JP2017184629A - 生鮮食材の抗酸化能増強方法及びその高鮮度流通方法 - Google Patents

生鮮食材の抗酸化能増強方法及びその高鮮度流通方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生鮮食材を、該生鮮食材の抗酸化ポテンシャルを増加、向上させた高抗酸化性食材に変換してその流通を図る方法を提供する。【解決手段】生鮮食材を、該食材の有する固有の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を向上させた高抗酸化性食材に変換する方法及びその流通を図る方法であって、収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけることにより、生鮮食材を、保管処理前と比べて、食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換する生鮮食材の抗酸化能の増強方法、及び該方法を氷温庫内で生鮮食材に適用してその流通を図る生鮮食材の流通方法。【選択図】図1

Description

本発明は、生鮮食材の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を増強させる方法に関するものであり、更に詳しくは、収穫、漁獲、屠殺直後のポストハーベスト段階の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯(未凍結温度領域)の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷と予冷処理又は微乾燥処理(乾燥率数%〜10数%程度になるまで乾燥処理する軽微な乾燥処理)を施すことにより、生鮮食材を、前記処理前と比べて、該食材中の抗酸化物質含量を向上させて該食材に高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を保持させた高抗酸化性食材に変換してその流通を図ることを可能とする生鮮食材の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)の増強方法及びその高鮮度流通方法に関するものである。本発明は、生鮮食材に氷温条件による低温度負荷、すなわち氷温負荷をかけて、該食材に高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を保持させた高抗酸化性食材を創製してその流通を図るための新技術・新製品を提供するものとして有用である。
一般に、消費者が日々摂取する動物性食材や植物性食材の中には、多種多様な抗酸化物質(抗酸化特性ないし抗酸化機能を有する物質)が存在している。これらの成分は、元来、生きた生体食材である生鮮農畜水産物そのものが、自らの生体防御のためにその酸化防御機構の代謝生産物として産生しているものと考えられる。このような抗酸化物質は、これまでの種々の研究成果から、ヒトが該抗酸化物質を経口摂取した後にも、外因性抗酸化物質として、ヒトの生体内で抗酸化反応や酸化障害の抑制に有効に働くことが知られている。
本発明者らは、これまで、長年に亘り、氷温技術の基礎研究及びその応用技術の開発研究に従事する中で、氷温貯蔵ないし氷温熟成などの氷温に関する基本技術を確立するとともに、これらの応用技術の普及及び発展を進めて来た(特許文献1、特許文献2参照)。そして、最近では、例えば、氷温技術による畜肉類の高品質化に関する研究、氷温領域における麺類の製法、氷温熟成処理による豚肉の脂肪融点低下作用の解明、氷温乾燥を用いたブドウの高糖度化と醸造、ナノ窒素海水ジェルアイス(微小氷)貯蔵による鮮度保持効果などの様々な分野で研究/開発が展開されている(非特許文献1〜4参照)。
このような状況の中で、本発明者らは、収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すことにより、前記処理前と比べて、食材中の抗酸化物質含量を向上させて高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を保持させた高抗酸化性食材を創製してその流通を図ることができること、すなわち、生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけることにより、該生鮮食材を、抗酸化物質を多量に含有する高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を保持させた高抗酸化性食材に変換してその流通をはかることが実現できることを見出した。
例えば、鮮度の良好な牛肉は、これを0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の時間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と微乾燥処理を施すことにより、前記処理前と比べて、抗酸化物質のカルノシン含量が増加し、また、氷温条件による低温負荷をかけた牛肉は、冷蔵したものよりもカルノシンを多く含んでいることや、その他の食材についても、生鮮の動物性食材の場合には、例えば、豚肉、鹿肉、家禽肉、ウナギなどにおいても同様の効果が得られることが分かった。
生鮮動物性食材に多量に含まれるカルノシンは、生体内において、活性酸素から細胞を守る抗酸化作用や、老化防止や運動能力の向上効果が期待される成分でもある。また、生鮮動物性食材と同様に、生鮮植物性食材でも、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と予冷処理を施して、該食材に氷温負荷をかけると、前記処理前と比べて、食材中の抗酸化物質含量が増加することが分かった。
また、生鮮植物性食材の場合、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と予冷処理を施して、該食材に氷温負荷をかけると、前記処理前と比べて、例えば、生姜ではジンゲロールが増加し、また、コーヒー豆ではクロロゲン酸が増加し、また、黒大豆ではポリフェノールが増加する。しかも、これらの現象は、ポストハーベスト段階の生鮮植物性食材の場合に顕著に見られる。
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、収穫、漁獲、屠殺直後のポストハーベスト段階の農畜水産物系生鮮食材の有する抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)に着目し、これらの生鮮食材を、該生鮮食材の有する抗酸化ポテンシャルを向上又は高く保持させた高抗酸化性食材に変換してその流通を図ることを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、例えば、鮮度の良好な牛肉などの生鮮動物性食材を氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と微乾燥処理を施すことにより、前記処理前と比べて、食材中の抗酸化物質のカルノシン含量が向上すること、更に、これらの生鮮食材や生鮮植物性食材についても、その種類を代えて、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)の技術を適用することにより、同様に所期の目的を達成できることを見出すとともに、得られた高抗酸化性食材を、スーパーやデパート、食品加工工場や外食などに供給するための該食材の保管(貯蔵を含む)、輸送を含めた流通技術の確立とそのシステムの構築に成功し、本発明を完成するに至った。
特開2003−219810号公報 特開2004−41015号公報
氷温学会ニュース、No.55、2011年1月 氷温学会ニュース、同No.63、2012年12月 氷温学会ニュース、同No.65、2013年4月 氷温学会ニュース、同No.73、2015年4月
本発明は、収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の農畜水産物系生鮮食材を、0℃以下の未凍結温度帯(未凍結温度領域)の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すことにより、生鮮食材を、前記処理前と比べて、該食材中の抗酸化物質含量を増加させて該食材の高抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を向上又は高く保持させた高抗酸化性食材に変換してその流通を図ることを可能とする農畜水産物系生鮮食材の有する抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を増強させる方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、上記方法を利用して、収穫、漁獲、屠殺直後の生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すことによって、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を有する高抗酸化性食材を創製してその流通を図ることを可能とする新しい方法を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、得られた高抗酸化性食材を、スーパーやデパート、食品加工工場や外食産業などに供給する、あるいは海外市場に輸出するための、該食材の保管(貯蔵を含む)、輸送を含めた流通の基本技術やそのシステムを確立し、提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)農畜水産物系生鮮食材を流通させる際に、該生鮮食材固有の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を増加、向上させた高抗酸化性食材に変換してその抗酸化能を増強する方法であって、
収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけることにより、保管処理前と比べて、生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換することを特徴とする該生鮮食材の抗酸化能の増強方法。
(2)生鮮動物性食材に、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけるとともに、氷温条件下の微乾燥処理を同時的に施すことにより、保管処理前と比べて、生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換する、前記(1)に記載の抗酸化能の増強方法。
(3)生鮮植物性食材に、冷蔵条件による低温度負荷を施した後、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかける、前記(1)に記載の抗酸化能の増強方法。
(4)生鮮食材を、真空包装、窒素充填包装、又は酸素遮断包装を利用して包装した後、該食材に、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかける、前記(1)に記載の抗酸化能の増強方法。
(5)生鮮動物性食材又は同植物性食材が、牛肉、豚肉、鹿肉、家禽肉、ウナギ、生姜、コーヒー豆、大豆から選択されるいずれか1種である、前記(1)から(4)のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法。
(6)生鮮食材を、氷温庫(氷温コンテナを含む)内に静置して、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で2日〜2ヶ月間の短期又は長期に亘って保管処理することにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させる、前記(1)から(5)のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法。
(7)抗酸化物含量が、抗酸化物質のカルノシン含量、同ジンゲロール含量、同クロロゲン含量、又は同ポリフェノール含量である、前記(1)から(6)のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法。
(8)氷温条件下で、温度・湿度を制御する温度・湿度調節手段を併用して、生鮮食材に、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と微乾燥処理を同時的に施すことにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させる、前記(1)又は(2)に記載の抗酸化能の増強方法。
(9)収穫直後の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮植物性食材を、洗浄、予冷、加工、保管(貯蔵を含む)及び/又は輸送する過程において、該食材に5℃以下の冷蔵条件による低温度負荷(予冷処理)と氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかける、前記(1)又は(3)に記載の抗酸化能の増強方法。
(10)生鮮動物性食材又は同植物性食材を、氷温庫内に静置又は輸送用の氷温コンテナ内に積載して、該生鮮食材に、前記(1)から(9)のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法を適用して、氷温庫内又は輸送用の氷温コンテナ内において、前記生鮮食材を、該生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化ポテンシャルを有する高抗酸化性食材に変換して、該高抗酸化性食材の流通を図ることを特徴とする生鮮動物性食材又は同植物性食材の流通方法。
(11)生鮮動物性食材又は同植物性食材を、輸送用の氷温コンテナ内に積載して、該生鮮食材に、前記(1)から(9)のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法を適用して、輸送用の氷温コンテナ内において、前記生鮮食材を、該生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化ポテンシャルを有する高抗酸化性食材に変換する、前記(10)に記載の生鮮動物性食材又は同植物性食材の流通方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、農畜水産物系生鮮食材を流通させる際に、生鮮食材を、該食材の有する固有の抗酸化能、すなわち抗酸化ポテンシャルを向上又は高く保持させた高抗酸化性食材に変換してその流通を図ることを可能とする新しい方法に係るものである。本発明は、収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温度負荷、すなわち氷温負荷をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すこと、それにより、生鮮食材を、前記処理前と比べて、食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を保持させた高抗酸化性食材に変換すること、そして、得られた高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材の形態でその流通を図ることを、その基本構成とするものである。
本発明では、農畜水産物系生鮮食材、すなわち収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の生鮮動物性食材又は同植物性食材を対象としている。ここで云う生鮮動物性食材又は同植物性食材には、食品の加工及び調理用の生鮮動物性食材又は同植物性食材であればすべての食材がその対象として含まれる。
本発明において、生鮮動物性食材又は同植物性食材としては、典型的には、後記する実施例に示した、牛肉、豚肉、鹿肉、家禽肉などに代表される畜肉類や、ウナギなどに代表される魚肉類や、生姜、コーヒー豆、大豆などに代表される植物蔬菜類が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではなく、抗酸化物質を含有する生鮮動物性食材又は同植物性食材であれば同様に本発明の対象とすることができる。
本発明では、上記生鮮食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すことにより、生鮮食材を、前記処理前と比べて、食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて、該食材に高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換することができる。
この場合、収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の生鮮動物性食材又は同植物性食材は、生鮮食材に含まれる抗酸化物質による該食材の有する固有の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を有している。この抗酸化ポテンシャルは、生鮮食材の鮮度が低下して失われる過程で、該食材中の抗酸化物質が抗酸化反応などにより消費される状況になるにつれて低下する。
これに対して、本発明者らは、生鮮食材の抗酸化物質含量と氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)によるそれらの変化と挙動との関係について種々研究する中で、生鮮食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温度負荷(本発明では、これを「氷温負荷」と定義する。)をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すことにより、前記処理前と比べて、食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて、高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換することができること、すなわち、生鮮食材に、氷温負荷をかけること、あるいは、前記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と前述の予冷処理又は微乾燥処理を施すことにより、生鮮食材に含まれる抗酸化物質含量を増加、向上させることができることを見出した。
本発明において、生鮮食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に氷温条件による低温度負荷をかけることを「氷温負荷」と称することとする。本発明では、上記生鮮動物性食材又は同植物性食材に氷温負荷をかけることにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて、該生鮮食材の抗酸化ポテンシャルを増強、保持させた高抗酸化性食材を創製することが可能である。
この場合、生鮮食材に「氷温負荷」をかけることの作用機作について補足すると、生鮮食材に該「氷温負荷」をかけることにより、生鮮食材の組織細胞内で該食材のホメオスタシス(生体恒常性の維持)機能に関わる低分子抗酸化物質の産生が誘起され、該抗酸化物質含量が増加、向上するものと考えられる。実際に、日時を経て自己消化を生起したいわゆる熟成の進んだ食材では、該食材に「氷温負荷」をかけても、食材のホメオスタシス機能が低い、ないしは消失しているため抗酸化物質含量の増加、向上は見られない。このことから見ても、「氷温負荷」により生鮮食材中の抗酸化物質含量が増加、向上するという現象は、上記生鮮食材の場合に見られる固有の効果と云えるものである。
本発明では、食材の酸化を抑制するために、例えば、真空包装、窒素充填包装、又は酸素遮断包装などの包装手段を利用して食材を包装した後、該食材に氷温条件下で保管処理を施して該食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけることが好適な実施の態様として挙げられる。また、本発明では、食材を、氷温庫内に静置して、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で2日〜2ヶ月間の短期又は長期に亘って保管処理することにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させることが好適な実施の態様として挙げられる。
また、本発明では、生鮮動物性食材を氷温庫内に静置し、氷温条件下で所定の期間に亘って保管して、温度・湿度を制御する温度及び/又は湿度調節手段を併用して、該食材に、氷温負荷と氷温条件下の「微乾燥処理」を同時的に施すことにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させることが好適な実施の態様として挙げられる。ここで、「微乾燥処理」とは、乾燥率100%程度になるまで乾燥する完全に近い乾燥処理ではなく、乾燥率数%〜数10%程度になるまで乾燥処理する軽微な乾燥処理のことを意味する。本発明では、このような乾燥率100%程度になるまで乾燥する完全に近い乾燥処理ではなく、乾燥率数%〜数10%程度になるまで乾燥処理する軽微な乾燥処理のことを「微乾燥処理」と定義する。この場合、氷温負荷と氷温条件下の「微乾燥処理」を同時的に施すことで、生鮮動物性食材に、氷温負荷によるストレスと、微乾燥処理によるストレスをかけることにより、該生鮮動物性食材の組織を構成するタンパク質のペプチドへの分解・代謝速度が緩慢となり、該ペプチドのアミノ酸への自己消化の速度も緩和される過程で、ペプチド成分であるカルノシン成分の含量が増加、向上するものと考えられる。生鮮動物性食材に、氷温負荷によるストレスと、微乾燥処理によるストレスをかけることにより、少なくともカルノシン含量を増加、向上させる方法は、本発明の範囲に含まれる。
また、本発明では、生鮮植物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管して、該食材に、氷温負荷をかける際に、事前に、該食材に予冷処理を施すことにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させることが好適な実施の態様として挙げられる。この場合、予冷処理は、食材に所定の冷蔵条件(通常、5℃以下)による低温度負荷をかけることで行われるが、予冷処理の条件は、生鮮植物性食材の種類、状態などに応じて適宜の条件に調整することができる。この予冷処理により、生鮮植物性食材に、氷温条件による温度負荷(氷温負荷)による急激なストレスがかかって食材を構成する組織細胞や成分が崩壊ないし分解する速度を緩和することができ、それにより、食材中の抗酸化物質含量が増加、向上するものと考えられる。
ここで、対象となる抗酸化物質については、食材の種類によって、多種多様な抗酸化物質が存在し、その化学物質としての種類及び含量が相違する。一般に、生鮮動物性食材には抗酸化物質のカルノシン含量が高く、生鮮植物性食材の、例えば、生姜には抗酸化物質のジンゲロール含量が高く、コーヒー豆には抗酸化物質のクロロゲン酸含量が高く、大豆には抗酸化物質のポリフェノール含量が高いが、本発明では、これらの生鮮動物性又は植物性食材に対して、「氷温負荷」をかけることにより、これらの抗酸化物質の含量の変化及び挙動を指標として、生鮮食材を、該抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化性食材に変換することが可能である。
ここで、本発明で対象としている、生鮮動物性食材に含まれる抗酸化物質のカルノシン、生鮮植物性食材の生姜に含まれる抗酸化物質のジンゲロール、コーヒー豆に含まれる抗酸化物質のクロロゲン酸、大豆に含まれる抗酸化物質のポリフェノールは、それぞれ、これらの食材に含まれる代表的な抗酸化物質として知られているものであるが、これらは、その化学構造的には個別の化学構造を有しており、物質としては同じものではない。しかし、これらのうち、生鮮動物性食材に含まれる抗酸化物質のカルノシンは、該食材の組織を構成するタンパク質及びペプチドの分解・代謝で生じたアミノ酸が合成酵素によって生合成されるペプチド系化合物として、また、生鮮植物性食材に含まれる抗酸化物質は、フェノール系OH基を含む化合物として共通し、しかも、これらの生鮮食材中の抗酸化物質含量は、「氷温負荷」をかけるという特定の構成を採用することにより、その含有量が増加、向上するという共通ないし同等の作用効果を奏する点で軌を一にするものであり、本願発明は、単一発明を構成する共通の発明思想の範囲に包含されるものである。生鮮食材に「氷温負荷」をかけるという特定の構成を採用することにより、同様の変化及び挙動を示す同様の生鮮食材に含まれる同様の特性を有する抗酸化物質であれば、いずれも、本発明の範囲に含まれると云える。
また、本発明では、食材を、氷温庫内に静置して、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で2日〜2ヶ月間の短期又は長期に亘って保管処理することにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させることを好ましい実施の態様としている。ここで、本発明で使用する「氷温庫」とは、食材を、0℃以下の未凍結温度帯で保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけことができる機能を有し、かつ、その際に、食材に、氷温負荷と、予冷処理又は微乾燥処理を施すことができる機能を有する保管(貯蔵を含む)設備や冷蔵庫などを意味しており、本発明では、その種類や大きさなどを問わず利用することができる。本発明は、収穫、漁獲、又は屠殺直後の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を輸送する際に、該食材に「氷温負荷」をかけことができる機能を有し、かつ、その際に、食材に、氷温負荷と、予冷処理又は微乾燥処理を施すことができる機能を有する保管(貯蔵を含む)設備や冷蔵庫などを備えた「氷温コンテナ」を使用して、これらの食材の流通を図ることを好ましい実施の態様としている。
また、本発明では、生鮮動物性食材又は同植物性食材として、例えば、牛肉、豚肉、鹿肉、家禽肉、ウナギ、生姜、コーヒー豆、大豆から選択されるいずれか1種以上が例示されるが、これらの食材以外にも、氷温負荷により、同様の変化及び挙動を示す同様の特性を有する抗酸化物質を含む食材であれば、これらの食材と同様に使用することができる。また、本発明では、収穫、漁獲、又は屠殺直後の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、洗浄、予冷、加工、保管(貯蔵を含む)及び/又は輸送する過程において、例えば、生鮮植物性食材の場合には、該食材に、所定の冷蔵条件(通常、5℃以下)による低温度負荷を施してから、上記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけることを好ましい実施の態様としている。
また、本発明では、上記生鮮動物性食材又は同植物性食材の流通を、前記の生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて、生鮮食材を、抗酸化ポテンシャルを増加、向上させた高抗酸化性食材に変換して、該高抗酸化性食材の態様でその流通を図ることを実施の態様としている。本発明の実施例では、生鮮動物性食材又は同植物性食材として、これらの食材として典型的な牛肉、豚肉、鹿肉、家禽肉、ウナギ、生姜、コーヒー豆、大豆を取り上げたが、本発明は、これらの食材に限定されるものではなく、氷温負荷により、同様の変化及び挙動を示す同様の抗酸化性物質を含有する生鮮食材であれば、その作用機作の均等性、すなわち生鮮食材に対する氷温負荷と該食材中の抗酸化物質含量の変化と挙動の共通性に鑑みて、これらの生鮮食材と同様に使用することができる。
本発明では、生鮮食材中の抗酸化物質の含量については、食材中の抗酸化物質を抽出して、その含量を高速液体クロマトグラフィーで測定する。抗酸化物質の含量、すなわち抗酸化物質のカルノシン含量、同ジンゲロール含量、同クロロゲン酸含量、同ポリフェノール含量測定のための抽出方法及び高速液体クロマトグラフィーの条件は、後記する実施例において詳しく説明する。
本発明では、生鮮動物性食材又は同植物性食材を、氷温庫内に静置又は輸送用の氷温コンテナ内に積載して、該生鮮食材に、本発明の抗酸化能の増強方法を適用して、氷温庫内又は輸送用の氷温コンテナ内において、前記生鮮食材を、該生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化ポテンシャルを有する高抗酸化性食材に変換して、該高抗酸化性食材の流通を図ることが可能である。この場合、生鮮食材を輸送用の氷温コンテナに積載して輸送することにより、輸送の過程で食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化性ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換することができるので、輸送後には高抗酸化性ポテンシャルを保持した高抗酸化性食材を消費者に提供することが可能となる。また、本発明では、本発明の他の態様として、各生鮮食材の有する固有の抗酸化ポテンシャルを増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材を提供することが可能である。この高抗酸化性食材は、当初の生鮮食材と比べて、その抗酸化ポテンシャルを該食材に氷温負荷をかけることにより増加、向上させた新規食材に相当するものであり、本発明は、生鮮食材における抗酸化物質の産生を人為的に誘起させて、その抗酸化物質含量を、自然の生鮮食材と比べて、増加、向上させた新規高抗酸化性食材製品として、出発材料の生鮮動物性食材又は同植物性食材とは、「物」として、別異の製品と云えるものである。
本発明は、上記特定の技術的手段を採用することにより、以下のような格別の作用効果を奏するものである。
(1)生鮮動物性食材や同植物性食材の抗酸化物質含量を増加、向上させる該生鮮食材の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)の増強方法、及び該方法を収穫、漁獲、又は屠殺直後の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材や同植物性食材に適用して該食材の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化性食材を創製、提供することができる。
(2)抗酸化物質含量を増加、向上させてなる高抗酸化能(高抗酸化ポテンシャル)を有する高抗酸化性食材を提供することが可能になる。
(3)消費者に対して通常の生鮮食材よりも抗酸化物質を多量に含有する新しい生鮮食材を提供することができる。
(4)生鮮動物性食材を、氷温庫内に静置して、氷温負荷と併せて、乾燥率数%〜数10%になるまでのわずかな乾燥処理(氷温微乾燥処理)を施すことにより、該食材の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)をいっそう増加、向上させることができる。
(5)生鮮食材中の抗酸化物質が、該食材の貯蔵、輸送の過程で不可避的に生起する抗酸化反応に使われてしまうことがなく、高効率で抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を増加、向上させた高抗酸化性食材を創製し、提供することが可能となる。
(6)ポストハーベスト段階の生鮮動物性食材又は同植物性食材を、その輸送、流通の過程において、氷温負荷をかけることにより、その抗酸化ポテンシャルを増加、向上させた高抗酸化性食材の状態で、スーパーやデパート、食品加工工場や外食産業などに供給することができる。
(7)生鮮植物性食材の洗浄、予冷、保管(貯蔵を含む)、輸送などの工程において、該食材に、所定の冷凍条件による低温度負荷と上記氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけて、該食材を、高抗酸化性食材に変換して、その流通を図ることが可能となる。
生ウナギへの氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による生ウナギのカルノシン含量の変化を示す。 奈義牛への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による奈義牛のカルノシン含量の変化を示す。 ニュージーランド産牧草牛への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷によるニュージーランド産牧草牛のカルノシン含量の変化を示す。 メキシカンポークへの氷温負荷方法を示す。 氷温負荷によるメキシカンポークの抗酸化物質のカルノシン含量の変化を示す。 ニホンジカへの氷温負荷方法を示す。 氷温負荷によるニホンジカの抗酸化物質のカルノシン含量の変化を示す。 ショウガへの氷温負荷方法を示す。 氷温負荷によるショウガの抗酸化物質のジンゲロール含量の変化を示す。 コーヒー生豆への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷によるコーヒー豆の抗酸化物質のクロロゲン酸含量の変化を示す。 黒大豆への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による黒大豆の抗酸化物質のポリフェノール含量の変化を示す。 和牛への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による和牛の抗酸化物質のカルノシン含量の変化を示す。 三元豚への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による三元豚の抗酸化物質のカルノシン含量の変化を示す。 冷凍SPF豚への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による冷凍SPF豚の抗酸化物質のカルノシン含量の変化を示す。 和牛への氷温負荷方法を示す。 氷温負荷による和牛の抗酸化物質のカルノシン含量の変化を示す。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
本実施例では、生鮮動物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわちウナギ(生)食材中の抗酸化物質のカルノシン含量の変化を調べた。
1.供試材料
供試材料として、浜名湖産の養殖ウナギ(活魚)の内臓及び骨を除去し、得られたフィーレ食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
ウナギフィーレ食材を発泡スチロール製トレイ上に静置し、乾燥しないようにポリエチレン製フィルムで包み、ウナギフィーレ食材の中心温度が0℃以下になるように急速に冷却した後、氷温条件下(0℃〜−1℃)で、0〜48時間の保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図1)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った。カルノシン含量測定のための抽出方法(過塩素酸法)、及び高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下の通りである。
[抽出方法(過塩素酸法)]
供試材料の筋肉部より2gを精秤し、10%過塩素酸溶液を10mL加え、ホモジナイズ(10,000rpm、1min)した後、冷蔵庫内に30分間静置した。静置後、懸濁液をろ紙(ADVANTEC製、No.2)を用いてろ過した。ろ紙上の残渣を5%過塩素酸溶液10mLで洗浄しながらろ過し、ろ液をビーカーに回収した。次いで、洗浄操作を4回行った。
回収したろ液を水酸化カリウム水溶液を用いてpH6.8に調整した後、冷蔵庫内に一晩静置した。静置後、ろ紙(ADVANTEC製、No.2)を用いて100mL容メスフラスコにろ過した後、蒸留水を用いて100mLに定容した。なお、すべての操作を+4℃以下の低温下で行った。
[分析条件]
使用した高速液体クロマトグラフィーのシステム及び分析条件を、以下の表1に記す。
Figure 2017184629
4.分析結果
それにより、以下の表2及び図2に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち奈義牛(サーロイン)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、岡山県産の奈義牛のブロック肉(部位:サーロイン)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
シュリンクフィルムで真空包装したブロック肉食材を、+2〜+5℃環境下にて中心温度が+5℃以下になるように予冷処理を施した後、氷温庫内(−1℃近辺)に静置し、40日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図3)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表3及び図4に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわちニュージーランド産牧草牛(サーロイン)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、ニュージーランドよりチルド輸送によって輸入された牧草牛のブロック肉(部位:サーロイン)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
ニュージーランド国内で屠畜・解体後、真空包装したブロック肉食材を、チルド輸送(0℃〜+2℃)により中心温度を+2℃付近まで予冷しながら日本国内に輸入した後、氷温庫内(0℃〜−2℃)に静置し、0〜60日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図5)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表4及び図6に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわちメキシカンポーク(ロース)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、メキシカンポークのブロック肉(部位:ロース)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
メキシコ国内で屠畜・解体後、真空包装したブロック肉食材を、氷温温度帯に設定したコンテナ(0℃〜−2℃)によって流通中に、20〜30日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図7)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表5及び図8に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわちシカ肉(モモ)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、鳥取県産の鹿のブロック肉(部位:モモ)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
国内で捕獲された鹿を、屠畜・解体後、ONYフィルムで真空包装したブロック肉食材を冷蔵庫内(+2℃〜+5℃)にて直ちに予冷した後、氷温庫内(0℃〜−2℃)に静置し、0〜40日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図9)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表6及び図10に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮植物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち生姜食材の抗酸化物質のジンゲロール含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、高知県産の生姜食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
収穫後、洗浄した生姜食材を予冷庫内(0℃〜+4℃)にて中心温度が+4℃以下になるまで予冷した後、PPフィルムにて個包装し、氷温庫内(0℃〜−2℃)に静置し、0〜7日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図11)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のジンゲロール含量の測定を行った。ジンゲロール含量測定のための抽出方法及び高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
[抽出方法]
すりおろした根茎片5gを精秤し、メタノール25mLを加え、振盪しながら抽出した(40℃、1hr)。その後、遠心分離(3,000rpm、10min)した後、ろ紙(ADVANTEC製、No.2)を用いてろ過し、50mLに定容した。
[分析条件]
使用した高速液体クロマトグラフィーのシステム及び分析条件を以下の表7に示す。
Figure 2017184629
4.分析結果
それにより、以下の表8及び図12に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮植物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわちコーヒー生豆(ブルーマウンテン)食材の抗酸化物質のクロロゲン酸含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、焙煎前のコーヒー生豆(ブルーマウンテン)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
PPフィルムに窒素充填包装し、個包装したコーヒー生豆食材を2〜5日間かけて段階的に冷却した後(常温→+10℃→+4℃→+1℃→−1℃)、氷温庫内(0℃〜−2℃)に静置し、0〜60日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図13)。
3.分析方法
熱水にて抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のクロロゲン酸含量の測定を行った。クロロゲン酸含量測定のための抽出方法及び高速液体クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
[抽出方法]
粉砕したコーヒー生豆1gを精秤し、熱した蒸留水50mLを加えた後、100℃で5分間静置抽出した。その後、マイクロフィルター(ポアサイズ0.45μm)によってろ過し、分析試料とした。
[分析条件]
使用した高速液体クロマトグラフィーのシステム及び分析条件を以下の表9に示す。
Figure 2017184629
4.分析結果
それにより、以下の表10及び図14に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮植物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち黒大豆食材の抗酸化物質のポリフェノール含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、兵庫県産の黒大豆食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
収穫した黒大豆食材を紙袋にて包装し、吸湿しないように冷蔵庫内(+2℃〜+5℃、60〜70%RH)にて予冷した後、氷温庫(0℃〜−2℃)に静置し、0〜60日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図15)。
3.分析方法
熱エタノールで抽出した分析用試料について、フォーリン・デニス法を用い抗酸化物質のポリフェノール含量の測定を行った。ポリフェノール含量測定のための抽出方法及び比色定量方法を以下に示す。
[抽出方法]
粉砕した黒大豆にアセトンを加え撹拌した後、ろ紙(No.2)によってろ過した。ろ紙上の残渣を回収し、再びアセトンを加えた後、一晩撹拌し脱脂処理を施した。その後、ろ過し、ろ紙上の残渣を回収し、脱脂試料とした。
得られた脱脂試料10gを精秤し、80%エタノールを40ml加え、85湯浴中にて還流抽出を20分間行った。20分後、ろ紙(No.2)によってろ過し、残渣に熱した80%エタノールを40ml加え、再び還流抽出を20分間行った。得られたろ液をあわせ、100mlに定容し、抽出液を得た。
[定量方法]
上記方法にて得られた抽出液を凍結乾燥した後、一定量の蒸留水で溶解し、これを測定試料として、以下のフォーリン・デニス法に供した。すなわち、試験管に測定試料を1ml入れ、1Nフェノール試薬を1ml加えた後混合し、3分後に10%炭酸ナトリウム1mlを加えて混合し、1時間静置した後、530nmの吸光度を測定した。
4.分析結果
それにより、以下の表11及び図16に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち牛肉(褐色和種、リブロース)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、熊本県産の褐色和種のブロック肉(部位:リブロース)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
シュリンクフィルムで真空包装したブロック肉食材を、予冷庫内(+2℃〜+5℃)にて中心温度が+5℃以下になるように予冷処理を施した後、氷温庫内(0℃〜−2℃)に静置し、0〜60日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図17)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表12及び図18に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち豚肉(ロース)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、豚肉(部位:ロース)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
屠畜・解体した三元豚を冷蔵庫(+4〜+10℃)を用いて予冷しながら搬入し、氷温庫内(0℃〜−2℃)にて吊るした状態で0〜14日間の氷温条件による保管処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図19)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表13及び図20に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理(氷温解凍処理)して、該食材に「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち豚肉(モモ、スライス肉)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、スライス加工した豚肉(部位:モモ)食材の凍結物(1kg)を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
スライス加工後、PEフィルムにて真空包装し、凍結庫(−20℃)にて冷凍保存した豚肉食材を氷温庫内(0℃〜−2℃)で解凍処理を0〜2日間施して、該食材に氷温負荷をかけた(図21)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表14及び図22に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
本実施例では、生鮮動物性食材を、氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理(氷温微乾燥処理を併用)して「氷温負荷」をかけることにより、食材中の抗酸化物質含量、すなわち牛肉(モモ)食材の抗酸化物質のカルノシン含量を調べた。
1.供試材料
供試材料として、牛肉(部位:モモ)食材を調査に用いた。
2.氷温負荷方法
牛肉ブロック肉食材を脱水シートで包み、氷温庫内(0℃〜−2℃)に静置し、0〜10日間かけて乾燥率5〜30%になるまで、氷温微乾燥処理を施して、該食材に氷温負荷をかけた(図23)。
3.分析方法
過塩素酸法によって抽出した分析用試料について、高速液体クロマトグラフィーを用いて抗酸化物質のカルノシン含量の測定を行った(抽出方法及び分析条件については、実施例1で使用した方法と同様の方法を用いた)。
4.分析結果
それにより、以下の表15及び図24に示す分析結果が得られた。
Figure 2017184629
以上詳述した通り、本発明は、生鮮食材を、該生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換してその流通を図ることを特徴とするものであり、本発明によれば、生鮮動物性食材や同植物性食材の抗酸化物質含量を向上させた高抗酸化性食材を創製し、提供することが可能となる、高抗酸化ポテンシャルを向上させてなる高抗酸化性食材を提供することができる、消費者に対して抗酸化物質を多量に含有する高抗酸化性食材を創製し、提供することができる、生鮮動物性食材に、氷温条件下で、氷温負荷とわずかな乾燥処理(氷温微乾燥処理)を施すことにより、該生鮮食材の抗酸化能をいっそう増加、向上させることができる、生鮮食材中の抗酸化物質が、抗酸化反応に使われて消費されることなく、自然の生鮮食材に比べて、抗酸化ポテンシャルを増加、向上させて、高抗酸化ポテンシャルを保持した高抗酸化性食材を提供することが可能となる、生鮮食材を、「氷温コンテナ」で輸送する過程において、その抗酸化ポテンシャルを増加、向上させた高抗酸化ポテンシャルを有する高抗酸化性食材に変換し、提供することができる、という格別の作用効果を得ることができる。

Claims (11)

  1. 農畜水産物系生鮮食材を流通させる際に、該生鮮食材固有の抗酸化能(抗酸化ポテンシャル)を増加、向上させた高抗酸化性食材に変換してその抗酸化能を増強する方法であって、
    収穫、漁獲、又は屠殺直後のポストハーベスト段階の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮動物性食材又は同植物性食材を、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけることにより、保管処理前と比べて、生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換することを特徴とする該生鮮食材の抗酸化能の増強方法。
  2. 生鮮動物性食材に、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で所定の期間に亘って保管処理して、該生鮮食材に氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかけるとともに、氷温条件下の微乾燥処理を同時的に施すことにより、保管処理前と比べて、生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させて高抗酸化ポテンシャルを保持させた高抗酸化性食材に変換する、請求項1に記載の抗酸化能の増強方法。
  3. 生鮮植物性食材に、冷蔵条件による低温度負荷を施した後、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかける、請求項1に記載の抗酸化能の増強方法。
  4. 生鮮食材を、真空包装、窒素充填包装、又は酸素遮断包装を利用して包装した後、該食材に、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかける、請求項1に記載の抗酸化能の増強方法。
  5. 生鮮動物性食材又は同植物性食材が、牛肉、豚肉、鹿肉、家禽肉、ウナギ、生姜、コーヒー豆、大豆から選択されるいずれか1種である、請求項1から4のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法。
  6. 生鮮食材を、氷温庫(氷温コンテナを含む)内に静置して、0℃以下の未凍結温度帯の氷温条件下で2日〜2ヶ月間の短期又は長期に亘って保管処理することにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させる、請求項1から5のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法。
  7. 抗酸化物含量が、抗酸化物質のカルノシン含量、同ジンゲロール含量、同クロロゲン含量、又は同ポリフェノール含量である、請求項1から6のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法。
  8. 氷温条件下で、温度・湿度を制御する温度・湿度調節手段を併用して、生鮮食材に、氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)と微乾燥処理を同時的に施すことにより、該食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させる、請求項1又は2に記載の抗酸化能の増強方法。
  9. 収穫直後の抗酸化ポテンシャルを有する生鮮植物性食材を、洗浄、予冷、加工、保管(貯蔵を含む)及び/又は輸送する過程において、該食材に5℃以下の冷蔵条件による低温度負荷(予冷処理)と氷温条件による低温度負荷(氷温負荷)をかける、請求項1又は3に記載の抗酸化能の増強方法。
  10. 生鮮動物性食材又は同植物性食材を、氷温庫内に静置又は輸送用の氷温コンテナ内に積載して、該生鮮食材に、請求項1から9のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法を適用して、氷温庫内又は輸送用の氷温コンテナ内において、前記生鮮食材を、該生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化ポテンシャルを有する高抗酸化性食材に変換して、該高抗酸化性食材の流通を図ることを特徴とする生鮮動物性食材又は同植物性食材の流通方法。
  11. 生鮮動物性食材又は同植物性食材を、輸送用の氷温コンテナ内に積載して、該生鮮食材に、請求項1から9のいずれかに記載の抗酸化能の増強方法を適用して、輸送用の氷温コンテナ内において、前記生鮮食材を、該生鮮食材中の抗酸化物質含量を増加、向上させた高抗酸化ポテンシャルを有する高抗酸化性食材に変換する、請求項10に記載の生鮮動物性食材又は同植物性食材の流通方法。
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