JP2017192804A - 極低温システムのための装置、プローブおよび方法 - Google Patents

極低温システムのための装置、プローブおよび方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体極低温システムに対する、改善された装置および方法を提供すること。【解決手段】本発明は、極低温システムのための装置、プローブ、および方法に関する。本発明の特定の実施形態により、凍結手術のための装置が提供される。この装置は、プローブから寒剤を受け取るようになっている排出ラインと、排出ラインと流体連通するようになっている真空源とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、極低温システムのための装置、プローブおよび方法に関する。特に、排他的ではなく、凍結手術、およびその素子、部品に関する。
凍結手術は、極寒低温により、不要な組織を、制御された手法によって破壊することである。極低温により、細胞内の水を凍結させ、この凍結によって細胞を死滅させる。細胞は、−20℃より低い温度に曝されると、死滅することは知られている。冷凍アブレーションおよび極低温鎮痛手術では、極低温システムを使用することが知られている。
凍結手術は、肝臓、腎臓、前立腺、乳房、および肺に関わる癌に対して、共通の軟組織の腫瘍を治療するための十分に確立された臨床的技術である。凍結外科療法によると、他の手段によっては手術不可能とみなされる腫瘍に対して、低い術後罹患率で手術することができる。最近では、この技術は、モートン神経腫、および足底筋膜炎などの症状を治療するための足病学等を含む他の分野にも拡大されている。凍結手術神経アブレーションは、オフィス環境で実行することができる、効果的で、安全な、低侵襲性の、臨床的に実証された手法である
外科的用途のための極低温システムは、一般的に、2つの異なるメカニズムのいずれかを使用して、必要な冷却を行う。
現在、好ましい凍結手術メカニズムは、ジュールトムソン装置を使用している。この装置は、ジュールトムソン効果を利用して、小型の開口を通る高圧ガス(例えば、NO)の膨張による冷却を誘導する。この装置は、生体内への高圧ガスの導入が必要である。高圧ガスは、プローブ内の膨張開口に供給され、そこで膨張し、ジュールトムソン効果により、必要な冷却効果を発揮させることができる。もし、ガスが患者の体内に漏れてしまった場合には、重大な損傷を引き起こす危険性がある。明らかに、封じ込めるべきは、問題を起こしている組織であり、体内の気体は、重大な損傷を与える危険性がある。1500psiの圧縮ガスの噴流は、たとえ非常に小さな孔から漏出したものでも、軟組織構造には、重大な損傷を引き起こす可能性がある。更に、このようなガスにより、心臓血管系を介して心臓への道が作られた場合には、心臓停止を起こさせる危険性がある。
更に、これらのシステムは、3つの主な理由のために、非常に高価である。まず第1に、極低温を達成するために使用するガスの混合物は、高価である。第2に、これらのシステムで使用されるプローブは、一つの目的にのみ使用される。これは、生体内で使用する高圧ガスを含む必要がある、多目的プローブを実証することに対して、製造業者は消極的だからである。第3に、ジュールトムソン効果は限られた冷却能力を有するだけである。すなわち、ジュールトムソン装置は、熱を吸収して低温を得るが、膨脹によるエネルギーの吸収は、比較的少量だからである。この、限られた冷却能力によって、ジュールトムソン装置は、各治療に対して、複数のプローブが必要である。更に、各プローブは、価格が数千ドルにもなる可能性がある。そのため、全治療費用は、治療毎に、プローブだけで、数万ドルにもなる。
液体極低温装置は、液体窒素、または液体ヘリウム等の液体の、沸騰および/または蒸発によって冷却する。液体極低温装置の熱吸収能力は、ジュールトムソン効果の熱吸収能力と比較して、遙かに優れている。これは、液体極低温システムで共通に使用される多くの極低温流体に対する気化潜熱は、ジュールトムソンシステムで共通に使用されるガス膨脹によって吸収される熱量と比較して、非常に大きいからである。
現在では、外科的観点からすると、液体極低温システムは、凍結手術に対して必要な温度に達するまでに時間がかかり過ぎると考えられている。従来技術の装置では、液体窒素の供給を加圧する(例えば、公称値で、275〜415kPa)ことにより冷却速度を上げる試みが行われている。しかしながら、外科医師がシステムを始動しても、プローブの冷却が開始するまでには、数分かかることがある。
従来技術の液体極低温装置は、(高温から極低温に)作動中に、供給ラインが動作温度に冷却されているときに、供給ラインの中で、相変化が生ずる。極低温液体が、デリバリラインの高温(極低温液体の沸点より高い温度)部分に接触すると、極低温液体は、沸騰および/または蒸発する。液体窒素が沸騰および/または蒸発するときには、相変化が起こって、体積が約700倍になり、そのため、供給ラインを通る液体窒素の流れが妨げられる。極低温液体が、供給ラインを通って連続的に流れることができるほどに十分に低温になるまで、液体窒素のスラグおよびガスは、供給ラインに沿って走る。非圧縮性液体のスラグの間にあるガスのスラグの圧縮によって、液体の通路は、妨げられる。この効果は、効率損失に繋がり、外科医師または他の操作者が装置を始動させてから、その装置が十分な作動状態に到達するまでの時間が増加することになる。従来技術の装置では、液体窒素を加圧することにより、この相変化を克服して、液体窒素によって供給ラインを冷却し、速度の速い冷却を試みている。しかしこれは、供給システムの複雑化を招き、また、通常では、上記した問題点を全体として克服するものではない。
国際特許出願WO96/30816号明細書
本発明は、独立請求項に定義されている。
本発明の特定の実施例の目的は、液体極低温システムに対する、改善された装置および方法を提供することである。いくつかの実施例は、上記した、公知の液体極低温システムにおける欠点を、克服するか、または実質的に低減させることを目的としている。
本発明の、少なくともいくつかの例においては、凍結手術をするための装置(101)が提供される。この装置(101)は、プローブ(105)から寒剤(103)を受けるようになっている排出ライン(111、211)と、排出ライン(111、211)と流体連通しており、(例えば、大気圧以下に)減圧された、吸引/真空源(107)とを備えている。
本発明による、少なくともいくつかの例においては、凍結手術をするためのプローブ(105)が提供される。プローブ(105)は、分散媒体(215)を備えている。分散媒体(215)は、作動時に、プローブに供給された寒剤(103)を、プローブの中で、この分散媒体(215)を介して分散させるようになっている。
本発明による、少なくともいくつかの例においては、真空源(107)を使用して、寒剤源から寒剤(103)を引き出して、プローブ(105)に寒剤(103)を送達するための方法および手段(109、209、211、111、107)が提供される。
本発明による、少なくともいくつかの例においては、プローブ(105)に送達された寒剤(103)を、分散媒体(215)を通して、プローブ(105)内で分散させるための方法および手段(209、215、211)が提供される。
本発明の第1の態様においては、液体寒剤凍結手術装置、すなわち凍結手術装置が提供される。この凍結手術装置は、液体寒剤源と、プローブに液体寒剤を送達するデリバリラインと、プローブから寒剤を受け取る排出ラインと、排出ラインと流体連通している真空源とを備えている。
この液体極低温システムによって、相変化、およびそれに関連する欠点を、克服するか、または実質的に低減させることにより、従来技術と比較して、プローブの、より効率的な冷却を行うことができる。
真空槽は、真空源の上流側に設けることもできる。真空槽は、熱交換器、加熱要素、または他の寒剤加熱手段と連通させることができる。
本発明の第2の態様においては、液体寒剤排出装置が提供される。この液体寒剤排出装置は、真空源と、上流真空槽と、真空源の上流にある寒剤加熱手段とを備えている。
寒剤加熱手段は、真空槽内に配置されていることが、望ましく、また便利である。
本発明の第3の態様においては、液体凍結手術装置のため寒剤ラインが提供される。この寒剤ラインは、液体寒剤を供給するための供給配管と、同心状の断熱配管とを備えている。断熱配管は、真空源によって連続して排気することができる。
1つの例においては、寒剤ラインには、寒剤排出配管(寒剤の排出等のため)が設けられており、寒剤排出配管は、供給配管と断熱配管との間に同心状に設けられていることが望ましい。
寒剤ラインの中の一部分で供給配管の外側のところ(例えば、断熱配管の中、および/または排出配管の中)に、熱絶縁スペーサを設けることができる。熱絶縁スペーサは、ガラス、セラミック、プラスチック、または、熱サイクル、および/またはオートクレーブ(高温高圧蒸気滅菌)または他の洗浄/殺菌レジームの下にある条件に対して耐性のある他の材料で製造することができる。
本発明の別の態様は、凍結手術装置の中で寒剤を供給するための可撓ラインを備えている。この可撓ラインは、低い熱伝導率の関節部材のアレイを備え、関節部材のそれぞれは、そこを通して寒剤を流すための通路を有している。
本発明の更なる態様においては、凍結手術(例えば、液体極低温凍結手術)のためのプローブが提供される。このプローブは、寒剤デリバリラインとの接続を行うための近位端部と、凍結手術を行うための、熱伝導性の遠位端部とを備えている。またこのプローブは、寒剤供給ラインと寒剤排出ラインとを備え、寒剤排出ラインは、寒剤供給ラインの周囲で寒剤供給ライン全長にわたって寒剤供給ラインに沿って、同心状に設けられている。
プローブはまた、同心状周辺断熱配管を備えることができ、同心状周辺断熱配管は、排出ラインの周囲に設けられ、連続して排気することができる。
本発明の更なる態様においては、凍結手術(例えば、液体極低温凍結手術)のための、プローブが提供される。このプローブは、寒剤デリバリラインと接続するための近位端部と、凍結手術を実行するための、熱伝導性の遠位端部とを備えている。プローブは、寒剤供給ラインと断熱配管とを備えている。排出ラインは、供給ラインの周囲に同心状に設けられ、連続して排気することができる。
本発明の更に別の態様においては、液体寒剤凍結手術装置、すなわち凍結手術装置が提供される。この凍結手術装置は、液体寒剤の主ソースと、液体寒剤の2次ソースとを備え、主ソースは、2次ソースに液体寒剤を供給する。プローブには、2次ソースから寒剤を供給することができ、主ソースと2次ソースとは、流体連通しており、これにより、凍結手術を実行することができる。
2次ソースは、凍結手術を開始する前に、主ソースから寒剤を充填されることが望ましい。
主ソースと2次ソースとの間の配管は、恒久的に断熱されていることが望ましい。この配管は、永久真空ジャケット、および/または他の断熱手段を有する配管を備えている。主ソースと2次ソースとの間の配管の長さは、2mよりも短くすることができる(例えば、1.75m、1.5m、1.4m、1.3m、1.2m、1.1m、または1.0mより短い)。2次ソースとプローブとの間の配管の長さは、2mよりも短くすることができる(例えば、1.75m、1.5m、1.4m、1.3m、1.2m、1.1m、または1.0mより短い)。
2次ソースは、熱電対、または内容量測定のための他の装置を備えることができる。内容量測定装置は、主ソースから2次ソースに対する寒剤の流れを自動的に制御するように操作可能であることが望ましい。
本発明の更なる態様においては、熱交換器/プローブに寒剤を供給する方法が提供される。この方法は、真空源を設けて、熱交換器/プローブから寒剤を引き出すステップを備えている。本発明の方法は、必須ではなく、必要に応じて行うステップとして、寒剤源を加圧して、熱交換器/プローブに強制的に寒剤を供給するステップを有することができる。
本発明の更に別の態様は、本明細書に記載されている装置を使用して、凍結手術を行う方法に関する。
以下、本発明を十分に理解するために、本発明による好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
本発明の1つの実施例における極低温システムを示す図である。 本発明の1つの実施例で使用するためのプローブの断面図である。 本発明の1つの実施例で使用するための別のプローブの断面図である。 本発明の1つの実施例で使用するための3軸ラインを示す図である。 図4に示す3軸ラインの部分切り取り図である。 本発明の1つの実施例で使用するための別の3軸ラインの断面図である。 本発明の1つの実施例で使用するための2軸ラインの断面図である。 本発明の1つの実施例で使用するための別の2軸ラインの断面図である。 本発明の1つの実施例で使用するための断熱デリバリラインの断面図である。 本発明の1つの実施例における、別の極低温システムを示す図である。 本発明の1つの実施例で使用するための、別のプローブを示す図である。 本発明の1つの実施例で使用するための、別のプローブを示す図である。 本発明の1つの実施例で使用するための、別のプローブを示す図である。 本発明の1つの実施例の凍結動作モードを示す図である。 図11Aに示す実施例の解凍動作モードを示す図である。
図1は、極低温システムを示す。極低温システムの全体は、101で示されている。極低温システムは、液体寒剤を供給する装置103、プローブ105、および真空源107を備えている。液体寒剤を供給する装置103は、デリバリライン109によって、プローブ105に接続されている。プローブ105はまた、排出ライン111によって、真空源107に接続されている。
種々の実施例においては、真空源107(すなわち、大気圧に比べて負圧を有するソース)は、プローブに寒剤を吸引する、またはプローブに寒剤を引くことができるようになっている。これによって、プローブに液体寒剤を強制的に供給するために、圧力源(すなわち、大気圧と比較して正の圧力を有する)を設ける必要をなくすか、またはその必要性を低減させることができる。
液体寒剤を供給するための装置103は、液体寒剤源を備えることができる。この寒剤は、真空源107を介して、プローブ105に引かれる。
しかしながら、必要に応じて、液体寒剤を供給するための装置103(これは、特許文献1に記載されているものであってよい)は、推進ガスを供給するための手段113、デュワー115、およびパイプ117を備えることができる。これらの素子は、図1の点線内に示されている。パイプ117は、作動時には、液体寒剤の表面の下方に、その1つの端部が存在する。推進ガスを供給するための手段113は、窒素ガスシリンダ119を備え、窒素ガスシリンダ119は、マニフォルド121に接続されている。マニフォルド121は、弁123に接続され、弁123は、これを操作して推進ガスの圧力を調整することができる。弁123は、デュワー115に接続されている。作動時には、推進ガスは、デュワー内部に含まれている液体寒剤表面の上方に供給される。デュワー115は、作動時に、推進ガスの圧力が、パイプ117に沿って、液体寒剤に置き換わることができるようになっている。パイプ117は、作動時には、一方の端部は、デュワー115内部に含まれる液体寒剤の表面の下方にあって、もう一方の端部は、デリバリライン109に接続されている。液体寒剤に圧力を加えてデリバリライン109を通して液体寒剤をプローブ105に送るためには、これらの手段を設けることは、必ずしも必要ではない。別の手段として、下流に真空(または低減)圧力源を設けて、これを利用して、液体寒剤を、プローブ105に引くか、またはプローブ105に吸引することもできる。
図2は、本発明の実施例で使用するためのプローブ105を詳細に示している。
プローブ105は、近位端部201と遠位端部203とを備えている。プローブ105の近位端部には、フィッティング(取り付け部)207があり、フィッティング207は、デリバリライン109と排出ライン111とに接続している。フィッティング207は、吸入口209と吐出口211とを備えている。作動時には、吸入口209は、デリバリライン109に接続され、吐出口211は、排出ライン111に接続される。
吸入口209はまた、デリバリチューブ212によって、プローブ105の遠位端部203のところにある先端205にも接続されて(すなわち、流体連通して)いる。従って作動時には、液体寒剤は、吸入口209およびデリバリチューブ212を介して、プローブ105の遠位端部203のところにあるプローブ先端205へ流れることができる。
プローブ先端205は、熱伝導性を有している。プローブ先端205はまた、液体寒剤に対して不透過性または半透過性であってもよい。従って、プローブ先端205は、熱交換器として作動することができる。先端205の外表面214は、熱伝導性物質でできている。この物質は、例えば金(その伝導率および滅菌性のために選択される)である。先端部205には、分散媒体の領域215がある。領域215を通して、寒剤は、送達され/通過し、放出される。分散媒体215は、液体寒剤に対する、複数の核形成部位を提供しており、そこを通過する液体寒剤の核形成、沸騰および/または蒸発を促進し、熱伝達および熱交換の最適動作を実現している。分散媒体は、プローブ先端205の外表面214と熱結合/熱連通している。作動時には、液体寒剤が、分散媒体215と接触したときに、沸騰および/または蒸発し、これにより、分散媒体215、およびプローブ先端の外表面214は、冷却される。分散媒体は、熱伝導性を有する多孔質材料で形成することができる。分散媒体は、焼結材料で形成することができる。焼結材料は、焼結金属(アルミニウム、銅および青銅、または他の金属の内の、少なくとも1つ)、セラミック、プラスチック、または焼結に適した他の材料で形成することができる。
分散媒体として、他の材料も使用できることは、言うまでもない。この場合、材料は、分散媒体全体を通しての寒剤の分散性を高めるために、寒剤の通路および寒剤が沸騰する通路として、複数の、およびできれば、曲がりくねった、通路を形成できることが望ましい。
プローブ105はまた、排出チューブ217を備えている。排出チューブ217は、プローブ先端205を吐出口211に接続している。従って、吸入口209と吐出口211とは、プローブ105の遠位端部203のところにある先端205内部の分散媒体領域215を介して流体連通している。
液体寒剤の沸騰/蒸発に続いて、プローブ先端の中には、多量のガスが発生する可能性がある。例えば、液体窒素は、約1対700の膨脹比を有している。多孔質性、分散性、かつ拡散性媒体によって、液体からガス状に変化した寒剤が、分散媒体を通過し、吐出口211、および排出ライン111から出て行くと有利である。
プローブ105はまた、断熱領域219を備えている。熱絶縁は、1つまたは複数の、真空手段、部分真空手段、または低熱伝導率を有する材料等の他の手段によって実現することもできる。作動時には、この領域は、凍結手術の極低温によって損傷されてはならない組織と接触する可能性がある。断熱領域219は、プローブ105の洗浄(例えば、オートクレーブ滅菌)を可能にするように製造することができる。例えば、断熱領域219は、着脱可能であり、または洗浄に対して耐性を有する材料から作ることもできる。洗浄可能なプローブは、再使用可能である可能性を有している。
本極低温システム101でプローブを使用する場合には、プローブ断熱領域219は、真空源107によって排気することができる。
プローブ105はまた、真空源107に接続されている。排出ライン111は、プローブ105の吐出口211に接続されている。排出ライン111は、弁129を介して、真空槽125、およびポンプ127に接続されている。ポンプ127の作動により、真空槽125内部を真空にすることができる。ポンプ127は、掃気接続を介して、大気と換気し、これにより、安全要件を満足している。弁129は、これを作動させて、真空ポンプ127および真空槽125によって排出ライン111に供給される真空を制御することができる。作動時には、排出ライン111は、推進ガスを供給するための手段113として働き、プローブ105に真空を印加する。これを受けて、プローブ105は、デリバリライン109に真空を供給する。従って、液体寒剤は、プローブ先端の下流にある真空による、液体寒剤源の上に働く持ち上げ効果を介して、デリバリライン109を通して、プローブ先端に、駆動される/引かれる/吸引されるようにすることができる。これは例えば、システムの排出側において、これを実行することであり、プローブ先端の上流、例えば、システムのデリバリ側で、正圧力のソースを作動させてこれを実行すると言うことではない。多孔質、透過性分散媒体(焼成金属等)を使用することにより、「下流」の真空/吸引による持ち上げ効果を実現することができ、これにより、真空/吸引を、デリバリラインを介して、液体寒剤と連通させることができるので有利である。従って、本発明の例によると、正圧力を使用して液体寒剤をプローブ先端に送るのではなくて、大気圧と比較して負の圧力を使用して、プローブ先端に液体寒剤を引き上げることができる。本発明の実施例によって、液体寒剤をプローブ先端に送達するのに、プローブ先端の上流に対して活性圧力を印加する(従来の極低温技術で実行されている)のではなくて、下流の、真空源、または圧力が減少された(大気圧より低い)ソースを使用して、プローブ先端に沿って、「吸引する」ことにより、これを行うことが可能であると考えることができる。
液体寒剤を供給するための装置103、および真空源107は、共通のハウジング内に配置することができる。
従来の極低温システムは、デリバリ側にポンプを必要とし、これにより、正圧力を生成して、液体寒剤をプローブ先端に送っていた。本発明における例では、それとは異なり、排出側にあるポンプによって真空(負圧力)を生成し、これにより、液体寒剤をプローブ先端に引くことができる。
従来の極低温システムは、デリバリ側のポンプと、それに関連する流体連通ライン、および弁は、液体寒剤と競合しなければならない、という点で欠点を有していた。これに対して、本発明の実施例では、ポンプとそれに関連する流体連通ライン、および弁は、ガス状の寒剤を扱うだけでよい。気体寒剤は、液体寒剤よりもはるかに高い温度である。従って、本発明の実施例は、真空源ポンプとそれに関連する流体廉通ライン、および弁は、従来技術と比較して、はるかに高い温度で作動させることができる。
図3は、別のプローブ300を示す。このプローブ300は、図2に示し、説明したものと同様であるので、異なる点だけを説明する。このプローブ300は、近位端部201のところのフィッティング207内に、追加のポート301を備えている。追加のポート301は、真空断熱領域219に接続されている。このように、この実施例においては、プローブ300の全寿命時間にわたって、領域219内の真空を維持することができなければならないプローブ105を設ける必要はない。領域219に対する真空断熱は、ポート301を介して、真空源107によって施すことができる。封止されている部分がないので、プローブ300は、洗浄(例えば、オートクレーブ滅菌)が可能であり、従って、再使用可能である。
図4は、極低温システム101の実施例で使用するための3軸ライン401を示す。3軸ライン401は、コネクタ131からプローブ105の間にだけ、または極低温システム101内の他の場所に設けることができる。3軸ラインは、供給ライン403、排出ライン405、および断熱ライン407を備えている。供給ライン403は、排出ライン405内にあり、排出ライン405は、断熱ライン407内にある。
排出ライン405と断熱ライン407とは、一緒に作動して、3軸ライン401の外側409における望ましくない結露を減少させ、供給ライン403を介して発生する、供給寒剤の蒸発損失を低減することができる。
この例では、真空源107によって、断熱ライン407に真空が印加されることが望ましい。真空は、流れを分割するか、または制御して印加することにより、排出ライン405、および/または断熱ライン407を、より高い真空となるように排気することができる。
図5は、3軸ライン401の別の図を示す。図5では、切欠部501を備えている。これは、例示の目的のためのみのものである。3軸ライン401は、スペーサ503を備え、スペーサ503は、断熱ライン407の内部に設けられている。スペーサ503は、例えば、ガラスまたはセラミック等の断熱材料で作られている。スペーサ503は、排出ライン405が断熱ライン407に接触するのを防ぐ役目を果たす。これにより、断熱ライン407の有効性が増加する。3軸ライン401が曲げられた場合には、性能が大幅に向上する。これは、このように構成することにより、スペーサ503は、排出ライン405が断熱ライン407に触れるのを防ぐことができるからである。スペーサ503は、3軸ラインの長さに沿って配置される。スペーサ503の形状は、任意であるが、流体の排出流等を阻害することなく、流体の流路を確保できる形状でなければならない。
図6は、別の3軸ライン601の断面を示す。別の3軸ライン601は、中央デリバリライン603、排出ライン605、および周辺断熱ライン607を備えている。しかし、断熱ライン607は、ライン601の端部に個別のコネクタを有してはいない。その代わりに、排出ライン605に供給される真空によって、断熱ライン607内部に真空が供給される。この真空は、弁609によって供給される。弁609は、断熱ライン607から排出ライン605への流体の流れだけを許可する。この要領で、排出ライン605が真空にされると、断熱ライン607が真空にされる。しかしながら、断熱ライン607の中が真空であり、排出ライン605が断熱ライン607と比較して加圧されている場合には、断熱ライン607の中の真空は、影響を受けずに、真空が保持される。別の3軸ライン601もまた、断熱スペーサ503を備えている。
3軸ライン401、601は、極低温液体が沸騰するときには、極低温液体の温度と周囲温度との中間の温度であって、それにより、デリバリライン403、603と断熱ライン407との間に断熱層が形成されると有利である。この断熱は、低温ガスによって与えられる。従来技術のシステムでは、この低温ガスは、単に大気に放出されていた。始動とともに、寒剤が供給されて、プローブから流れる低温ガス流は、デリバリライン603の冷却を助ける役目を果たすことが理解されると思う。断熱ライン607内の真空は、断熱性を確保するのに役立たせることができる。
更に、手術中におけるラインの再使用を可能にするためには、滅菌可能でなければならないので、これらの3軸ライン401、601は、有利である。滅菌は、一般にオートクレーブ滅菌で実行される。オートクレーブ滅菌は、本質的に、高圧高温水蒸気処理を行うことである。本発明による3軸ライン401、601は、複数回のオートクレーブサイクル後にも真空を維持することができる断熱ラインの必要性を軽減するものである。
図7Aは、本発明の実施例で使用するための別のライン701の断面図である。別のライン701は、2軸ラインであり、中央デリバリライン703と排出ライン705とを備えている。デリバリライン703は、排出ライン705内に存在する。排出ライン705は、作動時には沸騰噴射する寒剤をプローブから運ぶ。従って、作動時には、沸騰噴射する寒剤は、デリバリライン703を周囲温度から熱遮断するように作用する。これにより、2軸ライン701の外側に望ましくない凝縮が生ずるのを減少させ、寒剤供給時におけるデリバリライン703からの寒剤の蒸発損失を低減させることができる。排出ライン705は、シルガラス(silglass)等の可撓性材料で作ることができる。従って、本発明においては、スパイダー707または他の適切なスペーサを設けて、真空条件下で排出ライン705が崩壊してしまうのを防止することができる。
図7Bは、ラインの別の実施例701’を示す。供給ライン703’の周囲に断熱ライン708を設けることができる。別個の排出ライン705’を設けて、プローブ先端から窒素ガスを取り出すこともできる。この例においては、断熱ラインは、真空が印加されている。排出ライン705’と連通する真空源によって真空が印加されることが望ましい。
図8は、本発明で使用するための別のデリバリラインアセンブリ801の断面を示す。供給ラインアセンブリ801は、セラミックカラー805によって断熱されているデリバリライン803を備えている。
セラミックカラー805は、互いに隣接し、実質的に、デリバリライン803全長を覆っている。セラミックカラー805は、一方の端部に凸状湾曲部807を、また他方の端部に凹状湾曲部809を有している。片方のセラミックカラーの凸状湾曲部807は、他方のセラミックカラーの凹状湾曲部809と相補形状をしており、これにより、デリバリライン803は、湾曲しても、セラミックカラー805によって、実質的に断熱状態を維持することができる。
セラミックカラー805は、ガラス張りとすることができ、これにより、不透過性にすることができる。このようなガラス張りのセラミックカラーは、素焼きのセラミックカラーよりも衛生的である。デリバリラインアセンブリ801は、耐久性があり、オートクレーブ滅菌によって滅菌することができる。従って、このようなデリバリラインアセンブリ801は、有利である。
いずれの3軸ライン401、いずれの別の3軸ライン601、いずれの別の2軸ライン701、またはいずれのデリバリラインアセンブリ801も、ここに記載している、いずれの極低温システムと共に使用することができる。
図9は、更なる極低温システムを示す。その全体を901で示してある。極低温システム901は、液体寒剤供給装置903、中間寒剤貯蔵装置905、プローブ907、および真空源909を備えている。液体寒剤供給装置903は、供給ライン911、中間寒剤貯蔵装置905、およびデリバリライン913を介して、プローブに接続されている。プローブ907はまた、排出ライン915によって真空源909にも接続されている。
液体寒剤供給装置903(特許文献1に記載されているものであってよい。特許文献1の全ての開示は、参照のために、本明細書に組み込むものとする。)は、推進ガスを供給する手段、デュワー917、および供給パイプ919を備えている。供給パイプ919は、作動時には、その一方の端部は、液体寒剤の表面の下方にある。デュワー917は、適切な、任意のサイズでよく、約60リットルとすることができる。推進ガスを供給するための手段は、圧力上昇コイル921、自動圧力制御弁923、および圧力制御調整装置925を備えている。圧力上昇コイル921は、自動圧力制御弁923に接続されており、自動圧力制御弁923は、ユーザが、これを操作して推進ガスの圧力を調整することができる。自動圧力制御弁923は、圧力制御調整装置925に接続されている。圧力制御調整装置925は、圧力制御弁923が開いているときに、デュワー917内に予め設定された推進ガス圧を維持できるようになっている。予め設定された推進ガスの圧力は、任意の適切な値、例えば、414kPa(60 psi)であってもよい。圧力制御調整装置925は、デュワー917に接続されている。作動時には、推進ガスは、デュワー917内に含まれる液体寒剤の表面の上方に注入される。デュワー917は、封止可能であり、これにより、作動時には、推進ガスの圧力は、供給パイプ919に沿って液体寒剤を置換することができる。作動時には、供給パイプ919の一方の端部は、デュワー917内に含まれる液体寒剤の表面の下方にあり、他の一方の端部は、供給ライン911に接続されている。
液体寒剤を供給するための装置903はまた、液体寒剤をデュワー917に充填するための、充填ライン927、および充填弁929を備えている。液体寒剤を供給するための装置903はまた、コンテンツゲージ931を備えている。コンテンツゲージ931は、容量コンテンツゲージであり、この容量コンテンツゲージは、内容物の残量を表示し、この値を、例えば制御システムに送信する。装置903は更に、安全救済弁933と破裂板935とを備え、装置903が、過度の圧力に到達するのを防止している。装置903は、圧力ゲージ937を更に備え、圧力ゲージ937は、システムの圧力を表示し、この値を、例えば制御システムに送信する。装置903はまた、ガス通気孔939を備え、必要な場合に装置903内の圧力を解放することができる。
極低温システム901はまた、オプションとして中間寒剤貯蔵装置905を備えている。中間寒剤貯蔵装置905は、供給ライン911とデリバリライン913とを接続している。中間寒剤貯蔵装置905の目的は、従来のシステムにおいて可能な位置と比較して、プローブに、より近い位置に寒剤を供給することである。液体寒剤を供給するための装置903のデュワー917は、約60リットルの容積を有し、その高さは約1mであるので、通常では、液体寒剤を供給するための装置903をプローブ907に近接して設置することはできない。液体寒剤を供給するための装置903とプローブとの間の距離は、典型的には、2mであり、中間寒剤貯蔵装置905は、典型的には、供給ライン911およびデリバリライン913の長さが1mになるように設置される。しかし、最も重要な要件は、デリバリライン913の長さを短くして、プローブ907の冷却を開始してから、実際にプローブ907が冷却されるまでの時間を最小にすることである。
中間寒剤貯蔵装置905は、中間デュワー941を備えている。中間デュワー941は、供給ライン911とデリバリライン913とを接続している。その目的は、デリバリライン913よりも前に、供給ライン911を液体寒剤の温度に冷却することである。供給ライン911は、真空断熱することができる。このような真空断熱(例えば、永久真空断熱ラインで実現される)は、損失(例えば寒剤の蒸発損失)を、更に低減することができる。中間寒剤貯蔵装置905は、通気弁943、熱電対945、供給ライン911に対する接続部947、デリバリライン913を介してプローブ907に接続する接続部949
を備えている。デリバリラインに対する接続部949は、作動時には、液体寒剤が、デリバリライン913に沿って通過できるように、液体寒剤の表面の下方に位置していなければならない。熱電対945および通気弁943は、中間デュワー941の頂部の方向になければならない。これは、熱電対がデュワーが満杯充填に近づいていることを感知することができ、通気弁943が気体寒剤に対しては作動して、液体寒剤に対しては動作しないようにするためである。中間寒剤貯蔵装置905はまた、安全救済弁951と、破裂板953とを備え、これにより、装置905が過度の圧力に到達するのを防止することができる。
作動時には、液体窒素は、液体寒剤を供給するための装置903から、供給ライン911に沿って、中間デュワー941に供給される。この極低温流体は、供給ライン911(初期には高い温度である。すなわち、液体窒素の沸点より高い温度である。)に沿って供給される際に、沸騰および/または蒸発し、沸騰噴気は、通気弁943を通して排出される。中間デュワー941が液体寒剤で充填されると、熱電対945は、冷却され始める。所定の温度(使用している液体寒剤の沸点に近い温度)に到達すると、推進ガス圧は、除かれて、通気弁943は、閉じられる。この要領で、プローブ907の凍結状態が開始される前に、供給ライン911を冷却することができる。通気弁943が閉じられると、アセンブリ全体は、デリバリラインとして作動し、弁961を開いて、プローブ907に寒剤を流すことができる。
極低温システム901はまた、解凍サイクルの一部として、プローブ907を加温するための手段を備えている。装置には、ヒーター955が接続され、プローブを解凍するために窒素ガスを加温する。ヒーター955は、弁957と3方接続部959を介して、デリバリライン913に接続されている。中間寒剤貯蔵装置905と3方接続部959との間には、弁961が設けられている。弁961および957をこの構成で作動させることにより、プローブ907に対して、希望に合わせて、液体寒剤または加温窒素ガスのいずれかを供給することができる。ヒーター955に対して適切な接続を行うことにより、装置内で、希望する方向に、加温ガスを流すことができる。
プローブ907は、排出ライン915によって、真空源909に接続されている。真空源909は、真空槽963、ポンプ965、および通気口967を備えている。真空槽963はまた、真空槽963の底部にヒーター969を備えている。ヒーター969の目的は、真空槽963に到達する液体寒剤が有れば、それを沸騰させることである。
3方弁959とプローブ907との間では、デリバリライン913と排出ライン915とは、隣接させることができる。従って、ライン913および915は、3軸ライン401、別の3軸ライン601、別のライン701、または、デリバリラインアセンブリ801の内の、いずれであってもよい。
作動時には、プローブ105(または、105、300、901のいずれか)は、外科医師(ユーザー)によって患者の体内に挿入され、冷凍アブレーションされるべき患部(腫瘍等)は、プローブ先端205の熱伝導領域と隣接するか、または接触する。極低温システム101は、外科医師が希望するときに活性化される。これは、プローブが体内に挿入される前に行われる可能性がある。システムが活性化されると、弁123は開き、推進ガス圧がデュワーに115に印加される。作動条件下では、デュワー115は、封止されていて、推進ガスは、デュワー115内の液体寒剤の上に作用する。従って、液体寒剤は、パイプ117を通してライン109に向かって駆動される。液体寒剤は、高温(液体窒素よりも高い温度)のパイプ117および供給ライン109と接触すると、沸騰および/または蒸発する。この液体寒剤の沸騰噴気は、プローブ105および排出ライン111を介してデリバリライン109に印加される真空によって除去される。この真空は、真空源107によって供給される。
従来技術のシステムと同様に、チューブ117およびデリバリライン109は高い温度(すなわち、液体寒剤の沸点より高い温度)のときには、供給チューブ117およびデリバリライン109に入ってきた液体寒剤は、供給チューブ117およびデリバリライン109の温度が十分に低くなるまで、沸騰および/または蒸発し続ける。しかし、本発明に於いては、従来技術システムと異なり、液体窒素が供給チューブ117およびデリバリライン109に沿って供給されると、真空源107が作動して、排出ライン111に真空を供給する。排出ライン111に印加された真空は、プローブ105を介して、デリバリライン109およびデリバリチューブ117に印加される。従来の装置では、高い温度の供給チューブ117、およびデリバリライン109に接触した液体窒素からの沸騰噴気は、供給チューブ117およびデリバリライン109に沿う液体窒素の流れを妨げるが、本発明においては、プローブ105および排出ライン111を介して、その沸騰噴気を、文字通り、「吸引する」。このように、真空の印加によって、従来技術装置で経験する相変化の悪影響を克服するか、または少なくとも、実質的に低減することができる。
これにより、凍結速度、従って凍結時間を改善することができ、連続使用する際の、圧力および流量の変動を低減させることができる。凍結速度を改善することは、特に有利であり、手術時間を短くすることができる。これは、外傷性外科処置を受けている患者のためには、決定的に重要である。本発明によって、凍結サイクルの開始から2分より短い時間内に冷却を開始できるプローブを提供することができる。更に、初期状態で真空を印加することにより、配管内に存在する空気を、装置によって迅速に引き出ことができ、これにより、空気の液化、または水の凝固の危険性を減少させることができる。
初期作動時(高い温度状態)で、大量の液体窒素が沸騰し、高速の排気速度が要求されるときには、本発明では、プローブ先端の熱電対133が、それぞれの温度に対する最大値−196℃を示すまで、液体窒素の最大流速で作動することができる。
しかし、供給チューブ117およびデリバリライン109が作動温度に下がった後には、液体窒素供給の速度および排気の速度を減少させることができる。
デリバリライン109が、その長さに沿って十分に冷却された後には、液体寒剤は、プローブ105に到達する。液体寒剤は、吸入口209に到達し、プローブの近位端部201からプローブの遠位端部203へ、供給チューブ212に沿って供給される。従って、液体寒剤は、プローブ105の先端205内に到達する。ここで、液体寒剤は、分散媒体(プローブ先端205の焼結青銅領域215等)と接触する。焼結青銅領域215は、核形成部位を提供することにより、沸騰および/または蒸発を促進させる。液体寒剤は、沸騰および/または蒸発した後には、排出チューブ217、排出ポート211、排出ライン111、および真空源107を介して除去される。プローブ先端205内部の焼結青銅領域215の中の液体寒剤の沸騰および/または蒸発によって、プローブ先端205は、極低温温度に冷却される。
プローブ先端205は、熱伝導性であり、従って、周囲の組織を冷却することができる。これにより、周囲の組織の水分が凍結し、アイスボール221を形成する。細胞は、−20℃より低い温度に冷却されると死滅することが知られている。
いくつかの要因により、形成されるアイスボールのサイズが決定される。これらの要因は、プローブ先端の温度と、周囲の組織から熱を除去することができるプローブ105の容量とを含んでいる。従って、焼結青銅領域215は、特に有利である。これは、焼結青銅領域215が、沸騰および/または蒸発と、それに伴う気化潜熱の、プローブ先端205および周囲組織からの除去、およびアイスボール221の形成を促進するからである。
液体寒剤の流量は、デュワー115内部の液体寒剤の上に働く推進ガスの圧力、および真空源107によって印加される真空によって制御することができる。真空源107によって提供される真空は、弁129によって制御することができる。ポンプ127は、間欠的に作動して、真空槽125の内部を所定の真空レベルにする。相当に多量の液体寒剤が、焼成青銅領域215内で沸騰することが望ましい。これは、流量が調整されて領域215内部の沸騰が促進されることが望ましいと言うことである。
1つの例は、プローブ105が5mmの外径と2mmの内径を有している場合である。この場合には、プローブが十分に冷却された後には、流量は、約5〜6リットル/分である。
極低温システム101が、最大効率レベルで作動している場合には、全ての、または実質的に全ての液体寒剤は、プローブ先端205内部で沸騰する。従って、寒剤の供給と真空の印加に対する適切な制御によって、無駄を削減し、装置の最適機能を確保することができる。
システム101が作動している間に、アイスボール221のサイズは成長する。希望するサイズのアイスボールが形成されると、外科医師は、システムを解凍モードに切り替える。解凍モードでは、窒素ガスが窒素ガスシリンダー119からヒーターに供給され、ヒーターは、窒素ガスを加熱する。加熱された窒素ガスは、デリバリライン109に沿って、プローブ105に供給される。加熱された窒素ガスは、デリバリライン109、プローブ105、および排出ライン111内に残留している全ての液体窒素を置換する。更に、この加熱された窒素ガスは、プローブ先端205を加熱する。大きな表面積を有する焼結青銅領域215は、窒素ガスから熱を容易に吸収する。十分に解凍されたプローブ先端は、外科医師によって患者から取り外すことができる。パージガスとして窒素ガス(例えば空気ではなくて)を使用することが望ましい。これは、窒素ガスは、窒素凝縮物(水または他の不純な凝縮物ではなくて)だけを生成するからである。
あるいは、システム101は、高温のパージガスが、排出ライン111に沿って(プローブ105を通って、吸入口ライン109から出て)、逆方向に流れるように構成して動作させることもできる。
システムには、自動洗浄機能を持たせることもできる。自動洗浄機能では、プローブ105を通して、高圧ガスを逆方向に通気させる。この逆方向とは、プローブ105を通して、排出ライン111に沿って流し、デリバリライン109を通して排気して、これにより、ラインおよび/またはプローブの中の障害物を除去するという方向である。
システムの構成要素は、共通の制御パネルから制御することができる。この共通の制御パネルは、外科治療の要件等に応じて、流れを調整することができる。パラメータは、外科的要件に応じて設定されたプログラムに従って制御することができる。
極低温システム901は、極低温システム101と同様の要領で操作することができる。
図10は、プローブの更なる例140を示す。プローブ140は、図2で説明したものと同様であり、同じ符号を使用している。相違部分についてのみ説明する。デリバリチューブ212は、プローブ140の長さに沿って延び、取り付けスペーサ141を通って、分散媒体の中に至っている。図10aに示すように、取り付けスペーサ141は、中央開口142を備え、デリバリチューブを取り付けるとともに、デリバリチューブを通過させて、分散媒体の中に導いている。分散媒体は、極低温液体に対して、多孔質性デリバリ表面として作用する。取り付けスペーサ141はまた、複数の更なる開口143を備え、これにより、極低温液体が分散性媒体と接触する際に沸騰/蒸発して、そこから発生する極低温ガス等の流体の流出を可能にしている。従って、真空源(図示せず)と流体連通している排出ライン217を通して、極低温ガスをプローブ本体の中から引き出すことができる。
図10bに示すように、プローブ先端205は、熱伝導性材料の外表面/ハウジング251を備えている。この熱伝導性材料は、例えば銀であり、プローブ内部の分散媒体215を被覆、および気密封止している。空洞252には、焼成材料が設けられ、デリバリチューブ212の端部を収容している。分散媒体として、銅または黄銅等の焼結金属を使用することによって、寒剤、分散媒体、およびプローブ先端の外周面の間の熱交換に有利な熱特性、および熱伝導率を得ることができる。
作動時には、極低温液体は、デリバリチューブを介して分散媒体に送達され、その中の核形成部位で沸騰/蒸発する。その結果得られた極低温ガスは、排出チューブを介してプローブから放出され、システムの排出側に位置する真空源からの真空によって、引き出される。しかしながら、本発明においては、真空源は、極低温ガスを分散媒体およびプローブから引き出すために作動させることができるばかりではなく、本発明の特定の例においては、極低温システムは、システムの排出側に位置する真空源(負圧)から排出チューブを介して印加される真空により引き起こされる作用によって、デリバリチューブを通して、分散媒体への極低温液体の吸引が駆動されるようになっている。このような排出側から極低温液体を「引く」作用は、従来技術と対比されるべきものである。従来技術では、極低温液体は、デリバリ側から「押し出される」。すなわち、これは、極低温液体は、システムのデリバリ側に位置する圧力源/ポンプ(正圧)によって、デリバリチューブを通して分散媒体へと強制的に押し出されるのである。
分散媒体として焼成材を使用すると、分散媒体の材料の多孔質特性を制御したり、および/または構成したりすることが可能になり、有利である。焼成材料の多孔質性と、本発明の実施例でそれを使用していることによって、極低温ガスを、分散媒体に通してそこから放出することを自由に行うことができる。これにより、真空源から生ずる負圧力を、排出ライン、分散媒体、およびデリバリラインを通して、極低温液体ソースと流体連通させることができ、真空源から負圧を得ることができる。すなわちこれは、真空源を極低温液体ソースと流体連通させることができると言うことである。適切に極低温液体と連通している負圧力を使用することにより、その極低温液体を、プローブ先端、およびその中にある分散媒体へ、持ち上げる/引く(または吸引する)効果を得ることができる。
作動中に行われる、極低温液体、分散媒体、およびプローブの間の熱転送の結果、プローブ先端205の周囲には、アイスボール221が形成される可能性がある。破壊する必要がある組織の中にプローブ先端が挿入されると、その組織の中にアイスボールが形成され、アイスボール内の、生存温度(−20℃)より低い温度の組織は、減じられる。
アイスボールの中心214’は、一般的に、アイスボールを生成する熱源と同じ極低温である。例えば、極低温液体として液体窒素を使用する場合には、プローブに直接隣接する組織は、−196℃またはその付近の温度に急速に冷却される。アイスボール221’として存在するための温度マージンは0℃までである。これら2つの点214’および221’(中心と表面)の間には、温度躍層が形成され、凍結を起こす迅速性は、アイスボールの生成量と、凍結組織に対するその実効的な致死量を決定する。
上記の極低温システムおよびそれらの操作方法によって、次の利点が得られる。
・凍結速度が改善される。
・損失が低減される。
・凍結時間が短縮される。特に、プローブは、2分以内に冷却を開始することができる。
・極低温プローブの性能に影響する圧力/流量の変動が低減される。
・安全性が増加する。
・プローブおよび他の素子の繰り返し使用能力が向上する。
上記した各プローブは、図9(適切な結合方法が示されている)に記載されているシステムで使用することができる。
図11Aは、凍結モード操作の際に使用される凍結手術のための装置における寒剤の流路を示す。凍結モードにおいては、液体寒剤は、真空ポンプ107を介して、貯蔵デュワー103から引き出されて、プローブ105の先端に送られる。液体寒剤は、プローブ先端の焼成素材の中で蒸発する。ガス状寒剤は、真空ポンプ107によってプローブから排出され、大気に通気される。
図11Bは、解凍モード操作中に使用される装置1101を示す。解凍モード操作は、例えば、凍結モードが行われた後に行われる。
凍結手術用装置1101は、フラッシュチャンバ1102を備えている。このフラッシュチャンバ1102は、圧力容器であり、両端が気密封止された厚壁のアルミニウムチューブで製造されており、2つのメートルネジ付きポートにはめ込まれている。寒剤源103の液体窒素の中に沈められたパイプ1103は、フラッシュチャンバ上の1つのポートに接続されている。第2のポートは、弁1104を介して真空ポンプ107に接続されている。チェック弁1105があり、チェック弁1105は、フラッシュチャンバへの接続部と、液体窒素の中に沈められたパイプとの間に位置している。
弁1104が開かれると、フラッシュチャンバに吸引力が印加される。空気が排気されると、チェック弁1105は、開き、少量の液体窒素がデュワーからフラッシュチャンバに引かれる。液体窒素がフラッシュチャンバに到達すると、液体窒素は、フラッシュチャンバの高温の壁に接触して直ちに蒸発する。
液体窒素は、1:700の比率で気体窒素に膨脹するので、フラッシュチャンバは、すぐに圧力を有する気体窒素で充満される。この圧力は、チェック弁の閉鎖を駆動し、フラッシュチャンバへの液体窒素の流れは、遮断される。従って、純粋な窒素ガスが、フラッシュチャンバから、制御弁1104を介して、加熱器/熱交換器1106を経由して、プローブ105に流れる。そこで、熱がガスからプローブに転送され、プローブ先端の解凍が行われる。従って、フラッシュチャンバは、ガス寒剤源として機能し、プローブに対してガス寒剤を送達する。
プローブからのガスは、真空源/圧縮機107を介して再循環され、加熱器/熱交換器1106に戻り、再びプローブ105に戻る。このループは、解凍が完了するまで続き、解凍が完了すると、弁1104は、閉じて、フラッシュチャンバの吸引は行われなくなる。この時点では、フラッシュチャンバは、再び必要になるまで、加圧された状態に維持される。
排出ラインの中の弁1106および真空ポンプ107によって、凍結モードの間に、凍結サイクルの際に生成された使用済みの窒素ガスは、大気に排出される。この弁によって、また、解凍モードの間に、窒素ガスを、プローブの周囲を再循環させて、解凍サイクルにおいてプローブを通過する以前に、その周囲を加熱することができる。
この要領で極低温ガスを再使用することにより、解凍媒体として、空気/大気ガスを使用する必要がなくなる。空気/大気ガスを使用する場合には、気体から湿気を除去しなければならない。気体から湿気を除去するためには、乾燥剤フィルタ/圧縮空気ドライヤー、およびプロセスヒーターを組み合わせて使用して、湿気除去を行う必要がある。もし、湿気がプローブ先端に到達して、その後に凍結サイクルが行われるときにも、プローブ内に留まっているとすれば、プローブの目詰まりを起こすことになる。従って、本発明においては、ユーザの、乾燥剤フィルタの交換、および圧縮空気ドライヤーの定期保守実行の記憶に頼る必要がないので、装置の信頼性を向上させることができる。従って、本発明によると、簡単で、信頼性の高い方法を提供することができる。
また、この要領で極低温ガスを再使用することにより、解凍媒体の別個のソースを使用する必要がなくなる。装置1101によって、デュワー寒剤ソース内の液体寒剤の形で得られる、多量のガス状寒剤を、効果的に、効率よく、かつ安価に、取り扱うことができる。
本発明は、上記で説明した好ましい実施例に限定されず、また、いくつかの変形が可能であり、これらの変形は、添付の特許請求項の範囲内である。種々の変形が、当業者には明らかであり、例えば、マイクロプロセッサ制御を直接制御に置き換えることができる。また、液体窒素の代わりに、別の液体寒剤を使用することができる。別の方法(例えば、ポンプ)を使用して、液体寒剤を供給することもできる。高温窒素ガスの代わりに、電気抵抗コイルを使用して、プローブの先端を加熱することもできる。本発明とともに、任意の、制御可能真空源を使用することもできる。
101 極低温システム
103 液体寒剤を供給するための装置
105 プローブ
107 真空源
109 デリバリライン
111 排出ライン
113 推進ガスを供給するための手段
115 デュワー
117 供給チューブ
119 窒素ガスシリンダ
121 マニフォルド
123 弁
125 真空槽
127 ポンプ
129 弁
131 コネクタ
133 プローブ先端の熱電対
140 プローブ
141 取り付けスペーサ
142 中央開口
143 更なる開口
201 近位端部
203 遠位端部
205 プローブ先端
207 フィッティング
209 吸入口
211 吐出口
212 デリバリチューブ
212(3) デリバリチューブ
214 外表面
214’ アイスボールの中心
215 分散媒体
217 排出チューブ
219 断熱領域
221 アイスボール
221’ アイスボール
251 外表面/ハウジング
252 空洞
300 別のプローブ
301 追加のポート
401 三軸ライン
403 供給ライン
405 排出ライン
407 断熱ライン
409 外側
501 切欠部
503 スペーサ
601 別の三軸ライン
603 中央デリバリライン
605 排出ライン
607 周辺断熱ライン
609 弁
701 2軸ライン
701’ 2軸ラインの別の例
703 中央デリバリライン
703’供給ライン
705 排出ライン
705’排出ライン
707 スパイダー
707’ スペーサ
708 断熱ライン
801 デリバリラインアセンブリ
803 デリバリライン
805 セラミックカラー
807 凸状湾曲部
809 凹状湾曲部
901 極低温システム
903 液体寒剤供給装置
905 中間寒剤貯蔵装置
907 プローブ
909 真空源
911 供給ライン
913 デリバリライン
915 排出ライン
917 デュワー
919 供給パイプ
921 圧力上昇コイル
923 自動圧力制御弁
925 圧力制御調整装置
927 充填ライン
929 充填弁
931 コンテンツゲージ
933 安全救済弁
935 破裂板
937 圧力ゲージ
939 ガス通気孔
941 中間デュワー
943 通気弁
945 熱電対
947 接続部
949 接続部
951 安全救済弁
953 破裂板
955 ヒーター
957 弁
959 三方接続部
961 三方弁
963 真空槽
965 ポンプ
967 通気口
969 ヒーター
1101 凍結手術用装置
1102 フラッシュチャンバ
1103 パイプ
1104 弁
1105 チェック弁
1106 加熱器/熱交換器

Claims (15)

  1. プローブ(105、140、300、907)と、
    プローブ(105、140、300、907)からの寒剤を受け取るようになっている排出ライン(111、405、605、705、705’、915)と、
    前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)と流体連通するようになっている真空源(107、909)とを備え、
    前記プローブは、デリバリチューブ(212)と排出チューブとを備え、前記排出チューブは、前記デリバリチューブの周りに同心状に設けられ、
    作動時には、真空源(107、909)によって、寒剤が寒剤源(103、903)から引き出されて、前記プローブ(105、140、300、907)に送達される、凍結手術のための装置(101、901、1101)であって、
    前記プローブ(105、140、300、907)は、分散媒体(215)をさらに備え、前記デリバリチューブ(212)は、前記分散媒体内に延びて前記分散媒質内に受容される端部に開口部を有し、前記分散媒体は、作動時には、前記プローブ(105、140、300、907)に送達される寒剤が前記分散媒体(215)を通して分散するようになっており、さらに、排出チューブは、分散媒体を通してデリバリチューブと流体連通していることを特徴とする、凍結手術のための装置(101、901、1101)。
  2. 前記真空源(107、909)は、前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)を連続して排気するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(101、901、1101)。
  3. 前記寒剤源(103、903)は、液体寒剤源を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(101、901、1101)。
  4. 前記寒剤源(103、903)は、気体寒剤源を備えていることを特徴とする、請求項1または3に記載の装置(101、901、1101)。
  5. 前記プローブ(105、140、300、907)から受ける前記寒剤は、再循環させて前記プローブ(105、140、300、907)に再送達するようになっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置(101、901、1101)。
  6. 前記プローブ(105、140、300、907)に寒剤を送達するようになっているデリバリライン(109、403、603、703、703’、803、913)を更に備え、前記分散媒体は、前記デリバリライン(109、403、603、703、703’、803、913)と前記真空源(107、909)との間を流体連通させることができるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(105、140、300、907)。
  7. 前記真空源(107、909)は、前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)の下流にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置(101、901、1101)。
  8. 真空槽(125、963)を更に備え、前記真空槽(125、963)は、前記真空源(107、909)の上流に設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置(101、901、1101)。
  9. 前記真空槽(125、963)は、熱交換器、加熱要素、または他の寒剤加熱手段(955、969、1106)と連通し、
    前記熱交換器、加熱要素、または他の寒剤加熱手段(955、969、1106)は、前記真空槽(125、963)内に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の装置(101、901、1101)。
  10. 前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)は、周辺断熱手段を備え、
    前記周辺断熱手段は、真空ジャケットによって、少なくとも部分的に提供され、
    前記真空ジャケットは、前記真空源(107、909)と流体連通していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置(101、901、1101)。
  11. 前記真空ジャケットは、前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)と流体連通していることを特徴とする、請求項10に記載の装置(101、901、1101)。
  12. 前記真空ジャケットは、一方向弁を備えていることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置(101、901、1101)。
  13. 前記プローブ(105、140、300、907)に液体寒剤を送達するようになっているデリバリライン(109、403、603、703、703’、803、913)を更に備え、前記デリバリライン(109、403、603、703、703’、803、913)は、少なくともその一部の長さが、前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)の少なくとも一部に沿って延びていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置(101、901、1101)。
  14. 前記プローブ(105、140、300、907)は、
    遠位端部(203)および近位端部(201)と、
    前記遠位端部(203)におけるプローブ先端(205)と、を備え、ここで、前記分散媒体(215)は、前記プローブ先端(205)内にあり、前記プローブ先端(205)と熱的に結合しており、
    作動時には、前記プローブ(105、140、300、907)に送達される寒剤は、前記デリバリチューブ(212)の前記端部の前記開口部から前記プローブ(105、140、300、907)内に前記分散媒体(215)を通して分散することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置(101、901、1101)。
  15. プローブ(105、140、300、907)と、前記プローブ(105、140、300、907)から寒剤を受け取るようになっている排出ライン(111、405、605、705、705’、915)と、
    前記排出ライン(111、405、605、705、705’、915)と流体連通するようになっている真空源(107、909)とを備える凍結手術のための装置(101、901、1101)であって、
    作動時には、寒剤は、真空源(107、909)によってプローブ(105、140、300、907)に送達するために寒剤源(103、903)から引き出され、
    前記プローブ(105、140、300、907)は、作動時には、前記プローブ(105、140、300、907)に送達される寒剤が分散媒体を通って分散するようになっている前記分散媒体を備えることを特徴とする凍結手術のための装置(101、901、1101)。
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