この発明は、帯状包装材から曲成された略筒状包装材の両側縁部分を縦シールして筒状包装材に成形し、更に当該筒状包装材に包装すべき製品を投入・充填することで包装材から袋を製作しつつ当該袋内に製品が収容された袋包装体を製造する縦型製袋充填包装機に関し、特に、縦シールを超音波シールにて行う縦型製袋充填包装機に関する。
従来、製袋充填包装機として、本出願人は、図5に示すような縦型の製袋充填包装機を提案している(特許文献1参照)。図5(特許文献1の図2に基づく図;符号は100番台を使用する。)に示す製袋充填包装機100においては、巻取りロールから繰り出されたウェブ状包装材Fwは、適宜の張力が付与された後、フォーマ130に供給される。ウェブ状包装材Fwは、フォーマ130によって両側縁部分Fe,Feが接近した略筒状に曲成される。フォーマ130内には、上部がホッパ151となった充填筒150が嵌入されており、曲成された包装材がフォーマ130と充填筒150との間に形成される断面円環状の隙間内を通過する。
略筒状に曲成され且つ充填筒150の外周を取り巻くように送られた包装材は、縦シール装置160によって両側縁部分Fe,Feがシールされ、筒状包装材Ftが形成される。縦シール装置160は、超音波シーラとして構成されており、先端にホーン161を備える超音波発振器162と、ホーン161に対向配置されている円板状のアンビル164とを備えている。超音波発振器162は、アクチュエータ163によってアンビル164側に押しつけられる。アンビル164はモータ165によってフィルムと同じ速度又は若干速く回転駆動され、ホーン161との対向部位が逐次変更される。ホーン161とアンビル164とによって挟み込まれた包装材の両側縁部分Fe,Feが超音波振動によって溶着される。
充填筒150の側方には、筒状包装材Ftを挟んで紙送り手段としてのベルト式の包装材送り装置170が配設されており、充填筒150の外周面とベルト171,171との間で筒状包装材Ftを挟み付けることで、ベルト171,171の走行により筒状包装材Ftを下方に向かって紙送りする。充填筒150を通じて菓子等の食品のような包装物が筒状包装材Ftから形成された袋内に投下・充填され、横シール装置140を構成する対向配置された二つの横ヒートシールバー141,141が筒状包装材Ftを挟み付けることで横断方向にシールをして、先行して形成されている袋の上開口部を封鎖するとともに、後続の袋の底部が形成される。このように、袋の形成とタイミングを合わせて充填筒150を通して食品を袋内に落下・充填・封鎖の各動作を繰り返すことで、袋内に包装物を収容した袋包装体Bを連続して製造することができる。横シール装置140にはカッタ機構を組み込んでおいて、筒状包装材Ftに対して横シールをする際に、筒状包装材Ftを先行して製造された袋包装体と後続の袋Bとの間で切断・分離することができる。
この縦型製袋充填包装機100によれば、ウェブ状包装材Fwをフォーマ130に導いて充填筒150に巻き付けて略筒状に曲成された包装材とし、当該円筒の側方に設けた包装材送り装置170により包装材を紙引きし、円筒の一側において合わされる両側縁部分Fe,Feに対して円筒の該一側に設けた超音波発振器162を含む縦シール装置160によって縦シールを施して筒状包装材Ftとし、円筒の下方に設けた開閉自在な横シール装置140により、充填筒150内に落下充填される包装物の上下が横シール(更にカット手段によりカット)される。横シール装置140は図示のように上下動自在な昇降テーブルに設置することで、円筒から横シール位置までの距離を、筒状包装材Ftに皺が発生しない限度に円筒の径の大小に対応して変化させることで、包装物の落下距離をできるだけ短くすることができる。包装材送り装置170を、円筒の左右両側に対に設けられたバキューム機能を有するベルト式構造とすることで、アクチュエータによりベルトを円筒に近接状態として筒状包装材Ftをバキュームしながら紙引きを行うこともできる。縦シール装置160は、バーヒータのような長尺のシール手段ではなくスポット的にシールをする手段であるので、紙送りされる包装材が縦シール手段160と相対的に移動することで両側縁部分Fe,Feが連続してシールされる。
また、縦型製袋充填包装機のような包装機において、多層フィルムを溶着する縦シールとして超音波溶着機構を用いた一例として、特許文献2に開示されたものがある。超音波溶着機構は、ホーン、アンビル、超音波発生器等から成るものが示されている。ホッパに接続されていてフォーマ内に嵌挿され且つフォーマの下方に充分な延びるチューブを備えている。
更に、本出願人は、連続するウェブ状包装材を略筒状包装材に曲成し当該略筒状包装材を内側で案内する筒状部を有するフォーマと、前記筒状部から側方に出ている前記略筒状包装材の両側縁部分をシールして筒状包装材を形成する縦シール手段と、前記筒状包装材から順次形成された袋内に前記包装物が投入された状態で前記包装材に横シールを施す横シール手段と、前記筒状包装材を紙送りする紙送り手段とを備えており、前記袋内に前記包装物を収容した袋包装体を連続して製造する製袋充填包装装置であって、前記縦シール手段は、前記フォーマの前記筒状部の外側に配置されていて前記略筒状包装材の前記両側縁部分にスポット状のシールをして、紙送りされる前記筒状包装材が相対的に移動することで前記両側縁部分をシールするスポットシール手段であること、を特徴とする製袋充填包装装置を提案している(特許文献3参照)。スポットシール手段の一つとして、超音波シーラを挙げている。
特許文献3に開示されている製袋充填包装装置によれば、製袋充填包装動作としては、従来の場合と同様であるので、詳細については省略するが、縦シール手段はフォーマの筒状部の外側に配置されていて、フォーマによって略筒状に曲成された包装材の両側縁部分を局所的にシールするスポットシール手段であるので、紙送りされる筒状包装材が当該スポットシール手段と相対的に移動することで筒状包装材の両側縁を連続してシールする。即ち、縦シール手段は、バーヒータのような長尺のシール手段ではなく、装置高さ方向の長さを極力要しないスポット的なシール手段であり、フォーマの筒状部についても下方に向かって延びる長さを極力抑えることで、製袋充填包装装置の高さを可及的に短縮することを可能にしている。
ところで、上記した縦シールを超音波シールにて行う縦型製袋充填包装機においては、帯状包装材をフォーマによって両側縁部分が合掌状に重なるように略筒状にまで曲成するのであるが、超音波シーラによる縦シール装置はフォーマから下方に充分距離を置いた位置に設けられているのが通常である。こうした配置は、超音波シーラとして特段の技術的実情まで配慮されておらず、他の構成要素との干渉等がなければよいとの一般的な技術的認識に基づいたものである。しかしながら、超音波シーラによる縦シール装置の実際を詳細に調べてみると、超音波シーラには包装材に振動を与えてシールするという本質的な特徴もあり、縦シールを超音波シールにて行う縦型製袋充填包装機においては、次のような技術上の問題点を生じていることが明らかになった。
即ち、図6には、かかる問題点の例が示されている。図6は縦シールを超音波シールにて行う縦型製袋充填包装機の縦シール装置160の位置での横断面図であり、図6(a)に示すように、略筒状に曲成された包装材の合掌状に重なるように揃えた両側縁部分Fe,Feに互いにずれYが生じることがある。ずれYは袋包装体の見栄えを低下させるとともに、ずれYが大きくなるとシール不良を生じる虞がある。また、ずれYが生じなくても、図6(b)に示すように、両側縁部分Fe,Feの重なりの幅が少なくなって、シール不良を生じる虞があるとともに、重なり幅減少の分、両側縁部分の重なりに対して反対側では充填筒150の周面との間で弛みZが生じることもある。このようなずれYや弛みZは、その後の筒状包装材Ftの走行時に蛇行を生じる原因になることもある。
特開平01−124508号公報
特開2011−31907号公報
特開2013−166580号公報
超音波シーラによる縦シールを行う場合に生じがちになる上記の問題点の原因は、鋭意の解明の結果、超音波シーラの設置位置がフォーマから充分距離を置いた位置であるために、フォーマ(セーラ本体の重合わせ部分)によって折角、略円筒状の曲成成形が得られたとしても、包装材の走行が進みフォーマから遠ざかるに従って、また、超音波シーラによって包装材に振動が与えられることに起因して、得られた曲成成形に崩れが生じていることによることが判明した。そこで、縦シールを超音波シールにて行う縦型製袋充填包装機において、フォーマによって得られた略円筒状の曲成成形が崩れることなく保持されるうちに、超音波シールにて縦シールを行う点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、フォーマによって得られた略円筒状の曲成成形が保持されるうちに超音波シールにて縦シールを行うことにより、略筒状に曲成された包装材の合掌状に重なるように揃えた両側縁部分が互いにずれが生じること、両側縁部分の重なりと反対側でフォーマや充填筒の周面との間で包装材に弛みが生じること、或いは縦シール後の包装材の走行に蛇行を生じることを防止することができる縦型製袋充填包装機を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による縦型製袋充填包装機は、帯状包装材を両側縁部分が重ね合わされた略筒状包装材に曲成するフォーマと、当該略筒状包装材の両側縁部分を縦シールして筒状包装材に成形する縦シール装置とを備える縦型製袋充填包装機であって、前記縦シール装置は、重ね合わされた両側縁部分を挟み込む超音波発振子とアンビルとを有する超音波シーラであり、前記縦シール装置は、前記フォーマの直下に配置されていることを特徴としている。
この縦型製袋充填包装機によれば、帯状包装材はフォーマによってその両側縁部分が重ね合わされた略筒状包装材に曲成され、略筒状包装材の重ね合わされた両側縁部分は、縦シール装置である超音波シーラに備わる超音波ホーンとアンビル間に挟まれ、微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融接合される。即ち、略筒状包装材の重ね合わされた両側縁部分は、フォーマの直下に配置されている縦シール装置によって縦シールが施されて、筒状包装材に成形される。フォーマによって略筒状包装材に曲成された包装材については、フォーマの直下の領域では包装材の形状を略筒状形状に保持するという保形作用が維持されている。ここでのフォーマの直下とは、包装機のサイズや仕様や包装材の特性によって具体的な範囲を一律的に定めるのは困難であるが、フォーマによる保形作用が維持されている領域をいう。当該保形作用が維持されている包装材に対して、重ね合わされた両側縁部分に縦シールが施され、形状に崩れや乱れのない筒状包装材が成形される。
この縦型製袋充填包装機において、前記フォーマは、前記帯状包装材を略円筒状に曲成するセーラ部と、当該セーラ部に接続されており略円筒状に曲成された包装材を内部に通過させる筒状部とを備えており、前記セーラ部は、前記両側縁部分を除いた前記帯状包装材に作用して略円筒状に曲成する湾曲したセーラ本体と、当該セーラ本体の互いに対向する先端に形成されており且つ前記帯状包装材の前記両側縁部分を重ね合わせるとともに重ね合わされた当該両側縁部分を通過可能とする重ね合わせ部分を有しており、前記筒状部は、前記セーラ部の前記重ね合わせ部分よりも下方の位置まで筒状の態様で延びている筒状本体から成っており、当該筒状本体には前記重ね合わせ部分に接続して縦に延びており且つ前記重ね合わされた両側縁部分が表側に飛び出た状態で通過可能なスリットが形成されており、前記超音波シーラは、前記セーラ部の前記重ね合わせ部分の直下において前記筒状本体に対して前記スリットの部分において周方向に接する方向に配置することができる。この縦型製袋充填包装機によれば、縦シール装置である超音波シーラは、セーラ部の重ね合わせ部分の直下において筒状部に対して周方向に接する方向に配置されているので、筒状部を取り巻くように略円筒状に曲成された包装材について、ずれや弛みを生じることなく、筒状部によって定められる円筒形状に成形することができる。
この発明である縦型製袋充填包装機によれば、帯状包装材はフォーマによってその両側縁部分が重ね合わされた略筒状包装材に曲成され、略筒状包装材の重ね合わされた両側縁部分は、縦シール装置である超音波シーラに備わる超音波発振子とアンビル間に挟まれ、微細な超音波振動と加圧力によって短時間(瞬時)に溶融接合されるが、フォーマによって略筒状包装材に曲成された包装材は、フォーマの直下の領域ではフォーマによって包装材の形状を略筒状形状に保持するという保形作用が維持されているので、形状が略筒状形状に保持されている包装材に対して、重ね合わされた両側縁部分に縦シールが施される。したがって、略筒状包装材の形状の重ね合わされた両側縁部分にはずれが生じることがなく、また、略筒状形状に形成された包装材にフォーマの周面から浮いた弛みが発生することもないので、帯状包装材について形状に崩れや乱れがなく本来の意図した筒状包装材に成形することができる。また、成形後の筒状包装材についても、フォーマや充填筒の周囲の縦走行に蛇行を生じることもない。
図1は発明による縦型製袋充填包装機の一実施例を示す斜視図である。
図1に示す縦型製袋充填包装機に用いられるフォーマ、充填筒及び縦シール装置の組合せ状態を示す正面図である。
図1に示す縦型製袋充填包装機に用いられる縦シール装置の開閉を示す説明図である。
図1に示す縦型製袋充填包装機に用いられる縦シール装置の横断面図である。
図5は従来の縦型製袋充填包装機の一例を示す斜視図である。
図6は図5に示す縦型製袋充填包装機による包装材の成形の様子を説明する断面図である。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による縦型製袋充填包装機の実施例を説明する。図1は、本発明による縦型製袋充填包装機の一実施例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す縦型製袋充填包装機に用いられるフォーマ、充填筒及び縦シール装置の組合せ状態を示す正面図である。また、図1に示す縦型製袋充填包装機に用いられる縦シール装置については、図3に縦シール装置の開閉を示す説明図が示されており、図4に縦シール装置の横断面図が示されている。図1に示す縦型製袋充填包装機の基本的な構造は、図5を参照して説明した従来の縦型製袋充填包装機と実質的に同じである。
図1〜図4に示す縦型製袋充填包装機1は、帯状包装材Fwがロール状に巻き取られた巻取りロールFrから帯状包装材Fwを繰り出して、一部を貯留するとともに適当な張力を与える繰出し機構10、帯状包装材Fwに対して印刷を行う印刷装置等の付属装置20、及び縦シールを施して形成された筒状包装材に横断方向にシールを施す横シール手段40を備えている。なお、フォーマ30についても、連続して繰り出された帯状包装材Fwを略筒状包装材に曲成する機能については、変わるところがない。以下、本発明による特徴的な事項が含まれる構造について説明をする。
フォーマ30は、特に図2に示しているように、帯状包装材Fwを略円筒状に曲成するセーラ部31と、セーラ部31に接続されており略円筒状に曲成された包装材(以下、「略円筒状曲成包装材」という)を内部に通過させる筒状部32によって構成されている。セーラ部31は、帯状包装材Fwに作用して略円筒状に曲成する湾曲したセーラ本体33と、セーラ本体33の互いに対向する先端縁部分34a,34aに形成されており且つ帯状包装材Fwの両側縁部分Fe,Feを重ね合わせるとともに重ね合わされた当該両側縁部分Fe,Feを通過可能とする重ね合わせ部分34を有している。セーラ本体33は筒状部32の周囲を背面側から正面側に向かって滑らかな曲面状に回り込んでおり、重ね合わせ部分34はセーラ本体33の正面下端に形成されている。
筒状部32は、セーラ部31の重ね合わせ部分34よりも下方に筒状の態様のまま延びて下端36で終端している筒状本体35から成っている。筒状本体35には、重ね合わせ部分34に接続して縦に延長するように延びており且つ重ね合わされた両側縁部分Fe,Feが表側に飛び出た状態で通過可能なスリット37が形成されている。
フォーマ30内に嵌入されている充填筒50は、金属製(ステンレス製)の円筒体であって、フォーマ30の筒状部32の内部に隙間51を置いて嵌入されており、略円筒状曲成包装材は、筒状部32の内周面と充填筒50の外周面との間の隙間51を通過可能である。図2に示す例では、充填筒50は、フォーマ30の筒状部32の下端36から更に下方に延びている形態のものである。充填筒50は、その外周面が包装材送り装置70と協働して筒状包装材Ftを送る機能も合わせ持っている。
縦シール装置60は、フォーマ30の重ね合わせ部33の直下であって、筒状部32に形成されたスリット37に対応した位置であり且つフォーマ30が奏する作用の一つとして略円筒状曲成包装材に対してその曲成成形された形を保持しようとする保形作用が及ぶ範囲内の位置に配設されている。縦シール装置60は、先端に超音波ホーン61を備える超音波発生部62と、ホーン161に対向配置されているアンビル64を備えており、超音波シールユニットとしてユニット化されている。縦シール装置60は、スリット37を通して表側に飛び出た状態を維持しつつ移動している包装材の両側縁部分Fe,Feを加圧・振動して溶融溶着することで縦シールScを施す。縦シール装置60は、両側縁部分Fe,Feをスポット的にシールするシール装置であるが、包装材送り装置70によって略円筒状曲成包装材が縦シール装置60に対して縦方向に相対移動されることで、両側縁部分Fe,Feには連続した縦シール(超音波シール)Scが施され、略円筒状曲成包装材は筒状包装材Ftに成形される。
超音波ホーン61は、金属製の略棒軸状体であり、その基端側にある超音波発生部62からアンビル64に向かって突出している。アンビル64は、金属製の円柱体であり、周面が超音波ホーン61の先端部に対向している。超音波発生部62において高周波電気エネルギーが圧電素子で構成されるコンバータによって機械振動エネルギーに変換され、当該機械振動エネルギーがブースタで増幅され、更にホーン61と呼ばれる共鳴体を通して両側縁部分Fe,Feに超音波振動が伝達される。超音波発生部62はアンビル64との間で超音波振動を発振し、超音波ホーン61とアンビル64との間に加圧状態に挟まれている両側縁部分Fe,Feは、伝達された振動エネルギーによってそれらの境界面に擦り合わせに起因して発生する摩擦熱によって溶融溶着される。
縦シール装置60は、筒状部32におけるスリット37の長さ範囲内に収められる高さを有しているので、従来のバー状の縦ヒートシーラの場合と比較して高さ寸法が抑えられ、包装機の高さ短縮に貢献している。換言すると、筒状部32の長さは、包装材の両側縁部分Fe,Feに対して縦シール装置60がスポット的にシールをする際に当該両側縁部分Fe,Feを両脇から支える長さを有していれば良い。後述する包装材送り装置70によって縦方向に相対移動する略円筒状曲成包装材について、スリット37から表側に飛び出ている両側縁部分Fe,Feが縦シール装置60によってシールされることで超音波による連続した縦シールScが施され、略円筒状曲成包装材は短時間で筒状包装材Ftに成形される。
超音波溶着を行う縦シール装置60について、図3及び図4を参照して詳細を後述する。縦シール装置60は、装置フレーム(図示せず)に取り付けられた取付けアーム67にヒンジ66で回動可能に設けられた回動アーム65の内側に収容された状態に設けられている。回動アーム65を図3の装填位置(a)に置くことで、縦シール装置60を稼働させることができる。装填位置(a)から回動して退避位置(b)に置くことで、縦型製袋充填包装機1のセッティングやメンテナンスを行うことができる。
取付けアーム67は、図4に示すように、回動アーム65及びヒンジ66を、筒状部32に対して進退させることができるようにネジ機構68を備えている。ネジ機構68は、モータ68aと、その回転出力を伝達する歯車機構68bと、歯車機構68bから回転が与えられるネジ軸68cとを備えている。ネジ軸68cの回転によって、ネジ軸68cに螺合する支持体66aとともに、ヒンジ66と回動アーム65とがフォーマ30の筒状部32に対して進退する。このネジ軸68cの回転による調整動作によって、袋のデザイン等に対応したフォーマ30のサイズ等に応じて、スリット37から表側に飛び出た包装材の両側縁部分Fe,Feに対してスポットシールを行う縦シール装置60の位置を調整することができる。
図1に示す実施例において、包装材送り装置70は、筒状包装材Ftをその外側から吸引しながら紙送りする吸引紙送り手段である。包装材送り装置70は、具体的には、筒状包装材Ftの直径方向両側に対向して配置されている紙送りベルト71,71を備えている。各紙送りベルト71には、その幅方向中央の位置において長手方向に列状に並ぶ複数の吸引孔72が形成されている。各紙送りベルト71は、モータ駆動される駆動プーリ73、従動プーリ74、及びガイドプーリ75に巻き掛けられている。図示しない吸引手段が吸引孔72を通して空気を吸引する。駆動プーリ73からの駆動力によって、紙送りベルト71に接触する筒状包装材Ftをその外側から吸引しつつ下方へと紙送りする。紙送りされる筒状包装材Ftが縦シール装置60に対して相対的に移動することで、両側縁部分Fe,Feには連続的に縦シールScが施される。
横シール装置40は、図1に示す例では、対向配置された二つの横ヒートシールバー41,41を備えており、両横ヒートシールバー41,41間に筒状包装材Ftを加圧・加熱をすることで横断方向のシール(横シールSe)をして、先行して形成されている袋P1の上開口部を封鎖するとともに、後続の袋P2の底部を形成する。横シール装置40には、従来の包装機と同様、カッタ装置45が組み込まれている。カッタ装置45としては、一方の横ヒートシールバー41にカッタ刃46が進退可能に組み込まれており、他方の横ヒートシールバー41には、挟み込まれた筒状包装材Ftを切断するために、進出されたカッタ刃46が入り込む溝47が形成されている。横シール手段40に組み込まれたカッタ装置45は、筒状包装材Ftに対して横シールをする際に、筒状包装材Ftを袋P1,P2間で切断・分離する。
縦型製袋充填包装機1においては、帯状包装材Fwはフォーマ30によってその両側縁部分Fe,Feが重ねられた略筒状包装材に曲成され、略筒状包装材の重ねられた両側縁部分Fe,Feは、フォーマ30の直下に配置されている縦シール装置60である超音波シーラに備わる超音波ホーン61とアンビル62間に挟まれ、微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融接合される。略筒状包装材の重ねられた両側縁部分Fe,Feは、縦シール装置60によって縦シールが施され、包装材は筒状包装材Ftに成形される。フォーマ30によって略筒状包装材に曲成された包装材は、フォーマ30の直下の領域では包装材の形状を略筒状形状に保持するという保形作用が維持されている。したがって、重ねられた両側縁部分Fe,Feは、包装材について当該保形作用が維持されているうちに縦シールが施され、成形される筒状包装材Ftには、ずれや弛みのような形状に崩れや乱れが生じることがない。また、そうして形成された筒状包装材Ftが包装材送り装置70で走行させられる際に蛇行を生じることもなく、超音波シールで製造される袋包装体Bに不良品が生じる可能性を極力、低下させることができる。
縦型製袋充填包装機1の上記実施例において、単に一例にすぎないが、具体的なものとして、袋Pの折り径(充填筒50の外径)が100〜230mmの場合、超音波溶着手段である縦シール装置60の配置範囲については、フォーマ30の下端36から更に下方へ110mm以内とすることができる。縦シール装置60の配置位置については、フォーマ30が奏する作用の一つとして略円筒状曲成包装材に対してその曲成成形された形を保持しようとする保形作用が及ぶ範囲内であればよく、この数値範囲に限られないことは言うまでもない。
1 縦型製袋包装機 10 繰出し機構 20 付属装置
30 フォーマ 31 セーラ部 32 筒状部
33 セーラ本体 34 重ね合わせ部分 34a,34a 先端縁部分
35 筒状本体 36 下端 37 スリット
40 横シール装置 41 横ヒートシールバー
45 カッタ装置 46 カッタ刃 47 溝
50 充填筒 51 隙間
60 縦シール装置(超音波シーラ) 61 超音波ホーン
62 超音波発生部 63 アクチュエータ 64 アンビル
65 回動アーム 66 ヒンジ 66a 支持体
67 取付けアーム 68 ネジ機構 68a モータ
68b 歯車機構 68c ネジ軸
70 包装材送り装置 71 紙送りベルト 72 吸引孔
73 駆動プーリ 74 従動プーリ 75 ガイドプーリ
100 縦型製袋包装機 130 フォーマ 140 横シール装置
150 充填筒 160 縦シール装置 170 包装材送り装置
Fr 巻取りロール Fw 帯状包装材 Ft 筒状包装材
Fe,Fe 両側縁部分 Y ずれ Z 弛み
B 袋包装体 P 袋