JP2017219802A - 画像処理装置、その制御方法、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置の表示可能な輝度を有効に使った表示と白とびや黒つぶれ等の表示品質の低下の抑制とを両立することができる技術を提供する。
【解決手段】入力画像を変換して表示装置へ出力する画像処理装置であって、前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得手段と、前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理手段と、を備える画像処理装置。
【選択図】図1
【解決手段】入力画像を変換して表示装置へ出力する画像処理装置であって、前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得手段と、前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理手段と、を備える画像処理装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、その制御方法、及び表示装置に関するものである。
画像データを表示装置で表示する場合、画素値のとり得る値の下限を表示装置の表示可能な輝度の下限の暗さ、画素値のとり得る値の上限を表示装置の表示可能な輝度の上限の明るさで表示する方法が一般的である。この場合、画像データは下限の暗さを「明るさ0%:黒」、上限の明るさを「明るさ100%:白」という前提で表現されている。
この従来の輝度のダイナミックレンジの表現域よりも広いダイナミックレンジを扱うためのデータフォーマットの規格が提唱されている。この規格では、画素値として従来の100%白よりも大幅に明るい輝度を示す値を表現できるようにデータフォーマットが決められている。このフォーマットの画像データを表示する表示装置では、100%白を超える輝度域を表示するために、表示装置の表示可能な輝度の上限よりも低いレベルに100%白の輝度レベルを設定することがある。
この従来の輝度のダイナミックレンジの表現域よりも広いダイナミックレンジを扱うためのデータフォーマットの規格が提唱されている。この規格では、画素値として従来の100%白よりも大幅に明るい輝度を示す値を表現できるようにデータフォーマットが決められている。このフォーマットの画像データを表示する表示装置では、100%白を超える輝度域を表示するために、表示装置の表示可能な輝度の上限よりも低いレベルに100%白の輝度レベルを設定することがある。
入力画像の階調分布を解析して、視覚的に望ましいコントラスト特性が得られるように画像の階調変換を行う技術が知られている(特許文献1)。
撮像装置の分野では、撮像センサが取得した広いダイナミックレンジのデータを、規格化された画像フォーマットのダイナミックレンジのデータに変換する技術が知られている(特許文献2)。この技術では、画像の輝度分布を解析して階調の高い画素が多く含まれている場合には高階調部を圧縮する階調変換を施して白つぶれを抑制した画像を出力することができる。
撮像装置の分野では、撮像センサが取得した広いダイナミックレンジのデータを、規格化された画像フォーマットのダイナミックレンジのデータに変換する技術が知られている(特許文献2)。この技術では、画像の輝度分布を解析して階調の高い画素が多く含まれている場合には高階調部を圧縮する階調変換を施して白つぶれを抑制した画像を出力することができる。
しかしながら、広いダイナミックレンジの画像データを表示装置で表示する場合、画像の内容によっては白とびが多く発生してしまう可能性があった。また上述した従来技術では表示装置で再現可能な輝度レンジと関係なく画像データの階調分布のみに基づき階調変換を行うため、表示装置の表示能力を有効に使った表示を行えなかったり、白とびや黒つぶれ等の表示品質の低下が生じたりする場合があった。
そこで本発明は、表示装置の表示可能な輝度を有効に使った表示と白とびや黒つぶれ等の表示品質の低下の抑制とを両立することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、入力画像を変換して表示装置へ出力する画像処理装置であって、
前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得手段と、
前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理手段と、
を備える画像処理装置である。
前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得手段と、
前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理手段と、
を備える画像処理装置である。
本発明は、入力画像を変換して表示装置へ出力する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得工程と、
前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理工程と、
を有する画像処理装置の制御方法である。
前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得工程と、
前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理工程と、
を有する画像処理装置の制御方法である。
本発明によれば、表示装置の表示可能な輝度を有効に使った表示と白とびや黒つぶれ等の表示品質の低下の抑制とを両立することができる。
(実施例1)
本発明の実施例1の表示装置の構成図を図1に示す。実施例1の表示装置は、広い輝度ダイナミックレンジを有する画像データのダイナミックレンジを狭いダイナミックレンジの画像データに変換する画像処理装置の機能を有する。この画像処理装置は、画像の特徴によって最適な変換特性を用いて変換を行うことで、表示装置の表示可能な輝度の能力を活かした表示と、白とびや黒つぶれ等の表示階調品質の低下の抑制とを両立することを特徴とする。
入力画像1は不図示の画像出力装置から取得した画像データである。画像データの画素値は、RGBそれぞれ0から100までの浮動小数点の値で表現される。100%白は(R,G,B)=(1.0,1.0,1.0)で表わされる。1.0よりも大きな値で表わされる画素値は従来定義されていた100%白レベルよりも明るい、オーバーホワイト領域の画素値となる。
本発明の実施例1の表示装置の構成図を図1に示す。実施例1の表示装置は、広い輝度ダイナミックレンジを有する画像データのダイナミックレンジを狭いダイナミックレンジの画像データに変換する画像処理装置の機能を有する。この画像処理装置は、画像の特徴によって最適な変換特性を用いて変換を行うことで、表示装置の表示可能な輝度の能力を活かした表示と、白とびや黒つぶれ等の表示階調品質の低下の抑制とを両立することを特徴とする。
入力画像1は不図示の画像出力装置から取得した画像データである。画像データの画素値は、RGBそれぞれ0から100までの浮動小数点の値で表現される。100%白は(R,G,B)=(1.0,1.0,1.0)で表わされる。1.0よりも大きな値で表わされる画素値は従来定義されていた100%白レベルよりも明るい、オーバーホワイト領域の画素値となる。
解析部10は、入力画像1の輝度分布を解析し、輝度ヒストグラム11として出力する。輝度分布の解析方法の詳細は後述する。
輝度レンジ保持部20は、後述する表示パネルユニット80で表示可能な輝度レンジの情報を保持するROM(read-only memory)である。実施例1の表示パネルユニット80は、最小輝度0.01cd/m2〜最大輝度1000cd/m2の表示能力を有するパネルであるとする。また100%白を表示する輝度である標準白色輝度を100cd/m2
とする。なお、表示パネルの輝度レンジは一例であり、これに限られない。
これらの表示パネルユニット80の表示可能な輝度範囲の情報は輝度レンジ21として他のブロックで参照される。
輝度レンジ保持部20は、後述する表示パネルユニット80で表示可能な輝度レンジの情報を保持するROM(read-only memory)である。実施例1の表示パネルユニット80は、最小輝度0.01cd/m2〜最大輝度1000cd/m2の表示能力を有するパネルであるとする。また100%白を表示する輝度である標準白色輝度を100cd/m2
とする。なお、表示パネルの輝度レンジは一例であり、これに限られない。
これらの表示パネルユニット80の表示可能な輝度範囲の情報は輝度レンジ21として他のブロックで参照される。
判定部30は、入力画像1の輝度分布と表示装置の表示可能な輝度レンジとの関係に基づき、入力画像の階調変換にどのような変換特性を用いるか判定し、判定結果31として出力する。実施例1では、判定部30は、輝度ヒストグラム11及び輝度レンジ21に基づき、階調変換特性として「固定変換」(第1変換特性)又は「適応変換」(第2変換特性)のどちらを用いるか判定する。
固定変換特性(第1変換特性)は、入力画像によらない固定的な変換特性である。例えば、表示装置の表示可能な輝度範囲の上限の近傍及び下限の近傍の少なくとも一方の領域における階調圧縮の度合が、表示可能な輝度範囲の中央の近傍における階調圧縮の度合よりも強く、表示可能な輝度範囲内の輝度の忠実な表示を優先する変換特性である。
適応変換特性(第2変換特性)は、入力画像に適応的な変換特性である。例えば、入力画像の輝度分布において度数が負い輝度の領域により多くの階調を割り当てることで階調の表示を優先する変換特性である。
判定部30による判定方法の詳細は後述する。
固定変換特性(第1変換特性)は、入力画像によらない固定的な変換特性である。例えば、表示装置の表示可能な輝度範囲の上限の近傍及び下限の近傍の少なくとも一方の領域における階調圧縮の度合が、表示可能な輝度範囲の中央の近傍における階調圧縮の度合よりも強く、表示可能な輝度範囲内の輝度の忠実な表示を優先する変換特性である。
適応変換特性(第2変換特性)は、入力画像に適応的な変換特性である。例えば、入力画像の輝度分布において度数が負い輝度の領域により多くの階調を割り当てることで階調の表示を優先する変換特性である。
判定部30による判定方法の詳細は後述する。
生成部40は、輝度ヒストグラム11に基づき、入力画像1の輝度分布に適応的な特性を有する適応変換テーブル41を生成して出力する。生成部40は、輝度ヒストグラム11の度数を低階調側から累積加算し、その値を輝度レンジで正規化することで適応変換テーブルを生成する。例えば、図2(a)のように高輝度域に分布が集中しているような特性を示す入力画像1が入力される場合には、曲線Aのように高輝度域により多くの階調を割り当てる適応変換テーブルが生成される。また、図2(b)のように低輝度域と高輝度域の両方に度数が分布している入力画像1が入力される場合には、曲線Bのように低輝度域と高輝度域の両方に階調を多く割り当てる適応変換テーブルが生成される。図2において、上図は階調変換の特性を表し、横軸は入力画像の輝度、縦軸は出力画像の輝度であり、下図は入力画像の輝度分布(輝度ヒストグラム)を表し、横軸は入力画像の輝度、縦軸は度数である。
特性保持部50は、入力画像1の輝度をできるだけ忠実に表示することを優先する特性を有する固定変換テーブル51を保持し、出力する。忠実に表示することを目指す輝度範囲は表示装置の使用目的等に応じて適宜設定する。実施例1では、入力画像の輝度のうち0.1%黒から100%白までの輝度範囲を忠実に表示する輝度範囲として設定する。この設定は一例でありこれに限られない。図3は、この階調変換の特性を概念的に示したものである。入力画像1の100%白を示す輝度(1.0)に対しては、表示パネルユニット80で標準白色輝度(ここでは100cd/m2とする)が出力される階調値を対応させる。0.1%黒から100%白までの中間輝度領域では、入力画像1の輝度に対して表示パネルユニット80に表示される輝度がリニアな関係になるように、階調値を対応させる。0.1%黒よりも暗い輝度領域では、表示パネルユニット80で表示可能な最小輝度(ここでは0.01cd/m2とする)に向かって徐々に圧縮度合が強くなる変換特性とする。100%白よりも明るい階調領域では、表示パネルユニット80で表示可能な最大輝度(ここでは1000cd/m2とする)付近までは、入力画像1に対してほぼリニアだがやや圧縮する変換特性とする。さらに高輝度の領域では表示パネルユニット80で表示可能な最大輝度に向かって圧縮度合が強くなる変換特性とする。このように定義された固定変換テーブル51は、暗部からオーバーホワイトに至るまでほぼ忠実に入力画像1の輝度を表示することができる変換特性である。
選択部60は、判定結果31に従って固定変換テーブル又は適応変換テーブルを選択し、選択したテーブルを選択変換テーブル61として出力する。判定結果31が「適応変換
」であれば、選択部60は、生成部40から取得した適応変換テーブル41を選択し出力する。判定結果31が「固定変換」であれば、選択部60は、特性保持部50から取得した固定変換テーブル51を選択し出力する。
変換部70は、0から100までの浮動小数点の値で表現される入力画像1の画素値(輝度)を、選択変換テーブル61に従って0から4095までの12ビットの整数値(階調)に変換して表示データ71を出力する。
表示パネルユニット80は液晶パネルを有し、表示データ71に基づき液晶パネルの各画素の透過率を制御することにより画像を形成する。
」であれば、選択部60は、生成部40から取得した適応変換テーブル41を選択し出力する。判定結果31が「固定変換」であれば、選択部60は、特性保持部50から取得した固定変換テーブル51を選択し出力する。
変換部70は、0から100までの浮動小数点の値で表現される入力画像1の画素値(輝度)を、選択変換テーブル61に従って0から4095までの12ビットの整数値(階調)に変換して表示データ71を出力する。
表示パネルユニット80は液晶パネルを有し、表示データ71に基づき液晶パネルの各画素の透過率を制御することにより画像を形成する。
表示データ71の各階調値は、その階調値に対応する(意味する)明るさの対数で表す。階調値が0の画素は、表示パネルユニット80の最小輝度0.01cd/m2の明るさで表示される。階調値が4095の画素は、表示パネルユニット80の最大輝度1000cd/m2の明るさで表示される。中間階調については、表示データ71の階調値outと表示される明るさLとの関係は、下記の式1で示す対数関係で表される。
L=10^(out/4095×range−offset)
range=log10(最大輝度)−log10(最小輝度)
=log10(1000)−log10(0.01)
=3−(−2)=5
offset=−log10(最小輝度)
=−log10(0.01)=2
・・・(式1)
L=10^(out/4095×range−offset)
range=log10(最大輝度)−log10(最小輝度)
=log10(1000)−log10(0.01)
=3−(−2)=5
offset=−log10(最小輝度)
=−log10(0.01)=2
・・・(式1)
次に、解析部10の処理の詳細を説明する。解析部10は入力画像1を構成する全ての画素の輝度(画素値)毎の度数を0〜255の256分割されたカテゴリ別にカウントし、輝度ヒストグラム11を取得する。解析部10におけるカテゴリ分割の概念図を図4に示す。100%白(輝度1.0)を中心にしてそれより暗い輝度領域は等比分割で128分割し、明るい輝度領域は対数分割で128分割する。輝度xに対応するカテゴリ番号cは、下記の式2で求められる。
(a)x≦1の場合
c/128<x≦(c+1)/128
(b)1<xの場合
MaxIn^((c−128)/128)<x≦MaxIn^((c−127)/128)
MaxIn=入力画像1がとり得る最大値
=100
・・・(式2)
例えば、入力画像1のある画素の輝度が0.10であれば、カテゴリ番号12の度数としてカウントされる(12/128≦x<13/128を満たすため)。また、入力画像1のある画素の輝度が1.10であれば、カテゴリ番号130のカテゴリの度数としてカウントされる(100^((130−128)/128)≦x<100^((130−127)/128)を満たすため)。
このように100%白を境にカテゴリの分割方法を変えることにより、中間輝度領域におけるヒストグラムが利用しやすくなり、かつ高輝度領域におけるダイナミックレンジを拡大することができる。
(a)x≦1の場合
c/128<x≦(c+1)/128
(b)1<xの場合
MaxIn^((c−128)/128)<x≦MaxIn^((c−127)/128)
MaxIn=入力画像1がとり得る最大値
=100
・・・(式2)
例えば、入力画像1のある画素の輝度が0.10であれば、カテゴリ番号12の度数としてカウントされる(12/128≦x<13/128を満たすため)。また、入力画像1のある画素の輝度が1.10であれば、カテゴリ番号130のカテゴリの度数としてカウントされる(100^((130−128)/128)≦x<100^((130−127)/128)を満たすため)。
このように100%白を境にカテゴリの分割方法を変えることにより、中間輝度領域におけるヒストグラムが利用しやすくなり、かつ高輝度領域におけるダイナミックレンジを拡大することができる。
次に、判定部30による輝度分布の判定方法の詳細を説明する。輝度分布の判定処理の
フローチャートを図5に示す。また輝度分布の判定処理の概念図を図6に示す。
ステップS301において、判定部30は、輝度レンジ21を参照して表示パネルユニット80の標準白色輝度と最大輝度の情報を取得する。実施例1の場合はそれぞれ100cd/m2、1000cd/m2である。
ステップS302において、判定部30は、表示パネルユニット80の最大輝度に対応する入力画像1の輝度(最大輝度相当値という)を算出する。表示パネルユニット80の最大輝度は標準白色輝度の10倍である。また、入力画像1では100%白が1.0の値で表現されている。よって、最大輝度相当値は下記の式3のように求められる。
最大輝度相当値=(100%白相当値)×(最大輝度)/(標準白色輝度)
=1.0×1000/100=10.0
・・・(式3)
仮に、入力画像1をリニアな階調変換特性で表示パネルユニット80に表示しようとすると、入力画像1の画素のうち最大輝度相当値(10.0)以下の輝度の画素は忠実な輝度で表示可能であるが、それより高い輝度の画素は忠実な輝度では表示ができない。
フローチャートを図5に示す。また輝度分布の判定処理の概念図を図6に示す。
ステップS301において、判定部30は、輝度レンジ21を参照して表示パネルユニット80の標準白色輝度と最大輝度の情報を取得する。実施例1の場合はそれぞれ100cd/m2、1000cd/m2である。
ステップS302において、判定部30は、表示パネルユニット80の最大輝度に対応する入力画像1の輝度(最大輝度相当値という)を算出する。表示パネルユニット80の最大輝度は標準白色輝度の10倍である。また、入力画像1では100%白が1.0の値で表現されている。よって、最大輝度相当値は下記の式3のように求められる。
最大輝度相当値=(100%白相当値)×(最大輝度)/(標準白色輝度)
=1.0×1000/100=10.0
・・・(式3)
仮に、入力画像1をリニアな階調変換特性で表示パネルユニット80に表示しようとすると、入力画像1の画素のうち最大輝度相当値(10.0)以下の輝度の画素は忠実な輝度で表示可能であるが、それより高い輝度の画素は忠実な輝度では表示ができない。
ステップS303において、判定部30は、輝度ヒストグラム11のカテゴリを中間輝度度数M、高輝度度数W、超高輝度度数Hのグループに分けてそれぞれのグループの合計度数を算出する。中間輝度度数Mは、標準白色輝度よりも暗い輝度領域のカテゴリ(カテゴリ番号0から127)の度数を合計して求める。高輝度度数Wは、標準白色輝度よりも明るく、かつ最大輝度相当値よりも暗い輝度領域のカテゴリの度数を合計して求める。最大輝度相当値はカテゴリ番号の算出式(式2)より191番のカテゴリになるので、高輝度度数Wはカテゴリ番号128から191の度数を合計して求める。超高輝度度数Hは、最大輝度相当値よりも明るい輝度領域のカテゴリ(カテゴリ番号192から255)の度数を合計して求める。
ステップS304において、判定部30は、高輝度度数Wと超高輝度度数Hに関して、下記の式4が成立するか判定する。
W>thW×T かつ
H>thT×T
T:入力画像1の総画素数T(ヒストグラムの全度数)
・・・(式4)
式4が成立する場合、ステップS305に進む。そうでなければステップS306に進む。実施例1では、thWとthTをそれぞれ0.15(15%)に設定する。これらの閾値はこの例に限られない。求める表示画質の傾向に応じて適宜設定できる。例えば、これらの閾値を大きくすると、S306に進むケースが多くなるため、入力画像1の輝度をできるだけ忠実に表示するように調整できる。この場合、画像の内容によってはコントラスト感が低下する場合がある。一方、閾値を小さくすると、S305に進むケースが多くなるため、高輝度域が多く含まれる画像でも階調がつぶれることを低下できる。また、中間輝度度数が多い画像では入力画像1に忠実な輝度を表示可能である。
ステップS305では、判定結果31を「適応変換」とする。
ステップS306では、判定結果31を「固定変換」とする。
W>thW×T かつ
H>thT×T
T:入力画像1の総画素数T(ヒストグラムの全度数)
・・・(式4)
式4が成立する場合、ステップS305に進む。そうでなければステップS306に進む。実施例1では、thWとthTをそれぞれ0.15(15%)に設定する。これらの閾値はこの例に限られない。求める表示画質の傾向に応じて適宜設定できる。例えば、これらの閾値を大きくすると、S306に進むケースが多くなるため、入力画像1の輝度をできるだけ忠実に表示するように調整できる。この場合、画像の内容によってはコントラスト感が低下する場合がある。一方、閾値を小さくすると、S305に進むケースが多くなるため、高輝度域が多く含まれる画像でも階調がつぶれることを低下できる。また、中間輝度度数が多い画像では入力画像1に忠実な輝度を表示可能である。
ステップS305では、判定結果31を「適応変換」とする。
ステップS306では、判定結果31を「固定変換」とする。
このように、実施例1では、入力画像を構成する画素のうち所定の基準輝度と表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報を取得する。また、第1輝度範囲に隣接し限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報を取得する。そして、第1画素に関する情報と第2画素に関す
る情報とに基づき変換特性を決定し、この変換特性を用いて入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う。
実施例1の場合、所定の基準輝度は、基準白に相当する輝度(標準白色輝度、100%白に相当する輝度)である。また、第1輝度範囲は、基準白に相当する輝度から表示装置の表示可能な輝度範囲の上限輝度(最大輝度相当値)までの輝度範囲であり、第1画素は高輝度度数Wにカウントされる画素である。第2輝度範囲は、上限輝度(最大輝度相当値)を超える輝度範囲であり、第2画素は超高輝度度数Hにカウントされる画素である。また、第1画素に関する情報は、第1画素の度数であり、第2画素に関する情報は第2画素の度数である。
第1画素の度数(高輝度度数W)が第1閾値(thW×T)より多く、かつ、第2画素の度数(超高輝度度数H)が第2閾値(thH×T)より多い場合、階調の表示を優先する第2の変換特性(適応変換)を選択して画像処理を行う(S305)。一方、第1の画素の度数が第1閾値以下、又は、第2画素の度数が第2閾値以下の場合、輝度の表示を優先する第2の変換特性(固定変換)を選択して画像処理を行う(S306)。
る情報とに基づき変換特性を決定し、この変換特性を用いて入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う。
実施例1の場合、所定の基準輝度は、基準白に相当する輝度(標準白色輝度、100%白に相当する輝度)である。また、第1輝度範囲は、基準白に相当する輝度から表示装置の表示可能な輝度範囲の上限輝度(最大輝度相当値)までの輝度範囲であり、第1画素は高輝度度数Wにカウントされる画素である。第2輝度範囲は、上限輝度(最大輝度相当値)を超える輝度範囲であり、第2画素は超高輝度度数Hにカウントされる画素である。また、第1画素に関する情報は、第1画素の度数であり、第2画素に関する情報は第2画素の度数である。
第1画素の度数(高輝度度数W)が第1閾値(thW×T)より多く、かつ、第2画素の度数(超高輝度度数H)が第2閾値(thH×T)より多い場合、階調の表示を優先する第2の変換特性(適応変換)を選択して画像処理を行う(S305)。一方、第1の画素の度数が第1閾値以下、又は、第2画素の度数が第2閾値以下の場合、輝度の表示を優先する第2の変換特性(固定変換)を選択して画像処理を行う(S306)。
次に、実施例1の表示装置の動作例を具体的に説明する。
動作例1の概念図を図7に示す。入力画像1は、図7(a)のように漆黒の背景(領域α)の中に超高輝度の物体(領域β)が存在する画像である。領域αの入力画素値(輝度)inは0.00001、領域βの入力画素値(輝度)inは50.0である。
動作例1の概念図を図7に示す。入力画像1は、図7(a)のように漆黒の背景(領域α)の中に超高輝度の物体(領域β)が存在する画像である。領域αの入力画素値(輝度)inは0.00001、領域βの入力画素値(輝度)inは50.0である。
この画像の場合、判定部30による高輝度度数Wは0、超高輝度度数Hは総画素数Tの6%程度である。従ってステップS306へ分岐して判定結果31は「固定変換」となる。選択部60により、選択変換テーブル61として図3に示す固定変換テーブル51が選択される。
この固定変換テーブル51によれば、領域αの画素の表示データ71の階調値outは0となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは(式1)より0.01cd/m2となる。領域βの画素の表示データ71の階調値outは4060となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは(式1)より906cd/m2となる。この表示状態を図7(b)に示す。これは固定変換テーブル51を用いることによって、入力画像1の輝度を極力忠実に表示している状態である。
次に、動作例2の概念図を図8に示す。入力画像1は、図8(a)のように明るい背景(領域α)の中に超高輝度の物体(領域β)が存在する画像である。領域αの入力画素値(輝度)inは8.0、領域βの入力画素値(輝度)inは50.0である。
この画像の場合、判定部30による高輝度度数Wは総画素数Tの60%、超高輝度度数Hは総画素数Tの40%程度である。従ってステップS305へ分岐して判定結果31は「適応変換」となる。選択部60により、選択変換テーブル61として適応変換テーブル41が選択される。
仮にこの入力画像1に対して固定変換テーブル51を使用すると、領域αの画素の表示データ71の階調値outは4000となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは(式1)より765cd/m2となる。領域βの画素の表示データ71の階調値outは4060となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは(式1)より906cd/m2となる。この表示状態を図8(b)に示す。図8(a)のように入力画像1において高輝度画素と超高輝度画素の占める割合が多い場合に固定変換テーブル51を用いると領域αと領域βとのコントラスト比の低下が目立ち、表示画像の視認性が良好でなくなる。
図8(a)のような入力画像1の場合、適応変換テーブル41は図9に示すような特性となる。この適応変換テーブル41によれば、領域αの画素の表示データ71の階調値outは3500となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは(式1)より200cd/m2となる。領域βの画素の表示データ71の階調値outは4095となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは(式1)より1000cd/m2となる。この表示状態を図8(c)に示す。図8(c)に示すように、領域αと領域βの階調がつぶれず、十分なコントラスト比が確保されている。図8(a)に示す画像のように、高輝度画素と超高輝度画素が多くを占める画像では、入力画像の輝度を忠実に表示することを優先するより、階調の表示を優先する方が、視覚的に好ましい表示が得られる。
次に動作例3の概念図を図10に示す。入力画像1は、図10(a)のように明るい背景(領域α)の中に中輝度の物体(領域β)が存在し、さらに高輝度のハイライト(領域γ)が存在する。領域αの入力画素値(輝度)inは8.0、領域βの入力画素値(輝度)inは0.5、領域γの入力画素値(輝度)inは50.0である。
この画像の場合、判定部30による高輝度度数Wは総画素数Tの60%、超高輝度度数Hは総画素数Tの2%程度である。従ってステップS306へ分岐して判定結果31は「固定変換」となる。選択部60により、選択変換テーブル61として図3に示す固定変換テーブル51が選択される。
この固定変換テーブル51によれば、領域αの画素の表示データ71の階調値outは4000となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは765cd/m2となる。領域βの画素の表示データ71の階調値outは3030となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは50cd/m2となる。領域γの画素の表示データ71の階調値outは4060となり、表示パネルユニット80で表示される明るさLは906cd/m2となる。この表示状態を図10(b)に示す。これは固定変換テーブル51を用いることによって、入力画像1の輝度を極力忠実に表示している状態である。
仮にこの入力画像1に対して適応変換テーブル41を使用すると、図10(c)のように、コントラストは得られるが全体的に暗い表示になる。
仮にこの入力画像1に対して適応変換テーブル41を使用すると、図10(c)のように、コントラストは得られるが全体的に暗い表示になる。
固定変換テーブル51を用いて変換して得られる図10(b)の表示では、領域α(高輝度領域)と領域γ(超高輝度領域)とのコントラスト比は低い。しかし、画像内で各領域が占める面積が大きく異なっており、また領域αと領域γが離れているため、コントラストの低さは視覚的に認識されにくい。むしろ中間輝度から高輝度の領域を入力画像に忠実に表示することによって、観察者には画像内の高輝度領域と超高輝度領域の明るさが良好な印象で知覚されることが経験的に分かっている。一方、適応変換テーブル41を用いて変換して得られる図10(c)の表示では、中間階調の明るさが入力画像1から大幅に暗くなり輝度の表示が入力画像に対し忠実ではなくなってしまうため、入力画像1がもつ元々の印象が観察者に伝わりにくい。よって、図10(a)のような、高輝度領域と超高輝度領域の面積が大きく異なる画像や、高輝度領域と超高輝度領域とが画像内で隣接していない画像の場合、固定変換テーブル51を用いて輝度の忠実表示を優先する方が視覚的に好ましい表示が得られる。一方、図8(a)のような、高輝度領域と超高輝度領域の面積が同程度である画像や、高輝度領域と超高輝度領域とが画像内で隣接している画像の場合、各領域の表示輝度が近くなることによるコントラストの低さが視認されやすい。そのため、上述したように適応変換により階調の表示を優先し白とびを抑制した方が視覚的に好ましい表示になる。
超高輝度範囲は、固定変換テーブル51で階調の圧縮の度合が他の輝度範囲より強い輝度範囲である。また高輝度範囲は、超高輝度範囲と隣接している輝度範囲である。この2つの輝度範囲に属する画素が画像内で支配的になると、コントラストが低下して視認性が
低下する。
低下する。
超高輝度範囲の画素がある程度多く、かつ高輝度範囲の画素がある程度多いような画像では適応変換による階調圧縮を行った方が視覚的に好ましい表示を得ることができる。それ以外の場合では入力画像1の輝度をできるだけ忠実に表示した方が視覚的に好ましい表示を得ることができる。
以上説明した構成及び方法にて、本発明を実施することが可能となる。
以上説明した構成及び方法にて、本発明を実施することが可能となる。
なお、生成部40における適応変換テーブル41の作成方法は実施例1で例示した方法に限らない。高輝度領域と超高輝度領域とのコントラストを明瞭に表示できる方法であれば、ヒストグラムの度数に応じていくつかの変換特性を混合するような方法であってもよい。例えば、判定部30は、ステップS304の判定結果を、固定変換か適応変換かの選択ではなく、連続的な度合として出力するようにしても良い。この場合、選択部60は、当該度合に応じて固定変換テーブル51と適応変換テーブル41を組み合わせた中間的な変換特性を生成し、変換部70に出力するようにしても良い。これにより、輝度の表示を優先する第1変換特性と、階調の表示を優先する第2変換特性とを、第1画素及び第2画素に関する情報に基づく度合で組み合わせた変換特性により、輝度ダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行うことができる。
また、実施例1では、第1画素(高輝度画素)及び第2画素(超高輝度画素)に関する情報が第1画素の度数(高輝度度数W)及び第2画素の度数(超高輝度度数H)である場合を例に説明したが、これは一例であり本発明はこれに限られない。解析部10で行う画像解析は、入力画像1の輝度ヒストグラムに限らず異なる指標を解析し、判定部30による輝度分布判定を行ってもよい。例えば、第1画素及び第2画素に関する情報は、第1画素及び第2画素の画像内の分布であっても良い。この場合、判定部30は、第1画素(高輝度画素)からなる領域と第2画素(超高輝画素)からなる領域の平面的な密集状態に応じて輝度分布判定を行うことも可能である。例えば、第1画素(高輝度画素)から構成される領域と、第2画素(超高輝度画素)から構成される領域とが隣接している場合、第2変換特性(階調表示優先の適応変換)により画像処理を行うようにしても良い。また、第1画素から構成される領域と第2画素から構成される領域とが離れている場合、第1変換特性(輝度表示優先の固定変換)により画像処理を行うようにしても良い。
また、入力画像を複数の領域に分割し、領域毎に、領域内の第1画素及び第2画素に関する情報に基づき決定される変換特性を用いて画像処理を行うようにしても良い。
また、画像の暗部に対しても同様の手法にてダイナミックレンジの最適化を図ることも可能である。この場合、所定の基準輝度は基準黒に相当する輝度とし、第1輝度範囲は、表示装置の表示可能な下限輝度から基準黒に相当する輝度までの輝度範囲とし、第2輝度範囲は、表示装置の表示可能な下限輝度より低い輝度範囲としてもよい。
また、液晶を用いた直視型ディスプレイの他にも、投影用光源、反射型の空間変調器、投射用レンズ等を組み合わせたプロジェクター装置であっても同様にして本発明を実施することが可能である。
実施例1は表示装置に本発明を適用した例であるが、表示機能を有せず、入力画像に対し階調変換を行って出力する画像処理装置も本発明に含まれる。この場合、輝度レンジ保持部20は、例えば複数の表示装置に関する輝度レンジの情報を保持し、画像出力先の表示装置の情報を取得し、出力先表示装置に応じた固定変換特性を判定部30に出力するようにすると良い。また、ユーザが任意の輝度レンジの情報を指定することができるようにしても良い。
また、実施例1では、第1画素(高輝度画素)及び第2画素(超高輝度画素)に関する情報が第1画素の度数(高輝度度数W)及び第2画素の度数(超高輝度度数H)である場合を例に説明したが、これは一例であり本発明はこれに限られない。解析部10で行う画像解析は、入力画像1の輝度ヒストグラムに限らず異なる指標を解析し、判定部30による輝度分布判定を行ってもよい。例えば、第1画素及び第2画素に関する情報は、第1画素及び第2画素の画像内の分布であっても良い。この場合、判定部30は、第1画素(高輝度画素)からなる領域と第2画素(超高輝画素)からなる領域の平面的な密集状態に応じて輝度分布判定を行うことも可能である。例えば、第1画素(高輝度画素)から構成される領域と、第2画素(超高輝度画素)から構成される領域とが隣接している場合、第2変換特性(階調表示優先の適応変換)により画像処理を行うようにしても良い。また、第1画素から構成される領域と第2画素から構成される領域とが離れている場合、第1変換特性(輝度表示優先の固定変換)により画像処理を行うようにしても良い。
また、入力画像を複数の領域に分割し、領域毎に、領域内の第1画素及び第2画素に関する情報に基づき決定される変換特性を用いて画像処理を行うようにしても良い。
また、画像の暗部に対しても同様の手法にてダイナミックレンジの最適化を図ることも可能である。この場合、所定の基準輝度は基準黒に相当する輝度とし、第1輝度範囲は、表示装置の表示可能な下限輝度から基準黒に相当する輝度までの輝度範囲とし、第2輝度範囲は、表示装置の表示可能な下限輝度より低い輝度範囲としてもよい。
また、液晶を用いた直視型ディスプレイの他にも、投影用光源、反射型の空間変調器、投射用レンズ等を組み合わせたプロジェクター装置であっても同様にして本発明を実施することが可能である。
実施例1は表示装置に本発明を適用した例であるが、表示機能を有せず、入力画像に対し階調変換を行って出力する画像処理装置も本発明に含まれる。この場合、輝度レンジ保持部20は、例えば複数の表示装置に関する輝度レンジの情報を保持し、画像出力先の表示装置の情報を取得し、出力先表示装置に応じた固定変換特性を判定部30に出力するようにすると良い。また、ユーザが任意の輝度レンジの情報を指定することができるようにしても良い。
(実施例2)
実施例1では表示パネルユニット80の表示能力の情報は輝度レンジ保持部20から取得される固定的な情報であったが、実施例2では、表示パネルユニット80の表示能力が動的に変化する場合に本発明を適用した例を説明する。
実施例1では表示パネルユニット80の表示能力の情報は輝度レンジ保持部20から取得される固定的な情報であったが、実施例2では、表示パネルユニット80の表示能力が動的に変化する場合に本発明を適用した例を説明する。
本発明の実施例2の表示装置の構成図を図11に示す。
液晶パネル810は、補正部850から出力される補正表示データ851に基づき各画素の透過率を制御することで画像を表示する表示パネルである。
バックライト820は、液晶パネル810の背面側に配置され、バックライト制御データ841に従って液晶パネル810に背面側から光を照射する。バックライト820を構成する光源は発光輝度が可変である。従って実施例2の表示パネルユニット80は、表示可能な輝度範囲が可変である。
温度センサ830は、バックライト820の温度を計測し、計測温度831を出力する。
液晶パネル810は、補正部850から出力される補正表示データ851に基づき各画素の透過率を制御することで画像を表示する表示パネルである。
バックライト820は、液晶パネル810の背面側に配置され、バックライト制御データ841に従って液晶パネル810に背面側から光を照射する。バックライト820を構成する光源は発光輝度が可変である。従って実施例2の表示パネルユニット80は、表示可能な輝度範囲が可変である。
温度センサ830は、バックライト820の温度を計測し、計測温度831を出力する。
バックライト制御部840は、表示データ71と計測温度831に基づき、最適なバックライト光の強度を算出し、バックライト制御データ841及びバックライト制限情報81を出力する。バックライト制御部840は、表示データ71を構成する画素のうちの輝度が最大の画素を検出し、その画素の輝度を表示可能なバックライト光の強度を算出し、バックライト制御データ841として出力する。
ここで、バックライト820で使用している発光素子(LED:Light Emitting Diode)は、長時間連続して高輝度の発光を行うと、素子の温度が過剰に上昇して正常に動作しなくなる場合がある。そのため、実施例2の表示装置は、バックライト820の温度を温度センサ830で監視し、閾値以上の温度になったらバックライト光の強度を制限する。このようなバックライト光強度の可変制御を行うことで、短時間であれば超高輝度のバックライト光を照射することができる。一定時間を経過してバックライトの温度が閾値を超えると、バックライト光の強度に制限がかかり、徐々に表示可能な最大輝度が低下することになる。バックライト制御部840は、バックライト光の強度が制限されている状態になった場合、その状態で表示可能な最大輝度の情報をバックライト制限情報81として出力する。
補正部850は、表示データ71とバックライト制御データ841に基づき、補正表示データ851を生成する。補正部850は、バックライト820の発光輝度が標準的な輝度より高くなるようなバックライト制御データ841であった場合は、表示データ71を暗くしたデータを補正表示データ851とする。補正部850は、バックライト820の発光輝度が標準的な輝度より低くなるようなバックライト制御データ841であった場合は、表示データ71を明るくしたデータを補正表示データ851とする。補正部850は、表示データ71の画素が意図する明るさL、補正表示データ851によって制御される液晶パネル810の画素の透過率T、バックライト820の発光輝度Bが、下記の式5を満たすように補正表示データ851を算出する。
T=L/B ・・・(式5)
T=L/B ・・・(式5)
判定部30は、輝度ヒストグラム11、輝度レンジ21、及びバックライト制限情報81に基づき、入力画像1の輝度分布の判定を行って判定結果31を出力する。判定部30は、表示パネルユニット80の表示可能な輝度範囲が変化したか否かを判定し、変化した場合、変化後の表示可能な輝度範囲の情報を取得する。実施例2では、判定部30は、バックライト制限情報81に基づき、バックライト820の発光輝度が制限されている状態であるか判定する。制限されている状態であれば、判定部30は、輝度レンジ保持部20から取得した輝度レンジ21における表示可能な最大輝度の情報を、バックライト制限情報81から得られた制限状態における最大輝度で置き換えた上で、実施例1で説明した判定処理を行う。これにより、変換部70は、変化後の表示可能な輝度範囲に基づき決定さ
れる変換特性を用いて階調圧縮の画像処理を行うことができる。
その他の構成及び動作については実施例1と同様である。
以上説明した構成及び方法にて、表示能力が動的に変化する表示装置であっても本発明を実施することが可能となる。
れる変換特性を用いて階調圧縮の画像処理を行うことができる。
その他の構成及び動作については実施例1と同様である。
以上説明した構成及び方法にて、表示能力が動的に変化する表示装置であっても本発明を実施することが可能となる。
(実施例3)
実施例3は、画像の輝度のダイナミックレンジを変換する画像処理を行うコンピュータ上のソフトウェア(プログラム)に本発明を適用した例である。
実施例3のソフトウェアを実行するコンピュータシステムの構成の一例を図12に示す。
プロセッサ3001は、その他の構成要素を制御してソフトウェアの処理を実行する。
メモリ3002は、プロセッサが処理を実行する際のデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置3003は、画像データがファイルの形式で格納される。
HDR画像ファイル3004は、広ダイナミックレンジの画像データである。実施例1で説明した入力画像1と同様の画像データとする。
変換画像ファイル3005は、ダイナミックレンジの変換処理後の画像データである。
なお、図12において、実施例3の説明に必要ない事項は記載を省略している。
実施例3は、画像の輝度のダイナミックレンジを変換する画像処理を行うコンピュータ上のソフトウェア(プログラム)に本発明を適用した例である。
実施例3のソフトウェアを実行するコンピュータシステムの構成の一例を図12に示す。
プロセッサ3001は、その他の構成要素を制御してソフトウェアの処理を実行する。
メモリ3002は、プロセッサが処理を実行する際のデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置3003は、画像データがファイルの形式で格納される。
HDR画像ファイル3004は、広ダイナミックレンジの画像データである。実施例1で説明した入力画像1と同様の画像データとする。
変換画像ファイル3005は、ダイナミックレンジの変換処理後の画像データである。
なお、図12において、実施例3の説明に必要ない事項は記載を省略している。
図13は、画像の輝度のダイナミックレンジ変換する画像処理を示すフローチャートである。
ステップS3001において、プロセッサ3001は、外部記憶装置3003からHDR画像ファイル3004を読み込み、データをメモリ3002へ格納する。
ステップS3002において、プロセッサ3001は、読み込んだHDR画像ファイル3004を解析し、輝度ヒストグラムを出力する。解析方法は実施例1の解析部10の処理と同様である。
ステップS3003において、プロセッサ3001は、高輝度度数Wと超高輝度度数Hに関して、上記の式4が成立するか判定する。判定方法は実施例1の判定部30の処理と同様である。式4が成立する場合、ステップS3004に進み、式4が成立しない場合、ステップS3005に進む。閾値thWとthTは実施例1と同様それぞれ0.15(15%)に設定する。
ステップS3001において、プロセッサ3001は、外部記憶装置3003からHDR画像ファイル3004を読み込み、データをメモリ3002へ格納する。
ステップS3002において、プロセッサ3001は、読み込んだHDR画像ファイル3004を解析し、輝度ヒストグラムを出力する。解析方法は実施例1の解析部10の処理と同様である。
ステップS3003において、プロセッサ3001は、高輝度度数Wと超高輝度度数Hに関して、上記の式4が成立するか判定する。判定方法は実施例1の判定部30の処理と同様である。式4が成立する場合、ステップS3004に進み、式4が成立しない場合、ステップS3005に進む。閾値thWとthTは実施例1と同様それぞれ0.15(15%)に設定する。
ステップS3004において、プロセッサ3001は、適応変換テーブルを生成する。生成方法は実施例1の生成部40の処理と同様である。
ステップS3005において、プロセッサ3001は、固定変換テーブルを取得する。ここでは外部記憶装置3003に実施例1の特性保持部50と同様に固定変換テーブルが記憶されており、プロセッサ3001は外部記憶装置3003から固定変換テーブルを取得するものとする。
ステップS3006において、プロセッサ3001は、ステップS3004又はステップS3005で取得した変換テーブルを用いて、メモリ3002に読み込まれているHDR画像データの輝度ダイナミックレンジを変換する。
ステップS3007において、プロセッサ3001は、変換後の画像ファイルを外部記憶装置3003へ出力する。
ステップS3005において、プロセッサ3001は、固定変換テーブルを取得する。ここでは外部記憶装置3003に実施例1の特性保持部50と同様に固定変換テーブルが記憶されており、プロセッサ3001は外部記憶装置3003から固定変換テーブルを取得するものとする。
ステップS3006において、プロセッサ3001は、ステップS3004又はステップS3005で取得した変換テーブルを用いて、メモリ3002に読み込まれているHDR画像データの輝度ダイナミックレンジを変換する。
ステップS3007において、プロセッサ3001は、変換後の画像ファイルを外部記憶装置3003へ出力する。
以上のように、画像の輝度のダイナミックレンジを狭くする画像処理を行うソフトウェア(プログラム)に本発明を適用することが可能となる。
実施例3のソフトウェアは、例えばACESシステムにおけるODTとして実施することができる。この場合、ソフトウェアは出力先デバイス(ディスプレイ)に固有の機能を有するソフトウェアであり、ディスプレイの仕様(表示可能な最大輝度)に応じて高輝度領域と超高輝度領域との境界輝度が設定されることになる。また、ユーザが任意の境界輝度を設定できる汎用的なソフトウェアとして実施することもできる。
実施例3のソフトウェアは、例えばACESシステムにおけるODTとして実施することができる。この場合、ソフトウェアは出力先デバイス(ディスプレイ)に固有の機能を有するソフトウェアであり、ディスプレイの仕様(表示可能な最大輝度)に応じて高輝度領域と超高輝度領域との境界輝度が設定されることになる。また、ユーザが任意の境界輝度を設定できる汎用的なソフトウェアとして実施することもできる。
上記各実施例は、記憶装置又はメモリに記憶又は記録又は格納又は保存されたプログラムをコンピュータ又はプロセッサ又はCPUが実行することによって各機能ブロックの機能又は処理を実現する態様で実施することができる。プロセッサとメモリとを備え、前記メモリにはコンピュータが実行することによって上記各実施例で説明した各機能ブロックの機能が実現されるプログラムが記憶されている構成も、本発明の範囲に含まれる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10:解析部、20:輝度レンジ保持部、30:判定部、40:生成部、50:特性保持部、60:選択部、70:レンジ圧縮部
Claims (20)
- 入力画像を変換して表示装置へ出力する画像処理装置であって、
前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得手段と、
前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理手段と、
を備える画像処理装置。 - 前記処理手段は、
輝度の表示を優先する第1変換特性と、
階調の表示を優先する第2変換特性と、
のいずれかを前記第1画素及び前記第2画素に関する情報に基づき選択して前記画像処理を行う請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記処理手段は、
輝度の表示を優先する第1変換特性と、
階調の表示を優先する第2変換特性と、
を前記第1画素及び前記第2画素に関する情報に基づく度合で組み合わせた変換特性により前記画像処理を行う請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第1変換特性は、入力画像によらない固定的な変換特性である請求項2又は3に記載の画像処理装置。
- 前記第1変換特性は、前記表示装置の表示可能な輝度範囲の上限の近傍及び下限の近傍の少なくとも一方の領域における階調圧縮の度合が、前記表示可能な輝度範囲の中央の近傍における階調圧縮の度合よりも強く、前記表示装置の表示可能な輝度範囲内の輝度の忠実な表示を優先する変換特性である請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記第2変換特性は、入力画像に適応的な変換特性である請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第2変換特性は、入力画像の輝度分布において度数が多い輝度の領域により多くの階調を割り当てる変換特性である請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記第1画素に関する情報は前記第1画素の度数であり、
前記第2画素に関する情報は前記第2画素の度数である請求項2〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記処理手段は、
前記第1画素の度数が第1閾値より多く、かつ、
前記第2画素の度数が第2閾値より多い場合、
前記第2変換特性により前記画像処理を行う請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記処理手段は、
前記第1画素の度数が第1閾値以下、又は、
前記第2画素の度数が第2閾値以下の多い場合、
前記第1変換特性により前記画像処理を行う請求項8又は9に記載の画像処理装置。 - 前記第1画素及び前記第2画素に関する情報は、前記入力画像における前記第1画素及び前記第2画素の画像内の分布である請求項2〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記処理手段は、前記第1画素から構成される領域と前記第2画素から構成される領域とが隣接している場合、前記第2変換特性により前記画像処理を行う請求項11に記載の画像処理装置。
- 前記処理手段は、前記第1画素から構成される領域と前記第2画素から構成される領域とが離れている場合、前記第1変換特性により前記画像処理を行う請求項11又は12に記載の画像処理装置。
- 前記処理手段は、前記入力画像を複数の領域に分割し、領域毎に、領域内の前記第1画素及び前記第2画素に関する情報に基づき決定される変換特性を用いて前記画像処理を行う請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記所定の基準輝度は基準白に相当する輝度であり、
前記第1輝度範囲は、基準白に相当する輝度から前記表示装置の表示可能な輝度範囲の上限輝度までの輝度範囲であり、
前記第2輝度範囲は、前記上限輝度を超える輝度範囲である請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記所定の基準輝度は基準黒に相当する輝度であり、
前記第1輝度範囲は、前記表示装置の表示可能な輝度範囲の下限輝度から基準黒に相当する輝度までの輝度範囲であり、
前記第2輝度範囲は、前記下限輝度より低い輝度範囲である請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記表示装置の表示可能な輝度範囲は可変であり、
前記取得手段は、前記表示装置の表示可能な輝度範囲が変化した場合、変化後の表示可能な輝度範囲の情報を取得し、
前記処理手段は、前記変化後の表示可能な輝度範囲に基づき決定される変換特性を用いて前記画像処理を行う請求項1〜16のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置から出力される画像を表示する表示手段と、
を備える表示装置。 - 入力画像を変換して表示装置へ出力する画像処理装置の制御方法であって、
前記表示装置の表示可能な輝度範囲の情報を取得する取得工程と、
前記入力画像を構成する画素のうち、所定の基準輝度と前記表示装置の表示可能な輝度範囲の限界輝度との間の第1輝度範囲内の輝度をもつ第1画素に関する情報と、前記第1輝度範囲に隣接し前記限界輝度を超える第2輝度範囲内の輝度をもつ第2画素に関する情報と、に基づき決定される変換特性を用いて、前記入力画像のダイナミックレンジを圧縮する画像処理を行う処理工程と、
を有する画像処理装置の制御方法。 - 請求項19に記載の画像処理装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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-
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