以下、図面を参照して、本発明の情報処理装置の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像処理システムの概略構成を示す図である。図1において、第1実施形態の画像処理システムSは、情報処理装置1、第1の撮像装置2、第2の撮像装置3及び画像表示装置4を備える。
情報処理装置1は、これら第1及び第2の撮像装置2、3により撮像された画像ファイルを取り込み、これら画像ファイルに関連付けられた位置特定データを近似位置特定データに変更する。情報処理装置1の詳細については後述する。第1の撮像装置2は、被写体を撮像して画像ファイルを生成し、その際、この画像ファイルの一部に撮像時刻データ及び位置特定データを付与する。第1の撮像装置2は、例えばスマートフォンやGPS装置が搭載されたデジタルスチルカメラである。第2の撮像装置3は、被写体を撮像して第2の画像ファイルを生成し、その際、この第2の画像ファイルの一部に撮像時刻データを付与する。第2の撮像装置3は、例えばGPS装置が搭載されていないデジタルスチルカメラである。
なお、第2の撮像装置3のように、被写体を撮像して画像ファイルを生成する際にこの画像ファイルの一部に位置特定データを付与する機能を有しない場合であっても、ユーザが位置特定データを逐次取得する装置を同時に携帯し、この装置が取得した位置特定データを後日画像ファイルにマッチングさせる装置が知られている(一例としてソニー株式会社製 GPSユニットキット GPS−CS3K(「GPS-CS3K|GPSユニット|ソニー株式会社」[平成25年9月26日検索]、インターネット<URL: http://www.sony.jp/gps/products/GPS-CS3K/index.html>)。従って、第2の撮像装置3により撮像された画像ファイルであっても、後日位置特定データを付加することが可能であるので、以下の説明では、第1及び第2の撮像装置2、3のいずれで撮像された画像ファイルであるかについては特段区別せずに説明を行う。すなわち、第1及び第2の撮像装置2、3のいずれで撮像された画像ファイルであっても、この画像ファイルの一部に撮像時刻データ及び位置特定データが付与されたものとして説明を行う。
第1の撮像装置2によって撮像された画像ファイルは、無線LAN等の無線通信手段を介して情報処理装置1に取り込まれる。また、第2の撮像装置3によって撮像された画像ファイルは、一例として、データ転送ケーブルの一例であるUSB(Universal Serial Bus)ケーブル5を介して情報処理装置1に取り込まれる。あるいは、第1、第2の撮像装置2、3によって撮像された画像ファイルはメモリーカード6に格納され、このメモリーカード6が情報処理装置1に挿入されることにより情報処理装置1に取り込まれる。
画像表示装置4は、一例として、データ転送ケーブルの一例であるHDMI(High Definition Multimedia Interface:登録商標)ケーブル7により情報処理装置1に接続されている。情報処理装置1から出力される表示画面生成用信号はこのHDMIケーブル7を介して画像表示装置4に入力され、画像表示装置4は、入力された表示画面生成用信号に基づいてその表示画面4aに画像を表示する。あるいは、画像表示装置4は、コンポジット映像信号の送受信が可能なRCA端子を有するケーブル、S端子を有するケーブルにより情報処理装置1に接続されてもよく、さらには、画像表示装置4は、コンポーネント映像信号の送受信が可能なD端子を有するケーブルにより情報処理装置1に接続されてもよい。あるいは、画像表示装置4は、無線LAN等の無線通信手段を介して情報処理装置1に接続されてもよい。画像表示装置4は、例えばTV、モニタ、スマートフォンやタブレット端末である。
(第1実施形態の情報処理装置の構成)
図2は、本発明の第1実施形態である画像処理システムを構成する情報処理装置1の概略構成を示すブロック図である。図2において、本実施形態の情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、入出力デバイス13、HDMIインタフェース(I/F)14、ネットワークインタフェース(I/F)15、HDD(Hard Disk Drive)部16及び無線LANインタフェース(I/F)17を備えており、これらはバスにより互いに接続されている。
CPU10は、後述するROM11内に格納されたファームウェア等のプログラムが実行されることにより、情報処理装置1全体の制御を行う。また、CPU10は、ROM11内に格納されたプログラムが実行されることにより、図4に示すような各機能部としても動作する。図4に示す各機能部の動作については後述する。ROM11には、上述したファームウェア等のプログラムが格納されている。RAM12は情報処理装置1のワークメモリとして機能し、CPU10を含めた情報処理装置1の動作時に一時的に使用されるプログラム、データ等が格納される。
入出力デバイス13は、入力インタフェース(I/F)13a、入力指示部13b、カードインタフェース(I/F)13c及びUSBインタフェース(I/F)13dを備える。入力インタフェース13aには入力指示部13b及び入力機器20が接続され、ユーザが入力指示部13bまたは入力機器20を操作することにより入力される入力信号を受信する。入力指示部13bとしては、例えば画像取り込み指示ボタン等が挙げられ、また、入力機器20としては、例えばリモコン、キーボード、マウス等が挙げられる。カードインタフェース13cはカードスロット(図略)を備え、このカードスロットに挿入されたメモリーカード6に対してデータの読み出し/書き込みを行う。メモリーカード6の形式に限定はなく、一例としてmini、microを含むSDメモリーカード、メモリースティック(登録商標)が好適に挙げられる。USBインタフェース13dはUSBコネクタ(図略)を備え、このUSBコネクタに直接、あるいはUSBケーブル5を介して接続されたUSB機器21に対して、USB2.0またはUSB3.0規格に沿ったデータの読み出し/書き込みを行う。USB機器21としては、USBフラッシュメモリ、USBインタフェースを備えた第2の撮像装置3が挙げられる。
HDMIインタフェース14はHDMIコネクタ(図略)を備え、このHDMIコネクタにHDMIケーブル(図略)を介して接続されたHDMI出力機器22に対してAVストリーム(映像信号及び音声信号)を出力する。HDMI出力機器22としては、例えば画像表示装置4が挙げられる。ネットワークインタフェース15はネットワークコネクタ(図略)を備え、このネットワークコネクタにネットワークケーブル(図略)を介してルータ23が接続され、このルータ23がインターネット等のWAN(Wide Area Network)8に接続されることで、外部ネットワークとの間でデータの送受信がされる。このネットワークインタフェース15は、例えばIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3規格に基づく有線通信を行うものである。
HDD部16は、HDD16bとHDDインタフェース(I/F)16aとを備える。HDD16bは、記録媒体であるディスクと、このディスクの回転を行う回転部と、ディスクに対してデータの読み出し/書き込みを行うヘッド部とを備える(いずれも不図示)。HDDインタフェース16aは、このHDD16bに対するデータの読み出し/書き込み指令があった場合に、HDD16b全体の制御を行うとともに、データの読み出し/書き込み制御を行い、読み出されたデータを出力する。また、このHDD16bには、第1及び第2の撮像装置2、3から取り込んだ画像ファイル70、近似位置特定データテーブル71及び登録テーブル72が格納されている。
画像ファイル70をHDD16bに格納する手法は任意であるが、一例として、上述のように第1及び第2の撮像装置2、3が撮像して得られた画像ファイルをメモリーカード6内に格納し、このメモリーカード6をカードインタフェース13cのカードスロットに挿入して、入力指示部13bが操作されたことによりこのメモリーカード6内に格納された画像ファイルをHDD16b内に取り込む手法が挙げられる。また、画像ファイルを撮像した第2の撮像装置3に接続されたUSBケーブル5をUSBインタフェース13dのUSBコネクタに挿入して、入力指示部13bが操作されたことにより第2の撮像装置3内に格納された画像ファイルをHDD16b内に取り込んでもよい。また、第1の撮像装置2と情報処理装置1の無線LANインタフェース17との間で無線通信を確立して、第1の撮像装置2からの指示により第1の撮像装置2内に格納された画像ファイルを無線通信経由でHDD16b内に取り込んでもよい。さらに、WAN8に存在する画像ファイルをルータ23及びネットワークインタフェース15を介してHDD16b内に取り込んでもよい。画像ファイル70、近似位置特定データテーブル71及び登録テーブル72の詳細な構成については後述する。なお、図2において画像ファイル70は1つのみ図示されているが、本実施例において画像ファイル70は複数個HDD16b内に格納されていてもよい。
無線LANインタフェース17は、例えばIEEE802.11規格に準拠して無線LANクライアント25と無線通信を行う。この無線LANインタフェース17は、情報処理装置1を無線LANアクセスポイントとして動作させることが可能である。無線LANクライアント25としては、例えば第1の撮像装置2が挙げられる。
(第1実施形態の撮像装置の構成)
図3は、第1実施形態の画像処理システムを構成する第1の撮像装置2の概略構成を示すブロック図である。図3において、第1の撮像装置2は、CPU(Central Processing Unit)30、ROM(Read Only Memory)31、RAM(Random Access Memory)32、液晶ドライバ330、液晶パネル331、モジュールドライバ340、カメラモジュール341、移動体通信モジュール350、音声インタフェース(I/F)351、マイクロフォン352、スピーカ353、アンテナ354、入力インタフェース(I/F)360、タッチパネル361、内部ストレージ部37、GPSモジュール380、GPSアンテナ381、USB(Universal Serial Bus)インタフェース39及び無線LANインタフェース40を備え、CPU30、ROM31、RAM32、液晶ドライバ330、モジュールドライバ340、移動体通信モジュール350、入力インタフェース360、内部ストレージ部37、GPSモジュール380、USBインタフェース39及び無線LANインタフェース40はそれぞれ共通のバスにより接続されている。
CPU30は、ROM31内に格納されたファームウェア等のプログラムがRAM32において展開された後で実行されることで、第1の撮像装置2全体の動作制御を行う。また、CPU30は図略の内部時計を備える。ROM31には、上述のファームウェア等のプログラムや、各種設定データが格納されている。RAM32は、第1の撮像装置2のワークメモリとして動作し、各種プログラム及びデータが一時的に格納される。
液晶パネル331は、その表示面が第1の撮像装置2の表面に露出して設けられている。液晶ドライバ330は、表示画面を構成するデータがCPU30からこの液晶ドライバ330に供給されると、液晶パネル331の表示面に所望の表示画面を表示するようにこの液晶パネル331を駆動する。
カメラモジュール341は、第1の撮像装置2の外方に存在する被写体を撮像可能であり、撮像素子と、この撮像素子に対して被写体を結像させるためのレンズ等の結像部とを含む。好ましくは、結像部は、レンズ等の結像素子を駆動する駆動部を備える。モジュールドライバ340は、カメラモジュール341の撮像素子、結像部の動作を制御する。また、モジュールドライバ340は、カメラモジュール341からの出力信号を受け、この出力信号に基づいて、被写体を撮像した画像データを生成して出力する。
移動体通信モジュール350は、例えばIMT(International Mobile Telecommunication)−2000規格に準拠して、アンテナ354を介して移動体通信網との間で移動体無線通信を行う。すなわち、移動体通信モジュール350は、移動体通信網の基地局から受信した電波をデコードして得られた音声信号を、音声インタフェース351を介してスピーカ353から発音させ、音声インタフェース351を介してマイクロフォン352が集音した音声をエンコードして、アンテナ354を介して電波として移動体通信網の基地局に送信する。また、移動体通信モジュール350は、パケット化されたデータを移動体通信網の基地局との間で送受信をすることで、データ通信を行う。なお、この移動体通信モジュール350が対応する規格には、3G/HSDPA(3rd Generation/High-Speed Downlink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の少なくとも一つが含まれうる。
タッチパネル361は、本実施形態では液晶パネル331の表示面の上面に重畳されて設けられ、この液晶パネル331の表示面と略同一の大きさを有する。ユーザによりタッチパネル361の表面がタッチされ、すなわち、タッチパネル361の表面上の特定位置がユーザにより触れられたら、タッチパネル361の表面上の特定位置が2次元の座標位置として検出され、この座標位置は入力インタフェース360を介して出力される。
内部ストレージ部37は、内部ストレージ371と内部ストレージインタフェース(I/F)370とを備える。内部ストレージ371は、例えばフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリであり、第1の撮像装置2において用いられるアプリケーションプログラム等が格納される。特に、本実施形態の内部ストレージ371には、第1の撮像装置2による撮像時の位置特定データ及び撮像時刻データが関連付けられた画像ファイル70が適宜格納される。画像ファイル70の詳細については後述する。内部ストレージインタフェース370は、この内部ストレージ371に対するデータの読み出し/書き込み指令があった場合に、内部ストレージ371全体の制御を行うとともに、データの読み出し/書き込み制御を行い、読み出されたデータを出力する。なお、内部ストレージ371は、例えばmicroSDのような挿脱可能な不揮発性メモリーカードであってもよく、この場合、内部ストレージインタフェース370は、このメモリーカードが装着されるメモリカードスロットをさらに備える。
GPSモジュール380は、GPSアンテナ381を通じて受信したGPS衛星からの電波に基づいて、所定の測位手順に則って第1の撮像装置2が現在所在する位置を示す位置特定データである緯度情報、経度情報及び高度情報を算出する。また、GPSモジュール380は、GPS衛星から受信した電波に基づいて、CPU30が内蔵する内部時計を補正するためのデータを取得する。
USBインタフェース39はUSBコネクタ(図略)を備え、このUSBコネクタに直接、あるいはUSBケーブル5を介して接続されたUSB機器に対して、USB2.0またはUSB3.0規格に沿ったデータの読み出し/書き込みを行う。USB機器としては、USBフラッシュメモリ、USBインタフェースを備えた情報処理装置1が挙げられる。
無線LANインタフェース40は、例えばIEEE802.11規格に準拠して無線アクセスポイントと無線通信を行う。この無線LANインタフェース40は、第1の撮像装置2を無線LANクライアントとして動作させることが可能である。無線アクセスポイントとしては、例えば情報処理装置1が挙げられる。
(第1実施形態の情報処理装置の機能構成)
図4は、第1実施形態の情報処理装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。図4において、本実施形態の情報処理装置1は、制御部50、記憶部51、入力部52及び出力部53を備える。
記憶部51には、画像ファイル70、近似位置特定データテーブル71及び登録テーブル72が格納されている。画像ファイル70は画像データ70a、撮像時刻データ70b及び位置特定データ70cを備える。画像ファイル70、近似位置特定データテーブル71及び登録テーブル72の詳細については後述する。
制御部50は、画像取り込み部54、抽出部55、代表地点位置特定データ取得部56、集計部57、近似位置特定データ取得部58、近似位置特定データ決定部59及び近接判断用距離範囲決定部60を備える。
画像取り込み部54は、ユーザからの指示入力、あるいは、情報処理装置1に撮像装置2、3が接続されたことを検知して、この撮像装置2、3から画像ファイル70を取り込み、取り込んだ画像ファイル70を記憶部51に格納する。画像ファイル70の情報処理装置1への取り込み方の詳細については既に説明したので、ここでの説明は省略する。
抽出部55は、所定時間範囲内に存在する撮像時刻データ70bが関連付けられた画像ファイル70を抽出する。より詳細には、抽出部55は、入力部52を介してユーザが入力した時間範囲を受け入れ、この時間範囲内に撮像時刻データ70bが示す撮像日時が存在する画像ファイル70を記憶部51内で検索し、検索された画像ファイル70を記憶部51から抽出する。特に、記憶部51内に複数の撮像装置2、3により撮像された画像ファイル70が格納されている場合、抽出部55は、特定の撮像装置2、3により撮像された画像ファイル70を抽出することが好ましい。あるいは、抽出部55は、予め定められた時間範囲、例えば正月三が日や情報処理装置1の所有者であるユーザの誕生日等事前登録された記念日に基づいて、この時間範囲内に撮像時刻データ70bが示す撮像日時が存在する画像ファイル70を記憶部51内で検索し、検索された画像ファイル70を記憶部51から抽出してもよい。またあるいは、抽出部55は、取り込んだ画像ファイル70に関連付けられた撮像時刻データ70bが明確に区別可能な複数の時間範囲に区分できるときは、いずれかの時間範囲内に撮像時刻データ70bが示す撮像日時が存在する画像ファイル70を記憶部51内で検索し、検索された画像ファイル70を記憶部51から抽出してもよい。抽出部55が抽出した画像ファイル70の各種情報は、代表地点位置特定データ取得部56に送出される。
代表地点位置特定データ取得部56は、抽出部55により抽出された個々の画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに一致または近接する代表地点の位置特定データを取得する。より詳細には、代表地点位置特定データ取得部56は、抽出部55により抽出された画像ファイル70の位置特定データ70cを参照し、この位置特定データ70cで表される位置に一致または所定の距離範囲内にある位置に所在するランドマーク等の代表地点の位置特定データを取得する。代表地点位置特定データ取得部56が取得した代表地点の位置特定データは、記憶部51の近似位置特定データテーブル71に画像ファイル70毎に格納される。
代表地点の位置特定データは、一例として、画像処理システムSにWAN8を介して接続された外部データベースから取得してもよく、あるいは、記憶部51内に、代表地点の位置特定データに関するデータベースを格納して、この記憶部51内のデータベースから取得してもよい。また、画像ファイル70の位置特定データ70cと抽出される代表地点の位置特定データの近接度を設定する、上述した「所定距離」は、例えば入力部52を介してユーザにより設定入力されてもよく、あるいは、情報処理装置1が固定値を保有してもよく、あるいは、代表地点の位置特定データを取得する外部データベース等が適宜決定してもよい。
位置特定データを提供すると、この位置特定データで表される位置に一致または所定の距離範囲内にある位置に所在するランドマーク等の代表地点の名称を提供するWebサービスとして、例えば、ヤフー株式会社が提供する場所情報API(「YOLP(地図);場所情報API - Yahoo!デベロッパーネットワーク」[平成25年9月26日検索]、インターネット<URL:http://developer.yahoo.co.jp/webapi/map/openlocalplatform/v1/placeinfo.html>)が知られている。この場所情報APIを用いて、抽出部55により抽出された画像ファイル70の位置特定データ70cをHTTPプロトコルで提供すると、この位置特定データ70cで表される位置に一致または所定の距離範囲内にある位置に所在するランドマーク等の代表地点の名称が返される。
また、ランドマーク等の代表地点の名称を文字列として提供すると、この代表地点の位置特定データを提供するWebサービスとして、同様に、ヤフー株式会社が提供するコンテンツジオコーダAPI(「YOLP(地図);コンテンツジオコーダAPI - Yahoo!デベロッパーネットワーク」[平成25年9月26日検索]、インターネット<URL:http://developer.yahoo.co.jp/webapi/map/openlocalplatform/v1/contentsgeocoder.html>)が知られている。このコンテンツジオコーダAPIを用いて、ランドマーク等の代表地点の名称を示す文字列をHTTPプロトコルで提供すると、この代表地点の位置特定データが返される。
従って、この場所情報API及びコンテンツジオコーダAPIを用いれば、抽出部55により抽出された個々の画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに一致または近接する代表地点の位置特定データを取得することが可能である。
ここで、代表地点位置特定データ取得部56は、抽出部55により抽出された個々の画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに一致または近接する代表地点の位置特定データを複数取得した場合、受け付けた選択入力に基づいていずれか一つの代表地点の位置特定データを選択する。
例えば、ランドマーク等が上述した所定距離内に複数存在した場合、代表地点位置特定データ取得部56は、一つの画像ファイル70に対応して複数の代表地点の位置特定データを取得することがある。後述する位置特定データ70cの変換作業を行うためには、個々の画像ファイル70に対して単一の代表地点の位置特定データを対応させることが好ましい。そこで、代表地点位置特定データ取得部56は、一つの画像ファイル70に対して複数の代表地点の位置特定データ、あるいは複数の代表地点を表す情報を取得した場合は、例えば出力部53を介してHDMI出力機器22等にこれら複数の代表地点を表す文字列、代表地点が属するカテゴリー(公園、結婚式場等)、画像等を表示させ、ユーザに対していずれかの代表地点の選択を促す画面を出力する。そして、ユーザによりいずれかの代表地点の選択入力があると、代表地点位置特定データ取得部56は入力部52を介してユーザの選択入力を受け入れ、選択入力された代表地点の位置特定データを近似位置特定データテーブル71に格納する。
さらに、代表地点位置特定データ取得部56は、上述の手順により代表地点の選択入力の履歴をその際のカテゴリー等とともに記憶部51に格納しておき、この履歴に基づいていずれかの代表地点の位置特定データを選択してもよい。例えば、後述するように、画像ファイル70には撮像装置2、3の機種名情報が記述された機種名領域87が設けられているので、代表地点位置特定データ取得部56がこの機種名情報毎、つまり撮像装置2、3毎のカテゴリーの選択傾向を算出し、このカテゴリーの選択傾向に従って複数の代表地点の位置特定データから特定の代表地点の位置特定データを選択してもよい。あるいは、代表地点位置特定データ取得部56は、ユーザが事前に登録したカテゴリーに基づいて、事前登録されたカテゴリーに属する特定の代表地点の位置特定データを選択してもよい。
あるいは、代表地点位置特定データ取得部56は、抽出部55により抽出された個々の画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに一致または近接する代表地点の位置特定データを複数取得した場合、抽出部55により抽出された画像ファイル70を参照していずれか一つの代表地点の位置特定データを選択する。
一つの画像ファイル70に対応して複数の代表地点の位置特定データを取得した場合、取得した代表地点の全てがその後の位置特定データ変換作業において変換先の位置特定データとして好ましいとは限らない。一例として、公園に隣接した結婚式場の入口で撮影された画像ファイル70であれば、この画像ファイル70の位置特定データは結婚式場の位置特定データに変換されることが好ましく、公園の位置特定データに変換されることを希望するユーザは少ないと考えられる。従って、上述のように、ユーザの選択入力により、結婚式場の位置特定データを代表地点位置特定データとすることが望まれる。一方で、個々の画像ファイル70に対してユーザに代表地点の位置特定データを選択させる作業は繁雑であるとも考えられる。そこで、画像ファイル70の画像データ70aを参照して、代表地点位置特定データ取得部56が代表地点の位置特定データを選択することがより好ましい。
代表地点位置特定データ取得部56が、画像ファイル70の画像データ70aを参照して代表地点の位置特定データを選択する手法は任意であるが、一例として、代表地点位置特定データ取得部56は、複数の代表地点に対してそれぞれの代表地点を表す文字列、またはそれぞれの代表地点が属するカテゴリーに関する情報を外部データベースから取得する。次いで、代表地点位置特定データ取得部56は、画像データ70a内に文字が撮像されている場合、この文字をOCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)技術により文字列データに変換する。そして、代表地点位置特定データ取得部56は、代表地点に関する文字列、カテゴリーを表す情報と画像データ70a内に撮像された文字の文字列データとが一致、あるいは特定の関係を有すると判断した場合、この代表地点の位置特定データを選択する手法が挙げられる。ここで、特定の関係を有するとは、文字列、カテゴリーが意味的に類似する、あるいは、一方の文字列が他方の文字列に含まれる等の関係を有することを指す。OCR技術、及び意味解析技術は周知技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
また、他の手法として、画像ファイル70に、その画像ファイル70を撮像した被写体に関する情報がタグ情報として記述されている場合、代表地点位置特定データ取得部56は、代表地点に関する文字列、カテゴリーを表す情報と画像データ70aのタグ情報の文字列データとが一致、あるいは特定の関係を有すると判断した場合、この代表地点の位置特定データを選択する手法が挙げられる。
集計部57は、代表地点位置特定データ取得部56が取得した代表地点の位置特定データを集計する。本実施形態では、抽出部55が抽出した画像ファイル70は、ユーザにより入力された所定時間範囲内に存在する撮像時刻データ70bが関連付けられた画像ファイル70であるので、抽出部55は複数の画像ファイル70を抽出する可能性が高い。加えて、上述した所定時間範囲内において、ユーザは撮像場所を変えながら被写体を撮像している可能性がある。従って、代表地点位置特定データ取得部56が取得した代表地点の位置特定データも複数の代表地点の位置特定データである可能性がある。そこで、集計部57は、代表地点位置特定データ取得部56が取得した代表地点の位置特定データを集計し、各々の代表地点の位置特定データが何回(何個)代表地点位置特定データ取得部56により取得されたかを集計する。
近似位置特定データ取得部58は、集計部57の集計結果に基づいて、抽出部55により抽出された画像ファイル70に関連付けられる少なくとも単一の近似位置特定データを取得する。より詳細には、近似位置特定データ取得部58は、抽出部55が抽出した、所定時間範囲内に存在する撮像時刻データ70bが関連付けられた複数の画像ファイル70について、集計部57の集計結果に基づいて、これら複数の画像ファイル70に関連付けられる少なくとも単一の近似位置特定データを取得する。この、近似位置特定データ取得部58により取得された近似位置特定データが、抽出部55が抽出した複数の画像ファイル70の位置特定データ70cの変換先候補となる。
近似位置特定データ取得部58が、集計部57の集計結果に基づいて、複数の画像ファイル70に関連付けられる少なくとも単一の近似位置特定データを取得する手法は任意であるが、一例として、近似位置特定データ取得部58は、集計部57の集計結果において最頻値であった代表地点の位置特定データを近似位置特定データとして取得する手法が挙げられる。近似位置特定データ取得部58による近似位置特定データの手法の一例については後に詳述する。
近似位置特定データ決定部59は、近似位置特定データ取得部58が取得した近似位置特定データに基づいて、抽出部55が抽出した複数の画像ファイル70のそれぞれについて対応する近似位置特定データを決定する。決定された近似位置特定データは、記憶部51内の近似位置特定データテーブル71に記述される。
近似位置特定データ取得部58が取得した、あるいは、近似位置特定データ決定部59により決定された近似位置特定データをその後どのように利用するかは任意であり、一例として、近似位置特定データ決定部59が画像ファイル70の位置特定データ70cを近似位置特定データに変換してしまう手法が挙げられる。この場合、近似位置特定データ決定部59が位置特定データ70cを近似位置特定データに変換するタイミングは任意であり、決定後直ちに変更しても良いし、情報処理装置1から画像ファイル70を他の装置に移動、コピーする際に、移動・コピー先の画像ファイル70の位置特定データ70cのみ近似位置特定データに変更し、記憶部51内に格納された画像ファイル70については、位置特定データ70cの変更を行わないことも可能である。
また、近似位置特定データ決定部59が決定した近似位置特定データは記憶部51内の近似位置特定データテーブル71に記述されているので、この近似位置特定データテーブル71に記述された近似位置特定データを用いて、情報処理装置1の各種動作に利用することも可能である。一例として、記憶部51内の画像ファイル70の画像データ70aを、HDMI出力機器22等を用いて表示する際に、この近似位置特定データで示される代表地点に関する情報を同時に表示してもよい。つまり、近似位置特定データはいずれかの代表地点の位置特定データである場合があるので、この代表地点に関する情報を表示することができる。また、近似位置特定データ毎に異なるフォルダに画像ファイル70を格納してもよい。
近接判断用距離範囲決定部60は、記憶部51に格納された画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに基づいて、近接判断用距離範囲を決定する。より詳細には、近接判断用距離範囲決定部60は、記憶部51内に格納された画像ファイル70の位置特定データ70cを参照し、この位置特定データ70cにより特定される位置特定データの緯度−経度平面上の分布を求める。そして、近接判断用距離範囲決定部60は、位置特定データ70cの分布密度に応じて近接判断用距離範囲を決定する。一例として、近接判断用距離範囲決定部60は、位置特定データの分布密度が高い領域、つまり、情報処理装置1のユーザが頻繁に画像ファイル70を撮像したことが推測される領域については、画像ファイル70の位置特定データ70cで特定される撮像位置と代表地点の位置との関係を厳密に判断することが好ましいと考えられるので、近接判断用距離範囲を狭く決定する。一方、近接判断用距離範囲決定部60は、位置特定データ70cの分布密度が低い領域、つまり、情報処理装置1のユーザがあまり頻繁に画像ファイル70を撮像していないことが推測される領域については、近接判断用距離範囲を広く決定する。言い換えれば、近接判断用距離範囲決定部60が決定する近接判断用距離範囲は、代表地点を抽出するための縮尺である。この近接判断用距離範囲は、一例として、所定半径を有する円内の範囲とされる。
そして、代表地点位置特定データ取得部56は、近接判断用距離範囲決定部60により決定された近接判断用距離範囲に基づいて、抽出部55により抽出された個々の画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに一致または近接する代表地点の位置特定データを取得する。一例として、代表地点位置特定データ取得部56は、近接判断用距離範囲決定部60により決定された近接判断用距離範囲内に位置特定データが所在する代表地点を抽出し、この代表地点の位置特定データを取得する。
あるいは、近接判断用距離範囲決定部60は、入力されたユーザ情報に基づいてユーザ毎の近接判断用距離範囲を決定する。より詳細には、近接判断用距離範囲決定部60は、入力部52を介して入力された、操作をしているユーザを特定するためのユーザ情報の入力を受け入れ、このユーザ情報に基づいて、ユーザ毎の近接判断用距離範囲を決定する。この場合、ユーザ情報毎の近接判断用距離範囲が予め記憶部51に格納されているものとする。
あるいは、代表地点位置特定データ取得部56は、入力された近接判断用距離範囲に基づいて、抽出部55により抽出された個々の画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに一致または近接する代表地点の位置特定データを取得する。より詳細には、代表地点位置特定データ取得部56は、入力部52を介してユーザにより直接入力された近接判断用距離範囲を受け入れ、この近接判断用距離範囲内に位置特定データが所在する代表地点を抽出し、この代表地点の位置特定データを取得する。なお、この近接判断用距離範囲を予め定めた固定値とすることも可能である。
以上の構成において、制御部50及び制御部50を構成する画像取り込み部54、抽出部55、代表地点位置特定データ取得部56、集計部57、近似位置特定データ取得部58、近似位置特定データ決定部59及び近接判断用距離範囲決定部60は主にCPU10により構成され、記憶部51は主にメモリーカード6、ROM11、RAM12及びHDD部16により構成され、入力部52は主に入出力デバイス13、ネットワークインタフェース15及び無線LANインタフェース17により構成され、出力部53は主にHDMIインタフェース14、ネットワークインタフェース15及び無線LANインタフェース17により構成される。図4に示す情報処理装置1の各機能部の動作については後に詳述する。
(画像ファイルのデータ構造)
図5は、本実施形態の情報処理装置1のHDD16b内に格納されている画像ファイル70のデータ構造の一例を示す図である。本実施形態の画像ファイル70はExif規格で定められるファイルフォーマットを有し、そのヘッダ部分80にタグ情報が格納され、さらにサムネイル画像データが格納されたサムネイル画像領域81、及び画像データ70aが格納された画像データ領域82が設けられている。本実施形態の画像ファイル70では、ヘッダ部分80に格納されたタグ情報は、被写体撮像時に撮像装置2、3により画像ファイル70のヘッダ部分80の所定領域に記述される。
画像ファイル70のヘッダ部分80には、画像ファイル70を特定するための一意の値(ID)が記述されるID領域83、画像データ70aの画素数が記述される画素数領域84、画像ファイル70の撮影日時である撮像時刻データ70bが記述される撮影日時領域85、画像ファイル70の情報処理装置1への取り込み日時が記述される取り込み日時領域86、画像ファイル70が撮像された撮像装置2、3の機種名が記述される機種名領域87、画像ファイル70の画像データ70aが撮像された際の撮像装置2、3の各種情報、例えば絞り値、焦点距離が記述される撮影情報領域88、画像ファイル70が撮像されたときに撮像装置2、3が所在する位置、すなわち撮像位置をGPSシステムにより得た位置情報(例えば緯度、経度、高度情報)である位置特定データ70cが記述されるGPS情報領域89、及び情報処理装置1のユーザが各種情報を任意に記述するためのユーザ定義領域90が設けられている。当然、これ以外の領域を画像ファイル70のヘッダ部分80に設けることは任意である。
ここで、ヘッダ部分80の各領域に記述される各種情報について一例を挙げて説明する。撮影日時領域85には、撮像装置2、3の内部時計を参考にして、画像ファイル70の画像データ70aが生成されたときの日時、つまり撮影日時を示す撮像時刻データ70bが、一例として“2013/06/01 10:15:24”、すなわち年月日及び秒単位までの時間として記述される。取り込み日時領域86には、情報処理装置1の図略の内部時計を参考にして、画像ファイル70の画像データ70aが情報処理装置1に取り込まれたときの日時、つまり取り込み日時が、一例として“2013/06/28 18:00:58”、すなわち年月日及び秒単位までの時間として記述される。機種名領域87には、撮像装置2、3の機種名が、撮像装置2、3の製造者が定めたデータで、一例として「XYZ−○」として記述される。撮影情報領域88には、画像ファイル70の画像データ70aが生成された際の撮像装置2、3の各種情報が、一例として「絞り値F=8、シャッタースピード1/125」として記述される。GPS情報領域89には、画像ファイル70が生成されたときに撮像装置2、3が所在する位置をGPSシステムを用いて得た位置情報を示すデータ、より詳細には撮像装置2、3が所在する位置の緯度情報、経度情報及び高度情報が、一例として“lat=+35.09.36.266, lon=+136.54.21.114,alt=50”として記述される。
(近似位置特定データテーブル)
図6は、本実施形態の情報処理措置1のHDD16a内に格納されている近似位置特定データテーブル71のデータ構造の一例を示す図である。本実施形態における近似位置特定データテーブル71には画像ID領域91及び近似位置特定データ領域92が設けられている。画像ID領域91には、画像ファイル70のID領域83に記述された画像ファイル70のIDが記述され、近似位置特定データ領域92には、このIDで特定される画像ファイル70に対して近似位置特定データ決定部59が決定した近似位置特定データが記述される。また、この近似位置特定データ領域92には、代表地点位置特定データ取得部56が取得した代表地点の位置特定データが一時的に記述されることがある。
(登録テーブルのデータ構造)
図7は、本実施形態の情報処理装置1のHDD16a内に格納されている登録テーブル72のデータ構造の一例を示す図である。本実施形態における登録テーブル72にはグループ領域93及び機種名領域94が設けられている。機種名領域94には、後述する機器登録処理において、同一のグループに属するものとして登録及び追従がされた機種名が、同一のグループ領域93に属するものとして記述されている。機器登録処理の詳細については後述する。
(第1実施形態の情報処理装置の動作の概要)
次に、図8〜図10を参照して、本実施形態の情報処理装置1の動作の概要について説明する。図8〜図10は、本実施形態の情報処理装置1における位置特定データの変更方法の一例を説明するための図である。
図8は、抽出部55が抽出した、入力された所定時間範囲内に撮像時刻データ70bが存在する画像ファイル70の位置特定データ70cを緯度−経度平面上にプロットした図である。この図において、番号1〜5で示される位置特定データ70cは、特定のランドマーク等の代表地点Aの近傍に位置する。従って、番号1〜5で示される位置特定データ70cを有する画像ファイル70は、いずれも代表地点Aの近傍で撮像されたものと推測される。一方、番号6〜9で示される位置特定データ70cは、別の特定の代表地点Bの近傍に位置する。従って、番号6〜9で示される位置特定データ70cを有する画像ファイル70は、いずれも代表地点Bの近傍で撮像されたものと推測される。
ここで、画像ファイル70単位で位置特定データ70cの変換処理を行うのであれば、番号1〜5の位置特定データ70cについては代表地点Aの位置特定データに、番号6〜9の位置特定データ70cについては代表地点Bの位置特定データに変換すれば足りると考えられる。しかしながら、番号1〜9の位置特定データ70cで示される画像ファイル70が一日の中で比較的連続的に撮像され、ユーザとしてはこれら番号1〜9の位置特定データ70cで示される画像ファイル70を一連のものとして取り扱いたいという要望が存在する。この場合、番号1〜9の位置特定データ70cについては、共通の位置特定データに変換されることが、情報処理装置1及び他の画像処理装置等における取り扱い、処理上好ましい。
そこで、これら番号1〜9で示される位置特定データ70cの平均値を、番号1〜9の位置特定データ70cを有する画像ファイル70の位置特定データとして変換する手法が考えられる。図9に示す例は、代表地点A及びBの中間地点Cの位置特定データを、番号1〜9の位置特定データ70cを有する画像ファイル70の位置特定データとして変換する例である。しかしながら、この中間地点Cが特定の代表地点である保証は全くなく、ユーザからすると、訪問した履歴のない地点が画像ファイル70の位置特定データ70cに変換されてしまう、という問題がある。
本実施形態の情報処理装置1は、そこで、番号1〜9の位置特定データ70cの分布を求め、この分布に基づいて、より多くの位置特定データ70cが近傍に分布する代表地点Aの位置特定データで、番号1〜9で示される位置特定データ70cを有する画像ファイル70の位置特定データ70cを変換している。より詳細に説明すると、図10に示すように、代表地点Aの近傍に分布する位置特定データ70cは、番号1〜5で示される位置特定データ70cの5点である。一方、代表地点Bの近傍に分布する位置特定データ70cは、番号6〜9で示される位置特定データ70cの4点である。従って、多数決方式により、代表地点Aを、抽出部55が抽出した所定時間範囲内の画像ファイル70を代表する地点として、所定時間内の画像ファイル70の位置特定データ70cをこの代表地点Aの位置特定データに変換する。
なお、図8〜図10において、円周95で示される領域は近接判断用距離範囲であり、代表地点A、Bと位置特定データ70cとが近傍であるか否かの判定は、代表地点A、Bを中心とする近接判断用距離範囲95内に位置特定データ70cが存在するか否かにより行われる。
(第1実施形態の情報処理装置の動作)
以下、図11〜図13のフローチャートを参照して、本実施形態の情報処理装置の動作について説明する。
図11は、本実施形態の情報処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS1では、情報処理装置1の画像取り込み部54が、この情報処理装置1に接続等された第1、第2の撮像装置2、3から画像ファイル70を取り込む。画像取り込み部54による画像ファイル70の取り込みの詳細については既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。画像取り込み部54が取り込んだ画像ファイル70は記憶部51内に格納される。次いで、ステップS2では、機器登録及び追従処理動作が行われる。
図13は、本実施形態の情報処理装置1における機器登録動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS20では、ユーザが入力した選択入力指示を入力部52を介して受け入れ、この選択入力指示に基づいて第1及び第2の撮像装置2、3のいずれかを基準とする撮像装置とするかを決定する。ステップS20により指定された、基準とする撮像装置に関する情報、例えば画像ファイル70の機種名領域87に記述された、撮像装置2、3の機種名に関する情報は記憶部51に一時的に格納される。なお、ユーザによる選択入力指示に先立って、選択入力指示用の表示画面を生成するための画面表示用信号を生成し、この画面表示用信号を出力部53を介してHDMI出力機器22に出力し、このHDMI出力機器22において画面表示用信号に基づいて表示画面が生成されることで選択入力指示用の表示画面を表示してもよい。
次に、ステップS21では、取り込まれた画像ファイル70が、ステップS20で指定された基準とする撮像装置により撮像されたものであるか否かが判定され、基準とする撮像装置により撮像されたものである(ステップS21においてYES)場合は、プログラムはステップS22に移行し、基準とする撮像装置により撮像されたものでない(ステップS21においてNO)場合は、プログラムはステップS23に移行する。ステップS21における判定は、画像ファイル70の機種名領域87に記述された撮像装置2、3の機種名に関する情報等に基づいて行えばよい。
ステップS22では、基準とする撮像装置の機器登録作業が行われる。一方、ステップS23では、補正すべき撮像装置の機器追従作業が行われる。この後、機器登録作業は終了する。
ステップS22及びステップS23において行われる機器登録作業及び機器追従作業の詳細について、図14を参照して説明する。
図14は、本実施形態の情報処理装置1における機器登録または機器追従の手順の一例を説明するための図である。図14に示す機器登録または機器追従作業においては、情報処理装置1の制御部50が、画像ファイル70の機種名領域87に記述された第1及び第2の撮像装置2、3の機種名情報に基づいて機器登録または機器追従作業を行う。
一例として、機種名情報「XA」を有する第1の撮像装置2によって生成された画像ファイル70が最初に取り込まれると、この画像ファイル70の機種名領域87に記述された機種名情報「XA」が登録テーブル72の機種名領域94に記述される。次いで、機種名「YA」情報を有する第2の撮像装置3によって生成された画像ファイル70が最初に取り込まれると、情報処理装置1の制御部50が、出力部53を介して、追従作業を行うべき第2の撮像装置3がいずれの第1の撮像装置2に追従すべきかを入力させるための入力画面を表示させるためのデータを出力部53を介してHDMI出力機器22に出力する。そして、情報処理装置1の制御部50は、ユーザが入力を行った選択指示入力を入力部52を介して受け入れ、この選択指示入力に基づいて、追従作業を行うべき第2の撮像装置3の機種名情報「YA」を、追従先である第1の撮像装置2の機種名情報「XA」が記述された登録テーブル72のグループ領域93に関連付けられた他の機種名領域94に記述する。
同様に、機種名「XB」を有する第1の撮像装置2によって生成された画像ファイル70が最初に取り込まれると、画像ファイル70の機種名領域87に記述された機種名情報「XB」が登録テーブル72の機種名領域94に記述される。次いで、機種名「YB」情報を有する第2の撮像装置3によって生成された画像ファイル70が最初に取り込まれると、制御部50が、出力部53を介して、追従作業を行うべき第2の撮像装置3がいずれの第1の撮像装置2に追従すべきかを入力させるための入力画面を表示させるためのデータを出力部53を介してHDMI出力機器22に出力する。そして、制御部50は、入力部52を介してユーザが入力を行った選択指示に基づいて、追従作業を行うべき第2の撮像装置3の機種名情報「YB」を、追従先である第1の撮像装置2の機種名情報「XB」が記述された登録テーブル72のグループ領域93に関連付けられた他の機種名領域94に追記する。
図11に戻って、ステップS3では、抽出部55が、入力部52を介してユーザが入力した時間範囲を受け入れ、ステップS4では、抽出部55がこの時間範囲内に撮像時刻データ70bが示す撮像日時が存在する画像ファイル70を記憶部51内で検索し、検索された画像ファイル70を記憶部51から抽出する。なお、ユーザによる時間範囲入力に先立って、抽出部55が時間範囲入力指示用の表示画面を生成するための画面表示用信号を生成し、この画面表示用信号を出力部53を介してHDMI出力機器22に出力し、このHDMI出力機器22において画面表示用信号に基づいて表示画面が生成されることで時間範囲入力指示用の表示画面を表示してもよい。抽出部55が抽出した画像ファイル70に関する各種情報は代表地点位置特定データ取得部56に送出される。
次いで、ステップS5では、近接判断用距離範囲決定部60が、記憶部51に格納された画像ファイル70に関連付けられた位置特定データ70cに基づいて、あるいは、入力された近接判断用距離範囲に基づいて、あるいは、入力されたユーザ情報に基づいてユーザ毎の近接判断用距離範囲を決定する。近接判断用距離範囲決定部60による近接判断用距離範囲決定処理の詳細については既に説明したので、ここでの説明は省略する。
次いで、ステップS6では、代表地点位置特定データ取得部56が、ステップS2において機器登録・追従処理が行われた撮像装置2、3のグループのいずれかを選択する。より詳細には、代表地点位置特定データ取得部56は、登録テーブル72のグループ領域93を参照し、このグループ領域93に記述されているグループ名のいずれかを選択し、このグループ名に関連付けられている機器名領域94に記述された機種名情報を抽出する。そして、代表地点位置特定データ取得部56は、抽出部55により抽出された画像ファイル70の中から、この機種名情報が機種名領域87に記述されている画像ファイル70を抽出する。ステップS7では、ステップS4で抽出した画像ファイル70のうち、代表地点位置特定データ取得部56が1つの画像ファイル70を選択する。
ステップS8では、代表地点位置特定データ取得部56が、ステップS7で選択した画像ファイル70のGPS情報領域89に記述された位置特定データ70cを抽出する。次いで、ステップS9では、ステップS8で抽出された位置特定データ70cに基づいて、代表地点位置特定データ取得部56が、この位置特定データ70cで示される撮像位置の近傍に位置するランドマーク等の代表地点に関する情報、例えば代表地点の名称を取得する。そして、ステップS10では、ステップS9で取得した代表地点に関する情報に基づいて、代表地点位置特定データ取得部56が、この代表地点の位置特定データを取得し、取得した位置特定データを、対応する画像ファイル70のIDとともに、近似位置特定データテーブル71の画像ID領域91及び近似位置特定データ領域92に記述する。ステップS9及びステップS10における代表地点の位置特定データの取得手順の詳細については既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
ステップS11では、代表地点位置特定データ取得部56が、ステップS5で抽出した画像ファイル70の全てについて代表地点の位置特定データ取得処理を行ったか否かを判定し、ステップS4で抽出した画像ファイル70の全てについて処理を行ったと判定した(ステップS10においてYES)場合は、プログラムはステップS13に移行し、まだ位置特定データ取得処理を行っていない画像ファイル70があると判定した(ステップS11においてNO)場合は、プログラムはステップS12に移行する。ステップS12では、代表地点位置特定データ取得部56が、ステップS4で抽出した画像ファイル70のうち別の画像ファイル70を選択する。以降、ステップS8〜ステップS12に示す動作が繰り返される。
ステップS13では、代表地点位置特定データ取得部56が、抽出部55により抽出された画像ファイル70のうち、全てのグループに属する画像ファイル70について代表地点の位置特定データ取得処理を行ったか否かを判定し、全てのグループについて代表地点の位置特定データ取得処理を行ったと判定した(ステップS13においてYES)場合は、プログラムはステップS15に移行し、まだ位置特定データ取得処理を行っていないグループがあると判定した(ステップS13においてNO)場合は、プログラムはステップS14に移行する。ステップS14では、代表地点位置特定データ取得部56が、別のグループを選択する。以降、ステップS7〜ステップS14に示す動作が繰り返される。
ステップS15では、抽出部55が抽出した画像ファイル70のそれぞれに対応する代表地点の位置特定データを集計部57が集計し、この集計結果に基づいて、抽出部55が抽出した画像ファイル70に対応する近似位置特定データを近似位置特定データ取得部58が取得し、そして、近似位置特定データ取得部58が取得した近似位置特定データに基づいて、抽出部55が抽出した画像ファイル70のそれぞれについて対応する近似位置特定データを、近似位置特定データ決定部59が決定する。ステップS15における動作の詳細については既に説明したので、ここでの説明は省略する。
(第1実施形態の効果)
以上詳細に説明したように、本実施形態の情報処理装置1によれば、抽出部55が、時間範囲内に撮像時刻データ70bが示す撮像日時が存在する画像ファイル70を抽出し、代表地点位置特定データ取得部56が、抽出部55により抽出された画像ファイル70の位置特定データ70cで表される位置に一致または所定の距離範囲内にある位置に所在するランドマーク等の代表地点の位置特定データを取得し、集計部57は、代表地点位置特定データ取得部56が取得した代表地点の位置特定データを集計し、近似位置特定データ取得部58は、集計部57の集計結果において最頻値であった代表地点の位置特定データを近似位置特定データとして取得している。従って、例えば一連の旅行行程を示す時間範囲内に撮像された画像ファイル70の位置特定データ70cを、この旅行行程を代表すると考えられる、最頻値であった代表地点の位置特定データに変換することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、一定の時間範囲内にある撮像時刻データに関連付けられた画像ファイル70について、この画像ファイル70に関連付けられた位置特定データを、共通する適切な位置特定データに変更することが可能となる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、第1、第2の撮像装置2、3により撮像された画像ファイル70を情報処理装置1の記憶部51に取り込み、この記憶部51内の画像ファイル70の位置特定データ70cに対して変換処理を行う為の動作を行っていたが、第1実施形態で説明した第1の撮像装置2が、自身が撮像した、あるいは他の撮像装置3から取り込んだ画像ファイル70に対して、その位置特定データ70cの変換処理を行う為の動作を行ってもよい。
この場合、図4に示す機能ブロック図において、制御部50及び制御部50を構成する画像取り込み部54、抽出部55、代表地点位置特定データ取得部56、集計部57、近似位置特定データ取得部58、近似位置特定データ決定部59及び近接判断用距離範囲決定部60は主にCPU30により構成され、記憶部51は主にROM31、RAM32及び内部ストレージ部37により構成され、入力部52は主に入力インタフェース360、タッチパネル361、移動体通信モジュール350、アンテナ354、USBインタフェース39及び無線LANインタフェース40により構成され、出力部53は主に液晶ドライバ330、液晶パネル331、移動体通信モジュール350、アンテナ354、USBインタフェース39及び無線LANインタフェース40により構成される。
従って、本実施形態によっても、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態である画像処理システムSの概略構成を示す図である。本実施形態の画像処理システムSと上述の第1実施形態である画像処理システムSとの相違点は、本実施形態の情報処理装置1はインターネット等のWAN8を介してサーバ装置9に接続されている点である。従って、第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
図16は、第3実施形態の画像処理システムSの機能構成を示す機能ブロック図である。図16において、本実施形態の情報処理装置1は、制御部50、記憶部51、第1の入力部52a及び第1の出力部53aを備え、また、本実施形態のサーバ装置9も制御部100、記憶部101、第2の入力部102及び第2の出力部103を備える。
本実施形態において、情報処理装置1の制御部50は、画像取り込み部54、及び近接判断用距離範囲決定部60を備える。記憶部51には画像ファイル70及び登録テーブル72が格納されている。第1の出力部53aは、第1実施形態の出力部53と同一の機能を有するとともに、抽出部55により抽出された画像ファイル70を示す情報、一例として画像ファイル70のID及び位置特定データ70cと、近接判断用距離範囲決定部60が決定した近接判断用距離範囲を示す情報とをサーバ装置9に送信する。また、第1の入力部52aは、第1実施形態の入力部52と同一の機能を有するとともに、サーバ装置9の近似位置特定データ決定部109が決定した近似位置特定データを受信する。
本実施形態において、サーバ装置9の制御部100は、代表地点位置特定データ取得部106、集計部107、近似位置特定データ取得部108及び近似位置特定データ決定部109を備える。代表地点位置特定データ取得部106、集計部107、近似位置特定データ取得部108及び近似位置特定データ決定部109の機能は、第1実施形態の代表地点位置特定データ取得部56、集計部57、近似位置特定データ取得部58及び近似位置特定データ決定部59と同一であるが、本実施形態の代表地点位置特定データ取得部106は、情報処理装置1から送信された画像ファイル70の位置特定データ70cに基づいて代表地点の位置特定データを取得し、近似位置特定データ決定部109は、決定した近似位置特定データを第2の出力部103を介して情報処理装置1に送信する。
記憶部101には近似位置特定データテーブル71が格納されている。第2の入力部102は、情報処理装置1から送信された画像ファイル70のID及び位置特定データ70cを受信し、第2の出力部103は、サーバ装置9の近似位置特定データ決定部109が決定した近似位置特定データを情報処理装置1に送信する。
そして、第1及び第2の入力部52a、102と第1及び第2の出力部53a、103とは通信回線110により接続されている。
従って、本実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態において、図15に示した例ではサーバ装置9に1台の情報処理装置1が接続されていたが、サーバ装置9との間でデータの送受信を行う情報処理装置1は1台に限定されず、複数台の情報処理装置1がサーバ装置9に接続されていてもよい。
(変形例)
本発明の情報処理装置、画像処理システム、情報処理装置における画像処理方法及びプログラムは、その細部が上述の各実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。一例として、上述の各実施形態では、近似位置特定データ決定部59が集計部57の結果に基づいて近似位置特定データを決定していたが、記憶部51に格納された画像ファイル70のユーザ領域90に情報(タグ)、例えば当該画像ファイル70に対して「お気に入り」であることをユーザが示すタグが記述されていた場合、この画像ファイル70の位置特定データ70cに近接する代表地点の位置特定データを近似位置特定データとして決定してもよい。
また、上述の各実施形態において、ユーザが特定の近似位置特定データを事前に登録しておくと、近似位置特定データ取得部58はこの特定の近似位置特定データを除外して他の近似位置特定データを取得してもよい。一例として、自宅等が代表地点のごく近傍に位置しているため、その代表地点の位置特定データを近似位置特定データとした場合に自宅等の位置特定データを公表することにほぼ等しい事態となってしまうときには、敢えてその代表地点の位置特定データを近似位置特定データの候補から除外することが好ましい。
さらに、上述の各実施形態において、代表地点の位置特定データを提供する外部データベース等が、この代表地点について階層構造を提供することができる場合は、代表地点位置特定データ取得部56及び近似位置特定データ取得部58はこの階層構造を考慮して代表地点の位置特定データを取得し、また、近似位置特定データを取得してもよい。一例として、画像データの撮像位置が東京駅の近傍であった場合、代表地点の位置特定データは「東京駅日本橋口」、「東京駅丸の内南口」等があり得るとともに、これらを包含する「東京駅」でもあり得る。本発明の課題に鑑みれば、近似位置特定データ取得部58が取得する近似位置特定データは「東京駅」の位置特定データであることが好ましいが、ユーザの意向により階層構造を為すいずれの代表地点の位置特定データを選択してもよい。
同様に、代表地点の位置特定データを提供する外部データベース等が、この代表地点が位置する都道府県名称や市町村名称、例えば「東京駅」であれば東京都千代田区、東京都も提供することができる場合は、代表地点位置特定データ取得部56及び近似位置特定データ取得部58はこの都道府県名称等を代表する位置特定データを考慮して代表地点の位置特定データを取得し、また、近似位置特定データを取得してもよい。一例として、上述の例であれば、近似位置特定データ取得部58が取得する近似位置特定データは、「東京都千代田区」を代表する、例えば東京都千代田区の重心位置に相当する位置特定データであってもよい。