JP2017200985A - ポリグリコール酸樹脂組成物、坑井掘削用成形品及び坑井掘削方法 - Google Patents

ポリグリコール酸樹脂組成物、坑井掘削用成形品及び坑井掘削方法 Download PDF

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卓磨 小林
光 西條
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光 西條
勝美 吉田
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Abstract

【課題】高い耐衝撃性を有するポリグリコール酸樹脂組成物の提供。【解決手段】温度240℃及びせん断速度122sec−1で測定したときの溶融粘度が900Pa・s以上、3200Pa・s以下の範囲のポリグリコール酸と、アクリル系ゴムをコア層とし、ビニル系(共)重合体をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマーと、ポリグリコール酸の末端を封止する末端封止剤とを含有するポリグリコール酸樹脂組成物とし、ポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対する末端封止剤の含有量を0.05質量部以上、5質量部以下とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリグリコール酸樹脂組成物、坑井掘削用成形品及び坑井掘削方法に関し、さらに詳細には、例えば石油または天然ガス等の炭化水素資源を産出し、炭化水素を回収するためのダウンホールツール部材等を形成するために使用されるポリグリコール酸樹脂組成物、及びそれを用いた坑井掘削用成形品、並びに当該坑井掘削用成形品を用いた坑井掘削方法に関する。
石油等の炭化水素資源は、多孔質で浸透性の地下層を有する井戸(油井またはガス井。総称して「坑井」ということがある。)を通じて採掘され生産されてきた。採掘が続けられる坑井において、例えば時間経過とともに浸透性が低下してきた地下層から、継続して炭化水素資源を効率よく採掘するために、生産層を刺激(stimulate)することが行われている。そのための方法として、水圧破砕法(fracturing)が注目されている。
水圧破砕法は、水圧等の流体圧により高深度地下の生産層に穿孔及び亀裂を発生させる方法であり、通常、以下の方法が採用されている。
すなわち、地下数千mの地層内に掘削した坑井孔(ダウンホール)に対して、坑井孔の先端部から順次、目止め(「シール」ということもある。)をしながら、所定区画を部分的に閉塞し、その閉塞した区画内に流体を高圧で送入して、生産層に亀裂及び穿孔等を生じさせる。次いで、次の所定区画を閉塞して亀裂及び穿孔を生じさせる。以下、この工程を必要な目止めと、亀裂や穿孔の形成が完了するまで繰り返し実施する。
これら新たに形成する坑井孔等において、所要の操作を行うために種々のツールが使用される。これらのツールは総称して「ダウンホールツール(downhole tool)」といわれる。ダウンホールツールとしては、例えば、坑井孔の閉塞及び固定を行うために使用するプラグ等が挙げられる。
例えば、特許文献1には、坑井掘削用のプラグ及びボールが開示されている。また、プラグを形成する材料としては、好ましくは、炭素繊維等の強化材を含有する複合材、特に、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂等の重合体複合材であることが記載されている。一方、ボールについては、これらの材料のほかに、例えば温度等により分解する材料を使用できることが記載されている。
また、特許文献2には、坑井内の環境に曝されるときに分解する生分解性材料を含有する使い捨て型のダウンホールツールまたはその部材が開示されている。この生分解性材料としては、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル等の分解性重合体が開示されている。
ところで、坑井掘削に使用されるプラグ等のダウンホールツール部材は、坑井が完成するまで順次坑井内に配置される。しかし、シェールオイル等の石油またはシェールガス等の天然ガス等の生産が開始される段階では、これらを除去する必要がある。ところが、ダウンホールツール部材は、通常、使用後に閉塞を解除して回収できるようには設計されていない。そのため、例えば破砕等の方法で、破壊されたり、小片化されたりすることによって除去される。しかし、破砕やドリル空け等には多くの経費と時間を費やす等の問題があった。
そこで、ダウンホールツール部材として分解性材料を使用するに当たっての改良が広く試みられるようになっている。
特許文献3には、ダウンホール内に設けたケーシング内の穿孔を塞ぐ分解可能なボールシーラーが開示されている。このボールシーラーは、坑井流体中で実質的に不溶性であり、地下層の温度及び水の存在下でオリゴマーに分解して地下層の流体に可溶となる、ポリ乳酸、乳酸・グリコール酸共重合体等のポリエステルを含有する樹脂組成物から形成されている。
さらに、特許文献4には、炭化水素類及び地層熱の存在下で経時的に分解等が行われ、またはその物理的特性が著しく劣化するボール用組成物が開示されている。具体的には、管内において所定位置間をスライド可能なスリーブ内に置かれた、65.6℃(150°Fに相当する。)を超える温度で分解する材料を含むボールとボールの直径より小径の開口を有するボールシートとの組み合わせ、並びに、ボールの65.6℃を超える温度で分解する材料が、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、エラストマー等を含有する組成物であること、及び、さらに当該組成物は、アラミド、ガラス、炭素、ボロン、ポリエステル、コットン及びセラミックスの繊維または粒子を含んでもよいことが記載されている。
なお、特許文献5として、耐衝撃性及び耐熱性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献6として、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献7として、芳香族ポリカルボジイミド化合物であって、カルボジイミド基に対して、フェニル基のオルトの位置がイソプロピル基で置換されたもの、すなわち2,6−及び/または2,4,6−位がイソプロピル基で置換された芳香族カルボジイミドを繰り返し単位とする芳香族ポリカルボジイミド化合物が開示されている。
米国特許出願公開2011/0277989号明細書 米国特許出願公開2005/0205266号明細書 米国特許第4716964号明細書 米国特許出願公開2012/0181032号明細書 特開2003−286396号公報(公開日:2003年10月10日) 特開2011−26621号公報(公開日:2011年2月10日) 米国特許第5804626号明細書
以上のように、ダウンホールツール部材を形成する材料としては、数千mの深度地下に部材を移送することができる機械強度(例えば引張強伸度等)が求められる。加えて、炭化水素資源回収用の坑井掘削が完了した段階では、その坑井の環境条件下において、容易に除去することができるという特性を併せ有することが求められている。
また、現在実用化が求められている、分解性を有するダウンホールツール部材には、さらに加えて、高度の耐衝撃強度、すなわち耐衝撃性を有する分解性ダウンホールツール部材が求められている。そして該ダウンホールツール部材を形成する材料としては、耐衝撃性を含む優れた機械的特性と分解性を併せて有する樹脂組成物が求められるようになってきた。
なお、特許文献5〜7のいずれにも、先に説明した坑井掘削の用途における特有の課題、またはそれを実現する組成については、具体的な示唆はみられない。
すなわち、高深度化等、採掘条件がますます過酷かつ多様なものとなるもとで、成形加工または運搬時において、さらには坑井掘削に使用する諸部材と接触や衝突しても損傷しにくい高い耐衝撃性を有する樹脂組成物、及び、機械的特性に優れ、かつ必要に応じて、多様な坑井の環境条件下で、容易に除去することができ、坑井掘削の経費節減及び工程短縮に寄与するダウンホールツール部材等の坑井掘削用成形品が求められていた。
したがって本発明の課題は、例えば成形加工または運搬時、さらには坑井掘削時の諸部材との接触や衝突によっても損傷しにくい高い耐衝撃性を有する樹脂組成物、機械的特性等に優れた坑井掘削用成形品、及び容易な坑井掘削方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、分解性樹脂であるポリグリコール酸に、特定のアクリルゴム系コアシェル型ポリマー及び末端封止剤を添加することにより、耐衝撃性に優れるポリグリコール酸樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリグリコール酸樹脂組成物は、ポリグリコール酸と、アクリル系ゴムをコア層とし、ビニル系(共)重合体をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマーと、ポリグリコール酸の末端を封止する末端封止剤とを含有するポリグリコール酸樹脂組成物であって、当該ポリグリコール酸は、温度240℃及びせん断速度122sec−1で測定したときの溶融粘度が900Pa・s以上、3200Pa・s以下の範囲であり、ポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、末端封止剤を0.05質量部以上、5質量部以下含有する。
また、本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物は、末端封止剤が、カルボジイミド化合物、脂肪酸ビスアミド化合物、アルキル置換型脂肪酸モノアミド化合物、トリアジン骨格を有する1〜3官能グリシジル変性化合物、エポキシ化合物、酸無水物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、カルボジイミド変性イソシアネート化合物及びケテン化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物であることが好ましい。
また、本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物は、末端封止剤としてのカルボジイミド化合物は、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドまたはポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)であることが好ましい。
また、本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物は、ポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、ポリグリコール酸60質量部以上、98質量部以下を含有することが好ましい。
また、本発明に係る坑井掘削用樹脂組成物は、本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物であることが好ましい。
また、本発明に係る坑井掘削用成形品は、本発明に係る坑井掘削用樹脂組成物を用いて形成されることが好ましい。
また、本発明に係る坑井掘削用成形品は、溶融成形品であることが好ましい。
また、本発明に係る坑井掘削用成形品は、ダウンホールツール部材であることが好ましい。
また、本発明に係る坑井掘削用成形品は、上記ダウンホールツール部材が、ボール、ボールシート、マンドレル、スリップ、ウエッジまたはリングであることが好ましい。
また、本発明に係る坑井掘削方法は、本発明に係る坑井掘削用成形品を使用することが好ましい。
本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物によれば、高い耐衝撃性を有するポリグリコール酸樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明に係る坑井掘削用成形品によれば、高深度化等、炭化水素資源回収の採掘条件が過酷かつ多様となるもと、成形加工または運搬時、さらには坑井掘削時の諸部材との接触や衝突によっても損傷しにくい高い耐衝撃性を有し、坑井処理終了後に必要に応じて容易に除去することができる坑井掘削用成形品等を提供することができる。
さらに、本発明に係る坑井掘削方法によれば、本発明に係る坑井掘削用成形品を用いることによって、坑井掘削の経費節減及び工程短縮を実現することができる。
以下、本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の一実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物について具体的に説明する。なお、本発明のポリグリコール酸樹脂組成物は、以下で説明する、坑井掘削用としての用途に、すなわち坑井掘削用組成物に限定されるものではない。
<坑井掘削用樹脂組成物>
本発明の一実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、ポリグリコール酸と、アクリル系ゴムをコア層とし、ビニル系(共)重合体をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマーと、ポリグリコール酸の末端を封止する末端封止剤とを含有し、当該ポリグリコール酸は、温度240℃及びせん断速度122sec−1で測定したときの溶融粘度が900Pa・s以上、3200Pa・s以下の範囲であり、ポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、末端封止剤を0.05質量部以上、5質量部以下含有する。
[ポリグリコール酸]
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物(以下、「本坑井掘削用樹脂組成物」ともいう)に含有されるポリグリコール酸(以下、「PGA」ともいう)は、下記式(1)
−(−O−CH−CO−)− ・・・(1)
で表される繰り返し単位を含有するポリマーである。
PGAは、グリコール酸の縮重合またはグリコリドの開環重合によって製造されたものであってもよい。また、PGAは一般に入手可能な市販品であってもよい。
ポリマー中、式(1)で表される繰り返し単位の割合は、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。式(1)で表される繰り返し単位の割合が50質量%以上であることは、本坑井掘削用樹脂組成物の強靭性、機械的特性、結晶性等が向上する面において好ましい。また、本坑井掘削用樹脂組成物には、式(1)で表される繰り返し単位の割合が100質量%であるポリグリコール酸の単独重合体が含有されていることが最も好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、例えば、シュウ酸エチレン、ラクチド、ラクトン類、トリメチレンカーボネート、1,3−ジオキサン等の環状モノマーに由来する繰り返し単位が好ましいが、これらに限定されない。また、式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位は、乳酸繰り返し単位であり、得られるグリコール酸・乳酸共重合体(「PGLA」という。)としては、グリコール酸繰り返し単位と乳酸繰り返し単位の比率(質量比)が、99:1〜50:50、好ましくは99:1〜70:30、より好ましくは99:1〜80:20である共重合体を使用することができる。
PGAに対して上述した環状モノマーに由来する繰返し単位を1質量%以上の割合で導入することにより、PGAの融点を下げて加工温度を低下させることができ、それによって、溶融加工時の熱分解を低減することができる。また、共重合によりPGAの結晶化速度を制御して、押出成形性を向上させることもできる。一方、PGAにおいて上述した環状モノマーに由来する繰返し単位の割合が多くなりすぎると、例えば、本坑井掘削用樹脂組成物を用いて形成された坑井掘削用成形品の耐熱性等が著しく低下するおそれがある。
本実施形態で使用するPGAは、高分子量ポリマーであることが好ましい。PGAの温度240℃及びせん断速度122sec−1で測定した溶融粘度は、900Pa・s以上、3200Pa・s以下、好ましくは1400Pa・s以上、2800Pa・s以下、より好ましくは1700Pa・s以上、2600Pa・s以下、最も好ましくは1820Pa・s以上、2400Pa・s以下である。
したがって、これらの溶融粘度の範囲に従えば、本実施形態で使用するPGAの重量平均分子量(Mw)は、70,000以上、500,000以下、好ましくは100,000以上、400,000以下、より好ましくは150,000以上、300,000以下、特に好ましくは170,000以上、250,000以下、最も好ましくは200,000以上、240,000以下である。
PGAの溶融粘度が上述の範囲であることは、本坑井掘削用樹脂組成物を、例えば溶融成形等によって安定して成形することが可能であり、これにより得られる坑井掘削用成形品の耐熱性等の低下を防げる面において好ましい。すなわち、例えばダウンホールツール部材等を形成するために行う機械加工等の成形加工時に割れが生じること等を回避できる面において好ましい。また、PGAの溶融粘度が上述の範囲であることは、本坑井掘削用成形品を熱処理(アニーリング)するときに割れが発生するのを回避できる面において好ましい。また、PGAの溶融粘度が上述の範囲であることは、PGAとアクリルゴム系コアシェル型ポリマーとの溶融粘度差が小さくなることによって、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーにせん断力がかかりやすくなり、分散性が向上する面において好ましい。さらには、PGAの溶融粘度が上述の範囲であることは、溶融成形時に本坑井掘削用樹脂組成物を高い温度に加熱しても、PGAの熱劣化が生じにくくなる面において好ましい。また、PGAの溶融粘度が上述の範囲であることは、例えば本坑井掘削用樹脂組成物の機械加工等において、加工機械の心棒が折れてしまうことを回避できる面において好ましい。
本坑井掘削用樹脂組成物中のPGAの含有量は特に限定されないが、本坑井掘削用樹脂組成物から形成される坑井掘削用成形品に要求される特性及び坑井掘削後に必要に応じて行う除去の容易さ等を勘案すれば、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、PGAは60質量部以上、98質量部以下、好ましくは62質量部以上、97質量部以下、より好ましくは65質量部以上、96質量部以下、含有されていることが好ましい。
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、その他の樹脂成分を含有していてもよい。その他の樹脂成分としては、PGA以外の熱可塑性樹脂、例えば、ポリ乳酸(以下、「PLA」という)等の他の生分解性樹脂を挙げることができる。また、PLAとしては、L−乳酸、D−乳酸の単独重合体、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸等が挙げられる。なお、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸とは、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを混合することによりそれぞれの分子鎖が好適に絡み合ってステレオコンプレックスを形成して得られる、耐熱性が向上されたポリ乳酸である。さらに、PLAは、L−乳酸またはD−乳酸の繰り返し単位を50質量%以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上有する共重合体であってもよい。
[アクリルゴム系コアシェル型ポリマー]
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、分解性樹脂であるPGAとともに、アクリル系ゴムをコア層とし、ビニル系(共)重合体をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマー(以下、単に「アクリルゴム系コアシェル型ポリマー」ともいう)を耐衝撃性改良剤として含有する。
本実施形態に係るアクリルゴム系コアシェル型ポリマーは、コア層(最内層)とそれを覆う1以上の層(シェル層)から構成されるコアシェル型の多層構造を有する。コアシェル型ポリマーを構成する層の数は、特に限定されず、例えば2層以上であっても、3層以上または4層以上であってもよい。本実施形態に係るアクリルゴム系コアシェル型ポリマーは、少なくとも最外層を含むシェル層がビニル系(共)重合体からなることが好ましい。コア層とシェル層とは、通常グラフト結合によって結合されている。
[アクリル系ゴムのコア層]
本実施形態に係るアクリルゴム系コアシェル型ポリマーは、アクリル系ゴムをコア層とする。アクリル系ゴムは、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルと、少量のブチレンジアクリレート等の架橋性及び/またはグラフト形成モノマーを重合させて得られるゴム(「エラストマー」ということもある。)である。上記アクリル酸エステルとしては、ブチルアクリレートの他に、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。また、架橋性及び/またはグラフト形成モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のビニル化合物、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、モノアリルマレエート、モノアリルフマレート、トリアリルシアヌレート等のアリル化合物等が挙げられ、ジビニルベンゼン、ブチレンジアクリレート、アリルアクリレート等が特に好ましい。
さらに、本坑井掘削用樹脂組成物に対して特に高い耐熱性等が要求されない場合等においては、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーにおけるアクリル系ゴムは、シリコーンアクリル系ゴムでもよい。シリコーンアクリル系ゴムとしては、ポリオルガノシロキサンゴム等のシリコーンゴム成分と上述したアクリル系ゴムからなる成分とを含有するポリオルガノシロキサン/アクリル系複合ゴム等が挙げられる。ポリオルガノシロキサンゴムを形成するオルガノシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。シリコーンアクリル系ゴムにおけるシリコーンゴム成分は、好ましくは0.1質量%以上、50質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上、30質量%以下である。
さらにまた、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーにおけるアクリル系ゴムは、ブタジエン等の共役ジエン成分を含有するものでもよい。耐熱性等の観点から、この共役ジエン成分は、アクリル系ゴムの総量に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。共役ジエン成分が30質量%以下であることは、坑井掘削用樹脂組成物の耐熱性の低下を回避できる点において好ましい。
アクリル系ゴムは、その他必要に応じて、例えばスチレン、アクリロニトリルまたはイソプレン成分等を含有していてもよい。
[ビニル系(共)重合体のシェル層]
本実施形態に係るアクリルゴム系コアシェル型ポリマーは、ビニル系(共)重合体をシェル層とするものである。なお、上述したように、少なくとも最外層を含むシェル層は、ビニル系(共)重合体からなることが好ましい。なお、本明細書において、ビニル系(共)重合体とは、ビニル基を有するビニル系単量体のホモ重合体または共重合体をいう。本実施形態において、シェル層を形成するビニル系(共)重合体は、コア層を形成するアクリル系ゴムよりガラス転移温度が高い重合体であることが好ましい。
(ビニル系単量体)
本実施形態に係るビニル系(共)重合体を形成するビニル系単量体は、特に限定されず、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体、不飽和トリカルボン酸無水物系単量体、脂肪族ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、マレイミド系単量体、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体、または不飽和トリカルボン酸系単量体等が挙げられる。耐衝撃性等の観点から、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体または不飽和ジカルボン酸無水物系単量体が好ましい。これらのビニル系単量体は、本坑井掘削用樹脂組成物中に1種または2種以上含有されていてもよい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸」または「(メタ)アクリレート」は、「アクリル酸」若しくは「メタクリル酸」の、または、「アクリレート」若しくは「メタクリレート」の、それぞれ当業者に周知の総称である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルまたはメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等である。
本実施形態におけるアクリルゴム系コアシェル型ポリマーが、シェル層に含有されるビニル系(共)重合体を形成するビニル系単量体として、メタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体を含有する場合、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体の含有割合は、特に限定されないが、上述したビニル系単量体の総量に対して、通常80質量%以上、100質量%以下、好ましくは90質量%以上、100質量%以下である。
また、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸または無水シトラコン酸等が挙げられる。不飽和トリカルボン酸無水物系単量体としては、無水アコニット酸等が挙げられる。脂肪族ビニル系単量体としては、エチレン、プロピレンまたはブタジエン等が挙げられる。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンまたはハロゲン化スチレン等が挙げられる。シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはエタクリロニトリル等が挙げられる。マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミド等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、オレイン酸またはリシノール酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸系単量体としては、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸等が挙げられる。不飽和トリカルボン酸系単量体としては、アコニット酸等が挙げられる。
さらに、その他のビニル系単量体としては、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリン、1−ビニルカルボジイミドまたは1−フェニル−3−(1−フェニルビニル)カルボジイミド等が挙げられる。その他必要に応じて、本坑井掘削用樹脂組成物には、上述した架橋性及び/またはグラフト形成モノマーが含有されていてもよい。
(エポキシ基を有するビニル系単量体)
本実施形態におけるアクリルゴム系コアシェル型ポリマーのシェル層に含有されるビニル系(共)重合体は、高い耐衝撃性及び高い耐熱性のバランス等の観点から、ビニル系(共)重合体を形成するビニル系単量体として、エポキシ基を有するビニル系単量体を含有することが特に好ましい。すなわち、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、PGAと、アクリル系ゴムをコア層とし、エポキシ基を有するビニル系単量体を含有するビニル系単量体から形成されるビニル系(共)重合体(以下、「エポキシ基を有するビニル系(共)重合体」ということがある。)をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマーとを含有することが好ましい。
エポキシ基を有するビニル系単量体としては、特に限定されず、例えば、好ましいものとしては、α,β−不飽和カルボン酸のエポキシエステル(「グリシジルエステル」ということもある。)、若しくはエーテル化合物(「グリシジルエーテル」ということもある。)が挙げられる。具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、オレイン酸グリシジル、リシノール酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテルまたは4−グリシジルスチレン等が挙げられ、メタクリル酸グリシジル(「グリシジルメタクリレート」ということもある。)が、エポキシ基を有するビニル系単量体として好ましい。
本実施形態においては、エポキシ基(「グリシジル基」ともいう。)の導入方法、導入量によらず、いずれのエポキシ基を有するビニル系単量体も好ましい。また、本坑井掘削用樹脂組成物は、エポキシ基を有するビニル系単量体を1種または2種以上含有していてもよい。
本実施形態におけるアクリルゴム系コアシェル型ポリマーが、シェル層に含有されるビニル系(共)重合体を形成するビニル系単量体として、エポキシ基を有するビニル系単量体を含有する場合、エポキシ基を有するビニル系単量体の含有割合は、特に限定されないが、ビニル系単量体の総量に対して、通常0.1質量%以上、30質量%以下、好ましくは1質量%以上、15質量%以下、より好ましくは2質量%以上、10質量%以下である。
<アクリルゴム系コアシェル型ポリマー>
本実施形態に係るアクリルゴム系コアシェル型ポリマーは、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物から得られる坑井掘削用成形品の耐衝撃性がより向上する観点から、平均粒径(一次粒径)が0.05μm以上、1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上、0.8μm以下であることがより好ましく、0.2μm以上、0.6μm以下であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、コアシェル型ポリマーの平均粒径とは、レーザー回折法で測定される累積分布50%粒子径である。
コアシェル型ポリマーにおいて、コア層とシェル層との質量比は、特に限定されるものではないが、コアシェル型ポリマー全体に対して、コア層が50質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上、93質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上、90質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物におけるアクリルゴム系コアシェル型ポリマーとしては、それ自体公知の方法により作製することもできるが、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製の「パラロイド(登録商標)EXL−2314」(コア層:ブチルアクリレートを主な重合成分とするアクリル系ゴム、シェル層:エポキシ基を導入したメチルメタクリレートを主な重合成分とする共重合体。すなわち、アクリル系ゴムをコア層とし、エポキシ基を有するビニル系(共)重合体をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマーに該当する。)、「パラロイド(登録商標)EXL−2313」(コア層:ブチルアクリレートを主な重合成分とするアクリル系ゴム、シェル層:メチルメタクリレートを主な重合成分とする共重合体)、「パラロイド(登録商標)EXL−2315」(コア層:ブチルアクリレートを主な重合成分とするアクリル系ゴム、シェル層:メチルメタクリレートを主な重合成分とする共重合体)等が挙げられる。
本坑井掘削用樹脂組成物中のアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの含有量は、該組成物から形成される坑井掘削用成形品に要求される耐熱性、機械的特性、及び、坑井掘削後に必要に応じて行う除去の容易さ等を勘案して適宜定めることができるが、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーの含有量は、好ましくは2質量部以上、40質量部以下、より好ましくは3質量部以上、38質量部以下、さらに好ましくは4質量部以上、35質量部以下、最も好ましくは、4質量部以上、20質量部以下である。
<末端封止剤>
本明細書において、末端封止剤とは、PGAのカルボキシル基末端及び/または水酸基末端を封止する末端封止剤である。より具体的には、末端封止剤とは、PGA及びPGAを含む組成物において、熱分解または加水分解により生じるカルボキシル基末端及び/または水酸基末端と反応して、これらを封止することができる化合物である。
本実施形態では、上述した作用を有する末端封止剤をポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーに対して添加することで、驚くべきことに、ポリグリコール酸樹脂組成物の衝撃強度を増大させることができる。
本実施形態における末端封止剤は、従来、PGAのカルボキシル基末端及び/または水酸基末端を封止することができる末端封止剤として知られている化合物であれば、特に限定されないが、以下の(a)〜(j)からなる群から選択される1種または2種類以上の化合物であることが好ましい。
(a)カルボジイミド化合物、(b)脂肪酸ビスアミド化合物、(c)アルキル置換型脂肪酸モノアミド化合物、(d)トリアジン骨格を有する1〜3官能グリシジル変性化合物、(e)エポキシ化合物、(f)酸無水物、(g)オキサゾリン化合物、(h)オキサジン化合物、(i)カルボジイミド変性イソシアネート化合物、(j)ケテン化合物。
これらの化合物は、PGAのカルボキシル基末端及び/または水酸基末端を効率よく封鎖することができるのみではなく、PGA及び必要に応じて添加する熱可塑性樹脂の熱分解及び加水分解等で生成する酸性低分子化合物のカルボキシル基または水酸基を封鎖することもできる。また、これらの化合物は、酸性低分子化合物が熱分解して生成する水酸基末端も封鎖できるものであることが、より好ましい。なお、これらの末端封止剤は、一般に市販されているものであってもよい。
これらの化合物のうちさらに好ましいものとしては、PGAのカルボキシル基末端を封止する末端封止剤が好ましく、その中でも、カルボジイミド化合物がより好ましい。本坑井掘削用樹脂組成物に対しては、(a)カルボジイミド化合物と(b)〜(j)から選択される少なくともいずれか1種の化合物とを併用してもよく、これにより、PGAの加水分解性を調節することが容易となる。
ここで、本実施形態に係る(a)カルボジイミド化合物について具体的に説明する。本実施形態に係るカルボジイミド化合物は、分子内に少なくとも一つの(−N=C=N−)で表されるカルボジイミド基を有する化合物である。このようなカルボジイミド化合物は、例えば1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドや、これらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等の適当な触媒の存在下において有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反応を行うことで製造することができる。同様の方法により、ジイソシアネートやトリイソシアネート等の複数のイソシアネートを有する化合物を原料とすることでポリカルボジイミドを製造することができる。また、カルボジイミド化合物は一般に入手可能なものであってもよい。
カルボジイミド化合物の例としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジ−o−トルイルカルボジイミド、ジ−p−トルイルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−o−トルイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トルイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミド、N,N’−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N’−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−トリルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド等のモノまたはジカルボジイミド化合物、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)等のポリカルボジイミド等が挙げられる。なかでも低分子のカルボジイミド化合物としては、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドが好ましい。また、ポリカルボジイミドとしては、ポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)が好ましい。
本坑井掘削用樹脂組成物は、ポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、末端封止剤を0.05質量部以上、5質量部以下含有するものであるが、本坑井掘削用樹脂組成物は、末端封止剤を0.1質量部以上、4質量部以下含有することがより好ましく、0.15質量部以上、3質量部以下含有することがさらに好ましく、0.2質量部以上、2質量部以下を含有することが特に好ましい。
ポリグリコール酸及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対する末端封止剤の含有量が0.1質量部以上であることは、本坑井掘削用樹脂組成物の耐衝撃性がより向上する面において好ましく、末端封止剤の含有量が4質量部以下であることは、本坑井樹脂用組成物から得られる坑井掘削用成形品に対して好適な機械的性質が付与される面において好ましい。
<他の配合成分>
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、本発明による効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。本坑井掘削用樹脂組成物に含まれてもよい他の配合成分として、鎖延長剤、安定剤、分解促進剤または分解抑制剤、強化材または充填剤、顔料等の着色剤、可塑剤、核剤等の各種添加剤、及び上述したように他の分解性樹脂等の他の樹脂材料が挙げられる。また、本坑井掘削用樹脂組成物は、アクリルゴム系コアシェル型ポリマー以外の耐衝撃性改良剤(以下、「他の耐衝撃性改良剤」ともいう。)を含有していてもよい。本坑井掘削用樹脂組成物中の他の配合成分の含有量は、それぞれの種類及び目的等に応じて適宜定めることができる。例えば、本坑井掘削用樹脂組成物は、鎖延長剤を含有することによって、分解性樹脂であるPGAの分子量が大きくなり、その結果、本坑井掘削用樹脂組成物の耐衝撃性がより一層向上することがある。また、本坑井掘削用樹脂組成物が強化材を含有する場合には、本坑井掘削用樹脂組成物が分解性の樹脂複合材を形成することとなり、結果として本坑井掘削用樹脂組成物を用いて得られる坑井掘削用成形品の機械的特性がより一層向上することがある。
〔他の耐衝撃性改良剤〕
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、アクリルゴム系コアシェル型ポリマー以外の、他の耐衝撃性改良剤を含有してもよい。他の耐衝撃性改良剤としては、坑井掘削用樹脂組成物の耐衝撃性をさらに高めることができ、かつ、機械的特性や耐熱性を悪化させないものであれば、特に限定されない。
他の耐衝撃性改良剤の組成としては、弾性を有する材料、例えば、各種ゴム材料またはエラストマー材料及びエポキシ基を有するビニル系(共)重合体等を挙げることができる。なお、これらは、概念上他の樹脂材料にも該当する。前記の各種ゴム材料またはエラストマー材料としては、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリルゴム、脂肪族ポリエステルゴム、クロロプレンゴム、ポリウレタンゴム等の天然ゴムまたは合成ゴム;熱可塑性オレフィン系エラストマー(エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(芳香族ポリエステル・脂肪族ポリエステルブロックコポリマー、ポリエステル・ポリエーテルブロックコポリマー等)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン/ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー;等が挙げられる。また、生分解性、加水分解性またはその他の何らかの方法によって化学的に分解することができる分解性のゴム材料またはエラストマー材料も挙げられる。このようなゴム材料またはエラストマー材料としては、例えば、脂肪族ポリエステルゴム、ポリウレタンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のほか、加水分解性を有する官能基を有するゴム材料またはエラストマー材料等が挙げられる。また、より好ましいエラストマー材料としては、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーとの併用効果が確認できることから、エポキシ基を有するビニル系(共)重合体であるグリシジルメタクリレート・エチレン系共重合体が挙げられる。前記のグリシジルメタクリレート・エチレン系共重合体としては、市販品である住友化学株式会社製のボンドファースト(登録商標)等も挙げられる。また、種々のグリシジルメタクリレートの含有割合の共重合体、及び、さらに、酢酸ビニルやメチルメタクリレートを共重合成分として含有する種々の三元共重合体も挙げられる。
本坑井掘削用樹脂組成物中のグリシジルメタクリレート・エチレン系共重合体の含有量は特に限定されないが、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、グリシジルメタクリレート・エチレン系共重合体を0質量部以上、25質量部以下、好ましくは0質量部以上、20質量部以下、より好ましくは1質量部以上、10質量部以下を含有することが好ましい。
〔強化材または充填剤〕
強化剤または充填剤(以下、総称して「強化剤」ということがある。)としては、従来、機械的強度や耐熱性の向上を目的として樹脂材料等の強化材として使用されている材料を挙げることができ、具体的には、繊維状強化材及び粒子状または粉末状強化材等が挙げられる。本坑井掘削用樹脂組成物は、強化材または充填剤を1種または2種以上含有していてもよい。また、強化材は、必要に応じて、集束剤または表面処理剤により処理されていてもよい。
繊維状強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維等の無機繊維状物;ステンレス、アルミニウム、チタン、鋼、真鍮等の金属繊維状物;アラミド繊維、PBO繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度・高弾性率繊維;ケナフ繊維;ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等の高融点有機質繊維状物質;等が挙げられる。繊維状強化材の長さは、特に限定されず、例えば通常の10mm以下の短繊維であってもよいが、好ましくは1mm以上6mm以下、より好ましくは1.5mm以上、4mm以下の短繊維である。また、繊維状強化剤としては、無機繊維状物が好ましく、ガラス繊維がより好ましい。
また、粒子状または粉末状強化材としては、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、フェライト、クレー、ガラス粉、ミルドファイバー、酸化亜鉛、炭酸ニッケル、酸化鉄、石英粉末、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。粒子状または粉末状強化材の粒径は特に限定されず、例えば通常の0.01μm以上、1000μm以下でもよいが、好ましくは0.05μm以上、500μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上、200μm以下である。
〔着色剤等〕
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、染料及び顔料等の着色剤を含有していてもよい。着色剤の種類は特に限定されるものではないが、耐熱性に優れる点で顔料が好ましい。顔料としては、黄色顔料、赤色顔料、白色顔料、黒色顔料等の、合成樹脂の技術分野で用いられている各種色調の顔料が挙げられる。これらの顔料の中でも、カーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。
本坑井掘削用樹脂組成物中の着色剤の含有率は特に限定されるものではないが、本坑井掘削用樹脂組成物に対して、0.001質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.003質量%以上、3質量%以下であることがより好ましく、0.005質量%以上、1質量%以下であることがさらに好ましい。
<坑井掘削用樹脂組成物の調製>
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物の調製には、通常の樹脂組成物の調製方法を用いればよい。したがって例えば、PGA、アクリルゴム系コアシェル型ポリマー、末端封止剤及び所望により含有させる他の耐衝撃性改良剤等の他の配合成分(総称して、「組成成分」ということがある。)を、一括してまたはいくつかに区分して、常温でまたは加熱下に混合することによって、本坑井掘削用樹脂組成物を調製することができる。
混合に際してはせん断力を与えてもよく、また、組成成分の全部または一部を加熱下に溶融混合してもよい。また、取り扱いの利便性等を考慮して、ペレットを調整してもよい。
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物の耐衝撃性をより向上させる観点からは、混合によってPGAとアクリルゴム系コアシェル型ポリマーとが均一な分散状態にあることが好ましく、そのためにPGAとアクリルゴム系コアシェル型ポリマーとを高せん断下に混練することが望ましい。高せん断下に混練する装置としては、例えば二軸混練押出機等を使用することができる。
本坑井掘削用樹脂組成物の調製にあたり、着色剤を用いる場合には、着色剤は、例えばPGAと溶融混練してもよい。また、着色剤の濃度が高いPGA組成物(マスターバッチ)を作製しておき、このマスターバッチをPGAで希釈して所望の着色剤濃度を有する坑井掘削用樹脂組成物を調製してもよい。
さらには、本坑井掘削用樹脂組成物を調製するにあたり、さらに、樹脂改良剤、炭酸亜鉛、炭酸ニッケル等の金型腐食防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、ボロンナイトライド等の核剤、難燃剤等を適宜添加することができる。これらの添加量及び添加方法は、先の説明に準ずることができる。
<坑井掘削用樹脂組成物の耐衝撃性>
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーに加え、末端封止剤を含有することによって、高い耐衝撃性を有する。以下、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物の耐衝撃性の測定方法及び評価方法について説明する。
〔アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)〕
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、高い耐衝撃性を有する。具体的には、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は、耐衝撃性の指標であるアイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が、800J/m以上である。なお、本明細書において、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)は、ASTM D256(ISO180に対応)に準拠して、ノッチ無試験片について測定する。すなわち、本実施形態においてアイゾット衝撃強さ(ノッチ無し)とは、ASTM D256の規定に従って調製した縦63.5mm、横12.7mm及び厚み3.0mmの直方体形状の試験片(ノッチ無)について、振り子式衝撃試験機(ハンマー質量120kg)を使用して、常温(温度23℃±1℃)においてノッチ無試験片の破壊時に吸収される衝撃エネルギーを測定して算出したアイゾット衝撃強さ(n=5の平均値。単位:J/m)を意味する。
本坑井掘削用樹脂組成物のアイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が800J/m以上であることは、耐衝撃性が不足し、例えば本坑井掘削用樹脂組成物から形成された坑井掘削用成形品が、坑井掘削に使用する諸部材と接触や衝突した場合に、破砕、破壊または欠け等が生じるおそれを回避できる面において好ましい。より具体的には、例えば、次の(i)〜(iii)の問題が生じるおそれを回避することができる。
(i)高速での移動中にボール等のダウンホールツール部材が破壊される、または傷(ノッチ)が発生するおそれ、(ii)ボールの移動中またはボールをボールシート(ダウンホールツール部材)にセットするときに他の部材等から衝撃を受け、ボールが破壊するおそれ(その際、(i)においてノッチが発生していると、この段階での衝撃強さが、ノッチ無の衝撃強さより有意に小さいノッチ有の衝撃強さとなる結果、さらに破壊されやすくなる。)、または、(iii)ボールをボールシートにセットして圧力をかけた際に、傷及び欠け等があることによって圧力でボールが、破砕や破壊したりするおそれ。
本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物のアイゾット衝撃強さ(ノッチ無)は、高速でのローディング等における破壊防止の観点から、900J/m以上が好ましく、1000J/m以上がより好ましく、1100J/m以上であることがさらに好ましい。本坑井掘削用樹脂組成物のアイゾット衝撃強さ(ノッチ無)は、特に上限値がないが、概ね4000J/m以下である。
<坑井掘削用成形品>
上述したように、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物は高い耐衝撃性を有している。したがって、本坑井掘削用樹脂組成物から形成された坑井掘削用成形品(以下、「本坑井掘削用成形品」という)は、坑井掘削に使用する諸部材と接触して衝突しても損傷しにくい。また、本坑井掘削用樹脂組成物は、分解性樹脂であるポリグリコール酸を含有している。そのため、本坑井掘削用成形品は、坑井処理後に必要に応じて容易に除去することができる。
本実施形態に係る坑井掘削用成形品は、例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形(プレス成形)等の溶融成形により形成すればよいが、成形が容易になる観点から、本坑井掘削用成形品は、溶融成形によって形成された溶融成形品であることが好ましい。なお、押出成形としては、本坑井掘削用樹脂組成物を溶融させて加熱賦形型から押し出し、押し出し時の高い背圧をかけた状態のまま冷却賦形型内で所定形状に冷却固化させる固化押出成形を採用してもよい。
本坑井掘削用成形品の形状及び大きさは、用途に応じて選択すればよく、特に限定されない。本坑井掘削用成形品の形状としては、所定の径を有する丸棒、所定の厚みを有する平板、所定の径及び厚みを有するパイプ、さらに異形断面形状のもの等が挙げられる。本坑井掘削用成形品の大きさとしては、例えば径または厚みであれば、通常5mm以上、所望により10mm以上、30mm以上または50mm以上とすることができ、用途によっては、100mm以上または120mm以上、特に必要がある場合は150mm以上とすることができる。径または厚みは、上限値が特になく、例えば300mm以下としてもよい。
本実施形態の坑井掘削用成形品は、一次成形品として、前記の丸棒、平板、パイプまたは異形断面形状のままで坑井掘削方法にしてもよい。また、本坑井掘削成形品に対しては、所定長さ、幅及び形状等になるように、切断や打抜き等の処理を行うことで、ボールシート(例えば円環状のシート等)及びリング部材等の坑井掘削用成形品等を、一時成形品として得てもよい。
〔二次成形品としての坑井掘削用成形品〕
本実施形態では、上述の一次成形品としての坑井掘削用成形品(以下、単に「一次成形品」という)に対して切削、穴開け、切断等の機械加工を必要に応じて組み合わせて行うことにより、所定の形状を有する二次成形品を得て、これを坑井掘削用成形品としてもよい。この他、一時成形品に対して、研削仕上、ナイフ状工具を用いる打ち抜き加工及びけがき切断等の塑性加工、レーザー加工等の特殊加工法等を適用することによって、二次成形品を得てもよい。
例えば、一次成形品が、肉厚の大きな平板または丸棒の形状の成形品である場合には、例えば、該成形品を適当な大きさまたは厚みに切断し、切断した成形品を研削して所望の形状に整え、さらに、必要個所に穴あけ加工を行い、必要に応じて仕上げ加工を行うこと等によって、二次成形品としての坑井掘削用成形品を形成することができる。
機械加工時に摩擦熱により機械加工用素材である固化押出分解性樹脂成形品が溶融して平滑な面が出にくい場合等には、切削面等を冷却しながら機械加工を行うことが望ましい。摩擦熱により一次成形品が過度に発熱すると、変形や着色の原因となるので、機械加工用素材である一次成形品または加工面を好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下の温度に制御することが好ましい。
二次成形品としての坑井掘削用成形品の形状としては、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物から形成した一次成形品を機械加工用素材として、該機械加工用素材を機械加工することにより形成することができるものである限り、特に限定されない。例えば、丸棒形状または管状の一次成形品を機械加工することによって、環状または非環状の段部または凸部を有する棒状体、環状または非環状の凹部を有する棒状体または管状体、環状または非環状のフランジを有する棒状体または管状体等のダウンホールツール部材であるマンドレルに適合する形状の二次成形品を得てもよい。また、丸棒形状の一次成形品を機械加工することにより、二次成形品としてのボールを形成してもよい。また、パイプ形状の一次成形品を機械加工することによって、環状または非環状のフランジを有する二次成形品を形成してもよい。
〔坑井掘削用成形品の用途〕
以上説明したように、本実施形態によれば、本実施形態に係る坑井掘削用樹脂組成物から形成された坑井掘削用成形品が提供される。本実施形態に係る坑井掘削用成形品は、例えばダウンホールツール部材として好適に用いることができる。
本実施形態に係るダウンホールツール部材としては、例えば、ボール(ボールシーラー)、ボールシート、フラックプラグ、ブリッジプラグの部材として知られているマンドレル、スリップ、ウエッジ及びリング等が挙げられる。
本実施形態に係るボール、ボールシート、マンドレル、スリップ、ウエッジ及びリング等のダウンホールツール部材は、高深度化等、炭化水素資源回収の採掘条件が過酷かつ多様となるもと、成形加工または運搬時、さらには坑井掘削時の坑井壁面や諸部材との接触や衝突によっても損傷しにくい高い耐衝撃性を有するとともに坑井処理終了後に必要に応じて容易に除去することができるものである。
<坑井掘削方法>
本実施形態に係る坑井掘削方法(以下、「本坑井掘削方法」ともいう)は、本実施形態に係る坑井掘削用成形品を使用する坑井掘削方法である限り、特に限定されない。
本坑井掘削方法は、具体的にはボール(ボールシーラー)またはボールシート等のダウンホールツール部材を使用して、ダウンホールの穿孔及びフラクチャリング等を行う方法である。
上述したように、本坑井掘削用成形品は、高深度化等、採掘条件が過酷かつ多様なものとなるもと、成形加工または運搬時、さらには坑井掘削時の坑井壁面及び諸部材との接触または衝突によっても損傷しにくい高い耐衝撃性を有するとともに、坑井処理終了後に必要に応じて容易に除去することができる。また、本実施形態に係る坑井掘削用成形品、具体的には例えばダウンホールツール部材、を使用することにより、必要に応じて、多様な坑井の環境条件下で、分解性樹脂であるPGAを生分解、加水分解またはその他の方法によって分解させることにより、ダウンホールツール部材を容易に除去することができる。そのため、本坑井掘削方法によれば、坑井の掘削に要する経費節減及び工程短縮を実現することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。なお、以下では、本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物の一実施形態である坑井掘削用樹脂組成物を例として挙げている。実施例及び比較例における坑井掘削用樹脂組成物等の物性及び特性の測定方法は、以下のとおりである。
〔溶融粘度〕
坑井掘削用樹脂組成物に含有されるポリグリコール酸(以下、PGAともいう)の溶融粘度は、キャピログラフ〔株式会社東洋精機製作所製キャピロ1A〕を使用して、温度240℃、剪断速度122sec−1で測定した(単位:Pa・s)。
〔アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)〕
坑井掘削用樹脂組成物のアイゾット衝撃強さ(ノッチ無)は、振り子式衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製、ハンマー質量120kg)を使用して、ASTM D256(ISO180に対応)に準拠して、常温においてノッチ無試験片について測定して、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)を算出した(n=5の平均値。単位:J/m)。
[実施例1]
L/D=30の30mmφ混練押出機を使用して、PGA、アクリルゴム系コアシェル型ポリマー及びN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを、温度230℃において5分間混合した。
各成分、それらの比率及び使用した混練押出機は、以下の通りである:
(成分)
PGA:株式会社クレハ製、温度240℃、せん断速度122sec−1で測定したときの溶融粘度1967Pa・s、重量平均分子量223,000。
アクリルゴム系コアシェル型ポリマー:ローム・アンド・ハース社製のパラロイド(登録商標)EXL−2314、平均粒径0.37μm
N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド:ラインケミー社製、Stabaxol I(なお、表1では「CDI」として示す。)
(比率)
PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマー合計100質量部に対して;
PGA:96質量部
アクリルゴム系コアシェル型ポリマー:4質量部
N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド:0.1質量部
(混合押出機)
株式会社東洋精機製作所製 2D30W2
混合後、射出成形機を使用して、アイゾット衝撃強さ測定用のノッチ無試験片を作成した。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[実施例2]
PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド0.3質量部を用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[実施例3]
PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド3質量部を用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[実施例4]
実施例1のPGAに代えて、以下のPGAを使用した。また、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、ポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)(ラインケミー社製、Stabacxol P100(なお、表1では「Poly CDI」として示す。))3質量部を用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
実施例4のPGA:株式会社クレハ製、温度240℃、せん断速度122sec−1で測定したときの溶融粘度2259Pa・s、重量平均分子量236,000。
[比較例1]
実施例1のPGA100質量部を用い、射出成形機を使用して、アイゾット衝撃強さ測定用のノッチ無試験片を作成した。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[比較例2]
実施例1のPGAに代えて、実施例4のPGAを使用した。また、PGA100質量部と、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド3質量部とを用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[比較例3]
PGA96質量部及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマー4質量部のみを用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[比較例4]
実施例1のPGAに代えて、実施例4のPGAを使用した。また、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド7質量部を用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[比較例5]
実施例1のPGAに代えて、実施例4のPGAを使用した。また、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド3質量部に代えて、PGAの末端との反応性が低いEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体、(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製、エバフレックスEV150))3質量部を用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
[比較例6]
実施例1のPGAに代えて、実施例4のPGAを使用した。また、PGA及びアクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド3質量部に代えて、末端封止剤としてBDTA(3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二水和物)3質量部を用いた。それ以外については実施例1と同様にして試験片を得た。得られた試験片について、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)の測定及び算出を行った。結果を、試験片の組成とともに表1に示す。
Figure 2017200985
表1から、PGA、アクリルゴム系コアシェル型ポリマー及びN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドを含有する実施例1〜3の試験片は、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が800J/mを超えており、高い耐衝撃性を有することが示された。また、PGA、アクリルゴム系コアシェル型ポリマー及びポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)を含有する実施例4の試験片は、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が800J/mを超えており、高い耐衝撃性を有することが示された。
これに対して、アクリルゴム系コアシェル型ポリマーまたはN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドのいずれかを含有しない比較例1〜3に係る試験片は、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が800J/mを下回っており、耐衝撃性が低いことがわかる。
また、実施例1〜4と比較例5との比較から、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドやポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)等の末端封止剤を含有しない試験片では、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が800J/mを下回っており、耐衝撃性が低いことがわかる。
さらに、実施例1〜4と比較例6との比較から、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドまたはポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)でない末端封止剤を含有する試験片では、アイゾット衝撃強さ(ノッチ無)が800J/mを下回っており、耐衝撃性が低いことがわかる。
本発明に係るポリグリコール酸樹脂組成物は、石油または天然ガス等の炭化水素資源を算出し、炭化水素を回収するためのダウンホール部材等の形成に用いられる樹脂組成物として好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. ポリグリコール酸と、
    アクリル系ゴムをコア層とし、ビニル系(共)重合体をシェル層とするアクリルゴム系コアシェル型ポリマーと、
    前記ポリグリコール酸の末端を封止する末端封止剤とを含有するポリグリコール酸樹脂組成物であって、
    前記ポリグリコール酸は、温度240℃及びせん断速度122sec−1で測定したときの溶融粘度が900Pa・s以上、3200Pa・s以下の範囲であり、
    前記ポリグリコール酸及び前記アクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、前記末端封止剤を0.05質量部以上、5質量部以下含有する、ポリグリコール酸樹脂組成物。
  2. 前記末端封止剤が、カルボジイミド化合物、脂肪酸ビスアミド化合物、アルキル置換型脂肪酸モノアミド化合物、トリアジン骨格を有する1〜3官能グリシジル変性化合物、エポキシ化合物、酸無水物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、カルボジイミド変性イソシアネート化合物及びケテン化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物である、請求項1に記載のポリグリコール酸樹脂組成物。
  3. 前記カルボジイミド化合物は、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドまたはポリ(2,4,6−トリイソプロピル−1,3−フェニレンカルボジイミド)である、請求項2に記載のポリグリコール酸樹脂組成物。
  4. 前記ポリグリコール酸及び前記アクリルゴム系コアシェル型ポリマーの合計100質量部に対して、前記ポリグリコール酸60質量部以上、98質量部以下を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリグリコール酸樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリグリコール酸樹脂組成物である、坑井掘削用樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の坑井掘削用樹脂組成物を用いて形成された、坑井掘削用成形品。
  7. 溶融成形品である、請求項6に記載の坑井掘削用成形品。
  8. ダウンホールツール部材である、請求項6または7に記載の坑井掘削用成形品。
  9. 前記ダウンホールツール部材が、ボール、ボールシート、マンドレル、スリップ、ウエッジまたはリングである、請求項8に記載の坑井掘削用成形品。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の坑井掘削用成形品を使用する、坑井掘削方法。
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