JP2017185024A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡において小型化、コスト低減を図る。【解決手段】内視鏡は、挿入部の先端部15に、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、被写体からの入射光を撮像面41に結像するレンズ93と、レンズ93と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、を有し、レンズ93は、外形形状が四隅の直角な四角形に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有する単一レンズにより構成され、撮像素子33は、外形状が正方形であり、辺の長さがレンズ93の最も長い辺よりも長いか又は同一で構成され、レンズの撮像側において、凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面部を持つ中央部の光学素子部と、端面が平面の接着面を有する周縁部のコバ部とが一体的に形成されている。【選択図】図24

Description

本発明は、内視鏡に関する。
従来、医療分野又は工業分野において、患者の体内、機器、又は構造物の内部を撮像するための内視鏡が普及している。この種の内視鏡では、観察対象の内部に挿入される挿入部において、撮像部位からの光を対物レンズ系によってイメージセンサの受光面に結像させる。内視鏡は、その結像光を電気信号に変換し、信号ケーブルを介して外部の画像処理装置等に映像信号として送信する。
例えば医療分野において用いられる内視鏡では、被施術者の負担を軽減するために、被施術者の体内等に挿入される先端側の挿入部の外径において更なる細径化が重要となっている。従来、通常径の経口内視は、最大外径が8〜9mm程度であった。このため、挿入時に舌根部に触れやすく、被施術者に吐き気や息苦しさを伴う場合があった。そこで、近年、細径経鼻内視鏡が急速に普及している。細径経鼻内視鏡は、最大外径が従来の経口内視鏡の約半分の5〜6mm程度である。このため、細径経鼻内視鏡は、経鼻挿入が可能となり、5mm程度と細いことも相俟って、嘔吐反射が少なく、挿入もあまり気にならないことが多い。
例えば、図31に示す特許文献1の電子内視鏡システム501は、内視鏡503と、光源装置505と、ビデオプロセッサ507と、モニタ509とから主に構成されている。内視鏡503は、長尺で細長な挿入部511と、操作部513と、電気ケーブルであるユニバーサルケーブル515とを有して構成されている。内視鏡503の挿入部511は、被施術者に挿入される先端側から順に先端部517と、湾曲部519と、可撓管部521とを有して構成されている。操作部513は、操作部本体523と、挿入部511に各種処置具を挿通する処置具チャンネル挿通部525とを有して構成されている。操作部本体523には、湾曲部519を湾曲操作するための湾曲操作ノブ527が配設される。湾曲操作ノブ527は、湾曲部519を上下方向に湾曲操作するためのUD湾曲操作ノブ529と、湾曲部519を左右方向に湾曲操作するためのRL湾曲操作ノブ531とからなる。
また、図32に示す特許文献2の内視鏡533は、先端部に外筒535を備える。外筒535には、充填された遮光性材料537によって覆われた撮像機構539が設けられる。撮像機構539は、一方の表面に受光部541を有する撮像素子543と、撮像素子543の受光部541が設けられる表面を覆うカバー部材545と、撮像素子543の受光部541に光学的に結合したレンズユニット547と、フレキシブルプリント配線板549とを備える。レンズユニット547は、対物側から対物カバー部材551、絞り553、平凸レンズ555、平凸レンズ557と、これらを固定した鏡筒559とを有する。平凸レンズ557とカバー部材545との間は、接着剤561で固定される。
国際公開第2013/031276号 国際公開第2013/146091号
ところで、内視鏡は、外径の更なる小型化(例えば、特許文献1の先端側又は特許文献2の対物側である挿入部の外径の細径化)が求められている。これは、上記した既存の細径経鼻内視鏡ではなく、既存の細径経鼻内視鏡では被施術者の体内に挿入が困難な部位(例えば血管のような非常に径が細い管や孔)に挿入してその内部の詳細を観察したいという医学的要請に基づく。
しかしながら、特許文献1に開示される内視鏡503は、同文献の図1に示されている外観、及び適用例の記載(例えば生体の上部又は下部の消化器官に挿入するため挿入部511が可撓性のある所謂軟性鏡)から、主に人体の消化管に挿入されるものであると推察される。このため、例えば人体の血管のような非常に径が細い管や孔に挿入してその内部を観察することが困難である。
また、特許文献2に開示される内視鏡533では、撮像機構539において、鏡筒559の外径よりも撮像素子543及びフレキシブルプリント配線板549が半径方向において大きくなっている。これに加え、内視鏡533は、これらの部材からなる撮像機構539を外筒535に収容し、外筒535に充填した遮光性材料537によって撮像機構539を覆う構成となっている。このため、鏡筒559より半径方向の外側にはみ出す撮像素子543及びフレキシブルプリント配線板549の距離、及び外筒535の厚みが、小型化には不利な構造となっている。また、外筒535を必要とするため、部品点数が多くなり、コストも増大する。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、内視鏡において、小型化(例えば先端側の挿入部位における外径の細径化)、及びコスト低減を図ることができる内視鏡を提供することにある。
本発明は、光軸に対して垂直方向の外形状が四角形の単一レンズと、前記光軸と垂直な方向の外形状が正方形であり、その一辺の長さが前記単一レンズの最も長い辺よりも長いか又は同一である撮像素子と、前記撮像素子の撮像面を覆い、前記光軸に対して垂直方向の外形状が前記撮像素子の外形状と同一の素子カバーガラスと、を有し、前記撮像面の中心に前記単一レンズの光軸を一致させた前記単一レンズと前記素子カバーガラスとが接着用樹脂により固定され、前記単一レンズは、角柱状に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有するレンズにより構成され、前記単一レンズの中央部は、前記撮像側において、前記凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面を有し、前記単一レンズの周縁部は、端面が平面であり、かつ前記端面の全域において前記素子カバーガラスとの接着面を有する、内視鏡を提供する。
また、本発明は、光軸に対して垂直方向の外形状が対向する長辺と短辺とが交互に並ぶ八角形の単一レンズと、前記光軸と垂直な方向の外形状が正方形であり、その一辺の長さが前記単一レンズの対向する一対の長辺間の距離と同一である撮像素子と、前記撮像素子の撮像面を覆い、前記光軸に対して垂直方向の外形状が前記撮像素子の外形状と同一の素子カバーガラスと、を有し、前記撮像面の中心に前記単一レンズの光軸を一致させた前記単一レンズと前記素子カバーガラスとが接着用樹脂により固定され、前記単一レンズは、八角柱状に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有するレンズにより構成され、前記単一レンズの中央部は、前記撮像側において、前記凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面を有し、前記単一レンズの周縁部は、端面が平面であり、かつ前記端面の全域において前記素子カバーガラスとの接着面を有する、内視鏡を提供する。
本発明によれば、内視鏡において小型化、コスト低減を図ることができる。
本実施形態の内視鏡を用いた内視鏡システムの一例を示す全体構成図 本実施形態の内視鏡の先端部を前側から見た様子を示す斜視図 本実施形態の内視鏡の先端部の構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ及び撮像素子が接着用樹脂を介して直付けされた状態の構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡の導体接続部に伝送ケーブルが接続された撮像素子を後側から見た様子を示す斜視図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡のレンズにおける素子カバーガラスとの接着面の構成例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるシースが先端まで延びた側断面図 本実施形態の内視鏡におけるレンズが四角形で撮像面が正方形の例を示す斜視図 図24の側面図 本実施形態の内視鏡におけるレンズが長方形で撮像素子が正方形の例を示す斜視図 本実施形態の内視鏡における図26に示した長方形のレンズの斜視図 本実施形態の内視鏡における図26に示した長方形のレンズの正面図 本実施形態の内視鏡におけるレンズが八角形で撮像素子が正方形の例を示す斜視図 図29の側面図 従来例の内視鏡を備える電子内視鏡システムの全体構成図 従来の内視鏡端部構造の一例を示す部分断面図
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係る内視鏡を具体的に開示した実施形態(以下、本実施形態という)を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
先ず、最初に本実施形態の内視鏡に共通する基本構成例について説明する。なお、構成例とは本発明に係る内視鏡が備えることのできる構成要件である。本発明に係る内視鏡は、以下の各構成例を相互に重複して備えることを排除しない。
<基本構成例>
図1は、本実施形態の内視鏡を用いた内視鏡システムの一例を示す全体構成図である。
図1では、内視鏡11及びビデオプロセッサ19を含む内視鏡システム13の全体構成を斜視図にて示している。
なお、本明細書において説明に用いる方向については、各図中の方向の記載に従うとする。ここで、「上」、「下」は、水平面に置かれたビデオプロセッサ19の上と下にそれぞれ対応し、「前(先)」、「後」は、内視鏡本体(以降「内視鏡11」という)の挿入部21の先端側とプラグ部23の基端側(言い換えると、ビデオプロセッサ19側)にそれぞれ対応する。
図1に示すように、内視鏡システム13は、例えば医療用の軟性鏡である内視鏡11と、観察対象(例えば人体の血管)の内部を撮影して得られた静止画又は動画に対して周知の画像処理等を行うビデオプロセッサ19と含む構成である。内視鏡11は、略前後方向に延在し、観察対象の内部に挿入される挿入部21と、挿入部21の後部が接続されるプラグ部23とを備える。
ビデオプロセッサ19は、前壁25に開口するソケット部27を有している。ソケット部27には内視鏡11のプラグ部23の後部が挿入され、これにより、内視鏡11はビデオプロセッサ19との間で電力及び各種信号(映像信号、制御信号など)の送受が可能である。
上述した電力及び各種信号は、軟性部29の内部に挿通された伝送ケーブル31(図3又は図4参照)を介してプラグ部23から軟性部29に導かれる。先端部15に設けられた撮像素子33が出力した画像データは、伝送ケーブル31を介してプラグ部23からビデオプロセッサ19に伝送される。ビデオプロセッサ19は、プラグ部23から伝送された画像データに対して色補正、階調補正等の周知の画像処理を施して、画像処理後の画像データを表示装置(不図示)に出力する。表示装置は、例えば液晶表示パネル等の表示デバイスを有するモニタ装置であり、内視鏡11によって撮像された被写体の画像(例えば被写体である人物の血管内の様子を示す画像データ)を表示する。
挿入部21は、プラグ部23に後端が接続された可撓性の軟性部29と、軟性部29の先端に連なる先端部15とを有している。軟性部29は各種の内視鏡検査、内視鏡手術等の方式に対応する適切な長さを有する。軟性部29は、例えば螺旋状に巻回された金属薄板の外周にネットを被せ、更に、その外周に被覆を被せることにより構成され、十分な可撓性を有するように形成される。軟性部29は、先端部15とプラグ部23との間を接続する。
以下説明する実施形態の内視鏡11は、挿入部21が細径で形成されることにより、細径の体腔への挿入が可能となる。細径の体腔は、人体の血管に限定されず、例えば尿管、すい管、胆管、細気管支等が含まれる。つまり、内視鏡11は、人体の血管、尿管、すい管、胆管、細気管支等への挿入を可能とすることができる。言い換えると、内視鏡11は、血管内の病変の観察に用いることができる。内視鏡11は、動脈硬化性プラークの同定において有効となる。また、心臓カテーテル検査時の内視鏡による観察にも適用可能となる。更に、内視鏡11は、血栓や動脈硬化性の黄色プラークの検出にも有効となる。なお、動脈硬化病変では、色調(白色、淡黄色、黄色)や、表面(平滑、不整)が観察される。血栓では、色調(赤色、白色、暗赤色、黄色、褐色、混色)が観察される。
また、内視鏡11は、腎盂・尿管がんや、特発性腎出血の診断・治療に用いることができる。この場合、内視鏡11は、尿道から膀胱内に挿入され、更に尿管内にまで進めて、尿管と腎盂の中を観察することができる。
また、内視鏡11は、十二指腸に開口するファーター乳頭への挿入が可能となる。胆汁は、肝臓から造られ胆管を通って、また膵液は膵臓から造られ膵管を通って十二指腸にあるファーター乳頭から排出される。内視鏡11は、胆管及び膵管の開口部であるファーター乳頭から挿入し、胆管又は膵管の観察を可能とすることができる。
更に、内視鏡11は、気管支への挿入が可能となる。内視鏡11は、背臥位となった検体(つまり、被施術者)の口腔又は鼻腔から挿入される。内視鏡11は、咽頭、喉頭を過ぎ、声帯を視認しつつ気管へ挿入される。気管支は分岐するたびに細くなる。例えば最大外径Dmaxが2mm未満の内視鏡11によれば、亜区域気管支まで内腔の確認が可能となる。
次に、本実施形態の内視鏡が有する各種の構成例について説明する。本実施形態の内視鏡11は、第1構成例から第13構成例の各構成を有することができる。
なお、以降の説明において「接着剤」の用語は、固体物の面と面とを接着するために用いる物質という厳密な意味だけではなく、2つの物の結合に用いることができる物質、或いは硬化した接着剤が気体及び液体に対する高いバリア性を備えている場合は、封止剤としての機能を有する物質という広い意味で用いられる。
<第1構成例>
図2は、本実施形態の内視鏡11の先端部15を前側から見た様子を示す斜視図である。図3は、本実施形態の内視鏡11の先端部15の構成例を示す断面図である。図2に示す内視鏡11は、図3に示す先端部15の最大外径Dmaxを、ダイシング可能な撮像素子33の基板の外接円の直径に相当する有限径〜1.0mmの範囲で形成することができる。
本実施形態の内視鏡11では、光軸又はレンズ中心を通る軸方向の方向に垂直な方向における断面が正方形状の撮像素子33として、一辺の寸法が0.5mm以下のものが使用される。これにより、内視鏡11は、撮像素子33の対角寸法が0.7mm程度となり、照明手段としてのライトガイド57(例えばφ50μm)を含めば、最大外径Dmaxが1.0mm以下のものが可能となる。
以上により、第1構成例の内視鏡11によれば、最大外径Dmaxを1.0mm未満とすることで、例えば人体の血管への挿入を更に容易に可能とすることができる。
<第2構成例>
第2構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、図5に示すように、撮像素子33の基板が、正方形で形成され、導体接続部49が、撮像素子33の基板の四隅に配置されている。1つの導体接続部49は、例えば円形状に形成される。4つの導体接続部49は、正方形の四隅に配置されることによって、相互に最大距離で離間した配置が可能となっている。
伝送ケーブル31は、電線45である電力線及び信号線それぞれの導体が絶縁被覆によって覆われる。4本の電線45は、左右2本、上下2段に配置されて絶縁被覆の外周が更に外被によって束ねられて、一本の伝送ケーブル31となっている。それぞれの導体は、絶縁被覆が剥かれた状態で、4本が平行な直線状にフォーミングされる。電線45は、この導体の先端が、半田によって導体接続部49に接続される。撮像素子33と伝送ケーブル31とは、図3に示すように、モールド樹脂17によって覆われる。従って、導体接続部49、導体、電線45の絶縁被覆、及び伝送ケーブル31の外被は、モールド樹脂17に埋入される。
以上により、第2構成例の内視鏡11によれば、4つの導体接続部49を、撮像素子33の基板の四隅に配置できるので、4つの導体接続部49を、正方形の撮像素子33の基板において、図5に示すように、相互に最大距離で均等に離間させて配置させることができる。これにより、半田付けの工程において隣接する2つの導体接続部49が半田によって接続されることがなく、絶縁距離の確保が容易となって、先端部15の細径化を容易にすることができる。
<第3構成例>
図4は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ93及び撮像素子33が接着用樹脂37を介して直付けされた状態の構成例を示す断面図である。第3構成例の内視鏡11は、図4に示すように、対物カバーガラス91と、素子カバーガラス43と、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、対物カバーガラス91と素子カバーガラス43の間に挟まれ、撮像面41の中心に光軸が一致されたレンズ93と、対物カバーガラス91とレンズ93との間に設けられる絞り51と、レンズ93と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、レンズ93と素子カバーガラス43との間に設けられる空気層95と、を備える。
撮像素子33は、例えば前後方向から見て正方形形状をなす小型のCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)の撮像デバイスにより構成される。つまり、撮像素子33は、レンズ93の光軸又は又はレンズ中心を通る軸方向に垂直な方向の外形状が正方形である。撮像素子33では、外部から入射した光が、対物カバーガラス91とレンズ93との間に設けられる絞り51を通過し、その通過した光がレンズ93によって撮像面41に結像される。また、撮像素子33では、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる。素子カバーガラス43は、光軸に対して垂直方向の外形状が正方形であり、その一辺の長さが撮像素子33の一辺の長さと同じである。
接着用樹脂37は、例えばUV・熱硬化性樹脂によって構成される。接着用樹脂37は、透光性を有し、屈折率が空気に近いものが好ましい。接着用樹脂37として、UV・熱硬化性樹脂を用いる場合、外表部分を紫外線照射により硬化できるとともに、紫外線を照射できない充填接着剤の内部を、熱処理によって硬化させることができる。接着用樹脂37は、撮像面41の中心に光軸を一致させたレンズ93を、素子カバーガラス43に固定する。これにより、レンズ93と撮像素子33とが接着用樹脂37によって直接接着されて固定され、つまり、レンズ93と撮像素子33とが接着用樹脂37を介して直付けされる。接着用樹脂37は、例えば最終的な硬度を得るためには熱処理を必要とするが、紫外線照射によってもある程度の硬度まで硬化が進行するタイプの接着剤である。
本実施形態の内視鏡11では、レンズ93と素子カバーガラス43とが接着用樹脂37を介して直付けされる。その結果、内視鏡11では、接着用樹脂37は、側面視でほぼ線状となる(図5参照)。図5は、本実施形態の内視鏡11の導体接続部49に伝送ケーブル31が接続された撮像素子33を後側から見た様子を示す斜視図である。また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93と素子カバーガラス43とは、レンズ93の両端側のコバ部において接着用樹脂37によって直付けされており、接着用樹脂37はコバ部にのみ塗布される。
レンズ93は、例えば単一レンズであり、外形状が撮像素子33と同一の角柱状に形成され、かつ光軸又はレンズ中心を通る軸の方向に垂直な方向における断面が正方形状である。レンズ93は、対物カバーガラス91を通過した被写体からの入射光を、素子カバーガラス43を介して撮像素子33の撮像面41に結像する。レンズ93の素子カバーガラス43側の面には、凹部が形成される。凹部の底面には、略球面状に隆起した凸曲面部97が形成される。レンズ93は、凸曲面部97によって、光の集束を行う光学素子としての機能を有する。凸曲面部97の隆起先端は、素子カバーガラス43との間から若干離間する。一方、レンズ93は、凹部を包囲する四角環状の端面が、接着用樹脂37を介して素子カバーガラス43に接着される。これにより、レンズ93と素子カバーガラス43との間の凹部には、空気が封入された状態となる。この密閉空間となった凹部に封入される空気は、乾燥空気であることが好ましい。また、この凹部には、窒素が封入されてもよい。このように、レンズ93と素子カバーガラス43との間には、凹部を内容積とする空気層95が形成される。この空気層95には、凸曲面部97が配置される。つまり、レンズ93は、凸曲面部97の光出射面が、空気と接している。
最大外径Dmaxが1.0mmの内視鏡11では、レンズ枚数が減らせるか否かが細径化の重要な要件となる。従って、内視鏡11において単一レンズであるレンズ93を設けた場合、光軸方向に平行な幅方向における微小な領域で、レンズ93との間で如何に屈折率差を持たせるかが重要であり、第3構成例の内視鏡11では、レンズ93との間で大きな屈折率差が得られる空気層を光学素子面に設けたことを特徴としている。
以上により、第3構成例の内視鏡11によれば、レンズ93に凹部を形成し、その底面に凸曲面部97を形成し、四角環状の端面を素子カバーガラス43に接着したので、微小な領域に、レンズ93との屈折率差を大きくするための空気層95を確保することができる。同時に、レンズ93は、撮像面41との光軸合わせが容易にできるようになる。レンズ93は、空気層95を確保できたことにより、レンズ93との間で大きなレンズパワーを得ることが可能となる。これにより、内視鏡11においてレンズ枚数を1枚に減らすことができる。その結果、内視鏡11において小型化、コスト低減を図ることができる。
<第4構成例>
第4構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、図3に示すように、対物カバーガラス91の対物面を除く外周面、レンズ93の外周面及び撮像素子33をモールド樹脂17によって被覆して固定するとともに先端部15の外殻を形成しかつ外部に露出するモールド部65と、先端部15と同一外径で形成されてモールド部65の少なくとも一部を覆って接続される管状のシース61とを備える。
シース61は、可撓性を有する樹脂材からなる。シース61は、強度を付与する目的で、内周側に単線、複数線、編組の抗張力線を備えることができる。抗張力線としては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維などのアラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル系繊維、ナイロン繊維、タングステンの細線、又はステンレス鋼の細線など一例として挙げることができる。シース61は、上記のように可撓性を有する樹脂材からなる。また、シース61は、上記のように強度を付与する目的で、内周側に単線、複数線、編組の抗張力線を備えることができる。抗張力線の材質は上記と同様である。
内視鏡11は、対物カバーガラス91と、レンズ93と、素子カバーガラス43と、撮像素子33の全体と、伝送ケーブル31の一部分と、ライトガイド57の一部分がモールド樹脂17によって被覆されて固定され、かつモールド樹脂17は外部に露出されている。なお、内視鏡11の先端部15には、X線不透過マーカーが内包されてもよい。これにより、内視鏡11は、X線透視下における先端位置の確認が容易となる。
内視鏡11では、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43及び撮像素子33に沿って照明手段が設けられている。即ち、第4構成例の内視鏡11は、照明手段の一例としてのライトガイド57を有する。以下、照明手段は、ライトガイド57である場合を例に説明するが、この他、照明手段は、先端部15の挿入先端面に直付けしたLEDとすることもできる。この場合、ライトガイド57は不要となる。
ライトガイド57は、1本の光ファイバ59からなる。光ファイバ59には、例えばプラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber)が好適に用いられる。プラスチック光ファイバは、シリコン樹脂やアクリル樹脂を材料としてコアもクラッドもプラスチックで形成される。また、光ファイバ59は、例えば光ファイバ素線を複数本束ねて、その両端に端末金具を取り付けたバンドルファイバ(bundle fiber)等であってもよい。光ファイバ59は、先端が先端部15で出射端面となり、基端がプラグ部23のフェルールに接続される。光源は、例えばソケット部27等に設けられるLEDである。内視鏡11は、プラグ部23をソケット部27に接続することで、LEDからの光がライトガイド57の光ファイバ59を伝搬し、先端から出射される。この構成によれば、光源から照明光の出射端までを1本の光ファイバで構成でき、光損失を小さくすることができる。
以上により、第4構成例の内視鏡11によれば、ライトガイド57を備えることで、内視鏡11を単独で用いて暗部での撮影を可能にできる。
また、図2に示すように、第4構成例の内視鏡11では、照明手段の一例としてのライトガイド57が、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43及び撮像素子33のそれぞれの周囲に複数個設けられた構成である。ライトガイド57は、例えば等間隔で4本を均等に設けることができる。これにより、第4構成例の内視鏡11によれば、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43及び撮像素子33のそれぞれの周囲に、等間隔で4本のライトガイド57が均等に設けられるので、被写体の上下左右に影が生じにくくなる。これにより、内視鏡11は、ライトガイド57が1本の構成や、2本の構成に比べ、明瞭な撮像画像を得ることができる。
また、本実施形態の内視鏡11では、撮像素子33が方形状に形成される。4つのライトガイド57の光ファイバ59は、撮像素子33の基板と、撮像素子33の基板の外接円とに挟まれる空間において、撮像素子33の基板の各辺部の略中央に配設されている。
以上により、第4構成例の内視鏡11によれば、正方形の撮像素子33と、撮像素子33に略外接する円形のモールド部65とに挟まれるスペースを有効に利用でき、先端部15の外径を大きくせずに、複数(特に4本)の光ファイバ59を容易に配設することができる。これにより、内視鏡11は、先端部15の外径を大きくせずに、製造を容易にしながら、明瞭な画像を得ることができる。
内視鏡11は、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43、撮像素子33、伝送ケーブル31の一部、ライトガイド57の一部(撮像ユニット)がモールド樹脂17によって被覆されて固定されるので、これら各部材同士を固定する際の介在部品が少ない。これにより、内視鏡11の先端部15を小径化することができ、更なる細径化を図る場合であっても、最小限の寸法で構成できる。また、部品コストを削減できる。例えば人体の血管のような非常に径が細い患部を撮像可能に適用可能な内視鏡11を実現することができる。この結果、内視鏡11において小型化、コスト低減を図ることができる。
また、モールド樹脂17は、撮像素子33から対物カバーガラス91までを覆って成形されるので、これら撮像ユニットの固定強度の増大に寄与する。また、モールド樹脂17は、空気層95の気密性(つまり、細かいな隙間が無い)、水密性、遮光性も高める。更に、モールド樹脂17は、ライトガイド57用の光ファイバ59が埋入された際の遮光性も高める。
また、内視鏡11は、先端部15に、ライトガイド57をモールド樹脂17によってモールドするので、ライトガイド57を構造材として作用させ、細径の内視鏡11においても、軟性部29と先端部15との接続強度を向上させることができる。また、内視鏡11では、先端部15を挿入側最表面(例えば図2参照)から見た場合に、モールド樹脂17が先端部15の対物カバーガラス91並びに4つの光ファイバ59を含めて被覆するので、対物カバーガラス91並びに4つの光ファイバ59のそれぞれの周囲のクリアランス(つまり、それぞれの周囲の隙間)が無い。従って、内視鏡11は、検査や手術の際に使用された後に滅菌作用が施される(つまり、洗浄される)と、内視鏡11に不要な液体等の洗浄残りが付着することが軽減され、次の検査又は手術に使用する際の衛生面においてより一層の高度な利便性を有することができる。
また、特許文献2に示した従来の内視鏡533は、先端部の軸線とレンズユニット547の光軸とが偏芯している。このため、先端部の回転角度によって被写体までの距離が変わりやすく、良好な画像を安定的に得にくい。更に、先端部の軸線とレンズユニット547の光軸とが偏芯していると、先端部の回転角度によって管内壁と先端部との干渉具合が変わり、特に径が細い孔への進入時に操作性が低下する。これに対し、内視鏡11によれば、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43、撮像素子33が同軸で連なっている。つまり、先端部15と同心円で対物カバーガラス91が配置される。その結果、第4構成例の内視鏡11は、細径化しやすく、良好な画像を安定的に得ることができ、挿入操作性を高めることができる。
<第5構成例>
第5構成例の内視鏡11は、シース61の厚みを、0.1〜0.3mmの範囲とすることが好ましい。
内視鏡11のモールド部65は、撮像素子33を覆った後端から後方へ延出する図3に示す小径延出部71を有する。小径延出部71は、円柱状に成形され、4本の光ファイバ59を埋入している。小径延出部71は、4本の光ファイバ59の内側に、伝送ケーブル31を埋入している。シース61は、内径側が、小径延出部71の外周に接着剤等によって固定される。つまり、モールド部65及びシース61は、1.0mmの同軸の最大外径Dmaxで連なっている。
以上により、第5構成例の内視鏡11によれば、シース61の厚みを0.3mmまで厚くできるので、シース61の引っ張り強度を高くすることが容易となる。また、伝送ケーブル31の最小外径は、現在0.54mm程度である。先端部15の最大外径Dmaxを1.0mmとした場合、シース61の厚みは、0.23mmとなる。これによって、内視鏡11は、シース61の厚みを上記の0.1〜0.3mmの範囲とすることで、先端部15の最大外径Dmaxを、1.0mmとすることを可能にすることができる。
<第6構成例>
第6構成例は、内視鏡11におけるレンズ93の構成の具体例として、レンズ形状の構成例を示すものである。図6,図7,図8は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ形状の第1例を示す図である。
第1例のレンズ93Aは、被写体側の第1面LR1が平面、撮像側の第2面LR2が凸面を有する単一レンズにより構成される。レンズ93Aの撮像側において、中央部は、凸面の第2面LR2のレンズ面を構成する略球面状に隆起した円型ドーム形状の凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有する枠体となるコバ部202が一体的に形成されている。コバ部202は、光学素子部201の凸曲面部97の中心部よりも厚さ方向(光軸方向)の寸法が大きく、コバ部202の接着面203が凸曲面部97より突出した形状となっており、接着面203の全域に接着用樹脂37が付着して素子カバーガラス43と固定される部分となっている。コバ部202の接着面203は、外周部が正方形状で内周部が角丸正方形状の略方形状であり、角部を除く四辺がほぼ等幅になっている。コバ部202の接着面203において、四辺の等幅部分の接着幅Waは、例えば50 μm以上となっている。コバ部202の内側は、第2面LR2のレンズ面となる凸曲面部97と素子カバーガラス43との間には空気層95が形成される。
レンズ93の厚さ方向の寸法(厚みSRt)は、例えば100μm〜500μmである。図示例では、コバ部202の厚みTEが200μm、光学素子部201の凸曲面部97(第2面LR2)の外周部における第1面LR1までの厚みTLが110μm〜120μmとなっている。また、光学素子部201の凸曲面部97の外周部からコバ部202の接着面203の内周部にかけては、レンズ中心から外周に向かって広がる傾斜面204を有している。傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えばθA=60°となっている。
図9,図10,図11は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ形状の第2例を示す図である。第2例のレンズ93Bは、レンズ93Bの撮像側において、中央部は、凸面の第2面LR2のレンズ面を構成する略球面状に隆起した円型ドーム形状の凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有する枠体となるコバ部202が一体的に形成されている。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。コバ部202の接着面203は、外周部が正方形状で内周部が円型ドーム形状の凸曲面部97と同心円状の円形状であり、最小部分の接着幅Waは、例えば50μmとなっている。また、光学素子部201の凸曲面部97(第2面LR2)の外周部に形成された平面部205の幅Wcは、例えば13μmとなっている。また、光学素子部201の外周部の平面部205からコバ部202の接着面203の内周部にかけては、レンズ中心から外周に向かって広がる傾斜面204を有している。傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えばθA=60°となっている。
図12,図13,図14,図15は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ形状の第3例を示す図である。第3例のレンズ93Cは、レンズ93Cの撮像側において、中央部は、凸面の第2面LR2のレンズ面を構成する略球面状に隆起した円型ドーム形状の凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有する枠体となるコバ部202が一体的に形成されている。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。中央部の光学素子部201は、円型ドーム形状の凸曲面部97の外周部において、レンズ外形の正方形の四辺に対応する円周上の4つの部分206を一部切り欠いた樽型形状になっている。周縁部のコバ部202は、接着面203の内周部から樽型形状の光学素子部201の外周部にかけて傾斜面204が形成されている。図15に示すように、第3例のレンズ93Cは、正方形の撮像素子33の撮像面211に対して、円形のレンズ93Cのイメージサークル212の不要部分、即ち、撮像面211の四辺より外側の領域213に結像する光線が入射する4つの外周領域214をカットした形状となっている。コバ部202の内周部の傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えばθA=90°となっており、第1例及び第2例と比べて傾きをなだらかに形成することができる。一方、第1例及び第2例と同様に、コバ部202の内周部の傾斜面204の角度θAを、θA=60°とすると、コバ部202の接着面203の接着幅Waをより大きくとることができる。
レンズ93は、例えばナノインプリント、射出成型等によって作製される。レンズ93は、ナノインプリントの原版等による金型を用いて、同一形状の微小なレンズが複数配列されたレンズ群を形成し、成型物のレンズ群を離型した後、ダイシング等によって個々のレンズに切断することによって作製する。レンズ93を作製する際、金型からレンズ93を抜くために抜き勾配を設ける必要があり、レンズ93の傾斜面204が抜き勾配として作用する。成型物の抜き勾配はできるだけ大きくとった方が離型性の点で良くなるため、離型性の点からはレンズ93の傾斜面204はレンズ93の光軸と垂直な面に対してなだらかな方が望ましい。一方、レンズ93の外形寸法を小さくするには、レンズ93の傾斜面204はできるだけ立たせた方がよい。また、レンズ93を接着用樹脂37によって素子カバーガラス43と接着する場合に、接着用樹脂37が付着するコバ部202の接着面203は、できるだけ接着面積が大きい方が接着強度の点から好ましい。
このため、レンズ93の細径化、離型性、接着強度の各要素を総合的に考慮し、レンズ93と素子カバーガラスと43をコバ部202において確実に接着可能とするため、コバ部202の接着面203の寸法を設定する。例えば外形形状が四角柱状のレンズ93の大きさの例として、光軸方向又はレンズ中心を通る軸方向に垂直な断面の正方形の一辺の寸法が0.5mmである場合、コバ部202の接着面203は、接着幅Waを例えば50μm以上としている。この場合、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とした内視鏡11において、レンズ93の外形の一辺の寸法を0.5mm以下とし、コバ部202における接着面203の接着幅Waが50μm以上確保される。また、レンズ93の小型化と離型性とを両立するために、傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えば60°≦θA≦90°としている。この場合、傾斜面204の角度は、レンズ93の光軸方向(離型方向と平行な方向)に対して30°以上、45°以下であり、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向と垂直な面に対して60°以下、45°以上となる。
以上により、第6構成例の内視鏡11によれば、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径のレンズ93を実現できる。また、細径化を図ったレンズ93において、コバ部202の接着面203の接着幅Waを50μm以上とすることにより、レンズ93と素子カバーガラス43との接着面積を十分に確保できるので確実に接着固定することが可能になる。また、レンズ93における中央部の光学素子部201と周縁部のコバ部202との間の傾斜面204の角度として、レンズ中心から見た開口の角度θAを、60°≦θA≦90°とすることにより、レンズ作製時の離型性を向上できる。
<第7構成例>
第7構成例は、内視鏡11におけるレンズ93と素子カバーガラス43との接着面の構成例を示すものである。
図16は、本実施形態の内視鏡11のレンズ93における素子カバーガラス43との接着面の構成例を示す図である。レンズ93は、四角柱状の外形形状を撮像素子33の素子カバーガラス43と一致させて接着用樹脂37により接着することによって、撮像素子33の撮像面41との光軸合わせを容易に行って固定することができる。レンズ93のコバ部202の接着面203は、素子カバーガラス43と接着固定するために対向させた状態で、素子カバーガラス43の端面と平行な平面ではなく、所定角度を有するように傾斜した傾斜部207を有するものでもよい。接着面203の傾斜部207は、コバ部202の内周部から外周部の方向へ傾斜したテーパ形状であり、外周部の厚さ寸法が微小に小さくなっている。接着面203の傾斜部207の傾斜角は、例えば0.5°以上となっている。レンズ93を素子カバーガラス43と接着するために、コバ部202の接着面203に接着用樹脂37を微小塗布する場合、接着面203の傾斜部207によって、接着面上の接着用樹脂37が外周側に移動し易く、コバ部202より内側に入り難くなり、光学素子部201に形成される空気層95に接着用樹脂37が干渉することを抑止可能となる。
以上により、第7構成例の内視鏡11によれば、レンズ93と素子カバーガラス43との間の空気層95に接着用樹脂37が侵入することを抑止でき、空気層95を確保しつつレンズ93と素子カバーガラス43とを確実に接着固定することが可能になる。
<第8構成例>
第8構成例は、内視鏡11における光学系の構成の具体例を示すものである。
以下に、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43を含む光学系の構成の具体例を示す。
・対物カバーガラス91
対物カバーガラス91の厚みTGt: TGt=0.1〜0.5mm
対物カバーガラス91の材料の一例: BK7(Schott社製)、nd=1.52、 νd=64.2
対物カバーガラス91の屈折率ndF: 1.3 ≦ndF
対物カバーガラス91のアッベ数 νdF: 30 ≦νdF
・素子カバーガラス43
素子カバーガラス43の厚みSGt: SGt=0.1〜0.5mm
素子カバーガラス43の材料の一例: BK7(Schott社製)、nd=1.52、 νd=64.2
素子カバーガラス43の屈折率ndR: 1.3 ≦ndR ≦2.0、ndF ≦ndR
素子カバーガラス43のアッベ数 νdR: 40 ≦νdR、 νdF ≦νdR
・レンズ93
レンズ93の焦点距離f: 0.1mm ≦f ≦1.0mm
レンズ93のFナンバーFNO: 1.4 ≦FNO ≦8.0
<第9構成例>
第9構成例は、内視鏡11における撮像素子33の構成の具体例を示すものである。図17,図18は、本実施形態の内視鏡11における撮像素子33の第1例を示す図である。
第1例の撮像素子33Aは、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対し垂直な平面で切った断面の形状が四角形状に形成されている。この場合、素子カバーガラス43A側の撮像面及び伝送ケーブル31側の端子面の外形の形状が四角形状であり、撮像素子33A及び素子カバーガラス43Aの外形形状が4角柱状に形成されている。また、撮像素子33A及び素子カバーガラス43Aと、図示しないレンズ93とは、外形形状が同一の4角柱状に形成される。
撮像素子33Aの後端側に設けられる基板(端子面)には、回路パターンによる電気回路99Aが設けられるとともに、4つの角部にそれぞれ導体接続部(接続ランド)49が設けられ、4本の電線45による伝送ケーブル31が半田付け等によって接続されている。即ち、撮像素子33Aの端子面の4つの角部において4本の電線45が接続されている。4本の電線45は、端部がそれぞれクランク状に成形された状態で、撮像素子33Aの端子面の4つの角部に位置して接続される。ここで、撮像素子33Aの外形の幅(四角形断面の1辺の長さ)SQLは、例えば0.5mm以下であり、4本の電線45の隣同士の電線間ピッチPCは、例えば0.3mm以上となっている。
図19,図20は、本実施形態の内視鏡11における撮像素子33の第2例を示す図である。第2例の撮像素子33Bは、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対し垂直な平面で切った断面の形状が八角形状に形成され、撮像素子33B及び素子カバーガラス43Bの外形形状が8角柱状に形成されている。また、撮像素子33B、素子カバーガラス43B及び電気回路99Bと、図示しないレンズ93とは、外形形状が同一の8角柱状に形成される。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。
第2例は、撮像素子33Bの断面形状において四角形の4つの角部(四隅)をそれぞれ一つの切り取り面221Bで切り取った(面取りした)八角形の形状を持つ例である。撮像素子33Bの外形の切り取り部分の寸法は、四角形の頂点に対する切り取り面221Bの端部までの寸法CSが、例えば20〜50μmとなっている。このように、撮像素子33Bの外形の4つの角部を切り取り面221Bにて切り取ることにより、4本の電線45の電線間ピッチPCをできるだけ離すとともに、撮像素子33Bの対角方向の外形寸法を小さくでき、内視鏡のさらなる細径化に寄与することができる。例えば切り取り部分の寸法CSを21.2μmとすると、撮像素子33Bの対角方向の外形寸法は一か所で15μm小さくなり、対角方向の両端で30μm細径になる。この切り取り面221Bの構成を、外形形状が正方形の状態で一辺の外形寸法SQLが0.5mm、対角方向の外形寸法が0.705mmの撮像素子に適用すると、面取りによって対角方向の外形寸法が0.675mmと小さくなり、φ0.7mm以下の細径内視鏡を実現可能となる。
図21,図22は、本実施形態の内視鏡11における撮像素子33の第3例を示す図である。第3例の撮像素子33Cは、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対し垂直な平面で切った断面の形状が12角形状に形成され、撮像素子33C及び素子カバーガラス43Cの外形形状が12角柱状に形成されている。また、撮像素子33C、素子カバーガラス43C及び電気回路99Cと、図示しないレンズ93とは、外形形状が同一の8角柱状に形成される。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。第3例は、撮像素子33Cの断面形状において四角形の4つの角部をそれぞれ二つの切り取り面221Cで切り取った12角形の形状を持つ例である。撮像素子33Cの外形の切り取り部分の寸法は、二面で切り取ることにより、四角形の頂点に対する切り取り面の端部までの寸法CSを第2例と比較して大きくできる。従って、撮像素子をより細径化できる。
なお、撮像素子33のレンズ光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の断面形状は、四角形、八角形、12角形に限らず、16角形など、4×n角形(nは自然数)とすればよい。このように、撮像素子33の断面形状を4×n角形に構成することによって、4本の電線45による伝送ケーブル31を接続可能としつつ、撮像素子及び内視鏡をより細径化できる。また、撮像素子33の4×n角形の断面形状の四隅が面取りされた形状とすることによって、撮像素子33の対角方向の寸法をより小さくでき、さらなる細径化に寄与できる。
以上により、第9構成例の内視鏡11によれば、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径の撮像素子33を実現できる。
本実施形態の内視鏡11は、挿入部21の先端部15に設けられ、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、被写体からの入射光を撮像面41に結像するレンズ93と、レンズ93と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、を備える。レンズ93は、外形形状が角柱状に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有する単一レンズにより構成される。レンズ93の撮像側において、中央部は、凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有するコバ部202が一体的に形成されている。これにより、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径のレンズ93を実現できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93Aの接着面203は、外周部が正方形状で内周部が角丸正方形状の略方形状である。
また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93Bの接着面203は、外周部が正方形状で内周部が円型ドーム形状の凸曲面部97と同心円状の円形状である。
また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93Cの光学素子部201は、円型ドーム形状の凸曲面部97の外周部において、レンズ外形の正方形の四辺に対応する円周上の4つの部分を一部切り欠いた樽型形状である。これにより、光学素子部201とコバ部202との間の傾斜面204の傾きをなだらかに形成することができ、レンズ作製時の離型性を向上できる。また、傾斜面204の傾きが同じ場合は、コバ部202の接着面203の接着幅Waをより大きくとることができ、接着強度を向上できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93は、凸曲面部97の外周部から接着面203の内周部にかけて、レンズ中心から外周に向かって広がる傾斜面204を有し、傾斜面204の角度が、レンズ中心から見た開口の角度 θAとすると、60°≦θA≦90°であり、接着面203の接着幅Waが50μm以上である。これにより、細径化を図ったレンズ93において、レンズ93と素子カバーガラス43とを確実に接着固定することが可能になる。また、傾斜面204の角度を十分に確保することにより、レンズ作製時の離型性を向上できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93の接着面203は、コバ部202の内周部から外周部の方向へ傾斜したテーパ形状の傾斜部207を有する。これにより、接着面203に塗布した接着用樹脂37が外周側に移動し易く、コバ部202より内側に入り難くなり、光学素子部201に形成される空気層95に接着用樹脂37が干渉することを抑止できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、撮像素子33、素子カバーガラス43、接着用樹脂37、レンズ93とともに、レンズ93の被写体側の面を覆う対物カバーガラス91を備える。対物カバーガラス91は、厚みTGtが0.1mm≦TGt≦0.5mm、屈折率ndFが1.3≦ndF、アッベ数νdFが30≦νdFの光学材料により構成され、素子カバーガラス43は、厚みSGtが0.1mm≦SGt≦0.5mm、屈折率ndRが1.3 ≦ndR≦2.0、ndF≦ndR、アッベ数νdRが40≦νdR、νdF≦νdRの光学材料により構成され、単一レンズによるレンズ93は、焦点距離fが0.1mm≦f≦1.0mm、FナンバーFNOが1.4≦FNO≦8.0である。これにより、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径のレンズ93を実現できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、レンズ93の焦点距離における撮像側の結像点から素子カバーガラス43の被写体側端面までの距離をx(0≦x≦f)、空気のみの状態のレンズ93から結像点に射出する光線の光軸に対する最大角度をθair、素子カバーガラス43を含む状態のレンズ93から素子カバーガラス43を経て結像点に射出する光線の光軸に対する最大角度をθglとしたとき、レンズ93及び素子カバーガラス43は、0.1 ≦x・(tanθair)/(tanθgl)≦0.5を満たす、焦点距離f、FナンバーFNO、屈折率ndRの組み合わせによりなる。これにより、細径のレンズ93において、所望の光学性能を得ることが可能となる。
また、本実施形態の内視鏡11では、撮像素子33、素子カバーガラス43、接着用樹脂37、レンズ93とともに、撮像素子33の撮像面41と反対側の面に設けられた4つの導体接続部49のそれぞれに接続される4本の電線45を有する伝送ケーブル31を備える。撮像素子33は、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の断面形状が4 ×n角形(nは自然数)であり、4本の電線45は、撮像素子33の4×n角形の後端面の四隅に配置された4つの導体接続部49にそれぞれ接続される。これにより、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径の撮像素子33を実現できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、撮像素子33の4×n角形の断面形状の四隅が面取りされた形状となっている。これにより、撮像素子33の対角方向の寸法をより小さくでき、さらなる細径化に寄与できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、撮像素子33及び素子カバーガラス43と、レンズ93とは、外形形状が同一の4×n角形の角柱形状である。これにより、レンズ93から素子カバーガラス43を経て撮像素子33までの外径をより細径化できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、撮像素子33は、光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の断面の4×n角形の一辺の長さが、0.5mm以下である。これにより、撮像素子33の対角方向の外形寸法を0.7mm程度と細径化できる。
また、本実施形態の内視鏡11では、先端部15の最大外径が、撮像素子33の基板の外接円の直径に相当する有限径〜1.0mmの範囲で形成される。これにより、最大外径Dmaxを1.0mm未満とすることで、例えば人体の血管への挿入を更に容易に可能とすることができる。
<第10構成例>
図23は、本実施形態の内視鏡11におけるシース61が先端まで延びた側断面図である。第10構成例の内視鏡11は、モールド部65が、図3の形状よりも小径に形成される。図23に示すモールド部65は、小径延出部71が無く、円柱形に形成される。このモールド部65の外周には、シース61が被覆される。即ち、第10構成例は、モールド部65を図3に示すものよりも細くして、薄い同一厚のシース61を先端まで延長している。シース61は、モールド後端面131よりもプラグ部23側が、空洞133となる。その空洞133に、光ファイバ59、電線45が通る。また、レンズ93と撮像素子33とは、同軸に配置される。同軸とは、レンズ93の光軸が撮像面41の中心を通る、レンズ93と撮像素子33との相対位置関係を言う。以上の第10構成例の構造は、以下の第11構成例、第12構成例、第13構成例においても共通となる。
また、第10構成例の内視鏡11は、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が、四隅の直角な四角形で形成される。四隅の直角な四角形とは、例えば正方形、長方形を含む。また、正方形は、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対する垂直方向の外形状において、撮像素子33と同一サイズの正方形と、撮像素子33と相似形の正方形とを含む。つまり、レンズ93は、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対する垂直方向の外形状において、正方形である場合、撮像素子33よりも小サイズの正方形とすることができる。
撮像素子33は、光軸又はレンズ中心を通る軸方向と垂直な方向の外形状が正方形である。また、撮像素子33は、辺の長さがレンズ93の最も長い辺よりも長いか又は同一である。従って、撮像素子33は、レンズ93が長方形の場合、その長方形の長辺と4辺の長さが等しい。なお、レンズ93の「最も長い辺」とは、レンズ93が正方形である場合には、その正方形の1辺を意味する。
第10構成例の内視鏡11によれば、上記同様の小型化(例えば先端側の挿入部位における外径の細径化)、及びコスト低減を図ることができるのに加え、シース61とモールド部65とを端面同士で接続する接続部を無くすことができる。その結果、外周面に接続部を有しない極めて平滑な挿入部21を得ることができる。また、挿入部21の延在方向に、シース61とモールド部65との端面同士の接続部が存在しないので、接続部がはがれる虞がなく、内視鏡11の信頼性を向上させることができる。
<第11構成例>
図24は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ93Dが四角形で撮像素子33が正方形の例を示す斜視図である。図25は、図24の側面図である。第11構成例の内視鏡11は、レンズ93Dの光軸又はレンズ中心を通る軸方向に垂直方向の外形状が、撮像素子33の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に垂直方向の外形状よりも小さい相似形である。言い換えると、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に垂直方向の外形状は正方形であり、レンズ93の外形状の一辺の長さは撮像素子33の外形状の一辺の長さよりも小さい。第11構成例では、レンズ93Dが接合される撮像素子33の面に、レンズ93Dを包囲する枠状面135がレンズ93Dからはみ出して表出する。つまり、レンズ93Dと撮像素子33との間には、段部が形成される。この枠状面135は、モールド部65に覆われる。対物カバーガラス91D、絞り51Dは、レンズ93Dと同一の外形状及び大きさで形成される。
第11構成例の内視鏡11によれば、上記同様の小型化(例えば先端側の挿入部位における外径の細径化)、及びコスト低減を図ることができるのに加え、撮像素子33の枠状面135がモールド部65に覆われるので、レンズ93Dと撮像素子33との間の段部がモールド部65に埋入することとなり、レンズ93の外形状の一辺の長さと撮像素子33の外形状の一辺の長さとが同一である場合に比べて、モールド部65による被覆量が増大する点で、モールド部65と、レンズ93D及び撮像素子33との固定強度をより一層高めることができる。
<第12構成例>
図26は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ93Eが長方形で撮像素子33が正方形の例を示す斜視図である。図27は、本実施形態の内視鏡11における図26に示した長方形のレンズ93Eの斜視図である。図28は、本実施形態の内視鏡11における図26に示した長方形のレンズ93Eの正面図である。
第12構成例の内視鏡11は、レンズ93Eの光軸又はレンズ中心を通る軸方向に垂直方向の外形状が長方形である。長方形のレンズ93Eは、長辺137が、撮像素子33の1辺と同一となる。長方形のレンズ93Eは、一対の対角線の交点を光軸又はレンズ中心を通る軸が通る。長方形のレンズ93Eは、光軸又はレンズ中心を通る軸が、撮像面41の中心に一致する。第12構成例では、レンズ93Eが接合される撮像素子33の面に、レンズ93Eを挟む一対の長枠面139がレンズ93Eからはみ出して表出する。つまり、レンズ93Eと撮像素子33との間には、段部が形成される。この長枠面139は、モールド部65に覆われる。対物カバーガラス91E、絞り51Eは、レンズ93Eと同一の外形状で形成される。
第12構成例の内視鏡11によれば、上記同様の小型化(例えば先端側の挿入部位における外径の細径化)、及びコスト低減を図ることができるのに加え、撮像素子33の長枠面139がモールド部65に覆われるので、レンズ93Eと撮像素子33との間の段部がモールド部65に埋入することとなり、レンズ93の外形状の一辺の長さと撮像素子33の外形状の一辺の長さとが同一である場合に比べて、モールド部65による被覆量が増大する点で、モールド部65と、レンズ93E及び撮像素子33との固定強度をより一層高めることができる。
第12構成例の内視鏡11によるモールド部65の固定強度について、具体的に説明する。内視鏡11は、特に最大外径Dmaxが1.0mm未満の細径の場合、正方形の撮像素子33に対し、レンズ93Eを長方形とすることにより大きな効果が得られる。即ち、先端部15は、シース61が細径となることによりシース61の内周面が撮像素子33の角部(出隅)に限りなく近づく。このような構造になると、レンズ93の外形状が撮像素子33と同一の正方形である場合、同様にレンズ93の角部にもシース61の内周面に近づく。その結果、レンズ93は、角部とシース61との接合強度が確保しにくくなる。これに対し、第12構成例によれば、正方形の撮像素子33に対し、レンズ93Eを、長辺が撮像素子33の辺と同一の長さの長方形とすることにより、レンズ93Eの角部を、シース61の内周面から離間させることができる。つまり、シース61の内周面とレンズ93Eの角部との間に、シース用接着剤のスペースを確保できるようになる。その結果、特に細径な内視鏡11においてもシース61とレンズ93Eとの固定強度を確保することができる。
<第13構成例>
図29は、本実施形態の内視鏡におけるレンズ93Fが八角形で撮像素子33が正方形の例を示す斜視図である。図30は、図29の側面図である。第13構成例の内視鏡11は、レンズ93Fの外形状が八角形である。言い換えると、レンズ93Fは八角柱状である。この八角形は、同一長の4つの短辺141と、同一長の4つの長辺143とを交互に並んで接続して、対向する短辺141同士及び対向する長辺143同士を平行としている。換言すれば、四角形の四隅を45度の角度で面取した形状となる。レンズ93Fは、面取した部分が、短辺141となる。この場合、図29では四角形が正方形のときを例示している。撮像素子33の一辺の長さは、レンズ93Fの対向する一対の長辺間の距離と同一である。
第13構成例では、レンズ93Fが接合される撮像素子33の面に、レンズ93Fの短辺141からからはみ出して4つの入隅面145が表出する。つまり、レンズ93Fと撮像素子33との間には、4つの段部が形成される。この入隅面145は、モールド部65に覆われる。対物カバーガラス91F、絞り51Fは、レンズ93Fと同一の外形状で形成される。
第13構成例の内視鏡11によれば、上記同様の小型化(例えば先端側の挿入部位における外径の細径化)、及びコスト低減を図ることができるのに加え、撮像素子33の入隅面145がモールド部65に覆われるので、レンズ93Fと撮像素子33との間の段部がモールド部65に埋入することとなり、レンズ93の外形状の一辺の長さと撮像素子33の外形状の一辺の長さとが同一である場合に比べて、モールド部65による被覆量が増大する点で、モールド部65と、レンズ93F及び撮像素子33との固定強度を高めることができる。また、レンズ93Fは、八角形とすることにより、ほぼ正方形の場合と同一面積の凸曲面部97を確保することができ、固定強度の確保のために光学特性を低下させずに済む。つまり、八角形のレンズ93Fは、正方形の場合と同様に光学特性を確保しながら、固定強度を高めることができる。
また、第13構成例の内視鏡11によれば、レンズ93Fの光軸又はレンズ中心を通る軸方向の垂直方向の外形状において、八角形の長辺に対して短辺が面取りされた構造を有する。これにより、第3構成例の内視鏡11(例えば図5参照)に比べて、内視鏡11の先端側(例えば体内に挿入される側)の細径化を一層図ることができる。
以上、図面を参照しながら実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、内視鏡において小型化、コスト低減を図ることができる効果を有し、例えば医療手術等に用いる細径の内視鏡等として有用である。
11…内視鏡
33、33A、33B、33C…撮像素子
37…接着用樹脂
41…撮像面
43、43A、43B、43C…素子カバーガラス
93、93A、93B、93C、93D、93E、93F…レンズ(単一レンズ)
97…凸曲面部(凸曲面)
141…短辺
143…長辺
203…接着面

Claims (5)

  1. 光軸に対して垂直方向の外形状が四角形の単一レンズと、
    前記光軸と垂直な方向の外形状が正方形であり、その一辺の長さが前記単一レンズの最も長い辺よりも長いか又は同一である撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆い、前記光軸に対して垂直方向の外形状が前記撮像素子の外形状と同一の素子カバーガラスと、を有し、
    前記撮像面の中心に前記単一レンズの光軸を一致させた前記単一レンズと前記素子カバーガラスとが接着用樹脂により固定され、
    前記単一レンズは、角柱状に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有するレンズにより構成され、
    前記単一レンズの中央部は、前記撮像側において、前記凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面を有し、
    前記単一レンズの周縁部は、端面が平面であり、かつ前記端面の全域において前記素子カバーガラスとの接着面を有する、
    内視鏡。
  2. 請求項1に記載の内視鏡であって、
    前記単一レンズの前記光軸に対して垂直方向の外形状は正方形であり、前記単一レンズの外形状の一辺の長さは前記撮像素子の外形状の一辺の長さよりも小さい、
    内視鏡。
  3. 請求項1に記載の内視鏡であって、
    前記単一レンズの前記光軸に対して垂直方向の外形状は長方形である、
    内視鏡。
  4. 光軸に対して垂直方向の外形状が対向する長辺と短辺とが交互に並ぶ八角形の単一レンズと、
    前記光軸と垂直な方向の外形状が正方形であり、その一辺の長さが前記単一レンズの対向する一対の長辺間の距離と同一である撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆い、前記光軸に対して垂直方向の外形状が前記撮像素子の外形状と同一の素子カバーガラスと、を有し、
    前記撮像面の中心に前記単一レンズの光軸を一致させた前記単一レンズと前記素子カバーガラスとが接着用樹脂により固定され、
    前記単一レンズは、八角柱状に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有するレンズにより構成され、
    前記単一レンズの中央部は、前記撮像側において、前記凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面を有し、
    前記単一レンズの周縁部は、端面が平面であり、かつ前記端面の全域において前記素子カバーガラスとの接着面を有する、
    内視鏡。
  5. 請求項4に記載の内視鏡であって、
    前記単一レンズは、前記光軸に対して垂直方向の外形状において、前記長辺に対して前記短辺が面取りされた構造を有する、
    内視鏡。
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