JP2017203740A - 微小電流計測装置および微小電流計測方法 - Google Patents

微小電流計測装置および微小電流計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路構成および計測手順を複雑化させることなく素子のリーク電流を補正して微小電流を精度良く計測可能な微小電流計測装置および微小電流計測方法を提供する。
【解決手段】微小電流計測装置10は、入力される微小電流を電圧に変換して出力する前段増幅部13と、微小電流を遮断している前段増幅部から出力される第1出力電圧が入力され、第1出力電圧に基づいて参照電圧を決定し、出力するリーク電流計測部14と、参照電圧と第1出力電圧との電圧差を増幅して出力する後段増幅部15と、参照電圧を維持して出力する状態と、参照電圧を更新し、更新した参照電圧を後段増幅部へ出力する状態とを切り替える第2の切替部12と、後段増幅部が出力する第2出力電圧と前段増幅部に入力される微小電流との関係を示す情報と、第2出力電圧とに基づき微小電流を算出する演算部16とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小電流計測装置および微小電流計測方法に関する。
放射線検出器などから発生する電流を取り扱う際、その電流の大きさは、例えば、数ピコアンペア(pA)など、1pAの桁から1000pAの桁と微小であるため、オペアンプやトランジスタなどの電子素子を用いて増幅する必要がある。但し、入力した信号電流は、電子素子を用いて増幅する際に、素子に固有のリーク電流が入力した信号電流と合成(重畳)された状態で増幅されてしまう。
リーク電流は、数〜数十pA程度と微小であるため、取り扱う信号電流が、リーク電流に対して十分に大きい場合にはリーク電流の影響を無視することができる。しかしながら、放射線検出器などから発生する電流のようにピコアンペアまたはナノアンペア単位の微小電流を計測する回路では、リーク電流の影響を無視することができず、リーク電流が入力した信号電流と合成されることにより、信号電流の計測精度が悪化する。
従って、放射線検出器などから発生するリーク電流の影響を無視することができない程度に微小電流を計測する回路では、素子固有のリーク電流の影響を取り除いたうえで、微小電流の大きさを精度よく計測することが求められており、如何にして信号電流の計測精度の悪化を防ぐかが重要となる。信号電流の計測精度の悪化を防ぐ観点から、リーク電流を補正する技術が提案されている。
リーク電流を補正する技術としては、例えば、電子素子の一例であるオペアンプを用いて組み立てられる増幅回路を有する信号電流を検出する信号電流検出回路に対して、そのオペアンプと同等の特性を有する素子と抵抗とから成るリーク電流計測回路を並列に接続し、さらに信号電流検出回路の出力電圧とリーク電流計測回路の出力電圧との差分を得る補償回路を、信号電流検出回路およびリーク電流計測回路の後段に直列に接続した装置がある。
特開2008−145264号公報
しかしながら、オペアンプOP2がオペアンプOP1と同等の特性を有しているが、同等の特性を有するオペアンプOP1およびオペアンプOP2であっても、各オペアンプに生じるリーク電流には個体差によるばらつきがあり、完全に同一となるわけではないため、個々の電子素子に固有なリーク電流のばらつきの影響を完全には抑えることはできていない。
また、電子素子を用いて組み上げられた増幅回路を有する信号電流検出回路に対して、高精度の補正抵抗を取り付けることによって、リーク電流を補正する技術も提案されている(以下、単に「提案技術」とする。)。提案技術では、個々の電子素子に固有なリーク電流のばらつきに関係なくリーク電流を補正することができるものの、増倍率を変化させた際には、取り付ける補正抵抗の抵抗値も増倍率の変化に応じて変化させる必要が生じる。従って、提案技術を採用して増倍率を変化させて使用することが想定される、放射線計測のような広い計測範囲を必要とする計測装置を構成した場合、回路構成が複雑化するとともに計測手順も複雑化し利便性が損なわれる。
上述したように、従来の技術では、回路構成および計測手順を複雑化させることなく個々の電子素子に固有なリーク電流のばらつきの影響を抑制することは困難であり、放射線計測のような広い計測範囲を必要とする被計測対象に対しても、回路構成および計測手順が複雑でなく、精度良く微小電流を計測可能な技術が求められている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、回路構成および計測手順を複雑化させることなく素子のリーク電流を補正して微小電流を精度良く計測可能な微小電流計測装置および微小電流計測方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る微小電流計測装置は、上述した課題を解決するため、入力される微小電流を電圧に変換して出力する第1の増幅部と、入力端を開放して前記微小電流を遮断した状態にある前記第1の増幅部から出力される第1の出力電圧が入力され、前記第1の出力電圧に基づいてリファレンス電圧を決定し、出力するリーク電流計測部と、前記リーク電流計測部から入力される前記リファレンス電圧と、前記微小電流が入力される状態にある前記第1の増幅部から出力される前記第1の出力電圧との電圧差を増幅して出力する第2の増幅部と、前記リーク電流計測部が予め決定した前記リファレンス電圧を維持して出力する第1の状態と、前記第1の出力電圧を前記リーク電流計測部に入力し、入力される前記第1の出力電圧に基づいて前記リファレンス電圧を新たに決定し、新たに決定したリファレンス電圧を前記第2の増幅部へ出力する第2の状態とを切り替え可能に構成される第2の切替部と、前記第2の増幅部が出力する第2の出力電圧と前記第1の増幅部に入力される前記微小電流との関係を示す情報と、前記第2の出力電圧とに基づいて前記微小電流を算出する演算部と、を具備することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る微小電流計測方法は、上述した課題を解決するため、入力される微小電流を電圧に変換して出力する第1の増幅部と、入力端を開放して前記微小電流を遮断した状態にある前記第1の増幅部から出力される第1の出力電圧が入力され、前記第1の出力電圧に基づいてリファレンス電圧を決定し、出力するリーク電流計測部と、前記リーク電流計測部から入力される前記リファレンス電圧と、前記微小電流が入力される状態にある前記第1の増幅部から出力される前記第1の出力電圧との電圧差を増幅して出力する第2の増幅部と、前記リーク電流計測部が予め決定した前記リファレンス電圧を維持して出力する第1の状態と、前記第1の出力電圧を前記リーク電流計測部に入力し、入力される前記第1の出力電圧に基づいて前記リファレンス電圧を新たに決定し、新たに決定したリファレンス電圧を前記第2の増幅部へ出力する第2の状態とを切り替え可能に構成される第2の切替部と、前記第2の増幅部が出力する第2の出力電圧と前記第1の増幅部に入力される前記微小電流との関係を示す情報と、前記第2の出力電圧とに基づいて前記微小電流を算出する演算部と、を具備する装置を用いた前記微小電流の計測方法であって、前記微小電流を遮断した状態にある前記第1の増幅部から出力される第1の出力電圧に基づき、前記リーク電流計測部が前記第2の増幅部へ出力する前記リファレンス電圧を決定し、設定する工程と、前記リーク電流計測部から入力される、前記リファレンス電圧を設定する工程で設定された前記リファレンス電圧と、前記第1の増幅部に前記微小電流が入力される状態とし、前記微小電流が入力される状態にある前記第1の増幅部から出力される前記第1の出力電圧との電圧差を増幅した前記第2の出力電圧を得て、得られる前記第2の出力電圧と前記情報に基づいて前記微小電流を算出する工程とを具備する。
本実施形態によれば、回路構成および計測手順を複雑化させることなく素子のリーク電流を補正して微小電流を精度良く計測することができる。
実施形態に係る微小電流計測装置の機能ブロック図。 実施形態に係る微小電流計測装置の第1の回路構成例を示した概略図(リーク電流計測時)。 実施形態に係る微小電流計測装置の第1の回路構成例を示した概略図(通常計測時)。 実施形態に係る微小電流計測装置の第2の回路構成例を示した概略図(通常計測時)。 実施形態に係る微小電流計測装置の第3の回路構成例を示した概略図(通常計測時)。 実施形態に係る微小電流計測方法(微小電流計測手順)における工程の流れ(メインフロー)を説明する流れ図。 微小電流計測手順におけるリファレンス電圧設定工程のより詳細な流れ(サブフロー)を説明する流れ図。 微小電流計測手順における通常計測工程のより詳細な流れ(サブフロー)を説明する流れ図。
以下、本発明の実施形態に係る微小電流計測装置および微小電流計測方法について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態において使用される微小電流とは、増幅回路を構成する、オペアンプやトランジスタなどの素子に固有のリーク電流(例えば、数〜数十pA程度の大きさ)の影響を無視することができない程度に小さい、例えば、ピコアンペアまたはナノアンペア単位の電流である。
また、本実施形態において使用される前および後は、信号電流の流れ方向に対する前および後を意味する。例えば、図1〜3および図7では、信号電流Iinの流れ方向は左から右であり、装置入力端子Pinがある左側が前側、装置出力端子Poutがある右側が後側となる。
図1は、本発明の実施形態に係る微小電流計測装置の一例である微小電流計測装置10の構成を機能的に示した構成図(機能ブロック図)である。
微小電流計測装置10は、例えば、第1の切替部11と、第2の切替部12と、前段増幅部13と、リーク電流計測部14と、後段増幅部15と、演算部16と、切替制御部17と、帰還インピーダンス制御部18と、計測モード判定部19と、第1の比較部21と、第2の比較部22とを具備して構成される。
微小電流計測装置10は、計測モードとして、装置入力端子Pinから入力される電流を計測(以下、「通常計測」とする。)する通常計測モードと、前段増幅部13のリーク電流を計測し、通常計測時に後段増幅部15へ入力するリファレンス電圧(参照電圧)Vrefを設定するリーク電流計測モードとを有し、何れのモードが選択されるかに応じて、第1の切替部11および第2の切替部12が、微小電流計測装置10内の電路を切り替える。計測モードの選択は、計測モード選択部(図示せず)に選択する計測モードを入力して指定することで行われる。
計測モードの切り替えは、例えば、1時間に1回10秒間などのように、あらかじめ設定した時間間隔毎に所定時間行われる。リーク電流の計測結果に基づいて設定されるリファレンス電圧Vrefは、計測モードを切り替えるたびに更新される。
装置入力端子Pinから入力される電流は、微小電流を発生させる電流発生部1などの電流発生源からの微小な信号電流Iinである。電流発生部1は、例えば電離箱などの放射線検出器などが考えられる。ここで、電離箱とは、放射線が電離箱内部に入射した際に、ガス電離を利用することで1pA程度の電流信号を出力する装置である。
第1の切替部11は、装置入力端子Pinよりも後段で前段増幅部13の入力側に配設され、前段増幅部13の入力側の電路の開閉状態を、開状態(開放)と閉状態(短絡)とに切り替え可能に構成される。すなわち、第1の切替部11は、前段増幅部13の入力側の電路を開閉する開閉部として機能する。
第2の切替部12は、前段増幅部13の出力側であって後段増幅部15の入力側に配設され、前段増幅部13の出力側と後段増幅部15の入力側とを直接連絡する第1の電路および前段増幅部13の出力側と後段増幅部15の入力側とをリーク電流計測部14を経由して連絡する第2の電路のうち、少なくとも第2の電路の開閉状態を切り替え可能に構成される。
なお、第2の切替部12が第2の電路を開閉する位置は、第2の電路が開状態となる場合(通常計測モードの場合)においても、リーク電流計測部14の出力であるリファレンス電圧Vrefが後段増幅部15に入力される必要があるため、リーク電流計測部14の入力以前となる。
従って、第2の切替部12は、より具体的には、第2の電路をリーク電流計測部14の入力以前で開放してリーク電流計測部14の出力以降と切り離した開状態(以下、「リーク電流計測部入力側開放状態」とする。)とするか、第2の電路をリーク電流計測部14の入力側と出力側とで接続されている閉状態(以下、「リーク電流計測部入力側短絡状態」とする。)とするかを切り替え可能に構成される。
ここで、リーク電流計測部入力側開放状態とは、リーク電流計測部14の出力であるリファレンス電圧Vrefが電流計測部14に入力される電圧の影響を受けない状態、すなわち、電流計測部14に入力される電圧の変動に関わらず事前に設定したリファレンス電圧Vrefの出力が維持されている状態をいう。
また、リーク電流計測部入力側短絡状態とは、リーク電流計測部14の出力であるリファレンス電圧Vrefが電流計測部14に入力される電圧値の影響を受ける状態、すなわち、電流計測部14に入力される電圧に応じて事前に設定したリファレンス電圧Vrefが更新される状態をいう。
なお、リーク電流計測部入力側開放状態は、リーク電流計測部14の入力以前の位置で前段増幅部13の出力側と切り離されていれば、どのような態様でもよい。同様にリーク電流計測部入力側短絡状態についても、第2の電路全体が接続されていれば、どのような態様でもよい。
例えば、前段増幅部13の出力側とリーク電流計測部14の入力側とを連絡する電路にスイッチを設けてこのスイッチを開閉することで、リーク電流計測部入力側開放状態とリーク電流計測部入力側短絡状態とを切り替えるようにして実現してもよい。
また、リーク電流計測部14の内部で入力側と出力側とが接離自在な構成であれば、リーク電流計測部14の内部で入力側と出力側とを切り離したり接続したりすることによってリーク電流計測部入力側開放状態とリーク電流計測部入力側短絡状態とを切り替えるようにして実現してもよい。
前段増幅部13は、例えば、オペアンプやトランジスタなどの素子によって構成され、入力を増幅する機能と、入力される電流(被計測対象)を電圧に変換して出力する機能とを有する。前段増幅部13は、入力される電流(被計測対象)を電圧に変換して後段へ出力する。
リーク電流計測部14は、リーク電流計測モード選択時に、前段増幅部13において発生するリーク電流に起因して発生する電圧(以下、「リーク電流起因電圧」とする。)Vleakを計測し、計測結果をリファレンス電圧Vrefとして設定する。また、リーク電流計測部14は、通常計測モード選択時に、設定しているリファレンス電圧Vrefを後段増幅部15へ出力する。
後段増幅部15は、例えば、二つの入力端子を有する差動増幅回路で構成され、二つの入力端子からそれぞれ入力される二つの電圧の差に比例する電圧を出力する。
演算部16は、例えば、後段増幅部15からの出力電圧に相当する値であって、信号電流Iinを得る演算実行時に使用する演算用出力電圧値Voutを後段増幅部15から出力される電圧の出力信号に基づいて算出する出力電圧算出部161と、出力電圧算出部161が算出した演算用出力電圧値Voutと装置入力端子Pinから入力される信号電流Iinとの関係を規定した換算情報に基づいて演算用出力電圧値Voutから信号電流Iinを得る電流換算部162とを備える。
換算情報は、例えば、微小電流計測装置10、すなわち装置入力端子Pin以降であって装置出力端子Pout以前の回路に対して回路方程式を立てることで作成することができる。なお、微小電流計測装置10の回路構成例および回路方程式の具体的内容については、別途後述する。
切替制御部17は、例えば、計測モードの選択を受け付け、受け付けた計測モードに応じて、第1の切替部11および第2の切替部12が行う開閉状態の切り替えを制御する機能を有しており、選択を受け付けた計測モードに応じて第1の切替部11および第2の切替部12が行う開閉状態の切り替えを制御する。
また、切替制御部17は、通常計測モードが選択されている最中に、例えば、温度センサ2から計測した温度を示す温度信号の絶対値の変動範囲が設定した閾(しきい)値を超えるなど、設定した条件が成立した場合、選択される計測モードを通常計測モードからリーク電流計測モードに自動的に変更する機能を有し、設定した条件が成立した場合には新たなリファレンス電圧Vrefが設定されるように構成されている。設定した条件が成立しているか否かは、第1の比較部21から入力される判定結果を示す二値信号(H,L)に基づいて判定される。
帰還インピーダンス制御部18は、前段増幅部13に設けられる帰還インピーダンス(図1において図示省略)の値を制御する機能を有する。帰還インピーダンス制御部18は、第2の比較部22から入力される判定結果を示す二値信号(H,L)に応じて、帰還インピーダンスの値を変化させる。
計測モード判定部19は、選択される計測モードが、通常計測モードであるか否(リーク電流計測モード)であるかを判定する機能を有し、判定結果を示す二値信号(H,L)を切替制御部17へ出力する。
計測モード判定部19は、計測モード選択部(図示せず)から選択される計測モードを示す二値信号を受信し、受信した二値信号の信号レベルがH(High)かL(Low)かに基づいて選択される計測モードを判定するように構成されてもよいし、計測モード選択部と一体的に構成されており、選択される計測モードを示す二値信号が判定結果を示す二値信号として切替制御部17へ直接出力されてもよい。
第1の比較部21は、電流を計測する計測場所の温度を計測する温度センサ2の温度変動が設定した閾値を超えて変動しているか否かを判定し、判定結果を示す二値信号を切替制御部17へ出力する。
第1の比較部21の比較処理は、リーク電流を変動させる大きな要因の一つに温度がある点を考慮したもので、計測場所の温度変動に対して、信号電流Iinの計測精度を維持するために行う処理である。例えば、第1の比較部21は、温度センサ2の温度変動(温度の変化量)が閾値を超えていると判断した場合にはHを、閾値を超えていないと判断した場合にはLを出力する。
第2の比較部22は、演算部16からの出力が設定した閾値を超えているか否(閾値以下)かを判定し、判定結果を示す二値信号を帰還インピーダンス制御部18へ出力する。
なお、上述した微小電流計測装置10は一例であり、上述した微小電流計測装置10の構成要素のうち、任意の構成要素である、第1の切替部11、切替制御部17、帰還インピーダンス制御部18、計測モード判定部19、第1の比較部21および第2の比較部22の一部または全部を省略して微小電流計測装置10を構成することもできる。
つまり、微小電流計測装置10が、第2の切替部12と、前段増幅部13と、リーク電流計測部14と、後段増幅部15と、演算部16とを具備して構成されていれば、回路構成および計測手順を複雑化させることなく素子のリーク電流を補正して(リーク電流の計測精度に対する影響を取り除いて)微小電流を精度良く計測することができる。
例えば、第1の切替部11については、装置入力端子Pinの手前(装置外部)に電流発生部1と微小電流計測装置10とを接続する電路の開閉が可能なスイッチを設けるなど、電流発生部1からの信号電流Iinが前段増幅部13へ流入される状態とされない状態とを切替可能であれば省略することができる。
切替制御部17および計測モード判定部19については、計測モードの選択に追従した自動的な切り替えが必須でない場合には省略することができる。
切替制御部17は、第1の切替部11および第2の切替部12の両方を制御可能に構成されているが、第1の切替部11が省略されている場合には第2の切替部12のみを制御する機能を有していればよい。また、図1に例示される切替制御部17は、第1の切替部11による切り替えを制御する構成と第2の切替部12による切り替えを制御する構成とが一体的に構成されているが、それぞれが独立に構成されていてもよい。
帰還インピーダンス制御部18および第2の比較部22については、出力電圧の高低に応じた帰還インピーダンス(図2,3)のインピーダンス値の自動的な変更が必須でない場合には省略することができる。
第1の比較部21については、計測場所の温度変動に追従した自動的な計測モードの切り替えが必須でない場合には省略することができる。
続いて、微小電流計測装置10(図1)の、具体的な回路構成例、動作および作用について、第1、第2および第3の実施例を示して説明する。
[第1の実施例]
図2および図3は、微小電流計測装置10(図1)の一例である第1の微小電流計測装置10Aの回路構成例(第1の回路構成例)を示した概略図であり、それぞれ、リーク電流計測時(図2)および通常計測時(図3)における回路状態を示している。
なお、図2および図3では、図の煩雑化を防ぐ観点から、図1に示される温度センサ2、計測モード判定部19および第1の比較部21を省略した第1の微小電流計測装置10Aについて説明する。
第1の微小電流計測装置10Aでは、例えば、第1の切替部11が電路を開閉可能なスイッチSW1で構成される。第2の切替部12は、例えば、前段増幅部13の出力先を、後段増幅部15(接点P1側)か第1のリーク電流計測部14A(接点P2側)かに切り替え可能なスイッチSW2で構成される。
前段増幅部13は、オペアンプOP1とオペアンプOP1の反転入力端子(−)側とオペアンプOP1の出力端子との間に設けられる帰還インピーダンス31とを備えて構成される。
帰還インピーダンス31は、例えば、オペアンプOP1の反転入力端子(−)側とオペアンプOP1の出力端子との間に設けられる抵抗素子R1と、抵抗素子R1と並列に設けられる抵抗素子R4と、オペアンプOP1の反転入力端子(−)側と抵抗素子R4を経由してオペアンプOP1の出力端子とを接続する電路を開閉するスイッチSW3とを備えた回路で構成される。ここで、抵抗素子R1は、抵抗値RがR=r1(例えば、数十GΩ)となる抵抗素子であり、抵抗素子R4は抵抗値RがR=r4となる抵抗素子である。
例示される帰還インピーダンス31は、スイッチSW3を開閉(入/切)することで、帰還インピーダンス31のインピーダンス値(図示の例は抵抗値)を変化させることができる。
リーク電流計測部14の一例である第1のリーク電流計測部14Aは、例えば、サンプルホールド回路41で構成されており、前段増幅部13からリーク電流起因電圧Vleakが入力される状態(サンプルモード)では、前段増幅部13の出力電圧に応じたリファレンス電圧Vrefが決定されて出力され、前段増幅部13からリーク電流起因電圧Vleakが入力されない状態(ホールドモード)では、直前のサンプルモードで出力していた電圧、すなわち、前段増幅部13の出力電圧に応じて出力されるリファレンス電圧Vrefを保って(ホールド)出力する。
後段増幅部15は、例えば、オペアンプOP2と、オペアンプOP2に接続される2個の抵抗素子R2と2個の抵抗素子R3とで構成される差動増幅器である。なお、抵抗素子R2は、抵抗値RがR=r2(例えば、数kΩ)となる抵抗素子であり、抵抗素子R3は抵抗値RがR=r3(例えば、数百kΩ)となる抵抗素子である。
後段増幅部15において、オペアンプOP2は、非反転入力端子(+)が1個の抵抗素子R3を介して接地されている。
2個の抵抗素子R2は、後段増幅部15の入力端子よりも後であって、オペアンプOP2の非反転入力端子(+)および反転入力端子(−)よりも前に、それぞれ設けられる。
また、非反転入力端子(+)を接地する抵抗素子R3以外の抵抗素子R3は、オペアンプOP2の反転入力端子(−)よりも前であってこの反転入力端子(−)側に接続される抵抗素子R2よりも後とオペアンプOP2の出力端子との間に設けられる。
演算部16は、例えば、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換器(以下、「ADC」と省略し、図2,3,4および5においても「ADC」と示す。)51と、コンピュータの一例であって少なくともプロセッサ(図示せず)および記憶回路(図示せず)を有するマイコン(以下、「COM」と省略し、図2,3,4および5においても「COM」と示す。)52とを備えて構成される。
図2に例示される演算部16では、ADC51からの出力(デジタル信号:電圧値)をサンプリングし、サンプリングした電圧値に基づいて演算用出力電圧値Voutを決定するプログラム(以下、「出力電圧算出PG」とする。)と、ハードウェアであるCOM52とが協働することによって、後段増幅部15からの出力電圧に基づいて信号電流Iinを求める際に使用する演算用出力電圧値Voutを決定する具体的手段である出力電圧算出部161(図1)が実現されている。
また、出力電圧算出部161と同様に、演算用出力電圧値Voutと装置入力端子Pinから入力される信号電流Iinとの関係を規定した換算情報を参照し、決定した演算用出力電圧値Voutから信号電流Iinを得る処理を実行するプログラム(以下、「換算PG」とする。)と、COM52とが協働することによって、出力電圧算出部161が算出した演算用出力電圧値Voutと換算情報とから信号電流Iinを得る具体的手段である電流換算部162(図1)が実現されている。
帰還インピーダンス制御部18は、図2に例示される帰還インピーダンス31に対しては、第2の比較部22から入力される判定結果を示す二値信号(H,L)に応じて、スイッチSW3を開閉する指令を与える。スイッチSW3の開閉状態が切り替えられることによって帰還インピーダンス31のインピーダンス値も切り替えられる。
第2の比較部22は、例えば、設定される閾値(基準電圧)との大小を比べてその判定結果を示す二値信号を出力可能な比較回路によって構成される。この比較回路は設定される閾値(基準電圧)と演算部16のADC51から入力される演算用出力電圧値Voutとを比べて演算用出力電圧値Voutが設定される閾値を超えているか否(閾値以下)に応じた二値信号を帰還インピーダンス制御部18へ出力する。例えば、演算用出力電圧値Voutが設定される閾値を超えている場合にはH信号が、演算用出力電圧値Voutが設定される閾値以下の場合にはL信号が出力される。
上記比較回路の閾値は、例えば、ADC51の計測可能な電圧範囲内で設定される。一般的なA/D変換器は計測可能な電圧範囲が4V程度までである。ADC51が一般的なA/D変換器である場合に4Vを閾値として設定しておけば、第2の比較部22が、H信号を出力している場合、ADC51が計測可能な電圧範囲を超えて動作していると判定でき、L信号を出力している場合、ADC51が計測可能な電圧範囲内で動作していると判定できる。
ADC51が計測可能な電圧範囲を超えている場合には、ADC51に入力される電圧、すなわち後段増幅部15からの出力電圧Va_outが4V以下となるように、帰還インピーダンス31のインピーダンス値を下げて前段増幅器13の増幅率を下げてやればよい。従って、帰還インピーダンス制御部18にH信号が入力された場合、帰還インピーダンス制御部18は帰還インピーダンス31のスイッチSW3を閉じることによって低いインピーダンス値を選択し、L信号が入力された場合、帰還インピーダンス制御部18は帰還インピーダンス31のスイッチSW3を開いて高いインピーダンス値を選択することができる。
なお、図2および図3において例示される第1の微小電流計測装置10Aは、一例であり、図示の構成に限定されない。
例えば、図2および図3に示される第1の微小電流計測装置10Aにおける帰還インピーダンス31は、インピーダンス値を二通り以上に変更可能な一例であり、上記構成例以外にも種々の構成を採用できる。
例えば、図2および図3に示される帰還インピーダンス31において、抵抗素子R1を、抵抗値を所定範囲内で変更自在な可変抵抗素子とした構成でもよい。この場合、抵抗素子R4およびスイッチSW3を省略しても、抵抗素子R1単独で帰還インピーダンス31のインピーダンス値が変更可能な構成を実現することができる。
また、帰還インピーダンス31を構成する素子は、全て抵抗素子である必要はなく、抵抗素子および容量性素子から選択される何れか一方の素子を適宜組み合わせて用いることができる。
例えば、抵抗素子R1および抵抗素子R4の少なくとも一方の抵抗素子を容量性素子(例えば数pF)に置き換えてもよい。また、抵抗素子R1と直列または並列に容量性素子をさらに接続してもよいし、抵抗素子R4についても抵抗素子R1と同様に抵抗素子R4と直列または並列に容量性素子を接続してもよい。
なお、容量性素子についても、定容量の素子に限らず、例えば、可変コンデンサなどの静電容量を可変な素子を用いてもよい。
さらに、オペアンプOP1の反転入力端子(−)側とオペアンプOP1の出力端子とを接続する抵抗素子または容量性素子の個数、すなわち抵抗素子R1との並列数を2個以上とし、帰還インピーダンス31のインピーダンス値を2通り以上に変更可能に構成してもよい。
また、後段増幅部15は、差動増幅機能を有するものであれば回路構成は任意であり、例えば、抵抗素子R2に容量性素子を並列にとりつけた構成、抵抗素子R2およびR3の少なくとも一方を容量性素子に置換した構成、接続する抵抗素子の個数を変更した構成、または抵抗素子R2およびR3の接続位置を変更した構成などでもよい。
さらに、上述した第1の微小電流計測装置10Aは、演算部16と別の構成であって、例えば比較回路で構成される第2の比較部22を具備する例を説明しているが、第2の比較部22は、演算部16と一体的に構成されていてもよい。例えば、COM52にADC51の出力と設定する閾値とを比べて結果を示す二値信号を出力する比較プログラムをインストールして、COM52を第2の比較部22として機能させることによって、第2の比較部22を演算部16と一体的に構成することができる。
続いて、リーク電流計測時(図2)および通常電流計測時(図3)における第1の微小電流計測装置10Aの動作および作用について説明する。
<リーク電流計測時>
上述のように構成される第1の微小電流計測装置10A(図2)では、リーク電流計測時には、リーク電流計測モードが選択される。リーク電流計測モードでは、後段増幅部15に入力するリファレンス電圧Vrefが設定される。リファレンス電圧Vrefは、通常計測時に計測精度に影響を及ぼし得るリーク電流を補正するための補正値としての役割を担う。
リーク電流計測モードが選択されている場合、切替制御部17は、第1の切替部11に対して前段増幅部13の入力側の電路を開いた開状態にする旨の制御信号を出力し、第2の切替部12に対してリーク電流計測部入力側短絡状態とする旨の制御信号を出力する。
切替制御部17からの制御信号を受けた第1の切替部11および第2の切替部12は、それぞれ、電路の開閉状態を切り替える。
第1の切替部11は、前段増幅部13の入力側の電路を開いた開状態にして、計測される微小電流(被計測対象)を発生させる電流発生部1などの微小電流発生源から発生した微小な信号電流(被計測対象)Iinが前段増幅部13へ入力されない状態、すなわち信号電流Iinを前段増幅部13の入力端よりも手前で遮断して、前段増幅部13に入力される信号電流Iinをゼロ(Iin=0)の状態とする。
第2の切替部12は、前段増幅部13の出力先を、第1のリーク電流計測部14A(接点P2側)に切り替えて、前段増幅部13から出力されるリーク電流起因電圧Vleakが、第1のリーク電流計測部14Aに入力される状態(リーク電流計測部入力側短絡状態)とする一方、後段増幅部15(接点P1側)とは切り離した状態にする。
すなわち、第2の切替部12は、第2の電路の開閉状態をリーク電流計測部入力側短絡状態とし、前段増幅部13から発生したリーク電流起因電圧Vleakが第1のリーク電流計測部14Aに入力されて計測された計測結果を反映したリファレンス電圧Vrefを設定可能な状態にする。
第1の切替部11および第2の切替部12によって、上記のように切り替えた電路の開閉状態では、前段増幅部13を構成する素子に固有のリーク電流が発生し、発生したリーク電流に起因して発生するリーク電流起因電圧Vleakが前段増幅部13から出力され、第1のリーク電流計測部14Aへ入力される。
リーク電流起因電圧Vleakは、リーク電流Ibと帰還インピーダンス値(抵抗素子R1の抵抗値R=r1)とを用いて下記式(1)で計算することができる。
[数1]
Vleak=r1×Ib …(1)
第1のリーク電流計測部14Aでは、サンプルホールド回路41がサンプルモードとなり、前段増幅部13から出力されるリーク電流起因電圧Vleakに応じたリファレンス電圧Vrefが出力される。従って、リファレンス電圧Vrefとリーク電流起因電圧Vleakとの関係は、下記式(2)で表すことができる。
[数2]
Vref=Vleak …(2)
なお、リーク電流起因電圧Vleakおよびリファレンス電圧Vrefは、アナログ信号であり、サンプルモードの間はリーク電流起因電圧Vleakの変動に応じてリファレンス電圧Vrefも変動する。
<通常計測時>
通常計測時には、通常計測モードが選択される。通常計測モードが選択されている場合、切替制御部17は、第1の切替部11に対して前段増幅部13の入力側の電路を閉じた閉状態(短絡)にする旨の制御信号を出力し、第2の電路の開閉状態を、リーク電流計測部14の入力側と出力側とが切り離されたリーク電流計測部入力側開放状態とする旨の制御信号を出力する。
切替制御部17からの制御信号を受けた第1の切替部11および第2の切替部12は、それぞれ、電路の開閉状態を切り替える。
第1の切替部11は、前段増幅部13の入力側の電路を閉じた閉状態(短絡)にして、信号電流Iinが前段増幅部13に入力される状態とする。
第2の切替部12は、前段増幅部13の出力先を、後段増幅部15(接点P1側)に切り替えて、前段増幅部13から出力される電圧信号Vnorが後段増幅部15に入力される状態とする一方、リーク電流計測部14(接点P2側)とは切り離した状態にする。すなわち、第2の切替部12は、第2の電路の開閉状態をリーク電流計測部入力側開放状態に切り替える。
第1の切替部11および第2の切替部12によって、上記のように切り替えた電路の開閉状態では、信号電流Iinが前段増幅部13に入力される。前段増幅部13は、入力された信号電流Iinを電圧に変換し、信号電流Iinが変換された電圧(以下、「信号電流起因電圧」)とする。)を後段増幅部15へ出力する。
なお、前段増幅部13は、計測モードに関わらずリーク電流を発生するため、通常計測時にもリーク電流起因電圧を出力することになる。従って、スイッチSW1が閉じている通常計測モード選択時における前段増幅部13からの出力電圧Vnorには、信号電流起因電圧の他にリーク電流起因電圧が重畳している。
出力電圧Vnorは、リーク電流Ibと信号電流Iinと帰還インピーダンス値(抵抗素子R1の抵抗値R=r1)とを用いて下記式(3)で計算することができる。
[数3]
Vnor=r1×(Iin+Ib) …(3)
一方、第1のリーク電流計測部14Aでは、サンプルホールド回路41がホールドモードとなっているため、切り替え直前のリーク電流起因電圧Vleakの値(サンプルモードにおける直近のリーク電流起因電圧Vleakの値)がリファレンス電圧Vrefとして保持され、後段増幅部15へ出力される。
後段増幅部15では、反転入力端子(−)に前段増幅部13からの出力電圧Vnorが入力され、非反転入力端子(+)に第1のリーク電流計測部14Aからの出力電圧であるリファレンス電圧Vrefが入力される。図2および図3に例示される後段増幅部15は、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)との間の電圧差が、抵抗素子R2と抵抗素子R3の抵抗比(=r3/r2)によって増幅される。
後段増幅部15の出力電圧Va_outは、反転入力端子(−)に入力される電圧Vnorと、非反転入力端子(+)に入力されるリファレンス電圧Vrefと、抵抗素子R2の抵抗値R=r2および抵抗素子R3の抵抗値R=r3とを用いて下記式(4)で計算することができる。
[数4]
Va_out=(Vnor−Vref)r3/r2 …(4)
演算部16では、出力電圧算出部161(図1)および電流換算部162(図1)としてのCOM52に入力するに先立ち、ADC51が後段増幅部15から出力される出力電圧Va_out(アナログ信号)をデジタル信号へ変換し、変換されたデジタル信号(電圧値)がCOM52に入力される。
出力電圧算出部161(図1)および電流換算部162(図1)として機能するCOM52では、まず、ADC51から所定タイミングで入力される電圧値をサンプリング(保存)し、サンプリングした幾つかの電圧値に基づいて演算用出力電圧値Voutが決定される。演算用出力電圧値Voutは、サンプリングした一つの電圧値ででもよいし、サンプリングした幾つかの電圧値を統計的に処理して一つの値を決定してもよい。
統計的に処理して演算用出力電圧値Voutを決定する手法としては、例えば、サンプリングした幾つかの電圧値に対して代表値を求め、求まる代表値を演算用出力電圧値Voutとして決定する手法や、頻度分布を求め、求める頻度分布を設定した関数(例えば、ガウス分布)にフィッティングし、その特徴量(例えば、ガウス分布の平均値)に対応する電圧値を演算用出力電圧値Voutとして決定する手法がある。代表値としては、例えば、平均値、最大値、最小値、中央値、最頻値などがあり、これらの何れを採用するかは任意に設定することができる。
出力電圧算出部161(図1)としてのCOM52が演算用出力電圧値Voutを決定すると、続いて、電流換算部162(図1)としてのCOM52が保持する換算情報と演算用出力電圧値Voutとを用いて、演算用出力電圧値Voutを信号電流Iinに換算する演算を行う。換算情報は回路方程式を立てることで作成することができる。
図3に例示される第1の微小電流計測装置10Aの場合、後段増幅部15の出力電圧Va_outを代表する演算用出力電圧値Voutと装置入力端子Pinから入力される信号電流Iinとの関係は、上記式(4)に上記式(1)〜(3)を代入し、後段増幅部15の出力電圧Va_outを演算用出力電圧値Voutに置換することで求めることができ、具体的には、下記式(5)で表すことができる。
[数5]
Vout=Iin×(r1×r3))/r2 …(5)
上記式(5)をさらに信号電流Iinで解くと、下記式(6)となる。式(5)および式(6)に示されるように、数式内にリーク電流Ibが含まれる項は残っておらず、第1の微小電流計測装置10Aでは、リーク電流Ibの影響を取り除いた、信号電流Iinに比例する演算用出力電圧値Voutを得ることができる。
[数6]
Iin=Vout×r2/(r1×r3) …(6)
演算用出力電圧値Voutから換算された信号電流Iinは、COM52が有する表示部に表示される。また、装置出力端子Poutを介して接続される外部装置がある場合、信号電流Iinは、COM52から装置出力端子Poutを介して外部装置へ出力される。
ここで、想定される電流値および抵抗値を考慮した具体例を挙げて、リーク電流を補正(リーク電流Ibの影響を除外)可能な第1の微小電流計測装置10Aと、リーク電流を補正しない従来回路とを比較し、従来回路に対する優位性を説明する。
ここでは、図2および図3に示される第1の微小電流計測装置10Aにおいて、信号電流Iinが1pA(Iin=1pA)、リーク電流Ibが10pA(Ib=10pA)、抵抗素子R1の抵抗値が1GΩ(r1=1GΩ)、抵抗素子R2の抵抗値(r2)に対する抵抗素子R3の抵抗値(r3)の比が100(r3/r2=100)である場合の例を説明する。
上記例において、リーク電流Ibの影響を受けずに信号電流Iinが増幅されて出力される場合、理論的には、演算用出力電圧値VoutVは0.1Vになる。また、リーク電流起因電圧Vleakおよび通常計測モード選択時における前段増幅部13からの出力電圧Vnorは、それぞれ、上記式(1)および(3)を計算して、電圧Vleakが1mV(Vleak=0.1×10−2V)、電圧Vnorが11mV(Vnor=1.1×10−2V)となる。
第1の微小電流計測装置10Aの場合、上述したように、上記式(5)の関係が成立するので、上記式(5)を計算すると、演算用出力電圧値Voutは0.1Vとなり、上記例において設定される電流値、抵抗値および抵抗比から理論的に導出される0.1Vと合致する。
一方、従来回路の場合は、第1の微小電流計測装置10Aにおいてリファレンス電圧Vrefをゼロ(Vref=0)とする場合に相当するので、上記式(4)を計算し、左辺項Va_outをVoutに置換することで求めることができる。この場合の演算用出力電圧値Voutは1.1Vとなり、理論的に導出される理論値(0.1V)から大きくずれてしまっている。
このように、被計測対象となる信号電流Iinの大きさが、例えば、リーク電流Ibの1/10である場合などのように、リーク電流Ibの影響を無視することができない程度に小さいときには、リーク電流を補正(リーク電流Ibの影響を除外)可能な第1の微小電流計測装置10Aとリーク電流を補正しない従来回路とでは、計測精度に顕著な違いがある。
[第2の実施例]
図4は、微小電流計測装置10(図1)の一例である第2の微小電流計測装置10Bの回路構成例(第2の回路構成例)を示した概略図であり、通常計測時における回路状態を示している。
第2の微小電流計測装置10B(図4)は、第1の微小電流計測装置10A(図2)に対して、第1のリーク電流計測部14Aの代わりに、第2のリーク電流計測部14Bを具備する点、より詳細にはリーク電流計測部14(図1)の回路構成が異なるが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、後述する第2の微小電流計測装置10Bの説明では、第1の微小電流計測装置10Aと実質的に相違しない第2のリーク電流計測部14B以外の構成要素に同じ符号を図4に付して重複する説明を省略する。
なお、第2の微小電流計測装置10Bでは、第1の切替部11および第2の切替部12の開閉動作は第1の微小電流計測装置10Aと同様に行われる点を考慮して、通常計測時における回路状態のみを図示する。また、図4では、重複する説明を省略する、第2のリーク電流計測部14B以外の構成要素については、記載を簡略化(ブロックのみで回路構成は省略)して示している。
第2の微小電流計測装置10B(図4)は、第1の微小電流計測装置10A(図2)に対して、第1のリーク電流計測部14Aを構成するサンプルホールド回路41(アナログ電子回路)の代わりに、少なくともサンプルホールド回路41が有するサンプル機能とホールド機能とを実現するデジタル回路で構成したものである。
第2のリーク電流計測部14Bは、例えば、上記デジタル回路として、A/D変換を行うADC45と、リファレンス電圧Vrefの算出、保持および出力を行うCOM46と、D/A変換を行うDAC47とを備える。
第2のリーク電流計測部14Bにリーク電流起因電圧Vleakが入力されるリーク電流計測時の場合(スイッチSW1が開、スイッチSW2の接続先が接点P2である場合)、第2のリーク電流計測部14Bでは、ADC45が入力されるリーク電流起因電圧Vleak(アナログ信号)をCOM46に読み込み可能なデジタル信号に変換する。
続いて、COM46がADC45からのデジタル信号(リーク電流起因電圧Vleakのサンプリング時の電圧値)をサンプリングし、サンプリングした電圧値に基づいてリファレンス電圧Vrefを決定する。続いて、DAC47がCOM46からのリファレンス電圧Vref(デジタル信号)をアナログ信号に変換して出力する。
COM46は、例えば、リファレンス電圧Vrefを決定するプログラム(以下、「リファレンス電圧決定PG」とする。)と、ハードウェアであるCOM46とが協働することによって、第2のリーク電流計測部14Bに入力されるリーク電流起因電圧Vleakに基づいてリファレンス電圧Vrefを算出、保持および出力を行う機能が実現され、リファレンス電圧Vrefを算出、保持および出力する手段として機能する。
なお、COM46は、プロセッサ(図示せず)および記憶回路(図示せず)を有しているため、入力される電圧値をそのままリファレンス電圧Vrefとして決定する以外の手法を採用してリファレンス電圧Vrefを決定することができる。すなわち、サンプルホールド回路41が有するサンプル機能およびホールド機能の他にも機能を追加してデジタル回路を構成することができる。
他のリファレンス電圧決定手法としては、例えば、演算用出力電圧値Voutを決定する手法と同様に、代表値を求めて決定する手法や頻度分布を求め、求める頻度分布を設定した関数にフィッティングし、その特徴量に対応する電圧値をリファレンス電圧Vrefとして決定する手法を採用することができる。
この場合、リファレンス電圧決定PGには、サンプルした電圧値を所定数保持する機能および保持している電圧値を統計処理などしてリファレンス電圧Vrefを決定する演算処理を実行する機能をCOM46に付加するプログラムが含まれる。リファレンス電圧決定PGを実行したCOM46は、第2のリーク電流計測部14Bに入力されてADC45によってデジタル信号化されるリーク電流起因電圧Vleakをサンプリングし、サンプリングした電圧値に基づいてリファレンス電圧Vrefを決定することができる。
一方、第2のリーク電流計測部14Bにリーク電流起因電圧Vleakが入力されない通常計測時には、COM46は、ホールド機能によって、決定したリファレンス電圧Vrefを出力する。従って、通常計測時には、決定したリファレンス電圧Vref(電圧値)の定電圧信号がDAC47から出力される。
なお、厳密にいえば、ADC45に入力されるリーク電流起因電圧Vleakと、リーク電流起因電圧VleakをA/D変換およびD/A変換して得られる電圧Vleak_calとは異なる値となるが、ほぼ同値(Vleak_cal≒Vleak)となるので、上記式(5)および(6)におけるVleakをVleak_calに置き換えて考えても支障はない。従って、第2の微小電流計測装置10Bでは、第1の微小電流計測装置10Aと同様に、リーク電流Ibの影響を取り除いた、信号電流Iinに比例する演算用出力電圧値Voutを得ることができる。
[第3の実施例]
図5は、微小電流計測装置10(図1)の一例である第3の微小電流計測装置10Cの回路構成例(第3の回路構成例)を示した概略図であり、通常計測時における回路状態を示している。
第3の微小電流計測装置10C(図5)は、第2の微小電流計測装置10B(図4)に対して、第2のリーク電流計測部14BのCOM46に第2の切替部12が有するリーク電流計測部入力側開放状態とリーク電流計測部入力側短絡状態とに切り替える機能を付加したCOM48をCOM46の代わりに備える点と、第2の切替部12としてのスイッチSW2が省略されている点とで相違する。
換言すれば、第3の微小電流計測装置10C(図5)は、第2の微小電流計測装置10B(図4)に対して、第2の切替部12としてのスイッチSW2が、第2リーク電流計測部14Bが備えるCOM46にソフトウェア的に組み込んで構成され、図1に示されるリーク電流計測部14に加えて第2の切替部12の機能をさらに有する点で相違するものの、その他の点については実質的に相違しない。そこで、後述する第3の微小電流計測装置10Cの説明では、第1および第2の微小電流計測装置10Aおよび10Bと実質的に相違しない構成要素に同じ符号を図5に付して重複する説明を省略する。
なお、第3の微小電流計測装置10Cについても、第2の微小電流計測装置10Bと同様に、通常計測時における回路状態のみを図示し、上述した第1および第2の微小電流計測装置10Aおよび10Bと重複する構成要素については、記載を簡略化(ブロックのみで回路構成は省略)する。
第3のリーク電流計測部14Cは、例えば、上記デジタル回路として、A/D変換を行うADC45と、リファレンス電圧Vrefの算出、保持および出力を行うとともに第2の電路の開閉状態を、リーク電流計測部入力側開放状態とするか否(リーク電流計測部入力側短絡状態)とするかを切り替えるCOM48と、D/A変換を行うDAC47とを備える。
COM48は、例えば、リファレンス電圧決定PGと、ハードウェアであるCOM46とが協働することによって、第2のリーク電流計測部14Bに入力されるリーク電流起因電圧Vleakに基づいてリファレンス電圧Vrefを算出、保持および出力を行う機能が実現される。
また、COM48は、例えば、切替制御部17から入力される選択される第2の電路の開閉状態の切替指令に基づいて第2の電路の開閉状態をCOM48の前段側と後段側とで仮想的(ソフトウェア的)に切り替えるプログラム(以下、「電路切替PG」とする。)と、ハードウェアであるCOM48とが協働することによって、第2の電路の開閉状態をCOM48の位置で切り替えることで、リーク電流計測部入力側開放状態とリーク電流計測部入力側短絡状態とに切り替える機能を実現し、第2の切替部12としての役割を果たす。
第3のリーク電流計測部14Cでは、リーク電流計測部入力側開放状態とする場合、すなわち通常計測時の場合、ADC45には前段増幅部13から出力される電圧信号Vnorが入力されている状態となるが、COM48は、通常計測時の間、ADC45から出力される電圧値を用いたリファレンス電圧Vrefの決定演算を行わず、リーク電流計測時に設定したリファレンス電圧Vrefを保って後段増幅部15へ出力する。
一方、リーク電流計測部入力側短絡状態とする場合、すなわちリーク電流計測時の場合、COM48は、第3のリーク電流計測部14Cに入力されてADC45によってデジタル信号化されるリーク電流起因電圧Vleakをサンプリングし、サンプリングした電圧値に基づいてリファレンス電圧Vrefを決定して設定し、設定後のリファレンス電圧Vrefを後段増幅部15へ出力する。
なお、上述した微小電流計測装置10は、実際の素子を用いて構成することもできるが、ソフトウェアで回路構成を切り替え可能なリコンフィギュアラブルデバイスを用いて微小電流計測装置10の一部または全部を構成することもできる。
リコンフィギュアラブルデバイスは、アンプ、ADCおよびCOMといった機器の機能を内蔵するデバイスであり、ソフトウェアで回路構成を切り替える利点がある。従って、リコンフィギュアラブルデバイスを用いて構成される微小電流計測装置10は、上述した微小電流計測装置10の回路を比較的簡単に作成することができる。また、事後的な回路の改修を比較的簡単に行うことができる。
次に、本発明の実施形態に係る微小電流計測方法として、微小電流計測装置10(図1)を用いた計測方法について説明する。
図6〜8は、本実施形態に係る微小電流計測方法の一例である微小電流計測手順における工程の流れを説明する流れ図である。
なお、図6および図8において示される記号丸Aおよび丸B(それぞれ、白丸の記号「○」内に、文字「A」が記載されている記号および文字「B」が記載されている記号)は、フローを結合する結合子である。
まず、図6に例示される微小電流計測手順のメインフローについて説明する。
微小電流計測手順(図6)は、例えば、リファレンス電圧Vrefを決定し設定するリファレンス電圧設定工程(ステップS1)と、信号電流Iinを計測する通常計測工程(ステップS2)と、リーク電流を再計測するか否かを確認する工程(ステップS3)と、微小電流計測手順を終了するか否かを確認する工程(ステップS4)とを具備する。
微小電流計測手順(図6)では、まず、リファレンス電圧設定工程(ステップS1)が行われ、リファレンス電圧Vrefが決定される。続いて、通常計測工程(ステップS2)が行われ、決定したリファレンス電圧Vrefを用いて信号電流Iinが計測される。
通常計測工程(ステップS2)が行われ、計測結果が得られた後、リーク電流を再計測せず、微小電流計測手順を終了する場合(ステップS3でNO→ステップS4でYESの場合)、電流計測手順を終了する(END)。
一方、リーク電流を再計測する場合(ステップS3でYESの場合)、ステップS1に戻って、ステップS1のリファレンス電圧設定工程以降の工程が行われる。
また、計測結果が得られた後、リーク電流を再計測せず、電流計測手順を終了せずに継続する場合(ステップS3でNO→ステップS4でNOの場合)、ステップS2に戻って、ステップS2の通常計測工程以降の工程が行われる。
続いて、微小電流計測手順のリファレンス電圧設定工程(ステップS1:図6)および通常計測工程(ステップS2:図6)のより詳細なフロー(サブフロー)について、それぞれ説明する。
図7は、メインフロー内に示されるリファレンス電圧設定工程(ステップS1:図6)のより詳細な内容(サブフロー)を説明する流れ図である。
リファレンス電圧設定工程(ステップS11〜14)は、例えば、前段増幅部13(図1)の入力端を開放するステップ(ステップS11)と、リーク電流起因電圧Vleak(図1)を計測するステップ(ステップS12)と、リファレンス電圧Vref(図1)を決定するステップ(ステップS13)と、リーク電流を再計測するか否かを確認するステップ(ステップS14)とを備える。
リファレンス電圧設定工程(ステップS11〜14)では、まず、前段増幅部13の入力端を開放し、前段増幅部13内でリーク電流を発生させる(ステップS11)。発生したリーク電流は前段増幅部13内でリーク電流起因電圧Vleakに変換されて前段増幅部13からリーク電流計測部14(図1)へ出力される。
リーク電流起因電圧Vleakがリーク電流計測部14に入力されると、続いて、リーク電流計測部14は、入力されるリーク電流起因電圧Vleakを計測し(ステップS12)、計測結果に基づいてリファレンス電圧Vrefとして設定する(ステップS13)。
リファレンス電圧Vrefを決定した後、リーク電流を再計測する場合(ステップS14でYESの場合)、ステップS12に戻り、ステップS12以降のステップが行われる。
一方、リーク電流の再計測が不要な場合(ステップS14でNOの場合)、リファレンス電圧設定工程(ステップS11〜ステップS14)は全処理ステップを完了し、微小電流計測手順の流れは、サブフロー(図8)からメインフロー(図6)へ戻り(RETURN)、ステップS2以降の工程が行われる。
図8は、メインフロー内に示される通常計測工程(ステップS2:図6)のより詳細な内容(サブフロー)を説明する流れ図である。
通常計測工程(ステップS21〜ステップS27)は、例えば、前段増幅部13(図1)の入力側および出力側の電路を切り替えるステップ(ステップS21)と、信号電流Iin(図1)を電圧に変換するステップ(ステップS22)と、前段増幅部13の出力電圧Vnor(図1)および事前に設定しているリファレンス電圧Vref(図1)を後段増幅部15に入力するステップ(ステップS23)と、後段増幅部15に入力される二つの電圧差に比例する電圧Va_outを演算部16に入力するステップ(ステップS24)と、後段増幅部15からの出力電圧Va_outに基づいて信号電流Iinを演算により求めるステップ(ステップS26)と、計測レンジの変更要求がある場合(ステップS25でYESの場合)に計測レンジを変更するステップ(ステップS27)とを備える。
通常計測工程(ステップS21〜ステップS27)では、まず、前段増幅部13(図1)の入力側を電流発生部1(図1)と接続状態とし(スイッチSW1を閉)、出力側を後段増幅部15と接続される状態(リーク電流計測部入力側開放状態)とする(ステップS21)。電路の切り替えは、自動切替の場合には切替制御部17が、手動切替の場合にはユーザが行う。
続いて、前段増幅部13に入力された信号電流Iinは、電圧に変換されて後段増幅部15へ出力される(ステップS22)。後段増幅部15へ出力される電圧Vnorには、信号電流起因電圧の他にリーク電流起因電圧Vleakが重畳している。
続いて、前段増幅部13の出力電圧Vnor(図1)および事前に設定しているリファレンス電圧Vref(図1)を後段増幅部15に入力して(ステップS23)、後段増幅部15に入力される二つの電圧差に比例する電圧Va_outを得て、得られる電圧Va_outを演算部16に入力する(ステップS24)。
続いて、後段増幅部15からの出力電圧Va_outの電圧が高すぎるなどの状態にあるなどの理由から計測レンジを変更する必要が生じている場合(ステップS25でNOの場合)、計測レンジを変更する(ステップS27)。計測レンジを変更する場合には、リファレンス電圧Vrefの設定からやり直す必要がある。つまり、メインフロー(図6)のステップS1に戻り、ステップS1以降の工程が行われる。
一方、計測レンジの変更が不要である場合(ステップS25でYESの場合)、演算部16は、後段増幅部15から入力される電圧Va_outに基づいて信号電流Iinを導出する(ステップS26)。より具体的には、後段増幅部15からの出力電圧Va_outに基づいて演算用出力電圧値Voutを決定し、決定した演算用出力電圧値Voutを、上記式(6)などで与えられる換算情報を用いて信号電流Iinに換算することによって、信号電流Iinが導出される。
信号電流Iinが導出されると、通常計測工程(ステップS21〜ステップS27)は全処理ステップを完了し、微小電流計測手順の流れは、サブフロー(図8)からメインフロー(図6)へ戻り(RETURN)、ステップS2以降の工程が行われる。
以上、第2の切替部12、前段増幅部13、リーク電流計測部14、後段増幅部15および演算部16を具備して構成される微小電流計測装置10および当該微小電流計測装置10を用いた微小電流計測方法によれば、回路構成および計測手順を複雑化させることなく素子のリーク電流を補正して(リーク電流の計測精度に対する影響を取り除いて)微小電流を精度良く計測することができる。従って、従来の電流計測技術に対して、利便性を損なうことなく電流の計測精度をより向上させることができる。
また、前段増幅器13が帰還インピーダンス31のインピーダンス値を可変に構成されている微小電流計測装置10および当該微小電流計測装置10を用いた微小電流計測方法によれば、信号電流Iinの大小に応じた適切な増幅率を得ることができ、広い計測レンジを確保することができる。従って、放射線計測のような広い計測範囲を必要とする被計測対象に対しても、回路構成および計測手順が複雑でなく、微小電流を精度良く計測することができる。
第2の切替部12、前段増幅部13、リーク電流計測部14、後段増幅部15および演算部16に加え、切替制御部17および計測モード判定部19をさらに具備する微小電流計測装置10および当該微小電流計測装置10を用いた微小電流計測方法によれば、さらに、計測モードの選択に追従して第2の切替部12が行う切り替えを自動的に行うことができる。
第2の切替部12、前段増幅部13、リーク電流計測部14、後段増幅部15および演算部16に加え、帰還インピーダンス制御部18および第2の比較部22をさらに具備する微小電流計測装置10および当該微小電流計測装置10を用いた微小電流計測方法によれば、さらに、後段増幅部15の出力電圧Va_outの高低に応じた帰還インピーダンス(図2,3)のインピーダンス値を自動的に切り替えることができる。
第2の切替部12、前段増幅部13、リーク電流計測部14、後段増幅部15および演算部16に加え、切替制御部17および第1の比較部21をさらに具備する微小電流計測装置10および当該微小電流計測装置10を用いた微小電流計測方法によれば、計測場所の温度変動に追従して自動的に計測モードを切り替えて第2の切替部12が行う切り替えを自動的に行うことができる。計測場所の温度変動に追従自動的な切り替えが可能になることで、外部環境の変化によるリーク電流の変化にも柔軟に対応することができ、外部環境の変化による計測精度の悪化を避けることができる。
なお、上述した実施形態において説明した「プロセッサ」とは、例えば、専用または汎用のCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等のプログラムを実行可能な演算処理回路を意味する。プロセッサは、記憶回路に保存されるプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
また、記憶回路にプログラムにプログラムを保存するかわりに、プロセッサを構成する回路内にプログラムを直接組み込むよう構成してもよい。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで各種機能を実現する。
さらに、複数の独立したプロセッサを組み合わせてプログラムを実行可能な演算処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現してもよい。プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶回路は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、複数のプロセッサの機能に対応するプログラムを幾つか集約して設けてもよい。
なお、上述した微小電流計測装置10は、微小電流を計測する機能(微小電流計測機能)を有する例を説明したものであるが、電流を電流と相関がある他の物理量に換算する換算機能をさらに付加して、上記微小電流計測機能を用いて計測された計測結果に基づいて電流とは異なる他の物理量を計測可能な計測装置を構成してもよい。
例えば、信号電流Iinの発生源となる電流発生部1が放射線検出器である場合、演算部16の信号電流Iinを求めるCOM52に、信号電流Iinと放射線強度とを換算する換算情報を与えることによって、求めた信号電流Iinをさらに放射線強度に換算するように構成し、微小電流計測装置10を具備する放射線強度計測装置を構成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電流発生部、2…温度センサ、10…第1の微小電流計測装置、10A〜10C…第1〜第3の微小電流計測装置、11…第1の切替部(開閉部)、12…第2の切替部、13…前段増幅部、14…リーク電流計測部、14A〜14C…第1〜第3のリーク電流計測部、15…後段増幅部、16…演算部、17…切替制御部、18…帰還インピーダンス制御部、21…第1の比較部、22…第2の比較部、31…帰還インピーダンス、41…サンプルホールド回路、45,51…A/D変換器、46,48,52…マイコン、47…D/A変換器、Pin…装置入力端子、Pout…装置出力端子。

Claims (15)

  1. 入力される微小電流を電圧に変換して出力する第1の増幅部と、
    入力端を開放して前記微小電流を遮断した状態にある前記第1の増幅部から出力される第1の出力電圧が入力され、前記第1の出力電圧に基づいてリファレンス電圧を決定し、出力するリーク電流計測部と、
    前記リーク電流計測部から入力される前記リファレンス電圧と、前記微小電流が入力される状態にある前記第1の増幅部から出力される前記第1の出力電圧との電圧差を増幅して出力する第2の増幅部と、
    前記リーク電流計測部が予め決定した前記リファレンス電圧を維持して出力する第1の状態と、前記第1の出力電圧を前記リーク電流計測部に入力し、入力される前記第1の出力電圧に基づいて前記リファレンス電圧を新たに決定し、新たに決定したリファレンス電圧を前記第2の増幅部へ出力する第2の状態とを切り替え可能に構成される切替部と、
    前記第2の増幅部が出力する第2の出力電圧と前記第1の増幅部に入力される前記微小電流との関係を示す換算情報と、前記第2の出力電圧とに基づいて前記微小電流を算出する演算部と、を具備することを特徴とする微小電流計測装置。
  2. 前記微小電流を計測する通常計測モードと、前記第1の増幅部で生じるリーク電流を計測し、計測結果に基づいて前記リファレンス電圧を決定して設定するリーク電流計測モードとの二つの計測モードを有しており、
    選択されている計測モードが前記通常計測モードであるか前記リーク電流計測モードであるかを判定する計測モード判定部と、
    前記計測モード判定部が判定した選択されている計測モードが前記通常計測モードである場合には、前記切替部の状態を前記第1の状態とする一方、選択されている計測モードが前記リーク電流計測モードである場合には、前記切替部の状態を前記第2の状態に切り替える切替制御部をさらに具備する請求項1記載の微小電流計測装置。
  3. 前記第1の増幅部の入力側に、前記微小電流を発生させる電流発生源と前記第1の増幅部と接続する電路を開閉する開閉部をさらに具備する請求項2記載の微小電流計測装置。
  4. 前記開閉部が開閉する前記電路の開閉状態を制御するスイッチ制御部をさらに具備する請求項1から3の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  5. 前記スイッチ制御部は、前記切替制御部と一体的に構成される請求項4記載の微小電流計測装置。
  6. 前記切替部は、前記第1の増幅部の出力先を、前記第2の増幅部の入力とする第1の経路と前記リーク電流計測部の入力とする第2の経路との何れか一方に切り替えるスイッチで構成される請求項1から5の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  7. 前記リーク電流計測部は、サンプルホールド回路で構成される請求項1から6の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  8. 前記微小電流を計測する通常計測モードと、前記第1の増幅部で生じるリーク電流を計測し、計測結果に基づいて前記リファレンス電圧を決定して設定するリーク電流計測モードとの二つの計測モードを有しており、
    前記リーク電流計測部は、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路と、
    情報を保持可能に構成される記憶回路と、
    前記リーク電流計測モードが選択されている場合に、前記第1の出力電圧の電圧値と、前記第1の出力電圧と設定するリファレンス電圧との関係を規定した情報とに従って、前記リファレンス電圧を決定する演算を実行する演算処理回路と、
    入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路とを備え、
    前記A/D変換回路は、入力される前記第1の出力電圧を所定のタイミングでサンプリングし、アナログ信号からデジタル信号に変換して得られる前記第1の出力電圧の電圧値を前記記憶回路へ出力するように構成され、
    前記記憶回路は、前記A/D変換回路から出力される前記第1の出力電圧の電圧値のうち、前記サンプリングのタイミングが直近側から設定した個数以下の個数で前記第1の出力電圧の電圧値を保持するとともに、前記通常計測モードが選択されている間は、前記演算処理回路で決定した前記リファレンス電圧を保持して前記D/A変換回路へ出力するように構成され、
    前記第1の出力電圧と設定するリファレンス電圧との関係を規定した情報は、前記リファレンス電圧が前記記憶回路に保持される前記第1の出力電圧の電圧値の代表値と等しいことを示す式の情報と、前記第1の出力電圧の電圧値の代表値を導出する演算式の情報とを含んでいる請求項1から6の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  9. 前記第1の出力電圧と設定するリファレンス電圧との関係を規定した情報は、前記第1の出力電圧の電圧値の出現頻度を示す関数と、前記関数と前記リファレンス電圧との関係を規定した情報とを含み、
    前記演算処理回路は、演算として、前記記憶回路に保持される前記第1の出力電圧の電圧値に基づく前記第1の出力電圧の電圧値の出現頻度分布を導出し、導出した出現頻度分布に現れる特徴量と前記関数の特徴量とを用いて前記関数と前記出現頻度分布との関係を求め、求めた前記関数と前記出現頻度分布との関係および前記関数と前記リファレンス電圧との関係から前記リファレンス電圧を求めることによって、前記リファレンス電圧を決定する請求項8記載の微小電流計測装置。
  10. 前記微小電流を計測する計測場所の温度を計測する温度計測手段から出力される計測結果を示す温度信号に基づいて前記計測場所の温度の変動が許容する範囲を超えているか否かを判定する比較部をさらに備え、
    前記切替制御部は、前記比較部が前記計測場所の温度の変動が許容する範囲を超えていると判定した場合、前記切替部の状態を前記第2の状態に切り替えるように構成される請求項1から9の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  11. 前記演算部は、前記第2の出力電圧に基づいて前記微小電流を求める際に使用される演算用出力電圧値を算出する出力電圧算出部と、
    前記換算情報を参照し、前記出力電圧算出部が決定した前記演算用出力電圧値を電流値に換算して前記微小電流の電流値を得る電流換算部と、を備える請求項1から10の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  12. 前記第1の増幅部は、抵抗素子および容量性素子の何れか一方を含み、インピーダンス値を少なくとも二つの値に変化可能な帰還インピーダンスを備える請求項1から11の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  13. 前記電流発生源は、電離箱である請求項1から12の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  14. 前記第1の増幅部、前記リーク電流計測部、前記第2の増幅部および前記演算部の少なくとも何れか一つは、リコンフィギュアラブルデバイスを用いて構成される請求項1から13の何れか1項に記載の微小電流計測装置。
  15. 入力される微小電流を電圧に変換して出力する第1の増幅部と、入力端を開放して前記微小電流を遮断した状態にある前記第1の増幅部から出力される第1の出力電圧が入力され、前記第1の出力電圧に基づいてリファレンス電圧を決定し、出力するリーク電流計測部と、前記リーク電流計測部から入力される前記リファレンス電圧と、前記微小電流が入力される状態にある前記第1の増幅部から出力される前記第1の出力電圧との電圧差を増幅して出力する第2の増幅部と、前記リーク電流計測部が予め決定した前記リファレンス電圧を維持して出力する第1の状態と、前記第1の出力電圧を前記リーク電流計測部に入力し、入力される前記第1の出力電圧に基づいて前記リファレンス電圧を新たに決定し、新たに決定したリファレンス電圧を前記第2の増幅部へ出力する第2の状態とを切り替え可能に構成される切替部と、前記第2の増幅部が出力する第2の出力電圧と前記第1の増幅部に入力される前記微小電流との関係を示す情報と、前記第2の出力電圧とに基づいて前記微小電流を算出する演算部と、を具備する装置を用いた前記微小電流の計測方法であって、
    前記微小電流を遮断した状態にある前記第1の増幅部から出力される第1の出力電圧に基づき、前記リーク電流計測部が前記第2の増幅部へ出力する前記リファレンス電圧を決定し、設定する工程と、
    前記リーク電流計測部から入力される、前記リファレンス電圧を設定する工程で設定された前記リファレンス電圧と、前記第1の増幅部に前記微小電流が入力される状態とし、前記微小電流が入力される状態にある前記第1の増幅部から出力される前記第1の出力電圧との電圧差を増幅した前記第2の出力電圧を得て、得られる前記第2の出力電圧と前記情報に基づいて前記微小電流を算出する工程とを具備することを特徴とする微小電流計測方法。
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