JP2017184790A - 眼鏡処方補助装置,および,眼鏡処方補助プログラム - Google Patents

眼鏡処方補助装置,および,眼鏡処方補助プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 眼鏡レンズ装用時における被検眼の見え方を、より適正に評価できる眼鏡処方補助装置,および,眼鏡処方補助プログラムを提供すること。【解決手段】眼鏡処方補助装置1のCPU30は、波面センサ100による被検眼の測定データであって,被検眼における屈折誤差の分布に関する第1分布データと、被検眼の屈折誤差を矯正するための眼鏡レンズにおける屈折力分布に関する第2分布データと、を取得する。また、CPU30は、第1分布データと第2分布データとに基づいて、眼鏡レンズによる矯正を考慮した屈折誤差の分布に関する第3分布データを得るための演算処理を行う。【選択図】 図3

Description

本開示は、眼鏡装用時における被検眼の見え方を評価して、眼鏡の処方を補助するための眼鏡処方補助装置および眼鏡処方補助プログラムに関する。
被検眼における屈折力誤差の分布,および,収差の分布,等を測定する検眼装置が知られている。このような装置による測定結果は、被検眼の見え方を評価するために利用される場合がある。
例えば、本出願人による特許文献1では、被検眼の屈折誤差を矯正するための眼鏡レンズが装用された状態で、被検眼において視標像がどのように結像するかを示すためのシミュレーション画像を、屈折力誤差の分布等に関する測定結果の他、眼鏡レンズの度数を考慮して生成する手法が提案されている。
特開2015−144730号公報
しかし、特許文献1は、視標像のシミュレーション画像と共に、そのシミュレーション画像が眼鏡装用時のシミュレーションであるか否かを示す情報を表示することで、検者および被検者にわかりやすくシミュレーションの条件を把握させること、を主題としている。例えば、累進多焦点レンズ等のように、眼鏡レンズ上の位置に応じて異なる度数を持つレンズがあるが、このようなレンズにおける見え方を評価する方法については、特許文献1では、十分検討されていない。
本開示は、従来技術の問題点に基づいてなされたものであり、眼鏡レンズ装用時における被検眼の見え方を、より適正に評価できる眼鏡処方補助装置,および,眼鏡処方補助プログラムの提供を目的とする。
本開示の第1態様に係る眼鏡処方補助装置は、波面センサによる被検眼の測定データであって,被検眼における屈折誤差の分布に関する第1分布データと、被検眼の屈折誤差を矯正するための眼鏡レンズにおける屈折力分布に関する第2分布データと、を取得する取得手段と、前記取得手段で取得される前記第1分布データと前記第2分布データとに基づいて、前記眼鏡レンズによる矯正を考慮した前記屈折誤差の分布に関する第3分布データを得る演算手段と、を備える。
本開示の第2態様に係る眼鏡処方補助プログラムは、コンピュータのプロセッサによって実行されることにより、波面センサによる被検眼の測定データであって,被検眼における屈折誤差の分布に関する第1分布データと、被検眼の屈折誤差を矯正するための眼鏡レンズにおける屈折力分布に関する第2分布データと、を取得する取得ステップと、前記取得手段で取得される前記第1分布データと前記第2分布データとに基づいて、前記眼鏡レンズによる矯正を考慮した前記屈折誤差の分布に関する第3分布データを得る演算ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
本開示は、眼鏡レンズ装用時における被検眼の見え方を、より適正に評価できるという効果を奏する。
本開示に係る検眼システムの概要を示した模式図である。 実施形態に係る眼鏡処方補助装置の概略構成を示した模式図である。 眼鏡処方補助装置における動作の流れを示した図である。 矯正レンズ,及び,被検眼のそれぞれの屈折力分布に関するデータの抽出点を示した図である。 シミュレーション画像の第1表示例を示した図である。 シミュレーション画像の第2表示例であって、視線の遷移と連動した見え方の変化を示す場合の表示例を示している。 シミュレーションにおける視標の呈示距離に応じて設定される視線通過領域の位置を示す表である。 シミュレーションにおける視標の呈示距離に応じて選択される第1分布データが、どの程度の調節力を使用して得られたデータであるかを示す表である。 シミュレーション画像の第2表示例を示した図であって、視標の呈示距離が異なる複数のシミュレーション画像を一覧表示する場合の表示例を示している。 シミュレーション画像の第2表示例を示した図であって、シミュレーションの条件を変更するために利用されるグラフィックとの表示例を示す図である。
以下、本開示に係る眼鏡処方補助装置,および,眼鏡処方補助プログラムを、実施形態に基づいて説明する。眼鏡処方補助装置1,および,眼鏡処方補助プログラムは、眼鏡レンズ装用時における被検眼の見え方を評価するための情報を得るために利用される。例えば、被検者がこれまで装用していた眼鏡レンズ(以下、「旧レンズ」と称す)を装用した状態での見え方が評価できれば、眼鏡店または眼科医院(以下、まとめて、「眼鏡店等」と称す)において、被検者に対し眼鏡レンズの交換を勧めるか否かを、検者が容易に判断できるようになる。また、例えば、様々な既存の眼鏡レンズを装用したときの見え方を評価できれば、被検者に対して新たに処方する眼鏡レンズ(以下、「新レンズ」と称す)を、容易に選定できるようになる。
<システムの概要>
はじめに、図1を参照し、実施形態に係る眼鏡処方補助装置(以下、「本装置」と称する)1の概要を説明する。本装置1は、コンピュータであり、そのプロセッサにおいて、本実施形態に係る眼鏡処方補助プログラムが実行される。
本装置1は、被検眼の屈折力分布に関するデータ(本実施形態における「第1分布データ」)と、眼鏡レンズの屈折力分布に関するデータ(本実施形態における「第2分布データ」)と、を取得し、これらのデータを処理する。ここで、被検眼の屈折誤差の分布に関するデータは、波面センサによる被検眼の測定結果として得られる。また、眼鏡レンズの屈折力分布に関するデータは、レンズメータによる眼鏡レンズの測定結果として得られてもよい。但し、眼鏡レンズの屈折力分布に関するデータは、必ずしも測定結果(測定値)である必要はなく、眼鏡レンズの設計値であってもよい。設計値は、例えば、眼鏡レンズの製造メーカー(いわゆるレンズメーカー)から提供される。設計値は、本装置1がアクセス可能なデータベースや、本装置1が持つメモリ31(図2参照)に予め記憶されてもよいし、都度、本装置1に入力されてもよい。
本装置1は、波面センサ、および、レンズメータの少なくとも一方と、一体(同一筐体)の装置であってもよいし、いずれとも別体(例えば、別筐体)の装置であってもよい。一体の装置である場合、本装置1が、検出器からの信号を処理することで、被検眼の屈折誤差の分布に関するデータ、または、眼鏡レンズの屈折力分布に関するデータを導出するものであってもよい。また、本装置1が、波面センサ、および、レンズメータのいずれとも別体である場合、本装置1は、例えば、汎用のコンピュータ(例えば、PC、および、タブレット等)であってもよい。勿論、本装置1は、眼鏡店等での利用が想定される他の装置であってもよいし、眼鏡店等に置かれたクライアントコンピュータとLANまたはWAN等のネットワークで接続される装置であってもよい。後者の装置の典型例としては、サーバーコンピュータが挙げられる。この場合、サーバーコンピュータは、被検眼Eの屈折誤差の分布に関するデータを1以上記憶する。次いで、被検眼Eの屈折誤差の分布に関するデータと、予め記憶されている,或いは,別途クライアントコンピュータから受け取った,眼鏡レンズの屈折力分布に関するデータとを、眼鏡処方補助プログラムに従って処理する。そして、処理結果が、クライアントコンピュータに対して送信される。
なお、被検眼の屈折誤差の分布に関するデータ、および、眼鏡レンズの屈折力分布に関するデータ等の各種データが、他の装置から本装置1へ受け渡しされる場合、受け渡しはオンラインで行われてもよいし、オフラインで行われてもよい。オフラインの場合、例えば、リムーバブルディスク(例えば、USBメモリ等),RFID,および,バーコード等のいずれかのメディアを介して、受け渡しが行われてもよい。
まず、本実施形態の説明においては、本装置1は波面センサと一体化された装置であるものとする。
本実施形態では、本装置1によって、被検眼Eの光学特性が測定され、測定結果を示す測定データが、本装置1の記憶部(メモリ31、図2参照)に記憶される。本装置1では、少なくとも被検眼Eの屈折誤差の分布に関して測定が行われる。このため、測定データには、被検眼Eの屈折誤差の分布に関するデータ(以下、「第1分布データ」と称する)が少なくとも含まれる。
第1分布データは、瞳孔内の各位置と対応する眼の屈折特性を特定するデータである。例えば、第1分布データは、屈折誤差,および,収差のうち、いずれかの形式で表現されるデータであってもよいし、これら以外の形式で表現されるデータであってもよい。なお、第1分布データは、被検眼Eの調節力が介入しない状態で測定されたデータであってもよいし、調節力が介入した状態で測定されたデータであってもよい。また、調節力の使用割合をそれぞれで異ならせて、複数の第1分布データが取得されてもよい。
図1に示すように、本装置1は、他の装置と、オンラインまたはオフラインで、データを送受信可能であってもよい。他の装置としては、例えば、眼鏡店等において、眼または眼鏡レンズに関する測定、あるいは、眼鏡レンズの加工に利用されるいずれかの装置であってもよい。図1には、他の装置の例として、レンズメータ200と、眼鏡装用パラメータ測定装置300と、を示す。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、本装置1は、更に、オートレフラクター、フレームトレーサー、および、レンズエッジャー等の装置との間で、データの送受信が可能であってもよい。
レンズメータ200は、眼鏡レンズの広範囲(例えば、全範囲でもよい。)における屈折力分布の測定データを得る。レンズメータ200の詳細構成は、例えば、本出願人による特開2006−275971号公報等を参照されたい。測定データは、本装置1の記憶部(メモリ31,図2参照)に格納される。レンズメータ200で得られる測定データは、本装置1の記憶部(メモリ31、図2参照)に転送され、記憶されてもよい。本実施形態では、レンズメータ200によって得られる測定データのうち、眼鏡レンズの一部の領域についての測定データが第2分布データとして、本装置1に取得される。
第2分布データは、一部の領域における複数位置での度数(S:球面度数,C:柱面度数,A:乱視軸角度)の分布データであってもよい。また、屈折力(パワー)の分布データであってもよい。第2分布データには、レンズ中心に対する距離が互いに異なる3つ以上の抽出ポイントでの屈折力に関する情報(屈折力、度数、および、収差等)が少なくとも含まれる。第2分布データは、第1分布データと同様、収差の形式で表現されるデータであってもよいし、これら以外の形式で表現されるデータであってもよい。
本実施形態におけるレンズメータ200は、例えば、次のような構成を持つ。すなわち、眼鏡レンズに測定光を投光する投光光学系と、眼鏡レンズを通過した測定光を複数の指標像からなるパターン像として二次元受光素子で撮像する撮像光学系と、を持つ。撮像された画像が処理された結果として、第2分布データが導出される。なお、二次元受光素子で得られる画像から第2分布データを導出する処理は、例えば、レンズメータ200本体の演算処理装置(例えば、CPU)が行ってもよいし、本装置1のCPU30(図2参照)が行ってもよい。いずれの場合においても、処理の結果として得られる第2分布データは、本装置1に取得(メモリ31に記憶)される。
眼鏡装用パラメータ測定装置300(以下、「アイポジションメータ」と称す)は、眼鏡レンズと被検眼Eとの相対的な位置関係に関する測定データを得るために利用される。測定データとしては、例えば、眼鏡レンズ(眼鏡フレーム)に対する眼の位置(アイポイント)に限られるものではなく、被検眼Eと眼鏡レンズとの距離(例えば、角膜頂点間距離VD等)、眼鏡レンズに対する視線の向き(例えば、視線方向と、眼鏡フレームのそり角に基づいて導出)、および、眼鏡レンズに対する視線の通過位置,等が含まれてもよい。また、測定データは、遠方視,近方視,および,それらの中間,の1つ以上(好ましくは、2つ以上)についてが得られてもよい。
本実施形態におけるアイポジションメータ300は、例えば、次のような構成を持つ。すなわち、眼鏡フレームを装用した状態の被検者の顔を撮影するカメラ(撮影装置)と、カメラで得られる撮影画像から眼鏡フレームに対する眼の相対位置を測定する演算処理装置(例えば、CPU)と、を持つ。なお、図1に示すアイポジションメータ300は、本装置1と別体であるが、これに限定されるものではない。例えば、本装置1とアイポジションメータ300とが一体であってもよい(換言すれば、同一筐体であってもよい)。一体の場合、本装置1のCPU30(図2参照)によって、アイポジションに関する測定データが演算される。本実施形態において、アイポジションに関する測定データは、本装置1の記憶装置(メモリ31、図2参照)に記憶される。
<本装置の概略構成>
次に、図2を参照して、本実施形態における本装置1の概略構成を説明する。図2に示すように、本装置1は、少なくとも、CPU(演算処理部の一例)30,および,メモリ(記憶装置)31を含む。CPU30は、本装置1における主要な動作を司るプロセッサである。
メモリ31は、各種情報を記憶する記憶装置であり、少なくとも、一時的にデータを記憶する揮発性の記憶媒体(例えば、レジスタ,キャッシュ,及び,RAM等)と、制御プログラムおよび固定データ等を記憶する不揮発性の記憶媒体(例えば、ROM,HDD,フラッシュメモリ等)と、が含まれる。本装置1では、このうち、不揮発性の記憶媒体に、眼鏡処方補助プログラムが記憶されていてもよい。不揮発性の記憶媒体は、繰り返し書き換え可能な記憶媒体を含んでいてもよい。この場合、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体に、眼鏡処方補助プログラムの実行結果として得られたデータが、記憶されてもよい。
なお、本開示の眼鏡処方補助プログラムは、必ずしも本装置(コンピュータ)1のメモリ31に記憶されている必要はなく、次のような態様であってもよい。例えば、本装置1に対して外付けの記憶装置35に眼鏡処方補助プログラムが記憶されており、該プログラムを本装置1のプロセッサによって記憶装置35から読み出され、処理が実行される態様であってもよい。
本装置1は、CPU30,および,メモリ31の他、例えば、外付け記憶装置35,操作部40,および,モニタ50等を有してもよい。各部材は、データバス等を通じて相互に接続される。
操作部40は、検者が操作を入力するための入力インターフェイスである。また、モニタ50には、被検眼Eに関する各種情報が、テキストおよびグラフィック等として表示される。本実施形態において、モニタ50の表示制御は、CPU30によって行われる。つまり、本実施形態では、CPU30が、表示制御部を兼用する。
本実施形態では、測定ユニット100が、本装置1に含まれる。測定ユニット100は、少なくとも、屈折力測定光学系10(眼収差測定光学系ともいう、以下、単に、「測定光学系」と省略する)を持つ。測定光学系10は、検出器22を有する。そして、測定光学系10は、被検眼の瞳孔内にスポット状の測定光を投光すると共に、検出器22によって、瞳孔から取り出される測定光の眼底反射光を検出する。
検出器22から出力される検出信号は、CPU30によって処理される。その結果として、本装置1は、波面センサによる被検眼の測定データであって,被検眼の屈折誤差の分布に関するデータ(以下、「第1分布データ」と称する)を取得(メモリ31に記憶)する。
なお、図2は、測定光学系10として、シャックハルトマンセンサ方式の波面センサを例示する(詳細は後述する)が、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、測定光学系10は、被検眼の屈折誤差の分布に関するデータを測定するために利用される他の光学系であってもよい。例えば、タルボット式波面センサ(詳しくは、本出願人による特開2006−149871号公報参照)等が利用されてもよい。また、位相差方式の波面センサであってもよい(即ち、眼底にスリット光束を投影し、その反射光束を受光素子によって検出したときの位相差信号を出力する構成。例えば、本出願人による特開平10−108837号公報等を参照)。位相差方式では、被検眼Eの第1分布データが、位相差信号の処理結果として得られる。
ここで、図2に示す測定光学系10の詳細構成を説明する。測定光学系10は、投光光学系10aと、受光光学系10bと、を含む。投光光学系10aは、例えば、測定光源からスポット状の光束を被検眼眼底に投光する。受光光学系10bは、例えば、眼底で反射され被検眼から射出された光束を複数に分割して二次元受光素子(検出器の一例)22に受光させる。
より具体的には、投光光学系10aは、光源(測定光源)11から順に、リレーレンズ12、対物レンズ14を有する。光源11は、眼底と共役な位置に配置される。受光光学系10bは、被検眼Eの前方から順に、対物レンズ14、ハーフミラー13、リレーレンズ16、全反射ミラー17、コリメータレンズ19、マイクロレンズアレイ20、二次元受光素子22を有する。受光光学系10bは、被検眼の瞳孔とマイクロレンズアレイ20とが光学的に略共役な関係となるように構成されている。マイクロレンズアレイ20は、測定光軸と直交する面に二次元的に配置された微小レンズと遮光板からなり眼底反射光を複数の光束に分割する。
測定光源11から出射された光束は、リレーレンズ12、対物レンズ14、被検眼の瞳孔を介して被検眼の眼底に投光される。これにより、被検眼の眼底上に点光源像が形成される。
そして、被検眼の眼底に投光された点光源像は、反射光束として被検眼を射出し、対物レンズ14で集光された後、ハーフミラー13で反射される。ハーフミラー13で反射された光は、リレーレンズ16にて一旦集光された後、全反射ミラー17で反射される。そして、全反射ミラー17で反射された光束は、コリメータレンズ19を介して、レンズアレイ20によって複数の光束に分割された後、二次元受光素子22に受光される。そして、二次元受光素子22に受光されたパターン像は、画像データとしてメモリ31に記憶される。
レンズアレイ20で複数の光束に分割され二次元受光素子に受光されるパターン像は、被検眼の収差(低次収差、高次収差)の影響によって変化する。無収差の光が通過するときの基準パターン像に対して、被検眼からの反射光により生じるパターン像を解析することにより、眼の波面収差の分布、および、屈折力の分布、を測定できる。本実施形態では、このようにして求められた分布データが、第1分布データとしてメモリ31に記憶される。
また、本装置1は、被検眼の瞳孔部を含む前眼部画像を撮影する前眼部カメラ(図示せず)を有していてもよい。前眼部画像からは、例えば、被検眼の瞳孔径が測定可能である。このような前眼部カメラは、照明光の光量を切り替えて撮像可能な構成であってもよい。例えば、明所視および薄暮視のそれぞれにおける被検眼の前眼部画像が撮像されてもよい。この場合、明所視撮影用の第1の照明光量と、第1の照明光量よりも少ない薄暮視撮影用の第2の照明光量とに、照明光源出力が調節可能な構成とされていてもよい。
また、前述したように、本装置1は、レンズメータ200、および、アイポジションメータ300等の他の装置と接続されていてもよい。これらの他の装置から出力される情報が、本装置1に入力されることによって、その情報が、メモリ31に記憶される。
<動作説明>
次に、図3以下を参照して、本装置1の動作を説明する。
例えば、まず、検者は、本装置1の測定ユニット100を介して、屈折誤差の分布に関する被検眼Eの光学特性を測定する。その結果として、少なくとも第1分布データが、本装置1のメモリ31に記憶(取得)される(ステップ1)。
また、検者は、被検眼Eの測定と前後して(或いは、並行して)、眼鏡レンズの光学特性をレンズメータ200によって測定してもよい。測定後、眼鏡レンズの測定データである第2分布データが、オンラインまたはオフラインで本装置1に入力され、その結果として、第2分布データが、本装置1のメモリ31に記憶(取得)される(ステップ2)。
また、被検眼における瞳孔径の測定が行われてもよい。更に、眼鏡レンズと被検眼Eとの相対的な位置関係に関する測定データ(アイポイント,眼と眼鏡レンズとの距離、眼鏡レンズに対する視線の向き、および、眼鏡レンズに対する視線の通過位置,等)がアイポジションメータ300等の他の装置を介して測定され、本装置1のメモリ31に記憶されてもよい(ステップ3)。なお、瞳孔径は、明所視,および,薄暮視のいずれの場合での値が測定されてもよい。明所視の瞳孔径、および薄暮視の瞳孔径のそれぞれは、例えば、明所視の前眼部画像および暗所視の前眼部画像のそれぞれから測定されてもよい。
CPU30は、第1分布データと第2分布データとに基づいて、眼鏡レンズによる矯正を考慮した屈折誤差の分布に関する第3分布データを得る(ステップ4)。例えば、ステップ4においては、第1分布データに対する第2分布データの差分が求められ、その差分として、第3分布データが取得されてもよい。なお、第1分布データと、第2分布データとの単位が互いに異なる場合は、互いの単位を一致させるための演算処理がステップ4に含まれていてもよい。
例えば、図3では、CPU30によって、被検眼における屈折誤差の分布データ(第1分布データの一例)と、眼鏡レンズにおける屈折力分布データ(第2分布データの具体例)と、の差分が取られ、その結果として、第3分布データが生成される。勿論、第3分布データとして収差の形式のデータを得る場合は、屈折力の形式から収差の形式に変更されてもよい。勿論、第1分布データと第2分布データとが収差の形式で合成され(差分がとられ)、その結果として、収差の形式での第3分布データが得られてもよい。
レンズメータ200は、眼鏡レンズにおける広範囲の屈折力分布を測定データとして得るが、眼鏡レンズ装用時における見え方を評価するうえで、眼鏡レンズ全体についてのデータは必ずしも必要ではない。そこで、例えば、図3に示すように、眼鏡レンズの測定データのうち、一部の領域GAについてのデータが、主に考慮されるとよい。例えば、GAは、矯正レンズにおける被検眼Eの視線通過位置およびその近傍領域(本実施形態では、両者をまとめて「視線通過領域」と称す)についてのデータであってもよい。このような領域GAの位置は、アイポジションメータ300で取得されたアイポイント情報に基づいて、CPU30によって定められてもよい。
また、領域GAの大きさは、被検眼の瞳孔径に応じて設定されてもよい。そして、CPU30は、領域GAにおける第2分布データに基づいて、重ね合せを行う。領域GAは、被検眼Eにおける瞳孔径と同程度の大きさである。
なお、瞳孔径の値は、例えば、前眼部の撮影画像に基づいて取得されてもよい。前眼部の撮影画像は、例えば、本装置1で撮影されてもよいし、アイポジションメータ300で撮影されてもよいし、他の装置で撮影された画像であってもよい。また、瞳孔径は、明所視での値と、薄暮視での値との中から、一方を選択可能であってもよい。なお、瞳孔径は、必ずしも前眼部の撮影画像に基づいて検出されなくてもよく、例えば、検者が操作部40を介して手動で入力した瞳孔径に基づいて設定されてもよいし、被検者の年齢に応じた推定値であってもよいし、単なる固定値であってもよい。
また、領域GAのサイズを導出するうえで、瞳孔径以外のパラメータが考慮されてもよい。例えば、眼鏡レンズと被検眼との相対的な位置関係が考慮されてもよい。位置関係の具体例としては、アイポイント,眼と眼鏡レンズとの距離、眼鏡レンズに対する視線の向き、および、眼鏡レンズに対する視線の通過位置,等)が例示される。また、眼鏡レンズの度数が、考慮されてもよい。
また、領域GAの位置は、必ずしもアイポイント情報に基づいて設定される必要は無い。例えば、レンズ中心、累進多焦点レンズにおける近用ポイントまたは遠用ポイント、等の、眼鏡レンズにおける特徴点の位置に、領域GAは設定されてもよい。勿論、これに限られるものではなく、これら以外の眼鏡レンズ上の任意の位置に対して設定されてもよい。領域GAの位置は、眼鏡レンズに対して、自動および手動のいずれで設定されてもよい。
自動で設定される場合、例えば、CPU30は、第2分布データに基づいてレンズの種別(例えば、球面レンズ、バイフォーカルレンズ、および、累進多焦点レンズのいずれであるか)を判定し、判定された種別に応じた位置に設定されてもよい。例えば、上述したような、眼鏡レンズにおける特徴点の少なくともいずれかに、領域GAが設定されてもよい。
また、図4に示すように、被検眼Eの瞳孔における第1分布データの抽出ポイントと、眼鏡レンズ(より具体的には、領域GA)における第2分布データの抽出ポイントとの位置および数が、対応していない場合が考えられる。例えば、単位面積当たりの抽出ポイントの数が、測定ユニット100とレンズメータ200とで異なること、眼鏡レンズに対して視線方向が傾斜していること、等によって生じ得る。ここでいう、抽出ポイントは、屈折力の測定ポイントであってもよい。また、第2分布データが、眼鏡レンズの設計値である場合、その眼鏡レンズに関する各抽出ポイントは、屈折力が示される設計上の代表点であってもよい。
これに対し、本実施形態では、屈折力,および,収差のうち少なくともいずれかの分布の重ねあわせが、被検眼Eの瞳孔における第1分布データの抽出ポイントと、眼鏡レンズ(より具体的には、領域GA)における第2分布データの抽出ポイントと、の数,および,位置のうち少なくとも何れかを整合させたうえで行われる。整合方法としては、種々の方法を用いることができる。
例えば、被検眼または眼鏡レンズについて、屈折力分布,および,収差の分布,のいずれかにフィッティングする関数を、複数の抽出ポイントの値から導出し、その導出した関数に基づいて重ね合わせが行われてもよい。上記の整合処理が行われた結果、被検眼と眼鏡レンズとのそれぞれにおける屈折力,および,収差のうち少なくともいずれかの分布を、良好に重ねあわせることができる。
また、第1分布データと第2分布データとを整合する際に、眼鏡レンズと被検眼との相対的な位置関係が考慮されてもよい。例えば、眼鏡レンズに対し視線方向が傾いている場合は、視線方向における眼鏡レンズのレンズ軸と交差する成分に関して、領域GAにおける第2分布データを補正することで、第1分布データと第2分布データとの整合を図ってもよい。
<シミュレーション画像の表示>
CPU30は、第1分布データおよび第2分布データによる合成分布データ(重ねあわせの結果)に基づいて、例えば、シミュレーション画像を生成する(ステップ5)。本実施形態において、シミュレーション画像は、特段の断りが無い限り、『眼鏡レンズが装用された被検眼において、眼底で結像される視標像をシミュレーションした画像』を示す。眼鏡レンズ装用時における被検眼Eでの視標像の見え方が、シミュレーション画像によって表される。シミュレーション画像は、例えば、モニタ50に表示される。
シミュレーション画像において利用される視標は、図3に示すような自覚検査用の視標であってもよい(例えば、ETDRS視標、解像度チャート、乱視チャート等)。また、風景チャート、および、点像(点視標)等の他の視標が、シミュレーション画像に関する視標として利用されもよい。点像によるシミュレーション画像は、例えば、波面収差についての重ね合わせ結果をフーリエ変換することによって得られる、点像強度分布(PSF)が視覚化された画像であってもよい。一方、自覚検査用視標等による視標のシミュレーション画像は、例えば、点像強度分布(PSF)と視標との画像処理(例えば、コンボリューション積分)によって得られもよいし、点像強度分布(PSF)を更にフーリエ変換することによって得られる光学伝達関数(OTF)を、視標と画像処理(コンボリューション積分)することによって得られてもよい。
シミュレーション画像は、そのシミュレーション画像を生成するうえで第2分布データが利用された眼鏡レンズ上の領域(ここでは、領域GA)の位置を示す情報と共に表示されてもよい。このような表示により、シミュレーション画像によって、レンズの何れの領域を介した見え方が示されているかを、検者が容易に把握できる。例えば、図5に示すように、シミュレーション画像と共に、眼鏡レンズを示すレンズグラフィックLGを表示させ、そのレンズグラフィックLG上に、シミュレーション画像に対応する領域GAの位置を示す表示(つまり、位置情報の表示)が行われてもよい。例えば、図5では、シミュレーション画像からの吹き出し線,および,十字の指標(いずれも、通過位置情報の一例)によって、各々のシミュレーション画像と対応する領域GAの位置が、レンズグラフィックLG上に示される。但し、シミュレーション画像と、領域GAの位置との対応関係が把握可能な表示であればよく、図5に示す表示態様に限定されるものではない。
なお、領域GAの位置を示す方法は、必ずしもレンズグラフィックLGを利用する方法に限定されるものではない。例えば、CPU30は、シミュレーション画像と共に、眼鏡レンズにおける領域GAの位置を示すテキスト情報(視線通過位置情報の一例)を表示させてもよい。テキスト情報としては、例えば、レンズ中心,遠用ポイント,近用ポイント,累進帯,遠用ポイント周辺部,近用ポイント周辺部等の眼鏡レンズにおける特徴点を示すテキストが利用されてもよいし、レンズ中心等を基準点(例えば、原点)とする座標であってもよいし、これら以外であってもよい。
レンズグラフィックLGには、レンズの特徴点の位置を示すための特徴領域グラフィックが含まれていてもよい。特徴領域グラフィックは、例えば、レンズグラフィックLGにおける特徴点の位置に置かれる指標であってもよい。また、特徴点を特定するためのレンズグラフィックLG上のマップであってもよい。特徴点グラフィックは、眼鏡レンズが多焦点レンズの場合、少なくとも、遠用ポイント、および、近用ポイントを特定するためのグラフィックである。マップの例を、図5に示す。図5のレンズグラフィックLGは、累進多焦点レンズについてのグラフィックである。図5では、レンズ度数の等高線によってレンズグラフィックLGを複数の領域に区分する態様の特徴点グラフィックが示されている。図5に示すように、累進多焦点レンズにおける特徴点グラフィックでは、少なくとも、遠用ポイントFP、および、近用ポイントSPが示される。また、これに限られるものではなく、累進帯PZ、遠用ポイント周辺部NF、近用ポイント周辺部NS等の各特徴点、が、特徴点グラフィックによって示されてもよい。
図5のように、レンズグラフィックLGを用いて領域GAの位置が示される場合、特徴点グラフィックがあることで、シミュレーション画像が眼鏡レンズの何れの領域を介した見え方であるかを、検者がいっそう容易に把握しやすくなる。
また、領域GAの位置が眼鏡レンズにおいて互いに異なる複数のシミュレーション画像が生成されてもよい。
複数のシミュレーション画像は、図5に示すようにモニタ50上で一覧表示されてもよい。また、この場合、図5に示すように、各々のシミュレーション画像と対応する領域GAの位置を示す情報が、モニタ50に表示されてもよい。これにより、眼鏡レンズが装用された状態の被検眼の見え方が、検者によって多角的に把握されやすくなる。
また、複数のシミュレーション画像のうち一部が、選択的にモニタ50上に表示されてもよい。例えば、視線通過領域の位置が互いに異なる複数のシミュレーション画像のうち1つが、時間経過に応じて切り替えられながら表示されてもよい。このとき、眼の旋回によって視線が遷移(換言すれば、視線通過領域の遷移)するときの見え方の変化を示すようなシミュレーション画像の切換表示が、CPU30によって行われてもよい。
例えば、図6に示すように、装用が想定される眼鏡レンズが累進多焦点レンズである場合において、眼鏡レンズの累進帯に沿って視線の遷移が行われるときのシミュレーション画像の切換表示が行われてもよい。この場合、図6に示すように、少なくとも遠用ポイントから近用ポイントまで視線が遷移するときの視標像の変化が示されるような、切換表示が行われてもよい。このような切替表示が行われることで、眼鏡レンズの使用感を、検者がより好適に把握できるようになる。例えば、視線移動時の見え方の変化において被検者に与える違和感の程度が把握されやすくなる。
また、シミュレーション画像と連動して、視線通過領域の位置を示す情報(通過位置情報)が、切換表示されてもよい。図6では、シミュレーション画像からの吹き出し線の先端位置、および、十字の指標の位置がシミュレーション画像と連動して移動される。これにより、シミュレーション画像の切換表示中における視線通過領域の位置を、検者はリアルタイムに確認できる。
なお、上記のシミュレーション画像の切換表示において想定される視線の遷移速度は、変更可能であってもよい。例えば、操作部40への操作に基づいて遷移速度がCPU30によって設定されてもよい。設定された遷移速度での切換表示が行われることで、様々な場面での眼鏡レンズの使用感が把握されるようになる。
なお、詳細は後述するが、図6の側方グラフィックSGでは、被検眼と、矯正レンズとを、側方から見たときの位置関係が示される。側方グラフィックSGも、シミュレーション画像の切換表示と連動して切り替えられる。よって、被検眼と矯正レンズとを側方から見たときの視線通過領域の遷移状況が示される。
また、シミュレーション画像では、被検眼からある呈示距離に置かれた視標を見たときの見え方がシミュレーションされているが、この視標の呈示距離は、複数の値の中から選択可能であってもよい。CPU30は、呈示距離を、任意の値の中から選択してもよいし、予め定められた複数の値の中から、選択可能であってもよい。例えば、少なくとも、「遠用」、「近用」、および、それらの「中間」の3種類程度の値の中から、選択可能であってもよい。
この場合、例えば、CPU30は、視標の呈示距離を選択し、シミュレーション画像を、選択された呈示距離を考慮して生成してもよい。以下、具体例を示す。なお、勿論、各具体例は、組み合わせて実施されてもよいし、一部だけが実施されてもよい。
ここで、シミュレーション画像の生成に際し、視標の呈示距離を考慮する具体例を示す。例えば、眼鏡レンズに対する領域GAの設定において呈示距離が考慮されてもよい。即ち、眼鏡レンズが多焦点レンズ(例えば、バイフォーカルレンズ、および、累進多焦点レンズ等)である場合に、呈示距離に応じた領域に、領域GAが設定されてもよい。そして、設定された領域GAにおける第2分布データと、第1分布データとに基づいて、シミュレーション画像が生成されてもよい。
図7の表は、累進多焦点レンズの場合に、視標の呈示距離が「遠用」,「近用」,「中間」の値に切り替えられる場合における領域GAの設定手法を例示している。即ち、視標の呈示距離が「遠用」である場合、遠用ポイントに領域GAが設定され、視標の呈示距離が「近用」である場合、近用ポイントに領域GAが設定され、更に、視標の呈示距離が「中間」である場合、累進帯に領域GAが設定される。そして、各場合において、設定された領域GAに応じたシミュレーション画像が生成される。
また、例えば、波面センサでの測定において、固視標の呈示位置を互いに異ならせて測定された複数の第1分布データが、メモリ31に記憶されていてもよい。このとき、被検眼の調節力が併せて測定されてもよい。そして、「遠用」,「近用」,「中間」等の各々の視標の呈示距離に対し、どの程度の調節力の使用割合で得た第1分布データをシミュレーションに利用するかについては、適宜設定可能であってもよい。例えば、呈示距離が近づくにつれて調節力の使用割合が大きな第1分布データが利用されてもよい。
図8の表は、視標の呈示距離が「遠用」,「近用」,「中間」に切り替えられる場合における第1分布データの選択手法を例示している。例えば、視標の呈示距離が「遠用」である場合に、調節力が働いていない状態の被検眼Eの測定に基づく第1分布データが選択され、視標の呈示距離が「近用」である場合に、所定割合の調節力を働かせた状態の被検眼Eの測定に基づく第1分布データが選択され、視標の呈示距離が「中間」である場合に、両者の場合の中間の調節力を働かせた状態の被検眼Eの測定に基づく第1分布データが選択され、シミュレーション画像が生成されてもよい。
また、図9に示すように、CPU30は、視標の呈示距離が互いに異なる複数のシミュレーション画像を生成し、それらを、各々のシミュレーションに関する呈示距離と対応づけて、モニタ50に一覧表示させてもよい。図9は、視線通過領域,および,視標の呈示距離が、互いに異なるシミュレーション画像の一覧表示についての表示例である。このような一覧表示が行われることで、検者は、眼鏡レンズが装用された状態の被検眼の見え方についての多角的な把握が容易になる。
また、眼鏡レンズと被検眼Eとの相対的な位置関係を示す情報が、シミュレーション画像と同時に、モニタ50上に表示されてもよい。例えば、図5,図10では、レンズグラフィックLG上に、アイポジションを示す指標EPが示される。この他、眼鏡レンズと被検眼Eとの相対的な位置関係を示す情報としては、矯正レンズにおける視線通過位置,角膜頂点間距離(VD),および,矯正レンズに対する視線方向,等であってもよい。これらの情報は、グラフィックで表示されてもよいし、文字および数値等のテキストで示されてもよいし、その他の方法で表示されてもよい。図10に、レンズグラフィック以外のグラフィックの具体例を示す。側方グラフィックSGは、被検眼と、矯正レンズとを、側方から見たときの位置関係を示しており、このようなグラフィックであってもよい。視線、眼鏡フレームのそり角、角膜頂点間距離、眼鏡レンズに対する眼の高さ、等が示される。
また、シミュレーション画像では、被検眼Eと眼鏡レンズとがある位置関係に置かれたときの見え方がシミュレーションされるが、シミュレーションにおける被検眼Eと眼鏡レンズとの位置関係は、互いに異なる複数の位置関係に設定可能であってもよい。換言すれば、例えば、シミュレーション画像を生成するうえで考慮される被検眼Eと眼鏡レンズとの位置関係は、各種指示に応じて変更可能であってもよい。そして、変更の都度、変更後の位置関係に基づくシミュレーション画像が、生成、および、表示されてもよい。
シミュレーションにおける被検眼Eと眼鏡レンズの位置関係を変更させるための指示は、例えば、操作部40への操作入力に基づいて、CPU30によって受け付けられてもよい。図10を参照して、具体例を示す。ここでは、モニタ50において被検眼Eと眼鏡レンズとの位置関係を示すために表示されるグラフィックを介して、上記指示を受付ける具体例を示す。例えば、レンズグラフィックLG、および、側方グラフィックSGのいずれかを介して上記指示を受付けてもよい。例えば、ポインティングデバイス(操作部40の一例)を用いて、モニタ50におけるアイポイントに関する指標またはアイコン(例えば、アイポジションを示す指標EP、眼球B、および、レンズLの何れかを選択し、移動させるための操作が入力される。これにより、指標EP等の位置が操作に応じて変更されると共に、変更後の位置関係に応じたシミュレーション画像が表示されてもよい。また、角膜頂点間距離、フレームのそり角等も、いずれかの指標またはアイコンを移動させる操作によって、変更されてもよい。そして、その変更後のパラメータに基づくシミュレーション画像が生成されてもよい。なお、このようにして変更されるパラメータの初期値は、例えば、アイポジションメータ300等によって測定された測定値であってもよい。また、パラメータの変更後においても、初期値を示す情報が、モニタ50上に表示されてもよい。
このように、本装置1は、被検眼Eと眼鏡レンズとの位置関係を変更してシミュレーションが可能であることによって、例えば、次のような効果が期待できる。即ち、被検眼に新レンズを処方する場合において、好適な見え方が得られる被検眼に対する眼鏡レンズの配置を、シミュレーション画像に基づいて、検者に容易に把握させることができる。また、その結果として、新レンズの候補の中から、いずれが妥当であるかを、検者が把握しやすくなる。
また、シミュレーション画像は、スタイルクロフォード現象が考慮されていてもよい。眼底に対する光の入射角度が大きいほど視細胞の感度が下がる(第1種スタイルクロフォード現象)ことが知られており、この現象が考慮されることにより、シミュレーション画像を、被検者における実際の見え方により近づけることができる。例えば、シミュレーション画像を生成するうえで、点像強度分布(PSF)またはそれのフーリエ変換結果が重ねあわせられる視標像の画像データが、予め、視標像の周辺側程、輝度およびコントラストが低くなっている画像データであってもよい。このような画像データは、メモリ31に予め記憶されていてもよい。これに替えて、CPU30が、第1分布データおよび第2分布データに基づいて生成される視標像(シミュレーション画像)に対して、視標像の周辺側ほど輝度及びコントラストを低くするような補正処理を行ってもよい。なお、スタイルクロフォード現象が考慮されたシミュレーション画像を、モニタ50に表示する場合、そのシミュレーション画像と共に、スタイルクロフォード現象の影響を示すためのグラフィックが表示されてもよい。一例として、図10では、眼の横断方向に関する感度の分布を示すグラフSCが表示される。
また、CPU30は、眼鏡レンズ装用時における見え方の質を表すインデックス(具体例としては、評価パラメータ)を、第1分布データ,および,第2分布データに基づいて算出してもよい。そして、CPU30は、評価パラメータを、シミュレーション画像と共に、モニタ50上に表示させてもよい。評価パラメータの例としては、ストレール比、被検眼全体の波面収差のRMS値、位相シフト(PTF)、および空間周波数特性(MTF)等が挙げられる。
また、CPU30は、被検眼Eにおける波面収差の分布データ(第1分布データの一態様)のうち,眼鏡矯正不能成分の分布データ(矯正不能分布データ)を抽出し、その矯正不能分布データに基づくシミュレーション画像を、比較シミュレーション画像として生成してもよい。矯正不能分布データに基づくシミュレーション画像は、正視眼の眼底において結像される視標像のシミュレーション画像に対し、矯正不能成分データによる重みづけが行われた画像である。そして、比較シミュレーション画像は、シミュレーション画像と共にモニタ50上に表示されてもよい。ここで、矯正不能分布データは、眼鏡レンズでは矯正できない収差成分である、高次(主には、3次以上)の収差の分布を表す。このため、矯正不能分布データに基づいて生成される比較シミュレーション画像は、眼鏡レンズ装用時における見え方のベンチマークとして利用できる。なお、眼鏡矯正不能成分に関する表示は、比較シミュレーション画像以外の態様であってもよい。例えば、矯正不能成分の大きさを示す値(例えば、高次収差量、及びRMS(円周方向のディオプトリの近似カーブに対する測定値の誤差の自乗平均和)等の情報)がモニタ50上に表示されてもよい。
以上、実施形態に基づいて説明を行ったが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、シミュレーション画像を生成する際に利用される矯正レンズの度数情報として、視線通過位置における屈折力分布に関する情報(すなわち、領域GAにおける第2分布データ)が利用される場合を例示した。しかし、視線通過位置における矯正レンズの度数情報としては、複数の抽出点でのデータを持つ,分布情報である必要はない。例えば、視線通過位置に対して一義的に定められる度数情報が利用されてもよい。例えば、レンズメータ200の測定データ、或いは、眼鏡レンズの設計値データが、眼鏡レンズを1または複数に区分けした各領域に対して1つずつ度数が割り当てられているようなデータである場合に、本変容例が適用されてもよい。
また、上記実施形態では、第3分布データに基づく、被検眼における見え方を示す情報であって,眼鏡レンズによる矯正結果を示す情報である,矯正結果情報として、シミュレーション画像が生成される場合を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3分布データをマップとして表したマップ画像が、矯正結果情報として、CPU30により生成されてもよい(例えば、図3に示すマップ)。また、矯正結果情報は、その他のグラフィック、テキスト、および、数値等であってもよい。
1 眼鏡処方補助装置
30 CPU
31 記憶部(メモリ)
50 モニタ

Claims (11)

  1. 波面センサによる被検眼の測定データであって,被検眼における屈折誤差の分布に関する第1分布データと、被検眼の屈折誤差を矯正するための眼鏡レンズにおける屈折力分布に関する第2分布データと、を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得される前記第1分布データと前記第2分布データとに基づいて、前記眼鏡レンズによる矯正を考慮した前記屈折誤差の分布に関する第3分布データを得る演算手段と、
    を備える眼鏡処方補助装置。
  2. 前記取得手段は、レンズメータによって測定された前記眼鏡レンズの屈折力分布に関する測定データのうち,一部の領域についての測定データを前記第2分布データとして取得する請求項1記載の眼鏡処方補助装置。
  3. 前記演算手段は、被検眼の瞳孔における第1分布データの抽出ポイントと、前記眼鏡レンズの前記一部の領域における第2分布データの抽出ポイントと、の数,および,位置のうち少なくとも何れかを整合させ、整合後の第1分布データおよび前記第2分布データに基づいて前記第3分布データを得る請求項2記載の眼鏡処方補助装置。
  4. 前記演算手段は、被検眼の瞳孔径に応じて前記一部の領域のサイズを設定する請求項2又は3記載の眼鏡処方補助装置。
  5. 前記演算手段は、前記眼鏡レンズと被検眼との相対的な位置関係を考慮して前記一部の領域を設定する請求項2から4のいずれかに記載の眼鏡処方補助装置。
  6. 前記取得手段は、前記眼鏡レンズが装用されたときの前記眼鏡レンズに対する前記被検眼の位置であるアイポイントに基づいて設定される,前記第2分布データを取得する請求項2から5のいずれかに記載の眼鏡処方補助装置。
  7. 被検眼における見え方を示す情報であって,前記眼鏡レンズによる矯正結果を示す情報矯正結果情報を、前記第3分布データに基づいて生成する矯正結果情報生成手段を有する請求項1から6のいずれかに記載の眼鏡処方補助装置。
  8. 前記見え方情報生成手段は、前記見え方情報として、前記第3分布データのマップ画像を生成する表示する請求項7記載の眼鏡処方補助装置。
  9. 前記見え方情報生成手段は、前記眼鏡レンズが装用された被検眼において、眼底で結像される視標像をシミュレーションした画像であるシミュレーション画像を、前記見え方を示す情報として、前記第3分布データに基づいて生成する請求項7記載の眼鏡処方補助装置。
  10. 前記シミュレーション画像取得手段は、眼底に対する光の入射角度が大きいほど視細胞の感度が下がるというスタイルクロフォード現象が考慮された前記シミュレーション画像を生成する請求項9記載の眼鏡処方補助装置。
  11. 眼鏡処方補助プログラムであって、コンピュータのプロセッサによって実行されることにより、
    波面センサによる被検眼の測定データであって,被検眼における屈折誤差の分布に関する第1分布データと、被検眼の屈折誤差を矯正するための眼鏡レンズにおける屈折力分布に関する第2分布データと、を取得する取得ステップと、
    前記取得手段で取得される前記第1分布データと前記第2分布データとに基づいて、前記眼鏡レンズによる矯正を考慮した前記屈折誤差の分布に関する第3分布データを得る演算ステップと、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とする眼鏡処方補助プログラム。
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