JP2017189004A - フラックススイッチングモータの駆動制御装置 - Google Patents

フラックススイッチングモータの駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大容量メモリや高性能な演算処理能力を必要とすることなく、フラックススイッチングモータの駆動を高精度に制御することのできる駆動制御装置を提供すること。【解決手段】フラックススイッチングモータのコントローラ300は、ステータの磁極の電機子巻線125と界磁巻線126とに、要求トルクTと、界磁極におけるインダクタンスLf0と、電機子巻線に供給する電機子電流値idと、界磁巻線に供給する界磁電流値ifと、を用いる関係式「T=Lf0×id×if」を満たすように、電機子電流値idと界磁電流値ifとを調整する。【選択図】図2

Description

本発明は、所望のトルクを出力するように巻線界磁型のフラックススイッチングモータの駆動を制御する駆動制御装置に関する。
ロータの表面に永久磁石を設けた表面磁石型の同期モータ(SPMSM:Surface Permanent Magnet Synchronous Motor)が知られている。その永久磁石をステータ側に配置し、鉄心のみのロータにすることにより表面磁石型の同期モータよりも堅牢性を向上させたフラックススイッチングモータが提案されている。
フラックススイッチングモータにおいては、小型化や高速回転化に伴う耐熱性を向上させるために、永久磁石にネオジウム磁石を採用すると、高価になってしまう。このため、その永久磁石を電磁石に置き換えて界磁調整可能にした巻線界磁型のフラックススイッチングモータが特許文献1に開示されている。
巻線界磁型のフラックススイッチングモータは、直流電流を供給されて磁極を直流励磁させる界磁巻線と、交流電流が供給されて磁極を交流励磁させる電機子巻線と、をステータに配置してそれぞれに電力供給することにより、ロータを回転駆動させるようになっている。
この巻線界磁型のフラックススイッチングモータは、ロータ側に永久磁石などを設置することなく、鉄心のみから構築することができ、高速回転に対する堅牢性を高くすることができる。
また、この巻線界磁型のフラックススイッチングモータは、界磁調整できることから、駆動条件に応じた各種マップを準備することにより、高品質な駆動制御を実行して回転駆動の最適化を図ることができる。
米国特許第6867561号公報
ここで、巻線界磁型のフラックススイッチングモータは、原理的に、リラクタンストルクの周波数(モータ回転周波数)と、電磁石トルクの周波数(モータ回転周波数の2倍)とで回転周波数が異なる。この巻線界磁型のフラックススイッチングモータは、電機子の励磁周波数が電磁石トルクに同期するようにモータ回転周波数の2倍とされているため、リラクタンストルクと非同期となって無効トルクしか存在しないことになる。
ところで、このような巻線界磁型のフラックススイッチングモータの駆動制御装置にあっては、表面磁石型の同期モータのdq軸モデルをベースとした制御モデルで駆動を制御している。
このため、この駆動制御装置では、dq軸インダクタンスと界磁電流やdq軸電流とを対応させたマップを作成してメモリ内に格納した上で、駆動制御時に適宜メモリ内からマップを読み出して最適な組み合わせを演算することによって、界磁巻線と電機子巻線とに電力供給してロータを回転駆動させている。
このように、各種条件毎のマップをメモリ内に格納するには、そのマップの準備に多大な手間が掛かる。また、そのマップを格納するには大容量のメモリが必要になる。さらに、そのマップを用いて演算処理するには、その処理負担が大きいことから、処理能力の大きな演算処理部(マイクロコンピュータ)が必要になる。
この結果、巻線界磁型のフラックススイッチングモータの駆動制御装置は、高コストになってしまう、という問題があった。
そこで、本発明は、大容量メモリや高性能な演算処理能力を必要とすることなく、フラックススイッチングモータの駆動を高精度に制御することのできる駆動制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する回転電機の駆動制御装置の発明の一態様は、複数の磁極を有するステータと、前記磁極に向かって対面するように形成されている複数の突極を有するロータと、を備えるフラックススイッチングモータの駆動制御装置であって、前記ステータの前記磁極には、電機子巻線と界磁巻線とが交互に配置され、前記ロータの前記突極は、間に非磁性領域を介在して周方向に配置されており、前記回転軸から出力させる要求トルクTと、界磁極におけるインダクタンスLf0と、前記電機子巻線に供給する電機子電流値idと、前記界磁巻線に供給する界磁電流値ifと、を用いる次の関係式「T=Lf0×id×if」を満たすように、電機子電流値idと界磁電流値ifとを調整する制御部を備えている。
このように本発明の一態様によれば、大容量メモリや高性能な演算処理能力を必要とすることなく、フラックススイッチングモータの駆動を高精度に制御することのできる駆動制御装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る駆動制御装置で駆動させるフラックススイッチングモータの一例を示す図であり、その全体構成を示す回転軸に直交する断面図である。 図2は、フラックススイッチングモータの電機子巻線と界磁巻線に電力供給する電源の回路図である。 図3は、フラックススイッチングモータのロータとステータとの間で形成される磁気回路を示す一部拡大概念モデル図である。 図4は、フラックススイッチングモータのロータとステータとが図3の状態から相対回転したときに形成される磁気回路を示す一部拡大概念モデル図である。 図5は、フラックススイッチングモータのロータとステータとの間で受け渡される磁束により形成される磁束密度分布を示す磁束線図である。 図6は、フラックススイッチングモータの電機子巻線と界磁巻線への電力供給時に発生するトルクを説明するグラフである。 図7は、フラックススイッチングモータの駆動制御を説明する関係ブロック図である。 図8は、図7の駆動制御で利用するマップの一例を示すグラフである。 図9は、フラックススイッチングモータの出力トルクを示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図9は本発明の一実施形態に係る駆動制御装置で駆動させるフラックススイッチングモータの一例を示す図である。
図1において、フラックススイッチングモータ100は、回転軸101を中心にして一体回転する円筒形状のロータ110と、このロータ110を回転自在に収容する概略円筒形状のステータ120と、を備えている。フラックススイッチングモータ100は、例えば、コストダウンや小型化と共に大出力を要求されるハイブリッド自動車や電気自動車に駆動源として好適に搭載される。
フラックススイッチングモータ100は、ステータ120側に配置する電機子巻線125および界磁巻線126に電力供給してロータ110側を経由する磁気回路を形成することにより電磁石トルクを発生させて回転駆動させるように構築されている。
ここで、フラックススイッチングモータは、モータ駆動用周波数の2倍の周波数で励磁させるため、リラクタンストルク、すなわち、d軸インダクタンスやq軸インダクタンスと同期させることができない。このことから、フラックススイッチングモータは、リラクタンストルクで駆動するのではなく、ステータ側から励磁させる直流磁界(静止磁界)を利用した電磁石(マグネット)トルクで駆動する。すなわち、フラックススイッチングモータは、永久磁石モータとして駆動する構造としては、SPM(表面磁石型)モータと同等の構造となっている。
ロータ110は、回転軸101を固定するハブ119と、ハブ119と一緒の同一部材に形成されて回転軸101の軸心から離隔する方向に延伸されている複数の突極111と、隣接する突極111間に嵌め込まれて保持されている複数のロータコア115と、を備えて構築されている。
このロータ110は、突極111とロータコア115が回転軸101を中心にするハブ119周りの10箇所に均等配置された10極の形態で作製されている。このロータ110は、その突極111とロータコア115の外周面側が滑らかに連続する円筒形状に外形を形成されて回転軸101と一体回転するようになっている。
ロータコア115は、例えば、磁性体の電磁鋼板を回転軸101の延長方向に積層して作製されている。突極111およびハブ119は、例えば、非磁性体のアルミ材料を切削加工または成型加工して、あるいは、アルミ板を回転軸101の延長方向に積層して一体形状に作製されている。
ステータ120は、ロータ110の外周面に向かう突極形状に延伸されており電機子巻線125と界磁巻線126とが配置された複数の磁極121を備えている。このステータ120は、例えば、ロータコア115と同様に、磁性体の電磁鋼板を回転軸101の延長方向に積層して作製されている。
磁極121は、円筒形状の外周面側のヨーク129と同一部材で形成されている。この磁極121は、ロータ110の突極111やロータコア115の外周面111a、115aに対して内周面側の端面121aが微小のギャップGを介して対面するように形成されている。この磁極121は、ヨーク129からロータ110の外周面側に向かって延伸されている突極形状に形成されて並列されている。
磁極121は、ヨーク129の内周面側の24箇所に均等配置されている。周方向に隣り合う磁極121間には、電機子巻線125や界磁巻線126として機能する巻線コイルを巻き付ける際に利用する24箇所のスロット122が形成されている。なお、ロータコア115は回転軸101周りの10極を構成している。周方向とは、回転軸101を中心とする円周方向をいう。
電機子巻線125と界磁巻線126とは、1つ置きの磁極121にそれぞれが位置するように、巻線コイルを集中巻きになるように巻き付けて設置されている。電機子巻線125と界磁巻線126とは、相対回転するロータ110のロータコア115に対して交互に対面するように構築されている。
電機子巻線125は、3相の交流電力が供給されて交流励磁されるようになっている。界磁巻線126は、直流電流が供給されて直流励磁されるようになっている。このため、ステータ120では、U相用電機子巻線125uと、V相用電機子巻線125vと、W相用電機子巻線125wと、が1つ置きの磁極121に順次に配置されて、それぞれの間の磁極121に界磁巻線126が位置するように配置されている。
これに対して、ロータ110は、回転軸101と直交する断面形状において、突極111の外周面111a側とハブ119側とが同一幅に形成されて、その突極111の側面111bのハブ119側に近接する箇所を突出させることにより、ハブ119側に近接する側面111b間を狭くする突出形状部112が側面111bに形成されている。
そして、ロータコア115には、突極111間の空間に一致する形状に形成されて、突極111の側面111bの突出形状部112を嵌め込み可能な窪み形状の受け形状部116が形成されている。
この結果、ロータコア115は、外周面115a側から回転軸101に向かって、突極111の側面111b間の幅が狭くなるのに合わせて、回転方向の厚さが徐々に薄くなる形状に形成されている。そして、ロータコア115は、受け形状部116の最深部116aを越えた箇所からハブ119側に至るまでは反対に徐々に厚くなる形状に形成することによりクサビとして機能するクサビ部117が設けられている。
この構造により、ロータ110は、ロータコア115を回転軸101の延長方向の一端側から突極111間の空間に差し込んでスライドさせ嵌め込むことにより、外周面111a、115aが滑らかに連続する円筒形状にすることができる。また、ロータ110は、回転時に突極111間から離脱させようとする遠心力がロータコア115に掛かったとしても、そのロータコア115のクサビ部117が突極111の突出形状部112の頂部112aまでの斜面112bに突き当たって保持されるように形成されている。
また、ロータコア115は、ステータ120側に開口する突極111間の開口幅に一致する外周面115aがステータ120の隣接する磁極121の2つに同時に対面することができる幅(厚さ)を有するように形成されている。このロータコア115は、外周面115aの外側のエッジ間の離隔間隔距離と、その外周面115aに対面する2つの磁極121の端面121aの外側のエッジ間の離隔間隔距離とが一致するように、回転軸101側よりも外周面115a側が厚く形成されている。
ここで、例えば、車両に搭載するフラックススイッチングモータ100の場合には、図2に示すように、車載されている直流バッテリ301にインバータ302とコンバータ303とがそれぞれに電力供給可能に並列接続されて、電機子巻線125および界磁巻線126に電力供給する電源として機能するようになっている。
具体的には、インバータ302には、U相用電機子巻線125uと、V相用電機子巻線125vと、W相用電機子巻線125wとがそれぞれ各相毎に直列接続されている。インバータ302は、直流バッテリ301に蓄電されている直流電力を、直流(DC)/交流(AC)変換した後、交流電力として電機子巻線125に供給するようになっている。これにより、電機子巻線125u、125v、125wのそれぞれが交流励磁されるようになっている。また、コンバータ303には、界磁巻線126が直列接続されている。コンバータ302は、直流バッテリ301の直流電力を、直流(DC)/直流(DC)変換して電圧調整をした後に界磁巻線126に供給するようになっている。これにより、界磁巻線126のそれぞれが直流励磁されるようになっている。
この構造により、フラックススイッチングモータ100は、ステータ120の電機子巻線125に交流電力が供給され、界磁巻線126に直流電力が供給されることにより、ロータ110を回転させることができる。
このとき、図3に示すように、ロータ110とステータ120との間には、電機子巻線125や界磁巻線126に発生した磁束(図中には直流励磁により発生させる直流磁束φdcを図示)が、1つの磁極121からロータコア115の外周面115a側から鎖交した後にその外周面115aから隣接する磁極121に鎖交してステータ120のヨーク129側を通って再度外周面115aに戻る磁気回路が形成される。
このため、フラックススイッチングモータ100は、図4に示すように、ステータ120に対してロータ110が相対回転した場合に、隣接する磁極121に磁束の通過する磁路を形成して磁気回路を維持することができる。
したがって、フラックススイッチングモータ100は、図5の磁束線図に示すように、トルク発生面Tとして図示する箇所において、ロータコア115内で磁束線FLが集中する磁束線密度に差を生じさせて回転力として機能する電磁石トルクを発生させることができる。このため、フラックススイッチングモータ100は、図6のグラフに示すように、その回転力として機能する電磁石トルクを途切れることなく発生させることができる。なお、図6に示すトルク波形において、電機子巻線125や界磁巻線126への電力供給のタイミング等が調整されることにより滑らかに連続する高品質な特性になっている。
ここで、フラックススイッチングモータ100は、図2に示すように、車載されているコントローラ(駆動制御装置)300が車両側から要求される駆動力である要求トルクを出力させるようにインバータ302やコンバータ303の駆動を制御することにより電機子巻線125や界磁巻線126に供給される電力が調整されるようになっている。このフラックススイッチングモータ100は、電機子巻線125に供給する電流調整として、交流モータの駆動制御のベクトル制御が実行される。また、界磁巻線126には、直流モータにおける電流調整が実行されて電流が供給される。
図7に示すように、交流モータのベクトル制御系310においては、電機子巻線125に通電(供給)する電流値id、iqを、コントローラ300から受け取る照合用の電流値Id、Iq(所謂、idref、iqref)と比較して、差分をできるだけ少なくするように調整する処理が繰り返されるようになっている。すなわち、コントローラ300は、フラックススイッチングモータ100が所望の要求トルクを出力するように、後述する制御処理により決定した供給目標の電流値id、iqを、照合用の電流値Id、Iqとしてベクトル制御系310に提供するようになっている。
このベクトル制御系310では、まず、第1の座標変換部312が電流センサ311u、311vの検出する電機子巻線125の検出電流値iu、ivを受け取って電流値iwを算出する。その上で、第1の座標変換部312は、3相の電流値iu、iv、iwから2相の固定座標の電流値iα、iβに変換(クラーク変換)した後に、さらに回転座標の通電電流値id、iqに変換(パーク変換)する。なお、電機子巻線125の電流値iwは、通電電流値iu、ivと120度の位相がずれていることから、その2つのセンサ情報から演算して取得することができる。
次いで、ベクトル制御系310では、PI(Proportional Integral)制御部313がその通電電流値id、iqを受け取って照合電流値Id、Iqに一致させるように、所謂、PI制御を実行して補正用の電圧値Vd、Vqを第2の座標変換部314に出力する。
次いで、ベクトル制御系310では、第2の座標変換部314がその補正用の電圧値Vd、Vqを受け取って、回転座標から固定座標に逆座標変換して補正値Vα、Vβを算出した後に、2相電圧から3相電圧に変換する、所謂、空間ベクトル変換を行って3相の入力信号vu、vv、vwを算出する。この後に、ベクトル制御系310では、その入力信号vu、vv、vwをインバータ302に入力して、直流バッテリ301から電機子巻線125のそれぞれに駆動電圧値Vu、Vv、Vwを印加することによって、調整した電流値id、iqの通電処理を実行する。
このように、ベクトル制御系310では、照合電流値Id、Iqに一致させる方向に調整した駆動電流値id、iqを電機子巻線125に通電するベクトル制御を繰り返すようになっている。
このとき、ベクトル制御系310では、固定座標の電流値iα、iβを回転座標の通電電流値id、iqに変換する際に、ロータ110の回転角θeが必要である。このことから、ベクトル制御系310では、回転角算出部315がロータ110の回転角速度ωeを回転センサ(例えば、レゾルバ)316により検出して、回転角θeを算出して第1の座標変換部312や第2の座標変換部314に入力するようになっている。このロータ110の回転角θeは、インバータ302にも入力されて電機子巻線125への電力供給の制御処理に利用される。また、ロータ110の回転角速度ωeは、PI制御部313に入力されて通電電流値id、iqを照合電流値Id、Iqに一致させるように補正用電圧値Vd、Vqを算出するPI制御に利用される。
また、PI制御部313では、入力される2相の通電電流値id、iqから2相の補正用電圧値Vd、Vqを出力する際に、その2相の補正用の電圧値Vd、Vqを回転座標から固定座標に戻して出力するように逆変換(逆パーク変換)をロータ110の回転角θeを用いて行うようになっている。
ところで、本実施形態のベクトル制御系310は、フラックススイッチングモータ100に設置されている界磁巻線126に、直流バッテリ301からコンバータ303を介して直流(DC)/直流(DC)変換して電圧調整をした直流電流値ifを通電して界磁巻線126を直流励磁させる機能を備えている。
このことから、ベクトル制御系310では、直流バッテリ301からコンバータ303を介して界磁巻線126に通電することにより直流励磁させてロータ110の回転制御を実行するのに加えて、界磁巻線126への通電により弱め界磁制御も実行するようになっている。
このベクトル制御系310における弱め界磁制御は、第1の座標変換部312から通電電流値id、iqを受け取る電圧推定部321によって、電圧に余裕がない基底回転数以上での高速回転時に弱め界磁制御部322に指令が送られることで実行されるようになっている。この弱め界磁制御部322は、線間電圧を直流バス電圧に抑えるために、コンバータ303前段のスイッチ323の入切を制御して、銅損が最小になるように、電流位相角を進角させる、すなわち、指令値iqを増やしていく弱め界磁制御を行うようになっている。なお、この弱め界磁制御としては、界磁電流指令値ifを減少させることで界磁調整を行うようにしてもよい。
そして、コントローラ300のメモリ300m内には、各種制御プログラムや各種制御マップや各種パラメータなどが予め格納されている。コントローラ300は、車両の走行時に伴うフラックススイッチングモータ100への駆動命令に基づいてメモリ300m内の制御プログラムを実行することによって、ベクトル制御系310に照合用の電流値Id、Iqと界磁用の電流値ifとを出力して、フラックススイッチングモータ100から所望の走行トルクを出力させるようになっている。
このとき、コントローラ300は、電機子巻線125や界磁巻線126への最適な電力供給を実現する制御プログラムを実行するようになっている。コントローラ300は、後述するように、メモリ300m内に予め格納されている必要最低限の制御マップを用いて演算処理を行うことにより、ベクトル制御系310において、電機子巻線125に駆動電流値id、iqを通電させ、また、界磁巻線126に界磁電流値ifを通電させる上述の電流調整制御処理を実行させるようになっている。
具体的には、コントローラ300は、メモリ300m内に、界磁極におけるインダクタンスLf0を取得するために必要な最低限の図8に示すマップと、後述する演算式と、が予め格納されて、制御部として機能するように構築されている。なお、以下の制御処理では、駆動電流値iq(参照用電流値Iq)はゼロとする場合を一例として説明する。本実施形態において、上述した「界磁極」は、ロータ110の突極111である。
メモリ300m内の界磁極におけるインダクタンスLf0は、鎖交する交流磁束と直流磁束とによって発生するインダクタンスの直流成分の平均値であり、図8に示すように、電機子巻線125に供給する駆動電流値(電機子電流)idと、界磁巻線126に供給する界磁電流値(界磁電流)ifとをパラメータとして相対的に変化するものとしてマップ化されている。このため、インダクタンスLf0は、図8のマップを用いて駆動電流値idと界磁電流値ifとを変化させて決定することができる。なお、図8のマップでは、インダクタンスLf0が界磁電流値ifと反比例する曲線を、駆動電流値idの幾つかの代表値毎に準備しているが、これに限るものではなく、3次元マップとして準備してもよい。
メモリ300m内には、フラックススイッチングモータ100のロータ110を回転させて回転軸101から出力させる要求トルクTと、図8のマップから取得する界磁極におけるインダクタンスLf0と、電機子巻線125に供給する駆動電流値idと、界磁巻線126に供給する界磁電流値ifと、を用いる次の関係演算式(1)が格納されている。
T=Lf0×id×if ・・・(1)
このコントローラ300は、メモリ300m内の関係演算式(1)と図8のマップとを用いて、エネルギ損失の少ない要求トルクTとなるように、駆動電流値idと界磁電流値ifとを組み合わせて調整する演算処理を繰り返し行うことにより、最適な駆動電流値idと界磁電流値ifとを取得するようになっている。
これにより、コントローラ300は、決定した駆動電流値idと界磁電流値ifとをベクトル制御系310に照合用電流値Id、Ifとして入力することにより、電機子巻線125と界磁巻線126とに通電する制御処理を簡易に実行して、回転軸101を所望の要求トルクTで回転させることができる。
このとき、コントローラ300は、電機子巻線125の抵抗値Raと、界磁巻線126の抵抗値Rfと、駆動電流値idあるいは界磁電流値ifの2乗とから、それぞれの界磁銅損や電機子銅損を全ての組み合わせパターンで算出するようになっている。このコントローラ300は、その組み合わせパターンのうちから、銅損が最小となって効率最大となる駆動電流値idと界磁電流値ifとを決定し、この条件でのインダクタンスLf0で要求トルクTを出力させる制御処理を実行するようになっている。
ここで、コントローラ300が制御処理で利用する上記の関係演算式(1)は、図9にA(アンペア)・T(ターン)毎の出力トルク特性を図示するように、電流位相角0degで最大トルクを得ることができ、また、余弦関数を示す波形であることを示していることから妥当であることが分かる。
したがって、コントローラ300は、簡易かつ負荷の少ない制御処理を実行することにより、エネルギ損失を少なく、フラックススイッチングモータ100を高精度に駆動制御することができる。
このように、本実施形態のコントローラ300は、メモリ300mを大容量化する必要なく、また、高性能な処理能力を必要とすることなく、駆動制御に対する応答性を飛躍的に向上させて、フラックススイッチングモータ100を所望の要求トルクで回転させることができる。
ここで、本実施形態の他の態様としては、巻線コイルを分布巻きするフラックススイッチングモータにも適用することができ、同様の作用効果を得ることができる。また、三相の交流電流を供給するタイプに限定されることはなく、単相あるいは三相以上のフラックススイッチングモータに適用しても、同様の作用効果を得ることができる。さらに、ステータ側やロータ側の極数が限定されるものではなく、例えば、特許文献1に記載のように、ロータ側において、直径方向に延長されている2つの突極形状を備える構造のフラックススイッチングモータに適用しても、同様の作用効果を得ることができる。直径方向とは、回転軸101が延伸する方向と直交する方向をいう。
また、フラックススイッチングモータ100は、車載用に限定されるものではなく、例えば、風力発電や、工作機械などの駆動源として好適に採用することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
100 フラックススイッチングモータ
101 回転軸
110 ロータ
111 突極
112 突出形状部
115 ロータコア
116 受け形状部
117 クサビ部
120 ステータ
121 磁極
125 電機子巻線
126 界磁巻線
300 コントローラ
300m メモリ
301 直流バッテリ
302 インバータ
303 コンバータ
310 ベクトル制御系
G ギャップ

Claims (2)

  1. 複数の磁極を有するステータと、前記磁極に向かって対面するように形成されている複数の突極を有するロータと、を備えるフラックススイッチングモータの駆動制御装置であって、
    前記ステータの前記磁極には、電機子巻線と界磁巻線とが交互に配置され、
    前記ロータの前記突極は、間に非磁性領域を介在して周方向に配置されており、
    前記回転軸から出力させる要求トルクTと、界磁極におけるインダクタンスLf0と、前記電機子巻線に供給する電機子電流値idと、前記界磁巻線に供給する界磁電流値ifと、を用いる次の関係式
    T=Lf0×id×if
    を満たすように、電機子電流値idと界磁電流値ifとを調整する制御部を備える、フラックススイッチングモータの駆動制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記インダクタンスLf0を鎖交する交流磁束と直流磁束とによって発生するインダクタンスの直流成分の平均値としたとき、当該インダクタンスLf0と前記電機子電流値idと前記界磁電流値ifとが相対的に変化する関係を示すメモリ内のマップを用いてエネルギ損失の少ない条件を導出し、電機子電流値idと界磁電流値ifとを調整する、請求項1に記載のフラックススイッチングモータの駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021078285A (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置

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