JP2017226761A - 冷凍機油、及び冷凍機用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温下でも酸化安定性及び潤滑性に優れるとともに、高温から低温まで幅広い温度範囲にわたって、R32を含む冷媒との相溶性が良好な冷凍機油を提供する。【解決手段】本発明の冷凍機油は、ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)と、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種とを含む。【選択図】なし
Description
本発明は、冷凍機油、及び冷媒と冷凍機油を含有する冷凍機用組成物に関する。
一般に、圧縮型冷凍機は、少なくとも圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁等)、蒸発器等で構成されると共に、密閉された系内を、冷媒と冷凍機油との混合物(以下、「冷凍機用組成物」ともいう)が循環する構造となっている。圧縮型冷凍機に用いられる冷媒としては、オゾン層を破壊しない冷媒としてHFC(ハイドロフルオロカーボン)が広く使用されている。HFCとしては、R134a等が多く使用されているが、近年、より地球温暖化係数が低いジフルオロメタン(R32)冷媒の使用も検討されつつある。
従来、R32冷媒に使用される冷凍機油としては、ポリエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル/イソブチルビニルエーテル共重合体等のポリビニルエーテル化合物に、酸化防止剤、酸捕捉剤、極圧剤等の添加剤を配合したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
従来、R32冷媒に使用される冷凍機油としては、ポリエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル/イソブチルビニルエーテル共重合体等のポリビニルエーテル化合物に、酸化防止剤、酸捕捉剤、極圧剤等の添加剤を配合したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
R32冷媒は、R134a等に比べて圧縮機の吐出温度が20℃以上高くなり、R32冷媒に使用される冷凍機油は、高温での分解による酸価の上昇が起こりやすくなっている。したがって、そのような酸価上昇を抑えるため、冷凍機油には、高温酸化安定性に優れることが求められている。また、圧縮機内は、高温となるので、高温下での潤滑性も必要とされる。
さらに、冷凍機油は、一般的に、冷媒と相分離することなく、圧縮型冷凍機の系内を循環することが求められる。圧縮型冷凍機においては、圧縮機内が高温、冷却器内が低温となり、したがって、冷凍機油には、高温から低温にわたって冷媒と相溶する性質が必要とされる。
さらに、冷凍機油は、一般的に、冷媒と相分離することなく、圧縮型冷凍機の系内を循環することが求められる。圧縮型冷凍機においては、圧縮機内が高温、冷却器内が低温となり、したがって、冷凍機油には、高温から低温にわたって冷媒と相溶する性質が必要とされる。
しかし、特許文献1、2に開示される冷凍機油は、R32冷媒との相溶性が十分ではなく、−5℃程度で相分離する傾向にあるため、相分離温度をさらに低くする必要がある。また、高温下での潤滑性も十分ではなく、更なる潤滑性の向上が求められている。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高温下でも酸化安定性及び潤滑性に優れるとともに、高温から低温まで幅広い温度範囲にわたって、R32を含む冷媒との相溶性が良好な冷凍機油を提供することである。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高温下でも酸化安定性及び潤滑性に優れるとともに、高温から低温まで幅広い温度範囲にわたって、R32を含む冷媒との相溶性が良好な冷凍機油を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、メトキシエチル基を有するポリビニルエーテル系化合物と、特定の添加剤とを含む冷凍機油が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させたものある。
すなわち、本発明は、下記[1]及び[2]を提供する。
[1] ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油であって、
側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)と、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種とを含む冷凍機油。
[2]上記[1]に記載の冷凍機油と、冷媒とを含有する冷凍機用組成物。
すなわち、本発明は、下記[1]及び[2]を提供する。
[1] ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油であって、
側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)と、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種とを含む冷凍機油。
[2]上記[1]に記載の冷凍機油と、冷媒とを含有する冷凍機用組成物。
本発明においては、高温下でも酸化安定性及び潤滑性に優れるとともに、高温から低温まで幅広い温度範囲にわたって、R32を含む冷媒との相溶性が良好な冷凍機油を提供することができる。
[冷凍機油]
本発明の一実施形態に係る冷凍機油は、ジフルオロメタン(R32)(以下、「R32冷媒」ともいう)を含む冷媒用の冷凍機油であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)と、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種とを含む冷凍機油である。
本発明の一実施形態に係る冷凍機油は、ジフルオロメタン(R32)(以下、「R32冷媒」ともいう)を含む冷媒用の冷凍機油であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)と、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種とを含む冷凍機油である。
[ポリビニルエーテル系化合物(A)]
ポリビニルエーテル系化合物(A)は、ポリビニルエーテル構造を有する化合物であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含む。ポリビニルエーテル系化合物(A)は、冷凍機油の基油を構成するものである。冷凍機油は、ポリビニルエーテル系化合物(A)を基油として含有することで、低温環境下においても、R32冷媒との相溶性に優れ、冷凍機油と冷媒との相分離を抑制することが可能である。
ポリビニルエーテル系化合物(A)は、ポリビニルエーテル構造を有する化合物であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含む。ポリビニルエーテル系化合物(A)は、冷凍機油の基油を構成するものである。冷凍機油は、ポリビニルエーテル系化合物(A)を基油として含有することで、低温環境下においても、R32冷媒との相溶性に優れ、冷凍機油と冷媒との相分離を抑制することが可能である。
ポリビニルエーテル系化合物(A)は、冷凍機油の全量(100質量%)基準で、好ましくは70〜99.7質量%、より好ましくは75〜99.3質量%、更に好ましくは80〜98.4質量%である。このように、ポリビニルエーテル系化合物(A)の含有量を高くすることで、R32冷媒との相溶性に優れた冷凍機油とすることが可能である。
なお、ポリビニルエーテル系化合物(A)は、冷凍機油において、1種単独で含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有していてもよい。
なお、ポリビニルエーテル系化合物(A)は、冷凍機油において、1種単独で含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有していてもよい。
ポリビニルエーテル系化合物(A)の40℃動粘度は、好ましくは10〜400mm2/s、より好ましくは15〜220mm2/s、更に好ましくは28〜110mm2/sである。化合物(A)の40℃動粘度をこれら範囲とすることで高温下における潤滑性を良好にしやすくなる。
また、ポリビニルエーテル系化合物(A)の粘度指数(VI)は、好ましくは90以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは110以上である。ポリビニルエーテル系化合物(A)は、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含有することで、粘度指数が高くなりやすくなる。したがって、低温下及び高温下のいずれにおいても動粘度が適切な値となり、冷凍機油の高温下における耐摩耗性が良好になるなど、潤滑性を向上させやすくなる。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定された値を意味する。
また、ポリビニルエーテル系化合物(A)の粘度指数(VI)は、好ましくは90以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは110以上である。ポリビニルエーテル系化合物(A)は、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含有することで、粘度指数が高くなりやすくなる。したがって、低温下及び高温下のいずれにおいても動粘度が適切な値となり、冷凍機油の高温下における耐摩耗性が良好になるなど、潤滑性を向上させやすくなる。
なお、本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定された値を意味する。
ポリビニルエーテル系化合物(A)の数平均分子量(Mn)は、40℃動粘度が上記範囲になる範囲であればよいが、冷凍機油の潤滑性能を良好にする観点から、好ましくは300〜3000、より好ましくは350〜2500、更に好ましくは400〜2000である。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される標準ポリスチレン換算の値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される標準ポリスチレン換算の値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
<構成単位(a1)>
ポリビニルエーテル系化合物(A)が有する構成単位(a1)は、下記一般式(1)で表されるものであることが好ましい。
上記一般式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
ポリビニルエーテル系化合物(A)が有する構成単位(a1)は、下記一般式(1)で表されるものであることが好ましい。
上記一般式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
なお、R1〜R3として選択し得る上記炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも、R1〜R3としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。なお、上記一般式(1)中のR1〜R3は、構成単位毎に同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、ポリビニルエーテル系化合物(A)は、R1〜R3のいずれか又は全部が構成単位毎に異なる共重合体を含むことができる。
ポリビニルエーテル系化合物(A)は、構成単位(a1)と共に、構成単位(a1)とは異なる、他の構成単位を有することが好ましい。
構成単位(a1)の含有量は、R32溶媒との相溶性や、高温下での潤滑性に優れた冷凍機油とする観点から、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、好ましくは1モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上である。
また、構成単位(a1)の含有量は、冷凍機油の体積抵抗率を高くする観点から、好ましくは100モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。
構成単位(a1)の含有量は、R32溶媒との相溶性や、高温下での潤滑性に優れた冷凍機油とする観点から、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、好ましくは1モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上である。
また、構成単位(a1)の含有量は、冷凍機油の体積抵抗率を高くする観点から、好ましくは100モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。
<構成単位(a2)>
ポリビニルエーテル系化合物(A)は、構成単位(a1)と共に、構成単位(a1)とは異なる、下記一般式(2)で表される構成単位(a2)を含むことが好ましい。構成単位(a1)及び(a2)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)とすることで、例えば、冷凍機油の体積抵抗率を高くすることができる。
ポリビニルエーテル系化合物(A)は、構成単位(a1)と共に、構成単位(a1)とは異なる、下記一般式(2)で表される構成単位(a2)を含むことが好ましい。構成単位(a1)及び(a2)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)とすることで、例えば、冷凍機油の体積抵抗率を高くすることができる。
上記一般式(2)中、R4〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
R4〜R6として選択し得る上記炭化水素基としては、上述のR1〜R3として選択し得る炭化水素基と同じものが挙げられる。これらの中でも、R4〜R6としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。
R7は、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の2価の炭化水素基を示す。また、rは、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1、より更に好ましくは0である。なお、rが2以上である場合、複数のR7は同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R4〜R6として選択し得る上記炭化水素基としては、上述のR1〜R3として選択し得る炭化水素基と同じものが挙げられる。これらの中でも、R4〜R6としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。
R7は、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の2価の炭化水素基を示す。また、rは、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1、より更に好ましくは0である。なお、rが2以上である場合、複数のR7は同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R7として選択し得る2価の炭化水素基としては、例えば、エチレン基、フェニルエチレン基、1,2−プロピレン基、2−フェニル−1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種ヘプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基等のアルキレン基;シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、エチルシクロヘキシレン基、ジメチルシクロヘキシレン基、プロピルシクロヘキシレン基等の二価の脂環式炭化水素基;各種フェニレン基、各種メチルフェニレン基、各種エチルフェニレン基、各種ジメチルフェニレン基、各種ナフチレン基等の二価の芳香族炭化水素基;トルエン、エチルベンゼン等のアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有する二価のアルキル芳香族炭化水素基;キシレン、ジエチルベンゼン等のポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有する二価のアルキル芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
これらの中でも、R7としては、アルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。
これらの中でも、R7としては、アルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましい。
R8は、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。
R8として選択し得る炭化水素基としては、上述のR1〜R3として選択し得る炭素数1〜8の炭化水素基として例示された基に加えて、例えば、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;各種プロピルシクロヘキシル基、各種トリメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも、R8としては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
R8として選択し得る炭化水素基としては、上述のR1〜R3として選択し得る炭素数1〜8の炭化水素基として例示された基に加えて、例えば、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;各種プロピルシクロヘキシル基、各種トリメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも、R8としては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
なお、構成単位(a2)は、構成単位(a1)とは異なる構造を有するものであるため、前記一般式(2)中のR7がエチレン基(−CH2CH2−)である場合、rが1であり、且つR8がメチル基となることは無い。
構成単位(a2)は、下記一般式(2−1)で表される構成単位(a2−1)であることがより好ましい。以下の構成単位(a2-1)を有することで、冷凍機油の体積抵抗率を高くすることができ、また、ポリビニルエーテル系化合物(A)の製造も容易になる。
(上記一般式(2−1)中、R8は、前記一般式(2)の規定と同じである。)
(上記一般式(2−1)中、R8は、前記一般式(2)の規定と同じである。)
また、構成単位(a2−1)は、ポリビニルエーテル系化合物(A)に含まれる構成単位(a2)の全量(100モル%)基準で、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%の割合でポリビニルエーテル系化合物(A)に含まれている態様であってもよい。
また、一般式(2)及び(2−1)中のR8がエチル基である構成単位の含有量は、ポリビニルエーテル系化合物(A)に含まれる構成単位(a2)の全量(100モル%)基準で、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは100モル%である。
さらに、ポリビニルエーテル系化合物(A)が、上記一般式(2−1)で表される構成単位(a2−1)である場合には、上記一般式(1)で表される構成単位(a1)は、R1〜R3のすべてが水素原子であることが特に好ましい。
構成単位(a2)の含有量は、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、好ましくは0〜99モル%、より好ましくは30〜90モル%、更に好ましくは50〜80モル%である。
さらに、ポリビニルエーテル系化合物(A)が、上記一般式(2−1)で表される構成単位(a2−1)である場合には、上記一般式(1)で表される構成単位(a1)は、R1〜R3のすべてが水素原子であることが特に好ましい。
構成単位(a2)の含有量は、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、好ましくは0〜99モル%、より好ましくは30〜90モル%、更に好ましくは50〜80モル%である。
また、ポリビニルエーテル系化合物(A)は、構成単位(a1)及び構成単位(a2)以外の他の構成単位を有していてもよい。
ただし、構成単位(a1)及び構成単位(a2)の合計含有量としては、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%、より更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは100モル%である。
ただし、構成単位(a1)及び構成単位(a2)の合計含有量としては、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%、より更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは100モル%である。
<ポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分>
ポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分には、飽和の炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン、アミド、ニトリル等に由来の一価の基を導入してもよい。
なお、本発明の一実施形態において、ポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分の少なくとも一方が、下記一般式(3−1)で表される基であることが好ましい。
ポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分には、飽和の炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン、アミド、ニトリル等に由来の一価の基を導入してもよい。
なお、本発明の一実施形態において、ポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分の少なくとも一方が、下記一般式(3−1)で表される基であることが好ましい。
上記一般式(3−1)中、R11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
R14は、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の二価の炭化水素基を示す。
r1は、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1である。なお、r1が2以上である場合、複数のR14は同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R15は、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。*は結合部分を示す。
R14は、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の二価の炭化水素基を示す。
r1は、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1である。なお、r1が2以上である場合、複数のR14は同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R15は、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。*は結合部分を示す。
さらに、本発明に一実施形態において、ポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分の一方が前記一般式(3−1)で表される基であり、他方が下記一般式(3−1a)、(3−1b)及び(3−1c)のいずれかの基、もしくはオレフィン性不飽和結合を有する基であることが好ましく、下記一般式(3−1a)の基であることがより好ましい。
上記一般式(3−1a)中、R11a〜R13aは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
R14aは、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の二価の炭化水素基を示す。
r2は、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1である。なお、r2が2以上である場合、複数のR14aは同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R15aは、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。*は結合部分を示す。
R14aは、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の二価の炭化水素基を示す。
r2は、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1である。なお、r2が2以上である場合、複数のR14aは同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R15aは、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。*は結合部分を示す。
上記一般式(3−1b)中、R11b〜R13bは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
R14b及びR16bは、それぞれ独立に、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の二価の炭化水素基を示す。
r3及びr4は、それぞれ独立に、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1である。なお、r3及びr4が2以上である場合、複数のR14b及びR16bは、同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R15b及びR17bは、それぞれ独立に、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。*は結合部分を示す。
R14b及びR16bは、それぞれ独立に、炭素数2〜10(好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4)の二価の炭化水素基を示す。
r3及びr4は、それぞれ独立に、0〜10の数を示し、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、更に好ましくは0〜1である。なお、r3及びr4が2以上である場合、複数のR14b及びR16bは、同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
R15b及びR17bは、それぞれ独立に、炭素数1〜10(好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4)の炭化水素基を示す。*は結合部分を示す。
上記一般式(3−1c)中、R11c〜R13cは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2)の炭化水素基を示す。
なお、上述の一般式(3−1)、(3−1a)、(3−1b)及び(3−1c)において、R11〜R13、R11a〜R13a、R11b〜R13b及びR11c〜R13cとして選択し得る炭素数1〜8の炭化水素基としては、前記一般式(2)中のR4〜R6として選択し得る炭素数1〜8の炭化水素基と同じものが挙げられ、好適な基も同じである。
また、R14、R14a、R14b及びR16bとして選択し得る炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、前記一般式(2)中のR7として選択し得る炭素数2〜10の二価の炭化水素基と同じものが挙げられ、好適な基も同じである。
さらに、R15、R15a、R15b及びR17bとして選択し得る炭素数1〜10の炭化水素基としては、前記一般式(2)中のR8として選択し得る炭素数1〜10の炭化水素基と同じものが挙げられ、好適な基も同じである。
また、R14、R14a、R14b及びR16bとして選択し得る炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、前記一般式(2)中のR7として選択し得る炭素数2〜10の二価の炭化水素基と同じものが挙げられ、好適な基も同じである。
さらに、R15、R15a、R15b及びR17bとして選択し得る炭素数1〜10の炭化水素基としては、前記一般式(2)中のR8として選択し得る炭素数1〜10の炭化水素基と同じものが挙げられ、好適な基も同じである。
<ポリビニルエーテル系化合物(A)の合成方法>
ポリビニルエーテル系化合物(A)の合成方法としては、特に制限は無く、構成単位(a1)を形成し得る原料モノマー、及び必要に応じて、構成単位(a2)を形成し得る原料モノマーを用いて、各種重合(ラジカル重合、カチオン重合、放射線重合等)によって合成する方法が挙げられる。
ポリビニルエーテル系化合物(A)の合成方法としては、特に制限は無く、構成単位(a1)を形成し得る原料モノマー、及び必要に応じて、構成単位(a2)を形成し得る原料モノマーを用いて、各種重合(ラジカル重合、カチオン重合、放射線重合等)によって合成する方法が挙げられる。
構成単位(a1)を形成する原料モノマーとしては、例えば、下記一般式(I)で表されるビニルエーテル系モノマーが挙げられる。
(上記一般式(I)中、R1〜R3は、前記一般式(1)の規定と同じである。)
(上記一般式(I)中、R1〜R3は、前記一般式(1)の規定と同じである。)
また、構成単位(a2)を形成する原料モノマーとしては、例えば、下記一般式(II)で表されるビニルエーテル系モノマーが挙げられる。
(上記一般式(II)中、R4〜R8及びrは、前記一般式(2)の規定と同じである。)
(上記一般式(II)中、R4〜R8及びrは、前記一般式(2)の規定と同じである。)
ポリビニルエーテル系化合物(A)の合成方法は、所望の動粘度を有するポリビニルエーテル系化合物(A)を得る観点から、重合触媒及び重合開始剤の存在下、原料モノマーを系内に添加して、重合反応を進行させる方法が好ましい。
重合触媒としては、例えば、ブレンステッド酸類、ルイス酸類、及び有機金属化合物類等が挙げられ、ルイス酸類が好ましい。
ブレンステッド酸類としては、例えば、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
ルイス酸類としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化亜鉛、塩化第二鉄等が挙げられ、三フッ化ホウ素が好ましい。
有機金属化合物としては、例えば、ジエチル塩化アルミニウム、エチル塩化アルミニウム、ジエチル亜鉛等が挙げられる。
ブレンステッド酸類としては、例えば、フッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
ルイス酸類としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化亜鉛、塩化第二鉄等が挙げられ、三フッ化ホウ素が好ましい。
有機金属化合物としては、例えば、ジエチル塩化アルミニウム、エチル塩化アルミニウム、ジエチル亜鉛等が挙げられる。
当該重合開始剤としては、水、アルコール類、フェノール類、アセタール類、及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの重合開始剤の種類に応じて、得られるポリビニルエーテル系化合物(A)の末端部分が形成される。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、各種ペンタノール、各種ヘキサノール、各種ヘプタノール、各種オクタノール等の炭素数1〜20の飽和脂肪族アルコール;アリルアルコール等の炭素数3〜10の不飽和脂肪族アルコール;エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアリールエーテル等の炭素数14以下のエーテル結合酸素含有アルコール;等が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、フェノール、各種クレゾール等が挙げられる。
アセタール類としては、例えば、アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドメチルエチルアセタール、アセトアルデヒドビス(メトキシエチル)アセタール等が挙げられる。
ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、3,5,5−トリメチルカプロン酸等の付加物が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、フェノール、各種クレゾール等が挙げられる。
アセタール類としては、例えば、アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドメチルエチルアセタール、アセトアルデヒドビス(メトキシエチル)アセタール等が挙げられる。
ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、3,5,5−トリメチルカプロン酸等の付加物が挙げられる。
なお、得られるポリビニルエーテル系化合物(A)の重合開始末端は、水,アルコール類,フェノール類を使用した場合は、水素が結合し、アセタール類を使用した場合は使用したアセタール類から一方のアルコキシ基が脱離したものが結合する。また、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物を使用した場合には、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物からカルボン酸部分由来のアルキルカルボニルオキシ基が脱離したものが結合する。
一方、ポリビニルエーテル系化合物(A)の停止末端は、水、アルコール類,フェノール類,アセタール類を使用した場合には、アセタール,オレフィン又はアルデヒドとなる。また、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の場合は、ヘミアセタールのカルボン酸エステルとなり、酸の存在下で加水分解するとアルデヒドになる。
一方、ポリビニルエーテル系化合物(A)の停止末端は、水、アルコール類,フェノール類,アセタール類を使用した場合には、アセタール,オレフィン又はアルデヒドとなる。また、ビニルエーテル類とカルボン酸との付加物の場合は、ヘミアセタールのカルボン酸エステルとなり、酸の存在下で加水分解するとアルデヒドになる。
なお、当該重合反応は、使用する原料モノマーや重合開始剤の種類にもよるが、通常−80〜150℃(好ましくは0〜100℃)の温度で、反応開始後10秒から10時間程度で終了することが好ましい。
また、当該重合反応は、通常溶媒の存在下に行われる。使用する溶媒としては、反応原料を必要量溶解することができ、且つ、重合反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;エチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。
また、当該重合反応は、通常溶媒の存在下に行われる。使用する溶媒としては、反応原料を必要量溶解することができ、且つ、重合反応に不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;エチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。
重合反応後に、得られた重合物中に不飽和結合、アセタール及びアルデヒドを有する場合、これらを飽和結合及びエーテルとするために、さらに水素化処理することが好ましい。水素化処理は、水素化触媒の存在下、水素圧0.1〜10MPa(好ましくは1〜6MPa)で水素ガスを導入し、反応温度10〜250℃(好ましくは50〜200℃)て行われることが好ましい。
水素化触媒としては、例えば、ニッケル系触媒、白金系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒等の金属触媒が挙げられ、これらの金属触媒をアルミナや珪藻土等に担持した触媒や、ラネー型触媒等も使用できる。
水素化触媒としては、例えば、ニッケル系触媒、白金系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒等の金属触媒が挙げられ、これらの金属触媒をアルミナや珪藻土等に担持した触媒や、ラネー型触媒等も使用できる。
[ポリビニルエーテル系化合物(A)以外の基油]
冷凍機油は、基油として、ポリビニルエーテル系化合物(A)のみを含有してもよいが、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリビニルエーテル系化合物(A)以外の基油を含有してもよい。
他の基油としては、例えば、構成単位(a1)を含まないポリビニルエーテル系化合物、ポリアルキレングリコール系化合物、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルと構成単位(a1)を含まないポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル系化合物等が挙げられる。
これらその他の基油は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらその他の基油は、ポリビニルエーテル系化合物(A)と同様の40℃動粘度を有するものを使用すればよく、具体的な40℃動粘度は、好ましくは10〜400mm2/s、より好ましくは15〜220mm2/s、更に好ましくは28〜110mm2/sである。
冷凍機油は、基油として、ポリビニルエーテル系化合物(A)のみを含有してもよいが、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリビニルエーテル系化合物(A)以外の基油を含有してもよい。
他の基油としては、例えば、構成単位(a1)を含まないポリビニルエーテル系化合物、ポリアルキレングリコール系化合物、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルと構成単位(a1)を含まないポリビニルエーテルとの共重合体、及びポリオールエステル系化合物等が挙げられる。
これらその他の基油は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらその他の基油は、ポリビニルエーテル系化合物(A)と同様の40℃動粘度を有するものを使用すればよく、具体的な40℃動粘度は、好ましくは10〜400mm2/s、より好ましくは15〜220mm2/s、更に好ましくは28〜110mm2/sである。
なお、ポリビニルエーテル系化合物(A)以外の他の基油の含有量は、R32冷媒との相溶性に優れた冷凍機油とする観点から、ポリビニルエーテル系化合物(A)100質量部に対して、好ましくは0〜30質量部、より好ましくは0〜20質量部、更に好ましくは0〜10質量部、より更に好ましくは0〜3質量部である。
[添加剤]
本発明の一実施形態に係る冷凍機油は、添加剤を含有する。冷凍機油は、添加剤として、酸化防止剤(B)、酸捕捉剤(C)、又はこれらの両方を含有するが、これら両方を含有することが好ましい。冷凍機油は、酸化防止剤(B)又は酸捕捉剤(C)を含有することで、高温下において冷凍機油の酸価が上昇するのを防止し、冷凍機油の高温酸化安定性を向上させることが可能になる。また、冷凍機油は、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)の両方を含有することで、酸価の上昇をさらに抑制して、冷凍機油の高温酸化安定性をより向上させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る冷凍機油は、添加剤を含有する。冷凍機油は、添加剤として、酸化防止剤(B)、酸捕捉剤(C)、又はこれらの両方を含有するが、これら両方を含有することが好ましい。冷凍機油は、酸化防止剤(B)又は酸捕捉剤(C)を含有することで、高温下において冷凍機油の酸価が上昇するのを防止し、冷凍機油の高温酸化安定性を向上させることが可能になる。また、冷凍機油は、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)の両方を含有することで、酸価の上昇をさらに抑制して、冷凍機油の高温酸化安定性をより向上させることが可能になる。
以下、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)について詳細に説明する。
(酸化防止剤(B))
酸化防止剤(B)としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、n−オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−メチルヘプチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのアルキル−3−(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(アルキル基としては、炭素数4〜20のものが挙げられ、好ましくは、炭素数8〜18である);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどの2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール(アルキル基の炭素数1〜4);2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾールなどが挙げられる。
(酸化防止剤(B))
酸化防止剤(B)としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、n−オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−メチルヘプチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのアルキル−3−(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(アルキル基としては、炭素数4〜20のものが挙げられ、好ましくは、炭素数8〜18である);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどの2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール(アルキル基の炭素数1〜4);2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾールなどが挙げられる。
また、ポリフェノール系酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
また、アミン系酸化防止剤としては、4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミンなどのフェニル−α−ナフチルアミン類、N,N’−ジ−フェニル−p−フェニレンジアミン等などが挙げられる。
酸化防止剤(B)としては、フェノール系酸化防止剤が好ましい。また、フェノール系酸化防止剤としては、上記した中でも、2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノールがより好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが最も好ましい。酸化防止剤(B)としては、これらフェノール系酸化防止剤を使用することで、酸価の上昇を適切に防止して、高温下での酸化安定性をより良好にしやすくなる。
冷凍機油における酸化防止剤(B)の含有量は、冷凍機油全量基準で、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく、0.15〜1質量%がさらに好ましい。酸化防止剤は、これら下限値以上を冷凍機油に含有させることで、酸価上昇を十分に抑制して、高温安定性を高めやすくなる。また、これら上限値以下とすることで含有量に見合った効果を発揮しやすくなる。
なお、酸化防止剤(B)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、酸化防止剤(B)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(酸捕捉剤(C))
酸捕捉剤(C)としては、エポキシ化合物が挙げられ、より具体的にはグリシジルエーテル化合物、シクロヘキセンオキシド、α−オレフィンオキシド、エポキシ化大豆油などが挙げられるが、グリシジルエーテル化合物が好ましい。
グリシジルエーテル化合物としては、炭素数が、通常3〜30、好ましくは4〜24、より好ましくは6〜16の脂肪族モノ又は多価アルコール、あるいは水酸基を1個以上含有する芳香族化合物由来のグリシジルエーテルが挙げられる。脂肪族モノ又は多価アルコールは、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、また飽和若しくは不飽和のいずれでもよいが、飽和脂肪族モノアルコールであることが好ましい。
なお、脂肪族多価アルコールや水酸基を2個以上含有する芳香族化合物の場合、冷凍機油の安定性及び水酸基価の上昇を抑える観点から、水酸基の全てがグリシジルエーテル化されていることが好ましい。
グリシジルエーテル化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの中では、特に直鎖状、分岐状、環状の炭素数6〜16の飽和脂肪族モノアルコール由来のグリシジルエーテル(すなわち、アルキル基の炭素数が6〜16のアルキルグリシジルエーテル)がより好ましい。このようなグリシジルエーテルとしては、例えば2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、イソノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ミリスチルグリシジルエーテルなどが挙げられ、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが最も好ましい。2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテルを使用することで、酸価の上昇を適切に防止して、高温下での酸化安定性をより良好にしやすくなる。
酸捕捉剤(C)としては、エポキシ化合物が挙げられ、より具体的にはグリシジルエーテル化合物、シクロヘキセンオキシド、α−オレフィンオキシド、エポキシ化大豆油などが挙げられるが、グリシジルエーテル化合物が好ましい。
グリシジルエーテル化合物としては、炭素数が、通常3〜30、好ましくは4〜24、より好ましくは6〜16の脂肪族モノ又は多価アルコール、あるいは水酸基を1個以上含有する芳香族化合物由来のグリシジルエーテルが挙げられる。脂肪族モノ又は多価アルコールは、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、また飽和若しくは不飽和のいずれでもよいが、飽和脂肪族モノアルコールであることが好ましい。
なお、脂肪族多価アルコールや水酸基を2個以上含有する芳香族化合物の場合、冷凍機油の安定性及び水酸基価の上昇を抑える観点から、水酸基の全てがグリシジルエーテル化されていることが好ましい。
グリシジルエーテル化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの中では、特に直鎖状、分岐状、環状の炭素数6〜16の飽和脂肪族モノアルコール由来のグリシジルエーテル(すなわち、アルキル基の炭素数が6〜16のアルキルグリシジルエーテル)がより好ましい。このようなグリシジルエーテルとしては、例えば2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、イソノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ミリスチルグリシジルエーテルなどが挙げられ、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが最も好ましい。2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテルを使用することで、酸価の上昇を適切に防止して、高温下での酸化安定性をより良好にしやすくなる。
冷凍機油における酸捕捉剤(C)の含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは0.1〜10質量%である。酸捕捉剤(C)の含有量を0.1質量%以上とすることで、冷凍機油中の酸を適切に捕捉して、効果的に酸価の上昇を防止でき、高温安定性を高めやすくなる。また、10質量%以下とすることで含有量に見合った効果を奏することが可能である。
また、酸捕捉剤(C)の上記含有量は、より好ましくは0.4〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは0.5〜3質量%、最も好ましくは0.5〜2質量%である。酸捕捉剤(C)は、このように含有量を多くすると、より効果的に酸価の上昇を防止できる。なお、酸捕捉剤(C)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸捕捉剤(C)は、上記した酸化防止剤(B)と併用することで、酸価の上昇をさらに抑制することが可能である。
また、酸捕捉剤(C)の上記含有量は、より好ましくは0.4〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは0.5〜3質量%、最も好ましくは0.5〜2質量%である。酸捕捉剤(C)は、このように含有量を多くすると、より効果的に酸価の上昇を防止できる。なお、酸捕捉剤(C)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸捕捉剤(C)は、上記した酸化防止剤(B)と併用することで、酸価の上昇をさらに抑制することが可能である。
(極圧剤(D))
冷凍機油は、さらに極圧剤(D)を含有することが好ましい。冷凍機油は、極圧剤(D)を含有することで、高温下における耐摩耗性が良好になり、潤滑性をより向上させることが可能である。
極圧剤(D)としては、リン系極圧剤等が挙げられる。リン系極圧剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルあるいはこれらのアミン塩が挙げられる。
リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート,トリアルキルホスフェート,モノアルキルジアリールホスフェート、ジアルキルモノアリールホスフェート、トリアルケニルホスフェートなどがある。なお、極圧剤(D)において述べる“アリール”は、芳香族環のみからなる官能基のみならず、アルキルアリール、及びアリールアルキルを含む概念である。
冷凍機油は、さらに極圧剤(D)を含有することが好ましい。冷凍機油は、極圧剤(D)を含有することで、高温下における耐摩耗性が良好になり、潤滑性をより向上させることが可能である。
極圧剤(D)としては、リン系極圧剤等が挙げられる。リン系極圧剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルあるいはこれらのアミン塩が挙げられる。
リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート,トリアルキルホスフェート,モノアルキルジアリールホスフェート、ジアルキルモノアリールホスフェート、トリアルケニルホスフェートなどがある。なお、極圧剤(D)において述べる“アリール”は、芳香族環のみからなる官能基のみならず、アルキルアリール、及びアリールアルキルを含む概念である。
リン酸エステルとしては、具体的には、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェートなどのアルキルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
酸性リン酸エステルとしては、各種のアルキルアシッドホスフェート、ジアルキルアシッドホスフェートなどが挙げられる。亜リン酸エステルとしては、各種のトリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイト、モノアルキルジアリールホスファイト、ジアルキルモノアリールホスファイト、トリアルケニルホスファイトなどがある。酸性亜リン酸エステルとしては、各種のジアルキルハイドロゲンホスファイト、ジアルケニルハイドロゲンホスファイト、ジアリールハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。また、リン系極圧剤としては、トリチオフェニルホスフェート等の硫黄原子を含有するリン酸エステル等であってもよい。なお、アミン塩としては、酸性リン酸エステル又は酸性亜リン酸エステルのアミン塩が挙げられる。アミン塩を形成するアミン塩は、1級、2級、又は3級アミンのいずれでもよい。
極圧剤(D)としては、上記した中では、リン酸エステルが好ましく、中でもトリアリールホスフェートがより好ましく、トリクレジルホスフェートが最も好ましい。トリクレジルホスフェート等のトリアリールホスフェートを使用することで、高温下の潤滑性等が良好になりやすくなる。その他の好ましいものとしては、トリチオフェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトが挙げられる。
冷凍機油における極圧剤(D)の含有量は、冷凍機油全量基準で0.1〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%以上とすることで潤滑性が良好になりやすくなる。また、5質量%以下とすることで、含有量に見合った効果を得やすくなる。これら観点から、極圧剤(D)の含有量は、0.3〜3質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が最も好ましい。
また、冷凍機油は、極圧剤(D)を添加すると、酸価が上昇する傾向にあるが、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)を併用することで、極圧剤(D)に起因する酸価の上昇をより適切に抑制することが可能である。
冷凍機油における極圧剤(D)の含有量は、冷凍機油全量基準で0.1〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%以上とすることで潤滑性が良好になりやすくなる。また、5質量%以下とすることで、含有量に見合った効果を得やすくなる。これら観点から、極圧剤(D)の含有量は、0.3〜3質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が最も好ましい。
また、冷凍機油は、極圧剤(D)を添加すると、酸価が上昇する傾向にあるが、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)を併用することで、極圧剤(D)に起因する酸価の上昇をより適切に抑制することが可能である。
上記のように本実施形態における冷凍機油は、酸化防止剤(B)、酸捕捉剤(C)及び極圧剤(D)のいずれも含有することが特に好ましいが、この場合の各(A)〜(D)成分の含有量も、上記したとおりである。すなわち、ポリビニルエーテル化合物(A)、酸化防止剤(B)、酸捕捉剤(C)及び極圧剤(D)それぞれの含有量は、冷凍機油全量基準で、70〜99.7質量%、0.1〜5質量%、0.1〜10質量%、0.1〜5質量%であることが好ましく、75〜99.3質量%、0.1〜3質量%、0.4〜5質量%、0.3〜3質量%であることがより好ましく、80〜98.4質量%、0.15〜1質量%、0.5〜5質量%、0.5〜3質量%であることがさらに好ましく、80〜98.4質量%、0.15〜1質量%、0.5〜2質量%、0.5〜2質量%であることが最も好ましい。
また、上記(B)〜(D)成分を含有する場合の好ましい化合物も上記と同様である。すなわち、酸化防止剤(B)がフェノール系酸化防止剤、酸捕捉剤(C)がグリシジルエーテル化合物、極圧剤(D)がリン酸エステルであることが好ましく、酸化防止剤(B)が2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール、酸捕捉剤(C)がアルキルグリシジルエーテル、極圧剤(D)がトリアリールホスフェートであることがより好ましく、酸化防止剤(B)が2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、酸捕捉剤(C)が2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、極圧剤(D)がトリクレジルホスフェートであることがさらに好ましい。
また、上記(B)〜(D)成分を含有する場合の好ましい化合物も上記と同様である。すなわち、酸化防止剤(B)がフェノール系酸化防止剤、酸捕捉剤(C)がグリシジルエーテル化合物、極圧剤(D)がリン酸エステルであることが好ましく、酸化防止剤(B)が2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール、酸捕捉剤(C)がアルキルグリシジルエーテル、極圧剤(D)がトリアリールホスフェートであることがより好ましく、酸化防止剤(B)が2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、酸捕捉剤(C)が2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、極圧剤(D)がトリクレジルホスフェートであることがさらに好ましい。
(その他の添加剤)
冷凍機油は、基油と、(B)又は(C)成分又はこれら両方とからなるものでもよいし、基油と、(B)又は(C)成分又はこれら両方と、(D)成分とからなるものでもよいが、これら(B)〜(D)成分以外の添加剤をさらに含有してもよい。
そのような添加剤としては、例えば、酸素捕捉剤、油性向上剤、銅不活性化剤、防錆剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
冷凍機油は、基油と、(B)又は(C)成分又はこれら両方とからなるものでもよいし、基油と、(B)又は(C)成分又はこれら両方と、(D)成分とからなるものでもよいが、これら(B)〜(D)成分以外の添加剤をさらに含有してもよい。
そのような添加剤としては、例えば、酸素捕捉剤、油性向上剤、銅不活性化剤、防錆剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸素捕捉剤としては、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ジフェニルスルフィド、ジオクチルジフェニルスルフィド、ジアルキルジフェニレンスルフィド、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、ベンゾチアピラン、チアピラン、チアントレン、ジベンゾチアピラン、ジフェニレンジスルフィド等の含硫黄芳香族化合物、各種オレフィン、ジエン、トリエン等の脂肪族不飽和化合物、二重結合を持ったテルペン類等が挙げられる。
油性向上剤の例としては、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和および不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコールと脂肪族飽和又は不飽和モノカルボン酸との部分エステル等が挙げられる。
油性向上剤の例としては、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和および不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコールと脂肪族飽和又は不飽和モノカルボン酸との部分エステル等が挙げられる。
銅不活性化剤としては、例えばN−[N,N’−ジアルキル(炭素数3〜12のアルキル基)アミノメチル]トリアゾール等を挙げることができる。
防錆剤としては、例えば金属スルホネート、脂肪族アミン類、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属塩、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等を挙げることができる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン等のシリコーンオイル、ポリメタクリレート類等が挙げられる。
これらの冷凍機油用添加剤の各々の含有量は、冷凍機油の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
防錆剤としては、例えば金属スルホネート、脂肪族アミン類、有機スルフォン酸金属塩、有機リン酸金属塩、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等を挙げることができる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン等のシリコーンオイル、ポリメタクリレート類等が挙げられる。
これらの冷凍機油用添加剤の各々の含有量は、冷凍機油の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
冷凍機油は、低温環境下においても、地球温暖化係数が低いR32冷媒との相溶性に優れる。具体的には、冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度は、好ましくは−15℃以下、より好ましくは−30℃以下、更に好ましくは−40℃以下である。
なお、本明細書において、上記の「冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度」は、冷凍機油/R32冷媒=15/85(質量比)からなる冷凍機油とR32冷媒との混合物を試料として用いて、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
なお、本明細書において、上記の「冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度」は、冷凍機油/R32冷媒=15/85(質量比)からなる冷凍機油とR32冷媒との混合物を試料として用いて、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
[冷凍機油の製造方法]
本発明の一実施形態に係る冷凍機油の製造方法は、ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油の製造方法であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)に、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種を配合して冷凍機油を製造するものである。
本製造方法においては、ポリビニルエーテル系化合物(A)には、上記したように、極圧剤(D)等の酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)以外の添加剤をさらに配合してもよいし、化合物(A)以外の基油を配合してもよい。本製造方法において、(A)〜(D)成分、その他の添加剤、その他の基油、得られる冷凍機油の詳細は、上記した通りである。
本発明の一実施形態に係る冷凍機油の製造方法は、ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油の製造方法であって、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)に、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種を配合して冷凍機油を製造するものである。
本製造方法においては、ポリビニルエーテル系化合物(A)には、上記したように、極圧剤(D)等の酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)以外の添加剤をさらに配合してもよいし、化合物(A)以外の基油を配合してもよい。本製造方法において、(A)〜(D)成分、その他の添加剤、その他の基油、得られる冷凍機油の詳細は、上記した通りである。
[冷凍機用組成物]
上記冷凍機油は、冷媒と混合して使用されるものである。本明細書において、冷凍機油に冷媒を混合したものを「冷凍機用組成物」とする。すなわち、本発明の一実施形態に係る冷凍機用組成物は、ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒と、上述の冷凍機油とを含有する。冷凍機用組成物において、冷凍機油と冷媒との含有量比(冷凍機油/冷媒)は、質量比で、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜60/40である。
上記冷凍機油は、冷媒と混合して使用されるものである。本明細書において、冷凍機油に冷媒を混合したものを「冷凍機用組成物」とする。すなわち、本発明の一実施形態に係る冷凍機用組成物は、ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒と、上述の冷凍機油とを含有する。冷凍機用組成物において、冷凍機油と冷媒との含有量比(冷凍機油/冷媒)は、質量比で、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜60/40である。
[冷媒]
冷媒は、R32冷媒単独からなるものであってもよいが、R32冷媒とその他の冷媒との混合物であってもよい。その他の冷媒として、例えば、フッ化炭化水素冷媒や、炭化水素冷媒、二酸化炭素、アンモニア等の自然冷媒等が挙げられる。その他の冷媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
冷媒において、R32冷媒の含有量は、冷媒の全量(100質量%)基準で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%、更に好ましくは30〜100質量%、より更に好ましくは50〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%である。この中でも、R32単独(100質量%)の冷媒が最も好ましい。
冷媒は、R32冷媒単独からなるものであってもよいが、R32冷媒とその他の冷媒との混合物であってもよい。その他の冷媒として、例えば、フッ化炭化水素冷媒や、炭化水素冷媒、二酸化炭素、アンモニア等の自然冷媒等が挙げられる。その他の冷媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
冷媒において、R32冷媒の含有量は、冷媒の全量(100質量%)基準で、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%、更に好ましくは30〜100質量%、より更に好ましくは50〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%である。この中でも、R32単独(100質量%)の冷媒が最も好ましい。
フッ化炭化水素冷媒としては、飽和フッ化炭化水素冷媒、及び不飽和フッ化炭化水素冷媒が挙げられる。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、R32以外の炭素数1〜4のアルカンのフッ化物が挙げられ、炭素数2〜3のアルカンのフッ化物が好ましく、炭素数2のアルカン(エタン)のフッ化物がより好ましい。例えば、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)等が挙げられ、これらの中ではR125、R134aが好ましい。
また、これら飽和フッ化炭化水素冷媒は、2種以上混合したものを使用できる。
冷媒としてフッ化炭化水素冷媒を使用する場合、本実施形態で使用される冷媒として、具体的には、R407A、R407C、R407E等のR32とR125とR134aの混合物、R410A等のR32とR125の混合物等が好ましい例として挙げられ、これらの中ではR410Aがより好ましい。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、R32以外の炭素数1〜4のアルカンのフッ化物が挙げられ、炭素数2〜3のアルカンのフッ化物が好ましく、炭素数2のアルカン(エタン)のフッ化物がより好ましい。例えば、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)等が挙げられ、これらの中ではR125、R134aが好ましい。
また、これら飽和フッ化炭化水素冷媒は、2種以上混合したものを使用できる。
冷媒としてフッ化炭化水素冷媒を使用する場合、本実施形態で使用される冷媒として、具体的には、R407A、R407C、R407E等のR32とR125とR134aの混合物、R410A等のR32とR125の混合物等が好ましい例として挙げられ、これらの中ではR410Aがより好ましい。
不飽和フッ化炭化水素冷媒としては、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6の鎖状オレフィンや炭素数4〜6の環状オレフィンのフッ素化物など炭素−炭素二重結合を有するものが挙げられる。これらの中では、プロペンのフッ化物が好ましく、フッ素原子が3〜5個導入されたプロペンがより好ましく、フッ素原子が4個導入されたプロペンが最も好ましい。プロペンのフッ化物以外のものとしては、エチレンのフッ化物も好ましく、フッ素原子が1〜3個導入されたエチレンがより好ましく、フッ素原子が3個導入されたエチレンが最も好ましい。
好ましい不飽和フッ化炭化水素冷媒の具体例としては、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(R1225ye)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yz)、1,1,2−トリフルオロエチレン(R1123)等が挙げられ、これらの中ではR1234yf、R1234ze、R1123が好ましい。
これらの不飽和フッ化炭化水素冷媒を混合する場合、その含有量は冷媒の全量(100質量%)基準で、20質量%以上とすることが好ましい。
なお、これらの不飽和フッ化炭化水素冷媒は、上述の飽和フッ化炭化水素冷媒と組み合わせて使用してもよい。
好ましい不飽和フッ化炭化水素冷媒の具体例としては、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(R1225ye)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yz)、1,1,2−トリフルオロエチレン(R1123)等が挙げられ、これらの中ではR1234yf、R1234ze、R1123が好ましい。
これらの不飽和フッ化炭化水素冷媒を混合する場合、その含有量は冷媒の全量(100質量%)基準で、20質量%以上とすることが好ましい。
なお、これらの不飽和フッ化炭化水素冷媒は、上述の飽和フッ化炭化水素冷媒と組み合わせて使用してもよい。
自然系冷媒としては、プロパン(R290)、n−ブタン、イソブタン(R600a)、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタンイソブタン、ノルマルブタン等の炭化水素冷媒、二酸化炭素(炭酸ガス)や、アンモニアが挙げられ、これらの中ではプロパン、イソブタン、二酸化炭素、アンモニアが好ましい。
なお、これらの自然系冷媒は、上述のフッ化炭化水素冷媒と組み合わせて用いてもよい。
なお、これらの自然系冷媒は、上述のフッ化炭化水素冷媒と組み合わせて用いてもよい。
[冷凍機]
本発明の一実施形態に係る冷凍機は、上述の冷凍機油又は冷凍機油組成物を用いるものであって、冷凍機油又は冷凍機油組成物は、当該冷凍機の内部に充填して使用される。冷凍機としては、圧縮型冷凍機が好ましく、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁等)及び蒸発器を備える冷凍サイクル、あるいは、圧縮機、凝縮器、膨張機構、乾燥器及び蒸発器を備える冷凍サイクルを有するものであることがより好ましい。
冷凍機油は、例えば、圧縮機等に設けられる摺動部分を潤滑するために使用される。
なお、摺動部分は、特に限定されないが、摺動部分のいずれかが鉄等の金属を含むことが好ましく、金属−金属間で摺動するものであることが好ましい。
冷凍機としては、例えば、カーエアコン、空調、ガスヒートポンプ(GHP)、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース等の冷凍システム、給湯機、床暖房等の給湯システム、暖房システム等に適用されるものであるが、空調用途に適用されることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る冷凍機は、上述の冷凍機油又は冷凍機油組成物を用いるものであって、冷凍機油又は冷凍機油組成物は、当該冷凍機の内部に充填して使用される。冷凍機としては、圧縮型冷凍機が好ましく、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁等)及び蒸発器を備える冷凍サイクル、あるいは、圧縮機、凝縮器、膨張機構、乾燥器及び蒸発器を備える冷凍サイクルを有するものであることがより好ましい。
冷凍機油は、例えば、圧縮機等に設けられる摺動部分を潤滑するために使用される。
なお、摺動部分は、特に限定されないが、摺動部分のいずれかが鉄等の金属を含むことが好ましく、金属−金属間で摺動するものであることが好ましい。
冷凍機としては、例えば、カーエアコン、空調、ガスヒートポンプ(GHP)、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース等の冷凍システム、給湯機、床暖房等の給湯システム、暖房システム等に適用されるものであるが、空調用途に適用されることが好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種性状の測定法は以下のとおりである。
(1)40℃動粘度
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(3)数平均分子量(Mn)
ゲル浸透クロマトグラフ装置(アジレント社製、「1260型HPLC」)を用いて、下記の条件下で測定した標準ポリスチレン換算の値を用いた。
(測定条件)
・カラム:「Shodex LF404」を2本順次連結したもの
・カラム温度:35℃
・展開溶媒:クロロホルム
・流速:0.3mL/min
(4)R32冷媒との低温側での二層分離温度の測定
二層分離温度測定管(内容積10mL)に、冷凍機油と冷媒(R32)をそれぞれ0.45g、2.55g(冷凍機油/冷媒(質量比)=15/85)充填し、恒温槽内に保持した。恒温槽の温度を室温(25℃)より、温度を1℃/minの割合で−50℃まで下げ、低温側の二層分離温度を測定した。なお、−50℃まで二層分離しなかったものは表において“−50>”と示す。また、室温から1℃/minの割合で昇温し、高温側の二層分離温度を測定した。
(5)熱安定性試験
内容量200mLのオートクレーブに、冷凍機油/R32冷媒(30g/30gの比率、油中の水分含有量500質量ppm)、及び鉄、銅、アルミニウムからなる金属触媒を充填して封管し、空気量140Torr、温度175℃の条件にて336時間保持後、冷凍機油の酸価を測定した。なお、酸価はJIS K 2501:2003に規定される「潤滑油中和試験方法」に準拠し、指示薬法により測定した。
(6)潤滑性試験
密閉式にしたブロックオンリング摩擦試験機(LFW−1)を用いて、R32冷媒環境下で、各冷凍機油を用いたときのリング摩耗量を以下の条件で測定した。
リング:FC250 ブロック:SKH51 回転数:1000rpm
馴らし:荷重300N×1分間 荷重:500N 時間:60分
油温:80℃ 冷媒圧力:0.4MPa
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(2)粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(3)数平均分子量(Mn)
ゲル浸透クロマトグラフ装置(アジレント社製、「1260型HPLC」)を用いて、下記の条件下で測定した標準ポリスチレン換算の値を用いた。
(測定条件)
・カラム:「Shodex LF404」を2本順次連結したもの
・カラム温度:35℃
・展開溶媒:クロロホルム
・流速:0.3mL/min
(4)R32冷媒との低温側での二層分離温度の測定
二層分離温度測定管(内容積10mL)に、冷凍機油と冷媒(R32)をそれぞれ0.45g、2.55g(冷凍機油/冷媒(質量比)=15/85)充填し、恒温槽内に保持した。恒温槽の温度を室温(25℃)より、温度を1℃/minの割合で−50℃まで下げ、低温側の二層分離温度を測定した。なお、−50℃まで二層分離しなかったものは表において“−50>”と示す。また、室温から1℃/minの割合で昇温し、高温側の二層分離温度を測定した。
(5)熱安定性試験
内容量200mLのオートクレーブに、冷凍機油/R32冷媒(30g/30gの比率、油中の水分含有量500質量ppm)、及び鉄、銅、アルミニウムからなる金属触媒を充填して封管し、空気量140Torr、温度175℃の条件にて336時間保持後、冷凍機油の酸価を測定した。なお、酸価はJIS K 2501:2003に規定される「潤滑油中和試験方法」に準拠し、指示薬法により測定した。
(6)潤滑性試験
密閉式にしたブロックオンリング摩擦試験機(LFW−1)を用いて、R32冷媒環境下で、各冷凍機油を用いたときのリング摩耗量を以下の条件で測定した。
リング:FC250 ブロック:SKH51 回転数:1000rpm
馴らし:荷重300N×1分間 荷重:500N 時間:60分
油温:80℃ 冷媒圧力:0.4MPa
調製例1〔触媒の調製〕
SUS316L製の2L容積オートクレーブ内に、ニッケル珪藻土触媒(日揮触媒化成社製、商品名「N113」)を6g、及びイソオクタンを300gそれぞれ加えた。
オートクレーブ内を窒素置換し、次いで水素置換した後、水素圧を3.0MPaGとして140℃まで昇温し、140℃で30分間保持後、室温まで冷却した。
そして、オートクレーブ内を窒素置換した後、オートクレーブ内に、アセトアルデヒドジエチルアセタールを10gを加え、再び窒素置換し、次いで水素置換した後、水素圧を3.0MPaGとして140℃まで昇温し、140℃で30分間保持した。なお、この際、昇温によりオートクレーブ内の圧力が上昇する一方、アセトアルデヒドジエチルアセタールが反応することにより、水素圧の減少が認められた。水素圧が3.0MPaG以下となった場合は、オートクレーブ内に水素を注入して、水素圧が3.0MPaGを維持するように調整した。
保持後、室温まで冷却して一度脱圧し、再びオートクレーブ内を窒素置換した後、脱圧した。
SUS316L製の2L容積オートクレーブ内に、ニッケル珪藻土触媒(日揮触媒化成社製、商品名「N113」)を6g、及びイソオクタンを300gそれぞれ加えた。
オートクレーブ内を窒素置換し、次いで水素置換した後、水素圧を3.0MPaGとして140℃まで昇温し、140℃で30分間保持後、室温まで冷却した。
そして、オートクレーブ内を窒素置換した後、オートクレーブ内に、アセトアルデヒドジエチルアセタールを10gを加え、再び窒素置換し、次いで水素置換した後、水素圧を3.0MPaGとして140℃まで昇温し、140℃で30分間保持した。なお、この際、昇温によりオートクレーブ内の圧力が上昇する一方、アセトアルデヒドジエチルアセタールが反応することにより、水素圧の減少が認められた。水素圧が3.0MPaG以下となった場合は、オートクレーブ内に水素を注入して、水素圧が3.0MPaGを維持するように調整した。
保持後、室温まで冷却して一度脱圧し、再びオートクレーブ内を窒素置換した後、脱圧した。
実施例1
(ポリビニルエーテル(A)(PVE1)の合成)
撹拌機を取付けたガラス製の300mLフラスコに、トルエン49g、アセトアルデヒドビス(メトキシエチル)アセタール19.2g、アセトアルデヒドジエチルアセタール8.5g、及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.1gをそれぞれ添加した。また、別に用意した三角フラスコには、メトキシエチルビニルエーテル20.6g(0.2mol)、及びエチルビニルエーテル130.6g(1.8mol)をそれぞれ添加し、モノマー混合液とした。
そして、撹拌機を作動し、上記300mLフラスコの撹拌された系内に、上記三角フラスコ内のモノマー混合液を、ポンプによって4時間かけて供給し、供給終了後には更に5分間撹拌を続けた。なお、モノマー混合液の供給中、系内は常に撹拌し続け、系内の温度はウォーターバスを用いて25℃に制御した。
次いで、当該300mLのフラスコの系内に、吸着剤(協和化学工業株式会社製、製品名「キョーワード500SH」)を5g添加し、1時間撹拌した。そして、得られた反応液を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて、当該濾液から溶媒と軽質分を除去し、粗製品を得た。
その後、調製例1で調製した触媒が有る2Lオートクレーブ内に、得られた粗製品120gとイソオクタン300gを加え、オートクレーブ内を水素置換した後、水素圧を3.5MPaに保ち、系内を撹拌しながら、30分かけて140℃まで昇温し、さらに140℃で3時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、常圧まで減圧した。そして、反応液を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて、得られたろ液から溶媒や水分等を除去し、PVE1を得た。
PVE1は、一般式(1)中のR1〜R3が水素原子である構成単位(a1)と、一般式(2)中のR4〜R6が水素原子、rが0、R8がエチル基である構成単位(a2)を含む。また、仕込み量から推定される、PVE1の全構成単位(100モル%)に対する、構成単位(a1)の含有量は10モル%であり、構成単位(a2)の含有量は90モル%である。
(ポリビニルエーテル(A)(PVE1)の合成)
撹拌機を取付けたガラス製の300mLフラスコに、トルエン49g、アセトアルデヒドビス(メトキシエチル)アセタール19.2g、アセトアルデヒドジエチルアセタール8.5g、及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.1gをそれぞれ添加した。また、別に用意した三角フラスコには、メトキシエチルビニルエーテル20.6g(0.2mol)、及びエチルビニルエーテル130.6g(1.8mol)をそれぞれ添加し、モノマー混合液とした。
そして、撹拌機を作動し、上記300mLフラスコの撹拌された系内に、上記三角フラスコ内のモノマー混合液を、ポンプによって4時間かけて供給し、供給終了後には更に5分間撹拌を続けた。なお、モノマー混合液の供給中、系内は常に撹拌し続け、系内の温度はウォーターバスを用いて25℃に制御した。
次いで、当該300mLのフラスコの系内に、吸着剤(協和化学工業株式会社製、製品名「キョーワード500SH」)を5g添加し、1時間撹拌した。そして、得られた反応液を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて、当該濾液から溶媒と軽質分を除去し、粗製品を得た。
その後、調製例1で調製した触媒が有る2Lオートクレーブ内に、得られた粗製品120gとイソオクタン300gを加え、オートクレーブ内を水素置換した後、水素圧を3.5MPaに保ち、系内を撹拌しながら、30分かけて140℃まで昇温し、さらに140℃で3時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、常圧まで減圧した。そして、反応液を濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて、得られたろ液から溶媒や水分等を除去し、PVE1を得た。
PVE1は、一般式(1)中のR1〜R3が水素原子である構成単位(a1)と、一般式(2)中のR4〜R6が水素原子、rが0、R8がエチル基である構成単位(a2)を含む。また、仕込み量から推定される、PVE1の全構成単位(100モル%)に対する、構成単位(a1)の含有量は10モル%であり、構成単位(a2)の含有量は90モル%である。
(冷凍機油の調整)
上記で得たPVE1と、以下の酸化防止剤、酸捕捉剤、極圧剤を使用して、表1に示す配合で冷凍機油を調製した。実施例1の冷凍機油の2層分離温度を測定し、その測定結果を表1に示す。また、表1には、基油であるPVE1の性状(40℃動粘度、粘度指数(VI))もあわせて示す。
酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
酸捕捉剤:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
極圧剤:トリクレジルホスフェート
上記で得たPVE1と、以下の酸化防止剤、酸捕捉剤、極圧剤を使用して、表1に示す配合で冷凍機油を調製した。実施例1の冷凍機油の2層分離温度を測定し、その測定結果を表1に示す。また、表1には、基油であるPVE1の性状(40℃動粘度、粘度指数(VI))もあわせて示す。
酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
酸捕捉剤:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
極圧剤:トリクレジルホスフェート
実施例2〜8
ポリビニルエーテル系化合物(A)における各構成単位が表1に示すモル%となるように、三角フラスコに添加されるメトキシエチルビニルエーテルの添加量を0.4〜2.0molに変更し、エチルビニルエーテルの添加量を1.6〜0molに変更し、PVE2〜PVE8を得た以外は、実施例1と同様に実施した。なお、実施例2〜8それぞれで使用したPVE2〜PVE8の性状を表1に示す。
ポリビニルエーテル系化合物(A)における各構成単位が表1に示すモル%となるように、三角フラスコに添加されるメトキシエチルビニルエーテルの添加量を0.4〜2.0molに変更し、エチルビニルエーテルの添加量を1.6〜0molに変更し、PVE2〜PVE8を得た以外は、実施例1と同様に実施した。なお、実施例2〜8それぞれで使用したPVE2〜PVE8の性状を表1に示す。
比較例1、2
表1に示すように使用する基油をそれぞれ以下のPVE9,10に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。なお、比較例1、2で使用した基油の性状は表1に示す通りである。
PVE9:エチルビニルエーテル(EVE)とイソブチルビニルエーテル(iBuVE)の共重合体(モル比(EVE/iBuVE)=90/10)
PVE10:ポリエチルビニルエーテル
表1に示すように使用する基油をそれぞれ以下のPVE9,10に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。なお、比較例1、2で使用した基油の性状は表1に示す通りである。
PVE9:エチルビニルエーテル(EVE)とイソブチルビニルエーテル(iBuVE)の共重合体(モル比(EVE/iBuVE)=90/10)
PVE10:ポリエチルビニルエーテル
実施例9〜14、比較例3
上記したPVE3、酸化防止剤、酸捕捉剤、及び極圧剤を使用して表2に示す配合の冷凍機油を調製し、各冷凍機油に対して熱安定性試験を実施した。熱安定性試験終了後の酸価を表2に示す。
上記したPVE3、酸化防止剤、酸捕捉剤、及び極圧剤を使用して表2に示す配合の冷凍機油を調製し、各冷凍機油に対して熱安定性試験を実施した。熱安定性試験終了後の酸価を表2に示す。
実施例15〜18、比較例4
上記したPVE3、PVE10、酸化防止剤、酸捕捉剤、及び極圧剤を使用して表3に示す配合の冷凍機油を調製し、各冷凍機油に対して潤滑性試験を実施した。潤滑性試験後のリング磨耗量を表3に示す。
上記したPVE3、PVE10、酸化防止剤、酸捕捉剤、及び極圧剤を使用して表3に示す配合の冷凍機油を調製し、各冷凍機油に対して潤滑性試験を実施した。潤滑性試験後のリング磨耗量を表3に示す。
表1に示すように、各実施例においては、冷凍機油の基油を構成するポリビニルエーテル系化合物に、側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含有させることで、R32冷媒との相溶性、特に低温環境下における相溶性を向上することができた。
また、表2に示すように、ポリビニルエーテル系化合物(A)から構成される基油に酸化防止剤、酸捕捉剤、又はこれらの両方を配合することで、冷凍機油を加熱劣化させた後でも酸価が低くなり、高温酸化安定性が良好となった。なお、極圧剤を配合すると、高温酸化安定性が低くなる傾向にあるが、表2に示すように、酸化防止剤及び酸捕捉剤を適量配合すると、極圧剤の配合による酸化安定性の低下を抑制することが可能である。
さらに、表3に示すように、冷凍機油の基油にポリビニルエーテル系化合物(A)を使用すると、潤滑性試験における摩耗量が少なくなり、高温環境下における潤滑性が良好となった。また、潤滑性は、極圧剤を配合することでさらに向上した。
また、表2に示すように、ポリビニルエーテル系化合物(A)から構成される基油に酸化防止剤、酸捕捉剤、又はこれらの両方を配合することで、冷凍機油を加熱劣化させた後でも酸価が低くなり、高温酸化安定性が良好となった。なお、極圧剤を配合すると、高温酸化安定性が低くなる傾向にあるが、表2に示すように、酸化防止剤及び酸捕捉剤を適量配合すると、極圧剤の配合による酸化安定性の低下を抑制することが可能である。
さらに、表3に示すように、冷凍機油の基油にポリビニルエーテル系化合物(A)を使用すると、潤滑性試験における摩耗量が少なくなり、高温環境下における潤滑性が良好となった。また、潤滑性は、極圧剤を配合することでさらに向上した。
それに対して、比較例1、2、4から明らかなように、冷凍機油が、ポリビニルエーテル系化合物(A)を含有しないと、R32冷媒との相溶性が良好にならず、また、高温下における潤滑性が十分ではなかった(表1、3参照)。さらに、比較例3から明らかなように、冷凍機油が、酸化防止剤及び酸捕捉剤を含有しないと、熱安定性を十分に向上させることができなかった(表2参照)。
Claims (15)
- ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油であって、
側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)と、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種とを含む冷凍機油。 - 酸化防止剤(B)の含有量が、冷凍機油全量基準で0.1〜5質量%である請求項1に記載の冷凍機油。
- 酸捕捉剤(C)の含有量が、冷凍機油全量基準で0.1〜10質量%である請求項1又は2に記載の冷凍機油。
- 酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)の両方を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 酸化防止剤(B)がフェノール系酸化防止剤、酸捕捉剤(C)がグリシジルエーテル化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 冷凍機油が、さらに極圧剤(D)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 極圧剤(D)の含有量が、冷凍機油全量基準で0.1〜5質量%である請求項6に記載の冷凍機油。
- 極圧剤(D)がリン酸エステルである請求項6又は7に記載の冷凍機油。
- 構成単位(a1)が、下記一般式(1)で表される請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷凍機油。
(上記一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。) - ポリビニルエーテル系化合物(A)が、構成単位(a1)と共に、構成単位(a1)とは異なる、下記一般式(2)で表される構成単位(a2)を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷凍機油。
(上記式(2)中、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。R7は、炭素数2〜10の2価の炭化水素基を示す。rは、0〜10の数を示す。R8は、炭素数1〜10の炭化水素基を示す。ただし、R7がエチレン基(−CH2CH2−)である場合、rが1であり、且つR8がメチル基となることは無い。) - 構成単位(a1)の含有量が、ポリビニルエーテル系化合物(A)の全構成単位(100モル%)基準で、10モル%以上70モル%以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- ポリビニルエーテル系化合物(A)は、40℃動粘度が10〜400mm2/sであるとともに、粘度指数が90以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 前記冷媒が、R32単独か、又はR32と、フッ化炭化水素冷媒、炭化水素冷媒、二酸化炭素及びアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種の冷媒との混合物である請求項1〜12のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の冷凍機油と、前記冷媒とを含有する、冷凍機用組成物。
- ジフルオロメタン(R32)を含む冷媒用の冷凍機油の製造方法であって、
側鎖にメトキシエチル基を有する構成単位(a1)を含むポリビニルエーテル系化合物(A)に、酸化防止剤(B)及び酸捕捉剤(C)からなる群から選択される少なくとも1種を配合して冷凍機油を製造する、冷凍機油の製造方法。
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