JP2017214909A - タービン部品の製造方法およびタービン部品 - Google Patents

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日野 武久
Takehisa Hino
武久 日野
春樹 大西
Haruki Onishi
春樹 大西
俊幸 田澤
Toshiyuki Tazawa
俊幸 田澤
智史 只野
Satoshi Tadano
智史 只野
雅士 高橋
Masashi Takahashi
雅士 高橋
今井 潔
Kiyoshi Imai
潔 今井
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Abstract

【課題】残留応力の発生を抑制すると共にき裂の発生の少ない硬質層を高精度で形成することができるタービン部品の製造方法およびタービン部品を提供する。【解決手段】実施の形態のタービン部品の製造方法は、鉄基合金から構成される基材を用意する工程と、前記基材をオーステナイト域に加熱する工程と、オーステナイト域に加熱している前記基材の表面に、前記基材よりも硬度が高い硬質層を形成する工程とを有する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、タービン部品の製造方法およびタービン部品に関する。
発電プラントなどに使用されている蒸気タービンでは、作動流体である蒸気が動翼を回転させて、動力が回転力として取り出される。蒸気タービン内の蒸気は過熱蒸気であり、特に蒸気タービンの低圧タービンにおける最終段のタービン段落では、蒸気の湿り度が非常に高い。
蒸気タービンの稼動時には、動翼は、回転しながら湿り蒸気中の水滴と衝突する。動翼と水滴との衝突によって、動翼、特に最終段の動翼は、エロージョンによる損傷を受けやすい。
従来から、このようなエロージョンを抑制すために、硬度の高い硬質層や硬質板が動翼の表面に設けられている。硬質層や硬質板は、ステライト(登録商標)などの硬い合金から構成される。
硬質層は、例えば、GTAWやPTAなどのようなアークを用いた溶融プロセスによって、硬質層を構成する金属を動翼に肉盛して形成される。しかしながら、従来の溶融プロセスでは、硬質層は冷えて固まる際に収縮するので、動翼には引張応力が残留する。引張応力が動翼に残留していると、動翼にはき裂が発生し、さらには発生したき裂によって、動翼が破損することがある。また、従来の溶融プロセスでは、肉盛量の精密な制御が困難であり、硬質層の寸法調整のための切削加工が必要である。しかしながら、硬質層の硬度は高いので、切削加工による硬質層の寸法調整は容易ではない。
また、例えば、鋳造などで硬質板の鋳物を製造し、この鋳物を所定の大きさに加工した硬質板をろう付けにより動翼に接合することによって、動翼の表面に硬質板が設けられる。しかしながら、溶融プロセスにおける動翼と硬質層との接合に比べて、ろう付けによる動翼と硬質板との接合の信頼性は低い。
「蒸気タービンの長期連続運転のための最新技術」、三菱重工技報、Vol.41、No.3、2004−2005年、p.162−165
ところで、最近では、粉末にエネルギービームを照射して、3次元の積層造形物を製造する3次元積層造形プロセスが研究されている。このプロセスは、3次元CAD図面とほぼ同一の形状の造形物を製造できるので、従来の溶融プロセスに比べて、寸法精度に優れている。また、3次元積層造形プロセスでは、従来の溶融プロセスに比べて、入熱が低いため、溶接割れなどによって発生するき裂が抑制される。しかしながら、このような入熱の低いプロセスであっても、ステライトなどから構成される硬質層にき裂が発生することがある。
本発明が解決しようとする課題は、残留応力の発生を抑制すると共にき裂の発生の少ない硬質層を高精度で形成することができるタービン部品の製造方法およびタービン部品を提供することである。
実施の形態のタービン部品の製造方法は、鉄基合金から構成される基材を用意する工程と、前記基材をオーステナイト域に加熱する工程と、オーステナイト域に加熱している前記基材の表面に、前記基材よりも硬度が高い硬質層を形成する工程とを有する。
残留応力の発生を抑制すると共にき裂の発生の少ない硬質層を高精度で形成することができるタービン部品の製造方法およびタービン部品を提供することができる。
第1の実施の形態のタービン部品を備える蒸気タービンを模式的に示す子午断面図である。 第1の実施の形態のタービン部品を模式的に示す断面図である。 第1の実施の形態のタービン部品を製造する肉盛装置の構成を模式的に示す図である。 第2の実施の形態のタービン部品を製造する肉盛装置の構成を模式的に示す図である。 実施例1、実施例2、および比較例1で製造したタービン部品に生じるひずみ量を示すグラフである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態のタービン部品を備える蒸気タービン10を模式的に示す子午断面図である。ここでは、ドレンを蒸気中に含むタービン段落を有する蒸気タービンの低圧タービンを例示して説明する。
図1に示すように、蒸気タービン10は、ケーシング11を備える。ケーシング11内には、タービンロータ12が貫設されている。タービンロータ12には、半径方向外側に周方向に亘って突出され、タービンロータ軸方向(以下、単に軸方向ともいう)に設けられる複数のロータディスク12aが形成されている。ロータディスク12aには、複数の動翼13が周方向に植設され、動翼翼列を構成している。動翼翼列は、軸方向に複数段構成されている。なお、タービンロータ12は、図示しないロータ軸受によって回転可能に支持されている。
ケーシング11の内周には、ダイアフラム外輪14が設置されている。ダイアフラム外輪14の内側には、ダイアフラム内輪15が設置されている。また、ダイアフラム外輪14とダイアフラム内輪15との間には、周方向に亘って複数の静翼16が支持され、静翼翼列を構成している。静翼翼列は、軸方向に動翼翼列と交互に複数段備えられている。そして、静翼翼列と、静翼翼列の直下流側に位置する動翼翼列とで、一つのタービン段落を構成している。
ダイアフラム外輪14とダイアフラム内輪15との間には、環状の蒸気流路17が形成されている。蒸気タービン10の主蒸気は、蒸気流路17を流れるとともに、動翼13を回転させて動力を発生させる。
タービンロータ12とケーシング11との間には、蒸気の外部への漏洩を防止するために、グランドシール部18が設けられている。また、タービンロータ12とダイアフラム内輪15との間には、この間を蒸気が軸方向下流側へ通過するのを防止するために、シール部19が設けられている。
また、蒸気タービン10には、クロスオーバ管20からの蒸気を蒸気タービン10の内部に導入するための蒸気入口管(図示しない)がケーシング11を貫通して設けられている。最終段のタービン段落の下流側には、タービン段落において膨張仕事をした蒸気を排気するための排気流路(図示しない)が設けられている。この排気流路は、復水器(図示しない)に連通されている。
蒸気タービン10において、第1の実施の形態のタービン部品は動翼13に適用することができる。タービン段落の初段から終段に向かって、蒸気の湿り度は増加し、最終段のタービン段落では、蒸気に含まれる水滴の量が非常に多い。そのため、第1の実施の形態のタービン部品は、蒸気タービン10の最終段のタービン段落を構成する動翼13に好適に適用される。
次に、第1の実施の形態のタービン部品について詳しく説明する。
図2は、第1の実施の形態のタービン部品1を模式的に示す断面図である。ここでは、タービン部品1として、動翼を例示して説明する。図2に示す断面図は、周方向に配置された動翼の所定の翼高さにおける、翼高さ方向に垂直な断面を示した図である。
図2に示すように、タービン部品1は、基材2と、基材2の表面2aに形成される硬質層3とを備える。硬質層3の表面3aは、タービン部品1の表面をなす。ここでは、硬質層3が基材2の表面2aの全体に形成される一例について示しているが、硬質層3は基材2の表面2aの少なくとも一部、例えば蒸気が当たる部分に形成されていればよい。硬質層3が基材2の表面2aの一部に形成される場合、硬質層3は例えば動翼の前縁2bを含む部分に形成される。
基材2は、鉄基合金から構成される。鉄基合金としては、12Cr鋼などが挙げられる。基材2を構成する鉄基合金は、マルテンサイト組織、焼き戻しマルテンサイト組織、またはマルテンサイト組織と焼き戻しマルテンサイト組織とが混在した組織からなる。さらに、基材2を構成する鉄基合金は、これらの組織の他に、ベイナイト組織やフェライトーパーライト組織を含んでもよい。
ここで、焼き戻しマルテンサイト組織とは、後述する焼き戻し工程によってマルテンサイト組織から変わる組織である。
また、ここでは、基材2が中実である一例について示しているが、基材2は中空であってもよい。基材2が中空である場合には、基材2の内部は空洞である。
基材2の表面2aを覆う硬質層3は、基材2よりも硬度が高い。ここで、硬度とは、ビッカース硬さを示す。硬質層3は、基材2を構成する鉄基合金と硬質層3を構成する合金との金属結合を介して、基材2に接合される。
また、硬質層3は、コバルト基合金、ニッケル基合金、またはサーメットから構成される。コバルト基合金としては、ステライト(登録商標)No.6などが挙げられる。ニッケル基合金としては、トリバロイ(登録商標)などが挙げられる。サーメットとしては、上記したコバルト基合金と炭化タングステンまたは炭化クロムとから構成されるサーメット、上記したニッケル基合金と炭化タングステンまたは炭化クロムとから構成されるサーメットなどが挙げられる。換言すると、硬質層3は、コバルト基合金、コバルト基合金と炭化タングステンとから構成されるサーメット、コバルト基合金と炭化クロムとから構成されるサーメット、ニッケル基合金、ニッケル基合金と炭化タングステンとから構成されるサーメット、またはニッケル基合金と炭化クロムとから構成されるサーメットからなる。
硬質層3の厚さは、1mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。硬質層3の厚さがこのような範囲であると、硬質層3は耐エロージョン特性に優れている。また、硬質層3の厚さは、20mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましい。硬質層3の厚さがこのような範囲であると、硬質層3は基材2から剥がれにくい。
次に、第1の実施の形態のタービン部品1の製造方法について説明する。第1の実施の形態のタービン部品1の製造方法は、鉄基合金から構成される基材2を用意する工程(以下、用意工程ともいう)と、基材2をオーステナイト域に加熱する工程(以下、加熱工程ともいう)と、オーステナイト域に加熱している基材2の表面2aに、基材2よりも硬度が高い硬質層3を形成する工程(以下、形成工程ともいう)とを有する。
用意工程では、鉄基合金から構成される基材2を用意する。基材2は、市販品でもよいし、所定の方法によって形成してもよい。
加熱工程では、基材2をオーステナイト域に加熱する。オーステナイト域に加熱されている基材2は、オーステナイト組織を含む。基材2の加熱は、形成工程まで実施する。
基材2を加熱する温度は、基材2を構成する鉄基合金の組織がオーステナイト組織に変態する温度以上、すなわちAc3点以上であればよい。一方で、加熱温度が上昇するにつれて、オーステナイト組織の結晶粒径が大きくなり、基材2の引張強度が低下する傾向にある。
形成工程では、オーステナイト域に加熱している基材2の表面2a上に硬質層3を形成する。
また、形成工程が終了した後、基材2の加熱を止める。そして、硬質層3と共に基材2が室温まで自然冷却される。こうして、タービン部品1が製造される。
ここで、形成工程時に、基材2をオーステナイト域に加熱している理由について説明する。
基材2を加熱することによって、基材2は熱で膨張する。そして、加熱して熱膨張している基材2に硬質層3を形成する。硬質層3を形成した後、基材2の加熱を止めて、基材2および硬質層3が室温に冷却される。このとき、熱膨張している基材2と硬質層3とが収縮しながら冷却される。
つまり、形成工程では、予め膨張している基材2の表面2a上に硬質層3を形成する。そして、冷却時には、熱膨張している基材2が熱膨張している硬質層3と共に熱収縮する。そのため、冷却した硬質層3に残留する引張応力は抑制される。そして、硬質層3におけるき裂の発生およびき裂の進展が抑制され、タービン部品1の耐エロージョン特性が向上する。
一方、従来のように、基材を加熱せずに硬質層を形成する場合、冷却時には、基材は熱収縮せずに、熱膨張している硬質層が熱収縮する。そのため、基材2を加熱しながら形成した硬質層3に比べて、基材2を加熱せずに形成した硬質層に残留する引張応力は増加する。
さらに、基材2をオーステナイト域に加熱することによって、形成工程時の基材2を構成する鉄基合金の組織がオーステナイト組織に変態される。そして、冷却時には、鉄基合金の組織はオーステナイト組織からマルテンサイト組織に変態する。基材2の組織がオーステナイト組織からマルテンサイト組織に変態するとき、基材2は膨張する。すなわち、基材2の冷却時には、熱膨張している基材2は、熱収縮しながら、マルテンサイト組織への変態時に膨張する。そのため、冷却した硬質層3に残留する引張応力はさらに抑制される。
こうして得られるタービン部品1の残留応力は非常に小さい。そのため、別途に残留応力を除去する熱処理をタービン部品1に施さずに、得られたタービン部品1を蒸気タービンに装着してもよい。
このとき、基材2を構成する鉄基合金には、マルテンサイト組織の他に、ベイナイト組織やフェライトーパーライト組織が含まれていてもよい。
次に、加熱工程および形成工程で用いる装置について説明する。
図3は、第1の実施の形態のタービン部品1を製造する肉盛装置30の構成を模式的に示す図である。肉盛装置30は、3次元積層造形プロセスを利用した装置である。ここでは、エネルギービームとしてレーザビームを用いた肉盛装置30について説明する。
図3に示すように、肉盛装置30は、レーザ発振器31と、溶接レーザヘッド32と、レーザ発振器31で発生したレーザ光を溶接レーザヘッド32に導く光ファイバ33とを備える。
また、肉盛装置30は、合金から構成される溶加材の粉末34を供給する溶加材供給装置35と、溶加材供給装置35から導出された溶加材の粉末34を溶接レーザヘッド32に導く溶加材供給管36とを備える。さらに、肉盛装置30は、シールドガス37を供給するガス供給装置38と、シールドガス37をガス供給装置38から溶接レーザヘッド32に導くガス供給管39とを備える。さらに、肉盛装置30は、基材2を加熱する加熱部40を備える。
レーザ発振器31としては、例えば、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ、ディスクレーザなどを使用することができる。
溶接レーザヘッド32は、例えば、基材2に対して肉盛方向に走査することができる。また、基材2を溶接レーザヘッド32に対して走査するように構成してもよい。溶接レーザヘッド32内には、例えば、レーザ発振器31から導かれたレーザ光をレーザビーム41として基材2に照射する光路32bと、溶加材供給装置35から導かれた溶加材の粉末34を基材2に供給する粉末通路32cと、ガス供給装置38から導かれたシールドガス37を基材2に供給するガス通路32dとが備えられる。
レーザビーム41、溶加材の粉末34、シールドガス37は、例えば、基材2に対向する溶接レーザヘッド32の端面32aから基材2に、それぞれ照射または供給される。また、溶接レーザヘッド32の端面32aにおいて、溶加材の粉末34を噴出する噴出孔およびシールドガス37を噴出する噴出孔は、例えば、レーザビーム41を出射する出射孔の周囲に周方向に均等に形成される。また、溶加材の粉末34を噴出する噴出孔は、例えば、シールドガス37を噴出する噴出孔よりも内側に形成される。溶接レーザヘッド32から出射されたレーザビーム41は、溶加材の粉末34を溶融することはできるが、基材2をオーステナイト域に加熱することはできない。
溶加材の粉末34を構成する合金は、コバルト基合金またはニッケル基合金である。溶加材の粉末34の平均粒径は、溶加材の粉末34を溶融池42に的確に供給して確実に溶融させるために、例えば、45μm以上110μm以下であることが好ましい。なお、平均粒径は、メディアン径である。また、溶加材の粉末34の粒径は、例えば、レーザ回折散乱法などによって測定される。
加熱部40は、基材2の全体を加熱する構成でもよいし、基材2における被肉盛面のみを加熱する構成でもよい。加熱部40としては、例えば、電気炉などを使用することができる。
シールドガス37は、例えば、不活性ガスで構成される。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素などを使用することができる。
なお、ここでは、肉盛部である硬質層3などの酸化を抑制するために、シールドガス37を供給するガス供給装置38とガス供給管39とガス通路32dとからなる系統を備えた一例を示しているが、肉盛装置30はシールドガス37を供給する系統を備えなくてもよい。
次に、形成工程において、肉盛装置30を用いて硬質層3を形成する方法について詳しく説明する。
まず、形成しようとする硬質層3の3次元CAD図面を硬質層3の厚さ方向に対して垂直にスライスして、硬質層3をn個(nは1以上の整数)の層に分割し、分割したn個の層に応じたn個のデータを作成する。ここでは、硬質層3の厚さ方向における最も低い位置の層を第1の層といい、第1の層上の層を第2の層といい、硬質層3の厚さ方向における最も高い位置の層を第nの層という。また、第1の層を示すデータを第1のデータといい、第2の層を示すデータを第2のデータといい、第nの層を示すデータを第nのデータという。
続いて、第1のデータに基づいて、硬質層3を構成する第1の層を形成する。具体的には、次のように行う。
基材2は、予め加熱部40によって、オーステナイト域に加熱されている。加熱されている基材2は、熱によって膨張している。
続いて、レーザ発振器31から出射されたレーザ光が、光ファイバ33を通り、溶接レーザヘッド32の光路32bに導かれる。光路32bに導かれたレーザ光は、溶接レーザヘッド32の端面32aの中央からレーザビーム41として、基材2における被肉盛面である基材2の表面2aに向けて出射される。そして、出射されたレーザビーム41は、オーステナイト域に加熱されている基材2の表面2aや後述する溶加材の粉末34に照射される。
また、溶加材供給装置35から溶加材供給管36を介して溶接レーザヘッド32の粉末通路32cに導かれた溶加材の粉末34は、溶接レーザヘッド32の端面32aから、基材2における被肉盛面である基材2の表面2aに供給される。溶加材の粉末34は、例えば、図3に示すように、レーザビーム41の周囲からレーザビーム41に沿って供給される。
オーステナイト域に加熱されている表面2aに供給された溶加材の粉末34は、レーザビーム41のエネルギーによって溶融し、基材2の表面2a上に溶融池42を形成する。そして、溶加材の粉末34は、レーザビーム41のエネルギーによって溶融池42で溶融し、その後、温度の低下とともに凝固して溶融物となる。こうして、被肉盛面である基材2の表面2a上に、溶加材の溶融物から構成される第1の層を肉盛溶接によって形成する。nが1の場合には、第1の層が硬質層3に相当する。
nが2の場合には、次のようにして、第2の層を形成する。光路32bに導かれたレーザ光は、溶接レーザヘッド32の端面32aからレーザビーム41として、基材2における被肉盛面である第1の層の表面に向けて出射される。そして、出射されたレーザビーム41は、オーステナイト域に加熱されている基材2に形成された第1の層の表面や溶加材の粉末34に照射される。
また、溶加材の粉末34は、溶接レーザヘッド32の端面32aから、基材2における被肉盛面である第1の層の表面に供給される。
オーステナイト域に加熱されている基材2上の第1の層の表面に供給された溶加材の粉末34は、レーザビーム41によって溶融し、第1の層の表面上に溶融池を形成する。そして、溶加材の粉末34は、レーザビーム41によって溶融池で溶融し、その後、溶融物となる。こうして、被肉盛面である第1の層の表面上に、溶加材の溶融物から構成される第2の層を肉盛溶接によって形成する。nが2の場合には、第1の層および第2の層によって硬質層3が構成される。
nが3以上の場合には、次のようにして、第nの層を形成する。光路32bに導かれたレーザ光は、レーザビーム41として、基材2における被肉盛面である第n−1の層の表面に向けて出射される。そして、出射されたレーザビーム41は、オーステナイト域に加熱されている基材2に形成された第n−1の層の表面や溶加材の粉末34に照射される。
また、溶加材の粉末34は、溶接レーザヘッド32の端面32aから、基材2における被肉盛面である第n−1の層の表面に供給される。
オーステナイト域に加熱されている基材2上の第n−1の層の表面に供給された溶加材の粉末34は、レーザビーム41によって溶融し、第n−1の層の表面上に溶融池を形成する。そして、溶加材の粉末34は、レーザビーム41によって溶融池で溶融し、その後、溶融物となる。こうして、被肉盛面である第n−1の層の表面上に、溶加材の溶融物から構成される第nの層を肉盛溶接によって形成する。nが3以上の場合には、第1の層、第2の層、・・・第nの層によって硬質層3が構成される。
このように、形成工程では、オーステナイト域に加熱されている基材2における被肉盛面である基材2の表面2aやn−1個の層の表面に対して溶加材の粉末34を供給するとともに、溶加材の粉末34にレーザビーム41を照射して、レーザビーム41によって溶融した溶加材の溶融物から構成される硬質層3が被肉盛面に造形される。
硬質層3が形成された後、加熱部40による基材2の加熱を止める。そして、熱膨張している基材2および硬質層3は、オーステナイト域から室温に自然冷却される。こうしてタービン部品1が製造される。
なお、上記では、溶接レーザヘッド32を介して溶加材の粉末34を被肉盛面に供給する一例を示したが、肉盛装置30はこの構成に限られるものではない。溶加材の粉末34は、溶接レーザヘッド32を介さずに、例えば別個に設けられた供給配管から、被肉盛面に供給してもよい。
また、上記では、硬質層3がコバルト基合金またはニッケル基合金から構成される一例を示したが、肉盛装置30はこの構成に限られるものではない。硬質層3がコバルト基合金またはニッケル基合金以外に他の物質も含む場合、例えば硬質層3がサーメットから構成される場合、炭化タングステンや炭化クロムは、溶加材の粉末34と混合し、溶加材の粉末34と共に溶加材供給装置35から被肉盛面に供給してもよいし、図示しない供給装置から被肉盛面に供給してもよい。
また、上記では、被肉盛面にレーザビーム41を照射する前に、基材2を加熱部40によって加熱しているが、被肉盛面にレーザビーム41を照射した後に、基材2を加熱部40によって加熱してもよい。すなわち、肉盛時に、基材2がオーステナイト域に加熱されていればよい。
また、用意工程において、肉盛装置30を用いて基材2を形成することによって、基材2を用意してもよい。この場合、肉盛装置30は、鉄基合金からなる溶加材の粉末を供給する図示しない供給装置を備える。この供給装置から供給された鉄基合金からなる溶加材の粉末は、レーザビーム41によって溶融し、その後、温度の低下とともに凝固して溶融物となる。こうして、鉄基合金の溶融物から構成される基材2が肉盛溶接によって造形される。
なお、上述したように、基材2を加熱しながら、硬質層3を肉盛溶接によって形成することができれば、肉盛装置30は上記した構成に限られるものではない。
また、第1の実施の形態のタービン部品1の製造方法は、形成工程の後に、硬質層3を備える基材2を焼き戻しする工程(以下、焼き戻し工程ともいう)をさらに有してもよい。焼き戻し工程では、硬質層3を備える基材2を350〜500℃程度に加熱して、基材2の靭性や硬さを調整する。焼き戻し工程で焼き戻ししたタービン部品1を構成する基材2は、例えば焼き戻しマルテンサイト組織からなる。
上記したように、第1の実施の形態のタービン部品1およびタービン部品1の製造方法によれば、加熱している基材2の被肉盛面上に、硬質層3を肉盛溶接することによって、残留応力の発生を抑制し、かつき裂の発生を抑制した硬質層3を備えるタービン部品1を得ることができる。タービン部品1がこのような硬質層3を備えることによって、タービン部品1の耐エロージョン特性は向上する。そして、タービン部品1の寿命は増加するので、タービン部品1を交換する期間は延び、タービン部品1のメンテナンス性が向上する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態のタービン部品1の製造方法において、加熱工程および形成工程の構成が異なる以外は、第1の実施の形態のタービン部品1の製造方法の構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態のタービン部品1の製造方法の構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
加熱工程では、基材2に電子ビームを照射して、基材2をオーステナイト域に加熱する。電子ビームによってオーステナイト域に加熱されている基材2は、オーステナイト組織を含む。基材2の加熱は、形成工程まで実施する。
第1の実施の形態と同様に、基材2を加熱する温度は、基材2を構成する鉄基合金の組織がオーステナイト組織に変態する温度以上であればよい。一方で、加熱温度が上昇するにつれて、オーステナイト組織の結晶粒径が大きくなり、基材2の引張強度が低下する傾向にある。
形成工程では、電子ビームによってオーステナイト域に加熱している基材2の表面2a上に硬質層3を形成する。
また、形成工程が終了した後、電子ビームの照射を止めて、基材2の加熱を止める。そして、硬質層3と共に基材2が室温まで自然冷却される。こうして、タービン部品1が製造される。
次に、加熱工程および形成工程で用いる装置について説明する。
図4は、第2の実施の形態のタービン部品1を製造する肉盛装置50の構成を模式的に示す図である。肉盛装置50は、3次元積層造形プロセスを利用した装置であり、エネルギービームとして電子ビームを用いる。
図4に示すように、肉盛装置50は、台51の間で、合金から構成される溶加材の粉末34を設置した基材2を鉛直方向に移動する昇降台52と、台51の間で基材2の表面2a上に溶加材の粉末34を供給する溶加材供給装置53とを備える。
さらに、肉盛装置50は、電子ビーム54を溶加材の粉末34および基材2に照射する電子ビーム照射装置55を備える。電子ビーム照射装置55は、例えば、基材2に対して肉盛方向に走査することができる。また、基材2を挟んでいる台51を電子ビーム照射装置55に対して走査するように構成してもよい。
電子ビーム54の走査速度は、レーザビーム41の走査速度よりも速い。そのため、レーザビーム41を用いた形成工程に比べて、電子ビーム54を用いた形成工程に要する時間は短い。
また、硬質層3がコバルト基合金またはニッケル基合金以外に他の物質も含む場合、例えば硬質層3がサーメットから構成される場合、炭化タングステンや炭化クロムと溶加材の粉末34とを混合して得られる混合粉末を、溶加材供給装置53によって基材2の表面2aに供給してもよいし、炭化タングステンや炭化クロムを別個に設けられた溶加材供給装置によって供給してもよい。
肉盛装置50の内部は、真空雰囲気に制御されている。そのため、基材2や被肉盛面で生じる熱は、これら自身から放出されにくい。
次に、肉盛装置50を用いて硬質層3を形成する方法について詳しく説明する。
まず、形成しようとする硬質層3の3次元CAD図面を硬質層3の厚さ方向に対して垂直にスライスして、硬質層3をn個(nは1以上の整数)の層に分割し、分割したn個の層に応じたn個のデータを作成する。ここでは、硬質層3の厚さ方向における最も低い位置の層を第1の層といい、第1の層上の層を第2の層といい、硬質層3の厚さ方向における最も高い位置の層を第nの層という。また、第1の層を示すデータを第1のデータといい、第2の層を示すデータを第2のデータといい、第nの層を示すデータを第nのデータという。
続いて、第1のデータに基づいて、硬質層3を構成する第1の層を形成する。具体的には、次のように行う。
予め、電子ビーム照射装置55から電子ビーム54を基材2に照射する。電子ビーム54の照射によって、基材2がオーステナイト域に加熱される。加熱されている基材2は、熱によって膨張している。
続いて、溶加材供給装置53によって、オーステナイト域に加熱されている基材2における被肉盛面である表面2aに、溶加材の粉末34を供給して、表面2a上に溶加材の粉末34の層を設置する。溶加材供給装置53から基材2の表面2aへの溶加材の粉末34の供給時には、電子ビーム54の照射を中断してもよいし、溶加材供給装置53や溶加材の粉末34が溶融しない強度に調節された電子ビーム54を照射し続けてもよい。
続いて、オーステナイト域に加熱されている表面2a上に設置された溶加材の粉末34に、電子ビーム54が照射される。溶加材の粉末34は、電子ビーム54のエネルギーによって溶融し、その後、温度の低下とともに凝固して溶融物となる。こうして、被肉盛面である基材2の表面2a上に、溶加材の溶融物から構成される第1の層を肉盛溶接によって形成する。nが1の場合には、第1の層が硬質層3に相当する。
nが2の場合には、次のようにして、第2の層を形成する。昇降台52を鉛直方向下向きに移動して、基材2を下降させる。そして、溶加材供給装置53によって、オーステナイト域に加熱されている基材2における被肉盛面である第1の層の表面に、溶加材の粉末34を供給して、第1の層上に溶加材の粉末34の層を設置する。
続いて、オーステナイト域に加熱されている基材2上の第1の層の表面に設置された溶加材の粉末34に、電子ビーム54が照射される。溶加材の粉末34は、電子ビーム54によって溶融し、その後、溶融物となる。こうして、被肉盛面である第1の層上に、溶加材の溶融物から構成される第2の層を肉盛溶接によって形成する。nが2の場合には、第1の層および第2の層によって硬質層3が構成される。
nが3以上の場合には、次のようにして、第nの層を形成する。昇降台52を鉛直方向下向きに移動して、基材2を下降させる。そして、溶加材供給装置53によって、オーステナイト域に加熱されている基材2における被肉盛面である第n−1の層の表面に、溶加材の粉末34を供給して、第n−1の層上に溶加材の粉末34の層を設置する。
続いて、オーステナイト域に加熱されている基材2上の第n−1の層の表面に設置された溶加材の粉末34に、電子ビーム54が照射される。溶加材の粉末34は、電子ビーム54によって溶融し、その後、溶融物となる。こうして、被肉盛面である第n−1の層上に、溶加材の溶融物から構成される第nの層を肉盛溶接によって形成する。nが3以上の場合には、第1の層、第2の層、・・・第nの層によって硬質層3が構成される。
硬質層3が形成された後、電子ビーム照射装置55から基材2への電子ビーム54の照射を止める。そして、熱膨張している基材2および硬質層3は、オーステナイト域から室温に自然冷却される。こうしてタービン部品1が製造される。
なお、上記では、被肉盛面に溶加材の粉末34を供給する前に、電子ビーム54の照射によって基材2を加熱しているが、被肉盛面に溶加材の粉末34を供給した後に、電子ビーム54の照射によって基材2を加熱してもよい。
なお、上述したように、電子ビーム54で基材2を加熱し、電子ビーム54の肉盛溶接によって硬質層3を形成することができれば、肉盛装置50は上記した構成に限られるものではない。
上記したように、第2の実施の形態のタービン部品1の製造方法によれば、電子ビーム54の照射で加熱している基材2の被肉盛面上に、硬質層3を肉盛溶接することによって、残留応力の発生を抑制し、かつき裂の発生を抑制した硬質層3を備えるタービン部品1を得ることができる。レーザビーム41を用いた形成工程に比べて、電子ビーム54を用いた形成工程に要する時間は短い。また、形成工程は、真空雰囲気内で実施される。したがって、肉盛装置50が別個に加熱部を設けなくても、電子ビーム54を用いた肉盛プロセスでは、基材2がオーステナイト組織からマルテンサイト組織に変態する温度以下に下がる前に、形成工程を完了することができる。
以下、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されない。
(実施例1)
図3に示す肉盛装置30を用いて、実施例1のタービン部品E1を製造した。基材2として12Cr鋼を用いた。また、溶加材の粉末34として、ステライト(登録商標)No.6を用いた。
加熱工程において、加熱部40によって、基材2をオーステナイト域に加熱した。続いて、形成工程において、オーステナイト域に加熱されている基材2の被肉盛面に溶加材の粉末34を供給すると共に、レーザビーム41を溶加材の粉末34に照射して、硬質層3を形成した。硬質層3の厚さが10mmになった時点で、形成工程を止めて、自然冷却した。こうして、実施例1のタービン部品E1を製造した。
(実施例2)
図4に示す肉盛装置50を用いて、実施例2のタービン部品E2を製造した。基材2として12Cr鋼を用いた。また、溶加材の粉末34として、ステライト(登録商標)No.6を用いた。
加熱工程において、電子ビーム照射装置55から電子ビーム54を基材2に照射することによって、基材2をオーステナイト域に加熱した。続いて、形成工程において、オーステナイト域に加熱されている基材2の被肉盛面に溶加材供給装置53から溶加材の粉末34を供給し、電子ビーム54を溶加材の粉末34に照射して、硬質層3を形成した。硬質層3の厚さが10mmになった時点で、形成工程を止めて、自然冷却した。こうして、実施例2のタービン部品E2を製造した。
(比較例1)
図3に示す肉盛装置30から加熱部40を削除した肉盛装置を用いて、比較例1のタービン部品C1を製造した。基材2として12Cr鋼を用いた。また、溶加材の粉末34として、ステライト(登録商標)No.6を用いた。
加熱工程は実施しなかった。形成工程において、加熱されていない基材2の被肉盛面に溶加材の粉末34を供給すると共に、レーザビーム41を溶加材の粉末34に照射して、硬質層3を形成した。このとき、基材2は加熱していないので、基材2はマルテンサイト組織である。硬質層3の厚さが10mmになった時点で、形成工程を止めた。こうして、比較例1のタービン部品C1を製造した。
図5は、実施例1〜2で製造したタービン部品E1〜E2、および比較例1で製造したタービン部品C1に生じるひずみ量を示すグラフである。形成工程時から冷却後までの基材2と肉盛した硬質層3との長手方向の収縮量を計算し、タービン部品の長手方向のひずみ量を算出した。ここでは、タービン部品C1におけるひずみ量を1として、タービン部品E1〜E2のひずみ量の相対値を示している。
図5に示すように、比較例1のタービン部品C1に比べて、実施例1〜2のタービン部品E1〜E2のひずみ量は60%以上も低下していた。このような結果から、タービン部品E1〜E2では、残留応力が抑制されていることがわかった。
実施例1〜2によれば、残留応力の発生を抑制すると共にき裂の発生の少ない硬質層を高精度で形成することができるタービン部品の製造方法およびタービン部品を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…タービン部品、2…基材、2a…表面、2b…前縁、3…硬質層、3a…表面、10…蒸気タービン、11…ケーシング、12…タービンロータ、12a…ロータディスク、13…動翼、14…ダイアフラム外輪、15…ダイアフラム内輪、16…静翼、17…蒸気流路、18…グランドシール部、19…シール部、20…クロスオーバ管、30…肉盛装置、31…レーザ発振器、32…溶接レーザヘッド、32a…端面、32b…光路、32c…粉末通路、32d…ガス通路、33…光ファイバ、34…溶加材の粉末、35…溶加材供給装置、36…溶加材供給管、37…シールドガス、38…ガス供給装置、39…ガス供給管、40…加熱部、41…レーザビーム、42…溶融池、50…肉盛装置、51…台、52…昇降台、53…溶加材供給装置、54…電子ビーム、55…電子ビーム照射装置。

Claims (8)

  1. 鉄基合金から構成される基材を用意する工程と、
    前記基材をオーステナイト域に加熱する工程と、
    オーステナイト域に加熱している前記基材の表面に、前記基材よりも硬度が高い硬質層を形成する工程と
    を有することを特徴とするタービン部品の製造方法。
  2. 前記硬質層を形成する工程において、前記基材における被肉盛面に合金から構成される溶加材を供給するとともに、前記溶加材にエネルギービームを照射し、前記溶加材の溶融物を少なくとも含む前記硬質層を形成することを特徴とする請求項1に記載のタービン部品の製造方法。
  3. 前記エネルギービームはレーザビームであることを特徴とする請求項2に記載のタービン部品の製造方法。
  4. 前記基材を加熱する工程において、前記基材に電子ビームを照射して前記基材をオーステナイト域に加熱し、
    前記硬質層を形成する工程において、前記基材における被肉盛面に合金から構成される溶加材を設置し、前記被肉盛面上に設置された前記溶加材に電子ビームを照射し、前記溶加材の溶融物を少なくとも含む前記硬質層を形成することを特徴とする請求項1に記載のタービン部品の製造方法。
  5. 前記タービン部品を構成する前記基材は、マルテンサイト組織からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタービン部品の製造方法。
  6. 前記硬質層を備える前記基材を焼き戻しする工程をさらに有し、
    前記焼き戻ししたタービン部品を構成する前記基材は、焼き戻しマルテンサイト組織からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタービン部品の製造方法。
  7. 前記合金は、コバルト基合金またはニッケル基合金であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のタービン部品の製造方法。
  8. マルテンサイト組織および/または焼き戻しマルテンサイト組織からなる鉄基合金から構成される基材と、
    前記基材の表面に形成され、コバルト基合金、ニッケル基合金、またはサーメットから構成され、前記基材よりも硬度が高い硬質層と
    を備えることを特徴とするタービン部品。
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