JP2017210901A - 遠心圧縮機、ターボチャージャ - Google Patents

遠心圧縮機、ターボチャージャ Download PDF

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Masayoshi Otsuka
正義 大塚
剛 樹杉
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剛 樹杉
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Abstract

【課題】遠心圧縮機のサージングの発生を抑制することができる遠心圧縮機、ターボチャージャを得る。【解決手段】凹部70の壁面に沿って螺旋状に流れて湾曲部70Bに達した空気は、湾曲部70Bによって流れ方向が変えられ、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に進行する(矢印M5)。これにより、流入流路52から流入してインペラ32側へ流れる空気(矢印M1)は、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に押される。そして、インペラ32側へ流れる空気の圧力が高くなり、サージングの発生を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、遠心圧縮機、及びターボチャージャに関する。
特許文献1に記載の遠心圧縮機では、遠心圧縮機から排出される圧縮空気の流量が小さくなると、遠心圧縮機の空気入口に設けられた案内羽根の傾斜角度を大きくすることで、空気の流れ方向が変えられるようになっている。
国際公開第2014/033878号
ターボチャージャ用の遠心圧縮機では、同一回転数で圧縮空気の流量が小さくなると、出口圧力が高くなる。これにより、空気の一部が、インペラ出口からシュラウド側の隙間を通って、インペラ入口に逆流する。この逆流は、回転方向に旋回するらせん状の流れとなって、遠心圧縮機の入口外周面に沿って流出する。この逆流によって遠心圧縮機側に流れる主流に旋回速度が与えられ、入口流れは、旋回流となる。圧縮空気の流量が小さくなるほど逆流する流量は増加するので、螺旋状の旋回流れの角度は小さくなる。それにより主流の予旋回が強くなり、インペラの過給仕事が減少し、圧力比も低下する。主流の流れ角が小さくなると、インペラ入口の迎え角が大きくなり、インペラに流入した流れに剥離が生じ、サージジングが発生しやすくなる。
本願発明の課題は、遠心圧縮機のサージングの発生を抑制することである。
本発明の請求項1に係る遠心圧縮機は、軸周りに回転し、軸方向から流入する空気を圧縮して径方向へ流す回転翼と、前記回転翼へ空気を導く流入流路が前記軸方向に延びて形成されている導入部と、を備え、前記流入流路は、前記軸方向に延びる円柱状の第一流路と、前記第一流路の全周に亘って形成されている凹部とから形成され、前記回転翼の軸線に沿って切断した前記凹部の断面形状が、前記回転翼に流入する空気の流入方向の上流側の部分に湾曲状の湾曲部を有する釣り針形状とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、回転する回転翼は、導入部に形成され、軸方向に延びる流入流路から流入する空気を圧縮して径方向へ流す。ここで、遠心圧縮機から排出される圧縮空気の流量が小さい場合には、回転する回転翼によって圧縮されて径方向へ流された空気の一部は、折り返して流入流路側へ流れる(逆流する)。
そして、流入流路側へ逆流した空気は、流入流路を螺旋状に流れ、回転翼へ流入する空気の流入方向の上流側へ進行する。また、流入流路を螺旋状に流れる空気は、流入流路の壁面から凹んだ凹部の壁面に沿って流れる。
ここで、凹部は、第一流路の全周に亘って形成され、回転翼の軸線に沿って切断した凹部の断面は、回転翼へ流入する空気の流入方向の上流側に湾曲部を有する釣り針形状とされている。このため、凹部の壁面に沿って螺旋状に流れる空気は、湾曲部によって進行方向が変えられ、回転翼の回転中心側に進行する。
この回転翼の回転中心側に進行する空気によって、流入流路から流入して回転翼側へ流れる空気は、軸方向から見て、回転翼の回転中心側に押される。これにより、回転翼側へ流れる空気の圧力は高くなる。このため、回転する回転翼によって圧縮されて径方向へ流された空気の逆流は、抑制される。
このように空気の逆流が抑制されることで、サージングの発生を抑制することができる。
本発明の請求項2に係る遠心圧縮機は、請求項1に記載の遠心圧縮機において、前記回転翼の軸線に沿って切断した前記凹部の断面形状は、前記回転翼の軸線に対して傾斜した直線部と、前記回転翼に流入する空気の流入方向の上流側の端部が前記直線部と接する前記湾曲部とから形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、回転翼の軸線に沿って切断した凹部の断面は、回転翼の軸線に対して傾斜した直線部と、一端が直線部と接した湾曲部とから形成されている。
これにより、直線部に沿って螺旋状に流れる空気は、壁面と剥離することなく進行して湾曲部に達する。そして、湾曲部に達した空気は、湾曲部によって流れ方向が変えられ、軸方向から見て、回転翼の回転中心側に進行する。
このように、直線部に沿って螺旋状に流れる空気は、壁面と剥離することなく進行するため、直線部が形成されていない場合と比して、湾曲部によって流れ方向が変えられ、回転翼の回転中心側に進行する空気の流量を大きくすることができる。
本発明の請求項3に係る遠心圧縮機は、請求項2に記載の遠心圧縮機において、前記回転翼の軸線に沿って切断した前記凹部の断面形状において、前記湾曲部の先端側の部分は、前記回転翼側に向かっていることを特徴とする。
上記構成によれば、回転翼の軸線に沿って切断した凹部の断面形状において、湾曲部の先端側の部分は、回転翼側に向かっている。このため、湾曲部に達した空気は、湾曲部によって流れ方向が変えられ、軸方向から見て、回転翼の回転中心側で、かつ、径方向から見て、回転翼側に進行する。
このため、湾曲部に達した空気が、径方向から見て、回転翼側に進行しない場合と比して、流入流路から流入して回転翼側へ流れる空気は、軸方向から見て、回転翼の回転中心側に押される。
本発明の請求項4に係るターボチャージャは、エンジンから排出される排気ガスが流れる力によって回転するタービンロータを有するタービンユニットと、前記タービンロータから回転力が回転翼に伝達され、前記エンジンに供給する空気を圧縮する請求項1〜3の何れか1項に記載の遠心圧縮機と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、遠心圧縮機におけるサージングの発生が抑制されることで、圧縮空気をエンジンに効率よく供給することができる。
本発明によれば、流入流路から流入した空気が流入流路側へ逆流することに起因するサージングの発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した正面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機のサージング限界をグラフで示した図面である。 (A)(B)本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機のCFD解析の解析結果、及び比較形態に係る遠心圧縮機のCFD解析の解析結果を示した図面である。 本発明の第1実施形態に係るターボチャージャを示した構成図である。 本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る遠心圧縮機を示した正面図である。 本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に対する比較形態に係る遠心圧縮機を示した正面図である。 本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例について図1〜図9を用いて説明する。
(全体構成)
本第1実施形態に係るターボチャージャ10は、図6に示されるように、タービンユニット20、遠心圧縮機30、及びタービンユニット20と遠心圧縮機30とを連結する連結ユニット40を備えている。そして、タービンユニット20は、自動車のエンジン(図示省略)の排気通路12の途中に配置され、遠心圧縮機30は、このエンジンの吸気通路14の途中に配置されている。
また、タービンユニット20は、ハウジング24を備え、遠心圧縮機30は、ハウジング50を備え、連結ユニット40は、ハウジング24とハウジング50とを連結するハウジング44を備えている。
さらに、ターボチャージャ10は、ハウジング24、ハウジング44、及び ハウジング50の内部を通る回転軸42を備えている、そして、この回転軸42の軸方向(図中矢印E方向:以下単に「軸方向」)の一端側(図中右側)から他端側(図中左側)へ、ハウジング24、ハウジング44、及び ハウジング50は、この順番で並んでおり、図示せぬ固定具で互いに固定されている。
〔タービンユニット〕
タービンユニット20は、図6に示されるように、ハウジング24と、タービンロータ22とを備えている。ハウジング24は、内部が空洞とされ、このハウジング24の内部に、タービンロータ22が配置されている。そして、タービンロータ22は、回転軸42の軸方向の一端側の部分に固定されているロータ軸部28と、ロータ軸部28から延出する複数のタービン翼26とを有している。
また、ハウジング24においてタービンロータ22に対して回転軸42の径方向(図中矢印K方向:以下単に「径方向」)の外側の部分には、排気通路12を流れる排気ガスをハウジング24の内部へ流入させる渦巻き状の渦巻き流路24Aが形成されている。さらに、ハウジング24においてタービンロータ22に対して軸方向の外側(ハウジング44とは反対側:図中右側)の部分には、排気ガスをハウジング24の外部に排出させて排気通路12へ流出させる排出流路24Bが形成されている。
この構成において、渦巻き流路24Aからハウジング24の内部へ流入した排気ガス(流体の一例)は、隣り合うタービン翼26の間へ流れ込むようになっている。そして、排気ガスは、複数のタービン翼26を押すことで、タービンロータ22を回転させるようになっている。さらに、タービンロータ22を回転させた排気ガスは、排出流路24Bから排出されるようになっている。このように、タービンロータ22は、所謂ラジアルタービンロータとされている。
〔連結ユニット〕
連結ユニット40は、図6に示されるように、ハウジング44を備えている。そして、このハウジング44は、回転軸42を回転可能に支持する支持部44Aを有している。
さらに、ハウジング44は、支持部44Aへ供給されるエンジンオイルをハウジング44の内部へ流入させる流入口(図示省略)と、エンジンオイルをハウジング44の外部に排出させる排出口(図示省略)とを有している。
この構成において、ハウジング44の内部へ流入したエンジンオイルは、支持部44Aに供給され、回転軸42が滑らかに回転軸42の周方向に回転するようになっている。
〔遠心圧縮機〕
遠心圧縮機30は、図6に示されるように、ハウジング50と、回転翼の一例としてのインペラ32とを備えている。ハウジング50は、内部が空洞とされ、このハウジング50の内部に、インペラ32が配置されている。そして、インペラ32は、回転軸42の軸方向の他端側の部分に固定されている回転軸部34と、回転軸部34から延出する複数のインペラ翼36とを有している。
また、ハウジング50においてインペラ32に対して軸方向の外側(ハウジング44とは反対側:図中左側)の部分には、吸気通路14を流れる空気をハウジング50の内部へ流入させる流入流路52が形成されている。さらに、ハウジング50においてインペラ32に対して径方向の外側の部分には、空気をハウジング50の外部に排出させて吸気通路14へ流出させる渦巻き状の渦巻き流路54(所謂スクロール流路)が形成されている。
なお、遠心圧縮機30については詳細を後述する。
(全体構成の作用)
次に、ターボチャージャ10の作用について説明する。
タービン翼26は、渦巻き流路24Aからハウジング24の内部へ流入した排気ガスによって押される。これにより、タービンロータ22は、回転する。回転軸42は、タービンロータ22の回転力をインペラ32に伝達する。なお、ハウジング24の内部でタービンロータ22を回転させた排気ガスは、排出流路24Bから排気通路12へ流出する。
インペラ32は、回転軸42を介してタービンロータ22の回転力が伝達されることで回転する。そして、回転するインペラ32は、流入流路52からハウジング50の内部へ流入した空気を圧縮する。さらに、圧縮された圧縮空気は、渦巻き流路54を流れて吸気通路14へ排出する。渦巻き流路54から流出した圧縮空気は、燃焼用の圧縮空気としてエンジンに供給される。
(要部構成)
次に、遠心圧縮機30について説明する。
遠心圧縮機30は、図6に示されるように、ハウジング50と、ハウジング50の内部に配置されるインペラ32とを備えている。
〔インペラ〕
インペラ32は、前述したように、回転軸42の軸方向の他端側の部分に固定されている回転軸部34と、回転軸部34から延出する複数のインペラ翼36とを有している。
この回転軸部34は、軸方向の外側(ハウジング44とは反対側:図中左側)に向かうに従って徐々に細くなっている。また、夫々のインペラ翼36は、図2に示されるように、軸方向から見て、回転軸部34から湾曲しながら径方向の外側へ延出している。そして、夫々のインペラ翼36は、図6に示されるように、軸方向の外側の部分で径方向に延びる先端縁36Aと、先端縁36Aにおいて径方向の外側の端部から湾曲しながら軸方向の内側へ延びる湾曲縁36Bとを有している。さらに、夫々のインペラ翼36は、湾曲縁36Bにおいて径方向の外側の端部から軸方向に延びる基端縁36Cを有している。
この構成において、回転するインペラ32は、インペラ翼36の先端縁36Aから流入する空気を圧縮し、圧縮した空気(圧縮空気)をインペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側へ流すようになっている。
〔ハウジング〕
ハウジング50には、インペラ32によって圧縮された圧縮空気が流れる拡散流路56(所謂ディフューザ流路)と、吸気通路14に圧縮空気を排出する渦巻き流路54とが形成されている。
さらに、ハウジング50においてインペラ32に対して軸方向の外側の部分は、軸方向に延びる断面円状の導入部60とされ、この導入部60には、吸気通路14を流れる空気をインペラ32側へ流す流入流路52が形成されている。
また、図1に示されるように、インペラ翼36の湾曲縁36Bとハウジング50との間には、隙間58が形成されている。
拡散流路56は、図2に示されるように、軸方向から見て、インペラ32を囲むように形成されている。そして、図1に示されるように、回転するインペラ32によって圧縮され、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側へ流された圧縮空気は、拡散流路56に流れ込むようになっている。
渦巻き流路54は、図2に示されるように、軸方向から見て、拡散流路56を囲むように渦巻き状に形成され、渦巻き流路54の一端には、圧縮空気を吸気通路14に排出するための排出口54Aが形成されている。この渦巻き流路54は、図1に示されるように、拡散流路56とつながっており、渦巻き流路54の流路断面は、おおむね円形とされている。そして、拡散流路56に流れ込んだ圧縮空気は、渦巻き流路54を流れて吸気通路14へ流出するようになっている。
流入流路52は、図1に示されるように、軸方向に延びる円柱状の第一流路68と、第一流路68のインペラ32側に形成されている漏斗状の漏斗路66と、第一流路68の全周に亘って形成されている凹部70とから形成されている。
そして、第一流路68は、円柱面68Aによって形成され、漏斗路66は、漏斗面66Aによって形成されている。また、漏斗路66の最小直径(図1のD1)は、回転するインペラ翼36の先端縁36Aが描く円の直径(図1のD2)と比して大きくされている。また、導入部60において軸方向の外側の部分には、吸気通路14を形成するダクト80が繋がる端面64が形成されている。
これにより、流入流路52は、吸気通路14を流れる空気をインペラ32の先端縁36Aへ流すようになっている。
また、インペラ32の軸線に沿って切断した凹部70の断面形状は、図1に示されるように、直線部70Aと、湾曲部70Bとから形成されている。直線部70Aは、インペラ32の軸線に対して傾斜しており、湾曲部70Bは、軸方向の外側の一端が直線部70Aと接し他端が円柱面68Aまで達している湾曲状の湾曲部70Bとで形成されている釣り針形状(フック形状又は鉤状)とされている。
そして、湾曲部70Bの他端側の角度(図6のM)は、90度より小さくされている。換言すれば、湾曲部70Bの他端側(先端側)の部分は、インペラ32側に向かっている。また、この断面において、直線部70Aは、漏斗面66Aの延長線上に位置し、湾曲部70Bは、凹部70において、インペラ32へ流入する空気の流入方向の上流側(軸方向の外側)の部分に位置している。
なお、本実施形態では、インペラ32の軸線に沿って切断した湾曲部70Bの断面は、円弧状とされている。
本実施形態では、一例として、円柱面68Aの直径(図1のD3)は、51〔mm〕程度とされ、凹部70の深さ(図1のF1)は、7.5〔mm〕程度とされている。
(作用)
次に、本第1実施形態に係る遠心圧縮機30の作用について、本第1実施形態に対する比較形態に係る遠心圧縮機100と比較しつつ説明する。
比較形態に係る遠心圧縮機100の導入部60には、図7、図9に示されるように、凹部70は、形成されていない。なお、遠心圧縮機100の他の構成については、遠心圧縮機30と同様である。
この構成において、遠心圧縮機100から排出される圧縮空気の流量が小さい場合について説明する。
回転するインペラ32は、図7に示されるように、第一流路68を軸方向に沿ってインペラ32側へ流れ、インペラ翼36の先端縁36Aから流入する空気(矢印L1)を圧縮し、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流す。ここで、遠心圧縮機100から排出される圧縮空気の流量が小さい場合には、遠心圧縮機100の圧力比(遠心圧縮機100の出口における圧力P2と入口における圧力P1との比P2/P1)は、遠心圧縮機100から排出される圧縮空気の流量が大きい場合と比して、大きくなっている。
このため、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れ込んだ空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気(矢印L2)と、逆方向に折り返してインペラ翼36とハウジング50との隙間58を通って流入流路52側へ流れる空気(矢印L3)とに分かれる。
さらに、流入流路52側へ逆流した空気は、図7、図8に示されるように、流入流路52を形成している漏斗面66A及び円柱面68Aに沿ってインペラ32の回転方向に回って螺旋状に流れ(矢印L4)、軸方向の外側に進行し、導入部60から外側へ流出する。
なお、遠心圧縮機100から排出される圧縮空気の流量が大きい場合には、遠心圧縮機100の圧力比は、遠心圧縮機100から排出される圧縮空気の流量が小さい場合と比して、小さくなっている。このため、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れ込んだ空気の逆流が抑制される。
次に、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が小さい場合について説明する。回転するインペラ32は、図1に示されるように、流入流路52を軸方向に沿ってインペラ32側へ流れ、インペラ翼36の先端縁36Aから流入する空気(矢印M1)を圧縮し、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流す。ここで、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が小さい場合には、遠心圧縮機30の圧力比は、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が大きい場合と比して、大きくなっている。
このため、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れ込んだ空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気(矢印M2)と、逆方向に折り返してインペラ翼36とハウジング50との隙間58を通って流入流路52側へ流れる空気(矢印M3)とに分かれる。
さらに、流入流路52側へ逆流した空気は、図1、図2に示されるように、漏斗路66を形成する漏斗面66Aに沿ってインペラ32の回転方向に回りながら螺旋状に流れる(矢印M4)。ここで、インペラ32の軸線に沿って切断した凹部70の断面は、インペラ32の軸線に対して傾斜した直線部70Aと、一端が直線部70Aと接し他端が第一流路68の円柱面68Aに達する湾曲部70Bとで形成される釣り針形状とされている。また、この断面において、直線部70Aは、漏斗面66Aの延長線上に位置している。
そこで、漏斗面66Aに沿って螺旋状に流れる空気は、壁面から剥離することなく軸方向の外側に進行して直線部70Aへ達する。さらに、直線部70Aに沿って螺旋状に流れる空気は、壁面と剥離することなく軸方向の外側に進行して湾曲部70Bに達する。そして、湾曲部70Bに達した空気は、湾曲部70Bによって流れ方向が変えられ、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側で、かつ、径方向から見て、軸方向の内側に進行する(図1の矢印M5)。
これにより、流入流路52から流入してインペラ32側へ流れる空気(矢印M1)は、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に押される(図1の矢印F1)。このため、インペラ32側へ流れる空気の圧力は、遠心圧縮機100を用いる場合と比して、高くなる。
なお、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が大きい場合には、遠心圧縮機30の圧力比は、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が小さい場合と比して、小さくなっている。このため、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れ込んだ空気の逆流が抑制される。
ここで、遠心圧縮機30、100のサージング限界について説明する。
図4に示されるグラフの縦軸は遠心圧縮機30、100を用いた場合の圧力比を示し、横軸は遠心圧縮機30、100から排出される圧縮空気の流量〔g/sec〕を示している。
図4に示すグラフ中の実線G1は、インペラ32の回転数を一定にし、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量を変えた場合の圧縮空気の流量と圧力比との関係を示している。これに対して、破線J1は、インペラ32の回転数を実線G1と同様の回転数にし、遠心圧縮機100から排出される圧縮空気の流量を変えた場合の圧縮空気の流量と圧力比との関係を示している。
そして、圧縮空気の流量を徐々に小さくし、サージング(遠心圧縮機が正常に機能しなくなる現象)が発生する圧縮空気の流量と圧力比とを検出した。遠心圧縮機30については、点g1でサージングが発生し、遠心圧縮機100については、点j1でサージングが発生した。なお、サージングについては、ハウジング50に振動計を取り付けて、振幅が予め定められた閾値に達した場合に、サージングの発生と判断した。
また、実線G2は、遠心圧縮機30を用い、実線G1と比して回転数を高くした場合を示している。そして、遠心圧縮機30においては、点g2でサージングが発生した。これに対して、破線J2は、遠心圧縮機100を用い、インペラ32の回転数を実線G2と同様の回転数とした場合を示している。そして、遠心圧縮機100においては、点j2でサージングが発生した。
また、他の回転数においても実線G1、G2及び破線J1、J2と同様の作業を行い、遠心圧縮機30、100においてサージングが発生する圧縮空気の流量と圧力比とを求めた。
そして、グラフ中の破線H1が、遠心圧縮機30を用いた場合のサージング限界線H1(以下「限界線H1」)であり、グラフ中の破線H2が、遠心圧縮機100を用いた場合のサージング限界線H2(以下「限界線H2」)である。
遠心圧縮機30では、グラフ中の限界線H1よりも右側(流量が大きい側)のエリアでサージングが発生することがない。また、遠心圧縮機100では、グラフ中の限界線H2よりも右側(流量が大きい側)のエリアでサージングが発生することがない。
ここで、限界線H1と限界線H2とを比較すると、限界線H1が限界線H2と比して図中左側(空気流量が小さい側)に位置している。これにより、圧縮空気の流量が小さい場合に、遠心圧縮機30では、遠心圧縮機100と比して、サージングの発生が抑制されていることが分かる。
次に、インペラ32の回転数を同様にして圧縮空気の流量を小さくすると、サージングが発生する理由について説明する。
圧縮空気の流量が小さくなると、前述したように、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れ込んだ空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気と、逆方向に折り返してインペラ翼36とハウジング50との隙間58を通って流入流路52側へ流れる空気とに分かれる(図1参照)。換言すれば、一方向へ流れる空気が分かれながら渦巻き流路54側へ流れる空気と、流入流路52側へ流れる空気とに分かれる。この空気の分離に起因して、サージングが発生してしまう。
ここで、遠心圧縮機30では、遠心圧縮機100と比して、サージングの発生が抑制されている理由について考察する。
前述したように、遠心圧縮機30では、遠心圧縮機100と比して、インペラ32側へ流れる空気の圧力は高くなる。このように、インペラ32側へ流れる空気の圧力が高くなることで、拡散流路56で逆方向に折り返す空気の流量は小さくなる。このため、遠心圧縮機30では、遠心圧縮機100と比して、サージングの発生が抑制されている。
次に、遠心圧縮機30、100とでCFD(Computational Fluid Dynamics)解析を行った。具体的には、遠心圧縮機30と遠心圧縮機100とで、インペラ32側へ流れる空気の流量を同様とし、インペラ32側へ流れる空気の圧力についてCFD解析を行った。
図5(A)が遠心圧縮機30を用いた場合の解析結果を示し、図5(B)が遠心圧縮機100を用いた場合の解析結果を示している。模様を分けることで、流れる空気の圧力の高低を示している。ドットの密度が高い程、空気の圧力が高くなっている。
図5(A)(B)に示される径方向の外側の二層については、流入流路52側へ逆流した空気の圧力を示している。また、インペラ32側へ流れる空気(逆流した空気に囲まれている空気)の圧力の高い部分は、高圧力部102として示されている。
このCFD解析結果から、遠心圧縮機30の高圧力部102の総面積は、遠心圧縮機100の高圧力部102の総面積と比して大きいことが分かる。つまり、遠心圧縮機30において、インペラ32側へ流れる空気の圧力が高くなる部分が、遠心圧縮機100と比して増えている。
(まとめ)
以上説明したように、インペラ32の軸線に沿って切断した凹部70の断面は、インペラ32へ流入する空気の流入方向の上流側の部分に湾曲部70Bを有する釣り針形状とされている。このため、凹部70の壁面に沿って螺旋状に流れて湾曲部70Bに達した空気は、湾曲部70Bによって流れ方向が変えられ、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に進行する(図1の矢印M5)。
これにより、流入流路52から流入してインペラ32側へ流れる空気(矢印M1)は、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に押される(図1の矢印F1)。そして、インペラ32側へ流れる空気の圧力が高くなり、比較形態に係る遠心圧縮機100を用いる場合と比して、サージングの発生を抑制することができる。
また、凹部70の断面は、インペラ32の軸線に対して傾斜し、端部が湾曲部70Bと接する直線部70Aを有する釣り針形状とされている。このため、直線部70Aに沿って螺旋状に流れる空気は、壁面と剥離することなく軸方向の外側に進行して湾曲部70Bに達する。そして、湾曲部70Bに達した空気は、湾曲部70Bによって流れ方向が変えられ、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に進行する(図1の矢印M5)。
このように、直線部70Aに沿って螺旋状に流れる空気は、直線部70Aの壁面と剥離することなく、軸方向の外側へ進行するため、直線部70Aが形成されていない場合と比して、湾曲部70Bによって流れ方向が変えられ、インペラ32の回転中心側に進行する空気の流量を大きくすることができる。
また、インペラ32の軸線に沿って切断した凹部70の断面形状において、湾曲部70Bの他端側の部分は、インペラ32側に向かっている。このため、湾曲部70Bに達した空気は、湾曲部70Bによって流れ方向が変えられ、径方向から見て、インペラ32側に進行する。
これにより、湾曲部70Bに達した空気が、径方向から見て、インペラ32側に進行しない場合と比して、流入流路52から流入してインペラ32側へ流れる空気は、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側に押される。
また、ターボチャージャ10においては、遠心圧縮機30におけるサージングの発生が抑制されることで、圧縮空気をエンジンに効率よく供給することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例について図10を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材等については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
第2実施形態に係る遠心圧縮機150の導入部160には、図10に示されるように、漏斗路が形成されていない。第2実施形態の凹部70の作用については、第1実施形態の凹部70の作用と同様である。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、凹部70の断面は、直線部70Aを有する釣り針形状とされたが、直線部が曲線であってもよい。この場合には、直線部70Aであることで奏する作用は奏しない。
また、上記実施形態では、凹部70は、導入部60、160に1個形成されたが、凹部が軸方向に並んで2個以上形成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、インペラ32の軸線に沿って切断した凹部70の断面において、直線部70Aは、漏斗面66Aの延長線上に位置していたが、直線部70Aが、漏斗面66Aの延長線上に位置していなくてもよい。
また、上記実施形態では、遠心圧縮機30をターボチャージャ10に用いたが、他の空調機器等に用いてもよい。
10 ターボチャージャ
20 タービンユニット
22 タービンロータ
30 遠心圧縮機
32 インペラ(回転翼)
52 流入流路
60 導入部
68 第一流路
70 凹部
70A 直線部
70B 湾曲部
150 遠心圧縮機
152 流入流路

Claims (4)

  1. 軸周りに回転し、軸方向から流入する空気を圧縮して径方向へ流す回転翼と、
    前記回転翼へ空気を導く流入流路が前記軸方向に延びて形成されている導入部と、を備え、
    前記流入流路は、前記軸方向に延びる円柱状の第一流路と、前記第一流路の全周に亘って形成されている凹部とから形成され、前記回転翼の軸線に沿って切断した前記凹部の断面形状が、前記回転翼に流入する空気の流入方向の上流側の部分に湾曲状の湾曲部を有する釣り針形状とされている遠心圧縮機。
  2. 前記回転翼の軸線に沿って切断した前記凹部の断面形状は、前記回転翼の軸線に対して傾斜した直線部と、前記回転翼に流入する空気の流入方向の上流側の端部が前記直線部と接する前記湾曲部とから形成されている請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記回転翼の軸線に沿って切断した前記凹部の断面形状において、前記湾曲部の先端側の部分は、前記回転翼側に向かっている請求項2に記載の遠心圧縮機。
  4. エンジンから排出される排気ガスが流れる力によって回転するタービンロータを有するタービンユニットと、
    前記タービンロータから回転力が回転翼に伝達され、前記エンジンに供給する空気を圧縮する請求項1〜3の何れか1項に記載の遠心圧縮機と、
    を備えるターボチャージャ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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