JP2017208538A - 荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被照射物に対して適正な位置に適正な量の荷電粒子ビームを照射することができる荷電粒子ビーム照射装置を提供する。【解決手段】荷電粒子ビームの照射装置1は、照明部10と、複数の第1開口部21aを有したアパチャープレート21と、複数の第2開口部22aと偏向部22bとを有するブランキングプレート22と、第3開口部34aと吸収部34bとを有するストッパープレート34と、偏向部22bを制御して通過状態と吸収状態とを切り替える制御部50と、各微少ビームLの照射予定位置と、予め取得された実際に基板Mに照射された各微少ビームLの照射実位置とのずれ量をずれ量マップとして記憶する記憶部55とを備え、制御部50は、ずれ量マップに基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から前記通過状態への切り替えのタイミングを、ずれ量を有さない微少ビームに係る偏向部22bに比して変更する。【選択図】図6
Description
本発明は、荷電粒子ビーム照射装置に関するものである。
従来、複数の微少ビームから構成されるマルチビームを用いてリソグラフィ等の描画に使用される荷電粒子ビームの照射装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような装置は、マルチビームを構成する複数の微少ビームを同時に被照射物に照射するため、シングルビーム方式の照射装置に比して、描画時間を短縮することができる。
マルチビームは、電子銃から照射された荷電粒子ビームを複数の開口部を有したアパチャープレートに入射させ、その開口部により複数の微少ビームに分散させることによって生成される。そのため、このような照射装置は、アパチャープレートに設けられる各開口部の配置位置が設計位置に対してずれていると、被照射物に対するビームの照射位置もずれてしまい、被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができない場合があった。
このような装置は、マルチビームを構成する複数の微少ビームを同時に被照射物に照射するため、シングルビーム方式の照射装置に比して、描画時間を短縮することができる。
マルチビームは、電子銃から照射された荷電粒子ビームを複数の開口部を有したアパチャープレートに入射させ、その開口部により複数の微少ビームに分散させることによって生成される。そのため、このような照射装置は、アパチャープレートに設けられる各開口部の配置位置が設計位置に対してずれていると、被照射物に対するビームの照射位置もずれてしまい、被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができない場合があった。
また、このような照射装置は、アパチャープレートにより生成されたマルチビームを被照射物に対して縮小投影露光しているため、電磁レンズや、静電偏向器等から構成される電磁光学系が備えられている。そのため、マルチビームが電磁光学系を通過したときに歪んでしまう場合があり、これによっても被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができない場合があった。
更に、このような照射装置は、複数の微少ビームのうち被照射物に照射させない微少ビームをブランキングプレートにより偏向させてストッパープレートにより吸収させて、描画パターンに基づいて、照射に必要な微少ビームのみを被照射物に照射させている。
ここで、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、各微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレートにより吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動によりストッパープレートを通過する微少ビームが歪んでしまうことを発見した。ここで、微少ビームの被照射物への照射量は、被照射物への描画パターンに応じて荷電粒子ビームのショット毎に変動するため、微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレートが起因となる電磁場もその都度変動する。そのため、微少ビームの歪みは、荷電粒子ビームの照射処理中において荷電粒子ビームのショット毎に変動することとなり、これによっても被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる場合があることが新たに解った。
ここで、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、各微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレートにより吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動によりストッパープレートを通過する微少ビームが歪んでしまうことを発見した。ここで、微少ビームの被照射物への照射量は、被照射物への描画パターンに応じて荷電粒子ビームのショット毎に変動するため、微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレートが起因となる電磁場もその都度変動する。そのため、微少ビームの歪みは、荷電粒子ビームの照射処理中において荷電粒子ビームのショット毎に変動することとなり、これによっても被照射物に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる場合があることが新たに解った。
本発明の課題は、被照射物に対して適正な位置に適正な量の荷電粒子ビームを照射することができる荷電粒子ビーム照射装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、荷電粒子ビーム(L0)を照射するビーム照射部(10)と、前記ビーム照射部から照射された荷電粒子ビームを透過させ、複数の微少ビーム(L)を生成する複数の第1開口部(21a)を有したアパチャー部(21)と、前記アパチャー部から出射した複数の前記微少ビームをそれぞれ透過させる複数の第2開口部(22a)と、前記第2開口部のそれぞれに設けられ、前記第2開口部を通過する前記微少ビームを偏向する偏向部(22b)とを有するブランキング部(22)と、前記ブランキング部を通過した前記微少ビームを被照射物(M)側へ通過させる第3開口部(34a)と、前記微少ビームを吸収する吸収部(34b)とを有するストッパー部(34)と、前記ブランキング部に設けられた前記偏向部を制御して、前記微少ビームが前記ストッパー部の前記第3開口部を通過する通過状態と、前記微少ビームを偏向させて前記吸収部に吸収させる吸収状態とを切り替える制御部(50)と、前記被照射物に照射される各前記微少ビームの照射予定位置と、予め取得された実際に被照射物に照射された各前記微少ビームの照射実位置とのずれ量をずれ量マップとして記憶する記憶部(55)とを備え、前記制御部は、前記ずれ量マップに基づいて、前記ずれ量を有する前記微少ビームに係る前記偏向部の前記吸収状態から前記通過状態への切り替えのタイミングを、前記ずれ量を有さない前記微少ビームに係る前記偏向部に比して変更すること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第2の発明は、第1の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量マップは、前記アパチャー部(21)に設けられた各前記第1開口部(21a)の実際の位置と、設計位置との差に基づくずれ量を含んでいること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ブランキング部(22)と前記ストッパー部(34)との間に電磁光学部(30)を更に備え、前記ずれ量マップは、予め取得された前記電磁光学部が起因となる前記微少ビームの歪みに基づくずれ量を含んでいること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量マップは、予め取得された前記吸収部(34b)に吸収される微少ビームが起因となる前記第3開口部(34a)を通過する微少ビームの歪みに基づくずれ量を含んでいること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量マップは、複数の前記微少ビームの前記照射予定位置を含む各照射定義領域(Ar1〜Ar4)の前記微少ビームの照射密度の組み合わせと、前記ずれ量とを対応付けたデータを有するものであること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第6の発明は、第5の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記各照射定義領域(Ar1〜Ar4)は、前記荷電粒子ビームによる照射範囲を同一の大きさに分割した領域であること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第7の発明は、第6の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量は、前記各照射定義領域(Ar1〜Ar4)に複数有する代表点におけるずれ量であり、前記代表点は、前記照射範囲内で略均等に設けられていること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記制御部(50)は、前記被照射物(M)を載置した可動ステージ(40)を送り方向に移動させる制御を行い、前記ビーム照射部(10)は、前記照射予定位置に複数回に分けて前記微少ビームが照射されるように、前記荷電粒子ビームを複数回照射すること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記被照射物(M)の送り方向(X方向)に交差する(Y方向)ラインを多く含む描画データに基づいた前記被照射物への各前記微少ビームの照射によって、前記ラインを前記被照射物に描画すること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第2の発明は、第1の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量マップは、前記アパチャー部(21)に設けられた各前記第1開口部(21a)の実際の位置と、設計位置との差に基づくずれ量を含んでいること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ブランキング部(22)と前記ストッパー部(34)との間に電磁光学部(30)を更に備え、前記ずれ量マップは、予め取得された前記電磁光学部が起因となる前記微少ビームの歪みに基づくずれ量を含んでいること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量マップは、予め取得された前記吸収部(34b)に吸収される微少ビームが起因となる前記第3開口部(34a)を通過する微少ビームの歪みに基づくずれ量を含んでいること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量マップは、複数の前記微少ビームの前記照射予定位置を含む各照射定義領域(Ar1〜Ar4)の前記微少ビームの照射密度の組み合わせと、前記ずれ量とを対応付けたデータを有するものであること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第6の発明は、第5の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記各照射定義領域(Ar1〜Ar4)は、前記荷電粒子ビームによる照射範囲を同一の大きさに分割した領域であること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第7の発明は、第6の発明の荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記ずれ量は、前記各照射定義領域(Ar1〜Ar4)に複数有する代表点におけるずれ量であり、前記代表点は、前記照射範囲内で略均等に設けられていること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記制御部(50)は、前記被照射物(M)を載置した可動ステージ(40)を送り方向に移動させる制御を行い、前記ビーム照射部(10)は、前記照射予定位置に複数回に分けて前記微少ビームが照射されるように、前記荷電粒子ビームを複数回照射すること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかの荷電粒子ビーム照射装置(1)において、前記被照射物(M)の送り方向(X方向)に交差する(Y方向)ラインを多く含む描画データに基づいた前記被照射物への各前記微少ビームの照射によって、前記ラインを前記被照射物に描画すること、を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置である。
本発明によれば、荷電粒子線の照射位置を正確に補正し、描画パターンの位置精度を向上させることができる。
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の照射装置1の構成を説明する図である。
図1において、照射装置1の鉛直方向をZ方向とし、鉛直方向と垂直な方向をそれぞれX方向、Y方向とする。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の照射装置1の構成を説明する図である。
図1において、照射装置1の鉛直方向をZ方向とし、鉛直方向と垂直な方向をそれぞれX方向、Y方向とする。
照射装置(荷電粒子ビーム照射装置)1は、基板M(被照射物)に荷電粒子ビームを照射し、基板Mに所定のパターンを描画してフォトマスクを作製する装置である。
照射装置1は、図1に示すように、照明部10、パターン決定部20、投影部30(電磁光学部)、可動ステージ40、制御部50、記憶部55等を備えている。
照明部10は、鉛直上側(+Z側)から順に、電子銃11(ビーム照射部)、抽出部12、偏向器13、集光レンズ部14が設けられている。照明部10は、電子銃11から出射された荷電粒子ビームを、抽出部12、偏向器13、集光レンズ部14等によってテレンセトリックなビーム状態にして、パターン決定部20へ入射する。
照射装置1は、図1に示すように、照明部10、パターン決定部20、投影部30(電磁光学部)、可動ステージ40、制御部50、記憶部55等を備えている。
照明部10は、鉛直上側(+Z側)から順に、電子銃11(ビーム照射部)、抽出部12、偏向器13、集光レンズ部14が設けられている。照明部10は、電子銃11から出射された荷電粒子ビームを、抽出部12、偏向器13、集光レンズ部14等によってテレンセトリックなビーム状態にして、パターン決定部20へ入射する。
電子銃11は、荷電粒子ビームを可動ステージ40に載置された基板Mに対して照射する。本実施形態では、電子銃11は、可動ステージ40の鉛直上側(+Z側)に配置されており、そこから鉛直下側(−Z側)に設けられた可動ステージ40に載置された基板Mに対して荷電粒子ビームを照射する。
荷電粒子ビームとしては、例えば、電子ビームを用いることができる。また、荷電粒子ビームは、電子ビームの他、他の電荷を帯びた粒子、例えば、水素イオン、重イオン、荷電原子クラスタ、荷電分子等を用いてもよい。なお、重イオンとは、Oや、N等のCよりも重いイオン要素、又は、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガスを示すものをいう。
荷電粒子ビームとしては、例えば、電子ビームを用いることができる。また、荷電粒子ビームは、電子ビームの他、他の電荷を帯びた粒子、例えば、水素イオン、重イオン、荷電原子クラスタ、荷電分子等を用いてもよい。なお、重イオンとは、Oや、N等のCよりも重いイオン要素、又は、Ne、Ar、Kr、Xe等の希ガスを示すものをいう。
抽出部12は、電子銃11から照射される荷電粒子ビームを広げて発散したビーム状態に変更する部分である。
偏向器13は、電子銃11から照射される荷電粒子ビームの偏向角度を変更する静電偏向器である。
集光レンズ部14は、発散したビーム状態の荷電粒子ビームを平行ビームにして広範囲でテレセントリックなビーム状態に変更する部分である。
偏向器13は、電子銃11から照射される荷電粒子ビームの偏向角度を変更する静電偏向器である。
集光レンズ部14は、発散したビーム状態の荷電粒子ビームを平行ビームにして広範囲でテレセントリックなビーム状態に変更する部分である。
図2は、パターン決定部20の詳細を説明する図である。
図3は、アパチャープレート21の詳細を説明する平面図である。
パターン決定部20は、照明部10から入射した荷電粒子ビームから、複数の微少ビームから構成されるマルチビームを生成し、描画パターンに基づいて、複数の微少ビームから描画に必要な微少ビームのみを選択的に基板M(被照射物)側へ照射する。パターン決定部20は、図1及び図2に示すように、鉛直上側(+Z側)から順に、アパチャープレート21(アパチャー部)、ブランキングプレート22(ブランキング部)が設けられている。
図3は、アパチャープレート21の詳細を説明する平面図である。
パターン決定部20は、照明部10から入射した荷電粒子ビームから、複数の微少ビームから構成されるマルチビームを生成し、描画パターンに基づいて、複数の微少ビームから描画に必要な微少ビームのみを選択的に基板M(被照射物)側へ照射する。パターン決定部20は、図1及び図2に示すように、鉛直上側(+Z側)から順に、アパチャープレート21(アパチャー部)、ブランキングプレート22(ブランキング部)が設けられている。
アパチャープレート21は、図3に示すように、複数の第1開口部21aが設けられた平板状の部材であり、図1に示すように、照明部10から照射された荷電粒子ビームL0を入射し、第1開口部21aを通過させることによって、複数の微少ビームLに分散され、これがマルチビームとなる。本実施形態のアパチャープレート21は、X方向及びY方向に等間隔に、それぞれ512個ずつ、合計262144個の第1開口部21aが格子状に形成されている。そのため、アパチャープレート21により生成されるマルチビームは、262144本の微少ビームから構成されることとなる。
また、本実施形態のアパチャープレート21は、図2に示すように、その鉛直上側(+Z側)の面に保護層21bが設けられており、入射する荷電粒子ビームによる粒子エネルギーの衝突からプレートを保護している。
また、本実施形態のアパチャープレート21は、図2に示すように、その鉛直上側(+Z側)の面に保護層21bが設けられており、入射する荷電粒子ビームによる粒子エネルギーの衝突からプレートを保護している。
ブランキングプレート22は、アパチャープレート21から出射したマルチビームが入射する位置に配置された平板状の部材であり、マルチビームを構成する各微少ビームを偏向するために設けられている。ブランキングプレート22は、上述のアパチャープレート21の各第1開口部21aに対向する位置に、第2開口部22a(本実施形態では512×512個)が形成されており、その各第2開口部22aに、偏向電極22b1及び接地電極22b2から構成される偏向部22bが設けられている。
偏向部22bの各電極は、それぞれ制御部50に接続されており、制御部50から出力される信号に基づいて、偏向部22bの各電極22b1、22b2間に所定の電圧が印加される。
偏向部22bの各電極に所定の電圧値(v=v1)が印加されている場合、図2に示すように、微少ビームは、第2開口部22aを通過するときに偏向される(図2中のL’参照)。また、偏向部22bの電極に電圧値が印加されていない場合(v=0)、微少ビームは、偏向されることなく第2開口部22aを通過する(図2中のL参照)。
偏向部22bは、複数ある第2開口部22aのそれぞれに設けられており、各第2開口部22aを通過する各微少ビームの偏向状態を個別に変化させることができる。
偏向部22bの各電極に所定の電圧値(v=v1)が印加されている場合、図2に示すように、微少ビームは、第2開口部22aを通過するときに偏向される(図2中のL’参照)。また、偏向部22bの電極に電圧値が印加されていない場合(v=0)、微少ビームは、偏向されることなく第2開口部22aを通過する(図2中のL参照)。
偏向部22bは、複数ある第2開口部22aのそれぞれに設けられており、各第2開口部22aを通過する各微少ビームの偏向状態を個別に変化させることができる。
以上の構成により、偏向部22bによって偏向されることなく第2開口部22aを通過した微少ビームLは、投影部30に設けられるストッパープレート34(詳細は後述する)に形成された第3開口部34aを通過して(通過状態)、基板M(被照射物)に入射する。
一方、偏向部22bにより偏向された微少ビームL’は、ストッパープレート34に吸収され(吸収状態)、基板M(被照射物)には入射しない。これにより、本実施形態のパターン決定部20は、描画パターンの情報に基づいて、複数の微少ビームのうち必要な微少ビームのみを基板Mに対して照射することができる。
一方、偏向部22bにより偏向された微少ビームL’は、ストッパープレート34に吸収され(吸収状態)、基板M(被照射物)には入射しない。これにより、本実施形態のパターン決定部20は、描画パターンの情報に基づいて、複数の微少ビームのうち必要な微少ビームのみを基板Mに対して照射することができる。
投影部30は、パターン決定部20から出射したマルチビームを縮小投影する部分である。投影部30は、図1に示すように、鉛直上側(+Z側)から順に、第1レンズ部31、第1偏向装置32、第2レンズ部33、ストッパープレート34(ストッパー部)、第3レンズ部35、第2偏向装置36が配置されている。
投影部30は、第1レンズ部31、第2レンズ部33、第3レンズ部35により縮小光学系が構成されている。
投影部30は、第1レンズ部31、第2レンズ部33、第3レンズ部35により縮小光学系が構成されている。
第1レンズ部31は、パターン決定部20から出射したマルチビームを収束させる電磁レンズである。
第1偏向装置32は、第1レンズ部31から出射した各微少ビームが交差(クロスオーバー)する位置C1に設けられた静電偏向器であり、第1レンズ部31から出射した各微少ビームを一括して偏向させて、各微少ビームを、可動ステージ40によりX方向に移動する基板Mの照射エリアに追従させる。
第2レンズ部33は、第1偏向装置32を通過した微少ビームを収束させる電磁レンズである。
第1偏向装置32は、第1レンズ部31から出射した各微少ビームが交差(クロスオーバー)する位置C1に設けられた静電偏向器であり、第1レンズ部31から出射した各微少ビームを一括して偏向させて、各微少ビームを、可動ステージ40によりX方向に移動する基板Mの照射エリアに追従させる。
第2レンズ部33は、第1偏向装置32を通過した微少ビームを収束させる電磁レンズである。
ストッパープレート34は、第2レンズ部33により収束された各微少ビームが交差(クロスオーバー)する位置C2に設けられた平板状の部材である。ストッパープレート34は、第3開口部34aと吸収部34bとを有している。
ストッパープレート34は、パターン決定部20において偏向されなかった微少ビームを、第3開口部34aを通過させて基板M側へ出射させるとともに(図1中のL参照)、パターン決定部20において偏向された微少ビームを吸収部34bにより吸収する(図1中のL’参照)。
ストッパープレート34は、パターン決定部20において偏向されなかった微少ビームを、第3開口部34aを通過させて基板M側へ出射させるとともに(図1中のL参照)、パターン決定部20において偏向された微少ビームを吸収部34bにより吸収する(図1中のL’参照)。
第3レンズ部35は、ストッパープレート34の第3開口部34aを通過した微少ビームを収束させる電磁レンズである。
第2偏向装置36は、第3レンズ部35の微少ビームの出射側(−Z側)に設けられた静電偏向器であり、第3レンズ部35から出射した各微少ビームを一括して偏向させて、各微少ビームを、可動ステージ40によりX方向に移動する基板Mの照射エリアに追従させる。
第2偏向装置36は、第3レンズ部35の微少ビームの出射側(−Z側)に設けられた静電偏向器であり、第3レンズ部35から出射した各微少ビームを一括して偏向させて、各微少ビームを、可動ステージ40によりX方向に移動する基板Mの照射エリアに追従させる。
可動ステージ40は、被照射物である基板Mを載置して水平面内を移動するワークステージである。本実施形態の可動ステージ40は、水平面(XY面)内のうちX方向(送り方向)に移動させ、載置した基板MをX方向に移動させることによって、上述の第1偏向装置32、第2偏向装置36等と協働して、基板M上に設けられたX方向の照射エリアの端から端までに、マルチビームを照射させている。
その後、可動ステージ40をY方向に移動させ、上記と同様に可動ステージ40をX方向に移動させマルチビームを照射する。
これを繰り返すことで、基板M上に設けられた照射エリアの全面に対して、マルチビームを照射させている。
その後、可動ステージ40をY方向に移動させ、上記と同様に可動ステージ40をX方向に移動させマルチビームを照射する。
これを繰り返すことで、基板M上に設けられた照射エリアの全面に対して、マルチビームを照射させている。
制御部50は、照射装置1の各部を制御する制御回路であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部50は、記憶部55に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。本実施形態の制御部50は、照明部10の電子銃11及び偏向器13、パターン決定部20の偏向部22b、投影部30の各偏向装置32、36、可動ステージ40等に接続されている。
記憶部55は、照射装置1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部55には、上述のプログラムの他、描画データとなる基板M(被照射物)に照射される各微少ビームの照射予定位置の情報も記憶されている。
更に、記憶部55には、予め取得された実際に基板M(被照射物)に照射された各微少ビームの照射実位置と、上述の照射予定位置とのずれ量をずれ量マップ(詳細は後述する)として記憶している。
記憶部55は、照射装置1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部55には、上述のプログラムの他、描画データとなる基板M(被照射物)に照射される各微少ビームの照射予定位置の情報も記憶されている。
更に、記憶部55には、予め取得された実際に基板M(被照射物)に照射された各微少ビームの照射実位置と、上述の照射予定位置とのずれ量をずれ量マップ(詳細は後述する)として記憶している。
(照射装置1のマルチビームの照射時の基本動作)
ここで、照射装置1のマルチビーム照射時における基本動作について説明する。
図4は、本実施形態の照射装置1のマルチビーム照射時における基本動作を説明する図である。図4(a)は、基板Mの照射エリアを示す平面図である。図4(b)は、ブランキングプレート22の偏向部22bの各電極に印加される電圧と、時間との関係を示す図であり、横軸が時間t、縦軸が電圧値vを示している。図4(c)は、1ショット目における各微少ビームと基板Mの各照射エリアとの配置関係を示す図であり、図4(d)は、2ショット目における各微少ビームと基板Mの各照射エリアとの配置関係を示す図である。
ここで、照射装置1のマルチビーム照射時における基本動作について説明する。
図4は、本実施形態の照射装置1のマルチビーム照射時における基本動作を説明する図である。図4(a)は、基板Mの照射エリアを示す平面図である。図4(b)は、ブランキングプレート22の偏向部22bの各電極に印加される電圧と、時間との関係を示す図であり、横軸が時間t、縦軸が電圧値vを示している。図4(c)は、1ショット目における各微少ビームと基板Mの各照射エリアとの配置関係を示す図であり、図4(d)は、2ショット目における各微少ビームと基板Mの各照射エリアとの配置関係を示す図である。
基板Mには、図4(a)に示すように、X方向及びY方向に配列された複数の照射エリアA(A1〜A5)が設けられており、各照射エリアの照射予定位置b(b1〜b5)に対して、マルチビームの各微少ビームが同時に照射される。
基板Mの各照射エリアAの照射予定位置bに所定量の微少ビームが適正に照射されるようにするため、ブランキングプレート22の各偏向部22bは、印加する電圧を変化させて、微少ビームをストッパープレート34の第3開口部34aを通過させる通過状態と、微少ビームを吸収部34bに吸収させる吸収状態とを切り替えている。
基板Mの各照射エリアAの照射予定位置bに所定量の微少ビームが適正に照射されるようにするため、ブランキングプレート22の各偏向部22bは、印加する電圧を変化させて、微少ビームをストッパープレート34の第3開口部34aを通過させる通過状態と、微少ビームを吸収部34bに吸収させる吸収状態とを切り替えている。
具体的には、偏向部22bの電圧値vをゼロ(v=0)にした場合、微少ビームは、偏向することなく第3開口部34aを通過する通過状態となり、基板Mに照射される。
また、偏向部22bの電圧値vをv1にした場合、微少ビームは、偏向されて吸収部34bに吸収される吸収状態となり、基板Mへは入射することはない。
また、偏向部22bの電圧値vをv1にした場合、微少ビームは、偏向されて吸収部34bに吸収される吸収状態となり、基板Mへは入射することはない。
本実施形態の照射装置1は、図4(b)に示すように、微少ビームの1ショット当りの時間はt1である。また、各照射エリアAは、1ショット当りの時間t1の間に、可動ステージ40により照射エリアAのX方向の幅分だけ+X側へ移動する。
照射装置1の制御部50は、1ショット目の微少ビームの照射開始時(t=0)において、偏向部22bを吸収状態から通過状態に切り替えて、基板Mの照射エリアAに微少ビームを照射させ、所定の時間の経過後(所定量の微少ビームが照射された後、t=t2)に、偏向部22bを吸収状態に切り替えて、照射エリアAへの微少ビームの照射を停止する。そして、所定の時間、すなわちt=t1になるまで吸収状態を維持する。
次に、2ショット目の微少ビームの照射開始時間(t=t1)となったら、制御部50は、再び、偏向部22bを吸収状態から通過状態に切り替えて、基板Mの照射エリアに微少ビームを照射する。そして、所定時間の経過後(所定量の微少ビームが照射された後、t=t3)に、偏向部22bを吸収状態に切り替えて、照射エリアAへの微少ビームの照射を停止して2ショット目の照射が完了となる。
照射装置1の制御部50は、1ショット目の微少ビームの照射開始時(t=0)において、偏向部22bを吸収状態から通過状態に切り替えて、基板Mの照射エリアAに微少ビームを照射させ、所定の時間の経過後(所定量の微少ビームが照射された後、t=t2)に、偏向部22bを吸収状態に切り替えて、照射エリアAへの微少ビームの照射を停止する。そして、所定の時間、すなわちt=t1になるまで吸収状態を維持する。
次に、2ショット目の微少ビームの照射開始時間(t=t1)となったら、制御部50は、再び、偏向部22bを吸収状態から通過状態に切り替えて、基板Mの照射エリアに微少ビームを照射する。そして、所定時間の経過後(所定量の微少ビームが照射された後、t=t3)に、偏向部22bを吸収状態に切り替えて、照射エリアAへの微少ビームの照射を停止して2ショット目の照射が完了となる。
このように、本実施形態の照射装置1は、各照射エリアに対して、必要に応じて複数回(複数ショット)に分けて微少ビームを照射することによって、所望のドーズ量の微少ビームを各照射エリアに照射することができる。
また、本実施形態の照射装置1は、各偏向部22bの通過状態を維持する時間を、微少ビーム毎に変更することによって、各照射エリアに照射される微少ビームの照射量を異なるようにすることができ、基板Mに対して所望の描画パターンを描画することができる。
また、本実施形態の照射装置1は、各偏向部22bの通過状態を維持する時間を、微少ビーム毎に変更することによって、各照射エリアに照射される微少ビームの照射量を異なるようにすることができ、基板Mに対して所望の描画パターンを描画することができる。
ここで、基板Mは、上述したように可動ステージ40に載置されており、微少ビームの照射時において+X側に一定速度で移動している。そのため、照射装置1は、投影部30に設けられた第1偏向装置32及び第2偏向装置36を制御して、各微少ビームを一括して偏向させることによって、微少ビームの照射位置を、移動する基板Mの各照射エリアAの照射予定位置bに追従させている。
本実施形態の照射装置1は、投影部30によって偏向される微少ビームの照射範囲が、1つの照射エリアの範囲内に限定されている。そのため、可動ステージ40の移動に伴い、微少ビームの照射範囲が、基板Mの一の照射エリアから次の照射エリアに移動した場合に、照射装置1は、投影部30に設けられた第1偏向装置32及び第2偏向装置36を制御して、次の照射エリアの照射予定位置へ微少ビームを偏向させる。
本実施形態の照射装置1は、投影部30によって偏向される微少ビームの照射範囲が、1つの照射エリアの範囲内に限定されている。そのため、可動ステージ40の移動に伴い、微少ビームの照射範囲が、基板Mの一の照射エリアから次の照射エリアに移動した場合に、照射装置1は、投影部30に設けられた第1偏向装置32及び第2偏向装置36を制御して、次の照射エリアの照射予定位置へ微少ビームを偏向させる。
例えば、マルチビームの各微少ビーム(L1〜L5)が、図4(c)に示すように、1ショット目として、基板Mの各照射エリア(A1〜A5)に照射されている場合、可動ステージ40の+X側への移動に伴い、各微少ビーム(L1〜L5)は、投影部30に設けられた各偏向装置32、36により偏向され、それぞれ基板Mの照射エリア(A1〜A5)の照射予定位置(b1〜b5)に追従しながら照射される。各微少ビームの照射量が所定量に達したら、制御部50は、各偏向部22bを通過状態から吸収状態へと切り替えて、照射エリアへの微少ビームの照射を停止して、1ショット目の照射が完了となる。
このとき、可動ステージ40は継続して+X側の移動している。そのため、基板Mの各照射エリア(A1〜A4)の照射予定位置(b1〜b4)が、微少ビーム(L2〜L5)の照射範囲に到達したら、制御部50は、図4(d)に示すように、微少ビーム(L2〜L5)に係る各偏向部22bを再び通過状態に切り替えて、各照射エリア(A1〜A4)の照射予定位置(b1〜b4)に2ショット目の微少ビームを照射する。なお、2ショット目において微少ビームL1の照射範囲には、基板Mが存在しないので、微少ビームL1に係る偏向部22bは、吸収状態が維持される。
(照射装置1のマルチビームの照射位置の補正)
次に、照射装置1によるマルチビームの基板Mへの照射位置の補正について説明する。
図5は、比較例の照射装置により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の一例を示した図である。
図6は、本実施形態の照射装置1により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の一例を示した図である。
図7は、比較例の照射装置により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の別な例を示した図である。
図8は、本実施形態の照射装置1により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の別な例を示した図である。
図9は、比較例の照射装置により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の他の例を示した図である。
図10は、本実施形態の照射装置1により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の他の例を示した図である。
次に、照射装置1によるマルチビームの基板Mへの照射位置の補正について説明する。
図5は、比較例の照射装置により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の一例を示した図である。
図6は、本実施形態の照射装置1により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の一例を示した図である。
図7は、比較例の照射装置により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の別な例を示した図である。
図8は、本実施形態の照射装置1により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の別な例を示した図である。
図9は、比較例の照射装置により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の他の例を示した図である。
図10は、本実施形態の照射装置1により照射されたマルチビームの照射位置と、基板Mの照射エリアとの関係の他の例を示した図である。
なお、図5〜10においては、説明を明確にするために、可動ステージ40の移動方向(X方向)に配列された基板Mの照射エリア(A1〜A10)の照射予定位置(b1〜b10)に微少ビームが照射される例で説明する。
ここで、図5〜10の各図において、ARは、可動ステージ40の移動方向(X方向)に配列された基板Mの照射エリア(A1〜A10)を示している。
また、APは、基板Mの複数の照射エリア(A1〜A10)に対応して設けられたアパチャープレート21の第1開口部21a(AP1〜AP10)を示している。
更に、L_1は、基板Mの各照射エリアに照射される微少ビームの1ショット目の照射量を、アパチャープレート21の各第1開口部21a(AP1〜AP10)に対応させて示している。同様に、L_2は、各照射エリアに対する微少ビームの2ショット目の照射量を、アパチャープレート21の各第1開口部21a(AP1〜AP10)に対応させて示している。
ここで、図5〜10の各図において、ARは、可動ステージ40の移動方向(X方向)に配列された基板Mの照射エリア(A1〜A10)を示している。
また、APは、基板Mの複数の照射エリア(A1〜A10)に対応して設けられたアパチャープレート21の第1開口部21a(AP1〜AP10)を示している。
更に、L_1は、基板Mの各照射エリアに照射される微少ビームの1ショット目の照射量を、アパチャープレート21の各第1開口部21a(AP1〜AP10)に対応させて示している。同様に、L_2は、各照射エリアに対する微少ビームの2ショット目の照射量を、アパチャープレート21の各第1開口部21a(AP1〜AP10)に対応させて示している。
ここで、複数ショットで照射する場合、各ショットでの照射量は、総照射量を略均等に分けた量にするとよい。例えば、図5から図10に示す基板Mの照射エリアA4に対する照射を、2ショットで行う場合には、全部で15の照射量を、7と8とに分けて照射する。
また、この例では、1ショットでの照射量は、0から15までを設定できる。しかし、1ショットでの照射量を15にすると、t=t1の直前まで電子線を照射することとなるため、次のショットへの切り替えに支障が生じたり(次のショットにそのビームが使用できなくなる)、補正できるずれ量が小さくなったりする問題が生じる。そのため、1ショットでの照射量は、総照射量(15)の約半分である8以下にするのが望ましい。
同一パターンを複数回のショットで描画する場合、照射量に上限を設定しておくことで、補正できるずれ量が大きくすることができる。上限の設定の仕方は、例えば、最大の照射量15をショット回数で割った値の小数点切り上げた整数の値を、上限値とすることができる。
更に、ショット数に制限がなければ、1ショットでの照射量を1にするのが、補正できるずれ量幅の観点からは望ましい。
また、この例では、1ショットでの照射量は、0から15までを設定できる。しかし、1ショットでの照射量を15にすると、t=t1の直前まで電子線を照射することとなるため、次のショットへの切り替えに支障が生じたり(次のショットにそのビームが使用できなくなる)、補正できるずれ量が小さくなったりする問題が生じる。そのため、1ショットでの照射量は、総照射量(15)の約半分である8以下にするのが望ましい。
同一パターンを複数回のショットで描画する場合、照射量に上限を設定しておくことで、補正できるずれ量が大きくすることができる。上限の設定の仕方は、例えば、最大の照射量15をショット回数で割った値の小数点切り上げた整数の値を、上限値とすることができる。
更に、ショット数に制限がなければ、1ショットでの照射量を1にするのが、補正できるずれ量幅の観点からは望ましい。
また、T_1は、微少ビームの1ショット目の照射時におけるブランキングプレート22の偏向部22bに印加される電圧の変化を時系列で示しており、同様に、T_2は、微少ビームの2ショット目の照射時におけるブランキングプレート22の偏向部22bに印加される電圧の変化を時系列で示している。
ここで、T_1、T_2は、それぞれ縦軸が時間t、横軸が電圧値vを示している。この縦軸は、上端側がゼロ(t=0)であり、下端側に向かうにつれて時間が進む(増える)ように記載されており、また、横軸は、右端側がゼロ(v=0)であり左端側に向かうにつれて電圧値が大きくなる。本実施形態では、偏向部22bに印加される電圧値は、v=0とv=v1との間をステップ関数状に変化する。
ここで、T_1、T_2は、それぞれ縦軸が時間t、横軸が電圧値vを示している。この縦軸は、上端側がゼロ(t=0)であり、下端側に向かうにつれて時間が進む(増える)ように記載されており、また、横軸は、右端側がゼロ(v=0)であり左端側に向かうにつれて電圧値が大きくなる。本実施形態では、偏向部22bに印加される電圧値は、v=0とv=v1との間をステップ関数状に変化する。
図5〜図10の各図に示すように、微少ビームの1ショット当りの時間はt1である。そのため、微少ビームの1ショット目は、t=0からt=t1まで間であり、2ショット目は、t=t1からt=2×t1までの間である。
また、各ショットにおいて、電圧値v=0の場合にブランキングプレート22の第2開口部22aを通過する微少ビームは、通過状態となり、偏向部22bにより偏向されることなく基板Mへと照射される。電圧値v=v1の場合には、第2開口部22aを通過する微少ビームは、偏向部22bにより偏向され、ストッパープレート34の吸収部34bに吸収され吸収状態となり、基板Mには微少ビームが照射されない状態となる。
また、各ショットにおいて、電圧値v=0の場合にブランキングプレート22の第2開口部22aを通過する微少ビームは、通過状態となり、偏向部22bにより偏向されることなく基板Mへと照射される。電圧値v=v1の場合には、第2開口部22aを通過する微少ビームは、偏向部22bにより偏向され、ストッパープレート34の吸収部34bに吸収され吸収状態となり、基板Mには微少ビームが照射されない状態となる。
図5、図7及び図9の比較例の照射装置とは、従来主に使用されていた照射装置であり、基本的な装置構成を本実施形態の照射装置1と同様であるが、以下に説明するアパチャープレート21の第1開口部21aのずれや、微少ビームの歪み等が起因となる微少ビームの照射位置のずれ量を補正する機能を有していない。以下、照射装置の各微少ビームの照射位置のずれの発生及び補正について、ずれの発生の要因毎に説明する。
(アパチャープレート21の第1開口部21aの加工誤差によるずれ量の補正)
上述したように、アパチャープレート21に設けられる第1開口部21aがX方向及びY方向に等間隔に形成されているが、アパチャープレート21の製造時における加工誤差等によって、一部の第1開口部21aが設計位置に対してずれた状態で形成されてしまう場合がある。例えば、図5に示すように、アパチャープレート21の複数の第1開口部21aのうち5番目の第1開口部21aであるAP5が設計位置に対して+X側にずれている場合、このアパチャープレート21を使用してマルチビーム(複数の微少ビーム)を生成して、基板Mに微少ビームを照射したとき、1ショット目においては、基板Mの照射エリアA5における照射実位置(微少ビームが実際に照射される位置)が照射予定位置b5に対して+X側にずれてしまい、2ショット目においては、基板Mの照射エリアA4における照射実位置が照射予定位置に対して+X側にずれてしまう。
そのため、基板Mは、照射エリアA4及び照射エリアA5において、適正な位置に適正な量の微少ビームが照射されなくなってしまう。
上述したように、アパチャープレート21に設けられる第1開口部21aがX方向及びY方向に等間隔に形成されているが、アパチャープレート21の製造時における加工誤差等によって、一部の第1開口部21aが設計位置に対してずれた状態で形成されてしまう場合がある。例えば、図5に示すように、アパチャープレート21の複数の第1開口部21aのうち5番目の第1開口部21aであるAP5が設計位置に対して+X側にずれている場合、このアパチャープレート21を使用してマルチビーム(複数の微少ビーム)を生成して、基板Mに微少ビームを照射したとき、1ショット目においては、基板Mの照射エリアA5における照射実位置(微少ビームが実際に照射される位置)が照射予定位置b5に対して+X側にずれてしまい、2ショット目においては、基板Mの照射エリアA4における照射実位置が照射予定位置に対して+X側にずれてしまう。
そのため、基板Mは、照射エリアA4及び照射エリアA5において、適正な位置に適正な量の微少ビームが照射されなくなってしまう。
これに対して、本実施形態の照射装置1は、アパチャープレート21の製造過程における加工誤差を含んだ第1開口部21aを通過した微少ビームの基板M上の照射実位置を、予め試験基板M’に照射して測定しておき、その照射実位置と照射予定位置との差をずれ量として取得し、そのずれ量のデータに基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを変更(遅く)して、基板Mの照射エリアに対する微少ビームの照射位置のずれを補正する。
具体的には、図6に示すように、図5の場合と同様に、アパチャープレート21の複数の第1開口部21aのうち5番目の第1開口部21aであるAP5が設計位置に対して+X側にずれている場合で説明する。このアパチャープレート21を使用してマルチビーム(複数の微少ビーム)を生成して、基板Mに微少ビームを照射する場合、1ショット目においては、第1開口部21aであるAP5を通過する微少ビームに係る偏向部22b(5番目の偏向部22b)のみ、図6中のT_1に示すように、他の偏向部22bに比して、吸収状態から通過状態に切り替えるタイミングをずれ時間Δt1だけ遅くする。すなわち、5番目以外の偏向部22bがt=0に吸収状態から通過状態に切り替わる場合、5番目の偏向部22bのみt=Δt1に吸収状態から通過状態に切り替わる。
ここで、基板Mは、可動ステージ40により一定速度で+X側に移動しているので、基板Mの照射エリアA5のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1分だけ遅れることにより、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
ここで、ずれ時間Δt1は、以下の式(1)によって求められる。
ここで、基板Mは、可動ステージ40により一定速度で+X側に移動しているので、基板Mの照射エリアA5のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1分だけ遅れることにより、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
ここで、ずれ時間Δt1は、以下の式(1)によって求められる。
式(1) Δt1=ΔD1/V
式(1)中のΔD1は、第1開口部21aであるAP5によって照射される微少ビームの基板M上における照射予定位置と、第1開口部21aであるAP5を通過して実際に照射したときの微少ビームの基板M上における照射実位置との可動ステージ40の移動方向(X方向)におけるずれ量(距離)である。また、Vは、可動ステージ40の速度である。
また、本実施形態の照射装置1は、2ショット目においても、第1開口部21aであるAP5を通過する微少ビームに係る偏向部22bのみ、図6中のT_2に示すように、他の偏向部22bに比して、吸収状態から通過状態に切り替えるタイミングをずれ時間Δt1だけ遅くする。これにより、基板Mの照射エリアA4のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1分だけ遅れることとなり、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
また、本実施形態の照射装置1は、2ショット目においても、第1開口部21aであるAP5を通過する微少ビームに係る偏向部22bのみ、図6中のT_2に示すように、他の偏向部22bに比して、吸収状態から通過状態に切り替えるタイミングをずれ時間Δt1だけ遅くする。これにより、基板Mの照射エリアA4のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1分だけ遅れることとなり、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
また、例えば、図7に示すように、アパチャープレート21の複数の第1開口部21aのうち5番目の第1開口部21aであるAP5が設計位置に対して−X側にずれている場合、このアパチャープレート21を使用してマルチビーム(複数の微少ビーム)を生成して、基板Mに微少ビームを照射したとき、1ショット目は、基板Mの照射エリアA5における照射実位置(微少ビームが実際に照射される位置)が照射予定位置b5に対して−X側にずれて照射エリアA4の+X側端部に照射されてしまい、2ショット目は、基板Mの照射エリアA4における照射実位置が照射予定位置に対して−X側にずれて照射エリアA3の+X側端部に照射されてしまう。
そのため、基板Mは、照射エリアA4及び照射エリアA5において、適正な位置に適正な量の微少ビームが照射されなくなってしまう。
そのため、基板Mは、照射エリアA4及び照射エリアA5において、適正な位置に適正な量の微少ビームが照射されなくなってしまう。
これに対して、本実施形態の照射装置1は、アパチャープレート21の製造過程における加工誤差を含んだ第1開口部21aを通過した微少ビームの基板M上の照射実位置を、予め試験基板M’に照射して測定しておき、その照射実位置と照射予定位置との差をずれ量として取得し、そのずれ量のデータに基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを変更(早く)して、基板Mの照射エリアに対する微少ビームの照射位置のずれを補正する。
具体的には、図8に示すように、図7の場合と同様に、アパチャープレート21の複数の第1開口部21aのうち5番目の第1開口部21aであるAP5が設計位置に対して−X側にずれている場合で説明する。このアパチャープレート21を使用してマルチビーム(複数の微少ビーム)を生成して、基板Mに微少ビームを照射する場合、1ショット目においては、第1開口部21aであるAP5を通過する微少ビームに係る偏向部22b(5番目の偏向部22b)のみ、図6中のT_1に示すように、他の偏向部22bに比して、吸収状態から通過状態に切り替えるタイミングをずれ時間Δt1’だけ早くする。すなわち、5番目の偏向部22bのみt=0よりもΔt1’だけ早く吸収状態から通過状態に切り替わり、t=0に5番目以外の偏向部22bが吸収状態から通過状態に切り替わる。
ここで、基板Mは、可動ステージ40により一定速度で+X側に移動しているので、基板Mの照射エリアA5のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1’分だけ早くなることにより、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
同様に、2ショット目においても、第1開口部21aであるAP5を通過する微少ビームに係る偏向部22bのみ、図8中のT_2に示すように、他の偏向部22bに比して、吸収状態から通過状態に切り替えるタイミングをずれ時間Δt1’だけ早くする。これにより、基板Mの照射エリアA4のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1’分だけ早くなることにより、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
ここで、基板Mは、可動ステージ40により一定速度で+X側に移動しているので、基板Mの照射エリアA5のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1’分だけ早くなることにより、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
同様に、2ショット目においても、第1開口部21aであるAP5を通過する微少ビームに係る偏向部22bのみ、図8中のT_2に示すように、他の偏向部22bに比して、吸収状態から通過状態に切り替えるタイミングをずれ時間Δt1’だけ早くする。これにより、基板Mの照射エリアA4のみ、微少ビームが照射されるタイミングがずれ時間Δt1’分だけ早くなることにより、照射エリアA5の適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
(投影部30の電磁光学系が起因となるずれ量の補正)
また、比較例の照射装置は、アパチャープレート21により生成されたマルチビームを基板M(被照射物)に対して投影部30により縮小投影露光されているため、マルチビームが投影部30の電磁光学系を通過したときに歪んでしまう場合がある。この場合、一部の微少ビームが、基板M上の照射予定位置に対してずれて照射されてしまうため、これによっても基板M(被照射物)に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができない場合があった。
また、比較例の照射装置は、アパチャープレート21により生成されたマルチビームを基板M(被照射物)に対して投影部30により縮小投影露光されているため、マルチビームが投影部30の電磁光学系を通過したときに歪んでしまう場合がある。この場合、一部の微少ビームが、基板M上の照射予定位置に対してずれて照射されてしまうため、これによっても基板M(被照射物)に対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができない場合があった。
このような場合においても、本実施形態の照射装置1は、上述のアパチャープレート21の製造時の加工誤差による第1開口部21aの位置ずれの補正の場合と同様にして、ずれ量を補正することができる。具体的には、試験基板M’に微少ビームを照射して、電磁光学系の歪みの影響を受けた微少ビームの照射実位置を予め測定しておき、その照射実位置と照射予定位置との差をずれ量とし、そのずれ量のデータに基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを変更して、基板Mの照射エリアに対する微少ビームの照射位置のずれを上記式(1)によって補正する。
例えば、照射実位置が照射予定位置よりも+X側にずれてしまう場合、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを遅くすることによって、微少ビームの照射位置のずれを補正する。また、照射実位置が照射予定位置よりも−X側にずれてしまう場合、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを早くすることによって、微少ビームの照射位置のずれを補正する。
これにより、本実施形態の照射装置1は、電磁光学系の影響により微少ビームに歪が生じる場合であっても、各照射エリアの適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
例えば、照射実位置が照射予定位置よりも+X側にずれてしまう場合、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを遅くすることによって、微少ビームの照射位置のずれを補正する。また、照射実位置が照射予定位置よりも−X側にずれてしまう場合、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを早くすることによって、微少ビームの照射位置のずれを補正する。
これにより、本実施形態の照射装置1は、電磁光学系の影響により微少ビームに歪が生じる場合であっても、各照射エリアの適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
(微少ビーム間のクーロン力や、吸収部34bにより吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動によるストッパープレート34を通過する微少ビームの歪みが起因となるずれ量の補正)
比較例の照射装置は、本実施形態の照射装置1と同様に、複数の微少ビームのうち基板Mに照射させない微少ビームを偏向部22bにより偏向させて、偏向された微少ビームをストッパープレート34の吸収部34bに吸収させて、照射に必要な微少ビームのみを基板Mに照射させている。
ここで、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、各微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレート34により吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動によりストッパープレート34を通過する微少ビームが歪んでしまうことを発見した。ここで、微少ビームの基板Mへの照射量は、基板Mへの描画パターンに応じて微少ビームのショット毎に変動するため、微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレート34が起因となる電磁場もその都度変動する。そのため、微少ビームの歪みは、荷電粒子ビームの照射処理中において微少ビームのショット毎に変動することとなり、これによっても基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる場合がある。
比較例の照射装置は、本実施形態の照射装置1と同様に、複数の微少ビームのうち基板Mに照射させない微少ビームを偏向部22bにより偏向させて、偏向された微少ビームをストッパープレート34の吸収部34bに吸収させて、照射に必要な微少ビームのみを基板Mに照射させている。
ここで、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、各微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレート34により吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動によりストッパープレート34を通過する微少ビームが歪んでしまうことを発見した。ここで、微少ビームの基板Mへの照射量は、基板Mへの描画パターンに応じて微少ビームのショット毎に変動するため、微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレート34が起因となる電磁場もその都度変動する。そのため、微少ビームの歪みは、荷電粒子ビームの照射処理中において微少ビームのショット毎に変動することとなり、これによっても基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる場合がある。
例えば、比較例の照射装置が、微少ビームの照射エリアが基板M上において偏っている場合、すなわち図9に示すように、基板Mの照射エリアのうち、右半分(A6〜A10)には、ビームが照射されないが、左半分(A1〜A5)には、それぞれ所定量の微少ビームが照射されるとした場合について説明する。
この場合、基板Mの各照射エリアに照射される微少ビームの1ショット目の照射量(L_1)は、アパチャープレート21の第1開口部21aであるAP1〜AP5に対応する位置が1以上となり、第1開口部21aであるAP6〜AP10に対応する位置がゼロとなる。また、2ショット目の照射量(L_2)は、第1開口部21aであるAP2〜AP6に対応する位置が1以上となり、第1開口部21aであるAP1、AP7〜AP10に対応する位置がゼロとなる。
この場合、基板Mの各照射エリアに照射される微少ビームの1ショット目の照射量(L_1)は、アパチャープレート21の第1開口部21aであるAP1〜AP5に対応する位置が1以上となり、第1開口部21aであるAP6〜AP10に対応する位置がゼロとなる。また、2ショット目の照射量(L_2)は、第1開口部21aであるAP2〜AP6に対応する位置が1以上となり、第1開口部21aであるAP1、AP7〜AP10に対応する位置がゼロとなる。
このような照射条件の場合、1ショット目において、第1開口部21aであるAP6〜AP10を通過する微少ビームは、偏向部22bにより偏向されてストッパープレート34の吸収部34bにより吸収され、また、2ショット目においては、第1開口部21aであるAP1及びAP7〜AP10を通過する微少ビームが、偏向部22bにより偏向されて吸収部34bにより吸収される。
そのため、吸収部34bに吸収される微少ビームが起因となって電磁場が変動してしまい、ストッパープレート34の第3開口部34aを通過する微少ビームが歪んでしまう場合がある。また、隣り合う微少ビーム間に生じるクーロン力によっても微少ビームは、歪んでしまう場合がある。この場合、図9中のL_1、L_2に示すように、ショット毎に偏向される微少ビームの照射量が相違するので、吸収部34bに吸収される微少ビームの分布も相違してしまい、第3開口部34aを通過する微少ビームが受ける電磁場や、クーロン力の影響もショット毎に相違してしまう。そのため、各微少ビームの歪む量もショット毎に変動してしまう。
したがって、図9のARに示すように、微少ビームは、ショット毎に応じて、基板Mの各照射エリアの照射予定位置に対して+X側にずれた位置に照射されてしまい、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる。
そのため、吸収部34bに吸収される微少ビームが起因となって電磁場が変動してしまい、ストッパープレート34の第3開口部34aを通過する微少ビームが歪んでしまう場合がある。また、隣り合う微少ビーム間に生じるクーロン力によっても微少ビームは、歪んでしまう場合がある。この場合、図9中のL_1、L_2に示すように、ショット毎に偏向される微少ビームの照射量が相違するので、吸収部34bに吸収される微少ビームの分布も相違してしまい、第3開口部34aを通過する微少ビームが受ける電磁場や、クーロン力の影響もショット毎に相違してしまう。そのため、各微少ビームの歪む量もショット毎に変動してしまう。
したがって、図9のARに示すように、微少ビームは、ショット毎に応じて、基板Mの各照射エリアの照射予定位置に対して+X側にずれた位置に照射されてしまい、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる。
そこで、本実施形態の照射装置1は、各微少ビーム間に生じるクーロン力や、ストッパープレート34により吸収される微少ビームが起因となる電磁場の変動によりストッパープレート34を通過する際に歪んでしまう微少ビームの基板M上の照射実位置を予めショット毎に測定しておき、その照射実位置と照射予定位置との差からずれ量を求め、そのずれ量のデータに基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを変更(遅く)して、基板Mの照射エリアに対する微少ビームの照射位置のずれを補正する。
具体的には、図10に示すように、図9の場合と同様に基板Mの照射エリアのうち、右半分(A6〜A10)には、ビームが照射されないが、左半分(A1〜A5)には、それぞれ所定量の微少ビームが照射されるとした場合を例にして説明する。
本実施形態の照射装置1は、図10のT_1に示すように、1ショット目において、第1開口部21aであるAP1〜AP5を通過する微少ビームに係る各偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、それぞれずれ時間Δt11〜Δt14だけ遅くする。
ここで、基板Mは、可動ステージ40により一定速度で+X側に移動している。そのため、第1開口部21aであるAP1〜AP4に係る微少ビームが基板Mの照射エリアA1に照射されるタイミングがずれ時間Δt11〜t14分だけ、第1開口部21aであるAP5に係る微少ビームに比して遅れることより、照射エリアA1〜A5の適正な位置に適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
本実施形態の照射装置1は、図10のT_1に示すように、1ショット目において、第1開口部21aであるAP1〜AP5を通過する微少ビームに係る各偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、それぞれずれ時間Δt11〜Δt14だけ遅くする。
ここで、基板Mは、可動ステージ40により一定速度で+X側に移動している。そのため、第1開口部21aであるAP1〜AP4に係る微少ビームが基板Mの照射エリアA1に照射されるタイミングがずれ時間Δt11〜t14分だけ、第1開口部21aであるAP5に係る微少ビームに比して遅れることより、照射エリアA1〜A5の適正な位置に適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
同様に、本実施形態の照射装置1は、図10のT_2に示すように、2ショット目において、第1開口部21aであるAP2〜AP6を通過する微少ビームに係る各偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、それぞれずれ時間Δt21〜Δt24だけ遅くする。これにより、第1開口部21aであるAP2〜AP5に係る微少ビームが基板Mの照射エリアA1に照射されるタイミングがずれ時間Δt21〜t24分だけ、第1開口部21aであるAP6に係る微少ビームに比して遅れることより、照射エリアA1〜A5の適正な位置に適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
ここで、ずれ時間Δt11〜Δt14と、ずれ時間Δt21〜Δt24とは、以下の式(2)、式(3)により求められる。
ここで、ずれ時間Δt11〜Δt14と、ずれ時間Δt21〜Δt24とは、以下の式(2)、式(3)により求められる。
式(2) Δt1n=ΔD1n/V
式(3) Δt2n=ΔD2n/V
(n:1〜4)
式(3) Δt2n=ΔD2n/V
(n:1〜4)
式(2)中のΔD1nは、1ショット目における各照射エリア(A1〜A4)に照射される微少ビームの基板M上における照射予定位置と、実際に照射したときの微少ビームの基板M上における照射実位置とのずれ量(距離)である。
式(3)中のΔD2nは、2ショット目における各照射エリア(A1〜A4)に照射される微少ビームの基板M上における照射予定位置と、実際に照射したときの微少ビームの基板M上における照射実位置とのずれ量(距離)である。
また、各式中のVは、可動ステージ40の速度である。
このように、クーロン力や、電磁場による微少ビームへの影響が、ショット毎に変動してしまう場合においても、本実施形態の照射装置1は、微少ビームの照射位置を適正な位置に補正することができ、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができる。
式(3)中のΔD2nは、2ショット目における各照射エリア(A1〜A4)に照射される微少ビームの基板M上における照射予定位置と、実際に照射したときの微少ビームの基板M上における照射実位置とのずれ量(距離)である。
また、各式中のVは、可動ステージ40の速度である。
このように、クーロン力や、電磁場による微少ビームへの影響が、ショット毎に変動してしまう場合においても、本実施形態の照射装置1は、微少ビームの照射位置を適正な位置に補正することができ、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができる。
また、微少ビームの照射実位置が照射予定位置よりも−X側にずれている場合、そのずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを早くすることによって、微少ビームの照射位置を適正な位置に補正することができ、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができる。
なお、偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングは、微少ビーム毎の照射実位置と照射予定位置とのずれの方向に応じて、適宜、早めたり、遅らせたりすることができる。
なお、偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングは、微少ビーム毎の照射実位置と照射予定位置とのずれの方向に応じて、適宜、早めたり、遅らせたりすることができる。
(ずれ量マップ)
本実施形態の照射装置1は、各微少ビームについてのずれ量のデータをずれ量マップとして記憶部55に保存している。以下にずれ量マップの詳細について説明する。
図11は、本実施形態の照射装置1に用いられるずれ量マップの一例を示す図である。
図12及び図13は、基板Mの照射範囲の各エリア(照射定義領域)に設けられる測定マークの位置を説明する図である。ここで、図12及び図13に示す各エリア(Ar1〜Ar4)(照射定義領域)は、基板Mの照射範囲を同一の大きさに分割した領域である。また、各エリア(Ar1〜Ar4)(照射定義領域)には、上述の微少ビームの照射エリアAが縦横に複数配置されている。すなわち、複数の照射エリアAをまとめて1単位のエリア(Ar)としている。また、基板Mの照射範囲は、アパチャープレート21に基づいて予め決められた範囲であり、基板Mに複数有していてもよい。
本実施形態の照射装置1は、各微少ビームについてのずれ量のデータをずれ量マップとして記憶部55に保存している。以下にずれ量マップの詳細について説明する。
図11は、本実施形態の照射装置1に用いられるずれ量マップの一例を示す図である。
図12及び図13は、基板Mの照射範囲の各エリア(照射定義領域)に設けられる測定マークの位置を説明する図である。ここで、図12及び図13に示す各エリア(Ar1〜Ar4)(照射定義領域)は、基板Mの照射範囲を同一の大きさに分割した領域である。また、各エリア(Ar1〜Ar4)(照射定義領域)には、上述の微少ビームの照射エリアAが縦横に複数配置されている。すなわち、複数の照射エリアAをまとめて1単位のエリア(Ar)としている。また、基板Mの照射範囲は、アパチャープレート21に基づいて予め決められた範囲であり、基板Mに複数有していてもよい。
ここで、照射装置1は、ショット毎における各微少ビームのずれ量を全て記憶部55に保存し、各偏向部22bの切り替え処理に用いられるのが、微少ビームの照射位置の補正精度の向上の観点から最も望ましい。
しかし、上述したようにマルチビームを構成する微少ビームが、例えば、262144本存在する場合、ショット毎における各微少ビームのずれ量の情報は膨大になるので、制御部50のずれ時間の演算処理等の負担が大きくなりすぎてしまい、マルチビームの照射処理速度が低下してしまう要因となってしまうことが考えられる。
しかし、上述したようにマルチビームを構成する微少ビームが、例えば、262144本存在する場合、ショット毎における各微少ビームのずれ量の情報は膨大になるので、制御部50のずれ時間の演算処理等の負担が大きくなりすぎてしまい、マルチビームの照射処理速度が低下してしまう要因となってしまうことが考えられる。
そこで、本実施形態の照射装置1は、このような問題を回避するために、各微少ビームのずれ量の情報をずれ量マップとして記憶部55に記憶させている。
このずれ量マップは、図11に示すように、基板Mの照射面上に存在する照射範囲を、例えば、4つのエリアAr(Ar1〜Ar4)に分け、各エリアの微少ビームの照射密度に対する各エリアの代表点(測定マーク)におけるずれ量が記録されている。ここで、各エリア(Ar1〜Ar4)内の複数の代表点(測定マーク)は、照射範囲内において略均等に設けられている。そのようにすることで、照射範囲内のずれ量を、位置によって偏りが生じることなく、どの位置であってもより正確に求めることができる。
例えば、上述のように微少ビームがX方向、Y方向に512本ずつ分散され、各微少ビームの照射ピッチが160nmである場合、照射範囲(ずれ量マップ)の一辺の寸法は、81.92μmとなる。
このずれ量マップは、図11に示すように、基板Mの照射面上に存在する照射範囲を、例えば、4つのエリアAr(Ar1〜Ar4)に分け、各エリアの微少ビームの照射密度に対する各エリアの代表点(測定マーク)におけるずれ量が記録されている。ここで、各エリア(Ar1〜Ar4)内の複数の代表点(測定マーク)は、照射範囲内において略均等に設けられている。そのようにすることで、照射範囲内のずれ量を、位置によって偏りが生じることなく、どの位置であってもより正確に求めることができる。
例えば、上述のように微少ビームがX方向、Y方向に512本ずつ分散され、各微少ビームの照射ピッチが160nmである場合、照射範囲(ずれ量マップ)の一辺の寸法は、81.92μmとなる。
ここで、図11に示す微少ビーム照射密度は、各エリアについて、1ショット当りの微少ビームの照射可能総量に対する1ショット当りの微少ビームの照射実総量(実際に照射する微少ビームの総照射量)の割合を示している。これは、微少ビームのオンオフによる密度を表す。本実施形態では、各エリアの微少ビーム照射密度は、0%、20%、40%、60%、80%、100%の6段階に分けて記録されている。
「0%」と記録されている場合は、照射実総量の割合が0%以上10%未満の場合であり、「20%」と記録されている場合は、照射実総量の割合が10%以上30%未満の場合であり、「40%」と記録されている場合は、照射実総量の割合が30%以上50%未満の場合であり、「60%」と記録されている場合は、照射実総量の割合が50%以上70%未満の場合であり、「80%」と記録されている場合は、照射実総量の割合が70%以上90%未満の場合であり、「100%」と記録されている場合は、照射実総量の割合が90%以上100%以下の場合である。このように、微少ビームの照射密度を6段階に規定することにより、ずれ量マップの情報量が大きくなりすぎてしまい、制御部50による微少ビームの照射位置の補正処理の負担を軽減することができる。
また、図11に示すずれ量は、上述の各要因によってずれてしまう微少ビームの照射位置を補正するために、予め測定された照射実位置と照射予定位置との差から求められた値(ΔDa1〜ΔDd9)である。
本実施形態では、各エリア(Ar1〜Ar4)内の4角近傍の点と、これらの点の中点とを含む合計9点におけるずれ量が予め測定されている。このずれ量は、図12に示すように、エリアAr1については、上記9点に対応する測定マークMa1〜Ma9が、基板Mと同等に形成された試験基板M’上に描画され、描画された各測定マークと、対応する9点の照射予定位置とのX方向における差を求めて、ずれ量(ΔDa1〜ΔDa9)としている。
本実施形態では、各エリア(Ar1〜Ar4)内の4角近傍の点と、これらの点の中点とを含む合計9点におけるずれ量が予め測定されている。このずれ量は、図12に示すように、エリアAr1については、上記9点に対応する測定マークMa1〜Ma9が、基板Mと同等に形成された試験基板M’上に描画され、描画された各測定マークと、対応する9点の照射予定位置とのX方向における差を求めて、ずれ量(ΔDa1〜ΔDa9)としている。
同様に、エリアAr2については測定マークMb1〜Mb9が、エリアAr3については測定マークMc1〜Mc9が、エリアAr4については測定マークMd1〜Md9がそれぞれ試験基板M’上に描画され、描画された各測定マークと、対応する9点の照射予定位置とのX方向における差を求めて、それぞれをずれ量(ΔDb1〜ΔDb9、ΔDc1〜ΔDc9、ΔDd1〜ΔDd9)としている。
ここで、ずれ量ΔDa1は、エリアAr1の測定マークMa1におけるずれ量を示し、同様に、ずれ量ΔDa2〜Da9は、エリアAr1の測定マークMa2〜Ma9におけるずれ量を示している。同様に、ずれ量ΔDb1〜Db9は、エリアAr2の測定マークMb1〜Mb9におけるずれ量を示しており、ずれ量ΔDc1〜Dc9は、エリアAr3の測定マークMc1〜Mc9におけるずれ量を示しており、ずれ量ΔDd1〜Dd9は、エリアAr4の測定マークMd1〜Md9におけるずれ量を示している。上述のように、各エリア(Ar1〜Ar4)内の4角近傍の点と、これらの点の中点とを含む合計9点についてのずれ量を予め測定して、予測したずれ量を用いて後述するように描画をすることで、ずれのない描画を実現できる。
本実施形態の照射装置1は、以下のようにしてずれ量マップに基づいて基板Mに設けられた各照射エリアに微少ビームを照射する。
照射装置1の制御部50は、上述のずれ量マップを記憶部55に保存しており、描画データに基づいて、微少ビームの各ショット時における各エリア(Ar1〜Ar4)への照射密度を求める。
次に、制御部50は、記憶部55からずれ量マップ(図11参照)を読み出して、各エリア(Ar1〜Ar4)の照射密度に応じたずれ量の情報を読み出す。
照射装置1の制御部50は、上述のずれ量マップを記憶部55に保存しており、描画データに基づいて、微少ビームの各ショット時における各エリア(Ar1〜Ar4)への照射密度を求める。
次に、制御部50は、記憶部55からずれ量マップ(図11参照)を読み出して、各エリア(Ar1〜Ar4)の照射密度に応じたずれ量の情報を読み出す。
例えば、1ショット目の微少ビームの照射において、各エリアAr1〜Ar4の照射密度のパターンが、それぞれ100%、100%、80%、80%である場合、制御部50は、読み出した微少マップから照射密度のパターンが一致するデータ番号3のずれ量(ΔDa1〜ΔDd9)を読み出す。
それから、照射装置1の制御部50は、上述の式(1)〜(3)と同様に、読み出したずれ量ΔD(ΔDa1〜ΔDd9)の各値を、可動ステージ40の駆動速度Vで割る(ΔD/V)ことによって、各測定マークにおけるずれ時間Δt(Δta1〜Δtd9)を求める。
それから、照射装置1の制御部50は、上述の式(1)〜(3)と同様に、読み出したずれ量ΔD(ΔDa1〜ΔDd9)の各値を、可動ステージ40の駆動速度Vで割る(ΔD/V)ことによって、各測定マークにおけるずれ時間Δt(Δta1〜Δtd9)を求める。
ここで、ずれ時間Δta1は、測定マークMa1の位置における微少ビームのずれ時間であり、同様に、ずれ時間Δta2〜Δta9は、測定マークMa2〜Ma9の位置における微少ビームのずれ時間である。
ずれ時間Δtb1〜Δtb9は、測定マークMb1〜Mb9の位置における微少ビームのずれ時間であり、ずれ時間Δtc1〜Δtc9は、測定マークMc1〜Mc9の位置における微少ビームのずれ時間であり、ずれ時間Δtd1〜Δtd9は、測定マークMd1〜Md9の位置における微少ビームのずれ時間である。
ずれ時間Δtb1〜Δtb9は、測定マークMb1〜Mb9の位置における微少ビームのずれ時間であり、ずれ時間Δtc1〜Δtc9は、測定マークMc1〜Mc9の位置における微少ビームのずれ時間であり、ずれ時間Δtd1〜Δtd9は、測定マークMd1〜Md9の位置における微少ビームのずれ時間である。
上述のように各測定マークMa1〜Md9の位置における各ずれ時間Δta1〜Δtd9を求めたら、制御部50は、各ずれ時間Δta1〜Δtd9に基づいて、各エリア(Ar1〜Ar4)内に設けられた各照射エリアAに照射される各微少ビームのずれ時間Δtを演算する。具体的には、制御部50は、各測定マーク間における各ずれ時間の値を線形補間することによって、エリアAr内の各照射エリアAの照射予定位置に応じたずれ時間を求める。
それから、制御部50は、1ショット目の照射時において、各偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、演算した各ずれ時間Δtに基づいて変更して、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射する。
それから、制御部50は、1ショット目の照射時において、各偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、演算した各ずれ時間Δtに基づいて変更して、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射する。
なお、図13に示すように、各エリア(Ar1〜Ar4)の端の点と、これらの点の中点とを含む点を、測定マークMe1〜Me25にしてもよい。その場合においても、各点におけるずれ量を予め測定しておけばよい。各点に対応する測定マークが、基板Mと同等に形成された試験基板M’上に描画され、描画された各測定マークと、対応する点の照射予定位置とのX方向における差を求めて、ずれ量とする。このようにすることで、図12の場合と比較して、測定マークを複数のエリアで共有できるため、測定マークの数が少なくて済む。
また、図12に示すように、測定マークは、エリアの端の点でなくてもよい。その場合には、線形補間によって、エリアの端でのずれ量を求めてもよい。
また、図12に示すように、測定マークは、エリアの端の点でなくてもよい。その場合には、線形補間によって、エリアの端でのずれ量を求めてもよい。
この照射装置1を使用すると、可動ステージ40の移動方向に交差(例えば、直交)したラインアンドスペース(L/S)パターンを多く含むパターンの描画を、効率的に歪みがなく描画できる。これにより、ラインパターンの幅やラインエッジラフネス、位置精度を向上させることができる。ライン間の間隔も精度よく制御でき、例えば、回路パターンをより正確にパターニングできる。
一方、可動ステージ40の移動方向に平行したラインアンドスペース(L/S)パターンを多く含むパターンの描画の場合においても、予め描画データを90度回転させて照射装置1に入力することで、歪みのない描画を行うことができる。
また、製造要求精度の最も高いラインパターンアンドスペースパターンを、可動ステージ40の移動方向に交差(例えば、直交)した方向としてもよい。製造要求精度の最も高い例としては、ラインアンドスペースパターンのピッチや、寸法の目標値からの誤差量や、面内のばらつき度合の許容範囲が描画パターンの中で最小である場合等である。
一方、可動ステージ40の移動方向に平行したラインアンドスペース(L/S)パターンを多く含むパターンの描画の場合においても、予め描画データを90度回転させて照射装置1に入力することで、歪みのない描画を行うことができる。
また、製造要求精度の最も高いラインパターンアンドスペースパターンを、可動ステージ40の移動方向に交差(例えば、直交)した方向としてもよい。製造要求精度の最も高い例としては、ラインアンドスペースパターンのピッチや、寸法の目標値からの誤差量や、面内のばらつき度合の許容範囲が描画パターンの中で最小である場合等である。
以上より、本実施形態の照射装置1は、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態の照射装置1は、基板Mに照射される各微少ビームの照射予定位置と、予め取得された実際に基板Mに照射された各微少ビームの照射実位置とのずれ量に基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、ずれ量を有さない微少ビームに係る偏向部22bに比して変更(遅く又は早く)している。これにより、照射装置1は、基板Mの各照射エリアにおいて微少ビームの照射位置が、照射予定位置からずれてしまうのを極力抑制することができ、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
(1)本実施形態の照射装置1は、基板Mに照射される各微少ビームの照射予定位置と、予め取得された実際に基板Mに照射された各微少ビームの照射実位置とのずれ量に基づいて、ずれ量を有する微少ビームに係る偏向部22bの吸収状態から通過状態への切り替えのタイミングを、ずれ量を有さない微少ビームに係る偏向部22bに比して変更(遅く又は早く)している。これにより、照射装置1は、基板Mの各照射エリアにおいて微少ビームの照射位置が、照射予定位置からずれてしまうのを極力抑制することができ、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
(2)本実施形態の照射装置1は、ずれ量マップに、アパチャープレート21に設けられた各第1開口部21aの実際の位置と、設計位置との差によるずれ量が含まれているので、第1開口部21aの設計位置に対する位置ずれがある場合であっても、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
(3)本実施形態の照射装置1は、ずれ量マップに、予め取得された投影部30が起因となる微少ビームの歪みによるずれ量が含まれている。これにより、照射装置1は、投影部30の電磁光学系により微少ビームが歪んでいたとしても、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の微少ビームを照射することができる。
(4)本実施形態の照射装置1は、ずれ量マップが、予め取得された吸収部34bに吸収される微少ビームが起因となる第3開口部34aを通過する微少ビームの歪みによるずれ量を含んでいる。これにより、吸収部34bに吸収された微少ビームが起因となる電磁場等による微少ビームへの影響がショット毎に変動してしまう場合においても、本実施形態の照射装置1は、微少ビームの照射位置を適正な位置に補正することができ、基板Mに対して適正な位置に、適正なドーズ量の荷電粒子ビームを照射することができなくなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、照射装置1に保存されるずれ量マップは、微少ビームの照射密度と、ずれ量の情報とが記録される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、可動ステージの駆動速度Vが一定であるならば、予めずれ時間Δt(Δta1〜Δtd9)を演算して、ずれ量マップに記録するようにしてもよい。これにより、照射装置1は、制御部50による演算処理の負荷をより軽減することができる。
(1)上述の実施形態において、照射装置1に保存されるずれ量マップは、微少ビームの照射密度と、ずれ量の情報とが記録される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、可動ステージの駆動速度Vが一定であるならば、予めずれ時間Δt(Δta1〜Δtd9)を演算して、ずれ量マップに記録するようにしてもよい。これにより、照射装置1は、制御部50による演算処理の負荷をより軽減することができる。
(2)上述の実施形態において、ずれ量マップに記録された微少ビームの照射密度は、6段階に分ける例を示したが、これに限定されるものでなく、6以外の複数に分けるようにしてもよい。
また、ずれ量を測定する代表点(測定マーク)も9点に限定されるものでなく、9以外の点数としてもよい。
更に、基板Mの照射範囲の各エリアも4つに限定されるものではなく、4以外のエリアに分けてもよい。
また、ずれ量を測定する代表点(測定マーク)も9点に限定されるものでなく、9以外の点数としてもよい。
更に、基板Mの照射範囲の各エリアも4つに限定されるものではなく、4以外のエリアに分けてもよい。
(3)上述の実施形態において、照射装置1は、基板Mの各照射エリアのX方向における微少ビームのずれを補正する例を示したが、これに限定されるものでなく、各照射エリアのY方向における微少ビームのずれを補正するようにしたり、X方向及びY方向における微少ビームのずれを補正するようにしたりしてもよい。
1 照射装置
10 照明部
11 電子銃
12 抽出部
13 偏向器
14 集光レンズ
15 偏向器
20 パターン決定部
21 アパチャープレート
21a 第1開口部
22 ブランキングプレート
22a 第2開口部
22b 偏向部
30 投影部
31 第1レンズ部
32 第1偏向装置
33 第2レンズ部
34 ストッパープレート
34a 第3開口部
35 第3レンズ部
36 第2偏向装置
40 可動ステージ
10 照明部
11 電子銃
12 抽出部
13 偏向器
14 集光レンズ
15 偏向器
20 パターン決定部
21 アパチャープレート
21a 第1開口部
22 ブランキングプレート
22a 第2開口部
22b 偏向部
30 投影部
31 第1レンズ部
32 第1偏向装置
33 第2レンズ部
34 ストッパープレート
34a 第3開口部
35 第3レンズ部
36 第2偏向装置
40 可動ステージ
Claims (9)
- 荷電粒子ビームを照射するビーム照射部と、
前記ビーム照射部から照射された荷電粒子ビームを透過させ、複数の微少ビームを生成する複数の第1開口部を有したアパチャー部と、
前記アパチャー部から出射した複数の前記微少ビームをそれぞれ透過させる複数の第2開口部と、前記第2開口部のそれぞれに設けられ、前記第2開口部を通過する前記微少ビームを偏向する偏向部とを有するブランキング部と、
前記ブランキング部を通過した前記微少ビームを被照射物側へ通過させる第3開口部と、前記微少ビームを吸収する吸収部とを有するストッパー部と、
前記ブランキング部に設けられた前記偏向部を制御して、前記微少ビームが前記ストッパー部の前記第3開口部を通過する通過状態と、前記微少ビームを偏向させて前記吸収部に吸収させる吸収状態とを切り替える制御部と、
前記被照射物に照射される各前記微少ビームの照射予定位置と、予め取得された実際に被照射物に照射された各前記微少ビームの照射実位置とのずれ量をずれ量マップとして記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、前記ずれ量マップに基づいて、前記ずれ量を有する前記微少ビームに係る前記偏向部の前記吸収状態から前記通過状態への切り替えのタイミングを、前記ずれ量を有さない前記微少ビームに係る前記偏向部に比して変更すること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項1に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記ずれ量マップは、前記アパチャー部に設けられた各前記第1開口部の実際の位置と、設計位置との差に基づくずれ量を含んでいること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記ブランキング部と前記ストッパー部との間に電磁光学部を更に備え、
前記ずれ量マップは、予め取得された前記電磁光学部が起因となる前記微少ビームの歪みに基づくずれ量を含んでいること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記ずれ量マップは、予め取得された前記吸収部に吸収される微少ビームが起因となる前記第3開口部を通過する微少ビームの歪みに基づくずれ量を含んでいること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記ずれ量マップは、複数の前記微少ビームの前記照射予定位置を含む各照射定義領域の前記微少ビームの照射密度の組み合わせと、前記ずれ量とを対応付けたデータを有するものであること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項5に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記各照射定義領域は、前記荷電粒子ビームによる照射範囲を同一の大きさに分割した領域であること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項6に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記ずれ量は、前記各照射定義領域に複数有する代表点におけるずれ量であり、
前記代表点は、前記照射範囲内で略均等に設けられていること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記制御部は、前記被照射物を載置した可動ステージを送り方向に移動させる制御を行い、
前記ビーム照射部は、前記照射予定位置に複数回に分けて前記微少ビームが照射されるように、前記荷電粒子ビームを複数回照射すること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム照射装置において、
前記被照射物の送り方向に交差するラインを多く含む描画データに基づいた前記被照射物への各前記微少ビームの照射によって、前記ラインを前記被照射物に描画すること、
を特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2017/017503 WO2017195766A1 (ja) | 2016-05-11 | 2017-05-09 | 荷電粒子ビーム照射装置 |
TW106115435A TW201740225A (zh) | 2016-05-11 | 2017-05-10 | 荷電粒子束照射裝置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016095024 | 2016-05-11 | ||
JP2016095024 | 2016-05-11 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017208538A true JP2017208538A (ja) | 2017-11-24 |
Family
ID=60415673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017092272A Pending JP2017208538A (ja) | 2016-05-11 | 2017-05-08 | 荷電粒子ビーム照射装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017208538A (ja) |
TW (1) | TW201740225A (ja) |
-
2017
- 2017-05-08 JP JP2017092272A patent/JP2017208538A/ja active Pending
- 2017-05-10 TW TW106115435A patent/TW201740225A/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
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TW201740225A (zh) | 2017-11-16 |
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