JP2016220960A - 波面センサおよび波面収差特定用プログラム - Google Patents

波面センサおよび波面収差特定用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ハルトマン画像中のスポットの位置に基づいて対象物の光学特性に起因する波面収差を特定する技術において、ハルトマン画像中で欠損領域が大きい場合でも、欠損領域以外のスポットの位置を利用した処理を行う。
【解決手段】光が前記対象物の一部を通過した後に複数個のレンズの一部を通過してイメージセンサ上の複数個のスポットに集光された結果ハルトマン画像中で複数のスポットが表され、それと共に、対象物の他の一部で光が拡散しためにハルトマン画像中の一部の欠損領域にスポットが現れなかったとき、処理装置は、欠損領域以外における複数個のスポットの位置を特定し、特定した位置に基づいて、欠損領域における波面収差を推定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、波面センサおよび波面収差特定用プログラムに関するものである。
従来、レンズアレイ、イメージセンサ、処理装置を有する波面センサが知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。この波面センサでは、光が対象物(例えば人の眼の水晶体)を通過してレンズアレイに入射し、レンズアレイを通過した光がイメージセンサ上の複数個のスポットに集光され、イメージセンサは、この光の強度分布を示すハルトマン画像を出力する。処理装置は、このハルトマン画像中のスポットの位置に基づいて、対象物の光学特性に起因する波面収差を特定する。
二宮さゆり、波面センサーによる眼球の波面収差測定と網膜像推定、Medical imaging technology、日本医用画像工学会、2005年、第23巻、第1号、44−47頁 三橋俊文、人眼の波面収差測定、レーザー研究、レーザー学会、2001年、第29巻、第7号、415−420頁
しかし、発明者の検討によれば、対象物の一部に濁りや疵があった場合に、その濁りや疵の部分で光が拡散してしまう。その結果、濁りや疵がなかったならばハルトマン画像中に現れていたはずのスポットが現れなくなってしまう。つまり、対象物の一部に濁りや疵があると、ハルトマン画像中の一部にスポットの無い欠損領域が発生してしまう。従来の波面センサでは、この欠損領域が大きいと、誤差の大きい波面収差を出力しないよう、波面収差の計算を行わないようになっている。
しかし、このような方法では、欠損領域以外のスポットの位置情報が全く生かされないという問題があった。
本発明は上記点に鑑み、ハルトマン画像中のスポットの位置に基づいて対象物の光学特性に起因する波面収差を特定する技術において、ハルトマン画像中で欠損領域が大きい場合でも、欠損領域以外のスポットの位置を利用した処理を行うことを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、対象物(22)を通過した光が入射する複数個のレンズを備えたレンズアレイ(15)と、前記複数個のレンズを通過して集光された光を検出し、検出した光の強度分布を表すハルトマン画像の信号を出力するイメージセンサ(16)と、前記ハルトマン画像に基づいた処理を行う処理装置(17)と、を備え、光が前記対象物の一部を通過した後に前記複数個のレンズの一部を通過して前記イメージセンサ上の複数個のスポットに集光された結果前記ハルトマン画像中で前記複数のスポットが表され、それと共に、前記対象物の他の一部で光が拡散しために前記ハルトマン画像中の一部の欠損領域にスポットが現れなかったとき、前記処理装置は、前記欠損領域以外における前記複数個のスポットの位置を特定し、特定した位置に基づいて、前記欠損領域における波面収差を推定することを特徴とする波面センサである。
このように、処理装置は、ハルトマン画像中の欠損領域以外における複数個のスポットの位置に基づいて、欠損領域における波面収差を推定することで、ハルトマン画像中で欠損領域が大きい場合でも、欠損領域以外のスポットの位置を利用した処理を行うことができる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
波面センサ1の構成図である。 波面収差検出処理のフローチャートである。 欠損領域の無い通常のハルトマン画像である。 周辺欠損のあるハルトマン画像である。 中央欠損のあるハルトマン画像である。 ゼルニケ係数の性質を表す図である。 欠損領域の無いハルトマン画像に基づいて再構成した波面収差Wを表す図である。 図4のハルトマン画像に基づいて仮にステップ170、190が実行された場合に再構成される波面収差Wを表す図である。 図8と図7の波面収差の差分である。 図3のハルトマン画像に基づいてステップ170が実行された場合に得られるゼルニケ係数50と、図4のハルトマン画像に基づいて仮にステップ170が実行された場合に得られるゼルニケ係数51とを示すグラフである。 図9の縦軸のスケールを変更して拡大したグラフである。 次数制限を行って得た波面収差Wを表す図である。 図12と図7の波面収差の差分である。 図3のハルトマン画像に基づいてステップ170が実行された場合に得られるゼルニケ係数50と、図4のハルトマン画像に基づいてステップ180が実行された場合に得られるゼルニケ係数52とを示すグラフである。 複数の次数制限例におけるRMSEのグラフである。 図15の縦軸、横軸のスケールを変更して拡大したグラフである。 L2正則化を利用して得た波面収差Wを表す図である。 図17と図7の波面収差の差分である。 図3のハルトマン画像に基づいてステップ170が実行された場合に得られるゼルニケ係数50と、図4のハルトマン画像に基づいてステップ180が実行された場合に得られるゼルニケ係数53とを示すグラフである。 異なる欠損率および重みλ2に対するRMSEを表すグラフである。 L1正則化を利用して得た波面収差Wを表す図である。 図21と図7の波面収差の差分である。 図3のハルトマン画像に基づいてステップ170が実行された場合に得られるゼルニケ係数50と、図4のハルトマン画像に基づいてステップ180が実行された場合に得られるゼルニケ係数53とを示すグラフである。 異なる欠損率および重みλ1に対するRMSEを表すグラフである。 次数制限とL2正則化を併用した結果のRMSEを表すグラフである。 次数制限とL1正則化を併用した結果のRMSEを表すグラフである。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の波面センサ1は、シャック・ハルトマン式波面センサであり、光源11、光ファイバ12、コリメータ13、ビームスプリッタ14、マイクロレンズアレイ15、CMOSイメージセンサ(二次元イメージセンサ)16、処理装置17を有している。
光源11から出た光は、光ファイバ12を通ってコリメータ13に入射され、コリメータ13を通過することで細い平面波になってビームスプリッタ14に入射する。コリメータ13からビームスプリッタ14に入射した光(平面波)は、ビームスプリッタ14によって眼球20の方向に進行方向を変え、眼球20の角膜21を通って網膜23上の微少な点23aに集光される。この一点23aに入射した光は反射、散乱されるので、一点23aは近似的な点光源として機能すると考えることができる。
点23aにて反射、散乱された光は、水晶体22および角膜21を通過してビームスプリッタ14に入射する。水晶体22、角膜21からビームスプリッタ14に入射した光は、コリメータ13からの光とは分離されてマイクロレンズアレイ15の方向に射出される。
マイクロレンズアレイ15は、複数のマイクロレンズを有し、これら複数のマイクロレンズは二次元アレー状に配置されている。コリメータ13からマイクロアレイに入射した光は、複数のマイクロレンズの各々に分かれて当該マイクロレンズを通過する。これにより、マイクロレンズアレイ15に入射した光は、複数の光束に分離される。そして、各光束はCMOSイメージセンサ16上の異なる複数のスポットに集光される。
固体撮像素子であるCMOSイメージセンサ16は、このようにしてイメージセンサ16に集光された光の位置と強度を検出し、当該位置と強度に応じた検出結果の信号を処理装置17に出力する。CMOSイメージセンサ16から処理装置17に入力される検出結果の信号は、CMOSイメージセンサ16上の光の強度の二次元分布を表すハルトマン画像の信号である。
このように、処理装置17には、検査対象物である水晶体22の光学特性(例えば表面形状)に起因する波面収差が反映されたハルトマン画像が入力される。
処理装置17は、I/O171、ROM172、RAM173、CPU174、操作装置175を有している。I/O171は、CMOSイメージセンサ16から入力されたハルトマン画像の信号を取得してCPU174に渡す回路である。
ROM172は、CPU174が実行するプログラム等が記録された不揮発性記憶媒体である。RAM173は、CPU174がプログラムの実行中に作業領域として使用する揮発性記憶媒体である。CPU174は、ROM172に記録されたプログラムを実行することで、CMOSイメージセンサ16の検出結果であるハルトマン画像に基づいた波面収差特定処理を行う。操作装置175は、波面センサ1の操作者の操作を受け付ける装置である。
図2に、この波面収差特定処理のフローチャートを示す。波面センサ1の使用者である検査者は、コリメータ13に続いてビームスプリッタ14を通った後の入射光が被験者の水晶体22に入射するよう、被験者の位置を調整する。
その後、検査者は、光源11をオンにする。すると、上述の通り、CMOSイメージセンサ16から処理装置17にハルトマン画像が入力され始める。
更に、操作装置175に対して、波面収差特定処理開始操作を行う。CPU174は、波面収差特定処理開始操作が行われたことに基づいて、波面収差特定処理の実行を開始し、まずステップ110で、I/O171を介して、CMOSイメージセンサ16から入力されたハルトマン画像を取得し、RAM173上に記録する。
図3、図4、図5に、ハルトマン画像の例を示す。図3のハルトマン画像は、眼球20に異常がない場合にCMOSイメージセンサ16から入力される画像である。この図中で、色が濃い部分ほど光の強度が強い位置になっている。強度が強い部分は複数箇所に分離しており、個々の強度が強い部分がスポットに相当し、それぞれが1つのマイクロレンズによって集光された光を表している。また、点23aから水晶体22を通過すると共に瞳孔を通過した光がハルトマン画像に現れるので、通常の場合、複数のスポットは全体として円形に分布する。
図4のハルトマン画像は、白内障により水晶体22の周辺領域の一部に濁りがあるために、その部分で光が拡散し、その結果、ハルトマン画像中の周辺部の欠損領域にスポットが現れなかった場合の例である。
図5のハルトマン画像は、白内障により水晶体22の中央領域の一部に濁りがあるために、その部分で光が拡散し、その結果、ハルトマン画像中の中央部の欠損領域にスポットが現れなかった場合の例である。
なお、図3のハルトマン画像は、模擬眼(擬似的に作成された眼球)を眼球20として使用して得たものである。また、図4、図5のハルトマン画像は、図3のハルトマン画像を得るために使用された模擬眼の一部をフィルムで遮蔽したものを眼球20として使用して得たものである。
続いてステップ120は、ステップ110で取得したRAM173上のハルトマン画像に対して、所定の強度閾値に基づく二値化処理を施す。これにより、RAM173中のハルトマン画像は、所定の強度閾値以上の強度を有する画素の値が1となり、所定の強度閾値未満の強度を有する画素の値が0となる。この二値化によって、各スポットが占める画素領域(1の値が連続する領域)が決まる。
続いてステップ130では、ステップ120で二値化されたハルトマン画像に基づいて、各スポットが占める画素領域の重心位置(幾何学中心位置)を決定する。これら重心位置が、各スポットの代表位置である。
続いてステップ140では、スポットの欠損率Vを算出する。スポットの欠損率は、ハルトマン画像中の所定の円内の領域において、もし水晶体22内に濁りも疵も無かったなら現れていたはずのスポットの数をN0とし、当該円内領域において現に現れたスポットの数をN1とすると、V=1−N1/N0とする。数N0は、円内の領域の広さに応じて予め定められた一定値であるあり、予めROM172に記録されている。例えば、図3の例では欠損率が0%であり、図4、図5の例では欠損率が48%である。
続いてステップ150では、ずれ量Δx、Δyを算出する。ずれ量Δx、Δyは、ハルトマン画像中のi番目のスポットについて、当該スポットの実際の代表位置の座標(x1,y1)の、もし波面収差が発生していなければ当該スポットが位置していたはずの参照位置の位置(以下、参照位置という)の位置座標(x0,y0)からのずれ量を表す。すなわち、Δx=x1−x0、Δy=y1−y0である。なお、位置座標は、ハルトマン画像中のカルテシアン座標(X,Y)で表現されている。
波面収差が発生していなければ当該スポットが位置していたはずの参照位置は、別の言い方をすれば、マイクロレンズアレイ15の各マイクロレンズに平行光線が入射した場合にできる当該スポットの位置である。
なお、ずれ量Δx、Δyの算出方法は周知である。ただし、本実施形態では、欠損領域においては、スポットの代表位置を取得できないので、Δx、Δyを定義できない。つまり、CPU174は、上記円内領域のうち欠損領域以外の領域においてのみ、ずれ量Δx、Δyを算出する。なお、iは、1からNpまでの各整数をとり、Npは、上記円内領域におけるスポットの数と一致する。
続いてステップ160では、欠損率が所定の閾値Tvより大きいか否かを判定する。閾値Tvは、あらかじめ定めた値であり、例えば、30%以上の値に設定してもよい。以下では、Tv=40%であるとして説明する。
図3のようなハルトマン画像を取得している場合、欠損率Vが閾値Tvよりも低いので、V>Tvでないと判定して、ステップ170に進む。ステップ170では、通常の方法でゼルニケ係数を算出する。
ここで、ステップ170におけるゼルニケ係数の算出について説明する。前述したとおり、波面センサにより得られる波面収差はマイクロレンズを通過した光線の平行光線からのずれとして表現されている。これは、すでに説明した通り、ハルトマン画像におけるスポットの代表位置の参照位置からのずれ量として表現されるため、離散的なデータとなる。
一般的な波面収差の表現方法では、このずれ量Δx、Δyをパラメトリック関数(後述するフリンジゼルニケ近似多項式)により近似表現するよう当該パラメトリック関数の各パラメータ(後述するゼルニケ係数)を推定し、決定したパラメータから連続的な波面収差Wを得る。このとき推定される各パラメータを解析することで、水晶体22の様々なレンズ特性を取得できる。
波面収差の表現には、フリンジゼルニケ近似多項式が用いられる。フリンジゼルニケ近似多項式は極座標系(ρ,θ) における直交基底の線形和で表される直交関数系である。そのため、それぞれの次数における基底は独立しており、波面収差を成分ごとに解析することができる。フリンジゼルニケ近似多項式の基底関数Znm(ρ,θ) は、以下の式(数1)で表される。
Figure 2016220960
ここで、n、mは関数の次数を表しており、nは0以上の整数を、またmは−n≦m≦nなる整数をとる。この数1からもわかるとおり、この関数は極座標(ρ,θ)を用いて表されている。また、フリンジゼルニケ近似多項式における次数n、mの変化に伴う基底Znm(ρ,θ)の変化を図6に示す。図6では、下部ほど次数の高い基底が表現されている。この図から、次数が高くなるほど、複雑なパターンが表現できることがわかる。
この基底関数により、ハルトマン画像上の点(X,Y)に関するフリンジゼルニケ近似多項式は、以下の式(数2)のように定義される。
Figure 2016220960
ここで、ρ、θとX、Yは、X=ρ×cosθ、Y=ρ×cosθの関係にある。また、Bnmはそれぞれの基底に対する係数(ゼルニケ係数)を表している。このようにして与えられるフリンジゼルニケ近似多項式において、入力されたハルトマン画像を最もよく表現できるゼルニケ係数Bnmを求めることで、波面収差をパラメトリックに表現することができる。
なお、ステップ170で求めるべきゼルニケ係数の個数(以下、次数)は予めROM172に記録されている。これは、本実施形態では36次とするが、他の例として、45次、55次などより高い次数を使用する場合もあり得る。

次に、ずれ量Δx、Δyからゼルニケ係数を推定する方法について説明する。ゼルニケ係数の推定は、与えられたずれ量Δx、Δyとフリンジゼルニケ近似多項式の誤差が最も小さくなるようにゼルニケ係数を求めることで行われる。ただし、ずれ量Δx、Δyは2次元ベクトルとして表現されるものであるのに対し、フリンジゼルニケ近似多項式で表現される収差の情報はこのベクトルの長さに基づくスカラー量である。そのため、単純に多項式と入力の誤差が最小となるように係数を推定するだけでは、ハルトマン画像から得られる情報を十分に活用することができない。
そのためゼルニケ係数の推定では、入力となるずれ量Δx、Δyおよびフリンジゼルニケ近似多項式の勾配情報に着目し、両者の勾配が一致するように評価式(誤差関数)が定義される。
まず、フリンジゼルニケ近似多項式を水平方向(X方向)、垂直方向(Y方向)のそれぞれについて微分し、勾配ベクトル∇Wを以下の式(数3)のように定義する。
Figure 2016220960
このとき、ゼルニケ係数の推定は、フリンジゼルニケ近似多項式の勾配∇Wと、入力されたずれ量Δx、Δyを用いて、以下の評価式E(数4)を最小とするゼルニケ係数を計算することにより実現される。
Figure 2016220960
ここで、定数fはマイクロレンズアレイ15とCMOSイメージセンサ16との距離(すなわち、各マイクロレンズの焦点距離)を表しており、あらかじめROM172に記録されている。[Δx、Δy/fも、波面収差関連量である。また、∇Wは、収差Wの勾配∇Wの、ずれ量Δx、Δyに対応する参照位置座標における値を示している。なお、数4のΣ記号は、上記円領域内でずれ量Δx、Δyが定義できた参照位置座標についてのみの和を表している。更に、数4の右辺のΣ記号より右側は、ベクトルのL2ノルムを表している。
この評価式Eを最小にするようなゼルニケ係数Bnmを最小2乗法により求める。後述する通り、得られたゼルニケ係数を用いて波面収差Wをパラメトリックに表現することができる。なお、ステップ170では、nが1から8までのすべてのゼルニケ係数について、すなわち、最低次から数えて36次までのゼルニケ係数のみについて、推定を行う。
続いてステップ190では、ステップ170で算出したゼルニケ係数に基づいて、上記円領域内における波面収差Wを再構成する。すなわち、ステップ170で算出したゼルニケ係数を、数2の式に代入することで、波面収差Wの関数を決定し、決定した関数を用いて、円領域内の各位置における波面収差Wを算出して出力する。出力先は、処理装置17の外部の記憶媒体でもよいし、処理装置17の外部の画像表示装置でもよい。
図7に、図3のハルトマン画像に基づいて上記のようなステップ110〜170、190で得られた波面収差Wを示す。なお、図11では、表示されている波面収差Wの算出に用いられたハルトマン画像も重畳されている(後述する図8、図9、図12、図13、図17、図18、図21、図22も同じである)。ステップ190の後、図2の処理が終了する。
このように、本実施形態の波面センサ1では、眼球20の光学的特性を反映した波面収差を計測することができる。しかし、眼球20の計測時には、通常のレンズの特性を計測する際には発生しない様々な問題が発生する。その問題の一つとして、眼球の疾病の一つである白内障が挙げられる。この白内障を患った人の眼球を、波面センサで計測すると、眼球内の濁りの影響により、図4、図5に示したように、ハルトマン画像に欠損が発生する。欠損を含む図4のハルトマン画像が処理装置17に入力されたときに、CPU174が上述のようにステップ110〜150を実行し、更に、仮にステップ170を実行してしまうと、ステップ170の後に算出された波面収差Wは、図8に示すように、計測結果に大きな誤差が生じる。
したがって、図8に表した波面収差Wの真値は図7に表した値である。図8の値と図7の真値との差分を、図9に示す。
また、欠損を含む図4のハルトマン画像が処理装置17に入力されたときに、CPU174が仮にステップ110〜150、170を実行すると、ステップ170で得られたゼルニケ係数は、図10の線51で示すような値になってしまう。図3のハルトマン画像が処理装置17に入力されたときに、CPU174がステップ110〜170を実行した場合に得られるゼルニケ係数は、図10の線50で示すような値になっている。なお、図11は、図9の縦軸のスケールを変更して拡大したグラフである。
こように、図4のように欠損を含むハルトマン画像から推定されたゼルニケ係数は、明らかに真値とは異なるものとなっている。これは欠損により入力に含まれる情報量が減少したため、フリンジゼルニケ近似多項式が過適合を起こしたものと考えることができる。
実際、図9からわかるように、再構成された波面収差において欠損部分(右下部分)に大きな誤差が現れており、正しく推定が行えていないことがわかる。また、図10、図11からわかるように、推定されたゼルニケ係数自体も欠損を含まない場合と大きく異なっていることが確認できる。
そこで、本実施形態では、CPU174は、ステップ160にて、欠損率Vが閾値Tvよりも大きい場合、ステップ180に進み、ステップ170とは違う方法で、ゼルニケ係数を算出する。
ステップ180におけるゼルニケ係数の算出方法は、ステップ170の方法に対して、推定対象のゼルニケ係数の次数を制限するよう変更したものである。具体的には、ステップ170では、1次から36次までのゼルニケ係数のみについて推定を行うようになっていてが、ステップ180では、36次よりも低い次数までのゼルニケ係数のみについて推定を行う。
推定対象のゼルニケ係数としては、nが1からkまでのすべてのゼルニケ係数のみ、すなわち、最低次(1次)から数えて{k×(k+1)}/2次までのゼルニケ係数のみを用いる。ここで、kは3以上7以下のどの整数でもよい。
フリンジゼルニケ近似多項式において利用する次数が多い場合、波面収差Wの表現精度は向上するが、ノイズの影響などにより係数推定の安定性が低下するという問題がある。特にハルトマン画像中の欠損領域が大きい場合には、基底関数の直交性が失われるためその影響が顕著に表れる。
ここで、波面収差の測定で必要な次数について説明する。天体観測時などにおける波面収差の測定においては、非常に高精度な測定が要求される。そのため、求めるべき係数の次数は高く設定する必要がある。しかし、眼球の特性推定においては、要求される係数の次数はそれほど高くない。これは眼球が非剛体であり、外部からの影響により比較的大きな形状変動が発生するためである。
このような場合、高次のゼルニケ係数は外的要因により容易に変動するため、詳細な計測が行えたとしてもあまり大きな意味を持たない。さらに眼球特性計測の主たる目的で
ある眼鏡の作成では低次のゼルニケ係数のみが使用されるため、高次の係数を含む高精度な測定よりも、低次の係数の安定な計測が求められることが多い。
そこで、上記のように、フリンジゼルニケ近似多項式の次数の数を制限すること、つまりフリンジゼルニケ近似多項式の低次の項のみで波面収差を表現する方法が有効になる。前述したとおり、低次のゼルニケ基底においては波面全体の大域的な特性が表現されている。
そのため、入力されたハルトマン画像中の欠損領域が大きくても、高次の係数と比較して安定な計測が行える。つまり、推定の安定性を向上させることが可能となる。
まず、図4の周辺欠損のハルトマン画像を入力として、nが1から5までの係数のみ、すなわち、1次から15次までの係数のみを推定した場合について説明する。
この場合、ステップ180に続いてステップ190では、ステップ180で推定した1次から15次までのゼルニケ係数を用いて、ハルトマン画像の円領域内のうち、欠損領域においても、欠損領域以外の領域においても、波面収差Wを再構成する。このようにして得られた波面収差Wを、図12に示す。また、図12の波面収差と図7の波面収差(真値)との差分を、図13に示す。また、図14に、図10と同じ真値50と共に、ステップ180で得たゼルニケ係数を線52で示す。
結果として、図13と図9の比較からわかるように、欠損部分における推定誤差は、ステップ180を実行した場合の方が減少していることがわかる。また、算出された波面収差WのRMSE(平均2乗誤差)についても、図4のハルトマン画像に対してステップ180を実行した場合は0.34であり、図4のハルトマン画像に対してステップ170を実行した場合は27.75である。つまり、ステップ180を実行した場合の方がRMSEも減少していることが確認できる。このように、推定するゼルニケ係数の次数を制限することで、推定を安定化することができる。ここで、波面収差のRMSEは、対象とする波面収差と真値の波面収差との誤差の2乗平均の平方根である。ここで、真値の波面収差は図3のハルトマン画像に対してステップ170、190を実行して得た波面収差である。
また、ステップ180では、上記の15次までの例(以下a3という)の他にも、図4の周辺欠損のハルトマン画像を入力として、以下の場合のようにしてもよい。
(a1)nが1から3までの(すなわち1次から6次までの)係数のみを推定する
(a2)nが1から4までの(すなわち1次から10次までの)係数のみを推定する
(a4)nが1から6までの(すなわち1次から21次までの)係数のみを推定する
(a5)nが1から7までの(すなわち1次から28次までの)係数のみを推定する
また、ステップ180では、図5の中央のハルトマン画像を入力として、以下の場合のようにしてもよい。
(b1)nが1から3までの(すなわち1次から6次までの)係数のみを推定する
(b2)nが1から4までの(すなわち1次から10次までの)係数のみを推定する
(b3)nが1から5までの(すなわち1次から15次までの)係数のみを推定する
(b4)nが1から6までの(すなわち1次から21次までの)係数のみを推定する
(b5)nが1から7までの(すなわち1次から28次までの)係数のみを推定する
この場合も、ステップ180に続いてステップ190では、ステップ180で推定したゼルニケ係数を用いて、ハルトマン画像の円領域内のうち、欠損領域においても、欠損領域以外の領域においても、波面収差Wを再構成する。
このようにして得られた波面収差WのRMSEを、図15に示す。図15の横軸は、ステップ180で推定するフリンジゼルニケ近似多項式の最高次数を示し、縦軸は、得られた1次から当該最高次までのゼルニケ係数を用いてステップ190で推定された波面収差WのRMSEを表している。図15中、線61がa1〜a5における算出結果であり、線62がb1〜b5における算出結果である。
この図からわかるように、周辺欠損があるハルトマン画像に対しては、次数を28次以下に減らすことで、RMSEが劇的に低下する。なお、図16は、図15の縦軸、横軸のスケールを変更して拡大したグラフである。
以上説明した通り、本実施形態では、光が水晶体22の一部を通過した後に複数個のマイクロレンズの一部を通過してCMOSイメージセンサ16上の複数個のスポットに集光された結果、ハルトマン画像中で複数のスポットが表され、それと共に、対象物の他の一部で光が拡散しためにハルトマン画像中の一部の欠損領域にスポットが現れなかったとき、すなわち、図4、図5のようなハルトマン画像が得られたとき、処理装置17は、欠損領域以外における複数個のスポットの位置のずれ量Δx、Δyを特定し、特定した位置のずれ量に基づいて、欠損領域における波面収差を高い正確度で推定することができる。このように、処理装置17は、ハルトマン画像の欠損領域以外における複数個のスポットの位置に基づいて、欠損領域における波面収差を推定することができる。
より具体的には、処理装置17は、複数個のスポットの位置に基づいて所定の波面収差関連量(すなわち、ずれ量Δx、Δy)を算出し、算出した値と所定のパラメトリック関数の勾配(∇W)との誤差に基づく評価式Eに基づいて、パラメトリック関数の複数のパラメータ(すなわち、ゼルニケ係数Bnm)の最適値を決定し、決定した複数のパラメータの最適値を有する上記パラメトリック関数を用いて、欠損領域における波面収差を推定する。そして、このパラメトリック関数は、28次以下に次数が制限されたフリンジゼルニケ近似多項式である。
このように、フリンジゼルニケ近似多項式の次数制限を行った上で推定を行うことで、より正確に欠損領域における波面収差を推定することができる。また、フリンジゼルニケ近似多項式自体も、低次の係数をより正確に算出することができる。眼鏡を作成する場合、眼鏡で補正できるのはnが1から2までのゼルニケ係数の要因のみなので、低次の係数を正確に知ることで、より適切に眼鏡を作成することができる。
なお、本実施形態の次数制限は、ステップ180で使用する次数よりも高次のゼルニケ係数がゼロであるという条件を導入して、ステップ180でゼルニケ係数を求めている方法であると言える。
また、処理装置17は、ハルトマン画像中の欠損領域以外における複数個のスポットの位置に基づいて、欠損領域における波面収差を推定することで、ハルトマン画像中で欠損領域が大きい場合でも、欠損領域以外のスポットの位置を利用した処理を行うことができる。
特に、波面センサを用いた眼光学特性計測においては、白内障などの眼病の影響によりこのような欠損が往々にして発生する。従来の方法ではこのような場合は波面センサによる特性計測は実現不可能なときがあり、ピンホールなど用いた別種の計測機器により検査が行われていた。これに対して、本発明を利用することにより白内障などを含む眼球についても問題なく眼光学特性(特に、眼鏡作製に使用されるSCA値)の計測を行うことができる。これにより、眼鏡による屈折異常の修正が可能かどうかが判断でき、修正が困難な場合は、眼科への誘導がスムーズに行われ、IOL(眼内レンズ)の装着等、適正な処理がなされることになる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の波面センサ1は、第1実施形態の波面センサ1に対して、図2のステップ180の内容を変更したものである。その他は、第1実施形態と同じである。
本実施形態におけるステップ180におけるゼルニケ係数の算出方法は、ステップ170の方法に対して、次数制限は行わず、評価式Eに事前知識の項を追加するように変更したものである。具体的には、評価式EにL2正則化項を追加するように変更する。つまり、L2正則化を利用してゼルニケ係数を算出する。
正則化とは、ある種の事前知識に基づき、推定すべき係数に条件を付加するものである。これは求めるべき変数の数が与式の数を上回るような不良設定問題の解法によく用いられる。本実施形態において欠損領域を含むハルトマン画像からゼルニケ係数を推定する場合も、欠損領域の増大による与式の数の低下に伴い解の不安定性が増大していると考えられる。したがって、このような正則化の利用は有効である。
本実施形態の評価式Eは、以下の式(数5)の評価式Eとなる。
Figure 2016220960
ここで、λ2はL2ノルムに対する重みを表し、この値が大きいほどL2ノルムの評価式Eへの寄与度が大きくなる。ステップ180では、この評価式Eを最小にするようなゼルニケ係数Bnmを推定することで、L2ノルムに関する制約を考慮した係数推定が実現できる。
解(ゼルニケ係数)の推定において変数のL2ノルムを最小化すべき評価式Eに含めるということは、解の期待値を0とした場合にその分散がなるべく小さくなるように解を推定していると捉えることができる。また、それぞれのゼルニケ係数の絶対値を小さくするよう条件を追加しているともいえる。
図10に示した例をみると、大きな欠損領域を含むハルトマン画像が入力された場合には、求められたゼルニケ係数が非常に大きくばらついていることがわかる。そのため、このような条件を追加することで、係数のばらつきを抑え、安定に解を推定できる。
また、この方法は第1実施形態説明した次数を制限する方法とは異なり、フリンジゼルニケ近似多項式の高次の成分も損なわずに推定を行うことができるという利点を持つ。これにより、単純に基底の次数を制限する場合と比較して、高精度な計測が行える。なお、重みλ2については、あらかじめ実験等により決められた最適な一定値に設定されていてもよい。この場合、当該重みλ2は、ROM172に記録されており、CPU174は、このROM172から重みλ2を読み出すことで、重みλ2を特定する。
このL2正則化を利用して、図4の周辺欠損ハルトマン画像に基づいてステップ110〜160、180を実行し、さらにステップ190で波面収差を推定した結果を図17に示す。また、図17の波面収差と図7の波面収差(真値)との差分を、図18に示す。また、図19に、図10と同じ真値50と共に、ステップ180で得たゼルニケ係数を線53で示す。
図17、図18に示されるように、L2正則化を利用すると、欠損領域において波面収差Wが滑らかに推定できており、真値との誤差も図9の場合と比べて小さくなっている。また、図19に示すように、ゼルニケ係数についても、図10の場合と比べて真値と近いものが推定できている。さらに、本例における波面収差WのRMSEは、0.12と小さい値を示しており、適切な推定が行えていることが確認できる。
ここで、重みλ2の違いによる波面収差Wの推定誤差の変化について説明する。図20は、ハルトマン画像において周辺欠損となると共に種々の欠損率となる水晶体22(模擬眼)について、重みλ2として種々の値を用いてステップ180のゼルニケ係数の推定を行った結果を表している。
図20の縦軸は、図7の波面収差Wを真値とするRMSEであり、横軸は、重みλ2の値である。線71、72、73、74、75、76、77が、それぞれ0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%の欠損率における結果を表している。
この図に示すように、同じ欠損率VにおいてRMSEが最低となる重みλ2は、概ね、欠損率Vが大きくなるほど大きくなる傾向にある。つまり、欠損率Vが大きいほど最適な重みλ2が大きくなる傾向にある。ただし、部分的には、欠損率Vが大きいほど最適な重みλ2が小さくなる場合もある。
そこで、CPU174は、ステップ180で使用する重みλ2として、一定値ではなく、ステップ140で算出した欠損率V(欠損領域が大きくなるほど大きくなる値)に応じて変化する値を採用してもよい。具体的には、複数の欠損率Vの個々について当該欠損率Vに最適な重みλ2が対応付けられたL2重みテーブルをROM172から読み出し、ステップ140で算出した欠損率Vに最適な重みλ2を当該L2重みテーブルに基づいて決定するようになっていてもよい。なお、L2重みテーブルについては、複数の欠損率Vの個々について当該欠損率Vに最適な重みλ2をあらかじめ実験等によって決定し、その決定した対応関係をL2重みテーブルとしてあらかじめROM172に記録させておく。このL2重みテーブルでは、常に欠損率Vが大きいほど最適な重みλ2が大きくなるようになっていてもよいし、ある範囲では欠損率Vが大きいほど最適な重みλ2が大きくなり、別の範囲では欠損率Vが大きいほど最適な重みλ2が小さくなるようになっていてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態の波面センサ1は、第1実施形態の波面センサ1に対して、図3のステップ180の内容を変更したものである。その他は、第1実施形態と同じである。
本実施形態におけるステップ180におけるゼルニケ係数の算出方法は、ステップ170の方法に対して、次数制限は行わず、評価式Eに事前知識の項を追加するように変更したものである。具体的には、評価式EにL1正則化項を追加するように変更する。つまり、L1正則化を利用してゼルニケ係数を算出する。
図10に示した欠損領域の無いハルトマン画像についてゼルニケ係数を推定した結果では、高次の成分のほとんどがゼロに近い値を示していることがわかる。このような、係数のほとんどがゼロである状態をスパースであるといいう。スパースな係数を推定する方法が、近年のコンピュータビジョン、画像処理などの分野で大きな注目を集めている。求めるべき変数がスパースであると仮定すると、求めるべき変数(ゼルニケ係数)が与式の数を上回る問題、すなわち不良設定問題においても解(ゼルニケ係数)を一意に決定可能であることが示されている。
スパースな係数を推定する問題は、係数のL0ノルムを最小化することで解くことができる。しかし、通常L0ノルムの最小化はNP困難であるため、これを容易に解くことはできない。しかし、L0ノルムの代わりにL1ノルムを最小化することでも、ほぼ同様の解が得られることが示されている。
本実施形態の評価式Eは、以下の式(数6)の評価式Eとなる。
Figure 2016220960
ここで、λ1はL1ノルムに対する重みを表し、この値が大きいほどL1ノルムの評価式Eへの寄与度が大きくなる。ステップ180では、この評価式Eを最小にするようなゼルニケ係数Bnmを推定することで、スパースな係数の組を推定することができる。
この方法は、推定される係数に0が多く含まれるという条件を追加しており、その点では、第1実施形態における次数制限を設ける方法と共通している。しかし、第1実施形態で説明した方法では、推定の際の0となるであろう係数を事前に特定しておく必要があるのに対し、この方法ではL1ノルムの最小化を利用することで自動的に0となる係数を選択することができる。そのため、フリンジゼルニケ近似多項式の高次の成分に0以外の係数が含まれる場合でも、適切に推定を行える。なお、重みλ1については、あらかじめ実験等により決められた最適な一定値に設定されていてもよい。この場合、当該重みλ1は、ROM172に記録されており、CPU174は、このROM172から重みλ1を読み出すことで、重みλ1を特定する。
このL1正則化を利用して、図4の周辺欠損ハルトマン画像に基づいてステップ110〜160、180を実行し、さらにステップ190で波面収差を推定した結果を図21に示す。また、図21の波面収差と図7の波面収差(真値)との差分を、図22に示す。また、図23に、図10と同じ真値50と共に、ステップ180で得たゼルニケ係数を線54で示す。
図21、図22に示されるように、L1正則化を利用すると、欠損領域において波面収差Wが滑らかに推定できており、真値との誤差も図9の場合と比べて小さくなっている。また、図23に示すように、ゼルニケ係数についても、図10の場合と比べて真値と近いものが推定できている。さらに、本例における波面収差WのRMSEは、0.05と、次数制限の方法よりもL2正則化の方法よりも小さい値を示しており、適切な推定が行えていることが確認できる。
ここで、重みλ1の違いによる波面収差Wの推定誤差の変化について説明する。図24は、ハルトマン画像において周辺欠損となると共に種々の欠損率となる水晶体22(模擬眼)について、重みλ1として種々の値を用いてステップ180のゼルニケ係数の推定を行った結果を表している。
図24の縦軸は、図7の波面収差Wを真値とするRMSEであり、横軸は、重みλ1の値である。線81、82、83、84、85、86、87が、それぞれ0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%の欠損率における結果を表している。
この図に示すように、同じ欠損率VにおいてRMSEが最低となる重みλ1は、概ね、欠損率Vが大きくなるほど大きくなる傾向にある。つまり、欠損率Vが大きいほど最適な重みλ1が大きくなる傾向にある。ただし、部分的には、欠損率Vが大きいほど最適な重みλ1が小さくなる場合もある。
そこで、CPU174は、ステップ180で使用する重みλ1として、一定値ではなく、ステップ140で算出した欠損率Vに応じて変化する値を採用してもよい。具体的には、複数の欠損率Vの個々について当該欠損率Vに最適な重みλ1が対応付けられたL1重みテーブルをROM172から読み出し、ステップ140で算出した欠損率Vに最適な重みλ1を当該L1重みテーブルに基づいて決定するようになっていてもよい。なお、L1重みテーブルについては、複数の欠損率Vの個々について当該欠損率Vに最適な重みλ1をあらかじめ実験等によって決定し、その決定した対応関係をL1重みテーブルとしてあらかじめROM172に記録させておく。このL1重みテーブルでは、常に欠損率Vが大きいほど最適な重みλ1が大きくなるようになっていてもよいし、ある範囲では欠損率Vが大きいほど最適な重みλ1が大きくなり、別の範囲では欠損率Vが大きいほど最適な重みλ1が小さくなるようになっていてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態の波面センサ1は、第1実施形態の波面センサ1に対して、図2のステップ180の内容を変更したものである。その他は、第1実施形態と同じである。
本実施形態におけるステップ180におけるゼルニケ係数の算出方法は、第1実施形態のステップ180の方法に対して、第2実施形態と同じ方法で、評価式Eとして事前知識であるL2正則化項を含む評価式Eを使用するように変更したものである。
つまり、本実施形態では、CPU174は、ステップ180において、第1実施形態と同じ方法でフリンジゼルニケ近似多項式の次数制限を行った上で、更に、第2実施形態と同じ評価式Eを評価式Eとして採用し、その上で、ゼルニケ係数を算出する。
図25に、本実施形態においてステップ190で算出された波面収差WのRMSE(真値は図7に表した値)を示す。図25の横軸は、ステップ180で推定するフリンジゼルニケ近似多項式の最高次数を示し、縦軸は、その得られた1次から最高次数までのゼルニケ係数を用いてステップ190で推定された波面収差WのRMSEを表している。図25中、線63が図4の周辺欠損のあるハルトマン画像についての算出結果であり、線64が図5の中央欠損のあるハルトマン画像についての算出結果である。
この図に表されている通り、L2正則化を利用した上でも、更に次数制限を行うことで波面収差Wの推定を更に安定化することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態の波面センサ1は、第1実施形態の波面センサ1に対して、図2のステップ180の内容を変更したものである。その他は、第1実施形態と同じである。
本実施形態におけるステップ180におけるゼルニケ係数の算出方法は、第1実施形態のステップ180の方法に対して、第3実施形態と同じ方法で、評価式Eとして事前知識であるL1正則化項を含む評価式Eを使用するように変更したものである。
つまり、本実施形態では、CPU174は、ステップ180において、第1実施形態と同じ方法でフリンジゼルニケ近似多項式の次数制限を行った上で、更に、第3実施形態と同じ評価式Eを評価式Eとして採用し、その上で、ゼルニケ係数を算出する。
つまり、本実施形態では、CPU174は、ステップ180において、第1実施形態と同じ方法でフリンジゼルニケ近似多項式の次数制限を行った上で、更に、第3実施形態と同じ方法で評価式EにL1正則化項を追加し、その上で、ゼルニケ係数を算出する。
図26に、本実施形態においてステップ190で算出された波面収差WのRMSE(真値は図7に表した値)を示す。図26の横軸は、ステップ180で推定するフリンジゼルニケ近似多項式の最高次数を示し、縦軸は、その得られた1次から最高次数までのゼルニケ係数を用いてステップ190で推定された波面収差WのRMSEを表している。図26中、線65が図4の周辺欠損のあるハルトマン画像についての算出結果であり、線66が図5の中央欠損のあるハルトマン画像についての算出結果である。
この図に表されている通り、L1正則化を利用した上でも、更に次数制限を行うことで波面収差Wの推定を更に安定化することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、次数制限とL2正則化を併用する方法、次数制限とL1正則化を併用する方法を説明したが、これ以外にも、L1正則化とL2正則化を併用する方法、次数制限とL1正則化とL2正則化を併用する方法を採用してもよい。
あるいは、CPU174は、ステップ180で、次数制限、L1正則化、L2正則化のうちどれを使用するかを、条件に応じて切り替えるようになっていてもよい。例えば、操作装置175に対する操作者の選択操作に従って、次数制限、L1正則化、L2正則化のうちどれを使用するかを決定してもよい。あるいは、ステップ140で算出した欠損率Vに応じて、次数制限、L1正則化、L2正則化のうちどれを使用するかを決定してもよい。
(変形例2)
また、上記の実施形態において、CPU174がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
(変形例3)
上記実施形態では、検査対象物として水晶体22が例示されているか、対象物はこのようなものに限られない。例えば、検査対象物としてコンタクトレンズを採用することも可能である。
(変形例4)
上記各実施形態では、CPU174は、フリンジゼルニケ近似多項式のゼルニケ係数を算出するようになっているが、これに代えて、ゼルニケ近似多項式のゼルニケ係数を算出するようになっていてもよい。このようにしても、上記各実施形態の次数制限、L2正則化、L1正則化の手法は、フリンジゼルニケ近似多項式を用いた場合と同等の効果を得ることができる。
1 波面センサ
12 光ファイバ
13 コリメータ
14 ビームスプリッタ
15 マイクロレンズアレイ
21 角膜
22 水晶体
23 網膜
23a 網膜上の微小な点

Claims (8)

  1. 対象物(22)を通過した光が入射する複数個のレンズを備えたレンズアレイ(15)と、
    前記複数個のレンズを通過して集光された光を検出し、検出した光の強度分布を表すハルトマン画像の信号を出力するイメージセンサ(16)と、
    前記ハルトマン画像に基づいた処理を行う処理装置(17)と、を備え、
    光が前記対象物の一部を通過した後に前記複数個のレンズの一部を通過して前記イメージセンサ上の複数個のスポットに集光された結果前記ハルトマン画像中で前記複数のスポットが表され、それと共に、前記対象物の他の一部で光が拡散しために前記ハルトマン画像中の一部の欠損領域にスポットが現れなかったとき、前記処理装置は、前記欠損領域以外における前記複数個のスポットの位置を特定し、特定した位置に基づいて、前記欠損領域における波面収差を推定することを特徴とする波面センサ。
  2. 前記処理装置は、前記複数個のスポットの位置に基づいて所定の波面収差関連量を算出し、算出した前記波面収差関連量の値と所定のパラメトリック関数の勾配(∇W)との誤差に基づく評価式(E)に基づいて、前記パラメトリック関数の複数のパラメータ(Bnm)の最適値を決定し、決定した前記複数のパラメータの最適値を有する前記パラメトリック関数を用いて、前記欠損領域における波面収差を推定し、
    前記パラメトリック関数は、28次以下のフリンジゼルニケ近似多項式または28次以下のゼルニケ近似多項式であることを特徴とする請求項1に記載の波面センサ。
  3. 前記処理装置は、前記複数個のスポットの位置に基づいて所定の波面収差関連量を算出し、算出した前記波面収差関連量の値と前記波面収差関連量を近似する所定のパラメトリック関数の勾配(∇W)との誤差に基づく評価式(E)に基づいて、前記パラメトリック関数の複数のパラメータ(Bnm)の最適値を決定し、決定した前記複数のパラメータの最適値を有する前記パラメトリック関数を用いて、前記欠損領域における波面収差を推定し、
    前記パラメトリック関数は、フリンジゼルニケ近似多項式またはゼルニケ近似多項式であり、
    前記評価式は、前記パラメトリック関数の係数であるゼルニケ係数の正則化項を含むことを特徴とする請求項1に記載の波面センサ。
  4. 前記処理装置は、前記複数個のスポットの位置に基づいて所定の波面収差関連量を算出し、算出した前記波面収差関連量の値と前記波面収差関連量を近似する所定のパラメトリック関数の勾配(∇W)との誤差に基づく評価式(E)に基づいて、前記パラメトリック関数の複数のパラメータ(Bnm)の最適値を決定し、決定した前記複数のパラメータの最適値を有する前記パラメトリック関数を用いて、前記欠損領域における波面収差を推定し、
    前記パラメトリック関数は、28次以下のフリンジゼルニケ近似多項式または28次以下のゼルニケ近似多項式であり、
    前記評価式は、前記パラメトリック関数の係数であるゼルニケ係数の正則化項を含むことを特徴とする請求項1に記載の波面センサ。
  5. 前記正則化項は、ゼルニケ係数のL2ノルムを含むことを特徴とする請求項3または4に記載の波面センサ。
  6. 前記正則化項は、ゼルニケ係数のL1ノルムを含むことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の波面センサ。
  7. 前記処理装置は、前記欠損領域の大きさに応じて、前記正則化項の前記評価式への寄与度(λ1、λ2)を変動させることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1つに記載の波面センサ。
  8. 対象物(22)を通過した光が複数個のレンズを通過することで集光されてイメージセンサ(16)に入射し、入射した光の強度分布を表すハルトマン画像の信号を前記イメージセンサが出力したときに、前記ハルトマン画像に基づいた処理を行う処理装置に用いられるプログラムであって、
    光が前記対象物の一部を通過した後に前記複数個のレンズの一部を通過して前記イメージセンサ上の複数個のスポットに集光された結果前記ハルトマン画像中で前記複数のスポットが表され、それと共に、前記対象物の他の一部で光が拡散しために前記ハルトマン画像中の一部の欠損領域にスポットが現れなかったとき、前記欠損領域以外における前記複数個のスポットの位置を特定する特定手段(150)と、
    前記特定手段が特定した位置に基づいて、前記欠損領域における波面収差を推定する推定手段(190)を備えたプログラム。
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