JP2017218899A - ロケットエンジン、飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法 - Google Patents

ロケットエンジン、飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化水素を燃料として用いるとともに、複数回の始動が可能なロケットエンジン、飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法を提供する。【解決手段】ロケットエンジンは、燃料タンク20と、酸化剤タンク30と、燃焼器7と、燃料タンク20と燃焼器7との間を接続する燃料配管200と、酸化剤タンク30と燃焼器7との間を接続する酸化剤配管300と、炭化水素燃料を燃料タンク20から燃焼器7に向けて供給する燃料ポンプ2と、酸化剤を酸化剤タンク20から燃焼器7に向けて供給する酸化剤ポンプ3と、炭化水素燃料を熱化学分解によってガス状炭化水素燃料に分解する熱分解装置8と、分解後のガス状炭化水素燃料を蓄積可能な第1タンク6と、ガス状炭化水素燃料を作動流体として用いることにより、燃料ポンプ2に駆動力を付与する第1タービン4とを具備する。【選択図】図2

Description

本発明は、ロケットエンジン、ロケットエンジンを備えた飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法に関する。
炭化水素燃料を用いて作動するロケットエンジンが知られている。
例えば、特許文献1(特許第4531015号公報)には、接触分解ガス発生装置サイクルにおいて気体炭化水素を利用したブースターロケットエンジンが記載されている。特許文献1に記載のブースターロケットエンジンは、炭化水素推進燃料を分解するための分解装置と、燃料ポンプを駆動するタービンと、当該タービンを回転させるためのガスを生成するガス生成器とを備える。上述の分解装置で生成された分解後の燃料の一部は、燃焼器に供給され、他の一部は、上述のガス生成器に供給される。ガス生成器で生成されたガスは、上述のタービンに向けて供給される。そして、供給されたガスによって、タービンが回転される。なお、特許文献1には、ブースターロケットエンジンを複数回起動させることについては、記載されていない。
また、特許文献2(特許第4196477号公報)には、触媒式ガス生成器を利用したエキスパンダサイクルエンジンが記載されている。特許文献2に記載のエキスパンダサイクルエンジンは、燃料ターボポンプと、酸素ターボポンプと、燃料ターボポンプで加圧した流体をガス化する冷却ジャケットと、当該冷却ジャケットを有する燃焼器と、ガス化した燃料ガスの一部を酸化して加熱する触媒式ガス生成器と、該触媒式ガス生成器に酸素を供給する酸素供給ラインとを備える。特許文献2に記載のエキスパンダサイクルエンジンでは、酸素供給ラインを流れる酸素の流量を調節して触媒式ガス生成器におけるガス温度を制御する。そして、接触式ガス生成器において生成されるガスにより、燃料ターボポンプ及び酸素ターボポンプが回転駆動される。なお、特許文献2に記載のエキスパンダサイクルエンジンで用いられる燃料は、例えば、液化水素、液化メタンである。特許文献2には、エキスパンダサイクルエンジンを複数回起動させることについては、記載されていない。
関連する技術として、非特許文献1の45頁の図2−20には、典型的なエンジンの概要図が記載されており、当該エンジンは、燃料ポンプと、タービンと、ガス生成器(Gas Generator)と、自動点火ユニット(Hypergol Unit)とを備えている。
特許第4531015号公報 特許第4196477号公報
Dieter K. Huzel et al., "Modern Engineering for Design of Liquid Propellant Rocket Engines", U.S.A., AIAA, January 1, 1992
本発明の目的は、炭化水素を燃料として用いるとともに、複数回の始動が可能なロケットエンジン、飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法を提供することにある。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
いくつかの実施形態におけるロケットエンジンは、炭化水素燃料を貯蔵する燃料タンク(20)と、酸化剤を貯蔵する酸化剤タンク(30)と、前記炭化水素燃料と前記酸化剤とを受け取り、前記酸化剤を用いて前記炭化水素燃料を燃焼する燃焼器(7)と、前記燃料タンク(20)と前記燃焼器(7)の燃料噴射口(70)との間を接続し、前記炭化水素燃料が流れる燃料配管(200)と、前記酸化剤タンク(30)と前記燃焼器(7)との間を接続し、前記酸化剤が流れる酸化剤配管(300)と、前記炭化水素燃料を前記燃料タンク(20)から前記燃焼器(7)に向けて供給する燃料ポンプ(2)と、前記酸化剤を前記酸化剤タンク(20)から前記燃焼器(7)に向けて供給する酸化剤ポンプ(3)と、前記炭化水素燃料を熱化学分解によってガス状炭化水素燃料に分解する熱分解装置(8)と、前記熱分解装置(8)から供給される前記ガス状炭化水素燃料を蓄積可能な第1タンク(6)と、前記第1タンク(6)から供給される前記ガス状炭化水素燃料を作動流体として用いることにより、前記燃料ポンプ(2)に駆動力を付与する第1タービン(4)とを具備する。
上記ロケットエンジンは、前記熱分解装置(8)と前記第1タンク(6)との間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク上流側配管(600A)と、前記第1タンク(6)と前記第1タービン(4)との間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク下流側配管(600B)と、前記第1タンク上流側配管(600A)に設けられた第1タンク上流側バルブ(61)と、前記第1タンク下流側配管(600B)に設けられた第1タンク下流側バルブ(62)とを更に具備していてもよい。
上記ロケットエンジンにおいて、前記熱分解装置(8)のガス状炭化水素燃料排出口(81)と、前記第1タンク(6)とは、前記第1タンク上流側配管(600A)を介して接続されていてもよい。前記熱分解装置(8)の前記ガス状炭化水素燃料排出口(81)と、前記燃料噴射口(70)とは、前記燃料配管(200)の一部を介して接続されていてもよい。
上記ロケットエンジンは、前記炭化水素燃料と前記酸化剤とを用いて、タービン作動ガスを生成するガス生成器(9)と、前記ガス生成器(9)と前記第1タービン(4)との間を接続し、前記ガス生成器(9)によって生成された前記タービン作動ガスが流れるガス生成器下流側配管(900C)とを更に備えていてもよい。また、前記第1タービン(4)は、前記ガス生成器(9)によって生成された前記タービン作動ガスを作動流体として用いることにより、前記燃料ポンプ(2)に駆動力を付与してもよい。
上記ロケットエンジンは、前記燃料配管(200)と前記第1タンク上流側配管(600A)との間に配置される第1分岐部(D1)を更に備えていてもよい。
上記ロケットエンジンは、前記熱分解装置(8)を通過していない液状炭化水素燃料と、前記熱分解装置(8)を通過後の前記ガス状炭化水素燃料とを混合するミキサー(13)と、前記液状炭化水素燃料を供給するバイパス管(130A)と、前記燃料配管(200)と前記バイパス管(130A)との間に配置される第2分岐部(D2)とを更に備えていてもよい。また、前記バイパス管(130A)は、前記第2分岐部(D2)と前記ミキサー(13)とを接続してもよい。前記ミキサー(13)は、前記燃料配管(200)のうち前記第1分岐部(D1)よりも下流側の部分に接続されていてもよい。
上記ロケットエンジンにおいて、前記第1分岐部(D1)には、気液分離装置(17)が配置されていてもよい。
上記ロケットエンジンは、制御装置(15)と、前記第1タンク上流側バルブ(61)よりも上流側に配置された圧力センサ(67)とを更に備えていてもよい。前記制御装置(15)は、前記第1タンク上流側バルブ(61)を閉状態にするとともに、前記第1タンク下流側バルブ(62)を開状態とする第1制御動作を実行してもよい。前記制御装置(15)は、前記第1制御動作の実行後に、前記圧力センサ(67)によって検出された圧力が第1閾値(TH1)を超えると、前記第1タンク上流側バルブ(61)を開状態にするとともに、前記第1タンク下流側バルブ(62)を閉状態とする第2制御動作を実行してもよい。
上記ロケットエンジンは、前記第1タンク(6)の内圧を測定する第2圧力センサ(69)を更に備えていてもよい。前記制御装置(15)は、前記第2制御動作の実行後に、前記第2圧力センサ(69)によって検出された圧力が第2閾値(TH2)を超えると、前記第1タンク上流側バルブ(61)を閉状態にするとともに、前記第1タンク下流側バルブ(62)を閉状態とする第3制御動作を実行してもよい。
上記ロケットエンジンにおいて、前記第1タンク(6)には、予め、前記ガス状炭化水素燃料とは異なる初期作動ガスが蓄積されていてもよい。
いくつかの実施形態における飛しょう体は、上記段落のいずれかに記載されたロケットエンジンを備えた飛しょう体である。
上記飛しょう体は、第1段のロケットエンジンとして機能し、固体推進剤を含むロケットモータを更に含んでいてもよい。
いくつかの実施形態におけるロケットエンジンの動作方法において、ロケットエンジン(1)は、炭化水素燃料を貯蔵する燃料タンク(20)と、酸化剤を貯蔵する酸化剤タンク(30)と、前記炭化水素燃料と前記酸化剤とを受け取り、前記酸化剤を用いて前記炭化水素燃料を燃焼する燃焼器(7)と、前記炭化水素燃料を前記燃料タンク(20)から前記燃焼器(7)に向けて供給する燃料ポンプ(2)と、前記酸化剤を前記酸化剤タンク(30)から前記燃焼器(7)に向けて供給する酸化剤ポンプ(3)と、前記炭化水素燃料を熱化学分解によってガス状炭化水素燃料に分解する熱分解装置(8)と、前記熱分解装置(8)から供給される前記ガス状炭化水素燃料を蓄積可能な第1タンク(6)と、前記熱分解装置(8)と前記第1タンク(6)との間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク上流側配管(600A)と、前記ガス状炭化水素燃料を作動流体として用いることにより、前記燃料ポンプ(2)に駆動力を付与する第1タービン(4)と、前記第1タンク(6)と前記第1タービン(4)との間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク下流側配管(600B)と、前記第1タンク上流側配管(600A)に設けられた第1タンク上流側バルブ(61)と、前記第1タンク下流側配管(600B)に設けられた第1タンク下流側バルブ(62)とを具備する。前記ロケットエンジンの動作方法は、前記第1タンク上流側バルブ(61)を閉状態とし、第1タンク下流側バルブ(62)を開状態とすることにより、前記第1タンク(6)に予め貯蔵された初期作動ガスを用いて、前記第1タービン(4)の1回目の駆動を行う工程と、前記第1タンク上流側バルブ(61)を開状態とし、第1タンク下流側バルブ(62)を閉状態とするとともに、前記熱分解装置(8)から供給される前記ガス状炭化水素燃料を前記第1タンク(6)に蓄積するガス蓄積工程と、前記第1タンク上流側バルブ(61)を閉状態とし、第1タンク下流側バルブ(62)を閉状態とすることにより、前記第1タンク(6)内で前記ガス状炭化水素燃料を保持するガス保持工程と、前記第1タンク上流側バルブ(61)を開状態とし、第1タンク下流側バルブ(62)を閉状態とすることにより、前記第1タンク(6)に蓄積された前記ガス状炭化水素燃料を用いて、前記第1タービン(4)の2回目の駆動を行う工程とを具備する。
上記ロケットエンジンの動作方法において、前記第1タービン(4)の2回目の駆動を行う工程は、前記ロケットエンジン(1)を搭載する飛しょう体(1000)の現実の軌道と目標軌道との差、前記飛しょう体(1000)の現実の高度と目標高度との差、および、前記飛しょう体(1000)の現実の速度と目標速度との差のうちの少なくとも1つが第3閾値(TH3)を超えることをトリガーとして実行されてもよい。
本発明により、炭化水素を燃料として用いるとともに、複数回の始動が可能なロケットエンジン、飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法が提供できる。
図1は、ロケットエンジンの一部を模式的に示す図である。 図2は、実施形態におけるロケットエンジンンを模式的に示す図である。 図3は、実施形態におけるロケットエンジンンの構成の一部を変形した変形例を模式的に示す図である。 図4は、ロケットエンジンの動作方法を示すフローチャートである。 図5は、実施形態におけるロケットエンジンンを模式的に示す図である。 図6は、気液分離装置の一例を示す概略断面図である。 図7は、実施形態における飛しょう体の概略側面図である。 図8は、飛しょう体の機能を模式的に示す機能ブロック図である。 図9は、飛しょう体が、航空機に搭載されている様子を示す図である。
以下、実施形態に係るロケットエンジン、飛しょう体、および、ロケットエンジンの動作方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、添付図面において、同一の機能を有する構成要素には、同一の符号が付与されている。同一の符号が付された構成要素についての繰り返しとなる説明は省略される。
(発明者によって認識された事項)
図1を参照して、発明者によって認識された事項について説明する。図1は、ロケットエンジンの一部を模式的に示す図である。なお、図1は、発明者によって認識された事項を説明する図であって、公知技術を示すものではない。
図1に記載のロケットエンジン1は、ガス生成器9と、第1タービン4と、燃料ポンプ2とを備える。ガス生成器9は、第1タービン4を回転させるための作動流体g2を生成する。作動流体g2は、ガス生成器9から、第1タービン4に向けて供給される。第1タービン4は、動力伝達機構41(例えば、動力伝達シャフト、および/または、歯車)を介して、燃料ポンプ2を駆動する。燃料ポンプ2は、燃料タンク(図示せず)に貯蔵された燃料を、燃焼器(図示せず)に向けて供給する。
ロケットエンジン1が、定常運転状態にある場合、ガス生成器9は、燃料ポンプ2によって供給される燃料等を利用して、連続的にガスを生成する。このため、第1タービン4の回転が円滑に実行される。他方、ロケットエンジン1の始動時には、燃料ポンプ2等が作動していないため、ガス生成器9を利用することができない。このため、ロケットエンジン1の始動時には、第1タービン4を始動させるために、第1タービン4に初期作動ガスを供給する必要がある。例えば、図1に示されるように、第1タンク6に、初期作動ガスを蓄積しておき、ロケットエンジン1の始動時に、初期作動ガスg1を、第1タンク6から第1タービン4に向けて供給することが考えられる。
しかし、図1に記載の例では、1回目のロケットエンジン1の始動に際して、第1タンク6内の初期作動ガスが全て使われてしまうため、ロケットエンジン1が、一旦、停止した後、ロケットエンジン1の再始動を行うことができない。したがって、ロケットエンジン1を複数回始動させる必要がある場合には、図1に記載の第1タンク6の容量を大きくして、初期作動ガスを大量に蓄積しておく必要がある。しかし、第1タンク6の容量を大きくする場合、ロケットエンジン全体の重量が増加する。このため、ロケットの打ち上げコストの増加が避けられない。
他方、ロケットエンジン1の始動に際して、過酸化水素を利用することも考えられる。例えば、触媒を用いて過酸化水素を分解することにより、タービン駆動ガス(初期作動ガス)を発生させることも考えられる。しかし、過酸化水素は、自己分解特性を有しているため、過酸化水素に不純物等が含まれていると、過酸化水素の分解により、過酸化水素貯蔵タンクが破裂するおそれがある。このため、ロケットエンジン1の始動に際して、過酸化水素を利用する場合には、過酸化水素の取り扱いに注意を払う必要がある。
また、ロケットエンジン1の始動に際して、ヒドラジンを利用することも考えられる。例えば、触媒を用いてヒドラジンを分解することにより、タービン駆動ガス(初期作動ガス)を発生させることも考えられる。しかし、ヒドラジンは、有毒性の液体である。このため、ロケットエンジン1の始動に際して、ヒドラジンを利用する場合には、ヒドラジンの取扱いに注意を要する。
また、ロケットエンジン1の燃料として、極低温の液化燃料を用いる場合には、当該液化燃料を気化することにより、タービン駆動ガス(初期作動ガス)を発生させることも考えられる。しかし、ロケットエンジン1の燃料として、常温の炭化水素燃料を用いる場合には、気化させた燃料を初期作動ガスとして用いることが困難である。
(実施形態)
図2を参照して、実施形態におけるロケットエンジンの概要について説明する。図2は、実施形態におけるロケットエンジンンを模式的に示す図である。
実施形態におけるロケットエンジン1は、燃料タンク20と、燃料ポンプ2と、酸化剤タンク30と、酸化剤ポンプ3と、燃焼器7と、熱分解装置8と、タービン駆動用ガスを蓄積する第1タンク6と、第1タービン4とを備える。
(燃料タンクおよび燃料ポンプ)
燃料タンク20は、液体の炭化水素燃料(換言すれば、高炭素数の炭化水素燃料)を貯蔵するタンクである。液体の炭化水素燃料は、例えば、JetA−1、JP−4、JP−5、JP−6、JP−7、JP−8のようなジェット燃料、炭素数10以上15以下のケロシン、ドデセン、または、これらの組み合わせを含む液体燃料である。燃料タンク20に貯蔵される炭化水素燃料は、常温で液体の炭化水素燃料である。
燃料ポンプ2は、燃料配管200に接続されており、炭化水素燃料を燃料タンク20から燃焼器7に向けて供給する。燃料配管200は、燃料タンク20と燃焼器7の燃料噴射口70との間を接続し、炭化水素燃料が流れる配管である。燃料配管中における燃料の流れ方向は、実線の矢印で示されている。なお、燃料配管200のうち、燃料タンク20と燃料ポンプ2とを接続する配管が、上流側燃料配管200Aであり、燃料ポンプ2と燃料噴射口70との間を接続する配管が、下流側燃料配管200Bである。
(酸化剤タンクおよび酸化剤ポンプ)
酸化剤タンク30は、例えば、液体酸素等の酸化剤を貯蔵するタンクである。酸化剤ポンプ3は、酸化剤配管300に接続されており、酸化剤を酸化剤タンク30から燃焼器7に向けて供給する。酸化剤配管300は、酸化剤タンク30と燃焼器7との間を接続し、酸化剤が流れる配管である。酸化剤配管中における酸化剤の流れ方向は、一点鎖線の矢印で示されている。なお、酸化剤配管300のうち、酸化剤タンク30と酸化剤ポンプ3とを接続する配管が、上流側酸化剤配管300Aであり、酸化剤ポンプ3と燃焼器7との間を接続する配管が、下流側酸化剤配管300Bである。図2に記載の例では、酸化剤は、下流側酸化剤配管300Bの酸化剤噴射口71から、燃焼室75に向けて噴射される。実施形態では、ロケットエンジンは、酸化剤タンク30を備える。このため、酸素濃度の薄い高高度においても、酸化剤タンク30に貯蔵された酸化剤を用いて、炭化水素燃料を燃焼させることが可能である。
(燃焼器および熱分解装置)
燃焼器7は、炭化水素燃料と酸化剤とを受け取り、燃焼室75内で、酸化剤を用いて炭化水素燃料を燃焼する。
熱分解装置8は、炭化水素燃料を熱化学分解によってガス状炭化水素燃料に分解する。図2に記載の例では、熱分解装置8は、下流側燃料配管200Bの途中に設けられている。すなわち、熱分解装置8は、下流側燃料配管200Bから液体の炭化水素燃料を受け取り、下流側燃料配管200Bにガス状の炭化水素燃料を含む炭化水素燃料を送出する。熱分解装置8は、「熱」(または、「熱」および「触媒」)を用いて、液体の炭化水素燃料を、ガス状炭化水素燃料に熱分解する。ガス状炭化水素燃料は、低炭素数の炭化水素燃料であり、例えば、メタン、エタン、水素等である。熱分解温度は、例えば、摂氏数百度である。図2に記載の例では、「熱」は、燃焼器7の壁からの熱であるが、他の熱源からの熱が用いられてもよい。また、「触媒」は、例えば、H−ZSM−5触媒のようなゼオライト系触媒であるが、その他の種類の触媒が用いられてもよい。なお、熱分解装置8から下流側燃料配管200Bに送出される炭化水素燃料には、液体の炭化水素燃料が含まれていてもよい。換言すれば、熱分解装置8は、全ての液状炭化水素燃料をガス状炭化水素燃料に熱化学分解する必要はない。
(第1タンクおよび第1タービン)
第1タンク6は、熱分解装置8による分解後のガス状炭化水素燃料を蓄積可能なタンクである。第1タンク6と、熱分解装置8とは、第1タンク上流側配管600Aを介して接続されている。第1タンク上流側配管600Aは、熱分解装置8による分解後のガス状炭化水素燃料が流れる配管である。図2に記載の例では、第1タンク上流側配管600Aと、熱分解装置8とが、下流側燃料配管200Bを介して接続されている。換言すれば、第1タンク上流側配管600Aと、下流側燃料配管200Bとは、熱分解装置8の下流側において、第1分岐部D1を介して接続されている。代替的に、第1タンク上流側配管600Aと、熱分解装置8とが、互いに直接的に接続されていてもよい。
第1タンク上流側配管600Aには、第1タンク上流側バルブ61が設けられている。第1タンク上流側バルブ61は、第1タンク6に、ガス状炭化水素燃料を充填する際には、開状態とされる。また、第1タンク上流側バルブ61は、第1タンク6へのガス状炭化水素燃料の充填が完了すると、閉状態とされる。なお、第1タンク上流側バルブ61は、電磁弁であってもよいし、電動弁であってもよいし、ガスなどの流体により作動する弁であってもよい。
第1タービン4は、ガス状炭化水素燃料を作動流体として用いることにより、燃料ポンプ2に駆動力を付与するタービンである。第1タービン4と、第1タンク6とは、第1タンク下流側配管600Bを介して接続されている。第1タンク下流側配管600Bは、第1タンク6に蓄積されたタービン作動ガス(例えば、ガス状炭化水素燃料、あるいは、初期作動ガス)を、第1タービン4に向けて供給する配管である。換言すれば、第1タンク下流側配管600Bは、タービン作動ガス(例えば、ガス状炭化水素燃料、あるいは、初期作動ガス)が流れる配管である。
第1タンク下流側配管600Bには、第1タンク下流側バルブ62が設けられている。第1タンク下流側バルブ62は、ロケットエンジン1を始動させる(「始動」には、「再始動」が包含される)際には、開状態とされる。また、第1タンク下流側バルブ62は、第1タンク6に、ガス状炭化水素燃料を充填する際には、閉状態とされる。なお、第1タンク下流側バルブ62は、電磁弁であってもよいし、電動弁であってもよいし、ガスなどの流体により作動する弁であってもよい。
なお、図2において、第1タンク6に向かうタービン作動ガスの流れ、第1タンク6から第1タービン4に向かうタービン作動ガスの流れ、および、第1タービン4から排出されるタービン作動ガスの流れが、破線の矢印で示されている。
第1タンク6から、第1タンク下流側配管600Bを介して、第1タービン4に供給されたタービン作動ガスは、第1タービン4のタービン翼に衝突し、タービン翼に接続された動力伝達機構41(例えば、動力伝達シャフト)に運動エネルギーを付与する。動力伝達機構41によって伝達された力は、燃料ポンプ2を駆動するために用いられる。
なお、1回目のロケットエンジン1の始動前に第1タンク6に予め蓄積されるタービン作動ガス(初期作動ガス)は、例えば、ヘリウムまたは窒素等の不活性ガスであってもよいし、ガス状炭化水素燃料であってもよい。また、図2に記載の例では、1回目のロケットエンジン1の始動に用いられるタービン作動ガスが蓄積されるタンクは、2回目以降のロケットエンジン1の始動に用いられるタービン作動ガスが蓄積される第1タンク6と同一のタンクである。代替的に、1回目のロケットエンジン1の始動に用いられるタービン作動ガスは、第1タンク6とは、別のタンクに蓄積されてもよい。ただし、別のタンクを設ける場合には、ロケットエンジン1の重量が増加する。
実施形態では、第1タンク6に、熱分解装置8によって分解されたガス状炭化水素燃料を蓄積可能である。このため、第1タンク6に蓄積されるガス状炭化水素燃料を用いることにより、ロケットエンジン1を2回以上始動することが可能となる。また、実施形態では、ロケットエンジン1を2回以上始動する場合であっても、1回目のロケットエンジン1の始動前に第1タンク6に予め蓄積されるタービン作動ガスの量を増加させる必要がない。このため、第1タンク6のサイズが増加せず、ロケットエンジン1の重量が増加しない。その結果、ロケットエンジン1を備えた飛しょう体の打ち上げコストが抑制される。従来、常温で液体の炭化水素燃料を用いたロケットエンジンを複数回始動させることは、困難であると考えられていた。実施形態は、当該従来の技術常識を覆し、常温で液体の炭化水素燃料を用いたロケットエンジンを複数回始動させることを可能とするものであり、画期的なものである。また、実施形態では、第1タンクに、取り扱いが困難な過酸化水素あるいはヒドラジン等を蓄積しておく必要がない。このため、ロケットエンジンの安全性が向上する。
また、図2に記載の実施形態では、熱分解装置8のガス状炭化水素燃料排出口81と、第1タンク6とが、第1タンク上流側配管600Aを介して接続されている。加えて、熱分解装置8のガス状炭化水素燃料排出口81と、前記燃料噴射口70とが、燃料配管200(より具体的には、下流側燃料配管200B)の一部を介して接続されている。このため、熱分解装置8を、燃料噴射口70から噴射されるべき炭化水素燃料を改質する燃料改質装置として用いるとともに、第1タンク6に蓄積されるタービン始動用ガスを生成するタービン始動用ガス生成装置として用いることが可能となる。すなわち、熱分解装置8が、2つの機能、すなわち、燃料改質装置としての機能、および、タービン始動用ガス生成装置としての機能を備えることとなる。
なお、実施形態において、燃料配管200、酸化剤配管300等の配管の配置は、図2に記載の配置に限定されない。また、図2に記載の実施形態におけるロケットエンジン1は、ガス生成器9を備えていてもよい。ガス生成器9の詳細については、後述される。また、図2に記載の実施形態におけるロケットエンジン1は、第1タンク上流側バルブ61および第1タンク下流側バルブ62の動作を制御する制御装置を備えていてもよい。制御装置の詳細については、後述される。
(変形例)
図2に記載の実施形態では、第1タービン4が、燃料ポンプ2および酸化剤ポンプ3の両者に駆動力を付与している。具体的には、第1タービン4は、動力伝達機構41を介して燃料ポンプ2に接続され、第2動力伝達機構42を介して酸化剤ポンプ3に接続されている。代替的に、図3に示されるように、ロケットエンジンは、第1タービン4に加えて、第2タービン4Cを備えていてもよい。図3に記載の例では、第1タンク6と、第2タービン4Cとが、第1タンク下流側バルブ62Cを備えた第1タンク下流側配管600Cを介して接続されている。第2タービン4Cは、第2動力伝達機構42を介して、酸化剤ポンプ3に駆動力を付与する。他方、第1タービン4は、動力伝達機構41を介して、燃料ポンプ2に駆動力を付与する。
なお、図3において、第1タンク下流側配管600Cの上流端が、第1タンク6に直接接続されている。代替的に、第1タンク下流側配管600Cの上流端は、第1タンク下流側配管600Bの第1タンク下流側バルブ62よりも下流側部分に接続されていてもよい。この場合、第1タンク下流側バルブ62Cを省略することが可能である。図3に記載の例において、第2タービン4C、および、第2タービン4Cと第1タンク6とを接続する配管以外の構成については、図2に記載の例と同様である。このため、第2タービン4C、および、第2タービン4Cと第1タンク6とを接続する配管以外の構成については、繰り返しとなる説明は省略する。また、図3において、燃焼器7等の記載は、省略されている。
(ロケットエンジンの動作方法)
図2乃至図4を参照して、実施形態におけるロケットエンジン1の動作方法について説明する。図4は、ロケットエンジン1の動作方法を示すフローチャートである。
初期状態において、第1タンク6には、初期作動ガスが蓄積されている。初期作動ガスは、例えば、ヘリウムガスである。また、初期状態において、第1タンク上流側バルブ61および第1タンク下流側バルブ62は、閉状態である。
第1ステップS1において、第1タンク上流側バルブ61が閉状態に維持され、第1タンク下流側バルブ62が開状態とされる。その結果、第1タンク6の内圧と、第1タービン4と第1タンク下流側配管600Bとの接続部における圧力との差により、初期作動ガスが、自動的に、第1タービン4に供給される。なお、初期作動ガスの第1タービン4への供給に際して、ポンプは不要である(換言すれば、第1タンク下流側配管600Bには、ポンプが設けられていない)。以上のとおり、第1ステップS1では、第1タンク6に予め貯蔵された初期作動ガスを用いて、第1タービン4の1回目の駆動(始動)が行われる。なお、図3に示されるように、ロケットエンジン1が第2タービン4Cを備える場合には、第1ステップS1において、第1タンク6に予め貯蔵された初期作動ガスを用いて、第2タービン4Cの1回目の駆動(始動)も行われる。
第1タービン4が駆動されることにより、燃料ポンプ2は、燃料配管200を介して、燃料タンク20に貯蔵された炭化水素燃料を燃焼器7の燃料噴射口70に向けて供給する。同様に、第1タービン4(または、第2タービン4C)が駆動されることにより、酸化剤ポンプ3は、酸化剤配管300を介して、酸化剤タンク30に貯蔵された酸化剤を燃焼器7に向けて供給する。燃焼器7では、酸化剤を用いて炭化水素燃料が燃焼される。
他方、熱分解装置8は、熱化学分解によって、炭化水素燃料をガス状炭化水素燃料に分解する。図2または図3に記載の例では、熱分解装置8によって分解される炭化水素燃料は、燃料タンク20から供給される炭化水素燃料である。また、図2または図3に記載の例では、熱分解装置8が必要とする熱は、燃焼器7(より具体的には、燃焼器7の壁)から供給される。
第2ステップS2は、ガス状炭化水素燃料を第1タンク6に蓄積するガス蓄積ステップである。第2ステップS2において、第1タンク上流側バルブ61が開状態とされ、第1タンク下流側バルブ62が閉状態とされる。その結果、熱分解装置8から供給されるガス状炭化水素燃料が、第1タンク6に蓄積される。
第3ステップS3は、ガス状炭化水素燃料を第1タンク6内で保持するガス保持ステップである。第3ステップS3において、第1タンク上流側バルブ61が閉状態とされ、第1タンク下流側バルブ62が閉状態とされる。その結果、第1タンク6内でガス状炭化水素燃料が保持される。
第3ステップS3の後、ロケットエンジン1は停止する。すなわち、燃料ポンプ2および酸化剤ポンプ3が停止することにより、炭化水素燃料および酸化剤の燃焼器7への供給が中止される。
第4ステップS4において、第1タンク上流側バルブ61が閉状態に維持され、第1タンク下流側バルブ62が開状態とされる。その結果、第1タンク6の内圧と、第1タービン4と第1タンク下流側配管600Bとの接続部における圧力との差により、第1タンク6内のガス状炭化水素燃料が、自動的に、第1タービン4に供給される。そして、第4ステップS4では、第1タンク6に蓄積されたガス状炭化水素燃料を用いて、第1タービン4の2回目の駆動(始動)が行われる。なお、図3に示されるように、ロケットエンジン1が第2タービン4Cを備える場合には、第4ステップS4において、第1タンク6に蓄積されたガス状炭化水素燃料を用いて、第2タービン4Cの2回目の駆動(始動)も行われる。
第1タービン4が駆動されることにより、燃料ポンプ2は、燃料配管200を介して、燃料タンク20に貯蔵された炭化水素燃料を燃焼器7の燃料噴射口70に向けて供給する。同様に、第1タービン4(または、第2タービン4C)が駆動されることにより、酸化剤ポンプ3は、酸化剤配管300を介して、酸化剤タンク30に貯蔵された酸化剤を燃焼器7に向けて供給する。燃焼器7では、酸化剤を用いて炭化水素燃料が燃焼される。以上のとおり、図4に記載の例では、ロケットエンジン1を2回始動させることが可能である。
なお、上述の第2ステップS2乃至第4ステップS4を繰り返すことにより、ロケットエンジンが、3回以上始動されてもよい。
実施形態におけるロケットエンジンの動作方法では、ガス状炭化水素燃料を第1タンクに蓄積するガス蓄積ステップを備える。その結果、ロケットエンジンを複数回始動させることが可能となる。
(ロケットエンジンンの詳細)
図5を参照して、実施形態におけるロケットエンジンについてより詳細に説明する。図5は、実施形態におけるロケットエンジンンを模式的に示す図である。
実施形態におけるロケットエンジン1は、燃料タンク20と、燃料ポンプ2と、酸化剤タンク30と、酸化剤ポンプ3と、燃焼器7と、熱分解装置8と、第1タンク6と、第1タービン4とを備える。図5に記載の実施形態において、燃料タンク20、燃料ポンプ2、酸化剤タンク30、酸化剤ポンプ3、燃焼器7、熱分解装置8、第1タンク6、第1タービン4は、図2に記載の例における燃料タンク20、燃料ポンプ2、酸化剤タンク30、酸化剤ポンプ3、燃焼器7、熱分解装置8、第1タンク6、第1タービン4の機能と同様の機能を有する。このため、これらの構成について、繰り返しとなる説明については省略する。
実施形態におけるロケットエンジン1は、更に、ガス生成器9と、制御装置15とを備える。任意付加的に、ロケットエンジン1は、ミキサー13(混合装置)を備えていてもよい。
(ガス生成器)
ガス生成器9は、ロケットエンジンの定常作動状態において、第1タービン4(または、第1タービン4および第2タービン4C)を作動させるためのタービン作動ガスを生成する装置である。換言すれば、ロケットエンジンの定常作動状態において、第1タービン4は、ガス生成器9によって生成されたタービン作動ガスを作動流体として用いることにより、燃料ポンプ2に駆動力を付与する。
図5に記載の例では、ガス生成器9は、ガス生成器下流側配管900Cを介して、第1タービン4に接続されている。より具体的には、ガス生成器下流側配管900Cの上流端は、ガス生成器9に接続され、ガス生成器下流側配管900Cの下流端は、第1タンク下流側配管600Bに接続されている。図5に記載の例では、ガス生成器下流側配管900Cと、第1タンク下流側配管600Bとは、第1合流部M1を介して接続されている。
図5に記載の例では、ガス生成器9は、炭化水素燃料と酸化剤とを用いてタービン作動ガスを生成する。ガス生成器9は、例えば、酸化剤を用いて炭化水素燃料を燃焼させることによりタービン作動ガスを生成する。
ガス生成器9への炭化水素燃料の供給は、ガス生成器上流側配管900Aを介して行われる。図5に記載の例では、ガス生成器上流側配管900Aの上流端は、下流側燃料配管200Bに接続されており、ガス生成器上流側配管900Aの下流端は、ガス生成器9に接続されている。図5に記載の例では、ガス生成器上流側配管900Aと、下流側燃料配管200Bとは、第3分岐部D3を介して接続されている。
他方、ガス生成器9への酸化剤の供給は、ガス生成器上流側配管900Bを介して行われる。図5に記載の例では、ガス生成器上流側配管900Bの上流端は、下流側酸化剤配管300Bに接続されており、ガス生成器上流側配管900Bの下流端は、ガス生成器9に接続されている。図5に記載の例では、ガス生成器上流側配管900Bと、下流側酸化剤配管300Bとは、第4分岐部D4を介して接続されている。
なお、図5において、ガス生成器上流側配管900A、ガス生成器上流側配管900B、および、ガス生成器下流側配管900Cを流れる流体の流れ方向は、太い実線の矢印で示されている。
ガス生成器9における炭化水素燃料の燃焼温度は、燃焼器7における炭化水素燃料の燃焼温度よりも低くてもよい。すなわち、ガス生成器9に供給される酸化剤に対するガス生成器9に供給される炭化水素燃料の割合を、燃焼室75に供給される酸化剤に対する燃焼室75に供給される炭化水素燃料の割合と異ならせることにより、ガス生成器9における炭化水素燃料の燃焼温度を、燃焼器7における炭化水素燃料の燃焼温度より低くすることが可能である。その結果、ガス生成器9またはガス生成器9の周辺の装置に対する熱負荷が低減される。なお、ガス生成器9に供給される酸化剤に対するガス生成器9に供給される炭化水素燃料の割合の調整は、例えば、ガス生成器上流側配管900Aに配置された流量調整弁901A、および/または、ガス生成器上流側配管900Bに配置された流量調整弁901Bによって行われてもよい。
(制御装置)
制御装置15は、第1タンク上流側バルブ61および第1タンク下流側バルブ62の動作を制御するコンピュータである。制御装置15と、第1タンク上流側バルブ61および第1タンク下流側バルブ62の各々とは、有線または無線を介して、情報伝達可能に接続されている。制御装置15は、第1タンク上流側バルブ61に、操作信号を送信する。操作信号は、例えば、第1タンク上流側バルブ61の状態を開状態から閉状態に変える閉操作信号、あるいは、第1タンク上流側バルブ61の状態を閉状態から開状態に変える開操作信号である。同様に、制御装置15は、第1タンク下流側バルブ62に、操作信号を送信する。操作信号は、例えば、第1タンク下流側バルブ62の状態を開状態から閉状態に変える閉操作信号、あるいは、第1タンク下流側バルブ62の状態を閉状態から開状態に変える開操作信号である。
付加的に、制御装置15は、燃焼器7に設けられた点火装置72の動作を制御してもよい。点火装置72は、電気的に火花(スパーク)を発生させて、炭化水素燃料と酸化剤との混合気体を着火させるスパークプラグであってもよい。代替的に、点火装置72は、炭化水素燃料と酸化剤との混合気体にレーザ光を照射することにより、混合気体を着火させる点火装置であってもよい。制御装置15は、燃料ポンプ2の始動、あるいは、燃料噴射口70からの燃料の噴射等の燃料供給の開始をトリガーとして、点火装置72を駆動する。その結果、炭化水素燃料と酸化剤との混合気体が着火される。なお、炭化水素燃料が、酸化剤と混合されることにより自動発火するような場合には、点火装置72を省略することも可能である。炭化水素燃料を自動発火させる機構としては、例えば、特願2015−36540号に記載の機構を採用することが可能である。特願2015−36540号は、参照により、本明細書に組み込まれる。
(ミキサー)
ミキサー13は、熱分解装置8を通過していない液状炭化水素燃料と、熱分解装置8を通過後のガス状炭化水素燃料とを混合する装置である。液状炭化水素燃料は、バイパス管130Aを介してミキサー13に供給される。図5に記載の例では、バイパス管130Aの上流端は、第2分岐部D2において、燃料配管200(より具体的には、下流側燃料配管200B)に接続されている。また、バイパス管130Aの下流端は、ミキサー13に接続されている。第2分岐部D2は、燃料ポンプ2と、熱分解装置8との間に位置する。図5に記載の例では、第2分岐部D2は、第3分岐部D3よりも下流側に配置されているが、代替的に、第2分岐部D2は、第3分岐部D3よりも上流側に配置されてもよいし、第3分岐部D3と同じ位置に配置されてもよい。
また、ミキサー13は、燃料配管200のうち第1分岐部D1よりも下流側の部分に接続されている。より具体的には、第1分岐部D1とミキサー13とが、下流側燃料配管200Bの第1部分201Bを介して接続され、ミキサー13と燃料噴射口70とが、下流側燃料配管200Bの第2部分202Bを介して接続されている。
燃料噴射口70から噴射される炭化水素燃料の量は、バイパス管130Aを介してミキサー13に供給される炭化水素燃料の量と、熱分解装置8を介してミキサー13に供給される炭化水素燃料の量との和となる。このため、ミキサー13を設けた場合には、熱分解装置8に、分解処理能力以上の液状炭化水素燃料が供給されることを抑制しつつ、バイパス管130Aを介して、燃焼室75において必要とされる炭化水素燃料を供給することが可能となる。
なお、バイパス管130Aには、第2分岐部D2からミキサー13に向かう液状炭化水素燃料の流量を調整する流量調整弁131Aが設けられてもよい。熱分解装置8によって分解可能な液状炭化水素燃料の量と、燃焼室75に供給されるべき炭化水素燃料の量との間に差がある場合であっても、流量調整弁131Aを調整することにより、当該差に相当する量の液状炭化水素燃料を、より確実に、バイパス管130Aを介して、燃料噴射口70に供給することが可能となる。なお、流量調整弁131Aの調整は、制御装置15からの操作信号に基づいて行われてもよい。
(任意付加的な構成)
第1に、燃焼器7(燃焼室75)には、ノズル11が配置されてもよい。ノズル11は、燃焼室75において生成された燃焼ガスを加速し、加速された燃焼ガスをノズル出口から放出する。
第2に、第1タンク6は、断熱層65によって覆われていてもよい。ロケットエンジン1が高高度に達した場合、ロケットエンジン周囲の環境温度が低下する。その結果、第1タンク6内の内圧が低下するおそれがある。また、第1タンク6内のガス状炭化水素燃料の一部が液化するおそれがある。第1タンク6内の内圧の低下は、タービン作動ガスによる駆動力の低下を意味するため、好ましくはない。第1タンク6の周囲を断熱層65によって覆う場合には、第1タンク内の温度の低下、および、第1タンク内の内圧の低下が抑制される。その結果、タービン作動ガスによる駆動力の低下が抑制される。
第3に、第1分岐部D1に、気液分離装置17が配置されてもよい。図6は、気液分離装置17の一例を示す概略断面図である。気液分離装置17には、熱分解装置8からガス状炭化水素燃料が供給される。ガス状炭化水素燃料には、分解されずに残存した液状炭化水素燃料が含まれている場合がある。気液分離装置17は、液状炭化水素燃料の大部分を下流側燃料配管200Bの第1部分201Bを介して、ミキサー13に送る。こうして、第1タンク6に送られるガス状炭化水素燃料に含まれる液状炭化水素燃料の割合を低下させることが可能となる。その結果、第1タンク6の作動ガス蓄積特性が向上する。なお、気液分離装置17は、熱分解装置8から供給される炭化水素燃料を、気液分離装置17の壁面に衝突または接触させることによって、炭化水素燃料の液体成分を抽出する装置であってもよい。
第4に、第1タンク上流側配管600Aには、圧力センサ67が配置されてもよい。より具体的には、第1タンク上流側バルブ61よりも上流側、例えば、第1タンク上流側バルブ61と第1分岐部D1との間には、圧力センサ67が配置されてもよい。圧力センサ67は、第1タンク上流側バルブ61よりも上流側における第1タンク上流側配管600A内の圧力をモニタする。圧力センサ67は、検出圧力に対応する信号を、制御装置15に送信する。上述の第1ステップS1(第1制御動作)を実行後、第2ステップS2(第2制御動作)を実行前の状態において、制御装置15は、圧力センサ67によって検出された圧力が第1閾値TH1を超えたか否かを判定する。制御装置15は、圧力センサ67によって検出された圧力が第1閾値TH1を超えると、第1タンク上流側バルブ61に開操作信号を送り、第1タンク下流側バルブ62に閉操作信号を送る。その結果、第2ステップS2、すなわち、ガス状炭化水素燃料を第1タンク6に蓄積するガス蓄積ステップが実行される。圧力センサ67を設けた場合には、好適なタイミングで、第2ステップS2を実行することが可能となる。
第5に、第1タンク6の内圧を測定する圧力センサ69が配置されてもよい。圧力センサ69は、検出圧力に対応する信号を、制御装置15に送信する。上述の第2ステップS2(第2制御動作)を実行後、第3ステップS3(第3制御動作)を実行前の状態において、制御装置15は、圧力センサ69によって検出された圧力が第2閾値TH2を超えたか否かを判定する。制御装置15は、圧力センサ69によって検出された圧力が第2閾値TH2を超えると、第1タンク上流側バルブ61に閉操作信号を送る。その結果、第3ステップS3、すなわち、ガス状炭化水素燃料を第1タンク6内に保持するガス保持ステップが実行される。圧力センサ69を設けた場合には、好適なタイミングで、第3ステップS3を実行することが可能となる。その結果、第1タンク6に蓄積されるガス状炭化水素燃料の圧力が不足することが抑制され、次回のロケットエンジンンの始動に対する信頼性が向上する。また、第1タンク6に蓄積されるガス状炭化水素燃料の圧力が過剰となることが抑制される。その結果、第1タンク6の損傷が抑制される。なお、第2閾値TH2は、例えば、5気圧以上10気圧以下の範囲の中から選択された値であってもよい。
図5に記載の実施形態では、ロケットエンジン1は、ガス生成器9を含む。ロケットエンジン1が、ガス生成器9を含む場合、ロケットエンジンが定常運転状態にある際に、第1タービン4へのタービン作動ガスの供給を安定的に実行可能である。また、図5に記載の例では、ロケットエンジン1は、ミキサー13を含む。ロケットエンジン1が、ミキサー13を含む場合、熱分解装置8の処理能力に関わらず、燃焼室75への炭化水素燃料の供給を安定的に実行可能である。なお、実施形態において、燃料配管200、酸化剤配管300等の配管の配置は、図5に記載の配置に限定されない。
(実施形態における飛しょう体)
図7乃至図9を参照して、実施形態における飛しょう体1000を説明する。図7は、実施形態における飛しょう体1000の概略側面図である。図8は、飛しょう体1000の機能を模式的に示す機能ブロック図である。図9は、飛しょう体1000が、航空機2000に搭載されている様子を示す図である。
図7に記載の飛しょう体1000は、上述のいずれかの実施形態におけるロケットエンジン1を備える。付加的に、飛しょう体1000は、第1段のロケットエンジンとして機能し、固体推進剤を含む第1のロケットモータ1030を備えていてもよい。付加的に、飛しょう体1000は、第2段のロケットエンジンとして機能し、固体推進剤を含む第2のロケットモータ1050を備えていてもよい。また、飛しょう体1000は、人工衛星1070を備えていてもよい。
飛しょう体1000が、第1のロケットモータ1030(または、第1のロケットモータ1030および第2のロケットモータ1050)と、人工衛星1070とを備える場合、第1のロケットモータ1030(または、第1のロケットモータ1030および第2のロケットモータ1050)は、ロケットエンジン1および人工衛星1070を、高高度の領域に運ぶ。その後、第1のロケットモータ1030(または、第1のロケットモータ1030および第2のロケットモータ1050)は、飛しょう体1000から切り離される。
次に、ロケットエンジン1の1回目の始動が実行される。ロケットエンジンの1回目の始動は、目標高度と飛しょう体1000の現実の高度との差、目標軌道と飛しょう体1000の現実の軌道との差、および、目標速度と飛しょう体1000の現実の速度との差のうちの少なくとも1つをトリガーとして実行されてもよい。代替的に、ロケットエンジン1の1回目の始動は、飛しょう体1000からの第1のロケットモータ1030(または、第1のロケットモータ1030および第2のロケットモータ1050)の切り離しの後に、自動的に実行されてもよい。1回目の始動動作において、上述の第1ステップS1乃至第3ステップS3が実行される。ロケットエンジン1の1回目の始動から、ロケットエンジン1の停止までの間に、ロケットエンジン1は、飛しょう体1000に推力を付与する。推力は、飛しょう体1000を更に高高度の位置に移動させるため、あるいは、飛しょう体1000の軌道または姿勢を変更させるために使用される。飛しょう体1000の軌道が、目標軌道に一致すると、ロケットエンジン1は停止する。
ロケットエンジン1の停止について、より詳細に説明する。図8に示されるように、飛しょう体1000は、コンピュータである飛行制御装置1090、および、記憶装置1091を備える。記憶装置1091は、飛しょう体1000の目標軌道を記憶している。付加的に、記憶装置1091は、飛しょう体1000の目標高度、および、飛しょう体1000の目標速度を記憶していてもよい。さらに、飛しょう体1000には、GPS装置等の位置センサ1092が搭載されている。付加的に、飛しょう体1000には、高度センサ1093、および、速度センサ1094が搭載されていてもよい。飛行制御装置1090、記憶装置1091、位置センサ1092、高度センサ1093、速度センサ1094の各々は、ロケットエンジン1に搭載されていてもよいし、飛しょう体1000のうちのロケットエンジン1以外の部分に搭載されていてもよい。
飛行制御装置1090は、位置センサ1092から受信するデータ(あるいは、位置センサ1092、高度センサ1093、および、速度センサ1094から受信するデータ)に基づいて、飛しょう体の軌道を計算する。飛行制御装置1090は、計算により取得された飛しょう体1000の現実の軌道と、記憶装置1091に記憶された目標軌道とが一致すると(「一致」には、「概ね一致」が包含される。)、飛行制御装置1090は、ロケットエンジン1に、停止信号を送信する。その結果、ロケットエンジン1は停止する。
次に、ロケットエンジン1の2回目の始動が実行される。ロケットエンジンの2回目の始動は、目標高度と飛しょう体1000の現実の高度との差、目標軌道と飛しょう体1000の現実の軌道との差、および、目標速度と飛しょう体1000の現実の速度との差のうちの少なくとも1つをトリガーとして実行されてもよい。
例えば、目標高度と飛しょう体1000の現実の高度との差、目標軌道と飛しょう体1000の現実の軌道との差、および、目標速度と飛しょう体1000の現実の速度との差のうちの少なくとも1つが、第3閾値TH3を超えると、ロケットエンジンの2回目の始動が実行されるようにしてもよい。
より具体的には、飛行制御装置1090は、位置センサ1092から受信するデータ(あるいは、位置センサ1092から受信するデータ、高度センサ1093から受信するデータ、および、速度センサ1094から受信するデータのうちの少なくとも1つ)に基づいて、飛しょう体1000の軌道、高度、および、速度のうちの少なくとも1つを計算する。飛行制御装置1090は、計算により取得された飛しょう体1000の軌道、高度、および、速度のうちの少なくとも1つと、記憶装置1091に記憶された飛しょう体1000の目標軌道、目標高度、および、目標速度のうちの少なくとも1つとの差が第3閾値TH3を超えると、ロケットエンジン1(より具体的には、制御装置15)に、再始動信号を送信する。ロケットエンジン1(制御装置15)は、再始動信号を受信すると、上述の第4ステップS4を実行する。すなわち、制御装置15は、第1タンク上流側バルブ61が閉状態に維持され、第1タンク下流側バルブ62が開状態とされるように、第1タンク上流側バルブ61および第1タンク下流側バルブ62に操作信号を送信する。
以上のとおり実施形態における飛しょう体では、飛しょう体1000の現実の軌道と目標軌道との差、飛しょう体1000の現実の高度と目標高度との差、および、飛しょう体1000の現実の速度と目標速度との差のうちの少なくとも1つに基づいて、ロケットエンジン1の2回目の始動を実行可能である。その結果、飛しょう体の軌道等を好適に修正することができる。なお、図7および図8に記載の例において、飛行制御装置1090と、図5等に記載の制御装置15とは、1つの制御装置(コンピュータ)により構成されていてもよい。
図9は、航空機2000の一部を模式的に示す側面図である。図9に記載の例では、飛しょう体1000は、航空機2000に搭載されている。より具体的には、図9に記載の飛しょう体1000は、接続機構1010を備え、接続機構1010を介して航空機2000に搭載されている。図9に記載の例では、飛しょう体1000は、航空機2000の主翼2010に搭載されている。代替的に、飛しょう体1000は、地上から打ち上げられる飛しょう体であってもよい。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態又は変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態又は変形例にも適用可能である。
1 :ロケットエンジン
2 :燃料ポンプ
3 :酸化剤ポンプ
4 :第1タービン
4C :第2タービン
6 :第1タンク
7 :燃焼器
8 :熱分解装置
9 :ガス生成器
11 :ノズル
13 :ミキサー
15 :制御装置
17 :気液分離装置
20 :燃料タンク
30 :酸化剤タンク
41 :動力伝達機構
42 :第2動力伝達機構
61 :第1タンク上流側バルブ
62 :第1タンク下流側バルブ
62C :第1タンク下流側バルブ
65 :断熱層
67 :圧力センサ
69 :圧力センサ
70 :燃料噴射口
71 :酸化剤噴射口
72 :点火装置
75 :燃焼室
81 :ガス状炭化水素燃料排出口
130A :バイパス管
131A :流量調整弁
200 :燃料配管
200A :上流側燃料配管
200B :下流側燃料配管
201B :第1部分
202B :第2部分
300 :酸化剤配管
300A :上流側酸化剤配管
300B :下流側酸化剤配管
600A :第1タンク上流側配管
600B :第1タンク下流側配管
600C :第1タンク下流側配管
900A :ガス生成器上流側配管
900B :ガス生成器上流側配管
900C :ガス生成器下流側配管
901A :流量調整弁
901B :流量調整弁
1000 :飛しょう体
1010 :接続機構
1030 :第1のロケットモータ
1050 :第2のロケットモータ
1070 :人工衛星
1090 :飛行制御装置
1091 :記憶装置
1092 :位置センサ
1093 :高度センサ
1094 :速度センサ
2000 :航空機
2010 :主翼
D1 :第1分岐部
D2 :第2分岐部
D3 :第3分岐部
D4 :第4分岐部
M1 :第1合流部

Claims (14)

  1. 炭化水素燃料を貯蔵する燃料タンクと、
    酸化剤を貯蔵する酸化剤タンクと、
    前記炭化水素燃料と前記酸化剤とを受け取り、前記酸化剤を用いて前記炭化水素燃料を燃焼する燃焼器と、
    前記燃料タンクと前記燃焼器の燃料噴射口との間を接続し、前記炭化水素燃料が流れる燃料配管と、
    前記酸化剤タンクと前記燃焼器との間を接続し、前記酸化剤が流れる酸化剤配管と、
    前記炭化水素燃料を前記燃料タンクから前記燃焼器に向けて供給する燃料ポンプと、
    前記酸化剤を前記酸化剤タンクから前記燃焼器に向けて供給する酸化剤ポンプと、
    前記炭化水素燃料を熱化学分解によってガス状炭化水素燃料に分解する熱分解装置と、
    前記熱分解装置から供給される前記ガス状炭化水素燃料を蓄積可能な第1タンクと、
    前記第1タンクから供給される前記ガス状炭化水素燃料を作動流体として用いることにより、前記燃料ポンプに駆動力を付与する第1タービンと
    を具備する
    ロケットエンジン。
  2. 前記熱分解装置と前記第1タンクとの間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク上流側配管と、
    前記第1タンクと前記第1タービンとの間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク下流側配管と、
    前記第1タンク上流側配管に設けられた第1タンク上流側バルブと、
    前記第1タンク下流側配管に設けられた第1タンク下流側バルブと
    を更に具備する
    請求項1に記載のロケットエンジン。
  3. 前記熱分解装置のガス状炭化水素燃料排出口と、前記第1タンクとは、前記第1タンク上流側配管を介して接続され、
    前記熱分解装置の前記ガス状炭化水素燃料排出口と、前記燃料噴射口とは、前記燃料配管の一部を介して接続されている
    請求項2に記載のロケットエンジン。
  4. 前記炭化水素燃料と前記酸化剤とを用いて、タービン作動ガスを生成するガス生成器と、
    前記ガス生成器と前記第1タービンとの間を接続し、前記ガス生成器によって生成された前記タービン作動ガスが流れるガス生成器下流側配管と
    を更に備え、
    前記第1タービンは、前記ガス生成器によって生成された前記タービン作動ガスを作動流体として用いることにより、前記燃料ポンプに駆動力を付与する
    請求項2または3に記載のロケットエンジン。
  5. 前記燃料配管と前記第1タンク上流側配管との間に配置される第1分岐部を更に備える
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載のロケットエンジン。
  6. 前記熱分解装置を通過していない液状炭化水素燃料と、前記熱分解装置を通過後の前記ガス状炭化水素燃料とを混合するミキサーと、
    前記液状炭化水素燃料を供給するバイパス管と、
    前記燃料配管と前記バイパス管との間に配置される第2分岐部と
    を更に備え、
    前記バイパス管は、前記第2分岐部と前記ミキサーとを接続し、
    前記ミキサーは、前記燃料配管のうち前記第1分岐部よりも下流側の部分に接続されている
    請求項5に記載のロケットエンジン。
  7. 前記第1分岐部には、気液分離装置が配置されている
    請求項5または6に記載のロケットエンジン。
  8. 制御装置と、
    前記第1タンク上流側バルブよりも上流側に配置された圧力センサと
    を更に備え、
    前記制御装置は、前記第1タンク上流側バルブを閉状態にするとともに、前記第1タンク下流側バルブを開状態とする第1制御動作を実行し、
    前記制御装置は、前記第1制御動作の実行後に、前記圧力センサによって検出された圧力が第1閾値を超えると、前記第1タンク上流側バルブを開状態にするとともに、前記第1タンク下流側バルブを閉状態とする第2制御動作を実行する
    請求項2乃至7のいずれか一項に記載のロケットエンジン。
  9. 前記第1タンクの内圧を測定する第2圧力センサを更に備え、
    前記制御装置は、前記第2制御動作の実行後に、前記第2圧力センサによって検出された圧力が第2閾値を超えると、前記第1タンク上流側バルブを閉状態にするとともに、前記第1タンク下流側バルブを閉状態とする第3制御動作を実行する
    請求項8に記載のロケットエンジン。
  10. 前記第1タンクには、予め、前記ガス状炭化水素燃料とは異なる初期作動ガスが蓄積されている
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載のロケットエンジン。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のロケットエンジンを備えた飛しょう体。
  12. 第1段のロケットエンジンとして機能し、固体推進剤を含むロケットモータを更に含む
    請求項11に記載の飛しょう体。
  13. ロケットエンジンの動作方法であって、
    前記ロケットエンジンは、
    炭化水素燃料を貯蔵する燃料タンクと、
    酸化剤を貯蔵する酸化剤タンクと、
    前記炭化水素燃料と前記酸化剤とを受け取り、前記酸化剤を用いて前記炭化水素燃料を燃焼する燃焼器と、
    前記炭化水素燃料を前記燃料タンクから前記燃焼器に向けて供給する燃料ポンプと、
    前記酸化剤を前記酸化剤タンクから前記燃焼器に向けて供給する酸化剤ポンプと、
    前記炭化水素燃料を熱化学分解によってガス状炭化水素燃料に分解する熱分解装置と、
    前記熱分解装置から供給される前記ガス状炭化水素燃料を蓄積可能な第1タンクと、
    前記熱分解装置と前記第1タンクとの間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク上流側配管と、
    前記ガス状炭化水素燃料を作動流体として用いることにより、前記燃料ポンプに駆動力を付与する第1タービンと、
    前記第1タンクと前記第1タービンとの間を接続し、前記ガス状炭化水素燃料が流れる第1タンク下流側配管と、
    前記第1タンク上流側配管に設けられた第1タンク上流側バルブと、
    前記第1タンク下流側配管に設けられた第1タンク下流側バルブと
    を具備し、
    前記ロケットエンジンの動作方法は、
    前記第1タンク上流側バルブを閉状態とし、第1タンク下流側バルブを開状態とすることにより、前記第1タンクに予め貯蔵された初期作動ガスを用いて、前記第1タービンの1回目の駆動を行う工程と、
    前記第1タンク上流側バルブを開状態とし、第1タンク下流側バルブを閉状態とするとともに、前記熱分解装置から供給される前記ガス状炭化水素燃料を前記第1タンクに蓄積するガス蓄積工程と、
    前記第1タンク上流側バルブを閉状態とし、第1タンク下流側バルブを閉状態とすることにより、前記第1タンク内で前記ガス状炭化水素燃料を保持するガス保持工程と、
    前記第1タンク上流側バルブを開状態とし、第1タンク下流側バルブを閉状態とすることにより、前記第1タンクに蓄積された前記ガス状炭化水素燃料を用いて、前記第1タービンの2回目の駆動を行う工程と
    を具備する
    ロケットエンジンの動作方法。
  14. 前記第1タービンの2回目の駆動を行う工程は、前記ロケットエンジンを搭載する飛しょう体の現実の軌道と目標軌道との差、前記飛しょう体の現実の高度と目標高度との差、および、前記飛しょう体の現実の速度と目標速度との差のうちの少なくとも1つが第3閾値を超えることをトリガーとして実行される
    請求項13に記載のロケットエンジンの動作方法。

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