JP7029060B2 - 腐食速度推定装置とその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中埋設された金属の腐食速度を推定する腐食速度推定装置とその方法に関する。
インフラ設備の多くは高度経済成長期に集中的に整備されたため、今後一斉に老朽化する。その一方で、設備の維持管理に割ける費用及び保守に関わる人員は減少する傾向にある。そのため、将来的にはインフラ設備の維持管理を適切に行うことができず、安心安全の確保が困難になる恐れがある。このようなインフラ設備の老朽化問題に対処するため、近年では、設備の劣化進行を予測し、その結果に基づいて効率的な保守計画を立案する試みがなされている。
インフラ設備の劣化を予測する方法として、統計学的手法がある。統計学的手法は、多様な自然環境に晒され劣化したサンプルを観察・分析し、そのデータを元に回帰分析や極値統計といった統計解析を行うことで予測式を導く方法である。
また、実験的に予測式を求める方法もある。対象とする土壌を模擬した環境中に金属を埋設し、電気化学的手法を用いて土壌中の金属の腐食を計測する考えが提案されている(例えば非特許文献1)。
宮田義一ほか1名、「電気化学的手法を中心とした土壌腐食計測(その2)」、材料と環境、46, 610~619, 1997.
しかしながら、従来の統計学的手法では、統計解析に必要な情報がそもそも収集困難か、もしくは多大なコストと時間を掛ける必要があるという課題がある。また、実験的に土壌中の金属の腐食を計測して腐食速度を表す腐食速度関数を求めるには、実験に長期間を要する。つまり、実験的に腐食量を求める方法もコストと時間を要するという課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、土壌に埋設された金属の任意の経過時間における腐食速度を、簡便かつ短期間に予測することができる腐食速度推定装置とその方法を提供することを目的とする。
本実施形態の一態様に係る腐食速度定装置は、評価対象の金属を埋設した土壌に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクルのサイクル数と、サイクル内の一つ以上の時間と、当該時間に対応する前記金属の腐食速度とを測定する腐食速度測定部と、前記サイクル数、前記時間、及び前記腐食速度を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の前記腐食速度を表す予測モデルを求める学習部と、前記予測モデルに、推定したい前記サイクル数と当該サイクル内の時間を与え、該時間の前記金属の腐食速度を推定する腐食速度推定部と、前記腐食速度測定部で測定した複数の腐食速度の変化を表す一つ以上の変化関数を計算し、前記学習部に与える変化関数計算部とを備え、前記学習部は、前記変化関数を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の前記腐食速度を表す予測モデルを求めることを要旨とする。
本実施形態の一態様に係る腐食速度推定方法は、上記の腐食速度推定装置が実行する腐食速度推定方法であって、評価対象の金属を埋設した土壌に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクル内の前記金属の腐食速度を複数回測定し、複数の前記腐食速度を入力とし、該腐食速度の変化を表す一つ以上の変化関数を計算し、複数の前記給水サイクルのサイクル数前記腐食速度、及び前記変化関数を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の前記腐食速度を表す予測モデルを求め、前記予測モデルに、前記サイクル数と腐食速度を求めたいサイクル内の時間を与え、当該時間の前記金属の腐食速度を推定することを要旨とする。
本発明によれば、土壌に埋設された金属の任意の経過時間における腐食速度を、簡便かつ短期間に予測することができる。
本発明の第1実施形態に係る腐食速度推定装置の機能構成例を示す図である。 図1に示す腐食速度推定装置の動作フローを示す図である。 降雨と土壌含水率の関係を模式的に示す図である。 降雨と土壌3中の金属の腐食速度との関係を模式的に示す図である。 サイクル数を増やした場合の腐食速度の変化を模式的に示す図である。 ナイキスト線図を模式的に示す図である。 電荷移動抵抗を計算するのに仮定する等価回路の例を示す図である。 電荷移動抵抗を計算するのに仮定する等価回路の例を示す図である。 図1に示す腐食速度推定装置の腐食速度測定部で測定した腐食速度の例を模式的に示す図である。 予測モデルに与える降雨データと、推定した腐食速度を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る腐食速度推定装置の機能構成例を示す図である。 腐食速度の変化を模式的に示す図である。 図12に示す腐食速度の変化を直線近似によってカーブフィッティングした例を模式的に示す図である。 図12に示す腐食速度の変化を指数関数によってカーブフィッティングした例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものに
は同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る腐食速度推定装置の機能構成例を示す図である。図1に示す腐食速度推定装置100は、土壌中の金属の腐食速度を、簡便かつ短期間に推定する装置である。
図1には、収容部2、土壌3、及びセンサ4も示す。センサ4は、評価対象の金属を含み、収容部2に収容された土壌3に埋設される。評価対象の金属は特に制限しない。例えば、鋼管柱、支持アンカー、及び地中鋼配管等に用いられる金属である。またこの他、ステンレス鋼や銅などの一般的な構造用金属でもよく、金属の種類を特に制限するものではない。
センサ4は、後述する3電極交流インピーダンス法の場合は評価対象の金属片を一つ、2電極交流インピーダンス法の場合は評価対象の金属片を二つ、それぞれの金属片が電気的絶縁を保持するように配置して構成される。
収容部2は、収容する土壌3の含有イオン成分を変化させない化学的に安定な素材で構成される。収容部2の材質は、例えばアクリルや塩ビなどのプラスチック、ガラスやセラミックスなどが好適である。
収容部2は、給水機能と排水機能を備える。給水機能と排水機能は、土壌3に対して十分な水を供給できることと、時間と共に土壌3中の水分量が減少できればよい。よって、給水は手動で行ってもよい。また、排水は収容部2に開口部(図示せず)が設けられていればよい。また、給水機能には、給水時間を設定可能なポンプを設けてもよい。また、排水のオン/オフを制御する開閉弁を設けてもよい。
土壌3は、対象とする土壌と分類上同種の土壌を用いる。現場の土壌を採取してもよいし、対象とする土壌を模擬した土壌を用いてもよい。土壌の分類には、例えば日本ペドロジー学会による日本土壌分類体系に基づく分類がある。
腐食速度推定装置100は、腐食速度測定部10、学習部20、及び腐食速度推定部30を備える。図2は、腐食速度推定装置100の処理手順を示す動作フローである。図1と図2を参照してその動作を説明する。
腐食速度測定部10は、評価対象の金属を含むセンサ4を埋設した土壌に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクルのサイクル数と、サイクル内の一つ以上の時間と、当該時間に対応するセンサ4中の金属の腐食速度とを測定する(ステップS1)。センサ4中の金属の腐食速度の測定方法について詳しくは後述する。以降において、「センサ4中の金属の」の文言は省略し、単に腐食速度と称する。
学習部20は、腐食速度測定部10で測定したサイクル数、時間、及び腐食速度を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の腐食速度を表す予測モデルを求める(ステップS2)。機械学習アルゴリズムとは、例えばランダムフォレストや決定木等のアルゴリズムのことである。予測モデル等について詳しくは後述する。
腐食速度推定部30は、学習部20で求めた予測モデルに、腐食速度を求めたいサイクル数と、サイクル内の時間を与え、当該時間の腐食速度を推定する(ステップS3)。
以上述べた本実施形態に係る腐食速度推定装置100によれば、給水サイクルのサイクル数、サイクル内の時間、及びサイクル内の時間の腐食速度から未来の腐食速度を表す予測モデルを学習し、当該予測モデルを用いて腐食速度を推定するので、土壌中の金属の腐食速度を、簡便かつ短期間に予測することができる。
土壌はSiやAl,Ti,Fe,Caなどの酸化物等からなる土壌粒子と、前記土壌粒子の間隙中に存在する気相および液相(水)から構成される3相共存環境である。土壌中の気相の割合と液相の割合の合計は一定と考えることができ、一方が高まればもう一方が低くなる相反関係にある。ここで、前記土壌中での金属の腐食反応には、基本的に水と酸素が必要であり、これらの状態に依存した腐食速度で腐食が進行する。従って、土壌中を占める水の割合を指す土壌含水率は腐食速度に寄与する主要な環境因子であり、土壌含水率と共に腐食速度は変化するといえる。
土壌含水率は、地中のよほど深い位置でない限り、常に一定に保持されているわけではない。土壌含水率は、例えば降雨などの自然現象に応じて変化する。
図3は、降雨と土壌含水率の関係を模式的に示す図である。図3の横軸は経過時間である。図3に示すように、土壌含水率の増減は降雨とよく連動しており,降雨時に急激に増加し,雨が止むと徐々に減少するというサイクルを繰り返す.従って,腐食速度の経時的な変化もまた,降雨を起点としたサイクルの繰り返しになると考えることができる。
図4は、降雨と土壌3中の金属の腐食速度との関係を模式的に示す図である。図4の横軸は経過時間である。ここで、1サイクルとは、降雨から次ぎの降雨までの期間を指しており、降雨間隔によって1サイクルの時間の長さは異なる。
1サイクルにおける腐食速度の時間変化は、土壌と金属によって異なる。また、同じ土壌と金属の組み合わせでも、何回目のサイクルであるかによって腐食速度は異なる。例えば鋼等の金属では、埋設してから10回目のサイクルにおける腐食速度の時間変化と、100回目の腐食速度とでは異なる。一般的に、サイクル数を重ねるほど腐食速度は低下する。
図5は、サイクル数を増やした場合の腐食速度の変化を模式的に示す図である。図5の横軸は経過時間である。
図5に示すように100回目のサイクルでは、10回目のサイクルよりも一般的に腐食速度は低下する。これは、腐食の進行に伴い土壌中の金属の表面に酸化被膜(錆)が形成され、この錆が腐食反応を抑制するためである。
このようにサイクル数を増やすごとに、金属表面を覆う錆の面積と厚みが増加するため腐食速度は低下する。ただし、金属表面に形成される錆の状態は、その金属が晒されて来た降雨パターンによって異なる。したがって、例えば一定期間における降雨頻度が多い場合と少ない場合とでは、同じサイクル数を経た金属でも腐食速度及び腐食量は異なる。
本実施形態に係る腐食速度推定装置100が実行する腐食速度推定方法は、降雨から次ぎの降雨までの1サイクルを基準に、n回目のサイクルにおける腐食速度の時間変化fn(t)は、金属が晒された1回目~n-1回目までの降雨パターン(各サイクルの降雨間隔及び降雨量や連続降雨時間等の組み合わせ)、及びn回目の降雨間隔と降雨量や連続降雨時間等に依存するという考えに基づき、土壌中の金属の腐食速度を推定する方法である。
つまり、本実施形態に係る腐食速度推定装置100は、評価対象の金属を埋設した土壌に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクルのサイクル数と、サイクル内の一つ以上の時間と、当該時間に対応す上記の金属の腐食速度とを測定する腐食速度測定部10と、サイクル数、サイクル内の時間、及び腐食速度を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の腐食速度を表す予測モデルを求める学習部20と、予測モデルに、サイクル数と腐食速度を求めたいサイクル内の時間を与え、当該時間の金属の腐食速度を推定する。これによれば、腐食速度の推定に必要な複数サイクルにおける腐食速度の時間変化は、低コスト、短時間で取得可能であるため、任意の未来の腐食速度を簡便且つ短時間で予測することが可能になる。
次に、腐食速度推定装置100の各機能構成部について詳しく説明する。
(腐食速度測定部)
腐食速度測定部10は、交流インピーダンス測定機能を有する。交流インピーダンス測定は、センサ4中の金属を電極とし、電極間に微少電圧もしくは電流を交流で印加し、電気的な応答を測定する。印加する電圧もしくは電流は、センサ4中の金属の表面が変化しないように微少にするのがよい。例えば5mV程度である。周波数は、例えば0.1Hz~500Hzの幅で変化させる。
交流インピーダンス測定を行うことでナイキスト線図を得ることができる。図6に、ナイキスト線図を模式的に示す。ナイキスト線図の横軸は実部、縦軸軸は虚部である。ナイキスト線図を元に、所定の等価回路に基づいてカーブフィッティングすることで電荷移動抵抗を導く。
図7と図8は、電荷移動抵抗を計算するのに仮定する等価回路の例である。何れの図も(a)は、3電極で交流インピーダンスを測定した場合の等価回路である。(b)は、2電極で交流インピーダンスを測定した場合の等価回路である。
図中の電荷移動抵抗Rctは、土壌3中のセンサ4中の金属の腐食反応の抵抗を表す。電気二重層Cdlは、センサ4中の金属と土壌3の界面に存在する容量である。抵抗成分Rs1,Rs2は、土壌3中及びその他の抵抗を表す。容量Csは、土壌3の容量成分である。ワールブルグインピーダンスZwは、拡散過程によるインピーダンスである。なお、カーブフィッティングする際は、電気二重層Cdlと容量CSはCPE(Constant Phase Element)に置き代えてもよい。
図7と図8に示す等価回路によれば、図6に示すようにナイキスト線図上に理論上二つの円弧が描かれる。高周波数側の円弧は土壌3に由来する。低周波数側の円弧は腐食反応に起因するものである。
電荷移動抵抗は、ナイキスト線図の低周波数側の円弧が横軸(実部)と交差する幅で与えられる。なお、2電極で交流インピーダンスを測定した場合の電荷移動抵抗は、その幅の半分の値である。
腐食速度は、電荷移動抵抗の逆数に比例する。その比例係数Kは、アノード及びカソード分極曲線からTafel勾配を導いて算出する(参考文献:「コンクリート中鋼材の腐食速度測定方法(CIPE法)の開発)」、さび、148号、p2-8,2015)。
比例係数Kを用いることで、電荷移動抵抗の逆数から、腐食電流密度(腐食速度)を算出することができる。腐食電流密度を用いて重量減肉速度及び体積減肉速度等を算出することもできる。
このように測定した1回のインピーダンス測定の結果から1つの腐食速度を得る。腐食速度測定部10は、1回の給水サイクルにおいて複数回のインピーダンス測定を行う。そして、その給水サイクルを繰り返す。
図9は、腐食速度測定部10で測定した腐食速度の例を模式的に示す図である。図8の横軸は経過時間、縦軸は腐食速度である。
このように、腐食速度測定部10は、評価対象の金属を埋設した土壌3に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクルのサイクル数と、サイクル内の一つ以上の時間と、当該時間に対応する金属の腐食速度とを測定する。
(学習部)
学習部20は、腐食速度測定部10で測定したサイクル数、サイクル内の時間、及び当該時間の腐食速度を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の腐食速度を表す予測モデルを求める。
予測モデルとは、予測に使う情報と予測したい情報を結ぶモデル(例えば式)である。予測したい情報は、腐食速度である。また、予測に使う情報は、腐食速度測定部10で測定した各情報(サイクル数、サイクル内の時間、及び当該時間の腐食速度)である。
学習部20の機械学習方法(アルゴリズム)は特に制限しない。例えば、ランダムフォレストや決定木などのアルゴリズムを用いることが考えられる。
上記のように土壌中の金属の腐食速度は、降雨を基点としたサイクルの繰り返しに伴い変化する。あるサイクルでの腐食速度の時間変化は、それ以前の全てのサイクルの変化に依存する。いわゆる自己相関の強い変化を示す。
したがって、予測モデルを求める説明変数に、例えば、埋設後からの経過時間t、n回目のサイクルの腐食速度の時間変化fn(t)、n回目の連続降雨時間Wn、n回目のサイクルの時間間隔Tnを用いることができる。また、説明変数には、これらの組み合わせを用いてもよい。
(腐食速度推定部)
腐食速度推定部30は、学習部20で求めた予測モデルに、推定したいサイクル数と当該サイクル内の時間を与え、該時間の腐食速度を推定する。
予測モデルに与える情報は、予測モデルを使って推定するのに必要な情報を含む。例えば、推定したい期間における降雨データである。
図10は、予測モデルに与える降雨データと、推定した腐食速度を模式的に示す図である。このように腐食速度の時間変化を予測することができる。
なお、腐食速度を時間積分することにより、腐食量も容易に求めることができる。
〔第2実施形態〕
図11は、本発明の第2実施形態に係る腐食速度推定装置の機能構成例を示す図である。図11に示す腐食速度推定装置200は、腐食速度推定装置100(図1)に対して変化関数計算部40を備える点で異なる。
変化関数計算部40は、腐食速度測定部10で測定した複数の腐食速度の変化を表す変化関数を計算し、学習部20に与える。
変化関数計算部40は、例えば図12に示す様な腐食速度の変化から、一つ又は複数の変化関数を計算する。つまり、変化関数計算部40は、経過時間に対する腐食速度の変化を表す変化関数を計算する。
変化関数は、例えば図12に示す腐食速度の経過時間に対する変化を表す任意の関数V(t)である。関数V(t)は、例えば図12に示す腐食速度の変化に、任意の関数をカーブフィッティングして求める。
図13は、図12に示す腐食速度の変化を直線近似によってカーブフィッティングした例を模式的に示す。給水開始から腐食速度が上昇し、ほぼ安定値になるまでの関数はV1(t)=at、安定値になってからの関数はV2(t)=bである。また、給水を停止してから腐食速度が低下する部分の関数はV3(t)=ctである。
直線の他、二次関数、指数関数を用いてもよい。図14は、V3(t)の代わりにV4(t)=c×exp(dt)+bとした図である。なお、a,b,c,dは定数である。
このように求めた変化関数を学習部20に入力するようにしてもよい。つまり、変化関数の予測モデルを求め、その予測モデルから未来の腐食速度を推定するようにしてもよい。
以上説明したように本実施形態の腐食速度推定装置100,200によれば、腐食速度の推定に必要な複数サイクルにおける腐食速度の時間変化は、低コスト、短時間で取得可能であるため、任意の未来の腐食速度を簡便且つ短時間で予測することが可能になる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。例えば、腐食速度推定部30は、腐食速度を時間積分して腐食量を推定するようにしてもよい。
なお、学習部20のアルゴリズムとしてランダムフォレストと決定木を例に挙げたが、これ以外のアルゴリズムを用いても構わない。要するに、学習部20は、予測に使う情報(説明変数)がどのようなもので有っても、未来の腐食速度(目標関数)を表す予測モデルが推定出来ればどのようなアルゴリズムを用いてもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
100、200:腐食速度推定装置
2:収容部
3:土壌
4:センサ(センサ中の金属)
10:腐食速度測定部
20:学習部
30:腐食速度推定部
40:変化関数計算部

Claims (2)

  1. 評価対象の金属を埋設した土壌に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクルのサイクル数と、サイクル内の一つ以上の時間と、当該時間に対応する前記金属の腐食速度とを測定する腐食速度測定部と、
    前記サイクル数、前記時間、及び前記腐食速度を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の前記腐食速度を表す予測モデルを求める学習部と、
    前記予測モデルに、推定したい前記サイクル数と当該サイクル内の時間を与え、該時間の前記金属の腐食速度を推定する腐食速度推定部と
    前記腐食速度測定部で測定した複数の腐食速度の変化を表す一つ以上の変化関数を計算し、前記学習部に与える変化関数計算部とを
    備え、
    前記学習部は、前記変化関数を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の前記腐食速度を表す予測モデルを求め
    ことを特徴とする腐食速度推定装置。
  2. 腐食速度推定装置が実行する腐食速度推定方法であって、
    評価対象の金属を埋設した土壌に給水する給水サイクルを繰り返し、各々の給水サイクル内の前記金属の腐食速度を複数回測定し、
    複数の前記腐食速度を入力とし、該腐食速度の変化を表す一つ以上の変化関数を計算し、
    複数の前記給水サイクルのサイクル数前記腐食速度、及び前記変化関数を入力とし、機械学習アルゴリズムを用いて未来の前記腐食速度を表す予測モデルを求め、
    前記予測モデルに、前記サイクル数と腐食速度を求めたいサイクル内の時間を与え、当該時間の前記金属の腐食速度を推定する
    ことを特徴とする腐食速度推定方法。
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