JP2017210523A - 電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法および電線またはケーブルの製造方法 - Google Patents

電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法および電線またはケーブルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温特性、耐油性、伸びおよび強度のバランスに優れた電線用被覆材料の製造方法を提供すること。【解決手段】要件(a)〜(d)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)1〜100質量部と、ポリオレフィン系樹脂(B)0〜99質量部と、成分(A)及び(B)の合計100質量部に対して金属水酸化物(C)50〜300質量部とを含有する樹脂組成物を架橋させる工程を含む、電線用被覆材料の製造方法:(a)エチレン単位の含有率が70〜95mol%の範囲にあり、α−オレフィン単位の含有率が5〜30mol%の範囲にある;(b)密度が855〜890kg/m3の範囲にある;(c)MFRが0.1〜10g/10分の範囲にある;(d)1H NMR測定により求められる炭素1000個当たりのビニリデン単位が0.03〜1.00個の範囲にある。【選択図】なし

Description

本発明は電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法および電線またはケーブルの製造方法に関し、より詳しくは耐油性および引張伸び等に優れた電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法、ならびに、該製造方法により得られる被覆材料で被覆された電線またはケーブルの製造方法に関する。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などのオレフィン系樹脂と、エチレン系共重合体とを含む組成物を電線もしくはケーブル用被覆材料(以下、単に「電線用被覆材料」ともいう。)として用いることが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
国際公開第2005/092975号パンフレット 特開2006−249136号公報 国際公開第2008/152935号パンフレット 国際公開第2015/129414号パンフレット
EVAにエチレン系共重合体を添加した電線用被覆材料を用いると、低温特性の改善が認められる一方で、耐油性が低下する傾向がある。架橋度を高めることで耐油性を維持することができるが、そうすると伸びおよび強度が低下する問題が生じることが判明した。
本発明の課題は、低温特性、耐油性、伸びおよび強度のバランスに優れた電線用被覆材料の製造方法を提供することにある。
[1] 下記要件(a)〜(d)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)1〜100質量部と、ポリオレフィン系樹脂(B)(ただし、前記成分(A)とは異なる。)0〜99質量部と、前記成分(A)および(B)の合計100質量部に対して金属水酸化物(C)50〜300質量部とを含有する樹脂組成物を架橋させる工程を含む、電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法:
(a)エチレン由来の構成単位の含有率が70〜95mol%の範囲にあり、炭素原子数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有率が5〜30mol%の範囲にある;
(b)ASTM D1505に準拠して求められる密度が855〜890kg/m3の範囲にある;
(c)ASTM D1238に準拠して、190℃および2.16kg荷重の条件で測定したMFRが0.1〜10g/10分の範囲にある;
(d)1H NMR測定により求められる炭素1000個当たりのビニリデン単位が0.03〜1.00個の範囲にある。
[2] 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、エチレンと、炭素数3〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種との共重合体である、項[1]に記載の製造方法。
[3] 前記ポリオレフィン系樹脂(B)が、エチレン・ビニルエステル共重合体、ポリエチレンおよびエチレン・プロピレン・ジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記樹脂組成物を架橋させる工程が、放射線架橋、過酸化物架橋およびシラン架橋のいずれかの方法で行われる、項[1]〜[3]のいずれか一項に記載の製造方法。
[5] JIS C3005で規定する耐油性試験において、前記電線もしくはケーブル用被覆材料からなる試験片を、ASTM D471に規定するIRM902油に120℃で18時間浸漬した後の質量変化率が100%以下である、項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の製造方法。
[6] 項[1]〜[5]のいずれか一項に記載の製造方法により得られた電線もしくはケーブル用被覆材料からなる被覆層を形成する工程を含む、電線またはケーブルの製造方法。
[7] 前記被覆層が電線またはケーブルの外層部である、項[6]に記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、低温特性、耐油性、伸びおよび強度のバランスに優れた電線用被覆材料が得られる。
以下、本発明に係る電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法および電線およびケーブルの製造方法について詳細に説明する。
本発明の電線用被覆材料の製造方法は、後述する要件(a)〜(d)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)1〜100質量部と、ポリオレフィン系樹脂(B)(ただし、前記成分(A)とは異なる。)0〜99質量部と、前記成分(A)および(B)の合計100質量部に対して金属水酸化物(C)50〜300質量部とを含有する樹脂組成物を架橋させる工程(以下「架橋工程」ともいう。)を含むことを特徴とする。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(A)]
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)(以下「エチレン系共重合体(A)」ともいう。)は、エチレン由来の構成単位と、炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを有する共重合体であって、後述する要件(a)〜(d)をすべて満たす。
前記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン等が挙げられる。前記α−オレフィンは、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。また、前記α−オレフィンとしては、炭素数3〜8のα−オレフィンが好ましい。
エチレン系共重合体(A)は、エチレンおよびα−オレフィン以外に由来する構成単位、例えばビニル基を有する非共役ジエン由来の構成単位を有していてもよい。非共役ジエンとしては、例えばビニルノルボルネンなどを挙げることができる。
本発明においては、エチレン系共重合体(A)がエチレン由来の構成単位および炭素数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位のみからなることが、重合体を簡便に製造でき、また重合体のゲルがより少ないなどの点から好ましい。
<要件(a)>
エチレン由来の構成単位(以下「エチレン単位」ともいう。)の含有率が70〜95mol%、好ましくは75〜90mol%の範囲にあり、炭素原子数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位(以下「α−オレフィン単位」ともいう。)の含有率が5〜30mol%、好ましくは10〜25mol%の範囲にある(ただし、エチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100モル%とする。)。
<要件(b)>
ASTM D1505に準拠して求められる密度が855〜890kg/m3、好ましくは860〜885kg/m3の範囲にある。密度が前記範囲であることにより、柔軟性と強度とのバランスに優れた架橋体を得ることができる。
<要件(c)>
ASTM D1238に準拠して、190℃および2.16kg荷重の条件で測定したMFRが0.1〜10g/10分、好ましくは0.2〜5g/10分の範囲にある。
エチレン系共重合体(A)の分子量が大きいほどMFRは小さくなる。MFRが前記上限値以下であることは、得られる成形体の強度が向上する点で好ましく、MFRが前記下限値以上であることは、エチレン系共重合体(A)の溶融成形時の流動性が向上する点で好ましい。
<要件(d)>
1H NMR測定により求められる炭素1000個当たりのビニリデン単位が0.03〜1.00個、好ましくは0.06〜0.50個、より好ましくは0.07〜0.35個の範囲にある。ビニリデン単位が前記範囲にあることは、得られる成形体の機械的強度が向上する点で好ましい。
<ビニル単位数>
前記エチレン系共重合体(A)におけるビニル単位数は特に限定されるものではないが、1H−NMRにより求められる炭素数1000個あたりのビニル単位数が、好ましくは0.06〜1個、より好ましくは0.07〜0.50個、さらに好ましくは0.08〜0.25個の範囲である。
<エチレン系共重合体(A)の製造方法>
前記エチレン系共重合体(A)は、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから構成されるチーグラー系触媒またはメタロセン系触媒の存在下で、エチレンと1種以上の前記α-オレフィンとを共重合させることによって製造することができるが、メタロセン系触媒が好適に用いられる。
前記メタロセン系触媒は、メタロセン化合物(a)と、有機アルミニウムオキシ化合物(b)および/またはメタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(c)とから形成されていてもよく、さらに(a)、(b)および/または(c)とともに有機アルミニウム化合物(d)とから形成されていてもよい。
エチレンとα-オレフィンの共重合は、上記触媒の存在下、通常、炭化水素溶媒を用いた液相で、バッチ式、半連続式または連続式のいずれの方法でも行うことができる。メタロセン化合物(a)と有機アルミニウムオキシ化合物(b)またはイオン化イオン性化合物(c)とからなるメタロセン系触媒が用いられる場合には、重合系内のメタロセン化合物(a)の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。また、有機アルミニウムオキシ化合物(b)は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。イオン化イオン性化合物(c)の場合は、重合系内のメタロセン化合物(a)に対するイオン化イオン性化合物(c)のモル比(イオン化イオン性化合物(c)/メタロセン化合物(a))で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。また、有機アルミニウム化合物を用いる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
共重合反応は、通常、反応温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下で行われる。
エチレンおよびα−オレフィンは、上記組成のエチレン系共重合体(A)が得られるような量で重合系に供給される。共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
[ポリオレフィン系樹脂(B)]
前記ポリオレフィン系樹脂(B)としては、前記エチレン系共重合体(A)以外のポリオレフィン系樹脂であれば特に限定されないが、エチレン・ビニルエステル共重合体、ポリエチレンおよびエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)から選ばれることが好ましい。
<エチレン・ビニルエステル共重合体>
前記エチレン・ビニルエステル共重合体は、少なくともエチレンとビニルエステルとを共重合して得られる重合体である。エチレンとビニルエステルのみを共重合して得られる2元系共重合体であってもよく、この2元系共重合体の性能を阻害しない限りにおいて、他の単量体(他の極性モノマー)を併せて共重合して得られる3元系共重合体であってもよい。
前記ビニルエステルとしては、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどが挙げられ、中でも、酢酸ビニルが好ましい。
前記他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどが挙げられる。また、一酸化炭素を少量共重合させることもできる。
前記エチレン・ビニルエステル共重合体中のエチレン由来の構成単位とビニルエステル由来の構成単位の合計100質量%中、ビニルエステル由来の構成単位の割合は、通常5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは19〜50質量%である。
組成物の物性や加工性の点から、前記エチレン・ビニルエステル共重合体中のメルトフローレート(JIS K7210−99準拠、温度190℃、荷重2160g)は、好ましくは0.1〜50g/10分、より好ましくは0.5〜10g/10分である。
前記エチレン・ビニルエステル共重合体は、例えば、エチレンとビニルエステルとを高温、高圧下でラジカル共重合することにより得られる。特に、オートクレーブ法による高圧ラジカル重合プロセスによって重合すると、ランダム性が良好な共重合体が得られる。
<ポリエチレン>
前記ポリエチレンとしては、特に限定されず、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)などを用いることができる。
<エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)>
前記EPDMとしては、特に限定されず、公知のEPDMを用いることができる。EPDMを構成するジエンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどが挙げられる。
[金属水酸化物(C)]
前記金属水酸化物(C)は、金属の水酸化物であれば特に制限されない。その具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マンガン、水酸化亜鉛、ハイドロタルサイトが挙げられる。これらは一種を単独で、もしくは二種以上の混合物として使用できる。特に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及びハイドロタルサイトからなる群より選ばれる一種以上の金属水酸化物を用いることが好ましい。中でも、水酸化マグネシウム単独、水酸化マグネシウムと水酸化マグネシウム以外の金属水酸化物の混合物、水酸化アルミニウム単独、水酸化アルミニウムと水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物との混合物が好ましく、水酸化マグネシウム単独、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとの混合物がより好ましい。例えば、水酸化マグネシウムの市販品としては、Albemarle社製の商品名Magnifin(登録商標)H5IVがある。水酸化アルミニウムの市販品としては、昭和電工(株)製の商品名ハイジライト(登録商標)HS-330、住友化学工業(株)製の商品名CL-303がある。
金属水酸化物(C)の平均粒径は、通常0.05〜20μm、好ましくは0.1〜5μm)である。
金属水酸化物(C)としては、組成物中の分散性を向上させるために、表面処理剤でその表面を処理した金属水酸化物であることが好ましい。表面処理剤の具体例としては、カプリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノール酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアルカリ金属塩;カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の高級脂肪酸;脂肪酸アミド;脂肪酸エステル;高級脂肪族アルコール;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタンカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;シリコンオイル;各種リン酸エステルが挙げられる。例えば、高級脂肪酸で表面処理した水酸化マグネシウムの市販品としては、協和化学(株)製の商品名キスマ(登録商標)5Bがある。
金属水酸化物(C)の配合割合は、成分(A)および(B)の合計100質量部に対して50〜300質量部であり、好ましくは60〜200質量部である。配合割合を前記範囲内にすることにより、組成物の引張伸びおよび柔軟性のバランスをとることができる。なお、本発明においては、例えば水酸化マグネシウム等の金属水酸化物(C)を多量に配合するにもかかわらず、加工性が良好で、かつ成形品の硬度が高くなり過ぎない点でも優れている。
[他の成分]
本発明の製造方法に用いられる樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、前記成分(A)〜(C)以外の他の成分、例えば、他の合成樹脂、他のゴム、その他の添加物などを含有してもよい。
他の合成樹脂及び他のゴムとしては、前記ポリオレフィン系樹脂(B)に分散可能な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、およびスチレン系エラストマー、(メタ)アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。なお、これらの樹脂およびゴムは、前記ポリオレフィン系樹脂(B)との相溶性を改善させるために、これら(ポリ)オレフィンでグラフト化させた変性樹脂であってもよいし、前記ポリオレフィン系樹脂(B)とこれらの樹脂を相溶させるために相溶化剤を添加してもよい。
その他の添加物としては、例えば、架橋剤、難燃性付与剤(難燃剤、難燃助剤)、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤、顔料、染料、滑剤、塩酸吸収剤、銅害防止剤が挙げられる。
前記架橋剤としては、架橋剤として作用するラジカル発生剤を特に制限なく用いることができ、有機過酸化物が好ましく用いられる。
有機過酸化物の具体例は、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドなどの有機ペルオキシドが挙げられる。これらの中では、ジクミルペルオキシドが好ましい。
前記樹脂組成物が架橋剤を含有する場合、その含有量は、エチレン系共重合体(A)とポリオレフィン系樹脂(B)との合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜2.0質量部、より好ましくは0.3〜1.8質量部、さらに好ましくは0.6〜1.6質量部の範囲であることが望ましい。架橋剤をこのような量で含有する樹脂組成物を用いると、適度な架橋構造を有する電線用被覆材料を得ることができる。
前記樹脂組成物が架橋剤を含有する場合、架橋剤とともに必要に応じて架橋助剤を含有することも好ましい。架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N'−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー;ビニルブチラート、ビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマー;ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)などが挙げられる。中でも、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
前記樹脂組成物では、架橋助剤と架橋剤との質量比[架橋助剤/架橋剤]が1/30〜5/1、好ましくは1/20〜3/1、さらに好ましくは1/15〜2/1になる量、特に好ましくは1/10〜1/1になる量で用いられることが望ましい。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明の製造方法に用いられる樹脂組成物は、公知の方法により製造できる。例えば、各成分を同時に又は逐次的に、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー等の混合器に装入して混合し、単軸押出機、二軸押出機等の多軸押出機又はニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練することにより、前記樹脂組成物を得ることができる。特に、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練性能に優れた装置を使用すると、各成分がより均一に分散された高品質の樹脂組成物が得られる。また、その任意の段階で、必要に応じて添加物(例えば酸化防止剤)を添加することもできる。
各成分を配合する順序は特に制限されず、各成分を同時に配合および混練してもよいが、予めエチレン系共重合体(A)およびポリオレフィン系樹脂(B)を溶融混練して重合体組成物(H)を製造する工程と、少なくともこの重合体組成物(H)および金属水酸化物(C)を溶融混練する工程とを含む方法もまた好ましい。このような2段階の製造方法を用いれば、金属水酸化物(C)をより均一に分散させることが可能となり、外観や機械物性、難燃性にさらに優れた樹脂組成物が得られることが期待できる。なお、前記成分(A)〜(C)の全部を溶融混練してマスターバッチとした後、溶融混練する方法も好ましい。この場合、引張伸び、柔軟性および耐油性のバランスがより優れた組成物が得られる。
[架橋工程]
前記架橋工程における前記樹脂組成物の架橋方法としては、特に限定されないが、放射線架橋、過酸化物架橋およびシラン架橋のいずれかの方法が好ましい。
<放射線架橋>
放射線架橋すなわち電離性放射線照射による架橋方法により架橋体を得るには、まず、前記樹脂組成物を公知の方法で成形する。次いで、得られた被覆電線等の成形体に電離性放射線を所定量照射して架橋させる。
電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線などが用いられる。このうちコバルト−60のγ線、電子線が好ましく用いられる。放射線量は通常20〜700kGy、好ましくは100〜600kGy、好ましくは150〜400kGyである。
電離性放射線による架橋の場合、前記樹脂組成物に前記架橋助剤を含有させることが好ましい。
<過酸化物架橋>
過酸化物架橋による架橋方法としては、公知の方法、すなわち前記架橋剤を含有する前記樹脂組成物を用いて熱処理する方法が挙げられる。
<シラン架橋>
シラン架橋は、シラン変性物の成形体を架橋するものであり、シラノール縮合触媒を配合し、公知の成形機を用いて成形される。
シラン変性は、ラジカル発生剤およびシラン化合物を含有する樹脂組成物を、例えばヘンシェルミキサー等の適当な混合機により混合し、押出機またはバンバリーミキサー等により140〜250℃程度に加熱および混練して加熱グラフトさせることにより行うことができる。
シラン変性に使用するラジカル発生剤としては、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3などが好ましい。
シラン変性に使用するシラン化合物としては、末端ビニル基およびアルコキシ基等の加水分解可能な有機基を有するシラン化合物が好ましく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが好ましい。
上記シラノール縮合触媒としては、シラノール基間の脱水縮合を促進する触媒として用いられている公知の化合物を使用することができる。また、シラノール縮合触媒および変性前の組成物を用いてマスターバッチを別途作成し、これとシラン変性物とをヘンシェルミキサー、Vブレンダー等の混合機によりドライブレンドした混合物を成形に使用してもよい。
成形体は、通常、常温〜130℃程度にて水中、水蒸気中または多湿雰囲気下で1分間〜1週間程度水分と接触させる。これにより、シラノール触媒によりシラン架橋反応が進行し、架橋体が得られる。
[電線用被覆材料およびその用途]
本発明の電線用被覆材料は、前記樹脂組成物を架橋させることにより得られる。前記電線用被覆材料を用いた溶融成形によって種々の形状に成形できる。溶融成形法としては、例えば、押出成形、回転成形、カレンダー成形、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形、粉末成形、ブロー成形、真空成形が挙げられる。得られる成形体は、他の材料との複合体、例えば積層体であってもよい。
前記電線用被覆材料からなる成形体は、引張伸び、柔軟性及び耐油性のバランスに優れるので、電線またはケーブルの絶縁体、電線シース等の電線被覆の用途に好適である。特に筒状の形状を有する電線等の成形体の耐傷付き性を改善できる。電線の絶縁体、電線シース等の被覆層は、公知の方法、例えば押出成形等の方法により電線等の周囲に形成できる。
前記電線用被覆材料の耐油性については、JIS C3005で規定する耐油性試験で評価することができ、具体的には、該電線用被覆材料からなる試験片を、ASTM D471に規定するIRM902油に120℃で18時間浸漬した後の質量変化率が、100%以下であることが好ましく、95%以下であることがより好ましい。
本発明に係る電線またはケーブルの製造方法は、前記被覆材料からなる被覆層を形成する工程を含むことを特徴とする。前記被覆層は電線またはケーブルの外層部であることが好ましい。外側の層であるほど、また太いケーブルであるほど、曲げた時の引張が大きくなるので伸びの性質が必要であり、伸び、耐油性、柔軟性のバランスに優れる前記被覆材料の特性が活かせる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[エチレン系共重合体の物性評価]
エチレン系共重合体の物性は以下のようにして評価した。
<各構成単位の含有量>
13C−NMRスペクトル解析により求めた。13C−NMR測定は次の条件で実施した。装置:ブルカーバイオスピン社製AVANCEIII500CryoProbe Prodigy型核磁気共鳴装置、測定核:13C(125MHz)、測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅:45°(5.00μ秒)、ポイント数:64k、測定範囲:250ppm(−55〜195ppm)、繰り返し時間:5.5秒、積算回数:512回、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(4/1 v/v)、試料濃度:ca.60mg/0.6mL、測定温度:120℃、ウインドウ関数:exponential(BF:1.0Hz)、ケミカルシフト基準:ベンゼン−d6(128.0ppm)。
<密度>
ASTM D1505に準拠して、23℃にて求めた。
<MFR>
ASTM D1238に準拠して、190℃および2.16kg荷重の条件で測定した。
<ビニリデン単位数、ビニル単位数>
1H−NMR測定(日本電子(株)製、「ECX400P型核磁気共鳴装置」)により、エチレン系共重合体の二重結合量の定量を行った。ここで、二重結合に由来するシグナルとして、ビニル型二重結合、ビニリデン型二重結合、2置換オレフィン型二重結合および3置換オレフィン型二重結合が観測される。各シグナルの積分強度から二重結合量を定量した。なお、エチレン系共重合体の主鎖メチレンシグナルをケミカルシフト基準(1.2ppm)とした。
Figure 2017210523
各式中、*は水素原子以外の原子との結合手を示す。
各水素原子a〜eのピークは、下記付近に観測される。
・水素原子aのピーク:4.60ppm
・水素原子bのピーク:4.85ppm
・水素原子cのピーク:5.10ppm
・水素原子dのピーク:5.25ppm
・水素原子eのピーク:5.70ppm
二重結合量の定量式は、以下のとおりである。
・ビニル型二重結合量={(シグナルbの積分強度)+(シグナルeの積分強度)}/3
・ビニリデン型二重結合量=(シグナルaの積分強度)/2
・2置換オレフィン型二重結合量=(シグナルdの積分強度)/2
・3置換オレフィン型二重結合量=(シグナルcの積分強度)
これらの結果から、炭素数1000個あたりのビニリデン単位数(ビニリデン型二重結合量)およびビニル単位数(ビニル型二重結合量)を求めた。
[電線用被覆材料の評価]
<質量変化率(耐油性)>
JIS C3005で規定する耐油性試験において、電線用被覆材料からなる試験片を、ASTM D471に規定するIRM902油に120℃で18時間浸漬した後の質量変化率を求めた。
<引張強度、引張伸び、引張弾性率>
ASTM D638に準拠して, サンプル形状を4号ダンベルとし、引張速度200mm/minで測定した。
<低温脆化温度>
脆化温度試験機FS型((株)東洋精機製作所)を用いてJIS K7216:1980準拠で試験を行った。試験片形状はA型, 試験片数は5個, 試験片が2個又はそれ以上に分離することを破壊と定義し、計算法によって低温脆化温度を求めた。
[用いた材料]
<ポリオレフィン系樹脂(B)>
EVA;三井デュポンポリケミカル株式会社, 製品名:エバフレックス, 銘柄名:EV270, 物性値:密度950kg/m3, VA含有量28wt%, MFR(190℃)1.0g/10min
LLDPE;株式会社プライムポリマー, 製品名:エボリュー, 銘柄名:SP2030,物性値:密度922kg/m3, MFR(190℃,2.16kg荷重)2.5g/10min
<金属水酸化物>
金属水酸化物(C)として水酸化マグネシウムを用いた。
[製造例1]エチレン・プロピレン共重合体A−1の製造
<触媒溶液の調製>
十分に窒素置換したガラス製フラスコに、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.63mgを入れ、更にメチルアミノキサンのトルエン溶液(Al;0.13ミリモル/リットル)1.57ml、およびトルエン2.43mlを添加することにより触媒溶液を得た。
<エチレン・プロピレン共重合体A−1の調製>
十分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン912 mlおよびプロピレン200mlを挿入し、系内の温度を80℃に昇温した。引き続き、トリイソブチルアルミニウム0 .9ミリモルおよび上記の如く調製した触媒溶液2.0m l(Zrとして0.0005ミリモル)をエチレンで圧入することにより重合を開始した。水素を毎時50ml及びエチレンを連続的に供給することにより全圧を8.0kg/cm2−Gに保ち、80℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系中に導入して重合を停止させた後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマーを大過剰のメタノール中に投入することによりポリマーを析出させた。このポリマーを濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥し、エチレン・プロピレン共重合体A−1を得た。得られたエチレン・プロピレン共重合体A−1の分析結果を表1に示す。
[製造例2]エチレン・ブテン共重合体A’−1の製造
<触媒溶液の調製>
トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレート18 .4 mgをとり、トルエン5mlを加えて溶解させ、濃度が0.004mM/mlのトルエン溶液を調製した。
[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライド1.8 mgをとり、トルエン5mlを加えて溶解させ、濃度が0.001mM/mlのトルエン溶液を調製した。
重合開始時においてはトリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液0.38ml、および[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン] チタンジクロライドのトルエン溶液0.3 8mlをとり、さらに希釈用のトルエン4.24mlを加えて、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートがB換算で0.002mM/Lとなり、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロリドがTi換算で0.0005mM/Lとなるトルエン溶液5mlを調製した。
<エチレン・1−ブテン共重合体A’−1の調製>
十分に窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でヘプタン750mlを挿入した後、攪拌翼を回し、かつ氷冷しながら1−ブテン10gおよび水素250mlをさらに挿入した。次に、オートクレーブを100℃まで加熱し、更に、全圧が6KG となるようにエチレンで加圧した。オートクレーブの内圧が6KGになった所で、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の1.0mM/mlヘキサン溶液1.0mlを窒素で圧入した。続いて、上記の如く調製した触媒溶液5mlを窒素でオートクレーブに圧入して重合を開始した。その後、5分間、オートクレーブを内温1 00℃になるように温度調整し、かつ圧力が6kgとなるように直接的にエチレンの供給を行った。重合開始5分後、オートクレーブにポンプでメタノール5mlを挿入して重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液に3リットルのメタノールを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含む重合体を130℃、13時間、600torrで乾燥して10gのエチレン・1−ブテン共重合体A’−1を得た。得られたエチレン・1−ブテン共重合体A’−1の分析結果を表1に示す。
Figure 2017210523
[実施例1]
エチレン系共重合体、ポリオレフィン樹脂(B)および水酸化マグネシウム(C)を、表2に示す質量比にて配合して、ラボプラストミル((株)東洋精機製)を用い、樹脂温度190℃で溶融混練した。その後、190℃に設定したプレス成形機にて7分間加熱成形し、2mm厚みのプレスシートを得た。
次に、走査型電子線照射装置(日新ハイボルテージ(株)製EPS−750) を用いて、作製したプレスシートの電子線架橋を行った。架橋条件は電圧650kV、温度10〜40℃とし、電子線量200kGyでプレスシート両面を照射した。得られた架橋シートを用いて物性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例2〜5、比較例1〜10]
表2の配合からなる組成物に変更し、表2に記載の架橋条件で架橋工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして架橋シートを製造して評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2017210523
表2に示すとおり、各実施例の電線用被覆材料は、耐油性(質量変化率)、引張伸びおよび低温特性のバランスが良好であった。

Claims (7)

  1. 下記要件(a)〜(d)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(A)1〜100質量部と、ポリオレフィン系樹脂(B)(ただし、前記成分(A)とは異なる。)0〜99質量部と、前記成分(A)および(B)の合計100質量部に対して金属水酸化物(C)50〜300質量部とを含有する樹脂組成物を架橋させる工程を含む、電線もしくはケーブル用被覆材料の製造方法:
    (a)エチレン由来の構成単位の含有率が70〜95mol%の範囲にあり、炭素原子数3〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有率が5〜30mol%の範囲にある;
    (b)ASTM D1505に準拠して求められる密度が855〜890kg/m3の範囲にある;
    (c)ASTM D1238に準拠して、190℃および2.16kg荷重の条件で測定したMFRが0.1〜10g/10分の範囲にある;
    (d)1H NMR測定により求められる炭素1000個当たりのビニリデン単位が0.03〜1.00個の範囲にある。
  2. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が、エチレンと、炭素数3〜8のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種との共重合体である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂(B)が、エチレン・ビニルエステル共重合体、ポリエチレンおよびエチレン・プロピレン・ジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記樹脂組成物を架橋させる工程が、放射線架橋、過酸化物架橋およびシラン架橋のいずれかの方法で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. JIS C3005で規定する耐油性試験において、前記電線もしくはケーブル用被覆材料からなる試験片を、ASTM D471に規定するIRM902油に120℃で18時間浸漬した後の質量変化率が100%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られた電線もしくはケーブル用被覆材料からなる被覆層を形成する工程を含む、電線またはケーブルの製造方法。
  7. 前記被覆層が電線またはケーブルの外層部である、請求項6に記載の製造方法。
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