JP2017192068A - 端末装置および通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の端末に負荷をかけずに基地局の負荷を軽減する。【解決手段】端末装置は、基地局と通信可能であり、取得部、要求部、通信部を備える。取得部は、基地局との通信に使用する識別情報を共有する1つ以上の端末装置のグループに参加すると、グループで使用される識別情報と、端末装置に識別情報の使用権限が割り当てられているかを表わす状態情報を取得する。要求部は、状態情報を用いて使用権限が割り当てられていないと判定した場合、基地局へ送信するデータを取得すると、使用権限をグループ中の他の端末装置に要求する。通信部は、使用権限が得られると、識別情報を用いて基地局と通信を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の端末装置を含むネットワークでの通信に関する。
M2M(Machine to Machine)モジュールは、飲料水やたばこの自動販売機、バスやタクシーの配送、運行管理などの様々なシステムに導入されている。さらに、最近では、M2Mモジュールの小型化、軽量化、省電力化が可能になったことから、M2Mモジュールの使用用途が幅広くなっている。例えば、M2Mモジュールは、電気、ガス、水道などの検針に用いられる他、ハンディターミナルや決済端末などにも用いられるようになってきている。また、無線アクセスネットワーク技術の進歩に伴い、通信の高速化や通信で送受信される情報の大容量化が進み、これまで以上のデータ量を送受信するM2Mモジュールが今後、増えて行くことが予想される。
図1は、M2Mモジュールを用いた通信処理の例を説明する図である。図1では、M2Mモジュール(端末5a〜5c)が基地局10を介して通信する際の処理の例を示している。ケースC1では、端末5a〜端末5cの各々が個別に基地局10に接続することにより、通信を行っている。しかし、ケースC1に示すように、個々の端末5が基地局10に接続する方式では、システム中に含まれる端末5の数の増加に伴って、基地局10が管理する通信情報が増加してしまい、基地局10にかかる負担が大きくなる。
そこで、ケースC2に示すように、複数の端末5のうちの1台が他の端末5の代表として、基地局10と通信する方式が提案されている。図1の例では、端末5aが端末5a〜5cの代表として基地局10と通信している。この場合、端末5bや端末5cで得られたデータは、端末5aを介して基地局10に送信される。
関連する技術として、M2M端末機グループ中のM2M端末が、グループの識別子に従ってアクセスリソースを決定し、決定したアクセスリソースを用いてグループを代表してネットワークアクセスを行う方法が提案されている(例えば、特許文献1)。さらに、アイドルモードのM2M端末がネットワークリエントリを行う際に、M2Mグループ代表者の選択に関連する情報を取得し、取得した情報を使用する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。SIM(Subscriber Identity Module card)カードに異なる内線番号が格納された端末のグループで、共通の国際移動加入者識別子と移動局ISDN(Integrated Services Digital Network)番号を使用する方法も提案されている(特許文献3など)
特表2014−517585号 特表2014−524711号 特表2008−515267号
代表となる端末が他の端末で得られた情報を集約して基地局と通信する場合、代表となっている端末は複数の端末の情報を基地局に送信する。このため、代表となる端末にかかる負荷は、他の端末の処理負荷に比べて大きくなり、代表となる端末への負荷による処理遅延が通信遅延の原因となる。しかし、個々の端末が別個に基地局と通信すると、基地局への負荷が大きくなってしまう。
本発明は、1つの側面として、特定の端末に負荷をかけずに基地局の負荷を軽減することを目的とする。
ある態様にかかる端末装置は、基地局と通信可能であり、取得部、要求部、通信部を備える。取得部は、前記基地局との通信に使用する識別情報を共有する1つ以上の端末装置のグループに参加すると、前記グループで使用される識別情報と、前記端末装置に前記識別情報の使用権限が割り当てられているかを表わす状態情報を取得する。要求部は、前記状態情報を用いて前記使用権限が割り当てられていないと判定した場合、前記基地局へ送信するデータを取得すると、前記使用権限を前記グループ中の他の端末装置に要求する。通信部は、前記使用権限が得られると、前記識別情報を用いて前記基地局と通信を行う。
特定の端末に負荷をかけずに基地局の負荷を軽減できる。
M2Mモジュールを用いた通信処理の例を説明する図である。 実施形態にかかる通信方法の例を説明する図である。 端末装置の構成の例を説明する図である。 端末装置のハードウェア構成の例を説明する図である。 グループを形成する端末装置の処理の例を説明するシーケンス図である。 近隣グループの検索処理の例を説明する図である。 グループ収容テーブルの例を説明する図である。 参加要求に対する処理の例を説明する図である。 グループに参加する際の処理の例を説明するシーケンス図である。 メッセージフォーマットの例を説明する図である。 グループ参加時の処理の例を説明するシーケンス図である。 通信を行う端末装置の変更処理の例を説明するシーケンス図である。 メッセージフォーマットの例を説明する図である。 基地局へのデータ送信処理の例を説明する図である。 基地局からのデータ受信処理の例を説明するシーケンス図である。 選択条件テーブルの更新処理の例と選択条件テーブルの例を説明する図である。 待ち受け処理を行う端末装置の決定方法の例を説明する図である。 メッセージフォーマットの例を説明する図である。 メッセージフォーマットの例を説明する図である。 グループから脱退する際の処理の例を説明する図である。 グループから脱退する際の処理の例を説明する図である。 第2の実施形態で使用されるメッセージの例を説明する図である。 通信処理の例を説明するシーケンス図である。
図2は、実施形態にかかる通信方法の例を説明する図である。図2の例では、基地局10と複数の端末装置20(20a〜20m)が通信を行う場合を例としている。実施形態にかかる通信方法では、複数の端末装置20は、各々の位置に応じて、近傍に位置する他の端末装置20とグループを形成する。ここで、ある端末装置の「近傍」に位置する端末装置は、ある端末装置から送信されたメッセージを受信することができる範囲内に位置する端末装置であるものとする。ケースC11の例では、グループG1〜G3が形成されている。グループG1には端末装置20a〜20dが属しており、グループG2には、端末装置20e〜20iが属している。さらに、グループG3には、端末装置20j、端末装置20k、端末装置20mが属している。なお、以下の図面では、図を見やすくするために、「端末装置」を「端末」と記載することがある。
グループG1〜G3の各グループでは、そのグループに属する端末装置20の間で、基地局10と通信する際に使用する識別情報が共有され、所定の台数の端末装置20が識別情報を使用する。グループ内では、識別情報を共有するので、基地局10は、各グループを論理的な所定の台数の端末装置として扱う。図2の例では、説明を簡単にするために、所定の数が1である場合を例とする。すなわち、基地局10は、各グループを論理的な1台の端末装置として扱う。さらに、以下の説明では、基地局10との通信のためにグループ内で共有される識別情報のことを「論理識別情報」と記載することがある。例えば、グループG1では、論理識別情報はaであるとする。また、同様に、グループG2では論理識別情報=bが使用され、グループG3では論理識別情報=cが使用されるとする。
次に、図2中のフローチャートを参照しながら、グループに属する端末装置20の通信で行われる処理の例を説明する。ステップS1において、端末装置20は、同じグループに属している他の端末装置20との間の通信により、論理識別情報と、グループ内の端末装置20の状態情報を取得する。ここで、グループ内の端末装置20の状態情報は、グループに属する個々の端末装置20について、論理識別情報の使用権限を有するかを表わすものとする。例えば、グループG1において、端末装置20aが論理識別情報=aの使用権限を有しているとする。この場合、端末装置20b〜20dの各々は、グループG1に属する端末装置20間での通信により、論理識別情報=aという情報と、端末装置20aが論理識別情報=aの使用権限を有することを認識する。以下、論理識別情報の使用権限を有する端末装置20を「アクティブ」な端末装置20と記載し、論理識別情報の使用権限を有していない端末装置20を「スタンバイ」の端末装置20と記載することがある。
基地局10との通信を開始しようとする場合、スタンバイ状態の端末装置20は、論理識別情報の使用権限を、アクティブな端末装置20やグループ内の他の端末装置20に対して要求する(ステップS2)。グループ内の各端末装置20での設定変更等により、基地局10との通信を開始しようとしている端末装置20は、論理識別情報の使用権限を取得する(ステップS3)。例えば、端末装置20bが基地局10と通信を開始する場合、端末装置20bは、アクティブ状態の端末装置20a、および、スタンバイ状態の端末装置20cと端末装置20dに対して、論理識別情報=aの使用権限を要求する。端末装置20bからの要求に応じて、各端末装置20が論理識別情報=aの使用権限を端末装置20bに与える設定を行うと、端末装置20bは使用権限を取得できる。
ステップS3の処理が終わると、アクティブな端末装置の変更が行われ、新たにアクティブになった端末装置20によって基地局10との間の通信が行われる(ステップS4、S5)。例えば、端末装置20bは、アクティブに設定変更すると、論理識別情報=aを用いて基地局10と通信を開始する。ここで、端末装置20bが基地局10との通信に使用する論理識別情報は、端末装置20aが基地局10との通信に使用していた論理識別情報と同じである。このため、基地局10にとっては、端末装置20bと端末装置20aは、同じ移動端末装置である場合と同様に扱われる。
グループG1と同様の通信処理が他のグループでも行われる。ここで、実施形態にかかる方法では、グループ内で論理識別情報を使用可能な使用権限を所定の数だけ設定し、通信を行おうとする端末装置20に動的に使用権限を割り当てている。つまり、基地局10との接続の数は、グループごとに、論理識別情報の使用権限の数以下となる。このため、基地局10にとっては、各グループについて設定されている論理識別情報の使用権限の数以下の端末装置の情報を接続先として管理すればよい。従って、実施形態にかかる方法を用いることにより、個々の端末装置20が基地局10と通信する場合に比べて、基地局10での処理負担が軽減される。さらに、実施形態にかかる方法では、基地局10と通信しようとする個々の端末装置20が論理識別情報の使用権限を取得した後で、基地局10と通信する。このため、特定の端末装置が他の端末装置の代理で基地局と通信する場合のように特定の端末装置に負荷が集中することも無い。
<装置構成>
図3は、端末装置20の構成の例を説明する図である。端末装置20は、通信部30、通信制御部40、記憶部60を備える。通信部30は、モバイル送信部31、モバイル受信部32、D2D(Device to Device)送信部33、D2D受信部34を有する。通信制御部40は、呼処理部41、データ処理部42、制御部50を有する。制御部50は、生成部51、参加処理部52、取得部53、要求部54、通知処理部55を有する。記憶部60は、グループ収容テーブル61、論理識別情報62、ACT/SBY情報テーブル63、閾値情報64、選択条件テーブル65を格納する。
グループ収容テーブル61は、端末装置20が参加しているグループに収容されている端末装置20の情報を記録している。論理識別情報62は、端末装置20が参加しているグループで共有される論理識別情報である。ACT/SBY情報テーブル63は、グループ中の各端末装置20について、アクティブとスタンバイのいずれに設定されているかを示す情報である。すなわち、ACT/SBY情報テーブル63は、グループ中のいずれの端末装置20が論理識別情報62の使用権限を有するかを表わす状態情報である。また、ACT/SBY情報テーブル63は、各端末装置20がその端末装置20自身に論理識別情報62の使用権限が割り当てられているかを判定するために使用される状態情報であるとも言える。閾値情報64は、新たな端末装置20の参加を許可するかの判定の際に使用される。選択条件テーブル65は、グループ中のいずれの端末装置20も送信対象のデータを保持していない場合に、待ち受け処理を行う端末装置20を決定する際に使用される。
モバイル送信部31とモバイル受信部32は、端末装置20と基地局10の間の通信に使用される。D2D送信部33とD2D受信部34は、端末装置20間での通信に使用される。ここで、D2D送信部33とD2D受信部34での処理に使用される技術は、WiFi(Wireless Fidelity)、Bleutoothなどを含む任意のD2D技術である。
呼処理部41は、モバイル送信部31やモバイル受信部32を用いた通信での呼処理を行う。データ処理部42は、基地局10との間で送受信するデータを処理する。
生成部51は、論理識別情報62として使用される情報の一部を生成する。参加処理部52は、端末装置20がグループに参加するための処理を行う。なお、端末装置20の位置などによっては、端末装置20が参加可能なグループが端末装置20の近傍に存在しない場合がある。この場合、参加処理部52は、新たなグループを生成する処理を行う。取得部53は、端末装置20がグループに参加すると、論理識別情報62、ACT/SBY情報テーブル63、閾値情報64、選択条件テーブル65として格納される情報を、グループ中の他の端末装置20から取得する。要求部54は、基地局10との通信を行うために、自装置をアクティブに設定することを、グループ中の他の端末装置20に要求するためのメッセージを生成する。通知処理部55は、自装置が保持している情報を、他の端末装置20に通知するための処理を行う。
図4は、端末装置20のハードウェア構成の例を説明する図である。端末装置20は、アンテナ101(101a、101b)、モバイル通信RF(Radio Frequency)回路102、D2D通信RF回路103、CPU(Central Processing Unit)104、DSP(digital signal processor)105、メモリ106を備える。メモリ106は、RAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)を含む。CPU104やDSP105は、メモリ102をワークエリアとして、プログラムを実行することができる。なお、メモリ102は、CPU104やDSP105で処理されるプログラムや、CPU104やDSP105での処理対象のデータなども格納する。モバイル通信RF回路102、D2D通信RF回路103、CPU104、DSP105、メモリ106は、互いにデータを入出力可能になるように接続されている。なお、図4は一例であり、例えば、CPU104やDSP105は、他の任意のプロセッサに置き換えられても良い。また、端末装置20が備えるプロセッサの数も任意である。
端末装置20において、モバイル送信部31とモバイル受信部32はモバイル通信RF回路102によって実現される。D2D通信RF回路103は、D2D送信部33およびD2D受信部34として動作する。CPU104とDSP105は、通信制御部40として動作する。メモリ106は、記憶部60として動作する。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態を、端末装置20のグループへの参加、基地局10との間の通信処理、待ち受け処理を行う端末装置20の選択、グループからの脱退に分けて説明する。以下の説明では、いずれの端末装置20による処理であるかを分かりやすくするために、符号の末尾に処理を実行する端末装置20の符号の末尾と同じアルファベットを付けて記載することがある。例えば、参加処理部52aは、端末装置20a中の参加処理部52である。
(1)グループへの参加
図5は、グループを形成する端末装置20の処理の例を説明するシーケンス図である。端末装置20aは、近傍にグループが存在しないなどの理由で、既に存在しているグループに参加しないとする。すると、端末装置20a中の生成部51aは、端末装置20aに割り当てられているIMSI(International Mobile Subscriber Identity)を用いて、グループの通信処理に使用されるIMSIを生成する(ステップS11)。図5では、端末装置20aは、端末装置20aが属するグループでの通信に使用されるIMSI_Gxxを生成したとする。なお、生成部51aは、予め、所定の演算処理をIMSIの生成方法として記憶しているとする。
その後、端末装置20a中の呼処理部41aは、適宜、モバイル送信部31aやモバイル受信部32aを介して、基地局10との接続を確立する。呼処理部41aは、基地局10と接続を確立すると共に、MME(Mobility Management Entity)15との間で初期アタッチシーケンスを行う(ステップS12)。なお、呼処理部41aは、初期アタッチシーケンスにおいて、グループでの通信に使用されるIMSI_GxxをMME15に通知する。このため、端末装置20aを含むグループのIMSIを用いた位置登録がHSS(Home Subscriber Server)で行われる。なお、MME15やHSSは、グループでの通信に使用されるIMSIの取り得る値の範囲を認識しているか、端末装置20でのグループ用のIMSIの計算方法を認識しているとする。このため、MME15にグループで共用されるIMSI_Gxx等が通知されても、MME15での認証処理が成功する。
MME15から端末装置20aの通信に使用するベアラの設定の際に、MME15からGUTI(Globally Unique Temporary Identifier)が端末装置20aに通知される(ステップS13)。呼処理部41aは、GUTIを含むメッセージを、モバイル受信部32を介して取得する。呼処理部41aは、生成部51aで生成されたIMSI_Gxxと、ステップS13で取得したGUTIを記憶部60に格納する(ステップS14)。なお、生成部51aで生成されたIMSI_Gxxは、論理識別情報62aとして記憶される。これらの処理により、端末装置20aを収容するグループが生成されるので、端末装置20a中の参加処理部52aは、グループ収容テーブル61aに端末装置20aの情報を記録する。
図6は、近隣グループの検索処理の例を説明する図である。例えば、いずれのグループにも所属していない端末装置20xが、端末装置20aの近傍に移動してきたとする。端末装置20x中の参加処理部52xは、近傍のグループに参加するため、グループサーチリクエストを生成し、D2D送信部33xを介して送信する(ステップS21)。M1は、グループサーチリクエストのメッセージフォーマットの例である。グループサーチリクエストには、メッセージの種類がグループサーチリクエストであることを示す情報が含まれていれば、他の情報を含まなくても良く、また、他の情報を含んでも良い。
端末装置20aのD2D受信部34aは、グループサーチリクエストを受信し、受信したグループサーチリクエストを参加処理部52aに出力する。参加処理部52aは、グループサーチAckを生成し、D2D送信部33aを介して送信する(ステップS22)。M2は、グループサーチAckのメッセージフォーマットの例である。グループサーチAckには、メッセージの種類を表わす情報と、論理識別情報が含まれる。図6の例では、端末装置20aが論理識別情報62aとして記憶しているIMSI(IMGI_Gxx)が論理識別情報として使用される。
端末装置20xの参加処理部52xは、D2D受信部34xを介して、グループサーチAckを取得する。参加処理部52xは、グループサーチAckを受信できたことから、近傍にグループがあると判定して、そのグループへの参加を要求するメッセージ(グループ参加リクエスト)を生成する。M3は、グループ参加リクエストのメッセージフォーマットの例である。グループ参加リクエストには、グループ参加リクエストの送信元に割り当てられたIMSI、GUTIと、参加を要求するグループで使用されている論理識別情報が含められる。図6の例では、グループ参加リクエストには、端末装置20xのIMSI、端末装置20xが過去の通信処理において取得したGUTI、グループサーチAckで通知された論理識別情報が含まれている。端末装置20xは、グループ参加リクエストを端末装置20aに送信する(ステップS23)。
なお、端末装置20xは、グループに参加できる場合は、基地局10との間でアタッチシーケンスを行わなくても、参加したグループの論理識別情報を用いて通信が可能である。このため、図6に示すように、近傍に位置するグループに参加を要求している間、端末装置20xは、基地局10との間でのアタッチシーケンスを行わない。
端末装置20aの参加処理部52aは、グループ参加リクエストを取得すると、グループ参加リクエスト中の論理識別情報を用いて、端末装置20aが属するグループへの参加の要求であるかを判定する。端末装置20aが属するグループへの参加の要求であると判定すると、参加処理部52aは、グループ収容テーブル61aを用いて、端末装置20xを端末装置20aの属するグループに参加させることができるかを判定する(ステップS24)。参加処理部52aは、判定結果を含むメッセージ(グループ参加Ack)を生成し、D2D送信部33aを介して、端末装置20xに送信する(ステップS25)。ステップS24とステップS25での処理の詳細は、図7〜図9などを参照しながら説明する。
図7は、グループ収容テーブル61の例を説明する図である。グループ収容テーブル61は、そのグループに収容可能な端末装置20の数と、現在そのグループに収容されている端末装置20の情報を含む。図7の例では、グループ中に収容可能な端末装置20の数は12である。グループに参加している端末装置20には、グループ内での処理に使用される収容端末番号が割り当てられる。図7の例では、端末#1〜端末#12の各々の収容端末番号が割り当てられた端末装置20がグループに既に参加している場合の例が示されている。グループ収容テーブル61には、各端末装置20に割り当てられたIMSIが収容端末番号と組み合わせて記録される。なお、IMSIは、グループへの参加の要求の際に送信されたグループ参加リクエスト(図6のM3)を用いて登録されている。
図7に示すように、収容可能な端末装置20と同数の端末装置20が収容されている場合、グループ参加リクエストを受信した端末装置20の参加処理部52は、グループ参加リクエストの送信元をグループに参加させないことを決定する。一方、グループ中に収容されている端末装置20の数が収容可能数よりも小さい場合、参加処理部52は、グループ参加リクエストの送信元をグループに参加させることができるかを判定するために、現在の通信量を、予め記憶している閾値と比較する。
図8は、グループ参加リクエストを受信したときに行われる処理の例を説明する図である。図8の例では、グループG1での端末収容数が10であるのに対し、グループG1には、端末20a〜20dの4台の端末装置20が参加しているとする。さらに、端末装置20xから端末装置20aに対して、グループ参加リクエストが送信されたとする。この場合、端末装置20a中の参加処理部52aは、グループ収容テーブル61a中の情報を用いて、グループ中の端末数が上限に達していないため、端末装置20xをグループG1に参加させられる可能性があると判定する。
参加処理部52aは、閾値情報64aを参照する。閾値情報64aには、新たな端末装置20を参加させることができる通信量の上限値などのグループへの参加の可否を判定するための情報が記録されている。さらに、参加処理部52aは、グループ内の他の端末装置20との通信により、グループに参加している各端末装置20での通信量などの情報を取得できる。
図8の例では、新たな端末装置20を参加させることができる場合の、グループ全体での通信量の上限閾値が、閾値情報64aとして記録されているとする。また、上限閾値は200Mbpsであるとする。この場合、グループに参加中の装置の通信量が200Mbps未満であれば、新たな端末装置20を参加させられる。さらに、端末装置20aの通信量は10Mbps、端末装置20bの通信量は40Mbps、端末装置20cの通信量は60Mbps、端末装置20dの通信量は20Mbpsであるとする。すると、端末装置20a〜20dの各々での通信量の合計値は、10Mbps+40Mbps+60Mbps+20Mbps=130Mbpsである。そこで、参加処理部52aは、端末装置20xをグループG1に参加させることができると判定する。
図9は、グループに参加する際の処理の例を説明するシーケンス図である。図9を参照しながら、端末装置20a〜20dが含まれているグループに端末装置20xが参加する場合に行われる処理について説明する。なお、図9のシーケンスでは、端末装置20cと端末装置20dは省略している。
ステップS31〜S33において、端末装置20xがグループG1への参加を端末装置20aに要求している。ステップS31〜S33で行われる処理は、図6を参照しながら説明したステップS21〜S23の処理と同様である。ステップS34において行われる判定処理は、図7と図8を参照しながら説明した処理と同様である。
ステップS34の判定処理において、参加処理部52aが端末装置20xをグループに参加させることができると判定したとする。すると、参加処理部52aは、端末装置20x宛に、グループへの参加の許可を表わす情報を含むグループ参加Ackを生成する。なお、グループへの参加の許可を表わす情報として、グループに参加している端末装置20のリストが使用されても良い。参加を許可された端末装置20は、グループ参加Ackで通知されたリスト中に、その端末装置20の識別情報が含まれている場合に、参加が許可されたと判定する。以下の説明では、グループG1への参加の許可を示す情報として、グループG1中の端末装置20のリスト(グループ収容テーブル61)が使用される場合を例とする。グループへの参加の許可を含むグループ参加Ack中の情報要素の例は、図10を参照しながら説明する。端末装置20aは、端末装置20xに向けて、グループ参加Ackを送信する(ステップS35)。
端末装置20x中の参加処理部52xは、D2D受信部34xを介して受信したメッセージ中に、グループ参加リクエストで参加を要求したグループで使用されている論理識別情報が含まれているかを判定する。図9では、グループ参加Ackには、グループ参加リクエストで参加を要求したグループで使用されている論理識別情報と、端末装置20xをそのグループG1に含めることを許可する情報が含まれているとする。すると、参加処理部52xは、端末装置20xがグループG1に参加したと判定する。取得部53xは、グループ参加Ackで通知された情報を記憶部60xに格納する。
ステップS36において、参加処理部52aは、端末装置20aと通信可能なグループ内の装置に、グループ情報メッセージを送信する。グループ情報メッセージには、そのグループに参加している端末装置20などについての最新の情報が含まれる。グループ情報メッセージを受信した各端末装置20は、グループ情報メッセージの内容に応じて、グループ収容テーブル61などの情報を更新する。このため、端末装置20xの参加の前からグループG1に参加している端末装置20a以外の装置は、ステップS36で通知された情報により、端末装置20xがグループG1に参加したことを認識できる。さらに、端末装置20x中の取得部53xも、ステップS36で通知された情報を用いて、記憶部60xの情報を更新する。
図10は、メッセージフォーマットの例を説明する図である。M11は、グループ参加Ackのメッセージフォーマットの例である。グループ参加Ackには、グループで共有する論理識別情報、そのグループで使用されているグループ収容テーブル61、収容端末番号、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件が含まれる。収容端末番号は、グループ参加Ackの宛先となる端末装置20を、そのグループ内で識別するために使用される。図9のステップS35で送信されるグループ参加Ackには、端末装置20xをグループG1中の他の端末装置から識別するために使用される収容端末情報が含められる。ACT/SBY情報テーブルは、端末装置20xが参加したグループ中の各端末装置がアクティブとスタンバイのいずれに設定されているかを示す情報である。ACT選択条件は、グループ内のいずれの端末装置20も基地局10に送信する情報を保持していない場合に、グループ内で論理識別情報の使用権限を保持させる(アクティブに設定される)端末装置20を選択する際に使用される。ACT選択条件を用いた処理については、待ち受け処理を行う端末装置20の選択を説明する際に詳しく説明する。なお、ACT選択条件として通知された情報は、選択条件テーブル65中の情報の同期処理に使用される。
M12は、グループ情報のメッセージフォーマットの例である。グループ情報には、グループで共有する論理識別情報、グループ情報の送信元が保持するグループ収容テーブル61の情報、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件が含まれる。
M13は、グループへの参加が認められない場合に送信されるグループ参加ACK(グループ参加NGメッセージ)のメッセージフォーマットの例である。グループ参加NGメッセージには、そのグループで使用される論理識別情報と、そのグループへの参加が許可されないことを示す情報が含まれる。このため、グループ参加NGメッセージを受信した端末装置20は、グループ参加NGメッセージの送信元で使用されている論理識別情報とは異なる論理識別情報が使用されるグループに参加を要求するなどの処理ができる。グループ参加NGメッセージを受信したときの端末装置20の処理を、図11を参照しながら説明する。
図11は、グループ参加時の処理の例を説明するシーケンス図である。図11の例では、端末装置20aはグループG1に参加しており、端末装置20gはグループG2に参加しているとする。
ステップS41〜S43で行われる処理は、図6のステップS21〜S23の処理と同様である。ステップS41〜S43において、端末装置20xがグループG2への参加を端末装置20gに要求している。ステップS44において、グループG2中の端末装置20の数や、グループG2中の端末装置20の通信状況などにより、端末装置20gは、端末装置20xをグループG2に参加させないことを決定したとする。すると参加処理部52gは、グループG2で使用されている論理識別情報を含むグループ参加NGメッセージを、端末装置20xに送信する(ステップS45)。
端末装置20xの参加処理部52xは、D2D受信部34xを介して、グループ参加NGメッセージを取得する。参加処理部52xは、グループ参加NGメッセージに含まれている論理識別情報を特定する。参加処理部52xは、グループ参加NGメッセージに含まれている論理識別情報とは異なる論理識別情報を用いて通信を行っているグループの検索を行うために、グループサーチリクエストを送信する(ステップS46)。図11の例では、端末装置20aから、グループG1の論理識別情報を含むグループサーチAckが送信される(ステップS47)。参加処理部52xは、グループサーチAckに含まれている論理識別情報がグループ参加NGメッセージで通知された論理識別情報とは異なると判定する。すると、参加処理部52xは、ステップS47で取得したグループサーチAckに含まれている論理識別情報を含むグループ参加リクエストを生成する。参加処理部52xは、D2D送信部33xを介して、グループ参加リクエストを端末装置20aに送信する(ステップS48)。ステップS49、S50の処理は、図9を参照しながら説明したステップS34、S35と同様である。
以上説明したように、端末装置20は、近傍に位置する端末装置20のグループに参加することにより、論理識別情報を共有する。さらに、グループ内の各端末装置20は、グループ情報メッセージを用いて、各端末装置20の通信状況なども共有する。
(2)通信処理
図12は、通信を行う端末装置の変更処理の例を説明するシーケンス図である。図12は、複数の端末装置20(20a〜20d、20x)を含むグループG1中での通信処理の例を説明する。グループG1中で論理識別情報62の使用権限を取得可能な端末装置20の最大数は予め決まっている。使用権限を取得している端末装置20の数が最大数に達した後で、使用権限を有していない端末装置20が通信を開始しようとしたとする。この場合、使用権限を有する端末装置20のいずれかが、通信を開始する端末装置20に、使用権限を譲渡してスタンバイ状態に移行することになる。一方、使用権限を譲渡された端末装置20は、アクティブ状態に移行し、論理識別情報62を用いた通信を開始する。
図12の最初の時点において、端末装置20bが論理識別情報の使用権限を有しているとする。また、グループG1では、1台の端末装置20がグループG1中の端末装置20で共有している論理識別情報62を用いて通信できるものとする。このため、グループG1中の端末装置20b以外の端末装置20は、論理識別情報の使用権限を有していない(スタンバイ)。さらに、図12の例でも、論理識別情報62として、IMSI_Gxxが使用されているとする。
端末装置20xにおいて、基地局10に送信するデータが生成されたか取得されたとする。端末装置20x中の要求部54xは、ACT/SBY情報テーブル63xを用いて、グループG1中で端末装置20bがアクティブに設定されていると判定する。すなわち、この時点では、端末装置20bがIMSI_Gxxの使用権限を保持している。なお、端末装置20bは、基地局10と通信中であっても、待ち受け中であっても良い。要求部54xは、端末装置20xをアクティブに設定することを要求するためのメッセージ(ACT要求)を生成する。ここで、ACT要求は、論理識別情報62を用いた通信を行う権限を取得することを要求するメッセージであるので、論理識別情報62の使用権限の要求と考えることもできる。要求部54xは、ACT要求を、D2D受信部34xを介して、端末装置20bに送信する(ステップS61)。
端末装置20bの取得部53bは、D2D受信部34bを介して、ACT要求を取得する。取得部53bは、ACT要求の送信元に論理識別情報62の使用権限を渡すために、基地局10を介した接続のデタッチ処理を、呼処理部41bに要求する。呼処理部41bは、取得部53bからの要求に応じてデタッチを行う(ステップS62)。デタッチ処理により、端末装置20bの基地局10やコアネットワーク中の装置との間の接続状態は、アイドル状態となる。すなわち、端末装置20bは、ECM(EPS Connection Management)アイドル(ECM-Idle)、RRC(Radio Resource Control)アイドル(RRC-Idle)、EMM(EPS Mobility Management)-Deregisteredとなる。デタッチが終了すると、呼処理部41bは、通知処理部55bにデタッチの終了を通知する。通知処理部55bは、論理識別情報62を用いた通信の権限を譲渡することを通知するためのメッセージ(ACT権限譲渡)を生成する。ACT権限譲渡メッセージに含まれる情報要素の例は後述する。通知処理部55bは、ACT権限譲渡メッセージを、D2D送信部33b経由で端末装置20xに送信する(ステップS63)。ステップS63の処理と並行して、通知処理部55bは、ACT/SBY情報テーブル63bにおいて、アクティブな端末装置20を端末装置20bから端末装置20xに変更する。
端末装置20xの取得部53xは、D2D受信部34xを介してACT権限譲渡メッセージを取得する。取得部53xは、ステップS63で受信したACT権限譲渡メッセージを用いて、ACT/SBY情報テーブル63xを更新する。要求部54xは、端末装置20xがアクティブに設定されたことから、端末装置20xがIMSI_Gxxを使用可能であると判定する。すると、要求部54xは、論理識別情報62を用いたアタッチ処理を、呼処理部41xに要求する。呼処理部41xは、論理識別情報62を用いて、MME15との間でアタッチ処理を行う(ステップS64)。ステップS64によるアタッチ処理により、端末装置20xは、MME15から通信に使用するGUTIを取得する。図12の例では、端末装置20xは、GUTI_Gxyを取得したとする。すると、端末装置20xは、論理識別情報62(IMSI_Gxx)とGUTI_Gxyを用いて、基地局10との通信処理を行うことができる。
ここで、端末装置20xが使用する識別情報と、端末装置20xの前にアクティブであったグループG1中の装置(端末装置20b)が使用する識別情報は、いずれも、IMSI_Gxxである。このため、MME15や基地局10は、端末装置20xと端末装置20bが同じ端末である場合と同様に処理を行う。
一方、端末装置20bの通知処理部55bや、端末装置20xの通知処理部55xは、端末装置20xがアクティブであることを通知するACT/SBY情報テーブル63を、グループG1に属する他の端末装置20に通知する(ステップS65)。例えば、端末装置20x中の通知処理部55xは、端末装置20aにACT/SBY情報テーブル63xの情報を通知する(ステップS66)。一方、端末装置20b中の通知処理部55bは、端末装置20dや端末装置20aにACT/SBY情報テーブル63bの情報を通知する(ステップS67、S68)。このため、端末装置20xや端末装置20bからACT/SBY情報テーブル63の情報を取得した端末装置20aや端末装置20dでも、端末装置20xがアクティブになっていることが認識される。端末装置20aや端末装置20dでは、取得部53が、取得した情報を用いてACT/SBY情報テーブル63の情報を更新する。さらに、グループG1中の各端末装置20は、他の端末装置20との間でACT/SBY情報テーブル63などの情報の同期処理を行う。この結果、グループG1中のいずれの装置においても、ACT/SBY情報テーブル63の最新の情報が格納される(ステップS69)。
図13は、メッセージフォーマットの例を説明する図である。図13は、図12に示す処理で送受信されるメッセージのフォーマット例を示す。M21は、ACT要求のメッセージフォーマットの例である。ACT要求には、メッセージの種類を特定する際に使用可能な情報と共に、グループで共有する論理識別情報と収容端末番号が含められる。ACT要求中の収容端末番号は、アクティブへの設定変更を要求する端末装置20に割り当てられた番号である。なお、ACT要求には、収容端末番号の代わりに、アクティブへの設定変更を要求する端末装置20を識別可能な任意の情報が使用されうる。
M22は、ACT権限譲渡メッセージのメッセージフォーマットの例である。ACT権限譲渡メッセージには、メッセージの種類を特定する際に使用可能な情報と共に、グループで共有する論理識別情報とACT/SBY情報テーブルが含められる。M22に示すACT権限譲渡メッセージが使用される場合、図12中の端末装置20xのように、ACT権限譲渡メッセージを受信した装置は、メッセージ中のACT/SBY情報テーブル63を用いて、自装置がアクティブに設定されているかを判定する。ACT権限譲渡メッセージにおいて、自装置がアクティブに設定されている場合、ACT権限譲渡メッセージを受信した端末装置20は、論理識別情報62の使用権限を取得したと判定する。
M23は、ACT/SBYデータ共有メッセージのメッセージフォーマットの例である。ACT/SBYデータ共有メッセージには、そのグループで使用される論理識別情報、ACT/SBY情報テーブル63、ACT選択条件が含まれる。
図14は、基地局10へのデータ送信処理の例を説明する図である。図12や図13を参照しながら説明した処理により、端末装置20xがグループG1中でアクティブになったとする。データ処理部42xは、ユーザデータD1を生成する。このとき、データ処理部42xは、ユーザデータのうちの一部を、送信元の端末装置20xを識別可能な情報を含める領域(ヘッダ部)として確保する。このため、ユーザデータD1は、データ部とヘッダ部を含んでいる。データ部には、端末装置20xから送信されるデータが格納され、ヘッダ部には、送信元の端末装置20xを識別可能な任意の情報が格納され得る。例えば、ユーザデータD1中のヘッダ部には、端末装置20xに割り当てられたIMSIが格納されていても良い。ユーザデータD1のデータ部の情報が、課金情報など、端末装置20ごとに処理されるデータの場合、コアネットワーク中の装置は、ヘッダ中のデータの送信元の端末情報を用いて、送信元の端末装置20を特定することができる。
グループG1中でアクティブな端末装置20が変更されると、アクティブとなった端末装置20も、端末装置20xと同様に、ヘッダ部とデータ部を備えるユーザデータを送信できる。図14の例では、端末装置20bはユーザデータD2を送信している。また、端末装置20cはユーザデータD3、端末装置20aはユーザデータD4を送信する。なお、いずれの端末装置20から送信されるユーザデータ中のヘッダ部に含まれる情報要素も、送信元の端末装置20を識別可能な任意の識別情報である。
ここで、ユーザデータ中に、各端末装置20を識別する情報が含まれているかに関わらず、接続処理等には論理識別情報が使用される。このため、基地局10やMME15からは、端末装置20x、端末装置20b、端末装置20c、端末装置20aのいずれも、IMSI_Gxxで識別される装置として扱われる。従って、基地局10での接続管理等は1台の端末装置20の処理と同程度の負荷に抑えつつ、複数の端末装置20と基地局10が通信できる。
図15は、基地局10からのデータ受信処理の例を説明するシーケンス図である。各端末装置20宛のデータには、コアネットワーク中の装置(CN装置)において、宛先の端末装置20を識別する情報が対応付けられる。以下、CN装置80から端末装置20bにデータが送られる場合を例として、受信処理の例を説明する。なお、図15では、端末装置20xがアクティブに設定されているとする。
CN装置80は、データに宛先の端末のIMSIを対応付けた送信用のデータを生成する(ステップS81)。例えば、CN装置80は、端末装置20b宛てに、端末装置20bのIMSI(IMSIb)を含むデータを生成する。次に、CN装置80は、生成したデータに論理識別情報で宛先を指定したヘッダを付加する(ステップS82)。図15の例では、グループG1で使用されるIMSI_GxxとGUTI_Gxyを含むヘッダがデータに付加される。CN装置80は、ヘッダを付加後のデータを宛先に向けて送信する(ステップS83)。
CN装置80から送信されたデータは基地局10に到達する。基地局10は、CN装置80からデータを取得すると、ヘッダに含まれている論理識別情報などを用いて、転送先を決定する(ステップS84)。図15の例では、IMSI_GxxとGUTI_Gxyを含むヘッダが使用されているため、基地局10は、グループG1中でアクティブな端末装置20を転送先として認識する。そこで、基地局10は、CN装置80から取得したデータを端末装置20xに転送する(ステップS85)。なお、GUTI_Gxyは、基地局10が端末装置20xを呼び出すために使用される。
端末装置20xのデータ処理部42xは、CN装置80から受信したデータ中のIMSIとグループ収容テーブル61を用いて、データの宛先の端末装置20が端末装置20bであることを特定する(ステップS86)。端末装置20xは、受信データを端末装置20bに転送する(ステップS87)。このため、CN装置80から端末装置20b宛に送信されたデータが端末装置20bに到達する。
(3)待ち受け処理を行う端末装置20の選択
グループ中のいずれの端末装置20も通信を行っていない場合に、選択条件テーブル65を用いて、基地局10を介したデータ受信の待ち受け処理を行う端末装置20が選択される。
図16は、選択条件テーブル65の更新処理の例と選択条件テーブル65の例を説明する図である。グループ中の端末装置20は、ACT/SBYデータの同期の際に、各端末装置20の通信状況などの情報も同期処理している。例えば、ケースC21に示すように、端末装置20a〜20dがグループG1に所属しているとする。図16では、端末装置20bが論理識別情報62の使用権限を有しているとする。すなわち、端末装置20bがアクティブに設定されている。図16では、アクティブな端末装置20bと基地局10との間を実線で結び、スタンバイ状態の端末装置20と基地局10の間を破線で結んでいる。
ケースC21において、グループG1中の各端末装置20が近傍の端末装置20との間で、ACT/SBY情報テーブル63中のデータや通信状況の同期を行う様子を、矢印で示している。なお、図を見やすくするために、一部の通信を矢印で示しているが、矢印で図示されていない装置間でも端末間通信が行われても良い。例えば、端末装置20aについては、端末装置20b、端末装置20cとの間での通信の矢印を示しているが、端末装置20aと端末装置20dの間の通信は図示していない。しかし、端末装置20aと端末装置20dの間での通信が可能な場合、端末装置20aと端末装置20dの間でも通信処理が行われ得る。他の端末装置20についても同様である。なお、各端末装置20は、自装置の情報に限らず、その装置が取得済みの他の端末装置20の情報を通知しても良い。例えば、端末装置20aは、端末装置20cから通信情報を取得した後で、端末装置20aと端末装置20cの通信状況を、まとめて、端末装置20bに通知しても良い。
各端末装置20中の取得部53は、グループ中の各端末装置20の通信状況を、同期処理によって取得すると、取得した情報を選択条件テーブル65に記録する。選択条件テーブル65−1の例では、情報を取得した端末装置20ごとに、グループに所属した順番、バッテリー残量、通信品質が記録されている。図16の例では、端末装置20aは、グループG1に最初に所属しており、バッテリーの残量は80%、通信品質は5段階中の3段階目である。端末装置20bは、グループG1に2番目に参加しており、バッテリーの残量は90%、通信品質は5段階中の4段階目である。端末装置20dは、グループG1に3番目に参加しており、バッテリーの残量は40%、通信品質は5段階中の5段階目である。さらに、端末装置20cは、グループG1に4番目に参加しており、バッテリーの残量は35%、通信品質は5段階中の3段階目である。このため、グループ所属順に待ち受け処理を行う端末装置20が選択される場合、端末装置20aが待ち受け処理を行う装置として選択される。一方、バッテリー残量順に待ち受け処理を行う端末装置20が決定される場合は、端末装置20bが選択され、通信品質順に待ち受けを行う端末装置20が選択される場合には、端末装置20dが待ち受けを行う装置に選択される。
図17は、待ち受け処理を行う端末装置の決定方法の例を説明する図である。例えば、図9で説明した処理と同様の処理により、端末装置20xがグループG1に参加してきたとする。また、グループに参加したときは、端末装置20xは基地局10に送信する情報を保持していないため、アクティブへの設定の変更を要求していないとする。さらに、グループG1中のいずれの端末装置20も基地局10と通信していないため、端末装置20bがグループG1に属する端末装置20のいずれかに宛てられたデータの待ち受け処理を行っているとする。
グループG1への参加に成功したことにより、端末装置20xは、端末装置20aからグループG1で使用される選択条件と、グループG1中の装置の各々の設定状態を表わすデータ(ACT/SBYデータ)を取得する(ステップS91)。図17の例では、選択条件テーブル65−1(図16)中の情報も、ステップS91での処理の際に端末装置20xに通知されたとする。端末装置20x中の取得部53xは、取得した情報を、記憶部60xに格納する(ステップS92)。このため、選択条件テーブル65xは、図17に示すように、端末装置20xの通信情報と、グループG1中の他の端末装置20(20a〜20d)の情報を含んでいる。なお、図17では、選択条件テーブル65x中の情報を選択条件に合わせて並べ替え、各選択条件の上位3位までの端末の情報として示している。すなわち、グループG1への所属順は、端末装置20aが最も早く、端末装置20b、端末装置20dが続いて参加している。バッテリー量は、端末装置20x、端末装置20b、端末装置20aの順に少なくなるとする。また、通信品質は、端末装置20xが最も良く、端末装置20b、端末装置20aの順に悪くなるとする。
ここで、新たにグループG1に参加した端末装置20xが送信データを保持しておらず、グループG1に属する他の端末装置20も送信データを保持していないとする。この場合、待ち受け処理を行う端末装置20の選択処理が行われる。グループに新たに参加した端末装置20x中の要求部54xは、ステップS91で選択条件として通知された条件について、アクティブな端末装置20bでの条件と、端末装置20x自身の条件を比較する。比較処理において、要求部54xは、選択条件テーブル65x中に保持している情報を使用できる。
図17の例では、選択条件として、CONに示す条件が使用されるとする。すなわち、バッテリー量の残量がxx%であり、かつ、RSCP(Received Signal Code Power)がxxdbm以上、Ec/No(Energy per chip over the noise、電力対雑音比率)がxx以下であることが選択条件である。さらに、図17の例では、選択条件として1)と2)の両方の条件に合致したもののうちで、1)の条件がより良いものが、待ち受け処理を行う端末装置20として優先されるとする。
端末装置20x中の要求部54xは、端末装置20bのバッテリー量と通信品質の組み合わせを、端末装置20xのバッテリー量と通信品質の組合せと比較し、比較結果をアクティブな端末装置20bに通知する(ステップS93)。図17の例では、選択条件テーブル65xに示すように、バッテリー量と通信品質のいずれも、端末装置20xの方が端末装置20bよりも良好である。そのため、要求部54xは、端末装置20xが待ち受け処理を行うことを決定すると共に、端末装置20bに対してアクティブな端末の変更を要求する。アクティブに設定を変更するための処理は、図12を参照しながら説明した処理と同様である。
端末装置20bと端末装置20xは、待ち受け処理を行う端末装置20の変更結果を、端末装置20aや端末装置20dなど、グループG1中の他の端末装置20に通知する。このため、グループG1中の全ての端末において、待ち受け処理を行う装置が端末装置20xに決定される(ステップS94)。その後も、グループG1中の端末装置20間で、選択条件と、ACT/SBY情報テーブル63の最新情報の同期処理が、適宜、行われる。各端末装置20は、同期処理の結果として得られたACT/SBYデータと選択条件を記憶部60に記憶する(ステップS95)。
グループG1での待ち受け処理を行う端末装置20として選択された端末装置20xは、グループG1中の他の端末装置20の代表としてデータを受信する。さらに、端末装置20xは、受信したデータに対応付けられた情報を用いて、データの宛先の端末装置20に、受信データを転送する。
図18は、メッセージフォーマットの例を説明する図である。図18は、図17を参照しながら説明した処理で使用されるメッセージの例である。M31は、図17のステップS91において、選択条件とACT/SBYデータを共有する際に、端末装置20間で送受信されるメッセージ(データ共有メッセージ)のフォーマットの例である。データ共有メッセージには、メッセージの種類を表わす情報の他に、グループで使用される論理識別情報、送信元の端末装置20が保持するACT/SBY情報テーブル63、ACT選択条件が含まれる。
なお、選択条件とACT/SBYデータを共有する際に送受信されるメッセージは、グループ中でのデータ同期に使用されるACT/SBYデータ共有メッセージ(図13のM23)として使用されてもよい。ACT/SBYデータ共有メッセージは、図17のステップS95や図12のステップS66〜S68など、グループ内でのACT/SBY情報の共有に使用され得る。
M32は、比較結果通知メッセージのフォーマットの例である。比較結果通知メッセージは、図17のステップS93で使用される。比較結果通知メッセージには、比較処理の結果と、アクティブに設定される端末装置20を特定可能な情報が含められる。図18の例では、比較結果として、比較結果を反映したときのACT/SBY情報テーブル63の情報が含められている。例えば、図17のステップS93のケースでは、比較結果通知メッセージには、端末装置20xに割り当てられた収容端末番号と、ACT/SBY情報テーブル63xのコピーが含まれている。なお、端末装置20xと端末装置20bとの間での選択条件の比較処理は端末装置20xで行われているので、ACT/SBY情報テーブル63xには、比較処理の結果、端末装置20xがアクティブに選択されたことが記録されている。このため、これらの情報に基づいて、端末装置20bでは、端末装置20xがアクティブに設定されることを認識できる。
なお、図17、図18を参照しながら、図17中の条件CONを用いたときの処理を例として、待ち受け処理を行う端末装置20の選択処理の例を説明したが、待ち受け処理を行う端末装置20の選択に使用される条件は実装に応じて任意に変更され得る。例えば、グループ所属順序、バッテリー残量の順序、通信品質から選択された1つの条件から、待ち受け処理を行う端末装置20が選択されても良い。また、複数の条件の組み合わせを用いて、待ち受け処理を行う端末装置20の選択が行われても良い。
(4)グループからの脱退
図19は、グループからの脱退処理の際に使用されうるメッセージのフォーマットの例を説明する図である。M41は、グループ脱退リクエストのフォーマット例である。グループの脱退を要求する端末装置20は、グループ脱退リクエストを送信する。グループ脱退リクエストには、そのグループの論理識別情報、グループを脱退しようとする端末装置20に割り当てられた収容端末番号、ACT/SBY情報が含められる。なお、ACT/SBY情報では、グループから脱退しようとする端末装置20の情報は削除されている。
M42は、グループ脱退Ackのフォーマット例である。グループ脱退リクエストを受信した端末装置20は、グループ脱退Ackを送信する。グループ脱退Ackには、そのグループの論理識別情報と、グループ脱退リクエストで通知された情報を反映した後のグループ収容テーブル61が含められる。
M43は、グループ脱退リクエストを受信した端末装置20が、グループ中の他の端末装置20に送信するグループ情報メッセージである。グループ情報メッセージ中の情報要素は、端末装置20がグループに参加する際(図10のM12)と同様である。すなわち、グループからの端末装置20の脱退に伴い、グループに所属中の端末装置20間では、論理識別情報、グループ収容テーブル、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件の同期処理が行われる。M44は、設定変更メッセージに含まれる情報要素の例である。設定変更メッセージは、アクティブに設定されている端末装置20が脱退したときに、アクティブに設定する端末装置20を選択するために使用される。設定変更メッセージには、論理識別子情報、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件が含められる。設定変更メッセージを使用する際の処理の詳細は、図21を参照しながら説明する。
図20は、スタンバイに設定されている端末装置20がグループから脱退する際の処理の例を説明する図である。なお、以下の例でも、端末装置20a〜20dと端末装置20xを含むグループG1での処理を例として説明する。
端末装置20xが搭載された装置の設置位置の移動などにより、端末装置20xの位置が変動したことにより、端末装置20xがグループG1中の端末装置20から受信する信号の強度が弱くなったとする。受信信号強度が閾値を下回ると、参加処理部52xは、グループを脱退することを決定し、ACT/SBY情報テーブル63xから端末装置20xの情報を削除する。参加処理部52xは、更新後のACT/SBY情報テーブル63xを用いて、グループ脱退リクエスト(図19のM41)を生成する。このとき生成されるグループ脱退リクエストには、グループG1の論理識別情報、端末装置20xに割り当てられた収容端末番号、および、更新後のACT/SBY情報テーブル63x中の情報が含められる。D2D送信部33xは、生成されたグループ脱退リクエストを送信する(ステップS101)。
端末装置20aの取得部53aは、D2D受信部34aを介して、グループ脱退リクエストを取得する。取得部53aは、グループ脱退リクエスト中の情報を用いて、ACT/SBY情報テーブル63aから端末装置20xを削除する。取得部53aは、グループ収容テーブル61aからも端末装置20xの情報を削除することにより、グループG1の情報を更新する(ステップS102)。通知処理部55aは、グループ脱退リクエストに応答するグループ脱退Ack(図19のM42)を生成する。グループ脱退Ackには、グループG1の論理識別情報と、グループ収容テーブル61aのコピーが含められる。D2D送信部33aは、グループ脱退Ackを端末装置20xに送信する(ステップS103)。
さらに、端末装置20a中の通知処理部55aは、グループG1の他の端末装置20に端末装置20xの脱退を通知するためのグループ情報メッセージ(図19のM43)を生成する。グループ情報メッセージには、グループG1の論理識別情報、グループ収容テーブル61a中の情報、ACT/SBY情報テーブル63a中の情報、ACK選択条件が含まれる。グループ情報メッセージの生成時点では、グループ収容テーブル61aとACT/SBY情報テーブル63aのいずれからも、端末装置20xの情報が削除されているので、グループ情報メッセージを受信する端末装置20に、端末装置20xの脱退を通知できる。D2D送信部33aは、グループ情報メッセージを端末装置20b〜20dに送信する(ステップS104)。
端末装置20b中の取得部53bは、グループ情報メッセージを受信すると、受信した情報を用いてグループ収容テーブル61bやACT/SBY情報テーブル63bを更新する(ステップS105)。図を見やすくするために図示していないが、端末装置20c、端末装置20dも、端末装置20bと同様の処理を行う。このため、端末装置20b〜20dにおいても、グループG1から端末装置20xが脱退したことが認識される。
一方、端末装置20xは、端末装置20aからグループ脱退Ackを受信する。端末装置20x中の取得部53xは、グループ脱退Ack中のグループ収容テーブルに端末装置20xが含まれていないことを確認する。取得部53xは、グループ脱退Ack中の情報に合わせてグループ収容テーブル61xを更新する(ステップS106)。なお、ステップS106の処理では、端末装置20x自身がグループG1から脱退しているので、グループG1に属する端末装置20a〜20dの情報がグループ収容テーブル61xから削除される。その後、端末装置20xは、新たに参加するグループの検索等を行う。新たに参加するグループを発見しない場合、端末装置20xは、端末装置20xが属するグループを生成すると共に、基地局10との間でのアタッチシーケンスの処理を行う(ステップS107)。ステップS107で行われる処理の詳細は、図5を参照しながら説明した処理と同様である。
図21は、アクティブに設定されている端末装置20がグループから脱退する際の処理の例を説明する図である。以下、端末装置20xが論理識別情報62の使用権限を有している状態で、グループG1から脱退する場合の例を説明する。なお、以下の例でも、グループG1には、端末装置20a〜20dと端末装置20xが含まれるとする。ステップS111〜S113の処理は、図20を参照しながら説明したステップS101〜S103の処理と同様である。また、ステップS114の処理は、図20を参照しながら説明したステップS107の処理と同様である。なお、ステップS114の処理の前に、図21のケースにおいても、端末装置20xでは、図20のステップS106を参照しながら説明した処理と同様の処理により、グループ収容テーブル61xが更新されている。
端末装置20aの通知処理部55aは、グループ脱退リクエストの送信元の端末装置20xがアクティブな端末装置20であることから、新たにアクティブとなる端末装置20を設定することを決定する。通知処理部55aは、選択条件テーブル65aの情報を用いて、グループG1中の装置間で、ACK選択条件として設定された通信状況等を比較する。通知処理部55aは、比較結果を、選択条件テーブル65aからアクティブにすることが望ましいと判定した端末装置20に通知する。図21の例では、端末装置20bがアクティブに設定されることが望ましいとする。このため、通知処理部55aは、ACT/SBY情報テーブル63aを更新することにより、端末装置20bをアクティブに設定する。端末装置20aでの通信状況の比較結果は、設定変更メッセージ(図19のM44)を用いて、端末装置20bに通知される(ステップS115)。設定変更メッセージには、グループG1の論理識別情報、更新後のACT/SBY情報テーブル63aのコピー、ACT選択条件が含まれている。
端末装置20bの取得部53bは、設定変更メッセージを受信すると、設定変更メッセージ中のACT/SBY情報テーブル63aのコピーに従って、ACT/SBY情報テーブル63bを更新する(ステップS116)。このため、ACT/SBY情報テーブル63bにおいても、端末装置20bがアクティブに設定される。その後、グループG1中の端末装置20間で、選択条件と、ACT/SBY情報テーブル63の最新情報の同期処理を行う。各端末装置20は同期処理の結果として得られたACT/SBYデータと選択条件を記憶部60に記憶するので、端末装置20bがアクティブに設定される(ステップS117)。その後も、グループG1中の端末装置20間では、定期的に同期処理が行われ、適宜、ACT/SBY情報テーブル63の情報が更新される(ステップS118〜S120)。
以上説明したように、第1の実施形態が用いられると、各グループについて所定の台数の端末装置20が、そのグループ中で共有されている論理識別情報を用いて、基地局10と通信する。従って、基地局10にとっては、各グループについて所定の台数の端末装置の情報を接続先として管理すればよい。このため、第1の実施形態にかかる通信方法では、個々の端末装置20が基地局10と通信する場合に比べて、基地局10での処理負担が軽減される。さらに、基地局10と通信しようとする個々の端末装置20がアクティブに設定変更した後で、基地局10と通信するので、特定の端末装置に負荷が集中することも無い。
第1の実施形態では、グループへの参加を要求した端末装置20をグループに参加させるかを、グループ中の端末装置20の総数や、グループ全体での通信量などの情報を用いて決定している。このため、各グループに含まれる端末装置20の数のばらつきや、グループごとの通信量のばらつきによるスループットの偏りがグループ間で発生しにくいという利点もある。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、アクティブな端末装置20の変更のたびに、アクティブであった端末装置20のデタッチ処理や、新たにアクティブになる端末装置20のアタッチ処理が行われるのを避けることで、さらに、処理負荷を軽減する場合について説明する。第2の実施形態では、グループ中に含まれる端末装置20間で、論理識別情報62だけでなく、通信に使用されるGUTIも共有する。このため、グループに属する端末装置20間で送受信されるデータには、UE コンテキストが含められる。UEコンテキスト中に、通信に使用されるGUTIが含まれている。このため、UEコンテキストを共有することにより、各グループ中の端末装置20は、同じIMSIやGUTIを用いて基地局10と通信できる。
図22は、第2の実施形態で使用されるメッセージの例を説明する図である。M51は、第2の実施形態で使用されるグループ情報メッセージの例を示す。グループ情報メッセージは、UEコンテキスト情報を含み、さらに、論理識別情報、グループ収容テーブル、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件を含む。
M52は、第2の実施形態で使用されるACT/SBYデータ共有メッセージのメッセージフォーマットの例である。ACT/SBYデータ共有メッセージには、UEコンテキスト情報、論理識別情報、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件が含まれる。M53は、設定変更メッセージに含まれる情報要素の例である。設定変更メッセージには、UEコンテキスト情報、論理識別子情報、ACT/SBY情報テーブル、ACT選択条件が含められる。
なお、グループへの参加やグループからの脱退は、第2の実施形態でも第1の実施形態と同様である。このため、グループへの参加の際に使用されるメッセージや、グループから脱退する端末装置20とグループ中の端末装置20の間で送受信されるメッセージは第1の実施形態と同様である。
図23は、通信処理の例を説明するシーケンス図である。図23は、複数の端末装置20(20a〜20d、20x)を含むグループG1中での通信処理の例を説明する。図23の最初の時点において、端末装置20bがアクティブな端末装置20に設定されており、グループG1中の他の端末装置20は、スタンバイに設定されているとする。図23でも、1台の端末装置20が論理識別情報62とUEコンテキストの使用権限を有する場合を例として説明するが、グループ中で一度に使用権限を保持することができる装置数は実装に応じて変更されうる。
第2の実施形態では、グループに参加している端末装置20の間で、図22のM51やM52に示すように、UEコンテキストを含むメッセージが送受信される。このため、グループ中の端末装置20は、論理識別情報62とGUTIを予め記憶している(ステップS131)。以下、IMSI_GxxとGUTI_GxxがグループG1の識別に使用されるとする。
端末装置20xにおいて、基地局10に送信するデータが生成されたとする。端末装置20x中の要求部54xは、ACT/SBY情報テーブル63xを用いて、端末装置20bがアクティブに設定されていると判定する。すなわち、この時点では、端末装置20bがIMSI_GxxとGUTI_Gxxの使用権限を保持している。そこで、要求部54xは、端末装置20xをアクティブに設定することを要求するために、ACT要求(図13のM21)を生成する。要求部54xは、ACT要求を、D2D受信部34xを介して、端末装置20bに送信する(ステップS132)。
端末装置20bの取得部53bは、D2D受信部34bを介して、ACT要求を取得する。取得部53bは、ACT要求の送信元に論理識別情報62の使用権限を渡すために、ACT権限譲渡メッセージ(図13のM22)を生成する。通知処理部55bは、ACT権限譲渡メッセージを、D2D送信部33b経由で端末装置20xに送信する(ステップS133)。ステップS133の処理と並行して、通知処理部55bは、ACT/SBY情報テーブル63bにおいて、アクティブな端末装置20を端末装置20bから端末装置20xに変更する。
端末装置20xの取得部53xは、D2D受信部34xを介してACT権限譲渡メッセージを取得する。取得部53xは、ステップS133で受信したACT権限譲渡メッセージを用いて、ACT/SBY情報テーブル63xを更新する。端末装置20x中の通知処理部55xは、グループG1中の通信可能な端末装置20に対して、ACT/SBYデータ共有メッセージを送信する。さらに、端末装置20bでも、通知処理部55bが、グループG1中の通信可能な端末装置20に対して、ACT/SBYデータ共有メッセージを送信する。また、ACT/SBYデータ共有メッセージを受信した端末装置20は、他の端末装置20に通知された情報を通知する。このため、グループG1に属する全ての端末装置20において、端末装置20xがアクティブな端末装置20として設定される(ステップS134)。
その後、端末装置20xは、グループG1で使用可能なIMSI_GxxとGUTI_Gxxを用いて基地局10と通信する(ステップS135)。基地局10と端末装置20xの通信後も、適宜、グループG1内で、ACT/SBYデータ共有メッセージを用いた同期処理が行われる(ステップS136〜S138)。このため、グループG1に属する端末装置20a〜20d、端末装置20xのいずれの装置においても、選択条件やACT/SBY情報テーブル63などが同期される(ステップS139)。
このように、第2の実施形態にかかる通信処理では、グループ内の端末装置20で論理識別情報62とUSコンテキストが共有される。このため、アクティブな端末装置20の変更に際してアタッチ処理やデタッチ処理が発生しないため、基地局10にかかる処理負荷がさらに低減される。また、第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、基地局10は、各グループを所定の台数の端末装置20として扱うことができるので、基地局10の処理負荷は低減される。
<その他>
なお、実施形態は上記に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
待ち受け処理を行う端末装置20の選択方法は、第1の実施形態で説明した方法に限られない。例えば、最後に基地局10との通信処理を行った端末装置20は、通信が終わった段階で、待ち受け処理を開始しても良い。
以上の説明では、論理識別情報62の使用権限の要求を、アクティブに設定されている端末装置20に通知する場合を説明したが、これも一例に過ぎない。例えば、論理識別情報62の使用権限の要求(ACT要求)は、グループ内でブロードキャストされても良い。この場合、アクティブに設定されている端末装置20との通信が一時的に途絶えても、他の端末装置20からアクティブな端末装置20にACT要求が転送されうる。また、グループ中で複数の端末装置20がアクティブに設定されている場合、ACT要求をブロードキャストすることで、複数の端末装置20に対して、使用権限の要求を行うことが可能である。なお、複数の端末装置20がアクティブに設定されている場合、使用権限の要求を受信した端末装置20は、権限を譲渡する場合には、他のアクティブな端末装置20にその旨を通知しても良い。すると、他のアクティブな端末装置20は、使用権限を保持したままになる。
端末装置20がグループから脱退する際の処理として、端末装置20からグループ脱退の要求があった場合を例として説明したが、所定期間以上、グループ中のいずれの端末装置20とも通信が途絶えた端末装置20をグループから脱退させても良い。この場合、通信が一定以上途切れたことを検出した装置が脱退のための処理を行う。例えば、端末装置20cがグループG1中のいずれの装置とも所定期間以上通信していないとする。また、端末装置20b中の参加処理部52bは、端末装置20cと所定期間以上にわたって通信していないことを特定すると、グループ収容テーブル61bやACT/SBY情報テーブル63bから端末装置20cの情報を削除する。その後、更新後の情報を他の端末装置20と同期させる。このため、他のいずれの端末装置20も端末装置20cと通信していなければ、端末装置20bから通知された情報がグループG1中に広まると、グループG1中の全ての装置において、端末装置20cがグループG1に含まれていないことが認識される。一方、端末装置20cが端末装置20x等の一部の装置とは通信できた場合は、端末装置20xからの通知により、端末装置20bにおいても、端末装置20cがグループG1に含まれることが記録される。
以上の説明では、論理識別情報62がIMSIである場合を例として説明したが、論理識別情報62はIMSIに限られない。また、実装によっては、GUTIの代わりにTMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)など、基地局10からの呼び出し処理に使用可能な任意の情報が使用され得る。
上述の第1および第2の実施形態を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
基地局と通信可能な端末装置であって、
前記基地局との通信に使用する識別情報を共有する1つ以上の端末装置のグループに参加すると、前記グループで使用される識別情報と、前記端末装置に前記識別情報の使用権限が割り当てられているかを表わす状態情報を取得する取得部と、
前記状態情報を用いて前記使用権限が割り当てられていないと判定した場合、前記基地局へ送信するデータを取得すると、前記使用権限を前記グループ中の他の端末装置に要求する要求部と、
前記使用権限が得られると、前記識別情報を用いて前記基地局と通信を行う通信部
を備えることを特徴とする端末装置。
(付記2)
前記グループと前記基地局との間の通信量に関する閾値と、前記グループに所属可能な装置数の上限値を記憶する記憶部と、
前記グループへの参加要求を前記通信部が受信すると、前記グループに所属している端末装置の各々と前記基地局との間の通信量の合計が前記閾値を超えず、かつ、前記参加要求の送信元を前記グループに参加させたときの前記グループ中の端末装置の数が前記上限値を超えない場合、前記参加要求の送信元を前記グループに参加させることを決定する参加処理部、
を備え、
前記通信部は、前記送信元に前記グループへの参加の可否を通知するメッセージを送信する
ことを特徴とする付記1に記載の端末装置。
(付記3)
前記基地局を介した通信での位置登録に前記識別情報を用いて接続を確立し、前記グループ中の他の端末装置からの前記使用権限の要求が発生すると、前記接続を終了することにより、前記他の端末装置と前記基地局の間での前記識別情報を用いた通信が可能な状態にする呼処理部をさらに備え、
前記通信部は、前記使用権限の要求元に前記使用権限の譲渡の通知を送信する
ことを特徴とする付記1または2に記載の端末装置。
(付記4)
前記基地局を介した通信での位置登録に前記識別情報を用いて接続を確立することにより、前記基地局からの呼び出し処理に使用される他の識別情報を取得する呼処理部と、
前記グループ中の他の端末装置からの前記使用権限の要求が発生すると、前記使用権限の要求を行った要求元に前記使用権限を譲渡すると共に、前記他の識別情報を通知することにより、前記要求元に、前記識別情報と前記他の識別情報を用いた通信を行わせる通知処理部
を備えることを特徴とする付記1または2に記載の端末装置。
(付記5)
基地局と通信可能な端末装置が、
前記基地局との通信に使用する識別情報を共有する1つ以上の端末装置のグループに参加し、
前記グループで使用される識別情報と、前記端末装置に前記識別情報の使用権限が割り当てられているかを表わす状態情報を取得し、
前記状態情報を用いて前記使用権限が割り当てられていないと判定した場合、前記基地局へ送信するデータを取得すると、前記使用権限を前記グループ中の他の端末装置に要求し、
前記使用権限が得られると、前記識別情報を用いて前記基地局と通信する
処理を行うことを特徴とする通信方法。
(付記6)
前記グループへの参加要求を受信し、
前記グループに所属している端末装置の各々と前記基地局との間の通信量の合計が閾値を超えず、かつ、前記参加要求の送信元を前記グループに参加させたときの前記グループ中の端末装置の数が前記グループに所属可能な装置数の上限値を超えない場合、前記参加要求の送信元を前記グループに参加させることを決定し、
前記送信元に前記グループへの参加の可否を通知するメッセージを送信する
処理を前記端末装置が行うことを特徴とする付記5に記載の通信方法。
(付記7)
前記基地局を介した通信での位置登録に前記識別情報を用いて接続を確立し、
前記グループ中の他の端末装置からの前記使用権限の要求が発生すると、前記接続を終了することにより、前記他の端末装置と前記基地局の間での前記識別情報を用いた通信が可能な状態にし、
前記使用権限の要求元に前記使用権限の譲渡の通知を行う
処理を前記端末装置が行うことを特徴とする付記5または6に記載の通信方法。
(付記8)
前記基地局を介した通信での位置登録に前記識別情報を用いて接続を確立することにより、前記基地局からの呼び出し処理に使用される他の識別情報を取得し、
前記グループ中の他の端末装置からの前記使用権限の要求が発生すると、前記使用権限の要求を行った要求元に前記使用権限を譲渡し、
前記要求元に前記他の識別情報を通知することにより、前記要求元に、前記識別情報と前記他の識別情報を用いた通信を行わせる
処理を前記端末装置が行うことを特徴とする付記5または6に記載の通信方法。
5 端末
10 基地局
15 MME
20 端末装置
30 通信部
31 モバイル送信部
32 モバイル受信部
33 D2D送信部
34 D2D受信部
40 通信制御部
41 呼処理部
42 データ処理部
50 制御部
51 生成部
52 参加処理部
53 取得部
54 要求部
55 通知処理部
60 記憶部
61 グループ収容テーブル
62 論理識別情報
63 ACT/SBY情報テーブル
64 閾値情報
65 選択条件テーブル
80 CN装置
101 アンテナ
102 モバイル通信RF回路
103 D2D通信RF回路
104 CPU
105 DSP
106 メモリ

Claims (5)

  1. 基地局と通信可能な端末装置であって、
    前記基地局との通信に使用する識別情報を共有する1つ以上の端末装置のグループに参加すると、前記グループで使用される識別情報と、前記端末装置に前記識別情報の使用権限が割り当てられているかを表わす状態情報を取得する取得部と、
    前記状態情報を用いて前記使用権限が割り当てられていないと判定した場合、前記基地局へ送信するデータを取得すると、前記使用権限を前記グループ中の他の端末装置に要求する要求部と、
    前記使用権限が得られると、前記識別情報を用いて前記基地局と通信を行う通信部
    を備えることを特徴とする端末装置。
  2. 前記グループと前記基地局との間の通信量に関する閾値と、前記グループに所属可能な装置数の上限値を記憶する記憶部と、
    前記グループへの参加要求を前記通信部が受信すると、前記グループに所属している端末装置の各々と前記基地局との間の通信量の合計が前記閾値を超えず、かつ、前記参加要求の送信元を前記グループに参加させたときの前記グループ中の端末装置の数が前記上限値を超えない場合、前記参加要求の送信元を前記グループに参加させることを決定する参加処理部、
    を備え、
    前記通信部は、前記送信元に前記グループへの参加の可否を通知するメッセージを送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記基地局を介した通信での位置登録に前記識別情報を用いて接続を確立し、前記グループ中の他の端末装置からの前記使用権限の要求が発生すると、前記接続を終了することにより、前記他の端末装置と前記基地局の間での前記識別情報を用いた通信が可能な状態にする呼処理部をさらに備え、
    前記通信部は、前記使用権限の要求元に前記使用権限の譲渡の通知を送信する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
  4. 前記基地局を介した通信での位置登録に前記識別情報を用いて接続を確立することにより、前記基地局からの呼び出し処理に使用される他の識別情報を取得する呼処理部と、
    前記グループ中の他の端末装置からの前記使用権限の要求が発生すると、前記使用権限の要求を行った要求元に前記使用権限を譲渡すると共に、前記他の識別情報を通知することにより、前記要求元に、前記識別情報と前記他の識別情報を用いた通信を行わせる通知処理部
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
  5. 基地局と通信可能な端末装置が、
    前記基地局との通信に使用する識別情報を共有する1つ以上の端末装置のグループに参加し、
    前記グループで使用される識別情報と、前記端末装置に前記識別情報の使用権限が割り当てられているかを表わす状態情報を取得し、
    前記状態情報を用いて前記使用権限が割り当てられていないと判定した場合、前記基地局へ送信するデータを取得すると、前記使用権限を前記グループ中の他の端末装置に要求し、
    前記使用権限が得られると、前記識別情報を用いて前記基地局と通信する
    処理を行うことを特徴とする通信方法。
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