JP2017204715A - 電子機器及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い精度でノイズの低減を行うようにすることを目的とする。【解決手段】電子機器は、マイクと、駆動部と、駆動部を制御するための指示を入力するための操作を行う操作部と、マイクより得られた時系列の音声データを、各周波数の振幅値で構成される振幅スペクトルに変換する変換部とを有している。操作部からレンズ駆動の指示に応じた駆動ノイズを検知し、かつその指示が所定時間継続している場合、ノイズ検知前の振幅スペクトルと、ノイズ検知から所定時間経過後の振幅スペクトルとの差分に基づき、駆動部の駆動ノイズを表すノイズプロファイルを作成し、それを用いてノイズを除去する。【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器及び制御方法に関し、特に、駆動部の駆動時に発生する音(駆動ノイズ、駆動雑音)を低減することができる音声記録装置及び撮像装置に関する。
デジタルカメラには、動画と音声の記録中に、ユーザがズームを指示することにより、レンズを駆動させることができるものがある。記録中にレンズが駆動された場合、モータ等の駆動部により発生されるノイズ(雑音)が記録される音声に混入してしまう。そこで、この種のノイズを低減する技術として、従来、スペクトルサブトラクション方式と呼ばれる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。スペクトルサブトラクション方式では、ノイズに対応した周波数成分(周波数スペクトル)を、入力音声から減算することによりノイズを低減する。
特開2006−279185号公報
ズーム等の駆動部を源とするノイズを低減する場合、その駆動部の駆動を開始する指示(例えばズーム開始指示)をきっかけとしてノイズ低減処理を行っていた。しかし、ユーザによるズーム開始の指示から、実際に駆動部が駆動されて、駆動ノイズが発生するまでの期間は、装置による個体差や経年変化によりばらつく。スペクトルサブトラクション方式によりノイズを低減する際、ノイズが混入している期間以外の期間においてノイズ成分を減算した場合、かえって音質がそこなわれてしまう。そのため、スペクトルサブトラクション方式によりノイズを低減する際、実際にノイズが混入している期間を正確に特定する必要がある。
本発明はこのような課題を解決し、駆動部によるノイズの発生タイミングが変化する場合にも適切にノイズを低減することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明の第一の側面によれば、
音声データを周波数ごとの振幅値で構成される振幅スペクトルに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された振幅スペクトルに基づいて、前記音声データに駆動部の駆動音が含まれることを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記駆動音が含まれていると判定されていない前記音声データの前記振幅スペクトルを初期値として作成し、所定期間分の前記初期値を格納手段に格納する初期値作成手段と、
前記判定手段により前記駆動音が含まれていると判定された場合に、前記駆動音を含む音声データの前記振幅スペクトルから、前記格納手段に前記初期として格納されている前記振幅スペクトルを減算して、前記駆動音の周波数ごとの振幅値を含むノイズプロファイルを作成する作成手段と、
前記変換手段で生成された、前記音声データの前記振幅スペクトルの各周波数の振幅値から前記ノイズプロファイルの対応する周波数の振幅値を減算する減算手段と、
当該減算手段によって減算された振幅スペクトルを、時系列の音声データに逆変換する逆変換手段とを有することを特徴とする電子機器が提供される。
また本発明の第二の側面によれば、
音声データを周波数ごとの振幅値で構成される振幅スペクトルに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された振幅スペクトルに基づいて、前記音声データに駆動部の駆動音が含まれることを判定する第一の判定手段と、
前記第一の判定手段により前記音声データに前記駆動音が含まれると判定されてから所定時間のうちに前記駆動部を駆動するための制御信号が入力されたことを判定する第二の判定手段と、
前記第一の判定手段により前記駆動音が含まれていると判定された場合に、前記駆動音に対応する、周波数ごとの振幅値を含むノイズプロファイルの作成を開始し、前記第二の判定手段により前記所定時間のうちに前記制御信号が入力されたと判定されなかった場合には前記ノイズプロファイルの作成を中止する作成手段と、
前記変換手段で生成された振幅スペクトルの各周波数の振幅値から前記ノイズプロファイルの対応する周波数の振幅値を減算する減算手段と、
当該減算手段によって減算された振幅スペクトルを、時系列の音声データに逆変換する逆変換手段とを有することを特徴とする電子機器が提供される。
本発明によれば、高い精度でノイズを低減することが可能となる。
実施形態の撮像装置の一例を示すブロック図。 実施形態のノイズ低減部を示すブロック図。 実施形態における動画記録処理の一例を示すフローチャート。 実施形態のズーム動作前とズーム動作中とにおける各周波数の振幅スペクトルの一例を表す図。 実施形態のノイズプロファイル作成処理を示すタイミングチャートの一例。 実施形態のノイズプロファイル作成処理を示すタイミングチャートの一例。 実施形態のノイズプロファイル作成処理の一例を示すフローチャート。 実施形態のノイズプロファイルの拡大補正処理を示すタイミングチャートの一例。 実施形態のノイズプロファイルの縮小補正処理を示すタイミングチャートの一例。 実施形態のノイズプロファイル補正処理の一例を示すフローチャート。 実施形態におけるノイズプロファイル補正処理に関する時定数の設定の一例を示す図である。 実施形態の外部音源と音声入力部との関係の一例を示す図。 実施形態のRch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理の一例を示すタイミングチャート。 実施形態のRch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理の一例を示すフローチャート。 実施形態におけるノイズ低減処理の一例を示すタイミングチャート。 実施形態におけるノイズ低減処理の一例を示すフローチャート。 実施形態における係数αと環境音との関係の一例を示す図。 実施形態の後補正処理の一例を示すタイミングチャート。 実施形態における後補正処理の一例を示すフローチャート。 実施形態における音声入力部の一例を示すブロック。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、実施形態では、電子機器として、動画撮影が可能で、動画撮影時には音声を同時に記録可能なデジタルカメラ等の撮像装置100を一例に挙げ、以下説明を行う。しかし、電子機器は、撮像装置100に限られず、マイクを有する装置であれば、携帯電話やICレコーダであっても良い。
図1は、撮像装置100の構成の一例を示すブロック図である。例えばデジタルカメラ本体である撮像装置100は、撮像素子、画像処理部等を含む撮像部101、音声入力部102、メモリ103、表示制御部104、表示部105、符号化処理部106、記録再生部107、記録媒体108、制御部109を有する。さらに、撮像装置100は、操作部110、音声出力部111、スピーカ112、外部出力部113、及び、各構成要素を接続するシステムバス114を有する。また、外部レンズ部116はシステムバス114に接続されるように構成される。外部レンズ部116は後述するが、光学レンズやレンズ制御部、システム制御部、レンズ操作部にて構成される。外部レンズ部116は、たとえばデジタルカメラの交換レンズ、例えば交換式のズームレンズとして提供され、不図示のレンズマウント等の接続部により撮像装置100に対して容易に取り付け、及び取り外しが可能である。
撮像部101は、外部レンズ部116から取り込まれる被写体の光学像を画像信号に変換し、これに対して画像処理を行い、画像データを生成する。音声入力部102は、撮像装置100の周辺の音声を集音し、これに対して音声処理を行い、音声データを生成する。
メモリ103は、撮像部101から供給される画像データや、音声入力部102から供給される音声データを記憶する。音声データはメモリとは限らず、何らかの記録部に記録されればよい。表示制御部104は、撮像部101から得られた画像データや撮像装置100のメニュー画面等を表示部105に表示させる。符号化処理部106は、メモリ103に記憶された画像データに対して所定の符号化を行い、圧縮画像データを生成する。また、符号化処理部106は、メモリ103に記憶された音声データに対して所定の符号化を行い、圧縮音声データを生成する。記録再生部107は、記録媒体108に対して、符号化処理部106で生成された圧縮画像データ、圧縮音声データ及び圧縮された動画データの少なくとも一つを記録媒体108に記録する。また、記録再生部107は、記録媒体108に記録されている画像データ、音声データ及び動画データの少なくとも一つを記録媒体108から読み出す。
制御部109は、システムバス114を介して撮像装置100の各部を制御する。制御部109は、CPU及びメモリを有する。制御部109のメモリには、撮像装置100の各部を制御するためのプログラムが記録される。
操作部110は、ユーザからの指示を撮像装置100に入力するための操作を受け付ける。操作部110は、ユーザによって行われた特定の操作に対応する信号を制御部109に送信する。操作部110は、静止画の撮影を指示するボタン、動画記録開始と停止を指示する記録ボタンを有する。さらに、操作部110は、撮像装置100の動作モードを静止画撮影モード、動画像撮影モード及び再生モードから選択するためのモード選択ボタンを有する。
音声出力部111は、記録再生部107によって読み出された音声データをスピーカ112に出力する。外部出力部113は、記録再生部107によって読み出された音声データを外部機器に出力する。
次に、撮像装置100が動画撮影モードである場合における動作について説明する。撮像装置100が動画像撮影モードである場合、制御部109は、操作部110の記録ボタンがONにされたことに応じて、所定のフレームレートで撮像するように撮像部101を制御し、音声データを取得するように音声入力部102を制御する。この場合、撮像部101で撮像された画像データと音声データとは圧縮され、記録再生部107によって記録媒体108に動画データとして記録される。その後、制御部109は、操作部110の記録ボタンがOFFにされたことに応じて、記録媒体108に記録していた動画データの記録を停止し、1つの動画ファイルを生成する。なお、撮像装置100が動画撮影モードである場合、ユーザによって操作部110の記録ボタンがONされるまでは、操作部110の記録ボタンは、OFFであるものとする。
図20は、撮像部101と音声入力部102と外部レンズ部116との関係を示す。外部レンズ部116は光学レンズ201とレンズ制御部218とレンズ操作部220とシステム制御部219を有する。光学レンズ201は、被写体の光学的に合焦させるためのフォーカスレンズやズームレンズ等である。光学レンズ201は、ズーミングを光学的に行うことができる。以下、光学レンズ201を使ってズーミングを光学的に行うことを「ズーム動作」と呼ぶものとする。ズーム動作は、レンズ操作部220の操作を受けシステム制御部219からの指示で、レンズ制御部218が、光学レンズ201を移動させることで、被写体の光学像をズーミングさせるものである。レンズ制御部218は、光学レンズ201を移動させるための動力源であるモータ等を駆動させる。レンズ操作部220は光学的に画像に対してズーム動作を行うように撮像装置100に指示するためのズームボタンなどを有する。光学レンズ201からの被写体の光学像は、撮像素子202に取り込まれる。又、ズーム動作の開始指示は、システム制御部219から システムバス114を介して制御部109に入力される。例えば、ズーム動作やフォーカス調整等を光学レンズ201に開始させるための指示がレンズ操作部220を介して入力された場合、システム制御部219は、光学レンズ201を移動させるようにレンズ制御部218を制御するズーム制御信号をONに変更する。ズーム制御信号がONに変更された場合、レンズ制御部218は、モータ等を駆動し、光学レンズ201を移動させる。
光学レンズ201を移動させる場合、外部レンズ部116において、光学レンズ201の移動に伴うノイズや光学レンズ201を移動させるためのモータの駆動に伴うノイズが発生する。以下、光学レンズ201の移動に伴うノイズや光学レンズ201を移動させるためのモータの駆動に伴うノイズを「駆動ノイズ」と呼ぶものとする。
撮像部101は、撮像素子202、画像処理部204を有する。
撮像素子202は、光学レンズ201からの被写体の光学像を画像信号に変換し、画像信号を出力する。画像処理部204は、撮像素子202から出力される画像信号に対して画像処理を行い、画像データを生成する。
撮像装置100の音声入力部102は、ステレオ録音を実現するため、R(Right:右)チャネル音声入力部102a及びL(Left:左)チャネル音声入力部102bを有する。Rチャネル音声入力部102aと、Lチャネル音声入力部102bとは構成が同じであるため、以下、Rチャネル音声入力部102aの構成について説明する。Rチャネル音声入力部102aは、マイク205a、ADC206a、FFT207a、ノイズ低減部200a、IFFT214a、ノイズ印加部215a、音声処理部216a、ALC217aを有する。なお、Rチャネルを以下「Rch」と呼び、Lチャネルを以下「Lch」と呼ぶものとする。
マイク205aは、音声振動を電気信号に変換し、アナログの音声信号を出力する。ADC(アナログデジタルコンバータ)206aは、マイク205aにより得られたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。例えば、ADC206aのサンプリング周波数は48KHzで、1サンプルにつき16ビットの、時系列のデジタルデータを出力する。FFT(高速フーリエ変換器)207aは、ADC206aから出力された、例えば、1024個のサンプルデータが時系列に並んだ音声データを1フレームとして入力する。すなわち、所定時間分の音声データを1フレームとする。そして、FFT207aは、1フレーム分の音声データに対して高速フーリエ変換し、各周波数の振幅レベル(振幅スペクトルデータ)を生成し、ノイズ低減部200aに供給する。なお、FFT207aが生成する振幅スペクトルは、0から48KHzまでの1024ポイントの各周波数の振幅データで構成されるものとする。また、実施形態では1フレームの音声データを1024個のサンプルから構成されるとしているが、次に処理する1フレームにおける前半の512個のデータと、直前の1フレームの後半の512個のデータは同じであり、互いに一部が重複している。
ノイズ低減部200aは、ズーム動作を撮像装置100が実行している場合に発生する駆動ノイズを表す各周波数のノイズの振幅データを、FFT207aから出力された該当する周波数の振幅データから減算する。ノイズ低減部200aは、減算が行われた後の振幅スペクトルデータをIFFT(逆高速フーリエ変換器)214aに供給する。これによりノイズを除去または低減する。
IFFT(逆高速フーリエ変換器)214aは、FFT207aから供給された位相情報を用いて、ノイズ低減部200aから供給された振幅スペクトルデータに対して逆高速フーリエ変換(逆変換)を行うことで、元の時系列形式の音声データを生成する。本実施形態においてIFFT214aは、FFT207aにて高速フーリエ変換される前の位相情報を保持して時系列の音声信号に戻す。
ノイズ印加部215aは、IFFT214aからの時系列の音声信号に対してノイズ信号を印加する。ノイズ印加部215aによって印加されるノイズ信号は、ノイズフロアレベルの信号であるものとする。音声処理部216aは、風騒音を低減するための処理、ステレオ感を強調するための処理やイコライザ処理等を行う。そして、ALC(オートレベルコントローラ)217aは、時系列の音声信号の振幅を所定のレベルに調整し、調整後の音声データをメモリ103に出力する。
次に、実施形態におけるRチャネル音声入力部102aのノイズ低減部200aについて、図2と図4を用いて、以下説明を行う。
図2は、ノイズ低減部200aの構成の一例を示すブロック図である。ノイズ低減部200aは、積分回路250a、初期値格納部251a、プロファイル処理判定部256a、プロファイル作成部252a、プロファイル格納部253a、振幅スペクトル減算部254a、後補正部255a、及びプロファイル補正部257a、ノイズ除去処理確定部258a有する。
Lチャネル音声入力部102bのノイズ低減部200bもノイズ低減部200aと同様の構成であり、積分回路250b、初期値格納部251b、プロファイル処理判定部256b、プロファイル作成部252b、プロファイル格納部253b、振幅スペクトル減算部254b、後補正部255b、及びプロファイル補正部256b、ノイズ除去処理確定部258bを有する。
ノイズ低減部200aは、外部レンズ部116がズーム動作を行っている場合に発生する駆動ノイズを低減するための動作を行う。以下、ノイズ低減部200aによって行われる動作について図4を参照し、説明を行う。
図4は、外部レンズ部116によってズーム動作が行われる前と外部レンズ部116によってズーム動作が行われている間とにおける各周波数の振幅スペクトルの一例を表す図である。図4における横軸が周波数を示し、0から48kHzの区間の1024ポイントを示している(ただし、ナイキスト周波数である24kHzまでにおいては512ポイントの周波数スペクトルをもつものとする)。図4における振幅スペクトル401は、外部レンズ部116がズーム動作を行う前(光学レンズ201が移動していない状態)における環境音を示す振幅スペクトルデータを示す。図4における振幅スペクトル402は、外部レンズ部116がズーム動作を行っている場合(光学レンズ201が移動している状態)における環境音を示す振幅スペクトルを示している。振幅スペクトル402には、駆動ノイズが含まれている。ノイズ低減部200aは、振幅スペクトル401と、振幅スペクトル402との差分から駆動ノイズを低減するために用いられるノイズプロファイルを作成する。以下、ノイズ低減部200aの各部について説明を行う。
プロファイル処理判定部256aは、操作部110の操作による制御部109からの動画記録開始指示に応じて、FFT207aにて高速フーリエ変換された振幅スペクトルの各周波数fi(ただし本例ではfi=0,1、...、1023)の振幅値AR(fi)を取得する。この振幅値はRチャネルの値である。また周波数fiはインデックスiで示される離散した周波数である。周波数fiは0から48KHzまでの1024ポイントの各周波数に対応している。プロファイル処理判定部256bも同様にLチャネルの振幅値AL(fi)を取得する。プロファイル処理判定部256aは、プロファイル処理判定部256bから取得したLchの振幅スペクトルと、自身が取得したRchの振幅スペクトルの各周波数の左右差振幅値A|L−R|(fi)=|AL(fi)−AR(fi)|を算出する。ここで新たなパラメータとしてフレーム番号を導入し、フレーム番号をjで表すことにする。たとえばフレームjの周波数fiにおける平均左右差振幅値A|L−R|(fi)をA|L−R|(j,fi)と表す。そして、フレームごとの前記左右差振幅値を基に、現フレームの左右差振幅値A|L−R|(j,fi)と前フレームの左右差振幅値A|L−R|(j−1,fi)との差分を、振幅スペクトルの周波数全体すなわち帯域全体にわたって周波数ごとに評価する。そして、現フレームの左右差振幅値A|L−R|(j,fi)が前フレームの左右差振幅値A|L−R|(j−1,fi)よりも大きい周波数の左右差振幅値の増加分の合計Sum0(j)と、前フレームより現フレームの左右差振幅値が大きい周波数の本数Num0(j)を算出する。Sum0、Num0は、振幅スペクトルの全周波数を対象として計算される。かっこ内は、これらの値が現フレームであるフレームjに関して算出された値であることを示す。すなわちSum0、Num0を以下のように定義できる。連続するフレーム間における左右チャンネル間の差分の増加分を(A|L−R|(j,fi)−A|L−R|(j−1,fi))=Δ(j,fi)と表し、関数P(j,fi)の値を以下の通り定義する。
P(j,fi)=Δ(j,fi)(Δ(j,fi)>0)
P(j,fi)=0 (Δ(j,fi)≦0)
このP(j,fi)を用いれば、
Sum0(j)=ΣfiP(j,fi)である。
また、関数M(j,fi)の値を以下の通り定義する。
M(j,fi)=1(Δ(j,fi)>0)
M(j,fi)=0(Δ(j,fi)≦0)
このM(j,fi)を用いれば、
Num0(j)=ΣfiM(j,fi)である。
また、合わせて、0から511までの512ポイントの振幅スペクトルの内、384から511までの127ポイントの振幅スペクトルの範囲(すなわち比較的高周波の帯域)に限定して同様に増加分の合計Sum1(j)と周波数の本数Num1(j)を算出する。Sum1(j)、Num1(j)は、計算の対象となる帯域が異なるものの、Sum0(j)、Num0(j)それぞれと同様に計算できる。プロファイル処理判定部256aはSum0(j)、Num0(j)、Sum1(j)、Num1(j)の其々の値に対し予め定めた閾値を設け、全てが閾値を超えたAND条件の場合にフレーム間において左右差をもった急激な振幅スペクトルの増加があった(すなわち増加率が閾値を超えた)と判断する。つまり、ズーム音が開始された事を判定する。この判定結果は、プロファイル作成指示信号としてプロファイル作成部252aに入力される。すなわち条件Sum0>Thsum0、Num0>Thnum0,Sum1>Thsum1,Num1>Thnum1が全て満たされるとプロファイル作成指示信号(図2ではプロファイル作成実行信号)指示はオンにされる。この条件の具備を、「ズーム音の開始」とも呼ぶ。また、これら条件がひとつでも満たされないとプロファイル作成指示信号はネゲートされる。ここでThsum0、Thnum0,Thsum1,Thnum1は、Sum0、Num0,Sum1,Num1それぞれに対する閾値である。この閾値は例えば実験的に決めることができる。
ここでSum0(j)、Num0(j)、Sum1(j)、Num1(j)のAND条件について説明する。ズームの駆動音の検出において、Sum0(j)のフレーム間の左右差の差分の総和だけであると、周囲音が大きい場合は前記総和自体大きくなるので検出は難しい。また、Num0(j)のフレーム間の左右差の差分が大きくなる周波数ポイント数だけであると、広帯域の周囲音だとポイント数が増えるので検出が難しい。また、高周波数側の帯域における左右差振幅値の増加分の総和Sum1(j)、および左右差振幅値が増加した周波数の本数Num1(j)を条件に追加している理由は以下のとおりである。すなわち、ズームの動作開始時の動きだし音は、モータの駆動におけるノイズに加え、ギアのかみ合う音や摺動音が混在する事により、15kHz以上の比較的高周波数の帯域にも振幅スペクトルが見える事が特徴的である。以上の特徴により、Sum0(j)、Num0(j)、Sum1(j)、Num1(j)のAND条件をとる事で、より確実にズーム開始を判定する事ができる。また上記判定基準として左右差振幅値を用いるのは、カメラにおけるステレオマイクとレンズ駆動部の配置から、ズーム動作時におけるノイズは他の環境音に比べて一方のチャンネルにより捉えられやすいことによる。もしも左右のチャネルでズーム時のノイズに差がないならば、左右何れかの入力信号或いは和信号を用いるなどしてもよい。
また、本実施例においてプロファイル処理判定部256aによりプロファイル作成部252aに対しプロファイル作成指示が前述の判定条件により出される事を説明した。一方プロファイル作成完了指示については制御部109からプロファイル作成部252aに出される事でノイズプロファイル作成を終了させる事とする。また前記処理は、制御部109の指示を受けて、プロファイル処理判定部256aがプロファイル作成部252aに対してプロファイル作成完了指示を出す構成であっても勿論構わない。
プロファイル処理判定部256aはズーム開始を判定した時点において、プロファイル作成部252aに対し、プロファイル作成指示を出力する。
本実施例においては、Lchのプロファイル処理判定部256aが左右差を算出し、Sum0(j)、Num0(j)、Sum1(j)、Num1(j)を算出し、それぞれの閾値と比較した後、ズーム開始を判定しているが、前記処理をプロファイル処理判定部256bが実施しても勿論構わない。プロファイル処理判定部256として一つの判定部として前記処理を実施しても勿論構わない。
また、積分回路250aは、操作部110の操作による制御部109からの動画記録開始指示に応じて、FFT207aにて高速フーリエ変換された振幅スペクトルの各周波数の振幅値を時間軸について積分する。このとき、積分回路250aは、積分したフレーム数をカウントする。FFT207aからの1フレームから得られた振幅スペクトルデータにおける周波数fi(ただし、i=0、1、...、1023のいずれか)の振幅値をA(fi)と表す。この場合、積分回路250aは、次式のように各周波数の積分値(累積加算値)S(fi)を求める。
S(fi)=ΣA(fi)
レンズ制御部218が光学レンズ201を移動させていない場合、積分回路250aは、上述のように各周波数の振幅値を積分していく。そして、積分回路250aは、各周波数の積分値を、積分期間を表すフレーム数nで除算した結果を出力する。つまり、積分回路250aは、次式のように各周波数の平均振幅値Aave(fi)を算出し、その算出結果を出力する。
Aave(fi)=S(fi)/n
平均振幅値Aave(fi)(i=0、1、...、1023)で示されるデータは、図4の振幅スペクトル401に対応する。積分回路250aは、算出した平均振幅値Aave(fi)をノイズプロファイル初期値として初期値格納部251aに格納する。積分回路250aからh、直前のnフレーム分の各周波数の平均振幅値Aave(fi)が、フレーム毎に出力される。初期値格納部251aはノイズプロファイル初期値の格納動作をプロファイル処理判定部256aはズーム開始を判定した時点まで繰り返し実施する。この際、初期値格納部251aは少なくとも直前の5フレーム分のノイズプロファイル初期値を格納しておき、それ以前のフレームのノイズプロファイル初期値は削除しても構わないものとする。すなわち、たとえばプロファイル処理判定部256aは、各周波数について、所定数(本例では5つ)のフレームにわたる振幅値の移動平均を、プロファイル作成指示がアクティブとなるまで計算し、更新する。ノイズプロファイルとは、ズーム動作が行われている場合に発生する駆動ノイズを示すデータである。
積分回路250aは、レンズ制御部218が光学レンズ201の移動を開始させてから安定化期間が経過するまでの間、上述のように各周波数の振幅値を積分し続けている。安定化期間とは、積分回路250aの時定数により積分回路250aに入力される振幅スペクトルが安定するまでの期間である。例えば安定化期間は時定数により定まる一定期間であってよい。その起点はたとえばプロファイル作成指示信号がアクティブになったタイミングであってよい。安定化期間が経過するまでの間において、FFT207aから出力される振幅スペクトルには、駆動ノイズが含まれている。安定化期間(所定数のフレーム例えば、mフレーム分に相当するものとする)が経過した場合、積分回路250aは、積分した振幅値の平均値S(fi)/mをプロファイル作成部252aに出力する。S(fi)/mは、図4の振幅スペクトル402に対応する。
プロファイル作成部252aは、プロファイル処理判定部256aからのプロファイル作成指示を受け、積分回路250aから供給されたS(fi)/m(スペクトル402に相当)から初期値格納部251aに格納されている5フレーム前のS(fi)/n(スペクトル401に相当)を減算することで、各周波数の駆動ノイズに対応する振幅値であるN(fi)を次式のように算出する。
N(fi)=S(fi)/m−S(fi)/n
N(fi)が算出された後、プロファイル作成部252aは、N(fi)をノイズプロファイルとしてプロファイル格納部253aに格納する。ノイズプロファイルとは、ズーム動作が行われている場合に発生する駆動ノイズを示すデータである。
その後、振幅スペクトル減算部254aは、FFT207aから供給される振幅スペクトルデータのA(fi)から、プロファイル格納部253aから読み出された駆動ノイズの振幅値N(fi)を減算する処理を行う。なお、以下、FFT207aから供給される振幅スペクトルデータのA(fi)から、プロファイル格納部253aから読み出されたノイズプロファイルである振幅値N(fi)を減算する処理を「減算処理」と呼ぶ。振幅スペクトル減算部254aは、次式によって得られた振幅スペクトルデータANR(fi)をIFFT214aまたはIFFT214bに出力する。
NR(fi)=A(fi)−N(fi)
この減算処理はたとえば、プロファイル作成指示信号がオンである間実行され、プロファイル作成指示信号がオフにされたタイミングで停止する。
なお、ユーザによってレンズ操作部220から外部レンズ部116へのズーム動作の開始の指示を受け、ズームが動作を開始し、つまりプロファイル処理判定部256aがプロファイル作成指示を出力してから、安定化期間が経過するまでの間、プロファイル作成部252aでのノイズプロファイルの作成が完了していない状態が発生する。これにより、プロファイル作成部252aによるノイズプロファイルの作成が完了するまでの期間を短くするためには、安定化期間に対応するフレーム数「m」を小さくする必要がある。しかし、「m」が極端に小さい場合、ノイズプロファイルによる駆動ノイズの低減の精度が低くなってしまう可能性がある。たとえばレンズ制御部218が光学レンズ201を移動させるための制御後にズーム動作が開始された場合、70ms程度の間、駆動ノイズの一種である光学レンズ201の動きだし音や音揺れ等が発生する。光学レンズ201の動きだし音や音揺れ等を低減するために、70msを超える期間において、プロファイル作成部252aにノイズプロファイルを作成させるため、「m」を例えば「15」とする。
実施形態では、1フレームは1024個の時系列の音声データであるものの各フレームの半分は互いに重畳している。また、音声データのサンプリングレートは48kHzとしているので、m=15とすると、ノイズプロファイルの作成期間Tは、
T=mフレーム分の期間=m(=15)×(1024/2)/48kHz=160ms
となる。このように、安定化期間を確実に含む期間にわたって積分が行われるように、フレーム数mを決定する。これにより、プロファイル処理判定部256aからプロファイル作成指示を受けてから作成期間Tが経過するまでの、安定化期間を含む期間に、プロファイル作成部252aは、ノイズプロファイルを作成する。このため、プロファイル作成部252aは、光学レンズ201の動きだし音や音揺れ等を低減するための精度の高いノイズプロファイルを作成できる。
また、ユーザーがレンズ操作部220を操作する事により外部レンズ部116へのズーム動作の開始の指示を受けズームが動作が開始され、ズーム動作の開始指示が制御部109を介して、ノイズ低減部200aに入力されるまでには、タイムラグが存在する。つまり外部レンズ部116のズーム動作が開始されてからノイズ低減部200aにズーム動作開始の指示が入力される構成となる。この場合、ズーム動作開始の指示を受けてからプロファイル作成を開始すると、ノイズ除去処理が、実際のズーム動作に間に合わず、ズーム音の消し残しが発生してしまう。また、ズーム動作が開始されてからノイズプロファイル初期値を取得する事となるので、不正確なノイズプロファイルを作成してしまう事になり、実際のズーム音よりも小さいノイズプロファイルが作成され、ズーム音の消し残しが発生してしまう。
本実施形態では、ズーム動作に伴う音の検知に基づいて初期値格納部251aによりズーム動作開始前のノイズプロファイル初期値を確実に格納し、かつプロファイル処理判定部256aによりズーム開始を判定してからプロファイル作成を開始する。こうする事により、前述のようなズーム音の消し残しのない精度の高いノイズプロファイルを作成できる。
ここで、ズーム動作が開始されたことの特定をより確実に行うために、本実施形態では以下のような制御を行ってもよい。ノイズ除去処理確定部258aは、プロファイル処理判定部256aからのプロファイル作成指示を受けてから所定の時間内にズーム動作の開始指示(ズーム制御信号)が制御部109から入力されれば、プロファイル作成の実行を継続させる。所定時間内にズーム動作の開始指示が入力されなければ、プロファイル作成の実行を中止させる。ノイズ除去処理確定部258aの制御により、ズーム音の判定とズーム動作の指示の両方を検知して、プロファイル作成を継続するか否かを確定させる事で、正確なノイズ除去を実行する事ができる。上述した所定時間は、ユーザによるズーム開始操作の信号と、ズーム動作によりノイズ検知との時間差を超える値であればよく、たとえば予め実験的に決定しておくことができる。また、ノイズ除去処理確定部258aは、プロファイルの作成を制御する代わりに、振幅スペクトル減算部254aによるノイズプロファイルの減算処理を制御してもよい。すなわちノイズ除去処理確定部258aは、プロファイル処理判定部256aからのプロファイル作成指示を受けてから所定の時間内にズーム動作の開始指示(ズーム制御信号)が制御部109から入力されれば、振幅スペクトルからのノイズプロファイルの減算を継続させる。所定時間内にズーム動作の開始指示が入力されなければ、ノイズプロファイルの減算を中止させる。
後補正部255aは、振幅スペクトル減算部254aによって減算処理が行われた後の振幅スペクトルを補正して、IFFT214aに出力する。
プロファイル補正部257aは、環境音の大きさに応じて、プロファイル格納部253aに格納されたノイズプロファイルを補正する処理を行う。プロファイル補正部257aによって行われるノイズプロファイルの補正として、拡大補正(増加補正)と縮小補正(減少補正)とがある。プロファイル補正部257aは、ノイズプロファイルの拡大補正を行うプロファイル拡大部271aと、ノイズプロファイルの縮小補正を行うプロファイル縮小部272aとを有する。
ノイズプロファイルの拡大補正とは、プロファイル作成部252aによって作成されたノイズプロファイルまたはプロファイル補正部257aによって補正されたノイズプロファイルの振幅スペクトルを増大させる補正である。つまり、ノイズプロファイルの拡大補正をすることで振幅スペクトル減算部254aによって減算処理がされた後の振幅スペクトルデータANR(fi)は、その前に比べて小さくなる。また、ノイズプロファイルの縮小補正とは、プロファイル作成部252aによって作成されたノイズプロファイルまたはプロファイル補正部257aによって補正されたノイズプロファイルの振幅スペクトルを減少させる補正である。つまり、ノイズプロファイルの縮小補正をすることで振幅スペクトル減算部254aによって減算処理がされた後の振幅スペクトルデータANR(fi)は、その前に比べて大きくなる。プロファイル補正部257aによって行われるノイズプロファイルの補正は必要に応じて、FFT207aから供給される1フレーム毎の振幅値A(fi)に対して行われる。撮像装置100によってズーム動作が行われている場合、環境音や光学レンズ201の移動に伴う振幅スペクトルの変動に応じて、プロファイル補正部257aは、ノイズプロファイルを適正に補正することができる。すなわち、ノイズプロファイルの補正は、ノイズプロファイルを適用してノイズ低減処理を行っている間に動的に行われる。
Lチャネル音声入力部102bもRチャネル音声入力部102aと同様に、マイク205b、ADC206b、FFT207b、ノイズ低減部200b、IFFT214b、ノイズ印加部215b、音声処理部216b、ALC217bを有する。マイク205aとマイク205bとは、同様の構成であり、FFT207aとFFT207bとは、同様の構成であり、ノイズ低減部200aとノイズ低減部200bは、同様の構成である。さらに、IFFT214aとIFFT214bとは、同様の構成であり、ノイズ印加部215aとノイズ印加部215bとは、同様の構成である。さらに、音声処理部216aと音声処理部216bとは、同様の構成であり、ALC217aとALC217bとは同様の構成である。
図3は、撮像装置100のモードとして動画像撮影モードが選択された場合に制御部109および音声入力部102によって行われる動画記録処理の一例を示すフローチャートである。S301〜S305およびS307、S314、S315が制御部109により実行される。その他のステップであるS306,S308−S313は、音声入力部102により実行される。音声入力部102による入力音声についての処理は、制御部109による処理とは非同期かつ自律的に実行し得る。しかし、時系列的には図3のように実行されると考えられるので、ここでは一つのフローとして示した。次に、マイク205aがADC206aにアナログの音声信号を出力する場合を一例に挙げて、以下、動画記録処理について説明する。
撮像装置100が動画像撮影モードに変更された場合、制御部109は、ノイズ低減部200aにおけるプロファイル格納部253aをゼロクリアにする(S301)。その後、制御部109は、積分回路250aに対してFFT207aから入力された振幅スペクトルデータの積分処理を開始させる(S302)。そして、制御部109は、操作部110の記録ボタンがONされたか否か、つまり動画データの記録を撮像装置100に開始させる指示が入力されたか否かを判定する(S303)。動画データの記録を撮像装置100に開始させる指示が入力された場合(S303でYes)、制御部109は、動画データの記録を開始する(S304)。この場合、制御部109は、撮像部101及び音声入力部102からメモリ103に格納される動画データを生成するための画像データ及び音声データの符号化処理を開始し、記録再生部107による記録媒体108への記録を開始する。S303で、記録指示がない場合、或いは、記録中でないと判断した場合、S302に戻り、振幅スペクトルデータの積分処理を継続する。S302で行われる積分処理は、S302からS302へのループにより、動画データの記録が開始されるまでは例えば所定期間にわたって周期的に繰り返される。
S305では、動画データの記録の開始を受け、制御部109は、上述のように、Aave(fi)を算出するように積分回路250aを制御する。積分回路250aによってAave(fi)が算出された場合、制御部109は、Aave(fi)を振幅スペクトルつまりノイズプロファイル初期値として初期値格納部251aに格納を開始する(S305)。Aave(fi)は、既に説明したように、光学レンズ201の移動が検出されていない間に入力されたnフレーム(本例では5フレーム)分の音声信号に含まれた周波数fiの振幅値の平均値である。
次に、S306においてプロファイル処理判定部256aはズーム開始を判定する。ズーム開始の判定は、プロファイル作成指示信号をアクティブにする条件の判定であり、上述した条件Sum0、Num0,Sum1,Num1すべてがそれぞれの閾値を超えているか否かの判定である。S306においてプロファイル処理判定部256aはズーム開始を判定されなかった場合、制御部109は、操作部110を介して動画データの記録を撮像装置100に終了させる指示が入力されたか否かを判定する(S307)。なおS307は、S306の判定とは非同期に実行されてもよい。この場合には制御部109は、S305でAave(fi)を算出するように積分回路250aを制御した後にS307を実行する。
S307では、操作部110を介して動画データの記録を撮像装置100に終了させる指示が入力された場合(S307でYes)、制御部109は、メモリ103に格納されている動画データの符号化を開始し、記録媒体108への記録を行わせる。さらに、制御部109は、記録媒体108に記録している動画データの記録を停止し、動画ファイルとして完成させる(S315)。このとき動画と共に記録される音声は、音声入力部102によるノイズ低減処理済みの音声である。
一方、S306においてプロファイル処理判定部256aがズーム開始と判定した場合、プロファイル作成部252aに対しプロファイル作成指示を出す。プロファイル作成部252aは、ノイズプロファイル作成指示に応じて、初期値格納部251aに格納されたノイズプロファイルの初期値を取得し(S308)、その後ノイズプロファイル作成処理が開始される(S309)。ここで、ノイズ除去処理確定部258aは、プロファイル作成指示から所定の時間内にズーム動作の開始指示が制御部109から入力されたか否かを判定する(S310)。所定時間内に入力されなければ、プロファイル作成部252aに対しプロファイル作成処理(S309)を中止させ、プロファイル処理判定部256aによるズーム開始の判定待ちに進む(S306)。また、プロファイル作成指示から所定の時間内にズーム動作の開始指示が制御部109から入力されれば、プロファイル作成処理(S309)を継続する。S308において行われるノイズプロファイル初期値作成処理とS309において行われるノイズプロファイル作成処理については後述する。ノイズプロファイル作成処理が実行されることによって作成されたノイズプロファイルは、プロファイル格納部253aに格納される。
次に、振幅スペクトル減算部254aは、FFT207aにて高速フーリエ変換された各周波数の振幅スペクトルデータの各周波数の振幅値からノイズプロファイルに含まれる特定の周波数の振幅値を減算するノイズ低減処理を行う(S311)。ノイズ低減処理が行われる場合、制御部109は、減算処理を行うように振幅スペクトル減算部254aを制御する。次に、プロファイル補正部257aは、プロファイル格納部210aに格納されたノイズプロファイルを補正するノイズプロファイル補正処理を行う(S312)。ノイズプロファイル補正処理が行われる場合、制御部109は、ノイズプロファイル補正処理を行うようにノイズプロファイル補正処理部257aを制御してもよい。S312において行われるノイズプロファイル補正処理については後述する。プロファイル補正部257aによって補正されたノイズプロファイルは、次フレームの減算処理で適用される。次に、後補正部255aは、振幅スペクトル減算部254aにより減算処理が行われたRchの振幅スペクトルに対して後補正処理を行う(S313)。後補正とは、Rchの振幅スペクトルとLchの振幅スペクトルとを同一にするように補正する処理である。S312において行われる後補正処理については後述する。
そして、制御部109により外部レンズ部116の操作によるズーム動作を停止する指示が入力されたか否かが判定される(S314)。レンズ操作部220からズーム動作を停止する指示が入力されていない場合、外部レンズ部116においてズーム動作が継続して実行されるので、制御部109は、S311からS313までの処理を繰り返させる。また、制御部109は、外部レンズ部116からズーム動作を停止する指示が入力された場合、外部レンズ部116におけるズーム動作を停止させ、S301の処理に戻る。S301に戻ったことで、制御部109によってプロファイルクリア処理が実行される。ノイズプロファイルがクリアされれば、FFT207aからの振幅スペクトルは補正されることなくIFFT214aに供給される。なおS314における判定は、特にS313に引き続いて実行される必要は無い。たとえばズーム動作を指示するズーム制御信号を図3の手順とは非同期に監視し、ズーム動作が停止されたと判定した場合にS301のプロファイルクリアを実行してもよい。またS301はプロファイル作成部252aが実行してもよい。
なお、図3の動画記録処理について、マイク205aがADC206aにアナログの音声信号を出力する場合を一例に挙げて説明を行った。しかしながら、マイク205bがアナログの音声信号をADC206bに出力する場合も、図3の動画記録処理と同様に動画の記録を行う。
制御部109によって実行されるS308において行われるノイズプロファイル初期値作成処理とS309においてノイズプロファイルの作成処理について図4、5、6及び7を用いて説明を行う。
図5は、各周波数の振幅スペクトルに対するノイズプロファイル作成処理を示すタイミングチャート図である。図6は、撮像装置100によってズーム動作が開始される前における環境音が大きい場合における各周波数の振幅スペクトルに対するノイズプロファイル作成処理を示すタイミングチャート図である。
以下、図5及び図6について説明を行う。図5及び図6おいて、システム制御部219がズーム操作に応じてズーム制御信号を出力し、光学レンズ201を移動させるようにレンズ制御部218を制御させ、光学レンズ201が実際に動き始めるタイミング、つまりはプロファイル処理判定部256がズーム開始を判定し、プロファイル作成指示信号をアクティブにしたタイミングを「t12」とする。
システム制御部219は、光学レンズ201を移動させるようにレンズ制御部218を制御する場合、ズーム制御信号をONに変更する。光学レンズ201を移動させない場合、システム制御部219は、ズーム制御信号をONにしないので、この場合、ズーム制御信号は、OFFになる。また、システム制御部219は、光学レンズ201の移動を停止させるようにレンズ制御部218を制御する場合、ズーム制御信号をOFFに変更する。ズーム制御信号がONに変更された場合、レンズ制御部218は、光学レンズ201の移動を開始させる。ズーム制御信号がOFFに変更された場合、レンズ制御部218は、光学レンズ201の移動を停止させる。また、図5及び図6おいて、タイミングt12でズーム音開始と判定される前に、制御部109が「t1」のタイミングで初期値格納部251aに格納されたノイズプロファイル初期値を、確定したノイズプロファイル初期値Dt1として取得する。ノイズプロファイル初期値は例えば所定フレーム(本例では5フレーム)ごとにその平均値として求められているので、タイミングt1からタイミングt12までの間隔は所定フレーム(例えば5フレーム)以内の時間となる。
さらに、図5及び図6おいて、プロファイル処理判定部256が振幅スペクトル減算部254にノイズプロファイルを用いた減算処理を開始させるタイミングを「t2」とする。さらに、図5及び図6おいて、システム制御部219がズーム制御信号をOFFにするタイミングを「t3」とする。ノイズプロファイルを用いた減算処理は、タイミングt2からタイミングt3までの期間、振幅スペクトル減算部254によって行われる。
図5及び図6において、FFT207aによって高速フーリエ変換された所定の周波数fiの振幅スペクトルを「It」とする。さらに、図5及び図6において、積分回路250aによって積分された所定の周波数fiの振幅を示す振幅スペクトルを「Dt」とする。図5及び図6において、プロファイル作成部252aによって作成された所定の周波数fiに対応するノイズプロファイルを「Pt」とし、振幅スペクトル減算部254aから出力される所定の周波数fiの振幅スペクトルを「Ut」とする。さらに図5及び図6において、ノイズ印加部215aによってノイズ信号が印加された後の所定の周波数fiの時系列のデジタル音声信号を「Nt」とする。
ノイズプロファイルPtは、ナイキスト周波数である24kHzまでにおいて512ポイントの振幅スペクトルを持つ。図5及び図6における512ポイントの振幅スペクトルDt1は、撮像装置100がズーム動作を行う前(光学レンズ201が移動していない状態)における環境音を示す振幅スペクトルを示し、図4におけるスペクトル401に対応する。図5及び図6における512ポイントの振幅スペクトル(Dt2)は、撮像装置100がズーム動作を行っている場合(光学レンズ201が移動している状態)における環境音を示す振幅スペクトルを示し、図4におけるスペクトル402に対応する。
図7は、制御部109によって行わせるノイズプロファイル初期値作成処理(S308)とノイズプロファイル作成処理(S309)を示すフローチャートである。図7を用いて、制御部109によって制御される、プロファイル作成部252aによるノイズプロファイル初期値作成処理とノイズプロファイル作成処理について説明する。プロファイル作成部252bにおいても同様の処理が行われる。
まず、プロファイル処理判定部256aがズーム開始を判定後、プロファイル作成部252aに対しプロファイル作成指示を出した場合(S306)(タイミングt12)、その例えば5フレーム前のタイミングt1において初期値格納部251aに格納された振幅スペクトルの積分値の平均値をノイズプロファイル初期値Dt1として決定する(S308)。その後、ノイズプロファイル作成処理が開始される(S309)(タイミングt12)。
次に、制御部109は、タイミングt12から安定化期間が経過したか否かを判定する(S701)。安定化期間が経過したタイミングt2において(S701でYes)、制御部109は、上述のように、S(fi)/mを算出するように積分回路250aを制御する。積分回路250aによってS(fi)/mが算出された場合、制御部109は、S(fi)/mを振幅スペクトルDt2として初期値格納部251aに保存する(S702)。
次に、制御部109は、振幅スペクトルDt1が所定の振幅スペクトルであるDtth以下であるか否かを判定する(S703)。所定の振幅スペクトルDtthは、あらかじめメモリ103に格納されているものとする。所定の振幅スペクトルDtthは、撮像装置100によってズーム動作が開始される前における環境音が大きい場合であっても、駆動ノイズを低減できるように設定される。所定の振幅スペクトルDtthは、撮像装置100の騒音ノイズとして予測されるノイズレベルよりも一定レベル低いレベルになるように設定される。
振幅スペクトルDt1が所定の振幅スペクトルDtthよりも大きいと判定された場合(S703でNo)、制御部109は、ズーム動作が開始される前の環境音が大きいと判定する。なお振幅スペクトルの大小の判定は、たとえば、周波数ごとに行われる。その場合、その判定に応じた処理も、周波数ごとの判定結果に応じて行われる。すなわち、たとえば2つの周波数における判定結果が相違していれば、それら2つの周波数についての処理もそれぞれの判定結果に応じたものとなる。あるいはスペクトルの大小の判定をたとえば可聴域におけるパワーの総和どうしを比較するなどして行ってもよい。この場合には判定に応じた処理は、すべての周波数に対して共通に適用される。或いはこのほかの方法で判定を行ってもよい。これはS703に限らず、本実施形態あるいは他の実施形態におけるスペクトルどうしの比較判定について同様である。振幅スペクトルDt1が所定の振幅スペクトルDtth以下でないと判定された場合(S703でNo)、ノイズプロファイル作成処理は、図6のようなタイミングチャートになる。この場合(S703でNo)、制御部109は、振幅スペクトルDt1として初期値格納部251aに保存されているAave(fi)を消去し、所定の振幅スペクトルDtthが振幅スペクトルDt1として初期値格納部251aに保存されるようにする(S704)。所定の振幅スペクトルDtthが振幅スペクトルDt1として初期値格納部251aに保存された場合、制御部109は、S705の処理を行う。振幅スペクトルDt1が所定の振幅スペクトルDtth以下であると判定された場合(S703でYes)、ノイズプロファイル作成処理は、図5のようなタイミングチャートになる。この場合(S703でYes)、制御部109は、S705の処理を行う。
次に、制御部109は、振幅スペクトルDt2から振幅スペクトルDt1を減算することによって、ノイズプロファイルPtを作成するようにプロファイル作成部252aを制御する(S705)。振幅スペクトルDt1が所定の振幅スペクトルDtth以下である場合、プロファイル作成部252aは、振幅スペクトルDt2からAave(fi)を減算することによって、ノイズプロファイルPtを作成する。振幅スペクトルDt1が所定の振幅スペクトルDtth以下でない場合、プロファイル作成部252aは、振幅スペクトルDt2から所定の振幅スペクトルDtthを減算することによって、ノイズプロファイルPtを作成する。プロファイル作成部252aによって作成されたノイズプロファイルPtは、プロファイル格納部253aに格納される。
一方ステップS701において安定化期間が経過していないと判定された場合(S701でNo)、プロファイル格納部253aには、ノイズプロファイルPtは格納されていないので、ノイズプロファイルPtを用いて駆動ノイズを低減することはできない。そこで、制御部109は、ステップS706〜S708のとおり、振幅スペクトル減算部254aを制御する。安定化期間が経過していない場合、図5の波形501のように環境音が途中から急激に変動する場合がある。そこでこの場合、制御部109は、入力信号の振幅スペクトルItが振幅スペクトルDt1以上であるか否かを判定する(S706)。この判定もステップS703と同じ要領で行ってよい。
振幅スペクトルItが振幅スペクトルDt1以上であると判定された場合(S706でYes)、制御部109は、安定化期間が経過するまで(タイミングt12からタイミングt2まで)、振幅スペクトルUtが振幅スペクトルDt1と同一になるように振幅スペクトル減算部254aを制御する(S707)。一方振幅スペクトルItが振幅スペクトルDt1以上でないと判定された場合(S706でNo)、制御部109は、安定化期間が経過するまで(タイミングt12からタイミングt2まで)、振幅スペクトルUtが振幅スペクトルItと同一になるように振幅スペクトル減算部254aを制御する(S708)。すなわち、入力信号が閾値以上であれば入力信号を出力し、そうでなければ閾値Dtthを出力する。
なお、図7のノイズプロファイル作成処理について、プロファイル作成部252aがノイズプロファイルを作成する場合を一例に挙げて説明を行った。しかしながら、プロファイル作成部252bがノイズプロファイルを作成する場合も、図7のノイズプロファイル作成処理と同様にノイズプロファイルを作成する。
なお、図6のような場合、振幅スペクトルItが振幅スペクトルDt1以上の状態になったり、振幅スペクトルItが振幅スペクトルDt1以上でない状態になったりを繰り返す場合がある。このような場合であっても、振幅スペクトルUtは、振幅スペクトルDt1を超えないように制御される。これにより、撮像装置100は、安定化期間が経過するまで(タイミングt12からタイミングt2まで)の期間において、駆動ノイズを低減することができる。
このように、プロファイル処理判定部256aがプロファイル作成指示を出してから安定化期間が経過するまで(タイミングt12からタイミングt2まで)の期間、制御部109は、振幅スペクトルUtが振幅スペクトルItまたは振幅スペクトルDt1になるように制御する。これにより、撮像装置100は、プロファイル処理判定部256aがプロファイル作成指示を出してから安定化期間が経過するまで(タイミングt12からタイミングt2まで)の期間における駆動ノイズを低減することができる。さらに、安定化期間が経過した後(タイミングt2からタイミングt3まで)の期間、制御部109は、ノイズプロファイルPtを使って、安定化期間が経過した後(タイミングt2からタイミングt3まで)の期間における駆動ノイズを低減することができる。これにより、撮像装置100は、駆動ノイズの低減をシームレスに行うことができる。
[ノイズプロファイル補正処理(S311)]
S311において制御部109によって実行されるノイズプロファイル補正処理について図8、図9、図10及び図11を用いて説明を行う。次に、プロファイル補正部257aがプロファイル作成部252aによって作成されたノイズプロファイルを補正する場合を一例に挙げて、以下、ノイズプロファイル補正処理について説明する。ノイズプロファイルの補正処理は、入力音声信号の振幅スペクトルの変動に応じてノイズプロファイルを動的に補正するための処理である。
図8は、ノイズプロファイルPtを拡大補正する処理を示すタイミングチャート図である。図9は、ノイズプロファイルPtを縮小補正する処理を示すタイミングチャート図である。
図8及び図9におけるt1、t12、t2、t3、It、Dt、Pt、Ut、Ntは、図5及び図6におけるt1、t12、t2、t3、It、Dt、Pt、Ut、Ntと同様であるため、説明を省略する。図11は、ノイズプロファイル補正処理に関する時定数の設定を示す図である。
図10は、制御部109によって行われるノイズプロファイル補正処理を示すフローチャートである。図10を用いて、制御部109によって行われるノイズプロファイル補正処理について説明する。なお、マイク205aがADC206aにアナログの音声信号を出力する場合を一例に挙げて、以下、ノイズプロファイル補正処理について説明する。積分回路250aは、S309のおけるノイズプロファイル作成処理が行われた後、あらかじめ設定されたフレーム数の各周波数の振幅値の積分し、積分された振幅値をあらかじめ設定されたフレーム数で除算することで、各周波数の平均振幅値を算出する。あらかじめ設定されたフレーム数は、ユーザによって設定されても良い。あらかじめ設定されたフレーム数が「1」である場合、積分回路250aが出力する振幅スペクトルの値は、FFT207aから出力される値と等しくなる。積分回路250aは、各周波数の平均振幅値を振幅スペクトルDtとして出力する。
制御部109は、積分回路250aから出力された振幅スペクトルDtが所定の振幅スペクトルDt2以下であるか否かを判定する(S1001)。振幅スペクトルDtが振幅スペクトルDt2よりも大きいと判定された場合(S1001でNo)、制御部109は、プロファイル格納部253aに格納されているノイズプロファイルPtが第1の値Pmax以下であるか否かを判定する(S1002)。なお、第1の値Pmaxは、ノイズプロファイルPtの拡大補正を制限するための閾値である。さらに、第1の値Pmaxは、駆動ノイズを低減し過ぎることによる違和感を防止するために用いられる。
図8のように、タイミングt2からタイミングt3までの期間、駆動ノイズが大きくなることに伴い、振幅スペクトルDtが振幅スペクトルDt2よりも大きくなる。このため、プロファイル作成部252aで生成されたノイズプロファイルPtを使って減算処理を振幅スペクトル減算部211aに行わせるだけでは、振幅スペクトルDtと振幅スペクトルDt2との差分に対応する駆動ノイズは低減されなかった。そこで、ノイズプロファイルPtが第1の値Pmax以下であると判定された場合(S1002でYes)、制御部109は、時定数inc(fi)に応じてノイズプロファイルPtの拡大補正をプロファイル拡大部271aに行わせる(S1003)。たとえば拡大補正によりDt(fi)−Dt2(fi)の値を、Pmax(fi)を上限としてノイズプロファイルPt(fi)に上乗せする。ただし一時に行わず、時定数inc(fi)に応じた増加率で増加させる。もちろんこれは一例に過ぎない。ノイズプロファイルPtの拡大補正が行われた後、制御部109は、S1004の処理を行う。
ノイズプロファイルPtが第1の値Pmax以下でないと判定された場合(S1002でNo)、駆動ノイズを低減し過ぎることを防止するために、制御部109は、ノイズプロファイルPtの拡大補正をプロファイル拡大部271aに行わせないようにする。ノイズプロファイルPtが第1の値Pmax以下でないと判定された場合(S1002でNo)、制御部109は、S1004の処理を行う。振幅スペクトルDtが振幅スペクトルDt2以下であると判定された場合(S1001でYes)、制御部109は、S1004の処理を行う。
制御部109は、振幅スペクトル減算部254aから出力された振幅スペクトルUtが第2の値Umin以上であるか否かを判定する(S1004)。なお、第2の値Uminは、ノイズプロファイルPtの縮小補正を制限する閾値である。第2の値Uminは、ノイズフロアレベルであり、音声入力部102に音声が入力されていない場合であっても、録音されてしまう最小のノイズの値である。ノイズプロファイルPtが第2の値Umin以上であると判定された場合(S1004でYes)、制御部109は、ノイズプロファイルPtの縮小補正をプロファイル縮小部272aに行わせないようにし、ノイズプロファイル補正処理を終了する。
図9のように、タイミングt2からタイミングt3までの期間、駆動ノイズが小さくなることに伴い、振幅スペクトルUtが第2の値Utminよりも小さくなる。このため、プロファイル作成部252aで生成されたノイズプロファイルPtを使って減算処理を振幅スペクトル減算部211aに行わせるだけでは、振幅スペクトルUtと第2の値Utminとの差分に対応する音声が消されてしまう場合があった。そこで、ノイズプロファイルPtが第2の値Umin以上でないと判定された場合(S1004でNo)、制御部109は、時定数dec(fi)に応じてノイズプロファイルPtの縮小補正をプロファイル縮小部272aに行わせる(S1005)。たとえば縮小補正によりUt(fi)−Utmin(fi)の値を、ノイズプロファイルPt(fi)から差し引く。ただし一時に行わず、時定数dec(fi)に応じた減少率で減少させる。もちろんこれは一例に過ぎない。ノイズプロファイルPtの縮小補正が行われた後、制御部109は、ノイズプロファイル補正処理を終了する。
なお、図10のノイズプロファイル補正処理について、プロファイル補正部257aがプロファイル作成部252aによって作成されたノイズプロファイルを補正する場合を一例に挙げて説明を行った。しかしながら、プロファイル補正部256bがプロファイル作成部252bによって作成されたノイズプロファイルを補正する場合も、図10のノイズプロファイル補正処理と同様にノイズプロファイルの補正を行う。また図10において、S1001およびS1004の条件から、拡大補正と縮小補正が両方同時に実施されることを防止するために、S1003の後はS1004に進まず、そのまま処理を終了させてもよい。
次に、図11を用いて、プロファイル拡大部271aによるノイズプロファイルPtの拡大補正の時定数inc(fi)及びプロファイル縮小部272aによるノイズプロファイルPtの縮小補正の時定数dec(fi)を設定する方法について説明する。
図11(A)は、駆動ノイズの各周波数の特性を示す図である。図11(B)は、ノイズプロファイルPtを拡大補正する場合の周波数に応じた時定数inc(fi)の設定を示す図である。図11(C)は、ノイズプロファイルPtを縮小補正する場合の周波数に応じた時定数dec(fi)の設定を表す図である。
図11(A)において、スペクトル1101は、撮像装置100によってズーム動作が行われている場合における振幅スペクトルを512ポイントの振幅スペクトルで示したものである。スペクトル1102は、撮像装置100によってズーム動作が行われている場合における振幅スペクトルの変化を示したものである。スペクトル1102が示すように、周波数帯が高域になるほど、撮像装置100によってズーム動作が行われている場合における駆動ノイズの変化が大きくなる。
これにより、図11(B)のように、プロファイル拡大部271aによるノイズプロファイルPtの拡大補正が行われる場合、周波数帯域が高くなるほど、時定数inc(fi)は、小さくなるように設定される。これは、駆動ノイズの変化に対して、ノイズプロファイルPtの拡大補正を早く追従させることによって、駆動ノイズが低減されず残ってしまうような事態を防止する。
また、図11(C)のように、プロファイル縮小部272aによるノイズプロファイルPtの縮小補正が行われる場合、周波数帯域が高くなるほど、時定数dec(fi)は、大きくなるように設定される。これは、駆動ノイズの変化に対して、ノイズプロファイルPtの縮小補正を遅く追従させることによって、駆動ノイズが低減されず残ってしまうような事態を防止する。
本実施形態において、ノイズプロファイルPtを縮小補正する際の時定数dec(fi)は、ノイズプロファイルPtを拡大補正する際の時定数inc(fi)よりも大きくする。
[左右それぞれのチャネルに対するノイズプロファイルの補正]
IFFT214aによって時系列の音声信号に戻された後に、ノイズ印加部215aは、IFFT214aから供給された音声信号にノイズ信号を印加する。ノイズ印加部215aは、ノイズ低減部200aによる駆動ノイズの低減し過ぎによる違和感を防止するために、ノイズ信号を印加する。ノイズ印加部215aによって印加されるノイズ信号は、ノイズフロアレベルの信号であるものとする。これにより、振幅スペクトル減算部254aによる減算処理は、駆動ノイズの低減が重視される。
図12は、外部音源1201と音声入力部102との関係の一例を示す図である。図12のように、外部音源1201と撮像装置100との距離が十分に離れている場合、外部音源1201とRチャネル音声入力部102aとの距離と、外部音源1201とLチャネル音声入力部102bとの距離とは、ほぼ同じである。このため、マイク205aによって取得される環境音と、マイク205bによって取得される環境音との差は小さい。
しがしながら、光学レンズ201とRチャネル音声入力部102aとの距離と、光学レンズ201とLチャネル音声入力部102bとの距離との差による駆動ノイズの影響は異なる。そのため、Rチャネル音声入力部102aへの駆動ノイズの影響と、Lチャネル音声入力部102bへの駆動ノイズの影響とをそれぞれ考慮する必要がある。
次の式に示されるように、Rチャネル音声入力部102aへの駆動ノイズの影響とLチャネル音声入力部102bへの駆動ノイズの影響との差は、大きくなる。次の式の「DtL」は、ノイズ低減処理が行われる前のL(Left)のチャネルの振幅値であり、「DtR」は、ノイズ低減処理が行われる前のR(Right)のチャネルの振幅値である。さらに、次の式の「βt」は、左右相関振幅スペクトルである。
βt=|DtL−DtR|/(DtL+DtR)
環境音は、音量が大きいほど、LchとRchとで差分は大きくなる。しかし、図12のような場合、外部音源1201とRチャネル音声入力部102aとの距離と、外部音源1201とLチャネル音声入力部102bとの距離とは、ほぼ同じなので、左右相関振幅スペクトルβtは小さくなる。駆動ノイズについては、光学レンズ201とRチャネル音声入力部102aとの距離と、光学レンズ201とLチャネル音声入力部102bとの距離との差により、左右相関振幅スペクトルβtは大きくなる。左右相関振幅スペクトルβtにより、駆動ノイズが環境音に対して支配的か否かを判定することができる。
次に、図13及び図14を用いて、Rchへの駆動ノイズの影響と、Lchへの駆動ノイズの影響とを考慮したノイズプロファイル補正処理について説明を行う。
図13は、Rch及びLchに対してノイズプロファイルを補正する処理を示すタイミングチャート図である。図13におけるt1、t12、t2、t3は、図5及び図6におけるt1、t12、t2、t3と同様であるため、説明を省略する。
図13において、FFT207aによって高速フーリエ変換された所定の周波数fiの振幅スペクトルを「ItR」とし、FFT207bによって高速フーリエ変換された所定の周波数fiの振幅スペクトルを「ItL」とする。振幅スペクトルItRは、点線で示され、振幅スペクトルItLは、実線で示される。さらに、図13において、積分回路250aによって積分された所定の周波数fiの振幅を示す振幅スペクトルを「DtR」とし、積分回路250bによって積分された所定の周波数fiの振幅を示す振幅スペクトルを「DtL」とする。振幅スペクトルDtRは、点線で示され、振幅スペクトルDtLは、実線で示される。図13において、プロファイル作成部252aによって作成された所定の周波数fiに対応するノイズプロファイルを「PtR」とし、プロファイル作成部252bによって作成された所定の周波数fiに対応するノイズプロファイルを「PtL」とする。ノイズプロファイルPtRは、点線で示され、ノイズプロファイルPtLは、実線で示される。タイミングt2において、プロファイル作成部252aによってノイズプロファイルPtRが作成され、プロファイル作成部252bによってノイズプロファイルPtLが作成される。
図13において、振幅スペクトル減算部254aから出力される所定の周波数fiの振幅スペクトルを「UtR」とし、振幅スペクトル減算部254bから出力される所定の周波数fiの振幅スペクトルを「UtL」とする。振幅スペクトルUtRは、点線で示され、振幅スペクトルUtLは、実線で示される。図13において、ノイズ印加部215aによってノイズ信号が印加された後の所定の周波数fiの時系列のデジタル音声信号を「NtR」とする。図13において、ノイズ印加部215bによってノイズ信号が印加された後の所定の周波数fiの時系列のデジタル音声信号を「NtL」とする。振幅スペクトルNtRは、点線で示され、振幅スペクトルNtLは、実線で示される。図13において、振幅スペクトルItLと振幅スペクトルItRとの差分の絶対値である|ItL−ItR|は、実線で示される。図13において、振幅スペクトルUtLと振幅スペクトルUtRとの差分の絶対値である|UtL−UtR|は、点線で示される。
図13に示すように、|UtL−UtR|が|ItL−ItR|を上回る場合がある。これは、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのいずれか一つが減算処理により駆動ノイズが低減され過ぎていることを示す。これは、ノイズプロファイルPtL及びノイズプロファイルPtRのいずれか一つが大き過ぎることが原因となって起こることである。
図14は、Rch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理の一例を示すフローチャートである。図14を用いて、制御部109によって行われるRch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理について説明する。なお、ノイズプロファイルPtRに対して図10のノイズプロファイル補正処理が行われ、ノイズプロファイルPtLに対して図10のノイズプロファイル補正処理が行われた後、図14のRch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理が行われる。これによってたとえば、上述したような、ノイズプロファイルPtL及びノイズプロファイルPtRのいずれか一つが大き過ぎることに起因する、ノイズ除去処理による左右チャネル差の増大に対処する。
この後、制御部109は、振幅スペクトルItL、振幅スペクトルItR、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtR検出し、以下の条件が成立しているか否かを判定する(S1401)。
条件:|ItL−ItR|≦|UtL−UtR|
条件|ItL−ItR|≦|UtL−UtR|が成立していると判定された場合(S1401でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以上であるか否かを判定する(S1402)。振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以上である場合(S1402でYes)、制御部109は、時定数inc_L(fi)に応じてノイズプロファイルPtLの拡大補正をプロファイル拡大部271bに行わせる(S1403)。時定数inc_L(fi)は、プロファイル拡大部271bに対応する時定数である。その後、制御部109は、時定数dec_R(fi)に応じてノイズプロファイルPtRの縮小補正をプロファイル縮小部272aに行わせる(S1404)。時定数dec_R(fi)は、プロファイル縮小部272aに対応する時定数である。S1404の処理が行われた後、Rch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理は終了する。時定数dec_R(fi)は、時定数inc_L(fi)よりも大きくなる。
振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtRよりも小さいと判定された場合(S1402でNo)、制御部109は、時定数inc_R(fi)に応じてノイズプロファイルPtRの拡大補正をプロファイル拡大部271aに行わせる(S1405)。時定数inc_R(fi)は、プロファイル拡大部271aに対応する時定数である。その後、制御部109は、時定数dec_L(fi)に応じてノイズプロファイルPtLの縮小補正をプロファイル縮小部272bに行わせる(S1406)。時定数dec_L(fi)は、プロファイル縮小部272bに対応する時定数である。S1406の処理が行われた後、Rch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理は終了する。時定数dec_L(fi)は、時定数inc_R(fi)よりも大きくなる。
条件|ItL−ItR|≦|UtL−UtR|が成立していない場合、|ItL−ItR|>|UtL−UtR|となる。条件|ItL−ItR|≦|UtL−UtR|が成立していないと判定された場合(S1401でNo)、制御部109は、Rch及びLchに対するノイズプロファイル補正処理は終了する。
このように、制御部109は、環境音や駆動ノイズの変化に伴い、ノイズプロファイルPtRに対して補正を行い、ノイズプロファイルPtLに対して補正を行うようにした。具体的には、ノイズ除去処理の出力の左右チャネルの差が、ノイズ除去処理の入力の左右チャネルの差に比べて増大している場合には、出力の左右チャネルの差を縮小するように、左右チャネルのノイズプロファイルをそれぞれ補正する。これにより、撮像装置100は、Rchの音声に対するノイズ低減処理と、Lchの音声に対するノイズ低減処理とが適切に行われるようにすることができる。したがって、撮像装置100は、駆動ノイズの消し残しや駆動ノイズの低減し過ぎによって環境音に違和感が生じるような事態を防止することができる。
[ノイズ低減処理(S311)]
S311において、制御部109によって制御されるノイズ低減処理について図15、図16及び図17を用いて説明を行う。
図15は、Rch及びLchに対するノイズ低減処理を示すタイミングチャート図である。図15におけるt1、t12、t2、t3は、図5及び図6におけるt1、t12、t2、t3と同様であるため、説明を省略する。図15におけるItR、ItL、DtR、DtL、PtR、PtL、UtR、UtL、NtR及びNtLは、図13におけるItR、ItL、DtR、DtL、PtR、PtL、UtR、UtL、NtR及びNtLと同様であるため、説明を省略する。
撮像装置100によってズーム動作が行われている間に環境音や駆動ノイズが急激に変化した場合、ノイズプロファイルPtR及びノイズプロファイルPtLを用いて駆動ノイズを低減したとしても、駆動ノイズの消し残りや環境音に違和感が生じる場合がある。これを防止するために、制御部109は、左右相関振幅スペクトルβtに応じて、ノイズ低減処理を行う。
図16は、ノイズ低減処理の二つの例を示すフローチャートである。図17は、係数αと環境音との関係を示す図である。図17の横軸は、環境音のレベルを示し、図17の縦軸は、係数αの値を示している。図17において、環境音のレベルに係数αが対応づけられている。図17における実線1701が、環境音のレベルに対応した係数αの値を示している。破線1702は、駆動ノイズのレベルであり、破線1703は、駆動ノイズが環境音によってかき消されるレベルである。係数αは、環境音レベルの大きくなるほど、小さくなるものとする。環境音のレベルが破線1702のレベルである場合、係数αは0.125となる。
次に、図16(a)及び図17を用いて、制御部109によって行われるノイズ低減処理について説明を行う。なお、図16(a)のノイズ低減処理について、振幅スペクトル減算部254aが減算処理を行う場合を一例に挙げて説明を行う。
タイミングt12において、制御部109は、初期値格納部251aに保存された振幅スペクトルDt1に応じて、係数αを決定する(S1601)。係数αは、ノイズプロファイルに乗算する係数である。S1601において、制御部109は、振幅スペクトルDt1に対応する図17のおける環境音のレベルを検出し、検出された環境音のレベルに対応する係数αの値を決定する。
次に、制御部109は、上述のように左右相関振幅スペクトルβtを算出する(S1602)。その後、制御部109は、左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βth以下であるか否かを判定する(S1603)。なお、第3の値βthは、環境音がないときにおいて算出された左右相関振幅スペクトルβtβtの値に応じて設定される。環境音のレベルが大きいほど、左右相関振幅スペクトルβtは0に近くなる。また、環境音に対して駆動ノイズが支配的である場合、左右相関振幅スペクトルβtは、0.2以上になる。
左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βth以下であると判定された場合(S1603でYes)、制御部109は、S1604の処理を行う。S1604において、制御部109は、ノイズプロファイルPtとS1601において決定された係数αとを乗算し、これを振幅スペクトルItから減算するように振幅スペクトル減算部254aを制御する。S1604において、振幅スペクトル減算部254によって減算処理が行われた場合、振幅スペクトル減算部254から出力される振幅スペクトルUtは、次式のようになる。
Ut=It−α・Pt
左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βthよりも大きいと判定された場合(S1603でNo)、制御部109は、S1605の処理を行う。S1605において、制御部109は、第1の値PmaxとS1601において決定された係数αとを乗算し、これを振幅スペクトルItから減算するように振幅スペクトル減算部254を制御する。S1605において、振幅スペクトル減算部254aによって減算処理が行われた場合、振幅スペクトル減算部254aから出力される振幅スペクトルUtは、次式のようになる。
Ut=It−α・Pmax
左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βth以下でないと判定された場合(S1603でNo)、制御部109は、ノイズプロファイルPtを用いないようにする。なお、図16(a)のノイズ低減処理について、振幅スペクトル減算部254aが減算処理を行う場合を一例に挙げて説明を行った。しかしながら、振幅スペクトル減算部254bが減算処理を行う場合も、図16(a)のノイズ低減処理と同様に駆動ノイズの低減を行う。
次に、図16(b)及び図17を用いて、制御部109によって行われるノイズ低減処理について説明を行う。なお、図16(b)のノイズ低減処理について、振幅スペクトル減算部254aが減算処理を行う場合を一例に挙げて説明を行う。
図16(b)におけるS1602、S1603及びS1604は、図16(b)におけるS1602、S1603及びS1604と同一の処理であるので、説明を省略する。制御部109は、前フレームの減算処理後の振幅スペクトルUt−1に応じて、係数αを決定する(S1606)。S1606において、制御部109は、振幅スペクトルUt−1に対応する図17のおける環境音のレベルを検出し、検出された環境音のレベルに対応する係数αの値を決定する。その後、制御部109は、S1602及びS1603の処理が行われる。左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βth以下であると判定された場合(S1603でYes)、制御部109は、S1604の処理を行う。左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βth以下でないと判定された場合(S1603でNo)、制御部109は、S1607の処理を行う。
S1607において、制御部109は、第2の値UminとS1606において決定された係数αとを乗算し、これを振幅スペクトルItから減算するように振幅スペクトル減算部254aを制御する。S1607において、振幅スペクトル減算部254によって減算処理が行われた場合、振幅スペクトル減算部254から出力される振幅スペクトルUtは、次式のようになる。
Ut=It−α・Umin
左右相関振幅スペクトルβtが第3の値βth以下でないと判定された場合(S1603でNo)、制御部109は、ノイズプロファイルPtを用いないようにする。なお、図16(b)のノイズ低減処理について、振幅スペクトル減算部254aが減算処理を行う場合を一例に挙げて説明を行った。しかしながら、振幅スペクトル減算部254bが減算処理を行う場合も、図16(b)のノイズ低減処理と同様に駆動ノイズの低減を行う。
ノイズ低減処理について、図16(a)及び図16(b)について説明したが、図16(a)及び図16(b)のいずれか一つのノイズ低減処理が制御部109によって行われればよいものとする。
このように、制御部109は、左右相関振幅スペクトルβtに応じて、ノイズを低減するための処理を変更するようにした。これにより、撮像装置100は、駆動ノイズが環境音に対して支配的か否かに応じて、適切に駆動ノイズを低減することができる。
[後補正処理(S313)]
S313において、制御部109によって実行される後補正処理について図15、図18及び図19を用いて説明を行う。
図18は、後補正処理を示すタイミングチャート図である。図18におけるt1、t12、t2、t3は、図5及び図6におけるt1、t12、t2、t3と同様であるため、説明を省略する。図18におけるUtR、UtLは、図13におけるUtR、UtLと同様であるため、説明を省略する。図18における振幅スペクトルQtは、後補正処理が行われた後に出力される振幅スペクトルである。図19は後処理手順の三つの例を説明する図である。
次に、図19(a)及び図18(a)を用いて、制御部109によって行われる後補正処理の一例について説明を行う。振幅スペクトル減算部254aから振幅スペクトルUtRが出力され、振幅スペクトル減算部254bから振幅スペクトルUtLが出力された場合、制御部109は、振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であるか否かを判定する(S1901)。
振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であると判定された場合(S1901でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtRをIFFT214aに出力することなく、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。(S1902)。S1902の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtRよりも大きいと判定された場合(S1901でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtLをIFFT214bに出力することなく、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するようになるように後補正部255bを制御する(S1903)。S1902の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
図19(a)の後補正処理が行われる場合、図18(a)のように、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのうちの小さい方の振幅スペクトルQtがIFFT214a及びIFFT214bに入力される。
次に、図19(b)及び図18(b)を用いて、制御部109によって行われる後補正処理の他の例について説明を行う。振幅スペクトル減算部254aから振幅スペクトルUtRが出力され、振幅スペクトル減算部254bから振幅スペクトルUtLが出力された場合、制御部109は、S1910の処理を行う。S1910において、制御部109は、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのいずれか一つが第4の値Qmin以下か否かを判定する。なお、第4の値Qminは、後補正処理による違和感を防止するために用いられる。第4の値Qminは、第2の値Uminと同一の値であっても良い。
振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのいずれか一つが第4の値Qmin以下である場合(S1910でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であるか否かを判定する(S1914)。振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であると判定された場合(S1914でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtLをIFFT214bに出力することなく、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する。(S1915)。S1915の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtRよりも大きいと判定された場合(S1914でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtRをIFFT214aに出力することなく、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する(S1916)。S1916の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのいずれも第4の値Qminよりも大きいである場合(S1910でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であるか否かを判定する(S1911)。
振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であると判定された場合(S1911でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtRをIFFT214aに出力することなく、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。S1912の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtRよりも大きいと判定された場合(S1912でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtLをIFFT214bに出力することなく、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する(S1913)。S1913の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
図19(b)の後補正処理が行われる場合、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのいずれもが第4の値Qminよりも大きい場合について説明する。この場合、図18(b)のように、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのうち小さい方の振幅スペクトルQtがIFFT214a及びIFFT214bに入力される。
次に、図19(b)の後補正処理が行われる場合、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのいずれか一つが第4の値Qmin以下である場合について説明する。この場合、図18(b)のように、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのうち大きい方の振幅スペクトルQtがIFFT214a及びIFFT214bに入力される。
次に、図19(c)及び図18(c)を用いて、制御部109によって行われる後補正処理のさらに他の例について説明を行う。振幅スペクトル減算部254aから振幅スペクトルUtRが出力され、振幅スペクトル減算部254bから振幅スペクトルUtLが出力された場合、制御部109は、S1921の処理を行う。S1921において、制御部109は、ΔtL及びΔtRを算出し、|ΔtL−ΔtR|を算出する。ΔtLは、振幅スペクトルItLと振幅スペクトルUtLとの差分であり、ΔtRは、振幅スペクトルItRと振幅スペクトルUtRとの差分である。さらに、制御部109は、以下の条件が成立しているか否かを判定する。
|ΔtL−ΔtR|≦|ΔtL−ΔtR|max
なお、|ΔtL−ΔtR|maxは、予め定められた閾値であり、ΔtLとΔtRとの差分による環境音の左右差の違和感を防止するために用いられる。
条件|ΔtL−ΔtR|≦|ΔtL−ΔtR|maxが成立していると判定された場合(S1921でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であるか否かを判定する(S1922)。振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であると判定された場合(S1922でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtRが振幅スペクトルQtになるように後補正部255aを制御する(S1923)。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtRをIFFT214aに出力することなく、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。
S1923の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtRよりも大きいと判定された場合(S1922でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtLをIFFT214bに出力することなく、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する(S1924)。S1924の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
条件|ΔtL−ΔtR|≦|ΔtL−ΔtR|maxが成立していない場合、|ΔtL−ΔtR|>|ΔtL−ΔtR|maxとなる。条件|ΔtL−ΔtR|≦|ΔtL−ΔtR|maxが成立していないと判定された場合(S1921でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であるか否かを判定する(S1925)。
振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtR以下であると判定された場合(S1925でYes)、制御部109は、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtLをIFFT214bに出力することなく、振幅スペクトルUtRを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する(S1926)。S1926の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。振幅スペクトルUtLが振幅スペクトルUtRよりも大きいと判定された場合(S1925でNo)、制御部109は、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214bに出力するように後補正部255bを制御する。その後、制御部109は、振幅スペクトルUtRをIFFT214aに出力することなく、振幅スペクトルUtLを振幅スペクトルQtとしてIFFT214aに出力するように後補正部255aを制御する(S1927)。S1927の処理が行われた後、制御部109は、後補正処理を終了する。
図19(c)の後補正処理が行われる場合、|ΔtL−ΔtR|≦|ΔtL−ΔtR|maxが成り立つ場合について説明する。この場合、図18(c)のように、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのうち小さい方の振幅スペクトルQtがIFFT214a及びIFFT214bに入力される。
次に、図19(c)の後補正処理が行われる場合、|ΔtL−ΔtR|≦|ΔtL−ΔtR|maxが成り立たない場合について説明する。この場合、図18(c)のように、振幅スペクトルUtL及び振幅スペクトルUtRのうち大きい方の振幅スペクトルQtがIFFT214a及びIFFT214bに入力される。
後補正処理について、図19(a)、図19(b)及び図19(c)について説明したが、図19(a)、図19(b)及び図19(c)のいずれか一つの後補正処理が制御部109によって行われればよいものとする。
図19(a)、図19(b)及び図19(c)のいずれか一つの後補正処理が行われた後、IFFT214aは、FFT207aから供給された位相情報を用いて、振幅スペクトルQtに対して逆高速フーリエ変換を行うことで、元の時系列形式の音声データを生成する。図19(a)、図19(b)及び図19(c)のいずれか一つの後補正処理が行われた後、IFFT214bは、FFT207bから供給された位相情報を用いて、振幅スペクトルQtに対して逆高速フーリエ変換を行うことで、元の時系列形式の音声データを生成する。
このように、制御部109は、Rchの音声とLchの音声とのレベルが一致するように補正するための処理を行うようにした。これにより、撮像装置100は、環境音の左右差による違和感が生じないようにすることができる。
本実施形態において、撮像装置100は、RchとLchとの2系統の音声が入力される構成として説明を行ったが、チャネル数が2以上の音声が入力される構成であっても良い。また、撮像装置100は、1系統の音声が入力される構成であっても良いものとする。
以上の構成及び手順により本実施形態にかかる電子装置たとえばデジタルカメラでは、光学的ズームにともなって発生するレンズの駆動音を高精度で低減することができる。特に、ズーム駆動の開始を、その駆動音の発生により検知することで高精度化できることに加えて、ズーム操作のためのズーム制御信号を監視し、ズーム制御信号が出力されていることをレンズ駆動ノイズの条件とすることで、一層、ノイズ検知の精度を向上させることができる。
(その他の実施例)
また上記実施例では、ノイズ低減処理にあたってはまずノイズプロファイルを作成している。この理由のひとつは、交換レンズではレンズの種類ごとにノイズもまた異なる可能性があるためである。しかし、デジタルカメラでは交換レンズの種類はカメラ本体で知ることができることもある。そのような構成であれば、レンズの種類ごとに予め作成したノイズプロファイルを用意しておき、ズームに起因するノイズを検出したならレンズの種類に関連付けられたノイズプロファイルを適用してノイズ低減処理を実行してもよい。この場合には、全ての交換レンズについてその種類を特定できるとは限らないので、種類を特定できない場合には本実施例のようにノイズプロファイルの作成から始めてもよい。
また、例えば図3や図7の処理について、制御部109の制御の下で音声入力部102が実行するものとして説明したが、音声入力部102が自律的に実行してもよいし、制御部109がすべてを実行するように構成してもよい。
また本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
200 ノイズ低減部、250 積分部、254 振幅スペクトル減算部、252 プロファイル作成部、253ノイズプロファイル格納部、255 後補正部、256 プロファイル処理判定部、257 プロファイル補正部、258 ノイズ除去処理確定部

Claims (15)

  1. 音声データを周波数ごとの振幅値で構成される振幅スペクトルに変換する変換手段と、
    前記変換手段により変換された振幅スペクトルに基づいて、前記音声データに駆動部の駆動音が含まれることを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記駆動音が含まれていると判定されていない前記音声データの前記振幅スペクトルを初期値として作成し、所定期間分の前記初期値を格納手段に格納する初期値作成手段と、
    前記判定手段により前記駆動音が含まれていると判定された場合に、前記駆動音を含む音声データの前記振幅スペクトルから、前記格納手段に前記初期値として格納されている前記振幅スペクトルを減算して、前記駆動音の周波数ごとの振幅値を含むノイズプロファイルを作成する作成手段と、
    前記変換手段で生成された、前記音声データの前記振幅スペクトルの各周波数の振幅値から前記ノイズプロファイルの対応する周波数の振幅値を減算する減算手段と、
    当該減算手段によって減算された振幅スペクトルを、時系列の音声データに逆変換する逆変換手段と
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 前記初期値作成手段は、前記音声データに前記駆動音が含まれると判定される前の音声データを所定期間にわたって積分した積分値の平均を前記初期値として作成して格納し、
    前記作成手段は、前記判定手段により前記駆動音が含まれていると判定されたことをきっかけとして、前記音声データの前記振幅スペクトルを一定期間にわたって積分した積分値の平均を求め、該平均と、前記格納手段に格納されている前記初期値との差分に基づいて前記ノイズプロファイルを作成することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記初期値作成手段および前記作成手段は前記振幅スペクトルを積分回路により積分し、
    前記一定期間は、前記積分回路の時定数に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
  4. 前記初期値作成手段は、前記音声データに前記駆動音が含まれると判定される前の音声データを前記所定期間にわたって積分した積分値の平均により、前記初期値を周期的に更新することを特徴とする請求項2または3に記載の電子装置。
  5. 前記判定手段により前記音声データに前記駆動音が含まれると判定されてから所定時間のうちに前記駆動部を駆動するための制御信号が入力されたことを判定する第二の判定手段を更に有し、
    前記作成手段は、前記判定手段により前記駆動音が含まれていると判定された場合に、前記駆動音に対応する、周波数ごとの振幅値を含むノイズプロファイルの作成を開始し、前記第二の判定手段により前記所定時間のうちに前記制御信号が入力されたと判定されなかった場合には前記ノイズプロファイルの作成を中止することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 前記作成手段は、前記第二の判定手段により前記所定時間のうちに前記制御信号が入力されたと判定された場合には、前記作成手段による前記ノイズプロファイルの作成を継続することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
  7. 前記電子機器は音声の記録が可能なデジタルカメラ本体であり、
    前記駆動部は前記デジタルカメラに取り付けられる交換レンズに設けられたレンズ駆動のための駆動部であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子機器。
  8. 前記音声データはステレオであり、
    前記判定手段は、ステレオの2つのチャンネルそれぞれの音声データの差分の増加率が所定の閾値を超えた場合に、前記駆動音が含まれると判定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子機器。
  9. 前記変換手段は、所定時間の長さのステレオの前記音声データを1フレームとして、チャンネルごとに周波数ごとの振幅値で構成される振幅スペクトルに変換し、
    前記判定手段は、1フレームにおける、ステレオの各チャンネル間の離散した周波数ごとの振幅の差分が、前のフレームにおける前記差分よりも大きい場合に、前記差分の増加分の総和と、前記差分が増加した前記周波数の本数とを求め、前記総和と前記本数とがそれぞれ所定の閾値を超えている場合に、当該フレームを、前記駆動音を含むと判定することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電子機器。
  10. 前記判定手段は、前記総和および前記本数を、前記振幅スペクトルの帯域全体および高周波の帯域についてそれぞれ求め、それぞれの帯域についての前記総和および前記本数がそれぞれ所定の閾値を超えている場合に、当該フレームを、前記駆動音を含むと判定することを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. マイクと、
    音声データを記録する記録手段とをさらに有し、
    前記音声データは前記マイクから入力され、前記逆変換手段による変換された音声データは前記記録手段により記録されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電子機器。
  12. 前記交換レンズには、前記駆動部を制御するための指示を入力するための操作を行う操作手段が更に設けられており、
    前記駆動部は、前記操作手段による操作に応じて前記交換レンズのズームを駆動することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
  13. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電子機器としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  14. 音声データを周波数ごとの振幅値で構成される振幅スペクトルに変換する変換工程と、
    前記変換工程により変換された振幅スペクトルに基づいて、前記音声データに駆動部の駆動音が含まれることを判定する判定工程と、
    前記判定工程により前記駆動音が含まれていると判定されていない前記音声データの前記振幅スペクトルを初期値として作成し、格納手段に格納する初期値作成工程と、
    前記判定工程により前記駆動音が含まれていると判定された場合に、前記駆動音を含む音声データの前記振幅スペクトルから、前記格納手段に前記初期として格納されている前記振幅スペクトルを減算して、前記駆動音の周波数ごとの振幅値を含むノイズプロファイルを作成する作成工程と、
    前記変換工程で生成された、前記音声データの前記振幅スペクトルの各周波数の振幅値から前記ノイズプロファイルの対応する周波数の振幅値を減算する減算工程と、
    当該減算工程によって減算された振幅スペクトルを、時系列の音声データに逆変換する逆変換工程と
    を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
  15. 音声データを周波数ごとの振幅値で構成される振幅スペクトルに変換する変換手段と、
    前記変換手段により変換された振幅スペクトルに基づいて、前記音声データに駆動部の駆動音が含まれることを判定する第一の判定手段と、
    前記第一の判定手段により前記音声データに前記駆動音が含まれると判定されてから所定時間のうちに前記駆動部を駆動するための制御信号が入力されたことを判定する第二の判定手段と、
    前記第一の判定手段により前記駆動音が含まれていると判定された場合に、前記駆動音に対応する、周波数ごとの振幅値を含むノイズプロファイルの作成を開始し、前記第二の判定手段により前記所定時間のうちに前記制御信号が入力されたと判定されなかった場合には前記ノイズプロファイルの作成を中止する作成手段と、
    前記変換手段で生成された振幅スペクトルの各周波数の振幅値から前記ノイズプロファイルの対応する周波数の振幅値を減算する減算手段と、
    当該減算手段によって減算された振幅スペクトルを、時系列の音声データに逆変換する逆変換手段と
    を有することを特徴とする電子機器。
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