JP2017193777A - 鋼板の製造方法および熱処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な寸法に制御可能な鋼材の熱処理方法を供する。【解決手段】少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理方法において、予め、加熱速度と冷却速度を変化させた際の、熱処理前後の板厚を求め、加熱速度、加熱温度、冷却速度に対する、熱処理前後の板厚の寸法変化量の相関関係を算出し、相関関係と、所望の板厚範囲・板幅範囲とする寸法変化量から、加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板の製造方法および熱処理設備に関する。特に、造船、建築、自動車、産業用機械などに使用する鋼板に関するものである。
厚鋼板又は薄鋼板は、圧延成形後にしばしば所定の加熱、冷却条件を満たす熱処理と呼ばれる工程を経るが、これは残留応力除去や組織制御などの材質を調整する目的としている。熱処理とは、焼なまし(焼鈍)、焼戻し、焼入れ等の総称であるが、本発明が扱う熱処理は、これらの中で少なくとも、加熱、冷却により、体積変化(寸法変化)を伴う相変態を経る熱処理工程とする。本発明にいう「熱処理」とは、特に断らない限り、具体的には、加熱時、オーステナイトが生成し始める温度であるAc1以上に加熱する熱処理のことである。Ac1は、加熱速度に依存して変化するため、言い換えると、少なくとも組織の一部にオーステナイトを生成させる加熱工程を含む熱処理といえる。
熱処理過程においては、加熱温度や冷却速度を制御することで所望の材質を得るが、熱処理方法によっては、望まない残留応力が発生することなどにより、形状や寸法が変化し、格落ちとなる場合がある。
このような課題に対し、例えば特許文献1には、押し付けロールによる形状矯正をしながら熱処理を行う方法が示されており、熱処理を施すことによって発生する板の反り等の形状変化に対応している。
また、特許文献2には、熱処理前にプレス矯正を行う方法が示されている。
しかしながら、これらの方法では、熱処理による板の反り、たわみ、捻じれ等の変形による形状変化には対応できるものの、あくまでも矯正であるので、加熱および冷却時の相変態による、板幅、板厚、板長自体が大きく変化する寸法変化には対応できず、しばしば切削研磨等の鋼板の機械的手入れ工程の追加や格落ち(不良品)となっていた。
特許文献3には、所定の板寸法に切断する機能を熱処理工程に追加することで、板寸法が変化した際にも対応が可能なようになっている。
しかし、特許文献3の技術によっても、熱処理により設計予定の大きさより板が収縮した場合は、足りない長さを補うことができず、やはり歩留りの悪化につながっていた。
特開2005−230914号公報 特開2005−226106号公報 特開2001−25810号公報
T. A. Kop, J. Sietsma , S. van der Zwaag, "Anisotropic dilatation behaviour during transformation of hot rolled steels showing banded structure," Mater. Sci. Technology, 17, pp. 1569-1574, 2001. T. Siwecki, T. Koziel, B. Hutchinson , P. Han, "Effect of micro-segregation on phase transformation and residual stress," Mater. Sci. Forum Vols., 539-543, , 2007. A. Jablonka、 K. Harster and K. Schwerdtfeger、Thermomechanical properties of iron and iron-carbon alloys : density and thermal contraction、 Steel Research、 62、 1、pp.24-33(1991) J. Miettinen、 Calculation of solidification-related thermo physical properties for steels、 Metallurgical and Materials Transactions B、 28B、 pp.281-297(1997)
相変態を伴う熱処理中によって板寸法が変化する現象は、古くから知られていた。例えば、焼入れによって生じるマルテンサイト相は、フェライト相やパーライト相に比べて密度が低いため、全体的に体積が膨張する。このようなことから変態による寸法変化を予測しようとすると、板幅、板厚、板長の長さに応じて、全体的に各方向均等の割合で膨張すると考えられていた。
しかしながら、実際に鋼板を製造すると、熱処理による相変態を経た際に、その冷却過程において板幅、板厚、板長の各方向の長さ変化量は、必ずしも各長さに応じた均等の割合で膨張、あるいは、収縮しないことが明らかとなっている(非特許文献1および非特許文献2)。すなわち、変態による密度変化に伴う寸法変化以外に、冷却時には熱処理によって板幅、板厚、板長の3方向に異方性を持った寸法変化を起こす。そのため、単純に相変態の体積変化に応じた熱処理後の寸法予測では、一方向の寸法を所定の寸法誤差範囲に収めたとしても、他方向の寸法誤差範囲を所定の寸法に収めることができなかった。このことからして、冷却過程の板幅、板厚、板長の各方向の長さ変化量のみを実測等で把握しておけば、3方向の寸法変化がすべて予測し得ることになる。
しかしながら、実際には、冷却過程の長さ変化量のみを把握しても、3方向の各々の寸法変化は予測することが困難な場合があった。
本発明は、上記実情に鑑み、相変態を伴う熱処理による鋼板の複数方向の寸法変化を制御する鋼板の製造方法および制御可能な熱処理設備を提供することを課題とする。
3方向の各々の寸法変化は予測することが困難である原因を鋭意検討したところ、発明者らは、上記異方性を伴う寸法変化が、鋼材の冷却時に限らず、加熱時の相変態によっても、もたらされ、その量は冷却時よりもむしろ大きいことがあることを見出した。また、これらの寸法変化は、加熱速度や冷却速度および鋼材の化学成分等によって大きくその傾向が変化するため、熱処理前にこれらの影響を考慮した加熱速度・冷却速度の設定が肝要である。
本発明は、鋼材の熱処理前の寸法から、所望の寸法を得るための最適な熱処理条件を算出する鋼板の製造方法、および算出した条件に基づいて熱処理を行う設備を提供するものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱速度と加熱昇温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を求め、
予め、加熱温度を変化させた際の、加熱温度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を求め、
予め、冷却速度を変化させた際の、冷却速度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を求め、
熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚の寸法変化量の相関関係、
前記加熱温度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係、
前記冷却速度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係と、
所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
(2)少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚・板幅を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係を算出し、
予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅を測定し、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係を算出し、
予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係を算出し、
熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係、
前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係、
前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係と、
所望の板厚範囲・板幅範囲となる寸法変化量から、
最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
(3)少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚・板長を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板長を測定し、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板長を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係、
前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係、
前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係と、
所望の板厚範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
(4)少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚・板幅・板長を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅・板長を測定し、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅・板長を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係と、
所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
(5)少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を数値シミュレーションによって算出し、
予め、加熱温度を変化させた際の、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を数値シミュレーションによって算出し、
予め、冷却速度を変化させた際の、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を数値シミュレーション算出し、
熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係と、
所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
(6)(2)〜(4)のいずれか1つに記載の方法を実施するための鋼板の製造設備であって、
少なくともAc1点以上の温度に加熱する工程を提供する鋼板の熱処理設備において、
測定された熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長を入力する入力手段と、
予め算出した熱処理前後の板厚と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係と、予め算出した熱処理前後の板幅および/又は板長と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係を記憶した記憶媒体と、
前記記憶媒体に記憶した相関関係に、前記入力手段により入力された熱処理前の板厚と、熱処理前の板幅および/又は板長と、所望の板厚範囲と、所望の板幅範囲および/又は板長範囲とを適用して、所望の板厚範囲、板幅範囲又は板長範囲となる加熱速度、冷却速度、加熱温度を算出する手段と、
前記算出する手段によって、算出された加熱速度、冷却速度、加熱温度に制御する加熱速度制御手段、冷却速度制御、加熱温度制御手段とを
有することを特徴とする鋼板の熱処理設備。
(7)(5)に記載の方法を実施するための鋼板の製造設備であって、
少なくともAc1点以上の温度に加熱する工程を提供する鋼板の熱処理設備において、
測定された熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長を入力する入力手段と、
熱処理前後の板厚と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係と、熱処理前後の板幅および板長と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係を記憶された記憶媒体と、
前記記憶媒体に記憶された相関関係に、前記入力手段により入力された熱処理前の板厚と、熱処理前の板幅および/又は板長と、所望の板厚範囲と、所望の板幅範囲および板長範囲とを適用して、所望の板厚範囲、板幅範囲又は板長範囲となる加熱速度、冷却速度、加熱温度を算出する手段と、
前記算出する手段によって、算出された加熱速度、冷却速度、加熱温度に制御する加熱速度制御手段、冷却速度制御、加熱温度制御手段とを
有することを特徴とする鋼板の熱処理設備。
本発明によれば、相変態を伴う鋼板の熱処理時に、鋼板の複数方向に所望の寸法が得られる、最適な熱処理条件を提供することができる。
加熱速度が1℃/sの場合の板厚(N)、板長(R)、板幅(T)方向の寸法変化を示した図である。 熱処理履歴において、板厚変化に及ぼす加熱速度の影響を示した図である。 熱処理前後の板厚減少率と加熱速度との関係を示した図である。 熱処理履歴において、板厚変化に及ぼす冷却速度の影響を示した図である。 熱処理前後の板厚減少率と冷却速度との関係を示した図である。 板厚方向に合金元素の濃度分布を有し、加熱過程において各層の変形過程を説明する図である。 板厚方向に合金元素の濃度分布を有し、冷却過程において各層の変形過程を説明する図である。 濃化層モデルによる、1℃/sで加熱した際のオーステナイト変態時のひずみ変化の計算結果を示す図である。 濃化層モデルによる、1℃/sで加熱した際のオーステナイト相変態の進行を、高速フーリエ変換による結晶塑性シミュレーションした結果を示す図である。 濃化層モデルによる、10℃/sで加熱した際のオーステナイト変態時のひずみ変化の計算結果を示す図である。 濃化層モデルによる、10℃/sで加熱した際のオーステナイト相変態の進行を、高速フーリエ変換による結晶塑性シミュレーションした結果を示す図である。 濃化層モデルによる、40℃/sで冷却した際のマルテンサイト変態時のひずみ変化の計算結果を示す図である。 濃化層モデルによる、10℃/sで冷却した際のマルテンサイト変態時のひずみ変化の計算結果を示す図である。
本発明者らは、体積変化(寸法変化)を伴う相変態する熱処理により、鋼板の寸法変化度合いに、異方性が認められる点について、鋭意検討を行った。その結果、この異方性を持った寸法変化は、鋼材の成分、製造条件、また熱処理における加熱速度、加熱温度、冷却速度に依存することが明らかとなった。また、これらの寸法変化に対する影響は、当該熱処理に処する鋼板の処理前に算出可能であるということを見出した。熱処理後の寸法変化算出のための基礎的な知見は、熱処理前後において、予め加熱速度、加熱温度、冷却速度と鋼板の寸法変化との相関関係を実験的に割り出しておくか、板厚方向の成分元素の濃度分布から寸法変化の度合いを予測することにより得られる。そして、この相関関係に基づいて、鋼板の成分や製造条件に応じて、熱処理工程において加熱速度、加熱温度、冷却速度を制御することで、板厚(N)、板長(R)、板幅(T)の各方向について、所望の寸法が得られることを見出した。なお、本発明にいう板厚(N)は通常の板の厚さそのものであり、板長(R)は長手方向の長さ、板幅(T)は、板長(R)方向に直角方向の長さをいう。
本発明は、以上のような検討結果、鋼板の熱処理前後の寸法から、所望の寸法を得るための最適な製造条件(熱処理条件)、すなわち加熱速度と加熱温度と冷却速度を数値計算により算出する方法、および算出した条件に基づいて熱処理を行う設備を提供する。
最初に、本発明の熱処理方法の知見が得られた開発の経緯について述べる。
通常、Ac1以上に加熱して相変態させた後、冷却すると、冷却速度に応じてフェライト、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトなどの各相が生成される。これらの相分率によって体積が変化することで板寸法が変わるが、この相分率の違いによる体積変化以外にも板寸法を大きく変化させる要因があり、本発明はこの体積変化以外の要因による寸法変化に関するものである。
本発明者らは、この要因として、熱処理中の加熱速度や加熱温度および冷却速度によって、熱処理後の板の各方向の寸法が各々大きく変化することを見出した。
従来から相変態を伴う熱処理によって板寸法が大きく変化する現象は知られていたものの、それが加熱速度や加熱温度や冷却速度によってどのような影響を受けるかの研究はなされてこなかった。
そこで、発明者らは種々の加熱条件や加熱温度および冷却条件で実験を行い、これらの影響を調査し、その結果を考察した。
まず、相変態を伴う熱処理によって、加熱、冷却後に板の各方向の板寸法はどのように変化するかについて述べる。
C:0.1%、Mn:1.0%、Si:1.0%、Al:0.03%、N:0.004%、P:0.001%、S:0.001%、Ti:0.0%、Nb:0.0%、Cr:0.0%、Cu:0.1%、Ni:8.9%、B:0.0%、Mo:0.0%、W:0.0%、および、V:0.0%を含有し、残部がFeと不可避不純物である鋼を熱間圧延して得られた板厚2mm、板長10mm、板幅5mmの材料試験片を800℃まで加熱し、5分間保持後に常温まで冷却を行う熱処理工程を行った。なお、上記の「0.0%」は、0.1%未満であることを意味する。
図1は、加熱速度が1℃/s、冷却速度40℃/sの場合の板厚方向(N)、板長方向(R)、板幅方向(T)それぞれの温度−ひずみ履歴曲線を示している。図1から、板長方向(R)と、板幅方向(T)の寸法変化履歴同士は、若干のずれがあるものの、熱処理後に熱処理前よりも膨張している、ほぼ同様の寸法変化履歴をたどることが分かる。一方、この二方向の変化履歴は、板厚方向(N)の履歴とは大きく異なっており、この結果から、熱処理による寸法変化の異方性が認められることが明らかとなった。
加熱速度が熱処理後の板寸法にどのような影響を与えるかを調査した。
図2は、上記と同じ成分および大きさの試験片を、上記と同様に、800℃まで加熱し、5分間保持後に常温まで冷却を行う熱処理工程を行った結果であり、冷却速度を40℃/sに固定した場合に、加熱速度を1℃/s、4℃/s、7℃/s、10℃/sに変化させたときの板厚方向の温度−ひずみ履歴曲線を示している。Strain、εが正の数の場合は、熱処理前の寸法から厚さが厚くなることを示しており(膨張していることを示している。)、εが負の数の場合は、熱処理前の寸法から厚さが薄くなることを示している(収縮していることを示している。)。図2から、加熱速度が最も遅い1℃/sの場合には、加熱と冷却を行う熱処理を経ることによって、熱処理後の板厚が、熱処理前よりも顕著に減少していることが分かる。一方で、加熱速度が上昇するに従い、εのマイナス量が0に近づき、熱処理前後の板厚減少量が緩和されている。すなわち、加熱速度を制御すると、処理前後の板厚減少量を制御することができる。
図3は、上記と同様の試験片製造までの工程と、加熱温度、加熱時間、冷却速度の製造条件を一定とし、加熱速度のみを1〜10℃/sまで変化させたときの、処理前後の板厚減少量と加熱速度との関係を示した図である。図3からは、この条件下では、加熱速度の上昇によって板厚減少量が線形的に減少する様子が明らかとなっている。すなわち、加熱速度と板厚の寸法変化量には、一定の相関関係がみられる。
次に、冷却速度の影響について述べる。図4に、上記と同じ成分および大きさの試験片を、上記と同様に、800℃まで加熱し、5分間保持後に常温まで冷却を行う熱処理工程を行った結果であり、加熱速度を10℃/sに固定し、冷却速度を10℃/s、20℃/s、30℃/s、40℃/sの間で変化させた場合の板厚方向の温度−ひずみ履歴曲線を示す。図4に示すように、冷却速度が上昇すると、板厚が減少することが分かる。これは加熱速度とは逆の傾向が確認された。
図5は、図4と同様の試験片製造までの工程と、加熱温度、加熱時間、加熱速度の製造条件を10℃/s一定とし、冷却速度のみを10℃/s、20℃/s、30℃/s、40℃/sまで変化させたときの、熱処理前後の板厚減少量と冷却速度との関係を示した図である。図5からは、この条件下では、冷却速度の上昇によって板厚が線形的に減少する様子が明らかとなっている。すなわち、冷却速度と板厚の寸法変化量の間にも、一定の相関関係がみられる。
このように、熱処理により板材の各方向の寸法変化に差ができる理由、加熱速度や冷却速度により寸法変化量が変化する理由を解明すべく、鋼板材の各部において詳細な元素分析を行った。
その結果、鋼板は、厳密には均一組成とはなっておらず、鋼板厚方向にある程度、層状にC、Mn、Ni等の合金元素が偏析する、合金元素の濃度が全体平均よりも濃化した濃化層の存在が認められた。すなわち、鋼板は、板厚方向に成分組成が完全には均一ではなく、図6に層L、L、…Lとして模式的に示したように、ある程度板長方向、板幅方向には偏析組成が揃った層状の濃化層のシートが、板厚方向に複数枚重なるような構造をしていることが明らかとなった。この濃化層を分析すると、(濃化層の合金元素量)/(板全体の平均合金元素の量)を偏析比M(Xは当該元素)として、各合金元素を数値化すると、Cの場合でMは、1.05〜3、Mnの場合でMMnは、1.05〜3、Niの場合でMNiは、1.05〜5となっていた。ここで、偏析比はEPMAを用いてライン分析を行い、分析位置における濃度と測定視野における当該成分の濃度の平均値との比である。また、濃化層同士の間は上記合金元素が低い層(非濃化層)で分割されている。
このような濃化層が板厚方向に複数存在する鋼板を相変態温度以上に加熱した際の変形挙動について、図1のように加熱過程の相変態により板厚方向に収縮し、冷却時の相変態により板厚方向に膨張する場合を例に説明する。
図6に示すLを最も低い温度で相変態する層とする。加熱昇温していくと、積層した各濃化層および各非濃化層の組成が各々異なることから、各層が実際に相変態する温度には差が生じる。すなわち、昇温の際に、低い温度で先に相変態して収縮する層Lと、高い温度で後から相変態して収縮する層L〜Lが生じ、各層の相変態と、相変態による寸法変化にタイムラグが生じる。そのため、図6(A)の矢印の長さ、L収縮量1、L収縮量2で表現したように、寸法の収縮度合いにLとLで差が生じる。相変態による体積変化は大きいため、最も相変態温度が低く、加熱昇温過程で先に相変態する層Lにおいて相変態が起こると、L収縮力3により、板長方向、板幅方向、板厚方向に長さが収縮しようとする(図6(B)参照)。しかしながら、Lの隣の層Lはまだ相変態を起こしていないので、層Lも、それほど板長方向、板幅方向には長さが収縮できない。なぜなら、層Lが収縮しようとしても、長さが変化していない隣の層LからLへの拘束力4に拘束されて、板長方向、板幅方向の長さを変化させることが困難になるからである。そのため、先に相変態した層Lの実際のL収縮力5は、拘束されている板長方向、板幅方向以外の残る方向である、板厚方向に働くので、この方向に主に収縮し(図6(C)参照)、本来収縮すべき量より板長方向、板幅方向は長い長さのままでLの相変態は完了する。その後温度が上昇し、Lが相変態し、板長方向、板幅方向に収縮しようとしても、今度は、本来収縮すべき量より板長方向、板幅方向は長い長さのままであるLに拘束されて、この方向に十分に収縮することができず、LはLと同様に板厚方向に過剰に収縮すると考えられる。このような加熱過程の寸法変化により、各層の収縮は板厚方向に起こりやすく、全体としても、板厚方向に大きく収縮すると考えられる。この傾向は、図1、2に示されるように、加熱速度が1℃/sのように遅い場合に特に顕著に表れる。そして、この加熱時の板厚収縮の影響は、図1、2のように冷却速度が40℃/sのように速い場合に残留し、冷却後も、全体として、板厚方向に顕著に収縮したままになると考えられる。
一方、加熱速度が10℃/sのように速ければ、組成の異なる層同士の相変態のタイミングのずれが、短い時間にとどまり、相変態のタイミングの違いによる寸法変化のずれも短い時間となり、拘束力が働く時間が減少し、板幅、板長方向に十分に相変態により収縮できることから、寸法異方性が改善されると考えられる。
なお、図6においては説明の便宜上、最も表層のLを最も低い温度で相変態する層としたが、必ずしも、最も表層が、最も低い温度で相変態する層ではない。また、各層の変態の順番は、製造条件や成分によって異なるために、特段規則性を有するものでもない。次に説明する図7についても同様である。
次に、加熱後に冷却する冷却過程においても同様に、各層の相変態のタイムラグにより、寸法の変化の異方性が発生することが起こると考えられる。図7に模式図を示す。冷却時に最も高い温度で相変態する層をLとする。冷却時には、相変態温度が各層で最も高い、最初に相変態する層Lが、相変態により膨張しようとするが、図7(A)の矢印の長さで表現したように、L膨張量6、LN−1膨張量7で表現したように、寸法の膨張度合いにLとLN−1で差が生じる。相変態による体積変化は大きいため、最も相変態温度が高く、冷却過程で先に相変態する層Lにおいて相変態が起こると、L膨張力8により、板長方向、板幅方向、板厚方向に長さが膨張しようとする(図7(B)参照)。しかしながら、Lの隣の層LN−1はまだ相変態を起こしていないので、層Lも、それほど板長方向、板幅方向には長さが膨張できない。なぜなら、層Lが膨張しようとしても、長さが変化していない隣の層LN−1からLへの拘束力9に拘束されて、板長方向、板幅方向の長さを変化させることが困難になるからである。そのため、先に相変態した層Lの実際のL膨張力10は、拘束されている板長方向、板幅方向以外の残る方向である、板厚方向に働くので、この方向に主に膨張し(図7(C)参照)、本来膨張すべき量より板長方向、板幅方向は短い長さのままでLの相変態は完了する。その後温度が降下し、LN−1が相変態し、板長方向、板幅方向に膨張しようとしても、今度は、本来膨張すべき量より板長方向、板幅方向は短い長さのままであるLに拘束されて、この方向に十分に膨張することができず、LN−1はLと同様に板厚方向に過剰に膨張すると考えられる。このような冷却過程の寸法変化により、各層の膨張は板厚方向に起こりやすく、全体としても、板厚方向に大きく膨張すると考えられる。この傾向は、図4に示されるように、冷却速度が10℃/sのように遅い場合に特に顕著に板厚方向の膨張が表れる。一方、冷却速度が40℃/sのように速ければ、冷却過程において、先に相変態した層が板幅方向、板長方向に拘束される時間が減少する。そのために、冷却速度の速い冷却過程では、各方向に均一に膨張するため、板厚方向の膨張が小さくなると考えられる。
なお、このような、板厚方向に合金元素濃度の不均一な濃化層が複数形成される理由として、いくつか考えられる。たとえば、鋳造時の表面と内部の固化速度の違いや、鋳造時に形成されるデンドライト樹間に濃化された元素が、その後の圧延過程において倒れこむ等、板材製造時に必然的に濃度の勾配が形成されることなどで説明しうる。
上記のような知見からして、少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理方法においては、板厚方向の熱処理前後の寸法変化量と、加熱速度、冷却速度との相関関係を予め求めておく必要がある。この相関関係を求めることにより、所望の板厚範囲とする加熱速度、冷却速度を決定できる。相関関係を求めるために予め測定する加熱速度、冷却速度の条件数は、数が多ければ多いほど好ましく、速度の範囲が広ければ広いほど好ましいが、鋼材に要求される特性と製造設備性能から許容される加熱速度、冷却速度の範囲内で必要な数を決定すればよい。
また、さらに、板幅方向、又は、板長方向の熱処理前後の寸法変化量と、加熱速度、冷却速度との相関関係を予め求めておく必要がある。この相関関係を求めることにより、所望の板幅、および、又は板長範囲とする加熱速度、冷却速度を決定できる。板幅方向、又は、板長方向の熱処理前後の寸法変化量と、加熱速度、冷却速度との相関関係を求める方法としては、板厚変化と加熱速度、冷却速度との相関関係から、板幅方向、又は、板長方向の熱処理前後の寸法変化量と、加熱速度、冷却速度との相関関係が計算できるならば、計算によって求めてもよい。
板厚方向の熱処理前後の寸法変化量を測定する必要があるのは、図6に示したように、板厚方向に組成の不均一な濃化層が存在するためであり、その結果、図1に示したように、板幅方向、板長方向とは、熱処理前後の寸法変化挙動が異なるためである。また、上記のように、加熱速度、冷却速度に依存して寸法が変化するので、所定の寸法とするためには、加熱速度、冷却速度について予め相関関係を求めておく必要がある。
一方、板長方向、板幅方向は、その熱処理前後の寸法変化挙動は、おおむね同様なので、どちらかひとつを測定し、加熱速度、冷却速度との相関関係を求めればよい。寸法変化挙動が同様となるのは、板厚方向には、組成の濃度分布に差が生じているが、板幅方向、板長方向には、組成の濃度分布が小さいためである。
なお、板厚が減少した分は、板幅と板長が増えて、結局体積変化が、等方的に起こった場合と差がない場合は、板厚の減少分から計算により、板幅と板長の変化を予測することができるので、熱処理前後の板厚のみ測定し、計算により熱処理条件(加熱速度、冷却速度)と他の方向の変化量の相関関係を算出すればよい。
また、本発明における鋼板は、通常の熱処理設備の能力からして、厚さ250mm以下であることが好ましい。下限については必ずしも限定されるものではないが、1mm以上が好ましくは、3mm以上がより好ましい。
本発明は、濃化層が、厚さ10mm試験片で少なくとも50本存在する鋼板に適用することが好ましい。これは、濃化層の数が多いほど、統計的にバラツキの少ない安定的なデータが得られるためである。濃化層の分析結果は前述のとおりである。
次に、加熱温度の違いによる熱処理前後の寸法変化への影響について述べる。表1に加熱温度を800℃から、より高温側である1300℃まで変化させたときの、熱処理前後における板厚変化について調査した結果を示す。ただし、板厚変化は熱処理前のひずみを0としたときのひずみ変化として表示してある。図1〜5の試験の際と同様の試験片製造までの工程により試験片を製造し、加熱温度での保持時間はいずれも5分である。
表1は、加熱速度は1℃/s、冷却速度は40℃/sと固定した際の結果である。すなわち、加熱速度が1℃/sと遅い条件での結果であり、加熱過程においては、板厚変化が大きくなる条件である。また、冷却速度が40℃/sと速いため冷却過程における板厚変化は小さくなる条件である。この試験片の成分組成から予測すると、たとえば、800℃の加熱および1300℃の加熱は、ともにγ単相領域での加熱に相当する。したがって、両者で結晶配列に相違はないが、一般に加熱温度の上昇によって結晶粒が粗大化し、冷却時の変態温度を低下させる効果がある。しかしながら、当該成分において冷却速度が40℃/sである場合、いずれの加熱温度においてもマルテンサイト相が生じる。このとき、マルテンサイト相は変態が一気に進行するため、偏析組織の影響が小さく、図1のように、この加熱速度、冷却速度の条件下では、加熱温度を上昇させることによる影響は少ないと考えることができる。
表1の結果は、上記のように加熱速度が1℃/sと遅い条件での結果であり、加熱過程においては、板厚変化が大きくなる条件である。にもかかわらず、加熱温度の違いの板厚への影響は小さい。このことから、加熱過程における加熱温度の板厚変化への影響は小さいと考えられる。
次に、表2は、加熱速度を10℃/s、冷却速度を10℃/sで固定した際の結果である。
この加熱速度、冷却速度の条件下では、加熱温度の上昇によって板厚の増加が小さくなる方向に推移している。また、この条件では、加熱速度が速く、加熱過程において板厚変化は小さい。よって、加熱温度が冷却過程の板厚変化に影響することがわかる。これは、冷却速度が10℃/sと遅い場合には、マルテンサイト変態に加えて、フェライト/パーライト変態を生じるため、偏析組織の影響を大きく受け、冷却過程の板厚の変化に帰結したものと考えられる。すなわち、単純に変態開始温度の予測に基づいては板厚変化を予測することができず、加熱温度と冷却降温前後の板厚変化の相関関係を算出し、これを基に板厚変化の予測を行う必要がある。
以上のように、熱処理前後の寸法変化を、加熱速度、冷却速度、加熱温度の関数として実験等によって予め得ておけば、実際の熱処理時に寸法変化を予測しながら、熱処理後に所望の寸法となる最適な熱処理方法を設定することが可能である。すなわち、熱処理前に測定した鋼板の寸法と、熱処理前後の所望の寸法変化を、予め得た、加熱速度、冷却速度、加熱温度と寸法変化の関数に当てはめ、熱処理条件を決定する。
熱処理前後の寸法変化を、加熱速度や冷却速度の関数として実験によって予め得るには、以下の1.〜7.の事項が必要である。
1.熱処理前の鋼板の板厚寸法を測定すること
熱処理前の鋼板の寸法を測定しておかないと、熱処理後の寸法を予測することもできないし、所望の寸法を設定することもできない。そのため、熱処理前に鋼板の寸法を測定する。少なくとも、熱処理により等方変化しない板厚方向の寸法を測定することは必須である。それに加え、板厚方向とは熱処理による変化挙動が異なる、板幅、および/又は板長も測定しておくことが好ましい。さらに好ましいのは、板厚、板幅、板長のすべてを測定しておくことである。ここでいう、「熱処理前」とは、予め加熱速度、加熱温度、冷却速度と寸法変化との相関関係を求めるための熱処理前ではなく、製品を製造するための熱処理前を意味する。
2.予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を算出すること。
加熱昇温過程において、相変態すると、上記のように、板厚方向に不均一に形成された層の変態タイミングの違いにより、各層に寸法変化を妨げる拘束力が生じる。この拘束力により、板厚方向に相変態の体積変化から予測される寸法変化値とのずれが生じるので、事前に試験材などを用意して、昇温過程における板厚方向の寸法変化を各加熱速度に応じた相関関係として求めておく。相関関係を求めておけば、各加熱速度で、どの程度板厚方向の寸法変化が生じるかを求めることができる。そして、この加熱昇温過程での板厚方向の寸法変化は、冷却降温過程の寸法変化と合わせて計算することで、熱処理前後の寸法変化を予測することができる。ここで、「加熱昇温前後」との加熱前とは、板材が常温等であり、熱を加える前のことであり、加熱後とは、加熱を始めて最高温度に達し、冷却が始まるまでをいう。加熱と冷却を複数繰り返す熱処理工程では、すべての加熱昇温前後の寸法を測定する。板幅、板長の測定においても同様である。
3.予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚を測定し、加熱温度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を算出すること。
加熱温度は、相変態する特に冷却降温過程において、上記のように、従来の等方モデルによる手法によっては予測しえない板厚方向の寸法変化を生じるので、相関関係を求めておく。相関関係を求めておけば、各加熱温度で、どの程度板厚方向の寸法変化が生じるかを求めることができる。そして、この冷却降温過程での板厚方向の寸法変化は、加熱昇温過程前後の寸法変化と合わせて計算することで、熱処理前後の寸法変化を予測することができる。ここで、「冷却降温前後」との冷却前とは、板材が加熱後、冷却される前、温度が下がる前のことであり、冷却後とは、冷却を始めて常温に達するまでをいう。加熱と冷却を複数繰り返す熱処理工程では、すべての冷却降温前後の寸法を測定する。冷却速度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を算出する際の冷却降温前後の寸法測定、板幅、板長の測定においても同様である。
4.予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を算出すること。
冷却降温過程において、相変態すると、上記のように、板厚方向に不均一に形成された層の冷却速度の違いによる変態タイミングの違いにより、各層に寸法変化を妨げる拘束力が生じる。この拘束力により、板厚方向に相変態の体積変化から予測される寸法変化値とのずれが生じるので、相関関係を求めておく。相関関係を求めておけば、各冷却速度で、どの程度板厚方向の寸法変化が生じるかを求めることができる。そして、この冷却降温過程での板厚方向の寸法変化は、加熱昇温過程前後の寸法変化と合わせて計算することで、熱処理前後の寸法変化を予測することができる。
5.予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板幅および/又は板長寸法を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の当該寸法変化量の相関関係を算出すること。
板幅、板長方向の寸法は、板厚方向とは、成分構成分布の異方性の違いにより、加熱昇温前後における寸法変化の度合いが異なる。よって、板幅、板長方向のいずれか1以上の当該寸法変化と加熱速度との相関関係(板幅なら板幅の寸法変化と加熱速度の相関関係、板長なら板長の寸法変化と加熱速度の相関関係、板幅と板長なら板幅と板長の両者の寸法変化と加熱速度の相関関係)を算出しておく。
6.予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板幅および/又は板長寸法を測定し、加熱温度と冷却降温前後の当該寸法変化量の相関関係を算出すること。
板幅、板長方向の寸法は、板厚方向とは、成分構成分布の異方性の違いにより、冷却降温前後における寸法変化の度合いが異なる。よって、板幅、板長方向のいずれか1以上の当該寸法変化と加熱温度との相関関係(板幅なら板幅の寸法変化と加熱温度の相関関係、板長なら板長の寸法変化と加熱温度の相関関係、板幅と板長なら板幅と板長の両者の寸法変化と加熱温度の相関関係)を算出しておく。
7.予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板幅および/又は板長寸法を測定し、冷却速度と冷却降温前後の当該寸法変化量の相関関係を算出すること。
板幅、板長方向の寸法は、板厚方向とは、成分構成分布の異方性の違いにより、冷却降温前後における寸法変化の度合いが異なる。よって、板幅、板長方向のいずれか1以上の当該寸法変化と冷却速度との相関関係(板幅なら板幅の寸法変化と冷却速度の相関関係、板長なら板長の寸法変化と冷却速度の相関関係、板幅と板長なら板幅と板長の両者の寸法変化と冷却速度の相関関係)を算出しておく。
なお、上記2.〜7.の相関関係を得るための寸法測定は、実際に熱処理に供する製品用の鋼板で予め行ってもよいし、実際に熱処理する予定の製品用の鋼板と類似組成、類似組織、あるいは、同一組成、同一組織等で、製品用の鋼板より小さい試験片等で行ってもよい。
次に、本発明の好ましい要件について順次説明する。
まず、熱処理前の鋼板の寸法測定について述べる。
熱間圧延後の鋼板は、冷却帯で水冷もしくは空冷によって常温まで冷却される。この冷却後の鋼板に対して熱処理を行うが、熱処理前に板厚、板長、板幅を予め測定する。
板厚測定には、特に測定機器に対する制限は設けないが、レーザー板厚計などを用いることができる。また、ゲージ変動や板クラウンの影響を考慮し、長手方向および幅方向に複数点測定することが望ましい。
板幅に関しては、平面形状計などを用いて測定することができる。板幅変動を考慮し、好ましくは、長手方向に複数点測定する。板長が正確に測定されれば、板幅測定は必須ではない。
板長に関しては、厚鋼板のように板長が短い場合には平面形状計などを用いて板長を測定する。一方で、薄鋼板のように板長が長い場合には、板長の精度が厳格で無い場合が多いため、板幅さえ測定されれば、板長測定は必須では無い。
次に、加熱および冷却過程における、変態ひずみについて述べる。変態ひずみは、冷却速度などに依存して、冷却前と結晶構造が異なる相が生成し、密度が変化するため、相変態に対応して変態ひずみが生じることをいう。これらの密度は合金成分や温度域によって異なるが、これらの影響を考慮した密度式が提案されており(非特許文献3および非特許文献4)鉄鋼材料については上記値を用いることができるが、好ましくは事前に各温度域で鋼種毎に密度を測定しておく。
本発明では、この密度変化から生じる寸法変化に加えて、加熱速度・加熱温度・冷却速度に応じて変態ひずみに異方性が生じ、板厚・板長・板幅がそれぞれ異なった変化をする現象を基礎としている。
実際の熱処理工程について述べる。通常、製品の材質を確保するという要請から、加熱速度、加熱温度、冷却速度の範囲が予め定められている。この定められたプロセス条件範囲内で、所望の寸法に制御するため、測定された熱処理前後の寸法と加熱速度、加熱温度および冷却速度の相関関係を算出し、その相関関係に基づいて、製品寸法の基準値から加熱速度、加熱温度および冷却速度を決定する。
ここで、製品の寸法基準を得るための加熱速度、加熱温度および冷却速度の条件は無数に存在し、このどの条件を用いてもよいが、好ましくは材質が許す範囲で加熱速度が小さく、加熱温度が低く、冷却速度が遅い方が、より均質な材料が得られると共に、設備負荷も小さくなる。
(熱処理条件と寸法変化の相関関係を予め実測によって求める場合)
熱処理条件と寸法変化の相関関係を予め実測によって求める場合について、所定の寸法変化とするための熱処理中のひずみの計算方法について説明する。まず、板厚方向のひずみについて述べる。加熱速度は加熱時の変態ひずみに影響を与え、その効果は検討の結果、たとえば、次式のように整理される。

Δε 2→1=β2→1(1+Aexp(−bT)) (1)

ただし、Δε 2→1は加熱時の板厚方向変態ひずみ、Tは加熱速度、A、b、nは材料とプロセス条件から決定される値である。β2→1は上記密度モデルなどから算出される加熱時の等方的な変態ひずみであって、通常の鉄鋼材料では加熱時にはαからγへと変態するため、負の値となり、Δε2→1も負の値である。この式と実測値よりA、b、nを決定する。その方法は、まず式(1)を増分型に直す。

dε 2→1=−β2→1AbnTn−1exp(−bT)dT (1)’

この式と実験のdilatationカーブから、各温度域における値をフィッティングすることができるようになる。
加熱温度と冷却速度は、共に冷却時の変態ひずみに影響を与える。冷却時の板厚方向変態ひずみΔε 1→2は加熱時と異なりγからαへと変態するため、正の値を取る。加熱温度をTとし、冷却速度をTとすると、冷却時の変態ひずみは以下のようになる。

Δε 1→2=β1→2(1+Bexp(−cT)exp(−d(T−T))) (2)

ただし、β1→2は上記密度モデルなどから算出される冷却時の方的な変態ひずみであって、通常の鉄鋼材料ではγからαへと変態するため正の値となる。Tは基準温度、B、c、m、dは材料とプロセス条件から決定される値である。
板長方向と板幅方向の変態ひずみは同様の値となるため、以下では板長方向の変態ひずみについてのみ述べる。加熱時および冷却時の板長方向変態ひずみはそれぞれ、
Δε 2→1=β2→1(1−A/2exp(−bT)) (3)

Δε 1→2=β1→2(1−B/2exp(−cT)exp(−d(T−T))) (4)

となる。この場合も、式(2)〜(4)を増分型に直し、これと実験のdilatationカーブから、各温度域における値をフィッティングすることができるようになる。
上記のように、熱処理前後の寸法変化を、加熱速度や冷却速度の関数として実験によって予め得る場合、予測される熱処理後の各方向の寸法の精度は、非常に良好なものとなり得る。しかも、実測しておけば、板厚方向の濃化層がないものに関しても、良好な寸法予測性が得られることは明らかである。しかしながら、全ての製造鋼種について、同様に、予め熱処理前後の板厚、板幅/又は板長寸法を測定し、さらに、加熱速度、加熱温度、冷却速度との相関関係を明らかにする試験を実施するにはしばしば開発コストと時間を要することがある。そこで、上記メカニズムに則り、予め熱処理前後の板厚、板幅/又は板長寸法を測定することなしに、数値計算などによりで熱処理寸法変化を予測できれば、メリットが大きい。
そこで、以下では加熱時の熱処理寸法変化について、特に予め行う熱処理前後の板厚、板幅/又は板長寸法の測定を不要とし、数値計算による予測方法の一例を述べる。ここで不要としている、予め熱処理前後の板厚、板幅/又は板長寸法の測定とは、予め、寸法変化と熱処理条件との相関関係を得るための寸法測定である。
まず図6に示すようなバンド状に濃度分布のある層が積層された組織の一部を考える。ここでは、中央部に合金元素が濃化した層を挟むように非濃化層が板厚方向上下に積層しているような3層構造を基本単位として考え、濃化層と非濃化層が交互に3層以上繰り返されるものとして、各境界を周期的境界条件として設定した。この濃化層と非濃化層の厚みの関係は、鋼材の成分系や製造プロセスによって決定する。具体的には、C、Mn、Ni等の合金元素および連続鋳造での二次冷却における冷却速度と熱間圧延における累積圧下率である。あるいは、熱処理に供する鋼板(熱処理前の鋼板)の各濃淡層の合金元素の濃化度合い、各濃化層の厚みは、EPMA等の分析機器によって把握してもよい。
これら2相における合金元素の偏析を考慮した硬さ分布は各すべり系の臨界せん断応力のインプットとして与えられる。また、相変態は、加熱時のオーステナイト変態において、合金成分および加熱速度に依存して核生成のタイミングが変化する。この変化は平衡状態図などから求めることができる。さらに、一般的には、合金元素が濃化している層が優先的にオーステナイト変態を始める。核生成の後、新たに発生した粒は粒成長し、新相同士がぶつかった時点で変態が終了し、この境界が新たな粒界を形成する。本成長過程においては、微視的には変態による密度差によって新相は等方的な収縮を起こす。しかし、変態が起こっていない部分は収縮していないため、このひずみのミスフィットが塑性変形を誘起する。このひずみ差によって生じる塑性変形は、有限要素法(FEM)や高速フーリエ変換(FFT)を用いた結晶塑性解析によって求めることができる。
まず、図1〜5の試験に供したものと同じ成分の鋼について、累積圧下率が190%である板厚25mmの板を、Niの偏析比(平均濃度との比)が1.2以上の濃化層の厚みを測定したところ全体の1/6の厚みが濃化層であった。そこでこの厚み部分の合金濃度から算出される変態温度と非濃化層の合金濃度から算出される変態温度をインプットとして1℃/sの加熱速度で加熱相変態中の結晶塑性解析を、FFTを用いて行ったところ、650〜700℃の加熱過程において(加熱によりオーステナイト変態する過程)、図8に示すようなひずみが算出された。この図8のひずみは、実験によって得られている変態ひずみ図1の650〜700℃の加熱過程と定量的に一致し、計算の確からしさ、および想定メカニズムの妥当性が検証された。図9に、650〜700℃の温度範囲で、1℃/sで加熱した際の相変態の進行を、高速フーリエ変換による結晶塑性シミュレーションした結果を示す。オーステナイト変態前の結晶(A)を加熱すると、中央の濃化層が先に変態し、濃化層中にオーステナイト相γ1が現れ、結晶全体の5体積%オーステナイト変態した(B)の時点では、濃化層以外の部分は変態しない。温度がさらに上昇し、結晶全体の20体積%オーステナイト変態した(C)となった時点、すなわち、濃化層の変態がほぼ終了した時点から非濃化層の変態が開始され、非濃化相中にオーステナイト相γ2が現れる(図9(A)(B)(C))。
一方で、加熱速度が10℃/sの場合についても650〜700℃の加熱過程(加熱によりオーステナイト変態する過程)で加熱相変態中の結晶塑性解析を、FFTを用いて行ったところ、図10に示すようなひずみが算出された。この現象を1℃/sの場合と同様に、高速フーリエ変換による結晶塑性シミュレーションにより分析すると、図11に示すように、加熱速度が10℃/sの場合には濃化層の変態が開始され、濃化層中にオーステナイト相γ1が現れ続ける時期と重複し(図11(B))非濃化層の変態が開始され、非濃化相中にオーステナイト相γ2が現れており、変態のタイミング差は非常に小さくなっている。したがって、図10のように相変態時の変態収縮に異方性が殆ど見られない。これは図1、2の実験結果から得られる知見とも一致する内容である。
次に、同様に冷却時のマルテンサイト変態における変態膨張計算について述べる。冷却開始前の濃化層の分布は、加熱温度に依存する。ここで、800℃で5分間保持する加熱を考えた場合、濃化層の分布は殆ど変化しないため、以下では濃化層の厚みは加熱時同様に全体の1/6程度の厚みとする。冷却速度40℃/sで、350℃から250℃へ冷却時のマルテンサイト変態による変態膨張についても、加熱時と同様に冷却時の変態膨張(ひずみ量)を、FFTを用いて計算した。その結果、図12のようになった。一方、冷却速度が10℃/sと遅くなると、図12と同じ350℃から250℃への冷却であるが、図13のようになった。すなわち、冷却速度が速ければ、冷却過程において、板厚方向の膨張量は低下し、冷却速度が遅ければ板厚方向の膨張量は増大する傾向が計算によっても得られた。この結果は、図4の実験結果から得られる知見とも一致する内容である。このように、冷却時には加熱時と逆に合金濃化層の変態は遅れるが、この効果を計算に導入することによって、変態膨張の異方性を再現することができる。
以上のように、Ac1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の製造方法において、最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を決定し板の各方向に所定の寸法範囲とするには、必ずしも熱処理条件との相関関係を求めるために、必ずしも予めの熱処理前後の板厚、板幅/又は板長寸法の測定を行う必要はない。そのため、最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を決定し板の各方向に所定の寸法範囲とするために必要な事項は、以下1)〜5)の事項となる。
1)熱処理前の鋼板の板厚寸法を測定すること
この点に関する理由は、測定によって熱処理条件と寸法変化量の相関関係を求める場合である前記1.と同様である。
次に、以下の2)〜4)のように、熱処理条件と寸法変化量の相関関係を求める。
2)予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱速度と加熱昇温前後の寸法変化量の相関関係を求めること
3)予め、加熱温度を変化させた際の、加熱温度と冷却降温過程前後の寸法変化量の相関関係を求めること
4)予め、冷却速度を変化させた際の、冷却速度と冷却降温前後の寸法変化量の相関関係を求めること
上記2)〜4)の相関関係を求める意義は、前記1.〜3.に記載した意義と同様である。相関関係を求める具体的な手段を限定しないだけである。
上記2)〜4)の相関関係を求めるに際し、各熱処理条件を変化させた場合の板寸法を測定することにより相関関係を求めてもよいし、そのような測定を行わず数値シミュレーション等の計算によって、相関関係を求めてもよい。このとき、板厚の寸法変化と熱処理条件との相関関係は少なくとも求めておく必要がある。それは、板厚方向の寸法変化については、前述のように、熱処理中の濃化層と非濃化層との力学的相互作用等により、等方モデルにより単純に予測することができないからである。一方、板幅、板長は、板厚変化が既知であるならば、密度変化をベースとする等方モデルより単純に求めることも可能であり、寸法変化を予測することもできるので、必ずしも必要ではない。しかしながら、熱処理後の寸法精度を向上させるためには、板幅、板長と各熱処理条件との相関関係のいずれか1つ以上求めておくことが好ましい。具体的な方法としては、等方モデル等でも求めることができる。
上記2)〜4)の相関関係を計算によって求める場合、基礎データに基づいて計算する。この基礎データは、成分組成の異なる濃化層と非濃化層間(各不均一層間)での、変態による膨張又は収縮の差、相互作用力等を把握するためのものである。基礎データとしては、濃化層、非濃化層の当該各層の線膨張係数、密度変化に起因する変態ひずみ量(加熱時・冷却時ともに)、各温度における当該各層のヤング率、ポアソン比、各相の構成式(結晶塑性モデルであれば臨界せん断応力等)を利用することが好ましい。基礎データの取得は、予め、当該材料の濃化層、非濃化層の成分組成により、材料データベースから抽出することが好ましい。このように、各濃化層、非濃化層の構成成分(濃化の程度)と厚さを把握し、加熱速度、加熱温度、冷却速度に応じた、変態による膨張又は収縮の差、相互作用力を割り出すことができる。
5)前記2)〜4)で得られた相関関係と、所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して熱処理を行う
前記2)〜4)で得られた相関関係を利用すれば、所望の寸法変化となる加熱速度、加熱温度、冷却速度が決定できるので、決定された条件にしたがって熱処理を行えばよい。板幅・板長と各熱処理条件との相関関係は把握しなくとも、板厚寸法を所定の範囲とする熱処理条件を採用すれば、自ずと板幅・板長は決定できる。しかしながら、板幅・板長と各熱処理条件との相関関係も求めておく方が好ましいことは前述のとおりである。
また、上記のような本発明を実施するための鋼板の熱処理設備として、以下のような構成が挙げられる。
すなわち、一つの熱処理設備として、熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長を入力する入力手段と、入力された熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長と、予め算出した熱処理前後の板厚と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係と、予め算出した熱処理前後の板幅および/又は板長と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係を記憶した記憶媒体と、前記記憶媒体に記憶した相関関係に、前記入力手段により入力した熱処理前の板厚と、熱処理前の板幅および/又は板長と、所望の板厚範囲と、所望の板幅範囲および/又は板長範囲とを適用して、所望の板厚範囲、板幅範囲又は板長範囲となる加熱速度、加熱温度、冷却速度を算出手段によって、算出された加熱速度、加熱温度、冷却速度に制御する加熱速度制御手段、加熱温度制御手段、および冷却速度制御手段を備えることである。熱処理設備には、熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長を測定する測定手段を設けてもよいし、別施設で測定した熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長の値を入力してもよい。
さらに、上記の熱処理設備において、シミュレーションにより寸法変化を計算する場合は、記憶媒体に、熱処理前後の板厚、板幅、板長と、加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係を演算するプログラムを記憶させておけば、記憶媒体に予め相関関係を記憶させておく必要がないので好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性および効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
予め、加熱速度、加熱温度、冷却速度と、各方向の寸法変化の相関関係を測定によって求め、その結果に基づいて熱処理を行った。
質量%で、C:0.1%、Mn:1.0%、Si:1.0%、Al:0.03%、N:0.004%、P:0.001%、S:0.001%、Ti:0.0%、Nb:0.0%、Cr:0.0%、Cu:0.1%、Ni:8.9%、B:0.0%、Mo:0.0%、W:0.0%、および、V:0.0%を含有し、残部がFeと不可避不純物である鋼を連続鋳造機で鋳造した厚み250mmの鋼片を複数枚用意した。
この鋼片を板厚が9mmとなるまで熱間圧延し、常温まで冷却し、切断によって複数枚の鋼板を得た。その後、これらの鋼板を熱処理ラインに搬送し、加熱前に設置された寸法測定器にて寸法を測定した。
また、切断時に同時に試験片を切り出し、各温度域における密度変化を測定すると共に、加熱速度が1、4、7、10℃/s、また加熱温度が800℃、1300℃、冷却速度が10、20、30、40℃/sと変化させた場合の板厚方向、板長方向、板幅方向の変態ひずみを測定した。
測定結果から、例えば加熱速度1℃/s、冷却速度40℃/s時の式(1)および(2)のパラメータを決定したところ、次のようになった。A=1.5、b=1.0、n=0.8、B=0.8、c=1.0、m=0.2、d=1.0×10−5、T=700℃。
次にこの鋼板を熱処理する前に、製品毎の寸法基準値をプロセスコンピュータから熱処理ラインの制御コンピュータに伝送し、制御コンピュータ内で加熱速度、加熱温度、冷却速度を決定した。
用意した鋼板の半数は上記により決定した加熱速度、加熱温度、冷却速度によって制御し、熱処理を行った。一方で残りの半数は従来通り、一律に加熱速度、加熱温度、冷却速度を決定し熱処理を行った。
このとき、熱処理前後の板サイズ、製品のサイズ範囲、熱処理条件、サイズの合否結果を表3に示す。本結果から、熱処理条件を制御した場合には、サイズ不良による格落ちは発生していないが、制御しない場合には、特に板厚や板幅不合によって格落ちが発生している。なお、比較例である8は従来の等方変態モデルのみで変形量を予測した。計算する変態過程は、フェライト+マルテンサイト→オーステナイト→マルテンサイトという前提で0.05%線膨張するとした。その結果、熱処理後サイズ予測は、板厚8.81mm、板長10.75mm、板幅1524.7mmとなり、目的の範囲に収まることが予測されたが、実際には、収まらない。したがって、本発明の有効性が確認できた。
(実施例2)
一方、計算機シミュレーションによっても、寸法変化の予測を行い、その結果に基づいて熱処理を行った。
質量%で、C:0.1%、Mn:1.0%、Si:1.0%、Al:0.03%、N:0.004%、P:0.001%、S:0.001%、Ti:0.0%、Nb:0.0%、Cr:0.0%、Cu:0.1%、Ni:8.9%、B:0.0%、Mo:0.0%、W:0.0%、および、V:0.0%を含有し、残部がFeと不可避不純物である鋼を連続鋳造機で鋳造した厚み250mmの鋼片を複数枚用意した。
この鋼片を板厚が25mmとなるまで熱間圧延し、常温まで冷却し、切断によって複数枚の鋼板を得た。その後、これらの鋼板を熱処理ラインに搬送し、加熱前に設置された寸法測定器にて寸法を測定した。
また、上記鋼板の累積圧下率から、Niの偏析比が1.2以上である濃化層の厚みは全体の1/6であると推定した。さらに、平衡状態図から加熱時の変態開始温度を、連続冷却線図から冷却時の変態開始温度を、加熱速度および冷却速度の関数としてプログラムにインプットした。
このインプット条件を元に、種々の加熱速度および冷却速度における相変態中の寸法変化をFFTによる結晶塑性モデルを用いて計算を行った。このとき、密度変化によって生じる変態収縮・膨張は非特許文献4を用いて計算した値を用いた。計算した加熱・冷却速度は1℃/s〜40℃/sである。本計算に加えて同じく非特許文献4に記載の密度モデルによって計算した熱ひずみを用いて、上記変態中の寸法変化と併せて熱処理工程全体での寸法変化と熱処理条件との関係を得た。
次にこの鋼板を熱処理する前に、製品毎の寸法基準値をプロセスコンピュータから熱処理ラインの制御コンピュータに伝送し、制御コンピュータ内で加熱速度、加熱温度、冷却速度を決定した。
用意した鋼板の半数は上記により決定した加熱速度、加熱温度、冷却速度によって制御し、熱処理を行った。一方で残りの半数は従来通り、一律に加熱速度、加熱温度、冷却速度を決定し熱処理を行った。
このとき、熱処理前後の板サイズ、製品のサイズ範囲、熱処理条件、サイズの合否結果を表4に示す。本結果から、熱処理条件を制御した場合には、サイズ不良による格落ちは発生していないが、制御しない場合には、特に板厚や板幅不合によって格落ちが発生している。なお、比較例である18を従来の等方変態モデルのみで変形量を予測した。計算する変態過程は、フェライト+マルテンサイト→オーステナイト→マルテンサイトという前提で0.05%線膨張するとした。その結果、熱処理後サイズ予測は、板厚25.3mm、板長10.75mm、板幅1523mmとなり、目的の範囲に収まることが予測されたが、実際には、収まらない。したがって、本発明の有効性が確認できた。
本発明によれば、鋼板の熱処理によって生じる寸法変化を予め予測し、さらに熱処理条件を制御することによって、熱処理後の寸法精度が向上する。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
1…L収縮量、2…L収縮量、3…L収縮力、4…LからLへの拘束力、5…実際のL収縮力、6…L膨張量、7…LN−1膨張量、8…L膨張力、9…LN−1からLへの拘束力、10…実際のL膨張力、γ1…濃化層において変態したオーステナイト相、γ2…非濃化層において変態したオーステナイト相

Claims (7)

  1. 少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
    予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱速度と加熱昇温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を求め、
    予め、加熱温度を変化させた際の、加熱温度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を求め、
    予め、冷却速度を変化させた際の、冷却速度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係を求め、
    熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
    前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚の寸法変化量の相関関係、
    前記加熱温度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係、
    前記冷却速度と冷却降温前後の板厚の寸法変化量の相関関係と、
    所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
    最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
  2. 少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
    予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚・板幅を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係を算出し、
    予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅を測定し、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係を算出し、
    予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係を算出し、
    熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
    前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係、
    前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係、
    前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅の寸法変化量の相関関係と、
    所望の板厚範囲・板幅範囲となる寸法変化量から、
    最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
  3. 少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
    予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚・板長を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
    予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板長を測定し、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
    予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板長を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
    熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
    前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係、
    前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係、
    前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板長の寸法変化量の相関関係と、
    所望の板厚範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
    最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
  4. 少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
    予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱昇温前後の板厚・板幅・板長を測定し、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
    予め、加熱温度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅・板長を測定し、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
    予め、冷却速度を変化させた際の、冷却降温前後の板厚・板幅・板長を測定し、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を算出し、
    熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
    前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
    前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
    前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係と、
    所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
    最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
  5. 少なくともAc1点以上の温度に加熱する熱処理工程を有する鋼板の熱処理において、
    予め、加熱昇温過程における加熱速度を変化させた際の、加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を数値シミュレーションによって算出し、
    予め、加熱温度を変化させた際の、加熱温度と冷却降温過程前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を数値シミュレーションによって算出し、
    予め、冷却速度を変化させた際の、冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係を数値シミュレーション算出し、
    熱処理前の鋼板の板厚・板幅・板長寸法を測定し、
    前記加熱速度と加熱昇温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
    前記加熱温度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係、
    前記冷却速度と冷却降温前後の板厚・板幅・板長の寸法変化量の相関関係と、
    所望の板厚範囲・板幅範囲・板長範囲となる寸法変化量から、
    最適な加熱速度、加熱温度、冷却速度を設定して前記熱処理前の鋼板の熱処理を行うことを特徴とする鋼板の製造方法。
  6. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の方法を実施するための鋼板の製造設備であって、
    少なくともAc1点以上の温度に加熱する工程を提供する鋼板の熱処理設備において、
    測定された熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長を入力する入力手段と、
    予め算出した熱処理前後の板厚と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係と、予め算出した熱処理前後の板幅および/又は板長と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係を記憶した記憶媒体と、
    前記記憶媒体に記憶した相関関係に、前記入力手段により入力された熱処理前の板厚と、熱処理前の板幅および/又は板長と、所望の板厚範囲と、所望の板幅範囲および/又は板長範囲とを適用して、所望の板厚範囲、板幅範囲又は板長範囲となる加熱速度、冷却速度、加熱温度を算出する手段と、
    前記算出する手段によって、算出された加熱速度、冷却速度、加熱温度に制御する加熱速度制御手段、冷却速度制御、加熱温度制御手段とを
    有することを特徴とする鋼板の熱処理設備。
  7. 請求項5に記載の方法を実施するための鋼板の製造設備であって、
    少なくともAc1点以上の温度に加熱する工程を提供する鋼板の熱処理設備において、
    測定された熱処理前の板厚と、板幅および/又は板長を入力する入力手段と、
    熱処理前後の板厚と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係と、熱処理前後の板幅および板長と加熱速度、加熱温度、冷却速度の相関関係を記憶された記憶媒体と、
    前記記憶媒体に記憶された相関関係に、前記入力手段により入力された熱処理前の板厚と、熱処理前の板幅および/又は板長と、所望の板厚範囲と、所望の板幅範囲および板長範囲とを適用して、所望の板厚範囲、板幅範囲又は板長範囲となる加熱速度、冷却速度、加熱温度を算出する手段と、
    前記算出する手段によって、算出された加熱速度、冷却速度、加熱温度に制御する加熱速度制御手段、冷却速度制御、加熱温度制御手段とを
    有することを特徴とする鋼板の熱処理設備。
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