JP2017214513A - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、インキ組成物に剪断減粘性付与剤を用いた際にも微生物が繁殖しにくく、安全性が高く、保存安定性に優れた水性ボールペン用インキ組成物を提供すること。
【解決手段】
水と、着色剤と、抗菌性物質と、剪断減粘性付与剤を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記インキ組成物が、前記抗菌性物質として、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含んでなる、水性ボールペン用インキ組成物とした。

【選択図】 なし

Description

本発明は、水性ボールペン用インキ組成物に関する。さらに詳しくは、保存安定性および安全性に優れる水性ボールペン用インキ組成物に関する。
従来、剪断減粘性付与剤を含む水性ボールペン用インキ組成物が開示されている(例えば特許文献1)。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において安定的に保持されており、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写されるものである。前記紙面に転写されたインキは剪断力から解放されるため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の滲みを発生させないものである。また、前述の剪断減粘性によってインキ漏れを発生することがなく、しかも、インキを保持する所謂中綿を必要とせず、インキを最後まで使用可能であったり、インキ流量を調節する流量調節部材(例えば、櫛歯状部材等のインキ一時的保溜部材)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる等、多くの利点を有するため広く適用されている。
一方、水性インキ組成物は、一般に水を主溶剤として含んでなるため、細菌、黴、または酵母などの微生物が繁殖しやすい。特に前記水性ボールペン用インキ組成物は、剪断減粘性付与剤に有機物質を用いることが多く、細菌、黴、または酵母などの微生物などが特に繁殖しやすく、微生物が繁殖するとインキ組成物の腐敗などが起こり、粘度などインキ組成物の物性に変化が生じたり、インキ組成物中に析出物や凝集物などの異物が発生したり、インキ組成物の変色を起こすなど、インキ組成物としての機能が損なわれることがあった。そこで、抗菌性物質をインキ組成物に添加し、微生物などの繁殖を抑制することが盛んに行われている(特許文献2参照)
しかしながら、用いる抗菌性物質によっては、十分な抗菌効果が得られなかったり、抗菌効果を得る為に添加量を多くする必要があったり、例えば、特許文献3においては、抗菌性物質として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを用いているが、前記抗菌性物質は、アルカリ性で分解してしまう点、耐熱性が悪い点、エイムズ試験が陽性である点、皮膚刺激性が強い点などの問題があり、インキ組成物に用いる抗菌性物質として適切ではないなど十分満足するものではなかった。
特開平4−214782号公報 特開平8−48929号公報 特開2004−175851号公報
本発明は、インキ組成物に剪断減粘性付与剤を用いた際にも微生物が繁殖しにくく、安全性が高く、保存安定性に優れた水性ボールペン用インキ組成物を提供するものである。
本発明者は前記課題を解決するため、鋭意検討した結果、水と、着色剤と、抗菌性物質と、剪断減粘性付与剤を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物において、抗菌性物質として、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、場合により「OIT」と表す。)を用いることにより、前記課題を解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
「1.水と、着色剤と、抗菌性物質と、剪断減粘性付与剤を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記インキ組成物が、前記抗菌性物質として、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含んでなることを特徴とする、水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記剪断減粘性付与剤が、高分子多糖類を含む、第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。」に関する。
本発明によれば、剪断減粘性付与剤に繁殖しやすい微生物や黴などに対してOITが高い抗菌効果を示す為、その増殖を抑制することが可能となり、剪断減粘性付与剤が適正に機能する為、インキの物性が変化することなく、筆記性、保存安定性が向上するなど優れた効果を奏する。
<水性ボールペン用インキ組成物>
本発明による水性ボールペン用インキ組成物(以下、場合により「インキ組成物」と表す)は、水と、着色剤と、抗菌性物質と、剪断減粘性付与剤を含んでなる。
<抗菌性物質>
本発明によるインキ組成物は、必須の抗菌性物質として、OITを含んでなる。なお、本発明において、「抗菌性物質」とは、微生物を死滅させる能力または増殖を抑える能力を有する物質のことであり、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤および防腐剤と同義である。また、前記したOITの他に、後述する2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、場合により「MIT」と表す)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(以下、場合により「BIT」と表す)を抗菌性物質として併用することもできる。さらに、他の抗菌性物質の具体例としては、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3オン、N−(n−ブチル)−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバマート、安息香酸ナトリウム、ベンゾトリアゾール及びフェノールなども挙げられる。
OITの添加量は、インキ組成物の総質量を基準として、0.5〜500ppmであることが好ましく、1〜100ppmであることがより好ましく、2〜50ppmであることがさらに好ましい。前記範囲とすることで、インキ物性に影響を与えることなく、安全性が高い状態で抗菌性能が得られる。なお、「ppm」とは「part per million」の略称であり、100万分の1の濃度を表す単位である。以下、本発明においては、単位「ppm」はインキ組成物の総質量を基準とする。
本発明によるインキ組成物は、2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3オン以外に、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(以下、BITと言うことがある。)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以下、MITと言うことがある)をさらに含んでなることが好ましい。インキ組成物が、抗菌性物質として、OITと、MITおよびBITを含んでなることにより、特定の抗菌性物質に耐性を持つ微生物(以下、場合により「耐性菌」と表す)を含む微生物の繁殖を抑えることができ、安全性を保ちつつ、抗菌性物質の総添加量を調整することができ、長期間、多種類の黴や細菌類、微生物などに抗菌効果がえられ、インキの保存安定性も向上する。
安全性や抗菌効果から、BITの添加量は、1〜500ppmであることが好ましく、5〜300ppmであることがより好ましく、10〜100ppmであることがさらに好ましい。また、MITの添加量は、1〜500ppmであることが好ましく、5〜300ppmであることがより好ましく、10〜100ppmであることがさらに好ましい。
本発明によるインキ組成物は、抗菌性物質として、MIT、OITおよびBIT以外に任意の抗菌性物質、例えば前記した各種抗菌剤から選択される抗菌性物質をさらに含んでいても良い。
本発明によるインキ組成物は、抗菌性物質として、MIT、OITおよびBIT以外に任意の抗菌性物質をさらに含んでいても良い。
本発明において、抗菌性物質の総添加量は、20ppm以上であることが好ましく、30ppm以上であることがより好ましく、50ppm以上であることがさらに好ましい。また、抗菌性物質の総添加量は、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、160ppm以下であることがさらに好ましい。抗菌性物質の総添加量が20ppm以上あることにより、剪断減粘性付与剤が含まれたインキ組成物であっても十分な抗菌効果を発揮することができる。また、抗菌性物質の総添加量が200ppm以下であることにより、インキ組成物の皮膚刺激性は弱く、安全性を確保することができる。
インキ組成物中におけるOITと剪断減粘性付与剤との配合比は、質量比で、2.5×10−6:1〜0.5:1であることが好ましく、2×10−5:1〜0.05:1であることがより好ましく、0.0002:1〜0.025:1であることが更に好ましい。OITの配合比が上記範囲より小さい場合、剪断減粘性付与剤に対する抗菌効果が若干下がる傾向にあり、OITの配合比が上記範囲より大きい場合、それ以上の抗菌効果は得られず、材料費が無駄にかかり、また、インキ物性への影響を与える恐れがある。
インキ組成物中におけるMITとOITとの配合比は、質量比で、1:1〜10:1であることが好ましく、2.5:1〜10:1であることがより好ましく、5:1〜10:1であることが更に好ましい。MITの配合比が上記範囲より小さい場合、OIT耐性菌に対する効果が下がる傾向にあり、MITの配合比が上記範囲より大きい場合、MIT耐性菌に対する効果が下がる傾向にある。
また、インキ組成物が、BITを含んでなる場合、BITと、MITおよびOITの総量との配合比は、質量比で、1:1〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:3であることがより好ましく、1:1〜1:2.5であることがさらに好ましい。MITおよびOITの総量の配合比が前記範囲より小さい場合、BIT耐性菌に対する効果が下がる傾向にあり、MITおよびOITの総量の配合比が前記範囲より大きい場合、MIT耐性菌およびOIT耐性菌に対する効果が下がる傾向にある。
<剪断減粘性付与剤>
本発明において用いることができる剪断減粘性付与剤としては、特に限定されないが、化学合成で得られる架橋型アクリル酸重合体、アルカリ膨潤会合型増粘剤、ノニオン会合型増粘剤などの会合型増粘剤、天然物由来の高分子多糖類などの有機インキ粘度調整剤が挙げられ、これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
具体的には、高分子多糖類としては、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、ダイユータンガム、発酵セルロース、セルロースナノファイバーなどのセルロース及びその誘導体、などが挙げられる。
特に剪断減粘性付与剤として、高分子多糖類を用いると撹拌機の剪断に対して強く、安定してインキを作製することができ、且つ、静止時と筆記時の粘度勾配が大きく、良好な安定性と筆記性が両立できるため、好ましく用いられる。前記剪断減粘性付与剤の配合量としては、インキ組成物全質量に対し、0.1〜20質量%の範囲で用いることができる。
一方、前記高分子多糖類は、天然物由来の剪断減粘性付与剤であることから、細菌、特に黴または酵母などの微生物などが繁殖しやすいが、高分子多糖類に繁殖する微生物に対し、OITは特に高い抗菌効果が得られる為、水性ボールペン用インキ組成物としてOITと高分子多糖類を組み合わせて用いると、水性ボールペン用インキ組成物としての性能も向上するなど、特に高い効果を奏する。
<着色剤>
本発明において用いることができる着色剤としては、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。
本発明において用いることができる染料としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能であれば特に制限されるものではない。例えば、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、分散染料および食用色素など各種染料が挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。染料の添加量は、インキ組成物の総質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
具体的には、酸性染料としては、C.I.アシッドレッド18、C.I.アシッドレッド51、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドイエロー3、C.I.アシッドイエロー7、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー22、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー239、C.I.アシッドブルー248、C.I.アシッドバオレット15、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック2、塩基性染料としては、C.I.ベーシックオレンジ2、C.I.ベーシックオレンジ14、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックブルー26、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット10、直接染料としては、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87、C.I.ダイレクトバイオレット51、C.I.ダイレクトブラック19、食用色素としては、C.I.フードイエロー3、C.I.フードブラック2などが挙げられる。
本発明において用いることができる顔料としては、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの染料および顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
<水>
水としては、特に制限はなく、例えば、イオン交換水、限外ろ過水または蒸留水などを用いることができる。
<その他>
本発明によるインキ組成物は、インキ物性や機能を向上させる目的で、水溶性有機溶剤、pH調整剤、保湿剤、防錆剤などの各種添加剤を含んでもよい。
水溶性有機溶剤としては、(i)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、またはグリセリンなどのグリコール類、(ii)メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコールなどのアルコール類、および(iii)エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブタノール、または3−メトキシ−3−メチルブタノールなどのグリコールエーテル類などが挙げられる。水溶性有機溶剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミンなどの水溶性のアミン化合物などの有機塩基性化合物、乳酸およびクエン酸などが挙げられる。pH調整剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
保湿剤としては、前記水溶性有機溶剤の他に尿素、またはソルビットなどが挙げられる。保湿剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、またはジアルキルチオ尿素などが挙げられる。また、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。さらに、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂など含むエマルジョンを添加することができる。
さらには、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサンなどの消泡剤を添加することもできる。
また、潤滑性を向上することで、ボールの回転をスムーズにすることで、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制をしやすくするために、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸塩などを用いることが好ましい。特に、リン酸基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これは、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上して、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制をしやすくするためである。特に、本発明で用いる親水性シリカと併用して用いることで、より書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制効果が得られる。リン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、ヘキサノール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
<インキ組成物の製造方法>
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記の配合組成および方法により、水性ボールペン用インキ組成物を得た。
(水性ボールペン用インキ組成物1)
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.002質量%
(20ppm相当量 抗菌性物質)
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.005質量%
(50ppm相当量 抗菌性物質)
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.005質量%
(50ppm相当量 抗菌性物質)
着色球状樹脂粒子(着色剤 固形分34質量%含有) 20.0質量%
グリセリン(水溶性有機溶剤) 10.0質量%
尿素 5.0質量%
トリエタノールアミン(pH調整剤) 2.0質量%
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5質量%
リン酸エステル系界面活性剤(ラウリルアルコール系 潤滑剤) 1.0質量%
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.5質量%
サクシノグリカン(高分子多糖類 剪断減粘性付与剤) 0.3質量%
イオン交換水 60.688質量%
着色剤、水、水溶性有機溶剤、尿素、pH調整剤、エチレンジアミン四酢酸、潤滑剤、防錆剤、抗菌性物質をディスパーで加温撹拌等してベースインキを作成した。その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌して、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
<実施例2〜7>
インキ組成物を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にして水性ボールペン用インキ組成物を得た。
<比較例1〜3>
インキ組成物を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同様にして水性ボールペン用インキ組成物を得た。
<抗菌性能試験>
抗菌性能試験: 実施例1〜7、比較例1〜3のインキ組成物に細菌(Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas putida、Burkholderia cepacia、Staphylococcus aureus、Alcaligences faecalis AL)、酵母(Candida valida、Rhodotorula mucilaginosa、Saccharomyces ceravisiae)、かび(Aspergillus oryzae、Cladosporium cladosporoides、Geotrichum candidum、Paecilomyces variotti、Penicillium ochrochloron)をそれぞれ接種し、50℃で7日間保温後、の各インキ組成物を試験インキとした。各インキ組成物を寒天培地に接種し、細菌、酵母については30℃で、かびについては25℃で、それぞれ7日間培養し、そのときの状態を目視により観察して評価した。
○:細菌、酵母、かびの繁殖が見られず、高い抗菌性能を有している。
△:細菌、酵母、かびの繁殖がわずかに見られるが、一定の抗菌性は有している。
×:細菌、酵母、かびの繁殖が顕著であり、抗菌性能を有していない。
安全性評価:実施例1〜7、比較例1〜3のインキ組成物のOITの添加量および使用する抗菌性物質を元に、その安全性について、評価した。
◎:OITの添加量が40ppm以下であり、安全性が特に高い。
○:OITの添加量が40ppmより多く50ppm以下であり、安全性を有している。
△:OITの添加量が50ppmより多く安全性に若干の課題がある。
×:安全性に課題がある抗菌性物質を用いている。
Figure 2017214513
(表1)に示した通り、実施例1〜7に係るインキ組成物は、抗菌性能、安全性に優れたもので有った。比較例1、2においては、安全性は良好であるが、抗菌性能が劣っていた。比較例3においては、抗菌性能は良好であったが、安全性が劣っていた。
前記の通り、実施例1〜7の水性ボールペン用インキ.組成物は、剪断減粘性付与剤を用いた際に、OITを抗菌性物質として用いることにより、良好な性能を示すことが明らかとなった。
本発明の水性ボールペン用インキ組成物は、キャップ式、ノック式等のボールペン、各種マーカー類などのインキとして用いることができる。

Claims (2)

  1. 水と、着色剤と、抗菌性物質と、剪断減粘性付与剤を含んでなる水性ボールペン用インキ組成物であって、前記インキ組成物が、前記抗菌性物質として、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含んでなることを特徴とする、水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記剪断減粘性付与剤が、高分子多糖類から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021031647A (ja) * 2019-08-28 2021-03-01 株式会社パイロットコーポレーション ボールペン用蛍光顔料水性インキ組成物及びそれを収容したボールペンレフィル、ボールペン
JP7361337B2 (ja) 2020-05-14 2023-10-16 シヤチハタ株式会社 水性インキ組成物

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