JP2017207626A - 光学要素 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者の覚醒を高めると共に集中力を高めることが可能な光学要素を提供すること。【解決手段】光学要素は、有機ガラス基材13が特定波長吸収色素を含有する光学要素において、特定波長吸収色素の少なくとも1つが波長域500〜600nmに吸収ピーク波長を有するテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物であり、光学要素の透過率曲線は、波長域450〜500nmの青色性分光の平均透過率が60%以上であって、波長域500〜600nmの緑色性分光に第1吸収ピーク波長を有し、第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下であるものである。【選択図】図1
Description
本発明は、使用者の覚醒を高めると共に集中力を高める光学要素に関する。
特定波長吸収色素を含有した有機ガラス基材から形成された光学要素としては、防眩光学要素が下記特許文献1で知られている。この防眩光学要素は、屋外用眼鏡に適用して、夜間、夕方及び朝方の車運転時や歩行時などに装着した場合、防眩効果を有するとともに目的物視野性を確保できるように構成される。
近年、第3の視細胞であるipRGC(内因性光感受性網膜神経節細胞)が発見され、研究が進められ、ipRGCが覚醒度、睡眠、瞳孔反射及び血中メラトニン濃度などの非視覚的作用を引き起こすとされている。ipRGCは、波長域450〜500nmの青色成分光に強く反応し、使用者の覚醒を高める効果を有することが報告されている。
サングラスなどの光学要素が、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率を高めるものであれば、使用者の覚醒を高めることが可能なものとすることができる。このような光学要素によれば、使用者は、ランニングなどの運動時や車の運転時に着用することにより、覚醒を高めることが期待される。
更には、ipRGCが強く反応する450〜500nmの青色成分光の透過率を高くしつつ500〜600nmの緑色成分光の透過率を相対的に低くすることで、更に覚醒を高められることが知られている。従って、ipRGCの非視覚的作用を強く引き起こすためには450〜500nmの透過率を高くすると同時に500〜600nmの透過率を低くする光学特性が必要であった。
本発明の光学要素は、有機ガラス基材が特定波長吸収色素を含有する光学要素において、
該特定波長吸収色素の少なくとも1つが、波長域500〜600nmに吸収ピーク波長を有するテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物であり、
該光学要素の透過率曲線は、波長域450〜500nmの平均透過率が60%以上であって、波長域500〜600nmに第1吸収ピーク波長を有し、該第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下である、ことを特徴とする。
該特定波長吸収色素の少なくとも1つが、波長域500〜600nmに吸収ピーク波長を有するテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物であり、
該光学要素の透過率曲線は、波長域450〜500nmの平均透過率が60%以上であって、波長域500〜600nmに第1吸収ピーク波長を有し、該第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下である、ことを特徴とする。
ipRGCには、波長域500〜600nmの緑色成分光の透過率を局所的に低下させ、450〜500nmの青色成分光の透過率を相対的に高くすることにより、単に450〜500nmの光を透過させるだけよりも、覚醒作用が強く働くことが解明されてきた。本発明の光学要素によれば、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率が高く、波長域500〜600nmの緑色成分光の透過率を局所的に低下させるため、使用者の覚醒を高めると共に意識面としての集中力を高めることが可能なものとなる。従って、本発明の光学要素によれば、使用者がランニングなどの運動時や車の運転時に着用することにより、覚醒を高めると共に運動や運転に集中できることが期待され、車の運転時であれば、安全運転に寄与することが期待される。
ここで、前記光学要素の透過率曲線には、波長域600〜700nmに第2吸収ピーク波長を有するものであることが好ましい。
日の出直後や日の入り直前の時間帯の太陽は、運動や運転の際の使用者の視界の先にあり、直射日光が目に入り易い。この時の太陽光は、波長域600〜700nmの赤色成分光が多いものである。上記光学要素によれば、第2吸収ピーク波長として波長域600〜700nmの赤色成分光の透過率を局所的に低下させるものであるため、日の出直後や日の入り直前の時間帯の太陽光に対して防眩効果を有するものとすることができる。また、該第2吸収ピーク波長の透過率が、前記第1吸収ピーク波長より10%以上高いことにより、目的物視認性を確保することができるものとなる。
また、前記有機ガラス基材が紫外線吸収剤を含有し、
前記光学要素の透過率曲線は、紫外線域の透過率が、該紫外線域と前記第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より、10%以上低いものとすることができる。
前記光学要素の透過率曲線は、紫外線域の透過率が、該紫外線域と前記第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より、10%以上低いものとすることができる。
これによれば、紫外線域と第1吸収ピーク波長との間の波長域450〜500nmの青色成分光の透過率を確保しつつ、紫外線域の光を吸収することができる。このため、この光学要素によれば、使用者の覚醒を高めつつ、眼球に悪影響を及ぼす恐れのある紫外線域の光をカットすることができるものとなる。
また、上記光学要素において、前記光学基材は、少なくとも片面に光学多層膜が設けられているものとすることができる。
これによれば、光学多層膜の光学設計により、可視光波長域の光の透過損失を抑制することができる光学要素となる。
本発明の光学要素によれば、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率が高く、波長域500〜600nmの緑色成分光の透過率を局所的に低下させるため、使用者の覚醒を高めると共に意識面としての集中力を高めることが可能なものとなる。従って、本発明の光学要素によれば、使用者がランニングなどの運動時や車の運転時に着用することにより、覚醒を高めると共に運動や運転に集中できることが期待され、車の運転時であれば、安全運転に寄与することが期待される。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。 本発明の光学要素は、有機ガラス基材が特定波長吸収色素を含有する光学要素において、該特定波長吸収色素の少なくとも1つが、波長域500〜600nmに吸収ピーク波長(バレー極小)を有するテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物であり、該光学要素の透過率曲線は、波長域450〜500nmの平均透過率が60%以上であって、波長域500〜600nmに第1吸収ピーク波長を有し、該第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下である、ことを特徴とするものである。
実施形態の光学要素では、図1に示すように、光学要素として眼鏡レンズ11の表面(凸面)に光学多層膜21を備えたものを例に採り説明する。勿論、本発明は、眼鏡レンズ11の用途に限定されるものではなく、望遠鏡レンズ、建築又は車両用途の窓ガラスなどのあらゆる光学要素に対して適用することが可能なものである。また、本発明の光学多層膜21は、眼鏡レンズ11の表面(凸面)への用途に限定されるものではなく、眼鏡レンズ11の裏面(凹面)又は両面(凸面及び凹面)に対しても適用することが可能なものである。
実施形態の眼鏡レンズ11は、図1に示す、有機ガラス基材13の表面側に、有機ガラス基材13側からプライマー膜15、ハードコート膜17、光学多層膜21、表面保護膜19の順で膜を備える光学要素である。なお、プライマー膜15、ハードコート膜17、光学多層膜21及び表面保護膜19は、必要により備える膜であり、本発明の必須の構成要素ではない。光学要素として眼鏡レンズ11を形成する有機ガラス基材13は、特定波長吸収色素が含有され、必要により紫外線吸収剤が含有される。
有機ガラス基材13とは、レンズや窓ガラスなどの光学要素の基材として使用されるものであり、実施形態の眼鏡レンズ11では、無機ガラスより軽量であることから有機ガラス(プラスチック)製であるものとする。
有機ガラス基材13としては、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、脂肪族アリルカーボネート樹脂、芳香族アリルカーボネート樹脂、ポリチオウレタン、エピスルフィド樹脂、透明ポリアミド(透明ナイロン)、ノルボルネン系樹脂、ポリイミド、ポリオレフィン系などの合成樹脂を使用することができる。より具体的な有機ガラス基材13としては、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)、「MR−10」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.67)、「MR−174」(三井化学株式会社製エピスルフィド樹脂、屈折率:1.74)、「グリルアミドTR」(エムス社製透明ナイロン)などを好適に使用することができる。
特定波長吸収色素とは、特定の波長に吸収ピーク波長を有する色素である。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長の波長によって使用するものが選択され、例えば、スクアリリウム系、アゾメチン系、シアニン系、キサンテン系、アゾ系、テトラアザポルフィリン系、ピロメテン系、イソインドリノン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、アンスラキノン系、ジオキサジン系などを使用することができる。これらは吸収ピーク波長の波長に応じて一般に市販されているものを使用することができ、東京化成工業株式会社、山本化成株式会社、山田化学工業株式会社などが市販する特定波長吸収色素を使用することができる。
本発明に係る眼鏡レンズ11は、特定波長吸収色素を含有することによって、波長域450〜500nmの青色成分光の平均透過率が60%以上(好ましくは70%以上)であり、波長域500〜600nm(好ましくは530〜580nm)の緑色成分光に第1吸収ピーク波長を有し、該第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下(好ましくは30%以下)又は隣接する極大透過率と20%以上の差を有するものとしている。本発明に係る眼鏡レンズ11によって、使用者の覚醒を高めると共に集中力を高めることが可能となる。
波長域450〜500nmの青色成分光の平均透過率が60%以上、波長域500〜600nmの緑色成分光にある第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下又は隣接する極大透過率と20%以上の差を有するもの、である特定波長吸収色素として、下記構造式(1)で示されるテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物がある。
式(1)中、置換基Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、アゾリル基及び/又は水素原子であり、中心金属Mは、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、バナジウム、チタン又はこれらの酸化物である。テトラアザポルフィリン系金属錯体化合物は、中心金属Mや置換基Rの種類により吸収ピーク波長の調整が可能なものである。
波長域450〜500nmの青色成分光の平均透過率が60%以上、波長域500〜600nmの緑色成分光にある第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下又は隣接する極大透過率と20%以上の差を有するもの、である特定波長吸収色素として、吸収ピーク波長525nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−002:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長547nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−003:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長578nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−004:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長580nmと626nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(M−483:山本化成株式会社)、吸収ピーク波長582nmと630nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(M−412:山本化成株式会社)、吸収ピーク波長583nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−005:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長585nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(PD−311:山本化成株式会社)、吸収ピーク波長590nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(SNC−8:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長594nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−007:山田化学工業株式会社)などを使用することができる。なお、吸収ピーク波長は、測定する装置などの条件、及び有機ガラスの形成方法によって±5nm程度の誤差が生じることがある。
本発明に係る眼鏡レンズ11は、特定波長吸収色素を含有することによって、第2吸収ピーク波長として波長域600〜700nm(好ましくは630〜680nm)の赤色成分光の透過率を局所的に低下させることにより、第1吸収ピーク波長より10%以上高い透過率とする又は隣接する極大透過率と5%以上の差を有することで、眼鏡レンズ11は、日の出直後や日の入り直前の時間帯の防眩効果を有しつつ、目的物視認性を確保することができるものとなる。
波長域600〜700nmの赤色成分光に第2吸収ピーク波長を有する特定波長吸収色素として、下記構造式(2)で示されるテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物又は下記構造式(3)で示されるフタロシアニン系金属錯体化合物がある。
式(2)中、置換基Rは、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、アゾリル基及び/又は水素原子であり、中心金属Mは、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、バナジウム、チタン又はこれらの酸化物である。テトラアザポルフィリン系金属錯体化合物及びフタロシアニン系金属錯体化合物は、中心金属Mや置換基Rの種類により吸収ピーク波長の調整が可能なものである。
波長域600〜700nmの赤色成分光にある第2吸収ピーク波長の透過率を局所的に低下させる特定波長吸収色素として、吸収ピーク波長609nmのフタロシアニン系金属錯体化合物(FDR−001:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長580nmと626nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(M−483:山本化成株式会社)、吸収ピーク波長582nmと630nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(M−412:山本化成株式会社)、吸収ピーク波長680nmのフタロシアニン系金属錯体化合物(FDR−002:山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長695nmのフタロシアニン系金属錯体化合物(FDR−003:山田化学工業株式会社)などを使用することができる。
なお、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)、吸収ピーク波長580nmと626nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(M−483:山本化成株式会社)、吸収ピーク波長582nmと630nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(M−412:山本化成株式会社)は、波長域450〜500nmの青色成分光の平均透過率が60%以上、波長域500〜600nmの緑色成分光にある第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下、である特定波長吸収色素であり、また、波長域600〜700nmの赤色性分光にある第2吸収ピーク波長の透過率を局所的に低下させる特定波長吸収色素でもある。
眼鏡レンズ11において、有機ガラス基材13は、紫外線吸収剤を含有し、透過率曲線における、紫外線域(波長域280〜400nm)の吸収ピーク波長の透過率が、該紫外線域の吸収ピーク波長と前記第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より、10%以上低いものとすることができる。
これによれば、紫外線域の吸収ピーク波長と前記第1吸収ピーク波長との間の波長域450〜500nmの青色成分光の透過率を確保しつつ、紫外線域の光を吸収することができる。このため、眼鏡レンズ11は、使用者の覚醒を高めると共に集中力を高めることに加え、眼球に悪影響を及ぼす恐れのある紫外線域の光をカットすることができるものとなる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート系、立体障害アミン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系、ヒドロキシフェニルトリアジン系等を挙げることができる。これらの内で、紫外線吸収剤は、吸収ピーク波長が近紫外線域にある280〜400nmのものを得易いベンゾトリアゾール系乃至それらの誘導体から選択することが望ましい。より具体的な紫外線吸収剤としては、3−〔5−(2−ベンゾトリアゾイル)−3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオン酸とポリエチレングリコールとのモノエステルや2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールなどを使用することができる。
プライマー膜15とは、必要により、有機ガラス基材13とハードコート膜17との間に備えられる膜であり、眼鏡レンズ11との密着性向上、又は耐衝撃性を付与するために使用され、ハードコート膜17が設けられる場合に備えられるものである。プライマー膜15を形成するプライマー組成物(塗料組成物)としては、可撓性を有することによって耐衝撃性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではないが、耐衝撃性に優れる熱可塑性エラストマーをベースとするプライマー組成物が好ましい。より具体的なプライマー組成物としては、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)に金属酸化物無機微粒子を添加したTPUプライマー組成物、塗膜形成ポリマーの全部または主体がエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)であるものに上記と同様の金属酸化物無機微粒子を添加したTPEEプライマー組成物などを使用することができる。金属酸化物微粒子としては、コロイダルシリカ、コロイダルチタニア、コロイダルジルコニア、コロイダル酸化セリウム、コロイダル酸化タンタル、コロイダル酸化スズ、コロイダル酸化アンチモン、コロイダルアルミナ、コロイダル酸化鉄などやこれらの混合物を使用することができる。
プライマー膜15の形成方法は、プライマー組成物を眼鏡レンズ11(有機ガラス基材13)に塗布・乾燥することによって行う。塗布方法は、ディッピング法、スピンコーティング法、刷毛塗り法、スプレー法などを任意に使用でき、乾燥条件は、80〜140℃で1〜4時間である。
ハードコート膜17とは、必要により、眼鏡レンズ11の耐擦傷性を向上させるために備えらえる膜であり、プライマー膜15を介して眼鏡レンズ11(有機ガラス基材13)に備えられるものである。ハードコート膜17を形成するハードコート組成物(塗料組成物)としては、眼鏡レンズ11の耐擦傷性を向上させることができるものであれば特に限定されるものではないが、シリコーン系ハードコート組成物を好適に使用することができる。シリコーン系ハードコート組成物として、例えば、金属酸化物微粒子を含むオルガノアルコキシシランの加水分解物を使用することができる。そして、金属酸化物微粒子は前述のプライマー組成物に使用したものを使用することができる。オルガノアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどやこれらの混合物を使用することができる。
ハードコート膜17の形成方法は、ハードコート組成物を眼鏡レンズ11(プライマー膜15が形成された有機ガラス基材13)に塗布・乾燥することによって行う。塗布方法は、ディッピング法、スピンコーティング法、刷毛塗り法、スプレー法などを任意に使用することができ、乾燥条件は、80〜140℃で1〜4時間である。
光学要素として眼鏡レンズ11は、少なくとも片面に光学多層膜21が設けられているものとすることができる。
光学多層膜21とは、複数の薄膜を積層させて特定の波長の光を反射させたり透過させたりする性質を有する多層膜のことをいう。実施形態の光学多層膜21は、光学多層膜21の光学設計により、可視光波長域の光の透過損失を抑制することができる。
また、光学設計により、光学多層膜21は反射防止膜又はミラー膜とすることができる。なお、光学設計は、通常、光学膜厚をλ/4の整数倍に選び、層の屈折率から光の干渉条件を満たす光学膜厚を計算し、この光学膜厚を有する層又は高屈折率層と低屈折率層とからなる多層等価膜に置き換えることにより行う(小瀬他編「光工学ハンドブック」朝倉書店、1986.2、P160〜177参照)。
また、光学設計により、光学多層膜21は反射防止膜又はミラー膜とすることができる。なお、光学設計は、通常、光学膜厚をλ/4の整数倍に選び、層の屈折率から光の干渉条件を満たす光学膜厚を計算し、この光学膜厚を有する層又は高屈折率層と低屈折率層とからなる多層等価膜に置き換えることにより行う(小瀬他編「光工学ハンドブック」朝倉書店、1986.2、P160〜177参照)。
実施形態の眼鏡レンズ11では、光学多層膜21は、ハードコート膜17の表面側に設けられ、複数の低屈折率層25と複数の高屈折率層23とからなる5層以上の層構成を有するものである。これによって、眼鏡レンズ11は、光学多層膜の光学設計により、可視光波長域の光の透過損失を抑制可能なものとしている。なお、光学多層膜21の層の数は、特に限定されるものではないが、耐久性としての耐熱性及び耐擦傷性に加え、光学多層膜21の耐剥離性を両立させる見地から10層以下、望ましくは8層以下であることが好ましい。光学多層膜21の層の数が多くなると、光学多層膜21は、熱応力の影響を受けやすくなり、光学多層膜21の耐久性としての耐熱性及び耐剥離性が劣るおそれがあるからである。
なお、本発明では、屈折率は500nmの波長の光に対する屈折率をいう。また、低屈折率材料と高屈折率材料とは、不純物を含まないものであることが好ましいが、本発明の目的を阻害しない限り、10質量%未満の不純物を含んだものであっても、本発明の低屈折率材料と高屈折率材料として使用することができる。
高屈折率層23を形成する材料として、チタン酸化物(屈折率:2.00〜2.40)、ジルコニウム酸化物(屈折率:1.96〜2.02)、ランタン酸化物とチタン酸化物又はタンタル酸化物との混合物乃至複合酸化物(屈折率:1.98〜2.10)、タンタル酸化物(屈折率:2.08〜2.12)、クロム酸化物(屈折率:2.00〜2.10)などを使用することができる。
低屈折率層25を形成する材料として、ケイ素酸化物(二酸化ケイ素、一酸化ケイ素又はこれらの複合酸化物)(屈折率:1.45〜1.47)、フッ化マグネシウム(屈折率:1.36〜1.40)、フッ化カルシウム(屈折率:1.38〜1.42)、二酸化ケイ素とアルミニウム酸化物の混合物などを使用することができる。これら低屈折率層25を形成する材料の中でも、ケイ素酸化物が廉価であるためより好んで使用することができる。
高屈折率層23及び低屈折率層25を形成する材料には市販品を使用することができ、例えば、メルク・ジャパン株式会社、ハクスイテック株式会社、日亜化学工業株式会社、京都薄膜材料研究所などが販売する市販品を使用することができる。
光学多層膜21の各層の形成方法としては、汎用の成形方法を使用することができ、汎用の成形方法として、真空蒸着法(イオンアシスト法を含む。)、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク放電法などの乾式メッキ法(PVD法)を使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。眼鏡レンズ11の有機ガラス基材13には、実施例及び比較例に記載した合成樹脂を使用し、実施例及び比較例に記載した特定波長吸収色素と紫外線吸収剤を使用した。
プライマー膜15は、後述するプライマー組成物をディッピング法(引き上げ速度:105mm/min)で塗布し、80℃で6分乾燥・成膜することによって形成した。プライマー組成物は、「ペスレジンA−160P」(高松油脂株式会社製ポリエステル系熱可塑性エラストマー)100部に、「オプトレイク1120Z(S−7.G)」(日揮触媒化成株式会社製コロイダルチタニア)57部、希釈剤としてメチルアルコール350部、シリコーン系界面活性剤1部、を混合して均一な状態にしたものを使用した。
ハードコート膜17は、後述するハードコート組成物をディッピング法(引き上げ速度:105mm/min)で塗布し、120℃で2時間乾燥・成膜することによって形成した。ハードコート組成物は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン150部、テトラエトキシシラン25部、メチルアルコール150部、を混合したものに、撹拌しながら0.01Nの塩酸40部を滴下し、「オプトレイク1130F−2(A−8)」(日揮触媒化成株式会社製コロイダルチタニア)170部、シリコーン系界面活性剤1部、アセチルアセトンアルミニウム(触媒)1部、を混合して均一な状態にしたものを使用した。
光学多層膜21は、真空蒸着法(イオンアシスト法)によって、汎用の蒸着装置を用いて、ハードコート膜17上にケイ素酸化物とジルコニウム酸化物とを交互に計5層を積層した。真空蒸着は、真空蒸着の行われる閉鎖された空間内を60℃に加熱しながら、1.33×10-3Pa以下まで減圧し、イオン銃を用いて、O2ガス、Arガス又はO2/Ar混合ガスでイオンアシストを行いながら行った。蒸着材料には、市販品を使用した。
表面保護膜19は、フッ素変性有機基と反応性のシリル基を有するフッ素有機基導入シラン化合物(例えば「OF−SR」キャノンオプトロン製)を乾式法で成膜した。
このように作製した眼鏡レンズ11について、光学特性評価性能として、分光透過率曲線を求め、覚醒度を示す指標として縮瞳率測定した。
<分光透過率曲線>
分光透過率曲線は、光学要素の波長ごとの光に対する透過率を曲線で表すものであり、以下の装置及び規格に準拠して求めた。
分光透過率曲線は、光学要素の波長ごとの光に対する透過率を曲線で表すものであり、以下の装置及び規格に準拠して求めた。
・装置:分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
・規格:屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法(JIS T 7333:2005)
・規格:屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法(JIS T 7333:2005)
<縮瞳率>
縮瞳率(%)は、光学要素を使用する人(被験者)の覚醒度を示す指標となるものであり、以下の(1)式で求めることができる。縮瞳率(%)は大きいほど覚醒度が高い。
[式1]
CR=(D1−D2)×100/D1・・・(1)
縮瞳率(%)は、光学要素を使用する人(被験者)の覚醒度を示す指標となるものであり、以下の(1)式で求めることができる。縮瞳率(%)は大きいほど覚醒度が高い。
[式1]
CR=(D1−D2)×100/D1・・・(1)
CRは縮瞳率(%)であり、D1は初期状態の瞳孔直径(mm)であり、D2は光刺激後の瞳孔最小径(mm)である。
初期状態の瞳孔直径測定は、被験者を室内標準光100lxの条件で10分間の明順応した後に測定した。光刺激後の瞳孔最小径は、被験者に実施例又は比較例の光学要素を着用し、室内標準光100lxの条件で10分間の明順応した後に、10秒に1回の1000lxのパルス光照射を9回行った直後に測定した。
図2は、実施例及び比較例の分光透過率曲線を示す図であり、表1には、実施例及び比較例について、第1吸収ピーク波長と第2吸収ピーク波長の波長(nm)及びその透過率(%)、波長域450〜500nmの青色性分光の平均透過率(%)、並びに、縮瞳率(%)を記載した。
(比較例1)
有機ガラス基材には、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)を使用した。特定波長吸収色素は、使用しなかった。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2質量部使用した。
有機ガラス基材には、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)を使用した。特定波長吸収色素は、使用しなかった。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2質量部使用した。
分光透過率曲線を表す図2に示すように、比較例1の眼鏡レンズは、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率が90%以上であるものの、波長域500〜600nmの緑色成分光に第1吸収ピーク波長は見られなかった。縮瞳率は13%と小さく、使用者の集中力を高めることが可能なものでないことがわかる。また、比較例1の眼鏡レンズは、波長域600〜700nmの赤色成分光に第2吸収ピーク波長は見られなく、日の出直後や日の入り直前の時間帯の太陽光に対して防眩効果を有するものでないことがわかる。
(実施例1)
有機ガラス基材には、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)を使用した。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)を有機ガラス基材100質量部に対して3×10-3質量部使用した。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2質量部使用した。
有機ガラス基材には、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)を使用した。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)を有機ガラス基材100質量部に対して3×10-3質量部使用した。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2質量部使用した。
分光透過率曲線を表す図2に示すように、実施例1の眼鏡レンズは、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率が60%以上であり、緑色成分光の波長域500〜600nmにある第1吸収ピーク波長(P11)の透過率が10%以下であった。縮瞳率は27%であり、使用者の覚醒を高めると共に集中力を高めることが可能なものであることがわかる。
実施例1の眼鏡レンズは、波長域600〜700nmの赤色成分光に第2吸収ピーク波長(P12)の透過率が60%以下であり、第2吸収ピーク波長の透過率が第1吸収ピーク波長の透過率より30%以上高いものであり、日の出直後や日の入り直前の時間帯の太陽光に対して防眩効果を有しつつ目的物視認性を確保するものであることがわかる。また、実施例1の眼鏡レンズは、紫外線域の透過率が紫外線域と第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より10%以上低いものであるため、眼球に悪影響を及ぼす恐れのある紫外線域の光をカットすることができるものであることがわかる。
(実施例2)
有機ガラス基材には、「MR−10」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.67)を使用した。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長578nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−004:山田化学工業株式会社)と吸収ピーク波長680nmのフタロシアニン系金属錯体化合物(FDR−002:山田化学工業株式会社)とをそれぞれ有機ガラス基材100質量部に対して1×10-3質量部使用した。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2×10-3質量部使用した。
有機ガラス基材には、「MR−10」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.67)を使用した。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長578nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(FDG−004:山田化学工業株式会社)と吸収ピーク波長680nmのフタロシアニン系金属錯体化合物(FDR−002:山田化学工業株式会社)とをそれぞれ有機ガラス基材100質量部に対して1×10-3質量部使用した。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2×10-3質量部使用した。
分光透過率曲線を表す図2に示すように、実施例2の眼鏡レンズは、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率が60%以上であり、緑色成分光の波長域500〜600nmにある第1吸収ピーク波長(P21)の透過率が15%以下であった。縮瞳率は25%であり、使用者の覚醒を高めると共に集中力を高めることが可能なものであることがわかる。
実施例2の眼鏡レンズは、波長域600〜700nmの赤色成分光に第2吸収ピーク波長(P22)の透過率が70%以下であり、第2吸収ピーク波長の透過率が第1吸収ピーク波長の透過率より30%以上高いものであり、日の出直後や日の入り直前の時間帯の太陽光に対して防眩効果を有しつつ目的物視認性を確保するものであることがわかる。また、実施例1の眼鏡レンズは、紫外線域の透過率が紫外線域と第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より10%以上低いものであるため、眼球に悪影響を及ぼす恐れのある紫外線域の光をカットすることができるものであることがわかる。
(実施例3)
有機ガラス基材には、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)を使用した。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)を有機ガラス基材100質量部に対して1×10-3質量部使用した。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2×10-3質量部使用した。
有機ガラス基材には、「MR−95」(三井化学株式会社製ポリチオウレタン、屈折率:1.60)を使用した。特定波長吸収色素は、吸収ピーク波長560nmと661nmのテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物(山田化学工業株式会社)を有機ガラス基材100質量部に対して1×10-3質量部使用した。有機ガラス基材13に含有させる紫外線吸収剤には、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを有機ガラス基材100質量部に対して0.2×10-3質量部使用した。
分光透過率曲線を表す図2に示すように、実施例3の眼鏡レンズは、波長域450〜500nmの青色成分光の透過率が80%以上であり、緑色成分光の波長域500〜600nmにある第1吸収ピーク波長(P31)の透過率が50%程度であった。縮瞳率は25%であり、使用者の覚醒を高めると共に集中力を高めることが可能なものであることがわかる。
実施例3の眼鏡レンズは、波長域600〜700nmの赤色成分光に第2吸収ピーク波長(P32)の透過率が90%以下であり、第2吸収ピーク波長の透過率が第1吸収ピーク波長の透過率より30%以上高いものであり、日の出直後や日の入り直前の時間帯の太陽光に対して防眩効果を有しつつ目的物視認性を確保するものであることがわかる。また、実施例3の眼鏡レンズは、紫外線域の透過率が紫外線域と第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より10%以上低いものであるため、眼球に悪影響を及ぼす恐れのある紫外線域の光をカットすることができるものであることがわかる。
11…眼鏡レンズ、13…有機ガラス基材、15…プライマー膜、17…ハードコート膜、19…表面保護膜、21…光学多層膜、23…高屈折率層、25…低屈折率層。
Claims (4)
- 有機ガラス基材が特定波長吸収色素を含有する光学要素において、
該特定波長吸収色素の少なくとも1つが波長域500〜600nmに吸収ピーク波長を有するテトラアザポルフィリン系金属錯体化合物であり、
該光学要素の透過率曲線は、波長域450〜500nmの平均透過率が60%以上であって、波長域500〜600nmに第1吸収ピーク波長を有し、該第1吸収ピーク波長の透過率が60%以下である、ことを特徴とする光学要素。 - 前記光学要素の透過率曲線には、波長域600〜700nmに第2吸収ピーク波長を有することを特徴とする請求項1に記載の光学要素。
- 前記有機ガラス基材が紫外線吸収剤を含有し、
前記光学要素の透過率曲線は、紫外線域の透過率が該紫外線域と前記第1吸収ピーク波長との間の最大透過率より10%以上低い、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学要素。 - 前記光学要素は、少なくとも片面に光学多層膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学要素。
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CN113640904A (zh) * | 2020-05-11 | 2021-11-12 | 杏晖光学(厦门)有限公司 | 色彩增益光学透镜装置 |
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-
2016
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