JP2017211356A - 検知装置 - Google Patents

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Akihiro Kimura
章紘 木村
貴裕 吉田
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Abstract

【課題】プラットフォームを精度良く検知する。【解決手段】センサ10A〜10Dは、車両に設けられ車両側から車両の側方へ送信波を送信し、送信波を反射した物体からの反射波を受信し、送信波と受信波に基づいて物体までの距離と車両の速度を検知する。センサ10A〜10Dは、送信波をプラットフォームの側面に照射する位置に配置されている。判定部210は、センサ10A〜10Dが検知した距離と速度によりプラットフォームの有無を検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、物体を検知する検知装置に関する。
駅のプラットフォームを検出する装置として、例えば特許文献1に開示された検出装置がある。この装置は、超音波を送信し、物体で反射した超音波を受信する。検出装置は、送信した超音波と受信した超音波により物体までの距離を特定し、特定した距離に基づいて、プラットフォームの有無を検出する。
特開2009−128124号公報
ところで、列車の側方には、乗務員昇降台やトンネルなどがあり、また、例えば地下鉄の場合には壁面がある。超音波で物体との距離によりプラットフォームを検出する場合、このようなプラットフォーム以外の物体までの距離がプラットフォームまでの距離と一致していると、列車の側方にプラットフォームが無いにも関わらず、プラットフォームが有ると判断してしまう。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、プラットフォームを精度良く検知することを可能にすることにある。
上述した目的を達成するために、本発明は、車両に設けられ、前記車両側から前記車両側方へ送信波を送信し、当該送信波を反射した物体からの反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記物体までの距離及び当該車両の速度を検出するセンサを有し、前記センサで検出した距離及び速度によりプラットフォームの有無を検知する検知装置を、第1の態様として提供する。
第1の態様の検知装置によれば、前記距離と前記速度とにより、物体を検知するため、プラットフォームの有無を精度良く検知することができる。
第1の態様の検知装置において、前記センサは、前記車両の進行方向側と進行方向反対側とに設けられ、前記進行方向側の前記センサが検出した前記物体までの距離と、前記車両の進行方向反対側の前記センサが検出した前記物体までの距離の両方が、予め定められた閾値未満である場合、プラットフォームが有ると判定するという構成を第2の態様として採用してもよい。
第2の態様の検知装置によれば、複数のセンサの検知結果に基づいて、プラットフォームの有無を精度良く検知することができる。
第1または第2の態様の検知装置において、前記センサは、前記車両の進行方向側と進行方向反対側とに設けられ、前記進行方向側と前記進行方向反対側の一方の前記センサが検出した前記物体までの距離が閾値未満となってから前記車両が停止するまでの移動距離が閾値以上である場合、プラットフォームが有ると判定するという構成を第3の態様として採用してもよい。
第3の態様の検知装置によれば、プラットフォームの有無を移動距離に基づいて精度良く検知することができる。
第3の態様の検知装置において、前記一方は前記進行方向側であるという構成を第4の態様として採用してもよい。
第4の態様の検知装置によれば、プラットフォームの有無を移動距離に基づいて精度良く検知することができる。
第3の態様の検知装置において、前記一方は前記進行方向反対側であるという構成を第5の態様として採用してもよい。
第5の態様の検知装置によれば、プラットフォームの有無を移動距離に基づいて精度良く検知することができる。
第1の態様の検知装置において、前記センサは、前記車両の進行方向側と進行方向反対側とに設けられ、前記進行方向側と前記進行方向反対側の一方の前記センサが検出した前記物体までの距離が閾値未満となってから前記車両が停止するまでの移動距離が閾値以上であり、且つ、前記進行方向側の前記センサが検出した前記物体までの距離と、前記車両の進行方向反対側の前記センサが検出した前記物体までの距離の両方が、予め定められた閾値未満である場合、プラットフォームが有ると判定するという構成を第6の態様として採用してもよい。
第6の態様の検知装置によれば、プラットフォームの有無を物体までの距離及び移動距離に基づいて精度良く検知することができる。
第2から第6のいずれか一の態様の検知装置において、前記車両が停止状態から移動を開始した後、前記進行方向側の前記センサが検出した物体までの距離が閾値以上となってから前記車両が停止するまでの移動距離が閾値以下である場合、プラットフォームが有ると判定するという構成を第7の態様として採用してもよい。
第7の態様の検知装置によれば、停止状態から移動を開始したときにプラットフォームの有無を精度良く検知することができる。
第2から第6のいずれか一の態様の検知装置において、前記車両が停止状態から移動を開始した後、前記進行方向反対側の前記センサが検出した前記物体までの距離が閾値以上となった場合、プラットフォームが無いと判定するという構成を第8の態様として採用してもよい。
第8の態様の検知装置によれば、停止状態から移動を開始したときにプラットフォームの有無を精度良く検知することができる。
第1の態様の検知装置において、前記センサは、前記速度を検出する速度センサと、前記距離を検出する距離センサがあり、前記距離センサは、前記車両の側方のうち、前記プラットフォームの対向面に対して垂直方向へ前記送信波を送信し、当該送信波を反射した物体からの反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記物体までの距離を検出するという構成を第9の態様として採用してもよい。
第9の態様の検知装置によれば、物体までの距離を精度良く測定することができる。
第9の態様の検知装置において、前記速度センサは、軌道へ前記送信波を送信し、当該送信波を反射した物体からの反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記速度を検出する構成を第10の態様として採用してもよい。
第10の態様の検知装置によれば、物体に対する相対速度を精度良く測定することができる。
第9の態様又は第10の態様の検知装置において、前記プラットフォームが有ると前記距離センサが判定している場合、前記プラットフォーム側の前記速度センサが検出した速度を前記車両の速度とするという構成を第11の態様として採用してもよい。
第11の態様の検知装置によれば、物体に対する相対速度を精度良く測定することができる。
検知装置1のブロック図。 センサ10の配置位置の一例を示した模式図。 センサ10の配置位置の一例を示した模式図。 センサ10の配置位置の一例を示した模式図。 判定部210が行う処理の流れを示したフローチャート。 処理部100が行う処理の流れを示したフローチャート。 判定部210が行う処理の流れを示したフローチャート。 実施形態の動作例を説明するための図。 実施形態の動作例を説明するための図。 センサ10の配置位置の変形例の一例を示した模式図。 送信波の送信方向の変形例の一例を示した図。 送信波の送信方向の変形例の一例を示した図。 センサの配置位置の変形例の一例を示した図。 平行する線路で列車が走行するときの送信波の送信方向を示した図。 変形例に係る処理部100が行う処理の流れを示したフローチャート。
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態に係る検知装置1を説明する。図1は、検知装置1のブロック図である。検知装置1は、列車2に設けられる。検知装置1は、本実施形態においてはFM−CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)方式のレーダとして機能し、駅のプラットフォームを検知する。検知装置1は、センサ10A、センサ10B、センサ10C、センサ10D及び制御部20を有する。センサ10A、センサ10B、センサ10C及びセンサ10Dは、同じ構成であるため、以下各々を区別する必要がない場合はセンサ10と称する。センサ10は、電波を送信し、物体で反射した電波を受信することにより、電波を反射した物体までの距離や、電波を反射した物体に対する列車2の相対速度を検知する。
図2〜図4は、センサ10の配置位置の一例を示した模式図である。図2は、1両目の車両の一部の斜視図であり、図3は、列車2を上から見て模式的に示した図であり、図4は、列車2を列車2の長手方向側から見て模式的に示した図である。
例えば、列車2がn両編成である場合、図2、図3に示したように、1両目の車両の長手方向端部の側面の一方にセンサ10Aが配置され、他方にセンサ10Cが配置される。また、n両目の車両の長手方向端部の側面の一方にセンサ10Bが配置され、他方にセンサ10Dが配置される。
図3においてハッチングで示した領域は、センサ10から送信波が送信される領域を表している。図3に示したように、センサ10は、車両の長手方向に対して垂直方向に送信波を送信するのではなく、長手方向に対する垂直方向から列車2の中央方向へ角度をつけて送信波を送信する。
図4においてハッチングで示した領域は、センサ10から送信波が送信される領域を表している。図4に示したように、センサ10Aとセンサ10Cは、上下方向へ広がるように送信波を送信する。なお、図示はしていないが、センサ10Bとセンサ10Dも、センサ10A及びセンサ10Cと同様に送信波を送信する。図4に示したように、送信波が送信される領域は、上下方向に幅があるため、センサ10に対するプラットフォーム3の上下方向の位置が駅によって異なっていても、送信波がプラットフォーム3で反射し、センサ10はプラットフォーム3から反射波を受信することができる。
次に、センサ10の構成について説明する。センサ10は、本実施形態においては、マイクロ波を用いるFM−CW方式のレーダセンサであり、処理部100、送信部110及び受信部120を有する。送信部110及び受信部120はアンテナを備えており、送信部110は、送信波を送信し、受信部120は、送信部110から送信されて物体で反射した反射波を受信する。処理部100は、送信部110が送信する送信波と、受信部120が受信する反射波を混合してビート信号を生成する。処理部100は、ビート信号を解析し、送信波を反射した物体までの距離と、送信波を反射した物体に対する相対速度を特定する。処理部100は、特定した距離と相対速度を制御部20へ出力する。
次に、図1に示した制御部20について説明する。制御部20は、判定部210を備える。判定部210は、物体までの距離と物体に対する相対速度の測定をセンサ10へ指示する。判定部210は、この測定の指示に応じて処理部100から出力される距離と相対速度を取得する。判定部210は、取得した距離と相対速度を用いて、列車2の側方にプラットフォームが有るか判定し、判定結果を制御部20へ接続された外部装置へ通知する。
次に、判定部210と処理部100が行う処理の流れについて説明する。図5と図7は、判定部210が行う処理の流れを示したフローチャートであり、図6は、処理部100が行う処理の流れを示したフローチャートである。
判定部210は、制御部20が接続されている外部装置からプラットフォーム3の検知開始の指示を取得すると、物体までの距離及び物体に対する相対速度の測定をセンサ10A〜10Dへ指示する(図5:ステップSA1)。この指示をセンサ10A〜10Dの処理部100が取得すると、それぞれの処理部100は、まず、物体までの距離の測定を行う(図6:ステップSB1)。
具体的には、処理部100は、送信波の送信を送信部110に行わせる。送信部110から送信された送信波は、物体で反射して反射波となる。受信部120は、この反射波を受信する。処理部100は、予め定められた回数で送信波の送信を送信部110に行わせる。処理部100は、送信部110が送信する送信波と、受信部120が受信する反射波を混合してビート信号を生成する。処理部100は、ビート信号についてFFT(Fast Fourier Transform)によるスペクトル分析を行い、ピーク周波数の強度と、送信波を反射した物体までの距離を計算する。送信部110は、送信波を複数回送信するため、処理部100は、送信波が送信される毎に、ピーク周波数の強度と物体までの距離を計算する。
処理部100は、ステップSB1の処理を終えると、計算した複数のピーク周波数の強度の中で最大の強度を特定し、特定した強度を得たときに計算した物体までの距離を、物体までの距離として特定する(ステップSB2)。
次に処理部100は、送信波を反射した物体に対する相対速度の測定を行う(ステップSB3)。具体的には、処理部100は、送信波の送信を送信部110に行わせる。送信部110から送信された送信波は、物体で反射して反射波となる。受信部120は、この反射波を受信する。処理部100は、予め定められた回数で送信波の送信を送信部110に行わせる。処理部100は、送信部110が送信する送信波と、受信部120が受信する反射波を混合してビート信号を生成する。処理部100は、ビート信号についてFFTによるスペクトル分析を行い、ピーク周波数の強度と、送信波を反射した物体に対する相対速度を計算する。なお、処理部100は、送信波と反射波の周波数の差を解析して物体に対するセンサ10の進行方向を特定し、特定した進行方向に応じて相対速度の符号を決定する。例えば、列車が図3に示した進行方向へ進んだ場合、センサ10Aは、送信波を反射する部分から遠ざかるため、反射波を受信すると、反射波の周波数は送信波の周波数より低くなる。この場合、センサ10Aは、特定した相対速度を正の速度とする。また、列車が図3に示した進行方向へ進んだ場合、センサ10Bは、送信波を反射した部分に近づくため、反射波を受信すると、反射波の周波数は送信波の周波数より高くなる。この場合、センサ10Bは、特定した相対速度を負の速度とする。送信部110は、送信波を複数回送信するため、処理部100は、送信波が送信される毎に、ピーク周波数の強度と相対速度を計算する。
処理部100は、ステップSB3の処理を終えると、計算した複数のピーク周波数の強度の中で最大の強度を特定し、特定した強度を得たときに計算した相対速度を、送信波を送信した物体に対する相対速度として特定する(ステップSB4)。処理部100は、ステップSB4の処理を終えると、測定した距離と相対速度を判定部210へ出力する(ステップSB5)。
図5に戻り、判定部210は、センサ10A〜10Dから出力される距離を取得する(ステップSA2)。また、判定部210は、センサ10A〜10Dから出力される相対速度を取得する(ステップSA3)。次に判定部210は、取得した相対速度の符号から、進行方向側のセンサを特定する(ステップSA4)。例えば、判定部210は、センサ10Aから相対速度を取得した場合、取得した相対速度の符号が正であると、センサ10Aが進行方向側のセンサ10であると特定する。
次に判定部210は、進行方向側のセンサ10から取得した距離が予め定められた閾値未満であるか判定する(ステップSA5)。この閾値は、例えば、センサ10からプラットフォーム3までの距離が最も長くなる駅で測定したセンサ10からプラットフォーム3までの距離に所定の値を加えたものとする。判定部210は、進行方向側のセンサ10から取得した距離が予め定められた閾値以上である場合(ステップSA5でNO)、移動距離をリセットする(ステップSA7)。例えば、図8の(a)に示したように、センサ10Aからの送信波がプラットフォーム3で反射されない状態の場合、進行方向側のセンサ10Aから取得した距離は、閾値以上となり、判定部210は、ステップSA5でNOと判定し、移動距離をリセットする(ステップSA7)。
次に判定部210は、プラットフォーム3が列車2の側方に無いと判定し、プラットフォームが列車2の側方に無いことを外部装置へ通知する(ステップSA11)。判定部210は、ステップSA11の処理を終えると、外部装置からプラットフォーム3の検知終了の指示を受けているか判定する(ステップSA13)。判定部210は、検知終了の指示を受けていない場合(ステップSA13でNO)、処理の流れをステップSA1へ戻す。
次に、列車2が進行方向へ移動し、図8の(b)に示したように、センサ10Aがプラットフォーム3からの反射波を受信する位置まで移動した後、判定部210が、ステップSA1〜ステップSA4までの処理を行うと、進行方向側のセンサ10Aから取得した距離が予め定められた閾値未満となる。この場合、判定部210は、ステップSA5でYESと判定する。判定部210は、ステップSA5でYESと判定すると、移動距離の計算を行う(ステップSA6)。具体的には、ステップSA3で取得した相対速度を記録し、記録した相対速度を時間で積分することにより、物体までの距離が閾値未満となってからの列車2の移動距離の計算を行う。
次に判定部210は、進行方向側のセンサ10から取得した距離と、進行方向反対側のセンサ10から取得した距離の両方が、予め定められた閾値未満であるか判定する(ステップSA8)。なお、ステップSA8で使用する閾値は、ステップSA5で使用する閾値と同じ値である。例えば、図8の(b)に示したように、センサ10Aからの送信波がプラットフォーム3で反射される状態である一方、進行方向反対側でセンサ10Aと同じ側面にあるセンサ10Bについては、プラットフォーム3からの反射波を受信しない状態である場合、センサ10Aから取得した距離は閾値未満となるが、センサ10Bから取得した距離は閾値以上となるため、判定部210は、ステップSA8でNOと判定する。判定部210は、ステップSA8でNOと判定すると、処理の流れをステップSA11へ移す。これにより、図8の(b)の状態では、プラットフォーム3が列車2の側方に無いことが外部装置へ通知される。
さらに列車2が進行方向へ移動し、図8の(c)に示したように、センサ10Aとセンサ10Bの両方がプラットフォーム3からの反射波を受信する位置まで移動した場合、判定部210が、ステップSA1〜ステップSA4までの処理を行うと、センサ10Aから取得した距離とセンサ10Bから取得した距離の両方が予め定められた閾値未満となる。この場合、判定部210は、ステップSA5とステップSA8でYESと判定する。
判定部210は、ステップSA8でYESと判定すると、計算している移動距離が予め定められた閾値以上であるか判定する(ステップSA9)。ステップSA9で使用する閾値は、例えば、列車2の先頭から後尾までの長さに所定の値を加えたものである。判定部210は、移動距離が閾値未満である場合、ステップSA9でNOと判定する。判定部210は、ステップSA9でNOと判定すると、処理の流れをステップSA11へ移す。これにより、図8の(c)の状態では、プラットフォーム3が列車2の側方に無いことが外部装置へ通知される。
次に、図8の(d)に示したように、さらに列車2が進行方向へ移動すると、移動距離が予め定められた閾値以上となる。判定部210は、移動距離が閾値以上である場合、ステップSA9でYESと判定する。判定部210は、ステップSA9でYESと判定すると、プラットフォーム3が列車2の側方に有ると判定し、列車2の側方にプラットフォームが有ることを外部装置へ通知する(ステップSA10)。図8の(d)の状態で列車2が停止した場合、乗客用のドアは、プラットフォーム3の範囲内に位置するため、ドアを操作しても、乗客はプラットフォーム3へ移動することができる。
次に判定部210は、列車2が停止しているか判定する(ステップSA12)。例えば、判定部210は、列車2が停止しているか否かを、ステップSA3で取得した相対速度により判定する。判定部210は、相対速度が0ではない場合、列車2が停止していないと判定し(ステップSA12でNO)、処理の流れをステップSA13へ移す。
一方、列車2が図8の(e)に示したように停止位置に停止して相対速度が0になると、判定部210は、ステップSA12でYESと判定する。判定部210は、ステップSA12でYESと判定すると、図7に示した処理を開始する。
図7は、列車2の発車に係る処理の流れを示したフローチャートである。まず、判定部210は、通過フラグをオフにする(ステップSC1)。次に判定部210は、ステップSC2〜ステップSC5の処理を行う。ステップSC2〜ステップSC5の処理は、ステップSA1〜ステップSA4の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
次に判定部210は、進行方向側のセンサ10から取得した距離が予め定められた閾値未満であるか判定する(ステップSC6)。例えば、図9の(a)に示したように、図8の(e)の状態から列車2が発車して進行方向へ移動した場合、判定部210は、進行方向側のセンサ10Aから取得した距離が予め定められた閾値未満であるため、ステップSC6でYESと判定する。
判定部210は、ステップSC6でYESと判定すると、通過フラグがオフであるか判定する(ステップSC7)。列車2が移動を開始した直後では、ステップSC1で通過フラグをオフとした後、通過フラグは変更されていないため、判定部210は、通過フラグがオフであると判定する(ステップSC7でYES)。判定部210は、ステップSC7でYESと判定すると、移動距離をリセットし(ステップSC8)、移動距離の計算を行う(ステップSA9)。具体的には、ステップSC4で進行方向反対側のセンサ10Bから取得した相対速度を記録し、記録した相対速度を時間で積分することにより、移動距離の計算を行う。
次に判定部210は、進行方向反対側のセンサ10から取得した距離が閾値未満であるか判定する(ステップSC14)。図9の(a)の状態の場合、進行方向反対側のセンサ10Bから取得した距離は閾値未満となるため、判定部210は、ステップSC14でYESと判定する。
次に判定部210は、移動距離が閾値未満であるか判定する(ステップSC15)。ステップSC15で使用する閾値は、例えば、進行方向側のセンサ10から進行方向の先頭にある乗客用のドアまでの距離である。図9の(a)の状態では、ステップSC8で移動距離がリセットされているため、判定部210は、ステップSC15でYESと判定する。判定部210は、ステップSC15でYESと判定すると、プラットフォーム3が列車2の側方に有ることを外部装置へ通知する(ステップSC17)。判定部210は、ステップSC17の処理を終えると、処理の流れをステップSC2に戻す。
次に、列車2が進行方向へ移動し、図9の(b)に示したように、進行方向側のセンサ10Aで測定される距離が閾値以上となる位置まで移動した後、判定部210が、ステップSC2〜ステップSC5までの処理を行うと、進行方向側のセンサ10Aから取得した距離が予め定められた閾値以上となる。この場合、判定部210は、ステップSC6でNOと判定する。
次に判定部210は、通過フラグがオフであるか判定する(ステップSC10)。図9の(a)の状態から図9の(b)の状態になるまでは、通過フラグは変更されないため、判定部210は、ステップSC10でYESと判定する。判定部210は、ステップSC10でYESと判定すると、ここで通過フラグをオンに変更する(ステップSC11)。この後、判定部210は、移動距離をリセットし(ステップSC12)、移動距離の計算を行う(ステップSC13)。具体的には、ステップSC4で進行方向反対側のセンサ10Bから取得した相対速度を記録し、記録した相対速度を時間で積分することにより、移動距離の計算を行う。
判定部210は、ステップSC13の処理を行った後、ステップSC14の処理を行う。図9の(b)に示した状態の場合、進行方向反対側のセンサ10Bから取得した距離は閾値未満となるため、判定部210は、ステップSB14でYESと判定する。また、図9の(b)に示した状態の場合、上述したようにステップSC12で移動距離がリセットされ、移動距離は閾値未満となっているため、判定部210は、ステップSC15でYESと判定し、ステップSC17の処理を行った後、処理の流れをステップSC2へ戻す。なお、図9の(b)の状態で列車2が停止した場合、乗客用のドアは、プラットフォーム3の範囲内に位置し、プラットフォーム3が有ることが通知されているため、ドアを操作しても、乗客はプラットフォーム3へ移動することができる。
次に、図9の(c)に示したように、さらに列車2が進行方向へ移動した状態では、判定部210は、ステップSC6でNOと判定し、ステップSC10でNOと判定する。判定部210は、ステップSC10でNOと判定すると、ステップSC13で移動距離を計算する。また、図9の(c)に示した状態では、判定部210は、進行方向反対側のセンサ10Bから取得した距離が閾値未満となるため、ステップSC14でYESと判定する。
また、図9の(c)に示した状態では、進行方向側のセンサ10から進行方向の先頭にある乗客用のドアまでの距離を超えて列車2が移動しているため、計算した移動距離はステップSC15の閾値以上となり、判定部210は、ステップSC15でNOと判定する。判定部210は、ステップSC15でNOと判定すると、プラットフォーム3が列車2の側方に無いことを外部装置へ通知し(ステップSC16)、処理の流れをステップSC2へ戻す。
さらに、図9の(d)に示したように、進行方向反対側のセンサ10Bで測定される距離も閾値以上となる位置まで列車2が移動した後、判定部210が、ステップSC2〜ステップSC5までの処理を行うと、進行方向反対側のセンサ10Bから取得した距離が予め定められた閾値以上となる。この場合、判定部210は、ステップSC6でNOと判定し、ステップSC10でNOと判定した後、ステップSC13の処理を行ってからステップSC14の判定を行う。
図9の(d)に示した状態では、判定部210は、進行方向反対側のセンサ10Bから取得した距離も閾値以上となるため、ステップSC14でNOと判定する。判定部210は、ステップSC14でNOと判定すると、プラットフォーム3が列車2の側方に無いことを外部装置へ通知し(ステップSC18)、処理の流れをステップSA1へ戻す。
このように本実施形態によれば、列車2の先頭と後尾がプラットフォーム3の範囲内に位置すると、プラットフォーム3が有ることが外部装置へ通知される。外部装置が、プラットフォーム3が有ることを車掌に報知すると、車掌は、列車2の先頭と後尾がプラットフォーム3の範囲内に位置していることを知ることができる。
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
上述した実施形態においては、FM−CW方式で物体までの距離と物体に対する相対速度を測定しているが、物体までの距離と物体に対する相対速度を測定する方式は、FM−CW方式に限定されるものではなく、他の方式を用いてもよい。例えば、センサ10をCW(Continuous Wave)方式とFM−CW方式の両方を備える構成とし、物体との相対速度については変調を行わないCW方式で測定し、物体までの距離についてはFM−CW方式で測定する構成としてもよい。また、センサ10を二周波のCW方式とし、物体までの距離と物体に対する相対速度の両方を、二周波のCW方式で測定する構成としてもよい。また、センサ10は、CW方式に限定されるものではなく、パルス波を用いるパルス方式であってもよい。
また、上述した実施形態では、電波を用いて物体までの距離と物体に対する相対速度を測定しているが、超音波を用いて物体までの距離と物体に対する相対速度を測定する構成としてもよい。
上述した実施形態においては、センサ10で測定した相対速度を用いて移動距離を特定し、プラットフォーム3の有無を判定しているが、列車2の速度については、センサ10で測定する相対速度に替えて、外部装置で測定している移動速度を取得して使用するようにしてもよい。
本発明においては、検知装置1は、センサ10で測定する相対速度により、列車2が停止しているか否かを判定し、判定結果を上位装置へ通知するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、図5や図7のフローチャートに示したように、判定部210は、閾値以上が否かによる判断を行っているが、この構成に限定されるものではない。例えば、判定部210は、ステップSA5やステップSA8において、取得した距離が予め定められた範囲内であるか否かを判定し、範囲内であればYESと判断するようにしてもよい。また、例えば、ステップSA9における移動距離の判断についても、移動距離が予め定められた範囲内であるか否かを判断し、予め定められた範囲内であればYESと判断するようにしてもよい。また、例えば、ステップSC15における移動距離の判断についても、移動距離が予め定められた範囲内であるか否かを判断し、予め定められた範囲内であればYESと判断するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、各々のセンサ10は、物体までの距離と物体に対する相対速度の測定を行っているが、この構成に限定されるものではない。例えば、プラットフォーム3までの距離を測定するためのセンサ10と、列車2の移動速度を測定するためのセンサ10を別々に設けるようにしてもよい。
この構成の場合、上述した実施形態で示したセンサ10A〜10Dを、プラットフォーム3までの距離を測定するためのセンサ10として使用する。また、車両の下面側において、道床へ電波を送信するセンサ10を配置し、道床で反射する反射波を用いて列車2の移動速度を測定する構成としてもよい。
また、本発明においては、センサ10A〜10Dにおいて、道床へ向けて送信波を送信するアンテナ、側方へ向けて送信波を送信するアンテナ、道床からの反射波を受信するアンテナ、側方の物体からの反射波を受信するアンテナをそれぞれ設けるようにしてもよい。この構成の場合、列車2の移動速度を測定する場合には、道床へ向けて送信波を送信するアンテナと、道床からの反射波を受信するアンテナに切り替え、移動速度を測定するようにしてもよい。
また、プラットフォーム3までの距離を測定するためのセンサ10と、列車2の移動速度を測定するためのセンサ10を別々に設ける構成においては、移動速度を測定するセンサとして実施形態で示したセンサ10A〜10Dを使用し、列車2からプラットフォーム3までの距離を測定するためのセンサをセンサ10A〜10Dとは別に設けるようにしてもよい。図10は、この変形例に係るセンサ10の配置位置の一例を示した模式図である。
図10に示したように本変形例においては、検知装置1は、センサ10A〜10Dに加えて、センサ10E〜10Hを備える。センサ10Eは、センサ10Aに並べてセンサ10Aより列車2の進行方向側に配置され、センサ10Gは、センサ10Cに並べてセンサ10Cより列車2の進行方向側に配置されている。また、センサ10Fは、センサ10Bに並べてセンサ10Bより列車2の進行方向反対側に配置され、センサ10Hは、センサ10Dに並べてセンサ10Dより列車2の進行方向反対側に配置されている。
センサ10E〜センサ10Hは、列車2の横方向へ送信波を送信する。具体的には、センサ10E〜10Hは、プラットフォーム3において列車2に対向する対向面に対して垂直な方向を含む方向へ送信波を送信する。また、本変形例の場合、処理部100は、図6のステップSB1においては、センサ10E〜10Hを用いて物体までの距離を測定し、ステップSB3においては、物体に対する相対速度を、センサ10A〜10Dを用いて測定する。
センサ10E〜10Hから送信される送信波は、センサ10A〜10Dから送信される送信波と比較すると、プラットフォーム3に正対又は正対に近い状態で到達して反射する。そして、センサ10A〜10Dから送信されて物体で反射した反射波より反射波の強度が強くなるため、センサ10A〜10Dで距離を測定する場合より精度良く距離を測定することができる。
なお、本変形例においては、センサ10E〜10Hが送信波を送信する角度は、プラットフォーム3において列車2に対向する対向面に対して垂直な方向から進行方向へ±10°の範囲とするが、この範囲に限定されるものではなく、距離を精度良く測定できるのであれば±10°の範囲より広い範囲であってもよい。また、センサ10E〜10Hは、プラットフォーム3において列車2に対向する対向面に対して垂直な方向から列車2の進行方向側へ予め定められた範囲、又はプラットフォーム3において列車2に対向する対向面に対して垂直な方向から列車2の進行方向反対側へ予め定められた範囲へ送信波を送信するようにしてもよい。
また、センサ10E〜10Hを備える構成においては、センサ10Eをセンサ10Aに並べてセンサ10Aより列車2の進行方向反対側に配置し、センサ10Gをセンサ10Cに並べてセンサ10Cより列車2の進行方向反対側に配置し、センサ10Fをセンサ10Bに並べてセンサ10Bより列車2の進行方向側に配置し、センサ10Hをセンサ10Dに並べてセンサ10Dより列車2の進行方向反対に配置してもよい。
また、センサ10E〜10Hを備える構成においては、センサ10Aとセンサ10Eを同じ筐体に収納し、センサ10Bとセンサ10Fを同じ筐体に収納し、センサ10Cとセンサ10Gを同じ筐体に収納し、センサ10Dとセンサ10Hを同じ筐体に収納するようにしてもよい。この変形例の場合、各センサ10を別々の筐体に収める構成と比較すると、列車2への取り付け作業の工数を少なくすることができる。
また、センサ10E〜10Hを備える構成においては、センサ10E〜10Hは送信波を送信する方向を変更できる構成としてもよい。
また、プラットフォーム3までの距離を測定するためのセンサ10と、列車2の移動速度を測定するためのセンサ10を別々に設ける構成においては、センサ10E〜10Hに加えて、距離を測定するためのセンサ10をさらに備える構成としてもよい。この変形例の場合、センサ10Eと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Eの下方に配置し、センサ10Fと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Fの下方に配置し、センサ10Gと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Gの下方に配置し、センサ10Hと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Hの下方に配置する。この変形例によれば、一つの路線において高さの異なるプラットフォーム3があっても、上下方向に並んだセンサのいずれか一方で列車2からプラットフォーム3までの距離を測定することができる。
また、上下方向へセンサ10を並べる構成においては、速度を測定するセンサ10A〜10Dについても、センサ10Aと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Aの下方に配置し、センサ10Bと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Bの下方に配置し、センサ10Cと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Cの下方に配置し、センサ10Dと同じ方向へ送信波を送信するセンサ10をセンサ10Dの下方に配置してもよい。
上述した変形例においては、列車2の移動速度を測定するためのセンサ10A〜センサ10Dは、軌道へ送信波を送信し、列車2の移動速度を測定してもよい。図11と図12は、センサ10A〜センサ10Dの配置位置と、センサ10A〜センサ10Dが軌道へ送信波を送信するときの送信波の送信方向の一例を示した図である。本変形例においては、センサ10A〜センサ10Dは、図12に示したように、列車2の床下に配置される。センサ10A、10Cは、上から見ると、図11に示したように、列車2の長手方向に沿って、列車2の進行方向へ向けて送信波を送信し、センサ10B、10Dは、列車2の長手方向に沿って、列車2の進行方向の反対方向へ向けて送信波を送信する。また、センサ10A〜センサ10Dは、横から見ると、軌道へ垂直に送信波を送信するのではなく、斜め下方へ送信波を送信する。
例えば、プラットフォーム3が、島式で床下が空間になっている構造の場合、センサ10A〜センサ10Dが上述した実施形態の方向へ送信波を送信すると、送信波がプラットフォーム3の床下の空間を通過し、反対側を通過する列車2の速度や、構外の自動車の速度を検知する虞があり、正確に速度を検知できなくなる場合が生じ得る。一方、本変形例では、速度を測定するための送信波の送信方向が軌道の方向であるため、上述した問題が生じることがなく、正確に列車2の速度を測定することができる。
なお、本変形例においては、例えば、列車2が走行する路線において、停車するプラットフォーム3の床の高さの違いが大きい場合、センサ10A〜10Dを列車2の床下に配置するのではなく、図13に示したように、列車2の正面に配置するようにしてもよい。また、列車2が停車するプラットフォーム3の床の高さの違いが小さい場合、センサ10A〜センサ10Dは、列車2の床下と正面のどちらに配置してもよい。
また、本変形例においては、センサ10A〜センサ10Dを床下へ配置する場合、センサ10A、10Cは、斜め下方且つ列車2の進行方向の反対方向へ向けて送信波を送信し、センサ10B、10Dは、斜め下方且つ列車2の進行方向へ向けて送信波を送信してもよい。また、本変形例においても、センサ10Aとセンサ10Eを同じ筐体に収納し、センサ10Bとセンサ10Fを同じ筐体に収納し、センサ10Cとセンサ10Gを同じ筐体に収納し、センサ10Dとセンサ10Hを同じ筐体に収納するようにしてもよい。
上述したようにセンサ10A〜センサ10Dが斜め下方へ送信波を送信する場合、送信波の周波数がセンサ10A〜センサ10Dで各々異なるようにしてもよい。例えば、送信波の周波数がセンサ10A〜センサ10Dで各々異なるように各センサの周波数を設定し、センサ10Aの送信波の周波数を第1周波数(第1チャンネル)、センサ10Bの送信波の周波数を第2周波数(第2チャンネル)、センサ10Cの送信波の周波数を第3周波数(第3チャンネル)、センサ10Dの送信波の周波数を第4周波数(第4チャンネル)としてもよい。また、センサ10A〜センサ10Dの送信波の周波数は、各センサでそれぞれ送信波の周波数が異なるのであれば、上述の設定以外であってもよい。本変形例によれば、センサ10A〜センサ10Dの送信波が互いに干渉することがなく、物体に対する列車2の相対速度を正確に測定することができる。
なお、図14に示したように、平行する線路の一方で列車2Aが走行し、他方で列車2Bが走行する場合、即ち、上り線と下り線で列車2Aと列車2Bがすれ違う場合や、列車2Aと列車2Bが同方向に進む場合、隣り合うセンサ同士で送信する周波数が同じとなることがある。例えば、列車2Aと列車2Bとでセンサ10A〜センサ10Dの送信波の周波数を任意に設定すると、列車2Aのセンサ10Aの送信波の周波数と、列車2Bのセンサ10Cの送信波の周波数とが同じとなる場合や、列車2Aのセンサ10Aの送信波の周波数と、列車2Bのセンサ10Dの送信波の周波数とが同じとなる場合、列車2Aのセンサ10Bの送信波の周波数と、列車2Bのセンサ10Dの送信波の周波数とが同じとなる場合、列車2Aのセンサ10Bの送信波の周波数と、列車2Bのセンサ10Cの送信波の周波数とが同じとなる場合などが生じ得る。
このように、隣り合うセンサ同士で送信波の周波数が同じとなると、列車がすれ違うときや平行して走行するときに、隣り合うセンサ同士で互いの送信波が干渉して列車の速度を正確に測定できなくなる。そこで、このような場合が生じても速度を正確に特定できるように、図6のフローチャートを図15に示したフローチャートのように変形してもよい。
まず処理部100は、ステップSB11において、センサ10E〜センサ10Hのそれぞれで物体までの距離の測定を行い、ステップSB12において、物体までの距離をステップSB2と同様に特定する。次に処理部100は、センサ10A〜センサ10Dのそれぞれで、軌道に対する相対速度と進行方向を測定する(ステップSB13)。なお、ステップSB3においては、反射波の周波数が送信波の周波数より低い場合、特定した相対速度を正の速度とし、反射波の周波数が送信波の周波数より高い場合、特定した相対速度を負の速度としているが、ステップSB13においては、反射波の周波数が送信波の周波数より低い場合、特定した相対速度を負の速度とし、反射波の周波数が送信波の周波数より高い場合、特定した相対速度を正の速度とする。処理部100は、ステップSB13の処理を終えると、軌道に対する相対速度をセンサ10A〜センサ10D毎に特定する(ステップSB14)。
次に処理部100は、進行方向側のセンサで特定した相対速度の差が閾値未満であるか判断する(ステップSB15)。例えば、進行方向側のセンサがセンサ10Aとセンサ10Cである場合、センサ10Aによる測定結果から特定した相対速度と、センサ10Cによる測定結果から特定した相対速度との差が予め定められた閾値未満であるか判断する。処理部100は、この差が閾値未満である場合(ステップSB15でYES)、進行方向側のセンサで特定した相対速度の平均値を、物体に対する相対速度として特定し(ステップSB16)、処理の流れをステップSB22へ移す。処理部100は、ステップSB22においては、これまでの処理で特定した物体までの距離と相対速度を判定部210へ出力する。
処理部100は、ステップSB15でNOと判断すると、進行方向側であって進行方向を見て左側(進行方向の一方側)のセンサで特定した距離が所定範囲内であるか判断する(ステップSB17)。例えば、処理部100は、列車2Aについて、センサ10Eとセンサ10Gがある側が進行方向側である場合、進行方向を見て左側にあるセンサ10Eで特定した距離がプラットフォーム3までの距離±αの範囲内であるか判断する。処理部100は、ステップSB17でYESと判断すると、進行方向側であって進行方向を見て左側のセンサ10Aで特定した相対速度を、物体に対する相対速度として特定し(ステップSB18)、処理の流れをステップSB22へ移す。
一方、処理部100は、ステップSB17でNOと判断すると、進行方向側であって進行方向を見て右側(進行方向の他方側)のセンサで特定した距離が所定範囲内であるか判断する(ステップSB19)。例えば、処理部100は、列車2Aについて、センサ10Eとセンサ10Gがある側が進行方向側である場合、進行方向を見て右側にあるセンサ10Gで特定した距離がプラットフォーム3までの距離±αの範囲内であるか判断する。処理部100は、ステップSB19でYESと判断すると、進行方向側であって進行方向を見て右側のセンサ10Cで特定した相対速度を、物体に対する相対速度として特定し(ステップSB20)、処理の流れをステップSB22へ移す。処理部100は、ステップSB19でNOと判断した場合、物体に対する相対速度を不定とする(ステップSB21)。なお、処理部100は、ステップSB19でNOと判断した場合、前回図15の処理を行ったときに特定した相対速度を、物体に対する相対速度として特定してもよい。図15に示した処理によれば、列車がすれ違うときや平行して走行するときに、列車2Aと列車2Bの間において、隣り合うセンサ同士で送信波の周波数が同じとなったとしても、物体に対する列車の速度を正確に測定することができる。なお、図15の処理は、図10に示した構成を採用する検知装置においても適用することができる。また、図15の処理においては、ステップSB15とステップSB16を削除し、ステップSB14からステップSB17へ処理の流れを移すようにしてもよい。つまり、センサ10E〜センサ10Gで検出した距離が予め定められた距離の範囲内である場合(即ち、センサで検出した距離がプラットフォーム3までの距離である場合)、プラットフォーム3側のセンサで検出した速度を物体に対する相対速度とする構成としてもよい。
上述した実施形態においては、車両の長手方向の端部の側面にセンサ10が配置されているが、配置位置は、長手方向の端部に限定されるものではなく、例えば、乗務員用の扉の下方や、乗客用の扉の下方に配置してもよい。
本発明においては、センサ10を備える列車を連結した場合、連結器で連結されている車両に配置されているセンサ10については、距離及び相対速度の測定の指示を送らないようにし、連結器で連結されている車両に配置されているセンサ10を使用しないようにしてもよい。
本発明においては、センサ10を設ける位置は、先頭車両と後尾車両に限定されるものではない。例えば、進行方向から数えてm両目の車両と、進行方向反対側から数えてm両目の車両の両側面にセンサ10を配置するようにしてもよい。また、上述した実施形態においては、センサ10は、先頭車両と後尾車両にのみ配置されているが、センサ10は、先頭車両と後尾車両に加えて、先頭車両と後尾車両の間の車両にも配置するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、進行方向から数えて1両目と進行方向反対側から数えて1両目の車両にセンサ10が配置されているが、いずれか一方の車両については、センサ10を配置しないようにしてもよい。
例えば、列車2において、センサ10Bとセンサ10Dを配置しないようにしてもよい。この変形例の場合、判定部210は、例えば、ステップSA8の処理を行わないようにし、移動距離の判定の閾値を、列車2の進行方向に応じて変更する。この場合、閾値は、図8の進行方向へ移動しているときの閾値は、図8の進行方向と反対側へ移動しているときの閾値より大きい値とする。この変形例でも、センサ10が検知した距離と、センサ10が検知した速度から計算した移動距離により、プラットフォーム3が列車2の側方に有るか否かを判定することができる。
上述した実施形態においては、センサ10は列車2の両側面に配置されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、単線で列車2の一方の側面側にのみプラットフォーム3が有る場合、停車したときにプラットフォーム3が有る側にのみセンサ10を配置するようにしてもよい。
検知装置1は、路面鉄道の車両や、モノレールの車両、ケーブルカーに設置する構成としてもよい。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ及び配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1…検知装置、2…列車、3…プラットフォーム、10、10A〜10D…センサ、20…制御部、100…処理部、110…送信部、120…受信部、210…判定部。

Claims (11)

  1. 車両に設けられ、前記車両側から前記車両側方へ送信波を送信し、当該送信波を反射した物体からの反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記物体までの距離及び当該車両の速度を検出するセンサを有し、前記センサで検出した距離及び速度によりプラットフォームの有無を検知する検知装置。
  2. 前記センサは、前記車両の進行方向側と進行方向反対側とに設けられ、
    前記進行方向側の前記センサが検出した前記物体までの距離と、前記車両の進行方向反対側の前記センサが検出した前記物体までの距離の両方が、予め定められた閾値未満である場合、プラットフォームが有ると判定する
    請求項1に記載の検知装置。
  3. 前記センサは、前記車両の進行方向側と進行方向反対側とに設けられ、
    前記進行方向側と前記進行方向反対側の一方の前記センサが検出した前記物体までの距離が閾値未満となってから前記車両が停止するまでの移動距離が閾値以上である場合、プラットフォームが有ると判定する
    請求項1又は請求項2に記載の検知装置。
  4. 前記一方は前記進行方向側である請求項3に記載の検知装置。
  5. 前記一方は前記進行方向反対側である請求項3に記載の検知装置。
  6. 前記センサは、前記車両の進行方向側と進行方向反対側とに設けられ、
    前記進行方向側と前記進行方向反対側の一方の前記センサが検出した前記物体までの距離が閾値未満となってから前記車両が停止するまでの移動距離が閾値以上であり、且つ、前記進行方向側の前記センサが検出した前記物体までの距離と、前記車両の進行方向反対側の前記センサが検出した前記物体までの距離の両方が、予め定められた閾値未満である場合、プラットフォームが有ると判定する
    請求項1に記載の検知装置。
  7. 前記車両が停止状態から移動を開始した後、前記進行方向側の前記センサが検出した物体までの距離が閾値以上となってから前記車両が停止するまでの移動距離が閾値以下である場合、プラットフォームが有ると判定する
    請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の検知装置。
  8. 前記車両が停止状態から移動を開始した後、前記進行方向反対側の前記センサが検出した前記物体までの距離が閾値以上となった場合、プラットフォームが無いと判定する
    請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の検知装置。
  9. 前記センサは、前記速度を検出する速度センサと、前記距離を検出する距離センサがあり、前記距離センサは、前記車両の側方のうち、前記プラットフォームの対向面に対して垂直方向へ前記送信波を送信し、当該送信波を反射した物体からの反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記物体までの距離を検出する請求項1に記載の検知装置。
  10. 前記速度センサは、軌道へ前記送信波を送信し、当該送信波を反射した物体からの反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいて前記速度を検出する請求項9に記載の検知装置。
  11. 前記プラットフォームが有ると前記距離センサが判定している場合、前記プラットフォーム側の前記速度センサが検出した速度を前記車両の速度とする請求項9又は請求項10に記載の検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019184370A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 株式会社Soken レーダシステム

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