[第一実施形態]
はじめに、本願の開示する技術の第一実施形態を説明する。
図1〜図4に示されるように、第一実施形態に係る飛翔機10は、飛翔機本体20と、フレーム30と、カメラ50を備える。
飛翔機本体20は、例えば、マルチコプタであり、ベース部21と、複数のモータ22と、複数の回転翼23とを有する。本実施形態において、複数のモータ22及び複数の回転翼23の個数は、一例として、それぞれ4個である。
ベース部21は、平面視にてH字状を成しており、複数のモータ22は、ベース部21の四隅部にそれぞれ配置されている。複数のモータ22及び複数の回転翼23は、いずれも飛翔機10の高さ方向を軸方向として配置されている。複数の回転翼23は、モータ22の出力軸に固定されている。ベース部21には、複数のモータ22を制御するための制御回路や複数のモータ22に電力を供給するためのバッテリ等が設けられる。
フレーム30は、フレーム本体31と、複数のプーリ32と、一対の環状ベルト33とを有する。また、フレーム本体31は、中央支持棒41と、複数の側面支持棒42と、複数の連結棒43とを有する。
中央支持棒41は、フレーム本体31の横幅方向に延びている。中央支持棒41の中央部には、取付部材44が中央支持棒41の軸方向周りに回転可能に固定されており、この取付部材44には、飛翔機本体20が固定されている。飛翔機本体20は、取付部材44を介して中央支持棒41に支持されることにより、中央支持棒41の軸方向周り、すなわち、フレーム本体31の横幅方向周りに回転可能になっている。この飛翔機本体20は、中央支持棒41の下側に配置されている。
複数の側面支持棒42は、中央支持棒41の両端部にそれぞれ設けられている。フレーム本体31は、左右対称であり、本実施形態では、中央支持棒41の片側に設けられる側面支持棒42の本数は、一例として、3本ずつとされている。片側3本の側面支持棒42は、中央支持棒41の軸方向と直交する方向にそれぞれ延びており、互いに同じ長さである。また、この片側3本の側面支持棒42は、中央支持棒41の軸方向周りに等角度間隔(120度間隔)に配置されており、中央支持棒41を中心に放射状に延びている。
複数の連結棒43は、フレーム本体31の横幅方向にそれぞれ延びている。複数の連結棒43は、片側の側面支持棒42の本数と同数であり、本実施形態では、複数の連結棒43の本数は、3本とされている。この3本の連結棒43の両端部は、各片側3本の側面支持棒42の先端部にそれぞれ固定されている。
複数のプーリ32は、フレーム本体31の横幅方向両端部にそれぞれ設けられている。片側の複数のプーリ32は、片側の側面支持棒42の本数と同数であり、本実施形態では、片側の複数のプーリ32の個数は、3個とされている。この片側3個のプーリ32は、各側面支持棒42の先端部に対応してそれぞれ設けられており、フレーム本体31の横幅方向周りに間隔を空けて配置されている。
上述の3本の連結棒43の両端部は、より具体的には、各片側3本の側面支持棒42の先端部をそれぞれ貫通しており、各片側3個のプーリ32は、各連結棒43の両端部にそれぞれ回転可能に固定されている。つまり、3本の連結棒43は、フレーム本体31の横幅方向一端部に設けられた3個のプーリ32の各々と、フレーム本体31の横幅方向他端部に設けられた3個のプーリ32の各々とを連結している。さらに、3本の連結棒43は、その両端部が片側3本の側面支持棒42の先端部にそれぞれ固定されることにより、各片側3本の側面支持棒42の各々によって支持されている。
一対の環状ベルト33は、「一対の環状部材」の一例であり、フレーム本体31の横幅方向両端部に設けられている。各環状ベルト33は、薄板状であり、片側3個のプーリ32に巻き掛けられている。この各環状ベルト33は、片側3個のプーリ32の回転を伴って回転する。また、片側3個のプーリ32がフレーム本体31の横幅方向周りに等間隔に配置されることにより、各環状ベルト33は、「多角形状」の一例として、フレーム本体31の横幅方向周りに正三角形状を成している。
図2に示されるように、正三角形状を成す環状ベルト33は、フレーム30の側面視で飛翔機本体20を収容する円24に内接する大きさを有しており、飛翔機本体20は、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に位置している。
そして、以上の一対の環状ベルト33と、上述の中央支持棒41、複数の側面支持棒42、及び、複数の連結棒43とを有するフレーム30は、飛翔機10の横幅方向を軸方向とする概略筒状の籠型に形成されている。また、飛翔機本体20は、フレーム30の正面視で一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、飛翔機本体20は、フレーム本体31及び一対の環状ベルト33を有するフレーム30に囲われている。
カメラ50は、「検出器」の一例である。このカメラ50は、フレーム30のうちの中央支持棒41に脚部45を介して固定されている。脚部45は、「固定部」の一例である。このカメラ50は、中央支持棒41の上側に配置されている。また、このカメラ50は、上述の飛翔機本体20と同様に、フレーム30の正面視で一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、カメラ50も、フレーム30に囲われている。
図2に示されるように、フレーム30の側面視で、カメラ50は、その光軸51が環状ベルト33に形成された3個の辺部34のうち一の辺部34と直交するように向きが設定されている。この環状ベルト33に形成された3個の辺部34のうち、カメラ50の光軸51と直交する一の辺部34は、後述する如く対象物に押し当てられる押し当て部35として機能する。
なお、押し当て部35は、回転する環状ベルト33の特定の部位ではなく、回転する環状ベルト33のうち一対のプーリ32の間の部分によって形成される。図1〜図4では、一例として、カメラ50がフレーム30の斜め前方上方を向いており、押し当て部35は、上側のプーリ32と前側のプーリ32との間に位置している辺部34によって形成されている。この押し当て部35は、一の辺部34によって形成されることにより、直線状を成している。
このように、一の辺部34である押し当て部35が直線状を成すことにより、押し当て部35は、その長さ方向両端側の二箇所35A、35Bを含む長さ方向の全体が対象物に接触するように、対象物に押し当てられる。各押し当て部35は、両側一対の環状ベルト33に形成されることにより、フレーム本体31の横幅方向両端部に設けられている。また、押し当て部35は、一の辺部34によって形成されることにより、フレーム本体31の横幅方向と直交する方向に沿って延びている。押し当て部35の長さ方向両端側の二箇所35A、35Bは、フレーム本体31の横幅方向と直交する方向(矢印A方向)に沿って離間している。
また、上述のように、カメラ50の向きは、フレーム30の側面視でカメラ50の光軸51が一の辺部34である押し当て部35と直交するように設定されている。そして、これにより、カメラ50の光軸方向、つまり、カメラ50の撮影方向は、押し当て部35の対象物への押し当て方向に設定されている。このカメラ50の撮影方向は、具体的には、押し当て部35の長さ方向両端側の二箇所35A、35Bを結ぶ方向(一の辺部34の長さ方向)と直交し対象物を向く方向に設定されている。このカメラ50の撮影方向は、「検出器の検出方向」の一例である。
次に、上述の飛翔機10の使用方法の一例について説明する。
図5には、飛翔機10の使用方法の一例が示されている。飛翔機10は、操作者が操作するコントローラから発せられる信号に基づいて飛翔する。コントローラから発せられる信号は、無線で飛翔機10に送信されても良く、また、有線で飛翔機10に送信されても良い。
図5に示される対象物60は、例えば、橋や建物等の構造物である。この対象物60は、下側の垂直面61と、上側の垂直面62と、垂直面61、62の間に形成された下向きの水平面63とを有する。
そして、本例では、先ず、状態(1)に示されるように、飛翔機10が飛翔し、環状ベルト33に形成された一の辺部34が対象物60の垂直面61に接触する。また、飛翔機10は、環状ベルト33の回転を伴って垂直面61に沿って上昇する。
また、飛翔機10が上昇し、対象物60の水平面63に飛翔機10が到達すると、状態(1)から状態(2)に示されるように、環状ベルト33に形成された一の角部を支点として、フレーム30が回転する。そして、環状ベルト33に形成された別の辺部34が対象物60の水平面63に接触し、飛翔機10は、環状ベルト33の回転を伴って水平面63に沿って移動する。
また、飛翔機10が水平面63に沿って移動し、飛翔機10の中心部が対象物60の角部64を超えると、状態(3)から状態(4)に示されるように、環状ベルト33が角部64に接触しながらフレーム30が回転する。そして、環状ベルト33に形成されたさらに別の辺部34が対象物60の垂直面62に接触する。
このように、第一実施形態に係る飛翔機10では、対象物60に段差がある場合でも、フレーム30が回転することで対象物60に対する環状ベルト33の接触面が変わることにより、飛翔機10が段差を乗り越える。
また、上述の対象物60の垂直面62に接触する辺部34は、カメラ50の光軸51と直交しており、押し当て部35として機能する。そして、飛翔機10は、押し当て部35が対象物60の垂直面62に押し当てられた状態で、環状ベルト33の回転を伴って上昇する。また、上述の如く、カメラ50は、その光軸51が押し当て部35として機能する辺部34と直交するように向きが設定されている。そして、カメラ50は、押し当て部35の垂直面62への押し当て方向を撮影方向として垂直面62の撮影を行う。
なお、状態(4)に示されるように、押し当て部35を垂直面62に押し当てるために、飛翔機本体20は、飛翔機10に対して垂直面62の側に推力が働くように傾いた状態となる。
しかしながら、本実施形態では、カメラ50がフレーム30に固定されており、しかも、このカメラ50は、押し当て部35の垂直面62への押し当て方向を撮影方向としてフレーム30に固定されている。したがって、飛翔機本体20が傾いても、カメラ50を垂直面62に正対させた状態に維持される。
次に、第一実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、第一実施形態の作用及び効果を説明するために比較例について説明する。図30には、比較例に係る飛翔機230が示されている。比較例に係る飛翔機230は、上述の第一実施形態に係る飛翔機10(図1参照)に対し、次のように構成が異なっている。
つまり、比較例に係る飛翔機230は、飛翔機本体240と、一対の車輪243と、カメラ250とを備える。飛翔機本体240は、上述の第一実施形態における飛翔機本体20(図1参照)と同様の構成である。一対の車輪243は、飛翔機本体240の横幅方向両側に配置されており、飛翔機本体240の横幅方向に延びる車軸241によって飛翔機本体240に対して回転可能に支持されている。カメラ250は、飛翔機本体240に脚部を介して固定されている。このカメラ50は、飛翔機本体240の正面を向いている。
図31には、比較例に係る飛翔機230の使用方法が示されている。この比較例に係る飛翔機230の使用方法では、先ず、状態(1)に示されるように、飛翔機230が飛翔し、一対の車輪243が対象物60の垂直面61に接触する。そして、飛翔機230は、一対の車輪243の回転を伴って垂直面61に沿って上昇する。
また、飛翔機230が上昇し、対象物60の水平面63に飛翔機230が到達すると、一対の車輪243が水平面63に接触する。そして、飛翔機230は、一対の車輪243の回転を伴って水平面63に沿って移動する。
また、飛翔機230が水平面63に沿って移動し、対象物60の角部64に到達すると、状態(2)に示されるように、一対の車輪243が角部64に線接触しながら飛翔機230が移動する。そして、状態(3)に示されるように、飛翔機230が対象物60の垂直面62に接触し、飛翔機230は、カメラ250により垂直面62の撮影を行う。
しかしながら、この比較例では、次の問題がある。すなわち、この比較例では、状態(3)に示されるように、飛翔機230を垂直面62に沿って上昇させるときに、飛翔機230に対して垂直面62の側に推力が働くように飛翔機本体240を傾かせると、一対の車輪243が垂直面62に接した状態に維持される。ところが、飛翔機本体240を傾かせると、飛翔機本体240と共にカメラ250も傾いてしまい、カメラ250が垂直面62に正対しないので、垂直面62に対する撮影精度が低下する虞がある。
また、この比較例では、状態(1)に示されるように、水平面63によって形成される段差が車輪243の半径よりも大きい場合、飛翔機230を単純に上昇させても車輪243が段差を乗り越えることができない虞がある。
さらに、状態(2)に示されるように、飛翔機230が水平面63から垂直面62に移動する際に、一対の車輪243と対象物60の角部64との接触状態が線接触となる。このため、接触力の大きさと方向の制御が複雑となり、接触力の大きさと方向の制御が適切でない場合には、一対の車輪243が角部64から容易に離れてしまう虞がある。また、一対の車輪243が同時に角部64に接触しないと、片方の車輪243が角部64に引っ掛かり、飛翔機230の姿勢が崩れる虞がある。つまり、この比較例に係る飛翔機230では、対象物の凹凸に倣う動きが困難である。
これに対し、図1〜図5に示される第一実施形態に係る飛翔機10では、カメラ50がフレーム30に固定されており、しかも、このカメラ50は、押し当て部35の対象物への押し当て方向を撮影方向としてフレーム30に固定されている。したがって、図5の状態(4)に示されるように、飛翔機本体20が傾いても、押し当て部35が対象物に押し当てられている状態では、カメラ50を対象物に正対させた状態に維持できる。これにより、対象物の撮影精度を向上させることができる。
また、第一実施形態に係る飛翔機10では、飛翔機本体20に対してフレーム30が回転可能となっており、しかも、フレーム本体31の横幅方向両端部には、三角形状を成す一対の環状ベルト33が設けられている。したがって、図5に示されるように、対象物に段差がある場合でも、フレーム30が回転することで対象物に対する環状ベルト33の接触面が変わることにより、飛翔機10が段差を乗り越えることができる。これにより、対象物の凹凸に倣う動きをできるので、凹凸に対する走破性能を向上させることができる。
また、直線状の押し当て部35を用いることにより、対象物と飛翔機10との接触面積が拡大するので、対象物に沿って飛翔機10を安定して移動させることができる。これにより、対象物の撮影精度をより一層向上させることができる。
また、環状ベルト33は、フレーム本体31の横幅方向両端部に設けられた複数のプーリ32に巻き掛けられている。したがって、環状ベルト33が対象物に接触した状態で飛翔機10が対象物に沿って移動するときには、環状ベルト33が回転するので、飛翔機10を対象物に沿って円滑に移動させることができる。
また、環状ベルト33に形成される直線状の一の辺部34を押し当て部35として用いて、対象物と飛翔機10との接触面積を拡大させるので、飛翔機10の耐風性能や直進安定性を向上させることができる。
また、フレーム本体31の横幅方向一端部に設けられた複数のプーリ32の各々と、フレーム本体31の横幅方向他端部に設けられた複数のプーリ32の各々とは、複数の連結棒43によって連結されている。したがって、複数のプーリ32のがたつきを抑制できるので、環状ベルト33を円滑に回転させることができる。これにより、飛翔機10の走行性能を向上させることができる。
また、飛翔機本体20を支持する中央支持棒41の両端部には、中央支持棒41の軸方向と直交する方向にそれぞれ延びる複数の側面支持棒42がそれぞれ設けられている。そして、複数の連結棒43の各々は、この複数の連結棒43の両側に設けられた複数の側面支持棒42によってそれぞれ支持されている。したがって、この中央支持棒41、複数の側面支持棒42、及び、複数の連結棒43を有するフレーム本体31の剛性を向上させることができる。これにより、例えば、飛翔機10が着地した場合でも、着地による衝撃でフレーム本体31が破損したり、フレーム本体31の歪みにより環状ベルト33が外れたりすることを抑制できる。
また、飛翔機本体20は、フレーム30の正面視で一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、飛翔機本体20は、フレーム本体31及び一対の環状ベルト33を有するフレーム30に囲われている。したがって、飛翔機本体20をフレーム30で保護できるので、飛翔機本体20が外部の対象物や障害物等に接触することを抑制できる。これにより、回転翼23の回転が妨げられたり、飛翔機本体20が損傷したりすることを抑制できる。
また、カメラ50も、フレーム30の正面視で一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、カメラ50も、フレーム30に囲われている。したがって、カメラ50をフレーム30で保護できるので、カメラ50についても外部の対象物や障害物等に接触することを抑制できる。これにより、カメラ50に衝撃が加えられてカメラ50の角度が変更されたり、カメラ50が損傷したりすることを抑制できる。
次に、第一実施形態の変形例について説明する。
上記第一実施形態において、飛翔機10が作業を行う対象物は、一例として、橋や建物等の構造物とされているが、橋や建物等の構造物以外に、例えば、トンネル、屋根、梯子、電柱、煙突、大型旅客機、その他の構造物でも良い。また、対象物は、構造物以外に、例えば、地面や水面でも良い。つまり、飛翔機10が作業を行う対象物は、橋、建物、トンネル、屋根、梯子、電柱、煙突、大型旅客機、その他の構造物、地面、及び、水面の少なくともいずれかでも良い。
また、上記第一実施形態において、飛翔機10は、「作業」の一例として、カメラ50による撮影を行うが、撮影以外に、例えば、観測、記録、検査、点検、運搬、塗装、マーキング、及び、その他の作業でも良い。
また、上記第一実施形態では、「検出器」の一例として、撮影をするためのカメラ50が用いられているが、その他の作業に適した検出器が用いられても良い。
また、上記第一実施形態において、飛翔機本体20は、取付部材44を介して中央支持棒41に支持されることにより、フレーム本体31の横幅方向周りに回転可能になっている。しかしながら、飛翔機本体20は、フレーム本体31の横幅方向周りに回転可能とされることに加え、取付部材44に対してフレーム本体31の高さ方向周りに回転可能になっていても良い。
[第二実施形態]
次に、本願の開示する技術の第二実施形態を説明する。
図6〜図9に示される第二実施形態に係る飛翔機120は、上述の第一実施形態に係る飛翔機10(図1参照)に対し、次のように構造が異なっている。
すなわち、第二実施形態に係る飛翔機120は、フレーム70を有する。このフレーム70は、第一実施形態における片側3個のプーリ32及び環状ベルト33(図1参照)の代わりに、片側3個の車輪72及び環状フレーム73を有する。フレーム70におけるフレーム本体71は、第一実施形態におけるフレーム本体31(図1参照)と同様に、中央支持棒41と、複数の側面支持棒42と、複数の連結棒43とを有する。
環状フレーム73は、「環状部材」の一例である。この環状フレーム73は、「多角形状」の一例として、フレーム本体71の横幅方向周りに正三角形状を成している。この環状フレーム73は、薄板状である。環状フレーム73の各角部は、各側面支持棒42の先端部に接続されている。
片側3個の車輪72は、各側面支持棒42の先端部、すなわち、環状フレーム73の各角部にそれぞれ設けられている。各片側3個の車輪72は、環状フレーム73の各角部を貫通する各連結棒43の両端部にそれぞれ回転可能に固定されている。
図7に示されるように、正三角形状を成す環状フレーム73は、フレーム70の側面視で飛翔機本体20を収容する円24に内接する大きさを有しており、飛翔機本体20は、フレーム70の側面視で環状フレーム73の内側に位置している。
そして、以上の一対の環状フレーム73と、中央支持棒41、複数の側面支持棒42、及び、複数の連結棒43とを有するフレーム70は、飛翔機120の横幅方向を軸方向とする概略筒状の籠型に形成されている。また、飛翔機本体20は、フレーム70の正面視で一対の環状フレーム73の間に配置されると共に、フレーム70の側面視で環状フレーム73の内側に配置されている。そして、これにより、飛翔機本体20は、フレーム本体71及び一対の環状フレーム73を有するフレーム70に囲われている。
上述の正三角形状を成す環状フレーム73は、3個の辺部74を有し、フレーム本体71は、フレーム本体71の横幅方向に延びる連結固定棒81を有する。連結固定棒81は、一方の片側3個の辺部74のうち一の辺部74と、他方の片側3個の辺部74のうち一の辺部74とを連結している。
カメラ50は、フレーム70のうち上述の連結固定棒81に脚部85を介して固定されている。脚部85は、「固定部」の一例である。このカメラ50は、連結固定棒81の上側に配置されている。また、このカメラ50は、上述の飛翔機本体20と同様に、フレーム70の正面視で一対の環状フレーム73の間に配置されると共に、フレーム70の側面視で環状フレーム73の内側に配置されている。そして、これにより、カメラ50も、フレーム70に囲われている。
図7に示されるように、フレーム70の側面視で、カメラ50は、その光軸51が環状フレーム73に形成された3個の辺部74のうち一の辺部74と直交するように向きが設定されている。この環状フレーム73に形成された3個の辺部74のうち、カメラ50の光軸51と直交する一の辺部74の両端部に設けられた一対の車輪72は、後述する如く対象物に押し当てられる押し当て部75として機能する。
押し当て部75は、一対の車輪72が対象物に接触するように、対象物に押し当てられる。各押し当て部75は、両側一対の環状フレーム73に形成されることにより、フレーム本体71の横幅方向両端部に設けられている。押し当て部75として機能する一対の車輪72を繋ぐ一の辺部74は、フレーム本体71の横幅方向と直交する方向に沿って延びている。この押し当て部75として機能する一対の車輪72は、「押し当て部における対象物と接触する二箇所」の一例であり、フレーム本体71の横幅方向と直交する方向(矢印A方向)に沿って離間している。
また、上述のように、カメラ50の向きは、フレーム70の側面視でカメラ50の光軸51が一の辺部74と直交するように設定されている。そして、これにより、カメラ50の光軸方向、つまり、カメラ50の撮影方向は、押し当て部75の対象物への押し当て方向に設定されている。このカメラ50の撮影方向は、具体的には、押し当て部75として機能する一対の車輪72を結ぶ方向(一の辺部74の長さ方向)と直交し対象物を向く方向に設定されている。このカメラ50の撮影方向は、「検出器の検出方向」の一例である。
次に、上述の飛翔機120の使用方法の一例について説明する。
図10には、飛翔機120の使用方法の一例が示されている。図10に示される対象物60は、例えば、橋や建物等の構造物である。この対象物60は、垂直面65を有する。
そして、本例では、先ず、状態(1)に示されるように、飛翔機120が飛翔し、環状フレーム73の一の辺部74の長さ方向の両端部に設けられた一対の車輪72が押し当て部75として対象物60の垂直面65に押し当てられる。
そして、状態(2)に示されるように、飛翔機120は、押し当て部75として機能する一対の車輪72の回転を伴って垂直面65に沿って上昇する。
また、上述の如く、カメラ50は、その光軸51が押し当て部75として機能する一対の車輪72を繋ぐ一の辺部74と直交するように向きが設定されている。そして、カメラ50は、押し当て部75の垂直面65への押し当て方向を撮影方向として垂直面65の撮影を行う。
なお、状態(2)に示されるように、押し当て部75を垂直面65に押し当てるために、飛翔機本体20は、飛翔機120に対して垂直面65の側に推力が働くように傾いた状態となる。
しかしながら、本実施形態では、カメラ50がフレーム70に固定されており、しかも、このカメラ50は、押し当て部75の垂直面65への押し当て方向を撮影方向としてフレーム70に固定されている。したがって、飛翔機本体20が傾いても、カメラ50を垂直面65に正対させた状態に維持される。
本例では、飛翔機120が平面状の垂直面65に沿って移動する例を示しているが、第二実施形態に係る飛翔機120は、上述の第一実施形態の例のように、凹凸に倣って移動しても良いことは勿論である。
次に、第二実施形態の作用及び効果について説明する。
第二実施形態に係る飛翔機120では、カメラ50がフレーム70に固定されており、しかも、このカメラ50は、押し当て部75の対象物への押し当て方向を撮影方向としてフレーム70に固定されている。したがって、図10の状態(2)に示されるように、飛翔機本体20が傾いても、押し当て部75が対象物に押し当てられている状態では、カメラ50を対象物に正対させた状態に維持できる。これにより、対象物の撮影精度を向上させることができる。
また、第二実施形態に係る飛翔機120では、飛翔機本体20に対してフレーム70が回転可能となっており、しかも、フレーム本体71の横幅方向両端部には、三角形状を成す一対の環状フレーム73が設けられている。したがって、対象物に段差がある場合でも、第一実施形態と同様に、フレーム70が回転することで対象物に対する環状フレーム73の接触面が変わることにより、飛翔機120が段差を乗り越えることができる。これにより、対象物の凹凸に倣う動きをできるので、凹凸に対する走破性能を向上させることができる。
また、一の辺部74の長さ方向両端部に設けられた一対の車輪72を押し当て部75として機能させることにより、飛翔機120が対象物に安定して押し付けられるので、対象物に沿って飛翔機120を安定して移動させることができる。これにより、対象物の撮影精度をより一層向上させることができる。
また、押し当て部75として機能する一対の車輪72が対象物に接触した状態で飛翔機120が対象物に沿って移動するときには、一対の車輪72が回転するので、飛翔機120を対象物に沿って円滑に移動させることができる。
また、フレーム本体71の横幅方向一端部に設けられた複数の車輪72の各々と、フレーム本体71の横幅方向他端部に設けられた複数の車輪72の各々とは、複数の連結棒43によって連結されている。したがって、複数の車輪72のがたつきを抑制できるので、複数の車輪72を円滑に回転させることができる。これにより、飛翔機120の走行性能を向上させることができる。
また、飛翔機本体20は、フレーム70の正面視で一対の環状フレーム73の間に配置されると共に、フレーム70の側面視で環状フレーム73の内側に配置されている。そして、これにより、飛翔機本体20は、フレーム本体71及び一対の環状フレーム73を有するフレーム70に囲われている。したがって、飛翔機本体20をフレーム70で保護できるので、飛翔機本体20が外部の対象物や障害物等に接触することを抑制できる。これにより、回転翼の回転が妨げられたり、飛翔機本体20が損傷したりすることを抑制できる。
また、カメラ50も、フレーム70の正面視で一対の環状フレーム73の間に配置されると共に、フレーム70の側面視で環状フレーム73の内側に配置されている。そして、これにより、カメラ50も、フレーム70に囲われている。したがって、カメラ50をフレーム70で保護できるので、カメラ50についても外部の対象物や障害物等に接触することを抑制できる。これにより、カメラ50に衝撃が加えられてカメラ50の角度が変更されたり、カメラ50が損傷したりすることを抑制できる。
なお、上記第二実施形態において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏する。また、第二実施形態では、第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
[第三実施形態]
次に、本願の開示する技術の第三実施形態を説明する。
図11に示される第三実施形態に係る飛翔機130は、上述の第一実施形態に係る飛翔機10(図1参照)に対し、次のように構造が異なっている。
すなわち、環状ベルト33における複数の辺部34のそれぞれは、押し当て部35として機能し、フレーム本体31には、複数の押し当て部35に対応して複数のカメラ50が固定されている。各カメラ50は、その光軸51が各押し当て部35(各辺部34)と直交するように向きが設定されている。そして、これにより、カメラ50の光軸方向、つまり、カメラ50の撮影方向は、押し当て部35の対象物への押し当て方向に設定されている。
また、複数のカメラ50は、フレーム30の適宜箇所に固定されている。この複数のカメラ50は、いずれも一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、複数のカメラ50は、フレーム本体31及び一対の環状ベルト33を有するフレーム30に囲われている。
次に、第三実施形態の作用及び効果について説明する。
第三実施形態に係る飛翔機130では、環状ベルト33における複数の辺部34のそれぞれが、押し当て部35であり、フレーム本体31には、複数の押し当て部35に対応して複数のカメラ50が固定されている。したがって、例えば、図12に示されるように、飛翔機130が対象物の凹凸に倣って移動する際に、フレーム30が回転する場合でも、複数のカメラ50のいずれかで凹凸の各壁面を撮影できる。これにより、凹凸を有する対象物に対して撮影範囲を拡大できる。
なお、上記第三実施形態において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏する。また、第三実施形態では、第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。さらに、上記第三実施形態は、第一実施形態と組み合わされる以外に、第二実施形態と組み合わされても良い。
[第四実施形態]
次に、本願の開示する技術の第四実施形態を説明する。
図13に示される第四実施形態に係る飛翔機140は、上述の第一実施形態に係る飛翔機10(図1参照)に対し、次のように構造が異なっている。
すなわち、第四実施形態に係る飛翔機140において、中央支持棒41の片側に設けられる側面支持棒42の本数は、一例として、4本ずつとされている。また、この片側4本の側面支持棒42に対応して、複数の連結棒43の本数は、4本とされており、複数のプーリ32の個数は、4個とされている。また、片側4個のプーリ32がフレーム本体31の横幅方向周りに等間隔に配置されることにより、環状ベルト33は、「多角形状」の一例として、フレーム本体31の横幅方向周りに正方形状を成している。
この正方形状を成す環状ベルト33は、フレーム30の側面視で飛翔機本体20を収容する円24に内接する大きさを有しており、飛翔機本体20は、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に位置している。
そして、以上の一対の環状ベルト33と、上述の中央支持棒41、複数の側面支持棒42、及び、複数の連結棒43とを有するフレーム30は、飛翔機140の横幅方向を軸方向とする概略筒状の籠型に形成されている。また、飛翔機本体20は、フレーム30の正面視で一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、飛翔機本体20は、フレーム本体31及び一対の環状ベルト33を有するフレーム30に囲われている。
カメラ50は、フレーム30のうちの中央支持棒41に脚部45を介して固定されている。このカメラ50は、中央支持棒41の上側に配置されている。また、このカメラ50は、上述の飛翔機本体20と同様に、フレーム30の正面視で一対の環状ベルト33の間に配置されると共に、フレーム30の側面視で環状ベルト33の内側に配置されている。そして、これにより、カメラ50も、フレーム30に囲われている。
フレーム30の側面視で、カメラ50は、その光軸51が環状ベルト33に形成された4個の辺部34のうち一の辺部34と直交するように向きが設定されている。この環状ベルト33に形成された4個の辺部34のうち、カメラ50の光軸51と直交する一の辺部34は、対象物に押し当てられる押し当て部35として機能する。押し当て部35は、一の辺部34によって形成されることにより、直線状を成している。
また、上述の如くカメラ50の光軸51が押し当て部35と直交するようにカメラ50の向きが設定されることにより、カメラ50の光軸方向、つまり、カメラ50の撮影方向は、押し当て部35の対象物への押し当て方向に設定されている。
次に、第四実施形態の作用及び効果について説明する。
図13に示される第四実施形態に係る飛翔機140では、環状ベルト33が、四つの辺部34を有する正方形状である。したがって、例えば、環状ベルト33が正三角形状である場合に比して、対象物の凹凸に倣ってフレーム30が回転する際の回転角度を小さくできる。これにより、対象物の凹凸に倣う飛翔機140の動きをより円滑にできるので、凹凸に対する走破性能をより一層向上させることができる。
なお、上記第四実施形態において、第一実施形態と同様の構成については、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏する。
次に、第四実施形態の変形例について説明する。
上記第四実施形態において、環状ベルト33は、一例として、四つの辺部34を有する正方形状とされているが、例えば、図14に示されるように、環状ベルト33は、五つの辺部34を有する正五角形状とされていても良い。つまり、環状ベルト33は、四つ以上の辺部34を有する多角形状とされていても良い。
なお、第四実施形態では、第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。また、第四実施形態において、飛翔機140は、上記第二実施形態と組み合わされることにより、環状ベルト33の代わりに、四つ以上の辺部74を有する多角形状の環状フレーム73(図6参照)を有していても良い。
また、第四実施形態において、飛翔機140は、上記第三実施形態と組み合わされることにより、フレーム本体31には、複数の押し当て部35に対応して複数のカメラ50が固定されていても良い。
[第五実施形態]
次に、本願の開示する技術の第五実施形態を説明する。
図15に示される第五実施形態に係る飛翔機150は、上述の第二実施形態に係る飛翔機120(図6参照)に対し、次のように構造が異なっている。
つまり、第五実施形態に係る飛翔機150において、環状フレーム73には、各角部に設けられた車輪72に加えて、複数の角部間の辺部74にも複数の車輪72が設けられている。そして、環状フレーム73に形成された複数の辺部74のうち一の辺部74には、この一の辺部74の長さ方向に複数の車輪72が配列されている。この複数の車輪72は、押し当て部75として機能する。押し当て部75は、複数の車輪72が対象物に接触するように、対象物に押し当てられる。複数の車輪72は、「押し当て部における対象物と接触する複数箇所」の一例であり、フレーム本体71の横幅方向と直交する方向(矢印A方向)に沿って互いに離間している。
次に、第五実施形態の作用及び効果について説明する。
図15に示される第五実施形態に係る飛翔機150では、押し当て部75が、一の辺部74の長さ方向に配列された複数の車輪72を有する。したがって、複数の車輪72が対象物に接触した状態で飛翔機150が対象物に沿って移動するときには、複数の車輪72が回転するので、飛翔機150を対象物に沿って円滑に移動させることができる。
なお、上記第五実施形態において、第二実施形態と同様の構成については、第二実施形態と同様の作用及び効果を奏する。また、第五実施形態では、第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
[第六実施形態]
次に、本願の開示する技術の第六実施形態を説明する。
図16、図17に示される第六実施形態に係る飛翔機160は、上述の第一実施形態に係る飛翔機10(図1参照)に対し、次のように構造が異なっている。
すなわち、第六実施形態に係る飛翔機160は、飛翔機本体20と、フレーム90と、カメラ50を備える。
飛翔機本体20は、第一実施形態と同様のマルチコプタであり、ベース部21と、複数のモータ22と、複数の回転翼23とを有する。本実施形態において、複数のモータ22及び複数の回転翼23の個数は、一例として、それぞれ4個である。
フレーム90は、フレーム本体91と、一対の車輪92と、一対のアーム93と、連結棒94とを有する。フレーム本体91には、一例として、飛翔機本体20の横幅方向に延びる車軸が適用されている。飛翔機本体20は、フレーム本体91の軸方向である横幅方向の中央部に固定されている。一対の車輪92は、フレーム本体91の横幅方向両端部に設けられており、フレーム本体91に回動可能に支持されている。
一対のアーム93は、一対の車輪92と飛翔機本体20との間にそれぞれ配置されている。この一対のアーム93は、フレーム本体91に支持されており、フレーム本体91の横幅方向周りに回動する。各アーム93は、その長さ方向の中央部でフレーム本体91に回動可能に支持されている。
各アーム93の回動中心に対する一方側は、第一アーム部95として形成されており、各アーム93の回動中心に対する他方側は、第二アーム部96として形成されている。第一アーム部95及び第二アーム部96の長さ寸法は、いずれも車輪92の半径寸法よりも長く設定されている。そして、これにより、第一アーム部95の先端側95A及び第二アーム部96の先端側96Aは、いずれも車輪92に対して車輪92の径方向外側に突出している。
この第一アーム部95の先端側95A及び第二アーム部96の先端側96Aは、いずれも鈍角に屈曲されている。フレーム90の側面視で、第一アーム部95の先端側95Aは、第二アーム部96の先端側96Aが延びる方向と直交する方向に沿って延びている。
アーム93の回動中心部には、フレーム本体91の横幅方向を軸方向として配置されたトーションバネ100が設けられている。このトーションバネ100の一端は、フレーム本体91に固定され、トーションバネ100の他端は、アーム93に固定されている。
このトーションバネ100は、「回動角度規定構造」の一例である。つまり、受動輪97が対象物に接触していない状態では、受動輪97が車輪92よりも前方(対象物側)に位置するように、アーム93の回動角度がトーションバネ100によって規定される。
また、このトーションバネ100は、「回動力付与構造」の一例である。つまり、トーションバネ100によって、受動輪97が対象物に押し当てられるようにアーム93に対して回動中心軸周りの方向(矢印R方向)に回動力が付与される。
連結棒94は、フレーム本体91の横幅方向に延びており、一対のアーム93に形成された第二アーム部96の先端部同士を連結している。各第一アーム部95の先端部には、受動輪97がそれぞれ設けられており、連結棒94の長さ方向の中央部には、カメラ50が固定されている。カメラ50が固定された連結棒94は、「固定部」の一例である。
受動輪97が対象物に接触していない状態では、受動輪97が車輪92の前方下側に配置され、カメラ50が車輪92の後方上側に配置される。カメラ50の向きは、フレーム90の側面視でカメラ50の光軸51が車輪92と受動輪97とに接する接線101と直交するように設定されている。
この車輪92と、第一アーム部95の先端部に設けられた受動輪97とは、後述する如く対象物に押し当てられる押し当て部105として機能する。押し当て部105は、車輪92と受動輪97が対象物に接触するように、対象物に押し当てられる。各押し当て部105は、両側一対の車輪92及び受動輪97で形成されることにより、フレーム本体91の横幅方向両端部に設けられている。第一アーム部95の先端部に設けられた受動輪97は、「アームの先端部」の一例である。
次に、上述の飛翔機160の使用方法の一例について説明する。
図18には、飛翔機160の使用方法の一例が示されている。図18に示される対象物60は、例えば、橋や建物等の構造物である。この対象物60は、垂直面65を有する。
飛翔機160が飛翔しているときには、受動輪97が車輪92よりも前方に配置される。したがって、飛翔機160が垂直面65に向けて飛翔すると、先ず、受動輪97が垂直面65に接触する。また、飛翔機160が垂直面65側にさらに移動すると、車輪92が垂直面65に接触するまで、アーム93がトーションバネ100の弾性力に抗して矢印R方向と反対方向に回動する。そして、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態になる。
この車輪92及び受動輪97における垂直面65との接触部は、「押し当て部における対象物と接触する二箇所」の一例であり、フレーム本体91の横幅方向と直交する方向(矢印A方向)に沿って離間している。
また、上述の如く、カメラ50の向きは、フレーム90の側面視でカメラ50の光軸51が車輪92と受動輪97とに接する接線101と直交するように設定されている。したがって、車輪92及び受動輪97(押し当て部105)が垂直面65に押し当てられた状態では、車輪92及び受動輪97における垂直面65との二箇所の接触部を結ぶ方向と直交し対象物を向く方向(矢印B方向)がカメラ50の撮影方向とされる。このカメラ50の撮影方向は、「検出器の検出方向」の一例である。
そして、例えば、飛翔機160は、車輪92及び受動輪97が対象物60の垂直面65に押し当てられた状態で、車輪92及び受動輪97の回転を伴って垂直面65に沿って上昇する。また、カメラ50は、車輪92及び受動輪97の垂直面65への押し当て方向を撮影方向として垂直面65の撮影を行う。
なお、車輪92及び受動輪97を垂直面65に押し当てるために、飛翔機本体20は、飛翔機160に対して垂直面65の側に推力が働くように傾いた状態となる。
しかしながら、本実施形態では、カメラ50がアーム93に固定されている。しかも、車輪92及び受動輪97(押し当て部105)が垂直面65に押し当てられた状態では、車輪92及び受動輪97における垂直面65との二箇所の接触部を結ぶ方向と直交し垂直面65側を向く方向(矢印B方向)がカメラ50の撮影方向とされる。したがって、飛翔機本体20が傾いても、カメラ50を垂直面65に正対させた状態に維持される。
次に、第六実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、第六実施形態に係る飛翔機160では、カメラ50がアーム93に固定されている。しかも、車輪92及び受動輪97(押し当て部105)が対象物に押し当てられた状態では、車輪92及び受動輪97における対象物との二箇所の接触部を結ぶ方向と直交し対象物を向く方向(矢印B方向)がカメラ50の撮影方向とされる。したがって、図18に示されるように、飛翔機本体20が傾いても、車輪92及び受動輪97が対象物に押し当てられている状態では、カメラ50を対象物に正対させた状態に維持できる。これにより、対象物の撮影精度を向上させることができる。
また、第六実施形態に係る飛翔機160では、受動輪97が対象物に接触していない状態では、トーションバネ100によってアーム93の回動角度が規定され、受動輪97が車輪92よりも前方に位置する。したがって、飛翔機160が対象物に向けて前方へ移動するときには、受動輪97を対象物に確実に接触させることができる。これにより、車輪92が対象物に接触するまで、アーム93を矢印R方向と反対方向に回動させることができ、ひいては、カメラ50を対象物に確実に正対させることができる。
また、車輪92及び受動輪97(押し当て部105)が対象物に押し当てられた状態では、トーションバネ100によって、アーム93に対して回動中心軸周りの方向(矢印R方向)に回動力が付与される。したがって、受動輪97を対象物に安定して押し当てることができるので、カメラ50を対象物に安定して正対させることができる。
また、押し当て部105として機能する車輪92及び受動輪97が対象物に接触した状態で飛翔機160が対象物に沿って移動するときには、車輪92及び受動輪97が回転する。したがって、飛翔機160を対象物に沿って円滑に移動させることができる。
次に、第六実施形態の変形例について説明する。
(第一変形例)
図19に示される第一変形例では、第一アーム部95の先端側95Aが車輪92の前方上側に位置されている。そして、受動輪97は、車輪92の前方上側に配置されている。また、カメラ50(図16参照)の代わりに、レーザ測距センサ110が用いられている。さらに、第二アーム部96の先端側96Aが車輪92の前方下側に位置することで、レーザ測距センサ110が車輪92の前方下側に配置されている。
このように構成されていても、受動輪97が垂直面65に接触した状態で飛翔機160が垂直面65側に移動したときには、車輪92が垂直面65に接触するまでアーム93が回動する。これにより、レーザ測距センサ110を垂直面65に正対させることができる。
(第二変形例)
図20に示される第二変形例では、トーションバネ100(図16参照)によってアーム93の回動角度が規定されることに代えて、アーム93に重量バランス構造170が適用されている。つまり、この重量バランス構造170によって、第一アーム部95及び受動輪97と第二アーム部96及びカメラ50との重量バランスが調節されている。そして、第一アーム部95及び第二アーム部96に作用するモーメントが釣り合うことで、受動輪97が車輪92よりも前方に配置されるように、アーム93の回動角度が規定される。
このようにアーム93の回動角度が規定され、受動輪97が車輪92よりも前方に配置されると、例えば、図20に示されるように、飛翔機160が水平面66上を移動する場合でも、受動輪97と水平面66との干渉が抑制される。
また、図20に示されるように、受動輪97が垂直面65に接触したときには、受動輪97の垂直面65への接触に伴いアーム93が回動する。そして、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態では、重量バランス構造170によってアーム93にモーメントが作用する。これにより、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与され、受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態が維持される。この重量バランス構造170は、「回動角度規定構造」及び「回動力付与構造」の一例である。
このように重量バランス構造170が適用されていると、トーションバネ100(図16参照)を用いなくても、アーム93の回動角度を規定できると共に、アーム93に回動力を付与できる。これにより、部品点数を削減できるので、飛翔機160の軽量化と低コスト化を図ることができる。
(第三変形例)
図21に示される第三変形例では、飛翔機本体20に凸状のストッパ180が設けられている。このストッパ180がアーム93と干渉することで、アーム93の矢印R方向への回動が規制される。この状態におけるアーム93の回動角度は、受動輪97が車輪92よりも前方に位置する角度に規定される。このストッパ180は、「回動角度規定構造」の一例である。
また、この第三変形例では、アーム93に重量バランス構造170が適用されている。この重量バランス構造170によって、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与されるようにアーム93の重量バランスが調節されている。この重量バランス構造170は、「回動力付与構造」の一例である。
そして、図21に示されるように、飛翔機160が垂直面65に向けて移動するときには、ストッパ180によってアーム93の回動角度が規定され、受動輪97が車輪92よりも前方に位置される。したがって、受動輪97を垂直面65に確実に接触させることができる。
一方、受動輪97が垂直面65に接触したときには、受動輪97の垂直面65への接触に伴いアーム93が矢印R方向と反対方向に回動する。そして、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態では、重量バランス構造170によってアーム93にモーメントが作用する。これにより、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与され、受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態が維持される。
このようにストッパ180及び重量バランス構造170が適用されていると、簡単な構造により、アーム93の回動角度を規定できると共に、アーム93に回動力を付与できる。
(第四変形例)
図22に示される第四変形例では、アーム93にストッパ機構190が設けられている。このストッパ機構190は、第二アーム部96の先端部から下方に延びるアーム部191と、アーム部191の下端部に設けられた支持輪192とを有する。ストッパ機構190は、所定の重量を有しており、このストッパ180の重量によってアーム93にモーメントが作用することで、アーム93に対して矢印R方向に回動力が付与される。
そして、飛翔機160が水平面66上を移動するときには、支持輪192が水平面66と接触し、アーム部191によってアーム93の回動が規制された状態になる。この状態におけるアーム93の回動角度は、受動輪97が車輪92よりも前方に位置する角度に規定される。
一方、受動輪97が垂直面65に接触したときには、受動輪97の垂直面65への接触に伴いアーム93が矢印R方向と反対方向に回動する。このときには、ストッパ180が水平面66から離れる方向に移動するので、アーム93の回動が許容される。
また、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態では、ストッパ機構190の重量によってアーム93にモーメントが作用することで、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。そして、受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態が維持される。このストッパ機構190は、「回動角度規定構造」及び「回動力付与構造」の一例である。
このようにストッパ機構190が適用されていると、簡単な構造により、アーム93の回動角度を規定できると共に、アーム93に回動力を付与できる。
(第五変形例)
図23に示される第五変形例では、飛翔機本体20に切替機構200が設けられている。この切替機構200は、凸状のストッパ201と、このストッパ201を突出位置と退避位置とに切り替えるアクチュエータ202とを備えている。
この切替機構200では、ストッパ201が突出位置になると、ストッパ201がアーム93と干渉してアーム93の矢印R方向への回動が規制された状態になる。この状態におけるアーム93の回動角度は、受動輪97が車輪92よりも前方に位置する角度に規定される。一方、ストッパ201が退避位置になると、アーム93の矢印R方向への回動が許容される状態になる。この切替機構200は、「回動角度規定構造」の一例である。
また、この第五変形例では、上述の第三変形例と同様に、アーム93に重量バランス構造170が適用されている。この重量バランス構造170によって、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与されるようにアーム93の重量バランスが調節されている。
そして、図23に示されるように、飛翔機160が垂直面65に向けて移動するときには、ストッパ201によってアーム93の回動角度が規定され、受動輪97が車輪92よりも前方に位置される。したがって、受動輪97を垂直面65に確実に接触させることができる。
一方、受動輪97が垂直面65に接触したときには、受動輪97の垂直面65への接触に伴いアーム93が矢印R方向と反対方向に回動する。そして、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態では、重量バランス構造170によってアーム93にモーメントが作用することで、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。そして、受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態が維持される。
また、飛翔機160が垂直面65に沿って上昇する状態から水平面67に沿って水平に移動する状態に移行するときには、アクチュエータ202が作動してストッパ201が退避位置になり、アーム93の矢印R方向への回動が許容される。
そして、飛翔機160が水平面66に沿って水平に移動するときには、アーム93が矢印R方向に回動し、車輪92及び受動輪97が水平面67に押し当てられた状態になる。また、このときには、重量バランス構造170によってアーム93にモーメントが作用することで、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。そして、受動輪97が水平面67に押し当てられた状態が維持される。
このように切替機構200及び重量バランス構造170が適用されていると、垂直面65及び水平面67のいずれの対象物に対しても、カメラ50を正対させることができる。
なお、この第五変形例では、切替機構200からアクチュエータ202が省かれて、ストッパ201の突出位置と退避位置との切り替えが手動で行われても良い。
(第六変形例)
図24、図25に示される第六変形例では、第二アーム部96に伸縮機構210が適用されている。つまり、第二アーム部96に伸縮機構210が適用されることにより、第二アーム部96は、アーム本体211と、スライドアーム212と、アクチュエータ213とを有する。
スライドアーム212は、アーム本体211の先端側に設けられており、アーム本体211の長さ方向にスライドする。このスライドアーム212には、カメラ50が固定されている。アクチュエータ213は、スライドアーム212をスライドさせるように作動する。第二アーム部96は、スライドアーム212がスライドすることにより伸縮される。
この伸縮機構210では、第二アーム部96が収縮すると、第一アーム部95及び第二アーム部96に作用するモーメントが釣り合い、受動輪97が車輪92よりも前方に位置するようにアーム93の回動角度が規定される。一方、第二アーム部96が伸長すると、第二アーム部96に作用するモーメントが増加し、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。この伸縮機構210は、「回動角度規定構造」及び「回動力付与構造」の一例である。
そして、図24に示されるように、飛翔機160が垂直面65に向けて移動するときには、伸縮機構210によって第二アーム部96が収縮した状態になり、受動輪97が車輪92よりも前方に位置される。したがって、受動輪97を垂直面65に確実に接触させることができる。
一方、受動輪97が垂直面65に接触したときには、受動輪97の垂直面65への接触に伴いアーム93が矢印R方向と反対方向に回動する。そして、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態では、第二アーム部96に作用するモーメントにより、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与され、受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態が維持される。
また、飛翔機160が水平面67に沿って水平に移動するときには、アクチュエータ213が作動して第二アーム部96が伸長した状態になる。これにより、第二アーム部96に作用するモーメントが増加し、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。そして、アーム93が矢印R方向に回動し、車輪92及び受動輪97が水平面67に押し当てられた状態になる。また、このときには、第二アーム部96に作用するモーメントにより、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与され、受動輪97が水平面67に押し当てられた状態が維持される。
このように伸縮機構210が適用されていると、垂直面65及び水平面67のいずれの対象物に対しても、カメラ50を正対させることができる。
なお、この第六変形例では、第二アーム部96がアーム本体211及びスライドアーム212に分割される代わりに、次のように構成されていても良い。すなわち、図26に示されるように、スライドアーム212は、第二アーム部96の先端側96Aに追加して設けられていても良い。また、図27に示されるように、第二アーム部96の先端側96Aは、鋭角に屈曲して形成され、スライドアーム212は、この第二アーム部96の先端側96Aに追加して設けられていても良い。
また、この第六変形例では、伸縮機構210からアクチュエータ213が省かれて、スライドアーム212のスライドが手動で行われても良い。
(第七変形例)
図28、図29に示される第七変形例では、第二アーム部96にウェイト機構220が適用されている。ウェイト機構220は、ウェイト221と、アクチュエータ222とを有する。ウェイト221は、第二アーム部96に取り付けられており、第二アーム部96の長さ方向にスライド可能となっている。アクチュエータ222は、ウェイト221をスライドさせるように作動する。
このウェイト機構220では、ウェイト221が第二アーム部96の基端側96Bに位置すると、第一アーム部95及び第二アーム部96に作用するモーメントが釣り合い、受動輪97が車輪92よりも前方に位置するようにアーム93の回動角度が規定される。一方、ウェイト221が第二アーム部96の先端側96Aに移動すると、第二アーム部96に作用するモーメントが増加し、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。この伸縮機構210は、「回動角度規定構造」及び「回動力付与構造」の一例である。
そして、図28に示されるように、飛翔機160が垂直面65に向けて移動するときには、ウェイト221が第二アーム部96の基端側に位置され、受動輪97が車輪92よりも前方に位置される。したがって、受動輪97を垂直面65に確実に接触させることができる。
一方、受動輪97が垂直面65に接触したときには、受動輪97の垂直面65への接触に伴いアーム93が矢印R方向と反対方向に回動する。そして、車輪92及び受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態では、第二アーム部96に作用するモーメントにより、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与され、受動輪97が垂直面65に押し当てられた状態が維持される。
また、飛翔機160が水平面67に沿って水平に移動するときには、アクチュエータ222(図29参照)が作動してウェイト221が第二アーム部96の先端側に移動した状態になる。これにより、第二アーム部96に作用するモーメントが増加し、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与される。そして、アーム93が矢印R方向に回動し、車輪92及び受動輪97が水平面67に押し当てられた状態になる。また、このときには、第二アーム部96に作用するモーメントにより、アーム93に対して矢印R方向の回動力が付与され、受動輪97が水平面67に押し当てられた状態が維持される。
このようにウェイト機構220が適用されていると、垂直面65及び水平面67のいずれの対象物に対しても、カメラ50を正対させることができる。
なお、この第七変形例では、ウェイト機構220からアクチュエータ222が省かれて、ウェイト221のスライドが手動で行われても良い。
(その他の変形例)
上記第六実施形態では、一例として、フレーム本体91に車軸が適用されているが、上述の第一乃至第五実施形態のように、フレーム本体91には、籠型のものが適用されても良い。
また、上記第六実施形態では、一対のアーム93が用いられているが、アーム93は、一本でも良い。
また、上記第六実施形態では、アーム93の先端部に受動輪97が設けられているが、受動輪97が省かれて、アーム93の先端部が対象物に直接押し当てられても良い。
また、上記第六実施形態では、アーム93が回動するが、受動輪97が車輪92と同時に対象物に押し当てられるように、アーム93は、予め設定された角度に固定されていても良い。
また、上記第六実施形態において、上述の第一乃至第五実施形態と組み合わせ可能な構成は、適宜組み合わされても良い。
以上、本願の開示する技術の第一乃至第六実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
なお、上述の本願の開示する技術の第一乃至第六実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
回転翼を有する飛翔機本体と、
前記飛翔機本体を支持するフレーム本体と、前記フレーム本体の横幅方向と直交する方向に沿って離間する少なくとも二箇所で対象物に押し当てられる押し当て部とを有するフレームと、
前記フレームに固定され、前記二箇所を結ぶ方向と直交し前記対象物を向く方向を検出方向とする検出器と、
を備える飛翔機。
(付記2)
前記フレーム本体は、前記飛翔機本体を前記フレーム本体の横幅方向周りに回転可能に支持し、
前記フレーム本体の横幅方向両端部には、前記フレーム本体の横幅方向周りに環状の多角形状を成す一対の環状部材が設けられ、
前記押し当て部は、前記環状部材における複数の辺部の少なくともいずれかを含む、
付記1に記載の飛翔機。
(付記3)
前記フレーム本体の横幅方向両端部には、前記フレーム本体の横幅方向周りに間隔を空けて配置された複数のプーリがそれぞれ設けられ、
各前記環状部材は、前記複数のプーリに巻き掛けられた環状ベルトである、
付記2に記載の飛翔機。
(付記4)
前記フレーム本体は、前記フレーム本体の横幅方向一端部に設けられた前記複数のプーリの各々と、前記フレーム本体の横幅方向他端部に設けられた前記複数のプーリの各々とを連結する複数の連結棒を有する、
付記3に記載の飛翔機。
(付記5)
前記フレーム本体は、
前記フレーム本体の横幅方向に延び、前記飛翔機本体を前記フレーム本体の横幅方向周りに回転可能に支持する中央支持棒と、
前記中央支持棒の両端部から前記中央支持棒の軸方向と直交する方向にそれぞれ延び、前記複数の連結棒の各々を支持する複数の側面支持棒と、
を有する、
付記4に記載の飛翔機。
(付記6)
前記検出器は、前記中央支持棒に固定されている、
付記5に記載の飛翔機。
(付記7)
前記環状部材における複数の辺部のそれぞれは、前記押し当て部であり、
前記フレーム本体には、複数の前記押し当て部に対応して複数の前記検出器が固定されている、
付記2〜付記6のいずれか一項に記載の飛翔機。
(付記8)
前記フレーム本体は、前記飛翔機本体を前記フレーム本体の横幅方向周りに回転可能に支持し、
前記フレーム本体の横幅方向両端部には、前記フレーム本体の横幅方向周りに間隔を空けて配置された複数の車輪がそれぞれ設けられ、
前記押し当て部は、前記複数の車輪のうちの一対の車輪を含む、
付記1に記載の飛翔機。
(付記9)
前記フレーム本体は、前記フレーム本体の横幅方向一端部に設けられた前記複数の車輪の各々と、前記フレーム本体の横幅方向他端部に設けられた前記複数の車輪の各々とを連結する複数の連結棒を有する、
付記8に記載の飛翔機。
(付記10)
前記フレーム本体は、
前記フレーム本体の横幅方向に延び、前記飛翔機本体を前記フレーム本体の横幅方向周りに回転可能に支持する中央支持棒と、
前記中央支持棒の両端部から前記中央支持棒の軸方向と直交する方向にそれぞれ延び、前記複数の連結棒の各々を支持する複数の側面支持棒と、
前記フレーム本体の横幅方向両端部に設けられると共に、前記フレーム本体の横幅方向周りに環状の多角形状を成し、前記複数の側面支持棒の先端部を接続する一対の環状部材と、
を有する、
付記8又は付記9に記載の飛翔機。
(付記11)
前記フレーム本体は、前記一対の環状部材を連結する連結固定棒を有し、
前記検出器は、前記連結固定棒に固定されている、
付記10に記載の飛翔機。
(付記12)
前記飛翔機本体は、前記フレームに囲われている、
付記1〜付記11のいずれか一項に記載の飛翔機。
(付記13)
前記検出器は、前記フレームに囲われている、
付記1〜付記12のいずれか一項に記載の飛翔機。
(付記14)
前記フレーム本体は、前記飛翔機本体を前記フレーム本体の横幅方向周りに回転可能に支持し、
前記フレーム本体の横幅方向両端部には、前記フレーム本体の横幅方向周りに環状の多角形状を成す一対の環状部材が設けられ、
を有し、
前記飛翔機本体は、前記フレームの側面視で前記環状部材の内側に位置する、
付記1〜付記13のいずれか一項に記載の飛翔機。
(付記15)
前記環状部材は、四つ以上の辺部を有する多角形状である、
付記14に記載の飛翔機。
(付記16)
前記フレーム本体の横幅方向両端部には、一対の車輪が設けられ、
前記フレーム本体には、前記フレーム本体の横幅方向周りに回動するアームが支持され、
前記押し当て部は、前記車輪及び前記アームの先端部を含み、
前記検出器は、前記アームに固定されている、
付記1に記載の飛翔機。
(付記17)
前記アームの回動角度を規定する回動角度規定構造をさらに備える、
付記16に記載の飛翔機。
(付記18)
前記アームの先端部が前記対象物に押し当てられるように前記アームに回動力を付与する回動力付与構造をさらに備える、
付記16又は付記17に記載の飛翔機。
(付記19)
付記1〜付記18のいずれか一項に記載の飛翔機を用い、橋、建物、トンネル、屋根、梯子、電柱、煙突、大型旅客機、その他の構造物、地面、及び、水面の少なくともいずれかの対象物に沿って前記飛翔機を移動させながら、撮影、観測、記録、検査、点検、運搬、塗装、マーキング、及び、その他の作業の少なくともいずれかを前記飛翔機に行わせることを含む、
飛翔機の使用方法。
(付記20)
回転翼を有する飛翔機本体を支持するフレーム本体と、
前記フレーム本体に設けられ、前記フレーム本体の横幅方向と直交する方向に沿って離間する少なくとも二箇所で対象物に押し当てられる押し当て部と、
前記フレーム本体に設けられ、前記二箇所を結ぶ方向と直交し前記対象物を向く方向を検出器の検出方向として前記検出器が固定される固定部と、
を備える飛翔機のフレーム。