JP2017194399A - ガス検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で低コストに多地点のガス検知を行うための技術を提供する。【解決手段】ガス検知システム1は、第1の光信号及び第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、大気中を伝搬した第1の光信号を第3の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、第3の光信号で大気中に含まれる所定の種類のガスをセンサヘッド毎に検知しガスの検知結果を生成する。光ファイバ伝送路を分岐するとともに、分岐された光ファイバ伝送路を介して送信手段とセンサヘッドとを接続し、さらに、分岐された光ファイバ伝送路を介してセンサヘッドと受信手段とを接続する分岐手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス検知システムに関し、特に、ガス濃度の測定値の環境温度による変動を補償できるガス検知システムガス検知方法及びガス検知装置に関する。
近年、石炭や石油と比較して地球温暖化の要因となる二酸化炭素排出量が少ない天然ガスが注目され、各国の天然ガス消費量が増加している。これに伴い、天然ガスの配送網におけるガスの漏洩を検知するための、ガス検知システムの重要性が高まっている。
天然ガスの主成分はメタン分子(CH)である。メタン分子(以下、単に「メタン」と記載する。)の検出に、半導体センサが使用される場合がある。半導体センサは、金属酸化物半導体が検出対象のガスと接触したときに生じる抵抗値の変化をガス濃度として検知する。しかし、半導体センサを用いる際にはセンサの電極を加熱する必要があるため、センサを防爆構造とする必要がある。また、半導体センサの寿命は一般的に数か月程度であるため、センサの校正や交換といった保守作業も必要である。その結果、半導体センサを用いたガス検知システムには、システムの構築コストが高いことに加えて運用コストが高いという課題がある。
半導体センサを用いる方式の代替として、ガスの光吸収を利用するガス検知装置が知られている。特許文献1及び2には、多箇所のガス濃度測定が可能なガス検知装置が記載されている。また、非特許文献1には、メタン分子の赤外吸収を利用する光ファイバ式ガス検知システムが記載されている。
さらに、本願発明に関連して、さらに、非特許文献2には、光SSB(Single Side Band)変調器に入力される光信号のキャリア周波数を一定の周波数だけシフトさせる、波長変換技術が記載されている。非特許文献3には、ブリュアン(Brillouin)散乱による周波数シフトと温度との関係の実測値が記載されている。
国土幹線や地域幹線などの総延長の長いパイプラインや、プラント内に張り巡らされた導管からの漏洩を監視するためには、電源工事や防爆対応の観点からガスを検知するセンサに電源を要さないことが望ましい。特許文献1、2及び非特許文献1に記載されたガス検知システムは、各所に配置されたセンサの機能を非給電で実現する。
特開平6−148071号公報 特開平9−043141号公報
市村他、"光ファイバ式ガス検知システム"、日立電線、No.25、pp.23-28(2006−1) 下津他、「光SSB変調器による広帯域波長変換」、電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、C−3−73、日本(2000年) 坂入他、"BOTDRとOTDRを用いた歪みと温度を分離する測定システムに関する検討"、電子情報通信学会信学技報、OFT2002−57(2002−11)
光吸収を利用したガス検知システムには、ガス分子の吸収スペクトルの強度が環境温度により変化するという問題がある。具体的には、センサの周辺温度が10℃異なるとメタン分子の吸収スペクトルのピーク強度は約10%変化する。従って大気中のガス濃度を正確に測定するためには、各センサの周辺温度を測定し、センサ毎に測定値の温度補償を行う必要がある。この際、センサへの非給電というガス検知システムの特長を損なわないためには、各センサの周辺温度の情報も非給電で取得できることが好ましい。
遠隔地の温度情報を非給電で取得する方法として、光ファイバ温度センサが知られている。光ファイバ温度センサを用いることで、光ファイバ中で発生するブリュアン散乱やラマン(Raman)散乱により発生する後方散乱光の周波数変化や強度変化を測定することによって、光ファイバの各所の応力や温度を測定できる。
非特許文献1に記載された技術では、大気中のメタンガスの濃度を測定するために、波長1650nm付近の吸収スペクトルが利用される。ブリュアン散乱の周波数シフト量は約10GHzであるのに対して、ラマン散乱の周波数シフト量は約13THzである。すなわち、ラマン散乱による後方散乱光の波長帯域は一般の通信用光ファイバの伝送可能波長帯域を大きく逸脱する。このため、光ファイバ温度センサにはブリュアン散乱が利用される場合が多い。
図11は、ブリュアン散乱を用いたOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer:BOTDR)により実現された温度測定装置1210のブロック図である。温度測定装置1210は、レーザダイオード等の光源(LDgas)1211、ドライバ(LDD)1216及び光強度変調器(Pulse)1212によってパルス状のプローブ光を発生させる。温度測定装置1210は、プローブ光を、光サーキュレータ1213を介して光ファイバ伝送路1219に送出する。光ファイバ伝送路1219上の各点ではレイリー(Rayleigh)後方散乱光とブリュアン後方散乱光とが発生する。レイリー後方散乱光の波長はプローブ光の波長と同一であり、ブリュアン後方散乱光はブリュアン周波数シフトによりプローブ光から約10GHz離れた波長に現れる。
温度測定装置1210は、光検出器(Photo Detector:PDgas)1214と信号処理部(Sig.Proc.)1215によってブリュアン後方散乱光の周波数シフト量を測定する。そして、周波数シフト量から光ファイバ伝送路1219の各点の温度を求めることができる。周波数シフト量は、ブリュアン後方散乱光と光源1211とのヘテロダイン検波により求められる。なお、光ファイバに加わる応力によってもブリュアン散乱の周波数は変化するが、ブリュアン散乱に影響を与えない程度のたわみを持たせた状態で光ファイバを敷設することで、周波数シフト量から温度情報のみを得ることができる。
図12は、特許文献1に記載されたガス検知システムと、図11に示したBOTDRを用いた温度測定装置とを組み合わせたガス検知システム901の構成を簡略化して示す図である。ガス検知システム901は、制御装置1220、温度測定装置1230、波長合分波フィルタ(WDM filter)1250及びセンサネットワーク1260を備える。
ガス検知システム901では、光源1211の波長が、ガスの吸収波長を含む範囲内で変調される。特許文献1では光源の駆動電流の交流成分を変化させて波長変調を行っている。非特許文献1では光源の駆動電流の直流成分を変化させて波長変調を行っている。このような波長変調により、光源のスペクトルは広がる。
波長変調された光は、光サーキュレータ1213及び波長合分波フィルタ1250を介して、センサネットワーク1260が接続された光ファイバ伝送路1270に送出される。センサネットワーク1260は複数の光カプラ及びガスセンサを備え、ガスセンサを透過した光信号は折り返されて波長合分波フィルタ1250に戻る。波長合分波フィルタ1250は、光ファイバ伝送路1270から受信された光信号のうち、光源1211と同一の波長帯の光を制御装置1220へ出力する。制御装置1220は、光検出器1217及び信号処理部1218を用いて、光源の波長の吸収量から各センサで検知されたガス濃度を求める。
波長合分波フィルタ1250は、波長シフトしたブリュアン後方散乱光の波長帯の光信号を温度測定装置1230へ出力する。温度測定装置1230は、光検出器1214及び信号処理部1215を用いて、光源の波長のブリュアンシフト量から各センサの近傍で検知された温度を求める。信号処理部1215で求められた温度を用いることで、信号処理部1218で求められたガス濃度の温度特性を補償できる。
このように、ガス検知システム901は、遠隔地のガス濃度モニタ地点の温度を非給電で測定できるとともに、ガス分子の吸収スペクトルの強度の温度特性を補償できる。しかしながら、ガス検知システム901には、以下の課題がある。
ガス検知システム901の課題は、ガス分子の吸収スペクトルを測定する光信号(波長λgas)を温度測定にも使用することにより生じる。図13は、ガス検知システム901の各部の光信号のスペクトルを示す図である。図13の縦軸は光信号の強度を示し、横軸は波長を示す。
送信される光信号の波長は、図13において光信号31及び32に示される。光源1211の波長変調前の波長はλgasであり(光信号31)、光源1211の駆動信号の制御により、制御装置1220の出力ではガスの吸収波長を含むように広げられる(光信号32)。光信号32は、プローブ光としてセンサネットワーク1260へ送出される出力信号である。センサネットワーク1260からの戻り光のうち、光信号32のセンサで折り返された光信号及びレイリー後方散乱光は光信号33に示され、光信号32のブリュアン後方散乱光は光信号34及び35に示される。光信号32のセンサで折り返された光信号は、ガス濃度の検知に用いられる。
光信号32のスペクトルは拡げられているため、光信号33の波長とブリュアン後方散乱光(光信号34及び35)の波長とは近接する。従って、光信号33とブリュアン後方散乱光とを分離するためには波長合分波フィルタ1250に高い性能が求められる。また、光信号32のスペクトルがさらに広がっている場合は、レイリー後方散乱光とブリュアン後方散乱光との分離が不可能となる可能性もある。すなわち、ガス検知システム901には、センサネットワーク1260からの戻り光からブリュアン後方散乱光のみを分離して温度情報を精度よく検出することが困難であるという課題がある。
第2の問題点は、上記第1の問題点を回避するためにガス検知システムで使用する光信号(波長λgas)とは別の光信号(波長λth)を用いて温度検知を行う場合に生じる。図14は、この場合のガス検知システム902の構成を簡略化して示す図である。図15は、ガス検知システム902の各部の光信号のスペクトルを示す図である。
図14に示されるガス検知システム902は、ガス濃度の測定とセンサ周辺の温度測定とで、波長が異なる光源1211(波長λgas)及び光源1241(波長λth)を用いる。図15の(3)に示すように、センサネットワーク1260からのブリュアン後方散乱光44のスペクトルは、光信号41のレイリー後方散乱光である光信号42に対しても、充分に分離されている。従って、波長合分波フィルタ1250はブリュアン後方散乱光44を比較的容易に分離可能であるため、温度測定装置1240は、光信号41のブリュアン後方散乱光44に基づいてセンサネットワーク1260の各部の温度を測定できる。
しかしながら、ガス検知システム902は、光源(1211及び1241)、光源ドライバ(1216及び1246)、光強度変調器(1212及1242)、光サーキュレータ(1213及び1243)が各々2個ずつ必要になる。その結果、ガス検知システム902には、高コストであるという課題がある。
特許文献1及び2に記載された技術のさらなる課題について以下に説明する。特許文献1に記載された多点ガス濃度測定装置は、1本の光ファイバを複数の分岐結合手段で分岐する構成を備える。特許文献1に記載された装置では、複数の測定点からの反射光が受信時に重なり合わないように、パルス状の光信号が用いられる。しかしながら、特許文献1に記載された装置には、測定点間の距離を小さくできないという課題がある。その理由は以下の通りである。特許文献1に記載された装置は、波長変調を行うために光源(レーザ)の駆動電流あるいは温度を変化させる。メタンの吸収スペクトルをカバーするためには波長を5GHz程度変化させる必要がある。そして、レーザの駆動電流を変化させることによってこの波長変化を得るためには数μs(マイクロ秒)の時間を要する。その結果、ガスセルへ送出されるパルス光は数μs以上の幅を持つ。しかし、この幅は光ファイバ上で数kmの伝搬距離に相当するため、特許文献1に記載された装置は、受信時に反射光が重ならないためには測定点の各々の間の距離を数km以上離す必要がある。すなわち、特許文献1に記載された装置では、距離分解能の高い多地点ガス濃度監視システムを実現できない。
特許文献1に記載された装置において、光分岐合流手段の間に光ファイバをスプールして配置することで、測定点間の距離を拡大できる。しかしながら、この場合、スプールされた光ファイバによる伝搬ロスによってガス濃度を監視可能な距離が大きく制限される。例えば、メタン分子の吸収スペクトルが存在する1.65μmにおけるシングルモードファイバ(Single Mode Fiber、SMF)の伝搬ロスは約0.4dB/kmである。従って、各測定地点間に1kmのスプール用の光ファイバを配置すると、測定点を25個所持つシステムでは、往復で最大20dBの過剰な損失が発生する。その結果、ガスの検知精度が著しく劣化するとともに、伝搬距離の延伸や測定点の増加が大きく制限される。
特許文献2に記載されたガス検知装置は、スペクトル幅の広い光信号を用いてガスの吸収を測定するために、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要とする。しかしながら、スペクトルの広いパルス光が光ファイバ中を伝搬すると、波長分散によってパルス幅が広がり、複数の測定点からの戻り光パルスがガス検知装置に戻ってきた際に時間的に重なりガス濃度の測定が行えなくなる。また、特許文献2に記載されたガス検知装置は、ガス分子の吸収を受ける波長成分と受けない波長成分を切り分けるために、受信側に波長選択分離器及びパルス光遅延器を備える。その結果、受信側の光回路も複雑なものとなる。このように、特許文献2に記載されたガス検知装置は、構成が複雑でコストが高いという課題がある。
(発明の目的)
本発明の目的は、1台の光源を用いてガス濃度及び温度の双方を精度よく測定し、ガス濃度測定時の温度依存性を簡単な構成で補償できるガス検知システムを実現することにある。
本発明のガス検知システムは、パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号、及び、パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を光波長変調手段によって生成し、第1の光信号及び第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、
第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した第1の光信号を第3の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、
第3の光信号を受光して第1の電気信号に変換し、第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて大気中に含まれる所定の種類のガスをセンサヘッド毎に検知しガスの検知結果を生成するとともに、第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、第2の電気信号に基づいて算出されたセンサヘッドに対応する温度に基づいて、第1の電気信号から算出したガスの検知結果を補償する受信手段と、
光ファイバ伝送路を分岐するとともに、分岐された光ファイバ伝送路を介して送信手段とセンサヘッドとを接続し、さらに、分岐された光ファイバ伝送路を介してセンサヘッドと受信手段とを接続する分岐手段と、
を備える。
本発明のガス検知方法は、パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号を生成し、
パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を生成し、
第1の光信号及び第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力し、
センサヘッドにおいて、第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した第1の光信号を第3の光信号として受光して第1の電気信号に変換し、第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて大気中に含まれる所定の種類のガスをセンサヘッド毎に検知しガスの検知結果を生成し、
第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、第2の電気信号に基づいて算出されたセンサヘッドに対応する温度に基づいて、第1の電気信号から算出したガスの検知結果を補償する、
ことを特徴とする。
本発明のガス検知装置は、パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号、及び、パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を光波長変調手段によって生成し、第1の光信号及び第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、
第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した第1の光信号を第3の光信号として出力するセンサヘッドから第3の光信号を受光して第1の電気信号に変換し、第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて大気中に含まれる所定の種類のガスをセンサヘッド毎に検知しガスの検知結果を生成するとともに、第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、第2の電気信号に基づいて算出されたセンサヘッドに対応する温度に基づいて、第1の電気信号から算出したガスの検知結果を補償する受信手段と、
を備える。
本発明のガス検知システム、ガス検知装置及びガス検知方法は、ガス濃度測定を簡単な構成で精度よく低コストに行うことを可能とする。
第1の実施形態のガス検知システム1の構成例を表すブロック図である。 光波長変調器114の構成例を示すブロック図である。 制御装置110における光信号の生成例を説明する図である。 ガス検知システム1の各部の光信号のスペクトルの例を示す図である。 光検出器116で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 光検出器116で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 温度測定装置210の光検出器211で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第2の実施形態のガス検知システム2の構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態のガス検知装置800の構成例を示すブロック図である。 ガス検知装置800の動作手順の例を示すフローチャートである。 BOTDRにより実現された温度測定装置1210のブロック図である。 ガス検知システム901の構成を簡略化して示す図である。 ガス検知システム901の各部の光信号のスペクトルを示す図である。 ガス検知システム902の構成を簡略化して示す図である。 ガス検知システム902の各部の光信号のスペクトルを示す図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態のガス検知システム1の構成例を表すブロック図である。ガス検知システム1は、制御装置110、温度測定装置210、波長合分波フィルタ220、光ファイバ120−1〜120−n、光カプラ121−1〜121−m、センサヘッド130−1〜130−nを備える。nは2以上の整数、m=n−1である。
以下では、光ファイバ120−1〜120−nを総称して光ファイバ120と記載する。光カプラ121−1〜121−m、センサヘッド130−1〜130−nも同様に光カプラ121、センサヘッド130と総称する。
制御装置110とセンサヘッド130とは、伝送路である光ファイバ120で接続される。制御装置110は、レーザダイオード(LD)111、レーザダイオードドライバ(LDD)112、光強度変調器(Pulse)113、光波長変調器(λ mod)114を備える。制御装置110は、さらに、光サーキュレータ115、光検出器(Photo Detector、PD)116、信号処理部(Sig.Proc.)117、時間制御部(Time)118を備える。
温度測定装置210は、光検出器211及び信号処理部212を備える。制御装置110と温度測定装置210とは、波長合分波フィルタ(WDM filter)220を介して光ファイバ120−1と接続される。
光ファイバ120上には、光カプラ121−1〜121−mが直列に配置される。p番目(1≦p≦m−1)の光カプラ121−pの分岐の一方は、センサヘッド130−pに接続される。光カプラ121−pの分岐の他方は、光ファイバ120−q(q=p+1)に接続される。例えば、光カプラ121−1の分岐の一方は、センサヘッド130−1に接続される。光カプラ121−1の分岐の他方は、光ファイバ120−2に接続される。ただし、制御装置110から最も遠方の光カプラ121−mは、センサヘッド130−m及び光ファイバ120−nに接続される。光ファイバ120−nは、センサヘッド130−nに接続される。
センサヘッド130は、周辺の大気に含まれるメタンの濃度を測定するために用いられるセンサである。センサヘッド130は、レンズ131とミラー132を備える。レンズ131とミラー132とはセンサヘッド130−1〜130−nに共通であるので、図1では単にレンズ131及びミラー132と記載される。レンズ131とミラー132との間は、センサヘッド130の周辺の大気にさらされる。
図2は、光波長変調器114の構成例を示すブロック図である。可変オシレータ(OSC)201は、出力周波数が可変である電気信号の発振器である。可変オシレータ201から出力される電気信号は、カプラ(CPL)202で4分岐される。分岐された各々の信号の位相は位相シフタ(PS)203−1〜203−4で調整される。位相シフタ203−1〜203−4から出力された4つの信号は、光SSB(single side band)変調器204の4つのポートにそれぞれ入力される。可変オシレータ201及び位相シフタ203は、制御部(CONT)205により制御される。光SSB変調器204のOPTinには、光強度変調器113からパルス光が入力される。光SSB変調器204は、パルス光を波長変調してOPToutから出力する。OPToutは、光サーキュレータ115に接続される。
(ガス検知システム1の動作)
レーザダイオード111の駆動電流及び温度は、レーザダイオードドライバ112により制御される。レーザダイオード111は、波長1.65μmの連続光を出力する。この波長は、メタンによる吸収が大きい波長として知られている。出力された波長1.65μmの連続光は、光強度変調器113によりパルス変調され、所定の間隔のパルス光となる。パルス光は、光波長変調器114により波長変調される。
光波長変調器114は、パルス光に対して時間帯により異なる波長変調を行う。波長変調によって、ガス濃度測定に用いるための波長変調が施された光信号と、温度測定に用いるための波長変調が施された光信号とが時分割で生成される。それぞれの波長変調の詳細については後述する。
波長変調されたパルス光は、光サーキュレータ115及び波長合分波フィルタ220を介して光ファイバ120−1へ送出される。光ファイバ120を伝搬する光信号は、光カプラ121を通過するたびに2分岐される。2分岐された光信号の一方はセンサヘッド130に入力され、他方は光ファイバ120によって引き続き伝送される。
n個のセンサヘッド130は、ガスの漏洩の検知が必要とされる場所に分散して設置される。センサヘッド130は、光カプラ121から入力された光信号を光ファイバ端面から放射し、放射された光信号をレンズ131により平行光線に変換する。平行光線はセンサヘッド130が設置された場所の大気中を伝搬し、ミラー132でレンズ131の方向に反射される。レンズ131は、反射された平行光線を、光信号を放射した光ファイバに集光する。光ファイバへ集光された光信号は、光カプラ121及び光ファイバ120を逆方向に伝搬して波長合分波フィルタ220へ戻る。光ファイバ120を逆方向に伝搬した光信号は波長合分波フィルタ220で波長に応じて分波される。波長合分波フィルタ220は、ガス濃度測定に用いるための波長変調が施された光信号を制御装置110へ出力する。このようにして、制御装置110から送信された光信号はセンサヘッド130で折り返され、制御装置110で受信される。
光サーキュレータ115は、光波長変調器114から出力された光信号を光ファイバ120−1へ送出するとともに、光ファイバ120−1から受信された光信号を光検出器116へ導く。光検出器116は、受信された光信号を電気信号に変換する。信号処理部117は、光検出器116が出力した電気信号を処理することにより、センサヘッド130が設置された各地点の大気に含まれるメタンの濃度を求める。
一方、温度測定に用いるための波長変調が施された光信号は、波長合分波フィルタ220から、温度測定装置210に導かれる。温度測定装置210で受信された光信号は、光検出器211で電気信号へと変換される。信号処理部212は、光検出器211が出力する電気信号を処理することにより、センサヘッド130−1〜130−nのそれぞれの周辺温度を計算する。求められた周辺温度は信号処理部212から信号処理部117へ通知される。信号処理部117は、求められたメタンの濃度を、信号処理部212から通知された周辺温度に基づいて、センサヘッド130−1〜130−nにおける測定値毎に補正する。
図3は、制御装置110における光信号の生成例を説明する図である。図3の(1)〜(3)は光強度を縦軸、時間を横軸として光信号の強度の時間変化を示す。図3の(4)〜(6)は光信号の波長を縦軸、時間を横軸として、制御装置110で生成される光信号の波長の時間変化を示す。光強度、波長及び時間はいずれも任意目盛である。図3の(5)、(6)においては、光信号がない時間の波長は示されていない。
レーザダイオード111から出力された直後の光信号の光強度及び波長λはともに一定である(図3の(1)、(4))。光強度変調器113は、レーザダイオード111から出力された光信号を変調して長さT1、間隔T2のパルス光を生成する。パルス光の周期TはT1+T2である。光強度変調器113は光信号の光強度をパルス状に変調するが、光信号の波長λは一定のままである(図3の(2)、(5))。
光波長変調器114は、光強度変調器113から出力されたパルス光の光波長を変調する。本実施形態では、光波長変調器114は、時間帯1においては波長を1個のパルス内で長波長方向に掃引(λ→λ)し、得られた光信号をセンサヘッド130−1〜130−nにおける周辺ガス濃度測定に用いる。時間帯2においては、光波長変調器114は、パルス光の波長を短波長方向にシフトさせて波長λに固定し、得られた光信号をセンサヘッド130−1〜130−nの周辺温度測定に用いる(図3の(6))。時間帯1において、パルス光の波長は、1個のパルス光の発光から消光までの経過時間に対して一意となるように変調される。
時間制御部118は、図3の(6)の波長変調波形が得られるように、時間帯1及び時間帯2毎の、光波長変調器114の変調動作を管理する。なお、図3は、時間帯1に3個のパルス光が存在し、時間帯2に2個のパルス光が存在する例を示す。しかし、各時間帯に含まれるパルス光の数は図3の記載に限定されない。
図4は、ガス検知システム1の各部の光信号のスペクトルの例を示す図である。縦軸は光信号の強度を示し、横軸は波長を示す。レーザダイオード111の波長はλ0である(光信号21)。光波長変調器114の出力、すなわち制御装置110から光ファイバ120−1へ出力される光信号の波長は、図3の(6)に示したように、時間帯1ではλ0〜λ1の間にあり(光信号22)、時間帯2ではλ2である(光信号23)。
センサヘッド130からの戻り光信号のスペクトルは、図4の光信号24〜28に示される。光信号24及び25は、それぞれ、光信号22及び23のセンサヘッド130からの反射光及びレイリー後方散乱光である。光信号26及び27は、光信号22のブリュアン後方散乱光である。光信号28は、光信号23のブリュアン後方散乱光(アンチストークス光)である。また、光信号27のスペクトルは、光信号23のブリュアン後方散乱光(ストークス光)のスペクトルと重複する場合がある。
光信号28の波長は、隣接する光信号25の波長から充分に離れているため、波長合分波フィルタ220は、ブリュアン散乱光(光信号28)のみを容易に分離して温度測定装置210へ出力できる。
光波長変調器114によるパルス光の波長変調は、非特許文献2に記載されている波長変換技術を参照して行われてもよい。非特許文献1に記載された波長変換技術は、オシレータから出力される一定の周波数の正弦波によって、入力される光信号のキャリア周波数を光SSB変調器204において一定の周波数だけシフトさせる。
ただし、非特許文献2の方法を単純に適用するだけでは単なる波長変換しか行えないため、本実施形態の光波長変調器114では、波長掃引を行うために可変オシレータ201が用いられる。制御部205は、可変オシレータ201の出力周波数を時間帯1及び2、パルス光の周期T及び発光期間T1に合わせて変化させる。その結果、時間帯1では、図3の(6)に示すようなパルス光の発光期間T1内で波長がλ0からλ1まで掃引された変調波形が得られる。時間帯2では波長掃引が行われないため、出力波長がλ2で一定となるように可変オシレータ201の出力周波数が制御される。制御部205は、所望の特性のパルス光が得られるように、さらに、位相シフタ203を制御してもよい。
可変オシレータ201に代えて、任意波形発生器(Arbitrary Waveform Generator、AWG)を用いてもよい。例えば、10G(giga)サンプル/秒のAWGを使用し、10サンプリングポイント毎に0.1GHzずつ周波数を増加させることで、50ns(nano second)の時間内に5.0GHzの周波数掃引を行うことができる。メタンの吸収スペクトル幅が約3.0GHzであるため、この吸収スペクトルを充分にカバーできる周波数掃引が短時間で実現される。また、50nsのパルス幅は約10mのファイバ長に相当するため、10mという比較的短い間隔でセンサヘッドを配置しても、各センサヘッドからの戻り光は時間的に区別される。すなわち、センサヘッドの設置地点間の距離が10m程度離れていれば、他のセンサヘッドからの信号の影響を受けることなくそれぞれの地点でガスを検知できる。
図5及び図6は、光検出器116で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。図5は、センサヘッド130が配置されたいずれの地点においてもガス漏洩がない場合の例を示す。
図5及び図6は、光信号に含まれる1つのパルスに対して、センサヘッド130からは複数のピークを含む光信号が受信されることを示す。各ピークの時間軸上の位置は、光信号の往復時間、すなわち、制御装置110と光信号のセンサヘッド130との距離によって定まる。本実施形態では、センサヘッド130の各々は、等間隔かつ制御装置110との距離が全て異なるように配置される。このため、図5及び図6のピークも等間隔となる。
図5に示される1つ目のピーク(A0)は、光波長変調器114から送信される光信号が、光サーキュレータ115の指向性の不完全性(Directivity)のために、光検出器116で直接受信されるために生じる。2つ目以降のピーク(A1〜An)は、それぞれ、センサヘッド130−1〜130−nから折り返されたパルス光に対応するピークである。あらかじめセンサヘッド130を1個ずつ接続して対応するピークA1〜Anが生じるタイミングを測定しておくことで、受信されるピークA1〜Anとセンサヘッド130−1〜130−nとの対応を知ることができる。ピークの幅はパルス光の発光期間T1に等しく、ピークの間隔は、制御装置110における、光信号のセンサヘッド130からの応答時間の差によって定まる。また、パルス光の周期Tは、ピークA0からピークAnまでの時間よりも長く設定される。
図5及び図6に「レイリー後方散乱」として点線及びパルス光がない期間を示す曲線は、光ファイバのレイリー(Rayleigh)後方散乱に起因する受信光の強度を示す。レイリー後方散乱の強度は、制御装置110からセンサヘッドまでの距離が長くなるに従って、光ファイバ120の伝送ロス及び光カプラ121の分岐損によって減少する。センサヘッド130が設置された全ての地点においてガス漏洩がない場合、図5のように、センサヘッド130から折り返されたパルス光のピークは、いずれもなだらかな強度変化を示す。なお、図5及び図6に示すレイリー後方散乱による信号強度の時間的変化は概念を示す一例であり、レイリー後方散乱の強度は光カプラ121の数や光ファイバ120の光学的特性によって異なる。
一方、図6は、i番目(1≦i≦n)のセンサヘッドが設置された地点において、ガス漏洩の結果、大気中のメタンガス濃度が高い場合の例を示す。この場合、図5とは異なり、i番目のセンサヘッドからの折り返しパルス光(Ai)のピークに、メタンガスによる光信号の吸収に起因するディップが観測される。このディップの量を光検出器116及び信号処理部117において検出することにより、i番目のセンサヘッド周辺のメタンガスの濃度を知ることができる。光検出器116は、光強度に比例した振幅の電気信号を信号処理部117へ出力する。信号処理部117は、パルス光のピークにおける電気信号の時間的な強度変化をピーク毎に監視し、ガスの吸収によるディップを検出する。
以下は、信号処理部117の動作手順の例である。信号処理部117は、i番目のピークのディップの深さ(すなわち、振幅変化)を検出する。そして、振幅変化が所定の閾値よりも大きい場合に、センサヘッド130−iの周辺でガスが漏洩していると判断して、制御装置110の外部へアラームを出力する。あるいは、信号処理部117は、i番目のピークのディップの深さに基づいて、センサヘッド130−iの周辺のガスの濃度を算出し、算出したガス濃度を制御装置110の外部へ出力する。一般に、ガスの濃度が高いほどガスによる光吸収は増加し、ディップも深くなる。従って、あらかじめガスの濃度とディップの深さとの関係を測定しておくことで、ディップの深さからガスの濃度を求めることができる。
図7は、温度測定装置210の光検出器211で受信される光信号の波形例を、図5に示した光信号の波形例と対応させて概念的に示す図である。図7の(1)は、光検出器116で観測される信号波形の例を示す。図7の(1)は、(2)に示す温度測定受信器122の信号波形の例を説明するために、共通の時間軸で並べて表示される。光検出器211は、波長合分波フィルタ220で分離された光信号(図2の光信号24)とレーザダイオード111の出力とを用いてヘテロダイン検波を行う。従って、光検出器211の出力からは光信号24の周波数シフトに相当する情報が得られる。
図7の(1)では、「i個目のセンサヘッドからの折り返しパルス」と記載された位置の時間領域でブリュアン周波数シフトが大きい。すなわち、i個目のセンサヘッド付近の温度が高いことが分かる。ブリュアン周波数シフトと温度との関係の実測値は、例えば非特許文献3に開示されている。従って、周波数シフトの測定値からセンサヘッド周辺温度を算出し、ガス濃度センサの測定値を補正することができる。
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態のガス検知システム1は、以下の効果を奏する。
第1の効果は、非給電という特長を保持したままガス濃度の測定精度を向上できることである。その理由は、ガス検知システム1は、光ファイバを用いた温度センシングにより各センサ部における周辺温度を測定できるためである。
第2の効果は、ガス検知システムの測定精度を向上させるためのコストを低減できることである。その理由は、1つの光源から出力される光信号の波長に時間帯毎に異なる変調を施し、ガス検知用と温度測定用とで異なる波長の光信号を使用することにより、光源及び周辺回路をガス濃度測定と温度測定とで共通化できる。そして、ガス検知用と温度測定用とで異なる波長の光信号を使用することで、ブリュアン後方散乱光を低コストに分離できる。
ガス検知システム1は、さらに、以下の効果も奏する。すなわち、ガス検知システム1は、簡単かつ安価に多地点のガス検知を行うことができる。その第1の理由は、単一波長の光源の出力光の波長を、光波長変調器114を用いて変化させているため、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要としないからである。第2の理由は、折り返された光信号の処理は光検出器116及び信号処理部117のみで行われるため、受信側に複雑な光回路を必要としないからである。
さらに、第1の実施形態のガス検知システム1は、距離分解能が高いガス検知システムを実現できる。その理由は、単一波長の光源から出力された短いパルスの波長を、光波長変調器114を用いて変化させているためである。このような構成により、スペクトルの広いパルス光を用いた場合と比較して光信号のパルス幅の広がりを小さくできるとともに、レーザの駆動電流や温度により波長変調を行った場合と比較して短いパルスで所望の波長変化が得られる。その結果、センサヘッド130間の距離が小さい場合でも、複数の測定点からの戻り光パルスが制御装置110において時間的に重なることを回避でき、高い距離分解能が得られる。そして、第1の実施形態のガス検知システム1は、上記の効果を得るために光ファイバ120上に光ファイバスプールを配置する必要がない。
さらに、第1の実施形態のガス検知システム1は、ガス検知システムの運用コストを低減できる。その理由は、ガス検知システム1は、センサヘッド毎に制御装置110から光ファイバを敷設する場合と比較して、1本のファイバに光カプラを挿入することで多くの地点のガス検知を行えるからである。1本のファイバに光カプラを挿入する構成は、システムの建設や保守が容易であるとともに、既設の光ファイバ網に空き心線が少ない地域へのガス検知システムの導入を容易とする。
(第1の実施形態の変形例)
以下に、第1の実施形態のガス検知システム1と同様の効果をもたらす変形例について説明する。
第1の実施形態では光波長変調器として光SSB変調器を用いた。しかし、光SSB変調器の代わりに大容量光通信技術に用いられているIQ変調器(In−phase/Quadrature変調器)を用いて波長変調を実現しても良い。また、大振幅の変調器ドライバを用い、光位相変調器(Optical Phase変調器)の印加電圧を時間方向に変化させることによっても波長変調を実現できる。
また、レーザダイオード111と光サーキュレータ115との間及び光サーキュレータ115と光検出器116との間の一方又は両方に光増幅器を挿入してもよい。光増幅器を用いることでセンサヘッド130から受信した光信号の信号対雑音比を向上させることができる。
また、第1の実施形態のセンサヘッド130は、光信号を空間的に伝搬させる際、ミラー132を用いて1回反射させる。しかし、複数のミラーを用いて光信号を複数回反射させることで、空間内の光信号の伝搬経路を長くしてもよい。このような構成のセンサヘッドを用いることでガスによる光信号の吸収が増加し、より低濃度のガスを検出することができる。
また、図3では、光信号の波長がそれぞれのパルス内で直線的に変化する例を示した。しかし、波長の変化に正弦波を重畳して波長変調分光法(Wavelength Modulation Spectroscopy、WMS法)によるガス濃度の算出を行ってもよい。WMS法を用いることで、より感度の高いガス濃度の測定が可能となる。この際、直線的な波長変調と正弦波状の波長変調とはそれぞれ個別の光波長変調器により行われてもよい。
また、非特許文献2には、波長変換によって高次の側波帯が発生することが示される。このような高次の側波帯を抑圧するために、光波長変調器114の後段に光バンドパスフィルタが配置されてもよい。高次の側波帯を除去する光バンドパスフィルタを追加することにより雑音が抑圧されるため、より精度の高い測定が可能となる。
さらに、波長合分波フィルタ220とセンサヘッド130の間に光バンドパスフィルタを設置してもよい。光ファイバ120中のブリュアン散乱は後方のみでなく前方にも発生する。この前方に伝搬する散乱光がセンサヘッド130により反射されて温度測定装置210に戻ると正確な温度測定が困難になる。このため、前方散乱光を除去する波長特性を持つ光バンドパスフィルタが用いられてもよい。
第1の実施形態では光波長変調器114において、ガス濃度を測定する時間帯(時間帯1)に光信号の波長を長波長側に変調し、温度測定の時間帯(時間帯2)に光信号の波長を短波長側に変調する例を説明した。しかし、逆に、ガス濃度を測定する時間帯(時間帯1)に光信号の波長を短長波長側に変調し、温度測定の時間帯(時間帯2)に光信号の波長を長波長側に変調してもよい。この場合には、ブリュアン後方散乱光のうちストークス成分(長波長側の散乱光)を用いて温度測定を行うことができる。
また、本実施形態では波長1.65μmの光信号を用いてメタンの検出を行う例を示した。光信号の波長として、メタンの別の吸収スペクトルに相当する波長を用いてもよい。あるいは、メタンとは異なるガス分子の吸収スペクトルを、1.65μm以外の波長でモニタして、メタン以外のガスを検出してもよい。さらに、複数の波長の光信号を用いて複数の異なる種類のガスを検出してもよい。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態のガス検知システム2の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態では、ガス濃度測定用と温度測定用との2台の光検出器116及び212を使用した。第2の実施形態では、1台の光検出器でガス濃度測定と温度測定とを行う。以下の説明において、既出の要素には同一の名称及び参照符号を付して、重複する説明は省略する。
(実施形態の構成)
図8において、ガス検知システム2は、制御装置1110、光ファイバ120−1〜120−n、光カプラ121−1〜121−m、センサヘッド130−1〜130−nを備える。nは2以上の整数、m=n−1である。
制御装置1110は、レーザダイオード111、レーザダイオードドライバ112、光強度変調器113、光波長変調器114を備える。制御装置110は、さらに、光サーキュレータ115、光検出器116、及び信号処理部117及び時間制御部118を備える。
(第2の実施形態の動作)
制御装置1110内での光信号の生成過程及び光波長変調器114による変調動作は、第1の実施形態と同様であり、本実施形態では説明を省略する。本実施形態では、光ファイバ120−1を戻ってきた光信号は、全て光検出器116で電気信号に変換され、当該電気信号は信号処理部117で処理される。ここで、光検出器116及び信号処理部117の動作は、時間制御部118により管理される。すなわち、時間制御部118は、光検出器116及び信号処理部117の動作を、時間帯1で生成された光信号の戻り光を受信する場合と、時間帯2で生成された光信号の戻り光を受信する場合とで切り替える。
具体的には、図3の時間帯1に生成された光信号の戻り光を受信する時間帯には、時間制御部118は、光検出器116及び信号処理部117を、光強度受信器として動作させる。この場合には、光検出器116へ入力される光信号の強度の時間変化に基づいて、第1の実施形態の図5及び図6で説明したように、各センサヘッド130の周辺ガス濃度が測定される。
一方、図3の時間帯2に生成された光信号の戻り光を受信する時間帯には、時間制御部118は、光検出器116及び信号処理部117を、第1の実施形態で説明した温度測定装置210の光検出器211及び信号処理部212として動作させる。このとき、光検出器116は、例えばレーザダイオード111の出力を用いてヘテロダイン受信を行う波長検出器として動作してもよい。時間帯2では、光検出器116は光信号のブリュアンシフト量に対応する周波数の信号を出力するため、制御装置1110は、この信号を用いてセンサヘッド130の周辺温度を測定できる。そして、制御装置1110は、時間帯2の間に送受信された光信号によって測定された周辺温度の情報を用いて、時間帯1に送信された光信号によって測定されたガス濃度測定値の温度依存性の補正を行うことができる。
(第2の実施形態の効果)
本実施形態のガス検知システム2は、1台の光検出器及び信号処理部によって、遠隔点のガス濃度及び周辺温度を測定できる。このため、ガス検知システム2は、第1の実施形態のガス検知システム1の効果に加えて、システムコストをより低価格化できる。
第2の実施形態の内容は上記で説明した形態に限定されない。第1の実施形態と同様に、第2の実施形態においても、使用する変調器や光増幅器、分光方法や波長などが異なる構成も本願発明の範囲に含まれる。
なお、第1及び第2の実施形態では1本の光ファイバ伝送路を2分岐して一方にセンサヘッドを接続し、センサヘッドからの戻り光を同一の光ファイバ伝送路を用いて伝送する構成を説明した。しかし、本願発明が適用可能なセンサヘッドの配置はこれに限られない。例えば、特許文献2に記載された、往路と復路とで異なる光ファイバ伝送路が用いられる構成にも、本願発明は適用可能である。さらに、光スターカプラを用いて分岐された光ファイバ伝送路にセンサヘッドが接続された構成にも、本願発明は適用可能である。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態のガス検知装置800の構成例を示すブロック図である。図10は、ガス検知装置800の動作手順の例を示すフローチャートである。第2の実施形態で説明した制御装置1110は、以下の構成を備えるガス検知装置800と呼ぶこともできる。すなわち、ガス検知装置800は、送信部801と受信部802とを備える。送信部801は、図8の光波長変調器114を含む。送信部801は、さらに、図8のレーザダイオード111、レーザダイオードドライバ112、光強度変調器113を含んでもよい。受信部802は、図8の光検出器116及び信号処理部117を含んでもよい。
送信部801は、パルス光の波長に対して、時間帯1には第1の変調が施された第1の光信号を生成し、時間帯2には第2の変調が施された第2の光信号を生成する(図10のステップS01)。第1及び第2の変調は、光波長変調器において行われる。送信部801は、第1の光信号及び第2の光信号を、センサヘッドと接続された伝送路に出力する(ステップS02)。ここで、センサヘッドは、大気中を伝搬させた第1の光信号を第3の光信号として出力する。
受信部802は、第3の光信号を受光して(ステップS03)第1の電気信号に変換する(ステップS04)。そして、受信部802は、第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、大気中に含まれる所定の種類のガスをセンサヘッド毎に検知し(ステップS05)、ガスの検知の結果を生成する(ステップS06)。
受信部802は、さらに、第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して(ステップS07)第2の電気信号に変換する(ステップS08)。そして、受信部802は、第2の電気信号に基づいてセンサヘッドに対応する温度を算出する(ステップS09)。受信部802は、算出された温度に基づいて、ステップS06で生成されたガスの検知結果を補償して、補償された検知結果を出力する(ステップS10)。
第3の実施形態のガス検知装置800は、以下の効果を奏する。
第1の効果は、ガス濃度の測定精度を非給電という特長を保持したまま向上できることである。その理由は、ガス検知装置800は、光ファイバの散乱光から生成された信号に基づいて各センサヘッドにおける周辺温度を測定できるためである。
第2の効果は、ガス検知システムの測定精度を向上させるためのコストを低減できることである。その理由は、1つの光波長変調器を用いて、パルス光の波長を時間帯毎に変調することにより、光源及び周辺回路をガス濃度測定と温度測定とで共通化できるためである。
以上の各実施形態に記載された機能及び手順は、制御装置110、1110あるいは温度測定装置210が備える中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)がプログラムを実行することにより実現されてもよい。プログラムは、固定された、一時的でない記録媒体に記録される。記録媒体としては半導体メモリ又は固定磁気ディスク装置が用いられるが、これらには限定されない。CPUは例えば信号処理部117及び212の少なくとも一方に備えられるコンピュータでもよいが、これらには限定されない。
なお、本発明の実施形態は以下の付記のようにも記載されうるが、これらには限定されない。
(付記1)
パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号、及び、前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を光波長変調手段によって生成し、前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、
前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、
前記第3の光信号を受光して第1の電気信号に変換し、前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成するとともに、前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する受信手段と、
前記光ファイバ伝送路を分岐するとともに、分岐された前記光ファイバ伝送路を介して前記送信手段と前記センサヘッドとを接続し、さらに、分岐された前記光ファイバ伝送路を介して前記センサヘッドと前記受信手段とを接続する分岐手段と、
を備えるガス検知システム。
(付記2)
前記受信手段は、光ヘテロダイン検波により前記第2の光信号に対する前記第4の光信号の周波数シフト量の情報を有する前記第2の電気信号を生成し、前記周波数シフト量に基づいて算出された温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する、付記1に記載されたガス検知システム。
(付記3)
前記受信手段に備えられた第1の光検出手段及び第2の光検出手段と、
前記第3の光信号が前記第1の光検出手段で受信され、前記第4の光信号が前記第2の光検出手段で受信されるように接続された、前記第3及び第4の光信号を分離する波長合分波フィルタをさらに備える、付記1又は2に記載されたガス検知システム。
(付記4)
前記送信手段は、前記第1の時間帯には前記第1の光信号を生成し、前記第2の時間帯には前記第2の光信号を生成するように前記光波長変調手段を制御する時間制御手段を備え、
前記受信手段は前記第3及び第4の光信号を受光する第3の光検出手段を備える、
付記1又は2に記載されたガス検知システム。
(付記5)
前記時間制御手段は、前記受信手段を、前記第3の光信号を受信する場合には前記第1の電気信号に基づいて前記検知結果を出力させ、前記第4の光信号を受信する場合には前記第2の電気信号に基づいて前記センサヘッドに対応する温度を算出させるように制御する、付記4に記載されたガス検知システム。
(付記6)
前記第1の変調は、前記パルス光の波長を時間経過とともに単調に変化させ、前記第2の変調は前記パルス光の波長を前記第1の光信号の波長の変化とは逆方向にシフトさせる、付記1乃至5のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記7)
パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号を生成し、
前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を生成し、
前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力し、
センサヘッドにおいて、前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として受光して第1の電気信号に変換し、前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成し、
前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する、
ガス検知方法。
(付記8)
光ヘテロダイン検波により前記第2の光信号に対する前記第4の光信号の周波数シフト量の情報を有する前記第2の電気信号を生成し、
前記周波数シフト量に基づいて算出された温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する、
付記7に記載されたガス検知方法。
(付記9)
前記第3及び第4の光信号を分離し、
前記第3の光信号を第1の光検出手段で受信し、
前記第4の光信号を第2の光検出手段で受信する、
付記7又は8に記載されたガス検知方法。
(付記10)
時間制御手段によって、前記第1の時間帯には前記第1の光信号を生成し、
前記第2の時間帯には前記第2の光信号を生成する、
付記7又は8に記載されたガス検知方法。
(付記11)
前記時間制御手段によって、前記第3の光信号を受信する場合には前記第1の電気信号に基づいて前記検知結果を出力し、前記第4の光信号を受信する場合には前記第2の電気信号に基づいて前記センサヘッドに対応する温度を算出する、
付記10に記載されたガス検知方法。
(付記12)
前記第1の変調は、前記パルス光の波長を時間経過とともに単調に変化させ、前記第2の変調は前記パルス光の波長を前記第1の光信号の波長の変化とは逆方向にシフトさせる、付記7乃至11のいずれかに記載されたガス検知装置の制御方法。
(付記13)
ガス検知システムが備えるコンピュータに、
パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号を生成する手順、
前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を生成する手順、
前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する手順、
センサヘッドにおいて、前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として受光して第1の電気信号に変換する手順、
前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成する手順、
前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換する手順、
前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する手順、
を実行させるためのガス検知システムの制御プログラム。
(付記14)
光ヘテロダイン検波により前記第2の光信号に対する前記第4の光信号の周波数シフト量の情報を有する前記第2の電気信号を生成する手順、
前記周波数シフト量に基づいて算出された温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する手順、
をさらに実行させる、付記13に記載されたガス検知システムの制御プログラム。
(付記15)
前記第3及び第4の光信号を分離する手順、
前記第3の光信号を第1の光検出手段で受信する手順、
前記第4の光信号を第2の光検出手段で受信する手順、
をさらに実行させる、付記13又は14に記載されたガス検知システムの制御プログラム。
(付記16)
さらに、
時間制御手段に、前記第1の時間帯には前記第1の光信号を生成する手順及び前記第2の時間帯には前記第2の光信号を生成する手順、
を実行させる、付記13又は14に記載されたガス検知システムの制御プログラム。
(付記17)
前記時間制御手段に、前記第3の光信号を受信する場合には前記第1の電気信号に基づいて前記検知結果を出力する手順、前記第4の光信号を受信する場合には前記第2の電気信号に基づいて前記センサヘッドに対応する温度を算出する手順、
をさらに実行させる、付記16に記載されたガス検知システムの制御プログラム。
(付記18)
前記第1の変調は、前記パルス光の波長を時間経過とともに単調に変化させるものであり、前記第2の変調は前記パルス光の波長を前記第1の光信号の波長の変化とは逆方向にシフトさせるものである、付記13乃至17のいずれかに記載されたガス検知システムの制御プログラム。
(付記19)
パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号、及び、前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を光波長変調手段によって生成し、前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、
前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として出力するセンサヘッドから前記第3の光信号を受光して第1の電気信号に変換し、前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成するとともに、前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する受信手段と、
を備えるガス検知装置。
(付記20)
前記受信手段は、光ヘテロダイン検波により前記第2の光信号に対する前記第4の光信号の周波数シフト量の情報を有する前記第2の電気信号を生成し、前記周波数シフト量に基づいて算出された温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する、付記19に記載されたガス検知装置。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得るさまざまな変更をすることができる。また、各実施形態の構成要素は、矛盾がない限り組み合わせることができる。
本願発明は、ガス濃度の測定システムに適用できる。特に、広いエリアの多地点のガス濃度情報を遠隔から測定するようなシステムに適用できる。
1、2 ガス検知システム
21〜28、31〜34、41、42、44 光信号
110、1110、1220 制御装置
111 レーザダイオード
112 レーザダイオードドライバ
113、1212、1242 光強度変調器
114 光波長変調器
115、1213、1243 光サーキュレータ
116、211、1214、1217 光検出器
117、212、1215、1218 信号処理部
118 時間制御部
120、120−1〜120−n 光ファイバ
121、121−1〜120−m 光カプラ
122 温度測定受信器
130、130−1〜130−n センサヘッド
131 レンズ
132 ミラー
201 可変オシレータ
203 位相シフタ
204 光SSB変調器
205 制御部
210、1210、1230、1240 温度測定装置
220、1250 波長合分波フィルタ
800 ガス検知装置
801 送信部
802 受信部
901、902 ガス検知システム
1211、1241 光源
1219、1270 光ファイバ伝送路
1260 センサネットワーク

Claims (10)

  1. パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号、及び、前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を光波長変調手段によって生成し、前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、
    前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、
    前記第3の光信号を受光して第1の電気信号に変換し、前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成するとともに、前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する受信手段と、
    前記光ファイバ伝送路を分岐するとともに、分岐された前記光ファイバ伝送路を介して前記送信手段と前記センサヘッドとを接続し、さらに、分岐された前記光ファイバ伝送路を介して前記センサヘッドと前記受信手段とを接続する分岐手段と、
    を備えるガス検知システム。
  2. 前記受信手段は、光ヘテロダイン検波により前記第2の光信号に対する前記第4の光信号の周波数シフト量の情報を有する前記第2の電気信号を生成し、前記周波数シフト量に基づいて算出された温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの前記検知結果を補償する、請求項1に記載されたガス検知システム。
  3. 前記受信手段に備えられた第1の光検出手段及び第2の光検出手段と、
    前記第3の光信号が前記第1の光検出手段で受信され、前記第4の光信号が前記第2の光検出手段で受信されるように接続された、前記第3及び第4の光信号を分離する波長合分波フィルタをさらに備える、請求項1又は2に記載されたガス検知システム。
  4. 前記送信手段は、前記第1の時間帯には前記第1の光信号を生成し、前記第2の時間帯には前記第2の光信号を生成するように前記光波長変調手段を制御する時間制御手段を備え、
    前記受信手段は前記第3及び第4の光信号を受光する第3の光検出手段を備える、
    請求項1又は2に記載されたガス検知システム。
  5. 前記時間制御手段は、前記受信手段を、前記第3の光信号を受信する場合には前記第1の電気信号に基づいて前記検知結果を出力させ、前記第4の光信号を受信する場合には前記第2の電気信号に基づいて前記センサヘッドに対応する温度を算出させるように制御する、請求項4に記載されたガス検知システム。
  6. 前記第1の変調は、前記パルス光の波長を時間経過とともに単調に変化させ、前記第2の変調は前記パルス光の波長を前記第1の光信号の波長の変化とは逆方向にシフトさせる、請求項1乃至5のいずれかに記載されたガス検知システム。
  7. パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号を生成し、
    前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を生成し、
    前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力し、
    センサヘッドにおいて、前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として受光して第1の電気信号に変換し、前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成し、
    前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する、
    ガス検知方法。
  8. 光ヘテロダイン検波により前記第2の光信号に対する前記第4の光信号の周波数シフト量の情報を有する前記第2の電気信号を生成し、
    前記周波数シフト量に基づいて算出された温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する、
    請求項7に記載されたガス検知方法。
  9. 前記第3及び第4の光信号を分離し、
    前記第3の光信号を第1の光検出手段で受信し、
    前記第4の光信号を第2の光検出手段で受信する、
    請求項7又は8に記載されたガス検知方法。
  10. パルス光の波長に対して第1の時間帯に第1の変調が施された第1の光信号、及び、前記パルス光の波長に対して第2の時間帯に第2の変調が施された第2の光信号を光波長変調手段によって生成し、前記第1の光信号及び前記第2の光信号を光ファイバ伝送路に出力する送信手段と、
    前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第3の光信号として出力するセンサヘッドから前記第3の光信号を受光して第1の電気信号に変換し、前記第1の電気信号の振幅の時間的変化に基づいて前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し前記ガスの検知結果を生成するとともに、前記第2の光信号の散乱光である第4の光信号を受光して第2の電気信号に変換し、前記第2の電気信号に基づいて算出された前記センサヘッドに対応する温度に基づいて、前記第1の電気信号から算出した前記ガスの検知結果を補償する受信手段と、
    を備えるガス検知装置。
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