以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係る遊技機1について説明する。
[遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、遊技機1の概略正面図である。図2は、遊技機1の一部を示す平面図である。図1に例示されるように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が不図示の発射装置へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域10を落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、上皿28及び下皿29は、1つの皿で構成されてもよい。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動領域であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動領域である。遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果を示す図柄が後述する表示器4の第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に表示される。そして、大当たりを示す図柄が停止表示された場合、大入賞口13を開放する大当たり遊技(特別遊技の一例)が実行されることになる。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定の時間間隔で所定回数実行される。
このように、大当たり遊技中には大入賞口13が長開放されるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線を参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線を参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、演出役物7、盤ランプ25等が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図4参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面5」と呼ぶ場合がある。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶画面5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する当該アイコン等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
演出役物7は、液晶画面5の前方且つ側方に配置されている。演出役物71には、発光素子(例えばLED)が内蔵されている。この演出役物7には、発光素子(例えばLED)が内蔵されている。演出役物7は、役物自体の動きと光との両方或いは一方によって所定の演出を行う。演出役物7は、本実施形態では、星を模した形状に構成されており、遊技機1の奥行き方向を軸方向として回転可能に構成されている。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[遊技機1の入力手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が入力を行うための入力手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作やカーソル移動を行うためのいわゆる十字キーであり、上キー、下キー、左キー、及び右キーを有して構成されている。遊技機1では、演出ボタン26と演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。また、遊技機1は、演出ボタン26と演出キー27の操作によって音量調整や光量調整、所定の演出の出現率の設定変更を行うことが可能であるが、これらについては、図5に基づいて後に詳述する。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
[変動演出について]
遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)が行われる。そして、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において第1特別図柄(又は第2特別図柄)が変動表示された後に第1特別図柄判定(第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。これに対して、液晶画面5では、特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄を変動表示させる変動演出が行われ(図1参照)、特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されるのに伴って、装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。
このような変動演出中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、液晶画面5には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての装飾図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列と右列の装飾図柄(左図柄と右図柄)が完全には停止しないように擬似停止する。その際、左図柄及び右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が擬似停止すればリーチ成立となり、同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において大当たり図柄が停止表示される場合、同一の装飾図柄が有効ライン上に本停止して大当たりが報知されることになる。なお、変動演出中に左図柄及び右図柄として相異なる装飾図柄が擬似停止した場合にはリーチ演出は行われず、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)においてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、ゾロ目とはならない3つの装飾図柄が本停止して変動演出が終了することになる。
なお、「擬似停止」とは、装飾図柄が完全には静止せずに微動し続ける状態のことをいい、「本停止」とは、装飾図柄が完全に静止した状態のことをいう。
[表示領域及び保留アイコンについて]
ところで、上記のように図柄(特別図柄および装飾図柄)が変動表示されているときや大当たり遊技中であるときには、第1始動口11(又は第2始動口12)に新たに遊技球が入賞したとしても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)と図柄の変動表示とを即座に実行することはできない。このため、遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞しても第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)や図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、所定数(本実施形態では「4」)を超えない範囲で第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43(又は第2特別図柄保留表示器44)に表示される。
一方の液晶画面5には、特別図柄判定及び図柄の変動表示が保留されていることを示唆する演出画像としての保留アイコンが表示される表示領域として、第1保留アイコン表示領域51および第2保留アイコン表示領域52が設けられている(図1参照)。
第1保留アイコン表示領域51は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンが表示される領域である。この第1保留アイコン表示領域51には、第1特別図柄保留表示器43(図3参照)が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
第2保留アイコン表示領域52は、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンが表示される領域である。この第2保留アイコン表示領域52には、第2特別図柄保留表示器44(図3参照)が示す第2特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図1には、第1特別図柄判定の保留数が「3」であることを示唆するために第1保留アイコン表示領域51に3個の保留アイコンが表示されると共に、第2特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために第2保留アイコン表示領域52に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、液晶画面5には、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する表示領域として、当該領域53が設けられている(図1参照)。
遊技機1では、保留されている第1特別図柄判定の権利を消化すべく図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンの中で最初に表示された保留アイコン(当該領域53に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動される。そして、第1保留表示領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、他の保留アイコンは、第1保留アイコン表示領域51内において、当該領域53側に表示位置がシフトされる。
なお、このようなシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンについても同様に行われる。また、本実施形態における遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンがなくなってから行われる。
第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数などの取得情報に基づく特別図柄判定が行われる前は、その取得情報に対応する保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示される。そして、この第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されている保留アイコンに対応する取得情報に基づいて特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が行われるのに際して、保留アイコンが当該領域53に移動されて、特別図柄が変動表示されていることを示唆する当該アイコンとして当該領域53に表示される。
なお、第1保留アイコン表示領域51には、例えば、通常アイコンや特別アイコンが表示される。ここで、通常アイコンは、大当たりに対する信頼度を何ら示唆しないデフォルトの保留アイコンであって、例えば白色の保留アイコンである。特別アイコンは、大当たりに対する信頼度を示唆する保留アイコンであって、白色以外の色で表示される保留アイコンがこれに該当する。特別アイコンは、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆する保留アイコンから大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する保留アイコンへと順に並べた場合、例えば、青色の保留アイコン、黄色の保留アイコン、緑色の保留アイコン、赤色の保留アイコン、虹色の保留アイコンなどが例として挙げられる。
なお、通常アイコンは、その保留アイコンに対応する特別図柄判定が消化されるまで、すなわち、通常アイコンが当該領域53に移動してから当該領域53から消去されるまで、その表示態様が変化しない場合がある。また、保留アイコンが例えば第1保留アイコン表示領域51に表示される場合に、始めから特別アイコンとして表示される場合がある。また、例えば第1保留アイコン表示領域51に表示された通常アイコンが第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53において特別アイコンに変化する場合や、例えば第1保留アイコン表示領域51に表示されている特別アイコンが第1保留アイコン表示領域51又は当該領域53においてより上位の特別アイコンに変化する場合もある。このように、通常アイコン(又は特別アイコン)が特別アイコン(又はより上位の特別アイコン)に変化することを、以下の説明では、「保留変化」と呼ぶものとする。
一方の第2保留アイコン表示領域52には、第1保留アイコン表示領域51と同様に、通常アイコンや特別アイコンが表示される。
[遊技機1の制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、大入賞口スイッチ116、大入賞口制御部117、普通入賞口スイッチ118、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。なお、本実施形態における遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ122を備えているが、図4においては、普通入賞口スイッチ122を1つだけ表記している。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
大入賞口スイッチ116は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ118は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ118からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。
なお、第1始動口スイッチ111または第2始動口スイッチ112によって遊技球が検知されて、その検知信号が入力されると、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数を取得する。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。
メインCPU101は、これらの乱数を取得すると、先ずは、取得した大当たり乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。ここで、大当たり遊技を実行すると判定した場合には、取得した図柄乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。ここで、大当たりの種類としては、例えば、大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御されることになる「確変大当たり」や、大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御されることになる「通常大当たり」が例として挙げられる。なお、遊技状態や大当たりの種類については後に詳述する。
一方、メインCPU101は、大当たり乱数に基づく判定で、大当たり遊技を実行しないと判定した場合、取得したリーチ乱数が、メインROM102に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、メインCPU101は、大当たり遊技を行うか否かに関わらず、特別図柄を変動表示する際の特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動時間が決定されることになる。
メインCPU101は、大当たり遊技を実行すると判定して、大当たりの種類を決定した場合、大入賞口制御部117を介して大入賞口13の開閉を制御することによって、大当たりの種類に応じた大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、統括CPU141、制御用ROM142、制御用RAM143、VDP(Video Display Processor)144、音響DSP(Digital Signal Processor)145等を有して構成されている。統括CPU141は、制御用ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。制御用RAM143は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
VDP144は、液晶画面5に表示される演出画像を生成する。音響DSP145は、スピーカ24から出力される音響データを生成する。統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンド及び制御用ROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP144および音響DSP145に出力することにより、VDP144および音響DSP145の動作を制御する。
図には示されていないが、VDP144は、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示装置5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示装置5に出力する。
また、図には示されていないが、音響DSP145には、楽曲や音声、効果音等の演出音に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSP145によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSP145は、統括CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、演出役物7、盤ランプ25、枠ランプ37等の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、演出役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物7等の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37の発光を制御する。また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物7を動作させるモータの駆動を制御する。
また、ランプCPU151は、遊技者によって演出ボタン26または演出キー27が操作された場合に、その旨を通知する操作コマンドを演出制御基板130に送信する。
[遊技状態について]
ここで、遊技機1における遊技状態について説明する。本実施形態における遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「時短遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかで遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/300)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/40)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。なお、確変遊技状態において第2始動口12を開放すると判定される確率は12/12に限定されるものではなく、例えば11/12などの他の値であってもよい。このことは、確変遊技状態における第2始動口12の開放時間についても同様である。
また、詳細な説明は省略するが、確変遊技状態(時短遊技状態についても同様)には、通常遊技状態のときに比べて、特別図柄の変動時間が短い変動パターンが選択され易いという特徴がある。
なお、本実施形態における遊技機1では、大当たり遊技が終了して確変遊技状態に移行すると、大当たり遊技が終了してから特別図柄判定および特別図柄の変動表示が150回行われるまで確変遊技状態が継続する(図21参照)。そして、この150回の特別図柄判定が行われるまでに大当たりとならなかった場合は、150回目の特別図柄判定が行われた後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これに対して、他の実施形態では、次回の大当たりが発生するまで確変遊技状態が継続する構成を採用してもよい。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/300)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。なお、ここで例示した第2始動口12を開放すると判定される確率や、第2始動口12の開放時間は、上述した確変遊技状態に関する値と同様、他の値であってもよい。
なお、本実施形態の遊技機1では、大当たり遊技が終了して時短遊技状態に移行すると、途中で大当たりが発生しなかった場合には、第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が100回行われるまで時短遊技状態で遊技が制御される(図21参照)。そして、この100回の特別図柄判定が行われるまでに大当たりとならなかった場合は、100回目の特別図柄判定が行われた後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻される。
なお、以下の説明では、電チューサポート機能が付与されていることによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易な状態(例えば確変遊技状態や時短遊技状態)を「高ベース状態」と呼び、電チューサポート機能が付与されていないことによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易ではない状態(例えば通常遊技状態)を「低ベース状態」と呼ぶ場合がある。また、以下の説明では、低ベース状態で行われる遊技を「非時短遊技」と呼び、高ベース状態で行われる遊技を「時短遊技」と呼ぶ場合がある。
[客待ち状態のときに表示される各種の画面について]
図5は、客待ち状態のときに表示される各種の画面について説明するための説明図である。
遊技機1は、特別図柄判定の実行が保留されていない状態で図柄の変動表示が行われなくなると、いわゆる客待ち状態へと移行する。そして、客待ち状態へ移行してから設定時間(例えば5秒)が経過すると、液晶画面5に客待ちメニュー画面が表示される(図5(A)参照)。この客待ちメニュー画面は、図5(A)に例示されるように、本実施形態では、演出ボタン26を操作(押下)するとプレミア演出の発生率を選択できることを示唆する画像と、演出キー27の左キー又は右キーを操作(押下)すると音量設定が行えることを示唆する画像と、演出キー27の上キー又は下キーを操作(押下)すると光量設定が行えることを示唆する画像とを含むように構成されている。
客待ちメニュー画面が表示された状態で遊技者が演出キー27の左キー又は右キーを操作すると、図5(B)に例示される音量設定画面が表示される。図5(B)に例示されるように、音量設定画面は、現在の音量を示す画像と、演出キー27の左キー又は右キーを操作すると音量調整が行えることを示す画像と、演出ボタン26を操作すると音量設定画面の表示が終了することを示す画像とを有して構成されている。
これに対して、音量設定画面が表示された状態で遊技者が演出キー28の左キーを操作すると音量を下げることが可能であり、逆に右キーを操作すると音量を上げることが可能である。なお、本実施形態の遊技機1は、スピーカ24から出力される演出音の音量を5段階で切り替えることが可能であり、図5(B)には、音量が5段階のうちの3段階目に設定された状態が示されている。
一方、客待ちメニュー画面が表示された状態で遊技者が演出キー27の上キー又は下キーを操作すると、図5(D)に例示される光量設定画面が表示される。図5(D)に例示されるように、光量設定画面は、現在の光量を示す画像と、演出キー27の上キー又は下キーを操作すると光量調整が行えることを示す画像と、演出ボタン26を操作すると光量設定画面の表示が終了することを示す画像とを有して構成されている。
これに対して、光量設定画面が表示された状態で遊技者が演出キー28の上キーを操作すると光量を上げることが可能であり、逆に下キーを操作すると音量を下げることが可能である。なお、本実施形態の遊技機1は、液晶画面5に表示される演出画像の光量を3段階で切り替えることが可能であり、図5(D)には、光量が3段階のうちの1段階目(最少)に設定された状態が示されている。
なお、音量設定と光量設定に関して、他の実施形態では、以下のような構成を採用してもよい。すなわち、例えば、演出キー27の上キー又は下キーを操作することによって音量設定を行うか或いは光量設定を行うかを選択可能とし、この選択がなされた状態で演出キー27の左キー又は右キーを操作することによって、選択されている方の設定を変更可能な構成を採用してもよい。
図5の説明に戻り、客待ちメニュー画面が表示された状態で遊技者が演出ボタン26を操作すると、図5(C)に例示されるプレミア演出発生率設定画面が表示される。ここで、プレミア演出は、大当たり遊技が実行されることを示唆する示唆演出である。より詳細に説明すると、プレミア演出は、図柄の変動表示中に行われる予告演出のうちの、大当たり図柄が停止表示されることになる図柄の変動表示中にしか出現しない予告演出であり、他の予告演出に比べて出現率が低い予告演出である。
図5(C)に例示されるように、プレミア演出発生率設定画面は、プレミア演出の出現率に関する2つの選択項目(「通常」と「大幅UP」)と、演出キー27の左キー又は右キーを操作すると2つの選択項目に対するカーソル移動が行えることを示す画像と、演出ボタン26を操作するとプレミア演出の発生率に関する選択を決定できることを示す画像とを有して構成されている。
本実施形態の遊技機1では、プレミア演出の出現率が相対的に低い非プレミアモードと、プレミア演出の出現率が相対的に高いプレミアモード(特定状態の一例)のいずれかに設定可能である。
図5(C)には、「大幅UP」および「通常」の2つの選択項目のうちの「通常」にカーソルが位置していて、「通常」がハイライト表示された状態が例示されている。これに対して、この状態で遊技者が演出ボタン26を操作すると、「通常」が選択されたと判断されて、「非プレミアモード」に設定されることになる。具体的には、サブRAM133に記憶されているモード設定情報が、非プレミアモードを示す情報へと更新される。
一方、図5(C)に例示されるように「通常」にカーソルが位置している状態で遊技者が演出キー27の左キーを操作すると、「大幅UP」にカーソルが移動して、「大幅UP」がハイライト表示されることになる。そして、この状態で遊技者が演出ボタン26を操作すると、「大幅UP」が選択されたと判断されて、「プレミアモード」に設定されることになる。具体的には、サブRAM133に記憶されているモード設定情報が、プレミアモードを示す情報へと更新される。
このように、本実施形態の遊技機1では、プレミア演出の出現率、スピーカ24から出力される演出音の音量、及び液晶画面5に表示される演出画像の光量を任意に変更することが可能である。
なお、本実施形態では、プレミアモードに設定された状態で大当たりとなった場合に70%という高い確率でプレミア演出が実行される場合について説明するが(図12(B)参照)、他の実施形態では、プレミアモードに設定された状態で大当たりとなった場合には必ずプレミア演出を行うようにしてもよい。
[客待ち状態における画面表示の変形例]
なお、本実施形態では、客待ち状態に移行してから設定時間が経過すると客待ちメニュー画面が表示されて、何ら操作が行われなかった場合には、そのメニュー画面の表示が継続される場合について説明する。これに対して、他の実施形態では、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、他の実施形態では、客待ち状態において、客待ちメニュー画面の表示と客待ち演出とを行う構成を採用してもよい。ここで、客待ち演出としては、機種の特徴などを紹介する紹介ムービーを再生するムービー再生が一例として挙げられる。客待ち状態に移行した後の制御としては、客待ちメニュー画面の表示と、客待ち演出の表示と、通常画面(装飾図柄の変動表示中と同じ背景画像が表示されると共に装飾図柄が本停止した状態を示す画面)の表示とを順に切り替えることが考えられる。なお、これらの表示を切り替える順序は特に限定されるものではなく、客待ち演出の表示を行ってから客待ちメニュー画面を表示するようにしてもよい。
また、客待ち状態に移行してから設定時間が経過したことを条件として客待ちメニュー画面を表示するという構成に代えて、他の実施形態では、客待ち状態のときに遊技者による所定の入力(例えば演出ボタン26の操作)が行われたことを条件として、客待ちメニュー画面を表示するようにしてもよい。
また、他の実施形態では、客待ちメニュー画面の表示を介することなく、音量設定画面、光量設定画面、及びプレミア演出発生率設定画面を個別に表示可能な構成を採用してもよい。具体的には、例えば、客待ち状態における通常画面の表示中に演出ボタン26が操作されるとプレミア演出発生率設定画面を表示し、同じく客待ち状態における通常画面の表示中に演出キー27の左キー又は右キーが操作されると音量設定画面を表示し、同じく客待ち状態における通常画面の表示中に演出キー27の上キー又は下キーが操作されると光量設定画面を表示するといった構成が一例として挙げられる。
また、他の実施形態では、特別図柄および装飾図柄の変動表示中において、遊技者による所定の入力が行われたことを条件として、音量や光量、プレミア演出の発生率に関する設定変更を行えるような構成を採用してもよい。例えば、図柄の変動表示中に演出キー27の左キー又は右キーが操作されたことに応じて、プレミアモードと非プレミアモードとの切り替えを行うといった構成が一例として挙げられる。
[特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
図6は、特別図柄の変動表示に伴う演出の流れについて説明するための説明図である。高ベース状態で遊技が制御されている場合には、遊技者が右打ちを行って第2始動口12に遊技球を容易に入賞させることが可能である。これに対して、低ベース状態で遊技が制御されている場合には、右打ちを行ったとしても第2始動口12に遊技球を入賞させることは困難である。このため、低ベース状態で遊技が制御されている場合には、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
これに対して、第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行される。そして、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で停止表示される。これに対して、液晶画面5では、このような第1特別図柄の表示に伴って以下のような演出が行われる。
すなわち、液晶画面5では、第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのとほぼ同時に、装飾図柄の変動表示が開始される(図6(A)参照)。具体的には、液晶画面5には、例えば、1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が上から下へのスクロールするように、装飾図柄の変動表示が開始される(例えば図8(B)参照)。
そして、スクロールの開始から所定時間が経過すると、全ての装飾図柄が停止するのに先立って、例えば、左列の装飾図柄である左図柄と、右列の装飾図柄である右図柄とが停止する場合がある。その際、有効ライン上に同一の装飾図柄が停止しなかった場合にはリーチ成立とならず、ハズレを示す第1特別図柄の停止表示に伴って、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示唆する3つの装飾図柄(例えばバラケ目)が有効ライン上に停止表示されることによってハズレが報知される(図6(B)参照)。
一方、左図柄および右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が停止すると、リーチが成立する(図6(C)参照)。このようにしてリーチが成立すると、左図柄および右図柄と同じ装飾図柄が中図柄として有効ライン上に停止して図柄揃いとなるのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が実行される。
本実施形態における遊技機1では、第1特別図柄の変動表示に伴って実行されるリーチ演出として、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出が用意されていて、リーチ成立後にこれら3種類のリーチ演出のいずれかのリーチ演出が実行されて、そのリーチ演出の終盤で当落が報知される場合がある。ここで、3種類のリーチ演出の概要は以下の通りである。
ノーマルリーチ演出(図6(D)参照)は、例えば、中図柄のスクロール速度を徐々に低下させていくのに伴って、アニメのキャラクタが活躍する演出が展開されるリーチ演出である。遊技機1には、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定され易く、逆に「ハズレ」である場合には第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定され易いという特徴がある。これに対して、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定された場合、このノーマルリーチ演出が実行されてその終了時に「ハズレ」が報知され易い。このため、ノーマルリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するリーチ演出であると言える。
SPリーチ演出(図6(E)参照)は、有効ライン上に中図柄が停止するまでの間に、例えば、実写のキャラクタが活躍する演出が、例えばノーマルリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開されるリーチ演出である。このSPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に選択される可能性がある。また、SPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ第1特別図柄の変動時間が長めの時間に設定された場合に選択され易い。このため、SPリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が中程度であることを示唆するリーチ演出であると言える。
SPSPリーチ演出(図6(F)参照)は、有効ライン上に中図柄が停止するまでの間に、例えば、実写のキャラクタが活躍する演出が、例えばSPリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開されるリーチ演出である。このSPSPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に選択され易い。また、SPSPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合にも選択される場合があるが、「ハズレ」の場合には他のリーチ演出よりも選択され難いという特徴がある。また、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定された場合には選択され難く、逆に第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合に選択され易いという特徴がある。このため、SPSPリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するリーチ演出であると言える。
ここまで、リーチ成立後に1つのリーチ演出が実行されてそのリーチ演出の終了時に「大当たり」であるか否かが報知される場合について説明したが、本実施形態における遊技機1では、第1特別図柄の同一変動内で互いに異なる複数種のリーチ演出が実行される場合がある。
具体的には、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合、すなわち変動時間が相対的に長い第1特別図柄の変動パターンが選択された場合、例えば、リーチ成立後に先ずはノーマルリーチ演出が実行され、そのノーマルリーチ演出の途中又は終盤にSPリーチ演出やSPSPリーチ演出といったより上位のリーチ演出に発展する場合がある。
なお、例えばノーマルリーチ演出からSPSPリーチ演出へと発展する発展パターンは、ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出へと発展する発展パターンが選択される変動時間よりも長い変動時間が選択された場合に選択されるので、前者の発展パターンで発展するリーチ演出が実行される方が、後者の発展パターンで発展するリーチ演出が実行されるよりも、大当たりに対する信頼度は高い。このため、本実施形態では、ノーマルリーチ演出からSPSPリーチ演出へと発展する場合が、大当たりに対する信頼度が最も高いと言える。
このように、第1特別図柄の1回の変動表示中に1又は複数種類のリーチ演出が行われると、第1特別図柄の停止表示に伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図6(B)参照)。
なお、本実施形態では、リーチ演出の種類が、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出の3種類である場合について説明するが、リーチ演出は4種類以上用意されていてもよい。また、上記の3種類のリーチ演出に関して、リーチ演出が、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出の順で発展する発展パターンや、この発展パターンに対応する特別図柄の変動パターンが用意されていてもよい。
[報知演出に関する第1の具体例]
図7,8は、大当たり遊技が実行されることを報知する報知演出の第1の具体例について説明するための画面図である。本実施形態における遊技機1では、特別遊技を実行すると判定された場合に、液晶画面5およびスピーカ24を用いて、大当たり遊技が実行されることを報知する報知演出が実行される。
図7(A)には、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す態様(「154」)で装飾図柄が停止表示されると共に、第1保留アイコン表示領域51に第1特別図柄判定に係る2つの保留アイコンが表示された状態が示されている。なお、図7(A)では、第1保留アイコン表示領域51に表示されている最先の保留アイコンが、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するべく、特別アイコン(例えば赤色の保留アイコン)として表示されている。
図7(A)に示されるハズレ図柄(「154」)が停止表示されてから所定の確定時間(例えば1秒間)が経過すると、保留されていた特別アイコンに対する第1特別図柄判定が実行されると共に、第1特別図柄の変動表示が開始される。これに伴い、液晶画面5では、第1保留アイコン表示領域51に表示されていた特別アイコンが当該領域53にシフトするのと同時に、第1保留アイコン表示領域51に表示されていた2つ目の保留アイコンが特別アイコンの元々の表示位置へと移動する((図7(A)及び(B)参照))。そして、これらのアイコンのシフトとほぼ同時期に、装飾図柄の変動表示が開始される(図7(B)参照)。
装飾図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、図7(C)に例示されるように、有効ライン上において、左列および右列に同一の装飾図柄が擬似停止してリーチが成立する。なお、図には示されていないが、このリーチ成立に先立って、大当たりに対する信頼度を示唆する予告演出として、擬似連続予告演出、ステップアップ予告演出、セリフ予告などの予告演出が行われる場合がある。ここで、擬似連続予告演出は、特別図柄の1回の変動表表示中に、装飾図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出であり、擬似何連目まで発展するかによって、大当たりに対する信頼度を示唆する演出である。なお、擬似連続予告演出は、単に「擬似連」と呼ばれる場合がある。
また、ステップアップ予告演出は、予め設定された所定ステップ数を上限として所定ステップ数以下のいずれかのステップ数のステップまで段階的に発展可能な演出であり、最終的に何ステップ目まで発展するかと、各ステップで表示される演出画像の表示態様(例えば色)とによって、大当たりに対する信頼度を示唆する演出である。
また、セリフ予告は、キャラクタがセリフを発する様子を表す演出画像を表示する演出であって、セリフを発するキャラクタの種類と、セリフの内容、セリフの文字色等によって、大当たりに対する信頼度を示唆する演出である。
図7の説明に戻ると、リーチ成立から所定時間が経過すると、中図柄として、有効ライン上に左図柄および右図柄と同一の装飾図柄が停止することに対する遊技者の期待感を高めるノーマルリーチ演出が実行される(図7(D)参照)。図7(D)には、中図柄としてリーチ図柄と同じ3図柄が停止することに対する遊技者の期待感を高めるノーマルリーチ演出が実行されている様子が例示されている。このノーマルリーチ演出が実行されると、中図柄のスクロール速度が徐々に低下していって、最終的に、リーチ図柄よりも1少ない2図柄や、リーチ図柄よりも1多い4図柄が有効ライン上に停止して、ノーマルリーチ演出の終盤でハズレが報知される場合がある。
その一方で、図7(E)に例示されるように、リーチ図柄よりも1多い4図柄が有効ライン上を通過すると共に中図柄のスクロール速度が上昇して、リーチ演出の発展が示唆される場合がある。
このように、ノーマルリーチ演出から他のリーチ演出(SPSPリーチ演出またはSPリーチ演出)へと発展する場合、液晶画面5の画面中央に大きく表示されていた3列の装飾図柄が、例えば、その大きさを小さくしながら画面左上隅へと移動する(図7(F)参照)。そして、装飾図柄の移動によって確保された画面中央の領域を用いて、例えばSPSPリーチ演出が実行される(図7(G)参照)。
なお、SPSPリーチ演出の具体的な演出内容に関する説明は省略するが、例えば、自キャラクタと敵キャラクタとの攻防が繰り広げられてから、最終的に自キャラクタが敵キャラクタに勝利するか、或いは自キャラクタが敵キャラクタに倒されて敗北するかによって当落を報知するといったバトル演出を行うことが考えられる。
<突当たり>
ところで、本実施形態における遊技機1では、SPSPリーチ演出としてのバトル演出を行い、このバトル演出の終盤において遊技者が演出ボタン26を操作し、その操作に応じて演出役物7が虹色に発光しながら動作すれば大当たりが報知されるというのが基本的な演出パターンとなっている。このことは、SPリーチ演出へと発展する場合についても同様である。
これに対して、遊技機1では、リーチ成立前、ノーマルリーチ演出の序盤或いは中盤、SPリーチ演出の序盤や中盤、SPSPリーチ演出の序盤或いは中盤といった、本来は当落が報知されることがないタイミングにおいて、大当たりを示唆する「当たり示唆演出」が行われて、その直後(例えば2秒後)に図柄揃いとなる変則的な演出パターンも用意されている。
具体的に説明すると、例えばSPSPリーチ演出の序盤において、自キャラクタと敵キャラクタとが競り合っているような状況下で、当たり示唆演出の演出画像(以下「当たり示唆画像」ともいう。)が表示される(図7(H)参照)。この当たり示唆演出は、図7(H)に示されるように、例えば、所定のキャラクタが「ボーナス!?」といったセリフを発する当たり示唆画像を所定時間(例えば1.5秒間)表示すると共に、当たり示唆画像に関連する演出音をスピーカ24から出力する演出として構成されている。
そして、当たり示唆画像の表示開始から例えば2秒が経過すると、すなわち、当たり示唆画像の表示が終了してから0.5秒が経過すると、それまでは画面左上隅において装飾図柄が小さく変動表示されていたのが、3つの大きい装飾図柄が有効ライン上にいきなり揃う演出表示が行われる(図7(H)及び(I)参照)。このようにして有効ライン上に揃った3つの装飾図柄は、例えば1秒間の擬似停止期間を経て本停止することになる。
このように、本実施形態における遊技機1では、本来は当落が報知されないタイミングで当たり示唆演出が行われていきなり図柄が揃うといった意外性のある演出が行われるので、大当たりが報知されることを予期していなかった遊技者に対して、大当たりの喜びと驚きを突発的に感じさせることができ、結果として、高い演出効果を得ることが可能である。
なお、ここでは、SPSPリーチ演出の途中で当たり示唆演出が行われる場合を例に説明したが、当たり示唆演出は、ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出といった他のリーチ演出の途中で行われる場合もあるし、リーチ前演出の途中で行われる場合もある。
また、本実施形態では、リーチ演出の途中やリーチ前演出の途中において当たり示唆画像を液晶画面5の中央に大きく表示する場合について説明するが(図7(H)参照)、他の実施形態では、例えば、リーチ演出の途中やリーチ前演出の途中において、当たり示唆画像(本実施形態で例示したものと同じものであってもよいし、異なるものであってもよい)を液晶画面5の右下に小さく表示する当たり示唆演出を行うようにしてもよい。すなわち、リーチ演出やリーチ前演出を通常通り行っている状況下において、遊技者が気付き難い表示態様で当たり示唆画像を表示するようにしてもよい。また、その際に、当たり示唆画像に関連する演出音を出力しないといった構成を併せて採用してもよい。
このような構成を採用することにより、当たり示唆演出に気付く遊技者と、当たり示唆演出に気付かない遊技者とが存在するようになり、後者の遊技者に対しては、何の前触れもなく突然大当たりになったという感覚を与えることが可能であり、高い演出効果を得ることができる。また、画面に小さく表示された当たり示唆画像を探しながら遊技を行うという楽しみ方も可能である。
また、本実施形態では、プレミアムキャラクタとは異なるキャラクタを示す演出画像を当たり示唆画像として用いる場合について説明するが、他の実施形態では、プレミアムキャラクタを示す演出画像を当たり示唆画像として用いるようにしてもよい。このような構成を採用することにより、プレミアムキャラクタが大当たりを突発的に発生させたかのような感覚を遊技者に感じさせることができ、高い演出効果を得ることが可能である。
なお、この当たり示唆画像として表示されるプレミアムキャラクタは、プレミアモードに設定された状態で大当たりとなった場合に高い確率で出現するプレミア演出に使用されるプレミアムキャラクタ(図11(C)参照)と同じキャラクタであってもよい。
このような構成を採用することにより、プレミアモードに設定されたことで出現率が高まったプレミア演出以外でもプレミアムキャラクタが出現するようになる。このため、プレミアモードの設定とプレミアムキャラクタを表示する当たり示唆演出との相乗効果によって、プレミアムキャラクタをなかなか見ることができないといった問題を効果的に解消することが可能である。
なお、以下の説明では、当たり示唆演出が行われてその直後に図柄揃いとなる演出を「突当たり」と呼ぶ場合がある。
図7の説明に戻り、「突当たり」の演出が行われない場合には、図7(G)に示すSPSPリーチ演出画像が表示された後に当たり示唆画像(図7(H)参照)が表示されることはなく、SPSPリーチ演出の終盤にて当落が報知されることになる。
<直当たり>
すなわち、SPSPリーチ演出の終盤になると、遊技者に対して演出ボタン26の操作を促すボタン演出が行われる場合がある(図8(A)参照)。具体的には、図8(A)に例示されるように、演出ボタン26を模したボタン画像と、演出ボタン26の操作を促す「押せ!」という文言と、演出ボタン26に対する遊技者の操作が有効になる有効期間の残り時間を示すゲージ画像とが液晶画面5に表示される。
これに対して、今回の第1特別図柄の変動表示が開始された際に、「大当たり」と判定されている場合には、遊技者が有効期間内に演出ボタン26を操作したことに応じて、或いは、操作が行われることなく有効期間が満了したことに応じて、大当たりを示唆する演出が行われる(図8(B)参照)。例えば、SPSPリーチ演出がバトル演出として構成されている場合には、図8(B)に示されるように、例えば「勝利!!」といった文言が画面中央に大きく表示される。また、図には示されていないが、演出役物7が虹色に発光しながら動作するといった演出も併せて実行される。また、図8(B)に示されるように、ボタン演出において大当たりが示唆された瞬間に、画面左上隅で小さく変動表示されている装飾図柄が図柄揃い(いわゆるゾロ目)となる。なお、大当たりを示唆する演出は、大当たりを示唆する演出役物(演出役物7とは異なる役物であってもよい)が動作する演出であってもよい。
このように、ボタン演出において大当たりが示唆されると、液晶画面5の画面中央において、同一の3つの装飾図柄が大きく擬似停止表示され(図8(C)参照)、所定時間が経過するとこれら3つの装飾図柄が本停止する(図8(D)参照)。
このようにして大当たりを示す態様で装飾図柄が本停止してから所定の確定時間(例えば1秒)が経過すると、大当たり遊技のオープニング期間において、所定のオープニング演出が実行される(図8(E)参照)。このオープニング演出は、図8(E)に例示されるように、大当たりの種類を報知する演出や、遊技者に右打ちを促す演出等から構成される。
なお、以下の説明では、SPSPリーチ演出(ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出についても同様)の終盤でリーチ図柄と同じ図柄が揃う基本的な演出パターンを「直当たり」と呼ぶ場合がある。
<復活当たり>
一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合に、SPSPリーチ演出(ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出についても同様)の終盤において、ハズレと見せ掛けておいてから大当たりを報知する復活演出が行われる場合がある。具体的には、例えば、図8(A)に基づいて上述したボタン演出に対して、遊技者が演出ボタン26を操作した場合に、ハズレを示唆する演出表示が行われる(図8(F)参照)。より詳細に説明すると、図8(F)に例示されるように「敗北・・・」といった文字が表示されると共に、図には示されていないが、自キャラクタが敵キャラクタに倒された様子を示す演出表示が行われる。
そして、このようにしてハズレと見せ掛けておいてから、復活演出として、例えば自キャラクタの仲間が助けに来て敵キャラクタを倒す演出表示が行われる(図8(G)参照)。その際、大当たりを示唆する演出役物を動作させてもよいし、上記の敵キャラクタを倒す演出表示に代えて演出役物を動作させるようにしてもよい。このようにして復活演出が行われると、図8(C)に基づいて上述したのと同様に、同一の3つの装飾図柄が大当たりを示す態様で液晶画面5の中央に大きく擬似停止表示されることになる(図8(H)参照)。
なお、以下の説明では、SPSPリーチ演出(ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出についても同様)の終盤でハズレと見せ掛けておいてから大当たりが報知される演出パターンを「復活当たり」と呼ぶ場合がる。
一方、第1特別図柄の変動表示が開始された際にハズレと判定されている場合には、有効期間内における遊技者による演出ボタン26の操作に応じて、或いは操作が行われることなく有効期間が満了したことに応じて、リーチハズレを示す態様で3つの装飾図柄が停止表示されることになる(図8(I)参照)。
[大当たり用変動パターン選択テーブルについて]
図9は、大当たり用変動パターンテーブルについて説明するための説明図である。なお、図9では、説明の便宜上、変動パターン乱数の取り得る値が実際よりも少なくして示されている。
例えば、第1始動口11に遊技球が入賞すると、上述した大当たり乱数、図柄乱数、及びリーチ乱数と共に、変動パターン乱数が取得される。この変動パターン乱数は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動パターンを選択する変動パターン選択処理(図19参照)に使用される乱数である。
このように、始動口入賞に応じて取得情報としての各種の乱数が取得された後、取得された大当たり乱数に基づいて大当たりであると判定された場合には、その大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数に基づいて大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理に使用された大当たり乱数および図柄乱数と一緒に取得された変動パターン乱数に基づいて、特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動パターンが選択される。
遊技制御基板100のメインROM102には、特別図柄の変動パターンを選択する処理に使用されるテーブルの1つとして、大当たり用変動パターン選択テーブルが記憶されている(図9参照)。この大当たり用変動パターン選択テーブルは、特別図柄判定(ここでは第1特別図柄判定)において大当たりと判定された場合に、特別図柄(ここでは第1特別図柄)の変動パターンを選択するために使用されるテーブルである。
図9に例示されるように、大当たり用変動パターン選択テーブルでは、変動パターン乱数と第1特別図柄の変動パターンとが対応付けられている。変動パターン乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」に設定されている。
また、大当たり用変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄の変動時間が10秒である変動パターンA、第1特別図柄の変動時間が20秒である変動パターンB、第1特別図柄の変動時間が30秒である変動パターンC、第1特別図柄の変動時間が35秒である変動パターンD、第1特別図柄の変動時間が50秒である変動パターンE、第1特別図柄の変動時間が65秒である変動パターンF、第1特別図柄の変動時間が70秒である変動パターンG、第1特別図柄の変動時間が80秒である変動パターンH、第1特別図柄の変動時間が95秒である変動パターンI、第1特別図柄の変動時間が100秒である変動パターンJ、第1特別図柄の変動時間が105秒である変動パターンK、第1特別図柄の変動時間が120秒である変動パターンL、第1特別図柄の変動時間が125秒である変動パターンM、第1特別図柄の変動時間が130秒である変動パターンN、第1特別図柄の変動時間が145秒である変動パターンO、及び第1特別図柄の変動時間が150秒である変動パターンP等のそれぞれに対して、変動パターン乱数に関する乱数値が対応付けられている。
図9に例示されるように、大当たりの当選値と一致する大当たり乱数と一緒に取得された変動パターン乱数が「0」である場合には上記の変動パターンAが選択され、「1」である場合には上記の変動パターンBが選択され、「2」〜「4」のいずれかである場合には上記の変動パターンCが選択され、「5」である場合には上記の変動パターンDが選択され、「6」である場合には上記の変動パターンEが選択され、「7」〜「16」のいずれかである場合には上記の変動パターンFが選択され、「17」である場合には上記の変動パターンGが選択され、「18」である場合には上記の変動パターンHが選択される。
また、大当たりの当選値と一致する大当たり乱数と一緒に取得された変動パターン乱数が「19」〜「33」のいずれかである場合には上記の変動パターンIが選択され、「34」である場合には上記の変動パターンJが選択され、「35」である場合には上記の変動パターンKが選択され、「36」〜「55」のいずれかである場合には上記の変動パターンLが選択され、「56」である場合には上記の変動パターンMが選択され、「57」である場合には上記の変動パターンNが選択され、「58」〜「87」のいずれかである場合には上記の変動パターンOが選択され、「88」である場合には上記の変動パターンPが選択される。
このため本実施形態における遊技機1では、突当たりに対応する変動パターンA、変動パターンB、変動パターンE、変動パターンH、変動パターンK、及び変動パターンNが、それぞれ1/100(=1%)の割合で選択される。このため、大当たり全体のうちの約6%の割合で突当たりの演出が行われることになる。
また、復活当たりに対応する変動パターンD、変動パターンG、変動パターンJ、変動パターンM、及び変動パターンPが、それぞれ1/100(=1%)の割合で選択される。このため、大当たり全体のうちの約5%の割合で復活当たりの演出が行われることになる。
一方、基本的な直当たりに対応する変動パターンに関しては、変動パターンCが3/100(=3%)の割合で選択され、変動パターンFが10/100(=10%)の割合で選択され、変動パターンIが15/100(=15%)の割合で選択され、変動パターンLが20/100(=20%)の割合で選択され、変動パターンOが30/100(=30%)の割合で選択される。
なお、本実施形態における遊技機1では、遊技制御基板100において選択される第1特別図柄の変動パターンと、演出制御基板130において選択される装飾図柄の変動演出パターンとが、1対1対応で対応付けられている。具体的には、演出制御基板130のサブROM132には、遊技制御基板100で選択され得る特別図柄の変動パターンと、変動演出パターンとを対応付けたテーブルが記憶されている。
このため、例えば、遊技制御基板100において変動パターンAが選択されることによって、演出制御基板130では、リーチ成立前に突当たりとなる変動演出パターンAが選択されることになる。また、例えば、遊技制御基板100において変動パターンFが選択されることによって、演出制御基板130では、リーチ成立後にSPリーチ演出が実行されてそのSPリーチ演出の終盤で直当たりとなる変動演出パターンFが選択されることになる。
また、例えば、遊技制御基板100において変動パターンJが選択されることによって、演出制御基板130では、リーチ成立後にノーマルリーチ演出からSPリーチ演出へと発展して、そのSPリーチ演出の終盤で復活当たりとなる変動演出パターンJが選択されることになる。また、例えば、遊技制御基板100において変動パターンNが選択されることによって、演出制御基板130では、リーチ成立後にノーマルリーチ演出からSPSPリーチ演出へと発展して、そのSPSPリーチ演出の途中で突当たりとなる変動演出パターンNが選択されることになる。
このように、本実施形態における遊技機1では、特別図柄の変動パターンと装飾図柄の直当たりの変動演出パターンとが対応付けられており、特別図柄の変動パターンと装飾図柄の復活当たりの変動演出パターンとが対応付けられており、特別図柄の変動パターンと装飾図柄の突当たりの変動演出パターンとが対応付けられている。
このため、大当たりとなった場合に、突当たりの変動演出パターンに対応する特別図柄の変動パターンが選択されることによって、結果として、突当たりの演出を実現することが可能である。このことは、直当たりと復活当たりについても同様である。
なお、本実施形態では、図9の表記から明らかなように、突当たりの出現率が6%の割合に設定されると共に、復活当たりの出現率が5%の割合に設定されており、直当たりに比べて突当たりや復活当たりとなる割合が少ない。
このため、大抵の場合は直当たりの演出により大当たりが報知される一方で、稀に突当たりや復活当たりの演出により大当たりが報知されるので、遊技者に対して意外性を感じさせることができ、結果として興趣性を効果的に向上させることが可能である。
[演出の比較]
次に、図10を参照しつつ、大当たりに係る各変動演出パターンを構成する演出の一致点と相違点について説明する。ここで、図10は、特別図柄の変動表示に伴う演出の流れについて説明するためのタイムチャートである。
図9に例示されるように、大当たりに係る特別図柄の変動パターンとして変動パターンOが選択されると、装飾図柄の変動パターンとして変動演出パターンOが選択される。この場合、第1特別図柄の変動表示に伴って、リーチ状態を形成しない状態で3列の装飾図柄を変動表示させるリーチ前演出と、リーチ前演出に続くノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出に続くSPSPリーチ演出とが実行されて、そのSPSPリーチ演出の終盤で直当たりの演出パターンにて大当たりが報知されることになる(図9及び図10(A)参照)。
一方、図9に例示されるように、大当たりに係る特別図柄の変動パターンとして変動パターンAが選択されると、装飾図柄の変動パターンとして変動演出パターンAが選択される。この場合、第1特別図柄の変動表示に伴ってリーチ前演出が実行され、このリーチ前演出の途中で当たり示唆演出が実行されてその直後に突当たりの演出パターンにて大当たりが報知されることになる(図9及び図10(B)参照)。
ここで、第1特別図柄(及び装飾図柄)の変動表示が開始されてからその第1特別図柄(及び装飾図柄)が所定の確定時間だけ停止表示されるまでの期間に関して、図10(A)に示されるように変動演出パターン0で装飾図柄が変動表示される場合の期間を第1期間とし、図10(B)に示されるように変動演出パターンAで装飾図柄が変動表示される場合の期間を第2期間とし、その上でこられの期間において行われる演出を比較すると、以下のことが言える。
すなわち、第1期間においては、図10(A)に例示されるように、第1特別図柄の変動表示に伴って、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、及びSPSPリーチ演出が行われて、このSPSPリーチ演出の終盤で大当たりが報知される。なお、以下の説明では、この第1期間において実行される報知演出であって、大当たり遊技が実行されることを第1期間の終盤で報知する演出を「第1報知演出」と呼ぶものとする。
これに対して、第1期間よりも短い第2期間においては、第2期間の開始から終盤に掛けて、図10(A)及び(B)の表記から明らかなように、第1報知演出におけるリーチ前演出の途中までと共通するリーチ前演出が実行される。そして、このリーチ前演出の実行中に当り示唆演出が実行されて、その直後(第2期間の終盤)に突当たりの演出パターンにて大当たりが報知されることになる。
このように、変動演出パターンOが選択されて第1報知演出が実行される場合には、所定のリーチ前演出を最後まで行ってからノーマルリーチ演出へと演出が続いていくのに対して、変動演出パターンAが選択されて第2報知演出が実行される場合には、変動演出パターンOが選択された場合に実行されるのと同じ所定のリーチ前演出を途中まで行って突当たりの演出パターンにて大当たりが報知される。すなわち、所定のリーチ前演出の残りの演出が実行されることなく大当たりが報知される。
なお、変動演出パターンBが選択された場合における第2期間を上記の第1期間と比較した場合には、以下のことが言える。
すなわち、第1期間における第1報知演出では、図10(A)に例示されるように、第1特別図柄の変動表示に伴って、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、及びSPSPリーチ演出が行われる。
これに対して、変動演出パターンBに対応する第2期間では、第2期間の開始から終盤に掛けて、図10(A)及び(C)の表記から明らかなように、第1報知演出におけるリーチ前演出と同じリーチ前演出が実行され、第1報知演出におけるノーマルリーチ演出の途中までと共通するノーマルリーチ演出が実行される。そして、このノーマルリーチ演出の実行中に当り示唆演出が実行されて、その直後(第2期間の終盤)に突当たりの演出パターンにて大当たりが報知されることになる。
このように、変動演出パターンOが選択されて第1報知演出が実行される場合には、所定のリーチ前演出およびノーマルリーチ演出を最後まで行ってからSPSPリーチ演出へと演出が続いていく。これに対して、変動演出パターンBが選択されて第2報知演出が実行される場合には、第1報知演出にて実行されるのと同じ所定のリーチ前演出を実行した後に、第1報知演出にて実行されるノーマルリーチ演出の途中までと共通するノーマルリーチ演出を行って突当たりの演出パターンにて大当たりが報知される。すなわち、所定のノーマルリーチ演出の残りの演出が実行されることなく大当たりが報知される。
また、変動演出パターンNが選択された場合における第2期間を上記の第1期間と比較した場合には、以下のことが言える。
すなわち、第1期間における第1報知演出では、図10(A)に例示されるように、第1特別図柄の変動表示に伴って、リーチ前演出、ノーマルリーチ演出、及びSPSPリーチ演出が行われる。
これに対して、変動演出パターンNに対応する第2期間では、第2期間の開始から終盤に掛けて、図10(A)及び(D)の表記から明らかなように、第1報知演出におけるリーチ前演出と同じリーチ前演出が実行され、第1報知演出におけるノーマルリーチ演出と同じノーマルリーチ演出が実行され、第1報知演出におけるSPSPリーチ演出の途中までと共通するSPSPリーチ演出が実行される。そして、このSPSPリーチ演出の実行中に当り示唆演出が実行されて、その直後(第2期間の終盤)に突当たりの演出パターンにて大当たりが報知されることになる。
このように、変動演出パターンOが選択されて第1報知演出が実行される場合には、所定のリーチ前演出、ノーマルリーチ演出、及びSPSPリーチ演出を最後まで行ってからSPSPリーチ演出へと演出が続いていく。これに対して、変動演出パターンNが選択されて第2報知演出が実行される場合には、第1報知演出にて実行されるのと同じ所定のリーチ前演出およびノーマルリーチ演出を実行した後に、第1報知演出にて実行されるSPSPリーチ演出の途中までと共通するSPSPリーチ演出を行って突当たりの演出パターンにて大当たりが報知される。すなわち、所定のSPSPリーチ演出の残りの演出が実行されることなく大当たりが報知される。
このように、本実施形態における遊技機1では、リーチ前演出の途中、ノーマルリーチ演出の途中、SPSPリーチ演出の途中などにおいて、突発的に大当たりが報知される場合がある。このため、大当たりに対する喜びと大当たりが突然訪れたという驚きを、遊技者に対して突発的且つ同時に感じさせることができる。
また、本実施形態における遊技機1では、直当たりの変動演出パターンと突当たりの変動演出パターンに加えて、ハズレと見せ掛けておいてから大当たりを報知する復活当たりの変動演出パターンが用意されている。このため、直当たりの変動演出パターンと、突当たりの変動演出パターンと、復活当たりの変動演出パターンとの相乗効果によって、いつ当たるか分からないといった印象を遊技者に与えることができる。すなわち、遊技者が、本来は大当たりが報知されることがない演出タイミングで大当たりが報知されるのを期待できるようになり、結果として、長期に亘って大当たりに対する期待感を持続させることができる。
[当たり示唆演出と他の予告演出との比較]
ここで、遊技機1において実行される当たり示唆演出と他の予告演出との一致点および相違点について説明する。
当たり示唆演出は、上述したように、突当たりの演出パターンにて大当たりが報知される直前に実行される、大当たりが実行される可能性が相対的に高いことを示唆する予告演出である。
一方の他の予告演出は、具体的には、擬似連続予告演出、ステップアップ予告演出、セリフ予告などの大当たりに対する信頼度を示唆する予告演出である。
当たり示唆演出と他の予告演出とを比較した場合、特別図柄の変動表示中に行われる演出であるという点で、両者は共通している。
その一方で、当たり示唆演出が、大当たりに係る図柄の変動表示中にしか実行されないのに対して、他の予告演出が、大当たりに係る図柄の変動表示中とハズレに係る図柄の変動表示中との両方において実行されるという点において、両者は相違している。
また、当たり示唆演出が実行された場合には、当たり示唆演出の直後(例えば当たり示唆演出の開始から2秒後)に大当たりが報知される(図7(H)及び(I)参照)。
これに対して、他の予告演出は、リーチ成立後に実行される場合があるものの、大抵の場合はリーチ前演出中に実行されるため(図10(A)参照)、他の予告演出が実行されてから相当の時間が経過しなければ大当たりが報知されることがないという特徴がある。
このことから明らかなように、当たり示唆演出と他の予告演出とは、それぞれの演出が実行されてから大当たりが報知されるまでの時間が大きく相違している。
[当たり示唆演出に関する変形例]
当たり示唆演出に関して以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、液晶画面5およびスピーカ24を用いて当たり示唆演出を行う場合について説明するが、枠ランプ37等の他の演出手段を用いて当たり示唆演出を行うようにしてもよい。なお、枠ランプ37を当たり示唆演出に使用する場合、例えば、ハズレ変動中には虹色以外の発光色で枠ランプ37を発光させる一方で、当たり変動中に枠ランプ37を虹色で発光させることによって当たり示唆演出を実現するようにしてもよい。その際、ハズレ変動中には出力されない特殊演出音をスピーカ24から出力するようにしてもよい。また、盤ランプ25を枠ランプ37と同様に制御して当たり示唆演出を実現してもよい。
また、当たり示唆演出に使用する演出手段の数は特に限定されるものではなく、液晶画面5、スピーカ24、及び枠ランプ37のいずれか1つを用いて当たり示唆演出を行うようにしてもよいし、これら3つの演出手段を全て用いて当たり示唆演出を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、突当たりの演出パターンで大当たりが報知される場合には当たり示唆演出を必ず実行する場合について説明するが、他の実施形態では、突当たりの演出パターンで大当たりが報知される場合において、例えば乱数を用いた演出抽選を行い、その抽選結果に基づいて、当たり示唆演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。また、他の実施形態では、当たり示唆演出を全く実行しないといった構成を採用してもよい。
[報知演出に関する第2の具体例]
図11は、大当たり遊技が実行されることを報知する報知演出の第2の具体例について説明するための画面図である。
図11(A)には、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す態様(「357」)で装飾図柄が停止表示されると共に、第1保留アイコン表示領域51に第1特別図柄判定に係る2つの保留アイコンが表示された状態が示されている。なお、図11(A)では、第1保留アイコン表示領域51に表示されている最先の保留アイコンが、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するべく、特別アイコン(例えば赤色の保留アイコン)として表示されている。
図11(A)に示されるハズレ図柄(「357」)が停止表示されてから所定の確定時間(例えば1秒間)が経過すると、保留されていた特別アイコンに対する第1特別図柄判定が実行されると共に、第1特別図柄の変動表示が開始される。これに伴い、液晶画面5では、第1保留アイコン表示領域51に表示されていた特別アイコンが当該領域53にシフトするのと同時に、第1保留アイコン表示領域51に表示されていた2つ目の保留アイコンが特別アイコンの元々の表示位置へと移動する((図11(A)及び(B)参照))。そして、これらのアイコンのシフトとほぼ同時期に、装飾図柄の変動表示が開始される(図11(B)参照)。
装飾図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、例えばリーチ前演出が実行されている状況において、所定のプレミア演出が実行される場合がある(図11(C)参照)。このプレミア演出は、例えば、所定のキャラクタを液晶画面の右上に表示すると共に、このキャラクタが特定のセリフを発する演出音をスピーカ24から出力する演出として構成される。
次に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、図11(C)に例示されるように、有効ライン上に左図柄および右図柄として同一の装飾図柄が擬似停止してリーチが成立する(図11(D)参照)。そして、リーチが成立するとノーマルリーチ演出が実行されて(図11(E)参照)、このノーマルリーチ演出の終盤においてSPSPリーチ演出への発展を示唆する演出が行われて(図11(E)及び(F)参照)、SPSPリーチ演出が実行される(図11(G)参照)。そして、今回の第1特別図柄の変動表示中にはプレミア演出が実行されているので、このSPSPリーチ演出の終盤において、大当たりが報知されることになる(図11(H)参照)。このようにして大当たりが報知されると、大当たり遊技のオープニング期間において、所定のオープニング演出が実行される(図11(I)参照)。
[プレミア演出の制御について]
本実施形態における遊技機1では、プレミア演出発生率設定画面(図5(C)参照)に対して遊技者が所定の設定操作を行うことによって、プレミアモードまたは非プレミアモードに設定することが可能である。このため、本実施形態においては、プレミア演出の出現率を遊技者が任意に変更することが可能である。
ところで、最終的に復活演出が行われて大当たりが報知されることになる図柄の変動表示中において、図11(C)に例示したようなプレミア演出を実行してしまうと、ハズレを示す態様で装飾図柄が擬似停止した後に復活演出が行われるということを遊技者が事前に認識できてしまい、その結果、復活演出による高い演出効果を得られなくなる可能性がある。
そこで、このような問題が生じるのを抑制すべく、最終的に復活演出が実行されるときにはプレミア演出を実行しないといった構成を採用することが考えられる。
しかしながら、このような構成を安易に採用してしまうと、復活演出が実行される変動演出パターンが選択されることでプレミア演出の実行が禁止されてしまい、その結果、プレミアモードに設定したにも拘わらずプレミア演出の発生率が上昇せずに、遊技者がプレミア演出を十分に楽しむことができなくなるという別の問題が生じるおそれがある。
このため、本実施形態における遊技機1では、プレミアモードに設定されていないとき(非プレミアモードに設定されているとき)には、復活演出が実行されるのに先立ってプレミア演出が実行されるのを制限する一方で、プレミアモードに設定されているときには、復活演出が実行されるか否かに関わらず、プレミア演出を相対的に高い割合で実行するといった構成が採用されている。
[プレミア演出の実行要否決定テーブルについて]
後に詳述するが、遊技機1では、遊技制御基板100において第1特別図柄判定が実行されると、遊技制御基板100から演出制御基板130へと変動開始コマンドが送信される。この変動開始コマンドは、大当たりか否かの判定結果を示す図柄の設定情報や、選択された第1特別図柄の変動パターンを示す変動パターンの設定情報等を含むものである。
演出制御基板130のサブCPU131は、演出制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、大当たりか否かを判定する。そして、大当たりであると判定した場合、装飾図柄の変動演出パターンを選択すると共に、サブROM132に記憶されているプレミア演出の実行要否決定テーブルを参照して、プレミア演出を実行するか否かを決定する処理を行う。
図12は、プレミア演出の実行要否決定テーブルについて説明するための説明図であり、図12(A)は、非プレミアモードに設定されているときに参照される実行要否決定テーブルを示す図であり、図12(B)は、プレミアモードに設定されているときに参照される実行要否決定テーブルを示す図である。
図12(A)及び(B)に例示されるように、実行要否決定テーブルでは、復活演出の有無と実行要否決定乱数とが対応付けられている。
サブCPU131は、第1特別図柄判定の大当たりに係る変動開始コマンドを受信した場合、この変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する。次に、サブRAM133に記憶されているモード設定情報に基づいて、プレミアモードに設定されているか否かを特定し、プレミアモードに設定されていない場合には、非プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(A)参照)をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットし、プレミアモードに設定されている場合には、プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(B)参照)をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。
続いて、サブCPU131は、上記の大当たりに係る変動開始コマンドを受信したことに応じて実行要否決定乱数を取得すると共に、設定した変動演出パターンが復活演出を含むものであるか否かを特定する。そして、取得した実行要否決定乱数が、サブRAM133にセットした実行要否決定テーブルにおいて、特定した復活演出の有無に対して対応付けられている乱数値と一致するか否かに基づいて、プレミア演出を実行するか否かを決定する。
図12(A)に例示されるように、非プレミアモード用の実行要否決定テーブルでは、実行要否決定乱数の取り得る範囲が「0」〜「99」に設定されている。また、非プレミアモード用の実行要否決定テーブルでは、復活演出「なし」に対して「0」〜「1」の2個の乱数値が対応付けられている。このため、復活演出を含まない変動演出パターンで変動演出が行われる場合にプレミア演出が実行される確率は2%(=2/100)である。
また、同じく図12(A)に例示されるように、非プレミアモード用の実行要否決定テーブルでは、復活演出「あり」に対して乱数値が対応付けられていない。このため、復活演出を含まない変動演出パターンで変動演出が行われる場合にプレミア演出が実行される確率は0%(=0/100)である。
このように、本実施形態における遊技機1では、非プレミアモードに設定されている場合には、復活演出を含む変動演出パターンで変動演出が行われる場合には復活演出に先立ってプレミア演出が実行されることがないため、プレミア演出が実行されることによって、後に復活演出が実行されることを遊技者が事前に認識できてしまうのを防止することができる。
一方、プレミアモード用の実行要否決定テーブルでは、図12(A)に例示されるように、実行要否決定乱数の取り得る範囲が非プレミアモード用の実行要否決定テーブルと同様に「0」〜「99」に設定されている。このプレミアモード用の実行要否決定テーブルでは、復活演出「なし」と復活演出「あり」の両方に対して、「0」〜「69」の70個の乱数値が対応付けられている。このため、プレミアモードに設定されている場合には、大当たりに係る変動演出パターンが復活演出を含むものであるか否かに関わらず、70%(=70/100)という高い確率でプレミア演出が実行される。
このように、プレミアモードに設定されている場合には、復活演出が行われる影響でプレミア演出の実行が抑制されるといったことがないため、遊技者は、復活演出が実行されるか否かに関わらず、プレミア演出を十分に楽しむことができる。
なお、プレミア演出としては、保留アイコンや当該アイコンとして虹色のアイコンを表示する演出、枠ランプ37や盤ランプ25といったランプを虹色で発光させる演出、プレミアムキャラクタを表示する演出、ハズレ変動では出力されない特殊演出音をスピーカ24から出力する演出等が例として挙げられる。これに対して、本実施形態における遊技機1では、プレミア演出を実行すると決定された場合に、どのプレミア演出を実行するか、プレミア演出をどのタイミングで実行するか等が乱数を用いた抽選によって決定される。
このような構成では、同一変動内で複数のプレミア演出が出現する場合があり、遊技者は、プレミア演出を十分に楽しむことができる。
また、本実施形態では、非プレミアモードに設定された状態で復活演出が行われる場合にはプレミア演出を行わないこととしている(図12(A)の復活演出「あり」を参照)。これに対して、例えば、同一変動内で復活演出の後にプレミア演出を行ったり、或いは、復活演出と同時にプレミア演出を行ったりするようにすれば、復活演出が実行されることを遊技者が事前に認識できてしまうといった問題が生じることがない。
このため、他の実施形態では、非プレミアモードにおいて復活演出と同時或いは復活演出の後にプレミア演出を行うことを条件として、非プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(A)参照)において、復活演出「あり」に対して、例えば1%といった相対的に低い割合でプレミア演出が出現するように、乱数値を対応付けておいてもよい。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図13を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図13は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図13に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図13以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数は上述した通りであり、普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力されたことに応じて各種の乱数を取得する処理を含むスイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図14に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行して、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図17に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部117を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図14は、図13のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図14に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図15に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図16に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114(又は第2ゲートスイッチ115)からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、第1ゲートスイッチ114(又は第2ゲートスイッチ115)からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図15は、図14のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図15に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する(ステップS213〜ステップS216)。
このように、保留数U1が最大保留数Umax1未満の状態で第1始動口スイッチ111が「ON」になるという取得条件の成立に応じて、大当たり乱数等の各種の取得情報が取得される。
ステップS216の処理に続いて、メインCPU101は、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS217)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。なお、詳細な説明は省略するが、低ベース状態のときにステップS213〜ステップS216の処理によって各種の乱数が取得されると、これらの乱数に基づいて第1特別図柄の変動表示開始時に実行される第1特別図柄判定と同様の処理を行う事前判定処理が実行される。この場合、この事前判定の結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドが演出制御基板130へと送信され、その結果として、保留変化などの第1特別図柄判定に係る保留アイコンを用いた先読み演出が実現されることになる。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図16は、図14のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図16に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する(ステップS223〜ステップS226)。
ステップS226の処理に続いて、メインCPU101は、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS227)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。なお、詳細な説明は省略するが、高ベース状態のときにステップS223〜ステップS226の処理によって各種の乱数が取得されると、これらの乱数に基づいて第1特別図柄の変動表示開始時に実行される第1特別図柄判定と同様の処理を行う事前判定処理が実行される。この場合、この事前判定の結果を示す事前判定情報を含む保留コマンドが演出制御基板130へと送信され、その結果として、保留変化などの第2特別図柄判定に係る保留アイコンを用いた先読み演出が実現されることになる。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図17を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図17は、図13のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図17に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。図には示されていないが、メインRAM103には、判定用記憶領域および保留記憶領域が設けられている。ここで、判定用記憶領域は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。保留記憶領域は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される4つの記憶領域と、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される4つの記憶領域とを有して構成されている。メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてステップS308のシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の1つ目の保留記憶領域に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の1つ目の保留記憶領域に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定されることになる。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図18に基づいて後に詳述する。
図17の表記からも明らかなように、メインCPU101は、大当たり遊技中ではなく、図柄変動中でもないといった始動条件が成立すると、このステップS309において、始動口入賞時に取得した大当たり乱数等に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図19に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5における装飾図柄の変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS313)。ここで、客待ちフラグは、遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、特別図柄判定の実行が保留されておらず且つ特別図柄の変動表示が行われなくなったタイミングで「ON」に設定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに「OFF」に設定される。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS313:YES)、客待ちフラグを「OFF」に設定する(ステップS314)。そして、ステップS314の処理を実行した場合、又は客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS313:NO)、変動時間の計測を開始する(ステップS315)。
メインCPU101は、ステップS315の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS315における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS317)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS317:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS317:YES)、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS318)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS318の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS319)。具体的には、ステップS309の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS319の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS315の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS320)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS321)。この停止中処理については、図20に基づいて後に詳述する。
一方、メインCPU101は、第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS305:NO)、客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS323)。ここで、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS323:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS323:NO)、遊技機1が客待ち状態になったことを通知する客待ちコマンドをメインRAM103にセットし(ステップS324)、客待ちフラグを「ON」に設定する(ステップS325)。この客待ちコマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図18は、図17のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な(遊技者が遊技媒体を獲得可能な)大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。
具体的には、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。一方、第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS319の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されて、その特別図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS319の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図19は、図17のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図17のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブル(図9参照)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターン選択テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチ用変動パターン選択テーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図20は、図17のステップS321における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS320の処理によって変動時間をリセットした後、図20に例示されるように、ステップS3092(図18参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3211)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3211:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3212)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグおよび確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3213)。ここで、時短遊技フラグは、電チューサポート機能が付与される時短状態であるか否かを示すフラグであり、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態における遊技機1では、時短遊技フラグおよび確変遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を確変遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を時短遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に時短遊技フラグが「ON」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
ステップS3213の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3214)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3211:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3216)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3216:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3217)。この時短遊技残余回数Jは、時短状態(高ベース状態)で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3217の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3218)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3218:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3219)。これにより、電チューサポート機能が付与されなくなる。
メインCPU101は、ステップS3219の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3216:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3218:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3221)。
メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3221:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3222)。この高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3222の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3223)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3223:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3224)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
このステップS3224の処理が行われた場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3221:NO)、高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3223:NO)、又はステップS3214の処理が行われた場合、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図21は、遊技制御基板100において大当たり遊技の終了時に実行される遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。遊技機1では、ステップS6の大入賞口開放制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディングが終了すると、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディングが終了すると、メインRAM103に記憶されている図柄の設定情報に基づいて、今回の大当たり遊技の契機となった大当たりが確変当たりであるか否かを判定する(ステップS6261)。ここで、確変当たりではないと判定された場合(ステップS6261:NO)、後述するステップS6266に処理が進められる。
メインCPU101は、確変当たりであると判定した場合(ステップS6261:YES)、確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6262)、高確率遊技残余回数Kを例えば「150」に設定する(ステップS6263)。このステップS6263の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから150回の特別図柄判定が行われるまで大当たり判定に係る高確率状態が継続することになる。
ステップS6263の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6264)、時短遊技残余回数Jを「150」に設定する(ステップS6265)。このようにしてステップS6262〜ステップS6265の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ150回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
メインCPU101は、確変当たりではないと判定した場合(ステップS6261:NO)、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6266)、時短遊技残余回数Jを「100」に設定する(ステップS6267)。
このようにしてステップS6266及びステップS6267の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ100回の特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図22を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図22は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図22に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図22以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からコマンドを受信した場合にそのコマンドに応じた処理を行う処理等を含むコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、コマンド送信処理を実行する(ステップS30)。具体的には、ステップS10の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140(及びランプ制御基板150)に送信する。このコマンド送信処理が実行されることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯等による演出の実行がランプ制御基板150に対して指示される。
そして、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS50)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御部140から送信されるので、そのデータをランプ制御部150に転送する。これにより、液晶画面5およびスピーカ24で行われている演出と同期するように、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物7、演出ボタン26等の演出媒体による演出がランプ制御部150によって制御される。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図23は、図22のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図23に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、ステップS30に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドがステップS217(図15参照)又はステップS227(図16参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS14に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。詳細な説明は省略するが、この保留コマンド受信処理は、第1特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には第1保留アイコン表示領域51に保留アイコンを表示し、第2特別図柄判定に係る保留コマンドを受信した場合には第2保留アイコン表示領域52に保留アイコンを表示する処理である。なお、受信した保留コマンドに事前判定情報が含まれている場合には、その事前判定情報に基づいて、保留アイコンとして特別アイコンを表示したり、通常アイコンとしてこれから表示する保留アイコンを後に特別アイコンに変化させたりする処理を実行する場合がある。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドがステップS311(図17参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS14)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS14:NO)、後述するステップS18に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS15)。この変動開始コマンド受信処理については、図28に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS14:NO)、そのコマンドがステップS318(図17参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS18)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS18:YES)、装飾図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS19)。
この変動演出終了コマンドがステップS30の処理によって画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す装飾図柄が液晶画面5に停止表示されることになる。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS18:NO)、そのコマンドがランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS21)。この操作コマンドは、ランプ制御基板150のランプCPU151が演出ボタン26や演出キー27の操作を検知した場合に、その情報を通知するためにランプ制御基板150から送信されるコマンドであり、操作されたのが演出ボタン26であるか演出キー27であるかを示す情報、演出キー27が操作された場合にはどのキーが操作されたかを示す情報等を含むものである。サブCPU131は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS21:YES)、受信した操作コマンドに応じた処理等を行う操作通知コマンド受信処理を実行する(ステップS22)。この操作通知コマンド受信処理については、図25に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定した場合(ステップS21:NO)、そのコマンドがステップS324(図17参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された客待ちコマンドであるか否かを判定する(ステップS23)。サブCPU131は、客待ちコマンドであると判定した場合(ステップS23:YES)、受信した客待ちコマンドに応じた処理等を行う客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップS24)。この客待ちコマンド受信処理については、図24に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが客待ちコマンドではないと判定した場合(ステップS23:NO)、そのコマンドがステップS3214(図20参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS26)。ここで、オープニングコマンドであると判定した場合(ステップS26:YES)、上述したオープニング演出を開始させるための設定情報等を含むオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS27)。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図24は、図23のステップS24における客待ちコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図24に例示されるように、サブCPU131は、図5に基づいて上述した4つの画面のいずれかの画面の表示中であるか否かを判定する(ステップS241)。具体的には、例えば、客待ちメニュー画面の表示を開始してから変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて、4つの画面のいずれかの画面の表示中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、いずれかの画面の表示中ではないと判定した場合(ステップS241:NO)、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS242)。ここで、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS242:YES)、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測を開始し(ステップS243)、サブRAM133に記憶されている計測フラグを「ON」に設定する(ステップS244)。この計測フラグは、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であるか否かを示すフラグであり、経過時間の計測中は「ON」に設定され、計測中でなければ「OFF」に設定される。
サブCPU131は、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS242:NO)、計測フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS245)。ここで、計測フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS245:YES)、又はステップS244の処理を実行した場合、経過時間の計測を開始してから設定時間(本実施形態では5秒)が経過したか否かを判定する(ステップS246)。
サブCPU131は、設定時間が経過したと判定した場合(ステップS246:YES)、計測フラグを「OFF」に設定し(ステップS247)、経過時間をリセットし(ステップS248)、例えば画像音響制御基板140に客待ちメニュー画面の表示を指示するコマンドを送信することによって、客待ちメニュー画面の表示を開始させる(ステップS249)。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図25は、図23のステップS22における操作通知コマンド受信処理の詳細フローチャートである。図25に例示されるように、サブCPU131は、ランプ制御基板150から受信した操作コマンドに含まれている情報に基づいて、操作されたのが演出ボタン26であるか否かを判断する(ステップS221)。ここで、演出ボタン26であると判断した場合(ステップS221:YES)、演出ボタン26の操作に応じた処理等を行うボタン操作対応処理を実行する(ステップS222)。このボタン操作対応処理については、図26に基づいて後に詳述する。
一方、サブCPU131は、操作されたのが演出ボタン26ではないと判断した場合(ステップS221:NO)、すなわち演出キー27が操作された場合、演出キー27のキー操作に応じた処理等を行うキー操作対応処理を実行する(ステップS223)。このキー操作対応処理については、図27に基づいて後に詳述する。
[演出制御部130によるボタン操作対応処理]
図26は、図25のステップS222におけるボタン操作対応処理の詳細フローチャートである。図26に例示されるように、サブCPU131は、客待ち状態であるか否かを判定する(ステップS2221)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信してから未だ変動開始コマンドを受信していない状態であるか否かに基づいて、客待ち状態であるか否かを判断する。
サブCPU131は、客待ち状態ではないと判断した場合(ステップS2221:NO)、演出ボタン26の操作が有効になる有効期間中であるか否かを判断する(ステップS2222)。具体的には、例えば、図8(A)に例示されるように図柄の変動表示中にボタン演出が実行される場合には、有効期間を示す設定情報がサブRAM133にセットされるので、この設定情報に基づいて、有効期間中であるか否かを判断する。
サブCPU131は、有効期間中であると判断した場合(ステップS2222:YES)、操作に応じた演出を実行する(ステップS2223)。具体的には、図8(B)に基づいて上述した大当たりを示唆する演出や、図8(F)に基づいて上述したハズレを示唆する演出を画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に実現させるためのコマンドをサブRAM133にセットする。一方、有効期間中ではないと判断された場合には(ステップS2222:NO)、上述したステップS30に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、客待ち状態であると判断した場合(ステップS2221:YES)、客待ちメニュー画面の表示中であるか否かを判断する(ステップS2224)。具体的には、例えばステップS249(図24参照)の処理によって客待ちメニュー画面の表示を開始させた後に、音量設定画面、光量設定画面、プレミア演出発生率設定画面といった各種のサブ画面の表示を指示する操作コマンドを未だ受信していない状態であるか否かに基づいて、客待ちメニュー画面の表示中であるか否かを判断する。
サブCPU131は、客待ちメニュー画面(図5(A)参照)の表示中であると判断した場合(ステップS2224:YES)、プレミア演出発生率設定画面(図5(C)参照)を液晶画面5に表示するための処理を実行する(ステップS2225)。具体的には、プレミア演出発生率設定画面の表示を画像音響制御基板140に対して指示するためのコマンドをサブRAM133にセットする。このように、演出ボタン26が操作されたことを示す操作コマンドを受信した際に客待ちメニュー画面の表示中である場合には、プレミア演出発生率設定画面が表示される。
一方、サブCPU131は、客待ちメニュー画面の表示中ではないと判断した場合(ステップS2224:NO)、音量設定画面、光量設定画面、及びプレミア演出発生率設定画面のうちのいずれかの設定画面の表示中であるか否かを判断する(ステップS2226)。具体的には、例えば、客待ちメニュー画面の表示を指示した後に演出ボタン26または演出キー27のいずれかのキーが1回だけ操作され、その後に演出ボタン26が操作されていない状態であるか否かに基づいて、いずれかの設定画面の表示中であるか否かを判断する。ここで、設定画面の表示中ではないと判断された場合(ステップS2226:NO)、客待ち状態であるものの通常画面が表示された状態で演出ボタン26が操作されたと判断されて、一連のボタン操作対応処理が終了する。
その一方で、サブCPU131は、いずれかの設定画面の表示中であると判断した場合(ステップS2226:YES)、表示中の設定画面がプレミア演出発生率設定画面であるか否かを判断する(ステップS2227)。具体的には、図5に基づいて上述したように、客待ちメニュー画面が表示された状態で演出ボタン26を操作することでプレミア演出発生率設定画面が表示されるので、客待ちメニュー画面が表示された状態で操作されたのが演出ボタン26であるか否かに基づいて、表示中の設定画面がプレミア演出発生率設定画面であるか否かを判断する。
ところで、本実施形態における遊技機1では、図5(C)に基づいて上述したように、プレミア演出発生率設定画面の表示中においては、演出ボタン26がプレミア演出の発生率に関する選択を決定するための決定ボタンとして機能する。このため、サブCPU131は、表示中の設定画面がプレミア演出発生率設定画面であると判断した場合(ステップS2227:YES)、サブRAM133に記憶されているモード設定情報を更新する(ステップS2228)。具体的には、プレミア演出発生率設定画面(図5(C)参照)に含まれている2つの選択項目のうちの「通常」の選択項目がハイライト表示された状態で、演出ボタン26が操作されたことを通知する操作コマンドを受信した場合には、非プレミアモードを示すようにモード設定情報を更新する。その一方で、「大幅UP」の選択項目がハイライト表示された状態で、演出ボタン26が操作されたことを通知する操作コマンドを受信した場合には、プレミアモードを示すようにモード設定情報を更新する。
サブCPU131は、ステップS2228の処理を実行した場合、又は表示中の設定画面がプレミア演出発生率設定画面ではないと判断した場合(ステップS2227:NO)、通常画面復帰処理を実行する(ステップS2229)。具体的には、表示中の設定画面の表示を終了して通常画面を表示する処理の実行を画像音響制御基板140に対して指示するためのコマンドをサブRAM133にセットする。
[演出制御部130によるボタン操作対応処理]
図27は、図25のステップS223におけるキー操作対応処理の詳細フローチャートである。図27に例示されるように、サブCPU131は、ステップS2221の処理と同様に、客待ち状態であるか否かを判断する(ステップS2231)。本実施形態では、図柄の変動表示中に実行される演出に関して演出キー27が使用されることがないので、客待ち状態ではないと判断された場合には(ステップS2231:NO)、キー操作対応処理が終了してステップS30に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、客待ち状態であると判断した場合(ステップS2231:YES)、ステップS2224の処理と同様に、客待ちメニュー画面の表示中であるか否かを判断する(ステップS2232)。ここで、客待ちメニュー画面の表示中ではないと判断された場合(ステップS2232:NO)、後述するステップS2236に処理が進められる。
サブCPU131は、客待ちメニュー画面の表示中であると判断した場合(ステップS2232:YES)、ランプ制御基板150から受信した操作コマンドに含まれている情報に基づいて、操作されたのが演出キー27を構成する4つのキーのうちの左キーおよび右キーのいずれかであるか否かを判断する(ステップS2233)。ここで、左キーおよび右キーのいずれかであると判断した場合(ステップS2233:YES)、客待ちメニュー画面(図5(A)参照)に代えて音量設定画面(図5(B)参照)を表示する処理の実行を画像音響制御基板140に対して指示するためのコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS2234)。一方、左キーおよび右キーのいずれかではないと判断した場合(ステップS2233:NO)、客待ちメニュー画面に代えて光量設定画面(図5(D)参照)を表示する処理の実行を画像音響制御基板140に対して指示するためのコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS2235)。
サブCPU131は、ステップS2234の処理を実行した場合、ステップS2235の処理を実行した場合、又は客待ちメニュー画面の表示中ではないと判断した場合(ステップS2232:NO)、ステップS2226の処理と同様に、いずれかの設定画面の表示中であるか否かを判断する(ステップS2236)。ここで、いずれかの設定画面の表示中ではないと判断された場合(ステップS2236:NO)、一連のキー操作対応処理が終了する。
一方、サブCPU131は、いずれかの設定画面の表示中であると判断した場合(ステップS2236:YES)、ステップS2227の処理と同様に、表示中の設定画面がプレミア演出発生率設定画面であるか否かを判断する(ステップS2237)。ここで、プレミア演出発生率設定画面であると判断した場合(ステップS2237:YES)、2つの選択項目のいずれか一方から他方へとカーソルを移動させてハイライト表示する選択項目を変更するための処理の実行を画像音響制御基板140に対して指示するためのコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS2238)。逆に、プレミア演出発生率設定画面ではないと判断した場合(ステップS2237:NO)、音量または光量の設定を更新する(ステップS2239)。画像音響制御基板140の制御用RAM143には、音量設定情報および光量設定情報が記憶されている。これに対して、音量設定画面が表示された状態で演出キー27のうちの左キーまたは右キーが操作されたことを通知する操作コマンドを受信した場合には、音量設定情報の更新を画像音響制御基板140に対して指示する。一方、光量設定画面が表示された状態で演出キー27のうちの上キーまたは下キーが操作されたことを通知する操作コマンドを受信した場合には、光量設定情報の更新を画像音響制御基板140に対して指示する。
サブCPU131は、ステップS2239の処理を実行すると、設定画面の表示を更新するための処理を行う(ステップS2240)。具体的には、音量設定画面が表示された状態で左キーまたは右キーが操作されたことを通知する操作コマンドを受信した場合には、音量設定画面に示されている音量の表示を操作後のものに更新する処理の実行を画像音響制御基板140に指示する。また、光量設定画面が表示された状態で上キーまたは下キーが操作されたことを通知する操作コマンドを受信した場合には、光量設定画面に示されている光量の表示を操作後のものに更新する処理の実行を画像音響制御基板140に指示する。
このように、ステップS2238の処理が実行された場合、ステップS2240の処理が実行された場合、又は設定画面の表示中ではないと判断された場合(ステップS2236:NO)、一連のキー操作対応処理が終了して、ステップS30に処理が進められる。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
図28は、図23のステップS15における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS14:YES)、図28に例示される一連の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS151)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS152)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS153)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ図柄を構成する装飾図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、停止表示される装飾図柄の種類等が決定される。この変動演出パターン設定処理については、図29に基づいて後に詳述する。
続いて、サブCPU131は、ステップS153の処理で設定した変動演出パターンで装飾図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出の演出パターンを設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS154)。このステップS154の処理が実行されることにより、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出、プレミア演出、当たり報知演出などの各種の予告演出を実行するか否か、予告演出を実行する場合にはどのような演出パターンで実行するか等が決定される。この予告演出パターン設定処理については、図30に基づいて後に詳述する。
次に、サブCPU131は、ステップS153の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS154の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS157)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS153の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS154の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS30のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出および予告演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS157の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている保留数を「1」減算する(ステップS158)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係るコマンドである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄判定に係るコマンドである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[演出制御部130による変動演出パターン設定処理]
図29は、図28のステップS153における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。図28のステップS152の処理に続いて、サブCPU131は、図29に例示されるように、第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示に伴って液晶画面5に最終的に停止表示(本停止)させる装飾図柄を設定する(ステップS1531)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、図柄変動の終了時に大当たりを示す特別図柄が停止表示されるのか、或いはハズレを示す特別図柄が停止表示されるのかを特定する。そして、大当たりを示す特別図柄が停止表示されることを特定した場合には、大当たりを報知するための装飾図柄を設定し、ハズレを示す特別図柄が停止表示されることを特定した場合には、ハズレを報知するための装飾図柄を設定する。
なお、詳細な説明は省略するが、このステップS1531では、受信した変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるかが判断され、その判断結果に基づいて、停止表示する装飾図柄が設定される。また、大当たりに係る変動開始コマンドを受信した場合、ステップS1531では、その変動開始コマンドに含まれている情報に基づいて、大当たり遊技終了後の遊技状態が特定されて、その特定結果に基づいて、最終的に停止表示される装飾図柄が設定される場合がある。
サブCPU131は、ステップS1531の処理に続いて、装飾図柄の変動演出パターンを選択するための変動演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1532)。なお、サブROM132には、大当たり用の変動演出パターン選択テーブルとハズレ用の変動演出パターンとが記憶されており、大当たりに係る変動開始コマンドを受信した場合には、大当たり用の変動演出パターン選択テーブルを読み出してサブRAM133にセットし、ハズレに係る変動開始コマンドを受信した場合には、ハズレ用の変動演出パターン選択テーブルを読み出してサブRAM133にセットする。
続いて、サブCPU131は、変動演出パターンを設定する(ステップS1533)。具体的には、変動演出パターン選択テーブルは、特別図柄の変動パターン毎に用意されている。図9に例示される大当たりに係る変動パターンAを示す設定情報を含む変動開始コマンドを受信した場合、リーチ成立前に突当たりとなる変動演出パターンAを設定するための変動演出パターンA用変動演出パターン選択テーブルをセットする。変動演出パターンA用変動演出パターン選択テーブルでは、4種類の変動演出パターンAが規定されており、それぞれの変動演出パターンAに対して、互いに異なる演出乱数が対応付けられている。
ここで、1つ目の変動演出パターンは、左図柄、中図柄、右図柄の順で各列の装飾図柄の変動表示を開始してからリーチ成立前に突当たりとなる変動演出パターンAである。2つ目の変動演出パターンは、左図柄、右図柄、中図柄の順で各列の装飾図柄の変動表示を開始してからリーチ成立前に突当たりとなる変動演出パターンAである。3つ目の変動演出パターンは、右図柄、中図柄、左図柄の順で各列の装飾図柄の変動表示を開始してからリーチ成立前に突当たりとなる変動演出パターンAである。4つ目の変動演出パターンは、3列の装飾図柄の変動表示を同時に開始してからリーチ成立前に突当たりとなる変動演出パターンAである。
サブCPU131は、サブRAM133にセットした変動演出パターン選択テーブルから、ステップS151の処理で取得した演出乱数に対応する1の変動演出パターンを読み出してその情報をサブRAM133にセットすることによって、装飾図柄の変動演出パターンを設定する。
なお、図9に例示した変動パターンB〜変動パターンPに対応する変動演出パターンB〜変動演出パターンP、図には示されていないハズレに対応する書く変動演出パターンについても、変動演出パターンAと同様の変動演出パターン選択テーブルが記憶されていて、上述したのと同様の処理によって変動演出パターンが設定される。このため、変動演出パターンA以外の変動演出パターンを設定する処理については、その説明を省略する。
[演出制御基板130による予告演出パターン設定処理]
図30は、図28のステップS154における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、図28のステップS153の処理に続いて、図30に例示されるように、突当たりの変動演出パターンが設定された場合に当たり示唆演出を行うための当たり示唆演出設定処理を実行する(ステップS1541)。この当たり示唆演出設定処理については、図31に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS1541の処理に続いて、大当たりの変動演出パターンが設定された場合にプレミア演出を行うためのプレミア演出設定処理を実行する(ステップS1551)。このプレミア演出設定処理については、図32に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、ステップS1551の処理に続いて、他の予告演出の設定処理を実行する(ステップS1561)。具体的には、他の予告演出として、擬似連続予告演出、セリフ予告演出、ステップアップ予告演出などの大当たりに対する信頼度を示唆する各種の予告演出を実行するか否かを決定し、予告演出を実行する場合にはどのような態様で実行するかを決定する処理等を行う。
[演出制御基板130による当たり示唆演出設定処理]
図31は、図30のステップS1541における当たり示唆演出設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、図28のステップS153の処理に続いて、図31に例示されるように、受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、その変動開始コマンドが大当たりに係るものであるか否かを判断する(ステップS1542)。ここで、受信した変動開始コマンドが大当たりに係るものではないと判断された場合(ステップS1542:NO)、ステップS1551のプレミア演出設定処理へと処理が進められる。このように、受信した変動開始コマンドがハズレに係るものである場合には、当たり示唆演出を実行するための設定が行われることなく、当たり示唆演出設定処理が終了する。
一方、サブCPU131は、受信した変動開始コマンドが大当たりに係るものであると判断した場合(ステップS1542:YES)、ステップS153の処理で設定された変動演出パターンが突当たりの変動演出パターンであるか否かを判断する(ステップS1543)。ここで、突当たりの変動演出パターンではないと判断された場合には(ステップS1543:NO)、ステップS1542で「NO」と判断された場合と同様に、当たり示唆演出設定処理が終了する。
これに対して、サブCPU131は、設定された変動演出パターンが突当たりの変動演出パターンであると判断した場合(ステップS1543:YES)、当たり示唆演出パターンを設定する(ステップS1544)。具体的には、突当たりとなる直前に当たり示唆演出を行うための設定情報をサブRAM133にセットする処理を行う。
このように、本実施形態における遊技機1では、突当たりの変動演出パターン(図9に示される変動演出パターンA、変動演出パターンE、変動演出パターンH、変動演出パターンK、及び変動演出パターンNのいずれか)が設定された場合に、図柄揃いとなる直前に当たり示唆演出を実行するための設定処理が併せて実行される。これにより、図7(H)及び(I)に例示した演出が実現される。
[演出制御基板130によるプレミア演出設定処理]
図32は、図30のステップS1551におけるプレミア演出設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、図30のステップS1541の処理に続いて、図32に例示されるように、受信した変動開始コマンドが大当たりに係るものであるか否かを判断する(ステップS1552)。このステップS1552の判断処理は、上述したステップS1542の処理と同様に行われる。ここで、受信した変動開始コマンドが大当たりに係るものではないと判断された場合(ステップS1552:NO)、ステップS1561へと処理が進められる。このように、受信した変動開始コマンドがハズレに係るものである場合には、プレミア演出を実行するための設定が行われることなく、プレミア演出設定処理が終了する。
一方、サブCPU131は、受信した変動開始コマンドが大当たりに係るものであると判断した場合(ステップS1552:YES)、サブRAM133に記憶されているモード設定情報に基づいて、現在のモードがプレミアモードであるか否かを判断する(ステップS1553)。ここで、現在のモードがプレミアモードではないと判断した場合(ステップS1553:NO)、非プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(A)参照)をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1554)。逆に、現在のモードがプレミアモードであると判断した場合(ステップS1553:YES)、プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(B)参照)をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1555)。
サブCPU131は、ステップS1554の処理またはステップS1555の処理を実行して実行要否決定テーブルをセットすると、実行要否決定乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1556)。この実行要否決定乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を実行要否決定乱数として取得する。
次に、サブCPU131は、ステップS153の処理結果としてサブRAM133にセットされた変動演出パターンの設定情報に基づいて、復活演出を実行する変動演出パターンが設定されたか否かを特定する(ステップS1557)。そして、ステップS1556の処理で取得した実行要否決定乱数が、サブRAM133にセットした実行要否決定テーブルにおいて、ステップS1557の特定結果に対応付けられているいずれかの乱数値と一致するか否かに基づいて、プレミア演出を実行するか否かを判定する(ステップS1558)。ここで、プレミア演出を実行しないと判定された場合(ステップS1558:NO)、すなわち、取得した実行要否決定乱数が、特定した復活演出の有無に対して対応付けられているいずれの乱数値とも一致しなかった場合、ステップS1561に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、プレミア演出を実行すると判定した場合(ステップS1558:YES)、プレミア演出パターンを設定する(ステップS1559)。具体的には、プレミア演出の種類や同一変動内でプレミア演出を実行する回数、プレミア演出を実行するタイミングを決定して、その決定結果を示す情報をプレミア演出の設定情報としてサブRAM133にセットする。
このステップS1559の処理が実行されることによって、図11(C)に例示したようなプレミア演出が実現される。
このように、サブCPU131は、非プレミアモードに設定されているときには、非プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(A)参照)を用いてプレミア演出を実行するか否かを決定することによって、復活演出が実行されるときに示唆演出が実行されるのを制限する。
また、サブCPU131は、プレミアモードに設定されているときには、プレミアモード用の実行要否決定テーブル(図12(B)参照)を用いてプレミア演出を実行するか否かを決定することによって、復活演出が実行されるか否かに関わらず、相対的に高い割合でプレミア演出を実行させる。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
次に、図33を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図33は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図33に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて液晶画面5における画像表示を制御する画像出力制御処理を実行する(ステップS41)。この画像出力制御処理については、図34に基づいて後に詳述する。
ステップS41の処理に続いて、統括CPU141は、液晶画面5で行われる演出表示と同期するように或いは非同期に、スピーカ24から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS42)。
ステップS42の処理に続いて、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS44)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶画面5およびスピーカ24によって実行される演出と同期するように、枠ランプ25や演出ボタン26、演出役物7等が制御される。
[画像音響制御基板140による画像出力制御処理]
図34は、図33のステップS41における画像出力制御処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、まず、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS411)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS411:NO)、上記ステップS42に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS411:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御用RAM143にセットする(ステップS412)。次に、統括CPU141は、セットした設定情報に基づいて、液晶画面5に各種の演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP144の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御用RAM143に格納し(ステップS413)、そのディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS414)。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。ディスプレイリスト記憶領域は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMを有するVRAMに設けられており、VDP144は、ディスプレイリスト記憶領域にセットされたディスプレイリストに基づいて、液晶画面5に表示される画像の描画処理を実行する。
[本実施形態の作用効果]
ところで、復活演出が実行されるときにプレミア演出が実行されると、ハズレを示す態様で装飾図柄が擬似停止した場合にはその後に復活演出が実行されて図柄揃いとなることを遊技者が事前に把握できてしまう。このため、プレミア演出を実行することによって、復活演出の演出効果が低下するおそれがあった。
これに対して、本実施形態における遊技機1では、プレミアモードに設定されていない場合には、プレミア演出が実行されることが制限される。また、プレミアモードに設定されているときには、復活演出が実行されるか否かに関わらずプレミア演出が相対的に高い割合で実行される。
このように、本実施形態における遊技機1では、プレミアモードに設定されていないときとプレミアモードに設定されているときの両方において、プレミア演出の実行が適切に制御されるので、プレミア演出によって復活演出の興趣性が低下してしまうのを抑制しつつ、遊技者がプレミア演出を十分に楽しむことが可能である。
また、大当たり遊技が実行されることを第1期間の終盤で報知する第1報知演出が実行される場合と、第1期間よりも短い第2期間において実行される報知演出であって、その第2期間の開始から終盤にかけて第1報知演出の途中までと共通し、大当たり遊技が実行されることを第2期間の終盤で報知する第2報知演出が実行される場合とがある。
これにより、第1報知演出の途中で大当たりが報知されたといった印象を遊技者に与えることができ、高い演出効果を得ることができる。
なお、本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることができる。
始動条件が成立すると、遊技者に有利な特別遊技(例えば大当たり遊技)を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(メインCPU101)と、
前記特別遊技を実行すると前記特別遊技判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(メインCPU101および大入賞口制御部117)と、
前記特別遊技を実行すると前記特別遊技判定手段によって判定された場合に、前記特別遊技を実行しないと判定されたと見せ掛けておいてから当該特別遊技を実行すると判定されたことを報知する復活演出(図8(F)〜(H)を参照)を実行可能な復活演出実行手段(サブCPU131および統括CPU141)と、
前記特別遊技が実行されることを示唆する示唆演出(例えばプレミア演出)を実行可能な示唆演出実行手段(サブCPU131および統括CPU141)と、
前記示唆演出が実行され易い特定状態(例えばプレミアモード)に設定可能な設定手段(サブCPU131)と、
前記示唆演出実行手段による前記示唆演出の実行を制御する演出制御手段(サブCPU131)とを備え、
前記演出制御手段は、
前記設定手段によって前記特定状態に設定されていないとき(例えば非プレミアモードに設定されているとき)には、前記復活演出が実行されるときに前記示唆演出が実行されるのを制限する(図12(A)参照)一方で、
前記設定手段によって前記特定状態に設定されているときには、前記復活演出が実行されるか否かに関わらず、前記示唆演出を実行可能とすることを特徴とする遊技機。
また、本実施形態の遊技機1は、以下の遊技機として捉えることもできる。
始動条件が成立すると、遊技者に有利な特別遊技(例えば大当たり遊技)を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(メインCPU101)と、
前記特別遊技を実行すると前記特別遊技判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(メインCPU101および大入賞口制御部117)と、
前記特別遊技を実行すると前記特別遊技判定手段によって判定された場合に、当該特別遊技が実行されることを報知する報知演出を実行可能な報知演出実行手段(サブCPU131および統括CPU141)とを備え、
前記報知演出実行手段は、
所定の第1期間(図10(A)参照)において実行される報知演出であって、前記特別遊技が実行されることを前記第1期間の終盤で報知する第1報知演出(図10(A)参照)と、
前記第1期間よりも短い第2期間(図10(B)〜(D)参照)において実行される報知演出であって、当該第2期間の開始から終盤にかけて前記第1報知演出の途中までと共通し、前記特別遊技が実行されることを当該第2期間の終盤で報知する第2報知演出(図10(B)〜(D)参照)とを実行可能であることを特徴とする遊技機。
[プレミア演出およびプレミアモードに関する変形例]
他の実施形態では、プレミア演出およびプレミアモードに関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、客待ち状態における遊技者による操作に応じて非プレミアモードとプレミアモードとの切り替えを行う場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、大当たり遊技中における遊技者による操作に応じて、非プレミアモードとプレミアモードとの切り替えを行うような構成を採用してもよい。具体的には、大当たり遊技終了後の確変遊技状態における演出モードとして、プレミア演出が出現し難い第1演出モードと、プレミア演出が出現し易い第2演出モードとを含む複数の演出モードを用意しておいて、確変大当たりに係る大当たり遊技中に(演出キー27および演出ボタン26を用いた)演出モードの選択を遊技者に行わせることによって、非プレミアモードとプレミアモードとの切り替えを行うといった構成を採用してもよい。
また、他の実施形態では、遊技者による操作とは無関係に、非プレミアモードとプレミアモードとの切り替えを行うといった構成を採用してもよい。具体的には、例えば、遊技機1に対する電源供給が開始されてからの経過時間を統括CPU141が計測し、その経過時間が予め定められた所定時間(例えばN時間:Nは自然数)に到達したことを条件にプレミアモードに設定し、プレミアモードに設定されてから所定時間(例えば5分)が経過したことを条件として非プレミアモードに戻すといった構成が一例として挙げられる。
また、例えば、所定のタイミングで演出乱数を用いた抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、プレミアモードに設定するか否かを決定するといった構成を適用してもよい。
また、本実施形態では、大当たり遊技が実行されることを示唆する示唆演出がプレミア演出である場合について説明したが、示唆演出は、大当たりが実行されることを遊技者が認識できる演出であれば、プレミア演出以外の演出であっても構わない。
示唆演出は、例えば、所定の演出モードにおいてのみ実行可能であり、大当たり遊技が実行される場合にしか実行されない演出であってもよい。
また、示唆演出は、例えば枠ランプ37を虹色に発光させると共にスピーカ24から特定の演出音を出力する、いわゆる一発告知と呼ばれる演出であってもよい。
また、示唆演出は、遊技者による入力手段に対する入力とは無関係に実行される演出に限らず、当該入力に応じて実行される演出であってもよい。
また、示唆演出は、例えば、演出キー27の上キーまたは下キーの操作に応じて実行される演出であって、大当たり遊技を実行すると判定された場合に抽選により決定されたキーと同じキーが操作された場合には実行される一方で、決定されたキーと異なるキーが操作された場合には実行されない演出であってもよい。
また、示唆演出は、例えば、所定の入力手段に対する入力を予め定められた回数だけ行ったことを条件として実行される演出であってもよい。
また、示唆演出は、例えば、遊技者に対して演出ボタン26の操作を促すボタン演出(例えば図8(A)に例示されるような演出)が行われていない状態で遊技者が演出ボタン26を用いて所定の操作を行ったことを条件として実行される演出であってもよい。すなわち、示唆演出は、いわゆる裏ボタンの操作が行われたことに応じて実行される演出であってもよい。
また、示唆演出は、遊技者が入力手段に対する所定の入力を行うことによって、その大当たりに対する信頼度を任意に変更可能な演出であってもよい。例えば、大当たりに対する信頼度として、50%、75%、100%のいずれかに設定可能であるのに対して、信頼度が100%に設定された場合に限り、プレミアモードに設定されていないときには復活演出が実行されるのに先立って示唆演出が実行されるのを制限し、プレミアモードに設定されているときには、復活演出が実行されるか否かに関わらず示唆演出を相対的に高い割合で実行させるといった構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、非プレミアモードに設定されているときに、復活演出「あり」に対して乱数値が対応付けられていない実行要否決定テーブル(図12(A)参照)を参照することで、復活演出に先立って示唆演出としてのプレミア演出が実行されるのを完全に禁止する場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、復活演出「あり」に対して少ない数の乱数値が対応付けられている実行要否決定テーブルを用意して、復活演出が実行される場合の一部においてプレミア演出の実行が可能な構成を採用してもよい。なお、この場合のプレミア演出は、上述したように、復活演出と同時或いは復活演出の後に実行されるものに限る。
また、他の実施形態では、非プレミアモードに設定されているときに、復活演出が実行される場合には、プレミア演出を実行するか否かを決定するための抽選処理を行わないようにして、復活演出に先立ってプレミア演出が実行されないようにしてもよい。
また、本実施形態では、プレミアモードに設定されているときのプレミ演出の出現確率が、復活演出「あり」の場合と復活演出「なし」の場合とで同じに設定されている場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、復活演出「あり」の場合と復活演出「なし」の場合とで、プレミア演出の出現率を異ならせるようにしてもよい。
また、他の実施形態では、プレミアモードに設定された状態で大当たりに係る変動演出が実行される場合に、プレミア演出を必ず実行するようにしてもよい。
[突当たりの変動演出パターンに関する変形例]
他の実施形態では、突当たりの変動演出パターンに関して、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴って突当たりの変動演出パターンの変動演出を実行する場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、例えば、確変遊技状態における第2特別図柄(又は第1特別図柄)の変動表示に伴って突当たりの変動演出パターンの変動演出を実行するようにしてもよい。この場合、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示中には突当たりの変動演出パターンでの変動演出を行わないといった構成を併せて採用してもよい。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、本発明をいわゆる1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を、1種2種混合タイプのパチンコ遊技機や回胴式遊技機などの他の遊技機に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。