JP2017185296A - 位置決めマーカ - Google Patents

Abstract

【課題】組織の中に挿入されることを意図される位置決めマーカを提供する。
【解決手段】マーカは、長手方向軸Ａおよび当該長手方向軸に垂直な直径を有する細長い物体であり、直径は大きくても１．２ｍｍである。マーカはさらに、予め定められた全長Ｌ_TOTを有する。マーカは複数の第１のセグメント１および複数の第２のセグメント２を備え、第１および第２のセグメントは互いに交互に配置される。マーカは、密度が少なくとも１０ｇ／ｃｍ³であり、かつマーカの少なくとも９０体積％を構成する第１の材料と、磁性であり、かつ多くてもマーカの１０体積％を構成する第２の材料とを備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、独立請求項のプリアンブルに従う、組織の中に挿入されることを意図される位置決めマーカに関する。

背景
癌腫瘍を治療する際、医師は、たとえば薬の用量をどの程度にすべきかまたは放射線療法をどの程度含むべきかを計画することにより、治療を準備している。放射線療法の計画の根拠は、たとえば、コンピュータＸ線断層撮影画像を用いることによって行なわれる。これらの画像は今日、全方向への腫瘍の広がりをより確実に判断するために、磁気カメラ画像（磁気カメラは通常ＭＲＩ＝磁気共鳴映像法と称される）およびＰＥＴカメラ（ＰＥＴ＝陽電子放射断層撮影）からの画像などの他の媒体からの画像と組合されることがより多くなっている。

正常な健常組織に対する副作用を最小限にするため、通常は放射線量が繰返し与えられる。これらの治療時には、腫瘍区域を見失わないように、予め定められたパラメータに従って体および腫瘍区域を注意深く再位置決めすることが重要である。

通常用いる４−２０メガボルト（ＭＶ）の高エネルギ療法ビームを用いる場合の骨格の位置を制御するため、長年に亘って電子画像付与プレートを用いてきた。近年、放射線量を生じるビーム加速器には、キロボルト範囲（ｋＶ）のＸ線を結果的に生じる補完的な機器が備えられている。ｋＶ範囲のこれらのビームは、高エネルギＭＶビームとは差別化される性質を有する。ｋＶ範囲のビームは、それを妨げる質量によってだけではなく、ビームが通過する材料の密度に関する減速力によっても減速され、減速力は、密度が高くなるほどほぼ指数関数的に大きくなる。

位置決めマーカは、ヒトまたは動物の組織中の腫瘍の場所を示すために用いられる。これらのマーカはＸ線を大きく減速させるため、異なる媒体からの結果が示されるモニタ上でマーカが見えるようになる。金は１９．３ｇ／ｃｍ³という高密度を有し、これにより
、ビームの減速物質として金が有利に用いられるようになる。純金は軟らかくもあり、成形が可能であり、これは不活性材料であるために体によって許容される。金の量は限られていることがあり、そのため物質は細いワイヤとなり、このことは、マーカが細い針によって体内に挿入され得ることも意味する。これにより、出血および感染の危険性が最小化される。そのような金のマーカは、たとえば、ＷＯ２００６／００４５４２Ａ１によって公知である。

直径が６０ｃｍまでである体を通過するＸ線は、組織の異なる部分で異なる程度に減速されたビームにより、モニタ上に画像を与える。組織中の約０．２５−１．２ｍｍの小さな位置決めマーカが画像に影響を及ぼし得る場合、マーカに当るＸ線は、コントラスト差が画像の中で与えている程度にＸ線を減速させなければならない。

ヒトまたは動物の組織の中に入れられるマーカは、その寿命全体において主に同じ場所に安置している。このように、マーカは機械的な損傷を引き起こさない、またはアレルギーもしくは他の不健康な状態を生じさせないことが極めて重要である。マーカは、マーカがＭＲ検査で明確に示されるように、十分なサイズを有しかつ適切な密度を有しなければならない。

発明者は、金の位置決めマーカを用いる場合の、腫瘍の広がりを判断するのに用いられるすべての媒体からそれらをモニタ上で見えるようにする困難さに関連の必要性を同定した。コンピュータＸ線断層撮影および磁気カメラからの画像を適切なやり方で重ね得ることを容易にするように、磁気カメラを用いる場合は位置決めマーカも見えることが望ましいであろう。一例として、金の小さな位置決めマーカは磁気カメラ画像では見えない。

このように、本発明の目的は、照射治療計画を最適化するために、用いる媒体の大部分についてモニタ上で見られる位置決めマーカを達成することである。さらに、マーカは、体が許容する、かつマーカが挿入される人体の中で機械的損傷を生じないという要求を満たす。

概要
本発明の目的は、以上概略を述べた課題に対処することである。これらの目的および他のものは、添付の独立請求項に従う発明によって達成される。

好ましい実施形態を従属請求項に規定する。
第１の局面に従うと、発明は、組織の中に挿入されることを意図される位置決めマーカに関する。マーカは、長手方向軸を有し、かつ大きくても１．２ｍｍの直径を有する細長い物体である。マーカは、予め定められた全長をさらに有する。マーカは複数の第１のセグメントおよび複数の第２のセグメントを備え、第１および第２のセグメントは互いに交互に配置される。マーカは、密度が少なくとも１０ｇ／ｃｍ³であり、かつマーカの少な
くとも９０体積％を構成する第１の材料と、磁性であり、かつマーカの多くても１０体積％を構成する第２の材料とを備える。

添付の図面を参照して本発明をここでより詳細に説明する。

発明に従う位置決めマーカの一部の側面図である。 引き伸ばした位置のマーカ全体を示す図である。

詳細な説明
以下の説明では、ある実施形態および添付の図面を参照してより詳細に発明を記載する。限定ではなく説明の目的のため、本発明の完全な理解を与えるために特定のシナリオ、技術などの具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、本発明をこれらの具体的な詳細から離れる他の実施形態で実践してもよいことが明らかである。

ＭＲ検査を行なう際にマーカをモニタで見られるようにするために、マーカの中またはマーカの上に磁性材料が必要である。ＭＲカメラ中の強い磁場の中でマーカが動かないように、そのような材料の量を注意深く適合しなければならない。マーカを入れられた患者は、生きている間は何度も磁気カメラ検査を受ける必要があり得る。

図１は、発明に従う位置決めマーカの一部の側面図を示す。位置決めマーカは、複数のより厚い部分である第１のセグメント１と、２つのより厚い部分を互いに接続する複数のより薄い部分である第２のセグメント２とを含む。位置決めマーカは、図２に見られ得る、約１０−３０ｍｍの全長Ｌ_TOTを有する。マーカの全長はより短くてもまたはより長く
てもよい。好ましい長さは２０ｍｍである。第１のセグメント１と第２のセグメント２との間の幅の関係は通常約６：１である。一例として、第１のセグメント１は、０．１５−０．３ｍｍの間の幅Ｂ₁を有し、第２のセグメント２は、０．０２５−０．０５ｍｍの間
の幅Ｂ₂を有する。好ましい実施形態では、Ｂ₁は０．２８ｍｍであり、Ｂ₂は０．０５で
ある。別の好ましい実施形態では、Ｂ₁は０．２０ｍｍであり、Ｂ₂は０．０３ｍｍである。さらに、第１のセグメント１は、たとえば、約２ｍｍである長さＬを有し、第２のセグメント２は、たとえば、約１ｍｍである長さＬ₂を有する。

第１および第２のセグメントの幅Ｂ₁およびＢ₂は、第１および第２のセグメント１および２が円形の断面または楕円形の断面を有するように直径を構成してもよい。セグメントは、互いの後ろに配置される、特定された幅Ｂ₁およびＢ₂を有する平らな板であってもよい。

位置決めマーカは組織の中に挿入されることを意図され、次にその中でマーカは、異なる媒体の結果である画像上で見られることが意図される。マーカは、大きくても１．２ｍｍの直径および予め定められた全長Ｌ_TOTを有する細長い要素である。マーカは複数の第
１のセグメント１および複数の第２のセグメント２を備え、第１および第２のセグメントは互いに交互に配置される。マーカは、密度が少なくとも１０ｇ／ｃｍ³で、かつマーカ
の少なくとも９０体積％を構成する第１の材料と、磁性であり、かつ多くてもマーカの１０体積％を構成する第２の材料とを備える。

第１の材料は好ましくは金である。また、第２の材料は好ましくは鉄である。好ましくは、マーカ中の第２の材料の含有量はマーカの体積の０．５体積％である。第２の材料の含有量は、たとえば０．０１体積％または０．１もしくは０．３体積％など、０をわずかに上回るなど、より小さくてもよい。さらなる実施形態では、マーカ中の第２の材料の含有量は、マーカの体積の１、２、２．５、５、または７体積％である。

マーカの予め定められた全長Ｌ_TOTは約５〜３０ｍｍである。好ましくは、マーカの全
長は２０ｍｍである。

人体は少量の鉄を備える。純金中の１０体積％までの鉄の合金または造粒混合物（granulation mixture）は、ＭＲカメラを用いる際にマーカが見えるようにする。このように、Ｘ線で見えるようにするためには、マーカは、大部分が高密度の物質または材料を含有する必要がある。組織に晒されるマーカの鉄の量は、子供および大人の両方にとっての１日当たりの鉄の毎日の推奨される摂取に関して、無視できる程度である。また、磁鉄鉱、ガドリニウム、ジスプロシウム、または強磁性材料を構成する異なる物質の合金などの、体が許容する他の強磁性材料も用いてもよい。

発明の代替的な実施形態では、鉄または強磁性材料の代わりに、常磁性材料を用いる。常磁性材料の例は、マグネシウム、モリブデン、リチウム、およびタンタルである。

鉄または別の強磁性材料または常磁性材料は、金と混合されるかまたは合金化される。このように、マーカ中の強磁性材料の量は、体が許容するためには低くなければならず、磁気カメラ中の強い磁場により組織の中でマーカが動かないためにも低くなければならない。

マーカを組織に挿入する場合、好適には中空の針を用いる。腫瘍が場所特定されるまたは場所特定された組織の一部で、マーカは針から押出され、第１および第２のセグメントの硬い球体に絡められる。好ましくは、マーカは、いわゆるマンドリン線によって針から押出される。針の内径は、マーカの大きい方の直径、すなわち第１のセグメントの幅Ｂ₁
に適合されもよい。針の内径は、針の内部でマーカを二つ折りまたは三つ折りで配置可能であるように、幅Ｂ₁よりも大きくてもよい。針の内径は、幅Ｂ₁が０．２０ｍｍであるマーカを用いる場合は０．４４ｍｍであってもよく、これによりマーカを二つ折りで配置し得る。マーカが針の中で動けなくならないように、体と適合性のある潤滑剤、たとえばインプラント用に認可された特別なシリコ−ン、を用いてもよい。

金に混合される鉄の割合は、以上に従う機能的要求が妨げられる程度ではないが、所与の領域付近で異なってもよい、。鉄と金との混合物は、外科手術またはＰＥＴカメラ検査下での検出のために、たとえば放射性物質などの病原性でない他の物質を備えてもよい。

金について以上言及したことは、たとえば、白金、銀、または密度が少なくとも１０ｇ／ｃｍ³である適切な材料の合金などの、密度が高く、体が許容可能な他の物質と交換さ
れてもよい。

マーカは好ましくは、適切な直径、すなわち、第２のセグメント２の幅Ｂ₂を構成する
直径、を有する金のワイヤを用いることによって製造される。この金のワイヤから後で第１のセグメント１を作り出すために、一部をパンチングしてもよい。

さらに、以上言及しかつ記載した実施形態は例としてのみ与えられ、本発明に限定されるべきではない。当業者には、添付の特許請求項で請求するような発明の範囲内の他の解決策、用途、目的、および機能が明らかであるべきである。

Claims (8)

1. 組織の中に挿入されることを意図される位置決めマーカであって、マーカは長手方向軸（Ａ）および前記長手方向軸に垂直な直径を有する細長い物体であり、直径は大きくても１．２ｍｍであり、マーカは予め定められた全長（Ｌ_TOT）を有し、
   マーカは複数の第１のセグメント（１）および複数の第２のセグメント（２）を備え、第１および第２のセグメントは互いに交互に配置され、
   マーカは、密度が少なくとも１０ｇ／ｃｍ³である第１の材料を備え、この材料はマー
   カの少なくとも９０体積％を構成し、
   マーカは、磁性であり、かつマーカの多くとも１０体積％を構成する第２の材料を備えることを特徴とする、位置決めマーカ。
2. 第１の材料は金であることを特徴とする、請求項１に記載の位置決めマーカ。
3. 第２の材料は鉄であることを特徴とする、請求項１または２に記載の位置決めマーカ。
4. マーカ中の第２の材料の含有量はマーカの０．５体積％を構成することを特徴とする、請求項１から３のいずれかに記載の位置決めマーカ。
5. 予め定められた全長（Ｌ_TOT）は５〜３０ｍｍの間であることを特徴とする、請求項１
   から４のいずれかに記載の位置決めマーカ。
6. 予め定められた全長（Ｌ_TOT）は好ましくは２０ｍｍであることを特徴とする、請求項
   １から５のいずれかに記載の位置決めマーカ。
7. 第１のセグメント（１）は第２のセグメント（２）よりも幅が大きく、第１のセグメント（１）は第１の幅（Ｂ₁）を有し、第２のセグメント（２）は第２の幅（Ｂ₂）を有し、Ｂ₁とＢ₂との間の関係は６：１であることを特徴とする、請求項１から６のいずれかに記載の位置決めマーカ。
8. 第１のセグメント（１）は０．３ｍｍの幅（Ｂ₁）を有し、第２のセグメント（２）は
   ０．０５ｍｍの幅（Ｂ₂）を有することを特徴とする、請求項１から７のいずれかに記載
   の位置決めマーカ。

Images