JP2017221366A - 造形用砂組成物、造形キット及び造形物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の砂像制作と同様の方法で簡便に砂像を作製することができ、環境負荷の低い造形用砂組成物、造形キット及び造形物を提供する。【解決手段】砂に、構成単位にグルコースを含む多糖類及び構成単位にウロン酸を含む多糖類から選択される少なくとも1種の増粘多糖類を配合して造形用砂組成物とし、この砂像用組成物に所定量の水を加えて混練したものを、任意の型を用いて成型した後、自然乾燥又は加熱乾燥して、造形物を作製する。【選択図】図1

Description

本発明は、砂像などの造形物を作製する際に用いられる砂組成物、造形キット及び造形物に関する。より詳しくは、水を加えて使用される造形用砂組成物、及びこの砂組成物を備える造形キット、並びに造形用砂組成物を用いて作製された造形物に関する。
砂像(サンドアート)などの砂を用いた造形物は、一般に、型枠内に水を加えた砂を入れ、押し固めることにより作製されている。また、制作した造形物を雨、風及び乾燥などから守るために、定着剤を吹きかけて表面を硬化させる方法も採られている。
一方、子供用では、抜き型などを用いて手軽に砂像などの砂を用いた造形物を作製できる玩具が販売されている。従来、造形用砂組成物としては、例えば、砂の表面を蜜蝋で被覆した砂材料混合物(特許文献1)、砂礫、ガラス粉末及び結着剤を含有する造形用材(特許文献2)が提案されている。
特表2001−515420号公報 特開2004−66871号公報
しかしながら、前述した従来の砂組成物は、作業性に課題がある。具体的には、特許文献1に記載の砂材料混合物は、使用時に加熱して蜜蝋を溶かす必要があり、また、特許文献2に記載の造形用材は、使用時に各成分を混ぜる必要がある。このため、いずれの砂組成物も、子供用の玩具としては不向きである。
そこで、本発明は、従来の砂像制作と同様の方法で簡便に造形物を作製することができ、環境負荷の低い造形用砂組成物、造形キット及び造形物を提供することを目的とする。
本発明に係る造形用砂組成物は、水を加えて使用される造形用砂組成物であって、砂と、構成単位にグルコースを含む多糖類及び構成単位にウロン酸を含む多糖類から選択される少なくとも1種の増粘多糖類とを含有する。
この造形用砂組成物では、前記増粘多糖類の配合量を、前記砂100質量部あたり、0.2〜4.0質量部とすることができる。ここでいう配合量は、造形用砂組成物に含まれる全ての増粘多糖類の合計量である。
一方、前記構成単位にウロン酸を含む多糖類としては、例えばアルギン酸を用いることができる。
本発明の造形用砂組成物は、更に、砂100質量部あたり、シリカを0.05〜1.0質量部含有していてもよい。
その場合、前記シリカとしては、疎水性シリカを用いることができる。
本発明に係る造形キットは、前述した造形用砂組成物を備えるものである。
本発明に係る造形物は、前述した造形用砂組成物を用いて形成されたものである。
本発明によれば、従来の砂像制作と同様に水を加えて型に入れる方法で成型可能であるため、子供でも容易に造形物を作製することができ、更に、増粘剤として用いている多糖類は食品添加剤としても使用されているものであるため、合成樹脂を用いたものに比べて環境負荷を低減することもできる。
本発明の第1の実施形態の砂組成物を用いて砂像を作製する工程を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る造形用組成物について説明する。本実施形態の砂組成物は、水を加えて使用されるものであり、少なくとも、砂と、構成単位にグルコースを含む多糖類及び構成単位にウロン酸を含む多糖類から選択される1種又は2種以上の増粘多糖類を含有している。
[砂]
本実施形態の砂組成物に用いられる砂は、特に限定されるものではなく、様々な種類の砂を用いることができる。ただし、粒径が大きいサンゴ砂や礫は成型性に劣るため、山砂、川砂、海砂、火山砂及び粒径の小さいサンゴ砂などを用いることが好ましい。成型性の観点からは、特に、粒径が0.1〜2.0mmの範囲の砂が好ましい。更に、本実施形態の砂組成物を、子供の玩具として使用する場合は、衛生上の観点から、滅菌処理されている砂を用いることが好ましい。なお、本実施形態の砂組成物に用いられる砂は、着色された砂(カラーサンド)でもよい。
[増粘多糖類]
増粘多糖類は、水に溶解して高い粘性を示すことから、一般に、増粘剤やゲル化剤などの食品添加物として用いられている。本実施形態の砂組成物では、各種増粘多糖類の中でも、構成単位にグルコースを含むもの若しくは構成単位にウロン酸を含むもの又はその両方を用いる。これらの増粘多糖類を用いることにより、水を加えたときに組成物に適度な粘性を付与し、かつ、乾燥後の砂像に安定した強度を付与することができる。
ここで、構成単位にグルコースを含む増粘多糖類としては、例えばキサンタンガム、デキストラン、デンプン(アミロース、アミロペクチン)などが挙げられる。
一方、構成単位に、グルクロン酸、ガラクツロン酸及びマンヌロン酸などのウロン酸を含む増粘多糖類としては、例えばアルギン酸、ペクチン及びキサンタンガムなどが挙げられる。これらの多糖類の中でも、特にアルギン酸は、造形物の強度を向上させることができるため、好適である。
増粘多糖類の配合量は、砂100質量部あたり、0.2〜4.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.5質量部である。増粘多糖類の含有量をこの範囲にすることにより、成型時の作業性と、乾燥後の造形物の強度を向上させることができる。
[シリカ]
本実施形態の砂組成物には、前述した各成分に加えて、シリカ(二酸化ケイ素)を配合することができる。砂にもシリカ(ケイ砂)が含まれている場合があるが、原料の砂とは別に、シリカを、砂100質量部あたり、0.05〜1.0質量部、より好ましくは0.1〜0.75質量部配合することにより、べとつきを抑制し、作業性を向上させることができる。また、本実施形態の砂組成物に配合されるシリカは、べとつき抑制及び成型の際の加工性向上の観点から、疎水性シリカであることが好ましい。
[造形方法]
次に、本実施形態の砂組成物を用いて造形物を作製する方法について、砂像を作製する場合を例にして説明する。図1は本実施形態の砂組成物を用いて砂像を作製する工程を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態の砂組成物を用いて砂像を作製する際は、先ず、砂組成物に所定量の水を加えて混練する(ステップS1)。次に、混練物を型に入れ、上から圧をかけて押し固める(ステップS2)。
その後、砂像を型から外し(ステップS3)、必要に応じてヘラなどで加工を施した後、乾燥する(ステップS4)。成型後の砂像は、室温で自然乾燥してもよいが、例えば200〜260℃のオーブンで7〜11分程度加熱乾燥することもできる。なお、成型後の砂像の乾燥方法及び条件は、特に限定されるものではなく、造形物の大きさや形状などに応じて適宜選択することができる。
なお、砂像以外の造形物についても、本実施形態の砂組成物を用いて、図1に示す方法と同様の方法で作製することが可能である。また、例えば、プラスチック容器などを型枠として用い、砂組成物と水の混練物を押し固めたものを、ヘラなどにより自由に加工し、オリジナルの作品を制作することも可能である。
以上詳述したように、本実施形態の砂組成物は、砂と特定の増粘多糖類で構成されているため、所定量の水を加えるだけで粘性が付与され、従来の砂像制作と同様に型に入れて押し固める方法で砂像や立体絵画などの造形物を作製することができる。本実施形態の砂組成物に配合されている増粘多糖類は、食品添加物に用いられているものであるため、安全性に優れ、環境負荷も少ない。このため、子供でも、容易にかつ安全に、砂像を作製することができる。
また、本実施形態の砂組成物は、成型後に自然乾燥又はオーブンなどによる加熱乾燥を行うことで、造形物に適度な強度を付与することが可能である。このため、本実施形態の砂組成物で作製した造形物は、長期間保存することも可能である。一方、作製した造形物が不要になった場合は、砂に戻すことが可能であり、更に、本実施形態の砂組成物は、自然界に存在しているものだけで構成されているため、処分も容易である。
本実施形態の砂組成物で作製した造形物は、アクリル樹脂などの合成樹脂を用いたスプレー塗料の他、クレヨンなどでも着色することが可能であり、子供用玩具としても好適である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る造形キットについて説明する。本実施形態の造形キットは、前述した第1の実施形態の砂組成物と、この砂組成物を用いて砂像や立体絵画などの造形物を作製する際に用いる道具を備えている。造形に用いる道具としては、例えば、成形型、撹拌容器及びヘラなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の造形キットは、前述した第1の実施形態の砂組成物を用いているため、水を用意するだけで、従来の砂像制作と同様方法で造形物を作製することができるため、子供でも容易にかつ自由に様々な造形物を作製することができる。また、本実施形態の造形キットで使用されている砂組成物は、合成樹脂などは含まれていないため、環境負荷が少なく、安全性にも優れている。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。
(第1実施例)
先ず、本発明の第1実施例として、下記表1に示す組成の砂組成物を用いて、実施例及び比較例のサンプル(砂像)を作製し、各砂組成物の性能を評価した。なお、下記表1に示すNo.1〜10の砂組成物は本発明の範囲内の実施例であり、No.11〜13の砂組成物は本発明の範囲から外れる比較例である。

Figure 2017221366
上記表1に示す砂Aは粒径0.1〜2mmの山砂(幕張海浜公園の砂)であり、砂Bは粒径が0.1〜0.4mmの茨城県鹿嶋産滅菌砂であり、砂Cは粒径0.1〜0.2mmの市販の滅菌砂である。一方、上記表1に示す添加成分は、増粘多糖類aがデンプン(構成単位にグルコースを含む増粘多糖類)であり、増粘多糖類bがアルギン酸(構成単位にウロン酸を含む増粘多糖類)、増粘多糖類cはグァーガム(構成単位にグルコースもウロン酸も含まない増粘多糖類)である。また、粘土は市販品を用い、水溶性樹脂はポリビニルアルコール(PVA)を用いた。
<実施例1>
No.1の砂組成物に、水80gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を80℃のオーブンで1時間加熱し、完全に乾燥させて、実施例1のサンプル(砂像)を作製した。なお、加熱時間が30分を経過したときに、立方体をオーブンから取り出し、ハンマーで砕いて内部の乾燥状態を確認したところ、湿り気があり、乾燥が不十分であった。そこで、乾燥時間を追加して1時間とした。
<実施例2>
No.2の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、実施例2のサンプル(砂像)を作製した。なお、このサンプルでも、加熱時間が30分では、湿り気があり、乾燥が不十分であったため、乾燥時間を追加して1時間とした。
<実施例3>
No.3の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、実施例3のサンプル(砂像)を作製した。なお、このサンプルでも、加熱時間が30分では、湿り気があり、乾燥が不十分であったため、乾燥時間を追加して1時間とした。
<実施例4>
No.4の砂組成物に、水80gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を室温で3日間自然乾燥し、実施例4のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例5>
No.4の砂組成物に、水80gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を100V/850Wのオーブントースターで10分間加熱し、実施例5のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例6>
オーブントースターでの加熱時間を20分間にした以外は、前述した実施例5と同様の方法及び条件で、実施例6のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例7>
No.5の砂組成物を使用した以外は、前述した実施例5と同様の方法及び条件で、実施例7のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例8>
オーブントースターでの加熱時間を20分間にした以外は、前述した実施例7と同様の方法及び条件で、実施例8のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例9>
No.6の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例1と同様の方法及び条件で、実施例9のサンプル(砂像)を作製した。このサンプルは、加熱時間が30分を経過したときに、立方体をオーブンから取り出し、ハンマーで砕いて内部の乾燥状態を確認したところ、内部まで乾燥できていたが、実施例1と同様に乾燥時間を1時間としたものも作製し、それを評価に用いた。
<実施例10>
No.6の砂組成物に、水80gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を室温で2日間自然乾燥し、実施例10のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例11>
No.7の砂組成物に、水20gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を80℃のオーブンで3時間加熱し、完全に乾燥させて、実施例11のサンプル(砂像)を作製した。
<実施例12>
No.8の砂組成物に、水30gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を80℃のオーブンで3時間加熱し、完全に乾燥させて、実施例12のサンプル(砂像)を作製した。なお、加熱時間が2時間を経過したときに、立方体をオーブンから取り出し、乾燥状態を確認したところ、底部に少々湿り気があり、乾燥が不十分であったため、乾燥時間を追加して3時間とした。
<実施例13>
No.9の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例12と同様の方法及び条件で、実施例13のサンプル(砂像)を作製した。このサンプルも、加熱時間2時間では、底部に少々湿り気があり、乾燥が不十分であったため、乾燥時間を追加して3時間とした。
<実施例14>
No.9の砂組成物に、水25gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を80℃のオーブンで3時間加熱し、完全に乾燥させて、実施例14のサンプル(砂像)を作製した。なお、加熱時間が2時間を経過したときに、立方体をオーブンから取り出し、乾燥状態を確認したところ、底部に少々湿り気があり、乾燥が不十分であった。
<実施例15>
加える水の量を20gにした以外は、前述した実施例14と同様の方法及び条件で、実施例15のサンプル(砂像)を作製した。このサンプルも、加熱時間2時間では、底部に少々湿り気があり、乾燥が不十分であったため、乾燥時間を追加して3時間とした。
<実施例16>
No.10の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例15と同様の方法及び条件で、実施例16のサンプル(砂像)を作製した。このサンプルも、加熱時間2時間では、底部に少々湿り気があり、乾燥が不十分であったため、乾燥時間を追加して3時間とした。
<比較例1>
No.11の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例4と同様の方法及び条件で、比較例1のサンプル(砂像)を作製した。
<比較例2>
No.12の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例4と同様の方法及び条件で、比較例2のサンプル(砂像)を作製した。
<比較例3>
No.13の砂組成物を用いた以外は、前述した実施例4と同様の方法及び条件で、比較例3のサンプル(砂像)を作製した。
[評価]
前述した方法で作製した実施例1〜16及び比較例1〜3の各サンプルについて、外観、臭気、乾燥状態及び強度を評価した。「外観」は、目視により、劣化、亀裂及び焦げなどがないか確認した。「臭気」は、嗅覚により臭気の有無を確認した。「乾燥状態」は、目視により外側の状態を確認すると共に、ハンマーにより立方体を破壊し、内部の状態を確認した。評価は、完全に乾燥していた場合を○、乾燥が不十分であった場合を×とした。「強度」は、ハンマーによる破壊試験を行い、立方体が破壊されるまでの叩打数で評価した。具体的には、5回以上を◎(優)、2〜3回を○(良)、1回を△(可)、未硬化だったものを×(不可)とした。以上の評価結果を、下記表2にまとめて示す。

Figure 2017221366
上記表2に示すように、本発明の範囲から外れる増粘多糖類cを配合したNo.11の砂組成物で作製した比較例1の砂像は、3日間乾燥後もべとつきがあり、強度も不十分であった。粘土をを配合したNo.12の砂組成物で作製した比較例2の砂像は、ある程度硬化したが、ちぎったときに糸をひくようなべとつきが確認され、強度も不十分であった。水溶性合成樹脂であるPVAを配合したNo.13の砂組成物で作製した比較例3の砂像は、3日間で完全に乾燥し、適度な強度は得られたが、表面にてかりが生じ、乾燥後も樹脂臭が残っていた。更に、この比較例3の砂像は、合成樹脂を含有しているため、増粘多糖類を用いたものに比べて環境負荷及び安全性の面で劣っていた。
これに対して、本発明の範囲内でNo.1〜10の砂組成物を用いて作製した実施例1〜16の砂像は、オーブントースターを用いて乾燥したものには一部変色や焦げが見られたが、それ以外は外観・臭気に問題はなく、完全に乾燥しているものは、適度な強度を有していた。具体的には、実施例5の砂像は、乾燥時間10分と短かったため、表面は乾燥していたが、内部は湿り気があり、乾燥が不十分であった。このため、強度が不足していた。これに対して、同じ組成で、乾燥時間を20分とした実施例6の砂像は、内部まで完全に乾燥しており、強度も向上していた。
また、実施例7の砂像は、乾燥時間10分でほぼ乾燥していたが、内部に少しだけ乾燥が不十分な箇所が見られた。これに対して、同じ組成で、乾燥時間を20分とした実施例8の砂像は、内部まで完全に乾燥していたが、変色や焦げが生じた。一方、実施例9の砂像に用いたNo.6の砂組成物は、混練の際にダマになりやすく、No.1〜5の砂組成物に比べて作業が劣っていた。
以上の結果から、本発明の砂組成物を用いることにより、水を加えて混練して成型し、自然乾燥又は加熱乾燥するという簡便な方法で、砂像などの造形物を作製できることが確認された。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例として、シリカが配合された砂組成物を作製して、評価した。具体的には、砂C(粒径0.1〜0.2mmの市販の滅菌砂)、増粘多糖類a(デンプン)、増粘多糖類b(アルギン酸)及びシリカを、下記表3に示す割合で配合して砂像組成物を作製し、その性能を評価した。

Figure 2017221366
[評価]
上記表3に示すNo.21〜30の砂組成物を用いて、評価用サンプル(砂像)を作製し、べとつき、型離れ、作業性、乾燥状態について、評価した。また、比較のため、シリカを配合していないNo.31の砂組成物についても、同様の評価を行った。
<サンプル作製>
No.21〜31の砂組成物に、水20gを加え、混練したものを型で押し固め、縦3cm、横3cm、高さ3cmの立方体を作製した。この立方体を、100V/850Wのオーブントースターで7分加熱し、実施例21〜31のサンプル(砂像)を作製した。
<べとつき>
「べとつき」は、混練物を用いて評価した。評価の基準は、下記の通りである。
◎(優) べとつきなし
○(良) 気にならない程度のべとつきあり
△(可) 少々のべとつきがある
×(不可) べとつきあり
<型離れ>
「型離れ」は、混練物を型に入れ、押し固めた後、型を外しやすいか否かで評価した。評価の基準は、下記の通りである。
◎(優) 型からすぐに外れる
○(良) 型から外れるが、少し重たい感じがする
△(可) 型から外れるが、型崩れしやすい
×(不可) 型に貼り付き外れない
<作業性>
「作業性」は、A:ペインティングナイフ、B:バターナイフ、C:プラスチックヘラの3種の道具を用いて、混練物の加工しやすさを評価した。評価基準は、下記の通りである。
◎ 非常によい
○ よい
△ 普通
× 悪い
<乾燥状態>
「乾燥状態」は、目視により外側の状態を確認すると共に、ハンマーにより立方体を破壊し、内部の状態を確認した。
以上の評価結果を、下記表4にまとめて示す。

Figure 2017221366
上記表4に示すように、砂組成物にシリカを配合することにより、型離れ及び作業性が向上し、べとつきも抑制されることが確認された。特に、疎水性シリカを配合した砂組成物は、親水性シリカを配合したものよりも、べとつきを抑制する効果が高く、乾燥状態も良好であった。以上の結果から、砂と特定の増粘多糖類を含有する砂組成物に、更にシリカを配合することで、べとつきを抑制し、作業性向上を図れることが確認された。

Claims (7)

  1. 水を加えて使用される造形用砂組成物であって、
    砂と、
    構成単位にグルコースを含む多糖類及び構成単位にウロン酸を含む多糖類から選択される少なくとも1種の増粘多糖類と、
    を含有する造形用砂組成物。
  2. 砂100質量部あたり、前記増粘多糖類を、合計で0.2〜2.5質量部含有する請求項1に記載の造形用砂組成物。
  3. 前記構成単位にウロン酸を含む増粘多糖類としてアルギン酸を含有する請求項1又は2に記載の造形用砂組成物。
  4. 更に、砂100質量部あたり、シリカを0.05〜1.0質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の造形用砂組成物。
  5. 前記シリカが疎水性シリカである請求項4に記載の造形用砂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の造形用砂組成物を備える造形キット。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の造形用砂組成物を用いて形成された造形物。
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