JP2017207401A - 信号解析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数変調した一周期分の変調パルスを任意のタイミングで送信しても周波数復調後の復調パルスの時間的な形状変化を精度良く解析する。【解決手段】変調パルスを任意の送信タイミングで監視空間に順次送信する送信機と、監視空間に存在する受信機と、受信機が受信した波形を常時周波数復調して得た復調パルスの時間的な形状変化を解析する信号解析部とを有し、送信機は、互いに異なる初期位相で周波数変調した一周期分の変調パルスデータを複数記憶し、所定の起点タイミングにおいて送信した変調パルスの初期位相および起点タイミングから送信タイミングまでの経過時間に応じて、起点タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差と、送信タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差が略同一になる初期位相で周波数変調された変調パルスデータを記憶部から選択し、送信タイミングになると選択された変調パルスを送信する。【選択図】 図2

Description

本発明は、周波数変調したパルスを送信機から送信し、受信機が受信した当該パルスを周波数復調して信号解析する信号解析システムに関する。
従来、監視空間に存在する移動物体の位置を測定するために、様々な技術が提案されている。その1つとして、監視空間に設置した複数の送信機から超音波帯域の信号を送信し、移動物体に所持させた受信機の受信波形および送信機の配置に基づいて、受信機の位置、すなわち移動物体の位置を測定する測位システムがある。
このような測位システムにおいては、可聴帯域で生成された信号を超音波帯域に変調してから監視空間に送信し、受信機が受信した超音波帯域の信号を可聴帯域に復調してから解析するものがある。
例えば、特許文献1には、複数の中継局から、超音波帯域に変調した変調信号を順次送信し、携帯端末が受信した変調信号を復調器で復調してから解析することで、監視空間内における携帯端末の位置を測定するシステムが開示されている。
特開2011−117880号公報
上述したような周波数変調を行う場合、送信機側では急峻な特性のフィルタ処理が必要となる。このため、特許文献1に記載されたシステムのように、複数の送信機が変調信号を順次送信する場合、各送信機は、計算負荷のかかるフィルタ処理を常時行うことになる。すなわち、従来の手法では、システムの計算負荷が高くなってしまうという問題があった。
この問題を解決するためには、周波数変調を常時行うのではなく、1周期分の変調信号を予め生成・記憶しておき、各送信機は、記憶されている変調信号を読み出して監視空間に送信すればよい。この手法によれば、周波数変調に伴う計算負荷を低減することができるため、省電力、かつ安価なシステムを構築することが可能となる。
しかしながら、この手法を、変調パルスを用いたシステムに適用する場合、以下のような問題が生じる。
例えば、超音波帯域に変調した1周期分の変調パルスを予め生成・記憶しておき、各送信機は、記憶されている変調パルスをそれぞれの送信タイミングで監視空間に送信し、受信機は、受信した変調パルスを可聴帯域に復調してから信号解析を行う。このとき、送信機と受信機が不動であれば、復調後のパルスの形状は、変調キャリア信号の位相(変調位相)と復調キャリア信号の位相(復調位相)との差に基づいて決まる。すなわち、変調位相と復調位相の位相差が変化しなければ、復調後のパルスの形状は、変調パルスの送信タイミングによらず略同一になる。
ここで、従来の手法のように、周波数変調と周波数復調が常時行われる場合、変調パルスの送信タイミングによらず変調位相と復調位相の位相差が略一定に保たれる。このため、従来の手法では、復調後のパルスの形状に時間的な変化が生じた場合に、送信機や受信機が動いたことを検出できる。しかし、予め生成しておいた1周期分の変調パルスを送信する場合、周波数復調が常時行われる一方で、変調パルスの初期位相は固定である。このため、変調パルスの送信タイミングによって変調位相と復調位相の位相差が変化してしまい、一定になる保証がない。すなわち、送信機と受信機が不動であっても、送信タイミングによっては復調後のパルスの形状が変化してしまう。このため、復調後のパルスの形状に時間的な変化が生じた場合に、その原因が、送信タイミングによるものであるのか、送信機や受信機の動きによるものであるのかを区別することができないという問題が生じる。
ここで、図1を参照し、上述した問題について具体的に説明する。図1に示す波形は、受信機にて受信された変調パルスの復調後の波形を連続して示したものであり、横軸は時間、縦軸は振幅である。なお、送信機と受信機は1メートル程度離した状態で固定設置され、送信機は予め周波数変調を施した1周期分の変調パルスを201ms毎に監視空間に送信するものとする。
図1に示すとおり、送信機と受信機が固定設置され、送信機から同一の変調パルスが送信されているにもかかわらず、変調パルスの送信タイミングによって復調後のパルスの形状が変化していることがわかる。すなわち、図1に示す受信波形のみを確認した場合、復調後のパルスの形状が時間的に変化していることから、送信機や受信機が動いていると誤認されてしまう可能性がある。
なお、図1に示したAのパルスとBのパルスは、互いに異なるタイミングで送信されているにもかかわらず、復調後のパルスの形状が略同一になっていることがわかる。これは、変調位相と復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔でAのパルスとBのパルスが送信されていることに起因する。つまり、予め生成しておいた1周期分の変調パルスを送信する場合に生じる、上述したような復調後のパルスの時間的な形状変化を防ぐためには、送信機に変調位相と復調位相の位相差が等しくなるようなタイミングで変調パルスを送信させる必要がある。例えば、図1の例においては、送信機に201ms毎に変調パルスを送信させるのではなく、時間間隔Cで変調パルスを送信させる必要がある。
以上のとおり、周波数変調による計算負荷を低減させつつ、復調したパルスの時間的な形状の変化を精度良く解析するためには、「送信機に、送信機の変調位相と受信機の復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔で変調パルスを送信させる」という制約が生じてしまう。このような送信タイミングの制約がある場合、システム構築の自由度が低下するとともに、システムを適用可能なアプリケーションが限られてしまうため好ましくない。
そこで、本発明は、送信機が任意のタイミングで変調パルスを送信しても、上述したような送信タイミングに応じた復調後のパルスの形状変化を生じさせない信号解析システムを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明は、周波数変調した変調パルスを任意の送信タイミングで監視空間に順次送信する送信機と、当該監視空間に存在する受信機と、当該受信機が受信した受信波形を常時周波数復調して得た復調パルスの形状の時間的な変化を解析する信号解析部と、を有する信号解析システムであって、前記送信機は、予め、互いに異なる初期位相で周波数変調した一周期分の変調パルスのデジタルデータを複数記憶する記憶部と、所定の起点タイミングにおいて送信した前記変調パルスの初期位相、および当該起点タイミングから前記送信タイミングまでの経過時間に応じて、当該起点タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差と、当該送信タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差が略同一になる初期位相で周波数変調された前記デジタルデータを前記記憶部から選択する送信制御部と、前記送信タイミングが到来すると、前記送信制御部にて当該送信タイミングについて選択された前記デジタルデータを用いて前記監視空間に前記変調パルスを送信するパルス送信部と、を有することを特徴とする信号解析システムを提供する。
また、前記送信機は、前記監視空間に固定設置され、前記信号解析部は、前記復調パルスの形状が時間的に変化していない場合に当該受信機が静止状態であることを検出し、前記復調パルスの形状が時間的に変化している場合に当該受信機が静止状態でないことを検出することが好適である。
また、前記送信機は、前記監視空間に複数設置され、当該複数の送信機は所定の送信順および前記送信タイミングで前記変調パルスを前記監視空間に送信し、前記受信機は、移動物体に所持または装着され、前記信号解析部は、前記復調パルスのうち所定強度以上の復調パルスの受信順および当該復調パルスの伝播時間に基づいて前記受信機の位置を測定するとともに、同一の前記送信機からの前記復調パルスから前記受信機の前記静止状態の有無を判定し、当該受信機の位置および当該受信機の前記静止状態の有無に基づいて前記移動物体の状態を検出することが好適である。
本発明によれば、周波数変調による計算負荷を低減させつつ、送信機が任意のタイミングで変調パルスを送信しても、復調したパルスの時間的な形状変化を精度良く解析することができる。
送信タイミングに応じた復調後のパルスの形状変化を示す図である。 本実施の形態における監視空間を模式的に示す図である。 本実施の形態における信号解析システムの全体構成を示す図である。 本実施の形態における送信機の機能ブロック図を示す図である。 本実施の形態における変調パルスの送信タイミングを模式的に示す図である。 本実施の形態における受信機の機能ブロック図を示す図である。 本実施の形態における送信機の配置を模式的に示す図である。 本実施の形態における受信機の受信波形を示す図である。 本実施の形態におけるタイムスロット内の受信波形を示す図である。 本実施の形態における同期信号送信処理のフローチャートである。 本実施の形態における変調パルス送信処理のフローチャートである。 本実施の形態におけるタイムスロット分割処理のフローチャートである。 本実施の形態における測位処理のフローチャートである。 本実施の形態における形状判定処理のフローチャートである。 本実施の形態における状態判定処理のフローチャートである。
以下、本発明にかかる信号解析システムの実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、信号解析システムを用いて監視空間に存在する人物の状態を監視する例を説明する。
図2は、本実施の形態における監視空間を模式的に示した図である。本実施の形態では、施設の屋内を監視空間(点線で示した領域6)とし、当該監視空間に存在する人物5の状態を監視する。図2に示すように、本実施形態における信号解析システムは、施設の天井に所定の間隔(例えば、4メートル間隔)で設置した複数の送信機3(例えば、9個の送信機)から変調パルスを順次送信し、施設内に存在する受信機4が受信したパルスの復調波形に基づいて、当該受信機4の位置を測定する。このとき、本実施の形態では、受信機4を人物5に所持または装着させることにより、受信機4の位置を人物5の位置として測定する。
また、本実施の形態では、人物5の位置に加えて、受信機4が完全に静止している状態か否かを判定する。具体的には、本実施の形態における信号解析システムは、受信機4が受信したパルスの復調波形からパルスの形状の時間的な変化を解析し、受信機4が完全に静止しているか否かを判定する。すなわち、本実施の形態における信号解析システムは、受信機4が完全に静止している場合にはパルスの形状が時間的に変化せず、受信機4が完全に静止していない場合にはパルスの形状が時間的に変化すること、を利用し、受信機4が完全に静止しているか否かを判定する。なお、本実施の形態において、受信機4は人物5に所持または装着されているため、受信機4が人物から手離されて放置されたり、人物5自体の動きが完全に静止したりしない限りは、受信機4が完全に静止することがない。
本実施の形態における信号解析システムは、上述した人物5の測位結果および受信機4の完全静止の判定結果を用いて、人物5の状態を検出する。例えば、人物5の位置が所定時間以上変化しない場合において、受信機4が完全に静止している状態でなければ、人物5がその場で立ち止まっている状態や座っている状態であることを検出する。また、人物5の位置が所定時間変化しない場合において、受信機4が完全に静止している状態であれば人物5が意識を失って動かない状態であることを検出する。すなわち、本実施の形態における信号解析システムは、人物5の測位結果および受信機4の完全静止の有無を併用することで、「立ち止まり・座り」と「意識の喪失」を区別して検出することが可能となり、特に後者の場合においては、発生位置を正確に把握して外部に知らせる等の対応が可能となる。
なお、本実施の形態では、屋内において人物5の状態(例えば、意識の喪失など)を監視する信号解析システムについて説明するが、本発明の信号解析システムは、この実施形態に限られない。例えば、屋外環境に適用してもよいし、人物以外の移動物体の状態を監視する用途に適用してもよい。また、移動物体の状態を検出するものに限らず、受信機4が人物5から取り外されたことを検出する用途や、受信機4を組み込んだIDカードなどの紛失を検出する用途などに適用してもよい。また、本実施の形態のように測位結果および受信機4の完全静止の判定結果を用いて移動物体の状態を検出するものに限らず、少なくとも、受信機4が受信したパルスの復調波形からパルスの形状の時間的な変化を解析し、当該解析結果を用いて移動物体等の状態を検出するものであればよい。また、本実施の形態では、1つの受信機4を用いて、当該受信機4を所持または装着した人物5(移動物体)の状態を検出する例を説明するが、本発明の信号解析システムは、複数の受信機4で構成されていてもよく、複数の移動物体の状態を検出するようにしてもよい。
<システム構成>
図3は、本実施の形態における信号解析システム1の全体構成を示した図である。図3に示すように、信号解析システム1は、管理装置2、複数の送信機3、人物などの移動物体に所持または装着される受信機4、を含んで構成される。
信号解析システム1において、管理装置2と複数の送信機3は、通信ネットワークによって接続される。通信ネットワークは、有線接続により実現されてもよいし、無線接続により実現されてもよい。また、必要に応じて、管理装置2と受信機4を通信ネットワークで接続するようにしてもよい。
以下、図を参照して、信号解析システム1の各構成について詳しく説明する。
<管理装置2>
管理装置2は、図3に示すように、通信部21、記憶部22、同期信号送信部23を含んで構成される。本実施の形態では、管理装置2は、複数の送信機3に対して、同期信号を送信する。具体的には、同期信号送信部23は、記憶部22に記憶された測位周期を参照し、当該周期で、通信部21を介して、信号解析システム1を構成する全ての送信機3に対して同期信号を一斉に送信する。本実施の形態では、信号解析システム1は、同期信号送信部23から同期信号が複数の送信機3に対して1回送信される毎に、受信機4の位置を1回測定する。すなわち、記憶部22に記憶される測位周期は、信号解析システム1が測位を行う周期に相当する情報である。ここで、測位周期は、「同期信号の送信時点から、信号解析システム1を構成する全ての送信機3が変調パルスを送信し、その残響成分が減衰するまでの時間」を考慮して設定され、記憶部22に予め記憶される。
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ、ハードディスク等のメモリ装置によって構成される。記憶部22は、上述したとおり、測位周期を記憶するが、その他にも、信号解析システム1の各処理において必要な情報を記憶しておき、通信部21を介して、送信機3や受信機4との間で当該情報を送受信するようにしてもよい。
同期信号送信部23は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MCU(Micro Control Unit)などの少なくとも1つのプロセッサ、およびその周辺回路を含んで構成される。同期信号送信部23は、上述したとおり、記憶部22に記憶された測位周期に従って、信号解析システム1を構成する全ての送信機3に対して同期信号を送信する。なお、本実施の形態では、同期信号送信部23を管理装置2の構成の一つとして説明しているが、同期信号送信部23を管理装置2とは別の装置として信号解析システム1を構成してもよい。この場合、同期信号送信部23は、管理装置2および送信機3と通信ネットワークにより接続され、管理装置2の記憶部22に記憶された測位周期を参照して、送信機3に対して同期信号を送信すればよい。
<送信機3>
送信機3は、監視空間に複数設置され、それぞれが所定のタイミングで変調パルスを監視空間に対して送信する。なお、本実施の形態では、送信機3は、予め生成された1周期分の変調パルスを後述する記憶部32に記憶しておき、記憶部32から当該変調パルスを読み出して、監視空間に対して送信する。これにより、送信機3は送信の度に周波数変調を行う必要がないため、信号解析システム1の計算負荷を低減することができる。
まず、送信機3が送信する変調パルスの形式について説明する。本実施の形態では、送信機3は、可聴帯域のTSP(Time Stretched Pulse)を超音波帯域に周波数変調させた信号を送信する。ここで、周波数変調させる帯域は、送信機3における音圧が高い帯域と、受信機4の感度が高い帯域の両方が備わった連続する帯域を選択することが好ましい。
なお、送信機3から送信する変調パルスの形式は、TSPに限られない。例えば、M系列や白色雑音などのインパルス変復調が可能なワイドバンド信号を超音波帯域に周波数変調させたものでもよい。また、可聴帯域から超音波帯域に変調した信号に限らず、異なる帯域に変調した信号であればよい。
次に、図4を参照して、送信機3の構成について説明する。図4は、本実施形態における送信機3の機能ブロック図を示した図である。図4に示すように、送信機3は、通信部31、記憶部32、送信制御部33、パルス送信部34を含んで構成される。
通信部31は、管理装置2との間で、各種情報を送受信する。本実施の形態では、通信部31は、管理装置2の同期信号送信部23から送信された同期信号を受信する。
記憶部32は、ROM、RAM等の半導体メモリ、ハードディスク等のメモリ装置によって構成される。記憶部32は、送信機3において各処理を実行するためのプログラム、設定データや生成されたデータ等の各種情報を記憶する。具体的には、記憶部32は、送信機3の送信順IDおよび信号送信周期を記憶する。また、記憶部32は、変調パルスデータベースを記憶する。以下、これらの情報について、詳しく説明する。
まず、送信順IDについて説明する。送信順IDは、信号解析システム1を構成する送信機3の送信順を識別するためのIDである。各送信機3は、送信順IDによって定まる順番で監視空間に対して、変調パルスを送信する。なお、本実施の形態では、送信順IDを1から始まる連続する整数としている。例えば、本実施の形態では、監視空間に全9個の送信機3が設置されているため、送信機3に付与される送信順IDは、1から9までの整数となる。
次に、信号送信周期について説明する。信号送信周期は、送信順が連続する送信機3間における変調パルスの送信間隔である。なお、信号送信周期は、信号解析システム1が設置される監視空間の残響時間を考慮して設定される。具体的には、信号送信周期は、送信機3から送信された変調パルスの直接波と、当該送信機3より送信順が一つ前の送信機3から送信された変調パルスの残響成分と、を受信機4が区別できるように、直前に送信された変調パルスの残響成分が十分に減衰するまでの時間を考慮した長さに設定される。すなわち、信号送信周期は、残響時間が短い監視空間であれば短時間に設定され、残響時間が長くなるほど長く設定される。例えば、本実施の形態では、信号送信周期は、50msとしている。
次に、変調パルスデータベースについて説明する。変調パルスデータベースは、予め生成された1周期分の変調パルスのデジタルデータ(以下、変調パルスデータ)を複数記憶したものであり、それぞれの変調パルスデータはデータIDと対応付けられている。
本実施の形態において、各送信機3は、自己の変調パルスの送信タイミングが到来すると、変調パルスデータベース内から選択された当該送信タイミングにおいて適切な変調パルスを監視空間に対して送信する。本実施の形態において、適切な変調パルスとは、監視空間に対して任意のタイミングで順次送信しても、受信機4が完全に静止している限りは復調後のパルスの形状が時間的に変化せず、受信機4が完全に静止していない場合には復調後のパルスの形状が時間的に変化するような変調パルスを意味する。すなわち、今回の送信タイミングにおける適切な変調パルスとは、受信機4にて周波数復調が常時行われている状況において、今回の送信タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差が、少なくとも前回の送信タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差と等しくなるような初期位相を有する変調パルスである。変調パルスデータベースには、送信機3がこのような適切な変調パルスを選択するために必要な数および初期位相を有する変調パルスデータが記憶されている。
ここで、変調パルスデータについて、詳しく説明する。変調パルスデータは、それぞれ異なる初期位相で変調された1周期分のパルスのデジタルデータである。本実施の形態では、変調パルスデータは、変調の初期位相を2πftとして、送信機3から変調パルスが送信され得るタイミングの分だけ経過時間t(所定の起点から送信タイミングまでの経過時間)の値を変えて変調したデータが用意される。このとき、経過時間tに対応させて用意すべき変調パルスデータの数や変調の初期位相の値は、変調周波数fと、サンプリング周波数Fに基づいて決まる。つまり、経過時間tに対応させて用意すべき変調パルスデータの数Qは、変調キャリア信号の位相回転が1周して再び0に戻るまでに必要なサンプルの数に相当するため、fとFの最大公約数がgである場合、Q=F/g個となる。すなわち、変調の初期位相を2πfq/F ,q=0,...,Q−1とした変調パルスデータを用意すれば、送信機3から変調パルスが送信され得る全てのタイミングに対応した変調パルスデータを用意したことになる。なお、本実施の形態では、qの値をデータIDとして変調パルスデータに対応付ける。
例えば、変調周波数f=25kHz、サンプリング周波数F=100kHzとすると、用意すべき変調パルスデータの数Qは4個(q=0,1,2,3)になるため、初期位相を0,π/2,π,3π/2として変調した4通りの変調パルスデータが記憶される。すなわち、変調パルスデータベースには、データID「0」と初期位相「0」で変調した変調パルスデータ、データID「1」と初期位相「π/2」で変調した変調パルスデータ、データID「2」と初期位相「π」で変調した変調パルスデータ、データID「3」と初期位相「3π/2」で変調した変調パルスデータが対応付けられる。
なお、本実施の形態では、送信機3から変調パルスが送信され得る全てのタイミングに対応した変調パルスデータを用意する例を示したが、これに限られない。例えば、送信機3の送信タイミングが予めわかっている場合は、当該送信タイミングに対応する変調パルスデータのみを用意すればよい。また、変調パルスデータベースは上述したものに限らず、送信機3が、所定の起点から送信タイミングまでの経過時間tに基づいて、当該送信タイミングにおける適切な初期位相を有する変調パルスを選択できるものであればよい。
以上説明した送信順ID、信号送信周期および変調パルスデータベースは、各送信機3の記憶部32に予め記憶される。しかし、送信機3が、これらの情報を取得する方法については、特に制限はなく、既存の技術を用いればよい。例えば、送信順IDは、各送信機3に設けられたディップスイッチ(図示しない)の状態を読み取って、記憶部32に記憶するようにしてもよい。また、管理装置2の記憶部22に、信号解析システム1を構成する全ての送信機3の送信順ID、信号解析システム1の信号送信周期、変調パルスデータベースを予め記憶しておき、各送信機3は、通信部31を介して、自己の送信順ID、信号送信周期、変調パルスデータベースを取得し、記憶部32に記憶するようにしてもよい。
図4に戻り、送信機3の送信制御部33について説明する。
送信制御部33は、CPU、DSP、MCU等の少なくとも1つのプロセッサ、およびその周辺回路を含んで構成される。送信制御部33は、記憶部32に記憶された送信順ID、信号送信周期、変調パルスデータベースを参照して、送信機3における変調パルスの送信を制御する。具体的には、送信制御部33は、送信順IDと信号送信周期を用いて、自己の送信タイミングを求める。そして、送信制御部33は、当該送信タイミングにおいて適切な変調パルスデータを変調パルスデータベースから選択し、当該送信タイミングで監視空間に変調パルスを送信できるよう、選択した変調パルスデータを後述するパルス送信部34に出力する。
ここで、送信機3における変調パルスの送信タイミングについて詳しく説明する。まず、各送信機3の送信制御部33は、通信部31を介して、管理装置2から同期信号を受信すると、SYNC信号を監視空間に送信するよう制御する。なお、本実施の形態では、送信制御部33は、変調パルスデータベースにおいてデータID「0」に対応付けられていている変調パルスデータをSYNC信号のデジタルデータとして選択し、後述するパルス送信部34に出力する。
その後、送信制御部33は、送信順IDで定まる自己の送信タイミングが到来するまで待機し、当該送信タイミングが到来すると、当該送信タイミングにおいて適切な変調パルスを監視空間に送信するよう制御する。そして、送信制御部33は、再び管理装置2から同期信号を受信するまで変調パルスの送信を待機する。例えば、送信順IDをd、信号送信周期をTとした場合、送信制御部33は、SYNC信号の送信を制御した後、d・Tの時間待機して変調パルスを送信するよう制御する。これにより、信号解析システム1の送信機3は、送信順IDで定められた順番、かつ信号送信周期で定められた周期で変調パルスを送信することが可能となる。また、管理装置2から同期信号が送信される毎に、信号解析システム1を構成する全ての送信機3が変調パルスの送信を1回行うことが可能となる。
図5を参照して、変調パルスの送信タイミングについて具体的に説明する。図5は、本実施の形態における変調パルスの送信タイミングを模式的に示した図である。上述したように、本実施の形態における信号解析システム1は全9個の送信機3から構成されているため、図5においても、9個の送信機3から送信される変調パルスの送信タイミングを示している。また、図5において、黒矢印は変調パルスの送信時点を表しており、丸で囲われた数字は送信機3の送信順IDに対応している。具体的には、丸で囲われた1は、送信順ID=1が付与された送信機3の変調パルスであることを示し、同様に、丸で囲われた2,3,9は、それぞれ送信順ID=2,3,9が付与された送信機3の変調パルスであることを示している。なお、送信順ID=4〜8が付与された送信機3の変調パルスについては、図示を省略している。
図5に示すように、送信機3は、管理装置2から1回目の同期信号を受信すると、1回目のSYNC信号を送信する。なお、SYNC信号は、全ての送信機3から同時に送信される。その後、1回目のSYNC信号の送信時点から、信号送信周期Tが経過すると、送信順ID「1」の送信機3が変調パルスを送信する。その後、1回目のSYNC信号の送信時点から2Tが経過すると、送信順ID「2」の送信機3が変調パルスを送信する。同様に、送信順ID「3」〜「9」の送信機3が順次、信号送信周期Tの時間間隔で変調パルスを送信する。そして、各送信機3は、再び管理装置2から同期信号を受信するまで変調パルスの送信を待機する。すなわち、送信順ID「9」の送信機3が変調パルスを送信し終えると、再び、管理装置2から同期信号が送信されるまで、信号解析システム1の送信機3は変調パルスの送信を待機する。その後、各送信機3は、管理装置2から2回目の同期信号を受信すると、2回目のSYNC信号を送信し、1回目と同様に信号送信周期Tの時間間隔で順次変調パルスを送信する。以降、図示は省略するが、各送信機3は、1回目、2回目と同様に、SYNC信号および変調パルスを監視空間に対して送信する。
次に、送信タイミングに応じた変調パルスデータの選択について詳しく説明する。上述したとおり、各送信機3から送信される変調パルスは、記憶部32に記憶されている変調パルスデータベースから、それぞれの送信タイミングにおいて適切なものが選択される。具体的には、各送信機3の送信制御部33は、受信機4にて周波数復調が常時行われている状況において、所定の起点から今回の送信タイミングまでの経過時間tを求める。そして、送信制御部33は、当該起点において送信された変調パルスの初期位相と、経過時間tに基づいて、当該送信タイミングにおいて適切な初期位相を有する変調パルスデータを変調パルスデータベースから選択する。なお、本実施の形態では、起点を1回目のSYNC信号の送信時点とする。
上述したとおり、本実施の形態における変調パルスデータベースには、変調の初期位相を2πf0tとして、経過時間tの値を変えて変調した複数の変調パルスデータが予め記憶されている。具体的には、変調パルスデータベースには、変調の初期位相を2πfq/F ,q=0,...,Q−1とした変調パルスデータが予め記憶されており、それぞれの変調パルスデータは、データID=qの値と対応付けられている。したがって、各送信機3の送信制御部33は、起点において送信された変調パルスの初期位相と経過時間tに基づいてqの値を算出することで、送信タイミングにおいて適切な初期位相を有する変調パルスデータを選択することができる。本実施の形態では、1回目のSYNC信号としてデータID「0」の変調パルスを送信するため、各送信タイミングにおけるqの値は、Floor(t・F)%Qで求められる。なお、Floor(x)は実数xを超えない最大の整数であり、Qは変調パルスデータベースに用意されている変調パルスデータの総数であり、a%Qは整数aをQで割った余りである。すなわち、本実施の形態における各送信機3の送信制御部33は、各送信タイミングに対応するqの値を求め、記憶部32の変調パルスデータベースから当該qの値に対応する変調パルスデータを選択する。そして、各送信機3の送信制御部33は、当該選択した変調パルスデータを後述するパルス送信部34に出力することで、当該送信タイミングにおいて、適切な初期位相を有する変調パルスを監視空間に送信することが可能となる。
周波数変調は、信号に複素数exp(j2πft)を乗ずる操作であり、周波数復調は、exp(−j2πft)を乗ずるものである。なお、fは変調する周波数、tは経過時間である。つまり、本実施の形態のように予め生成された1周期分の変調パルスを間欠送信する場合であっても、起点から当該変調パルスの送信タイミングまでの経過時間をtとしたときに、初期位相2πftで変調して生成された変調パルスを当該送信タイミングで監視空間に送信すれば、あたかも起点のタイミングから連続送信しているが如く経過時間tにおける変調位相と復調位相の位相差は変化しないため、復調後のパルスの形状は変化しない。具体的には、経過時間t1の時点に初期位相2πfで変調された変調パルスを送信してexp(−j2πf+θ)を乗じて復調されたパルスと、経過時間tの時点に初期位相2πfで変調された変調パルスを送信してexp(−j2πf+θ)を乗じて復調されたパルスの、変調位相と復調位相の位相差は、ともにθとなるため、送信機3と受信機4が不動であればこれらのパルスの形状は略同一になる。すなわち、経過時間t1においては「初期位相2πfで変調された変調パルス」、経過時間tにおいては「初期位相2πfで変調された変調パルス」が、それぞれの送信タイミングにおける適切な初期位相を有する変調パルスとなる。なお、θは、送信機3と受信機4が同期していないことに伴う位相差である。上述したように、起点において送信された変調パルスの初期位相と経過時間tに基づいてqの値を算出し、当該qの値に対応する変調パルスデータを選択する処理は、このような経過時間tにおける適切な初期位相の変調パルスを選択する処理に相当する。
再び、図5を参照して、変調パルスデータの選択について具体的に説明する。図5に示すように、まず、全ての送信機3は、1回目のSYNC信号を送信する。なお、1回目のSYNC信号の初期位相は、2πfとする。次に、送信順ID「1」の送信機3は、1回目のSYNC信号の送信時点からt(=1・T)が経過したタイミングで初期位相2πfで変調された変調パルスを送信する。その後、送信順ID「1」の送信機3は、1回目のSYNC信号の送信時点からtが経過したタイミングで初期位相2πfで変調された変調パルスを送信する。なお、他の送信順IDの送信機3についても同様に、1回目のSYNC信号から送信タイミングまでの経過時間に応じた適切な初期位相の変調パルスを変調パルスデータベースから選択して送信する。このように、各送信タイミングにおいて適切な初期位相の変調パルスを送信することで、同一の送信機3から送信される変調パルスの復調後の波形は、送信タイミングに起因した変調位相と復調位相の位相差の変化が生じないため、受信機4が不動であれば、変調パルスの送信タイミングによらず復調後のパルスの形状が略同一になる。すなわち、本実施の形態においては、同一の送信機3における復調後のパルスの形状の時間的な変化の有無を解析することで、受信機4が完全に静止しているか否かを精度良く検出することができる。
なお、本実施の形態では、起点を1回目のSYNC信号の送信時点としたが、これに限られない。例えば、同一の送信順IDの送信機3において、1回目のSYNC信号の送信後最初に送信する変調パルスの送信時点を起点としてもよい。この場合、1回目のSYNC信号の送信後最初に送信する変調パルスとして、変調パルスデータベースのデータID「0」の変調パルスデータを選択するように予め定めておけばよい。
また、同一の送信順IDの送信機3において、前回の変調パルスの送信時点を都度、起点として設定してもよい。この場合、送信機3は、以下のように変調パルスを送信すればよい。まず、送信制御部33は、前回の変調パルスの送信タイミングにおいて、選択された変調パルスデータのデータID=qの値を記憶部32に記憶するとともに、経過時間tを0にリセットする。そして、送信制御部33は、記憶されているqの値およびリセットされた起点(前回の送信タイミング)から今回の送信タイミングまでの経過時間tを用いて、今回の送信タイミングにおけるqの値を、{Floor(t・F )+q}%Qによって求める。その後、送信機3は、qの値に対応する変調パルスを監視空間に対して送信する。
再び、図4に戻り、送信機3のパルス送信部34について説明する。
パルス送信部34は、D−A変換器、パワーアンプ、スピーカを含んで構成される。パルス送信部34は、送信制御部33から変調パルスデータが出力される度に、当該変調パルスを監視空間に対して送信する。具体的には、パルス送信部34は、送信制御部33から変調パルスデータを入力すると、D−A変換器にて当該変調パルスデータをアナログデータに変換し、当該アナログデータをパワーアンプで増幅した上で、スピーカから送信する。
<受信機4>
受信機4は、監視空間に存在し、送信機3から順次送信される変調パルスを順次受信する。本実施の形態において、受信機4は、監視空間に存在する人物によって所持または装着されており、受信した変調パルスを周波数復調してから波形を解析することで、当該人物の状態を検出する。具体的には、受信機4は、当該受信機4を所持または装着している人物の位置を測定するとともに、当該受信機4の完全静止の有無を判定し、これらの結果に基づいて当該人物の状態を検出する。
図6を参照して、受信機4の構成について説明する。図6は、本実施形態における受信機4の機能ブロック図を示した図である。図6に示すように、受信機4は、パルス受信部41、記憶部42、信号解析部43、出力部44を含んで構成される。
パルス受信部41は、マイク、マイクアンプ、A−D変換器を含んで構成される。パルス受信部41は、送信機3から送信された変調パルスを随時受信する。具体的には、パルス受信部41は、監視空間に送信された変調パルスをマイクで集音し、集音したアナログデータをマイクアンプで増幅した上で、A−D変換器にてデジタルデータに変換する。そして、パルス受信部41は、変換したデジタルデータを後述する信号解析部43に出力する。なお、信号解析部43へのデジタルデータの出力は、後述する記憶部42を介して行ってもよい。
記憶部42は、ROM、RAM等の半導体メモリ、ハードディスク等のメモリ装置によって構成される。記憶部42は、受信機4において各処理を実行するためのプログラム、設定データや生成されたデータ等の各種情報を記憶する。具体的には、記憶部42は、高さ情報、送信順IDテーブル、送信機3の配置情報を記憶する。以下、これらの情報について、詳しく説明する。なお、記憶部42には、送信機3の記憶部32と同様に、信号送信周期も記憶される。
まず、高さ情報について説明する。高さ情報は、監視空間における受信機4の床面からの高さを示す情報であり、後述する信号解析部43にて、受信機4の位置を測定する際に用いられる。本実施の形態では、受信機4は人物によって所持または装着されるため、高さ情報は、床面から人物の手までの高さや、床面から受信機4の装着位置までの高さを考慮して設定され、予め記憶部42に記憶される。
次に、送信順IDテーブルについて説明する。送信順IDテーブルは、送信順IDと受信機4における受信波形のタイムスロット番号を対応付けたテーブルである。本実施の形態において、後述する信号解析部43は、パルス受信部41から入力したデジタルデータを複数個のタイムスロットに分割して解析を行う。具体的には、信号解析部43は、デジタルデータに含まれるSYNC信号を監視しており、SYNC信号を検出すると、当該SYNC信号の検出時点から上述した信号送信周期Tの間隔でデジタルデータを分割して信号解析を行う。この分割された単位をタイムスロットとする。例えば、本実施の形態では、SYNC信号の検出時点から信号送信周期Tが経過した時点を始点として、当該始点から信号送信周期Tが経過する時点までをタイムスロット「1」とし、タイムスロット「1」の終点から信号送信周期Tが経過する時点までをタイムスロット「2」とし、同様にタイムスロット「9」まで分割して信号を解析する。上述したように、送信機3は、SYNC信号を送信した後、信号送信周期Tの間隔、かつ送信順IDによって定まる順番で変調パルスを送信する。このため、信号解析部43は、SYNC信号からの受信タイミング、すなわち、SYNC信号から何番目のタイムスロットで検出されたパルスであるかを確認することで、当該パルスを送信した送信機3の送信順IDを識別することが可能となる。
なお、本実施の形態における送信順IDテーブルは、送信順ID「1」とタイムスロット「1」、送信順ID「2」とタイムスロット「2」、送信順ID「3」とタイムスロット「3」、送信順ID「4」とタイムスロット「4」、送信順ID「5」とタイムスロット「5」、送信順ID「6」とタイムスロット「6」、送信順ID「7」とタイムスロット「7」、送信順ID「8」とタイムスロット「8」、送信順ID「9」とタイムスロット「9」が対応付けられたテーブルとなる。
次に、配置情報について説明する。配置情報は、監視空間における送信機3の配置を示す情報である。配置情報は、後述する信号解析部43にて参照され、受信機4の位置を測定するために用いられる。本実施の形態では、配置情報として、各送信機3の送信順ID、床面からの設置高、監視空間の床面をXY平面としたときの2次元座標(X,Y)が対応付けられている。
ここで、図7を参照して、監視空間における送信機3の配置について説明する。図7は、本実施の形態における送信機3の配置を模式的に示した図である。図7において、白丸印は送信機3の位置を示し、白丸で囲った数字は、送信機3の送信順IDに対応する。図7に示すように、本実施の形態における信号解析システム1は、全9個の送信機3で構成されており、送信機3どうしは所定距離(例えば、4メートル)間隔で離して固定設置される。
なお、送信機3の配置は、上述した例に限らない。例えば、本実施の形態では、信号解析システム1を構成する送信機3を9個としたが、送信機3の数は、監視目的や監視空間の形状、監視空間の面積等を考慮して適宜変更してもよい。また、各送信機3の配置順も上述した例に限るものではない。例えば、隣接する送信機3の送信順IDが必ずしも連続していなくてもよい。
以上説明した、高さ情報、送信順IDテーブル、送信機3の配置情報は、受信機4の記憶部32に予め記憶される。しかし、受信機4が、これらの情報を取得する方法については、特に制限はない。例えば、管理装置2の記憶部22に、高さ情報、送信順IDテーブル、送信機3の配置情報を予め記憶しておき、受信機4は、通信ネットワークを介してこれらの情報を取得し、記憶部42に記憶するようにしてもよい。
次に、図6に戻り、受信機4の信号解析部43について説明する。
信号解析部43は、CPU、DSP、MCU等の少なくとも1つのプロセッサ、およびその周辺回路を含んで構成され、パルス受信部41から変調パルスのデジタルデータを入力すると、当該デジタルデータに対し周波数復調を施し、当該復調した波形を解析する。なお、図6に示すとおり、本実施の形態における信号解析部43は、復調手段431、測位手段432、形状判定手段433、状態判定手段434を含んで構成される。
以下、信号解析部43を構成する各手段について詳しく説明する。
まず、復調手段431は、パルス受信部41から入力した変調パルスのデジタルデータを周波数復調する。上述したように、本実施の形態における変調パルスは、可聴帯域から超音波帯域に変調された信号であるため、復調手段431は、超音波帯域から可聴帯域への復調を行う。なお、本実施の形態では、復調手段431による周波数復調は常時行われる。
さらに、復調手段431は、周波数復調したデジタルデータを上述したように複数個のタイムスロットに分割し、後述する測位手段432および形状判定手段433に出力する。さらに、復調手段431は、タイムスロットに分割したデジタルデータを記憶部42に記憶する。このとき、タイムスロットに分割したデジタルデータには、タイムスロット番号および何回目の計測で取得されたものであるかを示す計測IDが付与される。
ここで、図8を参照し、タイムスロットの分割について、詳しく説明する。図8は、本実施の形態における復調後の受信波形を示した図である。
まず、復調手段431は、復調後の受信波形から、SYNC信号を検出する。具体的には、復調手段431は、パルス受信部41から入力したデジタルデータにおいて信号強度が所定強度(SYNC強度)以上となった時点をSYNC信号の検出時点とする。例えば、図8においては、矢印で示した時点がSYNC信号の検出時点となる。
そして、復調手段431は、SYNC信号が検出されると、図8に示すように、当該SYNC信号の検出時点から信号送信周期Tが経過した時点をタイムスロット「1」の始点として、当該始点から信号送信周期Tが経過した時点をタイムスロット「1」の終点とする。その後、タイムスロット「1」の終点をタイムスロット「2」の始点として、当該起点から信号送信周期Tが経過した時点をタイムスロット「2」の終点とする。同様に、送信順IDの数と同数のタイムスロットを規定する。その後、復調手段431は、規定したタイムスロットでデジタルデータを分割する。なお、図8においては、タイムスロット「4」から「9」については、図示を省略している。
なお、復調手段431は、上述したSYNC信号の検出を行う際、復調手段431がデジタルデータの入力を開始してから最初にSYNC強度以上となる時点を1回目のSYNC信号の検出時点とし、その後、最後のタイムスロット(本実施の形態では、タイムスロット「9」)を分割すると、再度SYNC信号の監視を開始し、再びSYNC強度以上となった時点を2回目のSYNC信号の検出時点とする。復調手段431は、2回目以降のSYNC信号についても、同様に検出を行う。
上述したように、復調手段431は、タイムスロットに分割したデジタルデータに対して、それぞれタイムスロット番号および計測IDを付与する。ここで、計測IDは、タイムスロットに分割したデジタルデータが何回目の計測で取得されたものであるかを示すIDであり、計測区間に対応して付与される。なお、計測区間は、復調手段431がデジタルデータの入力を開始した時点から最後のタイムスロット(本実施の形態では、タイムスロット「9」)を分割した時点までの区間を1回目の計測区間とし、計測1回目における最後のタイムスロットを分割した時点から計測2回目における最後のタイムスロットを分割した時点までの区間を2回目の計測区間とし、以降同様に設定されるものである。例えば、1回目の計測区間におけるデジタルデータ(タイムスロット)には計測ID「1」、2回目の計測区間におけるデジタルデータには計測ID「2」が付与される。
次に、測位手段432について説明する。測位手段432は、受信機4の位置を測定する。具体的には、測位手段432は、復調手段431から入力したデジタルデータの各タイムスロットを分析し、タイムスロット内のパルスの信号強度、タイムスロットの開始時点から所定パルスまでの時間差を算出する。そして、復調手段431は、当該信号強度および時間差に基づいて、受信機4の位置を測定する。その後、測位手段432は、測定結果を後述する状態判定手段434に出力するとともに記憶部42に記憶する。なお、本実施の形態では、測位手段432は、受信機4の位置を測定することで、当該受信機4を所持または装着している人物の位置を測定する。
ここで、図9を参照して、測位に用いる特徴量について具体的に説明する。図9は、本実施の形態におけるタイムスロット内の受信波形を示した図であり、図8に示したタイムスロット「1」の受信波形を拡大して示している。まず、測位手段432は、タイムスロット内のパルスの信号強度を確認して、パルスが最初に所定強度(第1強度)以上、かつ極大値となる時点を検出する。そして、測位手段432は、タイムスロットの開始時点から当該検出した時点までの時間差sm(m=1〜9)を求める。mはタイムスロット番号に対応しており、図9に示すs1は、タイムスロット「1」における時間差を示している。なお、第1強度の値は、監視空間における残響時間などを考慮して、直接波と反射波を区別できるような値に予め設定すればよい。
測位手段432は、各タイムスロットについて時間差を求めた後、複数のタイムスロットの中から受信機4の測位に用いるタイムスロット(以下、有効タイムスロット)を所定数選定する。なお、本実施の形態では、測位手段432は、有効タイムスロットを3個選定する。これは、本実施の形態における測位手段432が、三角測量の原理で受信機4の位置を測定するためであり、3個の送信機3の設置位置、当該送信機3から送信された変調パルスが受信機に受信されるまでに要する時間(時間差)が測位に必要となるからである。このとき、測位に用いられる送信機3は、受信機4の近くに設置されているものから3個選定されることが好ましいため、信号解析部43は、有効タイムスロットとして、受信機4の近くに設置されている送信機3から送信されたパルスが含まれるタイムスロットを選定する。したがって、本実施の形態においては、タイムスロット内の時間差が短い順、かつ、時間差の算出に用いたパルスの信号強度が所定強度(第2強度)以上となるタイムスロットを有効タイムスロットとして3個選定する。
測位手段432は、有効タイムスロットを所定数選定すると、各有効タイムスロットについて、時間差の算出に用いたパルスの送信元の送信機3を特定する。具体的には、測位手段432は、記憶部42に記憶した送信順IDテーブルを参照し、有効タイムスロットのタイムスロット番号から送信元の送信機3の送信順IDを特定する。例えば、図7に示した図において、受信機4が黒丸印の位置に存在する場合は、有効タイムスロットとしてタイムスロット「1」、「2」、「4」が選定され、その後、タイムスロット番号から送信順ID「1」、「2」「4」が特定される。すなわち、これらの送信順IDの送信機3が測位に用いる送信機3として特定される。
測位手段432は、測位に用いる3個の送信機3を特定すると、記憶部42に記憶されている受信機4の高さ情報、配置情報に含まれる送信機3の設置高と2次元座標を参照し、これらの情報と各送信機3の時間差を用いて、三角測量の原理で受信機4の位置を算出する。すなわち、本実施の形態では、受信機4の位置は、床面をXY平面としたときの2次元座標(X,Y)として測定される。なお、本実施の形態では、三角測量の原理を用いて受信機4の位置を測定したが、測定方法はこれに限るものではなく、上述した方法により測位に用いる送信機3を特定し、当該特定した送信機3の位置を用いて受信機4の位置を測定するものであればよい。
測位手段432は、上述したように、人物の位置を順次測定すると、それぞれの測位結果に対して、計測IDと当該測位に用いた送信機3の送信順IDを対応付ける。そして、測位手段432は、後述する状態判定手段434に出力するとともに記憶部42に記憶する。
次に、図6に戻り、形状判定手段433について説明する。形状判定手段433は、受信機4が受信したパルスの形状が時間的に変化しているか否かを判定する。具体的には、形状判定手段433は、復調手段431から入力した今回計測されたデジタルデータの各タイムスロットと、記憶部42に記憶されている過去に計測されたデジタルデータの各タイムスロットを比較して、パルスの形状の時間的な変化の有無を判定する。なお、本実施の形態では、形状判定手段433は、同一の送信機3から送信された変調パルスについて、今回受信したパルスの形状と前回受信したパルスの形状を比較することで、パルスの形状の時間的な変化の有無を判定する。すなわち、形状判定手段433は、同一番号のタイムスロットどうしでパルスの形状の時間的な変化の有無を判定する。その後、形状判定手段433は、判定結果を計測IDおよび送信順IDと対応付けて記憶部42に記憶する。なお、送信順IDは、判定を行ったタイムスロット番号を記憶部42に記憶した送信順IDテーブルと照合して求めればよい。
以下に、本実施の形態におけるパルスの形状変化の判定について詳しく説明する。上述したとおり、形状判定手段433は、同一のタイムスロット番号、すなわち送信順IDが同一の送信機3から送信されたパルスの受信波形について、今回受信したパルスの形状と前回受信したパルスの形状を比較する。具体的には、形状判定手段433は、今回受信したパルスの形状と前回受信したパルスの形状の類似度を算出し、当該類似度が所定の変化閾値以上である場合に、パルスの形状が時間的に変化していないと判定する。
例えば、類似度は以下のように算出することができる。具体的には、今回のデジタルデータの計測IDがi、処理対象のタイムスロット番号がm、信号送信周期がT、タイムスロットの区間がn(0〜T−1)、復調した信号がx(m,i,n)、であるときの類似度S(m,i)は、数式(1)によって算出することができる。
Figure 2017207401
数式(1)において、右辺のKは、今回のデジタルデータと前回のデジタルデータの相関をとる範囲を示しており、本実施の形態では、10msとする。また、右辺のJは、計測毎のタイムスロットのずれを考慮したものであり、本実施の形態では、J=2とする。すなわち、数式(1)においては、τ=−2,−1,0,1,2として、これら5回の相関をとり、その中の最大値を選択する。数式(1)によれば、同一のタイムスロット番号(送信順IDが同一の送信機3から送信された変調パルスの受信波形)について、今回受信したパルスの形状と前回受信したパルスの形状の相関値を類似度として求めることができる。すなわち、算出した類似度が1に近づくほど形状が時間的に変化していないことを表し、類似度が0に近づくほど形状が時間的に変化していることを表している。なお、本実施の形態では、形状判定手段433は、算出した類似度が変化閾値以上(例えば、0.9以上)であればパルスの形状が時間的に変化していないと判定し、変化閾値未満であればパルスの形状が時間的に変化していると判定する。そして、形状判定手段433は、タイムスロット番号から求めた送信順IDと、計測IDに対応付けて、「形状変化有」および「形状変化無」の判定結果を記憶部42に記憶する。これを、全てのタイムスロット番号について行う。なお、全てのタイムスロットについて形状変化判定をおこなうのではなく、測位手段432にて、測位に用いられなかったタイムスロット(有効タイムスロットではないもの)については、数式(1)を計算せずに「形状変化不明」として判定結果を記憶部42に記憶するようにしてもよい。
次に、状態判定手段434について説明する。状態判定手段434は、測位手段432の測位結果および形状判定手段433の判定結果を用いて、受信機4を所持または装着した移動物体の「状態」を判定する。なお、本実施の形態における状態判定手段434は、受信機4を所持または装着した人物の状態を判定する。具体的には、状態判定手段434は、人物が所定時間以上移動していない場合において、受信機4が完全に静止している状態でなければ、人物がその場で立ち止まっている状態や座っている状態であることを検出する。また、状態判定手段434は、人物が所定時間以上移動していない場合において、受信機4が完全に静止している状態であれば人物が意識を失って動かない状態であることを検出する。そして、状態判定手段434は、検出結果を後述する出力部44に出力する。このとき、状態判定手段434は、測位手段432にて測定された位置を出力部44に出力するようにしてもよい。
以下に、本実施の形態における状態判定について詳しく説明する。まず、状態判定手段434は、測位手段432の測位結果を用いて、受信機4を所持または装着した人物が所定時間以上移動していない状態であるか否かを判定する。具体的には、状態判定手段434は、測位手段432から今回の測位結果を入力すると、当該測位結果から過去所定数分の連続した測位結果を記憶部42から読み出す。例えば、今回入力した測位結果の計測IDが「20」であれば、記憶部42を参照して計測ID「19」から計測ID「11」までの9個分の測位結果を読み出す。そして、状態判定手段434は、これら10個の測位結果において位置が略同一か否かを判定し、略同一である場合に受信機4を所持または装着した人物が所定時間以上移動していない状態であることを検出する。なお、位置の変化の有無は、既存の方法を用いて判定すればよく、連続する所定数の測位結果が略同一とみなせる範囲内に収まることをもって「所定時間以上移動していない」と判定すればよい。
次に、状態判定手段434は、受信機4を所持または装着している人物が所定時間以上移動していないことが検出された場合に、形状判定手段434の判定結果を用いて当該所定時間内において受信機4が完全に静止している状態か否かを判定する。すなわち、状態判定手段434は、当該所定時間内において、パルスの形状が時間的に変化していなければ受信機4が完全に静止していると判定し、パルスの形状が時間的に変化していれば受信機4が完全に静止していないと判定する。具体的には、まず、状態判定手段434は、記憶部42を参照し、位置が略同一と判定された計測IDに対応する形状変化判定の判定結果を読み出す。例えば、計測ID「20」〜計測ID「11」において位置が略同一と判定された場合、計測ID「20」〜計測ID「11」までの形状変化判定の判定結果を読み出す。このとき、人物の位置から遠い送信機3の受信波形はS/Nが悪いため、状態判定手段434は、読み出された判定結果の中から、人物の位置に近い送信機3の送信IDが付与された判定結果を選択する。具体的には、状態判定手段434は、記憶部42を参照して、位置の算出に用いられた送信機3の送信順IDを確認し、これらの送信IDが付与された形状変化判定の判定結果を選択する。例えば、計測ID「20」〜計測ID「11」の測位において、送信順ID「1」,「2」,「4」の送信機3が用いられた場合、送信順ID「1」の計測ID「20」〜計測ID「11」の判定結果と、送信順ID「2」の計測ID「20」〜計測ID「11」の判定結果と、送信順ID「4」の計測ID「20」〜計測ID「11」の判定結果を選択する。
そして、状態判定手段434は、選択された判定結果を用いて、同一の送信順IDが付与された判定結果毎にパルスの形状が時間的に変化しているか否かを判定する。具体的には、状態判定手段434は、同一の送信順IDが付与された計測ID「20」〜計測ID「11」の判定結果がいずれも「形状変化無」であるか否かを判定する。そして、状態判定手段434は、選択した送信順IDのうち少なくとも1つの送信順IDについて、計測ID「20」〜計測ID「11」の判定結果がいずれも「形状変化無」という条件を満たせば、受信機4が完全に静止している状態であると判定する。すなわち、本実施の形態においては、受信機4を所持または装着している人物が意識を喪失している状態であることを検出する。また、状態判定手段434は、上述の条件を満たさない場合、受信機4が完全に静止している状態ではないと判定する。すなわち、本実施の形態においては、受信機4を所持または装着している人物が立ち止っている状態もしくは座っている状態であることを検出する。
なお、状態を判定する方法については、上述したものに限らず、測位手段432の測位結果および形状判定手段433の判定結果を用いて、人物の移動の有無と受信機4の完全静止の有無を判定し、これらの結果に基づいて人物が意識を喪失している状態であるか人物が立ち止っている状態もしくは座っている状態であるかを検出できるものであればよい。また、人物の移動の有無と受信機4の完全静止の有無に基づいて検出される人物の状態は、上述したものに限らない。例えば、人物が受信機4を取り外したことを検出するようにしてもよいし、人物が受信機4を組み込んだIDカードなどを紛失したことを検出するようにしてもよい。
次に、図5に戻り、受信機4の出力部44について説明する。
出力部44は、信号解析部43の解析結果を外部の装置に出力する。本実施の形態では、信号解析部43の状態判定手段434にて検出した人物の状態を外部の装置に出力する。例えば、出力部44は、状態判定手段434にて人物の意識が喪失したことが検出されると、外部の監視センタ(図示しない)に通信ネットワークを介して、その旨を通報する。このとき、出力部44は、測定した人物の位置も併せて監視センタに送信し、液晶ディスプレイなどの表示装置に表示するようにしてもよい。また、出力部44は、人物の意識が喪失した場合だけでなく、人物の状態(立ち止まっている状態や座っている状態、移動している状態など)を順次、外部に出力するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、記憶部42、信号解析部43、出力部44を受信機4の構成の一つとして説明しているが、記憶部42、信号解析部43および出力部44を受信機4とは別の装置として信号解析システム1を構成してもよい。この場合、当該装置は、受信機4と通信ネットワークにより接続され、受信機4のパルス受信部41から出力されるデジタルデータを順次解析して、受信機4を所持または装着している人物の状態を検出・出力するようにすればよい。
上述したように、本実施の形態の信号解析システム1において、送信機3は、1周期分の変調パルスを予め生成して記憶部32に記憶しておき、当該記憶されている変調パルスを読み出して監視空間に送信する。これにより、信号解析システム1は、周波数変調を常時行う必要がないことから、従来よりもシステムの計算負荷を低減することが可能である。さらに、本実施の形態の信号解析システム1は、予め生成した変調パルスを任意のタイミングで送信しても、送信機3や受信機4が不動であれば復調後のパルスの形状の時間的な変化を生じさせないようにすることが可能である。このため、本実施の形態の信号解析システム1によれば、従来のように「送信機に、送信機の変調位相と受信機の復調位相との位相差が等しくなるような時間間隔で各々の変調パルスを送信させる」という送信タイミングの制約を受けることなく、復調したパルスの形状の時間的な変化を精度良く解析することができる、すなわち、受信機4が完全に静止しているか否かを精度良く解析することが可能である。
なお、本実施の形態の信号解析システム1のように複数の送信機3を用いて受信機4の測位と完全静止判定を併行して行う場合は、従来のように「送信機に、送信機の変調位相と受信機の復調位相との位相差が等しくなるような時間間隔で各々の変調パルスを送信させる」という制約を設けても人物の状態を精度良く検出することができない。
例えば、管理装置2から送信される同期信号の送信間隔(測位周期)を「変調位相と復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔」とすることで、同一の送信機3における変調パルスの送信間隔を「変調位相と復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔」にしようと試みる。しかし、管理装置2のクロックと送信機3のクロックには偏差が存在し、またその偏差は送信機3ごとに異なる。このため、これらの偏差によって、同期信号の送信間隔を「変調位相と復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔」にしても、各送信機の変調パルスの送信間隔にはそれぞれ異なるズレが生じてしまう。したがって、受信機4の完全静止の有無を判定できるようにするためには、各送信機3は、自らの変調パルスの送信間隔が「変調位相と復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔」となるように、個別に送信間隔を遅らせたり早めたりすることでズレを補正する必要があるが、このような補正を行うと、各送信機3間の送信間隔が等間隔(本実施の形態では、信号送信周期T)にならなくなってしまう。
本実施の形態のように受信機4の位置を測定する場合、等間隔(信号送信周期T)で分割したタイムスロットの始点からパルスの検出時点までの時間差を変調パルスの搬送時間として測位を行うが、各送信機3間の送信間隔が等間隔でない場合、タイムスロットから求めた時間差と実際の搬送時間にはズレが生じてしまう。すなわち、上述した方法によれば、受信機4の完全静止の有無は判定できるが、測位の精度が悪化してしまう。また、同期信号を用いずに、各送信機3が変調パルスの送信間隔を「変調位相と復調位相の位相差が等しくなるような時間間隔」で送信しても各送信機3間のクロックの偏差によって同様の問題が生じる。
一方、本実施の形態における信号解析システム1によれば、送信機3が任意のタイミングで変調パルスを送信しても、送信機3や受信機4が不動であれば復調後のパルスの形状の時間的な変化を生じさせないようにできる。したがって、各送信機3間の変調パルスの送信間隔が等間隔になるように送信タイミングを制御しさえすれば、受信機4の測位も受信機4の完全静止の有無の判定も精度良く行うことが可能である。すなわち、本実施の形態における信号解析システム1によれば、受信機4の測位と完全静止の有無の判定を精度良く併行することができるため、受信機4の位置および完全静止の有無に基づいた人物の状態を精度良く検出することができる。
<システムの動作>
以下、本実施の形態における信号解析システム1の動作について説明する。まず、図10を参照して、管理装置2の同期信号送信処理について説明する。図10は、本実施の形態における同期信号送信処理のフローチャートである。
信号解析システム1が動作を開始すると、まず、管理装置2の同期信号送信部23は、複数の送信機3に対して、通信部21を介して同期信号を送信する。このとき、同期信号送信部23は、計時を開始する(S101)
その後、同期信号送信部23は、記憶部22に記憶された測位周期を参照し、測位周期になったか否かを判定する(S102)。測位周期になった場合(S102,YES)、ステップS101に移行し、新たな同期信号を複数の送信機3に対して送信する。このとき、計時をリセットし、再度計時を開始する。測位周期になっていない場合(S102,NO)は、測位周期になるまで同期信号の送信を待機する。
次に、図11を参照して、送信機3の変調パルス送信処理について説明する。図11は、本実施の形態における変調パルス送信処理のフローチャートである。
信号解析システム1が動作を開始すると、送信制御部33は、通信部31を介して管理装置2から同期信号を受信したか否かを判定する(S201)。送信制御部33は、同期信号を受信した場合(S201,YES)、記憶部32の変調パルスデータベースを参照し、予め定めたデータIDの変調パルスデータをSYNC信号のデジタルデータとして選択して、パルス送信部34に出力する。なお、本実施の形態では、送信制御部33は、データID「0」の変調パルスデータをSYNC信号のデジタルデータとして選択する。入力を受けたパルス送信部34は、監視空間にSYNC信号を送信する。ここで、送信制御部33は、SYNC信号の送信を制御すると、第1タイマの計時を開始する。(S202)。送信制御部33は、同期信号を受信していない場合(S201,NO)、同期信号を受信するまでSYNC信号の送信を待機する。
次に、送信制御部33は、所定の起点において送信された変調パルスの初期位相の値を取得する。本実施の形態では、起点を1回目のSYNC信号の送信時点としているため、1回目のSYNC信号として送信された変調パルスの初期位相を確認する。なお、本実施の形態の変調パルスデータベースでは、データID=qとして、それぞれのデータIDに対して、変調の初期位相を2πfq/F ,q=0,...,Q−1とした変調パルスデータが対応付けられている。このため、本実施の形態における送信制御部33は、起点において送信された変調パルスのデータIDを確認すればよい。すなわち、本実施の形態においては、送信制御部33は、データID「0」を取得する(S203)。
次に、送信制御部33は、自己の変調パルスの送信タイミングを算出し、起点から当該送信タイミングまでの経過時間を算出する。具体的には、本実施の形態における送信制御部33は、記憶部32に記憶された信号送信周期「T」および送信順ID「d」を参照し、ステップS202においてSYNC信号を送信した時点から時間d・Tが経過した時点を送信タイミングとして算出する。そして、本実施の形態では、起点である1回目のSYNC信号の送信時点から送信タイミングまでの経過時間tを算出する。このために、送信制御部33は、起点において計時を開始する第2タイマを有する。すなわち、本実施の形態における送信制御部33は、第2タイマを1回目のSYNC信号の送信時点において計時開始すればよい。そして、本実施の形態における送信制御部33は、ステップS202においてSYNC信号を送信した時点までの第2タイマの計時結果に時間d・Tを加算することで、起点から送信タイミングまでの経過時間tを算出する(S204)。
その後、送信制御部33は、ステップS203で求めた起点時の変調パルスの初期位相と、ステップS204で算出した経過時間tに基づいて、記憶部32の変調パルスデータベースから変調パルスデータを選択する。本実施の形態では、変調パルスデータベースのデータID=qの値となっており、起点時の変調パルスの初期位相におけるqの値は0となる。したがって、本実施の形態では、送信制御部33は、起点時の変調パルスの初期位相および当該起点から送信タイミングまでの経過時間tに対応する変調パルスデータのデータIDを、q=Floor(t・F)%Qによって求める。送信制御部33は、求めたqの値、すなわちデータIDに対応付けられている変調パルスデータを今回送信する変調パルスデータとして選択する(S205)。
送信制御部33は、第1タイマにおいて時間d・Tが経過したか否かを判定する。時間d・Tが経過した場合(S206,YES)、変調パルスの送信タイミングが到来したと判定し、ステップS205で選択した変調パルスデータを記憶部32から読み出して、パルス送信部34に出力する。入力を受けたパルス送信部34は、監視空間に変調パルスを送信する(S207)。時間d・Tが経過していない場合(S206,NO)、変調パルスの送信タイミングが到来していないと判定し、時間d・Tが経過するまで変調パルスの送信を待機する。送信制御部33は、変調パルスの送信を制御すると、第1タイマの計時を0にし、ステップS201に戻り、再び同期信号を受信するまで待機する。なお、第2タイマの計時は、起点が到来する毎にリセットされる。すなわち、本実施形態においては1回目のSYNC信号の送信時点を起点としているため、信号解析システム1が動作している間は計時を継続する。
次に、図12を参照して、受信機4のタイムスロット分割処理について説明する。図12は、本実施の形態におけるタイムスロット分割処理のフローチャートである。
受信機4は、動作を開始すると、パルス受信部41にて監視空間の音を集音し、順次、信号解析部43の復調手段431にデジタルデータを出力する。ここで、復調手段431は、パルス受信部41から入力したデジタルデータを順次周波数復調する。図12に示す処理は、デジタルデータに対して周波数復調が行われることで開始し、以降、周波数復調されたデジタルデータについて順次行われる。なお、本実施の形態では、復調手段431による周波数復調は常時行われるものとする。
まず、復調手段431は、デジタルデータにSYNC信号が含まれているか否かを判定する(S301,S302)。SYNC信号を検出すると(S302,YES)、記憶部42の信号送信周期、送信順IDテーブルを参照し、送信順IDの数だけタイムスロットを分割する(S303,S304)。SYNC信号が検出されない場合(S302,NO)、ステップS301に戻り、SYNC信号が検出されるまで、SYNC信号の検出処理を繰り返す。
復調手段431は、最後のタイムスロット(本実施の形態においては、タイムスロット番号「9」)まで分割が終了すると(S304,YES)、分割したそれぞれのタイムスロットに対して、タイムスロット番号と計測IDを付与する(S305)。ここで、ステップS305において付与される計測IDは、毎回「1」インクリメントされる。例えば、今回の処理で分割したタイムスロット番号「1」から「9」については計測ID=「1」が付与され、次回の処理で分割するタイムスロット番号「1」から「9」については計測ID=「2」が付与される。
復調手段431は、分割したタイムスロットに対して、タイムスロット番号と計測IDを付与すると、測位手段432、形状判定手段433および記憶部42に出力する(S306)。その後、復調手段431は、処理をステップS301に戻し、再度SYNC信号の判定を開始する。
次に、図13を参照して、受信機4の測位処理について説明する。図13は、本実施の形態における測位処理のフローチャートである。
測位手段432は、復調手段431で分割されたタイムスロットを入力すると、図13に示す処理を開始する。なお、1回の測位処理(S401からS406)は、タイムスロットに付与された計測IDごとに行われる。
まず、測位手段432は、同一の計測IDが付与された複数のタイムスロットについて、タイムスロットごとにステップS402の処理を行う。全てのタイムスロットについて、ステップS402が終了すると、ステップS404に移行する(S401,S403)。
測位手段432は、処理対象のタイムスロットについて、タイムスロット内のパルスの信号強度を確認して、パルスが最初に所定強度(第1強度)以上、かつ極大値となる時点を検出する。そして、測位手段432は、タイムスロットの開始時点から当該検出した時点までの時間差を求める(S402)。
測位手段432は、全てのタイムスロットについて、時間差を算出すると、タイムスロットの中から有効タイムスロットを所定数選定する。本実施の形態では、有効スタイムロットを3個選定する(S404)。
測位手段431は、有効タイムスロットの選定が終了すると、記憶部42の送信順IDテーブルを参照し、各有効タイムスロットについて、タイムスロット番号に対応する送信順IDを特定する。測位手段432は、特定された送信順IDに基づいて、測位に用いる送信機3を特定する。そして、測位手段432は、記憶部42に記憶された配置情報を参照し、特定した送信機3の設置高と2次元座標を取得する。測位手段432は、記憶部42に記憶された高さ情報、特定した送信機3の設置高と2次元座標、各有効タイムスロットの時間差に基づいて、受信機4の位置を測定する(S405)。
測位手段432は、受信機4の位置を測定すると、測位結果に対して、計測IDと当該測位に用いた送信機3の送信順IDを対応付ける。そして、測位手段432は、後述する状態判定手段434に出力するとともに記憶部42に記憶する(S406)。出力処理が終わると、ステップS401に戻り、次の計測IDが付与されたタイムスロットについて、同様に処理を行う。
次に、図14を参照して、受信機4の形状判定処理について説明する。図14は、本実施の形態における形状判定処理のフローチャートである。
形状判定手段433は、復調手段431で分割されたタイムスロットを入力すると、図14に示す処理を開始する。なお、1回の形状判定処理(S501からS506)は、タイムスロットに付与された計測IDごとに行われる。
まず、形状判定手段432は、同一の計測IDが付与された複数のタイムスロットについて、タイムスロットごとにステップS502からS504の処理を行う。全てのタイムスロットについて、ステップS502からS504が終了すると、ステップS506に移行する(S501,S505)。
形状判定手段433は、記憶部42を参照して、処理対象のタイムスロットと同一のタイムスロット番号が付与された前回のタイムスロットを取得する。本実施の形態では、今回のタイムスロットに付与された計測IDよりも1つ前の計測IDが付与されたタイムスロットの中から処理対象のタイムスロットと同一のタイムスロット番号が付与されたものを記憶部42から読み出す(S502)。なお、図示はしないが、前回のタイムスロットが存在しない場合は、今回の計測IDについては処理をキャンセルし、次回の計測IDについて処理を行うものとする。
形状判定手段433は、ステップS502で読み出した前回のタイムスロットと今回のタイムスロットの類似度を算出する(S503)。そして、形状判定手段433は、算出した類似度が変化閾値以上である場合に、パルスの形状が時間的に変化していないと判定する。また、形状判定手段433は、算出した類似度が変化閾値未満である場合に、パルスの形状が時間的に変化していると判定する(S504)。
形状判定手段433は、全てのタイムスロットについて判定が終わると、それぞれのタイムスロットについての判定結果を計測IDおよび送信順IDと対応付けて記憶部42に記憶する(S506)。なお、送信順IDは、判定を行ったタイムスロット番号を記憶部42に記憶した送信順IDテーブルと照合して求める。その後、形状判定手段433は、ステップS501に戻り、次の計測IDが付与されたタイムスロットについて、同様に処理を行う。
次に、図15を参照して、受信機4の状態判定処理について説明する。図15は、本実施の形態における状態判定処理のフローチャートである。
信号解析システム1が動作を開始すると、状態判定手段434は、図15に示す処理を開始する。まず、状態判定手段434は、測位手段432から今回の測位結果を入力すると、当該測位結果から過去所定数分(例えば、9個分)の連続した測位結果を記憶部42から読み出す。そして、今回の測定結果を含む10個の測位結果について、受信機4の位置が略同一であるか否かを判定する。状態判定手段434は、これらの受信機4の位置が略同一である場合に受信機4を所持または装着する人物が所定時間以上移動していないと判定し、これらの受信機4の位置が略同一でない場合に受信機4を所持または装着する人物が移動していると判定する(S601)。なお、図示はしないが、記憶部42に所定数分の測定結果がない場合、状態判定手段434は、今回の処理をキャンセルし、記憶部42に所定数分の測定結果が蓄積されるまでステップS601を繰り返す。
状態判定手段434は、ステップS601において人物が移動していると判定された場合(S602,NO)、人物が移動中である旨を出力部44に出力する(S605,S608)。
状態判定手段434は、ステップS601にて人物が所定時間以上移動していないと判定された場合(S602,YES)、処理をステップS603に移行する。状態判定手段434は、ステップS601にて、位置が略同一と判定された計測IDに対応する形状変化判定の判定結果を記憶部42から読み出す。そして、読み出した判定結果の中から、人物の位置に近い送信機3の送信IDが付与された判定結果を選択する。状態判定手段434は、選択した判定結果を用いて、同一の送信順IDが付与された判定結果毎にパルスの形状が時間的に変化しているか否かを判定する。状態判定手段434は、パルスの形状が時間的に変化していなければ受信機4が完全に静止していると判定し、パルスの形状が時間的に変化していれば受信機4が完全に静止していないと判定する。具体的には、状態判定手段434は、選択した送信順IDのうち少なくとも1つの送信順IDについて、同一の送信順IDが付与された複数の判定結果がいずれも「形状変化無」であるという条件を満たせば、受信機4が完全に静止している状態であると判定する。一方、状態判定手段434は、この条件を満たさない場合、受信機4が完全に静止している状態ではないと判定する(S603)。
状態判定手段434は、受信機4が完全に静止している状態であると判定した場合(S604,YES)、受信機4を所持または装着している人物が意識を喪失している状態であると判定し、その旨を出力部44に出力する(S604,S606,S608)。また、状態判定手段434は、受信機4が完全に静止している状態でないと判定した場合(S604,NO)、受信機4を所持または装着している人物が立ち止っている・座っている状態であると判定し、その旨を出力部44に出力する(S604,S607,S608)。
状態判定手段434は、出力部44への出力を行うと、処理をステップS601に戻し、測位手段432から次回の測位結果を入力する。なお、本実施の形態における出力部44は、状態判定手段434から人物の意識が喪失したことを入力すると、外部の監視センタ(図示しない)に通信ネットワークを介して、その旨を通報する。
以上のように、本実施の形態における信号解析システム1によれば、周波数変調を常時行う必要がないことから、従来よりもシステムの計算負荷を低減することが可能である。さらに、予め生成した変調パルスを任意のタイミングで送信しても、送信機3や受信機4が不動であれば復調後のパルスの形状の時間的な変化を生じさせないようにすることが可能であるため、送信タイミングの制約を受けることなく、受信機4が完全に静止しているか否かを精度良く解析することが可能である。
1 信号解析システム、2 管理装置、3 送信機、4 受信機、5 人物、6 領域、21 通信部、22 記憶部、23 同期信号送信部、31 通信部、32 記憶部、33 送信制御部、34 パルス送信部、41 パルス受信部、42 記憶部、43 信号解析部、44 出力部

Claims (3)

  1. 周波数変調した変調パルスを任意の送信タイミングで監視空間に順次送信する送信機と、当該監視空間に存在する受信機と、当該受信機が受信した受信波形を常時周波数復調して得た復調パルスの形状の時間的な変化を解析する信号解析部と、を有する信号解析システムであって、
    前記送信機は、
    予め、互いに異なる初期位相で周波数変調した一周期分の変調パルスのデジタルデータを複数記憶する記憶部と、
    所定の起点タイミングにおいて送信した前記変調パルスの初期位相、および当該起点タイミングから前記送信タイミングまでの経過時間に応じて、当該起点タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差と、当該送信タイミングにおける変調位相と復調位相の位相差が略同一になる初期位相で周波数変調された前記デジタルデータを前記記憶部から選択する送信制御部と、
    前記送信タイミングが到来すると、前記送信制御部にて当該送信タイミングについて選択された前記デジタルデータを用いて前記監視空間に前記変調パルスを送信するパルス送信部と、を有することを特徴とした信号解析システム。
  2. 請求項1に記載の信号解析システムであって、
    前記送信機は、前記監視空間に固定設置され、
    前記信号解析部は、前記復調パルスの形状が時間的に変化していない場合に当該受信機が静止状態であることを検出し、前記復調パルスの形状が時間的に変化している場合に当該受信機が静止状態でないことを検出することを特徴とした信号解析システム。
  3. 請求項2に記載の信号解析システムであって、
    前記送信機は、前記監視空間に複数設置され、当該複数の送信機は所定の送信順および前記送信タイミングで前記変調パルスを前記監視空間に送信し、
    前記受信機は、移動物体に所持または装着され、
    前記信号解析部は、前記復調パルスのうち所定強度以上の復調パルスの受信順および当該復調パルスの伝播時間に基づいて前記受信機の位置を測定するとともに、同一の前記送信機からの前記復調パルスから前記受信機の前記静止状態の有無を判定し、当該受信機の位置および当該受信機の前記静止状態の有無に基づいて前記移動物体の状態を検出することを特徴とした信号解析システム。

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