以下、本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1〜図56を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るパチンコ遊技機について説明する。
[機能フロー]
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
パチンコゲームは、図1に示すように、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。
また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施の形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えていてもよい。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。
当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施の形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[パチンコ遊技機の構造]
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。なお、図2は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。また、図3は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図2及び図3に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。
ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、液晶表示装置13(演出報知手段、演出表示手段)と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出ユニット16と、基板ユニット17とが取り付けられる。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などを用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール41(具体的には後述の図4に示す外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。
さらに、遊技領域12aには、複数の遊技釘(後述の図4参照)が打ちこまれている。
なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図4を参照しながら後で詳述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。
この液晶表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施の形態では、表示装置として液晶表示装置13を用いたが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と液晶表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。
スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、図2に示すように、遊技球の貸出、遊技球の払出(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。
所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び払出口22aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられる。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及びダイヤル操作部24の少なくともいずれか一方を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及びダイヤル操作部24の少なくともいずれか一方の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2及び図3には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール41(後述の図4参照)に案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出ユニット16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出ユニット16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出ユニット16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払出す。
基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200、払出制御回路300などが設けられる(後述の図7参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。
したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図4を参照して説明する。図4は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図4に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45(始動領域)と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51,52と、第1大入賞口53(可変入賞装置)と、第2大入賞口54(可変入賞装置)と、アウト口55と、複数の遊技釘56とが設けられる。
さらに、遊技盤12の前面において、その略中央に配置された液晶表示装置13の表示領域13aの上部には、特別図柄表示装置61(識別情報表示手段、特別図柄表示手段)と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、本実施の形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LEDなどを設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画する円弧状に延在した外レール41aと、この外レール41aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール41bとで構成される。
遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。
この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘56、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、球通過検出器43を通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図7参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。
以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、第1所定数(本実施の形態では3個)の遊技球が払出される。
また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図7参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図7参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(後述の図7参照)とを有する。
この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態のいずれか一方の状態を発生させる。
なお、本実施の形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の下方に配置され、かつ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。
一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、第2所定数(本実施の形態では10個)の遊技球が払出される。
一般入賞口51には、一般入賞口51に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図7参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図7参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、かつ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a及び54aと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図7中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態:第1の状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態:第2の状態)のときには遊技球を受け入れない。
以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施の形態では10個)の遊技球が払出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施の形態では15個)の遊技球が払出される。
また、第1大入賞口53には、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図7参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(後述の図7参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施の形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図4に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘56等により遊技球が第2始動口45に誘導される。
この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施の形態では、後述するように、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。
それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置61は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施の形態では、図4に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施の形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。
一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。
例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施の形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施の形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施の形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施の形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の右側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施の形態では、図4に示すように、普通図柄表示装置62を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。
一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施の形態では、普通図柄保留表示装置63は、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。
本実施の形態では、図4に示すように、普通図柄保留表示装置63を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。
普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左方に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施の形態では、図4に示すように、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄保留個数表示部64aと、第1特別図柄保留情報表示部64bとで構成される。
そして、第1特別図柄保留情報表示部64bは、特別図柄表示装置61の左方に配置され、第1特別図柄保留個数表示部64aは、第1特別図柄保留情報表示部64bの左方に配置される。
第1特別図柄保留個数表示部64aは、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1特別図柄保留個数表示部64aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。
すなわち、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第1特別図柄保留情報表示部64bは、第1特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第1特別図柄保留情報表示部64bは、次に変動表示させる第1特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。
なお、第1特別図柄保留表示装置64の構成は、図4に示す例に限定されず、少なくとも第1特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、普通図柄表示装置62の右方に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施の形態では、図4に示すように、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄保留個数表示部65aと、第2特別図柄保留情報表示部65bとで構成される。
そして、第2特別図柄保留情報表示部65bは、普通図柄表示装置62の右方に配置され、第2特別図柄保留個数表示部65aは、第2特別図柄保留情報表示部65bの右方に配置される。
第2特別図柄保留個数表示部65aは、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留個数表示部65aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。
すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第2特別図柄保留情報表示部65bは、第2特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第2特別図柄保留情報表示部65bは、次に変動表示させる第2特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。
なお、第2特別図柄保留表示装置65の構成は、図4に示す例に限定されず、少なくとも第2特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、上述したように液晶で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的には、本実施の形態では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の液晶図柄揃い目等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施の形態では、液晶表示装置13の表示領域13aに、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。なお、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行う場合には、この際の予告報知が表示領域13aに表示されてもよい。
また、本実施の形態では、普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
[払出ユニットの概略構成]
次に、図5及び図6を参照して、本実施の形態の払出ユニット16について説明する。
図5は、払出ユニット16の全体的な構成を示す図であり、パチンコ遊技機1を背面側から見た図である。また、図6は、後述する払出装置としての賞球ケースユニット170の構成を示す図である。
図5に示すように、払出ユニット16は、遊技機上部の貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給され、その供給された遊技球を貯留する球貯留タンクとしての球タンク161と、球タンク161と連通するよう球タンク161に連結された球タンク下通路162と、遊技球をパチンコ遊技機1の外部、すなわち上皿21又は下皿22に払出す等、遊技球の払出を管理可能な賞球ケースユニット170とを備える。
また、球タンク161及び球タンク下通路162の下部であって、賞球ケースユニット170と並列するようにして、払出制御回路300を含む各種制御基板が組み込まれた基板ユニット17が配置されている。
ここで、上述した貯留ユニット(不図示)は、例えばパチンコ遊技機1の球タンク161に遊技球を供給するために設置されたホール(遊技場)の付帯設備としての補給装置である。払出ユニット16において、貯留ユニットから供給された遊技球は、球タンク161、球タンク下通路162を通じて賞球ケースユニット170に誘導され、貯留されるようになっている。
図6に示すように、賞球ケースユニット170は、上述した遊技領域12a(図4参照)に設けられた複数の入賞口としての第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれかに遊技球が入賞したことを条件に球タンク161内から遊技球を後述する払出通路180に払出すものである。払出通路180は、賞球ケースユニット170の最下部に配置されている。
この賞球ケースユニット170は、第1の球供給通路171Aと、補給検出手段としての第1の15球担保スイッチ172Aと、移動手段としての第1のスプロケット173Aとを備える。ここで、賞球ケースユニット170は、図6では一部を除き省略されているが、上述した第1の球供給通路171A、第1の15球担保スイッチ172A及び第1のスプロケット173Aと同一の構成の第2の球供給通路171B、第2の15球担保スイッチ172B及び移動手段としての第2のスプロケット173Bが図6の紙面方向(パチンコ遊技機1の前後方向)の奥側に配置されている。
つまり、賞球ケースユニット170は、球供給通路171、15球担保スイッチ172及びスプロケット173を2列備えた構造をとる。
ただし、第1のスプロケット173Aと第2のスプロケット173Bとは、互いに位相を60°ずらして配置されている。以下の説明において、特に明記しない場合には、第1の球供給通路171A及び第2の球供給通路171Bを総称して「球供給通路171」といい、第1の15球担保スイッチ172A及び第2の15球担保スイッチ172Bを総称して「15球担保スイッチ172」といい、第1のスプロケット173A及び第2のスプロケット173Bを総称して「スプロケット173」というものとする。
また、払出通路180も実際には、第1の払出通路180Aと第2の払出通路180Bとを有する2列構造である。ただし、以下において、特に明記しない場合には、第1の払出通路180A及び第2の払出通路180Bを総称して「払出通路180」というものとする。
球供給通路171は、球タンク下通路162を介して球タンク161と連通し、球タンク161から球タンク下通路162を介して遊技球が補給されるようになっている。球供給通路171は、球タンク161から補給された遊技球を規定個数(本実施の形態では15個)まで蓄積可能となっている。なお、実際には、第1の払出通路180A及び第2の払出通路180Bの2列構造であるため、これら通路で合計30個の遊技球を蓄積可能である。
15球担保スイッチ172は、球供給通路171内に補給された遊技球を検出するものである。具体的には、15球担保スイッチ172は、遊技球が補給される(通過する)たびに球検知遮蔽板172aが検知センサ172bに検知されることで、遊技球が補給されていることを検出する。
したがって、球供給通路171内に蓄積された遊技球が不足、つまり15個に満たない場合には、球検知遮蔽板172aが作動し検知センサ172bの検知領域から外れることで、球供給通路171内に規定個数(本実施の形態では15個)が蓄積されていないことが検出される。
また、この15球担保スイッチ172は、遊技球が補給されていることを検出している間はON状態とされる。なお、図6では、15球担保スイッチ172が補給された遊技球を検出している状態を示している。
また、この15球担保スイッチ172は、球供給通路171内に補給された遊技球が、15球担保スイッチ172上を通過していることを検出している間はON状態とされる、という機能を備えており、「遊技球が補給される」とは、15球担保スイッチ172が球供給通路171内を遊技球が通過、及び遊技球が球供給通路171内に存在することを検知することで、遊技球が連なっているという前提のもと、球供給通路171内を遊技球が規定個数存在することを担保していることを含んでいる。
スプロケット173は、ステッピングモータで構成された駆動手段としての払出モータ174に接続され、払出モータ174の駆動に応じて図中、時計回り方向に回転するようになっている。スプロケット173は、球供給通路171内に蓄積された遊技球を1球ずつ受け入れ、払出モータ174が所定ステップ数だけ駆動することにより回転し、払出通路180に1球ずつ移動させる、すなわち払出すようになっている。
上記に加えて、スプロケット173は、払出モータ174が所定ステップ数だけ駆動することにより回転し、結果的に球供給通路171内に蓄積された遊技球を1球ずつ受け入れ可能な回転となるといった、払出モータ174の回転に依存する形態をも含みえるものである。
つまり、払出モータ174によってスプロケット173は1球ずつ受け入れ可能な回転を行うとともに1球ずつ払出すとも表現できるし、払出モータ174が所定の回転を行った結果、結果的にスプロケット173が1球ずつ受け入れ、1球ずつ払出したとも表現することができる。
また、スプロケット173は回転することを前提としているが、これに限られるものではなく、スプロケット173を板状として、払出通路180に対して平行、及び垂直に可動、又は駆動するようなスライド式であってもよいし、スプロケット173の形状も遊技球を所定個数ずつ受け入れ、払出可能であればどのような形状であってもよい。
なお、払出モータ174は、第1のスプロケット173Aと第2のスプロケット173Bとで共通のものを用いる。本実施の形態におけるスプロケット173及び払出モータ174は、球供給通路171内を通過した遊技球を移動可能な遊技球移動手段、払出手段を構成する。
また、第1の払出通路180A及び第2の払出通路180Bには、それぞれ第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bが設けられている。ただし、以下において、特に明記しない場合には、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bを総称して「計数スイッチ181」というものとする。
計数スイッチ181は、スプロケット173により払出通路180に払出された遊技球を検出するものである。本実施の形態における計数スイッチ181は、払出検出手段を構成する。
また、球供給通路171の最上部近傍には、球抜きシャッタ175が設けられている。
球抜きシャッタ175が図中時計回り方向に回動させられると、球供給通路171が開放され、球供給通路171の上部に蓄積されている遊技球が球抜き通路176を介して排出されるようになっている。球抜きシャッタ175は、通常時、ロックされた状態であり、例えば球タンク161に貯留された遊技球を排出する際に使用される。
[パチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図7を参照しながら、本実施の形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図7は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図7に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200と、主に遊技球の払出に関する制御を行う払出制御回路300とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73とを備える。
また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、本実施の形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラム(図15〜図27参照)や、各種データテーブル(図8〜図13参照)等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図7に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。
これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図7に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c,54c、一般入賞球センサ51a,52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a及び第2始動口入賞球センサ45a、バックアップクリアスイッチ121などが接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。
一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力し、一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出制御回路300に出力する。
さらに、主制御回路70には、払出制御回路300が接続される。ここで、主制御回路70は、所定の払出条件が成立したことを条件に後述する賞球ケースユニット170を介して払出される遊技球の数である賞球数を決定する。
こうした賞球数の決定を行う主制御回路70は、払出量決定手段を構成する。なお、所定の払出条件は、上述した各種始動口や各種入賞口に遊技球が入賞したことである。
また、主制御回路70は、上述のように決定された賞球数を含む情報を賞球制御コマンドとして払出制御回路300に送信する。したがって、主制御回路70は、信号送信手段を構成する。
[払出制御回路]
払出制御回路300は、払出CPU301と、ROM302と、RAM303とを備える。ROM302には、例えば賞球ケースユニット170による遊技球の払出動作を制御するための各種プログラム(図31〜図38参照)等が記憶されている。
払出CPU301は、ROM302に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。RAM303は、払出CPU301が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、払出CPU301が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、払出CPU301の一時記憶領域としてRAM303を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
この払出制御回路300には、遊技球の払出を行う賞球ケースユニット170が接続される。具体的には、第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172B、払出モータ174及び第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bのそれぞれが払出制御回路300に接続されている。
第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172Bは、第1及び第2の球供給通路171A,171B内に補給された遊技球を検出し、その結果を示す所定の出力信号を払出制御回路300に出力する。
払出モータ174は、払出CPU301からの制御信号に応じて駆動する。第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bは、第1及び第2のスプロケット173A,173Bにより第1及び第2の払出通路180A,180Bにそれぞれ払出された遊技球を検出し、その結果を示す所定の出力信号を払出制御回路300に出力する。
また、払出制御回路300には、払出状態報知表示装置178及び下皿満タンスイッチ179が接続されている。払出状態報知表示装置178は、詳しくは後述するが、遊技球の払出に関して異常が発生した場合に、その異常の種別を報知するための表示装置であり、報知手段を構成する。
この払出状態報知表示装置178は、図51に示すように7セグメントディスプレイからなり、ホールの管理者のみが視認可能なように例えばパチンコ遊技機1の裏面の所定箇所に設けられている。
下皿満タンスイッチ179は、下皿22に貯留された遊技球が満タンとなった場合に、これを検知し、その結果を払出制御回路300に出力する。払出制御回路300は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力されると、払出状態報知表示装置178を通じた報知を行うとともに、主制御回路70に下皿満タン状態であることを示す信号を出力する。
これにより、主制御回路70は、副制御回路200に演出制御コマンドを送信して、副制御回路200によりスピーカ11、ランプ18、LEDや液晶表示装置13を通じて下皿22が満タン状態であることを報知させる。
さらに、払出制御回路300には、遊技球の発射を行う発射装置15、外部端子板140、及びカードユニット150が接続される。また、外部端子板140には、データ表示器141が接続され、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
ここで、カードユニット150は、所定の払出条件が成立したことを条件に後述する要求ケースユニット170を介して払出される遊技球の数である貸し球数を決定する。こうした貸し球数の決定を行うカードユニット150は、払出量決定手段を構成する。なお、所定の払出条件は、上述した貸し出し用操作部151が操作されたことである。
払出制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
外部端子板140は、ホール(遊技場)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部にホールの付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸出を要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出制御回路300に送信する。したがって、カードユニット150は、信号送信手段を構成する。
払出制御回路300は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、賞球ケースユニット170に対して所定の信号を送信する。
これにより、賞球ケースユニット170は、遊技球を払出す。なお、上述のように賞球制御コマンド及び貸し球制御信号を受信する払出制御回路300は、信号受信手段を構成する。
また、本実施の形態において、払出CPU301は、第1及び第2の担保球カウンタ305A,305B、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bを有している。これら第1及び第2の担保球カウンタ305A,305B、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bは、払出CPU301の機能として設けられるものである。
第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bは、それぞれ後述する担保球監視初期設定処理(図31のS309及びS312参照)で設定された初期値(本実施の形態では「1950回」)から、第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検知している間、所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに「1」減算されるカウンタである。
なお、本実施の形態では、第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bとして、カウントダウン用のカウンタを用いたが、カウントアップ用のカウンタを用いてもよい。
したがって、払出CPU301は、第1及び第2のスプロケット173A,173Bによって遊技球の払出が開始され、かつ第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検知していることを条件に、初期値(本実施の形態では「1950回」)を所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに、つまり後述するシステムタイマ割込み処理(図33参照)が行われるたびに「1」減算する、すなわち更新するようになっている。
こうした更新を行う払出CPU301は、第2の更新手段を構成する。なお、第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bによって更新される値は、後述する第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bによって更新される値よりも狭い範囲の値に設定可能であるとともに、第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検知している時間に相当し、第2の値を構成する。
第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bは、それぞれ後述する担保球監視初期設定処理(図31のS309及びS312参照)で設定された初期値(本実施の形態では「2000ms」)から、所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに「1」減算されるタイマである。なお、本実施の形態では、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bとして、カウントダウン用のタイマを用いたが、カウントアップ用のタイマを用いてもよい。
したがって、払出CPU301は、第1及び第2のスプロケット173A,173Bによって遊技球の払出が開始されたことを条件に、初期値(本実施の形態では「2000ms」)を所定時間(本実施の形態では「1ms」)が経過するごとに、つまり後述するシステムタイマ割込み処理(図33参照)が行われるたびに「1」減算する、すなわち更新するようになっている。
ここで、上述の第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bに設定される初期値(本実施の形態では「2000ms」)は、15個の遊技球の担保が完了すると仮定される時間、つまり球タンク161から所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球を払出すのに十分な時間に設定される。こうした更新を行う払出CPU301は、第1の更新手段を構成する。なお、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bによって更新される値は、第1の値を構成する。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプ18の制御等を行う。
すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施の形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
副制御回路200は、図7に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、ランプ制御回路207とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206及びランプ制御回路207が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラム(図28〜図30参照)や、各種データテーブル(図14参照)が記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施の形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。
また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、メインRAM73及びワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、及び、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。
なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御回路205は、サブCPU201から供給される画像表示命令に基づいて、装飾図柄(演出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置13に供給する。これにより、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、及び、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路207は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、及び複数種類のランプ点灯パターンが記憶されているランプデータROM等を有する。なお、ドライブ回路は、サブCPU201から供給されるランプ点灯命令に基づいて、ランプデータROMに記憶されている複数のランプ点灯パターンから一つのランプ点灯パターンを選択する。
そして、選択したランプ点灯パターンをランプデータROMから読み出し、読み出した音声データを所定のランプ制御信号に変換して、装飾ランプ等を含むランプ18の点灯及び消灯を行う。
[遊技状態の種別]
まず、サブCPU201で制御される各種演出モードの内容について説明する前に、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別について説明する。
本実施の形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、賞球の期待度が互いに異なる「大当り遊技状態」(特別遊技状態)及び「小当り遊技状態」(特定遊技状態)がある。
「大当り遊技状態」は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54のシャッタの開放期間(すなわち、1ラウンドの期間)が長い(本実施の形態では30秒)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できる遊技状態である。すなわち、「大当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって有利な状態となる。
一方、「小当り遊技状態」は、「大当り遊技状態」に比べて1ラウンドの期間が短い(本実施の形態では1.8秒)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できない遊技状態である。すなわち、「小当り遊技状態」では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって不利な状態となる。
また、本実施の形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、「大当り」の当選確率が互いに異なる「確変遊技状態」(高確率遊技状態)及び「通常遊技状態」(低確率遊技状態)がある。
「確変遊技状態」は、「大当り」の当選確率(本実施の形態では1/131.86)が高い遊技状態である。一方、「通常遊技状態」は、「確変遊技状態」に比べて「大当り」の当選確率(本実施の形態では1/392.43)が低い遊技状態である。
なお、本実施の形態では、「大当り遊技」が終了した後には、必ず「確変遊技状態」が開始される。そして、「確変遊技状態」は、「大当り遊技」が終了した後から、200回を上限とする所定回数の抽選(特別図柄の変動表示)が行われるまで維持される。
一方、「小当り遊技」が終了した場合には、基本的には、遊技状態は移行せず、「小当り」当選時の遊技状態が維持される。すなわち、「小当り」当選時の遊技状態が「確変遊技状態」であれば、「小当り遊技」終了後も、遊技状態は「確変遊技状態」が維持され、「小当り」当選時の遊技状態が「通常遊技状態」であれば、「小当り遊技」終了後も、遊技状態は「通常遊技状態」が維持される。
ただし、本実施の形態では、例えば「確変遊技状態」(又は「時短遊技状態」)の最後の変動表示(例えば、後述の200回目の変動表示)において「小当り」に当選した場合、次回の変動表示では、遊技状態を「確変遊技状態」から「通常遊技状態」(又は「時短遊技状態」から「非時短遊技状態」)に移行させる。すなわち、このような場合には、例外として、「小当り遊技」の前後で遊技状態が移行する。
さらに、本実施の形態において、メインCPU71で制御及び管理される遊技状態の種別としては、普通図柄の当選確率(普通図柄が「当り」の態様になる確率)が互いに異なる「時短遊技状態」(高入賞遊技状態)及び「非時短遊技状態」(低入賞遊技状態)がある。
本明細書でいう「時短遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口45に設けられた普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり易い遊技状態(第2始動口入賞が発生し易い遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、「時短遊技状態」は、「大当り」が決定された場合、又は、後述する所定の時短回数分の特別図柄の変動表示が実行された場合に終了する。
一方、「非時短(時短なし)遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が「時短遊技状態」に比べて低い遊技状態のことである。それゆえ、「非時短遊技状態」は、普通電動役物46(羽根部材)が開放状態になり難い遊技状態(第2始動口入賞が発生し難い遊技状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、本実施の形態では、演出モードに応じて、「大当り遊技状態」及び「小当り遊技状態」以外の上述した遊技状態の組合せが変化する。具体的には、本実施の形態では、演出モードに応じて、「確変遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図12中の「高確率時短あり」の状態)が設けられる。
また、演出モードに応じて、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図12中の「高確率時短なし」の状態)が設けられる。さらに、演出モードに応じて、「非時短遊技状態」と「通常遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(図12中の「低確率時短なし」の状態)が設けられる。
なお、本実施の形態では、「通常遊技状態」と「時短遊技状態」とが同時に発生するような遊技状態(「低確率時短あり」の状態)は設けない。また、「確変遊技状態」と「非時短遊技状態」とが同時に発生する遊技状態(「高確率時短なし」の状態)では、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを遊技者が判別することが難しいので、ここでは、このような遊技状態を「潜確遊技状態」ともいう。
上述した各種遊技状態間の移行動作は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、各種遊技状態間の移行動作を制御する手段(第1遊技状態制御手段、第2遊技状態制御手段、第3遊技状態制御手段)を兼ねる。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、図8〜図13を参照しながら、主制御回路70のメインROM72に記憶される各種データテーブルの構成について説明する。
[大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
まず、図8を参照して、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、第1始動口44に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照されるテーブルである。
なお、大当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値であり、より具体的には、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す乱数値である。また、本実施の形態では、大当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施の形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図8に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれそれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。
なお、確変フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となる。
本実施の形態では、図8に示すように、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、167/65536となる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれかである場合には、図8に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、497/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、300/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれと同じになる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「1」〜「300」及び「777」〜「1273」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施の形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口44に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図9を参照して、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、第2始動口45に遊技球が入球(入賞)した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」か否かの抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
本実施の形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。なお、第2始動口45に遊技球が入賞した場合には、「小当り」は当選しない。
それゆえ、大当り乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図9に示すように、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」のいずれか)との関係が規定される。
本実施の形態では、図9に示すように、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、167/65536となる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「943」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれかである場合には、図9に示すように、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、497/65536となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、大当り判定用乱数値が「777」〜「1273」のいずれでもない場合には、「ハズレ」となり、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施の形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合にもまた、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、第1始動口44入賞時と同様に、第2始動口45入賞時においても、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第2始動口45に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時のそれの約3倍程度高くなる。
[大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)]
次に、図10を参照して、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)について説明する。
本実施の形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選より「大当り」が決定された場合、大当り図柄乱数値が取得され、該大当り図柄乱数値に基づいて、大当り図柄が選択される。
大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)は、その大当り図柄を選択する際に参照されるテーブルである。なお、大当り図柄乱数値は、「大当り」が決定された際に、大当り図柄を決定するための乱数値であり、0〜99(100種類)の中から選ばれる。
大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、図10に示すように、大当り図柄を指定するための図柄指定コマンド(「z0」〜「z16」)と、該図柄指定コマンドが選択される大当り図柄乱数値との関係が規定される。なお、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、各図柄指定コマンドが選択される確率(選択率)も規定される。
例えば、大当り図柄の選択処理において、大当り図柄乱数値が「77」〜「96」のいずれかである場合には、図10に示すように、図柄指定コマンド「z13」が選択され、その選択率は、20/100となる。
[大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)]
次に、図11を参照して、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)について説明する。
本実施の形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した際に行われる大当り判定用乱数値に基づく抽選より「大当り」が決定された場合にもまた、大当り図柄乱数値が取得され、該大当り図柄乱数値に基づいて、大当り図柄が選択される。大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)は、その大当り図柄を選択する際に参照されるテーブルである。
大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、図11に示すように、大当り図柄を指定するための図柄指定コマンド(「z17」)と、該図柄指定コマンドが選択される大当り図柄乱数値(0〜99のいずれか)との関係が規定される。なお、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口入賞時)には、各図柄指定コマンドが選択される確率(選択率)も規定される。
本実施の形態では、図11に示すように、第2始動口45入賞時に「大当り」が決定された場合には、大当り図柄の選択処理において、大当り図柄乱数値に関係なく、必ず図柄指定コマンド「z17」が選択される(選択率=100/100)。
[大当り種類決定テーブル]
次に、図12を参照して、大当り種類決定テーブルについて説明する。本実施の形態では
、大当り図柄乱数判定テーブル(図10及び図11参照)を参照して図柄指定コマンド(「z0」〜「z17」のいずれか)が決定されると、該決定された図柄指定コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する。大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンドに基づいて、「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する際に参照されるテーブルである。
大当り種類決定テーブルには、図12に示すように、図柄指定コマンド(「z0」〜「z17」)と、「大当り」の種類を決定する各種パラメータとの関係が規定される。「大当り」の種類(大当り遊技の内容)を決定する各種パラメータとしては、大当り遊技におけるラウンド数の上限値、大当り遊技において出玉(賞球)が比較的得られやすいラウンド数、大当り遊技時に開放する大入賞口の種別、賞球数、並びに、移行先の遊技状態で設定される時短フラグ及び時短回数が規定される。
なお、大当り種類決定テーブルに規定されている、「出玉を比較的得やすいラウンド数」とは、大当り遊技において、大入賞口の開放時間が比較的長くなるラウンドの数を意味する。
例えば、ラウンド数の上限値が16ラウンドであり、出玉(賞球)を比較的得やすいラウンド数が6ラウンドである場合、大当り遊技の第1〜第6ラウンドゲームでは、大入賞口が30秒開放され、残りの第7〜第16ラウンドゲームでは大入賞口の開放時間が0.1秒となる。
このように、大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別に応じて、出玉(賞球)が比較的得られやすいラウンド数を変えることにより、ラウンド数の上限値が同じであっても、大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別により、大当り遊技において最終的に得られる出玉の総数に差異を与えることができる。
また、大当り種類決定テーブルに規定されている、開放する大入賞口の種別「1」は第1大入賞口53に対応し、種別「2」は第2大入賞口54に対応する。そして、第1大入賞口53入賞時の賞球数は「10」球となり、第2大入賞口54入賞時の賞球数は「15」球となる(図12参照)。
このように、本実施の形態では、大当り入賞時に開放する大入賞口の種別を変えることにより、一回の大当り遊技で大入賞口に入賞する回数が同じであっても、総賞球数を変化させることができる。
なお、図12の大当り種類決定テーブルに示すように、時短フラグの値(「1」(オン)又は「0」(オフ))及び付与される時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、本実施の形態では、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合のそれぞれにおいて、別個に時短フラグの値及び時短回数が規定される。
なお、時短フラグは、メインRAM73に格納された管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1(オン)」となる。
なお、図12に記載の「低確率時短なし」は、「通常遊技状態」及び「非時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態であるので、確変フラグの値が「0(オフ)」であり、且つ、時短フラグの値が「0(オフ)」である遊技状態である。
また、「高確率時短なし」は、「確変遊技状態」及び「非時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態(「潜確遊技状態」)であるので、確変フラグの値が「1(オン)」であり、且つ、時短フラグの値が「0(オフ)」である遊技状態である。
また、「高確率時短あり」は、「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」が同時に発生している遊技状態であるので、確変フラグの値が「1(オン)」であり、且つ、時短フラグの値が「1(オン)」である遊技状態である。
このように、本実施の形態では、大当り当選時の遊技状態に応じて時短遊技の有無及び時短回数を変化させることができる。すなわち、本実施の形態では、大当り遊技終了後の遊技状態を、大当り当選時の遊技状態に応じて変えることができる。
例えば、図柄指定コマンドが「z9」である場合には、図12に示すように、大当り当選時の遊技状態に関係なく、「大当り」の種類(内容)を決定する各種パラメータとして、ラウンド数の上限値「16」、比較的出玉を得やすいラウンド数「6」、大当り遊技時に開放する大入賞口の種別「1」、及び、賞球数「10」が取得される。
しかしながら、この場合、大当り当選時の遊技状態が「低確率時短なし」であるときには、時短フラグ「0」及び時短回数「0」が選択され、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短なし」であるときには、時短フラグ「1」及び時短回数「100」が選択され、大当り当選時の遊技状態が「高確率時短あり」であるときには、時短フラグ「1」及び時短回数「200」が選択される。
また、本実施の形態では、大当り遊技終了後は、必ず、遊技状態が「確変遊技状態」になるので、図12に示す大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値を規定していない。なお、本発明はこれに限定されず、大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値を規定してもよい。
また、本実施の形態では、大当り遊技終了後は、必ず、遊技状態が「確変遊技状態」になる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、大当り遊技終了後、遊技状態が「確変遊技状態」に移行しないような「大当り」の種類を設けてもよいし、「大当り」の種類に応じて、遊技状態が「確変遊技状態」に移行するか否かを決定するような構成にしてもよい。この場合には、大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値が規定される。
[変動パターン決定テーブル]
次に、図13を参照して、変動パターン決定テーブルについて説明する。
本実施の形態では、主制御回路70(メインCPU71)は、特別図柄の変動表示開始時に、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、図柄指定コマンド、変動時間等の情報に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定し、該変動パターンを変動コマンドとして副制御回路200(サブCPU201)に送信する。
変動パターン決定テーブルは、特別図柄の変動開始時に、当選種別、図柄指定コマンド、変動時間等の情報に基づいて、変動パターンを決定する際に参照されるテーブルである。なお、変動パターン決定テーブルにより決定される特別図柄の変動パターンは、後述するように、特別図柄の変動表示期間に行う演出の演出パターンを指定するための情報にもなる。
変動パターン決定テーブルには、図13に示すように、変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、該変動パターンを選択する際に参照する情報(図柄指定コマンド、変動時間及び当選種別)との関係が規定される。また、変動パターン決定テーブルには、各変動パターンに対応する時短フラグの値及び時短回数も規定される。
なお、時短フラグの値及び時短回数は、大当り当選時の遊技状態毎に規定される。具体的には、「低確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、「高確率時短なし」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合、及び、「高確率時短あり」の遊技状態時に「大当り」が決定された場合において、それぞれ時短フラグの値及び時短回数が規定される。
[プログラムROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、副制御回路200のプログラムROM202に記憶される各種データテーブルの構成について、図14を参照して説明する。
[変動演出テーブル]上述のように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、副制御回路200(サブCPU201)の制御により、特別図柄の変動表示中に様々な演出が実行される。
この際に行われる演出の内容(演出パターン)は、特別図柄の変動表示開始時に、主制御回路70から副制御回路200に送信される変動コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンの情報などに基づいて決定される。
以下に説明する変動演出テーブルは、この演出内容(演出パターン)を変動パターンの情報などに基づいて決定する際に参照される。
変動演出テーブルには、図14に示すように、特別図柄の変動パターンの種別(「HN00」〜「HN27」)と、演出パターン(「EN00」〜「EN54」)を選択(決定)するための乱数値と、該乱数値により決定される演出パターン及び擬似連演出フラグの値のデータセットとの対応関係が規定される。
また、変動演出テーブルには、各特別図柄の変動パターンに対応する変動時間(特別図柄の変動表示期間)、当選種別(「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)及び図柄指定コマンド、並びに、各演出パターンの選択率及び演出内容も規定される。
本実施の形態では、変動演出テーブルに規定されている変動時間は対応する演出パターンの演出時間とほぼ同じであるとする。また、変動演出テーブルに規定されている乱数値は、始動口入賞時に取得される乱数値であり、「0」〜「999」(1000種類)のいずれかである。
変動演出テーブルに規定される、擬似連演出フラグは、1回の特別図柄の変動表示期間に、装飾図柄の仮停止表示と再変動表示を少なくとも1回行うことで、複数回の特別図柄の変動表示が繰り返されているかのように見せる擬似連演出を行うか否かを決定するフラグであり、擬似連演出が行われる場合には、擬似連演出フラグの値に「1(オン)」がセットされる。
例えば、特別図柄の変動表示開始時に決定された特別図柄の変動パターンが「HN10」であり、且つ、演出パターンを選択するために入賞時に取得された乱数値が「500」〜「999」のいずれかの値である場合には、演出パターンとして「EN20」が選択され、擬似連演出フラグには「1」がセットされる。
この場合には、特別図柄の変動表示期間(25000ミリ秒)に、擬似連演出が行われる。具体的には、まず、所定の擬似連回数の「擬似連演出」が行われ、その後、「ノーマルリーチ演出A」と称する「リーチ演出」が行われる。そして、「ノーマルリーチ演出A」の終了とともに、液晶表示装置13の表示領域13aに「大当り」態様の表示が行われ、特別図柄が変動停止する。
なお、本実施の形態では、「リーチ演出」として、「ノーマルリーチ演出A」の他に、「スペシャル演出A」ないし「スペシャル演出D」と称する演出があり、「非リーチ演出」として、「通常変動演出A」と称する演出がある。
[主制御回路の動作説明]次に、図15〜図27を参照して、主制御回路70のメインCPU71により実行される各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図15を参照して、メインCPU71の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図15は、本実施の形態における主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、最初に、メインCPU71は、初期設定処理を行う(S1)。この処理では、メインCPU71は、例えば、メインRAM73へのアクセス許可、バックアップ復帰、作業領域の初期化等の処理を行う。次いで、メインCPU71は、初期値乱数の更新処理を行う(S2)。この処理では、メインCPU71は、初期乱数カウンタ値を更新する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(S3)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に関する所定の制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については、後述の図16を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄ゲームの進行、及び、普通図柄表示装置62に表示される普通図柄に関する所定の制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細については、後述の図24を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、図柄表示装置の制御処理を行う(S5)。この処理では、メインCPU71は、特別図柄制御処理(S3)及び普通図柄制御処理(S4)の実行結果に基づいて、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)、並びに、普通図柄の可変表示の表示制御を行う。
次いで、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(S6)。この処理では、メインCPU71は、遊技店のホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、該遊技情報データをメインRAM73に格納する。
次いで、メインCPU71は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU71は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、該記憶・遊技状態データをメインRAM73に格納する。
そして、S7の処理後、メインCPU71は、処理をS2の処理に戻し、上述したS2以降の処理を繰り返す。
[特別図柄制御処理]
次に、図16を参照して、主制御メイン処理(図15参照)中のS3で行う特別図柄制御処理について説明する。図16は、本実施の形態における特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、図16に示す各処理ステップの符号の下に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は制御状態フラグの値を示し、この制御状態フラグは、メインRAM73内の所-定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする(S11)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。
メインCPU71は、S11でロードされた制御状態フラグの値に基づいて、後述のS12〜S20の各種処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S12〜S20のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S12〜S20の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図25参照)も実行する。
そして、S11の処理が終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を行う(S12)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、当り判定、特別図柄の決定、特別図柄の変動パターンの決定等の処理を行う。
また、メインCPU71は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(S13)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S12の処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)には、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。なお、特別図柄記憶チェック処理の詳細については、後述の図17を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(S14)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。
すなわち、この処理により、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄変動時間管理処理の詳細については、後述の図19を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S13の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判断する。
そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(S15)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(S20)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、特別図柄表示時間管理処理の詳細については、後述の図20及び図21を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、S14において当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であると判定された場合、大当り開始インターバル管理処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、S14の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるため、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
また、この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(S16)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。なお、大当り開始インターバル管理処理の詳細については、後述の図22を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を行う(S16)。この処理では、まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
S16において、一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、所定の大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)を閉鎖させるため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
そして、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S17)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判断する。
S17において、メインCPU71が上記条件を満たさないと判別した場合には、メインCPU71は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。
また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。
一方、S17において、メインCPU71が上記条件を満たしたと判別した場合には、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S17でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次いで、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、メインCPU71は大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S18)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。
また、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU71は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S18の処理後に上述した大入賞口開放中処理(S16)が再度実行されるように設定される。
また、S17において、メインCPU71が、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(S19)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S19の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、大当り終了インターバル処理の詳細については、後述の図23を参照しながら後で説明する。
そして、メインCPU71は、大当り図柄が確変図柄である場合には、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、大当り図柄が非確変図柄である場合には、遊技状態を通常遊技状態に移行させる制御を行う。なお、大当り図柄が「小当り」に対応する図柄である場合には、メインCPU71は、遊技状態を維持するような制御を行う。
次いで、メインCPU71は、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。
この処理では、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。
さらに、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S20の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)が実行されるように設定される。
そして、S20の処理後、メインCPU71は、特別図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図15参照)のS4に移す。
上述したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的には、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「ハズレ」である場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。
これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU71は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく且つ当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合には、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。
これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(S12)、特別図柄変動時間管理処理(S13)、特別図柄表示時間管理処理(S14)及び大当り開始インターバル管理処理(S15)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合には、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S18)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技中に、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、メインCPU71は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。
これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(S16)、大入賞口内残留球監視処理(S17)、大当り終了インターバル処理(S19)及び特別図柄ゲーム終了処理(S20)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図15に示す主制御メイン処理中のS4の普通図柄制御処理(後述の図24参照)もまた、後述すように、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施の形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施の形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
次に、図17を参照して、特別図柄制御処理(図16参照)中のS12で行う特別図柄記憶チェック処理について説明する。なお、図17は、本実施の形態における特別図柄記憶チェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(S31)。S31において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(S31がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S31において、メインCPU71が、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(S31がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S32)。
S32において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S32がNO判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する(S33)。
本実施の形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。
第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。
なお、各第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第2始動口45の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S33の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S34)。この処理では、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S34の処理後、メインCPU71は、後述のS39の処理を行う。
一方、S32において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S32がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する(S35)。
S35において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(S35がYES判定の場合)、メインCPU71は、デモ表示処理を行う(S36)。そして、S36の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
なお、S36のデモ表示処理では、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする。すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞及び第2始動口入賞の保留個数が「0」になった状態(特別図柄ゲームの始動記憶が「0」になった状態)が所定時間(例えば、30秒)維持されると、デモ表示許可値として所定値をセットする。
また、S36のデモ表示処理においてデモ表示許可値が所定値であった場合には、メインCPU71は、デモ表示コマンドデータをメインRAM73にセットする。デモ表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、デモ表示コマンドデータを受信すると、液晶表示装置13の表示領域13aにデモ画面を表示させる。
一方、S35において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(S35がNO判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する(S37)。
本実施の形態では、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。
第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶として記憶される。
なお、各第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている始動記憶に含まれるデータは、例えば、第1始動口44の入賞時に取得した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値等のデータである。
S37の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(S38)。この処理では、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)に転送(記憶)する。そして、S38の処理後、メインCPU71は、後述のS39の処理を行う。
次いで、S34又はS38の処理後、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする(S39)。
次いで、メインCPU71は、大当り判断処理を行う(S40)。この処理では、メインCPU71は、始動口入賞時に抽出され、且つ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する大当り乱数判定テーブル(図8又は図9)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU71は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次いで、メインCPU71は、特別図柄決定処理を行う(S41)。この処理では、メインCPU71は、当り判定の結果が「大当り」である場合に、特別図柄として大当り図柄を決定する。
この際、メインCPU71は、始動入賞時に抽出された大当り図柄乱数値を読み出し、その大当り図柄乱数値と、当り判定の結果とに基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM73の所定領域に記憶する。
具体的には、当り判定の結果が「大当り」である場合には、メインCPU71は、特別図柄として大当り図柄を決定し、当り判定の結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合には、特別図柄として、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれに対して設定された所定の図柄を決定する。また、この際、メインCPU71は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変遊技状態に移行させる制御を行う。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。
この結果、特別図柄表示装置61により、特別図柄が導出表示される。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に導出図柄指定コマンドとして供給される。
これにより、副制御回路200では、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置13に導出表示される。なお、特別図柄決定処理の詳細については、後述の図18を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、遊技状態の種別(確変、時短及び通常)、当り判定の結果(当選種別:「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」)、特別図柄の可変表示の保留個数(始動記憶数)及び特別図柄(大当り図柄など)等に基づいて、変動パターン決定処理を行う(S42)。
この処理では、メインCPU71は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU71は、上述したように決定された特別図柄(大当り図柄等)に基づいて、変動パターンを決定するための大当り種類決定テーブル(図12参照)を参照する。
そして、メインCPU71は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と大当り種類決定テーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定し、メインRAM73の所定領域に記憶する。メインCPU71は、この特別図柄の変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(変動表示時間等)を決定する。
この記憶された特別図柄の変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。この結果、特別図柄表示装置61により、特別図柄が決定された変動パターンで変動表示される。
また、この記憶された特別図柄の変動パターンを示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に変動コマンド(変動パターン指定コマンド)として供給される。そして、サブCPU201は、受信した変動コマンドに対応する演出パターンで演出表示を実行する。
S42の処理後、メインCPU71は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする(S43)。次いで、メインCPU71は、今回の変動表示に用いられた記憶領域の情報(データ)をクリアする(S44)。そして、S44の処理後、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
[特別図柄決定処理]
次に、図18を参照して、特別図柄記憶チェック処理(図17参照)中のS41で行う特別図柄決定処理について説明する。なお、図18は、本実施の形態における特別図柄決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理中のS40の処理で行われた当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する(S51)。
S51において、メインCPU71が、当り判定の結果が「大当り」であると判別した場合(S51がYES判定の場合)、メインCPU71は、大当り図柄決定乱数値に基づいて、大当り図柄を決定する(S52)。
次いで、メインCPU71は、決定された大当り図柄のデータをセットする(S53)。そして、S53の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図17参照)中のS42に移す。
なお、S52の処理において、メインCPU71は、大当り図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、大当り図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。
さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に大当り図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄の大当り態様を液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
一方、S51において、メインCPU71が、当り判定の結果が「大当り」でないと判別した場合(S51がNO判定の場合)、メインCPU71は、当り判定の結果が「小当り」であるか否かを判別する(S54)。
S54において、メインCPU71が、当り判定の結果が「小当り」であると判別した場合(S54がYES判定の場合)、メインCPU71は、「小当り」に対応する所定の特別図柄(小当り図柄)のデータをメインRAM73の所定領域にセットする(S55)。そして、S55の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図17参照)中のS42に移す。
なお、S55の処理において、メインCPU71は、小当り図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、小当り図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。
さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に小当り図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄の小当り態様を液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
一方、S54において、メインCPU71が、当り判定の結果が「小当り」でないと判別した場合(S54がNO判定の場合)、メインCPU71は、「ハズレ」に対応する所定の特別図柄(ハズレ図柄)のデータをセットする(S56)。そして、S56の処理後、メインCPU71は、特別図柄決定処理を終了し、処理を特別図柄記憶チェック処理(図17参照)中のS42に移す。
なお、S56の処理において、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータを、特別図柄表示装置61に供給する。これにより、特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で特別図柄を停止表示させる。
さらに、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域にハズレ図柄のコマンドをセットし、該コマンドを導出図柄指定コマンドとして、副制御回路200のサブCPU201に送信する。これにより、副制御回路200は、識別図柄のハズレ態様を液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる。
[特別図柄変動時間管理処理]
次に、図19を参照して、特別図柄制御処理(図16参照)中のS13で行う特別図柄変動時間管理処理について説明する。なお、図19は、本実施の形態における特別図柄変動時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であるか否かを判別する(S61)。S61において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)でないと判別した場合(S61がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S61において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であると判別した場合(S61がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S62)。なお、この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動時間が消化されたか否かを判別する。
S62において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S62がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S62において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S62がYES判定の場合)、メインCPU71は、状態制御フラグに、特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)をセットする(S63)。
次いで、メインCPU71は、図柄停止コマンドをメインRAM73にセットする(S64)。なお、メインRAM73にセットされた図柄停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。副制御回路200は、図柄停止コマンドを受信すると、特別図柄が停止されることを認識する。
次いで、メインCPU71は、変動確定後の待ち時間(例えば、10ミリ秒)を待ち時間タイマにセットする(S65)。なお、変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)は、特別図柄の変動表示を終了してから次の特別図柄の変動表示を開始するまでの待ち時間である。そして、S65の処理後、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
[特別図柄表示時間管理処理]
次に、図20及び図21を参照して、特別図柄制御処理(図16参照)中のS14で行う特別図柄表示時間管理処理について説明する。なお、図20及び図21は、本実施の形態における特別図柄表示時間管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S71)。S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(S71がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S71において、メインCPU71が、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(S71がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する(S72)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。
S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S72がNO判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S72において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S72がYES判定の場合)、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(S73)。
S73において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(S73がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS85の処理を行う。
一方、S73において、メインCPU71が、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(S73がNO判定の場合)、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S74)。
次いで、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S75)。
S75において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S75がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS77の処理を行う。一方、S75において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S75がNO判定の場合)、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S76)。
S76の処理後、又は、S75がYES判定の場合、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S77)。
S77において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S77がYES判定の場合)、メインCPU71は、後述のS79の処理を行う。
一方、S77において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S77がNO判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値を「1」減算する(S78)。
S78の処理後、又は、S77がYES判定の場合、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S79)。
S79において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S79がNO判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S80)。
S80において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S80がNO判定の場合)、メインCPU71は特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S80において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S80がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S81)。
具体的には、メインCPU71は、確変フラグをクリアする。次いで、メインCPU71は、「低確率時短あり」の遊技状態(「通常遊技状態」で且つ「時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S82)。そして、S82の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
S79において、メインCPU71が、時短状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S79がYES判定の場合)、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S83)。
S83において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」でないと判別した場合(S83がNO判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S84)。
具体的には、メインCPU71は、時短フラグをクリアする。次いで、メインCPU71は、「高確率時短なし」の遊技状態(「確変遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S85)。そして、S85の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S83において、メインCPU71が、確変状態変動回数カウンタの値が「0」であると判別した場合(S83がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S86)。具体的には、メインCPU71は、時短フラグ及び確変フラグをクリアする。
次いで、メインCPU71は、「低確率時短なし」の遊技状態(「通常遊技状態」で且つ「非時短遊技状態」である状態)に対応する遊技状態コマンドをセットする(S87)。そして、S87の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
ここで、再度、S73の処理に戻って、S73がYES判定である場合に行われる処理について説明する。S73がYES判定である場合、メインCPU71は、大当りフラグをオン状態にセットする(S88)。なお、大当りフラグは、大当り遊技を行うか否かを示すフラグである。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値、遊技状態フラグの値及び時短状態変動回数カウンタの値をクリアする(S89)。次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする(S90)。
次いで、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ミリ秒)を待ち時間タイマにセットする(S91)。次いで、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM73にセットする(S92)。
次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図12参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM73にセットする(S93)。
次いで、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをオン状態にセットする(S94)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。そして、S94の処理後、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
[大当り開始インターバル管理処理]
次に、図22を参照して、特別図柄制御処理(図16参照)中のS15で行う大当り開始インターバル管理処理について説明する。なお、図22は、本実施の形態における大当り開始インターバル管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であるか否かを判別する(S101)。
S101において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)でないと判別した場合(S101がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S101において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であると判別した場合(S101がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S102)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り開始インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S102において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S102がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S102において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S102がYES判定の場合)、メインCPU71は、大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM73にセットする(S103)。
なお、この処理でメインRAM73にセットされた大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)をセットする(S104)。次いで、メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタをクリアする(S105)。次いで、メインCPU71は、大入賞口開放時間を待ち時間タイマにセットする(S106)。
次いで、メインCPU71は、大入賞口開放中データをセットする(S107)。大入賞口開放中データは、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放中であることを示すデータである。
この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。
このように変数を更新することにより、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に係るソレノイドアクチュエータを駆動して第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放状態にする。そして、S107の処理後、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
[大当り終了インターバル処理]
次に、図23を参照して、特別図柄制御処理(図16参照)中のS19で行う大当り終了インターバル処理について説明する。なお、図23は、本実施の形態における大当り終了インターバル処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(S111)。
S111において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(S111がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S111において、メインCPU71が、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(S111がYES判定の場合)、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する(S112)。この処理では、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。
S112において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S112がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。一方、S112において、メインCPU71が、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S112がYES判定の場合)、メインCPU71は、ラウンド数表示LEDパターンフラグをクリアする(S113)。
次いで、メインCPU71は、制御状態フラグに、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする(S114)。次いで、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする(S115)。
次いで、メインCPU71は、確変フラグの値が「1」であるか(確変フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S116)。上述のように、本実施の形態では、大当り遊技終了後、遊技状態が「確変遊技状態」になるので、確変フラグの値も「1」である。
それゆえ、本実施の形態では、通常、S116はYES判定となる。なお、図12に示す大当り種類決定テーブルにおいて、図柄指定コマンド(大当り図柄)に対して確変フラグの値が規定されている場合には、S116において、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別に応じて、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
S116において、メインCPU71が、確変フラグの値が「1」でないと判別した場合(S116がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS119の処理を行う。
一方、S116において、メインCPU71が、確変フラグの値が「1」であると判別した場合(S116がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをセットする(S117)。具体的には、メインCPU71は、確変フラグをセットする。次いで、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値に「200」をセットする(S118)。
そして、S118の処理後、又は、S116がNO判定の場合、メインCPU71は、時短フラグの値が「1」であるか(時短フラグがオン状態であるか)否かを判別する(S119)。
この処理では、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別、及び、大当り当選時の遊技状態に応じて、時短フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
S119において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」であると判別した場合(S119がYES判定の場合)、メインCPU71は、遊技状態フラグをセットする(S120)。
具体的には、メインCPU71は、時短フラグをセットする。次いで、メインCPU71は、大当り種類決定テーブルを参照し、特別図柄決定処理により決定された大当り図柄(図柄指定コマンド)の種別、及び、大当り当選時の遊技状態に応じて、対応する時短回数の値を時短状態変動回数カウンタにセットする(S121)。そして、S121の処理後、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
一方、S119において、メインCPU71が、時短フラグの値が「1」でないと判別した場合(S119がNO判定の場合)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了し、処理を特別図柄制御処理(図16参照)に戻す。
[普通図柄制御処理]
次に、図24を参照して、主制御メイン処理(図15参照)中のS4で行う普通図柄制御処理について説明する。図24は、本実施の形態における普通図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図24に示すフローチャート中の各処理ステップの符号の下に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理ステップを実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグをロードする(S131)。この処理では、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。
メインCPU71は、S131でロードされた普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のS132〜S136の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通制御制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S132〜S136のいずれかの処理を実行可能にするものである。
また、メインCPU71は、S132〜S136の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで、各ステップの処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各ステップの処理を実行せずに、他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で後述のシステムタイマ割込処理(後述の図25参照)も実行する。
そして、S131の処理が終了すると、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を行う(S132)。
この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。
また、メインCPU71は、この処理において、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄変動時間監視処理(S133)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S132の処理で決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を行う(S133)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄表示時間監視処理(S134)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。
すなわち、この処理により、S133の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を行う(S134)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、S133の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判断する。
そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU71は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通電動役物開放処理(S135)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。
一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S136)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、S134において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(S135)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物46の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、及び、普通電動役物46の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判断する。
S135において、上記一方の条件が満たされた場合には、メインCPU71は、普通電動役物46である羽根部材を閉鎖状態にするため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S136)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次いで、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(S136)。この処理では、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。
また、メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、この処理により、S136の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(S132)が実行されるように設定される。
そして、S136の処理後、メインCPU71は、普通図柄制御処理を終了し、処理を主制御メイン処理(図15)のS5に移す。
[システムタイマ割込処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、メインCPU71は、メイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込処理を実行する。具体的には、メインCPU71は、リセット用クロックパルス発生回路74から所定周期(例えば2ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。
ここで、図25を参照して、メインCPU71により実行されるシステムタイマ割込処理について説明する。なお、図25は、本実施の形態におけるシステムタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、各レジスタのデータ(情報)を退避させる(S141)。
次いで、メインCPU71は、乱数更新処理を行う(S142)。この処理では、メインCPU71は、大当り判定用カウンタ、図柄決定用カウンタ、当り判定用カウンタ、転落判定用カウンタ、変動パターン決定用カウンタ、演出パターン決定用カウンタなどから抽出される各種乱数値を更新する。
なお、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠ける。そのため、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタは、公正さを担保するために2ミリ秒毎の決まったタイミングで更新を行う。
次いで、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を行う(S143)。この処理では、メインCPU71は、各種始動口、各種入賞口及び球通過検出器43への入賞又は通過を検出する。なお、スイッチ入力検出処理の詳細については、後述の図26を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、タイマ更新処理を行う(S144)。具体的には、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等の各種タイマの更新処理を行う。
次いで、メインCPU71は、コマンド出力処理を行う(S145)。この処理では、メインCPU71は、副制御回路200のサブCPU201に、例えば、入賞コマンド、変動コマンド等の各種コマンドを出力する。
次いで、メインCPU71は、遊技情報出力処理を行う(S146)。この処理では、メインCPU71は、遊技店のホールコンピュータ等に、主制御回路70、副制御回路200、払出・発射制御回路123等で処理される遊技に係る各種情報が出力される。
次いで、メインCPU71は、S141で退避させた各レジスタのデータを復帰させる(S147)。そして、S147の処理後、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
次に、図26を参照して、システムタイマ割込処理(図25参照)中のS143で行うスイッチ入力検出処理について説明する。なお、図26は、本実施の形態におけるスイッチ入力検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、始動口通過検出処理を行う(S151)。この処理では、メインCPU71は、第1始動口44又は第2始動口45に遊技球が入球したか否かを判別する。
すなわち、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44a又は第2始動口入賞球センサ45aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。なお、始動口通過検出処理の詳細については、後述の図27を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU71は、一般入賞口通過検出処理を行う(S152)。この処理では、メインCPU71は、一般入賞口51又は52に遊技球が入球したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、一般入賞球センサ51a又は52aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、一般入賞口51又は52への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、大入賞口通過検出処理を行う(S153)。この処理では、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54に遊技球が入球したか否かを判別する。
すなわち、メインCPU71は、第1大入賞口ソレノイド53b又は第2大入賞口ソレノイド54bにより遊技球の入賞が検出されたか否かを検出する。そして、第1大入賞口53又は第2大入賞口54への遊技球の入賞が検出された場合には、メインCPU71は、該入賞に対応する所定の各種処理を行う。
次いで、メインCPU71は、ゲート通過検出処理を行う(S154)。この処理では、メインCPU71は、遊技球が球通過検出器43を通過したか否かを判別する。すなわち、メインCPU71は、通過球センサ43aにより遊技球の通過が検出されたか否かを検出する。
そして、遊技球が球通過検出器43を通過したことが検出された場合には、メインCPU71は、該通過に対応する所定の各種処理を行う。そして、S154の処理後、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を終了し、処理をシステムタイマ割込処理(図25参照)のS144に移す。
[始動口通過検出処理]
次に、図27を参照して、スイッチ入力検出処理(図26参照)中のS151で行う始動口通過検出処理について説明する。なお、図27は、本実施の形態における始動口通過検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aの出力信号に基づいて、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S161)。
S161において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S161がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS167の処理を行う。
一方、S161において、メインCPU71が、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S161がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S162)。本実施の形態では、遊技球が第1始動口44に入賞すると3個の遊技球が払出される。それゆえ、S162の処理では、3個の遊技球の払出情報がセットされる。
S162の処理後、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S163)。
S163において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S163がNO判定の場合)、メインCPU71は、後述のS167の処理を行う。一方、S163において、メインCPU71が、第1始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S163がYES判定の場合)、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S164)。
S164の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S165)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドデータをメインRAM73にセットする(S166)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた第1始動口入賞の保留個数増加コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。
S166の処理後、又は、S161或いはS163がNO判定の場合、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aの出力信号に基づいて、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたか否かを判別する(S167)。
S167において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されていないと判別した場合(S167がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図26参照)のS152に移す。
一方、S167において、メインCPU71が、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたと判別した場合(S167がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞に対応する払出情報をメインRAM73にセットする(S168)。本実施の形態では遊技球が第2始動口45に入賞すると、3個の遊技球が払出される。それゆえ、S168の処理では、3個の遊技球の払出情報がセットされる。
S168の処理後、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(保留球の個数)が「4」未満であるか否かを判別する(S169)。
S169において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満でないと判別した場合(S169がNO判定の場合)、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図26)のS152に移す。
一方、S169において、メインCPU71が、第2始動口入賞の保留個数が「4」未満であると判別した場合(S169がYES判定の場合)、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数を「1」加算する処理を行う(S170)。
S170の処理後、メインCPU71は、抽選に用いる各種乱数値を取得し、取得した各種乱数値をメインRAM73の所定領域に格納する(S171)。具体的には、メインCPU71は、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得する。
次いで、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドデータをメインRAM73にセットする(S172)。なお、この処理でメインRAM73にセットされた第2始動口入賞の保留個数増加コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に送信される。そして、S172の処理後、メインCPU71は、始動口通過検出処理を終了し、処理をスイッチ入力検出処理(図26)のS152に移す。
上述のように、始動口通過検出処理では、特別図柄の変動表示期間中に始動口入賞が発生した場合、該入賞時に行われる抽選結果(各種乱数値)を保留球として記憶し、この処理は、主制御回路70により実行される。
すなわち、主制御回路70は、特別図柄の変動表示期間中に始動口入賞が発生した場合に該入賞時に行われる抽選結果を保留球として記憶する手段(保留球記憶手段)を兼ねる。
[副制御回路の動作説明]
次に、図28〜図30を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について説明する。副制御回路200は、主制御回路70から送信された各種コマンドを受信し、該各種コマンドに基づいて各種処理を行う。
[副制御メイン処理]
最初に、図28を参照して、サブCPU201の制御による副制御メイン処理について説明する。図28は、本実施の形態における副制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。なお、副制御メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
まず、サブCPU201は、初期化処理を行う(S181)。この処理では、サブCPU201は、例えば、ワークRAM203のアクセス許可処理、ワークRAM203の作業領域の初期化処理等の各種初期設定処理を行う。
次いで、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S182)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に格納された乱数値を更新する。
次いで、サブCPU201は、コマンド解析処理を行う(S183)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドの内容を解析する。なお、コマンド解析処理の詳細については、後述の図29を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU201は、演出処理を行う(S184)。この処理では、サブCPU201は、上述した各演出モードにおける各種報知演出の実行に必要な各種データがセット(登録)される。
次いで、サブCPU201は、表示制御処理を行う(S185)。この処理では、まず、サブCPU201は、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像を表示するためのデータを表示制御回路205に送信する。
次いで、表示制御回路205内に設けられたVDP(Video Display Processor)は、サブCPU201から供給されたデータに基づいて、装飾図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなどの各種画像データを画像データROMから読み出す。そして、VDPは、読み出した各種の画像データを重ね合わせて、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像を表示させる。
次いで、サブCPU201は、音声制御処理を行う(S186)。この処理では、サブCPU201は、音声制御回路206を制御して、スピーカ11から発生させる音声の制御処理を行う。次いで、サブCPU201は、ランプ制御処理を行う(S187)。
この処理では、サブCPU201は、ランプ制御回路207を制御して、ランプ18の発光制御を行う。そして、S187の処理後、サブCPU201は、処理をS182の処理に戻し、S182以降の処理を繰り返す。
上述のように、本実施の形態では、上記S184〜S187の一連の演出制御処理により、上述した各種演出が副制御回路200により実行される。
[コマンド解析処理]
次に、図29を参照して、副制御メイン処理(図28参照)中のS183で行うコマンド解析処理について説明する。なお、図29は、本実施の形態におけるコマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、後述する副制御回路割込処理(後述の図14参照)において受信したコマンドがあるか否かを判別する(S191)。具体的には、サブCPU201は、ワークRAM203の受信バッファに受信したコマンドが記憶されているか否かを判別する。
S191において、サブCPU201が、受信したコマンドがないと判別した場合(S191がNO判定の場合)、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図28参照)のS184に移す。
一方、S191において、サブCPU201が、受信したコマンドがあると判別した場合(S191がYES判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドを読み出し、該受信コマンドの内容を解析する(S192)。
次いで、サブCPU201は、S192の受信コマンドの解析結果に基づいて、受信したコマンドが変動コマンド(特別図柄の変動パターンの内容を指定するコマンド)であるか否かを判別する(S193)。
S193において、サブCPU201が、受信したコマンドが変動コマンドであると判別した場合(S193がYES判定の場合)、サブCPU201は、変動演出パターン決定処理を行う(S194)。
この処理では、サブCPU201は、特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動演出パターンを決定する。具体的には、サブCPU201は、図14の変動演出テーブルを参照し、特別図柄の変動パターンに基づいて、抽選により、演出パターン及び擬似連演出フラグを選択する。そして、S194の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図28参照)のS184に移す。
一方、S193において、サブCPU201が、受信したコマンドが変動コマンドでないと判別した場合(S193がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドであるか否かを判別する(S195)。
S195において、サブCPU201が、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドであると判別した場合(S195がYES判定の場合)、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示させる装飾図柄を決定する(S196)。そして、S196の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図28参照)のS184に移す。
一方、S195において、サブCPU201が、受信したコマンドが導出図柄指定コマンドでないと判別した場合(S195がNO判定の場合)、サブCPU201は、受信コマンドに対応する演出制御データをセットする(S197)。そして、S197の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御メイン処理(図28参照)のS184に移す。
[副制御回路割込処理]
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、サブCPU201は、副制御メイン処理の実行中であっても、所定周期で、副制御メイン処理を中断し、割込処理を実行する。具体的には、サブCPU201は、副制御回路200内のリセット用クロックパルス発生回路(不図示)から所定周期(例えば2ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、割込処理を実行する。
ここで、図30を参照して、サブCPU201により実行される副制御回路割込処理について説明する。なお、図30は、本実施の形態における副制御回路割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、乱数更新処理を行う(S261)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に格納された乱数値を更新する。また、この際、サブCPU201は、演出パターン決定用カウンタの値を「1」増加させるように、乱数更新処理を行う。
次いで、サブCPU201は、コマンド受信処理を行う(S262)。この処理では、サブCPU201は、各種制御回路(主制御回路70、表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207等)から副制御回路200に送信された各種コマンドを受信する。
次いで、サブCPU201は、タイマ更新処理を行う(S263)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された、各種処理時間をカウントするための各種タイマを更新する。
次いで、サブCPU201は、コマンド出力処理を行う(S264)。この処理では、サブCPU201は、各種制御回路(表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207等)に各種コマンドを出力する。
そして、S264の処理後、サブCPU201は、副制御回路割込処理を終了する。これにより、処理プログラムのアドレスが割込処理発生前のアドレスに戻る。
[払出制御回路による各種報知処理]
次に、図31〜図38を参照して、払出制御回路300の払出CPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
[電源投入処理]
最初に、図31を参照して、払出CPU301による電源投入処理について説明する。
図31は、本実施の形態における電源投入処理の手順を示すフローチャートである。なお、電源投入処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。払出CPU301は、この電源投入処理が開始されると、最初に、スタックポインタ、割込みモード及び割込みベクタの設定を行う。
まず、払出CPU301は、入出カポートの設定処理を行う(S301)。次いで、払出CPU301は、電断検知状態であるか否かを判別する(S302)。この処理では、払出CPU301は、電断検知信号がHレベル(高レベル)であるか否かを判別する。
S302において、払出CPU301が、電断検知信号がHレベルであると判別した場合(S302がYES判定の場合)、払出CPU301は、電断検知状態であると判別して、S302の処理を行う。
一方、S302において、払出CPU301が、電断検知信号がHレベルでないと判別した場合(S302がNO判定の場合)、払出CPU301は、電断検知状態でないと判別して、RAM303の書き込み許可処理を行う(S303)。
この処理では、払出CPU301は、RAM303の書き込み許可処理の他、例えば、RAM303の作業領域の初期化処理等の各種初期設定処理を行う。
次いで、払出CPU301は、バックアップクリアスイッチ121が押下されているか否か、すなわちバックアップクリアスイッチ121(図7参照)がオンであるか否かを判別する(S304)。
S304において、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンであると判別した場合(S304がYES判定の場合)、払出CPU301は、後述のS310の処理を行う。
一方、S304において、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンでないと判別した場合(S304がNO判定の場合)、払出CPU301は、電断検知フラグがあるか否かを判別する(S305)。この処理では、払出CPU301は、電断検知フラグの確認を行う。
S305において、払出CPU301が、電断検知フラグがないと判別した場合(S305がNO判定の場合)、払出CPU301は、後述のS310の処理を行う。一方、S305において、払出CPU301が、電断検知フラグがあると判別した場合(S305がYES判定の場合)、払出CPU301は、作業損傷チェック値を算出する(S306)。この処理において、払出CPU301は、RAM303における作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する。
具体的には、払出CPU301は、パリティチェック又はCRC(Cyclic Redundancy Check)などの誤り検出処理を実行し、実行結果として得られたチェックサムを作業損傷チェック値とする。
次いで、払出CPU301は、作業損傷チェック値が正常であるか否かを判別する(S307)。S307において、払出CPU301が、作業損傷チェック値が正常でないと判別した場合(S305がNO判定の場合)、払出CPU301は、後述のS310の処理を行う。
一方、S307において、払出CPU301が、作業損傷チェック値が正常であると判別した場合(S307がYES判定の場合)、払出CPU301は、復電時の初期処理を行う(S308)。
すなわち、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンでなく、電断検知フラグがあり、且つ、作業損傷チェック値が正常であると判別した場合には、払出CPU301は、電源が切られる前の状態にパチンコ遊技機1を復帰させることができると判断し、RAM303に記憶されているデータに基づいて、復電時の初期設定処理を行う。
次いで、払出CPU301は、担保球監視初期設定処理を行う(S309)。この処理では、払出CPU301は、第1及び第2の球供給通路171A,171Bにそれぞれ15個の遊技球が担保されているか判別するための初期設定を行う。
具体的には、払出CPU301は、第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bに初期値をそれぞれ設定する。本実施の形態では、1個の遊技球の落下時間130msとして、15個の遊技球の落下時間1950ms(=130ms×15個)に相当する1950回を第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bの初期値とする。
また、払出CPU301は、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bに初期値をそれぞれ設定する。本実施の形態では、15個の遊技球の落下時間1950ms(1950回)を基に、15個の遊技球の担保が完了すると仮定される時間として2000msを第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bの初期値とする。
S309の処理後、払出CPU301は、プログラムカウンタの値を電断前のアドレスに復帰させる。詳細には、払出CPU301は、電源投入処理を終了し、電源投入処理を実行させたときに実行していたプログラムの処理を継続して行う。
S304がYES判定の場合、S305がNO判定の場合、又は、S307がNO判定の場合、払出CPU301は、電源が切られる前の状態にパチンコ遊技機1を復帰させることができないと判断し、電源が投入されたときの処理を実行する。
詳細には、払出CPU301は、RAM303の全作業領域をクリアし(S310)、電源投入時の初期処理を行う(S311)。この処理では、払出CPU301は、過払出、払出モータ異常の停止要因をリセットする。このとき、後述する過払出規定個数(10個)リトライ回数も初期化される。
また、球切れによる停止要因が発生した状態では、球供給通路171内の担保球の蓄積状態に左右されないよう、後述する払出状態報知表示装置178による表示を、2秒間消灯する。
具体的には、払出状態報知表示装置178は、上述の停止要因により払出モータ174の駆動を停止するときに所定の初期化操作がなされた場合には、球切れの判定が終了するまでの2秒の間、当該判定の結果を表示しないようにする。
これにより、例えば所定の初期化操作後に球切れの判定が行われ、正常であると判定された場合には払出状態報知表示装置178による報知を行わないようにすることができる。これにより、不要な報知を排除することができる。なお、ここでいう所定の初期化操作とは、例えばバックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われることである。
また、上記実施の形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、又はオーバーペイ個数、又はエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
次いで、払出CPU301は、前述した担保球監視初期設定処理を行い(S312)、メイン処理を実行する(S313)。
上述した電源投入時に対して、電断時は、使用レジスタ、割込み状態及びスタックポインタを退避するとともに、強制的に払出モータ174の励磁データを0とし、かつ低電流に切り替える。
なお、払出動作中に電断した場合は、原点(ステップ数が4の倍数)でない場合も想定できるため、強制的に励磁データを0にすることで、電断時に遊技球が自由落下することを防止する。あるいは、電断時に遊技球を強制的に落下させておく。
なお、電断時に、遊技球を強制的に落下させる場合には、遊技球の落下に必要な時間だけ電断処理を待機又は中断、実行期間の延長を行うようにしてもよい。
また、遊技球を強制的に落下させる場合に替えて、遊技球が自由落下するように制御してもよい。この場合には、自由落下した遊技球を検知するまでに必要な時間を十分取るために、電断処理を待機又は中断、実行期間の延長を行うようにしてもよい。
[メイン処理]
次に、図32を参照して、電源投入処理(図31参照)中のS313で行うメイン処理について説明する。なお、図32は、本実施の形態におけるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、払出CPU301が有するシステムタイマが4以下であるか否かを判別する(S321)。S321において、払出CPU301が、システムタイマが4以下でないと判別した場合、(S321がNO判定の場合)、払出CPU301は、処理をS321に戻す。
一方、S321において、払出CPU301が、システムタイマが4以下であると判別した場合、(S321がYES判定の場合)、払出CPU301は、システムタイマから「4」を減算する(S322)。この処理では、払出CPU301は、システムタイマを初期化する。
すなわち、システムタイマが1msごとにカウントするタイマであれば、払出CPU301は、S321及びS322を実行することにより、後述するS323以降の処理を4msごとに実行することとなる。
次いで、払出CPU301は、メイン処理内で使用する全てのタイマの値を更新する(S323)。次いで、払出CPU301は、球貸し制御処理を実行する(S324)。この処理では、払出CPU301は、貸し出し用操作部151が操作されたときに、遊技球の管理及びカードユニット150に送信するコマンドの作成、並びに、カードユニット150から送信される球貸しのコマンドを受信したときに、貸し出す遊技球の数の管理などを行う。
次いで、払出CPU301は、賞球制御処理を実行する(S325)。この処理では、払出CPU301は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54に、遊技球が入賞したときに払出す遊技球の管理を行う。
次いで、払出CPU301は、払出制御回路300にエラーが生じたことを条件として、払出制御回路300にエラーが生じた旨を表示させるように、払出状態報知表示装置178を制御する(S326)。
[システムタイマ割込み処理(1ms)]
次に、図33を参照して、払出CPU301によるシステムタイマ割込み処理について説明する。図33は、本実施の形態におけるシステムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
本実施の形態のパチンコ遊技機1では、払出CPU301は、上述の図32に示すメイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込み処理を実行する。
具体的には、払出CPU301は、払出制御回路300内のリセット用クロックパルス発生回路(不図示)から所定周期(例えば1ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込み処理を実行する。
まず、払出CPU301は、主制御回路70や各種センサの検知コマンド(信号)を受信し、同時に受信したコマンドの解析を行うコマンド受信処理を実行する(S331)。
次いで、払出CPU301は、システムタイマ割込み処理内で使用する全てのタイマ(例えば、第1及び第2の担保球タイマ306A,306B等)の値を更新する(S332)。次いで、払出CPU301は、後述する担保球あり検知処理(図34参照)を実行する(S333)。
次いで、払出CPU301は、後述する担保球なし検知処理(図35参照)を実行する(S334)。その後、払出CPU301は、後述する計数スイッチ検知処理(図36参照)を実行する(S335)。次いで、払出CPU301は、後述するモータ起動待ち処理(図37参照)を実行する(S336)。
そして、最後に、払出CPU301は、払出制御回路300の払出エラー情報を示すコマンドを主制御回路70に送信するコマンド送信処理を実行する(S337)。例えば、払出CPU301は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力された際には、下皿満タン状態であることを示す払出エラー情報コマンドを主制御回路70に送信する。
ただし、電源投入直後の規定時間(例えば6秒間)は、主制御回路70側で副制御回路200の起動待ち時間を保持しているため、主制御回路70側で受信可能となるまで払出エラー情報コマンドを送信しないようにする。
ここで、電源投入時は、払出エラー情報に関する履歴情報はクリアされている。また、電断前に下皿満タン状態であって電断中に下皿22に貯留された遊技球を排出する等して下皿満タン状態を解除したとしても、電断復帰後に下皿満タン状態を解除した旨の情報の送信は行われない。ただし、電源再投入を契機に解除する払出モータ異常や過払出異常に関しては、電断復帰時に初期化される。
[担保球あり検知処理]
次に、図34を参照して、システムタイマ割込み処理(図33参照)中のS333で行う担保球あり検知処理について説明する。図34は、本実施の形態における担保球あり検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S341)。S341において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合、(S341がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないと判断して処理をS347に移す。
一方、S341において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合、(S341がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であると判断して、第1の15球担保スイッチ172AがON状態であるか否かを判別する(S342)。
S342において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがON状態でないと判別した場合、(S342がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、処理をS347に移す。
一方、S342において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがON状態であると判別した場合、(S342がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第1の担保球カウンタ305Aの値を「1」減算する(S343)。
次いで、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S344)。S344において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合、(S344がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であると判断して処理をS347に移す。
一方、S344において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合、(S344がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないと判断して、第1の落下球確認フラグに1をセットする(S345)。
ここで、第1の落下球確認フラグは、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないとき、つまり担保球があるときに「1」にセットされ、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であるとき、つまり担保球がないときに「0」にセットされるフラグである。
次いで、払出CPU301は、第1の停止要因フラグに0をセットする(S346)。
ここで、第1の停止要因フラグは、賞球ケースユニット170による遊技球の払出を停止する要因(停止要因)があるか否かに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、特に第1の球供給通路171Aに蓄積(担保)された遊技球の払出に関して、停止要因があるときに「1」にセットされ、停止要因がないときに「0」にセットされるフラグである。
S346の処理においては、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が完了し、所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されているとS344において判断されていることから、停止要因である球切れを解除する意味で第1の停止要因フラグに0がセットされる。なお、停止要因としては、後述するが、球切れ以外に種々の停止要因がある。ここでは、その一例として球切れを挙げている。
次いで、S341がYES判定の場合、S342がNO判定の場合、又は、S344がNO判定の場合、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S347)。
S347において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合、(S347がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないと判断して、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S347において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合、(S347がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であると判断して、第2の15球担保スイッチ172BがON状態であるか否かを判別する(S348)。
S348において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがON状態でないと判別した場合、(S348がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S348において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがON状態であると判別した場合、(S348がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第2の担保球カウンタ305Bの値を「1」減算する(S349)。
次いで、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S350)。S350において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合、(S350がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であると判断して、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S350において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合、(S350がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないと判断して、第2の落下球確認フラグに1をセットする(S351)。
ここで、第2の落下球確認フラグは、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないとき、つまり担保球があるときに「1」にセットされ、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であるとき、つまり担保球がないときに「0」にセットされるフラグである。
次いで、払出CPU301は、第2の停止要因フラグに0をセットして(S352)、担保球あり検知処理を終了する。ここで、第2の停止要因フラグは、賞球ケースユニット170による遊技球の払出を停止する要因(停止要因)があるか否かに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、特に第2の球供給通路171Bに蓄積(担保)された遊技球の払出に関して、停止要因があるときに「1」にセットされ、停止要因がないときに「0」にセットされるフラグである。
S352の処理においては、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が完了し、所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されているとS350において判断されていることから、停止要因である球切れを解除する意味で第2の停止要因フラグに0がセットされる。
このようにして、担保球あり検知処理では、担保球カウンタと15球担保スイッチによって、担保球の有無と、遊技球の補給の判断と、(払出モータ、又はスプロケット、又は払出の)停止要因を解除するか否かの判定を行うことが可能となるので、払出における担保球の管理をより正確に行うことが可能となる。
[担保球なし検知処理]
次に、図35を参照して、システムタイマ割込み処理(図33参照)中のS334で行う担保球なし検知処理について説明する。図35は、本実施の形態における担保球なし検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるか否かを判別する(S361)。S361において、払出CPU301が、第1の担保球タイマ306Aの値が0でないと判別した場合、(S361がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに遊技球を補給中であると判断して、処理をS371に移す。
一方、S361において、払出CPU301が、第1の担保球タイマ306Aの値が0であると判別した場合、(S361がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が完了したと判断して、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S362)。
S362において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合、(S362がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態であるか否かを判別する(S363)。
ここで、払出CPU301は、S361及びS362において、図33に示したシステムタイマ割込み処理が1msごとに行われるたびに「1」減算、すなわち更新された第1の担保球タイマ306Aの値と、担保球あり検知処理(図34参照)のS343で「1」減算、すなわち更新された第1の担保球カウンタ305Aの値とを比較し、その比較結果に基づき、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するか否かを判定している。
例えば、S361がYES判定であって、かつS362がYES判定である場合には、第1の担保球タイマ306Aの値、及び第1の担保球カウンタ305Aの値のいずれもが所定値としての0であるため、球タンク161から15個の遊技球を払出すのに十分な時間として設定された第1の担保球タイマ306Aの初期値である2000msが経過したときに、第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が経過していることとなる。
第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)は、第1の15球担保スイッチ172Aが遊技球を検知していないと減算されない値であるから、2000msが経過したとき(0となったとき)に第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が0となっていることにより、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていることが保障される。
一方、S361がYES判定であって、かつS362がNO判定である場合には、第1の担保球タイマ306Aの値が0となったときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0となっていないこととなる。
すなわち、第1の担保球タイマ306Aの初期値である2000msが経過したときに、第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が経過していないこととなる。これにより、2000msが経過するまでの間に、第1の15球担保スイッチ172Aが遊技球を検知していない時間があった、つまり遊技球の補給が途切れた時間があったと推定できる。したがって、S361がYES判定であって、かつS362がNO判定である場合には、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていないものと判断される。
こうした第1の担保球タイマ306Aの値と第1の担保球カウンタ305Aの値とを比較する処理を行う払出CPU301は、判定手段を構成する。
次いで、S363において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態でないと判別した場合、(S363がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていると判断して、処理をS371に移す。
一方、S363において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態であると判別した場合、(S363がYES判定の場合)、払出CPU301は、上述のS361及びS362において、一旦は第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていることが保障されたにも関わらず、何らかの要因により第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていない、つまり担保球なしと判断して、第1の落下球確認フラグに0をセットする(S364)。
ここで、S363でYES判定される要因としては、例えば第1のスプロケット173Aや払出モータ174の不具合等によって過剰に遊技球が払出された場合等が挙げられる。また、このとき、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出は、禁止される。
ここで、過剰に遊技球が払出された場合とは、例えば、第1のスプロケット173Aが過剰に回転した結果、第1の球供給通路171Aに補給されている遊技球が15個から14個に減少し、払出された遊技球に連なって第1の球供給通路171Aに補給されていた遊技球が第1のスプロケット173A方向に移動することで、第1の15球担保スイッチ172Aが検知していた遊技球も第1のスプロケット173A方向に移動するため、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態となるような場合である。
すなわち、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0であっても、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出が行われる前に第1の15球担保スイッチ172Aにより遊技球が検知されていない場合には、払出モータ174の駆動を通じた第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止する。
このように、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに補給された遊技球が存在するか否かを把握することが可能となるため、より正確に払出管理を行うことが可能となる。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視時間として2秒(2000ms)を第1の担保球タイマ306Aにセットする(S365)。なお、ここでセットされた2000msが経過した場合には、停止要因があるものと判断して払出状態報知表示装置178による報知が行われる。
その後、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視回数として1950回(1950ms)を第1の担保球カウンタ305Aにセットして(S366)、処理をS371に移す。
一方、S362において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合、(S362がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、第1の停止要因フラグに1をセットする(S367)。
この処理では、上述した通り、S361及びS362により第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていないものと判断されたため、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するべく、第1の停止要因フラグに1がセットされる。
換言すれば、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないときには、払出モータ174の駆動を通じた第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグに1をセットして(S368)、処理をS371に移す。この処理では、払出CPU301は、第1のスプロケット173Aの原点調整制御を要求する処理を行う。
ここで、第1のスプロケット173Aの原点とは、第1のスプロケット173Aを回転させたときに、遊技球を第1の払出通路180Aに払出すことのできる回転位置(駆動位置)である。本実施の形態では、この原点を基準に払出モータ174のステップ数が制御される。
なお、第1のスプロケット173Aが何らかの停止要因(後述する「払出に関するエラー」等)に基づき停止すると、第1のスプロケット173Aに位置検出センサ(例えば、第1のスプロケット173Aの回転位置を把握させるインデックス)が設けられていないことにより現在の回転位置(駆動位置)が不明となるため、すなわち払出モータ174が原点を基準に何ステップ駆動した位置なのかが不明となるため、第1のスプロケット173Aの原点も不明となってしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、第1のスプロケット173Aが停止要因に基づき停止した際、すなわち原点調整フラグが1にセットされた際には、第1のスプロケット173Aの原点を把握するための原点調整制御が行われる。すなわち、払出CPU301は、上述のように遊技球の払出を禁止すると判定されたとき、原点調整制御を行う。後述するリトライ制御についても同様である。
このように、原点調整制御を行うことで、スプロケット173の原点位置を調節することが可能となるので、例えば、位置検出センサを備えていないスプロケット173を用いた払出装置であっても正確に払出を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態においては、スプロケット173に位置検出センサが設けられていない払出装置について説明したが、これに限られるものではなく、スプロケットに位置検出センサが設けられている払出装置であっても、原点調整制御を行うことで、より正確にスプロケットの位置と払出の管理とを行うことが可能となるため、より正確に払出を行うことが可能となる。
なお、原点調整フラグは、原点調整制御の要求有無に応じてセットされるフラグであり、原点調整制御の要求がある場合には「1」にセットされ、原点調整制御の要求がない場合には「0」にセットされるフラグである。
具体的には、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aによって遊技球が検知されるまで払出モータ174を単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)ずつ駆動させる。ここで、前述の単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)は、後述する払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ)よりも少ない。
さらに、単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)は、後述する払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ)を特定数としての4回(後述する原点要請リトライ回数)で分割した駆動量である。
また、この原点調整制御は、後述するリトライ制御と共通の制御である。したがって、リトライ制御においても、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aによって遊技球が検知されるまで払出モータ174を単位駆動量(本実施の形態では、4ステップ)ずつ駆動させる。詳しくは、後述する。こうした払出モータ174の駆動を制御する払出CPU301は、制御手段及び駆動制御手段を構成する。
ここで、上述のS367では、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するべく第1の停止要因フラグに1がセットされるが、前述のように原点調整制御が要求される場合には、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出が許可しなければ、原点調整を行うことができない。
リトライ制御についても同様である。そこで、本実施の形態では、払出CPU301は、遊技球の払出を禁止すると判定されても、原点調整制御(リトライ制御)を実行していることを条件に、遊技球の払出を許可する。これにより、遊技球の払出が禁止されることにより原点調整制御(リトライ制御)が行えなくなることを防止できる。
次いで、S361がNO判定の場合、S363がNO判定の場合、又は、S366の終了後、あるいはS368の終了後、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるか否かを判別する(S371)。
S371において、払出CPU301が、第2の担保球タイマ306Bの値が0でないと判別した場合、(S371がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに遊技球を補給中であると判断して、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S371において、払出CPU301が、第2の担保球タイマ306Bの値が0であると判別した場合、(S371がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が完了したと判断して、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S372)。
S372において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合、(S372がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態であるか否かを判別する(S373)。
ここで、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止するか否かを判定については、上述した第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するか否かの判定と同様であるため、説明を省略する。なお、第2の担保球タイマ306Bの値と第2の担保球カウンタ305Bの値とを比較する処理を行う払出CPU301は、判定手段を構成する。
次いで、S373において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態でないと判別した場合、(S373がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていると判断して、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S373において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態であると判別した場合、(S373がYES判定の場合)、払出CPU301は、上述のS371及びS372において、一旦は第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていることが保障されたにも関わらず、何らかの要因により第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていない、つまり担保球なしと判断して、第2の落下球確認フラグに0をセットする(S374)。
ここで、S373でYES判定される要因としては、例えば第2のスプロケット173Bや払出モータ174の不具合等によって過剰に遊技球が払出された場合等が挙げられる。また、このとき、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出は、禁止される。
換言すれば、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるときに第2の担保球カウンタ305Bの値が0であっても、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出が行われる前に第2の15球担保スイッチ172Bにより遊技球が検知されていない場合には、払出モータ174の駆動を通じた第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視時間として2秒(2000ms)を第2の担保球タイマ306Bにセットする(S375)。なお、ここでセットされた2000msが経過した場合には、停止要因があるものと判断して払出状態報知表示装置178による報知が行われる。
その後、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視回数として1950回(1950ms)を第2の担保球カウンタ305Bにセットして(S376)、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S372において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合、(S372がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(本実施の形態では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、第2の停止要因フラグに1をセットする(S377)。
この処理では、上述した通り、S371及びS372により第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていないものと判断されたため、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止するべく、第2の停止要因フラグに1がセットされる。
換言すれば、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるときに第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないときには、払出モータ174の駆動を通じた第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグに1をセットして(S378)、担保球なし検知処理を終了する。この処理では、払出CPU301は、第2のスプロケット173Bの原点調整制御を要求する処理を行う。ここで、第2のスプロケット173Bの原点調整制御は、第1のスプロケット173Aにおける原点調整制御と同様であるため、説明を省略する。
[計数スイッチ検知処理]
次に、図36を参照して、システムタイマ割込み処理(図33参照)中のS335で行う計数スイッチ検知処理について説明する。図36は、本実施の形態における計数スイッチ検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S381)。S381において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S381がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、原点調整制御中である場合には、遊技球が未だ第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bで検知されないため、S381がNO判定となる。
一方、S381において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S381がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1のスプロケット173A又は第2のスプロケット173Bにより遊技球が払出されたと判断して、払出要求個数を「1」減算する(S382)。
また、このとき、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数を計数可能である。したがって、払出CPU301は、計数手段を構成する。
ここで、払出要求個数とは、各種始動口や各種入賞口への遊技機の入賞や遊技球の貸出に基づき主制御回路70から送信され、払出制御回路300で受信した賞球制御コマンドや貸し球制御信号に基づき、賞球数又は貸し球数を逐次加算した値であり、賞球ケースユニット170により払出す遊技球の総数(払出量の総計)である。
この払出要求個数は、払出制御回路300のRAM303に記憶される。なお、前述の賞球数及び貸し球数は、払出量に相当する。また、払出制御回路300のRAM303は、払出記憶手段を構成する。また、この払出要求個数は、遊技球の払出が行われることで減算される。
次いで、払出CPU301は、落下要求個数を「1」減算する(S383)。ここで、落下要求個数とは、払出制御回路300のRAM303に記憶された払出要求個数(払出量の総計)に基づき払出モータ174の1回の駆動で払出す遊技球の数として決定されるもので、最大で15個とされる。
例えば、払出要求個数(払出量の総計)が15個以上であれば、落下要求個数は15個とされ、払出要求個数(払出量の総計)が14個以下であれば、落下要求個数は、その記憶された払出要求個数と同数となる。
また、落下要求個数は、払出要求個数(払出量の総計)に応じて払出CPU301により決定される。なお、落下要求個数は、区切払出量に相当する。また、払出CPU301は、区切払出量決定手段に相当する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S384)。S384において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S384がNO判定の場合)、払出CPU301は、処理をS387に移す。
一方、S384において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S384がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S385)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S386)。ここで、原点調整完了フラグは、原点調整制御中か原点調整制御完了か否かを判別するためのフラグであり、原点調整制御中のときは「0」にセットされ、原点調整制御が完了しているときは「1」にセットされるフラグである。
次いで、S364がNO判定の場合、又は、S386の終了後、払出CPU301は、落下要求個数が0未満であるか否かを判別する(S387)。S387において、払出CPU301が、落下要求個数が0未満でないと判別した場合、(S387がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S387において、払出CPU301が、落下要求個数が0未満であると判別した場合、(S387がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数に対して実際に払出された遊技球が過剰となったと判断して、オーバーペイ個数を「1」加算する(S388)。
ここで、オーバーペイ個数とは、落下要求個数に対して実際に払出された遊技球が過剰となった場合、つまり過払出が発生した場合の落下要求個数を超過した遊技球の数である。例えば、落下要求個数が15個であるのに対して、実際に払出された遊技球の数が16個であった場合には、1個の遊技球が過払出されているためオーバーペイ個数に「1」が加算される。
払出CPU301は、上述のオーバーペイ個数を加算してゆくことによって、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数の総数(実際に払出された遊技球の総数)と払出要求個数との差分としてRAM303に蓄積することができる。
したがって、RAM303は、差分蓄積手段を構成する。なお、オーバーペイ個数は、所定の初期化操作がなされるまでRAM303に蓄積される。ここでいう所定の初期化操作としては、例えば電源再投入等が挙げられる。
また、上記実施の形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、オーバーペイ個数、又はエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
次いで、払出CPU301は、オーバーペイ個数が10以上となったか否かを判別する(S389)。換言すれば、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A及び第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数の総数(実際に払出された遊技球の総数)と払出要求個数とを比較し、その差分(オーバーペイ個数の総数)が10以上となったか否かを判別する。
S389において、払出CPU301が、オーバーペイ個数が10以上となっていないと判別した場合、(S389がNO判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲(許容値)内であると判断して、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S389において、払出CPU301が、オーバーペイ個数が10以上となったと判別した場合、(S389がYES判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない(許容値以上)と判断して、オーバーペイフラグを1にセットして(S390)、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、オーバーペイフラグは、過払出に係る遊技球の数が許容範囲(許容値)内であるか否かを判別するためのフラグであり、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内であるときには、0にセットされ、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない(許容値以上)ときには、1にセットされるフラグである。
また、オーバーペイフラグが1にセットされると、払出CPU301は、上述の所定の初期化操作がなされるまで第1のスプロケット173A及び第2のスプロケット173Bを停止するよう、払出モータ174を制御する。
[モータ起動待ち処理]
次に、図37を参照して、システムタイマ割込み処理(図33参照)中のS336で行うモータ起動待ち処理について説明する。図37は、本実施の形態におけるモータ起動待ち処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整完了フラグが1であるか否かを判別する(S401)。S401において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1でないと判別した場合、(S401がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御中であると判断して、処理をS406に移す。
一方、S401において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1であると判別した場合、(S401がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御が完了済みであると判断して、第1又は第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S402)。
S402において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグが1であると判別した場合、(S402がYES判定の場合)、払出CPU301は、停止要因があるものと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S402において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S402がNO判定の場合)、払出CPU301は、停止要因がないものと判断して、第1又は第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S403)。
S403において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S403がNO判定の場合)、払出CPU301は、担保球なしと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S403において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合、(S403がYES判定の場合)、払出CPU301は、担保球ありと判断して、払出要求個数が0より大きいか否かを判別する(S404)。
S404において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きくないと判別した場合、(S404がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出要求なしと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S404において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きいと判別した場合、(S404がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求ありと判断して、後述するモータ起動初期処理(図38参照)を実行する(S405)。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S406)。S406において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S406がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求なしと判断して、処理をS407に移す。したがって、S406がNO判定の場合は、原点調整制御は行われない。
一方、S406において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S406がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求ありと判断して、リトライ回数が12より大きいか否か、すなわち原点調整制御を12回行ったか否かを判別する(S408)。したがって、S406がYES判定の場合は、原点調整制御が行われる。
ここで、リトライ回数とは、原点調整制御を行った回数であり、より詳細には、後述するモータ動作個数が更新されるたびに加算される値である。原点調整制御では、スプロケット173に1つの遊技球を払出させてから次の遊技球を払出させるために必要な駆動量、すなわち遊技球を1球払出すのに必要な駆動量(払出駆動量)だけ払出モータ174を駆動させるので、この1球の遊技球を払出すために必要な払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ=単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))をモータ動作個数=1とした。ここで、励磁データとしての単位駆動量は、4ステップ×5msである。
したがって、後述するS410においてモータ動作個数が1個設定される(更新される)たびに、原点調整制御が1回終了したとして、リトライ回数が加算される。なお、上述した通り、原点調整制御がリトライ制御と共通の制御であるため、リトライ回数は、リトライ制御を行った回数ともいえる。
このように、払出CPU301は、払出モータ174の駆動量が払出駆動量(本実施の形態では、16ステップ)に達したことを条件にリトライ値としてのモータ動作個数を更新する。
こうしたモータ動作個数の更新を行う払出CPU301は、リトライ値更新手段を構成する。また、払出CPU301は、モータ動作個数が更新された回数、又は励磁データが設定された回数、すなわちリトライ回数を原点調整制御(リトライ制御)を行った回数として管理する。
本実施の形態では、第1及び第2のスプロケット173A,173Bがそれぞれ1回転するごとに3個の遊技球が払出されるよう、各スプロケットに遊技球を受け入れるための溝が3つずつ形成されている。
このため、モータ動作個数が6回更新されると、第1及び第2のスプロケット173A,173Bがそれぞれ1回転するだけの駆動量(本実施の形態では、96ステップ=16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))×6回(12回のリトライ回数の半数))で払出モータ174が駆動したこととなる。
したがって、リトライ回数が12よりも大きくなるとは、第1及び第2のスプロケット173A,173Bの2回転分の駆動量(本実施の形態では、192ステップ=96ステップ(1回転するだけの駆動量)×2回)を超える駆動量で払出モータ174が駆動したことを意味する。なお、12回のリトライ回数は、16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回)を1セットとしたリトライ制御の上限回数である。
S408において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きいと判別した場合、(S408がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の回数が上限回数(12回)に達したものと判断して、処理をS407に移す。
このとき、払出CPU301は、第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検知されずに、払出モータ174の駆動量が192ステップ(上限駆動量)を超えたこと、あるいはリトライ回数が12回(上限回数)を超えたことを条件に、所定の初期化操作がなされるまで遊技球の払出を停止するよう、払出モータ174の駆動を制御する。これにより、原点調整制御(リトライ制御)が終了する。ここでいう所定の初期化操作としては、例えば電源再投入等が挙げられる。
また、上記実施の形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、又はオーバーペイ個数、又はエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
S407において、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定を行って(S407)、処理をS414に移す。この処理では、S406がNO判定の場合は、原点調整制御が行われないので、通常の遊技球の払出が行われるよう、落下要求個数に応じた払出モータ174の加速状態等を設定する。また、S408がYES判定の場合は、遊技球の払出を停止するために払出モータ174をアイドル状態に設定する。
一方、S408において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きくないと判別した場合、(S408がNO判定の場合)、払出CPU301は、次の原点調整制御に備えてステップカウンタマスク値を4ステップにセットする(S409)。この処理では、原点調整制御実行時の払出モータ174の単位駆動量として、4ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、モータ動作個数を1個に設定し(S410)、原点要請リトライ回数に4回を設定する(S411)。この処理では、上述のS409でステップカウンタマスク値としてセットされた4ステップに、原点要請リトライ回数として設定された4回を乗ずることによって、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S412)。ここで、落下球監視タイマは、原点調整制御において単位駆動量(4ステップ)分の励磁データで払出モータ174を駆動した後に、落下球があるか否か、及び停止要因が発生したか否かを監視する落下球監視時間(原点調整制御においては130ms)を計測するタイマである。
落下球監視時間(130ms)は、払出モータ174を4ステップ分駆動させた後に第1及び第2のスプロケット171A,171Bの姿勢を保持するための保持期間としての励磁データ保持期間(本実施の形態では30ms)と、払出モータ174の冷却を行う冷却期間(原点調整制御においては100ms)とから構成される。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグに「0」をセットする(S413)。次に、S407の終了後、又は、S413の終了後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定して(S414)、モータ起動待ち処理を終了する。
この処理では、例えば原点調整制御を行う場合には、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))の励磁データを設定する。また、通常の遊技球の払出を行う場合には、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。
なお、遊技球の払出が停止されるよう、払出モータ174がアイドル状態に設定されているときは、励磁データは0に設定される。
[モータ起動初期処理]
次に、図38を参照して、モータ起動待ち処理(図37参照)中のS405で行うモータ起動初期処理について説明する。図38は、本実施の形態におけるモータ起動初期処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、払出要求個数から落下要求個数を設定する(S421)。
この処理では、払出要求個数(払出量の総計)に応じて、最大で15個の落下要求個数が設定される。例えば、払出要求個数(払出量の総計)が20個の場合には、落下要求個数は15個に設定される。一方、払出要求個数(払出量の総計)が10個の場合には、落下要求個数は払出要求個数と同数の10個に設定される。
次いで、払出CPU301は、担保球監視設定処理を行う(S422)。この処理では、払出CPU301は、落下要求個数に応じて、第1及び第2の担保球カウンタ305A,305BにON検知監視回数を設定する。
例えば、落下要求個数が9〜10個である場合には、ON検知監視回数としてそれぞれ650回(650ms)が設定される。また、払出CPU301は、落下要求個数に応じて、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bに監視時間を設定する。例えば、落下要求個数が9〜10個である場合には、監視時間としてそれぞれ850msが設定される。
ここで、上述のON検知監視回数及び監視時間は、図31の電源投入処理中のS312の担保球監視初期設定処理で設定される、第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bの初期値、第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bの初期値と異なる。
次いで、払出CPU301は、第1及び第2の落下球確認フラグにそれぞれ「0」をセットする(S423)。その後、払出CPU301は、リトライ回数を初期化して(S424)、原点調整完了フラグに「1」をセットする(S425)。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S426)。ここでクリアされる落下球監視タイマは、原点調整制御やリトライ制御が実行されていない通常の払出制御において、落下要求個数を払出すために必要な駆動量分の励磁データで払出モータ174を駆動した後に、落下要求個数分の落下球があったか否か、及び停止要因が発生していないか否かを監視する落下球監視時間(通常の払出制御においては500ms)を計測するタイマである。
ここでの落下球監視時間(500ms)は、励磁データ保持期間(本実施の形態では30ms)と、払出モータ174の冷却期間(通常の払出制御においては470ms)とから構成される。この落下球監視時間は、一定期間に相当する。
次いで、払出CPU301は、ステップカウンタをクリアして0にする(S427)。
ここで、ステップカウンタは、払出モータ174のステップ数をカウントするカウンタである。
例えば、落下要求個数が15個の場合には、15個の遊技球の落下動作すなわち払出動作が完了したときには、ステップカウンタの値は240ステップ分の値となる。この処理では、払出CPU301は、例えば上述のようにカウントされた240ステップ分の値をクリアする。
次いで、払出CPU301は、ステップカウンタマスク値を16ステップにセットして(S428)、モータ起動初期処理を終了する。これにより、1つの遊技球を払出すのに必要な払出モータ174のステップ数として16ステップが設定される。
次に、図39〜図50を参照して、本実施の形態における払出制御に係る特徴的な部分について、詳細に説明する。
図39は、本実施の形態の払出モータ174の励磁方式を示すタイムチャートである。
払出モータ174は、2相励磁方式であり、かつ高電流と低電流とを切替可能な方式を採用する。
図39に示すように、払出CPU301は、t1、t2、t3、t4の順に励磁データを変化させることにより払出モータ174を正回転させるようになっている。ただし、本実施の形態では、払出モータ174は、構造的に逆回転不能とされる。
ここで、払出モータ174の「A−」と「B−」とが、ともにオンしている位置が原点とされる。なお、払出モータ174の「A+及びB+(図中「S」で示す)」は、ソフト制御によるオン・オフを表し、「A−及びB−(図中「H」で示す)」は、ソフト出力の論理反転によるオン・オフを表している。
ただし、本実施の形態では、従来のようなインデックスセンサ等の検出手段を有していないため、見かけ上の原点(励磁データ0)と構造的な原点の位相合わせを行う必要がある。こうした原点の位相合わせが原点調整であり、位相合わせを行うべく払出モータ174を制御することを原点調整制御という。
原点調整制御は、原点調整が必要とされる場合(原点調整の対象要因がある場合)に最初の払出要求があった際の1個目の払出動作を利用して行われる。例えば、電源投入後の最初の払出要求時の落下要求個数の1個目の遊技球の払出動作を利用して原点調整制御が行われる。
ここで、払出要求は、主制御回路70から払出制御回路300に対してなされるもので、具体的には、払出要求個数等の情報を含む賞球制御データとして払出制御回路300に送信される。払出制御回路300は、図40に示すように、主制御回路70から賞球制御データを受信割込で受信する。
一方、払出制御回路300は、遊技球の払出に関して何らかのエラーが生じた場合には、図40に示すように、主制御回路70に払出エラー情報データを送信する。
本実施の形態においては、図7に示すように主制御回路70と払出制御回路300とが一方的に通信を行うようにしていたが、図42に示すように、主制御回路70と払出制御回路300とが相互に通信を行うようにしてもよい。
ここで、主制御回路70と払出制御回路300とが相互に通信を行う場合には、最も望ましい形態として、シリアル通信方式を使用するが、シリアル通信方式に限定されるものではなく、パラレル通信方式などの様々な通信方式が使用可能である。
また、図43に示すように、払出制御回路300が自己診断によるエラー検出後に主制御回路70にシリアル通信方式を使用して、後述する払出制御エラー情報を含むエラー情報を送信する。
このとき、払出制御回路300からのエラー送信の最低送信間隔は、所定時間(本実施の形態においては、12ms)に設定されており、連続的にエラー情報が変化した場合に、S337で示したように1msごとに実行可能なコマンド送信処理を利用して、エラー情報が変化する度に主制御回路70に対してエラー情報を送信するのではなく、図43に示したように、エラー情報の合成を行い、最低送信間隔又は最低送信間隔経過後にエラー情報の送信を行う。
また、エラー情報の合成方法としては、図44に示すように、8bitでそれぞれ構成されるパラメータ1及びパラメータ2の各bit数値を更新又は変更し、エラー情報を送信する。
このとき、主制御回路70は、エラー情報としてバラメータ1、パラメータ2を受信すると、各パラメータに対してマスキングを行い、エラー情報(払出制御エラー情報)を取得する。
払出制御回路300におけるエラー情報の管理、主制御回路70におけるエラー情報の管理、及び、副制御回路200におけるエラー情報の管理については図45に示す通りである。
図45は、払出制御回路300におけるエラー情報の報知態様、主制御回路70におけるエラー情報の報知態様、及び、副制御回路200におけるエラー情報の報知態様を示している。
具体的には、払出制御回路300における下皿満タン状態は、主制御回路70で下皿満タン検知として認識され、主制御回路70から送信されるエラー情報に基づいて、副制御回路200が液晶表示装置13を介して「玉を抜いてください」と報知する。
また、払出制御回路300における、球切れ1状態、球切れ2状態、モータ異常状態、VL未接続状態、CR側通信異常、過払出異常、払出球詰まり、受信コマンド異常、受信異常及び通信エラーに関しては、主制御回路70において払出異常検知として認識され、主制御回路70から送信される払出エラー情報に基づいて、副制御回路が液晶表示装置13を介して「係員をお呼びください」と報知する。
上記のように、主制御回路70は、送信される払出制御に関る複数のエラー情報を「下皿満タンエラー情報」と「それ以外の情報」との2種類に分けて管理を行う。
このようなエラー情報の送受信を行うことによって、主制御回路70と払出制御回路300とが相互にシリアル通信を行っている環境下において、払出制御回路300の最低送信間隔でエラー楕報が連続的に変化した(エラー情報、エラーが複数発生した、とも表現できる)場合であっても、エラー惜報の合成を行うことが可能となる。
このため、払出制御回路300は、主制御回路70からエラー情報の送信を求められてから(又は、何らかの送信要求があってから)エラー情報を送信するものではなく、払出制御回路300の最低送信間隔又は予め定められた時間ごとにエラー情報の送信を行うことが可能となる。
また、上記では、エラー情報(払出制御エラー情報)について説明したが、これに限られるものではなく、コマンドの合成としては、様々なコマンドを合成可能である。
次いで、本実施の形態における賞球制御処理について説明する。この賞球制御処理においては、上述の原点調整制御、通常の払出制御、及びリトライ制御が少なくとも行われる。まず、賞球制御処理における原点調整制御について説明する。
原点調整制御は、上述した通り、原点調整の対象要因が生じたときに実行されるものである。ここで、賞球制御処理を利用した原点調整制御を行う際の対象要因としては、パチンコ遊技機1の出荷時、電源投入時、電断復帰時、原点調整制御完了後の過少払出発生時、停止要因の解除時、払出異常要因の解除時、及びオーバーペイ発生時が挙げられる。
原点調整制御完了後の過少払出発生時としては、例えば払出モータ174の脱調が生じている場合や、球供給通路171に所定個数(本実施の形態では15個)の遊技球が担保されていないにも関わらず、短絡により15球担保スイッチ172が遊技球を検知し間欠状態が生じている場合等が挙げられる。
停止要因の解除時の原点調整制御は、例えば下皿満タンスイッチ179の短絡時の遊技球の逆流への対応として行われる。また、払出異常要因の解除時の原点調整制御は、例えば断線や短絡あるいは電波照射により物理的に原点がずれた際の対応として行われる。さらに、オーバーペイ発生時の原点調整制御は、その後の払出モータ174の脱調を考慮して行われる。
原点調整制御では、上述しているように払出モータ174を16ステップ駆動させると1個の遊技球を落下(払出)させることができることから、単位駆動量としての4ステップ×5msの駆動を行い、落下球監視時間(130ms=励磁データ保持期間30ms+冷却期間100ms)内に落下球確認を終了した時点を物理的な原点とみなすこと(原点調整完了)としている。落下球監視時間内に落下球を確認できない場合には、上記のような払出モータ174の駆動を4ステップ単位で16ステップ分行う。
ただし、16ステップ分、払出モータ174を駆動させても落下球を検知できない場合には、正常な払出が行えていないと判断して(又は、停止要因があるものと判断してもよい)、4ステップ単位の払出モータ174の駆動を2回転分、繰り返す。
また、「払出モータ174の駆動を2回転分繰り返す」、とは、払出モータ174を駆動させても落下球を検知できないと判断した時点における、払出モータ174の状態、又はスプロケット173の位置を起点(又は、回転開始位置)として、例えば、モータが1回転するのに48ステップが必要な場合には、96ステップ分の駆動が行われることを示す。
これは、12球落下可能な駆動に相当すると表現することも可能であり、所定数の遊技球の落下を行えるだけの払出モータ174又はスプロケット173の駆動(又は、回転駆動、若しくは回転角度分の駆動)が行われると表現することもできる。
なお、原点調整制御は、落下球が検知されると完了するが、この落下球が払出された遊技球としてカウントされなければ、過払出となってしまう。したがって、原点調整制御完了時の落下球を、払出した遊技球としてカウントする必要がある。
そこで、本実施の形態では、払出CPU301は、原点調整制御が実行されているときに計数スイッチ181により落球球が検知されたことを条件に、落下要求個数を1個減算して14個とする。これにより、原点調整制御の完了を契機に、落下要求個数に対して1個分を除く残りの落下要求個数(14個)を払出すこととなる。その後は、通常の払出動作が実行される。
図46は、賞球制御処理を利用した原点調整制御のタイミングチャートである。例えば、図46に示すように、電源再投入が行われた後に停止要因が解除され、その後、払出要求が発生した場合には、原点調整制御が実行され、まず4ステップ×5ms分の励磁データに基づき払出モータ174が4ステップ分駆動する。このとき、払出モータ174の電流は、原点調整制御の開始とともに低電流から高電流に切り替えられる。
その後、4ステップ分の払出モータ174の駆動が終わると、払出モータ174の電流は30ms(励磁データ保持期間)の間、高電流に維持される。そして、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後、100ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。
また、30ms(励磁データ保持期間)と100ms(冷却期間)とで落下球監視時間(130ms)が構成される。なお、この落下球監視時間(130ms)は、自由落下理論式に基づき算出可能である。
その後、落下球監視時間(130ms)内に第2の計数スイッチ181Bで落下球が検知されると、原点調整開始時に3個であった落下要求個数が2個に更新される。また、落下球の検知により原点調整制御が完了し、構造的な原点との位相のずれが解消される。
図47は、賞球制御処理を利用した原点調整未完了後の原点調整リトライ動作のタイミングチャートである。例えば、図47に示すように、上述した4ステップ×5ms分の励磁データに基づき払出モータ174を4ステップ分駆動する動作(これを原点調整サイクルという)を1回行っただけでは、落下球を検出できなかった場合には、同様の原点調整サイクルを16ステップ分まで繰り返す。すなわち、原点調整制御の開始後、合計で4回の原点調整サイクルが繰り返される。
しかしながら、4回の原点調整サイクルが行われてもなお、落下球が検出できない場合には、再度、4回の原点調整サイクルが行われる。ここで、最初の4回の原点調整サイクルが行われている期間を基本リトライ動作期間という。なお、原点調整サイクルは、単位駆動量(4ステップ)×5msであり、基本リトライ動作期間は、単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数)である。図47においては、基本リトライ動作期間中に計数スイッチ計数スイッチ181落下球を検知していない場合に開始される動作を原点調整リトライとしたが、これに限られるものではなく、基本リトライ動作期間を上限回数まで繰り返す態様を原点調整リトライとしてもよい。
図48は、賞球制御処理の基本払出動作、つまり通常の払出動作のタイミングチャートである。また、図48は、15個の遊技球を払出すときの払出動作を例とするタイミングチャートである。
図48に示すように、まず落下要求個数として15個が決定されると、その決定された落下要求個数(15個)に基づき、払出モータ174の駆動量が払出CPU301によって決定される。具体的には、15個分の遊技球の払出に必要な励磁データが決定される。
こうした払出モータ174の駆動量を決定する払出CPU301は、駆動量決定手段を構成する。
次いで、15個分の遊技球の払出に必要な励磁データが設定されると、払出モータ174の電流が高電流に切り替えられるとともに設定された励磁データに基づき払出モータ174が駆動される。このときの励磁データは、払出モータ174が徐々に加速し、定常状態となり、その後、減速して停止するように設定される。
その後、設定された励磁データに基づく払出モータ174の駆動が終わると、払出モータ174の電流は30ms(保持期間としての励磁データ保持期間)の間、高電流に維持される。そして、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後、470ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。
また、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)とで落下球監視時間(500ms)が構成される。この落下球監視時間(500ms)中は、払出モータ174の駆動が停止される。また、このときの落下球監視時間(500ms)は、原点調整制御中の落下球監視時間(130ms)と異なる。
そして、上述の落下球監視時間(500ms)中は、払出CPU301によって、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できたか否かを監視する。すなわち、払出CPU301は、落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)に相当する遊技球が第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bを通じて検知されたか否かを判定する。こうした判定を行う払出CPU301は、払出判定手段を構成する。
払出CPU301は、上述の落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できない場合、つまり落下要求個数(15個)に相当する遊技球が第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bを通じて検知されないと判定した場合には、停止要因が生じたものと判断して、その後の払出モータ174の駆動を停止させるべくアイドル状態に移行させる。これにより、継続して払出動作を行うことができなくなる。
一方で、上述の落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できた場合にも、その後の払出動作に備えてアイドル状態に移行する。
ここで、賞球制御処理の基本払出動作における落下要求個数に応じた励磁データは、図49に示す通りである。例えば、落下要求個数が5個〜15個の場合は、図49(a)に示すように、加速状態と減速状態とをそれぞれ遊技球2個分行う励磁データとなる。
図49(b)は、落下要求個数が4個の場合、図49(c)は、落下要求個数が3個の場合、図49(d)は、落下要求個数が2個の場合、図49(e)は、落下要求個数が1個の場合の励磁データをそれぞれ表している。なお、いずれの落下要求個数であっても、上述の落下球監視時間(500ms)が設けられる。
図50は、賞球制御処理の基本払出動作中にリトライ動作が必要となる場合の払出動作のタイミングチャートである。また、図50は、5個の遊技球を払出すときの払出動作を例とするタイミングチャートである。
図50に示すように、落下要求個数(5個)の払出動作が実行された際に、4個目の払出に係る遊技球が第2の計数スイッチ181Bにより検知されていない場合には、落下球監視時間(500ms)の経過したときに、落下要求個数(5個)に対して、1個不足した状態となる。これにより、払出CPU301によって、落下球監視時間(500ms)内において落下要求個数(5個)分の遊技球の落下が確認できないと判断される。
このように、落下要求個数(5個)に対して払出した遊技球の数が不足する過少払出発生時は、図47に示した原点調整未完了後の原点調整リトライ動作と同様の原点調整リトライ動作が行われる。この原点調整リトライ動作の内容は、図47に示したものと同様であるため説明を省略する。
次に、図51〜図55を参照して、本実施の形態におけるエラー処理について説明する。
本実施の形態における遊技球の払出に関するエラーとしては、(1)過払出、(2)払出球詰まり、(3)下皿満タン、(4)球切れ、(5)払出モータ異常等が挙げられる。
これらエラーの少なくともいずれかが発生した場合には、そのエラーが払出状態報知表示装置178(図7参照)を介して報知される。以下、これら各エラーについて詳細に説明する。
図51は、払出状態報知表示装置178を示す図である。図51に示すように、払出状態報知表示装置178は、7つのセグメントa〜gと8番目のセグメントDPとからなる。これら各セグメントa〜g,DPは、エラー種別等に応じていずれかが点灯するようになっている。
例えば、(1)過払出のエラーを報知する場合には、bのセグメントが点灯し、(2)払出球詰まりのエラーを報知する場合には、dのセグメントが点灯し、(3)下皿満タンのエラーを報知する場合には、fのセグメントが点灯し、(4)球切れのエラーを報知する場合には、eのセグメントが点灯し、(5)払出モータ異常を報知する場合には、cのセグメントが点灯する。
なお、DPのセグメントは、球貸し中であることを報知する際に点灯するものである。
したがって、ホールの管理者は、払出状態報知表示装置178のセグメントの点灯状態を視認することで、どのようなエラーが発生しているのかを容易に判別することができる。
まず、(1)過払出は、発生しても停止要因とはされておらず、払出動作を継続可能なエラーである。この過払出のエラーの報知契機は、図52に示すように、落下要求個数の払出が完了してから過払出された遊技球の数が過払出規定個数(本実施の形態では10個)以上となったタイミングである。
なお、図52中、払出検知信号Aは、第1の計数スイッチ181Aにおいて遊技球を検知したか否かを示す信号であり、遊技球の検知時はオンとされる。払出検知信号Bについても同様、第2の計数スイッチ181Bにおいて遊技球を検知したか否かを示す信号である。
また、この過払出のエラーは、電源が再投入されることで解除される。すなわち、過払出のエラーの解除契機は、電源再投入時である。このとき、併せて過払出のエラーの報知も解除される。
次に、(2)払出球詰まりは、例えば遊技球の逆流による球詰まり、ゴミの付着や異物混入、あるいは計数スイッチ181の断線・短絡等により発生する停止要因に基づくエラーである。図53に示すように、例えば、第1の計数スイッチ181Aの払出検知信号Aがオンとなってから100ms経過してもオフとならない場合に、払出球詰まりが発生、すなわち停止要因が発生したものと判断される。この停止要因が発生したと判断されたときが払出球詰まりのエラーの報知契機とされている。
なお、計数スイッチ181の短絡時は、払出制御回路300側で直接その短絡有無を判断できないため、上述した12回分の原点調整制御のリトライ動作が完了するまで停止要因とすることができない。したがって、このような場合には、12回分の原点調整制御のリトライ動作完了後の落下球監視時間の経過をもって停止要因が発生したものと判断される。
また、払出制御回路300が計数スイッチ181との間に生じ得る電圧の変化を常に監視することによって、計数スイッチ181の短絡を認識又は判断可能である場合には、リトライ動作を行わずにエラーの報知を行ってもよいし、エラーの報知を行うと同時にリトライ動作を開始するようにしてもよい。
また、この払出球詰まりのエラーの報知は、上述した逆流による球詰まり、ゴミの付着や異物混入、あるいは計数スイッチ181の断線・短絡等の各要因が除去されることで解除される。
次に、(3)下皿満タンは、下皿22に貯留された遊技球が満タンとなることで発生する停止要因に基づくエラーである。図54に示すように、例えば、下皿満タンスイッチ179がオンとなってから1秒経過してもオフとならない場合に、下皿満タンに基づく停止要因が発生したものと判断される。この停止要因が発生したと判断されたときが下皿満タンのエラーの報知契機とされている。
また、この下皿満タンのエラーの報知は、下皿22に満タン状態で貯留された遊技球を排出することで解除される。
次に、(4)球切れは、例えば15球担保スイッチ172により担保球が不足していることが検知された場合、球タンク161への遊技球の補充待ち状態である場合、球供給通路171に球詰まりが発生している場合や、15球担保スイッチ172が断線状態である場合等に発生する停止要因に基づくエラーである。
こうした球切れのエラーは、上述した第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bと第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bとの比較結果に基づき、第1の停止要因フラグ又は第2の停止要因フラグが1にセットされたときに発生するものである。
この球切れのエラーの報知契機は、上述の停止要因発生時である。また、この球切れのエラーは、球タンク161に遊技球が補充されたり、球詰まりの原因となっている遊技球が除去されることにより球供給通路171に所定個数(15個)の遊技球が担保されたりすることで解除される。このとき、併せて球切れのエラーの報知も解除される。
次に、(5)払出モータ異常は、図55に示すように、例えば原点調整サイクルに基づき12回分のリトライ動作が実行され、12回目のリトライ動作における落下球監視時間(130ms)が経過しても落下球を確認できないことにより発生する停止要因に基づくエラーである。
こうした停止要因が発生する原因としては、例えば粘着性を帯びた遊技球がスプロケット173に張り付き離れない場合、スプロケット173と貯留球との間で球噛みが生じた場合(モータ回転不良)や、異物混入等のモータ無回転状態(励磁データのみ更新)による脱調が生じた場合等が挙げられる。
この払出モータ異常の報知契機は、図55に示すように、上述の停止要因発生時である。また、この払出モータ異常は、電源が再投入されることで解除される。すなわち、払出モータ異常の解除契機は、電源再投入時である。このとき、併せて払出モータ異常の報知も解除される。
次に、図56を参照して、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の電断時における払出制御回路300の受信処理について説明する。
図56に示すように、払出制御回路300側の受信割込みよりも先にノンマスカブル割込みとして電断時のXINT割込み(電断)が発生した場合は、XINT割込み内で受信データをポーリングして1バイト救済する。
また、主制御回路70による送信バッファへの書き込み直後に電断が発生した場合を想定すると、払出制御回路300側では、XINT割込みの処理中であってもボーレート時間分の遅延後の受信が可能なようにXINT割込み内で受信するための時間経過分を考慮しておくことが好ましい。ただし、電気的に主制御回路70よりも払出制御回路300の電断処理のXINTが先に発生することがないことが条件となる。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技球の払出が開始されたことを条件に、それぞれ第1及び第2の担保球タイマ306A,306Bの値(第1の値)及び第1及び第2の担保球カウンタ305A,305Bの値(第2の値)を更新する。
このため、遊技球の払出が開始された後、継続的に第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検出していれば、第1の値が0となったときには、第1の値よりも小さい第2の値は、すでに0となっていることとなる。この場合、遊技球の払出に応じて遊技球の補給が行われたことが保障される。
一方、第1の値が0となったときに第2の値が0となっていない場合には、なんらかの要因により遊技球の払出に応じた遊技球の補給がなされていないこととなる。
したがって、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、更新された第1の値と第2の値とを比較することで、遊技球の払出に応じて遊技球の補給が正しく行われたか否かを判断することができる。
この結果、例えば単に第1及び第2の15球担保スイッチ172A,172Bによる遊技球の検出有無により遊技球の補給がなされているか否かを判定する場合と比較して、第1及び第2の球供給通路171A,171B内に蓄積される遊技球の管理及び保障を正確に行うことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の値が0であるときに第2の値が0でないときには遊技球の払出を禁止するので、第1及び第2の球供給通路171A,171Bに対する遊技球の補給に関する異常有無の確認等を行うことができる。これにより、遊技球の補給及び払出に関するセキュリティをより向上させることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の値が0であるときに第2の値が0となり遊技球の補給が行われたことが一旦保障された場合であっても、その後、遊技球の払出が行われるまでの間に、例えば第1及び第2のスプロケット173A,173Bの不具合等によって過剰に遊技球が払出され第1及び第2の球供給通路171A,171B内の遊技球が減ったような場合には、遊技球の払出を禁止することができる。
これにより、第1及び第2の球供給通路171A,171B内の遊技球の管理をより正確に行うことができ、遊技球の補給及び払出に関するセキュリティをさらに向上させることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されるまで払出モータ174を単位駆動量(4ステップ)ずつ駆動させるリトライ制御を実行可能なため、第1及び第2のスプロケット173A,173Bの駆動位置を検出するスリットセンサ等を設けなくとも、例えば球噛みを解消するためのリトライ動作を行うことができる。
また、こうしたリトライ動作を行った場合には、第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bが遊技球を検出したときの第1及び第2のスプロケット173A,173Bの駆動位置を原点として調整することも可能となるため、スリットセンサ等を用いずに第1及び第2のスプロケット173A,173Bの原点の調整を行うことができる。
このように、リトライ動作が球噛み時等に限らず原点の調整時にも併用可能であるため、リトライ制御に汎用性を持たせることができ、結果として払出CPU301による処理を簡略化することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、スリットセンサ等を設けていないので、パチンコ遊技機の構成を簡易かつ低コストな構成とすることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、リトライ制御実行時の払出モータ174の単位駆動量(4ステップ)が、第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bに1つの遊技球を払出させてから次の遊技球を払出させるために必要な払出駆動量(16ステップ)よりも少ないので、1つの遊技球を払出すために第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bを複数回に分けて駆動させることができる。これにより、例えば球噛み等が生じている場合には、これを解消でき、また原点の調整を行う場合には、正確な原点に調整することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、上述の単位駆動量(4ステップ)が払出駆動量(16ステップ)を4回に分割した駆動量であるため、1つの遊技球を払出す際の払出モータ174の駆動回数を複数回に分割することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1及び第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されずに払出モータ174の駆動量が上限駆動量(192ステップ)を超えたときには初期化操作がなされるまで払出手段を停止することができる。このため、過度なリトライ動作の繰り返しにより賞球ケースユニット170に不具合が生ずることを防止することができる。
また、初期化操作がなされるまで払出モータ174を停止するので、当該払出モータ174の停止によって、例えば第1及び第2の球供給通路171A,171Bに蓄積された遊技球が1つもないような異常な状態から賞球ケースユニット170ひいてはパチンコ遊技機1を復帰させる必要があることを促すことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技球の払出を禁止すると判定されたとき、すなわち停止要因フラグが1にセットされたときに原点調整制御(リトライ制御)を行うので、なんらかの異常により第1及び第2のスプロケット173A,173Bの駆動が停止された後には必ずリトライ動作を行うことができる。
このように、第1及び第2のスプロケット173A,173Bの駆動停止と連動してリトライ動作を行うことで、リトライ動作を単独で行う場合と比較して処理を円滑に進めることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、原点調整制御(リトライ制御)においてリトライ動作を第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されるまで実行するとともに、モータ動作個数が更新された回数(リトライ回数)をリトライ動作の回数として管理するので、第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bによる遊技球の検出有無に関わらずリトライ動作が何回行われたかを確実に、かつ容易に把握することができる。また、スリットセンサ等を設けていなくともリトライ動作の回数を確実に、かつ容易に把握することができる。これにより、リトライ動作の管理を円滑に行うことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されずにリトライ回数が上限回数(12回)を超えたときには原点調整制御(リトライ制御)を終了するので、過度なリトライ動作の繰り返しにより賞球ケースユニット170に不具合が生ずることを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、実際に払出された遊技球の総数と払出要求個数とを比較するので、その比較の結果、実際に払出された遊技球の総数と払出要求個数との間に差分が生じている場合には、遊技球の過払出として把握することができる。
また、その過払出となった上述の差分が許容値(10)以上となったときには、初期化操作がなされるまで第1及び第2のスプロケット173A,173Bを停止するので、例えば不正行為等により不自然な過払出があった場合にそれ以上の過払出が行われることを防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、過払出が生じた際には初期化操作がなされるまで実際に払出された遊技球の総数と払出量要求個数との差分である過払出に係る遊技球の数を蓄積することができる。
これにより、例えば不正行為等により生じた不自然な過払出の事実及びその過払出により生じた不要な遊技球の払出量(賞球数及び貸し球数)を確実に検出することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、払出モータ174を駆動させた後の落下球監視時間中に、落下要求個数に相当する遊技球が第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bによって検出されたか否かを判定するので、当該落下球監視時間中に払出モータ174の冷却を行うことができるとともに、同時に落下要求個数に相当する遊技球の払出が行われたか否かを確認することができる。したがって、払出モータ174の十分な冷却期間を確保しつつも払出量(賞球数及び貸し球数)の管理を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、払出モータ174を駆動させた後の落下球監視時間が第1及び第2のスプロケット173A,173Bの姿勢を保持するための保持期間と払出モータ174の冷却期間とから構成されるので、払出モータ174が停止した後に第1及び第2のスプロケット173A,173Bの姿勢を保持することができ、第1及び第2のスプロケット173A,173Bが慣性力により過回転してしまうことを防止することができる。また、冷却期間を設けたことにより払出モータ174を冷却することができる。
さらに、保持期間及び冷却期間の間に落下要求個数に相当する遊技球が第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bにより検出されない場合には、払出モータ174の駆動を停止するので、保持期間及び冷却期間を利用して効率的に払出モータ174の駆動を管理することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図57〜図62を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、スプロケット173による遊技球の払出先(移動先)を切替可能とした点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略し、特に第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
図57に示すように、本実施の形態の賞球ケースユニット170は、第1の実施の形態と同様、第1の払出通路180Aと第2の払出通路180Bとを有し、これら各通路は2列構造をとるため、同様の構成である。したがって、第1の払出通路180Aを例にその構成を説明する。
本実施の形態の第1の払出通路180Aは、遊技球をパチンコ遊技機内部(例えば、上皿21等)に払出す(又は、誘導する、供給する、循環させる)ための第1の球通路401Aと、遊技球をパチンコ遊技機外部(例えば、島管理設備の球循環経路等)に誘導(移動)させる(又は、払出す、供給する、循環させる)ための第2の球通路402Aとを有する。
ここで、島管理設備は、複数又は単一の遊技機と、遊技機に対して設けられた遊技装置(例えば、サンド、各台計数機及びデータ表示機等)と、接続可能な装置であって、遊技球や、遊技機の状態を管理するための管理装置であり、通常はホールコンピュータと呼ぱれる遊技場を管理する設備(例えば、コンピュータ又はデータ管理装置)と接続され、ホールコンピュータに対して遊技機に関する情報を集計しデータ送信を行っている。
ここで、球循環経路とは、島管理装置に備えられた複数又は単一の遊技機間で遊技球の共有を可能とした設備であり、球循環経路は、球循環装置として独立駆動可能なものであってもよいし、島管理装置に備えられていることが必須ではなく、遊技機に備えられていてもよく、遊技機内の遊技球を循環させる装置であってもよい。
第2の払出通路180Bについても、同様に第1の球通路401Bと第2の球通路402Bとを有する。以下、これら第1の球通路401A及び第1の球通路401Bを総称して「第1の球通路401」といい、第2の球通路402A及び第2の球通路402Bを総称して「第2の球通路402」ということがある。
また、第1の球通路401Aには、第1の球通路401Aを通過する遊技球を検知する第1の検出手段としての第1の計数スイッチ481Aが設けられ、第2の球通路402Aには、第2の球通路402Aを通過する第2の検出手段としての第1の球抜きスイッチ482Aが設けられている。
第1の球通路401B及び第2の球通路402Bについても、同様に第2の計数スイッチ481B及び第2の球抜きスイッチ482Bが設けられている。これら第1の計数スイッチ481A及び第2の計数スイッチ481Bを総称して「計数スイッチ481」といい、第1の球抜きスイッチ482A及び第2の球抜きスイッチ482Bを総称して「球抜きスイッチ482」ということがある。
また、払出通路180、より詳細には第1の球通路401と第2の球通路402との間には、スプロケット173による遊技球の払出先を第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるよう、払出CPU301によって制御される通路切替手段としての第1及び第2のフラッパ400A,400Bが設けられている。これら第1及び第2のフラッパ400A,400Bを総称して「フラッパ400」ということがある。
フラッパ400は、フラッパ駆動装置410(図58参照)を有し、払出CPU301によってフラッパ駆動装置410の駆動が制御されることで、図中、矢印方向に回動可能とされる。
具体的には、フラッパ400は、遊技球の払出先を第2の球通路402側とする位置(図中、破線で示す位置)と、遊技球の払出先を第1の球通路401側とする位置(図中、実線で示す位置)との間で回動するようになっている。
次に、図58に示すように、本実施の形態の払出制御回路300には、上述した第1の計数スイッチ481A、第2の計数スイッチ481B、第1の球抜きスイッチ482A、第2の球抜きスイッチ482B及びフラッパ駆動装置410が接続されている。なお、フラッパ駆動装置410は、第1のフラッパ400Aと第2のフラッパ400Bとで共通としたが、別箇に設けても構わない。
また、本実施の形態の払出CPU301は、払出制御回路300のRAM303に記憶された賞球数及び貸し球数(払出量)がない状態で、上述したリトライ動作を実行する場合には、遊技球の払出先が第2の球通路402となるよう、フラッパ駆動装置410を介してフラッパ400を切り替えるようになっている。
また、本実施の形態の払出CPU301は、遊技球の払出先が第2の球通路402となるようフラッパ400が切り替えられた状態でリトライ動作を実行した場合には、球抜きスイッチ482によって遊技球が検知されたことを条件にリトライ動作を終了するようになっている。
次に、図59〜図62を参照して、払出制御回路300の払出CPU301により実行される各種処理の内容について、特に、第1の実施の形態と異なるステップを含む処理についてのみ説明する。
[システムタイマ割込み処理(1ms)]
まず、図59を参照して、本実施の形態の払出CPU301によるシステムタイマ割込み処理について説明する。
図59に示すように、本実施の形態におけるシステムタイマ割込み処理において、S431〜S435の各ステップは、第1の実施の形態におけるシステムタイマ割込み処理(図33参照)のS331〜S335と同様であるため、それらステップの説明は省略する。
払出CPU301は、S435の処理終了後、後述するモータ駆動処理を実行して(S436)、原点調整励磁データ設定処理を実行する(S437)。その後、払出CPU301は、コマンド送信処理を実行して(S438)、システムタイマ割込み処理を終了する。本実施の形態のコマンド送信処理(S438)は、第1の実施の形態のコマンド送信処理(S337)と同様である。
[計数スイッチ検知処理]
まず、図60を参照して、本実施の形態のシステムタイマ割込み処理(図59参照)中のS435で行う計数スイッチ検知処理について説明する。
図60に示すように、本実施の形態における計数スイッチ検知処理において、S481〜S490の各ステップは、第1の実施の形態における計数スイッチ検知処理(図36参照)のS381〜S390と同様であるため、それらステップの説明は省略する。
S481がNO判定の場合、S487がNO判定の場合、S489がNO判定の場合、又は、S490の終了後、払出CPU301は、第1の球抜きスイッチ482A又は第2の球抜きスイッチ482Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S491)。
S491において、払出CPU301が、第1の球抜きスイッチ482A又は第2の球抜きスイッチ482Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S491がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S491において、払出CPU301が、第1の球抜きスイッチ482A又は第2の球抜きスイッチ482Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S491がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S492)。
S492において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S492がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S492において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S492がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S493)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S494)。その後、払出CPU301は、フラッパ駆動装置410を制御して、第1及び第2のフラッパ400A,400Bを自動的に第1の球通路401A,401B側(払出側)に切り替え(S495)、計数スイッチ検知処理を終了する。
[モータ駆動処理]
まず、図61を参照して、本実施の形態のシステムタイマ割込み処理(図59参照)中のS436で行うモータ駆動処理について説明する。
まず、払出CPU301は、第1又は第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S501)。
S501において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグが1であると判別した場合、(S501がYES判定の場合)、払出CPU301は、停止要因があるものと判断して、モータ駆動処理を終了する。
一方、S501において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S501がNO判定の場合)、払出CPU301は、停止要因がないものと判断して、第1又は第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S502)。
S502において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S502がNO判定の場合)、払出CPU301は、担保球なしと判断して、モータ駆動処理を終了する。
一方、S502において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合、(S502がYES判定の場合)、払出CPU301は、担保球ありと判断して、払出要求個数が0より大きいか否かを判別する(S503)。
S503において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きくないと判別した場合、(S503がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出要求なしと判断して、モータ駆動処理を終了する。
一方、S503において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きいと判別した場合、(S503がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求ありと判断して、モータ起動初期処理を実行する(S504)。モータ起動初期処理は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定処理を行う(S505)。この処理では、払出CPU301は、原点調整制御を行わないので、通常の遊技球の払出が行われるよう、落下要求個数に応じた払出モータ174の加速状態等を設定する。
その後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定する(S506)。この処理では、払出CPU301は、通常の遊技球の払出を行うものとして、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。
次いで、払出CPU301は、払出制御フラグに「1」をセットして(S507)、モータ駆動処理を終了する。ここで、払出制御フラグは、フラッパ400の切替を行うか否かに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、フラッパ400の切替を行う場合に「1」にセットされ、フラッパ400の切替を行わない場合に「0」にセットされるフラグである。
[原点調整励磁データ設定処理]
まず、図62を参照して、本実施の形態のシステムタイマ割込み処理(図59参照)中のS437で行う原点調整励磁データ設定処理について説明する。
まず、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S511)。S511において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S511がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求なしと判断して、原点調整励磁データ設定処理を終了する。したがって、S511がNO判定の場合は、原点調整制御は行われない。
一方、S511において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S511がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求ありと判断して、リトライ回数が12より大きいか否か、すなわち原点調整制御を12回行ったか否かを判別する(S512)。したがって、S511がYES判定の場合は、原点調整制御が行われる。
S512において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きいと判別した場合、(S512がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の回数が上限回数(12回)に達したものと判断して、処理をS513に移す。
S513において、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定を行って(S513)、処理をS523に移す。この処理では、払出CPU301は、遊技球の払出を停止するために払出モータ174をアイドル状態に設定する。
一方、S512において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きくないと判別した場合、(S512がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態のリセットを行う(S514)。
次いで、払出CPU301は、励磁データのリセットを行い(S515)、払出制御フラグが1であるか否かを判別する(S516)。S516において、払出CPU301が、払出制御フラグが1でないと判別した場合、(S516がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1及び第2のフラッパ400A,400Bの切替が不要であると判断して、処理をS518に移す。この場合、第1及び第2のフラッパ400A,400Bの切替は行われず、遊技球の払出先が第1の球通路401A,401B側(払出側)に維持される。
一方、S516において、払出CPU301が、払出制御フラグが1であると判別した場合、(S516がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1及び第2のフラッパ400A,400Bの切替が必要であると判断して、フラッパ駆動装置410を制御して、第1及び第2のフラッパ400A,400Bを自動的に第2の球通路402A,402B側(球抜き側)に切り替える(S517)。
次いで、S516がNO判定の場合、、又は、S517の終了後、払出CPU301は、原点調整制御に備えてステップカウンタマスク値を4ステップにセットする(S518)。この処理では、原点調整制御実行時の払出モータ174の単位駆動量として、4ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、モータ動作個数を1個に設定し(S519)、原点要請リトライ回数に4回を設定する(S520)。この処理では、上述のS518でステップカウンタマスク値としてセットされた4ステップに、原点要請リトライ回数として設定された4回を乗ずることによって、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S521)。落下球監視タイマは、第1の実施の形態と同様である。次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグに「0」をセットする(S522)。
次に、S513の終了後、又は、S522の終了後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定して(S523)、原点調整励磁データ設定処理を終了する。
この処理では、例えば原点調整制御を行う場合には、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップ分の励磁データを設定する。
また、通常の遊技球の払出を行う場合には、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。なお、遊技球の払出が停止されるよう、払出モータ174がアイドル状態に設定されているときは、励磁データは0に設定される。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1及び第2の払出通路180A,180Bのそれぞれに、遊技球の払出先を第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるフラッパ400が設けられているので、例えば遊技球の貸出時や賞球時等のように遊技機外部への遊技球の払出が行われる場合に原点調整制御(リトライ制御)を実行するときには、スプロケット173による遊技球の払出先をフラッパ400によって第1の球通路401に切り替えることができる。
一方、遊技機外部への遊技球の払出を行わずに原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合には、スプロケット173による遊技球の払出先をフラッパ400によって第2の球通路402に切り替えることができる。これにより、原点調整制御(リトライ制御)をによる遊技球の過払出が防止される。
したがって、フラッパ400によって第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれかに切り替えることで、遊技機外部への遊技球の払出の有無に関わらず原点調整制御(リトライ制御)を実行することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、払出制御回路300のRAM303に記憶された払出量(賞球数及び貸し球数)がない状態で原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合には、スプロケット173による遊技球の払出先が第2の球通路402となるようフラッパ400を切り替えるので、遊技機外部への遊技球の払出を行わずに原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合であっても、スプロケット173による遊技球の過払出を防止することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、球抜きスイッチ482が遊技球を検出したこと条件に原点調整制御(リトライ制御)を終了するので、RAM303に記憶された払出量(賞球数及び貸し球数)がない状態で原点調整制御(リトライ制御)を実行しても、計数スイッチ481で遊技球を検出することがない。
このため、RAM303に記憶された払出量(賞球数及び貸し球数)がない状態で実行された原点調整制御(リトライ制御)によって、スプロケット173から払出された遊技球が遊技機外部に払出された遊技球として検出されることを防止することができる。これにより、原点調整制御(リトライ制御)の運用の幅を広げることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図63〜図65を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、原点調整制御の完了後、落下要求個数から1球減算した残りの落下要求個数(例えば、減算前が15個なら残りの落下要求個数は14個)分の遊技球の払出を行う点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。
したがって、以下においては、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略し、特に第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。具体的には、第1の実施の形態と異なる処理についてのみ説明する。なお、以下に説明する処理以外の処理(例えば、システムタイマ割込み処理等)は、第1の実施の形態における処理と同様である。
[計数スイッチ検知処理]
最初に、図63を参照して、第1の実施の形態と同様のシステムタイマ割込み処理(図33参照)中のS335で行う計数スイッチ検知処理について説明する。図63は、本実施の形態における計数スイッチ検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S581)。S581において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S581がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。ここで、原点調整制御中である場合には、遊技球が未だ第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bで検知されないため、S581がNO判定となる。
一方、S581において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S581がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数を「1」減算する(S582)。
すなわち、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181A又は第2の計数スイッチ181Bにより遊技球が検知されたことを条件に落下要求個数の更新を行う。こうした更新を行う払出CPU301は、区切払出量更新手段を構成する。
ここで、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、計数スイッチ検知処理での払出要求個数の減算は行われない。払出要求個数は、後述するモータ起動初期処理(図65参照)におけるS627で、落下要求個数が決定(設定)されたときに、その決定(設定)された落下要求個数分の遊技球の数だけ減算されている。
換言すれば、払出CPU301は、払出要求個数から、落下要求個数が決定(設定)されたときに、その決定(設定)された落下要求個数分の遊技球の数を減算しておくようにしている。こうした遊技球の減算を行う払出CPU301は、減算手段を構成する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S583)。S583において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S583がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S583において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S583がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S584)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S585)。その後、払出CPU301は、原点調整実行後フラグを1にセットして(S586)、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、原点調整実行後フラグは、原点調整制御の実行後であるか、実行前(未実行)であるかに応じて「0」又は「1」がセットされるフラグであり、原点調整制御の実行後である場合に「1」にセットされ、原点調整制御の実行前である場合に「0」にセットされるフラグである。
[モータ起動待ち処理]
次に、図64を参照して、第1の実施の形態と同様のシステムタイマ割込み処理(図33参照)中のS336で行うモータ起動待ち処理について説明する。図64は、本実施の形態におけるモータ起動待ち処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整完了フラグが1であるか否かを判別する(S601)。S601において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1でないと判別した場合、(S601がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御中であると判断して、処理をS605に移す。
一方、S601において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1であると判別した場合、(S601がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御が完了済みであると判断して、第1又は第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S602)。
S602において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグが1であると判別した場合、(S602がYES判定の場合)、払出CPU301は、停止要因があるものと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S602において、払出CPU301が、第1又は第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S602がNO判定の場合)、払出CPU301は、停止要因がないものと判断して、第1又は第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S603)。
S603において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S603がNO判定の場合)、払出CPU301は、担保球なしと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S603において、払出CPU301が、第1又は第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合、(S603がYES判定の場合)、払出CPU301は、担保球ありと判断して、後述するモータ起動初期処理(図65参照)を実行する(S604)。
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、払出要求個数が0より大きいか否かの判別は行われない。
このため、本実施の形態では、後述する払出要求フラグを設定し、主制御回路70から払出制御回路300への払出要求があるか否かを当該払出要求フラグによって判別することとしている。この払出要求フラグは、例えば主制御回路70から払出制御回路300に払出要求個数の情報が送信される際に同時に送信される。なお、払出要求フラグは、払出要求がある場合に「1」にセットされ、払出要求がない場合に「0」にセットされる。
ここで、S605〜S613の処理は、第1の実施の形態におけるS406〜S414の処理と同様であるため、説明を省略する。
[モータ起動初期処理]
次に、図65を参照して、本実施の形態のモータ起動待ち処理(図64参照)中のS604で行うモータ起動初期処理について説明する。図65は、本実施の形態におけるモータ起動初期処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整実行後フラグが1であるか否かを判別する(S621)。S621において、払出CPU301が、原点調整実行後フラグが1でないと判別した場合、(S621がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の実行前(又は未実行)であると判断して、処理をS623に移す。
一方、S621において、払出CPU301が、原点調整実行後フラグが1であると判別した場合、(S621がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の実行後であると判断して、落下要求個数が0以下であるか否かを判別する(S622)。
S622において、払出CPU301が、落下要求個数が0以下でないと判別した場合、(S622がNO判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数をそのままとして、すなわち計数スイッチ検知処理(図63参照)のS582で「1」減算された後の落下要求個数のまま、処理をS628に移す。
一方、S622において、払出CPU301が、落下要求個数が0以下であると判別した場合、(S622がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数の再設定(又は、初期設定)を行うべく、払出要求個数に落下要求個数の値を還元する(S623)。
例えば、払出CPU301は、遊技球の過払出によって落下要求個数の値が「−1」となった場合には、すでに落下要求個数分、減算されている払出要求個数から「1」減算する。
すなわち、払出CPU301は、上述の計数スイッチ検知処理(図63参照)のS582で「1」減算された後の落下要求個数(過払出であれば「−1」)を払出要求個数に反映させる。こうした反映を行う払出CPU301は、反映手段を構成する。なお、このS623の処理が初めて行われるとき(初回)は、払出要求個数及び落下要求個数のいずれも「0」である。
ここで、払出CPU301は、払出要求個数分の全ての遊技球が払出されたときに、上述の計数スイッチ検知処理(図63参照)のS582で「1」減算された後の落下要求個数が「0」でないときには、払出エラーが発生しているものと判定する。こうした判定を行う払出CPU301は、払出エラー判定手段を構成する。
例えば、払出要求個数分の遊技球が払出されたときに前述の減算後の落下要求個数が「0」より大きいときには、過少払出による払出エラーが発生しているものと判定することができる。
一方、払出要求個数分の遊技球が払出されたときに前述の減算後の落下要求個数が「0」よりも小さいときには、過払出による払出エラーが発生しているものと判定することができる。
次いで、払出CPU301は、払出要求個数の値が「−10」より小さいか否かを判別する(S624)。すなわち、払出CPU301は、オーバーペイ個数が10以上となったか否かを判別する。
S624において、払出CPU301が、払出要求個数の値が「−10」より小さいと判別した場合、(S624がYES判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でないと判断して、オーバーペイフラグを1にセットして(S625)、モータ起動初期処理を終了する。
一方、S624において、払出CPU301が、払出要求個数の値が「−10」より小さくないと判別した場合、(S624がNO判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内であると判断して、払出要求フラグが1であるか否かを判別する(S626)。
S626において、払出CPU301が、払出要求フラグが1でないと判別した場合、(S626がNO判定の場合)、払出CPU301は、主制御回路70からの遊技球の払出要求がないものと判断して、モータ起動初期処理を終了する。
一方、S626において、払出CPU301が、払出要求フラグが1であると判別した場合、(S626がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求個数から落下要求個数を設定する(S627)。
この処理では、払出要求個数(払出量の総計)に応じて、最大で15個の落下要求個数が設定される。このとき、落下要求個数の設定と同時に、払出要求個数が設定された落下要求個数分、減算される。
ここで、S628〜S634の処理は、第1の実施の形態におけるS422〜S428の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bにより遊技球が検出されたことを条件に落下要求個数の更新が行われる。
すなわち、落下要求個数は、第1又は第2の計数スイッチ181A,181Bにより遊技球が検出されるたびに更新される。
これにより、例えば落下要求個数に応じた遊技球の払出を行うべく払出モータ174が駆動された際に落下要求個数を超える払出(過払出)があった場合に、この過払出分の遊技球の数を加味して落下要求個数を更新することができる。
一方、払出要求個数は、落下要求個数が決定された時点で落下要求個数分の遊技球の数だけ減算された後、上述の更新された落下要求個数が反映される。これにより、1回の払出モータ174の駆動で上述のような過払出があった場合であっても、払出要求個数から減算された遊技球の数と実際に払出された遊技球の数とを一致させることができる。
この結果、1回の払出モータ174の駆動で過払出が発生するたびに払出モータ174を停止する必要がないため、遊技球の払出を継続することができる。したがって、円滑な払出を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機は、封入式遊技機であって、遊技球を発射する発射手段が遊技機上部に設置され、発射された遊技球が遊技盤に設けられた遊技領域を通過し(遊技盤自体が遊技領域であってもよい)、遊技機内に設けられた球磨き装置や揚送装置に回収される封入式遊技機に対しても適用される。
このような遊技機に本発明に係る遊技機を適用する場合にあっては、スプロケットが揚送装置内に設けられた遊技球を揚送するための手段(例えば、スクリューなど)や、払出モータが揚送するための手段を駆動させるための駆動手段(例えば、揚送モータ)、計数スイッチが揚送装置からの排出検知手段(例えば、遊技球の循環管理を行うセンサ等)であってもよい。
本実施の形態によれば、遊技球が払出通路180を通過し、遊技機前面に設けられた上皿21に払出され、上皿21から発射装置15へ移動する構成であるため、上記のような発射装置15に対して揚送するような装置に対しても、本発明に係る遊技機は適用可能である。
また、本実施の形態において、球タンク下通路162と、球供給通路171と、スプロケット173近辺の球通路と、払出通路180とは、一体的に形成されていてもよい。ここで表現する「一体的に」とは、溶接、型抜き、ネジ止め又はカシメ等によって一体的に形成されている状態を含む。
また、球タンク下通路162と球供給通路171とが一体形成されている場合、球供給通路171とスブロケット173近辺の球通路とが一体形成されている場合、で例示される、4つの構成から2つの構成を抽出し、場合分けした構成によって一体形成されていてもよい。
同様に、スプロケット173近辺の球通路と払出通路180とが一体形成されている場合、球タンク下通路162と球供給通路171とスプロケット173近辺の球通路とが一体形成されている場合、に例示される4つの構成から3つの構成を抽出し、場合分けした構成によってー体形成されていてもよい。
また、球供給通路171は、遊技機を構成する遊技部材(例えぱ、装飾ユニット又は封入式遊技機の球研磨装置等)に設けられていてもよい。これは、スプロケット173に該当する部材が設けられた装置が球供給通路171として作用する遊技部材と接続されている場合であっても、本発明に係る遊技機を適用できることに他ならない。
また、球供給通賂171は、スブロケット173のように遊技球を移動可能な構成が備えられていてもよく、総じていえば、スプロケット173と連動及び同期して球供給通路171内に存在する遊技球が移動可能であれば、本発明に係る遊技機を適用できるものである。
また、本実施の形態の形態においては、払出モータ174の電流は30ms(励磁データ保持期間)の間、高電流に維持され、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後470ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。したがって、本実施の形態では、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)とで、落下球監視時間(500ms)を構成していたが、これに限られるものではなく、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)と、0〜100ms(スプロケット調整期間)とで、落下球監視時間(500ms+0〜100ms)を構成してもよい。
このような構成を有することで、スプロケット調整期間においてスプロケット173の位置を微調整することも可能となり、球噛みを想定した正転と逆転とを繰り返してもよい。また、払出モータ174の発熱を検知可能な熱検知手段を備えており、払出モータ174の発熱が所定値、所定域以上であると払出制御回路300が払出モータ174の異常を判断可能な場合には、継続して冷却期間としてスプロケット調整期間を使用してもよい。
さらに、熱検知手段を備えていなくとも、所定値以上の払出(例えば、最大16球の払出のときに、10球以上の払出)が所定回数以上(例えば、3回以上)連続で継続した場合には、スプロケット調整期間を特定値(例えば、50ms)に設定してもよい。このとき、設定されるスプロケット調整期間は、予め定められた値、又は一定値であってもよい。本来であれば十分な冷却期間を設けているのでスプロケット調整期間を設定して冷却を行う必要がないが、遊技機が設置された遊技場ごとに環境が異なるため、本来の冷却期間では払出モータ174の冷却が不十分となる可能性がある。したがって、このような場合を想定して上述のような構成とすることで、払出が連続している場合における払出モータ174の冷却期間に対する手当てが行えることとなる。この結果、より安全に払出を行うことが可能となる。
なお、上述のように、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)と、0〜100ms(スプロケット調整期間)とで、落下球監視時間(500ms+0〜100ms)を構成した場合には、落下球監視時間が延長されたことに基づいて払出モータ174の冷却期間が延長されたとも表現可能であるし、冷却期間が延長されたことに基づいて落下球監視時間が延長されたとも表現することが可能である。
また、本実施の形態においては、フラッパ400について第1の球通路401及び第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるよう払出CPU301によって制御されれば、形状、材質、駆動方法について特に限定されるものではない。例えば、図57に示すように、板状であってもよいし、一方の球通路を遊技球が通過不可能となるように、球通路上部から落下する遊技球に治して水平に移動することで、結果的に遊技球の振り分けが行えるような機構であってもよいし、スプロケット173と同様の機構を備え、遊技球を一度受け入れてから任意の方向へと遊技球を導くような態様であってもよい。
また、本実施の形態においては、単位駆動量に相当する励磁データとして5ms×4ステップを規定したが、これに限られるものではなく、例えば、単位駆動量を設定せず、1回のリトライ回数における励磁データとして5ms×16ステップの払出モータ174の駆動を行い、5ms×16ステップの払出モータ174の駆動停止後の励磁データ保持期間30ms+冷却期間470ms=500msを設定し、基本リトライ動作機関としては5000ms(基本リトライ動作期間)に設定し、基本リトライ動作期間から励磁データ保持期間と冷却期間と1回のリトライに必要な時間(5ms×16=80ms)を減算することで求められる時間を落下球監視時間として設定し、落下球監視時間内で停止要因発生、又は規定回数(240回)のリトライが終了した場合には、アイドル状態へ移行するようにしてもよい。このとき、リトライ回数は、240回が上限回数となり、1回のリトライにかかる時間が基本リトライ動作期間として設定される。これにより、落下球監視時間として十分な監視時間が設定されるため、15球担保スイッチ172が断線しているときの間欠防止で貯留させる時間として、落下球監視時間を使用することが可能となり、より安全に払出を行うことが可能となる。
また、本実施の形態においては、払出モータ174の1回の駆動で移動させる遊技球の数を、リトライ制御における計数スイッチ181による遊技球の検出数に基づいて減算することで落下要求個数(区切払出量)を設定するようにしたが、ここでいう「落下要求個数(区切払出量)を設定する」とは、決定、更新、変更といった内容を含み得るものである。
また、本実施の形態における払出とは、遊技媒体として遊技球を払出すことを前提としているが、これに限られるものではなく、遊技媒体としてはメダル、クレジット、電子管理される遊技媒体個数、金額的に扱われる擬似媒体等の様々な媒体を払出すことが考慮される。
なお、本願の請求項に記載の「移動」とは、払出、貸出、リトライ制御、揚送等、遊技球移動手段によって遊技球の位置が移動するような場合を含む。したがって、本願発明は、前述した遊技球移動手段によって遊技球の位置が移動するような場合であれば、いずれの場合にも適用可能である。
また、「遊技球が移動する」とは、遊技球移動手段によって直接的に遊技球が押された場合や、牽引された場合、又は遊技球の係止が解除されることで遊技球が自由落下を開始する場合や、遊技球移動手段によって1球の遊技球を移動させた結果、間接的に1つ、又は複数の遊技球が移動した場合に想定される、間接的に遊技球が動いた場合を含む。
[応用例]
上記各実施の形態及び上記各種変形例では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機、ゲーミングマシン、封入式遊技機等の各種遊技機に適用することもできる。
(付記)
上述の特許文献1に記載の遊技機にあっては、ステッピングモータの冷却を考慮して遊技球の払出の管理を効率的に行うことに関して全く考慮されていない。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、駆動手段の十分な冷却期間を確保しつつも払出量の管理を効率的に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技球を蓄積可能な球供給通路(第1及び第2の球供給通路171A,171B)と、前記球供給通路内を通過した遊技球を払出通路(180)に移動可能な移動手段(第1及び第2のスプロケット173A,173B)と、前記移動手段を駆動する駆動手段(払出モータ174)と、前記駆動手段の駆動を制御する制御手段(払出CPU301)と、前記移動手段によって前記払出通路に移動された遊技球を検出する払出検出手段(第1及び第2の計数スイッチ181A,181B)と、所定の払出(貸出及び賞球)条件が成立したことを条件に前記移動手段を介して移動される遊技球の数である払出量を決定する払出量決定手段(主制御回路70及びカードユニット150)と、を備え、前記制御手段は、前記駆動手段を駆動させた後、前記駆動手段の駆動を一定期間(落下球監視時間)停止し、当該一定期間の間に前記払出検出手段による前記遊技球の検出に関する判定を行うものであって、前記一定期間は、前記移動手段の姿勢を保持するための保持期間(励磁データ保持期間)と前記駆動手段の冷却を行う冷却期間(冷却期間)とを少なくとも含み、前記保持期間中は、前記駆動手段に印加される電流が前記駆動手段の駆動時の電流に維持され、前記冷却期間中は、前記駆動手段に印加される電流が前記駆動手段の駆動時の電流よりも低い低電流状態に制御され、前記制御手段は、前記払出検出手段によって前記遊技球が検出されるまで、前記移動手段に1つの遊技球を移動させてから次の遊技球を移動させるために必要な払出駆動量(例えば、16ステップ)よりも少ない単位駆動量(例えば、4ステップ)ずつ前記駆動手段を駆動させるリトライ制御を実行可能であり、前記単位駆動量の前記駆動手段の駆動が行われた後にその駆動が停止される前記一定期間である第1期間(例えば、130ms)よりも、前記払出量に相当する前記駆動手段の駆動が行われた後にその駆動が停止される前記一定期間である第2期間(例えば、500ms)の方が長時間である構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、駆動手段の十分な冷却期間を確保しつつも払出量の管理を効率的に行うことができる。
また、本発明に係る遊技機は、駆動手段を駆動させた後の一定期間が移動手段の姿勢を保持するための保持期間と駆動手段の冷却期間とを少なくとも含むので、駆動手段が停止した後に移動手段の姿勢を保持することができ、例えばスプロケット等の移動手段が慣性力により過回転してしまうことを防止することができる。また、冷却期間を設けたことにより駆動手段を冷却することができる。