JP2017225978A - 鉄心の製造方法、鉄心の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備コストや消費電力の増大を招くことなく高精度の鉄心を製造することができる鉄心の製造方法、鉄心の製造装置を提供する。【解決手段】実施形態の製造方法によれば、上部金型2aと下部金型2bとを有するプレス2機を用い、上部金型2aと下部金型2bとの温度差を予め設定された基準温度範囲内に制御した状態で、母材となる電磁鋼板3をプレス加工して鉄心を製造する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、薄板状の鉄心片を積層して形成される鉄心の製造方法、鉄心の製造装置に関する。
従来、薄板状の鉄心片を積層して形成される鉄心が知られている。このような鉄心は、例えば特許文献1に記載されているように、薄板状の電磁鋼板をプレス機によりプレス加工つまりは打ち抜くことで形成されている。
特開平8−300060号公報
しかしながら、従来では、鉄心を高精度に打ち抜くために、プレス機の温度が均一となるように、また、運転時のプレス機の温度変化を抑制するために、建屋全体に及ぶような大がかりな空調設備やプレス機の設置場所を囲う高性能の断熱構造が必要となるとともに、昼夜を問わず24時間連続して空調を行う必要があり、設備コストや消費電力の増大を招いていた。
そこで、設備コストや消費電力の増大を招くことなく高精度の鉄心を製造することができる鉄心の製造方法、鉄心の製造装置を提供する。
実施形態の鉄心の製造方法は、上部金型と下部金型とを有するプレス機を用い、上部金型と下部金型との温度差を予め設定された基準温度範囲内に制御した状態で、母材となる電磁鋼板をプレス加工することにより、鉄心を製造する。
実施形態による鉄心の製造装置の構成を模式的に示す図 下部金型の一例を模式的に示す図 温度調整処理の流れを示す図 打ち抜き処理の流れを示す図
以下、実施形態について図1から図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の鉄心の製造装置1(以下、単に製造装置1と称する)は、プレス機2を備えている。このプレス機2は、上部金型2a、下部金型2b、上部金型2aを上下方向に移動させるスライダ2c等を有している。プレス機2の金型は、例えば下部金型2bの場合、図2に示すように、母材となる電磁鋼板3の移送方向(以下、X方向と称する)に複数設けられているとともに、電磁鋼板3の幅方向(X方向と垂直は方向)に千鳥状にP段、Q段の2列に並んだ複数のダイDが設けられている。
本実施形態の場合、ダイピッチつまりは下部金型2bのX方向の長さは、およそ2000mm超である。一方、上部金型2aには、図示は省略するが、下部金型2bの各ダイDに対応するパンチが設けられている。また、これら上部金型2aおよび下部金型2bは、硬度が比較的高く、且つ、線膨張係数が比較的小さい鋳物で形成されている。本実施形態では、上部金型2aおよび下部金型2bの線膨張係数は、およそ10.6×10−6/℃である。換言すると、上部金型2aおよび下部金型2bは、温度が変化すると寸法が変化する。
プレス機2は、図示しない制御装置によって上部金型2aを下方にスライドさせて下部金型2bとかみ合わせることにより、つまりは、ダイDとパンチとをかみ合わせることにより、所定の形状に電磁鋼板3を打ち抜く。本実施形態体の場合、製造装置1は、電磁鋼板3をX方向に所定の移動量で移送しつつ打ち抜くことにより、回転電機の固定子用の鉄心片と回転子用の鉄心片とを、連続的に形成する。
このとき、プレス機2には、所定温度の潤滑油が供給される。プレス機2に供給される潤滑油は、図1に示すように、温調器4によってその温度が調整される。プレス機2には、上部金型2aを移動させるスライダ2c(以下、便宜的に上部側とも称する)内で潤滑油を循環させるための循環経路5aと、下部金型2bが設けられている土台(以下、便宜的に下部側とも称する)内で潤滑油が循環する循環経路5bとが設けられている。
温調器4は、各循環経路5aに接続され、この循環経路5aを循環する潤滑油の温度を調整する上部側温調器4aと、循環経路5bに接続され、この循環経路5bを循環する潤滑油の温度を調整する下部側温調器4bとにより構成されている。つまり、本実施形態では、上部側温調器4aにより循環経路5aを循環する潤滑油の温度を調整することによって上部金型2aの温度を調整することができるとともに、下部側温調器4bにより循環経路5bを循環する潤滑油の温度を調整することによってプレス機2の温度を調整することができる。また、循環経路5aを循環する潤滑油と循環経路5bを循環する潤滑油とは、それぞれ個別の温度に調整可能となっている。なお、下部側温調器4bは、プレス機2の全体的な温度を調整する全体温調器としても機能する。
プレス機2に供給される薄板状の電磁鋼板3は、その厚みが0.5mm程度以下に形成された珪素鋼板等を巻回した状態のコイル3aとしてアンコイラー6に取り付けられている。この電磁鋼板3は、アンコイラー6から引き出されて上部金型2aと下部金型2bとの間をX方向に移動する。このため、電磁鋼板3は、プレス機2に供給される時点では、薄板状になっている。なお、図1では図示を省略しているが、アンコイラー6からプレス機2までの間には、電磁鋼板3を塑性変形させて巻癖を除去するいわゆるレベラー等も当然設けられている。
このようなプレス機2は、空調機7により空調される建屋8内(以下、構内とも称する)に設置されている。また、プレス機2は、打ち抜き時の騒音が建屋8内に響くことを防止するため、また、プレス機2を所定の温度に保つため、防音断熱壁を有するパッケージ9内(以下、室内とも称する)に設置されている。このパッケージ9内は、空調機10によって空調される。これら空調機7および空調機10は、それぞれの空調対象となる空間の温度を検出する構内温度センサ7a、室内温度センサ10aを有している。なお、空調機7および空調機10は、それぞれ複数台設けてもよい。
製造装置1は、上部金型2aの温度を検出する上部温度センサ11、下部金型2bの温度を検出する下部温度センサ12、プレス機2の直前において電磁鋼板3の温度を検出する鋼板温度センサ13を有している。本実施形態では、上部温度センサ11および下部温度センサ12は接触型の温度センサで構成されており、鋼板温度センサ13は非接触型の温度センサで構成されている。これら上部温度センサ11、下部温度センサ12および鋼板温度センサ13は、検出した温度を、無線通信経路14を介して、つまりは、無線通信方式にて制御端末15(制御部に相当する)に送信する。
この制御端末15は、表示部15a(報知部に相当する)およびランプ15b(報知部に相当する)を有している。この表示部15aは、各温度センサで検出した温度の経時変化や後述するアラームメッセージを表示する。ランプ15bは、後述するアラームを視覚的に報知する。なお、スピーカを設け、後述するアラームを音声にて報知するようにしてもよい。
また、制御端末15は、有線通信経路16を介して、つまりは、有線通信方式にて温調器4および鋼板用温調器17に接続されている。鋼板用温調器17は、電磁鋼板3をプレス機2の直前において、電磁鋼板3を非接触且つ下方からヒーターにより加熱、またはクーラーにより冷却する。これは、プレス機2の直前であれば電磁鋼板3は薄板状になっているため、容易に温度を調整できるためである。
ただし、鋼板用温調器17により電磁鋼板3を例えば加熱した際にパッケージ9内の温度に影響を与えることはないように、本実施形態では、鋼板用温調器17は、パッケージ9外に設置されている。一方で、打ち抜かれる時の電磁鋼板3の温度を精度よく検出するために、鋼板温度センサ13は、パッケージ9内に設置されている。
次に上記した構成の作用について説明する。
本実施形態の鉄心の製造方法には、図3に示す温度調整処理と、図4に示す打ち抜き処理とが含まれている。換言すると、製造装置1は、温度調整工程と打ち抜き工程とを実行かのうとなっている。なお、説明の簡略化のために温度調整処理と打ち抜き処理とを分けて説明するが、温度調整処理および打ち抜き処理は並行して実行されている。
製造装置1は、図3に示すように、プレス機2が設置されている設置場所の温度、本実施形態ではパッケージ9内の温度を検出し(S1)、上部金型2aの温度を検出し(S2)、下部金型2bの温度を検出し(S3)、電磁鋼板3の温度を検出する(S4)。このとき、パッケージ9内の温度は室内温度センサ10aにより検出され、上部金型2aの温度は上部温度センサ11によって検出され、下部金型2bの温度は下部温度センサ12によって検出され、電磁鋼板3の温度は鋼板温度センサ13によって検出される。なお、各温度を検出する順番は、前後してもよい。
そして、製造装置1は、いずれかの温度差が予め設定されている基準温度範囲、本実施形態では1℃を超えているか否かを判定する(S5)。このとき、製造装置1は、以下の温度差を判定している。
・上部温度センサ11によって検出される上部金型2aの温度と下部温度センサ12によって検出されるプレス機2つまりは下部金型2bの温度との温度差。
・鋼板温度センサ13によって検出される電磁鋼板3の温度と、上部金型2aの温度および下部金型2bの温度との温度差。
製造装置1は、いずれかの温度差が基準温度範囲である1℃を超えていると判定した場合には(S5:YES)、その旨を報知する(S6)。このとき、製造装置1は、制御端末15の表示部15aに「温度差が1℃を超えています」といったアラームメッセージを表示したり、ランプ15bを点灯させたりすることにより、温度差が基準温度範囲を超えている旨を例えば作業者に報知する。
一方、製造装置1は、温度差が基準温度範囲内であると判定した場合(S5:YES)、および、上記した報知を行った場合には、温度を調整する(S7)。このとき、製造装置1は、基準温度範囲を超えた温度差が生じた部位に対して、温度差が基準温度範囲内となるように温度を調整する。
具体的には、製造装置1は、上部金型2aの温度と下部金型2bの温度との温度差が基準温度範囲を超えている場合には、上部金型2aまたは下部金型2bの温度を調整する。本実施形態では、熱容量が小さく温度調整が相対的にし易い上部金型2aの温度を調整する構成となっている。例えば、製造装置1は、上部金型2aの温度が下部金型2bの温度よりも1℃を超えて高い場合には、上部側温調器4aに対して潤滑油の温度を下げる制御を行う。あるいは、製造装置1は、例えば上部金型2aの温度が下部金型2bの温度よりも1℃を超えて低い場合には、上部側温調器4aに対して潤滑油の温度を上げる制御を行う。
また、製造装置1は、電磁鋼板3の温度と上部金型2aの温度および下部金型2bの温度との温度差が基準温度範囲を超えている場合には、上記したようにその厚みが薄く熱による温度変化を比較的生じさせ易い電磁鋼板3の温度を調整する。具体的には、製造装置1は、電磁鋼板3の温度が1℃を超えて高い場合には鋼板用温調器17に対して電磁鋼板3を冷却するよう制御し、電磁鋼板3の温度が1℃を超えて低い場合には、鋼板用温調器17に対して電磁鋼板3を加熱するよう制御する。
ここで、温度調整の具体な設定例について説明する。本実施形態では、パッケージ9内の温度は27℃に設定されている。そして、上部金型2aの温度を調整するための潤滑油の温度は、22℃に設定されている。また、下部金型2bの温度を調整するための潤滑油の温度は、26℃に設定されている。つまり、温度を調節する際の設定温度は、上部金型2aに対する設定温度<下部金型2bに対する設定温度<設置場所に対する設定温度、のように設定されている。
設定温度をこのような関係とすることにより、本実施形態の製造装置1においては、上部金型2aの温度と下部金型2bの温度との温度差を1℃以内に概ね収めることが試験により確認できた。ただし、この設定温度は一例であり、上記したステップS7では、パッケージ9内の温度あるいは建屋8内の温度に応じて設定温度を変更する等、温度差を1℃以内に収めるための処理が行われる。
なお、現時点での温度差が1℃以下であっても、時系列でみた場合に温度差が徐々に拡大している場合等には、将来的に1℃を超えることが予想される。例えば、ステップS1にて検出したパッケージ9内の温度が徐々に上昇している場合等がこれに相当する。そのため、本実施形態では、温度差が1℃以内の状態を維持できるようにするために、温度差が1℃以下であると判定した場合(S5:YES)であってもステップS7に移行することにより、温度差が基準温度範囲を超えないような温度調整を可能とする構成としている。
これにより、温度差が1℃を超えるおそれを低減することができる。ただし、時系列でみた場合に温度差の変化が少なく、特には温度調整する必要が無いと判定されるような状況においては、ステップS7に移行した場合であっても、実質的な処理は行なわないこともありえる。
その後、製造装置1は、ステップS1に移行し、温度の検出、温度差の判定および温度の調整を繰り返す。なお、図3には示していないが、この温度調整処理は、コイル3aの交換時や終業時間になった等、電磁鋼板3の打ち抜きが中断あるいは終了されると、終了する。
一方、製造装置1は、温度調整処理と並行して、図4に示す打ち抜き処理を実行している。具体的には、製造装置1は、X方向に所定量だけ電磁鋼板3を移動させた後(S10)、上部金型2aをスライドさせて下部金型2bとかみ合わせることにより電磁鋼板3を打ち抜く(S11)。これにより、本実施形態では、回転子用の鉄心片まず電磁鋼板3から打ち抜かれ、その後、巻線用のスロットが形成された固定子用の鉄心が電磁鋼板3から打ち抜かれる。なお、打ち抜かれた鉄心は、周知のように、積層されて回転子鉄心や固定子鉄心となる。
このように、本実施形態の製造装置1は、上部金型2a、下部金型2bおよび電磁鋼板3について、それぞれの温度を調整した状態で、より具体的には、上部金型2a、下部金型2bおよび電磁鋼板3の温度差を基準温度範囲となるように制御している状態で、電磁鋼板3を打ち抜いて鉄心を製造している。
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
上記した製造方法では、上部金型2aと下部金型2bとを有するプレス機2を用い、上部金型2aと下部金型2bとの温度差を予め設定された基準温度範囲内に制御した状態で、母材となる電磁鋼板3をプレス加工して鉄心を製造する。
上部金型2aおよび下部金型2bは、上記したように、温度が変化するとその寸法が変化する。そのため、例えば上部金型2aが25℃且つ下部金型2bが20℃の状態で打ち抜かれた鉄心と、上部金型2aが20℃且つ下部金型2bが20℃の状態で打ち抜かれた鉄心とでは、その寸法が異なってしまう。その一方で、上部金型2aと下部金型2bとを同じ温度とするためには、主として金属製のプレス機2全体の温度が均一になるように大がかりな空調設備にて昼夜連続して空調を行う必要がある等、設備コストや消費電力の増大を招いていた。
そこで、上部金型2aと下部金型2bとの温度差を基準温度範囲内に制御することにより、上部金型2aと下部金型2bとの寸法差を許容範囲内に抑制する。そして、その状態で電磁鋼板3を打ち抜くことにより、上部金型2aと下部金型2bとの寸法差に起因する鉄心の寸法精度のずれを抑制することができる。この場合、温度調整するのは上部金型2aおよび下部金型2bであるので、大がかりな空調設備や昼夜連続の空調を行う必要がない。したがって、設備コストや消費電力の増大を招くことなく高精度の鉄心を製造することができる。
上記した製造方法では、電磁鋼板3を加熱または冷却する鋼板用温調器17を用い、電磁鋼板3と上部金型2aおよび/または下部金型2bとの温度差を基準温度範囲内に制御した状態で、電磁鋼板3をプレス加工して鉄心を形成する。
電磁鋼板3は、打ち抜かれたときの温度が異なると、規定温度における寸法にばらつきが生じることがある。具体的には、上記したように上部金型2aと下部金型2bとの寸法差が抑制されている状態であっても、例えば金型が20℃且つ電磁鋼板3が20℃の状態で打ち抜かれた鉄心と、金型が20℃且つ電磁鋼板3が25℃の状態で打ち抜かれた鉄心とでは、規定温度における寸法にずれが生じるおそれがある。
そこで、鋼板用温調器17を用いて電磁鋼板3と金型との温度差を基準温度範囲内に制御することにより、つまり、電磁鋼板3と金型とがほぼ同じ温度となるように制御することにより、規定温度における寸法のずれを抑制することができる。具体的には、例えば金型が20℃且つ電磁鋼板3が20℃の状態で打ち抜かれた鉄心と、金型が25℃且つ電磁鋼板3が25℃の状態で打ち抜かれた鉄心とであれば、温度による寸法変化が打ち抜き時に吸収されることになり、規定温度における寸法にずれが生じなくなる。
このとき、電磁鋼板3はその厚みが薄いことから温度による影響を比較的受け易いため、鋼板用温調器17を用いることによって、つまりは、電磁鋼板3の温度が金型の温度となるような構成によって、容易に電磁鋼板3と金型との温度差を基準温度範囲内に制御することができる。
上記した製造方法では、報知部(表示部15a、ランプ15b)を用い、温度差が基準温度範囲を超えた場合に、その旨を報知する。これにより、寸法精度が低下するおそれがある状態を作業者に報知することができる。この場合、ステップS5において例えば温度差の時系列での変化に基づいて、温度差が基準温度範囲を超える可能性があるか判定し、超える可能性がある場合に報知するようにしてもよい。
また、上記した製造装置1は、上部金型2aと下部金型2bとを有し、電磁鋼板3をプレス加工するプレス機2と、上部金型2aの温度を調整する上部側温調器4aと、下部金型2bの温度を調整する下部側温調器4bと、上部側温調器4aおよび下部側温調器4bを制御することにより上部金型2aと下部金型2bとの温度差を基準温度範囲内に制御する制御端末15と、を備える。
このような製造装置1により電磁鋼板3を打ち抜いて鉄心を製造することにより、上記した製造方法と同様に、設備コストや消費電力の増大を招くことなく高精度の鉄心を製造することができる。
ところで、本実施形態の製造装置1および製造方法によれば、上記した効果に加えて、以下に説明するように、作業効率の改善および生産コストの削減に大きく寄与する効果をも得ることができる。
前述のように、上部金型2aおよび下部金型2bは、電磁鋼板3の移送方向における長さが2000mmを超えている。そして、その線膨張係数は、およそ10.6×10−6/℃である。この場合、上部金型2aの温度と下部金型2bの温度との温度差が1℃を超えると、上部金型2aおよび下部金型2bには、およそ21μm程度の寸法差が生じることになる。
上部金型2aおよび下部金型2bは、鉄心の寸法精度を高めるために、刃物同士つまりはダイDとパンチとのクリアランスが例えば20μm程度に設定されている。そのため、上部金型2aの温度と下部金型2bの温度との温度差が1℃を超えると、寸法差がクリアランスを超えてしまい、刃物同士が衝突して欠けが生じる。その場合、ダイプレートを交換する作業が必要となり、その間は作業ができないため作業効率が低下する。また、ダイプレートは比較的高価であるため、欠けが生じて交換すると製造コストが増加してしまう。
そこで、上部金型2aおよび下部金型2bとして電磁鋼板3の移送方向における長さが2000mmを超えるものを対象とし、基準温度範囲を1℃に設定することにより、寸法差がクリアランスを超えてしまうことを防止できる。そして、寸法差がクリアランスを超えてしまうことが防止できれば、上記した欠けが生じないことから、作業効率が低下したり、製造コストが増加したりすることを防止できる。すなわち、作業効率の改善および生産コストの削減に大きく寄与することができる。
このとき、報知部を用い、温度差が基準温度範囲を超えた場合、あるいは、時系列でみた場合の変化割合から温度差が基準温度範囲を超える可能性がある場合にその旨を報知することにより、刃物が欠けるおそれをより一層低減することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に示した構成や構造を任意に変形あるいは組み合わせることができる。
実施形態では空調機7、10が有する構内温度センサ7a、10aを利用する形態を例示したが、建屋8内やパッケージ9内の温度を検出するための専用のセンサを設けてもよい。
実施形態では電磁鋼板3の温度と、上部金型2a温度および下部金型2bの温度との温度差を判定する例を示したが、電磁鋼板3の温度と上部金型2aの温度との温度差、または、電磁鋼板3の温度と下部金型2bの温度との温度差を判定したり、電磁鋼板3の温度と上部金型2aおよび下部金型2bのいずれか一方の温度との温度差を判定したりする構成としてもよい。
実施形態ではステップS1にて検出されるパッケージ9内の温度を加味しない例を示したが、パッケージ9内の温度を、温度調整用つまりは温度変化を予測するためのパラメータとして用いてもよい。すなわち、ステップS1にて検出したパッケージ9内の温度の時系列の変化に基づいてプレス機2や電磁鋼板3に生じる温度変化を予測し、プレス機2や電磁鋼板3に生じる温度変化を抑制するような制御方法を採用してもよい。
より具体的に言えば、単に上部金型2aと下部金型2bとの温度差を基準温度範囲内に制御するだけでなく、上部金型2aと下部金型2bの温度変化を抑制する制御方法を採用してもよい。また、パッケージ9内の温度に代えて、あるいは、パッケージ9内の温度に加えて、建屋8内の温度を検出し、建屋8内の温度をパラメータとして用いてもよい。
実施形態では説明を省略したが、打ち抜かれた鉄心は、寸法測定機を用いてその寸法精度が検査される。そのため、寸法測定機の温度測定子にて鉄心の温度を測定し、鉄心の寸法を測定し、鉄心の温度から温度補正を行った場合の鉄心の寸法を算出し、それを時系列で記憶することにより、母材の状態から鉄心として打ち抜かれるまでの温度調整において、各温調器に対する設定温度の最適設定化が可能となる。この場合、制御端末15の記憶部(図示省略)に最適設定を記憶しておき、その最適設定に近づけるように温度調整処理を行えばよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は製造装置(鉄心の製造装置)、2はプレス機、2aは上部金型、2bは下部金型、3は電磁鋼板、4は温調器、4aは上部側温調器、4bは下部側温調器、15は制御端末(制御部)、15aは表示部(報知部)、15bはランプ(報知部)を示す。

Claims (5)

  1. 上部金型と下部金型とを有するプレス機を用い、前記上部金型と前記下部金型との温度差を予め設定された基準温度範囲内に制御した状態で、母材となる電磁鋼板をプレス加工することを特徴とする鉄心の製造方法。
  2. 前記電磁鋼板を加熱または冷却する鋼板用温調器を用い、前記電磁鋼板と前記上部金型および/または前記下部金型との温度差を、前記基準温度範囲内に制御した状態で、前記電磁鋼板をプレス加工することを特徴とする請求項1記載の鉄心の製造方法。
  3. 報知部を用い、温度差が前記基準温度範囲を超えた場合、または、温度差が前記基準温度範囲を超える可能性がある場合に、その旨を報知することを特徴とする請求項1または2記載の鉄心の製造方法。
  4. 前記上部金型および下部金型として前記電磁鋼板の移送方向における長さが2000mmを超えるものを対象とし、前記基準温度範囲を1℃に設定したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の鉄心の製造方法。
  5. 上部金型と下部金型とを有し電磁鋼板をプレス加工するプレス機と、
    前記上部金型の温度を調整する上部側温調器と、
    前記下部金型の温度を調整する下部側温調器と、
    前記上部側温調器および前記下部側温調器を制御することにより、前記上部金型と前記下部金型との温度差を予め設定された基準温度範囲内に制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする鉄心の製造装置。
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