JP2017218985A - 内燃機関システムの制御装置及び内燃機関システム - Google Patents

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慶子 柴田
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宗昌 橋本
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和成 山本
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Kohei Oka
耕平 岡
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【課題】酸化触媒がリン被毒によって劣化した場合であっても排気エミッションが増大することを最小限に抑えることができる内燃機関システムの制御装置及び内燃機関システムを提供する。【解決手段】内燃機関システム1の制御装置100は、内燃機関10の排気通路30に配置された酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定する判定部101と、判定部101によって酸化触媒51のリン被毒による劣化が判定された場合に、EGRガスの内燃機関10の気筒13への導入量を低減させる制御処理、及び気筒13における燃料の燃焼を進角させる制御処理の少なくとも一方を実行する制御部101と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関システムの制御装置及び内燃機関システムに関する。
従来、内燃機関の排気通路に酸化触媒を備える内燃機関システムが知られている(例えば特許文献1参照)。この酸化触媒は、一般に、排気に含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)といった有害物質を、酸化触媒の触媒作用によって、水(HO)や二酸化炭素(CO)といった無害な物質に変化させることで、排気中の有害物質を浄化している。
特開2009−2192号公報
ところで、例えばエンジンオイル添加剤としてリンを含有するものを用いた場合等において、リンが内燃機関の排気中に含まれる場合がある。このような場合において、排気中のリンによって酸化触媒が被毒を受け、酸化触媒が劣化する可能性がある。このように酸化触媒がリン被毒によって劣化した場合、酸化触媒の浄化能力が低下するため、排気中の一酸化炭素や炭化水素といった有害物質が酸化触媒で浄化されずに内燃機関システムの外部に排出されてしまい、排気エミッションが増大する可能性がある。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、酸化触媒がリン被毒によって劣化した場合であっても排気エミッションの増大を最小限に抑えることができる内燃機関システムの制御装置及び内燃機関システムを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る内燃機関システムの制御装置は、内燃機関の排気通路に配置された酸化触媒のリン被毒による劣化を判定する判定部と、前記判定部によって前記酸化触媒のリン被毒による劣化が判定された場合に、EGRガスの前記内燃機関の気筒への導入量を低減させる制御処理、及び前記気筒における燃料の燃焼を進角させる制御処理の少なくとも一方を実行する制御部と、を備えることを特徴とする。
また上記目的を達成するため、本発明に係る内燃機関システムは、内燃機関と、前記内燃機関の排気通路に配置された酸化触媒と、EGRガスを前記内燃機関の気筒へ導入させるEGRシステムと、上記の制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、酸化触媒のリン被毒による劣化が判定された場合に、EGRガスの気筒への導入量を低減させる制御処理、及び気筒における燃料の燃焼を進角させる制御処理の少なくとも一方が実行されるので、内燃機関からの一酸化炭素や炭化水素といった有害物質の排出量を低減させることができる。これにより、酸化触媒がリン被毒によって劣化した場合であっても、排気エミッションが増大することを最小限に抑えることができる。
図1(a)は実施形態に係る内燃機関システムの全体構成を模式的に示す構成図である。図1(b)は内燃機関の一つの気筒の周辺構造を模式的に示す断面図である。 実施形態に係る制御装置が実行する制御処理のフローチャートの一例である。
以下、本発明の実施形態に係る内燃機関システムの制御装置100及び、この制御装置100を備える内燃機関システム1について図面を参照しつつ説明する。図1(a)は、本実施形態に係る内燃機関システム1の全体構成を模式的に示す構成図である。内燃機関システム1は車両に搭載されている。内燃機関システム1は、内燃機関10、吸気通路20、排気通路30、EGRシステム40、排気浄化装置50、排気後処理装置60、各種センサ類(図1(a)では濃度センサ70a,70bが例示されている)、及び制御装置100を備えている。
図1(b)は、内燃機関10の一つの気筒13の周辺構造を模式的に示す断面図である。内燃機関10は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の上部に配置されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11に形成された気筒13に配置されたピストン14とを備えている。シリンダヘッド12には、吸気が通過する吸気ポート15、及び排気が通過する排気ポート16が設けられている。また内燃機関10は、吸気ポート15を開閉する吸気バルブ17、及び排気ポート16を開閉する排気バルブ18を備えるとともに、気筒13に燃料を直接噴射する燃料噴射弁19を備えている。
なお本実施形態では、内燃機関10の一例として、ディーゼル機関を用いている。また図1(a)に例示する内燃機関10の気筒13の個数は4個であるが、気筒13の個数はこれに限定されるものではない。
図1(a)を参照して、吸気通路20は内燃機関10に吸入される吸気が通過する通路であり、その下流側端部が分岐して各気筒13の吸気ポート15に接続している。排気通路30は内燃機関10から排出された排気が通過する通路であり、その上流側端部が分岐して各気筒13の排気ポート16に接続している。
EGRシステム40は、EGRガスを内燃機関10の気筒13へ導入させるシステムである。具体的には本実施形態に係るEGRシステム40は、EGR通路41、EGRバルブ42及びEGRクーラ43を備えている。EGR通路41は、EGRガスを気筒13へ導入させるための通路である。具体的には本実施形態に係るEGR通路41は、排気通路30の途中部分(例えば図1に例示するように排気マニホールドの部分)から分岐して吸気通路20の途中部分(例えば図1に例示するように吸気マニホールドの部分)に接続することで、排気通路30の排気の一部(すなわちEGRガス)を吸気通路20の途中部分を介して気筒13へ導入している。EGRバルブ42及びEGRクーラ43はEGR通路41の途中に接続されている。EGRバルブ42は制御装置100の指示を受けて開閉作動することで、EGRガスの流量を調整する。EGRクーラ43はEGRガスを冷却する冷却器である。
排気浄化装置50は排気通路30に配置されている。本実施形態に係る排気浄化装置50は、酸化触媒51を備えるとともに、排気に含まれる煤等のPMを捕集可能なフィルタ52を備えている。フィルタ52は酸化触媒51よりも下流側に配置されている。本実施形態では、フィルタ52の一例として、ディーゼルパティキュレートフィルタを用いている。
酸化触媒51は、排気に含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)といった有害
物質を、酸化触媒51の触媒作用によって、水(HO)や二酸化炭素(CO)といった無害な物質に変化させることで、排気中の有害物質を浄化する触媒である。このような機能を有するものであれば、酸化触媒51の具体的な構成は特に限定されるものではないが、本実施形態に係る酸化触媒51は、一例として、排気が通過可能なフィルタに、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属触媒が担持された構成を有している。具体的には、本実施形態に係る酸化触媒51は、酸化アルミニウム(Al)製の担体を構成するフィルタに、上述した貴金属触媒が担持された構成を有している。
なお、酸化触媒51は、その触媒作用によって排気中の一酸化炭素及び炭化水素を酸化させるのみならず、その触媒作用によって、排気中の一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に変化させる酸化反応を促進させる機能も有している。これにより、排気温度が所定温度以上になった場合、この酸化触媒51において生成された二酸化窒素によって、フィルタ52に堆積したPMを燃焼させて、二酸化炭素(CO)として排出させることができる(すなわち、フィルタ52の連続再生が可能である)。
排気後処理装置60は、排気通路30の排気浄化装置50よりも下流側の部分に配置されている。排気後処理装置60は、排気中のNOxを浄化させる機能を有している。このような機能を有するものであれば、排気後処理装置60の具体的な構成は特に限定されるものではないが、本実施形態においては排気後処理装置60の一例として、NOxを還元させることで浄化させる尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)装置を用いている。この尿素SCR装置は、尿素水供給部61、尿素SCR触媒62、及びアンモニアスリップ触媒63を備えている。
尿素水供給部61は、尿素SCR触媒62よりも上流側、且つフィルタ52よりも下流側の排気通路30に配置されており、制御装置100の指示を受けて排気中に尿素水を供給する尿素水噴射弁を備えている。
尿素SCR触媒62は、尿素の加水分解により発生するアンモニア(NH)を用いて排気中のNOxを選択的に還元させる触媒である。尿素SCR触媒62の具体的な種類は、特に限定されるものではなく、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン等の卑金属酸化物や、ゼオライト等の貴金属等、公知のNOx選択還元触媒を用いることができる。アンモニアスリップ触媒63は、尿素SCR触媒62よりも下流側に配置されている。このアンモニアスリップ触媒63は、尿素SCR触媒62を通過したアンモニアを酸化させる酸化触媒である。
尿素水供給部61から尿素水が排気中に供給された場合、尿素水中の尿素は加水分解され、その結果、アンモニアが生成される。このアンモニアは、尿素SCR触媒62の触媒作用の下で、NOxを還元させる。この結果、窒素(N)及び水が生成される。このようにして、排気後処理装置60としての尿素SCR装置は、排気中のNOxの低減を図っている。また本実施形態によれば、排気後処理装置60がアンモニアスリップ触媒63を備えているので、アンモニアが内燃機関システム1の外部に排出されることが効果的に抑制されている。
濃度センサ70aは、酸化触媒51よりも上流側の排気中の有害物質の濃度(以下、上流側濃度S1と称する)を検出し、検出結果を制御装置100に伝える。濃度センサ70bは、酸化触媒51よりも下流側の排気中の有害物質の濃度(以下、下流側濃度S2と称する)を検出し、検出結果を制御装置100に伝える。なお、本実施形態に係る濃度センサ70bは、酸化触媒51よりも下流側であってフィルタ52よりも上流側の部分の排気通路30における排気中の有害物質の濃度を検出している。
濃度センサ70a,70bの具体例としては、例えば、排気中の一酸化炭素濃度(CO濃度)を検出可能なCO濃度センサや、排気中の炭化水素濃度(HC濃度)を検出可能なHC濃度センサ、排気中の一酸化窒素濃度(NO濃度)を検出可能なNO濃度センサ等を用いることができる。本実施形態では、濃度センサ70a,70bの一例として、CO濃度センサを用いることとする。
制御装置100は、内燃機関10の燃料噴射弁19、EGRシステム40のEGRバルブ42、排気後処理装置60の尿素水供給部61等を制御することで内燃機関システム1の動作を総合的に制御する。このような制御装置100は、各種の制御処理を実行するCPU101と、CPU101の動作に必要な各種情報やプログラム等を記憶する記憶部としての機能を有するROM102、RAM103等と、を有するマイクロコンピュータを備えている。
続いて、前述した本発明の解決すべき課題について、再度詳細に説明する。内燃機関10の潤滑用のエンジンオイルとして、例えば、添加剤としてリンを含有するエンジンオイルを用いることがある。実際、本実施形態に係るエンジンオイルの添加剤には、このようなリンが含まれているものとする。この場合、内燃機関10における燃料の燃焼時において、燃料の他にエンジンオイルも燃焼した際に、添加剤に含まれるリンが酸化してリン酸化物となることが考えられる。
このリン酸化物が排気とともに酸化触媒51に到達した場合、排気中のリン酸化物によって酸化触媒51が被毒を受ける可能性がある。具体的には、排気中のリン酸化物が酸化触媒51の例えば酸化アルミニウムと反応してリン酸アルミニウム(AlPO)が形成されたり、排気中のリン酸化物が酸化触媒51の貴金属触媒の表面部分に化学吸着したりする、といったリン被毒が生じる可能性がある。このように酸化触媒51がリン被毒を受けた場合、酸化触媒51による一酸化炭素や炭化水素といった有害物質の浄化性能が低下してしまう。すなわち、酸化触媒51がリン被毒によって劣化してしまう。この結果、排気エミッションが増大する可能性がある。
なお、この酸化触媒51のリン被毒による劣化は、排気温度を上昇させる制御処理(後述する図2のステップS50参照)等を行っても回復することが困難な劣化、すなわち不可逆的な劣化である。
また、酸化触媒51がリン被毒を受けた場合、酸化触媒51において一酸化窒素を二酸化窒素に酸化させる酸化反応が十分に進行することも困難になる。この場合、二酸化窒素によるフィルタ52の連続再生が困難になって、排気エミッションが増大する可能性がある。また、酸化触媒51を通過する炭化水素の量が増大することによって(すなわち、HCスリップ量が増大することによって)、この酸化触媒51を通過した炭化水素によって排気後処理装置60の尿素SCR触媒62がHC被毒を受ける可能性も生じる。このように尿素SCR触媒62がHC被毒を受けた場合においても、尿素SCR触媒62の性能の低下によって、排気エミッションが増大する可能性がある。
そこで、本実施形態に係る制御装置100は、上述した課題を解決するために、以下に説明する制御処理を実行する。具体的には制御装置100は、まず、酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定する。そして、制御装置100は、この酸化触媒51のリン被毒による劣化が判定された場合には、EGRガスの気筒13への導入量を低減させる制御処理(以下、「EGRガス低減制御処理」と称する)、及び、気筒13における燃料の燃焼を進角させる制御処理(以下、「燃焼進角制御処理」と称する)の少なくとも一方を実行する。
この具体例として、本実施形態に係る制御装置100は、酸化触媒51のリン被毒による劣化が判定された場合に、EGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理の両方を実行する。
また、制御装置100は、酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定するにあたり、具体的には、酸化触媒51よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報と、内燃機関10の運転条件に基づいて推定された酸化触媒51のリン被毒量と、に基づいて酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定する。
ここで、酸化触媒51が劣化した場合、酸化触媒51よる有害物質の浄化能力が低下するので、酸化触媒51よりも上流側及び下流側の排気中の有害物質の濃度は酸化触媒51の劣化前に比較して変化する。したがって、酸化触媒51よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報は、酸化触媒51の劣化度合いを精度良く表す指標である。また、酸化触媒51のリン被毒量は、内燃機関10の運転条件によって変化するので、内燃機関10の運転条件に基づいて推定された酸化触媒51のリン被毒量は、酸化触媒51のリン被毒度合いを精度良く表す指標である。したがって、この構成によれば、酸化触媒51のリン被毒による劣化を精度良く判定することができる。
続いて、上述した制御処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置100が実行する制御処理のフローチャートの一例である。制御装置100は、内燃機関10の始動時(クランキング開始時)から図2のフローチャートを所定周期で繰り返し実行する。また、図2の各ステップは、制御装置100の具体的にはCPU101が実行する。
まず、ステップS10において、制御装置100は、酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定するための情報(以下、「劣化判定情報」と称する)を取得する。前述したように、本実施形態においては、酸化触媒51よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報と、内燃機関10の運転条件に基づいて推定された酸化触媒51のリン被毒量とに基づいて、酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定するので、制御装置100は、ステップS10に係る劣化判定情報として、酸化触媒51よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報(S1,S2)と、内燃機関10の運転条件に基づいて推定された酸化触媒51のリン被毒量T1とを取得する。
具体的には、制御装置100は、酸化触媒51よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報として、濃度センサ70aの検出した上流側濃度S1と、濃度センサ70bの検出した下流側濃度S2とを取得する。
また、制御装置100は、内燃機関10の運転条件に基づいて酸化触媒51のリン被毒量を推定し、この推定された値をステップS10のリン被毒量T1として取得する。この処理の具体的な内容は次のとおりである。まず、制御装置100は、内燃機関10の運転条件の一例として、内燃機関10の回転速度(rpm)を用いる。また、制御装置100の記憶部には、内燃機関10の回転速度と酸化触媒51のリン被毒量とを関連付けて規定したマップ、又は演算式が予め記憶されている。例えば、このマップ又は演算式は、内燃機関10の回転速度が速いほど酸化触媒51のリン被毒量の値が多くなるように規定されている。
制御装置100は、内燃機関10の回転速度を、内燃機関10の回転速度を検出するセンサ(図示せず)の検出結果に基づいて取得する。そして、制御装置100は、このようにして取得された内燃機関10の回転速度に対応するリン被毒量を上述した記憶部のマップ又は演算式から取得し、この取得されたリン被毒量をステップS10のリン被毒量T1
として用いている。
ステップS10の後に制御装置100は、酸化触媒51が劣化したか否かを判定する(ステップS20)。具体的には、本実施形態に係る制御装置100は、ステップS10で取得された上流側濃度S1に対する下流側濃度S2の割合(S2/S1)が、予め設定された濃度閾値S3よりも小さいか否かを判定することで、酸化触媒51が劣化したか否かを判定している。
このステップS20に係る濃度閾値S3は、酸化触媒51が劣化したことを判定するための閾値に相当する。この濃度閾値S3の具体的な値は特に限定されるものではなく、予め、実験、シミュレーション等によって適切な値を求めておき、制御装置100の記憶部(例えばROM102)に記憶させておく。
ステップS20でNOと判定された場合、すなわち、酸化触媒51が劣化していないと判定された場合、制御装置100はステップS10に戻る。
ステップS20でYESと判定された場合、すなわち、酸化触媒51が劣化したと判定された場合、制御装置100は、酸化触媒51がリン被毒を受けたか否かを判定する(ステップS30)。具体的には制御装置100は、ステップS10で取得されたリン被毒量T1が予め設定されたリン被毒量閾値T2よりも大きいか否かを判定することで、酸化触媒51がリン被毒を受けたか否かを判定している。
このステップS30に係るリン被毒量閾値T2は、酸化触媒51がリン被毒を受けたことを判定するための閾値に相当する。このリン被毒量閾値T2の具体的な値は特に限定されるものではなく、予め、実験、シミュレーション等によって適切な値を求めて、制御装置100の記憶部(例えばROM102)に記憶させておく。
ここで、ステップS20でYESと判断され、次のステップS30でもYESと判定された場合は、酸化触媒51がリン被毒によって劣化したと判定された場合に相当する。このように、ステップS20でYESと判定され、次のステップS30でYESと判定されることで、酸化触媒51がリン被毒によって劣化したと判定された場合、制御装置100は、EGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理の少なくとも一方を実行する(ステップS40)。なお、本実施形態に係る制御装置100は、ステップS40の一例として、EGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理の両方を実行する。
具体的には制御装置100は、ステップS40に係るEGRガス低減制御処理において、EGRガスの気筒13への導入量を低減させる。より具体的には、制御装置100は、このEGRガス低減制御処理の一例として、以下の内容を実行している。
まず、制御装置100は、ステップS40が実行される前における内燃機関システム1の通常運転時において、所定のEGRバルブ開度マップ(これは予め制御装置100の記憶部に記憶されている)に従ってEGRバルブ42の開度を制御することで、EGRガスの気筒13への導入量を制御している。そこで、制御装置100は、ステップS40に係るEGRガス低減制御処理において、EGRバルブ開度マップにおけるEGRバルブ42の開度を所定量だけ閉弁側に補正することで、EGRバルブ42の開度を所定量だけ閉弁側に制御して、EGRガスの気筒13への導入量を通常運転時の値(すなわち基準値)よりも低減させる。
なお、ステップS40に係るEGRガス低減制御処理は、EGRバルブ42を閉弁状態に制御することで、EGRガスの気筒13への導入量をゼロにすることも含んでいる。す
なわち、制御装置100は、ステップS40に係るEGRガス低減制御処理において、EGRカット制御処理(EGRガスの気筒13への導入量をゼロにする制御処理)を実行してもよい。
また、制御装置100は、ステップS40に係る燃焼進角制御処理において、燃料噴射弁19の燃料噴射時期(具体的には本実施形態では、燃料のメイン噴射時期を用いる)を進角させることで、気筒13への燃料供給時期を進角させて、気筒13における燃料の燃焼開始時期を進角させている。具体的には、制御装置100は、この燃焼進角制御処理の一例として、以下の内容を実行している。
まず、制御装置100は、内燃機関システム1の通常運転時において、所定の燃料噴射時期マップ(これは予め制御装置100の記憶部に記憶されている)に従って燃料噴射弁19の燃料のメイン噴射時期を制御している。そこで、制御装置100は、ステップS40に係る燃焼進角制御処理において、この燃料噴射時期マップにおける燃料のメイン噴射時期を所定量だけ進角側に補正することで、燃料噴射弁19の燃料のメイン噴射時期を所定量だけ進角させて、気筒13への燃料供給時期を通常運転時の値(すなわち基準値)よりも進角させている。
ステップS40が実行されることで、内燃機関10からの一酸化炭素や炭化水素といった有害物質の排出量を低減させることができる。具体的には、EGRガス低減制御処理において気筒13へのEGRガスの導入量が低減することで、気筒13における燃料の燃焼温度が上昇するとともに、気筒13への酸素供給量も増大するので、気筒13における燃料の燃焼状態が良好になる。また、燃焼進角制御処理において気筒13への燃料供給時期が進角することで、燃料の燃焼開始時期が進角されて、燃料の燃焼時間が長くなる結果、燃料の燃焼状態が良好になる。このように燃料の燃焼状態が良好になることで、一酸化炭素や炭化水素といった有害物質の排出量を低減させることができる。この結果、排気エミッションの増大を最小限に抑えることができる。
ここで、図2のステップS30でNOと判定される場合は、酸化触媒51がリン被毒以外の要因で劣化したと判定される場合に相当する。なぜなら、ステップS20でYESと判定されることで酸化触媒51は劣化していると判定できるが、ステップS30でNOと判定されたため、酸化触媒51はリン被毒以外の要因による劣化であると判定できるからである。
具体的には、このステップS30でNOと判定された場合には、例えば排気中の煤等のPMが酸化触媒51に付着することによって酸化触媒51が劣化したと考えられる。そこで、制御装置100は、ステップS30でNOと判定された場合には、酸化触媒51に付着したPMを燃焼除去させるために、内燃機関10から排出される排気の温度を上昇させる制御処理(以下、排気温度上昇制御処理と称する)を実行する(ステップS50)。
具体的には、ステップS50において制御装置100は、内燃機関10の排気温度を上昇させて基準値以上にさせる。なお、この基準値の一例として、本実施形態では、酸化触媒51の燃焼温度を用いる。
また、排気温度を上昇させるにあたり、具体的には制御装置100は、例えば内燃機関10のメイン噴射時期を通常運転時の値よりも遅角させることで排気損失を増大させて、排気温度を上昇させることができる。あるいは、制御装置100は、アフター噴射(メイン噴射の後に実行する燃料噴射)におけるアフター噴射量を増大させることで内燃機関10の膨張過程での熱発生量を増加させ、これにより排気損失を増大させて排気温度を上昇させることもできる。あるいは、制御装置100は、燃料噴射のレール圧(コモンレール圧)を低下させることで燃焼時期を遅角させて、排気温度を上昇させることもできる。
ステップS50の実行によって排気温度が上昇することで、酸化触媒51に付着したPMを燃焼させて、酸化触媒51から除去することができる。これにより、酸化触媒51の性能を回復させることができる。
なお、図2のステップS20及びステップS30に係る判定処理を実行する制御装置100のCPU101は、酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定する判定部としての機能を有する部材に相当する。また、ステップS20及びステップS30に係る判定処理を実行する制御装置100のCPU101は、酸化触媒51がリン被毒以外の要因によって劣化したことを判定する判定部としての機能も有している。
また、ステップS40を実行する制御装置100のCPU101は、判定部によって酸化触媒51のリン被毒による劣化が判定された場合に、EGRガスの気筒13への導入量を低減させる制御処理、及び、気筒13における燃料の燃焼を進角させる制御処理の少なくとも一方を実行する制御部としての機能を有する部材に相当する。ステップS50を実行する制御装置100のCPU101は、判定部によって酸化触媒51がリン被毒以外の要因によって劣化したことが判定された場合に、内燃機関10から排出される排気の温度を上昇させる制御処理を実行する制御部としての機能を有する部材に相当する。
なお、本実施形態においては、一つの制御装置100の一つのCPU101によって図2の各ステップが実行されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図2の各ステップは、複数の制御装置の各CPUや、一つの制御装置が有する複数のCPUによって分散的に実行される構成とすることもできる。
以上説明した本実施形態の作用効果をまとめると次のようになる。まず、本実施形態によれば、酸化触媒51のリン被毒による劣化が判定された場合に(ステップS20及びステップS30でYESの場合に)、ステップS40に係るEGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理が実行されるので、前述したように、内燃機関10からの一酸化炭素や炭化水素といった有害物質の排出量を低減させることができる。したがって、本実施形態によれば、酸化触媒51がリン被毒によって劣化した場合であっても、排気エミッションが増大することを最小限に抑えることができる。
なお、制御装置100は、ステップS40において、EGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理のいずれか一方のみを実行してもよい。この場合においても、内燃機関10からの一酸化炭素や炭化水素といった有害物質の排出量を低減させることができるので、排気エミッションの増大を最小限に抑えることができる。但し、ステップS40において、EGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理の両方が実行される場合の方が、いずれか一方のみが実行される場合よりも、内燃機関10からの有害物質の排出量をより低減させることができる点において、好ましい。
また、本実施形態によれば、酸化触媒51よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報(上流側濃度S1、下流側濃度S2)と、内燃機関10の運転条件に基づいて推定された酸化触媒51のリン被毒量T1とに基づいて、酸化触媒51のリン被毒による劣化を判定しているので、前述したように、酸化触媒51のリン被毒による劣化を精度よく判定することができる。これにより、排気エミッションの増大を精度よく最小限に抑えることができる。
また、本実施形態によれば、内燃機関システム1が排気後処理装置60を備えているので、排気中のNOxを排気後処理装置60によって浄化させることができる。また、ステ
ップS40に係るEGRガス低減制御処理及び燃焼進角制御処理の実行によって、燃焼状態が良好になる結果、今度は、内燃機関10から排出される排気中のNOxが増加する可能性があるところ、本実施形態によれば、仮に排気中のNOxが増加した場合であっても、排気後処理装置60によって、増加したNOxを浄化させることができる。これにより、内燃機関システム1から外部へ排出される排気中のNOx量が増加することは抑制されている。
また、本実施形態によれば、酸化触媒51がリン被毒以外の要因によって劣化したことが判定された場合には(ステップS20でYESと判定され、次いでステップS30でNOと判定された場合には)、ステップS50に係る排気温度上昇制御処理が実行されるので、酸化触媒51に付着した煤等のPMを除去させて、酸化触媒51の性能を回復させることができる。この点においても、排気エミッションの増大を最小限に抑えることが効果的にできる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 内燃機関システム
10 内燃機関
13 気筒
20 吸気通路
30 排気通路
40 EGRシステム
50 排気浄化装置
51 酸化触媒
60 排気後処理装置
100 制御装置
101 CPU(判定部、制御部)

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された酸化触媒のリン被毒による劣化を判定する判定部と、
    前記判定部によって前記酸化触媒のリン被毒による劣化が判定された場合に、EGRガスの前記内燃機関の気筒への導入量を低減させる制御処理、及び前記気筒における燃料の燃焼を進角させる制御処理の少なくとも一方を実行する制御部と、を備えることを特徴とする内燃機関システムの制御装置。
  2. 前記判定部は、前記酸化触媒よりも上流側及び下流側における排気中の有害物質の濃度に関する情報と、前記内燃機関の運転条件に基づいて推定された前記酸化触媒のリン被毒量とに基づいて、前記酸化触媒のリン被毒による劣化を判定する請求項1記載の内燃機関システムの制御装置。
  3. 前記判定部は、前記酸化触媒がリン被毒以外の要因によって劣化したことをさらに判定し、
    前記制御部は、前記判定部によって前記酸化触媒がリン被毒以外の要因によって劣化したことが判定された場合に、前記内燃機関から排出される排気の温度を上昇させる制御処理をさらに実行する請求項1又は2に記載の内燃機関システムの制御装置。
  4. 内燃機関と、
    前記内燃機関の排気通路に配置された酸化触媒と、
    EGRガスを前記内燃機関の気筒へ導入させるEGRシステムと、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置と、を備えることを特徴とする内燃機関システム。
  5. 排気中のNOxを浄化させる排気後処理装置を前記排気通路の前記酸化触媒よりも下流側の部分にさらに備える請求項4記載の内燃機関システム。
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CN114645761A (zh) * 2022-03-31 2022-06-21 潍柴动力股份有限公司 一种doc硫中毒判断方法及车辆

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