JP2017193954A - 水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置 - Google Patents

水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構造物に付着する水生付着生物を簡単に除去することが可能な水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置の提供。【解決手段】陽極3aおよび陰極3bより水生付着生物5と構造物4との付着界面の空隙部6に作用させたパルスパワーにより、付着界面の空隙部6内の気体が絶縁破壊を生じてプラズマが生成され、気体が瞬間的な体積膨張を生じる。この体積膨張と、同時に発生する衝撃波が水生付着生物5と構造物4との付着界面に伝播することで、構造物4との付着界面から水生付着生物5が剥がれ落ち、除去される。【選択図】図2

Description

本発明は、構造物に付着する水生付着生物、特に、アカフジツボ、イワフジツボ、シロスジフジツボやクロフジツボ等の甲殻類や、イガイ、ムラサキイガイ、ミドリイガイやマガキ等の軟体類等の水生付着生物を除去する水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置に関する。
フジツボ、イガイやマガキ等の水生付着生物が発電所の取放水路壁面に付着すると、設備の冷却効率の低下などの問題が発生するため、定期的に水生付着生物の除去を行う。従来、この水生付着生物の除去は、取放水路内の水を抜いた後、ケレン棒で刮ぎ落とすことにより行われている。
従来、このような水生付着生物を除去する装置として、例えば特許文献1には、作業用クレーン車のブーム先端に、複数のアームを着脱自在に連結構成した水平アーム機構の基部アームを回動自在に連結し、この基部アームに昇降自在に垂設したスライドシャフトの先端に貝類掻き落としブラシまたは除去機構をスライド昇降自在になるように吊着するとともに、先端アームにはオペレーターが搭乗するオペレーター用バケットを吊下した伸縮アームを垂設し、貝類掻き落としブラシを回転し、オペレーターが貝類の付着および掻き落とし状況を視認しながら掻き落としおよび導水路内に堆積した貝類の除去を行うものが記載されている。
また、特許文献2には、昇降台にアームを取り付けるとともに、このアームの先端にリンク機構を介して首振り駆動可能とされるプレートを取り付けし、当該首振りプレートにはカッター手段を、揺動リンクを介して取り付けし、かつ揺動リンク部には回転カッターの壁面押圧姿勢における押圧作用線にほぼ沿う対角線上のリンク支点を連結するショックアブソーバーを設けた貝殻除去装置が記載されている。
特開平6−320120号公報 実公平6−18626号公報
前述のように、従来、水生付着生物の除去は、ケレン棒で刮ぎ落とすことにより手作業で行われているが、水生付着生物は固着力が高く、除去作業には大きな労力が必要となっている。一方、特許文献1,2に記載のような大掛かりな装置の導入には大きな費用がかかることになる。
そこで、本発明においては、構造物に付着する水生付着生物を簡単に除去することが可能な水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置を提供することを目的とする。
本発明の水生付着生物除去方法は、パルスパワーをパルス放電により水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させることを特徴とする。本発明によれば、水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させたパルスパワーにより、付着界面の空隙部内の気体が絶縁破壊を生じてプラズマが生成され、気体が瞬間的な体積膨張を生じる。この体積膨張と、同時に発生する衝撃波が水生付着生物と構造物との付着界面に伝播することで、構造物との付着界面から水生付着生物が剥がれ落ち、除去される。
なお、気中においてパルスパワーをパルス放電により水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させる場合には、一対の電極を水生付着生物または構造物に接触させた状態とすることが望ましい。これにより、パルスパワーが水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用し、付着界面の空隙部内の気体に絶縁破壊を生じさせることが可能となる。
また、水中においてパルスパワーをパルス放電により水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させる場合には、一対の電極を構造物から離した状態とすることが望ましい。これにより、パルスパワーを水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させ、付着界面の空隙部内の気体で絶縁破壊を生じさせることが可能となる。なお、水中においてパルスパワーを作用させる場合、パルスパワーは絶縁破壊電圧が低い気体に作用するため、水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部だけでなく、構造物の空隙部にも作用し、構造物が破損することがある。
また、本発明の水生付着生物除去装置は、構造物に付着する水生付着生物を除去する水生付着生物除去装置であって、パルスパワーをパルス放電により発生させるパルスパワー発生器と、パルスパワーを水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させるための一対の電極とを有するものである。この水生付着生物除去装置によれば、パルスパワーをパルス放電により水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させることにより、上記のように構造物から水生付着生物を除去することが可能となる。
パルスパワーをパルス放電により水生付着生物と構造物との付着界面の空隙部に作用させることにより、構造物に付着する水生付着生物を低労力で簡単に除去することが可能となる。
本発明の実施の形態における水生付着生物除去装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態における水生付着生物除去装置による水生生物の除去プロセスを示す説明図である。 フジツボが付着したコンクリート製ブロックを平面視した写真である。 図3を正面視した写真である。 図3のV−V断面を示すX線CT画像である。 図4のVI−VI断面を示すX線CT画像である。 フジツボが付着した別のコンクリート製ブロックを平面視した写真である。 図7を正面視したX線CT画像である。 図7の縦断面を示すX線CT画像である。 図7のフジツボの付着面を示すX線CT画像である。 気中での作業イメージを示す説明図である。 水中での作業イメージを示す説明図である。 電極の配置例を示す説明図である。 実験に用いた電極の先端形状を示す図である。 マルクスの回路図である。 気中環境下での実験結果を示すグラフである。 気中環境下での実験状況を示す図である。
図1は本発明の実施の形態における水生付着生物除去装置の概略構成図である。
図1において、本発明の実施の形態における水生付着生物除去装置1は、パルスパワーをパルス放電により発生させるパルスパワー発生器2と、パルスパワー発生器2により発生させたパルスパワーをパルス放電により作用させるための一対の電極3(陽極3a、陰極3b)とから構成される。パルスパワー発生器2は、電源2aで発生させた電気をコンデンサ2bで一時的に貯蓄し、一対の電極3(陽極3a、陰極3b)間において一瞬で放電する。
パルスパワーとは、パルス状の電力(パワー)のことであり、通常、時間的空間的に高度に圧縮された電磁エネルギーを瞬間的に放電することで得られる大電力(巨大エネルギー)のことをいう。得られるパワーは以下に示す式による。
・・・式(1)
ここで、P:パワー[W]、E:エネルギー[J]、τ:放電時間[s]であり、パワー[W]=エネルギー[J]/時間[s]=電圧[V]×電流[A]である。
また、エネルギーは、電圧とコンデンサ2bの容量によって決定され、以下の式により算出される。
・・・式(2)
ここで、E:エネルギー[J]、V:電圧[kV]、C:コンデンサ容量[μF]である。
上式(1)および上式(2)により、エネルギーが小さい場合においても、パルスパワーのように短時間であれば極めて大きいパワーが得られる。
パルスパワーは、絶縁体である気体、液体、固体(ゴムやガラスなど)に絶縁破壊を生じさせることができる特徴を有している。絶縁破壊とは、絶縁体が持つ絶縁破壊電圧以上の電圧を印加させた場合において絶縁性能を失い、電流が流れる現象を示す。パルスパワー発生器2は、この絶縁破壊電圧以上の電圧を印加させることが可能となっている。絶縁破壊電圧は、気体、液体、固体の順に高くなることから、適切な電圧を印加すれば、固体および液体では絶縁破壊を生じさせずに、気体で絶縁破壊を生じさせることが可能となる。本実施形態における水生付着生物除去装置1は、この特徴を利用する。
図2は本実施形態における水生付着生物除去装置1による水生付着生物の除去プロセスを示す説明図である。図2(a)に示すように、水生付着生物除去装置1の一対の電極3(陽極3a、陰極3b)を構造物4に付着した水生付着生物5、または、水生付着生物5が付着している構造物4に当て、パルスパワー発生器2により気体のみで絶縁破壊を生じるように発生させたパルスパワーを一対の電極3(陽極3a、陰極3b)から作用させると、パルスパワーは、同図(b)に示すように、水生付着生物5と構造物4との付着界面の空隙部6に作用する。
このとき、水生付着生物5と構造物4との付着界面の空隙部6内の気体が絶縁破壊を生じてプラズマが生成され、空隙部6内の気体が瞬間的な体積膨張を生じる。この体積膨張と、同時に発生する衝撃波が水生付着生物5と構造物4との付着界面に伝播することで、水生付着生物5が破砕され、同図(c)に示すように、構造物4との付着界面から水生付着生物5が剥がれ落ち、除去される。
図3は水生付着生物5としてのフジツボが付着した構造物4としてのコンクリート製ブロックを平面視した写真であり、図4は図3を正面視した写真である。図5は図3のV−V断面を示すX線CT画像、図6は図4のVI−VI断面を示すX線CT画像である。また、図7はフジツボが付着した別のコンクリート製ブロックを平面視した写真、図8は図7を正面視したX線CT画像、図9は図7の縦断面を示すX線CT画像、図10は図7のフジツボの付着面を示すX線CT画像である。
図5、図6、図9および図10に現れる黒色に近い濃い灰色の部分は、フジツボとコンクリート製ブロックとの付着界面およびフジツボ内部に存在する空隙部である。水生付着生物除去装置1からパルスパワーをパルス放電により作用させると、空隙部内の気体が絶縁破壊を生じてプラズマが生成され、この空隙部内の気体が瞬間的な体積膨張を生じ、同時に衝撃波が発生する。この体積膨張と衝撃波がフジツボとブロックとの付着界面に伝播することで、フジツボは除去される。
なお、気中においてパルスパワーをパルス放電により作用させる際には、図2に示すように、一対の電極3(陽極3a、陰極3b)を水生付着生物5または構造物4に接触させるが、水中においてパルスパワーを作用させる際には、一対の電極3を構造物4から離した状態にする。
図11は気中での作業イメージを示す説明図、図12は水中での作業イメージを示す説明図である。図11に示すように、発電所の取放水路10の壁面10aのフジツボ11を除去する場合、取放水路10の抜水後、壁面10aのフジツボ11表面がほぼ乾いた状態で、一対の電極3(陽極3a、陰極3b)をフジツボ11に接触させてパルスパワーをパルス放電により作用させるようにする。一方、図12に示すように、水中で作業する場合には、取放水路10の抜水はせずに、一対の電極3(陽極3a、陰極3b)を取放水路10の壁面10aから離したうえで、パルスパワーをパルス放電により作用させるようにする。
なお、上記実施形態における一対の電極3の陽極3aおよび陰極3bは、図13(a)に示すように点電極を構造物4の表面に対して垂直に設置し、一定の距離を持って配置させたものであるが、同図(b)に示すように、陽極3aを点電極、陰極3bを線電極としたり、同図(c)に示すように、陽極3aおよび陰極3bをともに線電極としたりすることも可能である。
上記水性付着生物除去装置1による水生付着生物除去実験を、水中および気中においてそれぞれ実施した。
<電極の先端形状>
パルスパワーを放電するための電極として、ポリエチレン(絶縁物)被膜された直径5mmの銅線を使用した。また、水中および気中において、それぞれ図14に示すような電極の先端形状とし、電極先端付近のポリエチレン被膜を取り除き、銅線を1cm程度露出したものに鋼製の電極カバーを取り付けた。なお、銅線はむき出しとしても良い。
<電極の設置方法>
水中および気中において、電極の設置方法は以下の通りとした。
水中においては、電極先端はフジツボもしくは母材コンクリートから離す。電極先端を接触させたままパルスパワーをパルス放電により作用すると、母材コンクリートが損傷する可能性が高い。
気中においては、電極先端はフジツボもしくは母材コンクリートに接触させる。
<パルス発生回路>
本実験では、マルクスバンク方式のパルス発生回路を用いた。
マルクスバンク方式(図15参照。)とは、N個のコンデンサを充電時は並列充電し、放電時にはコンデンサ間につながれたギャップスイッチにより瞬時に直列接続とするものである。このとき、充電電圧Vに対し、N×Vの出力電圧が得られるため、低い充電電圧で高い出力電圧が得られる。
<実験方法>
(A)全般
電圧(V)とマルクスバンク方式のパルス発生回路におけるコンデンサ容量および個数(C)、一対の陽極と陰極との電極間距離(L)、母材コンクリートから電極までの距離(H)を変化させて、母材コンクリートを損傷させずに水生付着生物が除去可能な条件を検討した。なお、気中においては電極を水生付着生物または母材コンクリートに接触させた状態で実施した。
パルス放電を作用させた場合に、水生付着生物が除去可能か否かの判定は、「放電回数5回以内でフジツボが除去可能で放電100回でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
パルス発生回路は前述のマルクスバンク方式を使用した。コンデンサの容量と個数の組み合わせは以下の4通りである。
・コンデンサ容量0.8μFでコンデンサ個数10個
・コンデンサ容量0.2μFでコンデンサ個数10個
・コンデンサ容量0.8μFでコンデンサ個数2個
・コンデンサ容量0.2μFでコンデンサ個数2個
(B−1)水中実験1
(B−1−1)目的
コンデンサ容量0.8μFのコンデンサを用いた場合の水中での水生付着生物除去の可否検討。
(B−1−2)内容
・電源からの充電電圧は25kVとした。
・コンデンサの容量は0.8μF、個数は10個とした。
・陽極と陰極間での出力電圧は250kVとした。
・電極間距離は25cm、20cmとした。
・電極先端から母材コンクリートまでの距離は3cmとした。
・水生付着生物除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(B−1−3)結果
・実験結果を表1に示した。
・水中において、パルスパワーをパルス放電により作用させ、母材コンクリートを損傷させずにフジツボが除去できた。
(B−2)水中実験2
(B−2−1)目的
上記(B−1)水中実験1とはコンデンサの容量が異なる0.2μFのコンデンサを用いた場合の水中でのフジツボ除去の可否検討。
(B−2−2)内容
・電源からの充電電圧は30kV、40kVとした。
・コンデンサの容量は0.2μF、個数は10個とした。
・陽極と陰極間での出力電圧は300kV、400kVとした。
・電極間距離は10、15cmとした。
・電極先端から母材コンクリートまでの距離は2cm、0cm(0cmは陰極のみ)とした。
・水生付着生物除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(B−2−3)結果
・実験結果を表2に示した。
・コンデンサ容量0.2μFのコンデンサを用いて、水中においてパルスパワーをパルス放電により作用させることで、母材コンクリートを損傷させずにフジツボが除去できた。
・電極間距離10cmもしくは15cmの場合、陽極、陰極ともにフジツボもしくは母材コンクリートから2cm離すことで母材コンクリートを傷めずに、フジツボを除去できた。
・陰極を母材に接触させ、パルス放電を作用させた場合、母材コンクリートの表層が損傷した。
(C−1)気中実験1
(C−1−1)目的
・0.2μFのコンデンサを用いた場合における気中でのフジツボ除去の可否検討。
(C−1−2)内容
・電源からの充電電圧は40kVとした。
・コンデンサの容量は0.2μF、個数は10個とした。
・陽極と陰極間での出力電圧は400kVとした。
・電極間距離は20、25cmとした。
・陽極、陰極共に先端はフジツボもしくは母材コンクリートに接触させた。
・水生付着生物除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(C−1−3)結果
・実験結果を表3および図16に示した。
・コンデンサ容量0.2μFのコンデンサを用いて、気中において、パルスパワーをパルス放電により作用させ、母材コンクリートを損傷させずにフジツボが除去できた。
(C−2)気中実験2
(C−2−1)目的
・上記(C−1)気中実験1とは容量が異なるコンデンサ容量0.8μFを用いた場合の気中でのフジツボ除去の検討。
(C−2−2)内容
・電源からの充電電圧は20kV、30kVとした。
・コンデンサの容量は0.8μF、個数は10個とした。
・陽極と陰極間での出力電圧は200kV、300kVとした。
・電極間距離は15cmとした。
・陽極、陰極共に先端はフジツボもしくは母材コンクリートに接触させた。
・水生付着生物除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(C−2−3)結果
・実験結果を表4および図16に示した。
・コンデンサ容量0.8μFのコンデンサを用いて、気中においてパルスパワーをパルス放電により作用させることで、母材コンクリートを損傷させずにフジツボが除去できた。
(C−3)気中実験3
(C−3−1)目的
・出力電圧100kVでのフジツボ除去の可否確認。
(C−3−2)内容
・電源からの充電電圧は10kVとした。
・コンデンサの容量は0.2μF、個数は10個とした。
・陽極と陰極間での出力電圧は100kVとした。
・電極間距離は5cmとした。
・水生付着生物除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(C−3−3)結果
・実験結果を表5および図16に示した。
・コンデンサ容量0.2μF、10個のコンデンサを用いた場合、出力電圧100kV、電極間距離5cmで母材コンクリートを損傷させずに、フジツボが除去できた。
(C−4)気中実験4
(C−4−1)目的
・出力電圧100kV以下でのフジツボ除去が可能な条件の検討。
(C−4−2)内容
・電源からの充電電圧は15kV、20kV、25kV、30kV、35kV、40kV、45kVとした。
・コンデンサの容量は0.8μF、個数は2個とした
・コンデンサの容量は0.2μF、個数は2個とした。
・陽極と陰極間での電位差(出力電圧)は30kV、40kV、50kV、60kV、70kV、80kV、90kVとした。
・電極間距離は3cm、5cm、7cm、9cm、11cm、13cm、15cmとした。
・水生付着生物除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(C−4−3)結果
・コンデンサの容量0.8μF、コンデンサの個数2個の場合における結果を表6、コンデンサの容量0.2μF、コンデンサの個数2個における結果を表7および図16に示した。また、実験状況を図17に示した。
・コンデンサ容量0.8μFのコンデンサを2個用いた場合、出力電圧100kV以下でフジツボが除去できた。
・コンデンサ容量0.2μFのコンデンサを2個用いた場合、出力電圧100kV以下でフジツボが除去できた。
・出力電圧の増加に伴い、フジツボが除去できる距離が長くなった。
・パルスパワーをパルス放電により作用させ、フジツボを除去する場合、陽極と陰極の間でパルス放電が生じれば、フジツボを除去できた。
・表6および表7のフジツボ除去の欄において「×」は陽極と陰極の間でパルス放電が生じなかったため、フジツボが除去できなかった。
・パルスパワーをパルス放電により作用させた場合、フジツボが除去できる出力電圧とコンデンサ容量、個数と電極間距離との関係性は1次直線で近似可能である。
・コンデンサの容量0.8μF、2個の場合における、フジツボが除去できる出力電圧とコンデンサ容量、個数と電極間距離との関係性の1次近似式はy≧5x+25であった(yは出力電圧(kV)、xは電極間距離(cm))。
・また、コンデンサの容量0.2μF、2個の場合におけるフジツボが除去できる出力電圧とコンデンサ容量、個数と電極間距離との関係性の1次近似式はy≧5x+25であった。(yは出力電圧(kV)、xは電極間距離(cm))。
・上記のように、コンデンサ容量、個数に関わらず、フジツボが除去できる出力電圧と電極間距離の関係性の近似式は同一となった。
※「×」は陽極と陰極の間でパルス放電が生じなかったため、フジツボが除去できなかった条件である。
※「×」は陽極と陰極の間でパルス放電が生じなかったため、フジツボが除去できなかった条件である。
(C−5)気中実験5
(C−5−1)目的
・上記(C−4)気中実験4で得られたパルスパワーをパルス放電により作用させた場合にフジツボが除去できる出力電圧と電極間距離の関係性の1次近似式であるy≧5x+25の妥当性の確認。
(C−5−2)内容
・電源からの充電電圧は15kV、18kVとした。
・コンデンサの容量は0.2μF、個数は10個とした。
・陽極と陰極間での出力電圧は150kV、180kVとした。
・電極間距離は、上記の近似式 y≧5x+25 より算出し、25cmと31cmとした。
出力電圧150kVにおいて、150=5x+25
x=25cm
出力電圧180kVにおいて、180=5x+25
x=31cm
・フジツボ除去の可否の判定は「5回以内の放電でフジツボが除去可能であり、100回の放電でも母材コンクリートが損傷しないこと」とした。
(C−5−3)結果
・実験結果を表8および図16に示した。
・出力電圧150kV、電極間距離25cmで、陽極と陰極間においてパルス放電が生じた。この時、フジツボが除去でき、母材コンクリートは損傷しなかった。
・出力電圧180kV、電極間距離31cmで、陽極と陰極間においてパルス放電が生じた。この時、フジツボが除去でき、母材コンクリートは損傷しなかった。
・パルスパワーをパルス放電により作用させた場合に、出力電圧と電極間距離の関係性の1次近似式y≧5x+25より得られた出力電圧と電極間距離において、フジツボが除去できた。すなわち、一対の電極間の出力電圧yは、電極間距離xとの関係から決定することが可能である。
本発明の水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置は、構造物に付着する水生付着生物、特に、アカフジツボ、イワフジツボ、シロスジフジツボやクロフジツボ等の甲殻類や、イガイ、ムラサキイガイ、ミドリイガイやマガキ等の軟体類等の水生付着生物を除去する方法および装置として有用である。
1 水生付着生物除去装置
2 パルスパワー発生器
2a 電源
2b コンデンサ
3 電極
3a 陽極
3b 陰極
4 構造物
5 水生付着生物
6 空隙部

Claims (5)

  1. 構造物に付着する水生付着生物を除去する水生付着生物除去方法であって、
    パルスパワーをパルス放電により前記水生付着生物と前記構造物との付着界面の空隙部に作用させることを特徴とする水生付着生物除去方法。
  2. 気中において前記パルスパワーをパルス放電により発生させる一対の電極は、前記水生付着生物または前記構造物に接触させた状態とする請求項1記載の水生付着生物除去方法。
  3. 水中において前記パルスパワーをパルス放電により発生させる一対の電極は、前記構造物から離した状態とする請求項1記載の水生付着生物除去方法。
  4. 前記一対の電極間の出力電圧は、電極間距離との関係から決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水生付着生物除去方法。
  5. 構造物に付着する水生付着生物を除去する水生付着生物除去装置であって、
    パルスパワーをパルス放電により発生させるパルスパワー発生器と、
    前記パルスパワーをパルス放電により前記水生付着生物と前記構造物との付着界面の空隙部に作用させるための一対の電極と
    を有する水生付着生物除去装置。
JP2017082215A 2016-04-19 2017-04-18 水生付着生物除去方法および水生付着生物除去装置 Active JP6479883B2 (ja)

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