JP2017190454A - 両面粘着テープ - Google Patents

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友也 川本
Tomoya Kawamoto
友也 川本
智 土居
Satoshi Doi
智 土居
拓道 杉原
Hiromichi Sugihara
拓道 杉原
達哉 西垣
Tatsuya Nishigaki
達哉 西垣
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Abstract

【課題】被着体との界面に気泡が生じ難い、両面粘着テープを提供する。【解決手段】互いに対向している第1及び第2の主面2a,2bを有する基材2と、基材2の第1の主面2a上に設けられた第1の粘着剤層3と、基材2の第2の主面2b上に設けられた第2の粘着剤層4と、を備え、基材2の厚みが、30μm以上、120μm以下である、両面粘着テープ1。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる両面粘着テープに関する。
半導体ウエハや、スマートフォンなどのカバーガラスは、研磨加工することにより平滑化して用いられている。研磨加工は、研磨機の定盤に固定された研磨パッドを用いて行われる。研磨パッドを研磨機の定盤に固定するために、通常、粘着テープが用いられている。
下記の特許文献1には、研磨パッド固定用の両面粘着テープが開示されている。上記両面粘着テープは、基材の両面に第1及び第2の粘着剤層が積層されることにより構成されている。第1及び第2の粘着剤層の表面には離型シートがそれぞれ積層されている。特許文献1では、上記基材の厚みが、150μm〜300μmであることが記載されている。
また、下記の特許文献2には、剥離ライナーなどに形成されたエンボスパターンを、粘着剤層に接触させることにより、粘着面にエンボスパターンを転写する方法が開示されている。特許文献2では、上記のようにして、粘着面にエンボスパターンが転写された粘着テープが形成されている。
特許第5134533号公報 特表2001−507732号公報
しかしながら、特許文献1のような粘着テープを研磨機の定盤などの被着体に貼り合わせる際には、粘着剤層と研磨機の定盤との界面において、空気が侵入し、気泡が生じることがあった。そのため、作業中に粘着テープの剥がれが生じたり、装置に不良が生じたりすることがあった。
また、特許文献2のように、粘着面にエンボスパターンが転写された粘着テープでは、粘着剤層と研磨機の定盤との界面において、粘着剤層と研磨機の定盤が接触していない空間を有するため、研磨中に研磨スラリーや研磨液などの液体が当該空間に侵入することで、作業中に粘着テープの剥がれが生じたり、装置に不良が生じたりすることがあった。
本発明の目的は、被着体との界面に気泡が生じ難い、両面粘着テープを提供することにある。
本発明に係る両面粘着テープは、研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる両面粘着テープであって、互いに対向している第1及び第2の主面を有する基材と、前記基材の第1の主面上に設けられた第1の粘着剤層と、前記基材の第2の主面上に設けられた第2の粘着剤層と、を備え、前記基材の厚みが、30μm以上、120μm以下である。
本発明に係る両面粘着テープのある特定の局面では、圧縮弾性率が、250mN/mm以上、450mN/mm以下である。
本発明に係る両面粘着テープの別の特定の局面では、前記第1の粘着剤層側のJIS Z0237に準拠して測定された傾斜式ボールタックが、5以上である。
本発明に係る両面粘着テープの他の特定の局面では、前記第2の粘着剤層が、感熱型粘着剤により構成されている。
本発明に係る両面粘着テープのさらに他の特定の局面では、前記基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムにより構成されている。
本発明によれば、被着体との界面に気泡が生じ難い、両面粘着テープを提供することができる。また、被着体に貼り合せた際には、両面粘着テープと被着体が接触しない空間がほとんど生じないため、研磨中に研磨スラリーや研磨液などの液体が浸入して作業中に両面粘着テープの剥がれが生じたり、装置に不良が生じたりするおそれが少ない。
本発明の一実施形態に係る両面粘着テープの模式的正面断面図である。 本発明の一実施形態に係る両面粘着テープの製造装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る両面粘着テープの製造装置を示す概略構成図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(両面粘着テープ)
図1は、本発明の一実施形態に係る両面粘着テープを示す模式的正面断面図である。図1に示すように、両面粘着テープ1は、基材2と、第1及び第2の粘着剤層3,4と、第1及び第2の剥離層5,6とを備える。なお、両面粘着テープ1においては、本実施形態のように、第1及び第2の剥離層5,6の双方が設けられていてもよく、第1及び第2の剥離層5,6のうち少なくとも一方が設けられていてもよく、第1及び第2の剥離層5,6の双方が設けられていなくてもよい。
基材2は、第1及び第2の主面2a,2bを有する。第1の主面2aと、第2の主面2bとは、互いに対向している。第1の主面2a上には、第1の粘着剤層3が積層されている。第1の粘着剤層3の基材2とは反対側の主面上に、第1の剥離層5が積層されている。基材2の第2の主面2b上には、第2の粘着剤層4が積層されている。第2の粘着剤層4の基材2とは反対側の主面上に、第2の剥離層6が積層されている。両面粘着テープ1において、基材2の厚みは、30μm以上、120μm以下である。
両面粘着テープ1は、研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる両面粘着テープである。両面粘着テープ1において、第1の粘着剤層3は、研磨機の定盤に貼り合わされる側の粘着剤層である。また、第2の粘着剤層4は、研磨パッドに貼り合わされる側の粘着剤層である。
上記のように両面粘着テープ1では、基材2の厚みが、30μm以上、120μm以下とされている。基材2の厚みが薄すぎると、基材2は非常に柔らかくなるので、研磨機の定盤に貼り合わせる際に空気が侵入しやすく、定盤との界面に気泡が発生しやすくなる。この際、特に大きな気泡が発生しやすい。また、気泡を押し出す力がかかった場合であっても、気泡に力が伝わりにくいため、気泡が排出され難い。一方、基材2の厚みが厚すぎると、基材2が剛直になり柔軟性が低下するので、発生した気泡が移動し難く、気泡が排出され難い。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、基材2の厚みを上記特定の範囲とすることで、両面粘着テープ1を研磨機の定盤に貼り合わせる際に、空気が侵入し難くなり、しかも気泡が発生した場合にも容易に気泡を押し出せることを見出した。そのため、両面粘着テープ1では、研磨機の定盤などの被着体との界面に気泡が生じ難い。
両面粘着テープ1では、研磨機の定盤に貼り合わせる際に、空気が侵入し難く、しかも気泡が発生した場合にも容易に気泡を押し出せることから、粘着力の低下が起こり難い。
また、第1の粘着剤層3の表面に大きな凹凸は形成されていないので、研磨スラリーや研磨液などの液体が浸入し難い。従って、この点からも両面粘着テープ1の粘着力の低下が起こり難い。よって、両面粘着テープ1は、粘着力の低下が起こり難く、かつ取り扱い性に優れている。また、両面粘着テープ1は、粘着力の低下が起こり難く、かつ取り扱い性に優れているので、研磨機の定盤に研磨パッドを貼り合わせる用途に用いることができる。
両面粘着テープ1の粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ取り扱い性をより一層高める観点から、基材2の厚みは、好ましくは40μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは80μm以下である。
両面粘着テープ1の粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ取り扱い性をより一層高める観点から、両面粘着テープ1の厚み(全厚)は、好ましくは150μm以上、より好ましくは160μm以上であり、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下である。
また、両面粘着テープ1の厚み(全厚)に占める基材2の厚みの割合は、好ましくは17%以上、より好ましくは22%以上であり、好ましくは60%以下、より好ましくは45%以下である。このようにすることで、両面粘着テープ1の剛直性、柔軟性を適度に調整することができるため、貼り合わせの際、界面に気泡がより一層発生し難く、かつ、気泡が発生した場合でも、より一層容易に気泡を押し出すことができる。
両面粘着テープ1の粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ取り扱い性をより一層高める観点から、両面粘着テープ1の圧縮弾性率は、好ましくは250mN/mm以上、より好ましくは290mN/mm以上、さらに好ましくは330mN/mm以上であり、好ましくは450mN/mm以下、より好ましくは430mN/mm以下、さらに好ましくは390mN/mm以下である。なお、上記圧縮弾性率は、JIS K 7181(2011)に準拠する方法により測定することができる。
両面粘着テープ1の粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ取り扱い性をより一層高める観点から、基材2の圧縮弾性率は、好ましくは220mN/mm以上、より好ましくは250mN/mm以上、さらに好ましくは290mN/mm以上、好ましくは500mN/mm以下、より好ましくは450mN/mm以下、さらに好ましくは420mN/mm以下である。なお、上記圧縮弾性率は、JIS K 7181(2011)に準拠する方法により測定することができる。
両面粘着テープ1では、第1の粘着剤層3側のJIS Z0237に準拠して測定された傾斜式ボールタックが、5以上であることが好ましい。この場合、両面粘着テープ1の取り扱い性をより一層向上させることができる。
また、両面粘着テープ1は、第2の粘着剤層4側のJIS Z0237に準拠して測定された傾斜式ボールタックが、5以下であることが好ましい。特に、第2の粘着剤層4が感熱型粘着剤であることが好ましい。なお、本発明において、感熱型粘着剤とは、常温ではタックが低いが、熱圧着後に高い粘着力を発揮するものをいう。第2の粘着剤層4は、研磨パッドに貼り合わされる側の粘着剤層であるため、このようなタックの低い粘着剤を用いることで、取り扱い性をより一層向上させることができる。
また、感熱型粘着剤を用いる場合においても、本発明では基材の厚みが上記特定の範囲とされているので、両面粘着テープ1の製造時において基材2にしわや破れが発生することをより一層抑制することができ、しかも両面粘着テープ1が研磨時に研磨パッドから剥離し難い。なお、この点については、後述する製造方法の欄でより詳細に説明する。
以下、両面粘着テープ1などの本発明の両面粘着テープを構成する各材料の詳細について説明する。
基材;
基材の材料としては、特に限定されず、例えば、樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)若しくはポリプロピレン(PP)等のフィルム、又はこれらの積層体などが挙げられる。粘着力の低下をより一層起こり難くし、かつ両面粘着テープの取り扱い性をより一層高める観点から、樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
第1の粘着剤層;
第1の粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、(メタ)アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などを用いることができる。より一層粘着力を高める観点から、(メタ)アクリル系粘着剤であることが好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルを90重量%以上含有する重合性モノマー混合物中の重合性モノマーを共重合して得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体と、キシレン樹脂とを含有する感圧型粘着剤を用いることができる。このような感圧型粘着剤を用いることで、両面粘着テープの被着体表面への濡れ性をより一層高めることができ、貼り合わせの際の気泡の発生をより一層抑制することができる。
重合性モノマー混合物中の(メタ)アクリル酸ブチルの含有量が90重量%以上である場合、耐熱性をより一層向上することができる。より好ましくは、95重量%以上である。
また、上記重合性モノマー混合物中には、(メタ)アクリル酸ブチル以外に、(メタ)アクリル酸ブチルと共重合する他の重合性モノマーが10重量%未満の範囲で配合されていてもよい。
他の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、n−メチロールアクリルアミド、無水マレイン酸、酢酸ビニル若しくはスチレンなどの(メタ)アクリル酸ブチルと共重合可能なアルキル基の炭素数が1〜12のビニルモノマーが挙げられる。なかでも、研磨機の定盤への粘着力をより一層高め、研磨機の定盤からの剥離をより一層防止できることから、(メタ)アクリル酸を配合することが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸の配合量は、(メタ)アクリル酸ブチル100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましく、1〜3重量部がさらに好ましい。(メタ)アクリル酸の配合量が少なすぎると凝集力が不足することがある。そのため、研磨時に加わるせん断力によって凝集破壊し、剥離することがある。(メタ)アクリル酸の配合量が多すぎると、ガラス転移点温度が高くなり、低温粘着性能が低下することがある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の分子量としては、重量平均分子量で30万〜80万であることが好ましい。分子量が小さすぎると、凝集力が不足することがあり、研磨パッド固定用に用いる場合には、研磨時に加わるせん断力によって凝集破壊し、剥離することがある。(メタ)アクリル酸の配合量が多すぎると、初期タックが低下することがある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体は、(メタ)アクリル酸ブチルと、必要に応じて配合する上述の他の重合性モノマーとを、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させることにより製造することができる。なお、重合方法としては、特に限定されず、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合又は塊状重合などが挙げられる。
上記重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート又はt−ブチルパーオキシラウレートなどが挙げられ、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン又はt−ヘキシルパーオキシピバレートを用いることが好ましい。なお、上記重合開始剤は単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記キシレン樹脂の配合割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の固形分100重量部に対して、5〜30重量部であることが好ましく、10〜20重量部であることがより好ましい。キシレン樹脂の配合量が少なすぎると、粘着剤層のせん断抵抗力が低下することがある。そのため、研磨時に加わるせん断力によって凝集破壊が起こり、剥離することがある。キシレン樹脂の配合量が多すぎると、初期タック性が高くなり貼り直し難くなるとともに、使用後の剥離が困難となる場合がある。あるいは、糊残りすることがある。
また、キシレン樹脂は、特に限定されないが、熱可塑性アルキルフェノール変性タイプのものが好ましく、なかでも重量平均分子量が1000〜1500のものが好ましい。このような市販のキシレン樹脂としては、フドー社製、商品名「HP70」や、フドー社製、商品名「HP100」などのキシレン樹脂が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル系粘着剤中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、キシレン樹脂以外にその他の粘着付与樹脂を配合してもよい。その他の粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、ロジン系樹脂又はテルペン系樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル系粘着剤中には、必要に応じて、架橋剤が添加されていてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤又は金属キレート型架橋剤などが挙げられる。耐熱性及び耐久性をより一層向上させる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
第1の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、20μm〜60μmであることが好ましく、30μm〜50μmであることがより好ましい。第1の粘着剤層の厚みが薄すぎると、研磨工程中に研磨パッドとともに両面粘着テープが定盤から剥離したり、研磨パッドの研磨精度が低下したりすることがある。他方、第1の粘着剤層の厚みが厚すぎると、再剥離性が低下し、定盤から剥離させた際に定盤に糊残りが生じることがある。
第2の粘着剤層;
第2の粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されず、(メタ)アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などを用いることができる。より一層粘着力を高める観点から、(メタ)アクリル系粘着剤であることが好ましい。本発明においては上述したように第2の粘着剤層には感熱型粘着剤を用いることが好ましいが、ホットメルト型の粘着剤などを用いてもよい。
第2の粘着剤層を構成する粘着剤の一例として、以下の(メタ)アクリル酸ブチルを90重量%以上含有する重合性モノマー混合物中の重合性モノマーを共重合して得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体と、テルペンフェノール樹脂とを含む感熱型粘着剤が挙げられる。
第2の粘着剤層に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体としては、上記第1の粘着剤層を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体と同様のものを用いることができる。
また、(メタ)アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体の固形分100重量部に対して、テルペンフェノール樹脂を20〜70重量部含んでいることが好ましい。テルペンフェノール樹脂の含有量が少なすぎると、熱圧着後に高い粘着力を発揮できないことがある。また、テルペンフェノール樹脂の含有量が多すぎると、初期タックが低下する場合がある。
上記テルペンフェノール樹脂としては、特に限定されず、例えば、ヤスハラケミカル社製のYSシリーズ、商品名「T115」や、ヤスハラケミカル社製のYSシリーズ、商品名「T130」などの市販のテルペンフェノール樹脂を用いることができる。
なお、(メタ)アクリル系粘着剤中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、テルペンフェノール樹脂以外にも、他の粘着付与樹脂を配合してもよい。その他の粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、フェノール樹脂、ロジン系樹脂、又はテルペン系樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル系粘着剤中には、必要に応じて、架橋剤が添加されていてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤又は金属キレート型架橋剤などが挙げられる。耐熱性及び耐久性をより一層向上させる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
第2の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、60μm〜100μmであることが好ましく、70μm〜90μmであることがより好ましい。第2の粘着剤層の厚みが薄すぎると、研磨工程中に両面粘着テープから研磨パッドが剥離したり、研磨パッドの研磨精度が低下したりすることがある。他方、第2の粘着剤層の厚みが厚すぎると、研磨工程中に凝集破壊が生じることがある。
また、感熱型粘着剤として用いることのできる(メタ)アクリル系粘着剤の他の例としては、以下の(メタ)アクリル系粘着剤が挙げられる。
他の例の感熱型粘着剤に用いることのできる(メタ)アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル共重合体と架橋剤とを含む架橋性組成物の架橋を進行させた(メタ)アクリル材料を含む粘着剤を用いることができる。上記(メタ)アクリル共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸モノマー及び水酸基含有モノマーを含有する混合モノマーの共重合体が挙げられる。上記混合モノマーにおいて、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び(メタ)アクリル酸モノマーの総量100重量部に対する上記水酸基含有モノマーの含有量が、0.1重量部以上、0.3重量部以下であることが望ましい。(メタ)アクリル系粘着剤のゲル分率は、53重量%以上であることが望ましい。このような構成を有する粘着剤を用いる場合、高温でのせん断粘着力をより一層高めることができる。
上記のように、(メタ)アクリル材料は、(メタ)アクリル共重合体と架橋剤とを含む架橋性組成物の架橋を進行させた組成物である。上記(メタ)アクリル材料は、架橋剤によって、上記(メタ)アクリル共重合体の架橋が進行した架橋体を含む。なお、上記(メタ)アクリル材料は、架橋に寄与していない未反応の(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤を含んでいてもよい。架橋の進行の程度は、ゲル分率などを考慮して適宜調整される。
また、上記のように、(メタ)アクリル共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸モノマー及び水酸基含有モノマーを含有する混合モノマーの共重合体が挙げられる。上記混合モノマーにおいて、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び(メタ)アクリル酸モノマーの総量100重量部に対する上記水酸基含有モノマーの含有量は、例えば、0.1重量部以上、0.3重量部以下とすることができる。
(メタ)アクリル系粘着剤のゲル分率は、53重量%以上であることが望ましい。上記ゲル分率が、上記下限以上である場合、(メタ)アクリル系粘着剤の凝集力がより一層高められる。また、(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力をより一層高める観点からは、上記ゲル分率は、62重量%以下であることが好ましい。
なお、上記ゲル分率は以下のようにして測定される。
(メタ)アクリル系粘着剤を重量W1(g)採取し、採取した(メタ)アクリル系粘着剤を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した際の不溶解分を200メッシュの金網で濾過する。この金網上の残渣を110℃にて加熱乾燥し、得られた乾燥残渣の重量W2(g)を測定する。下記式(1)によりゲル分率(架橋度)を算出する。
ゲル分率(重量%)=100×W2/W1 …式(1)
(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力と凝集力とを高いレベルで両立させ、高温でのせん断粘着力をより一層高める観点から、(メタ)アクリル系粘着剤の上記ゲル分率は、55重量%以上であることが好ましく、65重量%以下であることが好ましく、62重量%以下であることがより好ましい。
また、上記(メタ)アクリル系粘着剤は、周波数10Hz、かつ温度80℃におけるせん断貯蔵弾性率が、5.0×10Pa以上であることが好ましい。上記せん断貯蔵弾性率が、上記下限以上である場合、(メタ)アクリル系粘着剤の凝集力をより一層高めることができる。また、(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力をより一層高める観点からは、上記せん断貯蔵弾性率は、10×10Pa以下であることが好ましい。
なお、上記せん断貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により測定される。上記動的粘弾性測定は、動的粘弾性測定装置を用いて、固体せん断モードで、周波数10Hz、ひずみ0.1%の条件下で行われる。
(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力と凝集力とを高いレベルで両立させ、高温でのせん断粘着力をより一層高める観点から、(メタ)アクリル系粘着剤の上記せん断貯蔵弾性率は、6×10Pa以上であることが好ましい。
以下、他の例の感熱型粘着剤として用いることができる(メタ)アクリル系粘着剤を構成するメタアクリル共重合体、架橋剤、及びさらに添加してもよい粘着付与樹脂の詳細についてさらに説明する。
(メタ)アクリル共重合体;
上記(メタ)アクリル共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸モノマー及び水酸基含有モノマーを含有する混合モノマーの共重合体である。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等のアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ブチル;(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記混合モノマー100重量%中、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの含有量は好ましくは75重量%以上、好ましくは100重量%以下である。上記混合モノマー100重量%中、上記(メタ)アクリル酸モノマーの含有量は好ましくは3重量%以上、好ましくは7重量%以下である。
上記水酸基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;アリルアルコール及びジエチレングリコール基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。上記水酸基含有モノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。(メタ)アクリル系粘着剤の高温でのせん断粘着力をより一層高める観点から、上記水酸基含有モノマーは、上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルであることが好ましい。
上記混合モノマーにおいて、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び(メタ)アクリル酸モノマーの総量100重量部に対する上記水酸基含有モノマーの含有量は、0.1重量部以上、0.3重量部以下である。上記水酸基含有モノマーの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であるため、上記(メタ)アクリル系粘着剤は、高温でのせん断粘着力に優れている。(メタ)アクリル系粘着剤の高温でのせん断粘着力をより一層高める観点から、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び(メタ)アクリル酸モノマーの総量100重量部に対する上記水酸基含有モノマーの含有量は、0.1重量部以上、0.2重量部以下であることが好ましい。
上記混合モノマーは、必要に応じて共重合可能な他の重合性モノマーを含んでいてもよい。
上記共重合可能な他の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等の官能性モノマーが挙げられる。
上記(メタ)アクリル重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは65万以上、好ましくは120万以下である。上記重量平均分子量(Mw)が、上記下限以上及び上記上限以下である場合、(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力と凝集力とを高いレベルで両立することができ、高温でのせん断粘着力をより一層高めることができる。
上記重量平均分子量(Mw)を上記範囲に調整するためには、重合開始剤、重合温度等の重合条件を調整すればよい。上記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記混合モノマーを共重合させて上記(メタ)アクリル共重合体を得るには、例えば、上記混合モノマーを、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させる。上記混合モノマーをラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられる。重合方法としては、例えば、溶液重合法(沸点重合法又は定温重合法)、乳化重合法、懸濁重合法、及び塊状重合法等が挙げられる。
上記重合開始剤としては特に限定されず、有機過酸化物、及びアゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、及びt−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、及びアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。上記重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤;
上記(メタ)アクリル材料では、架橋剤により、上記(メタ)アクリル共重合体の架橋が進行されている。
上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。上記架橋剤は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
(メタ)アクリル系粘着剤の高温でのせん断粘着力をより一層高める観点からは、上記架橋剤は、上記イソシアネート系架橋剤を含むことが好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。上記イソシアネート系架橋剤は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
架橋が進行する前の上記架橋性組成物において、上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、上記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対して、1.5重量部以上、4重量部以下であることが好ましい。上記架橋剤の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下である場合、(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力と凝集力とを高いレベルで両立することができ、高温でのせん断粘着力をより一層高めることができる。
粘着付与樹脂;
上記(メタ)アクリル系粘着剤は、さらに粘着付与樹脂を含んでいてもよい。上記(メタ)アクリル系粘着剤は、上記(メタ)アクリル材料、及び粘着付与樹脂を含んでいてもよい。
上記粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体及び脂環式系共重合体等の石油系樹脂;クマロン−インデン系樹脂;テルペン系樹脂;テルペンフェノール系樹脂;重合ロジン等のロジン系樹脂;フェノール系樹脂;キシレン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、水素添加された樹脂であってもよい。上記粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力と凝集力とを高いレベルで両立させ、高温でのせん断粘着力をより一層高める観点から、上記粘着付与樹脂の軟化点は、110℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以下であることが好ましい。
また、上記粘着付与樹脂の含有量は、特に限定されないが、上記(メタ)アクリル材料100重量部に対して、30重量部以上であることが好ましく、35重量部以上であることがより好ましく、50重量部以下であることが好ましく、43重量部以下であることがより好ましい。上記粘着付与樹脂の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下である場合、(メタ)アクリル系粘着剤の粘着力と凝集力とを高いレベルで両立することができ、高温でのせん断粘着力をより一層高めることができる。
なお、上記(メタ)アクリル系粘着剤は、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じて充てん剤、酸化防止剤又は紫外線吸収剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
また、上記粘着付与樹脂は、上記架橋性組成物の架橋を進行させる前に上記架橋性組成物と混合して用いてもよいし、上記架橋性組成物の架橋を進行させて(メタ)アクリル材料を得た後に、上記(メタ)アクリル材料と混合して用いてもよい。
第1の剥離層;
第1の剥離層としては、特に限定されないが、市販の離型紙や離型フィルムなどをそのまま使用することができる。
第2の剥離層;
第2の剥離層としては、特に限定されないが、市販の離型紙や離型フィルムなどをそのまま使用することができる。
(両面粘着テープの製造方法)
以下、両面粘着テープ1の製造方法の一例を説明する。
まず、第1及び第2の粘着剤層3,4を形成するための粘着剤に、それぞれ、溶剤を加えて第1及び第2の粘着剤溶液を用意する。上記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン又は酢酸エチルを用いることができる。
続いて、図2及び図3に示す製造装置を用いて、両面粘着テープ1を製造する。
具体的には、まず、第2の粘着剤溶液を図2に示す第1のコーター7から塗出し、第1の巻き出しロール8から送り出された基材2の第2の主面2bに塗布する。次に、第2の粘着剤溶液が塗布された基材2を、第1のドライヤー9に搬送する。第1のドライヤー9では、第2の粘着剤溶液が塗布された状態で基材2を、40℃〜120℃の温度で加熱する。上記加熱により、第2の粘着剤溶液を乾燥させ、第2の粘着剤層4を形成することができる。次に、第2の粘着剤層4が形成された基材2を第2の粘着剤層4側から、第2の巻き出しロール10から送り出された第2の剥離層6を形成するための剥離材と貼り合わせる。それによって、第1の積層体11を得る。
次に、第1の粘着剤溶液を図3に示す第2のコーター12から塗出し、第3の巻き出しロール13から送り出された第1の剥離層5を形成するための剥離材の離型面に塗布する。次に、第1の粘着剤溶液が塗布された第1の剥離層5を、第2のドライヤー14に搬送する。第2のドライヤー14では、第1の粘着剤溶液が塗布された状態で第1の剥離層5を40℃〜120℃の温度で加熱する。上記加熱により、第1の粘着剤溶液を乾燥させ、第1の粘着剤層3を形成して第2の積層体15を得る。次に、第2の積層体15を第1の粘着剤層3側から、第4の巻き出しロール16から送り出された第1の積層体11の基材2側と貼り合わせる。それによって、両面粘着テープ1を得る。
上述したように、本発明においては、研磨パッド側の第2の粘着剤層に感熱型粘着剤を用いることが好ましいが、感熱型粘着剤は常温でタックの低い粘着剤なので、剥離材側に形成された粘着剤層を基材に転写する方法では、基材と第2の粘着剤層の間で十分な密着性が得られないことがある。転写の場合、粘着剤溶液が流動性の低い状態で基材に圧着されるので、基材に対する濡れ性が低く、基材との密着性が低下するためであると考えられる。このように、基材と第2の粘着剤層の間で十分な密着性を有しない場合、得られた両面粘着テープを用いて、研磨機の定盤に研磨パッドを固定し研磨する時に、研磨パッドから両面粘着テープが剥離することがあった。
これに対して、本実施形態では、上記のように第2の粘着剤溶液を、第2の剥離層6を形成するための剥離材ではなく、基材2に直接塗布しているので、基材2と第2の粘着剤層4の密着性がより一層高められている。直接塗布する場合、粘着剤が流動性のある状態で基材2と接触しその後定着されるので、すなわち基材2に対する濡れ性が高められた状態で定着されるので、基材2との密着性が高められると考えられる。そのため、本実施形態の製造方法で得られた両面粘着テープ1は、研磨機の定盤に研磨パッドを固定し研磨する時に研磨パッドから両面粘着テープ1が剥離し難い。
もっとも、基材2に粘着剤溶液を直接塗布して、粘着剤溶液を加熱乾燥させる場合には、基材2にしわや破れが発生することがある。しかしながら、本発明では基材2を上記の特定の厚みとしているので、粘着剤溶液を加熱乾燥させる場合においても、基材2にしわや破れが生じ難い。よって、両面粘着テープ1は、製造時における取り扱い性にも優れている。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
粘着剤溶液(A)の調製;
アクリル酸ブチル97重量部と、アクリル酸3重量部とを共重合させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量50万)を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の固形分100重量部に、キシレン樹脂(フドー社製、商品名「HP100」、分子量1000〜1500)を10重量部添加して、溶剤として酢酸エチルを含む粘着剤溶液(A)を得た。
粘着剤溶液(B)の調製;
アクリル酸ブチル95重量部と、アクリル酸5重量部とを共重合させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(重量平均分子量55万)を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の固形分100重量部に、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「T130」)を40重量部添加して、溶剤としての酢酸エチルを含む粘着剤溶液(B)を得た。
粘着剤溶液(C)の調製;
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備える反応装置に、ブチルアクリレート(BA)95重量部、アクリル酸(AAc)5重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)0.1重量部を混合した混合モノマーと、溶剤としての酢酸エチル100重量部とを含む反応液を仕込み、窒素ガスを用いて30分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した。
その後、装置内を窒素ガスで置換し、反応液を攪拌しながらオイルバスにて反応液が還流温度になるまで昇温した。反応液が還流温度に到達した時点で、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部をシクロヘキサン1.35重量部に溶解させた重合開始剤溶液を7時間かけて反応液に加え、混合モノマーを共重合させた。重合完了後に得られたアクリル共重合体溶液に、架橋剤としてのコロネート(日本ポリウレタン社製、商品名「L−55」)2.9重量部及び粘着付与樹脂としてのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「T160」、軟化点160℃)40重量部を加えて攪拌し、粘着剤溶液(C)を得た。
両面粘着テープの作製;
厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(基材)に、粘着剤溶液(C)を塗布した。しかる後、粘着剤溶液(C)中の溶剤をドライヤーで110℃の温度で加熱し、完全に乾燥及び除去することにより、基材上に第2の粘着剤層を積層させ、さらにその上に第2の剥離層としての厚み30μmの一面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを離型処理面から貼り合わせ、第1の積層体を得た。
また、厚み30μmの一面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離層)の離型処理面に、粘着剤溶液(A)を塗布した。しかる後、粘着剤溶液(A)中の溶剤を完全に乾燥及び除去することにより、第1の剥離層上に第1の粘着剤層が積層された第2の積層体を得た。
次に、第1の積層体の基材側に、第2の積層体を第1の粘着剤層側から貼り合わせ第3の積層体を得た。第3の積層体に、ゴムローラにより厚み方向に2kg加圧し、1往復させることによって、両面粘着テープを得た。
(実施例2)
基材として厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例3)
基材として厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例4)
第1の粘着剤層の粘着剤溶液として粘着剤溶液(A)の代わりに粘着剤溶液(B)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例5)
第1の粘着剤層の粘着剤溶液として粘着剤溶液(A)の代わりに、粘着剤溶液(C)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例6)
基材として厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例7)
第1の粘着層の厚みが80μmとなるように粘着剤溶液(A)を塗布したこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(実施例8)
第1の粘着層の厚みが20μmとなるように粘着剤溶液(A)を塗布し、第2の粘着層の厚みが50μmとなるように粘着剤溶液(C)を塗布したこと以外は、実施例6と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例1)
基材として厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例2)
基材として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(比較例3)
基材として厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
圧縮試験(圧縮弾性率);
圧縮試験においては、積層方向に圧縮して、圧縮弾性率を測定した。具体的に、得られた両面粘着テープから縦20mm×横20mmの平面正方形状の試験片を切り出した。続いて、第1及び第2の剥離層を剥がし、任意の枚数の試験片を空気が入らないように重ね合わせ、厚さ2mmの試験片を準備した。得られた試験片を圧縮試験用治具に貼り合わせ、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて、引張試験機を用いて試験速度を0.5mm/minの条件で、JIS K 7181に準拠して圧縮弾性率を測定した。
第1の粘着剤層側のボールタック;
得られた両面粘着テープにおいて、第1の粘着剤層側のボールタックを、JIS Z0237に準拠して測定した。
エア抜き試験(エア抜け性);
得られた両面粘着テープの第2の剥離層を剥がし、両面粘着テープを第2の粘着剤層側から研磨パッドに貼りつけた。続いて、両面粘着テープの第1の剥離層を剥がし、第1の粘着剤層側からアクリル板の上に載せた。次に、侵入した空気を指で押し出し、写真を撮影した。得られた写真全体の面積に対する気泡の面積の割合を算出し、以下の評価基準で評価を行い、エア抜け性を確認した。
[エア抜け性の評価基準]
◎…気泡の面積が、3%以下
○…気泡の面積が、3%を超え、5%以下
△…気泡の面積が、5%を超え、10%以下
×…気泡の面積が、10%を超える
塗工時のしわの確認;
得られた両面粘着テープにおいて、塗工時の基材のしわの発生の有無(無:○,有:×)を目視により観察した。
Figure 2017190454
1…両面粘着テープ
2…基材
2a…第1の主面
2b…第2の主面
3,4…第1,第2の粘着剤層
5,6…第1,第2の剥離層
7…第1のコーター
8…第1の巻き出しロール
9…第1のドライヤー
10…第2の巻き出しロール
11…第1の積層体
12…第2のコーター
13…第3の巻き出しロール
14…第2のドライヤー
15…第2の積層体
16…第4の巻き出しロール

Claims (5)

  1. 研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる両面粘着テープであって、
    互いに対向している第1及び第2の主面を有する基材と、
    前記基材の第1の主面上に設けられた第1の粘着剤層と、
    前記基材の第2の主面上に設けられた第2の粘着剤層と、
    を備え、
    前記基材の厚みが、30μm以上、120μm以下である、両面粘着テープ。
  2. 圧縮弾性率が、250mN/mm以上、450mN/mm以下である、請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記第1の粘着剤層側のJIS Z0237に準拠して測定された傾斜式ボールタックが、5以上である、請求項1又は2に記載の両面粘着テープ。
  4. 前記第2の粘着剤層が、感熱型粘着剤により構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  5. 前記基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムにより構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
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