JP2017215300A - 土壌腐食試験装置およびその試験方法 - Google Patents

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【課題】地中金属構造物の支配的な腐食因子を実環境に即した状態で自動制御する土壌腐食試験装置と試験方法を提供する。【解決手段】少なくとも一つのセルと、制御装置を有しており、前記セルは、土壌と少なくとも一つの金属製試料を収容する収容器と、更にガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段を備え、前記制御装置は、前記セルが備えるガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段の動作を制御する機能を有している土壌腐食試験装置とした。【選択図】図1

Description

本発明は、地中金属構造物の腐食因子を実環境に即した状態で自動制御して試験することが可能な土壌腐食試験装置およびその試験方法に関する。
例えば鋼管柱、支持アンカ、配管などのインフラ設備に代表されるように、様々な構造物が、その全部または一部を地中に埋設された状態で利用されている。特に強度とコストの観点から金属を材料とする金属構造物が広く用いられているが、金属構造物は土壌または地下水に接するために腐食し、経過年数とともに減肉していく。
金属構造物の土壌腐食の程度は、土壌の種類や性質、金属構造物の構造や埋設状態、および気象条件の差異によって著しく異なる。金属構造物の土壌腐食に影響を及ぼす因子として、土壌の種類、気温や土の温度、pH、比抵抗、含水量、可溶性塩類濃度、酸素濃度、ガス類、バクテリア活動などが挙げられる。土壌腐食はこれら諸因子が関係した複雑な機構で進行する。(下記非特許文献1参照)
土壌腐食により、金属構造物の減肉が進行していくと、本来構造物が発揮するべき機能を担保することができなくなる恐れがある。そのため、点検・保守や防食方法、更に腐食進展を予測する手法などの検討が行われている。
適切な点検・保守、防食方法、さらに予測に基づく管理などを行うためには、金属の土壌腐食機構に関する充分な知見が必須である。こういった知見を得るためには、土壌腐食に影響を及ぼす因子それぞれを制御した系で、腐食減肉量や腐食生成物などを調査し、腐食機構を明らかにする必要がある。(下記非特許文献2参照)
門井守夫, 高橋紹明, 矢野浩太郎, "金属材料の土壌腐食についての研究(第1報)", 防蝕技術, Vol. 16, No. 6, pp. 10-18 (1967). 宮田義一, 朝倉祝治, "電気化学的手法を中心とした土壌腐食計測(その2)", 材料と環境, Vol. 46, pp.610-619 (1997).
前述したように土壌腐食には多様な因子が影響しているが、その中でも支配的なのは、金属構造物が晒される環境中の水分量と酸素分圧、およびこれらの時間変動の影響だと考えられる。従って、実際の腐食環境に即した腐食試験を行うには、これら因子をなるべく簡易な方法で制御することが必要である。土壌中の水分量や酸素分圧を制御する方法として、次のような装置が考えられる。
例えば、密閉容器中に試験サンプル、土壌、および所定量の水を入れて密封すると、土壌水分量を規定した状態で腐食試験が実施できる。また土壌中の酸素分圧を変化させるには、容器中に酸素分圧を変化させた混合ガス(例えば窒素と酸素の混合ガス)を導入することで可能となる。
しかしながら、実際の環境では土壌中の水分量や酸素分圧は一定に保たれている訳ではなく、降雨などの影響で常に変動する。したがって、前述した方法では、実環境に即して土壌中の水分量や酸素分圧の時間変動を制御することは難しい。
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであって、以下のような構成を有する
(発明の構成1)
少なくとも一つのセルと、前記セルを制御する制御装置を有しており、
前記セルは、土壌と土壌に埋設された少なくとも一つの金属製試料を収容する収容部を備えた収容器と、前記収容器に接続されたガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段を備えており、
前記制御装置は、前記ガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段の動作をセルごとにそれぞれ制御する機能を有している
ことを特徴とする土壌腐食試験装置。
(発明の構成2)
前記収容器の内部は、前記収容部により、上部空間と下部の貯水空間に分離されており、
前記上部空間には前記給水手段、前記ガス供給手段と前記排気手段が接続され、
前記貯水空間の下部には排水手段が、満水時の喫水線の上部に位置する側部には吸引手段が接続されている
ことを特徴とする発明の構成1記載の土壌腐食試験装置。
(発明の構成3)
前記上部空間の上部には、前記給水手段に接続された散水部を設け、
前記収容部には、複数の種類の土壌が層状に収容されており、
前記収容部の下面部にはフィルタを備える
ことを特徴とする発明の構成2記載の土壌腐食試験装置。
(発明の構成4)
前記給水手段、排水手段および吸引手段を制御することにより、土壌の水はけ速度を制御可能として、降雨から水はけまでの時間を早めたサイクル加速試験を実施可能とした
ことを特徴とする発明の構成1〜3のいずれか1項に記載の土壌腐食試験装置。
(発明の構成5)
前記金属製試料には、それぞれ電流計が接続され、
前記土壌中には計測装置が埋設されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の土壌腐食試験装置。
(発明の構成6)
前記計測装置は土壌水分計、温度計、酸素濃度計の少なくとも一つを含む
ことを特徴とする請求項5記載の土壌腐食試験装置。
(発明の構成7)
発明の構成1から6のいずれか1項に記載の土壌腐食試験装置を用いた土壌腐食試験方法であって、
さまざまな試験の条件に合わせた複数の試験パターンを、あらかじめ制御装置に設定しておき、各セルごとに異なる試験パターンで実行することにより、複数の金属試料の複数の試験条件に対する腐食試験を同時並行して実行することを特徴とする土壌腐食試験方法。
本発明によれば、地中金属構造物の支配的な腐食因子である土壌水分量や酸素分圧およびそれらの時間変動を、実環境に即した状態で自動制御し腐食試験を実施することができるため、腐食に及ぼす環境因子の影響を簡便かつ詳細に求めることができる。
また本発明では、前記制御装置を用いて、前記セルの備えるガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段の動作を制御するため、自動で、例えば実環境の降雨状況を再現したり、降雨から土壌が濡れ、時間と共に乾燥するという自然サイクルを加速させた試験など、多様な条件下での土壌腐食試験を実施することが可能である。
本発明の第1の実施形態における土壌腐食試験装置の模式図である。 本発明の第2の実施形態における土壌腐食試験装置の模式図である。
(第1の実施形態)
本発明の土壌腐食試験装置の基本的な実施形態の一例を、図1にあげた構成について説明する。
図1において、本発明の実施形態1の土壌腐食試験装置は、試験ユニットとして少なくとも一つのセル1と、セル1を制御する制御装置2を有しており、
前記セル1は、土壌4と、土壌4に埋設された金属製試料5を収容する収容部を備えた収容器3と、収容器3に接続されたガス供給手段10、排気手段11、給水手段12、排水手段13および吸引手段14を備えている。
制御装置2は、メモリなどの記憶手段を備えたコンピュータで構成され、セル1が備えるガス供給手段10、排気手段11、給水手段12、排水手段13および吸引手段14の動作をそれぞれ制御する機能を有している。
セル1は、収容する土壌や金属試料、試験条件を変えた複数のセルを設けて、制御装置2でそれぞれ制御して、同時併行して試験を行うことも可能である。
図1に示すように収容器3の内部は、土壌4と少なくとも一つの金属製試料5を収容する収容部により、上部空間7と下部の貯水空間8に分離されている。このとき、収容部のサイズや形状、材質についても特に限定しない。ただし、収容部および収容器3のサイズや形状は、金属製試料5のサイズおよび土壌4の量を考慮し、十分に収容できるようにする必要がある。
また収容器3の材質は、収容する土壌や水の重量に対して充分な強度および耐食性を有する必要があり、例えばポリ塩化ビニル製やアクリルなどの透明プラスチックを用いれば内部の様子を常に確認することもできる。
収容器3内に収容される土壌4は、一種類以上の酸化物種からなる粒状物を含んでいればよく、土壌の構成物種および粒状物の粒径については特に限定するものではない。ただし実際の土壌環境に近付けるために、例えば実土壌構成物として代表的な二酸化ケイ素や酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどを混合して土壌とする方法もある。このとき、それぞれの混合比率や粒径を制御すると、より実験の再現性も良くなると期待される。また、その他の成分として塩化物や硫酸塩、硝酸塩などを加えてもよい。
また、土壌4には、実土壌を用いても良い。実土壌の回収場所や回収条件についても特に限定するものではない。ただし実土壌を用いる場合は、あらかじめ実土壌を加熱などして、水分を十分に除去しておくことが好ましい。また、草や根や昆虫類などの混合物はふるいにかけるなどして除去することが好ましい。また土壌4の量についても特に限定するものではないが、金属製試料5の腐食を確認したい部分が埋設された状態を確保できる量とする必要がある。
また、種類の異なる土壌を複数用いて、例えば層状に収容するなどしてもよい。また、収容器3に収容する金属製試料5の種類や形状、個数なども特に限定しない。
また収容部の下面部にはフィルタ6を備えることが好ましい。フィルタ6は土壌4と水を分離することを目的として備えており、フィルタの材質やメッシュサイズまたは孔サイズなどは特に限定するものではない。
例えば、収容する土壌構成物の粒径と同等かそれ以下のサイズのメッシュや、メンブレンフィルタなどの有機膜などを用いればよい。尚、フィルタ6は収容器3に収容される土壌、金属製試料、および水の重量に耐えうるものを用いるのが好ましいが、それが難しい場合は、例えばフィルタ6の下、すなわち図1の貯水空間8内に、例えば強度の確保できるスポンジ状支持体などを入れておくのが良い。
尚、貯水空間8は、フィルタ6を介して分離された水分が、排水手段13を通して排水されるまでに留まるための空間であって、その空間容量などは特に限定しないが、後述する吸引手段14の吸引口が、貯水空間8の満水時の喫水線の上部に位置する必要がある。
また前述のようにセル1は、収容器3の上部空間7に接続されたガス供給手段10、排気手段11、給水手段12、および収容器3の下部の貯水空間8に接続された排水手段13および吸引手段14を備えている。
上部空間7に接続されたガス供給手段10および排気手段11において、そのガス供給方法および排気方法については特に限定しないが、後述の給水手段12より水が浸入しないようにするのが望ましい。簡単にはガスの供給口および排気口を、収容器3の上部空間7の対向する側部に開口を下方に向けて設け、それぞれに対して制御装置2で制御可能な開閉弁を取り付けた機構が考えられる。
供給するガスの種類や、圧力、流量も特に限定しないが、ガス種としては、例えば窒素ガスと酸素ガスの混合ガスが考えられる。土壌4中の酸素分圧はこの窒素ガスと酸素ガスの混合比を変えることで制御することができる。
また、収容器3の上部空間7の上部に接続された給水手段12および下部の貯水空間8の下部に接続された排水手段13において、その給水方法および排水方法も特に限定するものではない。簡単には、収容器3の上部空間7の上部および収容器3の下部の貯水空間8の下部に給水口と排水口を設け、それぞれに対して制御装置2で制御可能な開閉弁を取り付けた機構が考えられる。土壌4に均一に水を散布するためには、図1に図示のように、上部空間7内の上部に、給水手段12に接続された細孔を有するパイプなどで構成された散水部15を設けるのが望ましい。
尚、給水する際の給水量や給水時間、給水する水の純度や温度などは特に限定するものではなく、実施したい試験条件に応じて変化させる。例えば給水する水の中に、塩分などを混ぜることによって、塩害地での腐食環境を模擬することも可能になる。
本実施形態1においては、給水手段12によって上部空間7上部から収容器3内に供給された水が土壌4内に浸透、重力によって下へと移動して、やがてフィルタ6を介して水が分離され、貯水空間8を介して排水手段13によって排水される。これは、自然状態における降雨から土壌水分量が上昇し、やがて水はけによって水分量が下がるという状況を再現している。
このとき、給水から水はけまでの時間を早めたい場合に使用するのが、吸引手段14である。吸引手段14は、貯水空間8内を減圧状態にすることによって、水はけを加速する目的で設けたものであり、減圧方法を特に限定するものではない。簡単には前記収容器3の貯水空間8の満水時の喫水線の上部に位置する側部に吸引手段14の吸引口を設け、制御装置2によって動作制御可能な吸引装置を接続する方法がある。
なお、吸引効果を高めるためには、減圧時に排水手段13からの水の逆流を防ぐために排水手段13の接続部に逆流防止弁を設けたり、ガス供給手段10および排気手段11以外の部分からの空気の漏れ(リーク)を防ぐように収容器3を密閉構造としておくことが望ましい。
吸引手段14の吸引装置としては、例えば電動式吸引ポンプやロータリーポンプなどがある。吸引手段14を用いることで、降雨から水はけまでの時間を早めたサイクル加速試験なども実施可能になる。
本実施形態1における試験方法は、土壌4と少なくとも一つの金属製試料5を収容器3内に収容し、制御装置2を用いて、セル1の備えるガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段の動作を制御することで、セル1内の土壌環境を制御しながら、金属製試料5の腐食試験を実施すること、を特徴とする。
(第2の実施形態)
図2に、本発明の第2の実施形態における土壌腐食試験装置の模式図を挙げる。
図2において、図1と同じ構成要素には同じ番号を付している。
この第2の実施形態においては、例えば地中深さ方向による環境因子の違いによって生じるマクロ腐食の度合いを測定する試験において、収容器3内に土壌構成物粒径の異なる複数の種類(例えば2種類)の土壌4a、4bを層状に配置して、図2の模式図に示すごとく層状に収容する収容部としている。そして、それぞれの金属試料や土壌層には、電流計21や計測装置22a,bを接続、設置している。
土壌4a、4b内にそれぞれ埋設された少なくとも一つの金属製試料5a、5bの、腐食の度合いを測定するために、これら金属製試料を電流計21を介して導線で結ぶ。このとき、前記ガス供給手段10によって大気と同じ窒素/酸素比に混合したガスを収容器3内に導入し、収容器3内がほぼ大気圧になるよう排気手段11の動作を調整する。
給水手段12を用いて所定の時間、サイクルで土壌の上部から給水し、吸引手段14及び排水手段13を所定の時間、サイクルで動作させると、降雨から水はけまでのサイクルを再現または加速した土壌腐食試験が可能になる。
各金属製試料5a、5bのマクロ腐食の度合いは、電流計の電流値として計測される。このとき、深さ方向にそって、例えば土壌水分計や温度計、酸素濃度計などの計測装置22a、22bを、それぞれの土壌4a、4bの層内にいれて計測すると、腐食試験のパラメータのより定量的な測定が可能になる。
腐食試験の期間は長期にわたるため、これらの測定値は制御装置2または図示しない別途の記録装置によって、自動的に記録可能としておくのが望ましい。
本実施形態2によって、実環境に即した腐食試験も可能である。金属の土壌腐食は、地中にある状態での土壌中水分量や酸素分圧、およびそれらの変動によって大きく支配されている。従って、実環境では例えば金属が水に触れている部分では金属の溶出反応が進行し、空気に触れている部分では錆形成が進むなどしている。
金属が一様な環境にずっと晒されていると、ほとんどの条件で腐食速度は小さくなっていく。ただし金属が晒される環境が変わると、再度腐食に伴う化学反応が金属表面で進行する。実環境では、金属の濡れ時間や領域、空気に触れている時間や領域が変動するため、腐食反応が複雑化しているのである。
実施形態2の土壌腐食試験装置においても、実施形態1同様、このような実環境を模擬ないし加速した腐食試験を実施可能であり、さらに多種の土壌に対して多数の腐食試験を併行して実施しつつ、測定、記録も省力化できる。
(土壌腐食試験方法)
さて、本発明のいずれの実施形態の試験装置においても、実環境に即した腐食試験方法を行うことができる。
例えば、まず収容器3内に土壌4と金属製試料5を少なくとも一つ収容しておく。次にガス供給手段10によって大気組成の乾燥空気を導入し、排気手段11を制御してほぼ大気圧とする。
ここで、前記給水手段12と吸引手段14および排水手段13を用いて、実環境に即した降雨から水はけのサイクルを再現するとき、例えば給水手段12による給水時間を、過去の降水量データを用いてもよい。降水量データは例えば気象庁が公開している所定地域の降水データを用いて、降水量の時間変動を再現することができる。
尚、このとき水はけのスピードは、吸引手段14と排水手段13を制御することで変化させる。例えば再現したい実土壌環境の水はけ速度について、計測するなどして予め分かっていれば、その速度と同じになるように吸引手段と排水手段を制御すればよい。
また、同様の試験方法で、腐食加速試験を実施することもできる。実環境の降水量データおよび水はけ速度が得られたとき、降水から水はけまでのサイクルについて、その周期を早めた試験を実施するとよい。このとき、サイクルをどれだけ速めるか、そして降水時間と水はけしてから定常含水状態となっている時間の比率をどうするか、などは実環境の計測や上述したより基礎的な試験の結果に基づいて変化させるのが好ましい。
さまざまな試験の条件に合わせた複数の試験パターンを、あらかじめ制御装置に設定しておき、各セルごとに異なる試験パターンで各セルの手段を制御、実行することにより、複数の金属試料の複数の試験条件に対する腐食試験を同時並行して実行することが可能である。
また、電流計や計測装置の測定データを自動的に記録することによって、試験の大幅な省力化を図ることもできる。
以上のように本発明によれば、地中金属構造物の支配的な腐食因子である土壌水分量や酸素分圧およびそれらの時間変動を、実環境に即した状態で自動制御し腐食試験を実施することができるため、地中金属構造物の腐食に及ぼす環境因子の影響を簡便かつ詳細に求めることができる。
また本発明では、自動で、例えば実環境の降雨状況を再現したり、降雨から土壌が濡れ、時間と共に乾燥するという自然サイクルを加速させた試験など、多様な条件下での土壌腐食試験を実施することが可能となる。
1 セル
2 制御装置
3 収容器
4、4a、4b 土壌
5、5a、5b 金属製試料
6 フィルタ
7 上部空間
8 貯水空間
10 ガス供給手段
11 排気手段
12 給水手段
13 排水手段
14 吸引手段
15 散水部
21 電流計
22a、22b 計測装置(土壌水分計や温度計、酸素濃度計)

Claims (7)

  1. 少なくとも一つのセルと、前記セルを制御する制御装置を有しており、
    前記セルは、土壌と土壌に埋設された少なくとも一つの金属製試料を収容する収容部を備えた収容器と、前記収容器に接続されたガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段を備えており、
    前記制御装置は、前記ガス供給手段、排気手段、給水手段、排水手段および吸引手段の動作をセルごとにそれぞれ制御する機能を有している
    ことを特徴とする土壌腐食試験装置。
  2. 前記収容器の内部は、前記収容部により、上部空間と下部の貯水空間に分離されており、
    前記上部空間には前記給水手段、前記ガス供給手段と前記排気手段が接続され、
    前記貯水空間の下部には排水手段が、満水時の喫水線の上部に位置する側部には吸引手段が接続されている
    ことを特徴とする請求項1記載の土壌腐食試験装置。
  3. 前記上部空間の上部には、前記給水手段に接続された散水部を設け、
    前記収容部には、複数の種類の土壌が層状に収容されており、
    前記収容部の下面部にはフィルタを備える
    ことを特徴とする請求項2記載の土壌腐食試験装置。
  4. 前記給水手段、排水手段および吸引手段を制御することにより、土壌の水はけ速度を制御可能として、降雨から水はけまでの時間を早めたサイクル加速試験を実施可能とした
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌腐食試験装置。
  5. 前記金属製試料には、それぞれ電流計が接続され、
    前記土壌中には計測装置が埋設されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の土壌腐食試験装置。
  6. 前記計測装置は土壌水分計、温度計、酸素濃度計の少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項5記載の土壌腐食試験装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の土壌腐食試験装置を用いた土壌腐食試験方法であって、
    さまざまな試験の条件に合わせた複数の試験パターンを、あらかじめ制御装置に設定しておき、各セルごとに異なる試験パターンで実行することにより、複数の金属試料の複数の試験条件に対する腐食試験を同時並行して実行することを特徴とする土壌腐食試験方法。
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