以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を斜め前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図2に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が固定されている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図3に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図4参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13における回動基端側の端部には、前扉枠14が回動可能に取り付けられており、同前扉枠14は正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13における回動基端側の端部には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に取り付けられており、同裏パックユニット15が正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。
図3に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を遊技機前方から視認することができるようにした窓部21(図1参照)が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている。
ガラスユニット30は、透明性を有する複数(詳しくは2つ)のガラスパネル31と、それらガラスパネル31を保持するガラスホルダとにより構成されている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31が収容されている。
各ガラスパネル31は、枠部に形成された仕切り部を挟んで相対向した状態で、同仕切り部に対して接着されている。これにより、ガラスパネル31の間に所定の隙間が確保され、ガラスパネル31同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル31によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われた状態となっている。
図1に示したように、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。より詳しくは、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯する機能が付与されたトップランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する機能が付与されたサイドランプ部26が設けられている。また、トップランプ部25の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
再び図2を参照して説明すれば、前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
上側膨出部28において上皿28a(遊技球の貯留領域)よりも前側となる部位には、遊技者らにより手動操作される操作スイッチ40が設けられている。操作スイッチ40は、後述する図柄表示装置の表示画面等にて所定の演出を行わせたり、遊技モード(詳細については後述する)を選択したりする場合に遊技者によって操作される操作手段を構成している。
下側膨出部29と横並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル45が設けられている。遊技球発射ハンドル45が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル45の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
前扉枠14の背面には、図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28a(図2等参照)に通じる前扉側上皿通路と、下皿29a(図2等参照)に通じる前扉側下皿通路とが形成されてなる。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路と前扉側下皿通路の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては、図3と同様にパチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図2の左側)には、それら支持金具71,72に対応させて軸受け金具57,58(図2参照)が設けられている。支持金具71,72には軸部が形成されており、それら軸部が前扉枠14の軸受け金具57,58の軸受け孔に挿入されることで内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び軸受け金具57,58(図2参照)は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている(図3参照)。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、図4に示すように、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
再び図5を参照して説明すれば、樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤収容部61は、遊技盤80の背面に対向する平板状の対向板部と、同対向板部から遊技機前方へ起立し遊技盤80の周縁に沿って延びる周壁部とによって構成されている。対向板部は、その略中央に中央開口64が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部は、遊技盤80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部,下側壁部,左側壁部,右側壁部が連なってなり、全体として遊技盤80を囲む環状をなしている。なお、周壁部は中央開口64を囲むようにして形成されているとも言える。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材(所謂セルシート)とを有してなり、その前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット30(詳しくはガラスパネル31)によって覆われている。後側のガラスパネル31は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。なお、図6においては後述する左ルートを2点鎖線、右ルートを1点鎖線によって例示している。
遊技盤80には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動入球部83、スルーゲート84、可変表示ユニット85、主表示ユニット90等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動入球部83に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。なお、以下の説明では遊技球の流下経路を「流路」ともいう。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85及び作動入球部83は、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動入球部83を遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
主表示ユニット90は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材、詳しくは後述する誘導レールとともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材に設けられている。装飾部材は、遊技盤80の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられたガラスパネル31と対向しており、さらにガラスパネル31との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材の前面の前方を遊技球が落下していくことが防止されている。
主表示ユニット90は装飾部材の前面から露出するようにして設けられている。これにより、主表示ユニット90を前扉枠14のガラスユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、当該主表示ユニット90の前方を遊技球が落下していくことが抑制されている。
図示による詳細な説明は省略するが、主表示ユニット90は複数の発光体を有してなり、それら発光体群によって作動入球部用結果表示部、役物用結果表示部、作動入球部用の保留数表示部、スルーゲート用の保留数表示部が構成されている。
作動入球部用結果表示部は、作動入球部83等への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。この場合、作動入球部用結果表示部では、作動入球部83等への入賞をトリガとして、各発光体における点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(可変表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、同入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。
役物用結果表示部は、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用結果表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして、発光体群の点灯及び消灯を順次行うことによる絵柄の変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。
また、遊技球が作動入球部83等を通過した回数は最大4回まで保留され、作動入球部用の保留数表示部によってその保留個数が表示されるようになっている。同様に、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され、スルーゲート用の保留数表示部によってその保留個数が表示されるようになっている。
可変表示ユニット85は、作動入球部83等への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、上段,中段及び下段に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、遊技状態が通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(後述する開閉実行モード)へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、左,中及び右に並べて図柄を表示し、それら図柄を上下スクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上枠部、左枠部及び右枠部については遊技盤80の前面から起立しており、上記ガラスユニット30(ガラスパネル31)との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置94に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
センターフレーム95の上枠部には、犬の顔を模した装飾体として装飾ユニット300が配設されている。装飾ユニット300は可動式となっており、状況に応じてその形態が変化する構成となっているが、当該装飾ユニット300についての詳細は後述する。
センターフレーム95において上記作動入球部83の上方に位置している部分(センターフレーム95の下部)には、遊技球の左右への転動を許容するステージ95aが設けられている。ステージ95aは表示画面94aの下端縁に沿うようにして左右に延びており、その中央位置には、遊技球を作動入球部83へ案内する案内部95bが形成されている。センターフレーム95において表示画面94aの側方に位置する左枠部には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット85の側方となる領域(詳しくは左ルート)を流下する遊技球をステージ95aへ導く流入口95cが形成されており、この流入口95cを通じてステージ95aに到達した遊技球は当該ステージ95a上にて左右への揺動を繰り返すこととなる。
案内部95bの左右両側には、遊技機前方へ傾斜する溝部95dが形成されている。ステージ95aにて揺動を繰り返す過程で案内部95bへ入った遊技球は高い確率で作動入球部83へと流入するのに対して、溝部95dに捕まった遊技球はステージ95aから転落し作動入球部83の側方を素通りする。このように、ステージ95aに到達した遊技球については、作動入球部83に流入するものと作動入球部83に流入しないものとに振り分けられることとなる。但し、ステージ95aを経由する遊技球についてはステージ95aを経由せずに遊技領域PEを流下する遊技球と比べて作動入球部83への入球の可能性が高くなるように構成されている。
なお、本実施の形態に示す遊技盤80においては、上記右ルート及び左ルートの何れのルートを通過した場合であっても、一般入賞口81,可変入賞装置82,作動入球部83,スルーゲート84へ入賞し得る。
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル45の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が後述する補強プレートを介して樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、上記遊技領域区画部材(装飾部材)とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100は、遊技球発射ハンドル45が遊技球を遊技領域PEに到達させることができる程度に操作された場合に、すなわち遊技球発射ハンドル45の操作量が第1の規定量を超えた場合に、発射レール112から打ち出された遊技球が当該誘導レール100の入口部分104、詳しくは外レール102において発射レール112の延長上に位置する特定部位に着地するように形成されている。
外レール102は、その特定部位における接線の向きが発射レール112のレール方向と略同一となるように形成されている。発射された遊技球の移動方向と、特定部位における接線の方向とを揃えることにより、遊技球の着地によって生じる衝撃を低減するとともに同遊技球の跳ね返りを抑え、誘導レール100によるそれら遊技球の円滑な誘導を可能としている。
なお、外レール102は、当該外レール102を遊技盤80に対して固定する固定手段として複数の固定ピンを備えている。固定ピンは外レール102に沿って配設されており、それら固定ピンの間に上記特定部位が設定されている。これにより、特定部位での外レール102の若干の撓み変形(弾性変形)を許容し、同特定部位に遊技球が着地した際の衝撃を低減することが可能となっている。
図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図3参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1等に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、樹脂ベース60には、遊技盤収容部61からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置が複数設けられている。ロック装置はロック状態にて遊技盤80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤80の前面に当接することによって遊技盤80の前扉枠14側への変位が抑えられることとなる。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を覆うようにして通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53(図3参照)が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置される。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース60の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背面側に露出した状態となっている。ここで、図8に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図8は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85(図6参照)を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94(図6参照)と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置94が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,作動入球部83の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口用の検知センサと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する入賞装置用の検知センサと、作動入球部83等に入った遊技球を検知する作動入球部用の検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知手段が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲート用の検知センサが設けられている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図9は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示したように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、図9に示すように、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)へ各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿28aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿29aに通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル45の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
本パチンコ機10(詳しくは主制御装置162)は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。上記主制御装置162には、RAM消去スイッチ166が設けられている。当該RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、主制御装置162に記憶されているRAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、本実施の形態に示す遊技盤80においては、センターフレーム95の上枠部に犬の顔(以下、キャラクタという)を模した造形(装飾体)として装飾ユニット300が配設されている。装飾ユニット300は可動式となっており、状況に応じてその形態が変化する。これにより、キャラクタの表情が変わる。本実施の形態においては、この装飾ユニット300に係る構成が特徴的なものとなっている。以下、図10及び図11を参照して、それら特徴的な構成について補足説明する。図10は装飾ユニット300及びその周辺構成を示す図6の部分拡大図、図11(a)は図10(a)のA−A線部分断面図、図11(b)は図10(b)のB−B線部分断面図である。
(装飾ユニット300)
図10(a)に示すように、装飾ユニット300は、遊技盤80に対する取付部としてのベース体301と、ベース体301に取り付けられている装飾ブロック302とを有しており、ベース体301が遊技盤80に固定されることで当該遊技盤80と一体化されている。このように装飾ユニット300が一体化された状態では、当該装飾ユニット300がセンターフレーム95の上枠部から上方に突出している。
装飾ブロック302は、上下一対となるように構成された横長状の装飾部材320,330を有してなり、それら装飾部材320,330の組み合せによってキャラクタの口周り(口及び鼻)が形成されている。具体的には、上側の装飾部材320(以下、上側装飾部材320という)によって上顎部分が形成され、下側の装飾部材330(以下、下側装飾部材330という)によって下顎部分が構成されている。
既に説明したように、遊技盤80は、木製の板材と板材の前面部分に貼り付けられたシート材80a(所謂セルシート)とを有してなる。このシート材80aにてセンターフレーム95の上方となる部分には犬の顔(口及び鼻を除く)を模した絵柄が印刷されている。この絵柄は上記造形における不足部分(例えば目や耳等)を補完しており、シート材80aに印刷された平面的な絵柄と装飾ユニット300からなる立体的な造形とによってキャラクタの顔が構築されている。このように、キャラクタの少なくとも一部を立体的な造形とすることにより、キャラクタの存在感を強調することが可能となっている。
各装飾部材320,330は遊技盤80の前面よりも前方に膨出しており、その膨出量については遊技球の直径寸法よりも大きくなっている。また、各装飾部材320,330とガラスパネル31との隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、装飾部材320,330の前方を遊技球が通過不可となっている。
上側装飾部材320はベース体301に固定された非可動部材であり、下側装飾部材330はベース体301によって遊技盤80の前面と平行、詳しくはそれら装飾部材320,330の並設方向(上下方向)にスライド移動可能に保持された可動部材(「可動体」に相当)である。図11(a)に示すように、ベース体301には、下側装飾部材330を昇降させる昇降手段としての駆動機構340と、下側装飾部材330の上限位置及び下限位置を規定するストッパとが設けられている。
駆動機構340は、駆動部と、当該駆動部にて発生した駆動力を下側装飾部材330に伝えるリンク部とを有してなる。駆動部は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動力によって動作する構成となっている。これにより、下側装飾部材330の位置が主制御装置162によって制御される。
また、駆動機構340には、上記駆動部及びリンク部の他に、下側装飾部材330を上限位置に付勢する付勢部が設けられている。付勢部の付勢力は、下側装飾部材330を当該下側装飾部材330の自重等に抗して上限位置に留めることが可能となるように設定されている。詳細については後述するが、本実施の形態においては上側装飾部材320と下側装飾部材330との間に遊技球を挟み込むことで当該遊技球を後方へ案内する構成となっている。この際、挟み込まれる遊技球の数や挟み込みの態様によって下側装飾部材330を上限位置に復帰させる際に必要な力が大きくなり得る。この点、本実施の形態に示す駆動機構340については、下側装飾部材330の復帰時にも駆動部を動作させる構成となっており、当該下側装飾部材330の復帰がアシストされることとなる。
下側装飾部材330の上面部331は上側装飾部材320の下面部321に対峙している。下側装飾部材330が上限位置(待機位置)に配置されている状態では、上側装飾部材320の下面部321と下側装飾部材330の上面部331とが当接している。これにより、キャラクタの口(上顎及び下顎)が閉じた状態となっている。
図10に示すように、下側装飾部材330が待機位置から下限位置へ降下することにより、当該下側装飾部材330(上面部331)が上側装飾部材320(下面部321)から離間して、両装飾部材320,330の間に遊技球の直径寸法よりも大きな隙間が生じる。これにより、キャラクタの口が開いた状態となる。
両装飾部材320,330の間に形成された隙間は、左右に延びており装飾ブロック302の側方に開放されている。これにより、遊技領域PEには、横長となる球通路306及び当該球通路306の入口部分305が形成され、遊技領域PEに「入球部」が出現することとなる。これら球通路306及び入口部分305が「入球部」に相当する。
下側装飾部材330が上限位置に待機している状態では、下側装飾部材330の上面部331、すなわち下側装飾部材330及び上側装飾部材320の境界部分がセンターフレーム95の上面よりも上側に位置している。これに対して、下側装飾部材330が下限位置へ降下すると、下側装飾部材330の上面部331はセンターフレーム95の上面よりも僅かに下側に位置することとなる。このように、センターフレーム95の上面を僅かながら下側装飾部材330の上面部331よりも上側に位置させることにより、上記入口部分305に入った遊技球が当該入口部分305から流出しにくくしている。
下側装飾部材330の上面部331は球通路306の底部を構成している。上面部331は横長状をなしており、複数の遊技球が左右に並んだ状態で停留し得る構成となっている。上面部331にて左右の端部寄りとなる部分には、凹部332が形成されている。これにより、入口部分305から流入した遊技球が当該入口部分305から流出することを抑制している。但し、左右に開放されている入口部分305に流入する遊技球については横向きの移動成分を有していることが前提となる。このため、仮に一方の入口部分305から流入した遊技球が他方の入口部分305から流入した遊技球に衝突した場合には、遊技球が入口部分305に向けて勢いよく跳ね返る可能性がある。これは、入口部分305を通じて遊技球が流出する(零れる)要因になり得る。
この点、上面部331にて凹部332の間となる部分には、凹部332の深さよりも高くなるように形成された凸部333が形成されている。このように、長手方向(横方向)における中央部分を上方に凸となるように隆起させることにより、上述したような遊技球同士の衝突を抑え、遊技球の流出を抑制している。なお、上側装飾部材320の下面部321についても、上面部331の凹凸に合せて凹凸が形成されている。これにより、下側装飾部材330が上限位置に配置された状態では、上側装飾部材320の下面部321と下側装飾部材330の上面部331とが合致している。
図11に示すように下側装飾部材330は、上面部331がベース体301の前板部311側(遊技機後方)に僅かに下り傾斜となるように形成されている。これにより、上面部331上に位置する遊技球のガラスパネル31側への移動を抑制している。上面部331の傾斜先には、ベース体301の前板部311が位置しており、この前板部311によって遊技球の後方への移動が妨げられている。
前板部311にて上限位置に配置された下側装飾部材330と対峙する部分には開口312が形成されている。開口312は、犬の口が閉じている状態(下側装飾部材330が上限位置に配置された状態)では、上側装飾部材320及び下側装飾部材330によって遊技機前方から塞がれている。装飾部材320,330は有色不透明な合成樹脂材料からなる。開口312が装飾ブロック302の背後に隠れることにより、遊技機前方からの当該開口312の視認が妨げられている。
開口312に入った遊技球は、遊技盤80の背面側に案内され、上述した回収通路150を経由して遊技ホールの島設備に返却される。回収通路150には、開口312に入った遊技球を検知する検知センサが設けられている。検知センサは主制御装置162に接続されており、主制御装置162ではこの検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて入球の有無を把握する。
装飾ユニット300の変形によって出現する入球部については、上記作動入球部83と同様に、入球に基づいて上記特別遊技状態へ移行させるか否かの内部抽選が実行される「作動入球部400」として機能する。但し、作動入球部83については入球が常時許容されている構成であるのに対して、装飾ユニット300によって形成される作動入球部400については特定の状況下においてのみ出現する構成、すなわち状況に応じて出現している状態(例えば受入状態)と出現していない状態(例えば非受入状態)とに切り替わる構成となっており、入球のタイミングが限定されている。
可変表示ユニット85の側方(詳しくは左右両側)には上記スルーゲート84が配置されている(図6参照)。遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとしたサポート抽選にて当選となった場合には、作動入球部400が所定期間だけ出現することとなる。出現/非出現の切替態様としては、出現頻度(入球の発生頻度)が相対的に高くなるように設定された高頻度出現モード(高頻度入球モード)と、出現頻度(入球の発生頻度)が相対的に低くなるように設定された低頻度出現モード(低頻度入球モード)とが設定されている。各作動入球部83,400への入球に基づく抽選によって所定の当たり結果となった場合に低頻度出現モードから高頻度出現モードへ移行する。高頻度出現モードへ移行することにより、遊技者は遊技を有利に進めることができる。
次に、図12を参照して、作動入球部400への入球の様子について説明する。図12(1)群は装飾ユニット300を正面から見た概略図、図12(2)群は上側装飾部材320及び下側装飾部材330の位置関係を示す装飾ブロック302の縦断面図である。
図12(a)に示すように、下側装飾部材330が上限位置にて待機している状態では、シート材80aの絵柄、上側装飾部材320及び下側装飾部材330によって口を閉じた犬のキャラクタが構成されている。この状態では、作動入球部400(球通路306及び入口部分305)は形成されておらず、開口312についても両装飾部材320,330の背後に隠れている。これにより、開口312は視認不可となっている。
図12(a)→図12(b)に示すように、下側装飾部材330が上限位置から下限位置へ降下すると、それら装飾部材320,330の間(装飾ブロック302の中央)に遊技球が通過可能な隙間が生じ、球通路306が形成される。そして、この球通路306への導入部としての入口部分305が装飾ブロック302の左右両側に形成される。これにより、遊技領域PEに作動入球部400が出現する(追加される)こととなる。この状態では、それまで閉じていたキャラクタの口が開くことにより、キャラクタの外観も変化する。
遊技領域PEに発射された遊技球のうち装飾ユニット300の側方を通過するものが、入口部分305を通じて装飾ユニット300内に流入すると、それら遊技球は、下側装飾部材330の上面部331上を左右に揺動等しながら、当該上面部331に停留する。下側装飾部材330の上面部331はセンターフレーム95の上面よりも僅かに低くなっているため、停留中の遊技球の入口部分305を通じた流出が抑制される。
下側装飾部材330については、所定の期間に亘って下限位置に留まる。これにより、複数の遊技球が作動入球部400に入りやすくなっている。この状態では、ベース体301に形成された開口312が上面部331よりも上方に位置している。このため、球通路306に停留中の遊技球が開口312に向けて移動することが抑制される。これは、停留している遊技球の数を増やす工夫である。
図12(b)→図12(c)に示すように、下側装飾部材330が下限位置から上限位置へ上昇すると、上面部331に載っている遊技球が下側装飾部材330の動きに追従して上方へ持ち上げられる。この過程にて上面部331が開口312の下端よりも上側に至ることにより、下側装飾部材330から開口312への遊技球の移動が可能となる。
ここで、上側装飾部材320の下面部321については、後方に上る傾斜面となっている。上方へ押し上げられた遊技球が上側装飾部材320の下面部321に押し当てられると、それら遊技球は下面部321に沿って後方、すなわち開口312に向けて移動する。これにより、開口312への入球が促される。本実施の形態においては、下側装飾部材330(上面部331)が横長となっており、遊技球の待機位置がばらつく可能性がある。そこで、下面部321には当該下面部321に押し当てられた遊技球を遊技機後方へ案内する案内機能だけでなく、幅方向における中央(開口312側)へ案内する機能が付与されており、下側装飾部材330によって押し上げられた遊技球が引っ掛かる等して当該下側装飾部材330の上限位置への移動が妨げられることを抑制している。
図12(c)→図12(d)に示すように、下側装飾部材330が上限位置に復帰すると、キャラクタの口が閉じた状態となる。そして、遊技領域PEに出現していた球通路306及び入口部分305が消失し、且つ開口312が装飾部材320,330の背後に再び隠れる。これにより、作動入球部400が消え、装飾ユニット300に付与された遊技球の受入機能がOFFとなる。
以上詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
作動入球部400が形成されていない状況下においては、シート材80aの絵柄、上側装飾部材320及び下側装飾部材330によって犬を模したキャラクタが表示されている。装飾体としての機能が付与された装飾ユニット300の形態が変化することで、遊技領域PEに突如として作動入球部400が出現する。このように、キャラクタ表示機能が付与された構成によって作動入球部400を形成することにより、意外性を強化し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
立体的な造形(フィギュア)を用いてキャラクタを表示する構成とした場合には、平面的な絵柄によってキャラクタを表示する場合と比較して、その存在感を強くすることができる。これは、遊技機の見栄えを向上する上で好ましい構成である。しかしながら、立体的な造形を遊技領域に配設する場合には、見栄えの向上に伴ってその占有領域が嵩む。これは、周辺に配設された他の遊技部品との共存を図る上で妨げになる。
この点、本実施の形態に示す装飾ユニット300については、状況に応じて作動入球部400として機能する。このように、表示部としての機能と入球部としての機能とを併有することにより、領域に係る課題を好適に解決することができる。
特に、装飾部材320,330を遊技盤80の前面に沿うようにして配列し、更に「可動体」としての下側装飾部材330が遊技盤80の前面に沿って移動する構成とした場合には、キャラクタの表示形態を変化させる際に、それを目立ちやすくすることができる。しかしながら、このような構成では下側装飾部材330の動作領域を確保する上で、装飾ユニット300の占有領域が嵩みやすくなる。この点、当該装飾ユニット300を作動入球部400として機能させることにより、作動入球部400についても大型化することができ、遊技領域PEの圧迫を好適に抑制できる。
また、一見すると単なるキャラクタを表示している装飾ユニット300によって、作動入球部400が形成される構成とすれば、作動入球部を擬態させることができる。そもそも、可変式の作動入球部ついては、固定式の作動入球部83と比較して、活用頻度が低くなる。このような事情に鑑みても、出番でない場合には表示機能が発揮される構成とすることには技術的意義がある。
作動入球部400が出現した場合であっても、キャラクタの表示機能が無効化されるわけではなく、表示の形態は変化するもののキャラクタの表示は継続される。これにより、例えばキャラクタの表示が行われなくなる構成と比較して、作動入球部400が出現した際の見栄えの低下を好適に抑制できる。
なお、作動入球部400の出現に併せて装飾ユニット300の外観を変化させることにより、作動入球部400の出現を好適に示唆することができるため、作動入球部400の出現が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
作動入球部400を形成する上では、その入口部分305をある程度大きくすることにより入球発生の期待を好適に煽ることができる。ここで、遊技球が自重によって遊技領域PEを流下する点に鑑みれば、入口部分305を横向きとすることは、遊技球の過剰な入球を抑制しつつ入口部分305の大きさを稼ぐ上で有利となる。特に、上下の装飾部材320,330の間に横向きの入口部分305が形成される構成では、上側の装飾部材320を防壁として利用できる。故に、視覚的変化を大きくして作動入球部400が出現していることを強調したとしても、装飾部材320,330の位置関係の変化によって過度に多くの入球が発生することを簡易な構成によって実現できる。
また、「可動体」である下側装飾部材330は上側装飾部材320に対して下方から重なるように配置されており、当該上側装飾部材320の下方となる領域をその動作領域としている。このため、遊技領域PEを流下する遊技球のうち下側装飾部材330に向かうものについては、少なくともその一部は上側装飾部材320に当たり、下側装飾部材330への衝突が抑制される。これにより、可動式の下側装飾部材330を保護し、動作の安定化に貢献できる。
上述したように入口部分305が側方を向く構成では、その大きさが「可動体」の変位量に依存する。入口部分を大きくしようとすれば、変位量を大きくする必要が生じるため、作動入球部を出現させる際の応答性が低下する。この点、本実施の形態に示す構成によれば、「可動体」としての下側装飾部材330の変位によって左右に入口部分305が形成される。このため、入口部分305の大きさを稼ぎつつそれに起因した上記応答性の低下を好適に抑制できる。
ベース体301に形成された開口312は、作動入球部400が出現したいない状態では装飾ブロック302の背後に隠れており、作動入球部400の出現時に遊技機前方に露出した状態となるように構成されている。これにより、作動入球部400の出現時の視覚的な変化を強化している。
上述したように作動入球部400の入口部分305が横向きである構成では、遊技球は当該入口部分305に入る際に横向きに移動することとなる。そこで、球通路306の下面を構成している部分(下側装飾部材330の上面部331)を遊技球が横方に転動可能な転動面とすることにより、遊技球の動きを目で追いやすくしている。このように、開口312に入る前の遊技球を目視で捕捉する機会を設けることで、入球の有無の目視による確認を容易化できる。
作動入球部400に対して左右両側から遊技球が入球し得る構成においては、一方から流入した遊技球が他方から流入した遊技球に衝突した場合に、衝突した遊技球が勢い余って入球部から飛び出す(零れる)可能性が生じる。この点、本実施の形態においては上面部331の中央部分に凸部333を設けることで、遊技球同士の衝突を抑制している。故に、上述した遊技球の飛び出しを抑えることができる。なお、凸部333は転動方向の中央に位置している。これにより、当該凸部333が入球の邪魔になることを回避している。
下側装飾部材330は昇降可能に構成されており、下側装飾部材330が上昇することにより、当該下側装飾部材330(上面部331)に停留中の遊技球を下側装飾部材330とともに上昇させることができる。このように遊技領域PEにおける通常の遊技球の動きとは逆の動き(下から上への動き)を発生させることにより、遊技球の動きの意外性を強化できる。
下側装飾部材330により持ち上げられた遊技球は上側装飾部材320(下面部321)に当たることにより、遊技機後方(開口312)に案内されることとなる。2つの装飾部材320,330によって挟まれることで遊技球の変位方向が変わる構成とすれば、遊技球の動きを斬新なものとすることができる。これにより、遊技球の動きへの注目度の向上に貢献できる。
下側装飾部材330が下限位置に配置されている最中に入口部分305に入った遊技球は前板部311(「壁部」に相当)によって停留中の遊技球の後方への変位が規制されることとなり、上面部331上に留まる。これにより、遊技球が停留することなくそのまま開口312へと流入してしまうことを抑制し、複数の遊技球をまとめて一気に取り込むことができる。複数の遊技球の停留(ストック)後に、下側装飾部材330が上限位置へと移動して作動入球部400が消える際に、それら遊技球が一括して取り込まれることとなる。このように、入球体態様にメリハリを設けることで、遊技球の動きへの注目度を好適に向上させることができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、装飾ユニット300が変形することで遊技回の実行契機として機能する作動入球部400が遊技領域PEにて形成される構成としたが、所定の条件が成立した場合に動作する可変式の入球部であれば足り、どのような種類の入球部を形成するかについては任意である。例えば、特別遊技状態へ移行することで開放されるタイプの可変入球部が形成される構成としてもよい。また、内部に有利入球部が形成された役物の入口を上記構成を用いて形成してもよい。
(2)上記実施の形態では、装飾ブロック302を構成する2つの装飾部材320,330のうち下側の装飾部材330を降下させることにより遊技領域PEに作動入球部400(「入球部」に相当)が形成される構成とした。これを変更し、上側の装飾部材320を上昇させることにより遊技領域PEに作動入球部が形成される構成とすることも可能である。
(3)上記実施の形態では、上側装飾部材320及び下側装飾部材330のうち下側装飾部材330を「可動体」としたが、上側装飾部材320及び下側装飾部材330の両者を「可動体」とすることも可能である。
(4)上記実施の形態では、遊技盤80のシート材80aに形成された絵柄と装飾ユニット300により形成される造形とを組み合わせることでキャラクタを構成したが、装飾ブロック302単独でキャラクタを構成することも可能である。
また、装飾部材が立体的な構造物であることからキャラクタを立体的に表示したが、キャラクタを立体的に表示する必要はなく、平面的な表示とすることも可能である。
(5)上記実施の形態では、上側装飾部材320及び下側装飾部材330によって所定の装飾(キャラクタの口周り)を構成したが、これに限定されるものではない。例えば上側装飾部材320に相当する構成を遊技盤80のシート材80aに印刷し、この印刷された絵柄と下側装飾部材330によって所定の装飾を構成してもよい。
(6)装飾ユニット300に付与された「入球部」としての機能を目立ちにくくする上では、「入球部」が形成されていない状況下にてキャラクタを表示する装飾としての機能が主として発揮されるのであれば足り、装飾ユニット300によってどのようなキャラクタを表示するかについては任意である。例えば、図13(a)の概略図に例示しているように、装飾ユニット300Aによって表示するキャラクタを植物(例えば桃)とすることも可能である。
(7)上記実施の形態では、「入球部」を構成する入口部分305が側方を向く構成としたが、入口部分305の向きについては任意である。例えば、図13(a)の概略図に例示しているように、「入球部」の入口部分305Aが上方を向く構成とすることも可能である。
(8)上記実施の形態では、「可動体」としての下側装飾部材330をスライド式としたが、遊技盤80の前面と平行に移動するのであれば足り、その動作態様については任意である。例えば、図13(a)に示すように「可動体」に相当する構成(装飾部材320A,330A)を回動式とすることも可能である。
(9)上記実施の形態では、下側装飾部材330の移動に伴って上側装飾部材320と下側装飾部材330とが離間することにより「入球部」が形成される構成としたが、これを変更し、部材同士が近づくことにより「入球部」が形成される構成としてもよい。例えば、図13(b)の概略図に示す遊技ユニット300Bについては、遊技球の流下経路から外れた位置に配置され且つ遊技球の入口325Bが形成された入口形成部材320Bと、上記流下経路上に位置し遊技球を所定位置に案内する可動部材330Bとを有している。可動部材330Bは、入口形成部材320Bから離れた待機位置と入口形成部材320Bに近接する近接位置とに移動可能となっている。可動部材330Bが近接位置に配置された状態では可動部材330Bによる遊技球の案内先に入口325Bが位置する。これにより、遊技領域PEに可動部材330B及び入口形成部材320Bからなる「入球部」が形成される。
(10)上記実施の形態では、装飾ユニット300によって「入球部」が形成されている場合と形成されていない場合の両方にて犬のキャラクタが表示される構成とした。より詳しくは、「可動体」としての下側装飾部材330の位置によって口周りの形が変化してはいるものの、共に犬のキャラクタが表示される構成とした。これを変更し、可動部材の配置(状態)に応じて、形成されるキャラクタの種類が変更される構成とすることも可能である。
以下、図14(c)の概略図を参照してその具体例を説明する。図14(c)に示す遊技ユニット300Cについては、基本構造は図13(b)と同様であるものの入口形成部材及び可動部材の前面部分に装飾が施されたパネル材が装着されている点で相違している。入口形成部材320Cに付属のパネル材326Cには花及びライオンを抽象化した装飾が施されており、可動部材330Cに付属のパネル材336Cには葉を抽象化した装飾が施されている。可動部材330Cが非案内位置(離間位置)に配置されている状態では花(詳しくはひまわり)を模したキャラクタが表示されている。この際、葉の筋の模様を見せるころにより、両部材320C,330Cがあたかも花を抽象化したものであるかのように見せるべく遊技者のイメージを誘導している。可動部材330Cが案内位置(近接位置)に配置されている状態では当該可動部材330Cの大部分が入口形成部材320Cの背後に隠れることとなる。葉の先端部分が入口形成部材320Cとの重なりが回避される位置に突出している一方、上記筋の模様については可動部材330Cの背後に隠す構成とすることにより、可動部材330Cがあたかも動物の手であるかのように見せるべく遊技者のイメージを誘導している。これにより、キャラクタが植物から動物(詳しくは手を広げたライオン)を模したものに変更されたように見せている。
(11)上記実施の形態では、装飾ユニット300によってキャラクタを表示する構成としたが、これに限定されるものではない。「入球部」としての機能以外の機能を有しているのであれば足り、例えば遊技領域PEにて流下経路を規定する案内通路としての機能を有する構成としてもよいし、絵柄等を可変表示する可変表示手段(例えば表示画面)としての機能を有する構成としてもよい。
(12)上記実施の形態に示した装飾ユニット300では、左右両側部に入口部分305が形成される構成としたが、入口部分305の数については任意であり、2つの入口部分305のうち一方を省略とすることも可能である。
(13)上記実施の形態においては、下側装飾部材330に遊技球を一時的に貯留する貯留機能を付与したが、この機能を有さない構成とすることも可能である。すなわち、下側装飾部材330の上面部331に到達した遊技球は、速やかに開口312へ案内される構成とすることも可能である。例えば、開口312の下端縁が上面部331よりも下側に位置するようにして開口312の位置を下方にずらすとよい。
(14)上記実施の形態に示したように入口部分305が横向きなる場合には、入口部分が縦向きとなっているものと比較して、入球が発生しづらくなる。このような事情に配慮した場合、例えば装飾ユニット300周辺での遊技球の流下経路が入口部分305を向くようにして遊技釘87等を配設することも可能である。
入球確率を上げる上では、入口部分305自体を大きくすることも可能である。但し、単にこのような対策を講じた場合には、複数の遊技球が一気に流れ込むことで球詰まり等の不都合が発生しやすくなると懸念される。入口部分305の大きさを無暗に大きくするのではなく、装飾部材を多段化して入口部分及び球通路の数を増やす構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
具体的には、図14(d)の概略図に示すように、装飾ユニット300Dを縦並びとなるように配列された3つの装飾部材320D,330D,350Dによって構成する。上段の装飾部材320Dを固定式とし、中段の装飾部材330D及び下段の装飾部材350Dを各々昇降可能とする。これにより、上段の装飾部材320Dと中段の装飾部材330Dとの間に球通路306D及び入口部分305Dを形成し、中段の装飾部材330Dと下段の装飾部材350Dとの間に球通路308D及び入口部分307Dを形成する。
(15)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群> 入球部出現
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から突出するようにして設けられた可動体(下側装飾部材330)を有する役物ユニット(装飾ユニット300)と
を備え、
前記可動体の変位に基づいて前記役物ユニットの形態が変化することにより、当該役物ユニットによって前記遊技領域の遊技球が入球可能な入球部(作動入球部400)が形成され、
前記役物ユニットは、少なくとも前記入球部が形成されていない状態では当該役物ユニットによって前記入球部としての機能とは異なる所定の機能(例えばキャラクタを表示する機能)が発揮されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、可動体の変位によって役物ユニットの形態が変化すると、遊技領域に遊技球が入球可能な入球部が形成される。このように、入球部としての機能以外の機能(例えばキャラクタを模した造形等の装飾を表示する機能や遊技球を案内する案内通路を形成する機能)が付与された役物ユニットが可動体の変位によって形態を変え、それによって入球部が形成される構成とすれば、遊技領域にて入球部が突然出現したように見せることができる。このようにして意外性を強化することにより、遊技への注目度の向上に貢献できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、前記遊技盤の前面から突出するようにして設けられた第1ユニット構成体(上側装飾部材320)及び第2ユニット構成体(下側装飾部材330)を有し、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体の少なくとも一方が他方に対して近づく側及び遠ざかる側に変位可能な可動体となるように構成された遊技ユニット(装飾ユニット300)とを備え、前記可動体の変位によって前記遊技ユニットの形態が変化することにより、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体によって前記遊技領域の遊技球が入球可能な入球部(作動入球部400)が形成され、前記遊技ユニットは、前記入球部が形成されていない状態では、当該遊技ユニットによって前記入球部としての機能とは異なる所定の機能が発揮されるように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から突出するようにして設けられた第1ユニット構成体(上側装飾部材320)及び第2ユニット構成体(下側装飾部材330)を有し、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体の少なくとも一方が他方に対して近づく側及び遠ざかる側に変位可能な可動体となるように構成された役物ユニット(装飾ユニット300)と
を備え、
前記役物ユニットは、少なくとも前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体が所定の待機位置に配置されている状態では、それら第1ユニット構成体及び第2ユニット構成体によって所定の装飾(例えば犬のキャラクタ)を形成する構成となっており、
前記可動体の変位に基づいて前記役物ユニットの形態が変化することにより、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体によって前記遊技領域の遊技球が入球可能な入球部(作動入球部400)が形成されることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、入球部が形成されていない状況下においては第1ユニット構成体及び第2ユニット構成体によって所定の装飾が形成されている。ここで、可動体の変位に基づいて役物ユニットの形態が変化し、それによって入球部が形成される構成とすれば、遊技領域にて入球部が突然出現したように見せることができる。このように、入球部以外の機能が付与された構成によって入球部が形成される構成とすれば、意外性を強化し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特徴A3.遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から突出するようにして設けられた第1ユニット構成体(上側装飾部材320)及び第2ユニット構成体(下側装飾部材330)を有し、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体の少なくとも一方が他方に対して近づく側及び遠ざかる側に変位可能な可動体となるように構成され、少なくとも前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体が所定の待機位置(例えば上限位置)に配置されている状態では、それら第1ユニット構成体及び第2ユニット構成体によって所定の装飾(例えば犬のキャラクタ)が形成されるように構成された装飾ユニット(装飾ユニット300)と
を備え、
前記可動体の変位に基づいて前記装飾ユニットの形態が変化することにより、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体によって前記遊技領域の遊技球が入球可能な入球部(作動入球部400)が形成されることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、入球部が形成されていない状況下においては第1ユニット構成体及び第2ユニット構成体によって所定の装飾が形成されている。ここで、可動体の変位によって装飾ユニットの形態が変化し、それによって入球部が形成される構成とすれば、入球部が突然出現したように見せることができる。このように、入球部以外の機能が付与された構成によって入球部を形成する構成とすることにより、意外性を強化し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特徴A4.前記装飾ユニットによって前記入球部が形成されている状態では、当該装飾ユニットによって表示されている前記所定の装飾の表示態様が、前記入球部が形成されていない状態での表示態様とは異なる構成となっていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、入球部の出現に合せて所定の装飾の表示態様を変化させる構成、すなわち所定の装飾の表示が維持される構成とすれば、例えば所定の装飾の表示が行われなくなる構成と比較して、入球部が出現した際に見栄えが低下することを抑制できる。
また、入球部の出現に併せて装飾ユニットの外観を変化させることにより、入球部の出現を好適に示唆することができるため、入球部が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A5.前記可動体は、前記遊技盤の前面と平行となる所定方向(例えば上下方向)に変位可能となっており、
前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体は、前記所定方向に並べて配置されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5に示す配置及び動作態様とした場合には、例えば可動体が遊技盤の厚さ方向に変位する構成と比較して両ユニット構成体の位置関係の変化を目立たせることができる。但し、このような構成では、可動体の存在が遊技領域を圧迫する要因になり得る。そこで、特徴A3等に示した技術的思想を適用し、可動体の動きを利用して装飾の表示の切り替えを行う機能や入球部を出現させる機能を発揮させる構成すれば、上記課題を好適に解消できる。
特徴A6.前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体は、縦に並べて配置されており、
前記可動体は、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体の並設方向に変位可能となっており、
前記可動体の変位に伴って前記第1ユニット構成体と前記第2ユニット構成体との間に前記入球部の入口部分(入口部分305)が形成され、
前記入口部分が横向きとなるように構成されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
入球部を形成する上では、入口部分をある程度大きくすることにより入球発生の期待を好適に煽ることができる。ここで、遊技球が自重によって遊技領域を流下する点に鑑みれば、入口部分を横向きとすることは、遊技球の過剰な入球を抑制しつつ入口部分の大きさを稼ぐ上で有利となる。特に、上下のユニット構成体の間に横向きの入口部分が形成される構成では、上側に位置するユニット構成体を防壁として利用できる。故に、視覚的変化を大きくして入球部が出現していることを強調したとしても、ユニット構成体の位置関係の変化によって過度に多くの入球が発生することを簡易な構成によって実現できる。
特徴A7.前記入球部の入口部分は、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体の左右両端となる位置に形成されることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A6に示したように入口部分が側方を向く構成では、その大きさが可動体の変位量に依存する。入口部分を大きくしようとすれば、変位量を大きくする必要が生じるため、入球部を出現させる際の応答性が低下する。この点、本特徴に示すように、可動体の変位によって左右に入口部分を出現させる構成とすれば、入口部分の大きさを稼ぎつつそれに起因した上記応答性の低下を好適に抑制できる。
特徴A8.前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体は、前記第1ユニット構成体が前記第2ユニット構成体の上側となるようにして上下に並べて配置されており、
前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体のうち前記第2ユニット構成体が前記第1ユニット構成体に対して近づく側及び遠ざかる側に変位可能な前記可動体となっていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、可動体である第2ユニット構成体は第1ユニット構成体の下方にて動作する。このため、遊技領域を流下する遊技球のうち第2ユニット構成体に向かうものについては第1ユニット構成体に当たり、第2ユニット構成体への衝突が抑制される。これにより、第2ユニット構成体を保護し、動作の安定化に貢献できる。
特徴A9.前記入球部に入球した遊技球を遊技機後方へ案内する開口部(開口312)が形成されており、
前記開口部は、前記入球部が形成されていない状態にて前記可動体の背後に隠れる位置に配設されており、前記入球部が形成された状態では前記可動体が当該開口部との重なりが回避される位置へ変位することで遊技機前方に露出した状態となるように構成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、入球部が形成されることに伴って開口部が出現することにより、視覚的な変化を強調できる。
特徴A10.前記入球部に入球した遊技球を遊技機後方へ案内する開口部(開口312)が形成されており、
前記第2ユニット構成体の上面(上面部331)は、横方向に遊技球が転動する転動面となっていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、入口部分が横向きである構成では、入口部分を通過した遊技球をその勢いによって横方に転動させることにより、遊技球の動きを目で追いやすくなる。このように、開口部に入る前の遊技球を目視で捕捉する機会を設けることで、入球の有無の目視による確認を容易化できる。
特徴A11.前記入球部の入口部分は、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体の左右両端となる位置に形成されており、
前記第2ユニット構成体の上面にて前記横方向における中央となる部分には、上方に凸となる凸部(凸部333)が形成されていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
左右両側から遊技球が入球し得る構成においては、一方から流入した遊技球が他方から流入した遊技球に衝突した場合には、衝突した遊技球が勢い余って入球部から飛び出す(零れる)可能性が生じる。この点、本特徴に示すように第2ユニット構成体の上面に凸部を設けることで、遊技球同士の衝突を抑制できる。故に、上述した遊技球の飛び出しを抑えることができる。
また、凸部は転動方向の中央に位置しているため、当該凸部が入球の邪魔になることを回避できる。
特徴A12.前記第2ユニット構成体は、昇降可能に構成された前記可動体となっていることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第2ユニット構成体が上昇することにより、当該第2ユニット構成体(上面)に停留中の遊技球を第2ユニット構成体とともに上昇させることができる。このように遊技領域における通常の遊技球の動きとは逆の動き(下から上への動き)を発生させることにより、遊技球の動きの意外性を強化できる。
特徴A13.前記第1ユニット構成体の下面部には、下方から遊技球が押し当てられた場合に、当該遊技球を後方へ案内する案内部(例えば傾斜)が形成されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、第2ユニット構成体により持ち上げられた遊技球は第1ユニット構成体(下面部)に当たることにより、遊技機後方(例えば上記開口部)に案内されることとなる。2つのユニット構成体によって挟まれることで遊技球の変位方向が変わる構成とすれば、遊技球の動きを斬新なものとすることができる。これにより、遊技球の動きへの注目度の向上に貢献できる。
特徴A14.前記開口部は、前記可動体に遊技機後方から対峙する壁部(前板部311)に設けられており、
前記第2ユニット構成体が降下位置(例えば下限位置)に配置されている状態では当該第2ユニット構成体の上面よりも上側に前記開口部が位置し、当該上面に載っている遊技球の後方への移動が前記壁部によって規制される構成となっていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
遊技球が第2ユニット構成体の上面にて停留することなくそのまま開口部へと流入してしまった場合には、特徴A12等に示したように複数の遊技球をまとめて一気に取り込むことが困難になる。この点、本特徴に示すように、第2ユニット構成体が降下位置に配置されている状態では壁部によって停留中の遊技球の後方への変位を規制することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A15.前記可動体が変位することにより、前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体が、離間状態及び近接状態に切り替わる構成となっており、
前記第1ユニット構成体及び前記第2ユニット構成体が近接状態となることにより、前記入球部が形成されることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A15によれば、遊技領域にて複数のユニット構成体が合体することで入球部が形成される。このように、複数の構成を集合させて入球部を形成すれば、入球部が形成される際の見た目のインパクトを強化できる。
なお、特徴A4〜特徴A15に示した各技術的思想を、特徴A1又は特徴A2に適用することも可能である。この場合、特徴A1等に示した「役物ユニット」及び「遊技ユニット」と特徴A4等に示した「装飾ユニット」とを同一のものとすることも可能である。
<特徴B群> 可動体の動作態様
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技球の挙動に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球する受入状態、及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切替可能な可変入球手段(装飾ユニット300によって形成される作動入球部400)と
を備え、
前記可変入球手段は、前記遊技盤の前面から突出し且つ縦並びとなるように配置された第1構成体(上側装飾部材320)及び第2構成体(下側装飾部材330)を有し、
前記第1構成体及び前記第2構成体の少なくとも一方は、それら第1構成体及び第2構成体の並設方向と同じ方向に変位可能な可動体であり、
前記可変入球手段は、前記可動体の変位によって前記第1構成体及び前記第2構成体の間に遊技球が流入可能な隙間(球通路306)が生じることにより、前記非受入状態から前記受入状態に切り替わる構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、可動体が両構成体の並設方向(縦方向)に変位することにより、遊技球が流入可能な隙間が生じる。このように、新たに発生した隙間に遊技球が流入し得る構成とすれば、今までにない斬新な入球態様を実現することができる。
特徴B2.前記可変入球手段は、当該可変入球手段が前記受入状態となることで、前記第1構成体と前記第2構成体との間に前記隙間に通じる横向きの入口部分が形成されるように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、可動体の変位によって横向きの入口部分が形成される。可変入球手段を受入状態とする場合には、入口部分をある程度大きくすることにより入球発生の期待を好適に煽ることができる。ここで、遊技球が自重によって遊技領域を流下する点に鑑みれば、入口部分を横向きとすることは、遊技球の過剰な入球を抑制しつつ入口部分の大きさを稼ぐ上で有利となる。特に、上下の構成体の間に横向きの入口部分が形成される構成では、上側に位置する構成体を防壁として利用できる。故に、視覚的変化を大きくして入球部が出現していることを強調したとしても、構成体の位置関係の変化によって過度に多くの入球が発生することを簡易な構成によって実現できる。
特徴B3.前記入口部分は、前記第1構成体及び前記第2構成体の左右両端となる位置に形成されることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B2に示したように入口部分が側方を向く構成では、その大きさが可動体の変位量に依存する。入口部分を大きくしようとすれば、変位量を大きくする必要が生じるため、可変入球手段を受入状態/非受入状態に切り替える際の応答性が低下する。この点、本特徴に示すように、可動体の変位によって左右に入口部分を出現させる構成とすれば、入口部分の大きさを稼ぎつつそれに起因した上記応答性の低下を好適に抑制できる。
特徴B4.前記第1構成体及び前記第2構成体は、前記第1構成体が上側且つ前記第2構成体が下側となるように配置されており、
前記第2構成体は昇降可能な前記可動体であり、
前記第2構成体が降下することにより、前記第1構成体と前記第2構成体との間に前記入口部分が形成される構成となっていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、可動体である第2構成体は第1構成体の下方にて動作する。このため、遊技領域を流下する遊技球のうち第2構成体に向かうものについては第1構成体に当たり、第2構成体への衝突が抑制される。これにより、第2構成体を保護し、動作の安定化を図ることができる。
特徴B5.前記第2構成体の上面(上面部331)は、遊技球が停留可能な停留部を構成しており、
前記第2構成体が上昇する場合には、前記停留部に停留している遊技球が当該第2構成体に追従して上昇する構成となっていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第2構成体が上昇することにより、当該第2構成体(上面)に停留中の遊技球が第2構成体とともに上昇する。このように遊技領域における通常の遊技球の動きとは逆の動き(下から上への動き)を発生させることにより、遊技球の動きの意外性を強化できる。
特徴B6.前記第2構成体の後方には、前記入口部分に入った遊技球を遊技機後方へ案内する開口部(開口312)が形成されており、
前記第2構成体の上面(上面部331)は、横方向に遊技球が転動する転動面となっていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
入口部分が横向きである構成では、入口部分を通過した遊技球をその勢いによって横方に転動させることにより、遊技球の動きを目で追いやすくなる。このように、開口部に入る前の遊技球を目視で捕捉する機会を設けることで、入球の有無の目視による確認を容易化できる。
特徴B7.前記第1構成体の下面部には、下方から遊技球が押し当てられた場合に、当該遊技球を後方へ案内する案内部(例えば傾斜)が形成されていることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第2構成体により持ち上げられた遊技球は第1構成体(下面部)に当たることにより、遊技機後方(例えば上記開口部)に案内されることとなる。2つの構成体によって挟まれることで遊技球の変位方向が変わる構成とすれば、遊技球の動きを斬新なものとすることができる。これにより、遊技球の動きへの注目度の向上に貢献できる。
特徴B8.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤の前面から突出して設けられ、上下に対峙するようにして配設された第1構成体(上側装飾部材320)及び第2構成体(下側装飾部材330)と
を備え、
前記第1構成体及び前記第2構成体の少なくとも一方は、他方に対して遠ざかる側へ変位可能な可動体であり、当該変位によって第1構成体と第2構成体との間に横向きの入球口が形成されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B8によれば、可動体の変位によって横向きの入口部分が形成される。可変式の入球手段を受入状態とする場合には、入口部分をある程度大きくすることにより入球発生の期待を好適に煽ることができる。ここで、遊技球が自重によって遊技領域を流下する点に鑑みれば、入口部分を横向きとすることは、遊技球の過剰な入球を抑制しつつ入口部分の大きさを稼ぐ上で有利となる。特に、上下の構成体の間に横向きの入口部分が形成される構成では、上側に位置する構成体を防壁として利用できる。故に、視覚的変化を大きくして入球部が出現していることを強調したとしても、構成体の位置関係の変化によって過度に多くの入球が発生することを簡易な構成によって実現できる。
なお、特徴B2〜特徴B7に示した各技術的思想を本特徴に適用してもよい。
また、特徴A群に示した各技術的思想を特徴B群に適用することも可能である。
<特徴C群> 一括入球
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技球の挙動に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が設けられた遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態、及び当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態に切り替え可能な可変入球手段(装飾ユニット300によって形成される作動入球部400)と
を備え、
前記可変入球手段は、受入位置と非受入位置に変位可能な可動体(例えば下側装飾部材330)を有し、当該可動体が前記受入位置に配置されることで前記受入状態となり且つ前記非受入位置に配置されることで前記非受入状態となるように構成されており、
前記可動体の上面は、複数の遊技球が停留する停留部(下側装飾部材330の上面部331)を形成しており、
前記可動体が前記受入位置に配置されることで当該可変入球手段の入口部分から前記停留部に遊技球が案内され、前記可動体の前記受入位置から前記非受入位置に変位に伴って、前記停留部に停留している遊技球が前記可変入球手段の奥部(例えば開口312)へ案内される構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、受入状態となっている最中に可変入球部に入った遊技球は停留部上に留まる。このようにして、複数の遊技球の停留(ストック)後に、非受入状態へ切り替わることにより、それら遊技球が一括して取り込まれることとなる。このように、入球体態様にメリハリを設けることで、遊技球の動きへの注目度を好適に向上させることができる。
なお、可変入球手段については、受入状態となってから予め設定された期間が経過した場合に非受入状態に切り替わる構成とするとよい。
特徴C2.前記可動体は前記停留部に遊技球が停留している状態で上昇可能となっており、前記可変入球手段は前記可動体の昇降動作によって前記受入状態及び前記非受入状態に切り替わるものであり、
前記可変入球手段には、前記停留部に対向する対向部(例えば上側装飾部材320の上面部331)が設けられており、
前記対向部には、遊技球が押し当てられた場合に当該遊技球を前記可変入球手段の奥部(例えば開口312)へ案内する案内部(例えば傾斜)が形成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、可動体の停留部に遊技球が停留している状態で可動体が上昇すると、停留部に停留中の遊技球についても可動体に追従して上方に移動する。上方に持ち上げられた遊技球が対向部に当たると、それら遊技球は可変入球手段の奥部へと案内される。このような構成とすれば、特徴C1に示した一括取り込み機能を好適に実現することができる。
また、可動体の停留部と対向部とによって挟まれることで遊技球の変位方向が変わる構成とすれば、遊技球の動きを斬新なものとすることができる。これにより、遊技球の動きへの注目度の向上に貢献できる。
特徴C3.前記可変入球手段の奥壁部には、前記停留部を通じて遊技球が流入する開口部(開口312)が形成されており、
前記可変入球手段が前記受入状態となっている場合には、前記停留部に停留中の遊技球の後方への変位が前記奥壁部によって規制される構成となっていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
遊技球が停留部にて停留することなくそのまま開口部へと流入してしまった場合には、特徴C1に示したように複数の遊技球をまとめて一気に取り込むことは困難になる。この点、本特徴に示すように、受入状態となっている場合には奥壁部によって停留中の遊技球の後方への変位を規制することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C4.前記可変入球手段は、前記可動体よりも後側に位置し且つ前記停留部を通じて遊技球が流入する開口部(開口312)が形成されており、
前記開口部は、前記受入状態では前記停留部よりも上側に位置し且つ前記非受入状態では前記停留部と前後に重なるように構成されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、受入状態から非受入状態への切り替えに伴って停留中の遊技球がまとめて開口部へ流入することとなる。これにより、今までにない斬新な入球態様を実現することができる。
特徴C5.前記停留部には、下方に凹む凹部(凹部332)が形成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C2等に示したように停留部に遊技球が停留している状態にて可動体が上昇する構成においては、可動体の動きの乱れによって停留中の遊技球が可動体の上昇中にて停留部から零れる可能性がある。つまり、可動体の動きが球零れの要因になり得る。この点、本特徴に示すように停留部に凹部を形成すれば、凹部に入った遊技球の動きが規制され、上記零れの発生を好適に抑制できる。
なお、特徴A群及び特徴B群に示した各技術的思想の何れかを特徴C群に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル45)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(遊技釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。