実施の形態1.
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の画面上には、当該始動入賞記憶表示エリア5Hに近接してアクティブ表示エリア5HAが配置されている。アクティブ表示エリア5HAは、実行中の可変表示に対応する表示が行われる。アクティブ表示エリア5HAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示エリア5HAでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示エリア5HAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留記憶部5HLにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部が画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられており、当該普通入賞球装置6Aの右側には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)31Cが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動コマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、大当りとするか否か、及び、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ120は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、ハズレを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当り且つ確変を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り且つ非確変を指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動開始指定コマンド)である。第1図柄変動開始指定コマンドと第2図柄変動開始指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動開始指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置7の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知又は示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。
コマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が何れの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、変動パターンコマンドと同様、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応するコマンドがある。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123内には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材用モータ61を駆動して可動演出部材60を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、第1有利状態と第2有利状態とがあり、例えば、平均的な可変表示時間が異なる。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。スーパーA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、スーパーA〜Cのリーチ演出を、スーパーリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
スーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。スーパーリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、スーパーリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。スーパーA又はBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。スーパーリーチCが実行された場合には、スーパーリーチCの実行後にスーパーリーチAが実行されることがある(スーパーリーチAに発展することがある)。スーパーリーチCが実行されたがスーパーリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、スーパーリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、スーパーリーチA又はBが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、スーパーリーチのうちでも、スーパーリーチA(スーパーリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、スーパーリーチBが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなる。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時判定処理を行う(ステップS211)。始動入賞時判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4のステップS110、図9)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4のステップS111、図11)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。
他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示の色を変化させる保留変化演出やアクティブ表示の色を変化させるアクティブ変化演出を実行するか否かを、決定することができる。
図8は、始動入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、非確変状態及び確変状態に対応する特図表示結果決定テーブル(図10(A)参照)が用意されている。CPU103は、このテーブルのうち、現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。
その後、CPU103は、図5のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、CPU103は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、CPU103は、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、変動カテゴリコマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。
ステップS413の後、CPU103は、始動入賞口指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。ここでの第1始動入賞口指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動入賞口指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ステップS414の後、入賞時判定処理は終了する。
再び、図5に戻って説明する。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」又は「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図5に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたに示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)に応じて、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図10(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図10(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS241〜S243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1及びPB1−2とが用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)及び変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)及び変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)及び変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチCを実行し、その後にスーパーリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2−4(ハズレ用)及び変動パターンPA3−4(「大当り」)が用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」のいずれの場合も共通して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPA3−3を選択する。
図11に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図14(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図11に示すステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、CPU103は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ここでの第1図柄変動開始指定コマンドや第2図柄変動開始指定コマンドは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが減少したかを指定する保留通知情報として送信される。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図4のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図4のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU120は、先読み処理を行う(ステップS160)。
図16は、図15のステップS160にて実行される先読み処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、まず、演出制御用CPU120は、主基板11における図8の始動入賞時判定処理で送信される始動入賞口指定コマンド(第1始動入賞口指定コマンド及び第2始動入賞口指定コマンドの何れか)と、表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド及び表示結果3指定コマンドの何れか)と、変動カテゴリコマンドとが入力されたか否かを判定する(ステップS600)。演出制御用CPU120は、始動入賞口指定コマンドにより始動入賞を認識することができる、また、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにより、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかを認識することができる。また、演出制御用CPU120は、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターン(スーパーリーチであるか否か等)を認識することができる。
始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力されていない場合には(ステップS600;No)、先読み処理は終了する。一方、始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力された場合には(ステップS600;Yes)、演出制御用CPU120は、特図保留記憶数を示す保留記憶数カウント値を1増加させる(ステップS601)。保留記憶数カウント値は、例えば、RAM122に設けられる。保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力される毎に1増加し、第1図柄変動開始指定コマンド又は第2図柄変動開始指定コマンドが入力される毎に1減少する。これにより、保留記憶数カウント値は、現在の特図保留記憶数を示すことになる。
保留記憶カウント値を1増加させた後(ステップS601)、演出制御用CPU120は、始動入賞に対応する保留記憶に関する各種の設定を示す保留設定情報を、今回の始動入賞に対応して1つ追加する保留設定情報追加処理を行う(ステップS602)。
図17は、図16のステップS602にて実行される保留設定情報追加処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、演出制御用CPU120は、保留変化演出及びアクティブ変化演出(保留・アクティブ変化演出)の実行の有無を決定する(ステップS700)。
図18は、保留・アクティブ変化演出の実行割合の一例を示す図である。図18では、対応する保留の入賞時判定結果、換言すれば、図16のステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて保留・アクティブ変化演出の実行割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも保留・アクティブ変化演出が実行される割合が高くなっている。図18に示す保留・アクティブ変化演出の実行割合の情報は、例えば、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出の実行割合の情報と、ステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果とに基づいて、保留・アクティブ変化演出の実行の有無を決定する。
再び、図17に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS700における決定が、保留・アクティブ変化演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS701)。
保留・アクティブ変化演出を実行することが決定された場合(ステップS701;YES)、演出制御用CPU120は、これら実行決定の結果に基づいて、保留・アクティブ変化演出パターンを決定する(ステップS706)。
図19は、保留・アクティブ変化演出パターンの一例を示す図である。図19に示す保留・アクティブ変化演出パターンは、それぞれ識別番号が付与されており、始動入賞に対応する保留が最古の保留から数えて何番目であるかを示す保留順位が4番目(保留4)、3番目(保留3)、2番目(保留2)、1番目(保留1)となるときの保留表示の色及び色の変化の態様と、始動入賞に対応する可変表示が実行中となるとき(アクティブとなるとき)のアクティブ表示の色及び色の変化の態様を示す。本実施形態では、色の変化は、白→青→緑→金の遷移となっており、更には、途中の色を迂回した色の変化、例えば、白→緑、白→金等の遷移となることも可能である。保留・アクティブ変化演出パターンの情報は、例えば、RAM122に記憶されている。
ここで、現在の保留記憶数に応じて決定可能な保留・アクティブ変化演出パターンが異なる。具体的には、現在の保留記憶数が1である場合には、アクティブとなるときの色の変化の態様を示す保留・アクティブ変化演出パターン(例えば、図19の保留・アクティブ変化演出パターンQA0−1〜QA0−3)のみが決定可能である。また、現在の保留記憶数が2である場合には、保留1とアクティブとなるときの色及びの変化の態様を示す保留・アクティブ変化演出パターンのみ(例えば、保留・アクティブ変化演出パターン(例えば図19のQA1−1〜QA1−31)が決定可能である。また、現在の保留記憶数が3である場合には、保留2及び保留1とアクティブとなるときの色及びの変化の態様を示す保留・アクティブ変化演出パターン(例えば図19のQA1−1〜QA2−21)が選択可能である。また、現在の保留記憶数が4である場合には、保留3、保留2及び保留1とアクティブとなるときの色及びの変化の態様を示す保留・アクティブ変化演出パターン(例えば、保留・アクティブ変化演出パターン(例えば図19のQA1−1〜QA3−21)が決定可能である。また、現在の保留記憶数が5以上である場合には、保留4、保留3、保留2及び保留1とアクティブとなるときの色及びの変化の態様を示す保留・アクティブ変化演出パターン(例えば図19の全ての保留・アクティブ変化演出パターン)が決定可能である。
図20は、図17のステップS706にて実行される保留・アクティブ変化演出パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すように、まず、演出制御用CPU120は、現在の保留記憶数に応じて決定可能な保留・アクティブ変化演出パターンを抽出する(ステップS800)。上述したように、現在の保留記憶数が1、2、3、4、5以上のそれぞれに応じて決定可能な保留・アクティブ変化演出パターンは異なっている。
次に、演出制御用CPU120は、保留表示やアクティブ表示における最終的な色(最終色)を決定する(ステップS801)。図21は、最終色の決定割合の一例を示す図である。図21では、最終色は、大当りの期待度が高い順に、金色、緑色、青色となることに対応して、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りの場合には、最終色は、金色、緑色、青色の順で決定割合が高く、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果がハズレの場合には、青色、緑色、金色の順で決定割合が高くなっている。
また、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りの場合には、ハズレの場合よりも最終色が金色となる割合が高い。また、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りの場合と、ハズレの場合とでは、最終色が緑色となる割合が同一であり、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りの場合には、ハズレの場合よりも最終色が青色となる割合が低い。最終色の決定割合の情報は、例えば、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、最終色の決定割合の情報と、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果(大当り、ハズレ)とに基づいて、保留表示やアクティブ表示の色の金色への変化の有無を決定する。
再び、図20に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120は、ステップS800において抽出した保留・アクティブ変化演出パターンの中から更に、最終色がステップS801において決定した最終色に合致する保留・アクティブ変化演出パターンを抽出する(ステップS803)。例えば、図19に示す保留・アクティブ変化演出パターンの中では、QA0−3、QA1−21、QA1−31等が最終色が金色となる保留・アクティブ変化演出パターンであり、QA0−2、QA1−11等が最終色が緑色となる保留・アクティブ変化演出パターンであり、QA0−1、QA1−1、QA2−1等が最終色が青色となる保留・アクティブ変化演出パターンである。
再び、図20に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、保留表示やアクティブ表示における最終色への変化タイミングを決定する(ステップS803)。
ここで、現在の保留記憶数が1の場合には、演出制御用CPU120は、最終色への変化タイミングをアクティブ表示中に決定する。一方、現在の保留記憶数が2以上の場合には、最終色への変化タイミングを保留表示中とアクティブ表示中との何れか一方に決定する。図22は、保留記憶数が2以上である場合の最終色への変化タイミングの決定割合の一例を示す図である。図22では、大当りの期待度が高いほど、アクティブ表示中に最終色へ変化しやすくなっている。具体的には、大当りの期待度が1番目である金色が最終色となる場合には、アクティブ表示中の方が保留表示中よりも金色に変化する割合が高い。また、大当りの期待度が2番目である緑色が最終色となる場合には、アクティブ表示中と保留表示中とで緑色に変化する割合は同一である。また、大当りの期待度が3番目である青色が最終色となる場合には、保留表示中の方がアクティブ表示中よりも青色に変化する割合が高い。保留記憶数が2以上である場合の最終色への変化タイミングの決定割合の情報は、例えばRAM122に記憶されている。現在の保留記憶数が2以上である場合、演出制御用CPU120は、ステップS801で決定した最終色と、最終色への変化タイミングの決定割合の情報とに基づいて、最終色への変化タイミングを保留表示中とアクティブ表示中との何れか一方に決定する。
再び、図20に戻って説明する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS803においてアクティブ表示中に最終色へ変化することを決定したか否かを判定する(ステップS804)。
アクティブ表示中に最終色へ変化することを決定した場合(ステップS804;YES)、演出制御用CPU120は、ステップS802において抽出した保留・アクティブ変化演出パターンの中から更に、アクティブ表示中に最終色へ変化する保留・アクティブ変化演出パターンを抽出する(ステップS805)。例えば、図19に示す保留・アクティブ変化演出パターンの中では、QA0−1〜QA0−3、QA1−11、QA1−21等がアクティブ表示中に最終色へ変化する保留・アクティブ変化演出パターンである。
次に、演出制御用CPU120は、始動入賞に対応する可変表示においてスーパーリーチが実行されるか否かを判定する(ステップS806)。具体的には、演出制御用CPU120は、図16のステップS600において入力が確認された変動カテゴリコマンドがスーパーリーチの実行を示すものである場合には、始動入賞に対応する可変表示においてスーパーリーチが実行されると判定し、変動カテゴリコマンドがスーパーリーチの実行を示すものでない場合には、始動入賞に対応する可変表示においてスーパーリーチが実行されないと判定する。
始動入賞に対応する可変表示においてスーパーリーチが実行される場合(ステップS806;YES)、演出制御用CPU120は、アクティブ表示中におけるアクティブ変化演出の実行タイミングを決定する(ステップS807)。
図23は、アクティブ変化演出の実行タイミングの決定割合の一例を示す図である。図24では、アクティブ変化演出の実行タイミングとして、スーパーリーチの実行前のタイミングと、スーパーリーチの実行中のタイミングとが用意されている。また、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りの場合には、ハズレの場合よりも、スーパーリーチの実行中のタイミングでアクティブ変化演出が実行される割合が高く、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果がハズレの場合には、大当りの場合よりも、スーパーリーチの実行前のタイミングでアクティブ変化演出が実行される割合が高い。アクティブ変化演出の実行タイミングの決定割合の情報は、例えば、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、アクティブ変化演出の実行タイミングの決定割合の情報と、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果(大当り、ハズレ)とに基づいて、アクティブ変化演出の実行タイミングを決定する。
一方、アクティブ表示中に最終色へ変化することを決定していない場合(ステップS804;NO)、換言すれば、保留表示中に最終色へ変化することを決定した場合、演出制御用CPU120は、ステップS802において抽出した保留・アクティブ変化演出パターンの中から更に、保留表示中に最終色へ変化する保留・アクティブ変化演出パターンを抽出する(ステップS808)。例えば、図19に示す保留・アクティブ変化演出パターンの中では、QA1−1、QA1−31、QA2−1等が保留表示中に最終色へ変化する保留・アクティブ変化演出パターンである。
ステップS807において、アクティブ変化演出の実行タイミングを決定した後、ステップS807において、始動入賞に対応する可変表示においてスーパーリーチが実行されないと判定された後(ステップS806;NO)、ステップS808において、保留表示中に最終色へ変化する保留・アクティブ変化演出パターンを抽出した後、演出制御用CPU120は、残った保留・アクティブ変化演出パターンの中から1つの保留・アクティブ変化演出パターンを決定する(ステップS809)。例えば、演出制御用CPU120は、ランダムに1つの保留・アクティブ変化演出パターンを決定する。
再び、図17に戻って説明する。ステップS706における保留・アクティブ変化演出パターンの決定後、又は、ステップS701において保留・アクティブ変化演出を実行しないと判定された場合(ステップS701;NO)、演出制御用CPU120は、保留設定情報を生成し、RAM122に記憶させる(ステップS707)。
図24は、保留設定情報の一例を示す図である。図24に示す保留設定情報は、保留記憶(保留記憶数カウント値)が4の場合の例である。保留設定情報は、保留が最古の保留から数えて何番目であるか(保留設定情報が何番目であるか)を示す保留順位と、保留に対応する始動入賞について保留・アクティブ変化演出を実行することが決定された場合の保留・アクティブ変化演出パターンと、保留に対応する可変表示において、変動カテゴリコマンドにより特定されるスーパーリーチの実行有無を示すスーパーリーチ有無情報と、保留に対応する可変表示においてスーパーリーチが実行され、且つ、アクティブ変化演出が実行される場合においてアクティブ変化演出がスーパーリーチの実行中及び実行前の何れのタイミングで実行されるかを示すアクティブ変化演出タイミング情報とを含む。
例えば、保留1及び保留3の保留設定情報は、保留・アクティブ変化演出パターンが実行される場合の情報であり、保留2及び保留4の保留設定情報は、保留・アクティブ変化演出パターンが実行されない場合の情報である。また、保留1の保留設定情報は、対応する可変表示においてスーパーリーチが実行され、且つ、アクティブ変化演出が実行される場合においてアクティブ変化演出がスーパーリーチの実行前のタイミングで実行される場合の情報である。
新たに生成された保留設定情報は、既に記憶されている最大の保留順位に対応する保留設定情報の次の保留順位の保留設定情報として記憶される。また、保留設定情報は、対応する保留の可変表示が開始される際に消去され、残りの保留設定情報の保留順位が繰り上がる。
再び、図16に戻って説明する。ステップS602における保留設定情報の追加処理の後、演出制御用CPU120は、保留表示又はアクティブ表示を追加する処理を行う(ステップS603)。ここで、図16のステップS702において保留記憶数が1であると判定され、且つ、特図ゲーム開始の条件が成立している場合には、演出制御用CPU120は、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示を追加する制御を行い、それ以外の場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留順位に応じた保留表示を追加する制御を行う。特図ゲーム開始の条件とは、上述したように、第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件と第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件とがある。例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了して画像表示装置5において可変表示が実行されておらず、デモ画像等が表示されている場合、第1開始条件や第2開始条件は成立した状態となる。
例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき保留表示やアクティブ表示の内容(初期状態として白色の表示)を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成し、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示を表示させ、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示を表示させる。
再び、図15に戻って説明する。ステップS160における先読み処理の後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
図25は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
なお、演出制御用CPU120は、リーチの態様、大当り、ハズレ等の遊技状態に応じて中確定飾り図柄を保留変化図柄に決定する確率を異ならせてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、スーパーリーチで且つハズレの場合に50%の確率で中確定飾り図柄を保留変化図柄に決定し、スーパーリーチで且つ大当りの場合に70%の確率で中確定飾り図柄を保留変化図柄に決定するようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、どの可変表示のときに、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするかを決定してもよい。例えば、保留記憶数毎に、どの可変表示のときに、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするかを決定するためのテーブルを用意しておく。演出制御用CPU120は、保留記憶数に応じたテーブルを参照して、どの可変表示のときに、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするかを決定する。例えば、保留記憶数が4の場合に中確定飾り図柄を保留変化図柄とすることを決定した場合、1つ保留記憶が消化されたときの可変表示、2つ保留記憶が消化されたときの可変表示、3つ保留記憶が消化されたときの可変表示、1つ保留記憶が消化されたときと2つ保留記憶が消化されたときの可変表示等、中確定飾り図柄を保留変化図柄とするタイミングが決定される。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S527において設定された、左確定飾り図柄、右確定飾り図柄、中確定飾り図柄の態様や停止順序の情報は、例えばRAM122に記憶される。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、保留変化演出及びアクティブ変化演出の設定処理を行う(ステップS528)。
図26は、図25のステップS528にて実行される保留・アクティブ変化演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すように、まず、演出制御用CPU120は、次に開始される可変表示(当該可変表示)において保留・アクティブ変化演出が実行されるか否かを判定する(ステップS751)。具体的には、演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されている保留設定情報を参照する。そして、演出制御用CPU120は、保留1の保留設定情報にアクティブ変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンが含まれること、保留2の保留設定情報に保留1において保留変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンが含まれること、保留3の保留設定情報に保留2において保留変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンが含まれること、保留4の保留設定情報に保留3において保留変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンが含まれること、保留5の保留設定情報に保留4において保留変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンが含まれることの何れかを満たす場合、当該可変表示において保留・アクティブ変化演出が実行されると判定する。
当該可変表示において保留・アクティブ変化演出が実行される場合(ステップS751;YES)、演出制御用CPU120は、当該可変表示において保留・アクティブ変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンに基づいて、保留表示やアクティブ表示の色が変化する演出パターンを設定する(ステップS752)。ここで、保留1の保留設定情報に当該可変表示においてアクティブ変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンが含まれており、更に、保留1の保留設定情報に、スーパーリーチの実行前にアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報が含まれる場合と、スーパーリーチの実行中にアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報が含まれる場合とを比較すると、演出制御用CPU120は、スーパーリーチの実行前にアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報が含まれる場合には、アクティブ変化演出の期間がT1であって長く、且つ、キャラクタが登場する演出パターンを設定し、スーパーリーチの実行中にアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報が含まれる場合には、アクティブ変化演出の期間がT2であってT1より短く、且つ、キャラクタが登場しない演出パターンを設定する。
更に、演出制御用CPU120は、当該可変表示において保留・アクティブ変化演出を実行することを示す保留・アクティブ変化演出パターンを含まない保留設定情報に対応する保留表示及びアクティブ表示については、色が変化しない演出パターンを設定する(ステップS752)。
一方、当該可変表示において保留・アクティブ変化演出が実行されない場合(ステップS751;NO)、演出制御用CPU120は、保留設定情報に対応する保留表示及びアクティブ表示について、色が変化しない演出パターンを設定する(ステップS753)。
ステップS752の後、演出制御用CPU120は、当該可変表示においてスーパーリーチが実行されるか否かを判定する(ステップS754)。具体的には、演出制御用CPU120は、RAM122に記憶されている保留設定情報を参照し、保留1の保留設定情報にスーパーリーチを実行することを示すスーパーリーチ有無情報が含まれるか否かを判定する。
当該可変表示においてスーパーリーチが実行される場合(ステップS754;YES)、演出制御用CPU120は、当該可変表示におけるスーパーリーチの実行中に、保留表示を消去する演出パターンを設定する(ステップS755)。
ステップS755において保留表示を消去する演出パターンを設定した後、又は、ステップS753において保留表示及びアクティブ表示について、色が変化しない演出パターンを設定した後、演出制御用CPU120は、RAM122内の保留設定情報について、保留1の保留設定情報を消去し、残りの保留設定情報を繰り上げる処理を行う(ステップS756)。これにより、保留2以降の保留設定情報は、それぞれ保留順位が1繰り上がることになる。
再び、図25に戻って説明する。ステップS528における保留・アクティブ変化演出設定処理の後、演出制御用CPU120は、演出パターンの設定処理を行う(ステップS529)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS528及びステップS529において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
更に、演出制御用CPU120は、可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示やアクティブ表示エリア5HAにおけるアクティブ表示を更新するための設定を行う(ステップS533)。ここで、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU120は、保留順位1に対応する保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつ移動(シフト)させる。一方、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が表示されておらず、アクティブ表示エリア5HAにおけるアクティブ表示のみが表示されている場合、演出制御用CPU120は、表示の更新を行わない。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
再び、図15に戻って説明する。ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
図27及び図28は、可変表示中にアクティブ変化演出が実行される場合の表示の一例を示す図である。図27は、保留設定情報に、図19における保留・アクティブ変化演出パターンQA3−11と、スーパーリーチを実行することを示すスーパーリーチ有無情報と、スーパーリーチの実行前においてアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報とが含まれる場合の例である。一方、図28は、保留設定情報に、図19における保留・アクティブ変化演出パターンQA2−11と、スーパーリーチを実行することを示すスーパーリーチ有無情報と、スーパーリーチの実行前においてアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報とが含まれる場合の例である。
図27の表示においては、まず、図27(A)に示すように、可変表示に、保留順位2に対応する保留表示が青色で表示されている。その後、2回の可変表示を経て青色の保留表示がシフトし、図27(B)に示すように青色のアクティブ表示が表示される。ここで、対応する保留設定情報にスーパーリーチの実行前にアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報が含まれるため、図27(C)に示すように、期間がT1であって長く、且つ、キャラクタ200が登場するアクティブ変化演出が実行され、図27(D)に示すように、アクティブ表示の色が青から緑に変化する。また、それまで表示されていた保留表示が消去される。
一方、図28の表示においては、まず、図28(A)に示すようにスーパーリーチの実行が開始されると、対応する保留設定情報にスーパーリーチの実行中にアクティブ変化演出を実行することを示すアクティブ変化演出タイミング情報が含まれるため、図28(B)に示すように、期間がT2であって長く、且つ、キャラクタ200が登場しないアクティブ変化演出が実行され、図28(C)に示すように、アクティブ表示の色が緑から金に変化する。更に、可変表示が終了すると、図28(D)に示すように、飾り図柄が停止表示される。
再び、図15に戻って説明する。ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
以上、本実施形態によれば、画像表示装置5のアクティブ表示エリア5HAには、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示が表示されるとともに、当該アクティブ表示の態様(色)が変化するアクティブ変化演出が実行される。実行中の可変表示においてスーパーリーチの演出が実行される場合には、アクティブ変化演出は、スーパーリーチの実行前と実行中の何れか一方又は双方において実行可能である。そして、スーパーリーチ実行前にアクティブ変化演出が実行される場合とスーパーリーチ実行中にアクティブ変化演出が実行される場合とでは演出の態様が異なる。
より具体的には、スーパーリーチ実行前にアクティブ変化演出が実行される場合には、演出期間が長く、且つ、キャラクタ200が登場して表示領域が大きくなり、一方、スーパーリーチ実行中にアクティブ変化演出が実行される場合には、演出期間が短く、且つ、キャラクタ200が登場せず表示領域が小さくなる。このため、アクティブ変化演出がスーパーリーチの演出の妨げになり、スーパーリーチの演出効果が損なわれることが防止され、興趣を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、始動入賞記憶表示エリア5Hには保留表示が表示されるが、スーパーリーチの実行中には、当該保留表示は消去される。このため、遊技者にスーパーリーチやアクティブ表示を注目させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、アクティブ表示や保留表示には、他の色よりも大当りの期待度が高い金色の表示となる場合があり、アクティブ変化演出において金色の表示に変化する割合が保留変化演出において金色の表示に変化する割合よりも高くなっている。このように、アクティブ変化演出と保留変化演出とにおいて、特別な色である金色の表示を出現させるとともに、金色の表示に変化する割合を異ならせることにより、保留・アクティブ変化演出の態様を増やして興趣を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、スーパーリーチ実行前にアクティブ変化演出が実行される場合と、スーパーリーチ実行中にアクティブ変化演出が実行される場合とを比較すると、大当りの場合にはスーパーリーチ実行中においてアクティブ変化演出が実行される割合がスーパーリーチ実行前においてアクティブ変化演出が実行される割合よりも高く、ハズレの場合にはスーパーリーチ実行中においてアクティブ変化演出が実行される割合がスーパーリーチ実行前においてアクティブ変化演出が実行される割合よりも低くなっている。これにより、遊技者は大当りとなることを期待してアクティブ変化演出のタイミングに注目するようになり、興趣が向上する。
また、本実施形態によれば、画像表示装置5の画面上において、当該始動入賞記憶表示エリア5Hに近接してアクティブ表示エリア5HAが配置され、アクティブ表示は保留表示に近接して表示される。これにより、保留表示が消去された場合に、遊技者にアクティブ表示を注目させることが可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、スーパーリーチ演出が実行され、且つ、アクティブ変化演出が実行される場合、アクティブ変化演出の実行タイミングをスーパーリーチ実行前とスーパーリーチ実行中とに分けたが、スーパーリーチ実行中とスーパーリーチ実行後とに分けてもよい。この場合には、スーパーリーチ実行後にアクティブ変化演出が実行される場合には、演出期間が長く、且つ、キャラクタ200が登場して表示領域が大きくなり、一方、スーパーリーチ実行中にアクティブ変化演出が実行される場合には、演出期間が短く、且つ、キャラクタ200が登場せず表示領域が小さくなるようにすればよい。
また、上記実施形態では、スーパーリーチ演出が実行され、且つ、アクティブ変化演出が実行される場合、スーパーリーチ実行前とスーパーリーチ実行中との何れか一方においてアクティブ変化演出が実行されるようにしたが、スーパーリーチ実行前及びスーパーリーチ実行中の双方でアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。更には、スーパーリーチ実行中及びスーパーリーチ実行後の何れか一方又は双方でアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、スーパーリーチ実行前のアクティブ変化演出の期間の方がスーパーリーチ実行中のアクティブ変化演出の期間よりも長いものとして説明したが、スーパーリーチ実行中のアクティブ変化演出の期間の方がスーパーリーチ実行前又はスーパーリーチ実行後のアクティブ変化演出の期間よりも長くなるようにしてもよい。この場合には、スーパーリーチ実行中のアクティブ変化演出の期間を長くすることでスーパーリーチ中の演出をより盛り上げることが可能となる。
また、上記実施形態では、スーパーリーチ実行前のアクティブ変化演出の表示領域の方がスーパーリーチ実行中のアクティブ変化演出の表示領域よりも大きいものとして説明したが、スーパーリーチ実行中のアクティブ変化演出の表示領域の方がスーパーリーチ実行前又はスーパーリーチ実行後のアクティブ変化演出の表示領域よりも大きくなるようにしてもよい。この場合には、スーパーリーチ実行中のアクティブ変化演出の表示領域を大きくすることでスーパーリーチ中の演出をより盛り上げることが可能となる。
また、上記実施の形態では、アクティブ変化演出や保留変化演出が実行される場合には、必ずアクティブ表示や保留表示の色が変化するようにしたが、アクティブ変化演出や保留変化演出においていわゆるガセの演出が実行され、一旦はアクティブ表示や保留表示の色が変化するがその後元の色に戻るような態様であってもよい。
また、上記実施の形態では、アクティブ変化演出や保留表示変化演出においてアクティブ表示や保留表示の色が変化するようにしたが、アクティブ表示や保留表示の大きさや形状が変化する等、アクティブ表示や保留表示が様々な態様で変化するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、アクティブ表示や保留表示の色である金色、緑色、青色は、アクティブ表示及び保留表示の双方で用いることができるが、アクティブ表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよく、保留表示の保留表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよい。
また、アクティブ変化演出においてアクティブ表示が変化する場合には、スーパーリーチの実行中と実行中以外とにおいて演出時間や表示領域が異なるようにしたが、これらに限定されない。例えば、アクティブ表示において出力される音が、スーパーリーチの実行中は出力されず、実行中以外には出力される等、スーパーリーチの実行中は、当該スーパーリーチの演出効果が損なわれない態様で、アクティブ変化演出が実行されるようにすればよい。
また、上記実施形態では、図18に示す保留・アクティブ変化演出の実行割合を用いることにより、大当りの場合とハズレの場合とで保留・アクティブ変化演出の実行割合を異ならせたが、これに限定されない。例えば、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンに基づいて、始動入賞に対応するリーチ演出の有無で保留・アクティブ変化演出の実行割合を異ならせて、リーチ演出が実行される場合には、リーチ演出が実行されない場合よりも保留・アクティブ変化演出の実行割合を高くしてもよい。また、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンが示す変動時間に基づいて、保留・アクティブ変化演出の実行割合を異ならせて、変動時間が所定時間以上の場合には、所定時間未満の場合よりも保留・アクティブ変化演出の実行割合を高くしてもよい。
また、上記実施の形態では、図21に示す最終色の決定割合を用いることにより、大当りの場合とハズレの場合とで最終色が金色となる割合を異ならせたが、これに限定されない。例えば、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンに基づいて、始動入賞に対応するリーチ演出の有無で最終色が金色となる割合を異ならせて、リーチ演出が実行される場合には、リーチ演出が実行されない場合よりも最終色が金色となる割合を高くしてもよい。また、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンが示す変動時間に基づいて、最終色が金色となる割合を異ならせて、変動時間が所定時間以上の場合には、所定時間未満の場合よりも最終色が金色となる割合を高くしてもよい。
また、上記実施形態では、図23に示すアクティブ変化演出の実行タイミングの決定割合を用いることにより、大当りの場合とハズレの場合とでアクティブ変化演出の実行タイミングの決定割合を異ならせたが、これに限定されない。例えば、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンが示す変動時間に基づいて、アクティブ変化演出の実行タイミングの決定割合を異ならせて、変動時間が所定時間以上の場合には、所定時間未満の場合よりもアクティブ変化演出の実行タイミングがスーパーリーチ中となる割合を高くしてもよい。
また、上記実施形態では、図19に示す保留・アクティブ変化パターンにおいて、始動入賞に対応する可変表示アクティブとなるときのアクティブ表示の色及び色の変化の態様は1つのみ用意されているが、スーパーリーチ中とスーパーリーチ前のそれぞれにおいてアクティブ表示の色及び色の変化の態様が用意されていてもよい。
また、図19に示す保留・アクティブ変化パターンを用いることなく、上述と同様の態様で保留変化演出やアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。例えば、まず、最終色が決定され、その後、図15のステップS171に示す可変表示開始設定処理において、保留表示が移動するシフト表示の制御が行われる毎に、抽選等によってシフト表示後の色が決定されるようにしてもよい。更に、アクティブ表示において必ず最終色となるように、保留順位1に対応する保留表示において最終色になっていない場合には、シフト表示後のアクティブ表示の色を強制的に最終色とするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図20のステップS809において、演出制御用CPU120は、残った保留・アクティブ変化演出パターンの中から1つの保留・アクティブ変化演出パターンを決定する際に、ランダムに決定するようにしたが、これに限定されない。例えば、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りの場合には、当該始動入賞に対応する一連の保留表示とその後のアクティブ表示の過程において、できるだけ後に保留・アクティブ変化演出が実行されるような保留・アクティブ変化演出パターンを優先的に決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
また、上記実施形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
実施の形態2.
以下、第2の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、予告演出の一つとして、ステップアップ演出を実行可能に構成されている。ステップアップ演出とは、段階的に演出が発展していく内容の演出である。例えば、1段階目の演出としてキャラクタが登場した後に、2段階目の演出として異なるキャラクタが登場したりする演出や、背景画像が順次切り替えられていく演出、同じキャラクタが段階的に変化していくような演出である。ステップアップ演出は、一般的に、段階を追う毎に特定遊技状態に制御される可能性が高くなるように構成されている。すなわち、ステップアップ演出は、大当りである場合に高い段階まで発展することが多い。
この実施の形態では、ステップアップ演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様(すなわち、何段階目まで発展するか)を、可変表示開始設定処理において決定する。例えば、可変表示開始設定処理において、演出パターン設定処理(ステップS529)の後に、演出制御用CPU120は、変動パターンにもとづいて、図29(A)に示すようなステップアップ演出実行決定テーブルを参照し、ステップアップ演出を実行するか否か、実行する場合の演出態様(すなわち、何段階目まで発展するか)を決定するステップアップ演出に関する決定処理を実行する。
図29(A)に示すステップアップ演出実行決定テーブルにおいて特徴的な点は、スーパーリーチを伴わない変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、また表示結果がはずれよりも大当りである方が、ステップアップ演出を実行する割合が高くなっていること、高い段階まで発展する割合が高くなっていることである。このように構成されることにより、ステップアップ演出が実行されることや、どの段階まで発展するかということに対して遊技者に関心を持たせることができる。
また、この実施の形態では、可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、ステップアップ演出に関する決定処理を実行した後に、飾り図柄の停止パターンを決定する図柄停止パターン決定処理を実行する。そして、演出制御用CPU120は、ステップアップ演出に関する決定処理と、図柄停止パターン決定処理とにおいて決定した内容にもとづいて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS530)。
図30は、図柄停止パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。図柄停止パターン決定処理において、演出制御用CPU120は、変動パターンが短縮変動パターンであるか否かを確認し(ステップS1001)、短縮変動パターンでなければ、飾り図柄の停止パターンを通常停止パターンに決定する(ステップS1004)。なお、短縮変動パターンとは、一般的な変動パターンよりも変動期間が短く設定されている変動パターンである。例えば、特定の変動パターンを短縮変動パターンと予め定めておき、ステップS1001において、その特定の変動パターンであるか否かを確認することにより、短縮変動パターンであるか否かを確認するようにしてもよい。また、例えば、ステップS1001において、変動パターンにより特定される変動期間が所定期間よりも短いか否かを確認し、短ければ短縮変動パターンであると判断するようにしてもよい。
変動パターンが短縮変動パターンであれば、演出制御用CPU120は、ステップアップ演出を実行すると決定されているか否かを確認し(ステップS1002)、実行すると決定されていれば、飾り図柄の停止パターンを遅延停止パターンに決定する(ステップS1003)。また、実行すると決定されていなければ、飾り図柄の停止パターンを通常停止パターンに決定する(ステップS1004)。
この実施の形態では、飾り図柄の停止パターンとして、通常停止パターンと遅延停止パターンとが設けられている。また、図30に示すように、この実施の形態では、変動パターンが短縮変動であり、かつステップアップ演出を実行するときに、飾り図柄の停止パターンを遅延停止パターンに決定する。
図31は、通常停止パターンおよび遅延停止パターンの一例を示す説明図である。なお、図31(A)に示す例と、図31(B)に示す例とは、ステップアップ演出の有無が異なるが、変動開始から全ての飾り図柄の変動が停止するまでの変動期間が同じであるものとする。
図31(A)に示す通常停止パターンでは、飾り図柄の変動開始により、左図柄、中図柄および右図柄の高速変動が開始される。そして、最初に、左図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、2秒間)行われ、その後、左図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。次に、右図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、2秒間)行われ、その後、右図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。最後に、中図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、2秒間)行われ、その後、中図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。なお、図31(A)に示す例では、左図柄、中図柄および右図柄の変動のいずれも、停止準備制御が行われる期間が同じであるが、それぞれ停止準備制御が行われる期間が異なっていてもよい。
図31(B)に示す遅延停止パターンでは、飾り図柄の変動開始により、左図柄、中図柄および右図柄の高速変動が開始される。また、飾り図柄の変動開始とともに、ステップアップ演出が開始される(なお、ステップアップ演出は、飾り図柄の変動開始から所定期間経過後に開始されてもよい)。そして、ステップアップ演出が終了すると、一斉に、左図柄、右図柄および中図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、0.5秒間)行われ、その後、左図柄、右図柄および中図柄の変動を停止させる停止制御が同時に行われる。
ここで、図31(A)に示す通常停止パターンと、図31(B)に示す遅延停止パターンとを比較すると、ステップアップ演出が実行される場合(図31(B))には、実行されない場合(図31(A))に比べて、少なくとも最初に変動停止する飾り図柄の停止タイミングが遅くなるように制御する点で差異がある。このような構成により、ステップアップ演出が実行される場合に、ステップアップ演出と、飾り図柄の停止制御とが重なる期間を少なくすることができ、ステップアップ演出の演出効果を高めることができる。
また、ステップアップ演出が実行される場合(図31(B))には、実行されない場合(図31(A))に比べて、飾り図柄を停止表示させるための停止準備制御を開始する時点から飾り図柄を停止表示する時点までの停止準備期間(図31の例では減速期間)が短くなるように制御する点で差異がある。このような構成により、飾り図柄の停止タイミングを違和感なく遅らせることができる。なお、図31(B)に示す例に限らず、遅延停止パターンの場合には、停止準備期間(図31の例では減速期間)が設けられていなくてもよい。すなわち、変動速度を減速する制御が行われることなく、停止制御を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、変動パターンが短縮変動パターンであり、ステップアップ演出が実行される場合(図31(B))に、少なくとも最初に変動停止する飾り図柄の停止タイミングが遅くなるように制御する。そのため、変動期間が短い場合にも変動表示を長く見せることができるとともに、ステップアップ演出を実行する期間を長く確保することができる。
なお、例えば、変動パターンが短縮変動パターンの場合には、ステップアップ演出が実行されない場合であっても、通常の変動パターンの場合に比べて、少なくとも複数の飾り図柄のうちの最初に停止表示される飾り図柄の停止タイミングが遅くなるように制御してもよい。例えば、通常の変動パターンの場合には、変動期間のうちの7割が経過した時点で一つ目の飾り図柄が停止表示されるのに対し、短縮変動パターンの場合には、変動期間のうちの9割が経過した時点で一つ目の飾り図柄が停止表示されるように制御してもよい。つまり、この実施の形態では、停止タイミングが遅いとは、基準となるものと比較して、変動開始から変動停止までの期間が長いということに加えて、最初に停止表示される飾り図柄の変動期間が、全変動期間(すなわち変動開始から全ての飾り図柄が変動停止するまで)に占める割合が高いということを含む概念である。
また、この実施の形態では、ステップアップ演出が実行される場合(図31(B))には、ステップアップ演出の終了後に、全ての飾り図柄の停止準備制御を開始する。そのため、飾り図柄の停止準備制御がステップアップ演出の妨げとなってしまうことを防止することができる。
なお、図31(B)に示すような、ステップアップ演出が実行される場合には、ステップアップ演出の終了後に、全ての飾り図柄の停止準備制御を開始する構成に限らず、例えば、ステップアップ演出の終了タイミングに応じて、停止準備制御を開始する飾り図柄の数を異ならせる構成であってもよい。
図32は、第1遅延停止パターンおよび第2遅延停止パターンの一例を示す説明図である。図32(A)には、ステップアップ演出の実行期間が比較的短い場合(例えば、第1段階または第2段階まで発展する場合)に適用される遅延停止パターンとして、第1遅延停止パターンが示されている。なお、一般的に、ステップアップ演出の実行期間は、ステップアップ演出の演出態様(すなわち、何段階目まで発展するか)に応じて異なり、高い段階まで発展するほど長くなる。
図32(A)に示す第1遅延停止パターンでは、飾り図柄の変動開始により、左図柄、中図柄および右図柄の高速変動が開始される。また、飾り図柄の変動開始とともに、ステップアップ演出が開始される。そして、ステップアップ演出が第1段階または第2段階で終了すると(すなわち、比較的早く終了すると)、左図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、0.5秒間)行われ、その後、左図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。次に、右図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、0.5秒間)行われ、その後、右図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。最後に、中図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、0.5秒間)行われ、その後、中図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。
図32(B)には、ステップアップ演出の実行期間が比較的長い場合(例えば、第3段階または第4段階まで発展する場合)に適用される遅延停止パターンとして、第2遅延停止パターンが示されている。
図32(B)に示す第2遅延停止パターンでは、飾り図柄の変動開始により、左図柄、中図柄および右図柄の高速変動が開始される。また、飾り図柄の変動開始とともに、ステップアップ演出が開始される。そして、ステップアップ演出が第3段階または第4段階で終了すると(すなわち、比較的遅く終了すると)、左図柄および右図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、0.5秒間)行われ、その後、左図柄および右図柄の変動を停止させる停止制御が同時に行われる。最後に、中図柄の変動速度を減速させる停止準備制御が所定期間(例えば、0.5秒間)行われ、その後、中図柄の変動を停止させる停止制御が行われる。
図32に示すように、ステップアップ演出の終了タイミングが比較的早い場合(例えば、第1段階または第2段階まで発展する場合)には、ステップアップ演出の終了後に、1つの飾り図柄の停止準備制御を開始し(図32(A))、ステップアップ演出の終了タイミングが比較的遅い場合(例えば、第3段階または第4段階まで発展する場合)には、2つの飾り図柄の停止準備制御を同時に開始する(図32(B))ようにしてもよい。また、ステップアップ演出の終了タイミングが最も遅い場合(例えば、第5段階まで発展する場合)には、図31(B)に示すように、ステップアップ演出の終了後に、3つの飾り図柄の停止準備制御を同時に開始するようにしてもよい。
すなわち、ステップアップ演出の終了タイミングに応じて、停止準備制御を開始する飾り図柄の数を異ならせるようにしてもよい。このように構成することにより、終了タイミングに合わせた停止準備制御を行うことができ、ステップアップ演出を実行する期間と、各飾り図柄の停止準備制御および停止制御を実行する期間とを最大限に確保することができる。
なお、図32に示す例では、ステップアップ演出の演出態様(すなわち終了タイミング)をグループ分けし(具体的には、第1段階または第2段階と、第3段階または第4段階)、グループごとに、ステップアップ演出後に停止準備制御を開始する飾り図柄の数を異ならせているが、これに限らず、演出態様ごと(すなわち終了タイミングごと)に、ステップアップ演出後に停止準備制御を開始する飾り図柄の数を異ならせるようにしてもよい。
また、ステップアップ演出の終了タイミングに応じて、停止準備制御を開始する飾り図柄の数を異ならせることに加えて、または代えて、停止準備制御を開始するタイミングや、停止準備制御を行う期間なども異ならせるようにしてもよい。さらに、図32に示す例では、左図柄、中図柄および右図柄の変動のいずれも、停止準備制御が行われる期間が同じであるが、それぞれ停止準備制御が行われる期間が異なっていてもよい。
また、ステップアップ演出が実行される場合であっても、ステップアップ演出の終了タイミングが所定のタイミングより早い場合(例えば、第1段階までしか発展しない場合には、図柄停止パターンを遅延停止パターンではなく、通常停止パターンとするようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、複数の識別情報(本例では、飾り図柄)の可変表示を実行可能であり、所定演出(本例では、ステップアップ演出)が実行される場合に、実行されない場合に比べて、少なくとも複数の識別情報のうちの最初に停止表示する識別情報の停止タイミングが遅くなるように制御する(本例では、遅延停止パターンの場合には、通常停止パターンの場合に比べて、少なくとも左図柄の停止タイミングが遅い。図31参照)。そのため、所定演出が実行される場合に、所定演出と、識別情報の停止タイミングとが重なる期間を少なくすることができ、所定演出の演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、所定演出が実行される場合に、実行されない場合に比べて、識別情報を停止表示させるための停止準備制御(本例では、変動速度を減速させる制御)を開始する時点から識別情報を停止表示する時点までの停止準備期間が短くなるように制御する(本例では、遅延停止パターンの場合には、通常停止パターンの場合に比べて、減速期間が短い(減速期間0であってもよい)。図31参照)。そのため、識別情報の停止タイミングを違和感なく遅らせることができる。
また、この実施の形態では、可変表示期間が所定期間よりも短い可変表示の実行中(本例では、短縮変動パターンの変動中)に所定演出が実行される場合に、少なくとも複数の識別情報のうちの最初に停止表示される識別情報の停止タイミングが遅くなるように制御する。そのため、可変表示期間が短い場合にも可変表示を長く見せることができるとともに、所定演出を実行する期間を長く確保することができる。
なお、この実施の形態では、可変表示期間が所定期間よりも短い可変表示の実行中(本例では、短縮変動パターンの変動中)に所定演出が実行される場合に、少なくとも複数の識別情報のうちの最初に停止表示される識別情報の停止タイミングが遅くなるように制御するが、例えば、可変表示期間が所定期間よりも短い可変表示の実行中であれば、所定演出が実行されない場合であっても、少なくとも複数の識別情報のうちの最初に停止表示される識別情報の停止タイミングが遅くなるように制御してもよい。また、可変表示期間が所定期間よりも長い可変表示の実行中(本例では、短縮変動パターンではなく通常の変動パターンの変動中)であっても、所定演出が実行される場合には、少なくとも複数の識別情報のうちの最初に停止表示される識別情報の停止タイミングが遅くなるように制御してもよい。ただし、この場合であっても、スーパーリーチを伴うような可変表示期間が十分に長い変動パターンの場合には、停止準備期間が短くなるような制御や、停止タイミングが遅くなるような制御をしないようにしてもよい。
この実施の形態において、停止タイミングが遅いとは、基準となるものと比較して、可変表示の開始から停止表示までの期間が長いということに加えて、最初に停止表示される識別情報の可変表示期間が、全可変表示期間(すなわち可変表示の開始から全ての識別情報が停止表示するまで)に占める割合が高いということを含む概念である。
また、この実施の形態では、所定演出の終了後に、全ての識別情報の停止準備制御を開始する(図31(B)参照)。そのため、識別情報の停止準備制御が所定演出の妨げとなってしまうことを防止することができる。
なお、所定演出の終了タイミングに応じて、異なる数の識別情報の停止準備制御を開始するようにしてもよい(図32参照)。このようにすることにより、終了タイミングに合わせた停止準備制御を行うことができ、所定演出を実行する期間と、各識別情報の停止準備制御および停止制御を実行する期間とを最大限に確保することができる。
この実施の形態では、所定演出として、1種類のステップアップ演出を実行可能としているが、複数種類のステップアップ演出(例えば、種類ごとに登場するキャラクタが異なる)を実行可能としてもよい。この場合、ステップアップ演出の種類ごとに、ステップアップ演出の終了後に、全ての飾り図柄の停止準備制御を開始するようにしたり、ステップアップ演出の終了タイミングに応じて、停止準備制御を開始する識別情報の数を異ならせるようにしたりしてもよい。また、例えば、各ステップアップ演出の終了タイミングを同じタイミングにすることにより、共通の図柄停止パターンを適用できるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定演出として、ステップアップ演出を実行可能とし、ステップアップ演出の終了後に、全ての飾り図柄の停止準備制御を開始する構成や、ステップアップ演出の終了タイミングに応じて、停止準備制御を開始する識別情報の数を異ならせる構成について説明したが、このような構成に限らず、ステップアップ演出以外の演出(例えば、セリフ演出やカットイン演出、ボタン演出など)についても適用可能である。例えば、所定演出として、遊技者の動作が検出されたことにもとづいて演出を行うボタン演出を実行可能とし、遊技者の動作が検出されたことにもとづいて演出が行われた後に、全ての飾り図柄の停止準備制御を開始するようにしてもよいし、遊技者の動作が検出されたタイミング(またはボタン演出の終了タイミング)に応じて、停止準備制御を開始する識別情報の数を異ならせるようにしてもよい。
また、所定演出の終了タイミングに応じて、異なる数の識別情報の停止準備制御を開始する構成に代えて、または加えて、所定演出の態様や種類に応じて、異なる数の識別情報の停止準備制御を開始する構成としてもよい。具体的には、セリフ演出の態様(例えば、セリフの数や長さ)に応じて、停止準備制御を開始する識別情報の数を異ならせるようにしてもよいし、セリフ演出とカットイン演出とで、停止準備制御を開始する識別情報の数を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態で説明した構成に加えて、先読み予告演出の一種であるチャンス目予告を実行可能としてもよい。チャンス目予告は、例えば、始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などにもとづいて、予告対象となる可変表示が実行されるより前に、特定の組み合わせの飾り図柄を導出表示する演出を実行することにより、大当りとなる可能性を予告可能な予告演出である。
チャンス目予告は、図柄停止パターンが遅延停止パターンの場合にも、実行可能であってよい。すなわち、遅延停止パターンにより、特定の組み合わせの飾り図柄が導出表示されてもよい。ただし、チャンス目予告が実行される場合とされない場合とで、ステップアップ演出を実行する割合を異ならせることが望ましい。例えば、図29(B)に示すステップアップ演出実行決定テーブル(チャンス目予告実行あり)を用いて、ステップアップ演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
図29(B)に示すステップアップ演出実行決定テーブル(チャンス目予告実行あり)は、図29(A)に示すステップアップ演出実行決定テーブルに比べて、ステップアップ演出が実行される割合が低くなるように構成されている。このように構成されることにより、チャンス目予告が実行される場合には、ステップアップ予告演出の実行頻度が低下し(つまり、図柄停止パターンが遅延停止パターンとなる割合が低下し)、チャンス目予告により特定の組み合わせの飾り図柄が導出表示されることに注目させることができる。
なお、図29(B)に示すステップアップ演出実行決定テーブル(チャンス目予告実行あり)では、チャンス目予告が実行される場合にもステップアップ演出を実行可能に構成されているが、チャンス目予告が実行される場合にはステップアップ演出を実行しないように構成してもよい。
すなわち、この実施の形態において、少なくとも複数の識別情報のうちの最初に停止表示される識別情報の停止タイミングが遅くなるように制御される場合(本例では、図柄停止パターンが遅延停止パターンの場合)にも、予告演出(本例では、チャンス目予告)を実行可能であり、予告演出が実行される場合と実行されない場合とで、所定演出が実行される割合が異なるようにしてもよい(図29参照)。このような構成により予告演出の演出効果を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記の第2の実施の形態に示した構成については、一部の構成のみを第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよいし、全ての構成を第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよい。