JP2017190920A - バーナ装置及びその燃焼方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水分や固形残渣分を多く含んだ難燃性の残渣油を手を加えずにそのままの状態でバーナ燃料として利用可能としたバーナ装置及びその燃焼方法を提供する。【解決手段】 バーナ本体2に燃料油を噴射する燃料油噴射ノズル3と、固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズル4とを併設し、この残渣油噴射ノズル4へ残渣油を供給する残渣油供給配管16には回転容積形の供給ポンプ19とコリオリ式流量計20とを順に備え、このコリオリ式流量計20にて検出される流量値に基づいて前記回転容積形の供給ポンプ19の供給量をフィードバック制御して残渣油の供給量を調整する構成とする。そして、予め設定した燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率に基づいて前記残渣油噴射ノズル4から残渣油を噴射して微粒化しながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させる。【選択図】 図1
Description
本発明は、工場等から回収される回収油を再生処理する過程で残留する固形残渣分や水分等を含んだ残渣油を燃料として利用可能なバーナ装置及びその燃焼方法に関し、特にアスファルト混合物の素材である骨材を加熱乾燥処理するアスファルトプラントのドライヤに適用可能なバーナ装置及びその燃焼方法に関する。
各種の工場等から回収される鉱物油や動植物油等の回収油には、金属粉やスラッジ、カーボン等の固形残渣分と共に水分等も混在しており、これらの固形残渣分や水分を遠心分離や油水分離等によって分離除去することにより、例えば再生重油や再生潤滑油等として再生処理している。一方、上記再生処理の過程で残留するスラッジ等の固形残渣分と水分とを高濃度で含んだ残渣油については、重油や灯油等の燃料油と比較すると発熱量も小さく、難燃性ということもあって、その多くは有償にて廃棄処分されている。
しかし、前記残渣油を、例えば乾燥炉や加熱炉等のバーナの燃料の一部と代替させることができれば、燃料コストの低減が期待できる上、残渣油中に含まれている植物油により、カーボンニュートラルの考えに基づけばCO2の削減効果も期待できるものとなる。
例えば、特許文献1(特開2011−45846号公報)には、含油排水を含油スカムと含油スラッジとに分離し、含油スカムは振動篩にて脱水処理して脱水スカムとし、含油スラッジと共に熱量調整油と混合して熱量調整を行った上で、振動ミルにて微細化と粘性調整とを行って燃料油として回収するようにした含油排水の処理方法及び処理装置が記載されている。
しかしながら、上記のように、含油スカム(残渣油)は非常に多くの水分を含んでいるため、燃料油として利用可能なようにするにあたって十分に脱水処理をした上で熱量調整用にB重油等を別途混合していると共に、スラッジ分も一緒に燃焼可能なように振動ミルにて微細化処理等も行っており、これらの各種処理には少なからず時間やコストを要するものと予想される。
本発明は上記の点に鑑み、水分や固形残渣分を多く含んだ難燃性の残渣油を手を加えずにそのままの状態でバーナ燃料として利用可能としたバーナ装置及びその燃焼方法を提供することを課題とする。
本発明に係る請求項1記載のバーナ装置では、バーナ本体に主燃料となる燃料油を噴射する燃料油噴射ノズルと、副燃料となる固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設し、該残渣油噴射ノズルに残渣油を供給する残渣油供給配管には供給ポンプと流量計とを備えると共に、該流量計にて検出される流量値に基づいて前記供給ポンプの供給量をフィードバック制御して残渣油の供給量及び主燃料となる燃料油の供給量を調整する燃焼制御器を備える一方、該燃焼制御器には燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率を予め設定しておき、該供給比率に基づいて主燃料である燃料油を前記燃料油噴射ノズルから噴射させて燃焼させる一方、副燃料である固形残渣分や水分を含んだ残渣油を高圧空気と共に噴射させて微粒化させながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたことを特徴としている。
また、請求項2記載のバーナ装置では、前記残渣油供給配管に備える供給ポンプと流量計は、回転容積形の供給ポンプとコリオリ式流量計であることを特徴としている。
また、請求項3記載のバーナ装置では、前記主燃料となる燃料油と副燃料となる残渣油の単位発熱量を予め特定し、バーナ燃焼量に対して必要とされる総発熱量に見合うように前記各ノズルへの燃料油と残渣油の時間当たりの供給量を燃焼制御器に設定したことを特徴としている。
また、請求項4記載のバーナ装置の燃焼方法では、バーナ本体に主燃料となる燃料油を噴射する燃料油噴射ノズルと、副燃料となる固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設し、バーナ低燃焼時には前記燃料油噴射ノズルのみに燃料油を供給して燃料油単独にて燃焼させる一方、残渣油は循環供給させて残渣油供給配管内に堆積する残渣油中に含まれる固形残渣分を流動させるようにし、バーナ高燃焼時には燃料油噴射ノズルと残渣油噴射ノズルの両方へ燃料油と残渣油を所定の供給比率に基づいて供給し、残渣油を固形残渣分や水分と共に噴射して微粒化しながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたことを特徴としている。
また、請求項5記載のバーナ装置の燃焼方法では、前記副燃料となる残渣油は、回収した残渣油に対して水を添加混合して残渣油の単位発熱量を所定の発熱量に調整することを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載のバーナ装置によれば、バーナ本体に主燃料となる燃料油を噴射する燃料油噴射ノズルと、副燃料となる固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設し、該残渣油噴射ノズルに残渣油を供給する残渣油供給配管には供給ポンプと流量計とを備えると共に、該流量計にて検出される流量値に基づいて前記供給ポンプの供給量をフィードバック制御して残渣油の供給量及び主燃料となる燃料油の供給量を調整する燃焼制御器を備える一方、該燃焼制御器には燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率を予め設定しておき、該供給比率に基づいて主燃料である燃料油を前記燃料油噴射ノズルから噴射させて燃焼させる一方、副燃料である固形残渣分や水分を含んだ残渣油を高圧空気と共に噴射させて微粒化させながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたので、水分や固形残渣分を多く含んだ難燃性の残渣油を手を加えることなくそのままの状態でバーナ燃料として有効に利用することができ、脱水処理工程等が不要となって残渣油を低コストにて利用可能となる。
また、請求項2記載のバーナ装置によれば、前記残渣油供給配管に備える供給ポンプと流量計は、それぞれ回転容積形の供給ポンプとコリオリ式流量計であるので、供給時や流量検出時において何れも流体中の固形物の流下を妨げる装置構造でなく、例え残渣油中に固形残渣分が多く含まれていても、閉塞や噛み込み等の不具合を来すことなく残渣油をノズルへ安定供給できる。また、回転容積形の供給ポンプは比較的精度良く定量供給できるため、固形残渣分によって閉塞や噛み込み等が生じるおそれのある流量調整弁等を配管途中に備えずともバーナ燃焼量に応じた適正量の残渣油の供給が可能となる。
また、請求項3記載のバーナ装置によれば、前記主燃料となる燃料油と副燃料となる残渣油の単位発熱量を予め特定し、バーナ燃焼量に対して必要とされる総発熱量に見合うように前記各ノズルへの燃料油と残渣油の時間当たりの供給量を燃焼制御器に設定したので、水分の含有量によって単位発熱量にバラツキのある残渣油を使用する場合でもバーナ燃焼量に応じた所望の発熱量にコントロールでき、バーナ燃料として利用しやすいものとなる。
また、請求項4記載のバーナ装置の燃焼方法によれば、バーナ本体に主燃料となる燃料油を噴射する燃料油噴射ノズルと、副燃料となる固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設し、バーナ低燃焼時には前記燃料油噴射ノズルのみに燃料油を供給して燃料油単独にて燃焼させる一方、残渣油は循環供給させて残渣油供給配管内に堆積する残渣油中に含まれる固形残渣分を流動させるようにし、バーナ高燃焼時には燃料油噴射ノズルと残渣油噴射ノズルの両方へ燃料油と残渣油を所定の供給比率に基づいて供給し、残渣油を固形残渣分や水分と共に噴射して微粒化しながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたので、水分や固形残渣分を多く含んだ難燃性の残渣油を手を加えずにそのままの状態でバーナ燃料として有効に利用することができ、脱水処理工程等が不要となって残渣油を低コストに利用可能となる。また、低燃焼時のように残渣油を燃焼させにくいときには燃料油単独での燃焼に切り替えることにより、燃焼不良や失火等の不具合のない安定した燃焼運転が可能となる。
また、請求項5記載のバーナ装置の燃焼方法によれば、前記副燃料となる残渣油は、回収した残渣油に対して水を添加混合して残渣油の単位発熱量を所定の発熱量に調整するので、単位発熱量を予め調整することでバーナ燃焼量に応じた所望の発熱量に比較的簡単にコントロールでき、バーナ燃料としてより利用しやすいものとなる。また、水の添加によって発熱量を調整するようにしたので、あまりコストも掛からず好適である。
本発明に係るバーナ装置及びその燃焼方法にあっては、バーナ本体に主燃料である重油等の燃料油を噴射する一流体方式の燃料油噴射ノズルと、スラッジ等の固形残渣分や水分を多く含んだ副燃料である残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設している。前記残渣油噴射ノズルのノズル径は少なくともスラッジ等の固形残渣分が通過可能な口径としており、高圧の空気にて残渣油と一緒に噴射可能としている。
また、前記残渣油噴射ノズルへ残渣油を供給する残渣油供給配管の途中には供給ポンプと流量計とを順に備え、該流量計にて検出される流量値に基づいて上流側に位置する供給ポンプの供給量をフィードバック制御して残渣油の供給量を調整する燃焼制御器を備える一方、該燃焼制御器には燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率を予め設定しておく。
また、前記残渣油供給配管に備える供給ポンプと流量計には、供給時や流量検出時においてそれぞれ流体中の固形物の流下を妨げない装置構造を有する、例えば回転容積形の供給ポンプとコリオリ式流量計を採用すると好ましい。
そして、上記構成のバーナ装置にて残渣油をバーナ燃料として燃焼させるときには、例えば、バーナ火炎温度が低く難燃性の残渣油の混焼が難しいバーナ低燃焼時には、前記燃料油噴射ノズルのみに燃料油を供給して燃料油単独にて燃焼させる一方、残渣油は循環供給させて残渣油供給配管内に堆積する残渣油中に含まれる固形残渣分を流動させるようにする。次に、バーナ火炎温度が高く残渣油の混焼が十分に可能となるバーナ高燃焼時には、燃料油噴射ノズルと残渣油噴射ノズルの両方へ燃料油と残渣油を所定の供給比率にて供給し、副燃料である残渣油を微粒化しながら固形残渣分や水分と共に噴射し、主燃料である燃料油の燃焼火炎中に吹き込むようにして混焼させる。
このとき、残渣油中に含まれる水分は残渣油と同様に微粒化され、速やかに揮発して燃焼を妨げない状態となる一方、スラッジ等の固形残渣分は燃焼火炎に晒されて燃焼分解或いはそのままの状態で炉内へと噴き出され、例えば集塵装置等にて乾燥炉で発生するダストと共に捕集される。
なお、予め燃料油と残渣油の単位発熱量を特定しておき、バーナ燃焼量に対して必要とされる総発熱量に見合うように前記各ノズルへの燃料油と残渣油の供給量を、予め特定したそれぞれの単位発熱量に基づいて調整するようにすると好ましい。このとき、例えば、上記調整方法によって決定されるバーナ燃焼量毎の燃料油と残渣油の供給量を登録した燃料マップを別途備えておき、該燃料マップを参照しながら自動または手動にてそれぞれの供給量を調整するようにしておいても良い。
また、残渣油に対して水を添加混合して単位発熱量を予め所定の発熱量に調整するようにしても好ましい。
このように、従来、水分や固形残渣分が多く混入していることで発熱量が低く、配管内やノズル内での閉塞や噛み込みが懸念され、そのままの状態ではバーナ燃料として利用することの難しかった残渣油を、高圧の空気と共に噴射する二流体方式のノズルにて噴射するようにすると共に、噴射によって微粒化した残渣油を主燃料である燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたことにより、事前に脱水処理を行ったり熱量調整油等を添加しなくても良好に燃焼させることができ、また配管内やノズル内での固形残渣分による閉塞や噛み込み等の不具合も防げ、あまり手を加えることなくそのままの状態でバーナ燃料として有効に利用することが可能となり、残渣油を比較的低コストにかつ多量に利用できて燃料コストの低減化に大きく寄与できるものとなる。また、残渣油に含まれる植物油により、カーボンニュートラルの考えに基づき、環境負荷の軽減効果も期待できるものとなる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は、例えばアスファルト混合物の素材である骨材を加熱乾燥処理するアスファルトプラントのドライヤ等の乾燥炉に備えられるバーナ装置であって、バーナ本体2には主燃料である燃料油のみを噴射する一流体方式の燃料油噴射ノズル3と、副燃料である残渣油を所定圧力の空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズル4とを併設していると共に、着火用のパイロットバーナ5を備えている。また、バーナ本体2後端部には燃焼用空気供給ファン6を備えていると共に、該燃焼用空気供給ファン6はインバータ7にてバーナ燃焼量に応じて送風量を調整自在としている。
図中の8は、A重油、再生A重油等の燃料油を貯蔵する燃料油タンクであって、該燃料油タンク8から前記燃料油噴射ノズル3に燃料油を供給する燃料油供給配管9の途中には、流量検出用の流量計10と、供給ポンプ11とを備えていると共に、所定圧以上の圧力が作用すると弁が開放される圧力リリーフ弁12を備えている。また、燃料油噴射ノズル3からの燃料油戻り配管13の途中に流量調整弁14を備えており、該流量調整弁14にて燃料油の戻り量を調整することによって燃料油噴射ノズル3への燃料油の供給量を調整するようにしている。
一方、図中の15は残渣油を貯蔵する残渣油タンクであって、該残渣油タンク15から前記残渣油噴射ノズル4へと残渣油を供給する残渣油供給配管16の途中には、残渣油に含まれる金属粉(鉄粉)を除去するマグネットフィルタ17と、水分の凍結を防止するプレヒータ18と、ポンプ回転数を調整することで流量調整可能なインバータ駆動制御の回転容積形の供給ポンプ19と、流量検出用のコリオリ式流量計20と、残渣油の供給先を残渣油噴射ノズル4または残渣油タンク15のいずれかに切り換え可能とする三方弁21とを順に備えており、前記コリオリ式流量計20にて検出される流量値に基づいて上流側に位置する前記回転容積形の供給ポンプ19の供給量をフィードバック制御して残渣油噴射ノズル4への残渣油の供給量を調整する構成としている。また、図中の22は前記残渣油噴射ノズル4に高圧空気を供給するコンプレッサであって、高圧空気供給配管23にて残渣油噴射ノズル4と連結している。
前記回転容積形の供給ポンプ19は、ペースト状の高粘性の材料や、スラッジ等の異物を含んだ材料であっても閉塞や噛み込み等の不具合もなく定量供給が可能な、例えば一軸偏心スクリューポンプなどの供給ポンプである。また、前記コリオリ式流量計20は、流体が通過する管体の両端部を支持した状態で振動を与え、その際に管体内の流体に加わる慣性力であるコリオリ力が質量流量に比例することを利用した質量流量計であって、その構造上、流体中に固形物等が含まれていても支障なく流量を検出可能な流量計であり、何れの装置もスラッジ等の固形残渣分を多く含んだ残渣油の供給や流量検出用に好適に利用することができる。
また、回転容積形の供給ポンプ19は脈動もなく比較的高精度にて定量供給できるため、従来、燃料油量の調整用に一般的に採用されることが多く、その一方でスラッジ等の固形残渣分の混入があれば閉塞や噛み込み等の不具合が生じるおそれのある流量調整弁等を備えずともバーナ燃焼量に応じた適正量の残渣油の供給が可能となる。
前記残渣油タンク15には、図に示されるように、タンク上部より回転自在に垂下させた撹拌軸24の周囲に複数の撹拌羽根25を周設してなる撹拌機26を備えており、残渣油タンク15内に貯蔵される残渣油中に含まれる固形残渣分が沈殿したり、油水分離等が生じたりするのを抑制するように図っている。一方、前記三方弁21には残渣油を残渣油タンク6へと循環供給させる循環配管27の一端部を連結しており、他端部を前記撹拌機26の撹拌軸24へ連結している。前記撹拌軸24は中空状の管体構造としており、前記循環配管27より循環供給される残渣油を撹拌軸24内を通過させて残渣油タンク15底部の中心部付近へ向けて噴出させ、タンク底部付近への固形残渣分の沈殿を防ぐように図っている。
また、前記バーナ本体2には、燃料油噴射ノズル3と残渣油噴射ノズル4へ供給する燃料油及び残渣油の供給量を調整してバーナ燃焼量を制御する燃焼制御器28を備えている。前記燃焼制御器28には、各種センサ類からの検出値や各機器への制御信号等を入出力する入出力部29と、各種設定値を登録する設定記憶部30と、これら各種の検出値や設定値等を基に各種制御を実行する制御部31とを備えている。
前記設定記憶部30には、少なくとも燃料油の単位発熱量と、残渣油の単位発熱量、及び燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率を設定登録するようにしている。なお、A重油や再生A重油等の燃料油の単位発熱量は既知のものであるが、残渣油の単位発熱量は含有する水分量によってバラツキがあるため、予め燃焼試験等を行ってその都度特定するようにしておくと良い。また、残渣油に対して任意量の水を添加混合し、残渣油の単位発熱量を予め所定の発熱量に調整させるようにしても良く、その場合にはその都度設定する必要がなくなり、バーナ燃料としてより取り扱いやすいものとなる。
そして、上記構成のバーナ装置1にて残渣油をバーナ燃料として燃焼させるときには、先ず、前記燃焼制御器28の設定記憶部30に、燃料油である再生A重油の単位発熱量として8600kcal/Lを、残渣油の単位発熱量として、予め特定或いは調整した、例えば3000kcal/Lを、また燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率として、例えば燃料油:残渣油=70:30をそれぞれ設定登録しておく。
そして、燃焼開始の初期段階の低燃焼時には、残渣油供給配管16に備えた三方弁21の供給先を残渣油タンク15側へと切り換えた後、回転容積形の供給ポンプ19を駆動させて残渣油を循環配管27を介して循環供給させる一方、燃料油噴射ノズル3より燃料油を噴射し、燃料油単独で燃焼させて下流に備えられる炉内を予熱していく。このとき、予熱や初期燃焼といったバーナ低燃焼時にはバーナ火炎温度が低く、発熱量が低くて難燃性の残渣油の混焼は困難な上、残渣油中に含まれるスラッジ等の固形残渣分が残渣油供給配管16内に堆積しているおそれもあるが、前記のように一時的に循環供給させることで堆積した固形残渣分を流動させることができ、これらの不具合を回避することが可能となる。
次に、炉内の予熱が完了し、通常燃焼となってバーナ燃焼量が増えていくと(残渣油の燃焼が可能な状態となれば)、前記三方弁21の供給先を残渣油噴射ノズル4側へと切り換えて残渣油を残渣油噴射ノズル4へと供給すると共に、コンプレッサ22を駆動し、例えば0.3MPa程度の高圧空気と共に噴射して微粒化させながら主燃料である燃料油の燃焼火炎中に吹き込むようにして混焼させる。
このとき、残渣油中に含まれている多くの水分や固形残渣分も高圧空気と共にノズルより一緒に噴射され、水分は残渣油と同様に微粒化されて速やかに揮発して燃焼を妨げない状態となる一方、スラッジ等の固形残渣分は燃料油の燃焼火炎に晒されて燃焼分解或いはそのままの状態で炉内へと噴き出されていき、ドライヤ等の乾燥炉下流に設置される、例えばバグフィルタ等の集塵装置にて炉内で発生するダストと共に捕集される。
また、燃料油噴射ノズル3及び残渣油噴射ノズル4に供給する燃料油と残渣油の供給量は、バーナ燃焼量に対して必要とされる総発熱量に見合うように、予め設定登録したそれぞれの単位発熱量と、熱量換算での供給比率とに基づいて調整する。例えば、バーナ燃焼量に対して必要な総発熱量が100000kcalの場合であれば、前記供給比率として登録した70:30より、燃料油の発熱量を70000kcal、残渣油の発熱量を30000kcalとに按分し、これらの各発熱量をそれぞれの単位発熱量にて除算することで求められる燃料油量(8.14L/h)と残渣油量(10.0L/h)に調整するようにすると良い。
図2は、前記燃焼制御器28に記憶格納され、上記演算方法によって求められるバーナ燃焼量毎の燃料油及び残渣油の時間当たりの供給量をそれぞれ登録した燃料マップであって、バーナ燃焼時にはこの燃料マップを参照しながら、自動または手動にて燃料油と残渣油の供給量を調整する。図中の燃料マップには、例えば、燃料油と残渣油の供給比率を70:30及び77:23とした場合の燃料油と残渣油の時間当たりの供給量をバーナ燃焼量毎にそれぞれ登録しており、供給比率を77:23とした場合に燃料油の供給量が300L/hのときは残渣油の供給量を258L/h、燃料油の供給量が500L/hのときには残渣油の供給量を430L/hに調整することとなる。
なお、残渣油の単位発熱量は含水量によってバラツキがあり、その都度燃焼試験等を行うなどして単位発熱量を特定した上で燃焼制御器28の設定記憶部30に設定登録する必要があるが、例えば、前記残渣油タンク15に投入する前に、予め任意量の水を添加混合し、単位発熱量を所定の発熱量に調整してから残渣油タンク15へ投入するようにしても良く、その場合には、燃料油に対する残渣油の混焼割合を常に一定にでき、燃焼制御器28への設定調整が容易となって取り扱いやすくなる上、残渣油中の含水率の変動による骨材等の被乾燥処理物への影響を抑えられて好ましい。
また、燃料油及び残渣油の熱量換算での供給比率は適宜決定すれば良いが、残渣油の混焼割合を高めると燃料コストの低減効果が大きくなるものの、本発明者らが行った燃焼試験によれば、あまり残渣油量を多くし過ぎると燃焼不良等の不具合が生じたため、例えば燃料油:残渣油=100:0〜60:40、好ましくは100:0〜70:30程度の範囲で設定するようにすると良い。
なお、残渣油を燃焼する際には、スラッジ等の固形残渣分も炉内に送り出されることとなるが、前記バーナ装置1を、例えばアスファルト混合物の素材である骨材を加熱乾燥処理するアスファルトプラントのドライヤに設置するようにすれば、製品である道路舗装材においてはスラッジ等が多少混入しても支障はなく、好適に採用することが可能となる。また、残渣油中に含まれる多くの水分が揮発し、水蒸気となってドライヤ内に送り込まれても、前記ドライヤは元々骨材中に含まれる水分を加熱乾燥処理するためのものであるため別段支障は生じず、またドライヤ内の水蒸気量が増加することとなっても、ドライヤの排気装置にはバーナ燃焼量や水蒸気の増減等に応じて排気量を調整する静圧制御を採用しているため柔軟に対応することができる。
本発明は、燃料処理分野における、アスファルトプラント等の加熱、乾燥システムの燃焼用に広く利用できる。
1…バーナ装置 2…バーナ本体
3…燃料油噴射ノズル 4…残渣油噴射ノズル
8…燃料油タンク 9…燃料油供給配管
15…残渣油タンク 16…残渣油供給配管
19…供給ポンプ(回転容積形供給ポンプ)
20…流量計(コリオリ式流量計) 21…三方弁
22…コンプレッサ 23…高圧空気供給配管
27…循環配管 28…燃焼制御器
3…燃料油噴射ノズル 4…残渣油噴射ノズル
8…燃料油タンク 9…燃料油供給配管
15…残渣油タンク 16…残渣油供給配管
19…供給ポンプ(回転容積形供給ポンプ)
20…流量計(コリオリ式流量計) 21…三方弁
22…コンプレッサ 23…高圧空気供給配管
27…循環配管 28…燃焼制御器
Claims (5)
- バーナ本体に主燃料となる燃料油を噴射する燃料油噴射ノズルと、副燃料となる固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設し、該残渣油噴射ノズルに残渣油を供給する残渣油供給配管には供給ポンプと流量計とを備えると共に、該流量計にて検出される流量値に基づいて前記供給ポンプの供給量をフィードバック制御して残渣油の供給量及び主燃料となる燃料油の供給量を調整する燃焼制御器を備える一方、該燃焼制御器には燃料油と残渣油の熱量換算での供給比率を予め設定しておき、該供給比率に基づいて主燃料である燃料油を前記燃料油噴射ノズルから噴射させて燃焼させる一方、副燃料である固形残渣分や水分を含んだ残渣油を高圧空気と共に噴射させて微粒化させながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたことを特徴とするバーナ装置。
- 前記残渣油供給配管に備える供給ポンプと流量計は、回転容積形の供給ポンプとコリオリ式流量計であることを特徴とする請求項1記載のバーナ装置。
- 前記主燃料となる燃料油と副燃料となる残渣油の単位発熱量を予め特定し、バーナ燃焼量に対して必要とされる総発熱量に見合うように前記各ノズルへの燃料油と残渣油の時間当たりの供給量を燃焼制御器に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のバーナ装置。
- バーナ本体に主燃料となる燃料油を噴射する燃料油噴射ノズルと、副燃料となる固形残渣分や水分を含んだ残渣油を空気と共に噴射する二流体方式の残渣油噴射ノズルとを併設し、バーナ低燃焼時には前記燃料油噴射ノズルのみに燃料油を供給して燃料油単独にて燃焼させる一方、残渣油は循環供給させて残渣油供給配管内に堆積する残渣油中に含まれる固形残渣分を流動させるようにし、バーナ高燃焼時には燃料油噴射ノズルと残渣油噴射ノズルの両方へ燃料油と残渣油を所定の供給比率に基づいて供給し、残渣油を固形残渣分や水分と共に噴射して微粒化しながら燃料油の燃焼火炎中に吹き込んで混焼させるようにしたことを特徴とするバーナ装置の燃焼方法。
- 前記副燃料となる残渣油は、回収した残渣油に対して水を添加混合して残渣油の単位発熱量を所定の発熱量に調整することを特徴とする請求項4記載のバーナ装置の燃焼方法。
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JP2016081555A JP2017190920A (ja) | 2016-04-14 | 2016-04-14 | バーナ装置及びその燃焼方法 |
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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