JP2017202540A - 電解加工装置および電解加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】管の内面を電解により効率的に加工する。【解決手段】本発明の一態様に係る電解除染装置(100)は、管(P)に挿入され、電解液(L)を吐出すると共に電極として機能する電解ノズル(3)と、管(P)および電解ノズル(3)に供給する直流電源(4)とを備え、電解ノズル(3)の周面(3f)に、電解液(L)を吐出する吐出孔(32)が設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、金属製の管の内面を電解により加工する電解加工装置および電解加工方法に関する。
原子力発電所で使用され、放射線により汚染された金属部材に対する除染の方法として、電解により表面を溶出除去する方法がある。このような方法の例として、特許文献1には、電極に研磨剤を装着した電極工具を汚染部材に押し当て、電極工具を往復運動または回転運動させると同時に電極に直流または交流の電圧を印加する方法が記載されている。
しかしながら、上述のような従来技術は、平板状の除染対象物には有効であるが、管状の除染対象物への適用が困難であるという問題がある。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、管の内面を電解により効率的に加工することが可能な電解加工装置および電解加工方法を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電解加工装置は、金属製の管の内面を電解により加工する電解加工装置であって、上記管に挿入され、電解液を吐出すると共に電極として機能する電解ノズルと、上記管の内面を電解するための電力を、上記管および上記電解ノズルに供給する電源と、を備え、上記管の内面に対向する上記電解ノズルの周面に、上記電解液を吐出する吐出孔が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、管に挿入される電解ノズルの周面に電解液を吐出する吐出孔を設けることにより、当該管の内面に対して電解液を好適に吐出することができる。したがって、管の内面を電解により効率的に加工することができる。また、電解ノズルを管に挿入して電解液を吐出するため、管の内面が露出するように管を切断することなく、管の内面を電解により加工することができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記吐出孔は、上記電解ノズルの周面に複数設けられており、上記電解ノズルは、上記電解液を放射状に吐出することがこのましい。
上記の構成によれば、電解ノズルから電解液を放射状に吐出することにより、管の周方向にわたって電解液を広範囲に吐出することができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記電解ノズルの周面に、当該周面と上記管の内面との接触を防止する絶縁性のスペーサが設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、電解ノズルの周面に絶縁性のスペーサを設けることにより、電解ノズルと管とが短絡することを防止することができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記電解ノズルの周面に、絶縁性の多孔質部材が覆設されていることが好ましい。
上記の構成によれば、電解ノズルの周面に絶縁性の多孔質部材を覆設することにより、電解ノズルと管とが短絡することを防止することができる。また、上記多孔質部材を介して電解液を管の内面に導くことにより、吐出孔から吐出された電解液を、管の内面に対してムラ無く均一に導くことができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記電解ノズルを上記管の延伸方向に沿って移動させる移動部をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、管の延伸方向に沿って電解ノズルを移動させることにより、管の延伸方向にわたって広範囲に電解液を吐出することができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記電解ノズルを上記管の周方向に回転させる回転部をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、管の周方向に電解ノズルを回転させることにより、管の周方向にわたって電解液を広範囲に吐出することができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記電解ノズルに取り付けられ、上記管の内面を撮像するための撮像部をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、電解ノズルに撮像部を取り付けることにより、管を切断することなく、管の内面の加工状態などを管の外部から観察することができる。
また、本発明に係る電解加工装置では、上記電解ノズルの位置を検出するための位置検出部をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、位置検出部によって電解ノズルの位置を検出することにより、電解ノズルの位置を管の外部から特定することができる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電解加工方法は、金属製の管の内面を電解により加工する電解加工方法であって、電解液を吐出すると共に電極として機能する電解ノズルを、上記管に挿入する挿入工程と、上記管の内面に対向する上記電解ノズルの周面に設けられた吐出孔から上記電解液を吐出する吐出工程と、上記管の内面を電解するための電力を、上記管および上記電解ノズルに供給する給電工程と、を含んでいることを特徴としている。
上記の方法によれば、管に挿入した電解ノズルの周面に設けられた吐出孔から電解液を吐出することにより、管の内面に電解液に好適に吐出することができる。したがって、管の内面を電解により効率的に加工することができる。また、電解ノズルを管に挿入して電解液を吐出するため、管の内面が露出するように管を切断することなく、管の内面を電解により加工することができる。
本発明によれば、管の内面を電解により効率的に加工することが可能な電解加工装置および電解加工方法を提供することができるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る電解加工装置を電解除染装置に適用した場合の一例について説明する。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る電解加工装置を電解除染装置に適用した場合の一例について説明する。
(電解除染装置100の概要)
図1は、本実施形態に係る電解除染装置(電解加工装置)100の概要を説明するための図である。図1に示す電解除染装置100は、放射線などによって汚染された管Pの内面Pfを電解により溶出させることにより除染するものある。なお、本発明は、管Pの内面Pfを電解により除染するための除染装置のみならず、管Pの内面Pfを電解により溶出させて表面加工する加工装置全般に適用可能である。
図1は、本実施形態に係る電解除染装置(電解加工装置)100の概要を説明するための図である。図1に示す電解除染装置100は、放射線などによって汚染された管Pの内面Pfを電解により溶出させることにより除染するものある。なお、本発明は、管Pの内面Pfを電解により除染するための除染装置のみならず、管Pの内面Pfを電解により溶出させて表面加工する加工装置全般に適用可能である。
除染対象物となる管Pは、例えば原子力発電所の配管系で使用されたSUS(Steel Use Stainless)や鉄製のパイプなどである。管Pは、汚染された内面Pfが除去されることによって非汚染材料(クリアランス材)となり、再利用または通常の産業廃棄物としての処分などを行うことが可能となる。これにより、放射線により汚染された材料として特別な処分を行う必要のある材料の総量を減少させることが可能である。
電解除染装置100は、電解ノズル3から管Pの内面Pfへ電解液Lを吐出しつつ、直流電源4により管Pと電解ノズル3との間に電圧を印加する。これにより、管Pの内面Pfを電解により溶出除去することで、管Pを除染するものである。
(電解除染装置100の構成)
図2は、図1に示される電解除染装置100の全体構成を示す図である。図2に示すように、電解除染装置100は、電解液供給部1、供給管2、電解ノズル3、直流電源(電源)4、および回転・移動機構(回転部・移動部)5を備えている。
図2は、図1に示される電解除染装置100の全体構成を示す図である。図2に示すように、電解除染装置100は、電解液供給部1、供給管2、電解ノズル3、直流電源(電源)4、および回転・移動機構(回転部・移動部)5を備えている。
電解液供給部1は、電解ノズル3へ電解液Lを供給する。電解液供給部1は、回収槽11、回収管12、フィルタ13、貯留槽14、ポンプ15、および流量調整弁16を備えている。
回収槽11は、電解ノズル3から吐出された電解液Lを回収する容器である。本実施形態では、回収槽11は、管Pの開口部から流れ落ちる電解液Lを受けることができるように、管Pの開口部の下方に配置されている。なお、管Pの開口部の下方に回収槽11を配置せず、管Pの開口部から回収槽11へ電解液Lを導く流路を別途設けてもよい。
回収管12は、回収槽11から貯留槽14へ電解液Lを導く管である。回収管12の一端は回収槽11の底部近傍に接続され、回収管12の他端は貯留槽14に接続されている。この回収管12には、除染により発生した電解液L中の反応生成物などの異物を除去するためのフィルタ13が設けられている。フィルタ13により不純物を除去された電解液Lは、貯留槽14へ導かれる。
貯留槽14は、電解液Lが貯留される容器である。貯留槽14は、回収槽11よりも低い位置に配置されている。回収槽11から導かれた電解液Lは貯留槽14に貯留され、ポンプ15へ供給される。
ポンプ15は、電解ノズル3へ電解液Lを供給する。電解ノズル3への電解液Lの供給は、ポンプ15に接続された供給管2を介して、貯留槽14内の電解液Lをポンプ15により圧送することで行われる。電解液Lは、塩化ナトリウム(NaCl)の水溶液、硝酸カリウム(KNO3)の水溶液、または硝酸ナトリウム(NaNO3)など中性の水溶液であり、約10wt%以上約20wt%以下の重量パーセント濃度であるのが好ましい。電解除染装置100においては、電解液Lとして中性の水溶液を用いることによって、強アルカリ性や強酸性の水溶液を用いるシステムなどと比べて、液漏れおよび液の飛散などを綿密に防ぐ必要がない。
流量調整弁16は、供給管2に設けられ、供給管2を流通する電解液Lの流量を調整する。この流量調整弁16の開閉を制御することにより、供給管2を流通する電解液Lの流量が調整される。
この電解液供給部1では、回収槽11に回収された電解液Lは、フィルタ13により不純物を除去され後、ポンプ15により電解ノズル3へ圧送される。したがって、回収槽11に回収された電解液Lを管Pの電解に再利用することができる。
供給管2は、ポンプ15から圧送された電解液Lを電解ノズル3へ供給する管である。供給管2の一端はポンプ15に接続されている。また、供給管2の他端である先端には、電解ノズル3が取り付けられている。この供給管2は、導電性の材料から構成されており、直流電源4から供給された電力を電解ノズル3に伝える機能を果たす。また、供給管2は、可撓性を有していることが好ましい。
電解ノズル3は、電解液Lを管Pの内面Pfに対して吐出すると共に電極として機能する。電解ノズル3は、供給管2の先端に取り付けられており、管Pに挿入可能な円柱形状であるノズル本体31を含んでいる。ノズル本体31は、導電性の材料から構成されており、このノズル本体31が電極として機能する。
この電解ノズル3は、管Pの内面Pfに周面3fが対向する向きで管Pに挿入され、一方の端面3eに供給管2が接続されている。管Pの内面Pfに対向する電解ノズル3の周面3fには、管Pの内面Pfに対して電解液Lを吐出する吐出孔32が複数設けられている。なお、電解ノズル3の詳細は後述する。
直流電源4は、管Pに直流電流(DC)を流すための電源である。直流電源4の正極側と管Pとは、配線4aにより接続されている。また、直流電源4の負極側と供給管2とは配線4bにより接続されており、供給管2を介して、電解ノズル3と直流電源4との間に電圧が印加される。なお、直流電源4は、30V程度の電圧を供給可能であればよい。
電流計41は、配線4bに接続され、配線4bを流れる電流を計測する計測器である。電流計41による計測結果に基づいて、直流電源4から供給される電力が調整される。
回転・移動機構5は、電解ノズル3を回転および移動させるためのものである。具体的には、回転・移動機構5は、供給管2を周方向に回転させることにより、供給管2の先端に取り付けられた電解ノズル3を管Pの周方向に回転させる。これにより、管Pの周方向にわたって、電解ノズル3から電解液Lをムラ無く吐出することができる。
また、回転・移動機構5は、供給管2を延伸方向に移動させることにより、供給管2に取り付けられた電解ノズル3を前後移動させる。これにより、管Pの延伸方向にわたって広範囲に電解液Lを吐出することができる。
回転・移動機構5の構成は特に限定されないが、例えば、供給管2をその延伸方向に搬送すると共に、当該供給管2を周方向に回転させることが可能なように組み合わされた複数のローラを備えるアクチュエータなどで実現される。
電解除染装置100では、直流電源4によって、配線4a、配線4b、供給管2、および電解ノズル3から吐出される電解液Lを介して、電解ノズル3と管Pとの間に電流経路が形成されている。換言すれば、電解ノズル3の吐出孔32から管Pの内面Pfに対して吐出された電解液Lが、内面Pfを電解するための電気回路の一部を構成している。
(電解ノズル3の詳細)
図3は、図1に示される電解ノズル3のA−A’断面図である。図3に示すように、電解ノズル3は、ノズル本体31、吐出孔32、およびスペーサ33を備えている。
図3は、図1に示される電解ノズル3のA−A’断面図である。図3に示すように、電解ノズル3は、ノズル本体31、吐出孔32、およびスペーサ33を備えている。
ノズル本体31は、電解液Lが流通可能なように内部が中空になった円柱形状であり、ノズル本体31の内部を流通した電解液Lは吐出孔32から管Pの内面Pfに対して吐出される。
なお、電解ノズル3(ノズル本体31)は、管Pに挿入したときに、管Pの内面Pfに対向する周面3fを有する形状であればよい。したがって、電解ノズル3は、円柱形状以外の形状、例えば多角柱形状などであってもよい。
吐出孔32は、管Pの内面Pfに対向する周面3fに設けられている。管Pの内面Pfに対向する電解ノズル3の周面3fに吐出孔32を設けることにより、管Pの内面Pfに対して電解液Lを好適に吐出することができる。したがって、管Pの内面Pfを電解により効率的に除染することができる。また、電解ノズル3を管Pに挿入して電解液Lを吐出するため、管Pの内面Pfが露出するように管Pを切断することなく、管Pの内面Pfを電解により除染することができる。
本実施形態では、電解ノズル3から電解液Lが放射状に吐出されるように、電解ノズル3の周面3fに複数の吐出孔32が設けられている。具体的には、電解ノズル3の周方向に沿って8個の吐出孔32が等間隔に設けられている。これにより、管Pの周方向にわたって電解液Lを広範囲に吐出することができる。
スペーサ33は、電解ノズル3の周面3fと管Pの内面Pfとの接触を防止する突起である。スペーサ33は絶縁性の材料から構成されており、吐出孔32を挟むように複数個(本実施形態では8個)のスペーサ33が電解ノズル3の周面3fに設けられている。これにより、電解ノズル3と管Pとが短絡することを好適に防止することができる。
(電解除染装置100による電解除染方法)
電解除染装置100による電解除染方法(電解加工方法)について、以下に説明する。電解除染装置100においては、電解ノズル3から管Pの内面Pfに電解液Lを吐出しながら、電解ノズル3と管Pとの間に電圧を印加する。これにより、電解ノズル3と管Pとの間に、電解液Lを介して電流経路が形成され、電解による内面Pfの溶出除去が行われる。ここで、電解ノズル3の周面3fと管Pの内面Pfとの間の距離が十分に近接していることによって、電解ノズル3と管Pとの間に大きな電圧(例えば、約1000V以上)を印加しなくても、小さな電圧(例えば、約15V)で十分に電解を行うことが可能である。
電解除染装置100による電解除染方法(電解加工方法)について、以下に説明する。電解除染装置100においては、電解ノズル3から管Pの内面Pfに電解液Lを吐出しながら、電解ノズル3と管Pとの間に電圧を印加する。これにより、電解ノズル3と管Pとの間に、電解液Lを介して電流経路が形成され、電解による内面Pfの溶出除去が行われる。ここで、電解ノズル3の周面3fと管Pの内面Pfとの間の距離が十分に近接していることによって、電解ノズル3と管Pとの間に大きな電圧(例えば、約1000V以上)を印加しなくても、小さな電圧(例えば、約15V)で十分に電解を行うことが可能である。
このとき、直流電源4の正極側に接続された管Pでは、電解液Lに接する管Pの内面Pfに存在する鉄(Fe)がイオン化して2価の鉄イオン(Fe2+)となり、電解液Lに溶出する。これにより、管Pの内面Pfに位置する汚染された鉄が除去される。そして、管Pの内面Pfを所定の深さまで電解し、汚染された鉄を十分に除去することにより、管Pが非汚染材料(クリアランス材)となる。一方、電解液L内に溶出したFe2+は、電解液L中の水酸化物イオン(OH−)と反応して、水酸化鉄(II)(Fe(OH)2)、または、水酸化鉄(II)が酸化した水酸化鉄(III)(Fe(OH)3)として、捕集される。
図4は、電解除染装置100による電解除染方法の一例を示すフロー図である。図4に示すように、電解除染装置100による電解除染方法では、まず、管Pの一端から電解ノズル3を挿入する(挿入工程:S1)。
次に、管Pに挿入した電解ノズル3から電解液Lを吐出する(吐出工程:S2)。具体的には、ポンプ15の動作を制御して、電解ノズル3から電解液Lを吐出する。また、流量調整弁16の開閉を制御して、電解ノズル3から吐出される電解液Lの吐出量を調整する。
次に、管Pおよび電解ノズル3に、電解のための電力を給電する(給電工程:S3)。具体的には、直流電源4を稼働させ、管Pおよび供給管2に給電することにより、管Pと電解ノズル3との間に電圧を印加する。これにより、電解ノズル3と管Pとの間に、電解液Lを介して電流経路が形成され、管Pの内面Pfが電解により溶出する。
次に、電解ノズル3を回転および前進させる(回転・移動工程:S4)。具体的には、回転・移動機構5の動作を制御して、電解ノズル3を管Pの周方向に回転させる。また、回転・移動機構5の動作を制御して、管Pの一端から挿入した電解ノズル3が管Pの他端に達するまで電解ノズル3を前進させる。
これにより、汚染された内面Pf全体が電解により溶出除去され、管Pは非汚染材料(クリアランス材)となる。この結果、管Pを再利用または通常の産業廃棄物としての処分などを行うことが可能となる。
(電解除染装置100のまとめ)
以上のように、本実施形態に係る電解除染装置100は、管Pに挿入され、電解液Lを吐出すると共に電極として機能する電解ノズル3と、管Pの内面Pfを電解するための電力を、管Pおよび電解ノズル3に供給する直流電源4とを備え、管Pの内面Pfに対向する電解ノズル3の周面3fに、電解液Lを吐出する吐出孔32が設けられている。
以上のように、本実施形態に係る電解除染装置100は、管Pに挿入され、電解液Lを吐出すると共に電極として機能する電解ノズル3と、管Pの内面Pfを電解するための電力を、管Pおよび電解ノズル3に供給する直流電源4とを備え、管Pの内面Pfに対向する電解ノズル3の周面3fに、電解液Lを吐出する吐出孔32が設けられている。
電解除染装置100によれば、管Pに挿入される電解ノズル3の周面3fに電解液Lを吐出する吐出孔32を設けることにより、管Pの内面Pfに対して電解液Lを好適に吐出することができる。このため、管Pの内面Pfを電解により効率的に除染することができる。また、電解ノズル3を管Pに挿入して電解液Lを吐出するため、管Pの内面Pfが露出するように管Pを切断することなく、管Pの内面Pfを電解により除染することができる。
したがって、本実施形態によれば、管Pの内面Pfを電解により効率的に除染することが可能な電解除染装置100を実現することができる。
(変形例)
上述した説明では、電解ノズル3の周面3fにスペーサ33を設けることにより、電解ノズル3と管Pとの短絡を防止する構成について説明したが、本発明では、電解ノズル3と管Pとの短絡を防止可能な種々の構成を採用することができる。
上述した説明では、電解ノズル3の周面3fにスペーサ33を設けることにより、電解ノズル3と管Pとの短絡を防止する構成について説明したが、本発明では、電解ノズル3と管Pとの短絡を防止可能な種々の構成を採用することができる。
図5は、図3に示される電解ノズル3の変形例を示す断面図である。図5に示す電解ノズル30のように、スペーサ33に代えて、絶縁性の多孔質部材34が周面3fに覆設されていてもよい。
電解ノズル30の周面3fに絶縁性の多孔質部材34を覆設することにより、電解ノズル30と管Pとの短絡を防止することができる。また、多孔質部材34を介して電解液Lを管Pの内面Pfに導くことにより、吐出孔32から吐出された電解液Lを、管Pの内面Pfに対してムラ無く均一に導くことができる。
〔実施形態2〕
以下、本発明の他の実施の形態について、図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
以下、本発明の他の実施の形態について、図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(電解除染装置101の構成)
図6は、本実施形態に係る電解除染装置101の全体構成を示す図である。図2に示す電解除染装置101は、カメラ(撮像部)6、発信器(位置検出部)7、および表示部8をさらに備えている点において、前記実施形態で説明した電解除染装置100と異なっている。なお、図6では、電解ノズル3の構成を簡略的に示している。
図6は、本実施形態に係る電解除染装置101の全体構成を示す図である。図2に示す電解除染装置101は、カメラ(撮像部)6、発信器(位置検出部)7、および表示部8をさらに備えている点において、前記実施形態で説明した電解除染装置100と異なっている。なお、図6では、電解ノズル3の構成を簡略的に示している。
カメラ6は、管Pの内面Pfを撮像するためのものである。カメラ6は、電解ノズル3に取り付けられている。カメラ6は、撮像した画像情報を有線または無線により表示部8へ出力する。
発信器7は、電解ノズル3の位置を検出するためのものである。発信器7は、電解ノズル3に取り付けられている。発信器7は、管P内における電解ノズル3の位置を特定するための位置情報を有線または無線により表示部8へ出力する。
表示部8は、CPU(Central Processing Unit)を備えており、カメラ6から出力された画像情報、および発信器7から出力された位置情報に基づいて、所定の画像データを生成して表示する。表示部8は、管Pの外部に設置されている。具体的には、表示部8は、カメラ6から出力された画像情報に基づいて、管Pの内面Pfを示す画像データを生成して表示する。また、表示部8は、発信器7から出力された位置情報をCPUにて解析した結果に基づいて、電解ノズル3の位置を示す画像データ(例えば、距離または座標など)を生成して表示する。
(電解除染装置101のまとめ)
以上のように、本実施形態に係る電解除染装置101は、管Pの内面Pfを撮像するためのカメラ6と、電解ノズル3の位置を検出するための発信器7とが電解ノズル3に取り付けられている。
以上のように、本実施形態に係る電解除染装置101は、管Pの内面Pfを撮像するためのカメラ6と、電解ノズル3の位置を検出するための発信器7とが電解ノズル3に取り付けられている。
電解除染装置101によれば、電解ノズルにカメラ6が取り付けられているため、管Pを切断することなく、管Pの内面Pfの除染状態などを管Pの外部から観察することができる。また、電解ノズルに発信器7が取り付けられているため、発信器7によって電解ノズル3の位置を検出することにより、電解ノズル3の位置を管Pの外部から特定することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
3,30 電解ノズル
3f 周面
4 直流電源(電源)
5 回転・移動機構(回転部・移動部)
6 カメラ(撮像部)
7 発信器(位置検出部)
8 表示部
32 吐出孔
33 スペーサ
34 多孔質部材
L 電解液
P 管
Pf 内面
S1 挿入工程
S2 吐出工程
S3 給電工程
3f 周面
4 直流電源(電源)
5 回転・移動機構(回転部・移動部)
6 カメラ(撮像部)
7 発信器(位置検出部)
8 表示部
32 吐出孔
33 スペーサ
34 多孔質部材
L 電解液
P 管
Pf 内面
S1 挿入工程
S2 吐出工程
S3 給電工程
Claims (9)
- 金属製の管の内面を電解により加工する電解加工装置であって、
上記管に挿入され、電解液を吐出すると共に電極として機能する電解ノズルと、
上記管の内面を電解するための電力を、上記管および上記電解ノズルに供給する電源と、を備え、
上記管の内面に対向する上記電解ノズルの周面に、上記電解液を吐出する吐出孔が設けられていることを特徴とする電解加工装置。 - 上記吐出孔は、上記電解ノズルの周面に複数設けられており、
上記電解ノズルは、上記電解液を放射状に吐出することを特徴とする請求項1に記載の電解加工装置。 - 上記電解ノズルの周面に、当該周面と上記管の内面との接触を防止する絶縁性のスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解加工装置。
- 上記電解ノズルの周面に、絶縁性の多孔質部材が覆設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解加工装置。
- 上記電解ノズルを上記管の延伸方向に沿って移動させる移動部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電解加工装置。
- 上記電解ノズルを上記管の周方向に回転させる回転部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電解加工装置。
- 上記電解ノズルに取り付けられ、上記管の内面を撮像するための撮像部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電解加工装置。
- 上記電解ノズルの位置を検出するための位置検出部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電解加工装置。
- 金属製の管の内面を電解により加工する電解加工方法であって、
電解液を吐出すると共に電極として機能する電解ノズルを、上記管に挿入する挿入工程と、
上記管の内面に対向する上記電解ノズルの周面に設けられた吐出孔から上記電解液を吐出する吐出工程と、
上記管の内面を電解するための電力を、上記管および上記電解ノズルに供給する給電工程と、を含んでいることを特徴とする電解加工方法。
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