JP2017191067A - 放射電界強度の算出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】計算コストの増大を抑制しつつ、放射電界発生部からの放射電界強度を精度良く算出できる放射電界強度の算出方法を提供する。【解決手段】誘起電圧が誘起されたハーネス13からの放射電界強度の算出方法であって、空間SPを電磁波の伝送経路として、ハーネス13の放射特性を測定する測定工程と、ハーネス13に誘起される誘起電圧を算出する電圧算出工程と、測定工程で測定した放射特性と、電圧算出工程で算出された誘起電圧と、に基づいて、ハーネス13からの放射電界強度を算出する電界強度算出工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器に使用されるハーネスからの放射電界強度の算出方法に関する。
従来から、電子機器から放射される不要な電磁波が、他の電子機器の誤動作を引き起こしたり、通信機器の通信を妨げたりする原因となることが知られている。このため、こうした電子機器を設計する際には、当該電子機器から放射される不要な電磁波を低く抑制することが望まれている。
例えば、特許文献1には、シミュレーション(数値計算)を用いて、プリント基板に接続されたケーブル(ハーネス)をアンテナとして放射される不要電磁波の電界強度の算出方法が開示されている。詳しくは、特許文献1には、プリント基板の信号線を流れる信号電流を算出する信号電流算出部と、当該信号電流に基づいてケーブルに流れるケーブル電流を算出するケーブル電流算出部と、当該ケーブル電流に基づいてケーブルから放射される電磁波の電界強度を算出することが開示されている。
こうして、プリント基板の回路構成が電界強度に与える影響を確認しながら、電子機器から放射される不要電磁波を抑制できるようにプリント基板の設計を行えるようにしている。
特開2009−123132号公報
ところで、上記のような放射電界強度の算出方法において、正確な放射電界強度を算出するためには、プリント基板の回路構成及びケーブルの配線態様などをシミュレーションの条件に詳細に反映させる必要がある。ところが、そうした詳細な条件を反映したシミュレーションを行う場合には、計算コストの増大を招くおそれがあり、改善の余地が残されていた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものである。その目的は、計算コストの増大を抑制しつつ、放射電界発生部からの放射電界強度を精度良く算出できる放射電界強度の算出方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する放射電界強度の算出方法は、誘起電圧が誘起された放射電界発生部からの放射電界強度の算出方法であって、空間を電磁波の伝送経路として、前記放射電界発生部の放射特性を測定する測定工程と、前記放射電界発生部に誘起される前記誘起電圧を算出する電圧算出工程と、前記測定工程で測定した前記放射特性と、前記電圧算出工程で算出された前記誘起電圧と、に基づいて、前記放射電界発生部の前記放射電界強度を算出する電界強度算出工程と、を備える。
上記構成によれば、測定工程では、空間を電磁波の伝送経路として、放射電界発生部の放射特性が測定される。このため、放射電界発生部及び空間をモデル化するとともに、当該モデルに基づくシミュレーションを行うことなく、放射電界発生部の放射特性を得ることができる。そして、測定工程で測定された放射特性と電圧算出工程で算出された誘起電圧とに基づいて、放射電界発生部からの放射電界強度が算出される(電界強度算出工程)。したがって、この構成によれば、放射電界発生部から空間を挟んだ位置における当該放射電界発生部からの放射電界強度を、計算コストの増大を抑制しつつ精度良く算出できる。
また、前記電圧算出工程では、前記放射電界発生部に信号を入力する回路のシミュレーション結果から前記誘起電圧を算出することが好ましい。
上記構成によれば、誘起電圧が回路のシミュレーション結果から算出されるため、放射電界発生部に信号を入力する回路を製作する必要がなく、誘起電圧を容易に得ることができる。また、回路の回路構成を変更することで変化する誘起電圧を容易に算出できるため、当該回路の回路構成の変更に伴って、放射電界発生部からの放射電界強度がどのように変化するかを容易に算出できる。
供試装置においてハーネスの放射特性を測定する様子を示す模式図。 信号入力部の具体的構成を示す平面図。 ハーネスの放射特性の周波数特性を示すグラフ。 ハーネスに誘起される誘起電圧の周波数特性を示すグラフ。 ハーネスからの放射電界強度の周波数特性を示すグラフ。
以下、放射電界強度の算出方法の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態の放射電界強度の算出方法は、放射電界強度を算出する対象となる電子機器の一例としての印刷装置を模した供試装置で測定される電磁波の放射特性を使用するものである。そこで、まず印刷装置及び供試装置について説明し、その後、放射電界強度の算出方法について説明する。
図1に示すように、放射電界強度を算出する対象となる印刷装置10は、複数の電子部品によって構成される制御基板11と、制御基板11からクロック信号などの制御信号が入力される制御対象12と、制御基板11及び制御対象12を接続するハーネス13と、制御基板11、制御対象12及びハーネス13を収容する筐体14と、を備えている。なお、制御基板11及び制御対象12は、一対一の関係で設けてもよいし、一対多の関係で設けてもよい。また、筐体14は、金属(導体)及び樹脂(誘電体)などの材料によって箱状に構成されている。
また、印刷装置10の制御対象12としては、印刷装置10の各種の情報を表示する液晶パネル、インクを吐出する吐出ヘッド、インクが吐出された媒体を乾燥するファン、各種の状態を検出するセンサー及び媒体の搬送時に駆動されるモーターなどが挙げられる。そして、印刷装置10は、制御基板11によって制御対象12が駆動されることで、媒体に文字や画像を印刷したり、印刷済みの媒体を乾燥したり、乾燥した媒体を筐体14から排出したりする。
さて、こうした印刷装置10において、制御対象12を駆動する場合には、制御基板11からハーネス13を介して制御対象12に電流(制御信号)が流れることで、ハーネス13がアンテナとして動作する。すると、ハーネス13から不要な電磁波(放射ノイズ)が放射され、他の電子機器の動作を妨げたり、他の通信機器の通信を妨げたりすることがある。
こうした点で、本実施形態では、ハーネス13が「放射電界発生部」の一例に相当し、制御基板11が「放射電界発生部に信号を入力する回路」の一例に相当する。また、次に説明する供試装置20は、こうしたハーネス13からの放射電界強度を算出するために必要な情報を測定するためのものである。
図1に示すように、本実施形態の供試装置20は、制御基板11の代わりに信号入力部30を備える点を除いて、印刷装置10と略同一の構成とされている。詳しくは、供試装置20は、印刷装置10の構成部品のうち、例えば、金属製の導体部品及び樹脂製の誘電体部品など、ハーネス13からの放射電界に影響を与える部品については備えていることが好ましいが、印刷装置10の完成体を完全に模したものでなくてもよい。
図2に示すように、供試装置20の信号入力部30は、同軸ケーブル43を接続可能な同軸コネクター31と、ハーネス13を接続可能なハーネスコネクター32と、同軸コネクター31及びハーネスコネクター32が取り付けられる基板33と、同軸コネクター31及びハーネスコネクター32を接続する信号配線34と、を備えている。
信号入力部30の基板33は、複数の基板を積層した多層基板となっている。この基板33は、同軸コネクター31、ハーネスコネクター32、信号配線34及びグラウンドパターン35が設けられる表面層を有している。また、信号入力部30は、表面層において信号配線34とグラウンドパターン35との間に所定の距離をおいたギャップを有し、ギャップの大きさを調整することで、信号入力部30の特性インピーダンスを調整することを可能としている。
また、図1に示すように、供試装置20には、高周波回路の周波数特性を測定可能な測定部40と、供試装置20から放射される電磁波を受信する受信アンテナ50と、が接続されている。
測定部40は、高周波回路の通過及び反射の特性を示すSパラメーターを測定可能なネットワークアナライザーである。また、測定部40は、同軸ケーブル43,44を接続可能な第1ポート41及び第2ポート42を備えている。第1ポート41は、同軸ケーブル43を介して信号入力部30の同軸コネクター31に接続され、第2ポート42は、同軸ケーブル44を介して受信アンテナ50に接続されている。こうした点で、上述した信号入力部30は、測定部40の第1ポート41から出力される信号をハーネス13に入力するための治具であるとも言える。
受信アンテナ50は、供試装置20から空間SPを挟んだ位置、言い換えれば、供試装置20から任意の距離だけ離れた位置に配置されている。ここで、供試装置20から任意の距離だけ離れた位置とは、ハーネス13(供試装置20)からの放射電界強度を評価したい位置である。このため、ハーネス13(供試装置20)から受信アンテナ50までの距離は、EMC規格(Electro Magnetic Compatibility規格)などの規格で規定された距離(例えば、10m)とすることが好ましい。
次に、ハーネス13からの放射電界強度の算出方法について説明する。
さて、本実施形態におけるハーネス13からの放射電界強度の算出方法は、空間SP(空気)を電磁波の伝送経路として扱い、ハーネス13の放射特性を測定する測定工程と、ハーネス13に誘起される誘起電圧を算出する電圧算出工程と、放射特性及び誘起電圧に基づいて放射電界強度を算出する電界強度算出工程と、を含んでいる。
図1に示すように、測定工程では、測定部40によって供試装置20の測定が行われる。詳しくは、測定部40によって、ハーネス13及び空間SPを介した信号入力部30から受信アンテナ50までの伝送経路を対象としたSパラメーターが測定される。
このため、測定工程では、第1ポート41から出力した信号が以下に示す伝送経路で第2ポート42に入力することとなる。すなわち、測定部40の第1ポート41から信号が出力されることで、ハーネス13に電流が流れると、当該ハーネス13から電磁波が放射される。続いて、ハーネス13から放射される電磁波は、空間SPを伝搬した後に受信アンテナ50で受信され、当該受信アンテナ50で受信された電磁波の強度に応じた信号となり、測定部40の第2ポート42に入力する。
したがって、測定部40によって測定されるSパラメーターの透過特性(S21)は、ハーネス13に対して基準となる大きさの電圧(電流)が誘起された場合に、任意の距離だけ離れた位置に、電磁波がどの程度の強さで放射されるかを示すものである。このため、印刷装置10を模した供試装置20を測定することで得られるSパラメーターの透過特性は、ハーネス13の放射特性とも言える。
また、ここで言うハーネス13の放射特性とは、ハーネス13単体の放射特性ではなく、ハーネス13が使用される状況、つまり、印刷装置10に配置(配線)された状況におけるハーネス13の放射特性である。このため、本実施形態において、Sパラメーターの透過特性(S21)として測定されるハーネス13の放射特性は、ハーネス13単体の特性に加え、空間SPの特性や、供試装置20及び受信アンテナ50の間の距離、供試装置20の内部のフレーム(導体)及び樹脂部品(誘電体)の形状・配置といった複数の要因を踏まえたものとなる。
なお、測定工程は、供試装置20の特性を正確に評価するために、電波暗室内で、ターンテーブルに載せた供試装置20を回転させながら行われることが好ましい。また、測定されたSパラメーターは、受信アンテナのアンテナ係数を用いて補正されることが好ましい。
そして、測定部40で、Sパラメーターを周波数ごとに計測することで、図3に示すグラフを得ることができる。すなわち、周波数[Hz]の変化に対するハーネス13の放射特性の大きさ(Sパラメーターの透過特性)の大きさ[dB/m]の変化を示すグラフを得ることができる。
続いて、電圧算出工程では、制御基板11の回路構成が決定されたときに、当該制御基板11がハーネス13にどの程度の大きさの電圧が誘起されるかを算出する。ここで、制御基板11がハーネス13に誘起する電圧とは、例えば、ハーネス13を介して制御基板11に接続された制御対象12を制御するために、クロック信号などの制御信号を入力するときに誘起される電圧である。
そして、電圧算出工程では、印刷装置10の制御基板11の回路構成をモデル化し、当該モデルに基づくシミュレーション(数値計算)を行うことで、周波数ごとの誘起電圧が算出される。すなわち、電圧算出工程では、ハーネス13が接続される回路(制御基板11の回路)のシミュレーション結果から、ハーネス13に誘起される誘起電圧が算出される。なお、シミュレーションは、例えば、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)などのソフトを使用すればよい。
図4のグラフは、電圧算出工程におけるシミュレーション結果の一例を示し、周波数[Hz]の変化に対するハーネス13の誘起電圧[dBμV]の変化を示すグラフである。なお、ハーネス13の誘起電圧は、例えば、ハーネス13に接続された制御基板11の回路を構成するコンデンサーやコイルといった電子部品の仕様や配置など、制御基板11の回路構成によって変化する。
そして、放射電界強度算出工程では、図3に示すように測定工程で測定されたハーネス13の放射特性と、図4に示すように電圧算出工程で算出されたハーネス13に誘起される誘起電圧と、に基づいて、ハーネス13からの放射電界強度が算出される。詳しくは、ハーネス13からの放射電界強度は、ハーネス13の放射特性とハーネス13に誘起される誘起電圧とを周波数ごとに掛け合わせることで算出される。
因みに、本実施形態では、ハーネス13の放射特性とハーネス13に誘起される誘起電圧とをdB表示(対数表示)で扱っているため、正確には、ハーネス13の放射特性とハーネス13に誘起される誘起電圧とを周波数ごとに足し合わせることで、ハーネス13からの放射電界強度が算出される。
図5に示すグラフは、放射電界強度算出工程の結果の一例を示し、周波数[Hz]を変化させたときのハーネス13からの放射電界強度[dBμV/m]の変化を示すグラフである。そして、図5に示すグラフによれば、ある誘起電圧がハーネス13に誘起されたときに、供試装置20(ハーネス13)から任意の距離だけ離れた位置において、ハーネス13からの放射電界強度がどの程度の電界強度となるかを周波数ごとに把握できる。
こうして、本実施形態によれば、測定部40によって、ハーネス13の放射特性が、ハーネス13(供試装置20)から空間SPを挟んで任意の距離だけ離れた位置までのSパラメーターの透過特性(S21)として測定される。また、制御基板11の回路構成に応じて、ハーネス13に誘起される誘起電圧がシミュレーションで算出される。そして、ハーネス13の放射特性とハーネス13の誘起電圧の積(dB表示では和)によって、ハーネス13から任意の距離だけ離れた位置における放射電界強度が算出される。こうして、本実施形態では、ハーネス13の放射特性を係数化して扱うことで、全てをシミュレーションで算出する場合に比較して、計算コストの増大及び計算精度の低下の抑制が図られる。
次に、本実施形態の放射電界強度の算出方法の作用として、当該算出方法を利用した印刷装置10の設計方法について説明する。
さて、印刷装置10を設計する場合には、制御基板11、制御対象12、及びこれらを接続するハーネス13の仕様及び配置(配線態様)といった事項の決定後に、制御基板11の回路構成を決定することがある。この場合には、制御基板11を信号入力部30に置き換えた後に、測定工程を実施することで、図3に示すようなハーネス13の放射特性が測定される。また、制御基板11の回路構成に基づいて、電圧算出工程が実施されることで、図4に示すようなハーネス13の誘起電圧が算出される。
続いて、測定工程及び電圧算出工程によって得られるハーネス13の放射特性及びハーネス13への誘起電圧に基づいて、図5に示すようなハーネス13からの放射電界強度が算出される。ここで、例えば、算出されたハーネス13からの放射電界強度がEMC規格で規定された条件を満たさない場合など、算出されたハーネス13からの放射電界強度が所望の電界強度でない場合、制御基板11の回路構成を変更して、改めてハーネス13への誘起電圧が算出される。例えば、特定の周波数領域の電界強度を低く抑制できるようなフィルター回路を制御基板11に追加して、改めてハーネス13への誘起電圧が算出される。
そして、ハーネス13の放射特性と改めて算出されたハーネス13の誘起電圧とに基づいて、ハーネス13からの放射電界強度が算出され、当該放射電界強度が所望の電界強度であるか否かが判断される。こうして、所望の電界強度が得られるまで、制御基板11の回路構成の設計変更が繰り返される。
以上より、本実施形態によれば、印刷装置10におけるハーネス13の配線態様を決定した後に、当該ハーネス13からの放射電界強度を所望の電界強度とすることができるハーネス13の誘起電圧を求めることができる。言い換えれば、ハーネス13からの放射電界強度を所望の電界強度とすることができる制御基板11の回路構成を決定することができる。
その一方で、ハーネス13の放射特性は、筐体14内におけるハーネス13の引き回し方及び長さを変更したりすることで変化するため、こうしたハーネス13の配線態様が異なる条件のそれぞれに対して、測定工程を実施することで、ハーネス13の配線態様が異なる場合の当該ハーネス13の放射特性を測定できる。したがって、ハーネス13の配線態様を変更した状態での当該ハーネス13の放射特性を予め測定しておくことで、ある誘起電圧をハーネス13に誘起させた場合に、ハーネス13からの放射電界強度を最も小さくできるハーネス13の配線態様を決定することもできる。
こうして、印刷装置10の試作と評価とを繰り返しながら、EMC規格を満たすなど、所望の放射電界強度となるように印刷装置10の設計を行う場合に比較して、印刷装置10の試作を繰り返し行わなくても良い点で、効率の良い設計が可能となる。
以上説明した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)測定工程では、空間SPを電磁波の伝送経路として、ハーネス13の放射特性が測定される。このため、ハーネス13及び空間SPをモデル化するとともに、当該モデルに基づくシミュレーションを行うことなく、ハーネス13の放射特性を得ることができる。そして、測定工程で測定された放射特性と電圧算出工程で算出された誘起電圧とに基づいて、ハーネス13からの放射電界強度が算出される(電界強度算出工程)。したがって、この構成によれば、ハーネス13から空間SPを挟んだ位置における当該ハーネス13からの放射電界強度を、計算コストの増大を抑制しつつ精度良く算出できる。
また、放射電界強度の算出結果に基づいて、例えば、特定の周波数の放射電界強度を低減すべく制御基板11にフィルター回路を設ける場合には、電圧算出工程及び電界強度算出工程をやり直せばよい。すなわち、測定工程をもう一度実施することなく、制御基板11の回路構成の変更がハーネス13からの放射電界強度に与える影響を評価することができる。こうして、効率の良い設計を行うことができる。
(2)誘起電圧が回路のシミュレーション結果から算出されるため、ハーネス13に信号を入力する回路を製作する必要がなく、誘起電圧を容易に得ることができる。また、回路の回路構成を変更することで変化する誘起電圧を容易に算出できるため、当該回路の回路構成の変更に伴って、ハーネス13の放射電界強度がどのように変化するかを容易に算出できる。
(3)印刷装置10の完成体を模したモデルを作成し、当該モデルに基づくシミュレーションによって、ハーネス13の放射特性を算出する場合には、より正確な放射特性を得るためにはより詳細なモデルを作成する必要があり、より早く放射特性を得るためにはより単純なモデルを作成する必要がある。ところが、前者の場合には、モデル化及び当該モデルに基づくシミュレーションに要する時間が長くなり、後者の場合には、正確な放射特性が得られないおそれがある。
この点、本実施形態では、印刷装置10の完成体を模した供試装置20において、ハーネス13の放射特性を測定するため、ハーネス13の放射特性及び当該放射特性に基づくハーネス13からの放射電界強度を、多大な時間を掛けることなく精度良く取得できる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・上記実施形態では、印刷装置10のハーネス13からの放射電界強度の算出方法について説明したが、本実施形態の放射電界強度の算出方法は、印刷装置10以外の電子機器のハーネスからの放射電界強度の算出に適用することもできる。
・放射電界強度の算出は、ハーネス13以外の放射電界発生部を対象として行ってもよい。ここで、放射電界発生部の例としては、電子機器において、信号の入力にともなってアンテナとして機能し得るものであり、基板同士を接続する配線、基板、ケーブル及び金属筐体などを挙げることができる。
・ハーネス13に誘起される誘起電圧は、スペクトラムアナライザーなどを用いて、制御基板11から出力される信号を測定することで求めてもよい。すなわち、電圧算出工程を実施する代わりに、こうした電圧測定工程を実施してもよい。
・測定工程において、信号入力部30は、印刷装置10の制御基板11とハーネス13との接続部位に信号入力部30の信号配線34を接続してもよい。すなわち、制御基板11を信号入力部30に交換せずに、測定工程を実施してもよい。
・測定部40は、Sパラメーターの透過特性(S21)を測定可能であれば、ネットワークアナライザーでなくてもよい。例えば、測定部40は、スペクトラムアナライザー及びシグナルジェネレーター(標準信号発生器)としてもよい。この場合、シグナルジェネレーターから同軸ケーブル43に既知の信号をスペクトラムアナライザーのスイープに同期させて出力する一方、同軸ケーブル44から入力される信号をスペクトラムアナライザーで測定することで、SパラメーターのS21に相当する値を求めればよい。また、スペクトラムアナライザーの代替としてゲインフェーズアナライザーを用いてもよい。
10…印刷装置、11…制御基板(回路の一例)、12…制御対象、13…ハーネス(放射電界発生部の一例)、14…筐体、20…供試装置、30…信号入力部、31…同軸コネクター、32…ハーネスコネクター、33…基板、34…信号配線、35…グラウンドパターン、40…測定部、41…第1ポート、42…第2ポート、43…同軸ケーブル、44…同軸ケーブル、50…受信アンテナ、SP…空間。

Claims (2)

  1. 誘起電圧が誘起された放射電界発生部からの放射電界強度の算出方法であって、
    空間を電磁波の伝送経路として、前記放射電界発生部の放射特性を測定する測定工程と、
    前記放射電界発生部に誘起される前記誘起電圧を算出する電圧算出工程と、
    前記測定工程で測定した前記放射特性と、前記電圧算出工程で算出された前記誘起電圧と、に基づいて、前記放射電界発生部の前記放射電界強度を算出する電界強度算出工程と、を備える
    ことを特徴とする放射電界強度の算出方法。
  2. 前記電圧算出工程では、前記放射電界発生部に信号を入力する回路のシミュレーション結果から前記誘起電圧を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射電界強度の算出方法。
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