JP2017211190A - 排ガス測定装置 - Google Patents

排ガス測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017211190A
JP2017211190A JP2016102374A JP2016102374A JP2017211190A JP 2017211190 A JP2017211190 A JP 2017211190A JP 2016102374 A JP2016102374 A JP 2016102374A JP 2016102374 A JP2016102374 A JP 2016102374A JP 2017211190 A JP2017211190 A JP 2017211190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
measurement
classification
flow path
sample gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016102374A
Other languages
English (en)
Inventor
達哉 西尾
Tatsuya Nishio
達哉 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2016102374A priority Critical patent/JP2017211190A/ja
Publication of JP2017211190A publication Critical patent/JP2017211190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

【課題】測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる排ガス測定装置を提供する。【解決手段】電圧印加部17が、複数の分級電極12に含まれる第1分級電極121及び第2分級電極122のうち、第1分級電極121に対しては一定電圧を印加し、流路113内における試料ガスの流通方向Dにおいて第1分級電極121よりも上流側に位置する第2分級電極122に対しては、一定電圧を印加した状態(図1に実線で示す状態)、又は、接地電位を接続した状態(図1に破線で示す状態)のいずれかに切り替える。第2分級電極122に対して一定電圧を印加した状態と、接地電位を接続した状態とで、測定電極13に到達する粒子の粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車からの排ガスなどのように粒子を含む試料ガスを測定するための排ガス測定装置に関するものである。
自動車などから排出されるガス(排ガス)には、ナノメートルオーダーの微小な粒子が含まれており、このような排ガスを試料ガスとして、排ガス測定装置により試料ガス中の粒子を測定する場合がある。この種の排ガス測定装置の一例として、下記特許文献1及び2には、試料ガス中の粒子を帯電させて電界内に導入することにより、粒子径が異なる粒子を電界から受ける力によって分級することができるような構成が開示されている。
具体的には、排ガス測定装置は、試料ガスが流れる流路が内部に形成されたハウジングを備えており、このハウジング内に設けられた分級電極に電圧が印加されることにより流路内に電界が発生する。ハウジング内には、分級電極に対して流路を挟んで反対側に複数の測定電極が設けられている。これらの測定電極は、流路内における試料ガスの流通方向に対して平行に並べて配置されており、各測定電極同士は絶縁されている。
ハウジングに対して試料ガスの流通方向の下流側には、送風機構としてのポンプが設けられている。このポンプの駆動により、流路内に試料ガスを流通させることができる。流路内を流れる試料ガス中の粒子は、帯電器により帯電された後、流路内に形成された電界から受ける力によって、複数の測定電極のいずれかに引き付けられる。このとき、粒子径が小さい粒子ほど上流側の測定電極に引き付けられ、粒子径が大きい粒子ほど下流側の測定電極に引き付けられることとなる。
各測定電極は、引き付けられた帯電粒子から電荷を受け取る。各測定電極には検流回路が接続されており、各測定電極が帯電粒子から受け取る電荷が検流回路により検出される。したがって、各測定電極に接続された検流回路における検出信号に基づいて、試料ガス中の各粒子径の粒子数を測定することができる。
国際公開第2013/183652号 特開2015−108578号公報
上記のような従来の構成では、最も上流側の測定電極に引き付けられる帯電粒子の粒子径に下限値が存在する。すなわち、粒子径が一定値以上の粒子でなければ、最も上流側の測定電極にすら到達せず、検流回路により検出することができない。そのため、上記一定値以上の粒子径の粒子しか測定できず、より小さい粒子径の粒子を測定することができないという問題がある。
そこで、既存の位置よりも上流側にまで測定電極を設けることにより、その測定電極に微細な粒子を引き付けることが考えられる。この場合、測定可能な粒子の粒子径の下限値を小さくすることは可能であるが、そのような微細な粒子の測定を所望しない場合には、不必要な検出信号が検流回路から出力されることとなり、測定結果にノイズが生じる原因ともなり得る。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる排ガス測定装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る排ガス測定装置は、ハウジングと、送風機構と、測定電極と、複数の分級電極と、検出部と、電圧印加部とを備える。前記ハウジングは、試料ガスが流れる流路を内部に有し、当該流路に対する入口及び出口が形成されている。前記送風機構は、前記入口から前記出口へと前記流路内に試料ガスを流通させる。前記測定電極は、前記流路の内面に設けられている。前記複数の分級電極は、前記流路の内面における前記測定電極に対して前記流路を挟んで反対側に設けられ、前記流路内に電界を発生させることにより、前記流路内を流れる試料ガス中の帯電粒子を前記測定電極のいずれかに引き付ける。前記検出部は、前記測定電極が試料ガス中の帯電粒子から受け取る電荷を検出する。前記電圧印加部は、前記複数の分級電極に含まれる第1分級電極及び第2分級電極のうち、前記第1分級電極に対しては一定電圧を印加し、前記流路内における試料ガスの流通方向において前記第1分級電極よりも上流側に位置する前記第2分級電極に対しては、前記一定電圧を印加した状態又は接地電位を接続した状態のいずれかに切り替える。
このような構成によれば、第2分級電極に対して一定電圧を印加した状態又は接地電位を接続した状態のいずれかに切り替えることにより、測定電極に到達する粒子の粒子径の下限値を変更することができる。
すなわち、第2分級電極に対して一定電圧を印加した状態では、第1分級電極よりも上流側の第2分級電極に対向する位置から、帯電粒子が測定電極側に引き付けられる。一方、第2分級電極に対して接地電位を接続した状態では、第2分級電極よりも下流側の第1分級電極に対向する位置から、帯電粒子が測定電極側に引き付けられる。これにより、第2分級電極に対して一定電圧を印加した状態と、接地電位を接続した状態とで、測定電極に到達する粒子の粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる。
(2)前記第1分級電極は、前記測定電極に対向する位置に設けられていてもよい。この場合、前記第2分級電極は、前記測定電極に対向しない位置に設けられていてもよい。
このような構成によれば、第2分級電極に対して一定電圧を印加した状態では、測定電極よりも上流側に設けられた第2分級電極に対向する位置から、帯電粒子が測定電極側に引き付けられる。これにより、所望しない微細な粒子が測定電極に到達するのを効果的に防止することができる。
(3)前記排ガス測定装置は、トラップ電極をさらに備えていてもよい。前記トラップ電極は、前記流路の内面における前記流路に対して前記測定電極側に設けられ、前記流通方向において前記測定電極よりも上流側に位置し、接地電位に接続されている。この場合、前記第2分級電極は、前記トラップ電極に対向する位置に設けられていてもよい。
このような構成によれば、第2分級電極に対して一定電圧を印加した状態では、測定電極に到達しない微細な粒子からトラップ電極が電荷を受け取ることになる。そのため、測定電極に到達しない帯電粒子によって、ハウジング内の所望しない部分が帯電するのを防止することができる。
(4)前記測定電極は、前記流路の内面に複数設けられていてもよい。
(5)排ガス測定装置は、演算部をさらに備えていてもよい。前記演算部は、前記複数の測定電極に含まれる1対の測定電極における前記検出部からの検出信号に基づいて、試料ガス中の粒子数を演算する。
このような構成によれば、1対の測定電極が試料ガス中の帯電粒子から受け取る電荷を検出部により検出し、それらの検出信号に基づいて演算部が演算を行うことにより、ノイズ成分が除去された試料ガス中の粒子数の測定結果を得ることができる。
(6)本発明に係る別の排ガス測定装置は、ハウジングと、送風機構と、複数の測定電極と、分級電極と、検出部と、接続切替部とを備える。前記ハウジングは、試料ガスが流れる流路を内部に有し、当該流路に対する入口及び出口が形成されている。前記送風機構は、前記入口から前記出口へと前記流路内に試料ガスを流通させる。前記複数の測定電極は、前記流路の内面に設けられている。前記分級電極は、前記流路の内面における前記複数の測定電極に対して前記流路を挟んで反対側に設けられ、前記流路内に電界を発生させることにより、前記流路内を流れる試料ガス中の帯電粒子を前記複数の測定電極のいずれかに引き付ける。前記検出部は、前記複数の測定電極が試料ガス中の帯電粒子から受け取る電荷を検出する。前記接続切替部は、前記複数の測定電極に含まれる第1測定電極を接地電位に接続した状態、又は、前記流路内における試料ガスの流通方向において前記第1測定電極の下流側に隣接する第2測定電極に接続した状態のいずれかに切り替える。
このような構成によれば、第1測定電極に対して接地電位を接続した状態又は第2測定電極を接続した状態のいずれかに切り替えることにより、測定電極に到達する粒子の粒子径の下限値を変更することができる。
すなわち、第1測定電極に対して接地電位を接続した状態では、第1測定電極が帯電粒子から受け取る電荷は検出部で検出されず、第1測定電極よりも下流側の測定電極が帯電粒子から受け取る電荷のみが検出部で検出される。一方、第1測定電極に対して第2測定電極を接続した状態では、第1測定電極が帯電粒子から受け取る電荷が検出部で検出される。これにより、第1測定電極に対して接地電位を接続した状態と、第2測定電極を接続した状態とで、検出部で検出される粒子の粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる。
本発明によれば、第2分級電極に対して一定電圧を印加した状態と、接地電位を接続した状態とで、測定電極に到達する粒子の粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる。また、本発明によれば、第1測定電極に対して接地電位を接続した状態と、第2測定電極を接続した状態とで、検出部で検出される粒子の粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子の粒子径の下限値を変更することができる。
本発明の一実施形態に係る排ガス測定装置の構成例を示した概略断面図である。 分級部の一部を拡大して示した拡大断面図である。 試料ガス中の粒子が分級される際の態様について説明するための概略断面図である。 電圧印加部における切替部の動作について説明するための概略断面図である。 電圧印加部における切替部の動作について説明するための概略断面図である。 本発明の別実施形態に係る排ガス測定装置の接続切替部の動作について説明するための概略断面図である。 本発明の別実施形態に係る排ガス測定装置の接続切替部の動作について説明するための概略断面図である。
1.排ガス測定装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る排ガス測定装置の構成例を示した概略断面図である。排ガス測定装置には、分級部1、検出部2及び演算部3などが備えられている。この排ガス測定装置は、例えば自動車に装着され、試料ガスとしての排ガスに含まれる粒子を測定するためのものである。排ガスに含まれる粒子は、例えばナノメートルオーダーの微小な粒子からなる。
分級部1には、ハウジング11、複数の分級電極12、複数の測定電極13、トラップ電極14、風量センサ15、ポンプ16及び電圧印加部17などが備えられている。ハウジング11は、例えばアルミニウムにより形成された第1ハウジング111及び第2ハウジング112を備えており、これらが組み合わせられることにより、試料ガスが流れる流路113が内部に形成されている。流路113は、第1ハウジング111と第2ハウジング112との間に、一直線上に延びるように形成されている。
ハウジング11には、流路113の一端部及び他端部に対応する位置に、流路113に対する試料ガスの入口114及び出口115が形成されている。入口114から流路113内に流入する試料ガス中の粒子は、帯電器(図示せず)を用いて予め帯電され、帯電粒子として流路113内に流入する。帯電粒子は、流路113を通過する過程で、その粒子径に応じて分級される。
出口115には、風量センサ15及びポンプ16が接続されている。測定中は、ポンプ16が駆動されることにより、流路113内の試料ガスが層流となって一定の流速で吸い出される。すなわち、ポンプ16は、入口114から出口115へと流路113内に試料ガスを流通させる送風機構を構成している。ただし、送風機構は、ポンプ16により構成されるものに限らず、送風機などの別の装置を用いて構成されていてもよい。風量センサ15は、出口115から流出する試料ガスの流量を検出するためのものであり、この風量センサ15からの検出信号に基づいてポンプ16の駆動が制御される。
流路113には、複数の分級電極12、複数の測定電極13及びトラップ電極14が設けられている。第1ハウジング111及び第2ハウジング112における互いに対向する面は、流路113の内面を構成しており、当該内面に各電極12,13,14が設けられている。具体的には、第1ハウジング111により構成される流路113の内面に、複数の分級電極12が設けられており、第2ハウジング112により構成される流路113の内面に、複数の測定電極13及びトラップ電極14が設けられている。これにより、複数の測定電極13及びトラップ電極14に対して、流路113を挟んで反対側に複数の分級電極12が設けられている。
複数の分級電極12は、流路113内における試料ガスの流通方向Dに沿って一直線上に並べて配置されている。本実施形態では、第1分級電極121及び第2分級電極122からなる2枚の分級電極12が設けられている。第1分級電極121には、電圧印加部17が接続されており、試料ガスの測定中は、電圧印加部17により一定の電圧(例えば+180V)が第1分級電極121に常に印加される。
第2分級電極122は、流通方向Dにおいて第1分級電極121よりも上流側に位置している。第2分級電極122は、図1の例のように第1分級電極121よりも流通方向Dに沿った長さが短くてもよいが、第1分級電極121よりも流通方向Dに沿った長さが長くてもよい。本実施形態では、第2分級電極122に対する通電状態を切り替えるための切替部171が電圧印加部17に備えられている。この切替部171は、例えばスイッチからなり、第2分級電極122に上記一定の電圧が印加された状態(図1に実線で示す状態)、又は、第2分級電極122が接地電位(GND)に接続された状態(図1に破線で示す状態)のいずれかに切り替えることができる。
切替部171による切替は、自動で行われてもよいし、ユーザが操作部(図示せず)を操作することにより手動で行われてもよい。この場合、第2分級電極122に上記一定の電圧を印加するモードと、第2分級電極122を接地電位に接続するモードとが設けられており、それらのモードのいずれかを選択することができるような構成となっていてもよい。
複数の測定電極13は、流通方向Dに沿って一直線上に並べて配置されている。本実施形態では、第1測定電極131、第2測定電極132、第3測定電極133、第4測定電極134、第5測定電極135及び第6測定電極136からなる6枚の測定電極13が設けられている。トラップ電極14は、流通方向Dにおいて測定電極13(第1測定電極131)よりも上流側に位置し、接地電位(GND)に接続されている。
検出部2は、各測定電極131,132,133,134,135,136に対応する検流回路21,22,23,24,25,26を備えている。各検流回路21,22,23,24,25,26は、各測定電極131,132,133,134,135,136に1対1に対応付けて接続されており、各測定電極131,132,133,134,135,136を流れる電流を検出する。演算部3は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、各検流回路21,22,23,24,25,26からの検出信号に基づいて、試料ガス中の粒子数を演算する。
2.分級電極、測定電極及びトラップ電極の位置関係
図2は、分級部1の一部を拡大して示した拡大断面図である。図2に示すように、分級電極12の流路113側の表面と、測定電極13及びトラップ電極14の流路113側の表面との距離A1は一定であり、その距離A1は例えば約4mmである。なお、図2では、説明を分かりやすくするために、実際とは異なる寸法で各部材を表している。
トラップ電極14は、第2分級電極122に対向する位置に配置されている。トラップ電極14の流通方向Dに沿った長さA2は、例えば約10mmである。第2分級電極122の流通方向Dに沿った長さA5は、トラップ電極14の長さA2よりも若干短い。そのため、第2分級電極122は、トラップ電極14に対向する領域内に完全に収まっており、測定電極13には対向しない位置に設けられている。
各測定電極13の流通方向Dに沿った長さA3は、トラップ電極14の長さA2よりも長く、例えば約35mmである。トラップ電極14及び各測定電極13は、流通方向Dに沿って互いに間隔を隔てて配置されることにより、互いに絶縁されている。流通方向Dに沿った各測定電極13間の距離A4は、例えば約1mmである。
第1分級電極121は、複数の測定電極13に対向する位置に設けられている。具体的には、最も上流側の測定電極13である第1測定電極131が、第1分級電極121の上流側端部に対向する位置に配置されており、最も下流側の測定電極13である第6測定電極132が、第1分級電極121の下流側端部に対向する位置に配置されている(図1参照)。
3.試料ガス中の粒子の分級
図3は、試料ガス中の粒子が分級される際の態様について説明するための概略断面図である。この図3では、分級部1が従来の構成である場合について説明する。すなわち、図3の分級部1においては、分級電極12が第1分級電極121及び第2分級電極122に分割されておらず、1枚の電極からなる構成を用いて説明する。
電圧印加部17により分級電極12に電圧が印加されると、流路113には流通方向Dに対して垂直又はほぼ垂直に電界が生じる。流路113内を流通方向Dに沿って流れる試料ガス中の粒子Pは、予め帯電されることにより、帯電粒子として分級電極12に対向する位置に到達する。本実施形態のように、分級電極12にプラスの電圧が印加されている場合には、粒子Pは予めプラスに帯電される。ただし、分級電極12にマイナスの電圧を印加することも可能であり、この場合には、粒子Pは予めマイナスに帯電されることとなる。
分級電極12に対向する位置に到達した粒子Pは、分級電極12により発生される電界から受ける力により、測定電極13側に引き付けられる。各粒子Pは、徐々に測定電極13側に引き付けられることとなるが、その引き付けられる速度は、各粒子Pの粒子径が小さいほど速くなる。したがって、粒子径が小さい粒子P1ほど上流側の測定電極13に引き付けられ、粒子径が大きい粒子P2ほど下流側の測定電極13に引き付けられることとなる。
図3に示す例では、粒子径が比較的小さい粒子P1が、最も上流側の測定電極13である第1測定電極131に引き付けられている。一方、粒子径が比較的大きい粒子P2は、第1測定電極131よりも下流側の測定電極13である第2測定電極132に主に引き付けられている。このように、流路113内を流れる試料ガス中の帯電した粒子Pは、その粒子径に応じた最大到達距離で測定電極13側に引き付けられる。そして、各粒子Pが測定電極13に到達したときに、測定電極13が各粒子Pから電荷を受け取ることにより、測定電極13に電流が流れることとなる。
図1に示すように、各測定電極13には検出部2(検流回路21〜26)が接続されており、各測定電極13を流れる電流が検出部2により検出される。すなわち、検出部2は、測定電極13が試料ガス中の帯電した粒子Pから受け取る電荷を検出することができる。試料ガス中の帯電した粒子Pは、その粒子径に応じて異なる測定電極13に引き付けられるため、各測定電極13が粒子Pから受け取る電荷を検出部2で個別に検出することにより、それらの検出信号に基づいて試料ガス中の粒子数を粒子径ごとに測定することができる。
なお、最も上流側の第1測定電極131に到達する粒子P1よりも小径の微細な粒子Pは、いずれの測定電極13にも到達せず、トラップ電極14に接触する。このとき、接地電位に接続されたトラップ電極14は、微細な粒子Pから電荷を受け取ることとなる。これにより、測定電極13に到達しない微細な粒子Pによって、ハウジング11内の所望しない部分が帯電するのを防止することができる。
演算部3による演算を行う際には、複数の測定電極13に含まれる1対の測定電極13における検出部2からの検出信号に基づいて、試料ガス中の粒子数が演算される。測定中は、上流側の測定電極13(例えば第1測定電極131、第2測定電極132及び第3測定電極133)において、試料ガス中の帯電した粒子Pから電荷が受け取られる。一方、下流側の測定電極13(例えば第4測定電極134、第5測定電極135及び第6測定電極136)までは帯電した粒子Pが到達しないか、あるいは、到達したとしても少量の粒子Pしか到達しない。このような下流側の測定電極13は、検出信号に含まれるノイズ成分を演算により除去するためのダミー電極として機能することとなる。
この場合、例えば上流側の測定電極13のいずれかと、下流側の測定電極13のいずれかとからなる1対の測定電極13について、それぞれに対応する検流回路からの検出信号を互いに減算する演算が行われる。これにより、ノイズ成分が除去されたデータとして算出することができる。
4.切替部の動作
図4A及び図4Bは、電圧印加部17における切替部171の動作について説明するための概略断面図である。図4Aでは、切替部171により第2分級電極122に一定電圧が印加された状態が示されており、図4Bでは、切替部171により第2分級電極122が接地電位に接続された状態が示されている。図4A及び図4Bのいずれの場合においても、第1分級電極121に対しては、電圧印加部17により一定電圧が常に印加される。
図4Aに示した状態では、電圧印加部17が、第2分級電極122に対して一定電圧を印加した状態となる。この状態では、流路113内を流通方向Dに沿って流れる試料ガス中の粒子Pは、第2分級電極122に対向する位置に到達した時点で、第2分級電極122により発生される電界から力を受ける。そのため、試料ガス中の粒子Pは、第2分級電極122に対向する位置から徐々に測定電極13側に引き付けられる。
微細な粒子P(例えば、粒子径が10nm以上、23nm未満)は、測定電極13側に急速に引き付けられるため、図4Aに示すように、最も上流側の第1測定電極131にすら到達せず、トラップ電極14に接触する。したがって、この微細な粒子Pは検出部2で検出されず、測定電極13に到達する粒子Pの粒子径の下限値は、比較的大きい値(例えば23nm)となる。測定電極13に到達しない微細な粒子Pからトラップ電極14が電荷を受け取ることになるため、測定電極13に到達しない帯電した粒子Pによって、ハウジング11内の所望しない部分が帯電するのを防止することができる。
一方、図4Bに示した状態では、電圧印加部17が、第2分級電極122に対して接地電位を接続した状態となる。この状態では、流路113内を流通方向Dに沿って流れる試料ガス中の粒子Pは、第2分級電極122に対向する位置に到達した時点では電界から力を受けない。その後、試料ガス中の粒子Pが流路113内を下流側に流れて、第1分級電極121に対向する位置に到達した時点で初めて、第1分級電極121により発生される電界から力を受ける。そのため、試料ガス中の粒子Pは、第2分級電極122よりも下流側の第1分級電極121に対向する位置から徐々に測定電極13側に引き付けられる。
この場合、微細な粒子P(例えば、粒子径が10nm以上、23nm未満)は、図4Bに示すように、最も上流側の第1測定電極131に到達し、検出部2で検出されるため、測定電極13に到達する粒子Pの粒子径の下限値は、比較的小さい値(例えば10nm)となる。このように、第2分級電極122に対して一定電圧を印加した状態(図4A参照)と、接地電位を接続した状態(図4B参照)とで、測定電極13に到達する粒子Pの粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子Pの粒子径の下限値を変更することができる。なお、上記のような10nmや23nmといった粒子径は、排ガス規制の基準値の一例に過ぎず、これらの数値に限られるものではない。
本実施形態では、第2分級電極122が測定電極13に対向しない位置に設けられているため、図4Aのように第2分級電極122に対して一定電圧を印加した状態では、測定電極13よりも上流側に設けられた第2分級電極122に対向する位置から、粒子Pが測定電極13側に引き付けられる。これにより、所望しない微細な粒子Pが測定電極13に到達するのを効果的に防止することができる。
5.変形例
以上の実施形態では、分級部1に6枚の測定電極13が設けられた構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、測定電極13は5枚以下であってもよいし、7枚以上であってもよい。測定電極13は、少なくとも1つ設けられていればよく、例えば測定電極13が1枚だけ設けられた構成であっても、本発明を適用することが可能である。また、分級電極12は、第1分級電極121及び第2分級電極122の2枚に限らず、3枚以上設けられていてもよい。
ハウジング11は、第1ハウジング111と第2ハウジング112とが組み合わせられることにより構成されるものに限らない。例えば、ハウジング11は、第1ハウジング111と第2ハウジング112とが一体的に形成された構成などであってもよい。
電圧印加部17は、スイッチからなる切替部171を備えた構成に限られるものではない。すなわち、電圧印加部17は、第2分級電極122に対して一定電圧を印加した状態又は接地電位を接続した状態のいずれかに切り替えることができるような構成であれば、他のあらゆる構成を採用することができる。
本発明に係る排ガス測定装置は、自動車の排ガスを測定するものに限らず、他の装置や設備などから発生する排ガスを測定するものであってもよい。また、本発明に係る排ガス測定装置は、自動車などに装着された状態で使用されるような構成に限らず、測定対象物から分離した状態で使用されてもよい。
6.別実施形態
図5A及び図5Bは、本発明の別実施形態に係る排ガス測定装置の接続切替部18の動作について説明するための概略断面図である。本実施形態では、上記実施形態のように電圧印加部17が切替部171を備えた構成ではなく、測定電極13に対応付けて接続切替部18が設けられている。そのため、分級電極12は、上記実施形態のように第1分級電極121及び第2分級電極122からなる構成ではなく、1枚の電極により構成されている。本実施形態において、上記実施形態と同様の構成については、図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、トラップ電極14の流通方向Dに沿った長さが上記実施形態よりも短く設定され、上記実施形態の場合よりも流通方向Dの上流側に第1測定電極131が配置されている。最も上流側の第1測定電極131は、下流側の他の測定電極13よりも流通方向Dに沿った長さが短い。
接続切替部18は、例えばスイッチからなり、第1測定電極131を接地電位に接続した状態(図5A参照)、又は、流通方向Dにおいて第1測定電極131の下流側に隣接する第2測定電極132に接続した状態(図5B参照)のいずれかに切り替えることができる。本実施形態では、第1測定電極131に対応する検流回路21は設けられておらず、第1測定電極131が帯電した粒子Pから受け取る電荷は、図5Bに示す状態で検流回路22により検出されることとなる。
接続切替部18による切替は、自動で行われてもよいし、ユーザが操作部(図示せず)を操作することにより手動で行われてもよい。この場合、第1測定電極131を接地電位に接続するモードと、第1測定電極131を第2測定電極132に接続するモードとが設けられており、それらのモードのいずれかを選択することができるような構成となっていてもよい。
流路113内を流通方向Dに沿って流れる試料ガス中の粒子Pは、分級電極12に対向する位置に到達した時点で、分級電極12により発生される電界から力を受ける。そのため、試料ガス中の粒子Pは、分級電極12に対向する位置から徐々に測定電極13側に引き付けられる。このとき、粒子径が10nm以下の微細な粒子Pは、測定電極13側に急速に引き付けられ、図5A及び図5Bに示すように、第1測定電極131に引き付けられる。
図5Aに示した状態では、第1測定電極131が接地電位に接続された状態となる。この状態では、第1測定電極131が粒子Pから受け取る電荷が検流回路22で検出されず、検出部2で検出される粒子Pの粒子径の下限値は、10nmよりも大きい値(例えば23nm)となる。
一方、図5Bに示した状態では、第1測定電極131が第2測定電極132に接続された状態となる。この状態では、第1測定電極131が粒子Pから受け取る電荷が検流回路22で検出されるため、検出部2で検出される粒子Pの粒子径の下限値は、10nm以下の値となる。このように、第1測定電極131に対して接地電位を接続した状態(図5A参照)と、第2測定電極132を接続した状態(図5B参照)とで、検出部2で検出される粒子Pの粒子径を変化させることができるため、測定可能な粒子Pの粒子径の下限値を変更することができる。
ただし、接続切替部18は、スイッチからなる構成に限られるものではない。すなわち、接続切替部18は、第1測定電極131を接地電位に接続した状態又は第2測定電極132に接続した状態のいずれかに切り替えることができるような構成であれば、他のあらゆる構成を採用することができる。
1 分級部
2 検出部
3 演算部
11 ハウジング
12 分級電極
13 測定電極
14 トラップ電極
15 風量センサ
16 ポンプ
17 電圧印加部
18 接続切替部
21〜26 検流回路
111 第1ハウジング
112 第2ハウジング
113 流路
114 入口
115 出口
121 第1分級電極
122 第2分級電極
131 第1測定電極
132 第2測定電極
133 第3測定電極
134 第4測定電極
135 第5測定電極
136 第6測定電極
171 切替部
P,P1,P2 粒子

Claims (6)

  1. 試料ガスが流れる流路を内部に有し、当該流路に対する入口及び出口が形成されたハウジングと、
    前記入口から前記出口へと前記流路内に試料ガスを流通させる送風機構と、
    前記流路の内面に設けられた測定電極と、
    前記流路の内面における前記測定電極に対して前記流路を挟んで反対側に設けられ、前記流路内に電界を発生させることにより、前記流路内を流れる試料ガス中の帯電粒子を前記測定電極に引き付ける複数の分級電極と、
    前記測定電極が試料ガス中の帯電粒子から受け取る電荷を検出する検出部と、
    前記複数の分級電極に含まれる第1分級電極及び第2分級電極のうち、前記第1分級電極に対しては一定電圧を印加し、前記流路内における試料ガスの流通方向において前記第1分級電極よりも上流側に位置する前記第2分級電極に対しては、前記一定電圧を印加した状態又は接地電位を接続した状態のいずれかに切り替える電圧印加部とを備えることを特徴とする排ガス測定装置。
  2. 前記第1分級電極は、前記測定電極に対向する位置に設けられ、
    前記第2分級電極は、前記測定電極に対向しない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排ガス測定装置。
  3. 前記流路の内面における前記流路に対して前記測定電極側に設けられ、前記流通方向において前記測定電極よりも上流側に位置し、接地電位に接続されたトラップ電極をさらに備え、
    前記第2分級電極は、前記トラップ電極に対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の排ガス測定装置。
  4. 前記測定電極は、前記流路の内面に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス測定装置。
  5. 前記複数の測定電極に含まれる1対の測定電極における前記検出部からの検出信号に基づいて、試料ガス中の粒子数を演算する演算部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の排ガス測定装置。
  6. 試料ガスが流れる流路を内部に有し、当該流路に対する入口及び出口が形成されたハウジングと、
    前記入口から前記出口へと前記流路内に試料ガスを流通させる送風機構と、
    前記流路の内面に設けられた複数の測定電極と、
    前記流路の内面における前記複数の測定電極に対して前記流路を挟んで反対側に設けられ、前記流路内に電界を発生させることにより、前記流路内を流れる試料ガス中の帯電粒子を前記複数の測定電極のいずれかに引き付ける分級電極と、
    前記複数の測定電極が試料ガス中の帯電粒子から受け取る電荷を検出する検出部と、
    前記複数の測定電極に含まれる第1測定電極を接地電位に接続した状態、又は、前記流路内における試料ガスの流通方向において前記第1測定電極の下流側に隣接する第2測定電極に接続した状態のいずれかに切り替える接続切替部とを備えることを特徴とする排ガス測定装置。
JP2016102374A 2016-05-23 2016-05-23 排ガス測定装置 Pending JP2017211190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016102374A JP2017211190A (ja) 2016-05-23 2016-05-23 排ガス測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016102374A JP2017211190A (ja) 2016-05-23 2016-05-23 排ガス測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017211190A true JP2017211190A (ja) 2017-11-30

Family

ID=60475321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016102374A Pending JP2017211190A (ja) 2016-05-23 2016-05-23 排ガス測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017211190A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023507046A (ja) * 2019-12-20 2023-02-20 瑞芯智造(深セン)科技有限公司 マイクロナノ粒子の測定装置及び方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023507046A (ja) * 2019-12-20 2023-02-20 瑞芯智造(深セン)科技有限公司 マイクロナノ粒子の測定装置及び方法
US20230078753A1 (en) * 2019-12-20 2023-03-16 Resun (Shenzhen) Tech Co., Ltd. Micro-nano particle detection device and method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9574986B2 (en) Apparatus and process for producing acknowledged air flow and the use of such apparatus in measuring particle concentration in acknowledged air flow
Wen et al. Novel electrodes of an electrostatic precipitator for air filtration
EP3365093A1 (en) Air cleaning device and apparatus
JP2016209875A (ja) エアークリーニング装置
JP5851534B2 (ja) 微粒子測定装置
JP5914015B2 (ja) 除電装置および方法
KR101559765B1 (ko) 양극 하전을 이용한 집진효율 상승 입자포집장치 및 이를 포함하는 입자포집 시스템
JP2015114176A (ja) 粒子測定装置、及び粒子測定方法
JP2017211190A (ja) 排ガス測定装置
US20060249025A1 (en) Electrostatic precipitator
KR101179039B1 (ko) 입자 분리 장치 및 이를 이용한 섬유형상 입자의 분리방법
Niewulis et al. Influence of electrode geometric arrangement on the operation of narrow circular electrostatic precipitator
JP2008096322A (ja) 粒子分級装置
JP2011031127A (ja) 集塵装置
JP2965952B2 (ja) トンネル用電気集塵装置
KR20130090535A (ko) 섬유형상 입자의 분리 방법 및 시스템
JP2017211191A (ja) 排ガス測定装置
JP4942175B2 (ja) 交流電場を用いて微粒子を質量分級する微粒子計測装置および計測方法
WO2017195723A1 (ja) 粒子荷電装置
Takana et al. Nano powder transportation by combining plasma actuation and electrostatic mixing in a tube
JP4655738B2 (ja) 帯電粒子量評価装置および帯電粒子量評価方法
JP2007245094A (ja) 電気集塵装置
KR20080083854A (ko) 가변형 입경 분리기
KR101411333B1 (ko) 열발생부재를 포함하는 미세유동 채널 및 이를 구비하는 미세입자 모니터링 장치
Chua et al. A configuration for high flow rate, high efficiency and low pressure loss micromachined active air filtration element for airborne micro-nanoscale particles separation and removal