JP2017222108A - 繊維強化樹脂材料の製造方法 - Google Patents

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由貴廣 水鳥
Yukihiro Mizudori
由貴廣 水鳥
禎雄 鮫島
Sadao Samejima
禎雄 鮫島
惇二 金羽木
Junji KANEHAGI
惇二 金羽木
肇 奥津
Hajime Okutsu
肇 奥津
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Abstract

【課題】繊維束に生じる毛羽に起因する工程中の不具合発生の可能性を容易に判断できる繊維強化樹脂材料の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】長尺の繊維束を開繊部50により開繊して幅方向に拡幅し、分繊部52により分繊して幅方向に分割し、開繊後の繊維束を裁断機13により連続的に裁断し、裁断された複数の繊維束で形成されたシート状繊維束群Fに樹脂を含浸して繊維強化樹脂材料を製造する方法において、開繊と前記裁断の間で測定部60によって繊維束に生じた毛束量を測定する、繊維強化樹脂材料の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化樹脂材料の製造方法に関する。
SMC(Sheet Molding Compound)は、例えばガラス繊維や炭素繊維等の長尺の強化繊維を所定の長さに裁断した複数の繊維束で形成されたシート状繊維束群に、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維強化樹脂材料である。SMCは成形品を得るための中間材料として用いられ、金型による成形時に流動しやすい性質を有する。そのため、SMCは、成形品において部分的に肉厚の異なる部分や、リブやボス等を形成する際に好適に利用されている。
SMCは、例えば、以下の方法で製造される。一方向に搬送されるシート状のキャリア上に熱硬化性樹脂を含むペーストを塗工して帯状の樹脂シートを形成する。走行する樹脂シート上に、長尺の繊維束を所定の長さに裁断しつつ散布してシート状繊維束群を形成する。該シート状繊維束群上に樹脂シートをさらに重ね、加圧して樹脂を該シート状繊維束群に含浸させて繊維強化樹脂材料(SMC)とする。
繊維強化樹脂材料の製造には、製造コストを下げる目的で、比較的安価なラージトウと呼ばれるフィラメント本数の多い繊維束が用いられることが多い。この場合、例えば、繊維束を開繊により幅方向に拡幅した後、開繊された繊維束を分繊して複数の繊維束に分割し、分繊された繊維束を裁断する(例えば、特許文献1、2)。
米国特許出願公開第2012/0213997号明細書 特開2006−219780号公報
しかし、特許文献1、2のような繊維束に対して開繊を行う方法では、繊維束に毛羽が生じることでガイドロール等に巻き付きやすくなるため、工程中で不具合が生じることがある。
本発明は、繊維束に生じる毛羽に起因する工程中の不具合発生の可能性を容易に判断できる繊維強化樹脂材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]長尺の繊維束を開繊により幅方向に拡幅し、開繊後の繊維束を連続的に裁断し、裁断された複数の繊維束で形成したシート状繊維束群に樹脂を含浸して繊維強化樹脂材料を製造する方法において、前記開繊と前記裁断の間で繊維束に生じた毛束量を測定する、繊維強化樹脂材料の製造方法。
[2]開繊した繊維束を一旦回収した後、その回収物から繊維束を引き出して裁断を行い、かつ前記毛束量の測定を開繊した繊維束を回収する前に行う、[1]に記載の繊維強化樹脂材料の製造方法。
[3]開繊した繊維束を分繊により幅方向に分割してから裁断する、[1]又は[2]に記載の繊維強化樹脂材料の製造方法。
本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法によれば、繊維束に生じる毛羽に起因する工程中の不具合発生の可能性を容易に判断できる。
本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法に用いる製造装置の一例を示した概略構成図である。 図1における測定部近傍を拡大した図であって、図2(A)は斜視図であり、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。 本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法に用いる製造装置の他の例を示した概略構成図である。 本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法に用いる製造装置の他の例を示した概略構成図である。 実施例1における経過時間と遮光量との関係を示したグラフである。
本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法は、長尺の繊維束を開繊により幅方向に拡幅し、開繊後の繊維束を連続的に裁断し、裁断された複数の繊維束で形成したシート状繊維束群に樹脂を含浸して繊維強化樹脂材料(SMC)を製造する方法において、開繊と裁断の間で繊維束に生じた毛束量を測定する方法である。
(繊維強化樹脂材料の製造装置)
以下、本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法に用いる製造装置の一例について、図1及び図2に基づいて説明する。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、必要に応じてこのXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。
本実施形態の繊維強化樹脂材料の製造装置100(以下、単に「製造装置100」という。)は、図1に示すように、開繊部50と、分繊部52と、測定部60と、複数のゴデットロール19と、裁断機13と、第1のキャリアシート供給部11と、第1の搬送部20と、第1の塗工部12と、第2のキャリアシート供給部14と、第2の搬送部28と、第2の塗工部15と、含浸部16と、を備えている。製造装置100においては、開繊部50と、分繊部52と、測定部60と、複数のゴデットロール19と、裁断機13とがこの順に設けられている。
開繊部50は、ボビンB1からX軸方向に引き出された長尺の繊維束f1を開繊により幅方向(Y軸方向)に拡幅し、扁平な状態とする部分である。開繊部50は、X軸方向に間隔を空けて並んで設けられた複数の開繊バー17を備えている。複数の開繊バー17は、それぞれ軸方向がY軸方向となるように配置され、繊維束f1が各開繊バー17の上下を順にジグザグに通過するようになっている。この際に、各開繊バー17による加熱、擦過、揺動等の手段により繊維束f1が幅方向に拡幅される。繊維束f1が開繊されることで、扁平な状態の繊維束f2とされる。
分繊部52は、開繊後の繊維束を分繊により幅方向(Y軸方向)に分割する部分である。分繊部52は、開繊部50の後段に配置されており、複数の回転刃18を備えている。複数の回転刃18は、開繊された繊維束f2の幅方向(Y軸方向)に所定の間隔で並んで配置されている。また、各回転刃18には、複数の刃物18aが周方向に連なって並んで設けられている。回転刃18を回転させながら繊維束f2を通過させることで、繊維束f2に複数の刃物18aが間欠的に突き刺さり、繊維束f2が幅方向に分割されて複数の繊維束f3となる。ただし、分繊された複数の繊維束f3は、完全に分繊された状態となっていてもよく、部分的に未分繊の状態(結合した状態)となっていてもよい。
測定部60は、開繊後の繊維束に生じた毛束量を測定する部分である。この例の測定部60は、分繊部52とゴデットロール19の間において2つのガイドロール40,40により繊維束f3がX軸方向に走行している部分に配置されている。このように、開繊部50で開繊され、分繊部52で分繊された繊維束f3における毛束量が測定部60によって測定されるようになっている。
この例の測定部60は、図2(A)及び図2(B)に示すように、レーザー光Lを発する発光部62と、発光部62から発せられたレーザー光Lを受光する受光部64と、受光部64と電気的に接続され、受光部64で受光した光量データを処理する処理部66とを備えている。発光部62と受光部64は、繊維束f3の幅方向(Y軸方向)における繊維束f3の両側に、発光部62から発せられたレーザー光Lが繊維束f3の上面よりも上を通って受光部64で受光されるように設置されている。X軸方向に走行する繊維束f3の上面から上方に向かって生じた毛羽Eが発光部62と受光部64の間を通過すると、レーザー光Lが一時的に遮断される。そのため、処理部66において受光部64で受光するレーザー光Lの遮光量を連続的に測定することで、毛羽Eの量を測定することができる。
繊維束の上面と、該上面の上方を通過するレーザー光との距離は、0.1〜30mmが好ましく、1〜20mmがより好ましい。前記距離が下限値以上であれば、走行時に波打った繊維束によってレーザー光が遮光されることが抑制されるため、測定誤差が小さくなり、毛羽量をより安定して定量できる。前記距離が上限値以下であれば、毛丈が短い毛羽や、傾斜した毛羽も充分に測定できるため、毛羽量をより安定して定量できる。
なお、前記の繊維束の上面とレーザー光との距離は、繊維束の走行が停止している状態での距離を意味する。
なお、測定部60としては、この例の態様には限定されない。例えば、発光部62と受光部64とを、繊維束f3の幅方向(Y軸方向)における繊維束f3の両側に、発光部62から発せられたレーザー光Lが繊維束f3の下面よりも下を通って受光部64で受光されるように設置してもよい。この場合、レーザー光を繊維束の上方に通過させる場合と同様の理由から、繊維束の下面と、該下面の下方を通過するレーザー光との距離は、0.1〜30mmが好ましく、1〜20mmがより好ましい。なお、前記の繊維束の下面とレーザー光との距離は、繊維束の走行が停止している状態での距離を意味する。
開繊時に繊維束に生じる毛羽は、通常、開繊バー17と接する繊維束の上面及び下面から上下方向(厚み方向)に生じる。そのため、測定部60として、この例のようなレーザー光を利用するレーザセンサを用いる場合は、上記のように繊維束の上方又は下方をレーザー光が通過し、該レーザー光の毛羽による遮断に起因する遮光量から毛羽量を測定することが好ましい。これにより、繊維束に生じた毛羽量をより安定して定量できる。
なお、測定部としては、繊維束の表面を撮像し、撮像した画像を解析して毛羽量を測定する画像解析手段を用いてもよい。
第1のキャリアシート供給部11は、第1の原反ロールR1から引き出された長尺の第1のキャリアシートC1を第1の搬送部20へと供給する。第1の搬送部20は、一対のプーリ21a,21bの間に無端ベルト22を掛け合わせたコンベア23を備えている。コンベア23では、一対のプーリ21a,21bを同一方向に回転させることによって無端ベルト22を周回させ、無端ベルト22の面上において第1のキャリアシートC1をX軸方向の右側に向けて搬送する。
第1の塗工部12は、第1の搬送部20におけるプーリ21a側の直上に位置しており、樹脂を含むペーストPを供給するコータ24を備えている。第1のキャリアシートC1がコータ24を通過することで、第1のキャリアシートC1の面上にペーストPが所定の厚みで塗工され、第1樹脂シートS1が形成される。第1樹脂シートS1は、第1のキャリアシートC1の搬送に伴って走行する。
裁断機13は、第1の塗工部12よりも搬送方向の後段において、第1のキャリアシートC1の上方に位置している。裁断機13は、複数のゴデットロール19で案内された繊維束f3を所定の長さに連続的に裁断するものであり、ガイドロール25と、ピンチロール26と、カッターロール27とを備えている。ガイドロール25は、供給された繊維束f3を回転しながら下方に向けて案内する。ピンチロール26は、ガイドロール25との間で繊維束f3を挟み込みながら、ガイドロール25とは逆向きに回転する。これにより、ボビンB1から繊維束f1が引き出される。カッターロール27は、回転しながら繊維束f3を所定の長さとなるように裁断する。裁断機13により所定の長さに裁断された繊維束f4は落下して第1樹脂シートS1の上に散布され、シート状繊維束群Fが形成される。
第2のキャリアシート供給部14は、第2の原反ロールR2から引き出された長尺の第2のキャリアシートC2を第2の搬送部28へと供給する。第2の搬送部28は、コンベア23により搬送される第1のキャリアシートC1の上方に位置しており、複数のガイドロール29を備えている。第2の搬送部28は、第2のキャリアシート供給部14から供給された第2のキャリアシートC2を、第1のキャリアシートC1とは反対方向(X軸方向の左側)に搬送した後、搬送方向を複数のガイドロール29によって第1のキャリアシートC1と同じ方向に反転させる。
第2の塗工部15は、第1のキャリアシートC1とは反対方向に搬送されている第2のキャリアシートC2の直上に位置し、樹脂を含むペーストPを供給するコータ30を備えている。第2のキャリアシートC2がコータ30を通過することで、第2のキャリアシートC2の面上にペーストPが所定の厚みで塗工され、第2樹脂シートS2が形成されるようになっている。第2樹脂シートS2は、第2のキャリアシートC2の搬送に伴って走行する。
含浸部16は、シート状繊維束群F上に第2樹脂シートS2を貼り合せて加圧し、シート状繊維束群Fに樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材料とする部分である。含浸部16は、第1の搬送部20における裁断機13よりも後段に位置し、貼合機構31と、加圧機構32とを備えている。貼合機構31は、コンベア23のプーリ21bの上方に位置し、複数の貼合ロール33を備えている。複数の貼合ロール33は、第2樹脂シートS2が形成された第2のキャリアシートC2の背面に接触した状態で搬送方向に並んで配置されている。また、複数の貼合ロール33は、第1のキャリアシートC1に対して第2のキャリアシートC2が徐々に接近するように配置されている。
貼合機構31では、第1のキャリアシートC1と第2のキャリアシートC2とが、その間に第1樹脂シートS1、シート状繊維束群F及び第2樹脂シートS2を挟み込んだ状態で重ね合わされながら搬送される。ここで、第1樹脂シートS1、シート状繊維束群F及び第2樹脂シートS2を挟み込んだ状態で第1のキャリアシートC1と第2のキャリアシートC2が貼合されたものを貼合シートS3という。
加圧機構32は、貼合機構31の後段に位置し、一対のプーリ34a,34bの間に無端ベルト35aを掛け合わせた下側コンベア36Aと、一対のプーリ34c,34dの間に無端ベルト35bを掛け合わせた上側コンベア36Bとを備えている。下側コンベア36Aと上側コンベア36Bとは、互いの無端ベルト35a,35bを突き合わせた状態で、互いに対向して配置されている。
加圧機構32では、下側コンベア36Aの一対のプーリ34a,34bが同一方向に回転されることによって無端ベルト35aが周回される。また、上側コンベア36Bの一対のプーリ34c,34dを同一方向に回転させることによって、無端ベルト35bが無端ベルト35aと同じ速さで逆向きに周回される。これにより、無端ベルト35a,35bの間に挟み込まれた貼合シートS3がX軸方向の右側に搬送される。
加圧機構32には、さらに複数の下側ロール37aと、複数の上側ロール37bとが設けられている。複数の下側ロール37aは、無端ベルト35aの突合せ部分の背面に接触した状態で搬送方向に並んで配置されている。複数の上側ロール37bは、無端ベルト35bの突き合わせ部分の背面に接触した状態で搬送方向に並んで配置されている。また、複数の下側ロール37aと複数の上側ロール37bとは、貼合シートS3の搬送方向に沿って互い違いに並んで配置されている。
加圧機構32では、無端ベルト35a,35bの間を貼合シートS3が通過する間に、第1のキャリアシートC1と第2のキャリアシートC2との間に挟み込まれた第1樹脂シートS1、シート状繊維束群F及び第2樹脂シートS2を複数の下側ロール37a及び複数の上側ロール37bにより加圧する。このとき、第1樹脂シートS1及び第2樹脂シートS2の樹脂がシート状繊維束群Fに含浸される。これにより、繊維強化樹脂材料(SMC)の原反Rが得られる。原反Rは、所定の長さに切断して成形に使用することができる。なお、第1のキャリアシートC1及び第2のキャリアシートC2は、SMCの成形前にSMCから剥離される。
(繊維強化樹脂材料の製造方法)
以下、本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法の一例として、製造装置100を用いる方法について説明する。本実施形態の繊維強化樹脂材料の製造方法は、下記の開繊工程、分繊工程、測定工程、散布工程及び貼合含浸工程を有する。
開繊工程:長尺の繊維束f1を開繊して幅方向に拡幅し、扁平な状態の繊維束f2とする。
分繊工程:開繊後の繊維束f2を分繊して幅方向に分割し、繊維束f3とする。
測定工程:開繊及び分繊後の繊維束f3の毛羽量を測定する。
散布工程:測定工程の後、繊維束f3を連続的に裁断し、樹脂をシート状にした第1樹脂シートS1上に、裁断された複数の繊維束f4をシート状に散布してシート状繊維束群Fを形成する。
貼合含浸工程:シート状繊維束群F上に、樹脂をシート状にした第2樹脂シートS2を貼り合わせて加圧し、シート状繊維束群Fに樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材料を得る。
<開繊工程>
ボビンB1から長尺の繊維束f1を引き出し、開繊部50において、繊維束f1を各開繊バー17の上下に順にジグザグに通過させ、開繊により幅方向に拡幅して扁平な状態の繊維束f2とする。
繊維束としては、炭素繊維束が好ましい。なお、繊維束としては、ガラス繊維束を用いてもよい。繊維束としては、特に限定されず、例えば、繊維数が3,000本以上の繊維束を用いることができ、繊維数が12,000本以上の繊維束を好適に使用することができる。繊維束には、通常、各繊維の収束性を高める目的でサイズ剤が付与されている。サイズ剤としては、特に限定されず、公知のサイズ剤を使用することができる。
<分繊工程>
分繊部52において、複数の回転刃18を回転させながら繊維束f2を通過させ、複数の刃物18aを間欠的に突き刺し、繊維束f2を幅方向に分割して複数の繊維束f3とする。
<測定工程>
開繊及び分繊後の繊維束f3をガイドロール40,40によりX軸方向に搬送しつつ、測定部60によって繊維束f3に生じた毛羽量を測定する。毛羽量の測定後の繊維束f3を複数のゴデットロール19により裁断機13へと案内する。
測定工程での測定データは、いずれかの工程にフィードバックし、工程中の不具合が発生するおそれがある毛羽量が検知された場合に製造条件を変更して、毛羽量を低減できるようにすることが好ましい。例えば、測定工程における毛羽量の測定データを開繊工程にフィードバックし、工程中の不具合が発生するおそれがある毛羽量が検知された場合に開繊工程における工程速度を低下させる方法が挙げられる。開繊工程における工程速度が遅いほど、開繊時の毛羽の発生は抑制されやすい。また、本実施形態のように分繊工程を行う場合は、開繊工程と同時に分繊工程の工程速度も低下させることで、繊維束に毛羽がより発生しにくくなる。
<散布工程>
第1のキャリアシート供給部11により、第1の原反ロールR1から長尺の第1のキャリアシートC1を引き出して第1の搬送部20へと供給し、第1の塗工部12によりペーストPを所定の厚みで塗工して第1樹脂シートS1を形成する。第1の搬送部20によって第1のキャリアシートC1を搬送することにより、第1のキャリアシートC1上の第1樹脂シートS1を走行させる。
ペーストPに含まれる樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。ペーストPには、炭酸カルシウム等の充填剤や、低収縮化剤、離型剤、硬化開始剤、増粘剤等を配合してもよい。
複数のゴデットロール19によって案内されてきた繊維束f3を裁断機13において所定の長さとなるように連続的に裁断し、裁断された繊維束f4を第1樹脂シートS1の上に落下させて散布する。これにより、走行する第1樹脂シートS1上に、各繊維束f4がランダムな繊維配向で散布されたシート状繊維束群Fが連続的に形成される。
<貼合含浸工程>
第2のキャリアシート供給部14により、第2の原反ロールR2から長尺の第2のキャリアシートC2を引き出して第2の搬送部28へと供給する。第2の塗工部15により、第2のキャリアシートC2の面上にペーストPを所定の厚みで塗工し、第2樹脂シートS2を形成する。
第2のキャリアシートC2を搬送することで第2樹脂シートS2を走行させ、含浸部16において、貼合機構31によりシート状繊維束群F上に第2樹脂シートS2を貼り合わせる。そして、加圧機構32により第1樹脂シートS1、シート状繊維束群F及び第2樹脂シートS2を加圧し、第1樹脂シートS1及び第2樹脂シートS2の樹脂をシート状繊維束群Fに含浸させる。これにより、繊維強化樹脂材料が第1のキャリアシートC1と第2のキャリアシートC2で挟持された原反Rが得られる。
以上説明したように、本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法においては、開繊と裁断の間で繊維束に生じた毛羽量を測定する。これにより、繊維強化樹脂材料の製造において、ガイドロールへの巻き付き等、繊維束に生じる毛羽に起因する工程中の不具合発生の可能性を容易に判断できる。また、毛羽量の測定結果をフィードバックして製造条件を変更することで、毛羽が発生した際にリアルタイムで対応して毛羽の発生を抑制することができる。
なお、本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法は、前記した製造装置100を用いる方法には限定されない。例えば、製造装置100を用いる製造方法では開繊した繊維束をそのまま裁断機へと供給していたが、本発明においては、開繊した繊維束を裁断前に一旦回収してもよい。具体的には、例えば、図3及び図4に例示した繊維強化樹脂材料の製造装置200(以下、「製造装置200」という。)を用いる方法であってもよい。図3及び図4における図1と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
製造装置200は、第1製造装置1と第2製造装置2とを備えている。
第1製造装置1は、開繊部50と、分繊部52と、測定部60と、複数のゴデットロール19と、回収部58とをこの順に備えている。回収部58は、分繊後の繊維束f3をボビンB2に巻き取ることができるようになっている。
第2製造装置2は、第1のキャリアシート供給部11と、第1の搬送部20と、第1の塗工部12と、裁断機13と、第2のキャリアシート供給部14と、第2の搬送部28と、第2の塗工部15と、含浸部16と、を備えている。第2製造装置2では、裁断機13の前段に、ボビンB2に巻き取って回収した回収物59から引き出した繊維束f3を裁断機13へと案内するガイドロール38が設けられている。第2製造装置2においては、ボビンB2に巻き取って回収した回収物から引き出した繊維束f3を裁断機13へと供給し、所定の長さに連続的に裁断するようになっている。
本実施形態の第2製造装置では、Y軸方向において複数の回収物を設置し、それら複数の回収物からそれぞれ繊維束を引き出して裁断機へと案内するようにしてもよい。この場合には、それらの回収物を同一のロールに設置して引き出すよりも、それぞれ個別のロールに設置して引き出すようにすることが好ましい。この例では、Y軸方向において、繊維束f3を回収した複数の回収物59を個別のロールにそれぞれ設置して繊維束f3を引き出すことが好ましい。これにより、それぞれの回収物における繊維束の長さが異なっていても、それぞれの個別ロールにおいて交換作業等が容易に行える。
製造装置200を用いる繊維強化樹脂材料の製造方法は、下記の開繊工程、分繊工程、測定工程、回収工程、散布工程及び貼合含浸工程を有する。
開繊工程:長尺の繊維束f1を開繊して幅方向に拡幅し、扁平な状態の繊維束f2とする。
分繊工程:開繊後の繊維束f2を分繊して幅方向に分割し、繊維束f3とする。
測定工程:開繊及び分繊後の繊維束f3の毛羽量を測定する。
回収工程:測定工程後の繊維束f3をボビンB2に巻き取って一旦回収し、回収物59を得る。
散布工程:回収物59から繊維束f3を引き出して連続的に裁断し、樹脂をシート状にした第1樹脂シートS1上に、裁断された複数の繊維束f4をシート状に散布してシート状繊維束群Fを形成する。
貼合含浸工程:シート状繊維束群F上に、樹脂をシート状にした第2樹脂シートS2を貼り合わせて加圧し、シート状繊維束群Fに樹脂を含浸させて繊維強化樹脂材料を得る。
製造装置200を用いる製造方法の開繊工程、分繊工程及び測定工程は、製造装置100を用いる製造方法の開繊工程、分繊工程及び測定工程と同様に行える。製造装置200を用いる製造方法では、測定工程後の繊維束f3をボビンB2に一旦巻き取って回収物59を得た後、散布工程において回収物59から引き出した繊維束f3を裁断してシート状繊維束群を形成する。これにより、散布工程及び貼合含浸工程の工程速度は、開繊工程及び分繊工程の工程速度と関係なく制御できる。そのため、一般に散布工程及び貼合含浸工程に比べて工程速度が低い開繊工程が律速となって、散布工程及び貼合含浸工程の工程速度が低くなることを抑制できる。
製造装置200を用いる製造方法の貼合含浸工程は、製造装置100を用いる製造方法の貼合含浸工程と同様に行える。
製造装置200を用いる製造方法のように、開繊した繊維束を裁断前に一旦巻き取って回収する方法においても、開繊と裁断の間で繊維束に生じた毛羽量を測定することで、繊維束に生じる毛羽に起因する工程中の不具合発生の可能性を容易に判断できる。また、毛羽量の測定結果をフィードバックして製造条件を変更することで、毛羽が発生した際にリアルタイムで対応して毛羽の発生を抑制することもできる。
また、開繊した繊維束を裁断前に一旦巻き取って回収する方法においては、製造装置200を用いる製造方法のように、開繊した繊維束の毛束量の測定は該繊維束を回収する前に行うことが好ましい。本発明者等が毛羽に起因する不具合について検討したところ、開繊した繊維束を裁断前に一旦回収する場合、特に毛羽による不具合が起きやすいことが判明した。具体的には、ガイドロール等への巻き付きがほぼ起きない程度の毛羽であっても、回収物において繊維束が重なった部分で毛羽が絡み、回収物から繊維束を引き出す際の抵抗が大きくなって繊維束が切れることがある。そのため、開繊した繊維束の毛束量の測定を回収前に行い、繊維束に生じる毛羽に起因する回収物からの繊維束の引き出し時の不具合発生の可能性を判断し、それに対応することが特に有効である。
また、開繊した繊維束を裁断前に一旦回収する方法は、毛羽量の測定結果によって開繊工程を一時停止する必要が生じた場合でも、分散工程及び含浸工程は開繊工程とは独立しているために停止する必要がない点で有利である。
本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法は、製造装置100及び製造装置200以外の製造装置を用いる方法であってもよい。例えば、本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法において、開繊後の繊維束を一旦回収する場合、回収方法は巻き取りには限定されず、振り込み等の公知の回収方法を採用してもよい。
また、開繊した繊維束を裁断前に一旦巻き取って回収する場合、開繊後の繊維束を毛羽量の測定後に回収し、回収物から引き出した繊維束を分繊してから裁断してもよい。
本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法は、開繊後に分繊を行わない方法であってもよい。
また、本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法では、開繊後に分繊を行う場合、開繊後の繊維束の毛羽量を測定した後に分繊を行ってもよい。ただし、繊維束における毛羽は開繊時に加えて分繊時にも発生するため、開繊後に分繊を行う場合は分繊後に毛羽量の測定を行うことが好ましい。なお、開繊後に分繊を行う場合、開繊後と分繊後の2段階でそれぞれ繊維束の毛束量を測定してもよい。
また、製造装置100を用いる製造方法では、開繊、分繊、及び毛羽量の測定を行った後に繊維束をゴデットロールで裁断機へと案内していたが、本発明は、開繊後の繊維束の毛羽量の測定を行い、ゴデットロールで案内して分繊を行ってから裁断する方法でもよい。該方法は、開繊後の繊維束を分繊した後にゴデットロールで案内する方法に比べて、分繊時に繊維束に毛羽が生じてもロールへの巻き付きによる不具合が生じにくい点で有利である。また、分繊された繊維束同士がゴデットロールで案内される際に再度密着することも抑制しやすい。
本発明の繊維強化樹脂材料の製造方法においては、開繊した繊維束を加熱して扁平な状態で熱セットしてもよい。開繊時にはサイズ剤で結着された繊維同士が部分的に離れ、強度が低下する。しかし、開繊後の繊維束を熱セットすることにより、繊維束に付与されたサイズ剤が溶融して再び繊維同士を結着した状態で固化するため、開繊後の繊維束の強度が高まる。そのため、熱セット後の繊維束を裁断してシート状繊維束群を形成する際には、熱セットを行わない場合に比べて繊維束の扁平性が維持されやすく、繊維束が折り畳まれにくくなるため、シート状繊維束群中の各繊維束間にできる隙間がより小さくなる。これにより、樹脂を含浸して得られる繊維強化樹脂材料中に樹脂リッチな部分が形成されることが抑制されるため、充分な強度を有する繊維強化樹脂材料が得られやすくなる。開繊後に分繊を行う場合は、分繊後に熱セットを行うことが好ましい。なお、開繊後に熱セットを行ってから分繊を行ってもよい。
熱セットを行う場合、毛羽量の測定は、熱セットよりも前に行ってもよく、熱セット後に行ってもよい。
熱セットは、公知の加熱手段を用いて繊維束を加熱することにより行える。
熱セットにおける加熱温度は、繊維束に付与されたサイズ剤が溶融するように、サイズ剤の種類に応じて適宜設定すればよく、85〜180℃が好ましく、90〜150℃がより好ましい。加熱温度が下限値以上であれば、熱セットの効果が得られやすい。加熱温度が上限値以下であれば、サイズ剤の揮発が抑制される傾向にあるため、熱セットの効果が得られやすい。また、繊維束に付着したサイズ剤の粘度が例えば1.5Pa・s以下となるように、繊維束を加熱し、サイズ剤を溶融させることによって、熱セットの効果を得ることができる。
熱セットにおける加熱時間は、繊維束に付与されたサイズ剤が溶融するように適宜設定すればよく、1〜15秒が好ましく、5〜15秒がより好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
図1及び図2に例示した製造装置100を用いて、繊維束を開繊し、分繊した後に毛羽量を測定した。測定部60としては、透過型レーザ判別センサ IB−01/IB−1000(キーエンス社製)を使用し、繊維束の上面と、該上面の上方を通過するレーザー光との距離を2mmとした。開繊及び分繊の工程速度(繊維束の搬送速度)は0.15m/秒とした。繊維束としては、炭素繊維束(商品名「TR50S15L」、引張強度:4,900MPa、フィラメント数:15000本、幅:7.5mm、厚み:0.1mm、三菱レイヨン社製)を用いた。開繊は、繊維束の幅が15mm、厚みが0.05mmとなるように行った。
製造装置100の稼働開始から130秒程度経過し、工程が安定した状態での毛羽量の測定結果を図5に示す。
図5に示すように、測定部60により、繊維束に生じた毛羽量を測定することができた。この測定結果をフィードバックして開繊や分繊の工程速度等を調節することで、毛羽の発生を抑制することができる。
1 第1製造装置
2 第2製造装置
13 裁断機
16 含浸部
50 開繊部
52 分繊部
58 回収部
59 回収物
60 測定部
100、200 繊維強化樹脂材料の製造装置
f1〜f4 繊維束
F シート状繊維束群

Claims (3)

  1. 長尺の繊維束を開繊により幅方向に拡幅し、開繊後の繊維束を連続的に裁断し、裁断された複数の繊維束で形成したシート状繊維束群に樹脂を含浸して繊維強化樹脂材料を製造する方法において、
    前記開繊と前記裁断の間で繊維束に生じた毛束量を測定する、繊維強化樹脂材料の製造方法。
  2. 開繊した繊維束を一旦回収した後、その回収物から繊維束を引き出して裁断を行い、かつ前記毛束量の測定を開繊した繊維束を回収する前に行う、請求項1に記載の繊維強化樹脂材料の製造方法。
  3. 開繊した繊維束を分繊により幅方向に分割してから裁断する、請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023286740A1 (ja) * 2021-07-15 2023-01-19 三菱ケミカル株式会社 シートモールディングコンパウンドの製造方法および繊維マット堆積装置

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