別に復号する。ブロックは、ツリー構造による符号化単位においては、最大符号化単位、符号化単位、予測単位、変換単位などでもある。
獲得部22は、ビットストリームを受信し、受信されたビットストリームから、符号化された映像についての情報を獲得することができる。
復号部24は、ビットストリームからパージングされた第1レイヤ映像のシンボルを利用し、第1レイヤ映像を復号することができる。マルチレイヤビデオ復号装置20がツリー構造の符号化単位を基に符号化されたストリームを受信するならば、復号部24は、第1レイヤストリームの最大符号化単位ごとに、ツリー構造の符号化単位を基に復号を行うことができる。
復号部24は、最大符号化単位ごとにエントロピー復号を行い、符号化情報と、符号化されたデータとを獲得することができる。復号部24は、ストリームから獲得した符号化されたデータに対して、逆量子化、逆変換を行い、レジデュアル成分を復元することができる。他の実施形態による復号部24は、量子化された変換係数のビットストリームを直接受信することもできる。量子化された変換係数に対して、逆量子化、逆変換を行った、映像のレジデュアル成分が復元される。
復号部24は、同一レイヤ映像間で、動き補償を介して、予測映像を決定し、予測映像とレジデュアル成分とを結合し、第1レイヤ映像を復元することができる。
復号部24は、インターレイヤ予測構造によれば、第1レイヤ復元映像のサンプルを利用して、第2レイヤ予測映像を生成することができる。復号部24は、第2レイヤストリームを復号し、インターレイヤ予測による予測誤差を獲得することができる。復号部24は、第2レイヤ予測映像に予測誤差を結合することにより、第2レイヤ復元映像を生成することができる。
復号部24は、復号部24で復号された第1レイヤ復元映像を利用して、第2レイヤ予測映像を決定することができる。復号部24は、インターレイヤ予測構造によって、第2レイヤ映像の符号化単位または予測単位が参照する第1レイヤ映像のブロックを決定することができる。例えば、第2レイヤ映像において、現在ブロックの位置に相応して位置する第1レイヤ映像の復元ブロックが決定される。復号部24は、第2レイヤブロックに相応する第1レイヤ復元ブロックを利用して、第2レイヤ予測ブロックを決定することができる。復号部24は、第2レイヤブロックと同一地点に位置(co-located)する第1レイヤ復元ブロックを利用して、第2レイヤ予測ブロックを決定することができる。
復号部24は、インターレイヤ予測構造によって、第1レイヤ復元ブロックを利用して決定された第2レイヤ予測ブロックを、第2レイヤ原本ブロックのインターレイヤ予測のための参照映像として利用することもできる。この場合、復号部24は、第1レイヤ復元映像を利用して決定した第2レイヤ予測ブロックのサンプル値と、インターレイヤ予測によるレジデュアル成分と、を合成することにより、第2レイヤブロックを復元することができる。
一方、前述の復号部24は、現在ブロックのディスパリティベクトルを決定することができる。
復号部24は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVを利用して、決定することができる。
または、復号部24は、周辺ブロック候補のディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックのディスパリティベクトルを誘導することができる。例えば、符号化部12は、周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVに、カメラパラメータを適用し、現在ブロックのディスパリティベクトルであるDoNBDVを誘導することができる。
復号部24は、現在ブロックのディスパリティベクトルが決定されれば、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックを分割するDBBP機能を遂行することができる。
このとき、復号部24は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、DBBP機能を適用することができる。すなわち、復号部24は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、DBBP機能の遂行を省略することができる。例えば、復号部24は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、DBBP機能を遂行することができる。
または、復号部24は、現在ブロックサイズが4x4、16x16、32x32または64x64のうち1つより大きい場合、DBBP機能を遂行することができる。
復号部24は、DBBP機能によって、現在ブロックのディスパリティベクトルが示すデプスブロックを、現在ブロックに対応するデプスブロックであると決定することができる。
復号部24は、決定されたデプスブロックを複数の領域に分割し、デプスブロックの分割形態に基づいて、現在ブロックを複数の領域に分割することができる。
復号部24は、分割された複数の領域を利用して、現在ブロックに対して動き予測を行うことができる。例えば、復号部12は、現在ブロックの分割された2つの領域それぞれに対して、動きベクトル(または、ディスパリティベクトル)を決定することができる。復号部24は、決定された動きベクトルを利用して、2個の領域それぞれの参照ブロックを決定し、決定された参照ブロックを利用して、現在ブロックの2つの領域それぞれに対して、動き補償(motion compensation)(または、ディスパリティ補償(disparity compensation))を行うことができる。
また、復号部24は、現在ブロックのディスパリティベクトルが決定されれば、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックのレジデュアル予測を行うことができる。
レジデュアル予測によれば、現在ブロックのレジデュアル成分が、他の視点または他の時間の映像において、現在ブロックに対応する参照ブロックのレジデュアル成分から予測される。
例えば、復号部24は、時間方向の予測を行う場合には、現在ブロックと同一視点の参照ブロックが示すブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル予測を行うことができる。または、復号部24は、ビュー方向(inter-view)の予測を行う場合には、現在ブロックと異なる視点の参照ブロックが示すブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル予測を行うことができる。
このとき、復号部24は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。すなわち、復号部24は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、レジデュアル予測の遂行を省略することができる。例えば、復号部24は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
または、復号部24は、現在ブロックサイズが4x4、16x16、32x32または64x64のうち1つより大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
復号部24は、動き予測及びレジデュアル予測のうち少なくとも一つを行い、現在ブロックを復号することができる。
以下、マルチレイヤビデオ復号装置20の動作について、図2Bないし図2Dを参照して詳細に説明する。
図2Bは、一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号方法のフローチャートである。
段階S41において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックに隣接するブロックのうち参照可能な周辺ブロック候補を決定することができる。1以上の周辺ブロック候補のうち予測に利用される周辺ブロック候補が決定される。
段階S42において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、決定された周辺ブロックのディスパリティベクトルを獲得することができる。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックの周辺ブロック候補として、現在ブロックの空間的周辺ブロック候補または時間的周辺ブロック候補を利用することができる。周辺ブロック候補のうち予測に利用される周辺ブロック候補から、ディスパリティベクトルを獲得することができる。マルチレイヤビデオ復号装置20がディスパリティベクトルを獲得する詳細な方法については、図4Aないし図4Dで詳細に説明することにする。
段階S43において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、獲得された周辺ブロック候補のディスパリティベクトルを、現在ブロックのディスパリティベクトルとして決定することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVと同一に決定することができる。
段階S44において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックに対応するデプスブロックを決定することができる。例えば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、ディスパリティベクトルが示すデプスピクチャの参照ブロックを、現在ブロックに対応するデプスブロックとして決定することができる。
図2Cは、他の一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号方法のフローチャートである。
段階S51において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックのディスパリティベクトルを獲得することができる。
段階S52において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、ディスパリティベクトルが示すデプスブロックに基づいて、現在ブロックを複数の領域に分割することができる。例えば、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、DBBP機能を適用することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、DBBP機能の遂行を省略することができる。ここで、既決定のブロックサイズは、8x8でもある。
または、既決定の大きさは、4x4、16x16、32x32または64x64のうち一つでもある。
マルチレイヤビデオ復号装置20が、ディスパリティベクトルが示すデプスブロックに基づいて、現在ブロックを複数の領域に分割する詳細な方法については、図5ないし図7Bで詳細に説明することにする。
図2Dは、他の一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号方法のフローチャートである。
段階S61において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックのディスパリティベクトルを獲得することができる。
段階S62において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックに対応する参照ブロックのレジデュアル成分を獲得することができる。段階S63において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きい場合、参照ブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル成分を予測することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下である場合には、レジデュアル予測の遂行を省略することができる。例えば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
または、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが4x4、16x16、32x32または64x64のうち1つより大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。
マルチレイヤビデオ復号装置20が参照ブロックのレジデュアル成分を利用して、現在ブロックのレジデュアル成分を予測する詳細な方法については、図8Aないし図9で詳細に説明することにする。
図3Aは、一実施形態によるインターレイヤ予測構造を図示している。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10は、図3Aに図示された多視点ビデオ予測構造の再生順序50によって、基本視点映像、左視点映像及び右視点映像を予測符号化することができる。
一実施形態によれば、基本視点、左視点、右視点の映像は、それぞれ異なるレイヤの映像に対応する。例えば、基本視点は、第1レイヤに対応し、左視点は、第2レイヤに対応し、右視点は、第3レイヤに対応する。
関連技術による多視点ビデオ予測構造の再生順序50によれば、横方向に、同一視点(view)の映像が配列されている。従って、「left」と表記された左視点映像が、横方向に一列に配列され、「center」と表記された基本視点映像が、横方向に一列に配列され、「right」と表記された右視点映像が、横方向に一列に配列されている。基本視点映像は、左視点/右視点映像に対して、中央視点映像でもある。
また、縦方向に、POC順序が同一である映像が配列される。映像のPOC順序は、ビデオを構成する映像の再生順序を示す。多視点ビデオ予測構造50で表示されている「POC X」は、当該列(column)に位置した映像の相対的な再生順序を示し、Xの数字が小さいほど、再生順序が先になり、大きくなるほど、再生順序が遅くなる。
従って、関連技術による多視点ビデオ予測構造の再生順序50によれば、「left」と表記された左視点映像が、POC順序(再生順序)によって横方向に配列され、「center」と表記された基本視点映像が、POC順序(再生順序)によって横方向に配列され、「right」と表記された右視点映像が、POC順序(再生順序)によって横方向に配列されている。また、基本視点映像と同一列に位置した左視点映像及び右視点映像は、いずれも視点は異なるが、POC順序(再生順序)が同一映像である。
各視点別に、4個の連続映像が1つのGOP(group of picture)を構成している。各GOPは、連続するアンカーピクチャ間の映像と、1つのアンカーピクチャ(key picture)とを含む。
該アンカーピクチャは、ランダムアクセスポイント(random access point)であり、ビデオを再生するとき、映像の再生順序、すなわち、POC順序によって配列された映像のうち任意に再生位置が選択されれば、再生位置において、POC順序が最も隣接するアンカーピクチャが再生される。基本視点映像は、基本視点アンカーピクチャ51,52,53,54,55を含み、左視点映像は、左視点アンカーピクチャ131,132,133,134,135を含み、右視点映像は、右視点アンカーピクチャ231,232,233,234,235を含む。
多視点映像は、GOP順に再生されて予測(復元)される。まず、多視点ビデオ予測構造の再生順序50によれば、各視点別に、GOP 0に含まれた映像が再生された後、GOP 1に含まれた映像が再生される。すなわち、GOP 0、GOP 1、GOP 2、GOP 3の順序で、各GOPに含まれた映像が再生される。また、多視点ビデオ予測構造のコーディング順序によれば、各視点別に、GOP 0に含まれた映像が予測された後、GOP 1に含まれた映像が予測される。すなわち、GOP 0、GOP 1、GOP 2、GOP 3の順序で、各GOPに含まれた映像が予測される。
多視点ビデオ予測構造の再生順序50によれば、映像に対して、視点間予測(インターレイヤ予測)及びインター予測がいずれも行われる。多視点ビデオ予測構造において、矢印が始める映像が参照映像であり、矢印が終わる映像が、参照映像を利用して予測される映像である。
基本視点映像の予測結果は、符号化された後、基本視点映像ストリームの形態に出力され、付加視点映像の予測結果は、符号化された後、レイヤビットストリームの形態に出力される。また、左視点映像の予測符号化結果は、第1レイヤビットストリームとして出力され、右視点映像の予測符号化結果は、第2レイヤビットストリームとして出力される。
基本視点映像については、インター予測だけが行われる。すなわち、Iピクチャタイプであるアンカーピクチャ51,52,53,54,55は、他の映像を参照しないが、Bピクチャタイプ及びbピクチャタイプである残りの映像は、他の基本視点映像を参照して予測される。Bピクチャタイプ映像は、POC順序が先立つIピクチャタイプアンカーピクチャと、後になるIピクチャタイプアンカーピクチャとを参照して予測される。bピクチャタイプ映像は、POC順序が先立つIピクチャタイプアンカーピクチャと、後になるBピクチャタイプ映像とを参照したり、POC順序が先立つBピクチャタイプ映像と、後になるIピクチャタイプアンカーピクチャとを参照して予測される。
左視点映像及び右視点映像については、それぞれ異なる視点映像を参照する視点間予測(インターレイヤ予測)及び同一視点映像を参照するインター予測が行われる。
左視点アンカーピクチャ131,132,133,134,135に対して、それぞれPOC順序が同一である基本視点アンカーピクチャ51,52,53,54,55を参照し、視点間予測(インターレイヤ予測)が行われる。右視点アンカーピクチャ231,232,233,234,235については、それぞれPOC順序が同一である基本視点映像51,52,53,54,55または左視点アンカーピクチャ131,132,133,134,135を参照し、視点間予測が行われる。また、左視点映像及び右視点映像のうち、アンカーピクチャ131,132,133,134,135,231,232,233,234,235ではない残りの映像についても、POCが同一である異なる視点の映像を参照する視点間予測(インターレイヤ予測)が行われる。
左視点映像及び右視点映像のうちアンカーピクチャ131,132,133,134,135,231,232,233,234,235ではない残りの映像は、同一視点映像を参照して予測される。
ただし、左視点映像及び右視点映像は、それぞれ、同一視点の付加視点映像のうち、再生順序が先行するアンカーピクチャを参照して予測されないこともある。すなわち、現在左視点映像のインター予測のために、現在左視点映像より再生順序が先行する左視点アンカーピクチャを除いた左視点映像が参照される。同様に、現在右視点映像のインター予測のために、現在右視点映像より再生順序が先行する右視点アンカーピクチャを除いた右視点映像が参照される。
また、現在左視点映像のインター予測のために、現在左視点映像が属した現在GOPより先行する以前GOPに属する左視点映像は、参照せず、現在GOPに属するが、現在左視点映像より先に復元される左視点映像を参照して予測が行われることが望ましい。右視点映像の場合も、同様である。
一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号装置20は、図3Aに図示された多視点ビデオ予測構造の再生順序50によって、基本視点映像、左視点映像及び右視点映像を復元することができる。
左視点映像は、基本視点映像を参照する視点間ディスパリティ補償と、左視点映像を参照するインター動き補償と、を介して復元される。右視点映像は、基本視点映像及び左視点映像を参照する視点間ディスパリティ補償と、右視点映像を参照するインター動き補償と、を介して復元される。左視点映像及び右視点映像のディスパリティ補償、及び動き補償のために、参照映像が先に復元されなければならない。
左視点映像のインター動き補償のために、復元された左視点の参照映像を参照するインター動き補償を介して、左視点映像が復元される。右視点映像のインター動き補償のために、復元された右視点の参照映像を参照するインター動き補償を介して、右視点映像が復元される。
また、現在左視点映像のインター動き補償のために、現在左視点映像が属した現在GOPより先行する以前GOPに属する左視点映像は、参照せず、現在GOPに属するが、現在左視点映像より先に復元される左視点映像だけ参照されることが望ましい。右視点映像の場合も、同様である。
また、一実施形態によるマルチレイヤビデオ復号装置20は、多視点映像を符号化/復号するために、ディスパリティ予測(または、インターレイヤ予測)を行うだけでなく、視点間動きベクトル予測を介した映像間動き補償(または、インターレイヤ動き予測)を行うこともできる。
図3Bは、一実施形態によるマルチレイヤビデオを示している。
多様なネットワーク環境、及び多様な端末機において、最適のサービス提供を可能とするために、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、多様な空間的解像度(spatial resolution)、多様な画質(quality)、多様なフレーム率(frame-rate)、互いに異なる視点を有するマルチレイヤ映像シーケンスを符号化し、スケーラブルなビットストリームを出力することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、多様なスケーラビリティ類型によって、入力映像を符号化し、スケーラブルビデオビットストリームを生成して出力することができる。スケーラビリティは、時間的、空間的、画質的、多視点的なスケーラビリティ、及びかようなスケーラビリティの組み合わせを含む。かようなスケーラビリティは、各類型によって区分される。また、スケーラビリティは、各類型内において、次元識別子で区分される。
例えば、スケーラビリティは、時間的、空間的、画質的及び多視点的なスケーラビリティのようなスケーラビリティ類型を有する。そして、各類型によって、スケーラビリティ次元識別子で区分される。例えば、互いに異なるスケーラビリティを有するならば、互いに異なる次元識別子を有することができる。例えば、当該スケーラビリティ類型に係わる高次元的なスケーラビリティであればあるほど、スケーラビリティ次元を高く割り当てることもできる。
ビットストリームから、有効な(valid)サブストリームに分離することができる場合、該ビットストリームは、スケーラブル(scalable)であるとする。空間的にスケーラブルなビットストリームは、多様な解像度のサブストリームを含む。同一スケーラビリティ類型において、互いに異なるスケーラビリティを区別するために、スケーラビリティ次元を利用する。該スケーラビリティ次元は、スケーラビリティ次元識別子によって表現される。
例えば、空間的にスケーラブルなビットストリームは、QVGA、VGA、WVGAのような互いに異なる解像度を有するサブストリームに分離することができる。例えば、互いに異なる解像度を有する各レイヤは、次元識別子を利用して区別される。例えば、QVGAサブストリームは、空間的スケーラビリティ次元識別子値として0を有することができ、VGAサブストリームは、空間的スケーラビリティ次元識別子値として1を有することができ、WVGAサブストリームは、空間的スケーラビリティ次元識別子値として2を有することができる。
時間的にスケーラブルなビットストリームは、多様なフレーム率を有するサブストリームを含む。例えば、時間的にスケーラブルなビットストリームは、7.5Hzのフレーム、15Hzのフレーム率、30Hzのフレーム率、60Hzのフレーム率を有するサブストリームに分離することができる。画質的にスケーラブルなビットストリームは、CGS(coarse-grained scalability)方式、MGS(medium-grained scalability)方式、FGS(fine-grained scalability)方式によって、互いに異なる画質(quality)を有するサブストリームに分離することができる。時間的スケーラビリティも、互いに異なるフレーム率によって、互いに異なる次元に区分され、画質的スケーラビリティも、互いに異なる方式によって、互いに異なる次元に区分される。
多視点スケーラブルビットストリームは、1つのビットストリーム内において、互いに異なる視点のサブストリームを含む。一例として、ステレオスコピック(stereo scopic)映像の場合、ビットストリームは、左側映像及び右側映像を含む。また、スケーラブルビットストリームは、多視点映像及びデブスマップ(depth map)の符号化されたデータについてのサブストリームを含んでもよい。視点的スケーラビリティも、それぞれの視点によって、互いに異なる次元に区分される。
互いに異なるスケーラブル拡張類型は、互いに結合される。すなわち、スケーラブルビデオビットストリームは、時間的、空間的、画質的、多視点的なスケーラビリティのうち少なくとも一つが、互いに異なる映像で構成されたマルチレイヤの映像シーケンスを符号化したサブストリームを含んでもよい。
図3Bにおいては、互いに異なるスケーラブル拡張類型を有する映像シーケンス3010,3020,3030を図示している。第1レイヤの映像シーケンス3010、第2レイヤの映像シーケンス3020、及び第n(nは、整数)レイヤの映像シーケンス3030は、解像度、画質、視点のうち少なくとも一つが互いに異なる映像シーケンスでもある。また、第1レイヤの映像シーケンス3010、第2レイヤの映像シーケンス3020及び第n(nは、整数)レイヤの映像シーケンス3030のうち1つのレイヤの映像シーケンスは、基本レイヤの映像シーケンスであり、他のレイヤの映像シーケンスは、向上レイヤの映像シーケンスでもある。
一例として、第1レイヤの映像シーケンス3010は、第1視点の映像であり、第2レイヤの映像シーケンス3020は、第2視点の映像であり、第nレイヤの映像シーケンス3030は、第n視点の映像でもある。他の例として、第1レイヤの映像シーケンス3010は、基本レイヤの左視点映像であり、第2レイヤの映像シーケンス3020は、基本レイヤの右視点映像であり、第nレイヤの映像シーケンス3030は、向上レイヤの右視点映像でもある。前述の例に限定されず、互いに異なるスケーラブル拡張類型を有する映像シーケンス3010,3020,3030は、それぞれ互いに異なる映像属性(attribute)を有する映像シーケンスでもある。
図4Aは、一実施形態による、現在ブロックのディスパリティベクトルについて説明するための図面である。
図4Aにおいて、マルチレイヤビデオ復号装置20は、ディスパリティベクトル(DV)43を利用して、現在ブロック41に対応する他視点の参照ブロック42を決定することができる。マルチレイヤビデオ復号装置20は、決定された参照ブロック42を利用して、現在ブロック41を予測することができる。
ディスパリティベクトルは、別途の情報として、ビットストリームを介して、マルチレイヤビデオ符号化装置10から、マルチレイヤビデオ復号装置20にも伝送され、周辺ブロック候補またはデプス値を基に決定される。前述のように、ディスパリティベクトルとしては、前述のように、NBDV及びDoNBDVがある。
図4Bは、一実施形態による、現在ブロックの空間的周辺ブロック候補を利用して、ディスパリティベクトルを獲得する一例を示している。
図4Bを参照すれば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロック51のディスパリティベクトルを獲得するために、空間的周辺ブロック候補を、所定検索順序によって検索することができる。ここで、検索される周辺ブロック候補は、現在ブロック51に、時間的または空間的に隣接する予測単位でもある。
ディスパリティベクトルを獲得するための空間的周辺ブロック候補の候補は、例として、現在ブロック51の左側下端に位置する周辺ブロック候補A0 51−1、現在ブロック51の左側に位置する周辺ブロック候補A1 51−2、現在ブロック51の右側上端に位置する周辺ブロック候補B0 51−3、現在ブロック51の上端に位置する周辺ブロック候補B1 51−4、現在ブロック51の左側上端に位置する周辺ブロック候補B2 51−5にもなる。周辺ブロック候補が探索される順序は、例えば、A1 51−2、B1 51−4、B0 51−3、A0 51−1、B2 51−5の順序にもなる。
周辺ブロック候補のうち予測に利用される1つの周辺ブロック候補が決定され、決定された周辺ブロック候補のディスパリティベクトルを利用して、現在ブロック51のディスパリティベクトルが決定される。
例を挙げれば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、周辺ブロック候補のうち空間的周辺ブロック候補から獲得されたディスパリティベクトルを、現在ブロック51の基本ディスパリティベクトル(DispVec)であると決定することができる。また、空間的周辺ブロック候補から、ディスパリティベクトルを獲得することができない場合、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックの基本ディスパリティベクトルを(0,0)ベクトルと設定することができる。
一方、ディスパリティベクトルを予測するための周辺ブロック候補の位置及び個数は、前記例に限定されずに変更される。
図4Cは、一実施形態による、現在ブロックの時間的周辺ブロック候補を利用して、ディスパリティベクトルを獲得する一例を示している。図4Cを参照すれば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロック61とコローケテッド(co-located)であるブロック62、及びコローケテッドブロック62の周辺のブロックのうち少なくとも一つを、時間的周辺ブロック候補に決定することができる。ここで、コローケテッドブロック62は、コローケテッドピクチャのコローケテッドブロックでもあり、他の例として、ランダムアクセス(random access)ピクチャのコローケテッドブロックでもある。例えば、コローケテッドブロック62の右側下端ブロック62−1が、時間的周辺ブロック候補に決定される。マルチレイヤビデオ復号装置20は、周辺ブロック候補のうち時間的周辺ブロック候補として、ディスパリティベクトルが獲得される場合、獲得されたディスパリティベクトルと同一に、現在ブロック51の基本ディスパリティベクトル(MvDisp)と決定することができる。
現在ブロックの空間的周辺ブロック候補及び時間的周辺ブロック候補を利用して、ディスパリティベクトルを獲得する一例は、次の通りである。ディスパリティベクトルを獲得するための空間的周辺ブロック候補は、他の例として、現在ブロック51の左側に位置する周辺ブロック候補A1 51−2、現在ブロック51の上端に位置する周辺ブロック候補B1 51−4にもなり、時間的周辺ブロック候補の候補は、コローケテッドピクチャのコローケテッドブロック、ランダムアクセスピクチャのコローケテッドブロックにもなる。周辺ブロック候補が探索される順序は、例えば、コローケテッドピクチャのコローケテッドブロック、ランダムアクセスピクチャのコローケテッドブロックA1 51−2,B1 51−4の順序にもなる。
前述の図4B及び図4Cにおいて、周辺ブロック候補のうちディスパリティベクトルが既決定である周辺ブロック候補だけ現在ブロックのディスパリティベクトルを予測する参照ブロックにもなる。図4Dは、一実施形態による、デプスピクチャを利用して、現在ブロックのディスパリティベクトルを獲得する一例を示している。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、ビットストリームから獲得されたデプス換算情報(depth_refinement_flag)を利用して、第1レイヤのデプスピクチャ73が利用可能であるか否かということを判断することができる。デプス換算情報(depth_refinement_flag)が、第1レイヤのデプスピクチャ73の利用が可能であるということを示す場合、マルチレイヤビデオ復号装置20は、周辺ブロック候補から獲得されたNBDV 75と、第1レイヤのデプスピクチャ73とを利用して、現在ブロック72のディスパリティを誘導することができる。
具体的には、マルチレイヤビデオ復号装置20は、第2レイヤの現在ブロック72の周辺ブロック候補から獲得されたNBDV 75が示す第1レイヤのデプスピクチャ73の参照ブロック74を決定することができる。次に、マルチレイヤビデオ復号装置20は、決定された参照ブロック74のエッジ74−1,74−2,74−3,74−4のデプス値のうち少なくとも一つにカメラパラメータを適用し、DoNBDV 76に変換することができる。マルチレイヤビデオ復号装置20は、DoNBDVを、現在ブロックのディスパリティベクトルとして決定することができる。
図4Aないし図4Dにおいて、前述の方法は、マルチレイヤビデオ復号装置20の観点から記述されたが、マルチレイヤビデオ符号化装置10にも適用される。
一方、マルチレイヤビデオ復号装置20がDoNBDVを獲得するために、NBDVが示すデプスピクチャの参照ブロックをメモリから引き出し(fetch)、現在ブロックの予測補償を行うために、DoNBDVが示すデプスピクチャの参照ブロックをメモリから追加して引き出す(fetch)状況が発生する。特に、デプスピクチャは、一般的に、外部メモリ(external memory)に位置するために、その場合、メモリの帯域幅複雑度がさらに高くなる。
従って、他の一実施形態において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックのディスパリティベクトルを、現在ブロックの周辺ブロック候補のディスパリティベクトルであるNBDVと決定することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ復号装置20は、復号のための現在ブロックに対応するデプスブロックを、NBDVが示すデプスブロックとして決定することができる。これにより、メモリの帯域幅複雑度が低くなり、メモリ利用効率が向上することができる。
そのために、シンタックスMvDisp[xTb][yTb]を利用して、現在ブロックのディスパリティベクトルを決定する変数(mvDisp)の値が、NBDV(MvDisp[xTb][yTb])の値と同一であると決定される。または、シンタックスDispVec[xCb][xCb]を利用して、現在ブロックのディスパリティベクトルを決定する変数(dispVec)の値が、NBDV(DispVec[xCb][xCb])の値と同一であると決定される。
現在ブロックのディスパリティベクトルが決定されれば、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックに対応するデプスブロックを決定し、決定されたデプスブロックに基づいて、現在ブロックを分割するDBBP機能が遂行される。
図5は一実施形態による、現在ブロックに対応するデプスブロックを利用して、現在ブロックを分割する一例を示している。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロック81を分割するために、現在ブロック81に対応するデプスブロック82を複数の領域に分割し、デプスブロック82の分割された複数の領域に基づいて、現在ブロック81を、複数の領域に分割することができる。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、デプスブロック82を複数の領域に分割するために、臨界値を決定することができる。臨界値は、デプスブロック82を複数の領域に分割するとき、分割の基準になる値を意味する。マルチレイヤビデオ復号装置20は、デプスブロック82のサンプル値を利用して、臨界値を決定することができる。例えば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、デプスブロック82に含まれたサンプル値の平均を臨界値と決定することができる。詳細には、マルチレイヤビデオ復号装置20は、デプスブロック82のコーナーサンプルである左上サンプル82−1、右上サンプル82−2、左下サンプル82−3及び右下サンプル82−4であるコーナーサンプルのサンプル値の平均を臨界値として決定することができる。
次に、マルチレイヤビデオ復号装置20は、デプスブロック82を、臨界値を超えたサンプル値を有するサンプルの領域である第1領域82−1と、臨界値以下のサンプル値を有するサンプルの領域である第2領域82−2とに分割することができる。マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロック81を、デプスブロック82の分割された形態に基づいて、複数の領域に分割することができる。例えば、デプスブロック82が第1領域82−1と第2領域82−2とに分割された場合、マルチレイヤビデオ復号装置20は、第1領域82−1と第2領域82−2とを現在ブロック81に対応させ、現在ブロック81を複数の領域に分割することができる。すなわち、マルチレイヤビデオ復号装置20は、デプスブロック82の第1領域82−1と第2領域82−2とを利用した分割マップを生成し、生成された分割マップを現在ブロック81に対応させることにより、現在ブロック81を、第1領域81−1と第2領域81−2とに分割することができる。
一方、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックに対応する参照映像の領域にアクセスする場合、現在ブロックサイズが小さいほど、現在ブロックサイズ以上の領域を参照映像から持ってくるために、メモリの帯域幅は増大する。従って、メモリの帯域幅を狭くするために、現在ブロックサイズが決定された大きさ以下である場合には、テクスチャ映像またはデプス映像を参照する前述のDBBPの適用を省略する方法が考慮される。
図6は、一実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20が、現在ブロックサイズを考慮し、DBBP機能遂行いかんを決定する方法のフローチャートを示している。
段階S71において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが8x8より大きいか否かということを判断することができる。すなわち、現在ブロックサイズ(CbSize)にlog2を取り、現在ブロックサイズのログ(log2CbSize)で表現した場合、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズのログ値が3より大きいか否かということを判断することができる。
段階S72において、現在ブロックサイズのログ値が3より大きければ(S71−はい)、マルチレイヤビデオ復号装置20は、DBBP機能を遂行することができる。一方、現在ブロックサイズのログ値が3以下であるならば(S71−いいえ)、マルチレイヤビデオ復号装置20は、DBBP機能を遂行しない。
図7Aは、一実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20が、現在ブロックサイズを考慮し、DBBPの遂行いかんを決定するシンタックスの一例を示している。図7Aにおいて、現在ブロックのコーディングのためのシンタックスcoding unit()は、現在ブロックに対してDBBPの遂行いかんを決定するための条件文91を含んでもよい。
条件文91において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロック(符号化単位(CU:coding unit))が含まれたレイヤのDBBP遂行いかんを示すフラグ(depth_based_blk_part_flag)の値が「0」ではなく、現在ブロックの予測モード(CuPredMode)値がイントラモード(MODE_INTRA)値ではなく、現在ブロックサイズ(CbSize)にlog2を取った値が3より大きければ、現在ブロックのDBBPの遂行いかんを示すフラグdbbp_flagをビットストリームから獲得することができる。フラグdbbp_flag値が1であるならば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックに対してDBBPを行う。
ただし、フラグdbbp_flag値が0であるならば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、DBBPを行わない。
すなわち、現在ブロックサイズが8x8より大きければ、マルチレイヤビデオ復号装置20は、ビットストリームからフラグdbbp_flagをパージングし、DBBPを行うか、あるいは行わないかということを決定することができる。しかし、現在ブロックサイズが8x8より小さいか、あるいは同じであるならば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、フラグdbbp_flagをパージングする必要もなしに、DBBPを行わない。
図7Bは、他の一実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20が現在ブロックサイズを考慮し、DBBPの遂行いかんを決定するシンタックスの一例を示している。
図7Bにおいて、現在ブロックのコーディングのためのシンタックスcu_extension()は、現在ブロックに対して、DBBPの遂行いかんを決定するための条件文92を含んでもよい。
条件文92において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックが含まれたレイヤのDBBP遂行いかんを示すフラグ(DbbpEnabledFlag)の値が「0」ではなく、現在ブロックのインタービュー参照ピクチャが存在する否かということを示すフラグ(DispAvailFlag)の値が「0」ではなく、現在ブロックのパーティションモードが、PART_2NxNまたはPART_Nx2Nであり、現在ブロックサイズ(CbSize)にlog2を取った値が3より大きければ、現在ブロックのDBBPの遂行いかんを示すフラグdbbp_flagをビットストリームから獲得することができる。すなわち、フラグdbbp_flag値によって、DBBP遂行いかんが決定される。
ただし、現在ブロックのパーティションモードが、PART_2NxN及びPART_Nx2Nではないならば、フラグdbbp_flagが獲得されず、DBBPが行われない。
従って、図7Bで図示された実施形態によれば、現在ブロックサイズだけではなく、現在ブロックのパーティションモードによって、DBBP遂行いかんが決定される。現在ブロックが8x8より大きく、現在ブロックのパーティーモードがPART_2NxNまたはPART_Nx2Nである場合、DBBPが行われるためのフラグdbbp_flagがパージングされる
図5ないし図7Bで説明した方法は,マルチレイヤビデオ復号装置20の観点から記述されたが、マルチレイヤビデオ符号化装置10にも適用される。
例えば、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが既決定の大きさより大きく、DBBPの機能を遂行することができる場合、DBBPの遂行いかんを示すフラグ「dbbp_flag」を設定することができる。DBBPが行われる場合には、「dbbp_flag」の値を1に設定し、DBBPが行われない場合には、「dbbp_flag」の値を0に設定することができる。
マルチレイヤビデオ符号化装置10は、DBBP遂行いかんに係わる情報を符号化することができる。例えば、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、「dbbp_flag」を符号化し、ビットストリームに含めることができる。
また、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、現在ブロックサイズが既決定の大きさ以下であり、DBBP機能を遂行しない場合、DBBPの遂行いかんを示すフラグ「dbbp_flag」を符号化する必要がない。
マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックのディスパリティベクトルが決定されれば、決定されたディスパリティベクトルを利用して、現在ブロックのレジデュアル予測を行うことができる。
図8Aは、一実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20がレジデュアル予測を行う一例を示す図面である。図8Aにおいて、マルチレイヤビデオ復号装置20は、時間方向の予測を行う場合、第2レイヤの現在ピクチャ101に含まれた現在ブロック102の動きベクトル107が示す第2レイヤの以前ピクチャ103に含まれた参照ブロック104のサンプル値を獲得することができる。そして、マルチレイヤビデオ復号装置20は、第2レイヤの現在ブロック102のディスパリティベクトル108が示す第1レイヤの現在ピクチャ105に含まれた参照ブロック106のレジデュアル成分を獲得することができる。そして、マルチレイヤビデオ復号装置20は、第1レイヤの以前ピクチャ103に含まれた参照ブロック104のサンプル値と、第1レイヤの現在ピクチャ105に含まれた参照ブロック106のレジデュアル成分とを合成し、現在ブロック102を予測することができる。
次に、マルチレイヤビデオ復号装置20は、ビットストリームから獲得したレジデュアル成分間の差値と、予測された現在ブロック102のサンプル値とを合成し、現在ブロック102を復元することができる。
図8Bは、他の一実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20がレジデュアル予測を行う一例を示す図面である。図8Bにおいて、マルチレイヤビデオ復号装置20は、時間方向の予測を行う場合、第2レイヤの現在ピクチャ111に含まれた現在ブロック112の動きベクトル119が示す第2レイヤの以前ピクチャ113に含まれた参照ブロック114のサンプル値を獲得することができる。また、マルチレイヤビデオ復号装置20は、第2レイヤの現在ブロック112のディスパリティベクトル121が示す第1レイヤの現在ピクチャ115に含まれた参照ブロック116に、動きベクトル119を適用し、(119−1)、動きベクトル119が示す第1レイヤの以前ピクチャ117に含まれた参照ブロック118のレジデュアル成分を獲得することができる。そして、マルチレイヤビデオ復号装置20は、第2レイヤの以前ピクチャ113に含まれた参照ブロック116のサンプル値と、第1レイヤの以前ピクチャ117に含まれた参照ブロック118のレジデュアル成分とを合成し、現在ブロック112を予測することができる。
次に、マルチレイヤビデオ復号装置20は、ビットストリームから獲得したレジデュアル成分間の差値と、予測された現在ブロック112のサンプル値とを合成し、現在ブロック112を復元することができる。
図8Bにおいて、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックのレジデュアル予測を行うために、現在ブロックの参照リストごとに、3個の参照ブロックにアクセスする必要がある。特に、双方向へのレジデュアル予測が行われる場合、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックを対象に、5個ないし6個の参照ブロックにアクセスする必要がある。
これにより、要求される多量のメモリの帯域幅を低減させるために、レジデュアル予測を、既決定のブロックサイズ以上でのみ行う方法が考慮される。
例えば、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが8x8より大きい場合、レジデュアル予測を行うことができる。すなわち、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが8x8以下である場合は、レジデュアル予測を行わない。
または、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが8x8以下であるならば、クロマ(chroma)成分は、レジデュアル予測を行わず、ルマ(luma)成分は、レジデュアル予測を行うことができる。
または、マルチレイヤビデオ復号装置20は、時間方向の予測を行う場合、現在ブロックサイズが8x8以下であるならば、クロマ成分は、レジデュアル予測を行わず、ルマ成分は、レジデュアル予測を行うことができる。
また、マルチレイヤビデオ復号装置20は、ビュー方向にレジデュアル予測を行う場合、現在ブロックサイズが8x8以下であるならば、クロマ成分及びルマ成分のいずれも対象に、レジデュアル予測を行わない。
図9は、一実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20が現在ブロックサイズを考慮し、レジデュアル予測の遂行いかんを決定する方法のフローチャートを示している。
段階S81において、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズが8x8より大きいか否かということを判断することができる。すなわち、現在ブロックサイズ(CbSize)にlog2を取り、現在ブロックサイズのログ(log2CbSize)で表現した場合、マルチレイヤビデオ復号装置20は、現在ブロックサイズのログ値が3より大きいか否かということを判断することができる。
段階S82において、現在ブロックサイズのログ値が3より大きければ(S81−はい)、マルチレイヤビデオ復号装置20は、レジデュアル予測を行うことができる。一方、現在ブロックサイズのログ値が3以下であるならば(S81−いいえ)、マルチレイヤビデオ復号装置20は、レジデュアル予測を行わない。
図8Aないし図9で説明した方法は、マルチレイヤビデオ復号装置20の観点から記述されたが、マルチレイヤビデオ符号化装置10にも適用される。
多様な実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10、及び多様な実施形態によるマルチレイヤビデオ復号装置20において、ビデオデータが分割されるブロックがツリー構造の符号化単位に分割され、符号化単位に対するインターレイヤ予測またはインター予測のために、符号化単位、予測単位、変換単位が利用される場合があることは、前述の通りである。以下、図10ないし図22を参照し、多様な実施形態による、ツリー構造の符号化単位及び変換単位に基づいた、ビデオ符号化方法及びその装置、ビデオ復号方法及びその装置が開示される。
原則的に、マルチレイヤビデオのための符号化/復号過程において、第1レイヤ映像のための符号化/復号過程と、第2レイヤ映像のための符号化/復号過程とが別途に遂行される。すなわち、マルチレイヤビデオのうちインターレイヤ予測が発生する場合には、シングルレイヤビデオの符号化/復号結果が相互参照されるが、シングルレイヤビデオごとに、別途の符号化/復号過程が発生する。
従って、説明の便宜のために、図10ないし図22を参照して説明する、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化過程及びビデオ復号過程は、シングルレイヤビデオに対するビデオ符号化過程及びビデオ復号過程であるので、インター予測及び動き補償について詳細に説明する。しかし、図1Aないし図9を参照して説明したように、ビデオストリーム符号化/復号のために、基本視点映像と第2レイヤ映像とのインターレイヤ予測及び補償が行われる。
従って、多様な実施形態によるマルチレイヤビデオ符号化装置10の符号化部12が、ツリー構造の符号化単位に基づいて、マルチレイヤビデオを符号化するためには、それぞれのシングルレイヤビデオごとに、ビデオ符号化を行うために、図10のビデオ符号化装置100をマルチレイヤビデオのレイヤ個数ほど含み、各ビデオ符号化装置100ごとに割り当てられたシングルレイヤビデオの符号化を行うように制御することができる。また、マルチレイヤビデオ符号化装置10は、各ビデオ符号化装置100の別個単一視点の符号化結果を利用して、視点間予測を行うことができる。これにより、マルチレイヤビデオ符号化装置10の符号化部12は、レイヤ別に符号化結果を収録した基本視点ビデオストリームと、第2レイヤビデオストリームとを生成することができる。
これと類似して、多様な実施形態による、マルチレイヤビデオ復号装置20の復号部24が、ツリー構造の符号化単位に基づいて、マルチレイヤビデオを復号するためには、受信した第1レイヤビデオストリーム及び第2レイヤビデオストリームに対して、レイヤ別にビデオ復号を行うために、図11のビデオ復号装置200をマルチレイヤビデオのレイヤ個数ほど含み、各ビデオ復号装置200ごとに割り当てられたシングルレイヤビデオの復号を行うように制御することができる。そして、マルチレイヤビデオ復号装置20が、各ビデオ復号装置200の別個シングルレイヤの復号結果を利用して、インターレイヤ補償を行うことができる。これにより、マルチレイヤビデオ復号装置20の復号部24は、レイヤ別に復元された第1レイヤ映像と第2レイヤ映像とを生成することができる。
図10は、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ符号化装置100のブロック図を図示している。
一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ符号化装置100は、符号化単位決定部120及び出力部130を含む。以下、説明の便宜のために、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ符号化装置100は、「ビデオ符号化装置100」と縮約して呼ぶ。
符号化単位決定部120は、映像の現在ピクチャのための最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャを区画することができる。現在ピクチャが最大符号化単位より大きければ、現在ピクチャの映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。多様な実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256のようなデータ単位であり、縦横に大きさが2の累乗である正方形のデータ単位でもある。
多様な実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び深度で特徴づけられる。深度とは、最大符号化単位から符号化単位が空間的に分割された回数を示し、深度が深くなるほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割される。最大符号化単位の深度が最上位深度であり、最小符号化単位が最下位符号化単位と定義される。最大符号化単位は、深度が深くなるにつれ、深度別符号化単位の大きさは小さくなるので、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含んでもよい。
前述のように、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。多様な実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが、深度によって階層的に分類される。
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる総回数を制限する最大深度、及び符号化単位の最大サイズがあらかじめ設定されている。
符号化単位決定部120は、深度ごとに、最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に、最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、符号化単位決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位で映像データを符号化し、最小である符号化誤差が発生する深度を選択して最終深度に決定する。決定された最終深度及び最大符号化単位別映像データは、出力部130に出力される。
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最小である深度が選択される。それぞれの最大化符号化単位ごとに、少なくとも1つの最終深度が決定される。
最大符号化単位の大きさは、深度が深くなるにつれ、符号化単位が階層的に分割されて分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同一深度の符号化単位であるとしても、それぞれのデータに対する符号化誤差を測定し、下位深度への分割いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであるとしても、位置によって、深度別符号化誤差が異なるので、位置によって、最終深度が異なって決定される。従って、1つの最大符号化単位に対して、最終深度が1以上設定され、最大符号化単位のデータは、1以上の最終深度の符号化単位によって区画される。
従って、多様な実施形態による符号化単位決定部120は、現在最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位を決定する。多様な実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれる全ての深度別符号化単位において、最終深度と決定された深度の符号化単位を含む。最終深度の符号化単位は、最大符号化単位内において、同一領域では、深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定される。同様に、現在領域に係わる最終深度は、他の領域に係わる最終深度と独立して決定される。
多様な実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数と係わる指標である。多様な実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示すことができる。多様な実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの総個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度は、2に設定される。その場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の深度レベルが存在するので、第1最大深度は4に設定され、第2最大深度は、5に設定される。
最大符号化単位の予測符号化及び変換が行われる。予測符号化及び変換も、同様に、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに深度別符号化単位を基に行われる。
最大符号化単位が深度別に分割されるたびに、深度別符号化単位の個数が増加するので、深度が深くなるにつれて生成される全ての深度別符号化単位に対して、予測符号化及び変換を含んだ符号化が行われなければならない。以下、説明の便宜のために、少なくとも1つの最大符号化単位のうち現在深度の符号化単位を基に、予測符号化及び変換について説明する。
多様な実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のためのデータ単位の大きさまたは形態を多様に選択することができる。映像データの符号化のためには、予測符号化、変換、エントロピー符号化などの段階を経るが、全ての段階にわたって同一データ単位が利用されもし、段階別にデータ単位が変更されもする。
例えば、ビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけでなく、符号化単位の映像データの予測符号化を行うために、符号化単位と異なるデータ単位を選択することができる。
最大符号化単位の予測符号化のためには、多様な実施形態による最終深度の符号化単位、すなわち、それ以上さらに分割されない符号化単位を基に予測符号化が行われる。以下、予測符号化の基になる、それ以上さらに分割されない符号化単位を「予測単位」とする。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位、並びに予測単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが分割されたデータ単位を含んでもよい。パーティションは、符号化単位の予測単位が分割された形態のデータ単位であり、該予測単位は、符号化単位と同一サイズのパーティションでもある。
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは、正の整数)の符号化単位が、それ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になり、パーティションの大きさは、2Nx2N、2NxN、Nx2N、NxNなどでもある。多様な実施形態によるパーティションモードは、予測単位の高さまたは幅が対称的な比率に分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように、非対称的な比率に分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含んでもよい。
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つでもある。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションに対して遂行される。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションに対してのみ遂行される。符号化単位以内の1つの予測単位ごとに、独立して符号化が行われ、符号化誤差が最小である予測モードが選択される。
また、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけでなく、符号化単位と異なるデータ単位を基に、符号化単位の映像データの変換を行うことができる。符号化単位の変換のためには、符号化単位より小さいか、あるいは同じ大きさの変換単位を基に変換が行われる。例えば、変換単位は、イントラモードのためのデータ単位、及びインターモードのための変換単位を含んでもよい。
多様な実施形態によるツリー構造による符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も、再帰的にさらに小サイズの変換単位に分割されながら、符号化単位のレジデュアルデータが、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって区画される。
多様な実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定される。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位の大きさが2Nx2Nであるならば、変換深度0に設定され、変換単位の大きさがNxNであるならば、変換深度1に設定され、変換単位の大きさがN/2xN/2であるならば、変換深度2に設定される。すなわち、変換単位についても、変換深度によって、ツリー構造による変換単位が設定される。
深度別分割情報は、深度だけでなく、予測関連情報及び変換関連情報が必要である。従って、符号化単位決定部120は、最小符号化誤差を発生させた深度だけでなく、予測単位をパーティションに分割したパーティションモード、予測単位別予測モード、変換のための変換単位の大きさなどを決定することができる。
多様な実施形態による、最大符号化単位のツリー構造による符号化単位及び予測単位/パーティション、並びに変換単位の決定方式については、図17ないし図19を参照して詳細に後述する。
符号化単位決定部120は、深度別符号化単位の符号化誤差をラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率・歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用して測定することができる。
出力部130は、符号化単位決定部120で決定された少なくとも1つの深度に基づいて、符号化された最大符号化単位の映像データ及び深度別分割情報をビットストリーム形態に出力する。
符号化された映像データは、映像のレジデュアルデータの符号化結果でもある。
深度別分割情報は、深度情報、予測単位のパーティションモード情報、予測モード情報、変換単位の分割情報などを含んでもよい。
最終深度情報は、現在深度で符号化せず、下位深度の符号化単位で符号化するか否かということを示す深度別分割情報を利用して定義される。現在符号化単位の現在深度が深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位で符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上下位深度に分割されないように定義される。反対に、現在符号化単位の現在深度が深度ではないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みければならないので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位に分割されるように定義される。
現在深度が深度ではないならば、下位深度の符号化単位に分割された符号化単位に対して符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に、下位深度の符号化単位が1以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに、反復的に符号化が行われ、同一深度の符号化単位ごとに、再帰的(recursive)符号化が行われる。
1つの最大符号化単位内で、ツリー構造の符号化単位が決定され、深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの分割情報が決定されなければならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの分割情報が決定される。また、最大符号化単位のデータは、深度によって階層的に区画され、位置別に深度が異なるので、データについて深度及び分割情報が設定される。
従って、多様な実施形態による出力部130は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して、当該深度及び符号化モードに係わる符号化情報が割り当てられる。
多様な実施形態による最小単位は、最下位深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位である。多様な実施形態による最小単位は、最大符号化単位に含まれる全ての符号化単位、予測単位、パーティション単位及び変換単位内に含まれる最大サイズの正方形データ単位でもある。
例えば、出力部130を介して出力される符号化情報は、深度別符号化単位別符号化情報と予測単位別符号化情報とに分類される。深度別符号化単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向についての情報、インターモードの参照映像インデックスについての情報、動きベクトルについての情報、イントラモードのクロマ成分についての情報、イントラモードの補間方式についての情報などを含んでもよい。
ピクチャ別、スライス別またはGOP別に定義される符号化単位の最大サイズについての情報、及び最大深度についての情報は、ビットストリームのヘッダ、シーケンスパラメータセットまたはピクチャパラメータセットなどに挿入される。
また、現在ビデオに対して許容される変換単位の最大サイズについての情報、及び変換単位の最小サイズについての情報も、ビットストリームのヘッダ、シーケンスパラメータセットまたはピクチャパラメータセットなどを介して出力される。出力部130は、予測と係わる参照情報、動き情報、スライスタイプ情報などを符号化して出力することができる。
ビデオ符号化装置100の最も簡単な形態の実施形態によれば、深度別符号化単位は、1階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にした大きさの符号化単位である。すなわち、現在深度の符号化単位の大きさが2Nx2Nであるならば、下位深度の符号化単位の大きさは、NxNである。また、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を最大4個含んでもよい。
従って、ビデオ符号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位の大きさ及び最大深度を基に、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及び大きさの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、変換方式などによって符号化することができるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮し、最適の符号化モードが決定される。
従って、映像の解像度が非常に高いか、あるいはデータ量が非常に多い映像を、既存マクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。それにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下する傾向がある。従って、多様な実施形態によるビデオ符号化装置は、映像の大きさを考慮し、符号化単位の最大サイズを増大させながら、映像特性を考慮し、符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が上昇する。
図1Aを参照して説明したマルチレイヤビデオ符号化装置10は、マルチレイヤビデオのレイヤごとに、シングルレイヤ映像の符号化のために、レイヤ個数ほどのビデオ符号化装置100を含んでもよい。
ビデオ符号化装置100が、第1レイヤ映像を符号化する場合、符号化単位決定部120は、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位別に、映像間予測のための予測単位を決定し、予測単位ごとに映像間予測を行うことができる。
ビデオ符号化装置100が第2レイヤ映像を符号化する場合にも、符号化単位決定部120は、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位及び予測単位を決定し、予測単位ごとにインター予測を行うことができる。
ビデオ符号化装置100は、第1レイヤ映像と第2レイヤ映像との輝度差を補償するために、輝度差を符号化することができる。ただし、符号化単位の符号化モードによって、輝度遂行いかんが決定される。例えば、サイズ2Nx2Nの予測単位についてのみ輝度補償が行われる。
図11は、多様な実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ復号装置200のブロック図を図示している。
一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ復号装置200は、受信部210、映像データ及び符号化情報抽出部220及び映像データ復号部230を含む。以下、説明の便宜のために、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ復号装置200は、「ビデオ復号装置200」と縮約して呼ぶ。
多様な実施形態によるビデオ復号装置200の復号動作のための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種分割情報など各種用語の定義は、図10及びビデオ符号化装置100を参照して説明したところと同一である。
受信部210は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする。映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位によって符号化単位ごとに符号化された映像データを抽出し、映像データ復号部230に出力する。映像データ及び符号化情報抽出部220は、現在ピクチャに対するヘッダ、シーケンスパラメータセットまたはピクチャパラメータセットから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズについての情報を抽出することができる。
また、映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる最終深度及び分割情報を抽出する。抽出された最終深度及び分割情報は、映像データ復号部230に出力される。すなわち、ビット列の映像データを最大符号化単位に分割し、映像データ復号部230が、最大符号化単位ごとに映像データを復号するようにできる。
最大符号化単位別深度及び分割情報は、1以上の深度情報に対して設定され、深度別分割情報は、当該符号化単位のパーティションモード情報、予測モード情報及び変換単位の分割情報などを含んでもよい。また、深度情報として、深度別分割情報が抽出される。
映像データ及び符号化情報抽出部220が抽出した最大符号化単位別深度及び分割情報は、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100のように、符号化端において、最大符号化単位別深度別符号化単位ごとに反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させると決定された深度及び分割情報である。従って、ビデオ復号装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によって、データを復号し、映像を復元することができる。
多様な実施形態による深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位に対して割り当てられているので、映像データ及び符号化情報抽出部220は、所定データ単位別に、深度及び分割情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の深度及び分割情報が記録されているのであるならば、同一深度及び同一分割情報を有している所定データ単位は、同一最大符号化単位に含まれるデータ単位と類推される。
映像データ復号部230は、最大符号化単位別深度及び分割情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号し、現在ピクチャを復元する。すなわち、映像データ復号部230は、最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位ごとに、判読されたパーティションモード、予測モード、変換単位に基づいて符号化された映像データを復号することができる。復号過程は、イントラ予測及び動き補償を含む予測過程、及び逆変換過程を含んでもよい。
映像データ復号部230は、深度別符号化単位の予測単位のパーティションモード情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとにそれぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行うことができる。
また、映像データ復号部230は、最大符号化単位別逆変換のために、符号化単位別に、ツリー構造による変換単位情報を判読し、符号化単位ごとに、変換単位に基づいた逆変換を行うことができる。逆変換を介して、符号化単位の空間領域の画素値が復元される。
映像データ復号部230は、深度別分割情報を利用して、現在最大符号化単位の深度を決定することができる。もし分割情報が現在深度において、それ以上分割されないことを示しているのであれば、現在深度が深度である。従って、映像データ復号部230は、現在最大符号化単位の映像データに対して、現在深度の符号化単位を、予測単位のパーティションモード、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して、復号することができる。
すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位に対して設定されている符号化情報を観察し、同一分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、映像データ復号部230によって、同一符号化モードで復号する1つのデータ単位と見なされる。かように決定された符号化単位ごとに、符号化モードに係わる情報を獲得し、現在符号化単位の復号が行われる。
図2Aを参照して説明したマルチレイヤビデオ復号装置20は、受信された第1レイヤ映像ストリーム及び第2レイヤ映像ストリームを復号し、第1レイヤ映像及び第2レイヤ映像を復元するために、ビデオ復号装置200を視点数ほど含んでもよい。
第1レイヤ映像ストリームが受信された場合には、ビデオ復号装置200の映像データ復号部230は、抽出部220によって、第1レイヤ映像ストリームから抽出された第1レイヤ映像のサンプルを、最大符号化単位のツリー構造による符号化単位に分けることができる。映像データ復号部230は、第1レイヤ映像のサンプルのツリー構造による符号化単位ごとに、映像間予測のための予測単位別に動き補償を行い、第1レイヤ映像を復元することができる。
第2レイヤ映像ストリームが受信された場合には、ビデオ復号装置200の映像データ復号部230は、抽出部220によって、第2レイヤ映像ストリームから抽出された第2レイヤ映像のサンプルを、最大符号化単位のツリー構造による符号化単位に分けることができる。映像データ復号部230は、第2レイヤ映像のサンプルの符号化単位ごとに、映像間予測のための予測単位別に、動き補償を行い、第2レイヤ映像を復元することができる。
抽出部220は、第1レイヤ映像と第2レイヤ映像との輝度差を補償するために、輝度誤差と係わる情報をビットストリームから獲得することができる。ただし、符号化単位の符号化モードによって輝度遂行いかんが決定される。例えば、サイズ2Nx2Nの予測単位に対してのみ輝度補償が行われる。
結局、ビデオ復号装置200は、符号化過程において、最大符号化単位ごとに再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位に係わる情報を獲得し、現在ピクチャに対する復号に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに、最適符号化単位と決定されたツリー構造による符号化単位の符号化された映像データの復号が可能になる。
従って、高い解像度の映像、またはデータ量が過度に多い映像でも、符号化端から伝送された最適分割情報を利用して、映像の特性に適応的に決定された符号化単位の大きさ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号して復元することができる。
図12は、多様な実施形態による符号化単位の概念を図示している。
符号化単位の例は、符号化単位の大きさは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、サイズ32x32,16x16,8x8を含んでもよい。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに分割され、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに分割され、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割される。
ビデオデータ310については、解像度が1920x1080に設定され、符号化単位の最大サイズが64に設定され、最大深度が2に設定されている。ビデオデータ320については、解像度が1920x1080に設定され、符号化単位の最大サイズが64に設定され、最大深度が3に設定されている。ビデオデータ330については、解像度が352x288に設定され、符号化単位の最大サイズが16に設定され、最大深度が1に設定されている。図12に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示す。
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、符号化効率の向上だけでなく、映像特性を正確に反映させるために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、ビデオデータ330に比べ、解像度が高いビデオデータ310,320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択される。
ビデオデータ310の最大深度が2であるので、ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割されて深度が2階層深くなり、長軸サイズが32、16である符号化単位まで含んでもよい。一方、ビデオデータ330の最大深度が1であるので、ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割されて深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
ビデオデータ320の最大深度が3であるので、ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、3回分割されて深度が3階層深くなり、長軸サイズが32、16、8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、細部情報の表現能が向上することができる。
図13は、多様な実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部400のブロック図を図示している。
多様な実施形態による映像符号化部400は、ビデオ符号化装置100のピクチャ符号化部12において、映像データの符号化において経る作業を遂行する。すなわち、イントラ予測部420は、現在映像405において、イントラモードの符号化単位に対して予測単位別にイントラ予測を行い、インター予測部415は、インターモードの符号化単位に対して、予測単位別に現在映像405及び復元ピクチャバッファ410で獲得された参照映像を利用して、インター予測を行う。現在映像405は、最大符号化単位に分割された後、順次にエンコーディングが行われる。このとき、最大符号化単位がツリー構造に分割される符号化単位に対して、エンコーディングが行われる。
イントラ予測部420またはインター予測部415から出力された各モードの符号化単位に対する予測データを、現在映像405のエンコーディングされる符号化単位に係わるデータから差し引くことにより、レジデューデータを生成し、該レジデューデータは、変換部425及び量子化部430を経て、変換単位別に量子化された変換係数として出力される。量子化された変換係数は、逆量子化部445、逆変換部450を介して、空間領域のレジデューデータに復元される。復元された空間領域のレジデューデータは、イントラ予測部420またはインター予測部415から出力された各モードの符号化単位に係わる予測データと加えられることにより、現在映像405の符号化単位に係わる空間領域のデータに復元される。復元された空間領域のデータは、デブロッキング部455及びSAO遂行部460を経て復元映像に生成される。生成された復元映像は、復元ピクチャバッファ410に保存される。復元ピクチャバッファ410に保存された復元映像は、他の映像のインター予測のための参照映像に利用される。変換部425及び量子化部430で量子化された変換係数は、エントロピー符号化部435を経て、ビットストリーム440として出力される。
多様な実施形態による映像符号化部400が、ビデオ符号化装置100に適用されるために、映像符号化部400の構成要素である、インター予測部415、イントラ予測部420、変換部425、量子化部430、エントロピー符号化部435、逆量子化部445、逆変換部450、デブロッキング部455及びSAO遂行部460が、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位に基づいた作業を遂行することができる。
特に、イントラ予測部420及びインター予測部415は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位のパーティションモード及び予測モードを決定し、変換部425は、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位内の四分木による変換単位の分割いかんを決定することができる。
図14は、多様な実施形態による符号化単位に基づいた映像復号部500のブロック図を図示している。
エントロピー復号部515は、ビットストリーム505から、復号対象である符号化された映像データ、及び復号のために必要な符号化情報をパージングする。符号化された映像データは、量子化された変換係数であり、逆量子化部520及び逆変換部525は、量子化された変換係数からレジデューデータを復元する。
イントラ予測部540は、イントラモードの符号化単位に対して、予測単位別にイントラ予測を行う。インター予測部535は、現在映像のうちインターモードの符号化単位に対して、予測単位別に、復元ピクチャバッファ530で獲得された参照映像を利用してインター予測を行う。
イントラ予測部540またはインター予測部535を経た各モードの符号化単位に係わる予測データと、レジデューデータとが加えられることにより、現在映像405の符号化単位に係わる空間領域のデータが復元され、復元された空間領域のデータは、デブロッキング部545及びSAO遂行部550を経て、復元映像560として出力される。また、復元ピクチャバッファ530に保存された復元映像は、参照映像として出力される。
ビデオ復号装置200のピクチャ復号部230において映像データを復号するために、多様な実施形態による映像復号部500のエントロピー復号部515以後の段階別作業が遂行される。
映像復号部500が、多様な実施形態によるビデオ復号装置200に適用されるために、映像復号部500の構成要素である、エントロピー復号部515、逆量子化部520、逆変換部525、イントラ予測部540、インター予測部535、デブロッキング部545及びSAO遂行部550が、最大符号化単位ごとにツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位に基づいて、作業を遂行することができる。
特に、イントラ予測部540及びインター予測部535は、ツリー構造による符号化単位のうちそれぞれの符号化単位ごとに、パーティションモード及び予測モードを決定し、逆変換部525は、符号化単位ごとに、四分木構造による変換単位の分割いかんを決定することができる。
図13の符号化動作及び図14の復号動作は、それぞれ単一レイヤでのビデオストリーム符号化動作及び復号動作を説明したものである。従って、図1Aの符号化部12が2以上のレイヤのビデオストリームを符号化するならば、レイヤ別に、映像符号化部400を含んでもよい。類似して、図2Aの復号部20が2以上のレイヤのビデオストリームを復号するならば、レイヤ別に、映像復号部500を含んでもよい。
図15は、多様な実施形態による、深度別符号化単位及びパーティションを図示している。
多様な実施形態によるビデオ符号化装置100、及び多様な実施形態によるビデオ復号装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を利用する。符号化単位の最大高及び最大幅、最大深度は、映像の特性によって適応的に決定され、ユーザの要求によって多様に設定されもする。あらかじめ設定された符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位の大きさが決定される。
多様な実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高及び最大幅が64であり、最大深度が3である場合を図示している。このとき、最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示す。多様な実施形態による符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って、深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測符号化の基になる、予測単位及びパーティションが図示されている。
すなわち、符号化単位610は、符号化単位の階層構造600において、最大符号化単位であって深度が0であり、符号化単位の大きさ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の符号化単位620、サイズ16x16である深度2の符号化単位630、サイズ8x8である深度3の符号化単位640が存在する。サイズ8x8である深度3の符号化単位640は、最小符号化単位である。
それぞれの深度別に横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の符号化単位610が予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の符号化単位610に含まれるサイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割される。
同様に、深度1のサイズ32x32の符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割される。
同様に、深度2のサイズ16x16の符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の符号化単位630に含まれるサイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割される。
同様に、深度3のサイズ8x8の符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の符号化単位640に含まれるサイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割される。
多様な実施形態によるビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120は、最大符号化単位610の深度を決定するために、最大符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに符号化を行わなければならない。
同一範囲及び同一サイズのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も、増加する。例えば、深度1の符号化単位一つを含むデータに対して、深度2の符号化単位は、四つが必要である。従って、同一データの符号化結果を深度別に比較するために、1つの深度1の符号化単位、及び4つの深度2の符号化単位を利用して、それぞれ符号化されなければならない。
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で最小である符号化誤差である代表符号化誤差が選択される。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比較して最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610において、最小符号化誤差が発生する深度及びパーティションが、最大符号化単位610の深度及びパーティションモードに選択される。
図16は、多様な実施形態による、符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
多様な実施形態によるビデオ符号化装置100、または多様な実施形態によるビデオ復号装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じ大きさの符号化単位で映像を符号化したり復号する。符号化過程のうち変換のための変換単位の大きさは、それぞれの符号化単位ほど大きくないデータ単位を基に選択される。
例えば、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100、または多様な実施形態によるビデオ復号装置200において、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して変換が行われる。
また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位でそれぞれ変換を行って符号化した後、原本との誤差が最小である変換単位が選択される。
図17は、多様な実施形態による符号化情報を図示している。
多様な実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、分割情報として、それぞれの深度の符号化単位ごとに、パーティションモードについての情報800、予測モードについての情報810、変換単位サイズに係わる情報820を符号化して伝送することができる。
パーティションモードに係わる情報800は、現在符号化単位の予測符号化のためのデータ単位であり、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態に係わる情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうちいずれか1つのタイプに分割されて利用される。この場合、現在符号化単位のパーティションモードについての情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうち一つを示すように設定される。
予測モードについての情報810は、それぞれのパーティションの予測モードを示す。例えば、予測モードについての情報810を介して、パーティションモードについての情報800が示すパーティションがイントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち一つで予測符号化が行われるということが設定される。
また、変換単位サイズについての情報820は、現在符号化単位を、いかなる変換単位を基に変換を行うかということを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2インター変換単位サイズ828のうち一つでもある。
多様な実施形態によるビデオ復号装置200の映像データ及び符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティションモードについての情報800、予測モードについての情報810、変換単位サイズに係わる情報820を抽出し、復号に利用することができる。
図18は、多様な実施形態による深度別符号化単位を図示している。
深度の変化を示すために、分割情報が利用される。該分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かということを示す。
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティションモード912、2N_0xN_0サイズのパーティションモード914、N_0x2N_0サイズのパーティションモード916,N_0xN_0サイズのパーティションモード918を含んでもよい。予測単位が対称的な比率に分割されたパーティション912,914,916,918だけが例示されているが、前述のように、パーティションモードは、それらに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
パーティションモードごとに、1つの2N_0x2N_0サイズのパーティション、2つの2N_0xN_0サイズのパーティション、2つのN_0x2N_0サイズのパーティション、4つのN_0xN_0サイズのパーティションごとに、反復的に予測符号化が行われなければならない。サイズ2N_0x2N_0、サイズN_0x2N_0、サイズ2N_0xN_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターモードで予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションについてのみ予測符号化が行われる。
サイズ2N_0x2N_0、2N_0xN_0及びN_0x2N_0のパーティションモード912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最小であるならば、それ以上下位深度に分割される必要ない。
サイズN_0xN_0のパーティションモード918による符号化誤差が最小であるならば、深度0を1に変更しながら分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティションモードの符号化単位930に対して反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を検索する。
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティションモード942、サイズ2N_1xN_1のパーティションモード944、サイズN_1x2N_1のパーティションモード946、サイズN_1xN_1のパーティションモード948を含んでもよい。
また、サイズN_1xN_1のパーティションモード948による符号化誤差が最小であるならば、深度1を深度2に変更しながら分割し(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960に対して反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を検索する。
最大深度がdである場合、深度別符号化単位は、深度d−1になるまで設定され、分割情報は、深度d−2まで設定される。すなわち、深度d−2から分割され(970)、深度d−1まで符号化が行われる場合、深度d−1及びサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションモード992、サイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティションモード994、サイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションモード996、サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションモード998を含んでもよい。
パーティションモードのうち、1つのサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、2つのサイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション、2つのサイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、4つのサイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションごとに、反復的に予測符号化を介した符号化が行われ、最小符号化誤差が発生するパーティションモードが検索される。
サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションモード998による符号化誤差が最小であるとしても、最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位CU_(d−1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる深度が深度d−1に決定され、パーティションモードは、N_(d−1)xN_(d−1)に決定される。また、最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位952に対して、分割情報が設定されない。
データ単位999は、現在最大符号化単位に係わる「最小単位」とされる。多様な実施形態による最小単位は、最下位深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位でもある。かような反復的符号化過程を介して、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較し、最小の符号化誤差が発生する深度を選択し、深度を決定し、当該パーティションモード及び予測モードが深度の符号化モードに設定される。
かように深度0,1,…,d−1,dの全ての深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最小である深度が選択され、深度として決定される。深度、並びに予測単位のパーティションモード及び予測モードは、分割情報として符号化されて伝送される。また、深度0から深度に至るまで符号化単位が分割されなければならないので、深度の分割情報だけが「0」に設定され、深度を除いた深度別分割情報は、「1」に設定されなければならない。
多様な実施形態によるビデオ復号装置200の映像データ及び符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる深度及び予測単位についての情報を抽出し、符号化単位912を復号するのに利用することができる。多様な実施形態によるビデオ復号装置200は、深度別分割情報を利用し、分割情報が「0」である深度を深度と把握し、当該深度に係わるる分割情報を利用し、復号に利用することができる。
図19、図20及び図21は、多様な実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
符号化単位1010は、最大符号化単位に対して、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100が決定した深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010において、それぞれの深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの深度別符号化単位の変換単位である。
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位の深度が0であるとすれば、符号化単位1012,1054は、深度が1であり、符号化単位1014,1016,1018,1028,1050,1052は、深度が2であり、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1048は、深度が3であり、符号化単位1040,1042,1044,1046は、深度が4である。
予測単位1060のうち、一部パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティションモードであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティションモードであり、パーティション1032は、NxNのパーティションモードである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じである。
変換単位1070のうち一部変換単位1052の映像データについては、符号化単位に比べ、小サイズのデータ単位で変換または逆変換が行われる。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060において、当該予測単位及びパーティションと比較して見れば、互いに異なる大きさまたは形態のデータ単位である。すなわち、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号装置200は、同一符号化単位に係わるイントラ予測/動き推定/動き補償作業、及び変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基に遂行することができる。
それによって、最大符号化単位ごとに、領域別に、階層的な構造の符号化単位ごとに再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることにより、再帰的ツリー構造による符号化単位が構成される。符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティションモード情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。以下、表1は、多様な実施形態によるビデオ符号化装置100、及び多様な実施形態によるビデオ復号装置200で設定する一例を示す。
多様な実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、多様な実施形態によるビデオ復号装置200の符号化情報抽出部220は、受信されたビットストリームから、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
分割情報は、現在符号化単位が下位深度の符号化単位に分割される否かということを示す。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が下位符号化単位にそれ以上分割されない深度が深度であるので、深度に対して、パーティションモード情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報により、1段階さらに分割されなければならない場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに、独立して符号化が行われなければならない。
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、全てのパーティションモードで定義され、スキップモードは、パーティションモード2Nx2Nでのみ定義される。
パーティションモード情報は、予測単位の高さまたは幅が対称的な比率に分割された対称的パーティションモード2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的な比率に分割された非対称的パーティションモード2NxnU,2NxnD,nLx2N,NRx2Nと、を示すことができる。非対称的パーティションモード2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:3及び3:1に分割された形態であり、非対称的パーティションモードnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:3及び3:1に分割された形態を示す。
変換単位サイズは、イントラモードで2種類の大きさ、インターモードで2種類の大きさに設定される。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位の大きさが、現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割された大きさの変換単位が設定される。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティションモードが、対称形パーティションモードであるならば、変換単位の大きさは、NxNに設定され、非対称形パーティションモードであるならば、N/2xN/2に設定される。
多様な実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、深度の符号化単位、予測単位及び最小単位単位のうち少なくとも一つに対して割り当てられる。深度の符号化単位は、同一符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を1以上含んでもよい。
従って、隣接したデータ単位同士それぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同一深度の符号化単位に含まれるか否かということが確認される。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の深度の分布が類推される。
従って、その場合、現在符号化単位が周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用される。
他の実施形態において、現在符号化単位が周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用して、深度別符号化単位内において、現在符号化単位に隣接するデータが検索されることにより、周辺符号化単位が参照される。
図22は、表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
最大符号化単位1300は、深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。このうち1つの符号化単位1318は、深度の符号化単位であるので、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティションモード情報は、パーティションモード2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326,NxN 1328,2NxnU 1332,2NxnD 1334,NLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定される。
変換単位分割情報TU size flagは、変換インデックスの一種であり、変換インデックスに対応する変換単位の大きさは、符号化単位の予測単位タイプまたはパーティションモードによって変更される。
例えば、パーティションモード情報が対称形パーティションモード2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
パーティションモード情報が、非対称形パーティションモード2NxnU 1332,2NxnD 1334,NLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、変換単位分割情報TU size flagが0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
図22を参照して説明した変換単位分割情報TU size flagは、0または1の値を有するフラグであるが、多様な実施形態による変換単位分割情報は、1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって0、1、2、3、…などに増加して変換単位が階層的にも分割される。変換単位分割情報は、変換インデックスの一実施形態として利用される。
その場合、多様な実施形態による変換単位分割情報を、変換単位の最大サイズ、変換単位の最小サイズと共に利用すれば、実際に利用された変換単位の大きさが表現される。多様な実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を符号化することができる。符号化された最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報は、SPSに挿入される。多様な実施形態によるビデオ復号装置200は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を利用し、ビデオ復号に利用することができる。
例えば、(a)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位サイズが32x32であるならば、(a−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさは、32x32に設定され、(a−2)変換単位分割情報が1であるとき、変換単位の大きさは、16x16に設定され、(a−3)変換単位分割情報が2であるとき、変換単位の大きさは、8x8に設定される。
他の例として、(b)現在符号化単位がサイズ32x32であり、最小変換単位サイズが32x32であるならば、(b−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさは、32x32に設定され、変換単位の大きさが32x32より小さいことがないので、それ以上の変換単位分割情報が設定されることがない。
さらに他の例として、(c)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位分割情報が1であるならば、変換単位分割情報は、0または1でもあり、他の変換単位分割情報が設定されることがない。
従って、最大変換単位分割情報を「MaxTransformSizeIndex」と定義し、最小変換単位サイズを「MinTransformSize」と定義し、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズを「RootTuSize」と定義するとき、現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」は、下記数式(1)のように定義される。
CurrMinTuSize
=max(MinTransformSize,RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)) (1)
現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」と比較し、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、システム上採択可能な最大変換単位サイズを示すことができる。すなわち、数式(1)によれば、「RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)」は、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」を最大変換単位分割情報に相応する回数ほど分割した変換単位サイズであり、「MinTransformSize」は、最小変換単位サイズであるので、それらのうち小さい値が、現在現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」でもある。
多様な実施形態による最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、予測モードによって異なる。
例えば、現在予測モードがインターモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(2)によって決定される。数式(2)において、「MaxTransformSize」は、最大変換単位サイズを示し、「PUSize」は、現在予測単位サイズを示す。
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PUSize) (2)
すなわち、現在予測モードがインターモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在予測単位サイズのうち小さい値に設定される。
現在パーティション単位の予測モードがイントラモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(3)によって決定される。「PartitionSize」は、現在パーティション単位の大きさを示す。
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PartitionSize) (3)
すなわち、現在予測モードがイントラモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在パーティション単位サイズのうち小さい値に設定される。
ただし、パーティション単位の予測モードによって変動する多様な実施形態による現在最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、一実施形態であるのみ、現在最大変換単位サイズを決定する要因は、それに限定されるものではないということに留意しなければならない。
図10ないし図22を参照して説明したツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化技法によって、ツリー構造の符号化単位ごとに、空間領域の映像データが符号化され、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ復号技法によって、最大符号化単位ごとに復号が行われながら、空間領域の映像データが復元され、ピクチャ及びピクチャシーケンスであるビデオが復元される。復元されたビデオは、再生装置によって再生されるか、記録媒体に保存されるか、あるいはネットワークを介して伝送される。
一方、前述の本開示の実施形態は、コンピュータで実行されるプログラムに作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど);光学的判読媒体(例えば、CD−ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
説明の便宜のために、先に図1Aないし図22を参照して説明したインターレイヤビデオ符号化方法及び/またはビデオ符号化方法は、「本開示のビデオ符号化方法」とする。また、先に図1Aないし図22を参照して説明したインターレイヤビデオ復号方法及び/またはビデオ復号方法は、「本開示のビデオ復号方法」とする。
また、先に図1Aないし図22を参照して説明したマルチレイヤビデオ符号化装置10、ビデオ符号化装置100または映像符号化部400で構成されたビデオ符号化装置は、「本開示のビデオ符号化装置」とする。また、先に図1Aないし図22を参照して説明したマルチレイヤビデオ復号装置20、ビデオ復号装置200または映像復号部500で構成されたビデオ復号装置は、「本開示のビデオ復号装置」とする。
多様な実施形態によるプログラムが保存されるコンピュータで判読可能な記録媒体がディスク26000である実施形態について以下詳細に説明する。
図23は、多様な実施形態によるプログラムが保存されたディスク26000の物理的構造を例示している。記録媒体として説明されたディスク26000は、ハードドライブ、CD−ROMディスク、ブルーレイ(登録商標(Blu-ray))ディスク、DVD(digital versatile disc)ディスクでもある。ディスク26000は、多数の同心円トラックTrで構成され、トラックTrは、円周方向に沿って、所定個数のセクタSeに分割される。前述の多様な実施形態によるプログラムを保存するディスク26000における特定領域に、前述の量子化パラメータ決定方法、ビデオ符号化方法及びビデオ復号方法を具現するためのプログラムが割り当てられて保存される。
前述のビデオ符号化方法及びビデオ復号方法を具現するためのプログラムを保存する記録媒体を利用して達成されたコンピュータシステムについて、図24を参照して説明する。
図24は、ディスク26000を利用して、プログラムを記録して判読するためのディスクドライブ26800を図示している。コンピュータシステム26700は、ディスクドライブ26800を利用して、本開示のビデオ符号化方法及びビデオ復号方法のうち少なくとも一つを具現するためのプログラムを、ディスク26000に保存することができる。ディスク26000に保存されたプログラムを、コンピュータシステム26700上で実行するために、ディスクドライブ26800によって、ディスク26000からプログラムが判読され、プログラムがコンピュータシステム26700に伝送される。
図23及び図24で例示されたディスク26000だけではなく、メモリカード、ROMカセット、SSD(solid state drive)にも、本開示のビデオ符号化方法及びビデオ復号方法のうち少なくとも一つを具現するためのプログラムが保存される。
前述の実施形態によるビデオ符号化方法及びビデオ復号方法が適用されたシステムについて説明する。
図25は、コンテンツ流通サービス(content distribution service)を提供するためのコンテンツ供給システム(content supply system)11000の全体的構造を図示している。通信システムのサービス領域は、所定サイズのセルに分割され、各セルに、ベースステーションになる無線基地局11700,11800,11900,12000が設置される。
コンテンツ供給システム11000は、多数の独立デバイスを含む。例えば、コンピュータ12100、PDA(personal digital assistant)12200、ビデオカメラ12300及び携帯電話12500のような独立デバイスが、インターネットサービス・プロバイダ11200、通信網11400及び無線基地局11700,11800,11900,12000を経て、インターネット11100に連結される。
しかし、コンテンツ供給システム11000は、図25に図示された構造にのみ限定されるものではなく、デバイスが選択的に連結される。独立デバイスは、無線基地局11700,11800,11900,12000を経ず、通信網11400に直接連結されもする。
ビデオカメラ12300は、デジタルビデオカメラのように、ビデオ映像を撮影することができる撮像デバイスである。携帯電話12500は、PDC(personal digital communications)方式、CDMA(code division multiple access)方式、W−CDMA(wideband code division multipleaccess)方式、GSM(登録商標(global system for mobile communications))方式及びPHS(personal handyphone system)方式のような多様なプロトコルのうち少なくとも1つの通信方式を採択することができる。
ビデオカメラ12300は、無線基地局11900及び通信網11400を経て、ストリーミングサーバ11300に連結される。ストリーミングサーバ11300は、ユーザがビデオカメラ12300を利用して伝送したコンテンツを、リアルタイム放送でストリーミング伝送することができる。ビデオカメラ12300から受信されたコンテンツは、ビデオカメラ12300またはストリーミングサーバ11300によって符号化される。ビデオカメラ12300に撮影されたビデオデータは、コンピュータ12100を経て、ストリーミングサーバ11300に伝送される。
カメラ12600に撮影されたビデオデータも、コンピュータ12100を経て、ストリーミングサーバ11300に伝送される。カメラ12600は、デジタルカメラのように、静止映像及びビデオ映像をいずれも撮影することができる撮像装置である。カメラ12600から受信されたビデオデータは、カメラ12600またはコンピュータ12100によって符号化される。ビデオ符号化及びその復号のためのソフトウェアは、コンピュータ12100がアクセスすることができるCD−ROMディスク、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、SSD、メモリカードのようなコンピュータで判読可能な記録媒体に保存される。
また、携帯電話12500に搭載されたカメラによって、ビデオが撮影された場合、ビデオデータが携帯電話12500から受信される。
ビデオデータは、ビデオカメラ12300、携帯電話12500またはカメラ12600に搭載されたLSI(large scale integrated circuit)システムによって符号化される。
多様な実施形態によるコンテンツ供給システム11000において、例えば、コンサートの現場録画コンテンツのように、ユーザが、ビデオカメラ12300、カメラ12600、携帯電話12500、または他の撮像デバイスを利用して録画されたコンテンツが符号化され、ストリーミングサーバ11300に伝送される。ストリーミングサーバ11300は、コンテンツデータを要請した他のクライアントに、コンテンツデータをストリーミング伝送することができる。
該クライアントは、符号化されたコンテンツデータを復号することができるデバイスであり、例えば、コンピュータ12100、PDA 12200、ビデオカメラ12300または携帯電話12500でもある。従って、コンテンツ供給システム11000は、クライアントをして、符号化されたコンテンツデータを受信して再生させる。また、コンテンツ供給システム11000は、クライアントをして、符号化されたコンテンツデータを受信し、リアルタイムに復号して再生させ、個人放送(personal broadcasting)を可能にする。
コンテンツ供給システム11000に含まれた独立デバイスの符号化動作及び復号動作に、本開示のビデオ符号化装置及びビデオ復号装置が適用される。
図26及び図27を参照し、コンテンツ供給システム11000において、携帯電話12500の一実施形態について詳細に説明する。
図26は、多様な実施形態による、本開示のビデオ符号化方法及びビデオ復号方法が適用される携帯電話12500の外部構造を図示している。携帯電話12500は、機能が制限されておらず、応用プログラムを介して、相当部分の機能を変更したり拡張したりすることができるスマートフォンでもある。
携帯電話12500は、無線基地局12000とRF信号を交換するための内蔵アンテナ12510を含み、カメラ12530によって撮影された映像、またはアンテナ12510によって受信されて復号された映像をディスプレイするためのLCD(liquid crystal display)画面、OLED(organic light emitting diodes)画面のようなディスプレイ画面12520を含む。スマートフォン12510は、制御ボタン、タッチパネルを含む動作パネル12540を含む。ディスプレイ画面12520がタッチスクリーンである場合、動作パネル12540は、ディスプレイ画面12520のタッチ感知パネルをさらに含む。スマートフォン12510は、音声、音響を出力するためのスピーカ12580、または他の形態の音響出力部と、音声、音響が入力されるマイクロフォン12550、または他の形態の音響入力部と、を含む。スマートフォン12510は、ビデオ及び静止映像を撮影するためのCCDカメラのようなカメラ12530をさらに含む。また、スマートフォン12510は、カメラ12530によって撮影されるか、電子メール(E−mail)でもって受信されるか、あるいは他の形態で獲得されたビデオや静止映像のように、符号化されるか復号されたデータを保存するための記録媒体12570;及び記録媒体12570を携帯電話12500に装着するためのスロット12560を含んでもよい。記録媒体12570は、SDカード、またはプラスチックケースに内蔵されたEEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)のような他の形態のフラッシュメモリでもある。
図27は、携帯電話12500の内部構造を図示している。ディスプレイ画面12520及び動作パネル12540で構成された携帯電話12500の各パートを組織的に制御するために、電力供給回路12700、動作入力制御部12640、映像符号化部12720、カメラ・インターフェース12630、LCD制御部12620、映像復号部12690、マルチプレクサ/デマルチプレクサ(MUX/DEMUX:multiplexer/demultiplexer)12680、記録/判読部12670、変調/復調(modulation/demodulation)部12660及び音響処理部12650が、同期化バス12730を介して中央制御部12710に連結される。
ユーザが電源ボタンを動作し、「電源オフ」状態から「電源オン」状態に設定すれば、電力供給回路12700は、バッテリパックから携帯電話12500の各パートに電力を供給することにより、携帯電話12500が動作モードにセッティングされる。
中央制御部12710は、CPU(central processing unit)、ROM及びRAMを含む。
携帯電話12500が外部に通信データを送信する過程としては、中央制御部12710の制御によって、携帯電話12500において、デジタル信号が生成される、例えば、音響処理部12650では、デジタル音響信号が生成され、映像符号化部12720では、デジタル映像信号が生成され、動作パネル12540及び動作入力制御部12640を介して、メッセージのテキストデータが生成される。中央制御部12710の制御によって、デジタル信号が変調/復調部12660に伝達されれば、変調/復調部12660は、デジタル信号の周波数帯域を変調し、通信回路12610は、帯域変調されたデジタル音響信号に対して、D/A変換処理(digital-analog conversion)及び周波数変換(frequency conversion)処理を行う。通信回路12610から出力された送信信号は、アンテナ12510を介して、音声通信基地局または無線基地局12000に送出される。
例えば、携帯電話12500が通話モードであるとき、マイクロフォン12550によって獲得された音響信号は、中央制御部12710の制御によって、音響処理部12650でデジタル音響信号に変換される。生成されたデジタル音響信号は、変調/復調部12660及び通信回路12610を経て、送信信号に変換され、アンテナ12510を介して送出される。
データ通信モードで、電子メールのようなテキストメッセージが伝送される場合、動作パネル12540を利用して、メッセージのテキストデータが入力され、テキストデータが、動作入力制御部12640を介して、中央制御部12610に伝送される。中央制御部12610の制御によって、テキストデータは、変調/復調部12660及び通信回路12610を介して送信信号に変換され、アンテナ12510を介して、無線基地局12000に送出される。
データ通信モードで、映像データを伝送するために、カメラ12530によって撮影された映像データが、カメラ・インターフェース12630を介して、映像符号化部12720に提供される。カメラ12530によって撮影された映像データは、カメラ・インターフェース12630及びLCD制御部12620を介して、ディスプレイ画面12520に直ちにディスプレイされる。
映像符号化部12720の構造は、前述の本開示のビデオ符号化装置の構造と相応する。映像符号化部12720は、カメラ12530から提供された映像データを、前述の本開示のビデオ符号化方式によって符号化し、圧縮符号化された映像データに変換し、符号化された映像データを多重化/逆多重化部12680に出力することができる。カメラ12530の録画中に、携帯電話12500のマイクロフォン12550によって獲得された音響信号も、音響処理部12650を経て、デジタル音響データに変換され、デジタル音響データは、多重化/逆多重化部12680に伝達することができる。
多重化/逆多重化部12680は、音響処理部12650から提供された音響データと共に、映像符号化部12720から提供された符号化された映像データを多重化する。多重化されたデータは、変調/復調部12660及び通信回路12610を介して送信信号に変換され、アンテナ12510を介して送出される。
携帯電話12500が外部から通信データを受信する過程としては、アンテナ12510を介して受信された信号を、周波数復元(frequency recovery)処理及びA/D変換(analog-digital conversion)処理を介して、デジタル信号を変換する。変調/復調部12660は、デジタル信号の周波数帯域を復調する。帯域復調されたデジタル信号は、種類によって、ビデオ復号部12690、音響処理部12650またはLCD制御部12620に伝達される。
携帯電話12500は、通話モードであるとき、アンテナ12510を介して受信された信号を増幅し、周波数変換及びA/D変換(analog-digital conversion)処理を介して、デジタル音響信号を生成する。受信されたデジタル音響信号は、中央制御部12710の制御によって、変調/復調部12660及び音響処理部12650を経て、アナログ音響信号に変換され、アナログ音響信号が、スピーカ12580を介して出力される。
データ通信モードで、インターネットのウェブサイトからアクセスされたビデオファイルのデータが受信される場合、アンテナ12510を介して、無線基地局12000から受信された信号は、変調/復調部12660の処理結果として多重化されたデータを出力し、多重化されたデータは、多重化/逆多重化部12680に伝達される。
アンテナ12510を介して受信した多重化されたデータを復号するために、多重化/逆多重化部12680は、多重化されたデータを逆多重化し、符号化されたビデオデータストリームと、符号化されたオーディオデータストリームとを分離する。同期化バス12730によって、符号化されたビデオデータストリームは、ビデオ復号部12690に提供され、符号化されたオーディオデータストリームは、音響処理部12650に提供される。
映像復号部12690の構造は、前述の本開示のビデオ復号装置の構造と相応する。映像復号部12690は、前述の本開示のビデオ復号方法を利用して符号化されたビデオデータを復号し、復元されたビデオデータを生成し、復元されたビデオデータを、LCD制御部12620を経て、ディスプレイ画面12520に、復元されたビデオデータを提供することができる。
それにより、インターネットのウェブサイトからアクセスされたビデオファイルのビデオデータが、ディスプレイ画面12520でディスプレイされる。それと同時に、音響処理部12650も、オーディオデータをアナログ音響信号に変換して、アナログ音響信号をスピーカ12580に提供することができる。それにより、インターネットのウェブサイトからアクセスされた、ビデオファイルに含まれたオーディオデータも、スピーカ12580で再生される。
携帯電話12500、または他の形態の通信端末機は、本開示のビデオ符号化装置及びビデオ復号装置をいずれも含む送受信端末機であるか、前述の本開示のビデオ符号化装置のみを含む送信端末機であるか、あるいは本開示のビデオ復号装置のみを含む受信端末機でもある。
本開示の通信システムは、図26を参照して説明した構造に限定されるものではない。例えば、図28は、多様な実施形態による通信システムが適用されたデジタル放送システムを図示している。図28の多様な実施形態によるデジタル放送システムは、本開示の、ビデオ符号化装置及びビデオ復号装置を利用して、衛星ネットワークまたは地上波ネットワークを介して伝送されるデジタル放送を受信することができる。
具体的に見れば、放送局12890は、電波を介して、ビデオデータストリームを、通信衛星または放送衛星12900に伝送する。放送衛星12900は、放送信号を伝送し、放送信号は、家庭にあるアンテナ12860によって、衛星放送受信機に受信される。各家庭において、符号化されたビデオストリームは、TV(television)受信機12810、セットトップボックス(set-top box)12870、または他のデバイスによって復号されて再生される。
再生装置12830において、本開示のビデオ復号装置が具現されることにより、再生装置12830が、ディスク及びメモリカードのような記録媒体12820に記録された符号化されたビデオストリームを判読して復号することができる。それにより、復元されたビデオ信号は、例えば、モニタ12840で再生される。
衛星/地上波放送のためのアンテナ12860、またはケーブルTV受信のためのケーブルアンテナ12850に連結されたセットトップボックス12870にも、本開示のビデオ復号装置が搭載される。セットトップボックス12870の出力データも、TVモニタ12880で再生される。
他の例として、セットトップボックス12870の代わりにTV受信機12810自体に、本開示のビデオ復号装置が搭載される。
適切なアンテナ12910を具備した自動車12920が、衛星12800または無線基地局11700から送出される信号を受信することもできる。自動車12920に搭載された自動車ナビゲーションシステム12930のディスプレイ画面に、復号されたビデオが再生される。
ビデオ信号は、本開示のビデオ符号化装置によって符号化されて記録媒体に記録されて保存される。具体的に見れば、DVDレコーダによって、映像信号がDVDディスク12960に保存されるか、ハードディスクレコーダ12950によってハードディスクに映像信号が保存される。他の例として、ビデオ信号は、SDカード12970に保存される。ハードディスクレコーダ12950が、多様な実施形態による本開示のビデオ復号装置を具備すれば、DVDディスク12960、SDカード12970、または他の形態の記録媒体に記録されたビデオ信号が、モニタ12880で再生される。
自動車ナビゲーションシステム12930は、図27のカメラ12530、カメラ・インターフェース12630及び映像符号化部12720を含まないこともある。例えば、コンピュータ12100及びTV受信機12810も、図27のカメラ12530、カメラ・インターフェース12630及び映像符号化部12720を含まないこともある。
図29は、多様な実施形態による、ビデオ符号化装置及びビデオ復号装置を利用するクラウドコンピューティングシステムのネットワーク構造を図示している。
本開示のクラウドコンピューティングシステムは、クラウドコンピューディングサーバ14100、ユーザDB(database)14100、コンピューティング資源14200及びユーザ端末機を含んでなる。
クラウドコンピューティングシステムは、ユーザ端末機の要請によって、インターネットのような情報通信網を介して、コンピューティング資源のオンデマンドアウトソーシングサービスを提供する。クラウドコンピューティング環境において、サービスプロバイダは、互いに異なる物理的な位置に存在するデータセンターのコンピューティング資源を仮想化技術で統合し、ユーザが必要とするサービスを提供する。サービスユーザは、アプリケーション(application)、ストレージ(storage)、運用体制(OS)、保安(security)などのコンピューティング資源を、各ユーザ所有の端末にインストールして利用するのではなく、仮想化技術を介して生成された仮想空間上のサービスを、所望時点に所望程度選んで利用することができる。
特定サービスユーザのユーザ端末機は、インターネット及び移動通信網を含む情報通信網を介して、クラウドコンピューディングサーバ14100に接続する。ユーザ端末機は、クラウドコンピューディングサーバ14100から、クラウドコンピューティングサービス、特に、動画再生サービスを提供される。ユーザ端末機は、デスクトップPC(personal computer)14300、スマートTV 14400、スマートフォン14500、ノート型パソコン14600、PMP(portable multimedia player)14700、タブレットPC 14800のようなインターネット接続が可能な全ての電子機器にもなる。
クラウドコンピューディングサーバ14100は、クラウド網に分散している多数のコンピューティング資源14200を統合し、ユーザ端末機に提供することができる。多数のコンピューティング資源14200は、さまざまなデータサービスを含み、ユーザ端末機からアップロードされたデータを含んでもよい。かようにクラウドコンピューディングサーバ14100は、多くのところに分散している動画データベースを仮想化技術で統合し、ユーザ端末機が要求するサービスを提供する。
ユーザDB 14100には、クラウドコンピューティングサービスに加入しているユーザ情報が保存される。ここで、該ユーザ情報は、ログイン情報や、住所、氏名など個人信用情報を含んでもよい。また、ユーザ情報は、動画のインデックス(index)を含んでもよい。ここで、該インデックスは、再生を完了した動画リストや、再生中の動画リストや、再生中の動画の停止時点などを含んでもよい。
ユーザDB 14100に保存された動画に係わる情報は、ユーザデバイス間に共有される。従って、例えば、ノート型パソコン14600から再生要請され、ノート型パソコン14600に所定動画サービスを提供した場合、ユーザDB 14100に、所定動画サービスの再生ヒストリーが保存される。スマートフォン14500から、同一動画サービスの再生要請が受信される場合、クラウドコンピューディングサーバ14100は、ユーザDB 14100を参照し、所定動画サービスを探して再生する。スマートフォン14500が、クラウドコンピューディングサーバ14100を介して、動画データストリームを受信する場合、動画データストリームを復号し、ビデオを再生する動作は、先に図26を参照して説明した携帯電話12500の動作と類似している。
クラウドコンピューディングサーバ14100は、ユーザDB 14100に保存された所定動画サービスの再生ヒストリーを参照することもできる。例えば、クラウドコンピューディングサーバ14100は、ユーザ端末機から、ユーザDB14100に保存された動画に対する再生要請を受信する。動画がそれ以前に再生中であったのであるならば、クラウドコンピューディングサーバ14100は、ユーザ端末機からの選択によって、最初から再生するか、あるいは以前停止時点から再生するかということにより、ストリーミング方法が異なる。例えば、ユーザ端末機が、最初から再生するように要請した場合には、クラウドコンピューディングサーバ14100は、ユーザ端末機に当該動画を最初のフレームからストリーミング伝送する。一方、端末機が、以前停止時点から続けて再生するように要請した場合には、クラウドコンピューディングサーバ14100は、ユーザ端末機に、当該動画を停止時点のフレームからストリーミング伝送する。
このとき、ユーザ端末機は、図1Aないし図22を参照して説明した本開示のビデオ復号装置を含んでもよい。他の例として、ユーザ端末機は、図1Aないし図22を参照して説明した本開示のビデオ符号化装置を含んでもよい。また、ユーザ端末機は、図1Aないし図22を参照して説明した本開示のビデオ符号化装置及びビデオ復号装置をいずれも含んでもよい。
図1Aないし図22を参照して説明した、ビデオ符号化方法及びビデオ復号方法、ビデオ符号化装置及びビデオ復号装置が活用される多様な実施形態について、図23ないし図29で説明した。しかし、図1Aないし図22を参照して説明した、ビデオ符号化方法及びビデオ復号方法が、記録媒体に保存されたり、ビデオ符号化装置及びビデオ復号装置が、デバイスで具現されたりする多様な実施形態は、図23ないし図29の実施形態に限定されるものではない。
以上で開示された多様な実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、本明細書で開示された実施形態の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本明細書の開示範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本明細書の開示範囲に含まれたものであると解釈されなければならないのである。