JP2017189753A - 雪を利用した清浄水の製造方法とその方法で作製された清浄水。 - Google Patents

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Abstract

【課題】
積雪を水資源として有効利用するために雪の選択基準を明らかにし、雪の特徴を生かした清浄水の製造方法とその製造方法で得られた水を特性づける清浄水を提供する。
【解決方法】
雪の融解させて水を作製する製造方法において、融解直後の水の塩素イオン濃度が2 ppm 以下である雪を集積し融解させて得られた水を平均孔径80 nm以上で10μm以下のセルロース製の平膜を用いて膜処理することにより清浄化する方法でかつ膜処理として孔拡散膜分離処理することによって作製された雪の結晶核のない清浄水。
【選択図】図1

Description

日本のほぼ全土で雪は降る。例えば札幌市は豪雪地帯に位置する。冬季間の多量の降雪は都市機能の障害ともなっている。そのため雪を運搬するトラックの効率的な運用が行政の課題ともなっている。都心部の利便性の高い雪の処理施設を設置し、そこで雪の持つ融解熱を有効利用する試みがなされている。本発明は雪そのものを有効利用する方法として、雪を原料として、雪の特徴を生かした清浄水およびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、本発明では清浄水の製造に適する雪を選定し、この雪を冷熱エネルギー源として利用しつつ同時に雪の融解によって生じた雪解け水を水源として利用する際の一つである清浄水の製造方法と特定の雪を用いて該製造方法を適用することによって製造される清浄水に関する。
清浄水の製造方法は、多くの分離方法の組み合わせで構成される。清浄水の原料の水は地下水、河川水,雨水などがある。一般的には水道水や地下水である。清浄水の用途によってその清浄度の具体的目標値がことなる。例えば、JIS0557(1998)に工業用水および工業排水の試験に使用する水をA1,A2,A3,A4に分類し、それぞれの水の規格を定めている。最終用途が定まれば該用途ごとの水の規格も一般には定まっている。例えば医薬品や医療用に使用される水としては、日本薬局方では常水、精製水、滅菌精製水、注射用水に分類される。本発明でいう清浄水とは比較的純粋な水で電気電導度の表示で10 μS/cm以下でかつ安全な水(例として水道水基準を満たす水)を意味する。安全な水とは毒性を持つ無機物質(ヒ素など)を含まず、感染性微生物が混入していない水を意味する。清浄水は種々の用途の水の原料水として利用可能であり、またそのまま飲料水として利用することも可能である。
雪は人間の生活に種々の障害をもたらすのみでなく雪の内部に有害物質を含むために、過去に雪そのものを水資源として利用する試みはなされていない。前述のように雪の融解熱を利用する試み(例、特許文献1)においても冷水供給導管の水としては水道水などが用いられている。雪自体を水資源とする試みはほとんどなされていない。その理由は雪の結晶核を構成する物質が、空気中の塵などのエアロゾルやPseudomonas syringae so754等の微生物(特許文献2)であるため、雪自体に安全性とさらに無機性の混入物に原因する純粋の水からの隔たりとが明らかにされているからである。
雪を水資源とみなした場合、例えば11月1日〜翌年の3月9日間の累積降雪量の平年値は北海道の稚内で約550 cm、旭川で650cm。留萌で600cm、札幌で520cm、美唄で750cm、小樽で590cm、根室で170cm、苫小牧で100cmなど北海道に限定しても100cm~800cmの広い範囲に分布する。日本全国にわたると太平洋側の東京都、千葉県、高知県、鹿児島県では0cm、京都市、大阪市、奈良市では0cm、岡山県、広島県、徳島県の瀬戸内沿岸では0cm、日本海側の新潟の200 cm,長岡の570 cm,富山の360 cm, 金沢の270 cm, 福井の270 cm, 京都府舞鶴の200 cm, 豊岡の300 cm, 松江の90 cm,鳥取の200 cmのように0 ~ 1000 cmに分布する。雨水に比較すると地域差のあるまた季節変動のある水資源である。水資源としての雪の量は清浄水の用途の広がりから判断すべきであるが雨水の統計値からは判断して過剰に存在する。雪をそのまま結晶状態で保存するのは水資源としてコストや占有体積面で不利である。水資源としての利用はできるだけ新鮮な状態での雪を処理し、清浄水の状態で保存運搬する必要がある。雪の中の水以外の成分の存在量は比較的狭い大気空間の環境条件を反映している。そのため雪の成分としての均質性は高くはない。
水資源としての雪の物理化学的な視点での特徴は、水蒸気(気相)→雨雲(液体微粒子)→雪雲(固相微粒子)のように雪は2回の相分離を経て作製される。それぞれの相分離の過程で水は精製される。すなわち、海水→水蒸気(気相)→雲(液相)の過程は蒸留に対応する精製工程に相当し、雲→雪雲(固相)は液体→固体の結晶化の過程に当たる精製工程に対応している。したがって雪は液化する際の核と結晶化する際の核を常に内蔵しているが水の精製工程として2種の精製工程を経ているため水に溶解する金属イオン類の混入確率は極端に低いことが予想される。
特許公開2003−074913 特許公開 平成7−322876
本発明では雪それ自体を水資源として利用することを目的としている。水資源として利用するには雪が内蔵する水以外の成分をある規定値以下に制御することが必要である。水資源としての雪には他の水資源と比較して潜在的な利点として2種の精製工程(蒸留と結晶化)を経ていることと精製工程直後の状態で入手可能な点にある。この利点を生かす清浄化方法でなくてはならない。また同時に雪はその降雪場所ごとに異なった異物を含むので水資源としての均質性を確保しなくてはならない。
本発明の製造方法の第1の特徴は、雪解けの直後の水を使用する点にある。一度雪が融解し、水となり、それが自然環境下で再び凍結して氷になったものは水資源として利用しない。雪と氷とは肉眼的に容易に区別が可能であり、融解を経験しない雪を採取する。そのためには工場敷地内の雪あるいは融雪槽(設備)がある周辺で50km内の土地での降雪を利用するように本製造方法を具体化して設備するのが望ましい。雪解け直後の水と雪が自然環境下で融解し、さらに冷却されて再凍結した氷を再融解して得られた水(いずれも同一の土地で採取)の電気電導度はそれぞれ35 μS/cmと150 μS/cmとであった。すなわちこの実験事実は、積雪した後、雪が融解し、その後凍結した場合に液体状態にある水の環境を反映して水中に種々の物質が溶解することを意味する。水資源としての雪とは地上においての融解を経験しない雪でなくてはならない。積雪が地上で融解し、その後凍結することにより氷中に水以外の物質が混在するといる実験事実を知ることにより、本発明の特徴である雪解けの直後の水を使用する必要性に到達した。
本発明の製造方法の第2の特徴は、雪解け直後の水に溶解している塩素イオンの濃度が2 ppm以下の雪を利用する点にある。雪の内部に存在する金属イオン(例、鉄イオン、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなど)は雲中に存在した塵(カオリンなど)を原因として雪の結晶核を形成していると考えられる。この核は水溶性でないので雪解け後には大部分が微粒子として存在すると予想される。塩素イオン濃度が2 ppm以下の雪であれば雪解け直後の水の電気電導度が50 μS/cm 以下となり、水溶性の金属イオンはわずかしか共存しない。この実験結果は雪の内部の金属イオンは大部分が塩化物で構成されていて、核は水に溶解しない化合物であることを意味している。この実験結果を利用することにより本発明の清浄水の原料としての雪が特定できた。
本発明の製造方法の第3の特徴は、雪を融解して得られた水を平均孔径80nm以上でかつ10μm以下のセルロース系平膜を用いて膜処理する点にある。膜処理法として膜間差圧を0.5気圧〜50気圧負荷した膜ろ過法と膜間差圧を0.1気圧以下で処理対象液を膜表面で層流とした孔拡散法とがある。特に平均孔径が80nm以上で3μm以下のセルロース系平膜を装填した孔拡散モジュールを利用し、雪解け水は層流状態で該膜表面を流動し、膜間差圧が0.1気圧以下0.02気圧以上、膜表面における雪解け水のひずみ速度が10/秒 以上で孔拡散膜分離するのが望ましい。セルロース系平膜とはセルロースあるいはセルロース誘導体を90%以上再生した再生セルロース製の多孔膜を意味し、多孔膜には流涎法で作製された多孔性の平膜および不織布も含まれる。
本発明では本発明の製造方法で得られた水自体も特徴ある性質を持つ水として新しい水原料となる。すなわち、本発明物は清明で安全でかつ人工的な添加物が加わっていない水原料である。この水を特徴づけるにはその製造法の特殊性でしか厳密には表せないが、他の水資源との比較においては溶存するケイ酸塩の濃度が著しく低い点にある。この水の性質を特徴付ける性質として、一般的には電気電導度は10μS/cm以下、CODは0.1 mg/L以下、ケイ酸イオン濃度は0.5 ppm以下、かつ感染性微生物(細菌など)は検出限界以下である。膜処理することにより雪解け水に分散している雪結晶の核であるカオリンなどの無機粒子や微生物を除去することが可能となり、得られた清浄水の安全性が増加する。膜処理後の水は雪および雨の核のない清浄水となる。この清浄水はそのまま飲料水用として利用され、また食品加工用の水として利用できる。特に、平均孔径が80nm以上で3μm以下の再生セルロース多孔膜あるいは天然セルロース系不織布を装填した孔拡散膜モジュールを利用し、雪解け水を層流状態で該膜表面を流動させ、その際の膜表面の該水のひずみ速度が10 /秒以上で処理することによって得られた水では結晶核のない清浄水が得られる。この清浄水は軟水で安全性が高く飲食用の原料水に好適である。
本発明の製造方法において、膜処理法の一つとして利用される孔拡散分離法とは膜の孔の目詰まりを起こさせない膜分離技術として開発された。孔拡散分離法では膜間差圧が0.1気圧以下で、平均孔径が10nm以上の多孔膜を用い、膜表面での処理対象液のひずみ速度が2/秒以上で、かつ膜表面での平滑度が高い膜が用いられる。処理対象液が該膜表面を層流で流れつつ、溶媒のみが多孔膜の孔を体積流れで透過するが溶質や分散粒子は拡散で膜中を透過する。
本発明で使用される孔拡散膜モジュールを構成する平膜状の多孔膜は物質の輸送特性を支配する最も重要な役割を持つ。そのため平膜としての特性は下記の諸特性を持っていることが望ましい。
すなわち
(1)ろ過速度法での平均孔径は10nm以上で10μm未満である。
モジュールとしての処理速度は平膜の孔特性のみで決まるのではなく主として膜間差圧が支配する。したがって該平均孔径への要求は処理により除去すべき物質で定められる。たとえばウイルス除去では平均孔径は80nm、細菌除去では600nm、プリオン除去では35nmなどである。
(2)空孔率は60%以上である。
孔拡散による物質輸送速度は空孔率に比例するので空孔率は大きければ大きいほど望ましい。膜ろ過と異なり膜に負荷する力学的な応力(膜間差圧)は小さいため空孔率への上限の設定の必要性は少ない。
(3)平膜の膜表面での平滑度は10μm 以下である。
該平滑度は該平膜を構成する基本の構造体(不織布の場合には繊維、多孔膜の場合には表面の平均孔径またはミクロ相分離法での製膜では2次粒子)の大きさの3倍と定義される。この平滑度は膜表面での層流の厚さ設定の目安となる。
(4)平膜の物理的な見掛けの膜厚は200μm以下である。
平膜が2種以上の構造体で形成されている(すなわち複合体膜を形成している)場合には該見掛けの膜厚は物質輸送に支配的でない部分も厚さに寄与している。この部分を含めて平膜の物理的な見掛けの膜厚と定義する。孔拡散では濃度勾配が物質輸送で重要な駆動力となるため見掛けの膜厚は薄ければ薄いほど望ましい。
膜の微粒子除去性能は孔拡散法を採用するか膜ろ過法を採用するかによって異なる。一般的には微粒子除去性能(本特許では雪の結晶核の除去性能は孔拡散法>膜ろ過法の関係がある。特に微粒子として細菌やウイルスの場合には除去性能としては対数除去係数で4以上であることが必要である。この必要条件を満足する目的であれば孔拡散法を採用すべきであり、膜としては平均孔径が80nmであり水中でのバブルポイントが0.1気圧以上であるのが望ましい。膜表面での処理対象の水のひずみ速度は20/秒以上であることが望ましい。
本発明の製造方法で膜間差圧を0.05気圧以下に平膜のすべての点で維持されていれば膜ろ過の寄与をほぼ零にすることができるので孔拡散膜モジュールを利用する場合には目詰まりの進行を無視することが可能となる。該膜間差圧は液体媒体を構成する分子(通常水)のみが膜の孔中を体積流で通過するのを実現するための最重要操作条件である。
結晶核の除去性能を確実に達成するには本製造方法で採用される孔拡散膜モジュールについてはモジュールとしての完全性試験を製造に先立ち実施するのが望ましい。ただし、該完全性試験で実証すべき性能は結晶核の除去性能の保証レベルの値以上に確実に達成できるための必要条件を満足していることを別種の性能で実証することである(間接法完全性試験)。結晶核の除去性能を対数除去係数(LRV)で3以上を保証するには20℃の水中での該孔拡散膜モジュールのバブルポイントが0.1 気圧以上で、かつ該結晶核の直径と該膜モジュールに装填されている膜の平均孔径との比が1/3以下であることが必要である。これらの条件は膜ろ過モジュールの場合と比較して非常に緩い条件である。
本発明の製造方法は降雪現場の近郊で実施される。したがって該製造方法で作製された清浄水は降雪地の近郊で入手可能である。本発明方法では雪の内部に存在する金属陽イオン(水溶性の無機塩化合物の共存に起因)の反映である雪解け直後の水の電気電導度が5~50μS/cmの雪が選定されており孔拡散膜モジュール処理によりさらにこの値は低下し、かつ雪の結晶核が皆無の状態の水が得られる。この水は安全性の高い清浄水であり、この水を原料として特殊な用途の水が製造される。例えばディーゼル車の排気ガス中のNOxを低下させるのに利用される尿素水の原料水となる。本発明の製造方法では、孔拡散膜分離技術部を含めた膜分離技術が用いられるのでエネルギー消費が極小化されており,大気中の環境内に存在する状況下での清浄水が製造される。雪→雪解け水(冷熱エネルギーの発生)→清浄水の作製の過程において、水分子が地上の物質に接触する時間が他の水資源に比較してきわめて短いため、本発明物である清浄水中のケイ酸イオン濃度は極めて低く0.5 ppm以下(検出限界値以下)である。そのため本発明の清浄水はそのままでも洗車用水として利用できる。本発明の清浄水の安全性は高くそのまま飲料用や食品加工用に用いられる。
第1図に本発明製造法の一例を示す。この図は雪の持つ冷熱エネルギーを利用することも想定した社会的なシステムとしてのモデル図である。すなわち第一図での低温を必要とするビル(温調の低熱源を必要とするエアコンや冷却水を必要とするクーラーを装備したビルなど)や、低温の冷却水を必要とする熱発生を伴う工場へ低温(例えば10℃以下)の流体として供給される。雪の持つ融解熱が図中のhの熱交換機を介して熱交換機械室の熱媒体中へ輸送される。該熱媒体は冷熱を必要とする箇所へ輸送される。一方、熱交換機hによって輸送された熱により雪は融解し、雪解け水はポンプ(図中P)により孔拡散膜分離装置(図-イ)に輸送される。孔拡散膜モジュールによる処理後の拡散液は清浄水貯蔵タンクに貯蔵される。貯蔵タンクには除菌フィルターgが設置されて、外部からの微生物汚染が防止されている。該タンクには清浄水の取り出し口eが設けられている。積雪は北海道地区(例、北見地区)の雪では塩素イオン濃度は1 ppm以下の雪が大部分であり、雪の融解直後の水(雪解け水)の電気電導度は5μS/cm 程度である。
第1図の孔拡散膜分離装置に装填されている孔拡散用分離膜(図-イのa)の平均孔径は200nmであり、この膜を用いる限り作製された清浄水(図-イのc)中には細菌の濃度は検出限界以下となる。また50nm以上の径の微粒子も検出できない程度の清浄度が達成できる。該平均孔径を50nmにすると清浄水中にはウイルスも検出限界以下の濃度となる。雪解け水の処理用として該分離膜の素材としてセルロース系の平膜(不織布を含む)が最適である。膜間差圧を0.05 気圧になるように図-イの大気圧へ開放される弁fで膜間差圧を制御する。雪解け水の該膜平面上のひずみ速度を70/秒以上に設定すると膜の目詰まりは起こらずに長期運転が可能となる。
本発明方法で利用する孔拡散膜モジュールにおいて膜の最良の形態として雪解け水の流路断面の形状が図-イに示すように直径2mm以上の円形状であることが望ましい。しかもこの流路内での雪解け水の流れが層流であることも必要である。装着されている膜の孔径が均等なおおきさであることが望ましいが、モジュールとして評価した20℃の水中でのバブルポイントが0.1気圧以上であることを該モジュールの使用前後で確認しておきことも安全な清浄水を得るのに必要である。
平成28年の2月に北海道の北見地区に降雪した雪を採取し、雪を密閉状態下20℃で融解させて雪解け水を得た。該雪解け水中での塩素イオン濃度を硝酸銀比色法で測定した結果、1 ppm以下であった。該雪解け水をセルロース系不織布を装填した孔拡散モジュール(第1図の図-イと類似のモジュールで雪解け水のながれる流路の断面形状が3 mm x 4 mmの長方形で流路の長さは60cm)を用いて孔拡散膜分離処理を行った。処理前後のいずれでもバブルポイントが0.1 気圧以上であった。膜の平均孔径は500nm、空孔率は65%,膜厚は100μmであり膜間差圧は30 cmH2O(0.03 気圧)で膜表面でのひずみ速度は70/秒であった。処理速度は1時間当たり、膜面積1平方メートルあたり、5リットルであった。経時的な処理速度の低下は認められなかった。回収された水(すなわち清浄水)については20℃の測定温度で以下の測定値を得た。電気電導度;3μS/cm、塩素イオン濃度;0.5 ppm 以下、シリカ濃度(モリブデン青比色法);0.5 ppm以下、Feイオン;0.05 ppm以下、アルミニウムイオン;0.05 ppm 以下、カルシウムイオン;1 ppm以下、一般細菌;検出されない。したがって得られた清浄水はそのままの状態でガラス製品の洗浄水、食品の洗浄水、飲料用水として利用できる。
溶解した金属イオン濃度が極めて低いことが要求される水を必要としている産業への水資源を供給することが本発明によって可能となった。また微生物汚染のない水が要求される食品、医薬品製造業、さらに微粒子混入を避けなくてはならない繊維産業用の水溶液の製造用、ノズルを利用して水を散水や噴霧する工場用水、冷却用水に利用される。本発明の清浄水はケイ酸の混入が極めて少ない自然水であるため、従来の超純水が利用されていた分野で代用されるであろう。具体的には飲料水用、ディーゼルエンジンの排気ガスのNOx対策用の尿素水の原料水用、ボイラー用水、平滑平面(ガラス面など)の洗浄水用として利用される。特殊な規定があるバイオ医薬品製造用の水に加えて、食品、化粧品の製造工程で安全な水として利用されるであろう。今後の進展が期待されているナノテクノロジーにおいても微粒子の混在のないまた、水の蒸発後も蒸発残渣の極めて少ない基礎薬品としての水を供給する。
本発明の製造装置を組み入れた清浄水の製造システムの例。 下図の図-イには孔拡散膜分離装置のモジュール内の孔拡散部の一部の要素の模式図。
a;孔拡散用分離膜、b;雪解け水の層流状態で流れる流路、c;孔拡散膜分離技術で処理された清浄水の出口、d;雪の融解用貯槽の下部に設置されている雪の核などの固体を分散した液の排出用出口、e;清浄水の貯蔵タンクの取り出し口、f;孔拡散分離装置内に設けられた大気への開放口、通常は除菌フィルターを介して開放される、g;清浄水の貯蔵タンクに装備されている大気への開放口、通常は除菌フィルターを介して開放される。h;熱交換機

Claims (3)

  1. 雪を融解させて水を製造する方法において、融解直後の水の塩素イオン濃度が2ppm以下である雪を集積し融解させて得られた水を、平均孔径80nm
    以上10 μm以下のセルロースあるいはセルロース誘導体平膜を用いて膜処理することにより雪解け水を清浄化する方法。
  2. 請求項1において膜処理の方法として、平均孔径が80nm以上3μm以下のセルロース系平膜を装填した孔拡散膜モジュールを利用し、雪解け水は層流状態で該膜表面を流動し膜間差圧が0.1 気圧以下0.02気圧以上、膜表面における雪解け水のひずみ速度が10/秒 以上で孔拡散膜分離処理することによって作製された雪の結晶核のない清浄水。
  3. 請求項1において、膜処理方法が孔拡散膜分離処理であり、セルロース系不織布を平膜として装填した孔拡散モジュールを用い、かつ該膜の平均孔径が200nm以上で2μm以下でかつ膜厚が100μm以下であり水中でのバブルポイントが0.1気圧以上であることを特徴とする清浄化方法。

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